以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとからなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図4参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えないし、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して再度発射位置へ誘導する封入式の弾球遊技機としてもよい。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14(本発明の振り分け手段の一部に相当)、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。本実施例では、遊技ボタン14としてプッシュ式のボタンを採用しているが、遊技者の操作に応じた信号が検出可能な操作装置であれば、これに限るわけではない。例えば、操作方向まで検出可能な十時式のボタンでもよいし、レバータイプのスイッチでもよい。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図4参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。本実施例では、遊技球を機外に払出す構成の遊技機としているが、遊技機内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う循環式遊技機としても何ら問題ない。
続いて、図2に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(本発明の表示装置に相当)(図4参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特図表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特図表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特図保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特図保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には貯留装置100(本発明の貯留手段に相当)を備えた入賞球振り分け装置101(本発明の振り分け手段に相当)(図を用いて後述)と一体となった第1始動口31(本発明の始動口に相当)と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。第1始動口31に入賞した遊技球は全て貯留装置100に向かうが既に4個の遊技球が貯留されている場合は、それ以上の遊技球が貯留されることなく遊技盤8裏面に排出される。貯留装置100に貯留される遊技球は、当否判定及び賞球に関する検出が既に実施され遊技の進行には関知しない遊技球となる。普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普図保留数表示装置41aが設けられている。
大入賞口ユニット33の左右両側には、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35e(図4参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口スイッチ35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。尚、本実施例においては、普通電動役物40は開放時のみ遊技球の入賞が可能な構成としているが、この構成に限るわけではなく、未開放時(普通電役ソレノイド40bが駆動しない)でも遊技球の入球を可能とする構成でも問題ない。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図4参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2始動口スイッチ32a(図4参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2始動口スイッチ32a(図4参照)で遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。尚、第1始動口と第2始動口への入球順(記憶が古い順)に変動を開始する構成としても問題ない。
変動後に確定表示した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図4参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図4参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と普通電動役物40(第2始動口32)は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
次に、図3を用いて入賞球振り分け装置101の機構を説明する。入賞球振り分け装置101は、貯留装置100から解除された遊技球が進入する解除球転出口101hと、解除球転出口101hから進入した遊技球が転動する振り分け転動面101gと、操作有効期間中の遊技ボタン14の操作に応じて作動する左右一対の可動片101aと、遊技球を遊技盤8の裏面に排出する4個の排出領域A,B,C,Dから構成されている。
それぞれの位置関係は、図3(1)(2)(3)に示すように、解除球転出口101hが遊技者から向かって左側面の奥側に配置され、振り分け転動面101gは奥から手前に遊技球が転動するように傾斜し、左右一対の可動片101aは、振り分け転動面101gを遊技者に向かって転動してきた遊技球を受けるように配置されている。また、4ヶ所の排出領域A,B,C,Dは、排出領域A,B,Cが遊技者から向かって奥の面に均等に配置され、排出領域Dは可動片101aよりも手前(遊技者側)に配置され左右の可動片の間をすり抜けた遊技球が排出されるようになっている。
