JP6445840B2 - プレセプシン測定による血球貪食症候群の検出 - Google Patents
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Description
しかし、高フェリチン血症や高乳酸脱水素酵素血症を呈さない症例が存在するとの報告もある(非特許文献2及び3)。
そのため、HPSの診断に際しては、血球数、乳酸脱水素酵素値、LDH値等の検査値の他に、臨床症状の確認と、骨髄、脾臓又はリンパ節等の病理組織における血球貪食像の確認とを行う必要がある。
また、sCD14−STについては、白血球等が外来微生物等を貪食し消化する過程で産生されることが報告されている。さらに、関節炎等のような局所における炎症や感染に伴う貪食が生じている疾患においては、関節液等の局所検体中のsCD14−ST濃度が上昇することが報告されている。そのため、例えば、関節液中のsCD14−ST濃度を測定することにより、関節リウマチ等の疾患を検出することが可能であることが報告されている(特許文献2)。
一方、sCD14−STは、白血球等から産生されると推測されているため、化学療法等で白血球が減少している患者では菌感染があってもsCD14−ST濃度が高値を示さないことがあると報告されている(非特許文献4)。
<1> 被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する、血球貪食症候群の検出方法。
<2> 以下の工程を含む、<1>に記載の検出方法;被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して測定値を得る工程、及び、前記sCD14−ST濃度の測定値を基準値と比較する工程。
<3> さらに以下の工程を含む<2>に記載の検出方法;前記測定値が前記基準値よりも高値である場合に、血球貪食症候群が検出されたと判定する工程。
<4> さらに以下の工程を含む<2>又は<3>に記載の検出方法;被検者由来の血液検体中のC反応性蛋白濃度を測定して測定値を得る工程、前記C反応性蛋白濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、前記測定値が前記基準値よりも低値であるか否かを判定する工程。
<5> さらに以下の工程を含む<2>から<4>のいずれか1つに記載の検出工程;被検者由来の血液検体中のフェリチン濃度を測定して測定値を得る工程、前記フェリチン濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、前記測定値が前記基準値よりも高値であるか否かを判定する工程。
<6> さらに以下の工程を含む<2>から<5>のいずれか1つに記載の検出工程;被検者由来の血液検体中の乳酸脱水素酵素濃度を測定して測定値を得る工程、前記乳酸脱水素酵素濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、前記測定値が前記基準値よりも高値であるか否かを判定する工程。
<7> 前記被検者が、同種造血幹細胞移植を受けた患者である<1>から<6>のいずれか1つに記載の検出方法。
<8> 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を、免疫学的測定法により測定する<1>から<7>のいずれか1つに記載の検出方法。
<9> 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体を用いて測定する<1>から<8>のいずれか1つに記載の検出方法。
<10> 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して血球貪食症候群を検出するためのキットであって、前記血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する手段を含むことを特徴とするキット。
<11> 血球貪食症候群患者の治療方法であって、血球貪食症候群患者に血球貪食症候群治療剤を投与することを含み、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である血球貪食症候群患者の治療方法。
<12> 血球貪食症候群患者の治療剤の製造における、血球貪食症候群治療剤を有効成分として含有する組成物の使用であって、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である、前記使用。
<13> 血球貪食症候群患者検出用キットの製造における、抗sCD14−ST抗体の使用であって、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である、前記使用。
<14> 前記キットが免疫学的測定法キットである、<13>に記載の血球貪食症候群検出用キットの製造における、抗sCD14−ST抗体の使用。
<15> 前記抗sCD14−ST抗体は、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体である、<13>又は<14>に記載の血球貪食症候群検出用キットの製造における、抗sCD14−ST抗体の使用。
