本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.第5実施形態:
F.他の構成への適用:
G.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる大当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図2は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として大当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図3は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図3(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図3(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図3(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図3(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図3(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図3(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて取得された特別情報について、大当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第1保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。また、第2始動口34への入賞に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第2保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。
さらに、図柄表示装置41の表示面41aには、第1実行遊技回表示領域J1、第2実行遊技回表示領域J2、および、ステージStが表示される。第1実行遊技回表示領域J1および第2実行遊技回表示領域J2は、実行される遊技回(実行中の遊技回)が、第1始動口33への入賞に基づく遊技回か、第2始動口34への入賞に基づく遊技回かを示す。第1実行遊技回表示領域J1には第1始動口33への入賞に基づく遊技回が表示され、第2実行遊技回表示領域J2には第2始動口34への入賞に基づく遊技回が表示される。また、第1保留表示領域Ds1に表示されていた保留遊技回が遊技回として実行される場合には、第1保留表示領域Ds1に表示されていた保留遊技回を示す画像が第1実行遊技回表示領域J1に移動する。第2保留表示領域Ds2に表示されていた保留遊技回が遊技回として実行される場合には、第2保留表示領域Ds2に表示されていた保留遊技回を示す画像が第2実行遊技回表示領域J2に移動する。以下、第1実行遊技回表示領域J1に示す表示を第1実行遊技回表示とも呼び、第2実行遊技回表示領域J2に示す表示を第2実行遊技回表示とも呼ぶ。
ステージStは、後述するポイント付与演出に用いられる。ポイント付与演出およびステージStの用いられ方については、後で詳しく説明する。
また、図3(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1実行遊技回表示領域J1、第2実行遊技回表示領域J2、ステージSt、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図5は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、大当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、大当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、大当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図3(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて大当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における大当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における大当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図6は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図6(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図6(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図6(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図6(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図7は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図7(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図7(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図7(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図7(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、大当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、大当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉36bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードとして複数種類の入賞モードは設けておらず、開閉実行モード中は、上述した高頻度入賞モードとなる。すなわち、開閉実行モードにおける開閉扉36bの1回の開放は、30秒が経過するまで又は開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定される。