上記したように、入球振り分け装置101の構成は、所謂ピンボールの構成と類似し、遊技球が貯留装置100から貯留解除された場合の転動経路は、まず、解除球転出口101hから入賞球振り分け装置101内に進入し、遊技者側に向かって転動する。遊技者に向かって転動した遊技球は運悪く左右の可動片101aの間をすり抜けて排出領域Dに至る場合もあるが、多くの場合は可動片101aに接触することになり、接触時に遊技者によって遊技ボタン14が操作されると、遊技球は可動片101aに跳ね返されて排出領域A,B,Cのいずれかに入り、遊技盤8の裏面に排出される。なお、本実施例においては、左右一対の可動片101aは遊技ボタン14の操作に応じて左右同一の動作を行うが、左の可動片用と右の可動片用の遊技ボタンを設けて、左右独立して作動させる構成としてもよい。
4個の排出領域A,B,C,Dには、進入した遊技球を検出するための検出スイッチが設けられ、すべての検出スイッチは、演出機器を制御するサブ統合制御装置53に接続されている(図4参照)。
続いて、図4にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置から直接的または間接的に供給される構成となっている。
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31a(本発明の検出手段に相当)と、第2始動口32となる普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)とが接続されている。また、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。第2始動口スイッチ32a,普通図柄作動スイッチ42a,カウントスイッチ33b,一般入賞口スイッチ35b,35c,35d,35eも本発明の検出手段に相当する。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第2特図表示装置30と、特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合制御装置53に出力する。ここで主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介して主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技ボタン14の操作を検出する遊技スイッチ14aと、入球振り分け装置101に配置された排出領域Aへの遊技球の進入を検出する排出領域Aスイッチ101bと、排出領域Bへの遊技球の進入を検出する排出領域Bスイッチ101cと、排出領域Cへの遊技球の進入を検出する排出領域Cスイッチ101dと、排出領域Dへの遊技球の進入を検出する排出領域Dスイッチ101eと、が接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、第1始動口31へ入球した遊技球を貯留する貯留装置100から1個の遊技球の貯留を解除するために駆動する貯留解除ソレノイド100aと、入球振り分け装置101内に配置された左右一対の可動片101aを作動させる可動片駆動ソレノイドfと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンド(本発明の主制御装置から受信する信号に相当)に基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(払出し遅延報知、前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31及び第2始動口32への遊技球入球に基づく当否判定(第1始動口スイッチ31a又は第2始動口スイッチ32aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かの判定)は、通常(低)確率遊技状態と、該通常確率遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(確変状態)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
また、普通電動役物40(第2始動口32)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機を同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物40の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物40への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
次に、図5を用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数(本発明の始動口への遊技球の入球に起因して取得した乱数に相当)を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)する(本発明の保留記憶手段に相当)とともに、記憶した乱数が予め設定された特定の値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理(本発明の先読み判定手段に相当)を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドを演出機器を制御するサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し(本発明の保留記憶手段に相当)第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する(本発明の先読み判定手段に相当)。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値(本発明の特定の値に相当)か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、又はS10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、S30と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に、図6に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(大当りを生起させるか否かの当否判定)する処理となる(本発明の当否判定処理に相当)。
