JP6446015B2 - アルミニウム合金クラッド材および該クラッド材を成形したチューブを組み付けた熱交換器 - Google Patents
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、外面(大気側)の耐食性が向上することを見出した。とくに3層構造においては、心材が内皮材に対して犠牲陽極効果を発揮するため、内皮材に対して犠牲陽極材と心材が犠牲陽極層となり、結果として犠牲陽極層の厚さが増大することとなり、より長期にわたり貫通孔の発生を抑制することが可能となる。
(犠牲陽極材)
Zn:
犠牲陽極材中のZnは電位を貴にするよう機能し、心材、内皮材との電位のバランス調整のために含有させる。Znの好ましい含有量は0.5〜6.0%の範囲であり、0.5%未満ではその効果が十分でなく、6.0%を超えると、自己腐食速度が増大して耐食寿命が低下する。Znのさらに好ましい含有量範囲は1.0〜5.0%である。
Cuは犠牲陽極材の腐食速度を抑制するよう機能する。Cuの好ましい含有量は0.03〜0.3%の範囲であり、0.03%未満では十分な腐食速度抑制効果が得られず、0.3%を超えると、電位が貴になるため犠牲陽極効果が得難くなる。Cuのさらに好ましい含有範囲は0.03〜0.2%である。
Siは強度を向上させるよう機能する。Siの好ましい含有量は1.5%以下の範囲であり、1.5%を超えると自己腐食速度が増大する。Siのさらに好ましい含有範囲は0.
5%以下である。
Feは強度を向上させるよう機能する。Feの好ましい含有量は0.7%以下の範囲であり、0.7%を超えると自己腐食速度が増大する。
Mnは強度を向上させるよう機能する。Mnの好ましい含有量は1.5%以下の範囲であり、1.5%を超えると自己腐食速度が増大する。Mnのさらに好ましい含有範囲は0.5%以下である。なお、犠牲陽極材には、それぞれ0.3%以下のIn、Sn、Ti、V、Cr、ZrおよびBが含有されていても本発明の効果が損なわれることはない。
Mn:
Mnは強度を向上させるよう機能する。Mnの好ましい含有量は0.6〜2.0%の範囲であり、0.6%未満ではその効果が十分でなく、2.0%を超えると圧延が困難となる。Mnのさらに好ましい含有範囲は1.0〜2.0%である。
Cuは心材の電位を貴にするよう機能し、犠牲陽極材、内皮材との電位のバランス調整の
ために含有させる。心材中のCu含有量が犠牲陽極材のCu含有量未満になると、犠牲陽極材との電位差が確保できなくなるため、心材中のCu含有量は犠牲陽極材のCu含有量以上とするのが好ましい。また、心材中のCuはろう付け加熱時に犠牲陽極材中に拡散し、犠牲陽極材との電位差を小さくするので、心材のCu含有量は1.5%以下とするのが好ましい。3層構造のクラッド材においては、心材中のCu含有量が内皮材中のCu含有量以上となると、内皮材との電位差が確保できなくなるため、3層構造のクラッド材における心材中のCu含有量は内皮材中のCu含有量未満とするのが好ましい。Cuのさらに好ましい含有範囲は0.6%以下である。
Siは強度を向上させるよう機能する。Siの好ましい含有量は1.5%以下の範囲であり、1.5%を超えると融点が低下して、ろう付け時に溶融し易くなる。Siのさらに好ましい含有範囲は0.8%以下である。
Feは強度を向上させるよう機能する。Feの好ましい含有量は0.7%以下の範囲であり、0.7%を超えると自己腐食速度が増大する。
Tiは、心材の板厚方向に濃度の高い領域と低い領域とに分かれ、それらが交互に分布する層状となり、Ti濃度の低い領域が高い領域に比べ優先的に腐食する結果、腐食形態を層状にする効果を有し、それにより板厚方向への腐食の進行を妨げて耐食性を向上させる。Tiの好ましい含有量は0.01〜0.3%の範囲であり、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.3%を超えると、巨大な晶出物が生成して成形性が害される。なお、心材には、それぞれ0.3%以下のV、Cr、ZrおよびBが含有されていても本発明の効果が損なわれることはない。
Mn:
Mnは強度を向上させるよう機能する。Mnの好ましい含有量は0.6〜2.0%の範囲であり、0.6%未満ではその効果が十分でなく、2.0%を超えると圧延が困難となる。Mnのさらに好ましい含有範囲は1.0〜2.0%である。
Siは強度を向上させるよう機能する。Siの好ましい含有量は1.5%以下の範囲であり、1.5%を超えると融点が低下して、ろう付け時に溶融し易くなる。
Feは強度を向上させるよう機能する。Feの好ましい含有量は0.7%以下の範囲であり、0.7%を超えると自己腐食速度が増大する。
Cuは内皮材の電位を貴にするよう機能し、心材との電位のバランス調整のために含有させる。Cuの好ましい含有量は0.2〜1.5%の範囲であり、(心材のCu含有量%)≦(内皮材のCu含有量%)となる範囲で、1.5%を超えると融点が低下して、ろう付け時に溶融し易くなる。内皮材のCu含有量が心材のCu含有量より少ない場合は、心材が内皮材に対して犠牲陽極材として作用しなくなるため、耐食寿命が低下する。内皮材のCuのさらに好ましい含有範囲は0.8%以下である。