本実施形態では、大当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり抽選の際に参照される。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、8R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が8R確変大当たりに対応しており、「25〜39」が8R通常大当たりに対応している。
図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、16R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が16R確変大当たりに対応しており、「25〜39」が16R通常大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図9は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図9(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図9(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図9(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図9(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
A3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図10は、本実施形態のパチンコ機10が実行するポイント付与演出(ケース1)を説明するタイムチャートである。ポイント付与演出は、遊技回の実行中に、所定のタイミングでポイントを付与する演出である。そして、付与されたポイントが10ポイント蓄積する毎に、ボタン押下演出が実行される。ボタン押下演出は、遊技者に演出操作ボタン24を押下することを促す演出である。そして、ボタン押下演出が実行されている期間に遊技者が演出操作ボタン24を押下することによって、または、ボタン押下演出が実行されている期間の経過後に、当該遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆する演出が実行される。なお、ボタン押下演出が実行されている期間に遊技者が演出操作ボタン24を押下することによってのみ、当該遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆する演出が実行されるとしてもよい。以下、ポイント付与演出(ケース1)をタイムチャートに沿って具体的に説明する。
図10には、1回の遊技回において実行されるポイント付与演出およびボタン押下演出がタイムチャートとして示されている。図10に示した遊技回においては、図柄の変動が開始されると同時に演出a1が実行される。演出a1が実行されることによって、表示面41aに液晶用図柄の変動を示す画像が表示されたり、所定のキャラクタ画像が表示される。また、これらの画像の表示に伴って、音声の出力やランプの点灯も実行される。変動の開始後、図示するように、所定のタイミングにおいて、ポイント付与演出X1が実行される。図示した[+4P]は、当該ポイント付与演出において4ポイントが付与されることを示す。
図11は、ポイント付与演出X1が実行される様子を示す説明図である。図11(a)に示すように、表示面41aのメイン表示領域MAにおいては演出a1に対応する画像が表示されている。その後、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。図11(b)に示すように、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図11(c)に示すように、投下された真珠に対応する画像は、表示面41aの下部中央のステージStに到達したタイミングで、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像に変化し蓄積される。すなわち、ステージStに表示されている真珠の数は、蓄積しているポイント数に対応する。このとき、ステージStの色は白色から赤色に変化する。ステージStの色の変化については、後で詳しく説明する。
当該ポイント付与演出において付与されるポイント数は、カメのキャラクタが表示面41aの上部中央を通過し、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示されたタイミングで初めて遊技者に報知される。よって、ポイント付与演出が開始されカメのキャラクタが表示面41aの上部中央を通過するまでの期間に、遊技者に対して、付与されるポイント数に対する期待感を与えることができる。なお、変形例として、カメのキャラクタが投下する真珠の画像に、付与されるポイント数が表示されない構成を採用してもよい。このようにすることで、投下された真珠がステージSt上に到達して付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示されるまでの期間、遊技者に対してポイント数に対する期待感を付与することができる。また、後述するが、本実施形態においては、ポイントが付与されないポイント付与演出が実行される場合がある(図18参照)。この場合は、カメのキャラクタは、ポイントの付与を意味する真珠の投下をせずに表示面41aの右端から左端に通過する。よって、本変形例のように、カメのキャラクタが投下する真珠の画像に、付与されるポイント数が表示されない構成を採用した場合、第1段階として、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現した時点で、ポイント付与演出が実行されることを遊技者に認識させることができ期待感を付与することができる。そして、第2段階として、カメのキャラクタが真珠を投下した時点で、実行されたポイント付与演出が、ポイントが付与されないポイント付与演出ではないことを遊技者に認識させることができ、さらに遊技者に期待感を付与することができる。その後、カメが投下した真珠がステージStに到達し、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示された時点で、付与されたポイント数を認識した遊技者に対して期待感や高揚感を付与することができる。すなわち、本変形例を採用した場合には、カメのキャラクタが出現したタイミング、カメのキャラクタからポイントの付与を意味する真珠が投下されたタイミング、投下された真珠がステージStに到達して付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像が表示されたタイミングの3つのタイミングにおいて段階的に遊技者に期待感を付与することができる。