<血球貪食症候群の検出方法>
本発明の血球貪食症候群の検出方法は、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定することによる検出方法である。
また、本発明における検出方法は、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して測定値を得る工程、及び、前記sCD14−ST濃度の測定値を基準値と比較する工程を含んでいてもよい。また、本発明における検出方法は、さらにその他の工程を含んでいてもよい。
本発明における検出方法によれば、血液検体中のsCD14−ST濃度を指標とすることにより、HPSへの罹患を簡便に検出することができる。また、簡便にHPSを検出することにより、医師は早い段階で適切な治療の選択が可能となる。また、本発明の検出方法は、医師がHPSと最終診断する前にHPSを補足できる可能性がある。つまり、本発明の検出方法は、医師が、骨髄、脾臓又はリンパ節等の病理組織における血球貪食像を確認し、患者をHPSであると最終診断する前の補助方法として用いることができる。なお、本発明の検出方法は、in vitroで行うことができる。
なお、本発明においては、必要に応じて、被検者は患者と読み替えることができ、患者は被検者と読み替えることもできる。
また、本発明の検出方法において、被検者は血球貪食症候群の罹患が疑われる患者であってもよい。具体的には、7日以上高熱が持続し、ピークが38.5℃以上である患者等が挙げられる。
例えば、被検者としては、被検者の白血球数が4000(4000個/mm3)/μL〜8000(8000個/mm3)/μLの被検者であってもよいし、4000/μL(4000個/mm3)より低値の被検者であってもよく、3000/μL(3000個/mm3)より低値の被検者であってもよく、1000/μL(1000個/mm3)より低値の被検者であってもよい。
本発明は、被検者の白血球数が正常値に比べて低値を示す場合にも、その効果を奏しうるため、被検者の白血球数は4000/μL(4000個/mm3)より低値であっても測定できる。なお、健常人における白血球数は、4000/μL〜8000/μLである。
白血球数の測定は、血球計算器を用いて行うことができる。測定頻度は特に制限されるものではなく、適宜設定することができる。
血液検体は採血後、EDTA、ヘパリン、クエン酸等の抗凝固剤を加えた検体でもよい。
sCD14−ST濃度測定の際に、血液検体の代わりに被検者の体液由来の検体を用いる場合には、本発明の検出方法で説明する事項を、被検者由来の血液検体を、被検者の体液由来の検体に読み替えて、そのまま適用することができる。また、sCD14−ST濃度測定の際に、被検者の体液由来の検体を用いる場合にも、血液検体を用いる場合と同様に、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、血液検体を用いる検出方法において説明した事項をそのまま適用することができる。
被検者由来の血液検体及び被検者の体液由来の検体の採取方法は常法に従えばよい。
また、sCD14−STは全長CD14と比べると、C端側が大きく欠失したアミノ酸配列を有しており、両者は立体構造の点で異なるため、異なる免疫原性を示す。そのため、結合する抗体により両者を区別することが可能であり、sCD14−STは配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体に特異的に結合する、という性質を有する。さらに、sCD14−STは、配列番号3に記載のヒト全長可溶型CD14蛋白質のアミノ酸配列の17番目〜26番目からなるペプチドに結合する抗体に特異的に結合すること、3C10抗体に結合しないこと、MEM−18抗体に結合しないこと、LPS結合能を有さないこと、ヒト血液から得られうること、という特徴のうち任意の一つ以上を付け加えることができる。sCD14−STはアミノ酸配列としては、N末端配列に配列番号1のアミノ酸配列を有する、という特徴を有し、より詳細には、N末端が配列番号3に記載のアミノ酸配列の1位であり、C末端が配列番号3に記載のアミノ酸配列の59〜90位のいずれかである、という特徴により特定することができる。sCD14−STは詳細には国際公開第2005/108429号に開示されている。本明細書中においてsCD14−STは、特に断りのない限りヒトsCD14−STを意味する。
ここで、配列番号1に記載のアミノ酸配列は、配列番号3に記載のヒト全長可溶型CD14蛋白質のN末端のアミノ酸配列と一致する。また、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは、配列番号3に記載のヒト全長可溶型CD14蛋白質のアミノ酸配列の53位から68位までの16アミノ酸残基に該当する。
また、血液検体中のsCD14−ST濃度は、パスファースト(PATHFAST(登録商標)、LSIメディエンス社)によって測定することも可能である。
