JP6443518B1 - ゲート駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤点弧対策用の素子の破損を防止できるゲート駆動回路を提供する。
【解決手段】上下アームを構成するスイッチング素子S1、S2(第1のスイッチング素子)をスイッチング制御する制御回路Z1と、スイッチング素子S1、S2のゲート端子と制御回路Z1との間に接続されたゲート抵抗Rとを備えたゲート駆動回路31、32であって、スイッチング素子S1、S2のゲート端子から制御回路Z1に向けて順方向に接続するダイオードDと、抵抗Rとからなる直列回路がゲート抵抗Rと並列に接続され、直列回路における抵抗Rの両端間の電位差によってターンオンするトランジスタQ(第2のスイッチング素子)がスイッチング素子S1、S2のゲート端子とソース端子(低電位側端子)との間に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、上下アームを構成するスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路に関する。
図4に示すように、スイッチングスピードの速いSJ-MOSFETやSiC-MOSFET等のスイッチング素子S1、S2で上下アームを構成した場合、ターンオンしたスイッチング素子(図4に示す例ではS1)の逆側のスイッチング素子(図4に示す例ではS2)のドレイン−ソース間電圧VDSが大きい速度dVDS/dtで上昇する。そして、図1に矢印で示すように、スイッチング素子S2のミラー容量CDGを介してドライバ回路10にサージ電流(IDG=CDG×dVDS/dt)が流れ込む。すると、ゲート電位VGSがゲート抵抗Rと制御回路Z1のゲートインピーダンスRとによって、VGS=(R+R)×IDGに上昇して誤点弧を引き起こす時がある。
このような誤点弧対策として、図5のようなゲート駆動回路が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。図5(a)に示すゲート駆動回路11、12では、サージ電流によってゲート電位VGSが上昇するとターンオンするトランジスタQをスイッチング素子S2のゲート・ソース間に接続することで、誤点弧を防止している。また、図5(b)に示すゲート駆動回路21、22では、サージ電流によってゲート電位VGSが上昇するとターンオンするトランジスタQとコンデンサCとからなる直列回路をスイッチング素子S2のゲート・ソース間に接続することで、誤点弧を防止している。
特開2003−324966号公報 特開2012−239061号公報
しかしながら、従来技術において、スイッチング素子S2のゲート電位VGSは、ターンオン時にゲート容量Cとゲート抵抗Rによってなだらかに立ち上がる。そのため、ゲート抵抗Rの両端に瞬間的に電位差が発生する。すなわち、ゲート容量Cはゲート電圧Vが印加されるまで0Vであるため、ゲート電圧立ち上がりの瞬間は短絡と見なせ、ゲート駆動回路11、12のゲート電圧立ち上がり時の等価回路は、図6に示すようになる。従って、ゲート電圧立ち上がり時には、ゲート電圧Vがゲート抵抗Rと並列に接続されているトランジスタQのベース−エミッタ間電圧Vbeにも印加される。そのため、ゲート電圧V(例えば、10〜15V)がトランジスタQのベース−エミッタ間電圧Vbeの最大定格(例えば、5〜7V)を上回る場合、過電圧によるストレスによりトランジスタQが破損に至ってしまう虞があるという問題点があった。
本発明の目的は、従来技術の上記問題を解決し、誤点弧対策用の素子の破損を防止できるゲート駆動回路を提供することにある。
本発明のゲート駆動回路は、上下アームを構成する第1のスイッチング素子をスイッチング制御する制御回路と、前記第1のスイッチング素子のゲート端子と前記制御回路との間に接続されたゲート抵抗と備えたゲート駆動回路であって、前記第1のスイッチング素子のゲート端子から前記制御回路に向けて順方向に接続するダイオードと、抵抗とからなる直列回路が前記ゲート抵抗と並列に接続され、前記直列回路における前記抵抗の両端間の電位差によってターンオンする第2のスイッチング素子が前記第1のスイッチング素子のゲート端子と低電位側端子との間に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、制御回路によるゲート電圧立ち上がり時に、ストレスとなる過電圧が誤点弧対策用の素子として設けた第2のスイッチング素子に印加されることがないため、第2のスイッチング素子の破損を防止でき、安定的に誤点弧を防止することができるという効果を奏する。
本発明に係るゲート駆動回路の実施の形態の回路構成を示す回路構成図である。 図1に示すゲート駆動回路のゲート電圧立ち上がり時の等価回路である。 本発明に係るゲート駆動回路の他の実施の形態の回路構成を示す回路構成図である。 スイッチング素子で上下アームを構成した場合の誤点弧を説明する説明図である。 従来のゲート駆動回路の回路構成を示す回路構成図である。 図5(a)に示すゲート駆動回路のゲート電圧立ち上がり時の等価回路である。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施の形態のゲート駆動回路31、32は、図1を参照すると、上下アームを構成するスイッチング素子S1、S2をそれぞれ駆動する回路である。ゲート駆動回路31、32は、同一構成であるため、以下、ゲート駆動回路32について説明し、ゲート駆動回路31の説明は省略する。
スイッチング素子S1、S2は、スイッチングスピードの速いSJ(スーパー ジャンクション)MOSFETやSiC(シリコンカーバイド)MOSFET等が用いられる