説明を図10に戻す。図10には、ポイント付与演出が実行されることによって蓄積したポイント数を「蓄積ポイント」として示した。4ポイントを付与するポイント付与演出X1が実行されたことによって4ポイントが蓄積されたため、蓄積ポイントとして<4P>を図示している。
ポイント付与演出X1が実行された後、所定のタイミングでポイント付与演出X2が実行される。図10に示すように当該ポイント付与演出においては3ポイントが付与される。
図12は、ポイント付与演出X2が実行される様子を示す説明図である。図12(a)に示すように、ポイント付与演出X2においては、ポイント付与演出X1と同様に、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。そして、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図12(c)に示すように、投下された真珠に対応する画像は、ステージStに到達したタイミングで、付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像に変化し蓄積される。ポイント付与演出X2が実行されることによって、3ポイントが付与され、蓄積ポイントは7ポイントとなり、ステージStには蓄積ポイント数に対応した7個の真珠が表示される。
図10に示すように、ポイント付与演出X2が実行された後、所定のタイミングでポイント付与演出X3が実行される。図示するように当該ポイント付与演出においては5ポイントが付与される。
図13は、ポイント付与演出X3が実行される様子を示す説明図である。図13(a)に示すように、ポイント付与演出X3においては、ポイント付与演出X1およびポイント付与演出X2と同様に、演出a1の実行中に、表示面41aの上部を、カメのキャラクタが右から左に向かって通過する。そして、表示面41aの上部中央にカメのキャラクタが位置したタイミングで、付与されるポイント数が表示された真珠が投下される。その後、図13(c)に示すように、ステージSt上の画像は、投下された真珠に対応する画像がステージStに到達したタイミングで、1個の貝の画像と、2ポイントを示す2個の真珠の画像に変化して表示される。蓄積されたポイントの合計は12ポイントとなるが、蓄積ポイントが10ポイント以上となっているため、本実施形態においては、10ポイント分の蓄積ポイントは1個の貝の画像として表示する。また、貝の画像の下には、ボタン押下演出が実行されるまでの時間を示すタイマを表示する。貝およびタイマが表示される演出をタイマ演出とも呼ぶ。
図14は、タイマ演出およびボタン押下演出を説明する説明図である。図14(a)にはタイマ演出が実行される様子を示した。図示するように、ステージStの近傍に、蓄積ポイントの10ポイント分を示す貝の画像が表示される。当該貝の画像は、後にボタン押下演出が実行されることを示す。また、貝の画像の下には、ボタン押下演出が実行されるまでの時間を示すタイマが表示される。当該タイマは、時間の経過とともにカウントダウンされる。また、ポイント付与演出X3が実行されたことによって12ポイントとなった蓄積ポイントのうち、貝に変化した10個の真珠に相当する10ポイント以外の残りの2ポイント分は、ステージStに2個の真珠として表示される。
タイマ演出が実行されている期間中も、表示面41aのメイン表示領域MAでは、演出a1が実行される。そして、タイマ演出によって示されているタイマの残時間が0(ゼロ)になるとボタン押下演出が実行される。
図14(b)には、ボタン押下演出が実行される様子を示した。ボタン押下演出は、遊技者に対して演出操作ボタン24を押下することを促す演出である。具体的には、タイマ演出において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。
また、本例においては、ボタン押下演出が開始される直前、すなわち、タイマ演出によるタイマの残時間が0になる直前に、演出a1としてメイン表示領域MAにおいて変動表示している液晶用図柄が擬似的に停止した状態(以下、擬似停止状態とも呼ぶ)となる。そして、液晶用図柄が擬似停止状態で、ボタン押下演出が実行され、遊技者が所定のタイミングで演出操作ボタン24を押下すると、図14(c)に示すように、演出a2が開始されるとともに、再び液晶用図柄が変動を開始する。
なお、擬似停止状態においては、液晶用図柄は完全には停止しておらず、わずかに変動しており、パチンコ機10の内部処理においては液晶用図柄が変動表示している状態である。液晶用図柄の擬似停止状態は、演出上、液晶用図柄があたかも停止表示に移行したかのように遊技者に認識させるための表示状態である。このように1遊技回の中で図柄の擬似的な停止と、再度の変動開始を行うことにより、あたかも遊技回を跨いで連続的に予告演出を実行しているかのように遊技者に認識させるための演出を、本実施形態においては擬似連続予告演出とも呼ぶ。
すなわち、本説明においては、ボタン押下演出は、擬似連続予告演出から演出a2の実行に切り替える契機として用いられている。ボタン押下演出をこのように用いることによって、擬似的に停止した液晶用図柄を視認することによって、大当たり抽選が外れであったと一時的に認識した遊技者に対して、ボタン押下演出の実行中に自らが演出操作ボタン24を押下することによって、大当たり抽選の外れ結果を一時的に回避できたように感じさせることができ、遊技者に安堵感や期待感を付与することができる。
また、遊技回の実行中に、ポイント付与演出が実行されると、ポイントが付与されるとともに、当該ポイントは蓄積される。そして、10ポイントが蓄積される毎にタイマ演出が開始され、タイマの残時間が0になるタイミングでボタン押下演出が実行される。よって、ポイント付与演出を遊技回において実行する毎に、遊技者に対して、期待感を付与することができる。また、10ポイントが蓄積されるとボタン押下演出が実行され、ボタン押下演出が実行されたタイミングで遊技者がボタンを押下することによって、その後に、擬似停止した外れ結果を示す液晶用図柄を再び変動させる演出や、当該遊技回の期待度を示唆する演出など、種々の演出が実行されるので、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