本処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この判定処理S100では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S105)。肯定判定なら(S105:yes)、S115に進み、否定判定なら(S105:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S110:yes)、S115に進む。S105とS110の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本願発明の効果に何ら変わりないし、2種類の特別図柄が同時に変動する構成としても本願発明の効果に変わりはない。
S115では確変フラグの値が0か否か判定する(S115)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S115:yes)S120に進み、否定判定なら(S115:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。S120では、保留記憶のシフト処理を行い(S120)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S125)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS130の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S130:yes)、図柄モード設定処理を行う(S135)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S135)。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S140)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS135で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S145)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S135で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S150)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S155)(図5参照)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号(変動指示コマンド)としてサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S130が否定判定、即ちハズレなら(S130:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S165)、肯定判定なら(S165:yes)、小当り図柄を選択し(S170)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S150)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S155)(図5参照)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S165が否定判定なら(S165:no)、ハズレ図柄を選択し(S175)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S155)(図5参照)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となる。本実施例では、図5に示したように、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図8に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。本処理では、主制御装置50から受信する変動指示コマンドの種類と、該受信時にサブ統合制御装置53が抽出する乱数値とに応じて、演出図柄表示装置54b上に表示する疑似図柄の演出態様を選択して変動表示の開始を指示する処理を主としながら、選択した疑似図柄の演出態様が、所定の変動態様(例えば、ノーマルリーチ、ノーマルロングリーチ、スーパーリーチ)(本発明の所定の変動態様又は大当りが生起する期待度が高い変動態様に相当)であった場合は、所定の確率で演出図柄表示装置54bで実施している演出モードの変更を可能とするために、貯留装置100から1個の遊技球の貯留を解除して遊技ボタン14の操作を用いた振り分け操作を有効とする処理を行う。従って本処理は、本発明の貯留解除手段と振り分け手段の一部を含む。
本処理を開始すると、主制御装置50から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S200)。否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、振分乱数1を抽出し(S205)、サブ統合制御装置53が備える保留球数カウンタのデクリメントを行い(S210)、受信した変動指示コマンドの種類とS205で抽出した振分乱数1とに応じて、サブ統合制御装置53が記憶する複数種類の演出変動態様の中から演出図柄表示装置54bに表示する1つの演出変動態様と確定表示する演出図柄とを選択する(S215)。
