JP6444794B2 - 半導体素子の製造方法及びその製造に用いられるプラズマエッチング装置 - Google Patents

半導体素子の製造方法及びその製造に用いられるプラズマエッチング装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子の製造方法、及び、その製造方法に用いられるプラズマエッチング装置に関する。
半導体素子の製造方法として、プラズマエッチング方法が知られている。プラズマエッチング方法では、チャンバ内でエッチングガスをプラズマ化し、プラズマ化により生成されたイオン及びラジカルにより、半導体基板をエッチングして、半導体素子を製造する。
プラズマエッチング方法では、ローディング効果により、半導体基板の全面を均一にエッチングできない場合がある。具体的には、プラズマエッチングでは、半導体基板の中央部のエッチレートよりも、半導体基板の外周縁部のエッチレートが大きくなる。このようなエッチレートの差は特に、半導体基板の開口率が高い場合に顕著に現れる。
このような現象を抑制し、均一なエッチングを実現するための技術が、特開2010−238847号公報(特許文献1)に提案されている。
特許文献1に提案されたプラズマエッチング装置は、チャンバ内にプラズマ密度調整部材を備える。プラズマ密度調整部材の下端部の内径は、その上端部の内径よりも小径の漏斗状に形成されている。プラズマ密度調整部材により、プラズマの平面内密度が平準化、又は中凸状の密度分布とすることができる。そのため、不均一なエッチングが抑制される、と特許文献1には記載されている。
特開2010−238847号公報
特許文献1に開示されたプラズマエッチング装置は、従来のプラズマエッチング装置よりも均一なエッチングが可能である。しかしながら、さらに均一なエッチングが要求されている。
本発明の目的は、不均一なエッチングを抑制可能な半導体素子の製造方法、及びプラズマエッチング装置を提供することである。
本実施形態による半導体素子の製造方法は、プラズマ生成空間と、プラズマ生成空間の下方に配置されプラズマ生成空間とつながる処理空間とを備えるチャンバと、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給するガス供給装置と、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化するためのプラズマ生成装置と、処理空間内に配置され上面に半導体基板を配置可能な基台と、処理空間の基台に配置される半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する希釈装置とを備えるプラズマエッチング装置を用いる。上記製造方法は、第1エッチング工程と、第2エッチング工程とを備える。第1エッチング工程では、プラズマ生成空間内にエッチングガスを供給してプラズマ化し、第1電力を基台に印加して半導体基板をエッチングする。第2エッチング工程では、第1エッチング工程後、第1電力よりも低い第2電力を基台に印加して半導体基板をエッチングする。第2エッチング工程ではさらに、希釈装置により、半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する。
本実施形態によるプラズマエッチング装置は、チャンバと、ガス供給装置と、プラズマ生成装置と、基台と、希釈装置とを備える。チャンバは、プラズマ生成空間と、プラズマ生成空間の下方に配置されプラズマ生成空間とつながる処理空間とを備える。ガス供給装置は、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給する。プラズマ生成装置は、チャンバ上部に配置され、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化する。基台は、処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能である。希釈装置は、処理空間内の基台に配置される半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する。希釈装置は、希釈ガスを噴射するノズルと、ガイド部材とを備える。ガイド部材は、半導体基板の周縁上方に配置され、ノズルから噴射されたガスを半導体基板の周縁に導く主面を有する。
本実施形態によるプラズマエッチング装置は、チャンバと、ガス供給装置と、プラズマ生成装置と、基台と、希釈装置とを備える。チャンバは、プラズマ生成空間と、プラズマ生成空間の下方に配置され、プラズマ生成空間とつながる処理空間とを備える。ガス供給装置は、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給する。プラズマ生成装置は、チャンバ上部に配置され、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化する。基台は、処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能である。漏斗部材は、処理空間内であって基台のうち半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する。漏斗部材はさらに、内周面に開口を有する排気路を有する。
本実施の形態による半導体素子の製造方法及びプラズマエッチング装置は、半導体基板の表面が不均一にエッチングされるのを抑制できる。