また、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体(S68抗体)と、配列番号3に記載のアミノ酸配列の17位〜26位からなるペプチドに結合する抗体又は該抗体と競合する抗体(F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体)との組み合わせによるサンドイッチ免疫測定系が好適である。これらの抗体は、好ましくは、ラット(由来)抗体、マウス(由来)抗体、又はウサギ(由来)抗体のいずれかである。
特に、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体は、sCD14−ST特異抗体であり、単独でsCD14−STの検出が可能である。配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体は、sCD14−STに対し解離定数(Kd)として10−9M未満の親和性を示す。配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体は、ラット(由来)抗体、マウス(由来)抗体、又はウサギ(由来)抗体のいずれかであることが好ましいが、より好ましくはウサギ抗体又はウサギ由来抗体であることが挙げられる。
基準値は、偽陽性と偽陰性とのバランスがとれるようにスクリーニング効率がよい値に設定してもよいし、HPS罹患患者の出現頻度が急激に上昇し始める値に設定してもよいし、病理学的・生理学的に理論づけられた値に設定してもよいし、統計的に定められた値に設定してもよい。
より詳細には、基準値は、例えば、医学的に健康な人の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値の平均値及び標準偏差(SD)を求め、平均値+0.5SD〜+5SDの範囲内、具体的には、平均値+SD、平均値+2SD、平均値+3SDなどに設定してもよいし、前記平均値の5〜95、10〜90、15〜85又は25〜75パーセンタイル値に設定してもよい。基準値は、前記平均値+2SD又は平均値+3SDに設定することが好ましい。具体的な数値としては、400pg/mL〜600pg/mLが挙げられ、500pg/mL〜600pg/mLが好ましく、より好ましくは600pg/mLであるが、これらに限定されるものではない。
また、検体として、冷凍保存等された保存検体を用いる場合の基準値としては、例えば、400pg/mL〜2000pg/mLが挙げられ、500pg/mL〜1500pg/mLが好ましく、より好ましくは600pg/mL〜1400pg/mL等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明における検出方法によって、HPSが検出されたと判定された患者には、基礎疾患に応じた治療以外で発熱等を抑制するために投与される、不必要な抗生剤、抗真菌剤、抗がん剤等の投与を中止することができる。
sCD14−ST濃度にC反応性蛋白濃度を組合せることにより、HPSへの罹患を簡便且つ感度よく検出することができる。また、これにより、他の疾患からのHPSの識別性を高めることができ、HPSの検出といった、HPS診断の補助方法として、より信頼性を高めることができる。
CRP濃度の測定は特に限定されるものではないが、例えば、被検者血清を用いて、ラテックス凝集比濁法等により定量的に測定し、測定値を得ることができる。
なお、健常人におけるCRP濃度は0.3mg/dlであり、重症敗血症等の重体な疾患の発症の可能性が危惧される場合のCRP濃度は15.0mg/dl〜20.0mg/dlである。
本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、CRP濃度の測定値がCRP濃度の基準値よりも低値であれば、血球貪食症候群が検出されたと判定することができる。あるいは、本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、CRP濃度の測定値がCRP濃度の基準値よりも低値であることが、被検者が血球貪食症候群である、又はその疑いがあることを示すのでもよい。また、この場合には、敗血症、呼吸器感染症、炎症性腸炎疾患及び発熱性好中球減少症ではなく、血球貪食症候群が検出されたと判定することもできる。
sCD14−ST濃度にフェリチン濃度を組合せることにより、HPSへの罹患を簡便且つ感度よく検出することができる。また、これにより、他の疾患からのHPSの識別性を高めることができ、HPSの検出といった、HPS診断の補助方法として、より信頼性を高めることができる。
また、例えば被検者由来の血液検体中のCRP濃度が高い場合であっても、sCD14−ST濃度にフェリチン濃度を組合せることにより、HPSへの罹患を補足することができる。
なお、健常人における血清フェリチン濃度は男性で18.6ng/ml〜261ng/mlであり、女性で4.0ng/ml〜64.2ng/mlである。