S215に続いては、S215で選択した演出態様が、ノーマルリーチ、ノーマルロングリーチ、スーパーリーチのいずれかであるか否か判定し(S220)、肯定判定なら(S220:yes)、S205で抽出した振分乱数値が各変動態様に応じた演出モード変更の実施値か否か判定する(S222)。この場合、ノーマルリーチ<ノーマルロングリーチ<スーパーリーチの順に、信頼度が高い当否判定結果の示唆を行う演出モードが選択される割合が高くなる。S222が肯定判定なら(S222:yes)、演出モード決定処理を行う(S225)、演出モード決定処理では、排出領域A,B,C,Dのそれぞれにどの演出モードを対応させるかを決定する。続いてのモード移行演出指示(S230)では、S225で決定した各排出領域と演出モードとの対応関係を、演出図柄表示装置54bに表示する指示を行い(表示内容は図を用いて後述)、貯留解除ソレノイド100aの駆動を制御して貯留手段100に貯留されている遊技球の貯留を1個解除し(貯留解除手段)(S235)、可動片操作有効フラグに1をセットし(S240)、可動片操作有効タイマをスタートさせる(S245)。
可動片操作有効フラグは、サブ制御装置が記憶する値であり、値が1なら、入賞振り分け装置101内の可動片101aを作動させるための遊技ボタン14の操作が有効であることを、値が0なら、遊技ボタン14の操作が無効であることをサブ統合制御装置53が判断する。
S245、またはS220の否定判定(S220:no)に続いては、S215で選択した演出変動態様及び確定図柄を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S250)リターンする。
以上がサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理となり、受信した変動指示コマンドに応じて選択した演出変動態様がスーパーリーチAであれば、どの排出領域に遊技球が入ればどの演出モードに移行するかを決定し、該決定内容を報知するモード移行演出を行い、貯留解除ソレノイド100aを作動させて1個の遊技球の貯留を解除し、遊技ボタン14操作に応じた可動片101aの作動を有効とし、有効時間を掲示するタイマをスタートさせる処理を行う。
次に、図9に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する遊技ボタン操作処理を説明する。本処理は、可動片操作有効フラグがたった時点、即ち貯留玉が1個解除された時点から遊技ボタンスイッチ14aの操作に応じて可動片101aを作動させる可動片駆動ソレノイド101fを制御する処理となり、本発明の振り分け手段の一部に相当する。
本処理を開始すると、可動片操作有効フラグが1か否か判定し(S300)、否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、遊技ボタンスイッチ14aの信号を検出したか否か判定し(S305)、否定判定なら(S305:no)リターンし、肯定判定なら(S305:yes)、可動片駆動ソレノイド101fを駆動させて左右一対の可動片101aを作動させて(S310)リターンする。
以上がサブ統合制御装置53が実行する遊技ボタン操作処理となるが、操作有効期間中は、遊技ボタン14の操作を何回でも行うことができる。また、遊技ボタン14を押し続けると、可動片101aは上位置で停止したままとなるため、ピンボールのように貯留を解除された遊技球を好みの演出モードの排出領域に誘導することが容易となる。
次に、図10を用いて、サブ統合制御装置53が実行する遊技ボタン操作有効期間処理を説明する。本処理は、遊技ボタン14の操作有効期間中にいずれかの排出領域スイッチが遊技球を検出すると、S225で決定した内容に応じて実施する演出モードを決定し(現状と同じであれば変更しない)、操作有効期間を終了させる。本処理は、本発明の演出モード決定手段に相当し、遊技球が振り分けられた前記排出領域の種類に対応して前記演出モードを決定する処理を行う。
本処理を開始すると、可動片操作有効フラグが1か否か判定し(S350)、否定判定なら(S350:no)リターンし、肯定判定なら(S350:yes)、S245でセットした操作有効タイマが所定値に達したか否か判定する(S355)。S355が否定判定、即ち、未だ遊技ボタン14による可動片101aの操作が可能なら(S355:no)、排出領域Aスイッチ101bが遊技球を検出したか否か判定し(S370)、肯定判定なら(S370:yes)、S225で決定した排出領域Aに対応する演出モードに変更する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S375)、S360に進む。
S370が否定判定なら(S370:no)、排出領域Bスイッチ101cが遊技球を検出したか否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、S225で決定した排出領域Bに対応する演出モードに変更する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S385)、S360に進む。S380が否定判定なら(S380:no)、排出領域Cスイッチ101dが遊技球を検出したか否か判定し(S390)、肯定判定なら(S390:yes)、S225で決定した排出領域Cに対応する演出モードに変更する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S395)、S360に進む。S380が否定判定なら(S380:no)、排出領域Dスイッチ101eが遊技球を検出したか否か判定し(S400)、肯定判定なら(S400:yes)、S225で決定した排出領域Dに対応する演出モードに変更する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S405)、S360に進む。
S355の肯定判定(S355:yes)、又はS375,S385,S395,S405に続いては、可動片操作有効フラグに0をセットし(S360)、操作有効タイマをクリア(初期化)して(S365)リターンする。
以上がサブ統合制御装置53が実行する遊技ボタン操作有効期間処理となる。図には記載されていないが、貯留が解除された遊技球が操作有効期間が終了してから排出領域スイッチに検出されても、該スイッチの種類に応じて演出モードを移行する。