図1は、第1の実施形態の半導体素子の製造方法に利用されるプラズマエッチング装置の模式図である。 図2は、図1中の漏斗部材及びノズルの底面図及びノズルの正面図である。 図3は、図1中のチャンバ下部周辺の断面図である。 図4は、図1のプラズマエッチング装置を用いた半導体素子の製造方法の一工程を示す模式図である。 図5は、図1に示すプラズマエッチング装置を利用した半導体素子の製造において、等方性エッチング工程において希釈ガスを供給した場合(図中●印)と、希釈ガスを供給しなかった場合(図中◆印)での、半導体基板上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。 図6は、図1に示すプラズマエッチング装置の他の形態を示す断面図である。 図7は、図1及び図6に示すプラズマエッチング装置の他の形態を示す断面図である。 図8は、第2の実施形態の半導体素子の製造方法に利用されるプラズマエッチング装置のチャンバ下部22周辺の断面図である。 図9は、図8中のチャンバ下部22の拡大図である。 図10は、図8に示すプラズマエッチング装置の他の形態を示す断面図である。 図11は、図8及び図10に示すプラズマエッチング装置の他の形態を示す断面図である。 図12は、図8、図10及び図11に示すプラズマエッチング装置の他の形態を示す断面図である。 図13は、図6に示すプラズマエッチング装置(図中●印)及び図12に示すプラズマエッチング装置(図中◆印)を用いてエッチングを実施した場合(ただし、いずれのプラズマエッチング装置でも希釈ガスを利用せず)の、シリコン半導体基板上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。 図14は、図12に示すプラズマエッチング装置を用いて、(1)希釈ガスを使用せずにエッチングを実施した場合(図中◆印)、(2)等方性エッチング工程において、希釈ガスを150sccm供給しながらエッチングを実施した場合(図中●印)、(3)等方性エッチング工程において、希釈ガスを300sccm供給しながらエッチングを実施した場合(図中▲印)でのシリコン半導体基板上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。
本実施形態による半導体素子の製造方法は、プラズマ生成空間と、プラズマ生成空間の下方に配置されプラズマ生成空間とつながる処理空間とを備えるチャンバと、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給するガス供給装置と、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化するためのプラズマ生成装置と、処理空間内に配置され上面に半導体基板を配置可能な基台と、処理空間の基台に配置される半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する希釈装置とを備えるプラズマエッチング装置を用いる。上記製造方法は、第1エッチング工程と、第2エッチング工程とを備える。第1エッチング工程では、プラズマ生成空間内にエッチングガスを供給してプラズマ化し、第1電力を基台に印加して半導体基板をエッチングする。第2エッチング工程では、第1エッチング工程後、第1電力よりも低い第2電力を基台に印加して半導体基板をエッチングする。第2エッチング工程ではさらに、希釈装置により、半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する。
本実施形態による製造方法では、2段階のエッチング工程(第1エッチング工程及び第2エッチング工程)を実施する。第1エッチング工程では、基板へのイオンの衝突による物理エッチングが主となる。第2エッチング工程では、第1エッチング工程よりも基台に印加する電力が小さいため、物理エッチングよりもラジカルによる化学エッチングが強くなる。換言すれば、第1エッチング工程では、異方性エッチングが等方性エッチングよりも強く、第2エッチング工程では、等方性エッチングが異方性エッチングよりも強い。
半導体基板の周縁部は、ローディング効果の影響により、半導体基板の中央部よりもエッチングされやすい。そこで、上記製造方法では、化学エッチングが主流となる第2エッチング工程において、希釈ガスを半導体基板の周縁部に供給する。この場合、希釈ガスにより、半導体基板周縁近傍の未反応ラジカルの密度が希釈され、低下する、又は、チャンバ内での未反応のラジカルの滞在時間が短くなる。そのため、従前の製造方法の場合と比較して、半導体基板の周縁部のエッチレートが低下する。その結果、半導体基板の中央部のエッチレートと周縁部のエッチレートとの差が小さくなり、不均一なエッチングが抑制される。
好ましくは、希釈装置は、希釈ガスを噴射するノズルと、ガイド部材とを備える。ガイド部材は、半導体基板の周縁上方に配置され、ノズルから噴射されたガスを半導体基板の周縁に導く主面を有する。
この場合、希釈ガスがガイド部材により、半導体基板の周縁に導かれる。そのため、不均一なエッチングが抑制される。
好ましくは、プラズマ生成装置はさらに、漏斗部材を備える。漏斗部材は、処理空間内であって基台のうち半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する。漏斗部材はさらに、内周面に開口を有する排気路を有する。上記製造方法では、処理空間内のガスを排気路からチャンバの外部に排気する。
この場合、プラズマ化したエッチングガス及びラジカルが反応して生成されたSiF4等の反応生成物は、漏斗部材の内周面に形成された開口から外部に排気される。そのため、漏斗部材の内周面うち、開口よりも下方の部分で、ラジカルが反応して生成する反応生成物が滞留する。このような滞留は、漏斗部材の内周面近傍で顕著に発生する。そのため、半導体基板の周縁近傍における未反応のラジカルの密度がさらに低下し、その結果、不均一なエッチングがさらに抑制される。