本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、フェリチン濃度の測定値がフェリチン濃度の基準値よりも高値であれば、血球貪食症候群が検出されたと判定することができる。あるいは、本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、フェリチン濃度の測定値がフェリチン濃度の基準値よりも高値であることが、被検者が血球貪食症候群である、又はその疑いがあることを示すのでもよい。
sCD14−ST濃度に乳酸脱水素酵素濃度を組合せることにより、HPSへの罹患を簡便且つ感度よく検出することができる。また、これにより、他の疾患からのHPSの識別性を高めることができ、HPSの検出といった、HPS診断の補助方法として、より信頼性を高めることができる。
また、例えば被検者由来の血液検体中のCRP濃度が高い場合であっても、sCD14−ST濃度に乳酸脱水素酵素濃度を組合せることにより、HPSへの罹患を補足することができる。
なお、健常人における血清LDH濃度は120IU/L〜240IU/Lである。
本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、LDH濃度の測定値がLDH濃度の基準値よりも高値であれば、血球貪食症候群が検出されたと判定することができる。あるいは、本発明における検出方法では、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度の測定値がsCD14−ST濃度の基準値よりも高値であり、且つ、LDH濃度の測定値がLDH濃度の基準値よりも高値であることが、被検者が血球貪食症候群である、又はその疑いがあることを示すのでもよい。
例えば、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度とCRP濃度との組合せ、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度とフェリチン濃度との組合せ、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度とLDH濃度との組合せ、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度と、CRP濃度と、フェリチン濃度又はLDH濃度との組合せ、被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度とCRP濃度とフェリチン濃度とLDH濃度との組合せ等が好ましい。
本発明の血球貪食症候群を検出するための検出キットは、血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する手段を含む。
本発明における検出キットによれば、血液検体中のsCD14−ST濃度を指標とすることで、血球貪食症候群への罹患を簡便に検出することができる。また、簡便に血球貪食症候群を検出することにより、医師はより適切な治療の選択が可能となる。また、本発明の検出方法を用いることで、医師が血球貪食症候群と最終診断する前に血球貪食症候群を補足できる可能性がある。
より好ましくは、本発明における検出キットは、S68抗体とF1106−13−3抗体との組合せによるサンドイッチ免疫測定法により、血液検体中のsCD14−ST濃度を測定することができる。
本発明における検出キットには、血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する手段として、例えば、S68抗体、F1106−13−3抗体等のsCD14−STの検出に使用しうる抗体の他に、サンドイッチ免疫測定法に必要な試薬又は器具(免疫学的測定法キット)、及び血液検体中のsCD14−ST濃度を測定するために必要な試薬又は器具等を含むものであるが、これらに限定されることなく、この他に検出キットは、標準物質、必要な試薬、試料、器具、備品等も含むことができる。
sCD14−STの検出に使用しうる抗体としては、例えば上述したS68抗体、F1106−13−3抗体又はF1031−8−3抗体と同程度のsCD14−STへの結合活性を有する抗体が挙げられる。ここで結合活性を評価する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
本発明の血球貪食症候群患者の治療方法は、血球貪食症候群患者に血球貪食症候群治療剤を投与することを含み、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である治療方法である。本発明の治療方法は、以上の工程を含むものであるが、更にその他の工程を含んでいてもよい。
本発明の治療方法によれば、血液検体中のsCD14−ST濃度を指標とすることにより、HPSへ罹患した患者を簡便に検出することができるため、医師は比較的早い段階で血球貪食症候群治療剤を投与することが可能になる。
なお、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して血球貪食症候群患者を検出する方法については、前述した事項をそのまま適用することができる。