次に、図11から図13を用いて、実施例1において演出図柄表示装置54bで表示する演出例について説明する。図11は、S230の指示に応じて表示されるモード移行演出の表示例となる。この場合の演出図柄表示装置54bの表示は、画面上部が左中右の疑似図柄が変動表示を行う疑似図柄表示部となり、画面下部がモード移行演出部となる。
モード移行演出部では、入賞球振り分け装置101内のどの排出領域に遊技球が入るとどの演出モードに移行するかを報知する演出表示を行う。記載した演出例では、モード移行演出部の具体的な表示内容は、入賞振り分け装置101におけるABCDの排出領域の位置を示す略図と、「ボタン操作で好みのモードに変えるチャンス」の文字列と、ABCDのそれぞれに対応する演出モード名が表示され、図例ではA:一発告知モード、B:多演出モード、C:ノーマルモード、Dランダムが記載されている。
本実施例では、Dのランダムは毎回固定だが、ABCに表示される演出モードは、S225の決定内容に応じてモード移行演出が行われる毎に入れ替わる。従って、可動片によって狙う排出領域の位置もモード移行演出が行われる毎に変化することにより、好みの演出モードを続ける場合は、毎回異なる排出領域に遊技球を入れなければならず、好みの演出モードを続けたい場合には遊技ボタン14を用いた振り分け操作自体に集中することで遊技性が増す。また、振り分け操作に失敗した場合は、好みでない演出モードに移行してしまうが、他の演出モードが経験できることにより、遊技機自体に飽きることを抑止できる。
図12と図13は、各演出モード実施時の表示例となる。図12の(2)はノーマルモード(図11(1)で排出領域Cに対応)を示す表示例となり、本実施例では、戦闘機が飛行している空の背景がそれにあたる。このノーマルモードでは、予告の出現頻度は一般的な設定となっている。(3)は、少演出モードを示す表示例となり、本実施例では、格闘家が動き回る野原の背景がそれにあたる。この少演出モードでは、ノーマルモードに比べ予告の出現頻度を低く設定している。
図13の(4)は、多演出モード(図11(1)で排出領域Bに対応)を示す表示例となり、本実施例では、レーシングカーが走行するサーキットの背景がそれにあたる。この多演出モードでは、ノーマルモードに比べ予告の出現頻度を高く設定している。また、Aと記されたレーシングカーの走行順位が大当り期待度を示唆する構成となっている。従って、この多演出モードは、本願発明の大当りの期待度を示唆する演出モードに相当する。
図13の(5)は、一発告知モード(図11(1)で排出領域Aに対応)を示す表示例となり、本実施例では、ノーマルモードと同様に戦闘機が飛行する空の背景がそれにあたるが、飛行する戦闘機の種類と表示位置(飛行位置)はノーマルモードと異なる。変動が開始された時点で疑似図柄表示部が縮小して画面左上部に移動することで後ろを飛行する戦闘機(ノーマルモードの戦闘機)からミサイルが発射されれば大当り確定演出となる。
以上が実施例1の説明となる。本実施例におけるモード移行演出では、ABCDの4個の排出領域のそれぞれに異なる演出モードを対応させたが、一つの演出モードを複数の排出領域に対応させる構成としてもよい。この構成により振り分け操作の難易度を変化させることができる。また、演出モードの種類と数は実施例と同一に限るわけではなく、めったに出現しない(S225の処理で排出領域との対応を決定する頻度が低い)演出モードを備える構成としてもよい。このような構成を備えることで、さらに飽きが来ない効果を発揮する。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用する。
実施例1では、貯留装置100に貯留された遊技球を解除する契機をスーパーリーチAの実施としたが、本実施例では、主制御装置50が始動入賞処理時に行う先読み判定の結果に基づいて遊技球を解除する構成となっている。以下に、実施例1とは相違する箇所を図を用いて説明する。
図14は、サブ統合制御装置53が実行する保留数指示コマンド受信処理を示すフローチャートとなる。本処理を開始すると、主制御装置50から保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)、リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、保留数カウンタをインクリメントし(S505)、演出図柄制御装置54aに保留数カウンタに応じた表示を指示する保留数表示信号を送信し(S510)、リターンする。なお、本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶とで別々に同一の処理が行われる。この処理により、演出図柄表示装置54bの画面に第1保留記憶数と第2保留記憶数との数が遊技者に認識可能に表示される。
次に、図15を用いて、サブ統合制御装置53が実行する先読モード変更処理を説明する。本処理は、主制御装置50から受信した先読み判定コマンド(S35、又はS70)の内容に基づいて、実施例1の図8のS225以降の処理を行う処理となる。
本処理を開始すると、主制御装置50から先読み判定コマンドを受信したか否か判定する(S550)。否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、振分乱数2を抽出し(S555)、受信した先読み判定コマンドの内容が大当りとなるものか否か判定し(S560)、肯定判定(本願発明の特定の値に相当)なら(S560:yes)、S555で抽出した振分乱数2の値が大当り判定時に演出モードの変更を行う実施値か否か判定し(S565)否定判定なら(S565:no)リターンする。
S560が否定判定なら(S560:no)、受信した先読み判定コマンドの内容がスーパーリーチ以上となるもの(図7参照。変動パターン8以上)か否か判定し(S570)、肯定判定(本願発明の特定の値に相当)なら(S570:yes)、S555で抽出した振分乱数2の値がスーパーリーチ以上判定時に演出モードの変更を行う実施値か否か判定し(S575)否定判定なら(S575:no)リターンする。
S565の肯定判定(S565:yes)、又はS575の肯定判定(S575:yes)に続いては、実施例1の図8のS225以降と同一の処理を行い、演出図柄表示装置54bで実施するモード移行演出の内容を決定し、貯留装置100に貯留された1個の遊技球の貯留を解除し、遊技ボタン14の操作(可動片101aの作動)を有効とする。