本実施形態によるプラズマエッチング装置は、チャンバと、ガス供給装置と、プラズマ生成装置と、基台と、希釈装置とを備える。チャンバは、プラズマ生成空間と、プラズマ生成空間の下方に配置され、プラズマ生成空間とつながる処理空間とを有する。ガス供給装置は、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給する。プラズマ生成装置は、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化する。基台は、処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能である。希釈装置は、処理空間の基台に配置される半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する。希釈装置は、希釈ガスを噴射するノズルと、ガイド部材とを備える。ガイド部材は、半導体基板の周縁上方に配置され、ノズルから噴射されたガスを半導体基板の周縁に導く主面を有する。
上記プラズマエッチング装置では、希釈ガスがガイド部材により、半導体基板の周縁に導かれる。そのため、プラズマエッチング時において、半導体基板の周縁でのラジカルの密度を下げることができる。そのため、半導体基板の周縁でのエッチレートが下がり、中央部でのエッチレートとの差が小さくなる。その結果、不均一なエッチングが抑制される。
本実施形態によるプラズマエッチング装置は、チャンバと、ガス供給装置と、プラズマ生成装置と、基台と、希釈装置とを備える。チャンバは、プラズマ生成空間を有するチャンバ上部とプラズマ生成空間の下方に配置され、プラズマ生成空間とつながる処理空間を有するチャンバ下部とを備える。ガス供給装置は、プラズマ生成空間にエッチングガスを供給する。プラズマ生成装置は、チャンバ上部に配置され、エッチングガスをプラズマ生成空間内でプラズマ化する。基台は、処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能である。漏斗部材は、処理空間内であって基台のうち半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する。漏斗部材はさらに、内周面に開口を有する排気路を有する。
上記プラズマエッチング装置では、プラズマ化したエッチングガス及び半導体基板と反応生成物は、漏斗部材の内周面に形成された開口から外部に排気される。そのため、漏斗部材の内周面うち、開口よりも下方の部分で、反応生成物が滞留する。このような滞留は、漏斗部材の内周面近傍で顕著に発生する。そのため、半導体基板の周縁近傍における未反応のラジカルの密度が低下し、その結果、不均一なエッチングが抑制される。
好ましくは、開口は、漏斗部材の下端周縁部よりも上方に形成される。開口は、漏斗部材の高さ方向中央よりも上方の内周面部分に形成されてもよい。
この場合、漏斗部材の内周面下端周縁部近傍において、反応生成物が滞留しやすくなる。そのため、半導体基板の周縁近傍における未反応のラジカルの密度がさらに低下し、その結果、不均一なエッチングがさらに抑制される。
好ましくは、漏斗部材の下端は基台の上面と近接して配置され、漏斗部材の下端と基台の上面との間の高さ方向の距離は、排気路の前記開口の高さ方向の長さよりも十分に小さい。
この場合、漏斗部材の下端と基台上面との隙間から、ガスが漏れにくい。そのため、漏斗部材の内周面下端周縁部近傍において、反応生成物がさらに滞留しやすくなる。漏斗部材の下端と基台の上面との間の高さ方向の距離(隙間)は、なるべく小さい方が好ましく、隙間が無くてもよい。
好ましくは、上記プラズマエッチング装置はさらに、希釈装置を備える。希釈装置は、処理空間の基台に配置される半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する。
この場合、半導体基板の周縁近傍における未反応ラジカルの密度をさらに低下することができる。その結果、不均一なエッチングがさらに抑制される。
好ましくは、希釈装置は、希釈ガスを噴射するノズルと、ガイド部材とを備える。ガイド部材は、半導体基板の周縁上方に配置され、ノズルから噴射されたガスを半導体基板の周縁に導く主面を有する。
この場合、希釈ガスがガイド部材により、半導体基板の周縁に導かれる。そのため、不均一なエッチングが抑制される。
好ましくは、ノズルは漏斗部材の下端に配置される。ガイド部材はノズルよりも基台の中心寄りに配置され、主面はノズルと対向する。主面は基台の中心に向かって下方に傾斜している。
この場合、ノズルから噴射された希釈ガスはガイド部材の主面に当たり、下方に垂下している主面に導かれて半導体基板の周縁に供給されやすい。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1の実施形態]
[プラズマエッチング装置]
図1は、本実施形態の半導体素子の製造方法に利用されるプラズマエッチング装置の模式図である。
図1を参照して、プラズマエッチング装置1は、チャンバ2と、ガス供給装置3と、プラズマ生成装置4と、基台装置5と、排気装置6と、漏斗部材7と、希釈装置8とを備える。
チャンバ2は、閉塞空間を有する。チャンバ2は、チャンバ上部21と、チャンバ下部22とを備える。チャンバ上部21は、プラズマ生成空間を有する。チャンバ下部22は、チャンバ上部21の下に配置され、処理空間を有する。処理空間はプラズマ生成空間の下方に配置され、プラズマ生成空間とつながる。つまり、閉塞空間は、プラズマ生成空間と、処理空間とを有する。チャンバ2内では、プラズマエッチング処理が実施される。
ガス供給装置3は、エッチングガス及び保護膜形成ガスをチャンバ上部21内に供給する。ガス供給装置3は、複数のガス供給部31〜34と、供給管35とを備える。ガス供給部31は、エッチングガスをチャンバ上部21内に供給する。エッチングガスはフッ素(F)を含有する。エッチングガスはたとえば、SF6ガスである。