Tiは、内皮材の板厚方向に濃度の高い領域と低い領域とに分かれ、それらが交互に分布する層状となり、Ti濃度の低い領域が高い領域に比べ優先的に腐食する結果、腐食形態を層状にする効果を有し、それにより板厚方向への腐食の進行を妨げて耐食性を向上させる。Tiの好ましい含有量は0.01〜0.3%の範囲であり、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.3%を超えると、巨大な晶出物が生成して成形性が害される。なお、内皮材には、それぞれ0.3%以下のV、Cr、ZrおよびBが含有されていても本発明の効果が損なわれることはない。
例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれらに限定されない。
半連続鋳造により表1に示す組成を有する犠牲陽極材用合金(S1〜S11)、表2に示す組成を有する心材用合金および内皮材用合金(C1〜C20)を造塊し、得られた鋳塊のうち、犠牲陽極材用合金鋳塊については500℃で8時間の均質化処理を行った後、開始温度500℃で熱間圧延して所定厚さとし、心材および内皮材用合金鋳塊については500℃で8時間の均質化処理を行った後、心材用合金鋳塊は面削し、内皮材用合金鋳塊は開始温度500℃で熱間圧延して所定厚さとした。
半連続鋳造により表1に示す組成を有する犠牲陽極材用合金(S12〜S18)、表2に示す組成を有する心材用合金および内皮材用合金(C21〜C26)を造塊し、さらに、実施例1で造塊された犠牲陽極材用合金(S1)、心材用合金および内皮材用合金(C1、C11)を用い、これらの鋳塊のうち、犠牲陽極材用合金鋳塊については500℃で8時間の均質化処理を行った後、開始温度500℃で熱間圧延して所定厚さとし、心材および内皮材用合金鋳塊については500℃で8時間の均質化処理を行った後、心材用合金鋳塊は面削し、内皮材用合金鋳塊は開始温度500℃で熱間圧延して所定厚さとした。なお、表1〜2において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
(電位測定)
試験材の電位は、酢酸を用いてpH3に調整した5%NaCl水溶液中で室温にて測定した。犠牲陽極材の電位は、犠牲陽極材側表面以外をマスキングして測定し、内皮材の電位は内皮材側表面以外をマスキングして測定した。また、心材の電位は、犠牲陽極材面側より心材厚さ中央まで試験材を研削し、研削面以外をマスキングして測定した。
試験材をJIS−5号試験片に成形し、JIS Z2241に準拠して引張試験を行い、3003合金のO材相当強度(95MPa)以上の引張強さを有するものを合格とした。
マスキングにより犠牲陽極材面を露出させた試験片について、SWAAT試験(ASTM
G85)を行って耐食性を評価し、1000時間経過時点で貫通孔が生じなかったものを合格(○)とし、とくに1500時間経過時点でも貫通孔が生じなかったものを優良(◎)と評価し、1000時間未満で貫通孔を生じたものを不合格(×)と評価した。
2 アルミニウム合金クラッド材
3 インナーフィン
4 継ぎ目
5 ペーストろう
Claims (5)
- 心材の一方の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材であって、心材が、Mn:0.6〜2.0%(質量%、以下同じ)、Cu:0.03〜1.0%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるAl−Mn−Cu合金であり、犠牲陽極材が、Zn:2.0〜6.0%、Cu:0.03〜0.3%を含有し、残部アルミニウムおよび不可避的不純物からなるAl−Zn−Cu合金であり、心材および犠牲陽極材のCu含有量が(犠牲陽極材のCu含有量%)≦(心材のCu含有量%)の関係にあり、該犠牲陽極材が大気側に成形されるチューブ材用のアルミニウム合金クラッド材(1.0≦(犠牲陽極材に含有されるZnの%)−(1/3)・(犠牲陽極材に含有されるMnの%)+(心材に含有されるCuの%)+(1/3)・(心材に含有されるMnの%)≦2.4を満たすものを除く。)。
- 前記心材が、さらにSi:1.5%以下、Fe:0.7%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材が、さらにTi:0.01〜0.3%を含有することを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム合金クラッド材。
- 前記犠牲陽極材が、さらにSi:1.5%以下、Fe:0.7%以下、Mn:1.5%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金クラッド材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金クラッド材の成形体であり、心材が冷媒通路側、犠牲陽極材が大気側になるように成形されたチューブ材と、アルミニウムフィンとの組み付け体のろう付け体からなることを特徴とする熱交換器。
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