本発明は、血球貪食症候群患者の治療剤の製造における、血球貪食症候群治療剤を有効成分として含有する組成物の使用であって、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である、組成物の使用を提供する。
本発明の治療剤の製造において、血液検体中のsCD14−ST濃度を指標として患者を検出することにより、HPSへ罹患した患者を簡便に検出することができるため、医師は比較的早い段階で血球貪食症候群治療剤を投与することが可能になる。
なお、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して血球貪食症候群患者を検出する方法については、前述した事項をそのまま適用することができる。
また、血球貪食症候群治療剤についても、前述した事項をそのまま適用することができる。
本発明の血球貪食症候群患者検出用キットの製造における、抗sCD14−ST抗体の使用であって、前記血球貪食症候群患者が、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して検出される患者である、抗sCD14−ST抗体の使用を提供する。
本発明の血球貪食症候群患者検出用キットの製造において、血液検体中のsCD14−ST濃度を指標として患者を検出することにより、HPSへ罹患した患者を簡便に検出することができるため、医師は比較的早い段階で血球貪食症候群治療剤を投与することが可能になる。
なお、患者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して血球貪食症候群患者を検出する方法については、前述した事項をそのまま適用することができる。
本発明における血球貪食症候群患者検出用キットにおいては、その測定原理は特に限定されるものではないが、免疫学的測定法キットを用いることが好ましい。
本発明における血球貪食症候群患者検出用キットにおいては、抗sCD14−ST抗体は特に限定されるものではないが、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体を用いることが好ましい。
急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫又は成人T細胞白血病の治療のために同種造血幹細胞移植を受けた入院患者において、文書による同意を得られた患者58名より、同種造血幹細胞移植から約4週後に末梢血液を採取した。採取された末梢血液を4℃にて遠心分離(3000rpm、5分)することにより血清を分離した。なお、これら58名の患者は菌血症及び敗血症ではないことが確認されている。
国際公開第2004/044005号に記載のF1106−13−3抗体及びS68抗体を用いた、サンドイッチELISA系を用いて血清中のsCD14−ST濃度を測定した。なお、sCD14−ST蛋白質標準品としては、国際公開第2005/108429号に記載のrsCD14―STを用いた。
実施例1に記載の患者58名のうち、病理所見又は臨床所見により血球貪食症候群を発症したと判断した6名の患者と、血球貪食症候群を発症していないと判断した52名の患者との血清sCD14−ST濃度とを比較した。
その結果を図1に示す。血球貪食症候群を発症した患者の血清sCD14−ST濃度の平均値は8743.2pg/mlであり、血球貪食症候群を発症していない患者の血清sCD14−ST濃度の平均値は1375.6pg/mlであり、血球貪食症候群を発症した患者の血清sCD14−ST濃度は、血球貪食症候群を発症していない患者の血清sCD14−ST濃度に比べて、有意に高かった。
図1は、血球貪食症候群罹患患者6名と非罹患患者52名との血清sCD14−ST濃度を、平均値及び標準誤差で示す。図1中、縦軸は血清sCD14−ST濃度(pg/ml)を示し、「*」はマン・ホイットニーのU検定にてp<0.05を示す。
この結果より、sCD14−STは、血球貪食症候群に罹患しているか否かの検出マーカーとして有用であることが示唆された。
実施例3において、血球貪食症候群を発症したと判断した6名の患者について、血清CRP濃度を測定した。
血清中のCRPの濃度は、自動分析装置LABOSPECT008(日立ハイテクノロジ−ズ株式会社)を用いて、ラテックス凝集比濁法により測定した。
6名の患者の血清CRP濃度の平均値は4.9mg/dLであった。CRPは、急性期炎症マーカーとして広く知られており、敗血症、細菌感染症、発熱性好中球減少症に罹患した場合には、上昇するパラメーターであることが知られている。例えば敗血症の場合には、血清CRP濃度は約15mg/dL〜約20mg/dL程度となる。
そのため、血清sCD14−ST濃度が高値を示し、且つ、血清CRP濃度が15mg/dLより低い場合には、敗血症、細菌感染症、発熱性好中球減少症に患者が罹患している可能性を排除することができ、且つ、患者は血球貪食症候群に罹患したものと判定し得ることが示唆された。
実施例3において、血球貪食症候群を発症したと判断した6名の患者について、血清フェリチン濃度を測定した。