ガス供給部32及び33は、保護膜形成ガスをチャンバ上部21に供給する。保護膜形成ガスはたとえば、C48に代表されるフッ化炭素ガスや、HFO1234yf等である。図1では、ガス供給部32はC48ガスを収納する。ガス供給部33は酸素(O2)ガスを収納する。
ガス供給部34は、不活性ガスをチャンバ上部21に内に供給する。不活性ガスはたとえば、Arガスである。
供給管35は、ガス供給部31〜34を、チャンバ上部21とをつなげる。供給管35は、各ガス(エッチングガス、保護膜形成ガス、及び、不活性ガス)をガス供給部31〜34からチャンバ上部21に送り出す。
プラズマ生成装置4は、ガス供給装置3からチャンバ上部21内に供給されたガスを、プラズマ生成空間内でプラズマ化する。プラズマはたとえば、誘導結合プラズマ(ICP)である。プラズマ生成装置4は、コイル41と、高周波電源42とを備える。チャンバ上部21内では、ガス供給部31からエッチングガスが供給される。プラズマ生成装置4は、コイル41に高周波電力を供給して、エッチングガスをプラズマ化する。
基台装置5は、基台51と、昇降シリンダ54と、高周波電源55と、冷却装置56とを備える。基台51は、チャンバ下部22の処理空間内に配置される。基台51は、上面の中央の領域には、半導体基板Kが配置可能な領域(以下、配置領域という)を備え、さらに、配置領域の周囲に、リング状の絶縁層53を備える。配置領域には、静電チャック52が配置される。本明細書では、基台51は静電チャック52及び絶縁層53を含む。
静電チャック52の上面には、半導体基板Kが配置される。静電チャック52は、半導体基板Kの裏面を、電気的に吸着する。つまり、静電チャック52は、半導体基板Kを基台51に固定する。
基台51は、昇降シリンダ54と接続される。昇降シリンダ54は基台51を昇降する。基台51はさらに、高周波電源55と、冷却装置56とを備える。高周波電源55は、
基台51と接続される。高周波電源55は、基台51に高周波電力を供給して、基台51とプラズマとの間にバイアス電位を与える。このバイアス電位により、プラズマ化により生成されたイオンが、基台51上の半導体基板Kに入射する。
冷却装置56は、供給管57と、ガス供給部58とを備える。ガス供給部58は、不活性ガスを収納する。図1では、ガス供給部58は、ヘリウム(He)ガスを含有する。ガス供給部58は、Heガス以外の他の不活性ガスを含有してもよい。
基台51はさらに、図示しない内部配管を含む基台冷却システムを含む。基台冷却システムは、内部配管に所定の冷媒を導入し、冷媒の温度を管理しながら冷媒を循環させるチラー装置を有する。循環する冷媒の種類は特に限定されないが、フロリナート(登録商標)やガルデン(登録商標)、水等、任意の冷媒が用いられる。
供給管57は、ガス供給部58と静電チャック52の表面とをつなぐ。ガス供給部58内の不活性ガス(Heガス)は、供給管57を介して静電チャック52の表面に到達し、外部に流れる。より具体的には、Heガスは、半導体基板Kの裏面と静電チャック52の表面との間に流れ、エッチング中の半導体基板Kを冷却する。
排気装置6は、真空ポンプ61と、排気管62とを備える。排気管62は、チャンバ下部22と真空ポンプ61とをつなぐ。排気装置6は、チャンバ2内の気体(ガス)を排気して、チャンバ2内を所定の圧力に調整する。
漏斗部材7は、チャンバ下部22の処理空間内に配置される。漏斗部材7は、基台51の配置領域の上方に配置される。漏斗部材7は筒状であり、上端から下方に向かって内径が徐々に小さくなる内周面を有する。漏斗部材7の上端の開口の内径は、プラズマ生成空間の外径(つまり、チャンバ上部21の内径)以上である。好ましくは、漏斗部材7の下端の開口は、配置領域の外径以上である。
漏斗部材7の内周面は、上端から下方に向かって基台51の中央に傾斜したテーパ形状を有する。そのため、プラズマ生成空間で生成された未反応のラジカルを、基台51の中央に配置された半導体基板K上に集めやすい。この場合、半導体基板Kよりも外側に存在する未反応のラジカルの量が低減するため、半導体基板Kの中央部と周縁とでのエッチレート差を低減できる。
希釈装置8は、複数のノズル81と、希釈ガス供給部82とを備える。図2は、漏斗部材7及びノズル81の底面図である。図1及び図2に示すとおり、複数のノズル81は、半導体基板Kの周りに配置される。本例では、ノズル81は漏斗部材7の下端(底面)に配置され、漏斗部材7の中心軸周りに等間隔に配置される。図2を参照して、ノズル81は噴射孔84を備える。
図1を参照して、希釈ガス供給部82は、ノズル81に希釈ガスを供給する。希釈ガスの種類は特に限定されない。希釈ガスは、上述のエッチングガスであってもよいし、不活性ガスであってもよい。保護膜形成ガスであってもよいし、これらのガスの混合ガスであってもよい。
希釈装置8は、ノズル81から希釈ガスを噴射して、エッチング中の半導体基板Kの周縁に供給する。希釈ガスは処理空間内に供給され、プラズマ生成空間内に供給されない。このような希釈ガスが半導体基板Kの周縁に供給されるため、エッチング中において、希釈ガスにより、半導体基板Kの周縁のラジカル密度が低下する。そのため、半導体基板Kの周縁でのエッチレートが低下する。以下、プラズマエッチング装置1を用いた半導体素子の製造方法について説明する。
[半導体素子の製造方法]
本実施形態の半導体素子の製造方法は、上述のプラズマエッチング装置1を用いて実施される。本製造方法は、保護膜形成工程と、異方性エッチング工程と、等方性エッチング工程とを順次繰り返して実施して、半導体素子を形成する。このようなプロセスはたとえば、ボッシュプロセスである。以下、各工程について詳述する。
[初期工程]