ゲート駆動回路32は、スイッチング素子S2をスイッチング制御する制御回路Z1と、ゲート抵抗Rと、ダイオードDと、抵抗Rと、トランジスタQとを備えている。なお、図1に示すRは、制御回路Z1のゲートインピーダンスである。
ゲート抵抗Rは、スイッチング素子S2における寄生振動を防止する目的で、スイッチング素子S2のゲート端子(制御端子)と制御回路Z1との間に接続されている。
ダイオードDは、カソードがゲート抵抗Rと制御回路Z1との接続点に、アノードが抵抗Rを介してゲート抵抗Rとスイッチング素子S2のゲート端子との接続点にそれぞれ接続されている。すなわち、スイッチング素子S2のゲート端子から制御回路Z1に向けて順方向に接続するダイオードD1と、抵抗Rとからなる直列回路がゲート抵抗Rと並列に接続されている。
トランジスタQは、スイッチング素子S2のゲート端子とソース端子(低電位側端子)との間に接続され、スイッチング素子S2のゲート端子から流れ込むサージ電流によってゲート電位VGSが上昇すると、抵抗Rの両端間の電位差によってターンオンし、ゲート電位VGSをソース電位Vにクランプし、誤点弧を防止する。
本実施の形態では、トランジスタQとしてPNPトランジスタを用い、エミッタがゲート抵抗Rとスイッチング素子S2のゲート端子との接続点に、コレクタがスイッチング素子S2のソース端子に、ベースがダイオードDのアノードと抵抗Rとの接続点にそれぞれ接続されている。
図2は、ゲート駆動回路32のゲート電圧立ち上がり時の等価回路である。図2に示すように、トランジスタQのベース−エミッタ間はダイオードDで表せる。従って、ダイオードDとダイオードDとからなる直列回路がゲート抵抗Rと並列に接続されていると見なすことができ、ゲート電圧立ち上がり時にダイオードDとダイオードDとからなる直列回路に逆方向のゲート電圧Vが印加されることになる。この場合、ダイオードDに印加される電圧はダイオードDとダイオードDとのインピーダンスによって決まることになるが、ダイオードD(トランジスタQのベース−エミッタ間)には抵抗Rが並列に接続されているため、ゲート電圧VはダイオードDに支配的に印加されることになる。これにより、ゲート電圧立ち上がり時にトランジスタQのベースエミッタ間(ダイオードD)に過電圧が印加されなくなるため、トランジスタQが破損することを防止できる。
また、図3に示すゲート駆動回路41、42のように、スイッチング素子S1、S2のゲート端子とソース端子との間に、トランジスタQとコンデンサCとを直列に接続しても良い。トランジスタQとコンデンサCとを直列に接続することで、サージ電流によるゲート電位VGSの上昇に伴ってトランジスタQがターンオンすると、コンデンサCによってスイッチング素子S1、S2の入力容量が大きくなる。従って、スイッチング素子S1、S2のゲート電位VGSの上昇が抑制され、誤点弧が防止される。
この場合も、トランジスタQのベース−エミッタ間には抵抗Rが並列に接続されているため、ゲート電圧立ち上がり時にゲート電圧VはダイオードDに支配的に印加され、トランジスタQが破損することを防止できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上下アームを構成するスイッチング素子S1、S2(第1のスイッチング素子)をスイッチング制御する制御回路Z1と、スイッチング素子S1、S2のゲート端子と制御回路Z1との間に接続されたゲート抵抗Rと備えたゲート駆動回路31、32であって、スイッチング素子S1、S2のゲート端子から制御回路Z1に向けて順方向に接続するダイオードDと、抵抗Rとからなる直列回路がゲート抵抗Rと並列に接続され、直列回路における抵抗Rの両端間の電位差によってターンオンするトランジスタQ(第2のスイッチング素子)がスイッチング素子S1、S2のゲート端子とソース端子(低電位側端子)との間に接続されている。
この構成により、制御回路Z1によるゲート電圧立ち上がり時に、ストレスとなる過電圧が誤点弧対策用の素子として設けたトランジスタQに印加されることがないため、トランジスタQの破損を防止でき、安定的に誤点弧を防止することができる。
さらに、本実施の形態は、トランジスタQは、コンデンサCを介してスイッチング素子S1、S2のソース端子と接続されている。
この構成を採用しても、同様にストレスとなる過電圧がトランジスタQに印加されることがないため、トランジスタQの破損を防止でき、安定的に誤点弧を防止することができる。
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、上記実施形態は一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでもない。
11、12、21、22、31、32、41、42 ゲート駆動回路
、D ダイオード
ゲート抵抗
ゲートインピーダンス
抵抗
トランジスタ
Z1 制御回路

Claims (2)

  1. 上下アームを構成する第1のスイッチング素子をスイッチング制御する制御回路と、
    前記第1のスイッチング素子のゲート端子と前記制御回路との間に接続されたゲート抵抗と備えたゲート駆動回路であって、
    前記第1のスイッチング素子のゲート端子から前記制御回路に向けて順方向に接続するダイオードと、抵抗とからなる直列回路が前記ゲート抵抗と並列に接続され、
    前記直列回路における前記抵抗の両端間の電位差によってターンオンする第2のスイッチング素子が前記第1のスイッチング素子のゲート端子と低電位側端子との間に接続されていることを特徴とするゲート駆動回路。
  2. 前記第2のスイッチング素子は、コンデンサを介して前記第1のスイッチング素子の低電位側端子と接続されていることを特徴とする請求項1記載のゲート駆動回路。
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