以上が、先読み判定結果に基づいてサブ統合制御装置53が実行する先読みモード変更処理となり、本処理によって開始する実施例2におけるモード移行演出を図16を用いて説明する。図16に示す演出図柄表示装置54bの画面構成は、図11を用いて説明した実施例1のモード移行演出と同一となるが、排出領域ABCDに対応する演出モードの内容が異なるものとなり、その内容は先読み判定に関連した演出を行う演出モードを対応させたものとなる。先読み判定は保留記憶時に実行されるため、実施する演出モードの内容は、実施例1のように変動表示中の図柄の大当り期待度を示唆するのではなく、表示中のいずれかの保留記憶の大当り期待度を示唆する演出となる。
具体的な表示内容は、本実施例でも画面上部が左中右の疑似図柄が変動表示を行う疑似図柄表示部となり、画面下部が実施例1と同一構成のモード移行演出部となる。本実施例においても、排出領域ABCDのそれぞれに対応する演出モード名が表示され、図例では、A:先読みモード1、B:先読みモード2、C:現状維持モード、Dランダムが記載されている。
本実施例においては、排出領域Dに遊技球が侵入した場合、演出モードは遊技球の進入タイミングに応じてランダムに選択される構成となり、偶然に遊技者の好みの演出モードが選択される場合もあるが、遊技者の好みではない演出モードが選択される確率の方が高いことになる。従って、ABCのいずれかに遊技者の好みの演出モードが表示されていれば、遊技者は積極的に遊技ボタン14を用いた振り分け操作を行う。
ABCに表示される演出モードは、S580の決定内容に応じてモード移行演出が行われる毎に入れ替わる。従って、可動片によって狙う排出領域の位置もモード移行演出が行われる毎に変化することにより、好みの演出モードを続ける場合は、毎回異なる排出領域に遊技球を入れなければならず、好みの演出モードを続けたい場合には遊技ボタン14を用いた振り分け操作自体に集中することで遊技性が増す。また、振り分け操作に失敗した場合は、好みでない演出モードに移行してしまうが、他の演出モードが経験できることにより、遊技機自体に飽きることを抑止できる。
本実施例では、演出例にもあるように、大当りが生起する期待度が高い保留記憶があるか否かを示唆する演出モードである先読みモードを2種類(先読みモード1と先読みモード2)備えている。図17(2)(3)は、先読みモード1の表示演出例であり、(2)は、大当り判定に基づいて実施される場合の表示例となる。(3)は、主にスーパーリーチ判定に基づいて実施されるが、(2)もスーパーリーチ判定に基づいて実施される場合があり、これが(2)のガセパターンとなる。図に示すように先読みモード1は、文字列の表示によって演出を行う。
図18(4)(5)は、先読みモード2の表示演出例であり、(4)は、大当り判定に基づいて実施される場合の表示例となる。(5)は、主にスーパーリーチ判定に基づいて実施されるが、(4)もスーパーリーチ判定に基づいて実施される場合があり、これが(4)のガセパターンとなる。図に示すように先読みモード2は、背景の変化や出現するキャラクタの種類によって演出を行う。
次に、図19を用いて、演出図柄表示装置54bで表示する先読み判定を貯留玉解除の契機としたその他の演出例について説明する。この演出も、先読み判定結果に基づいたモード移行演出として実施され、遊技者の操作に応じて振り分けられた遊技球の進入先に応じて演出モードが決定する。但し、決定した演出モードに変更するタイミングは当該演出の元となる先読み判定を行った保留記憶が変動表示を開始する時点となり、該保留記憶を示す画面最下部の保留記憶数表示領域の保留図柄は、モード移行演出が開始されると図に示す先読み演出図柄として表示され、遊技球の振り分けにより演出モードが決定すると、決定した演出モードの種類に応じて先読み演出図柄の態様が変化する。
具体的には、貯留解除された遊技球が遊技者の遊技ボタン14操作によっていずれかの排出領域に入球すると、先読み演出図柄として表示されていた★から、入球した演出モードを示す態様に変化する。図の例では、排出領域A(セクシーモード)に入球すると保留図柄はSの態様に変化し、排出領域C(バトルモード)に入球すると保留図柄はBの態様に変化する。また、排出領域D(ランダム)に入球すると保留図柄はRの態様に変化し、排出領域B(現状維持)に入球した場合は★の態様から変化しない。
以上が実施例の説明となる。貯留解除の契機を所定の変動態様の実施と先読み判定で実施例1と実施例2で分けて説明したが、両方を含む構成としても何ら問題ない。また、貯留解除の契機を先読み判定の結果に基づくものとした場合、貯留を解除するタイミングは、判定コマンドを受信したとき、即ち新たな保留記憶が発生した時点とするのではなく、該保留記憶発生時から該保留記憶の変動開始時までの期間においてランダムとしてもよく、それにより、大当りの期待度が高い保留記憶がどの保留記憶かを特定するのを困難とすることで貯留解除時の全ての保留記憶に対して期待感が発生し遊技性が増す。また、先読み対象の保留記憶が発生してから以降の変動表示開始時に貯留解除を行ってもよい。
また、貯留を解除してから所定時間内にいずれの排出領域にも遊技球が進入しなかった場合は、可動片101aの動作を無効にすることによって、排出領域Dに強制的に遊技球を誘導する構成となるが、この場合の排出領域Dには、時間内に振分されなかった場合の演出モードを設定する構成としてもよい。
また、貯留解除の契機を特別図柄が小当り図柄で確定した場合としてもよく、この場合に選択可能となる演出モードの中には、例えば、所定の演出で貯めたポイントが所定数になった場合、又は所定ゲーム数が継続した場合に実行中の遊技状態が確変状態か否かを報知する演出モードを備える構成としてもよい。また、遊技者の操作に応じた可動片101aの作動によって、遊技球の進入が容易な排出領域と遊技球の進入が困難な排出領域とを備え、入球が困難な排出領域に遊技球を進入させることに成功した場合は、容易に進入させることが可能な排出領域に遊技球が進入した場合よりも遊技者にとってより価値のある情報が表示される演出モードが実施される構成としてもよく、これらの構成を付加することで、遊技の興趣をさらにますことができる。