初めに、半導体基板K上にエッチングマスクを形成する。エッチングマスクは、周知の方法で形成される。エッチングマスクはたとえば、フォトレジストをスピンコート装置で塗布して形成される。エッチングマスクを形成した後、エッチングマスクに開口を形成する。エッチングマスクの素材は上述のフォトレジストが一般的であるが、特に限定されない。エッチングマスクは二酸化珪素(SiO2)であってもよい。
続いて、開口を有するエッチングマスクが形成された半導体基板Kを基台51の上面(配置領域)に載置する。半導体基板Kは、静電チャック52により基台51に固定される。半導体基板Kは、静電チャック52に代えて、機械クランプで基台51に固定されてもよい。基台51に配置された半導体基板Kの裏面をガス供給部58から供給されるガス(Heガス)で冷却し、かつ、基板51を基台冷却システムで冷却する。半導体基板Kを基台51に配置し、上記のとおり冷却しながら、エッチングマスクを利用して、エッチングを実施して、半導体基板Kに孔を形成する。
[保護膜形成工程]
まず、保護膜形成工程を実施する。保護膜形成工程では、ガス供給部32及び33から保護膜形成ガスをプラズマ生成空間に供給し、プラズマ化する。プラズマによって生成された生成物は孔のマスク上、側壁、及び底面に堆積し、保護膜を形成する。
[異方性エッチング工程]
保護膜を形成した後、異方性エッチングを実施する。具体的には、ガス供給部31から、エッチングガス(SF6ガス)をプラズマ生成空間に供給する。さらにコイル41及び基台51に高周波電力を印加する。このとき、等方性エッチング工程時よりも、基台51に印加する電力を高くする。コイル41への高周波電力の印加により、エッチングガスがプラズマ化される。
基台51に生じたバイアス電位により、プラズマ化されたエッチングガスがエッチングマスクの開口を通って半導体基板Kに入射する。これにより、半導体基板Kがエッチングされる。基台51には等方性エッチング工程よりも高い電力が印加されるため、等方性エッチング工程の場合よりも、半導体基板Kへのイオンの入射が強くなる。つまり、等方性エッチング工程の場合と比較して、化学エッチングよりも物理エッチングが強くなる。異方性エッチング工程では、物理エッチングにより、孔の底面に形成された保護膜を除去する。
[等方性エッチング工程]
孔の底面の保護膜を除去した後、等方性エッチング工程を実施する。ガス供給部31からプラズマ生成空間に供給されたエッチングガスは、プラズマ生成装置4によりプラズマ化される。このとき、基台51には異方性エッチング工程よりも低い電力が印加されるため、異方性エッチング工程の場合よりも、半導体基板Kへのイオンの入射が弱くなる。つまり、等方性エッチング工程では、プラズマ化により生成したイオンによる物理エッチングよりも、プラズマ化により生成したラジカルによる化学エッチングの方が強い。そのため、等方性エッチングが進行する。このとき、孔の側壁には保護膜が残存するため、孔の底面において化学エッチングが進行する。等方性エッチング工程の後、保護膜形成工程を実施する。
以上のとおり、本実施形態による半導体基板の製造方法では、保護膜形成工程、異方性エッチング工程、等方性エッチング工程を順次繰り返して深掘りを行い、半導体素子を製造する。
上記の製造工程の場合、半導体基板Kで不均一なエッチングが発生するのは、基台51への印加電力が異方性エッチング工程よりも低い等方性エッチング工程を実施するときである。そこで、本実施形態では、異方性エッチング工程では、図3に示すとおり、希釈装置8から希釈ガスを供給しない。一方、等方性エッチング工程では、異方性エッチング工程よりも低い電力を基台51に印加し、かつ、図4に示すとおり、希釈装置8から希釈ガスを半導体基板Kの周縁(たとえば、図4中の破線の領域)に供給する。このとき、半導体基板Kの周縁に、プラズマ化されていない希釈ガスが供給されるため、半導体基板Kの周縁における未反応のラジカル密度を低下する。その結果、周縁のエッチレートが低下して、半導体基板Kの中央部と周縁とで均一な化学エッチングとなりやすくなる。
本実施形態の製造条件の一例は次のとおりである。
異方性エッチング工程ではたとえば、エッチングガスとしてSF6を用い、ガス流量を500sccm、チャンバ2内の圧力を10Pa、基台51に印加する電力を140Wとする。
等方性エッチング工程ではたとえば、エッチングガスとしてSF6を用い、そのガス流量を900sccmとする。さらに、希釈ガスとしてSF6を用い、そのガス流量を300sccmとする。チャンバ2内の圧力を10Pa、基台51に印加する電力を40Wとする。
図5は、図1に示すプラズマエッチング装置1を利用したシリコン半導体素子の製造において、等方性エッチング工程において希釈ガスを供給した場合(本発明例1という。図中●印)と、希釈ガスを供給しなかった場合(比較例1という。図中◆印)での、シリコン半導体素子上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。
本発明例1及び比較例1での、異方性エッチング工程の条件、希釈ガス以外の等方性エッチング工程の条件、及び、保護膜形成工程の条件はいずれも、上述の製造条件の一例の場合と同じとした。製造前の半導体基板の表面にPIテープ(ポリイミド粘着テープ)を貼り付けた。製造後の半導体基板に対して段差計を用いて、半導体基板の中心から周縁まで所定のピッチで、エッチングにより形成された孔の深さを求めた。求めた深さに基づいて、半導体基板の各地点でのエッチレートを求め、図5を作成した。
図5中の横軸は、半導体基板の中心からの距離(mm)を示し、縦軸は、エッチレート(μm/min)を示す。図5のエッチレート分布を参照して、本発明例1の方が、比較例1よりも、エッチレートのばらつきを抑えることができた。具体的には、エッチレートの平均値に対する、エッチレートの最大値と最小値との差分の比をエッチレートばらつきと定義した場合、比較例1のエッチレートばらつきは19.3%であったのに対して、本発明例1のエッチレートばらつきは17.1%であった。