血清中フェリチンの濃度は、全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA2000(東ソー株式会社)を用いて、蛍光酵素免疫測定法(FEIA法)により測定した。
6名の患者の血清フェリチン濃度の平均値は12279.2ng/mlであった。一方、健常人の血清フェリチン濃度は約4ng/ml〜約261ng/mlである。
この結果より、血清sCD14−ST濃度が高値を示し、血清フェリチン濃度が1000ng/mlより高い場合には、患者が血球貪食症候群を発症したと判定し得ることが示唆された。
実施例3において、血球貪食症候群を発症したと判断した6名の患者について、血清LDH濃度を測定した。
血清中LDHの濃度は、自動分析装置LABOSPECT008(日立ハイテクノロジ−ズ株式会社)を用いて、JSCC標準化対応法(酵素法)により測定した。
6名の患者の血清LDH濃度の平均値は436IU/Lであった。一方、健常人の血清LDH濃度は約120IU/L〜約240IU/Lである。
この結果より、血清sCD14−ST濃度が高値を示し、血清LDH濃度が250IU/Lより高い場合には、患者が血球貪食症候群を発症したと判定し得ることが示唆された。
実施例3において、血球貪食症候群を発症したと判断した6名の患者について、白血球数を測定して、白血球数がsCD14−ST産生に与える影響を確認した。白血球数は、血球計算器を用いて測定した。6名のsCD14−ST濃度の平均値は、8743.2pg/mLであり、白血球数の平均値は1050/μLであった。
6名中3名は、白血球数が0(検出感度未満)であったが、これら3名のsCD14−ST濃度の平均値は、6162.9pg/mlであり、6名全体の平均値と同様にsCD14−ST濃度は高値を示した。
この結果より、白血球数が0又は減少している患者においても、sCD14−ST濃度を指標に血球貪食症候群への罹患を検出することが可能であることが示唆された。また、血球貪食症候群におけるsCD14−ST濃度の上昇は、血中に存在する白血球による菌体貪食とは異なる場合におけるsCD14−ST産生であることが示唆された。
Claims (10)
- 被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する、血球貪食症候群の検出方法。
- 以下の工程を含む、請求項1に記載の検出方法;
被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して測定値を得る工程、及び、
前記sCD14−ST濃度の測定値を基準値と比較する工程。 - さらに以下の工程を含む請求項2に記載の検出方法;
前記測定値が前記基準値よりも高値である場合に、血球貪食症候群が検出されたと判定する工程。 - さらに以下の工程を含む請求項2又は請求項3に記載の検出方法;
被検者由来の血液検体中のC反応性蛋白濃度を測定して測定値を得る工程、
前記C反応性蛋白濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、
前記測定値が前記基準値よりも低値であるか否かを判定する工程。 - さらに以下の工程を含む請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の検出工程;
被検者由来の血液検体中のフェリチン濃度を測定して測定値を得る工程、
前記フェリチン濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、
前記測定値が前記基準値よりも高値であるか否かを判定する工程。 - さらに以下の工程を含む請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の検出工程;
被検者由来の血液検体中の乳酸脱水素酵素濃度を測定して測定値を得る工程、
前記乳酸脱水素酵素濃度の測定値を基準値と比較する工程、及び、
前記測定値が前記基準値よりも高値であるか否かを判定する工程。 - 前記被検者が、同種造血幹細胞移植を受けた患者である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検出方法。
- 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を、免疫学的測定法により測定する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検出方法。
- 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を、配列番号2に記載の16アミノ酸残基からなるペプチドを抗原として作製した抗体を用いて測定する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の検出方法。
- 前記被検者由来の血液検体中のsCD14−ST濃度を測定して血球貪食症候群を検出するためのキットであって、前記血液検体中のsCD14−ST濃度を測定する手段を含むことを特徴とするキット。
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