以上のとおり、本実施形態では、エッチレートのばらつきが大きくなる等方性エッチング工程において、希釈ガスを半導体基板の周縁に供給する。これにより、周縁のエッチレートを低下させることができ、不均一の化学エッチングを抑制できる。好ましくは、異方性エッチングでは、希釈ガスを供給しない。希釈ガスは、プラズマの分布を不均一にしやすい。プラズマ分布が不均一となれば、物理エッチングを行うイオンが傾きを持って半導体基板Kに入射し、チルトと呼ばれる形状の傾きを形成する。チルトは物理エッチングが主体となる異方性エッチング工程で発生しやすい。そこで、異方性エッチング工程では希釈ガスを供給せず、等方性エッチングでのみ希釈ガスを供給すれば、チルトの発生を抑制しつつ、ローディング効果の影響も抑えることができる。
[希釈装置8の他の形態]
図6に示すとおり、希釈装置8はさらに、ガイド部材83を備えてもよい。ガイド部材83は、半導体基板Kの周縁の上方に配置される。図6では、ガイド部材83は、ノズル81よりも基台51の中心寄りに配置される。図6中のガイド部材83は筒状であり、ノズル81の噴射孔と対向する主面83Aを有する。主面83Aは、基台51の中心に向かって下方に傾斜する。つまり、主面83Aは、上端から下方に向かって径が小さくなるテーパ形状を有する。主面83Aの下辺部は、半導体基板Kの周縁の上方に配置される。
ガイド部材83は、ノズル81から噴射した希釈ガスを、半導体基板Kの周縁に導く。ガイド部材83により、希釈ガスを半導体基板Kの周縁近傍にさらに供給しやすくなる。そのため、周縁のエッチレートをさらに抑えることができ、不均一なエッチングを抑制できる。
ノズル81の配置位置は、図1に限定されない。ノズル81は、半導体基板Kの周縁に希釈ガスを処理空間内に供給できれば、その配置位置は特に限定されない。たとえば、図7に示すように、ノズル81が漏斗部材7の上端に配置され、ガイド部材83により、希釈ガスが半導体基板Kの周縁に導かれてもよい。ノズル81の噴射孔84が半導体基板Kの周縁に向くように、ノズル81を配置してもよい。
上述の実施形態では、プラズマエッチング装置1は漏斗部材7を備える。しかしながら、プラズマエッチング装置1は漏斗部材7を備えなくてもよい。漏斗部材7を備えなくても、希釈装置8により、不均一なエッチングをある程度抑制できる。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態によるプラズマエッチング装置1Aの処理空間近傍領域の拡大図である。図8を参照して、プラズマエッチング装置1Aは、プラズマエッチング装置1と比較して、希釈装置8を備えず、かつ、漏斗部材7に代えて、漏斗部材7Aを備える。プラズマエッチング装置1Aのその他の構成は、プラズマエッチング装置1と同じである。
[漏斗部材7A]
漏斗部材7Aは、チャンバ下部22の処理空間内に配置される。漏斗部材7Aは、基台51の配置領域の上方に配置される。漏斗部材7Aは筒状であり、上端から下方に向かって内径が徐々に小さくなる内周面71を有する。漏斗部材7Aの上端の開口の内径は、プラズマ生成空間の外径(つまり、チャンバ上部21の内径)以上である。漏斗部材7Aの下端の開口は、配置領域(又は半導体基板K)の外径以上が好ましい。
内周面71は、上端から下方に向かって基台51の中央に傾斜したテーパ形状を有する。そのため、プラズマ生成空間で生成された未反応のラジカルを、基台51Aの中央に集めやすい。この場合、半導体基板Kよりも外側の未反応のラジカルの密度を低減でき、半導体基板Kの中央部と周縁とでのエッチレート差を低減できる。
漏斗部材7Aはさらに、内周面71に開口を有する排気路72を有する。排気路72は貫通孔(又は貫通スリット)であり、漏斗部材7Aの外周面にも開口を有する。漏斗部材7Aの底面は、基台51と近接して配置される。
以上の構成を有するプラズマエッチング装置1Aを用いた場合においても、半導体基板Kの不均一なエッチングを抑制できる。エッチング時において、エッチングガスがプラズマ生成空間に供給され、かつ、プラズマ化される。プラズマ化により生成したイオン及びラジカルは、処理空間に移動して、半導体基板Kに対して物理エッチング及び化学エッチングを行う。
上述のとおり、漏斗部材7Aの下端(底面)は基台51に近接している。そして、排気路72は、漏斗部材7Aの底面よりも上方に形成されている。そのため、半導体基板Kと漏斗部材7Aの下部(内周面71のうち、排気路72の開口よりも下方の部分)とで擬似的な容器が形成される。ラジカルが反応して生成する反応生成物(SiF4)が擬似容器部分に滞留しやすく、特に、図9に示すとおり、排気路72よりも下方の内周面部分近傍の領域ARで滞留しやすくなる。領域ARは、半導体基板Kの周縁上方に相当する。
反応生成物が半導体基板Kの周縁上方に滞留すれば、第1の実施の形態での効果と同様に、周縁上方の未反応ラジカルの密度は当然に低下する。そのため、半導体基板Kの周縁のエッチレートが低下し、不均一なエッチングが抑制される。
図9を参照して、好ましくは、漏斗部材7Aの下端と基台51の上面との間の隙間で形成される開口H1の面積(開口の高さ×幅)は、排気路72の開口H0の面積(開口の高さ×幅)よりも十分に小さい。この場合、漏斗部材7Aの下端からガスが漏れるのを極力抑制でき、処理空間内のガスは主として排気路72から外部に排出される。開口H1はなるべく小さい方が好ましい。開口H1はなくてもよい。
漏斗部材7Aにおける排気路72の配置位置は、特に制限されない。排気路72が漏斗部材7Aの下端よりも上方に配置されれば、排気路72よりも下方の部分で擬似容器が形成され、ガスが滞留する。好ましくは、排気路72の開口は、漏斗部材7Aの高さ方向中央よりも上方に形成される。この場合、擬似容器の深さをより深くすることができ、ガスが滞留しやすくなる。
図10に示すとおり、排気路72は複数形成されてもよい。図9及び図10では、排気路72は、漏斗部材7Aにスリット状に形成されている。しかしながら、排気路72の形状は特に限定されず、排気路72が漏斗部材7Aの中心軸周りに配列される複数の貫通孔であってもよい。
図11に示すとおり、プラズマエッチング装置1Aはさらに、希釈装置8を備えてもよい。希釈装置8は、ノズル81と、希釈ガス供給部82とを備える。希釈装置8の構成は、プラズマエッチング装置1と同じである。
この場合、プラズマエッチング装置1Aは、排気路72を漏斗部材7Aの内周面に配置し、かつ、希釈装置8により、半導体基板Kの周縁に希釈ガスを供給する。そのため、不均一なエッチングをさらに抑制できる。
プラズマエッチング装置1Aではさらに、図12に示すとおり、希釈装置8がガイド部材83を備えてもよい。ガイド部材83の構成は、図6と同じである。この場合、ガイド部材83により、希釈ガスを半導体基板Kの周縁近傍にさらに供給しやすくなる。そのため、周縁のエッチレートをさらに抑えることができ、不均一なエッチングを抑制できる。
図13は、図6に示すプラズマエッチング装置及び図12に示すプラズマエッチング装置を用いてエッチングを実施した場合(ただし、いずれのプラズマエッチング装置でも希釈装置8を使用せず)の、シリコン半導体基板上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。上述のとおり、この測定試験では、希釈ガスを使用せず、排気路72の効果について検証した。図6のエッチング装置では希釈ガスを使用しないため、この装置での試験を比較例2と定義した。そして、排気路72を有する図12のプラズマエッチング装置での試験を、本発明例2と定義した。
比較例2でのプラズマエッチング装置のノズル81の下端と基台51との間の距離は20mmであった。本発明例2でのプラズマエッチング装置のノズル81の下端と基台51との間の距離は4mmであった。比較例2及び本発明例2での、保護膜形成工程の条件、異方性エッチング工程の条件、及び、等方性エッチング工程の条件及びエッチングレートの測定方法は、図5での測定試験と同じとした。
図13中の●印が比較例2の結果であり、◆印が本発明例2の結果である。図13を参照して、本発明例2では、比較例2と比較して、エッチレートの分布がより均一になった。具体的には、比較例2のエッチレートばらつきは18.9%であったのに対して、本発明例2のエッチレートばらつきは15.1%であった。本発明例2では、処理空間のガスの排気通路72が漏斗部材7Aの上部に形成されているため、半導体基板の周縁上方に反応生成物が滞留し、未反応のラジカルの密度が低下したと考えられる。
以上のとおり、本実施形態のように、排気路72を漏斗部材7Aの内周面71に設けることによって、不均一なエッチングを抑制できる。
図14は、図12に示すプラズマエッチング装置を用いて、(1)希釈ガスを使用せずにエッチングを実施した場合(本発明例3)、(2)等方性エッチング工程において、希釈ガスを150sccm供給しながらエッチングを実施した場合(本発明例4)、(3)等方性エッチング工程において、希釈ガスを300sccm供給しながらエッチングを実施した場合(本発明例5)でのシリコン半導体基板上のエッチレート(μm/min)の測定結果を示す図である。本発明例3〜5で使用したプラズマエッチング装置は、本発明例2で使用したプラズマエッチング装置と比較して、排気路72が大きい(排気路72の溝が広い)ものを使用した。この測定試験では、排気路72と、ガイド部材83を備えた希釈装置8との相乗効果について検証した。
本発明例3〜5において、希釈ガスの供給以外の、保護膜形成工程の条件、異方性エッチング工程の条件、等方性エッチング工程の条件は、上述の本発明例2と同じとした。エッチングレートの測定方法は、図5での測定方法と同じとした。
図14中の◆印が本発明例3の結果であり、●印が本発明例4の結果であり、▲印が本発明例5の結果である。図14を参照して、本発明例4では、本発明例3と比較して、エッチレートの分布がさらに均一になっており、本発明例5では、本発明例4と比較してさらに、エッチングレートの分布が均一になっていた。具体的には、本発明例3のエッチレートばらつきは12.2%であったのに対して、本発明例4のエッチレートばらつきは6.7%であり、本発明例5のエッチングレートのばらつきは1.9%であった。
排気路72を有する漏斗部材7Aと、ガイド部材83を有する希釈装置8とを併用した場合(本発明例4及び5)、半導体基板の周縁上方の未反応のラジカルの密度が顕著に低下し、その結果、半導体基板全体のエッチレートがほぼ同一になったと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 プラズマエッチング装置
2 チャンバ
3 ガス供給装置
4 プラズマ生成装置
51 基台
6 排気装置
7,7A 漏斗部材
71 内周面
72 排気路
8 希釈装置
81 ノズル
83 ガイド部材
83A 主面

Claims (13)

  1. プラズマ生成空間と、前記プラズマ生成空間の下方に配置され前記プラズマ生成空間とつながる処理空間とを有するチャンバと、
    前記プラズマ生成空間にエッチングガスを供給するガス供給装置と、
    前記エッチングガスを前記プラズマ生成空間内でプラズマ化するためのプラズマ生成装置と、
    前記処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能な基台と、
    前記処理空間内の前記基台に配置される前記半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する希釈装置とを備えるプラズマエッチング装置を用いた半導体素子の製造方法であって、
    前記プラズマ生成空間内に前記エッチングガスを供給してプラズマ化し、第1電力を前記基台に印加して前記半導体基板をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記第1エッチング工程後、前記第1電力よりも低い第2電力を前記基台に印加して前記半導体基板をエッチングする第2エッチング工程とを備え、
    少なくとも前記第2エッチング工程では、前記希釈装置により、前記半導体基板の周縁に前記希釈ガスを供給する、半導体素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記第2エッチング工程でのみ、前記半導体基板の周縁に前記希釈ガスを供給する、半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記希釈装置は、
    前記希釈ガスを噴射するノズルと、
    前記半導体基板の周縁上方に配置され、前記ノズルから噴射されたガスを前記半導体基板の周縁に導く主面を有するガイド部材とを備える、半導体素子の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記プラズマ生成装置はさらに、
    前記処理空間内であって前記基台のうち前記半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する漏斗部材を備え、
    前記漏斗部材は、前記内周面に開口を有する排気路を有し、
    前記製造方法では、前記排気路からプラズマ化された前記エッチングガス及び希釈ガスを前記排気路を通じて前記チャンバの外部に排気する、半導体素子の製造方法。
  5. プラズマ生成空間と、前記プラズマ生成空間の下方に配置され前記プラズマ生成空間とつながる処理空間とを有するチャンバと、
    前記プラズマ生成空間にエッチングガスを供給するガス供給装置と、
    前記エッチングガスを前記プラズマ生成空間内でプラズマ化するためのプラズマ生成装置と、
    前記処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能な基台と、
    前記処理空間内の前記基台に配置される前記半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する希釈装置とを備え、
    前記希釈装置は、
    前記処理空間内における前記基台の上方に配置され、前記希釈ガスを噴射するノズルと、
    前記半導体基板の周縁上方に配置され、前記ノズルから噴射されたガスを前記半導体基板の周縁に導く主面を有するガイド部材とを備える、プラズマエッチング装置。
  6. プラズマ生成空間と、前記プラズマ生成空間の下方に配置され前記プラズマ生成空間とつながる処理空間とを有するチャンバと、
    前記プラズマ生成空間にエッチングガスを供給するガス供給装置と、
    前記エッチングガスを前記プラズマ生成空間内でプラズマ化するためのプラズマ生成装置と、
    前記処理空間内に配置され、上面に半導体基板を配置可能な基台と、
    前記処理空間内であって前記基台のうち前記半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する漏斗部材とを備え、
    前記漏斗部材は、前記内周面に開口を有する排気路を含む、プラズマエッチング装置。
  7. 請求項6に記載のプラズマエッチング装置であって、
    前記開口は、前記漏斗部材の高さ方向中央よりも上方の内周面部分に形成される、プラズマエッチング装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のプラズマエッチング装置であって、
    前記漏斗部材の下端は前記基台の上面と近接して配置され、
    前記漏斗部材の下端と前記基台の上面との間の隙間で形成される開口は、前記排気路の開口よりも小さい、プラズマエッチング装置。
  9. 請求項6に記載のプラズマエッチング装置であってさらに、
    前記処理空間内の前記基台に配置される前記半導体基板の周縁に希釈ガスを供給する希釈装置とを備える、プラズマエッチング装置。
  10. 請求項9に記載のプラズマエッチング装置であって、
    前記希釈装置は、
    前記希釈ガスを噴射する噴射口を有するノズルと、
    前記半導体基板の周縁上方に配置され、前記ノズルから噴射されたガスを前記半導体基板の周縁に導く主面を有するガイド部材とを備える、プラズマエッチング装置。
  11. 請求項10に記載のプラズマエッチング装置であって、
    前記ノズルは前記漏斗部材の下端に配置され、
    前記ガイド部材は前記ノズルよりも前記基台の中心寄りに配置され、前記主面は前記ノズルと対向し、かつ、前記基台の中心に向かって下方に傾斜している、プラズマエッチング装置。
  12. 請求項5に記載のプラズマエッチング装置であって、
    前記基台は、
    上面に前記半導体基板が配置され、前記半導体基板の裏面を電気的に吸着する静電チャックと、
    前記半導体基板が配置される配置領域の周囲に配置されるリング状の絶縁層とを備える、プラズマエッチング装置。
  13. 請求項5に記載のプラズマエッチング装置であってさらに、
    前記処理空間内であって前記基台のうち前記半導体基板を配置可能な領域の上方に配置され、上端から下方に向かって徐々に内径が小さくなる内周面を有する漏斗部材を備える、プラズマエッチング装置。
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