なお、ボタン押下演出が実行された後は、タイマ演出およびボタン演出に対応する貝の画像の表示は消えて、残りの2ポイント分の蓄積ポイントを示す2個の真珠の画像が表示された状態となる。
ポイント付与演出が実行されポイントが蓄積された状態であるにも関わらず、10ポイント以上の蓄積がない状態で当該遊技回が終了した場合には、当該蓄積ポイントがリセット(蓄積ポイント:0)される場合と、次の遊技回に繰り越される場合とがある。蓄積ポイントが遊技回の終了時にリセットされるか繰り越されるかは、パチンコ機10による所定の処理によって決定される。当該処理については、後で詳しく説明する。
また、パチンコ機10は、全ての遊技回においてポイント付与演出を実行するのではなく、一部の遊技回においてポイント付与演出を実行する。特に、リーチ(大当たり抽選は「外れ」)である遊技回や、大当たりである遊技回において高い頻度で実行する。
図15は、本実施形態のパチンコ機10が実行するポイント付与演出(ケース2)を説明するタイムチャートである。本説明においては、ポイント付与演出において付与された蓄積ポイントが遊技回を跨いで蓄積される場合について説明する。
図示するように、遊技回U1では、変動が開始されるとともに、演出b1が実行される。演出b1では、表示面41aに液晶用図柄の変動を示す画像が表示されたり、所定のキャラクタ画像が表示される。その後、所定のタイミングにおいて、ポイント付与演出Y1が実行される。図示するように、当該ポイント付与演出においては5ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは5ポイントとなる。その後、遊技回U1の変動は終了する。この時、ポイント付与演出(ケース2)においては、遊技回U1の変動終了時に、蓄積ポイントは、リセットされずに、次に実行される遊技回U2に繰り越される。
また、本実施形態においては、図15の「ステージStの色」の欄に示したように、当該遊技回において当該蓄積ポイントが繰り越されるのか、繰り越されないのかを遊技者に示唆するために、ステージStの色を以下のように制御する。
(1)ポイントが蓄積されていない場合には、ステージStは白色に設定する。
(2)ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越される場合には、ステージStは黄色に設定する。
(3)ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越されない場合には、ステージStは橙色に設定する。
ステージStの色を上記(1)〜(3)のように制御する。
図15の「ステージStの色」の欄に示したように、ポイント付与演出(ケース2)の場合、遊技回U1において最初にポイントが蓄積された時点で、ステージStが白色から黄色に変化する。その後、遊技回U2においても、蓄積ポイントは遊技回U3に繰り越されるため、ステージStの色は黄色の状態が維持される。そして、遊技回U3が開始されると、遊技回U3では蓄積ポイントは次回の遊技回に繰り越されないため、ステージStの色は黄色から橙色に変化する。その後、遊技回U3では、最後までポイントが蓄積された状態で終了するため、遊技回U3が実行されている期間はステージStの色は橙色が維持される。
図16は、ステージStの色を説明する説明図である。図16(a)には、ポイントが蓄積されていない場合のステージStを示した。ステージStの色は白色に設定されている。図16(b)には、ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越される場合のステージStを示した。ステージStの色は黄色に設定されている。図16(c)には、ポイントが蓄積されている場合であって、蓄積ポイントが繰り越されない場合のステージStを示した。ステージStの色は橙色に設定されている。このように、蓄積ポイントが繰り越されるのか繰り越されないかを、ステージStの色を用いて遊技者に認識可能に示唆する。
蓄積ポイントが繰り越されるか繰り越されないかを遊技者に示唆することで、例えば、ステージStの色が蓄積ポイントが繰り越されることを示す黄色である場合には、実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上とならなかったとしても、当該遊技回から繰り越される蓄積ポイントと、次回の遊技回において付与されるポイントとによって、次回の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上となる可能性が高くなったと遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
説明を図15に戻す。遊技回U1が終了し、遊技回U2が開始されると、演出b2が実行される。その後、所定のタイミングでポイント付与演出Y2が実行される。図示するように、当該ポイント付与演出においては6ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは11ポイントとなる。このとき、蓄積ポイントが10ポイント以上となったため、10個分の真珠の画像は貝の画像に変化するが、遊技回U2の実行中には、ボタン押下演出までの時間を示すタイマは表示されず、「待機中」の文字が表示される。以下、「待機中」の文字が表示される演出を待機中演出とも呼ぶ。
図17は、待機中演出を説明する説明図である。図示するように、待機中演出が実行されると、貝の画像の下に「待機中」の文字が表示される。待機中演出は、当該遊技回ではボタン押下演出は実行されず、次回以降の遊技回において、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行されることを示す。そして、10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行される遊技回に移行した時点で、待機中演出に代わってタイマ演出が実行され、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対応するボタン押下演出が実行されるまでの時間のカウントダウンが実行される。
図15に示すように、ポイント付与演出Y2が終了したのち、所定のタイミングでポイント付与演出Y3が実行される。当該ポイント付与演出においては0ポイントが付与される。すなわち、ポイント付与演出は実行されるにも関わらず、ポイントは付与されない。よって、蓄積ポイントは11ポイントのままとなる。
図18は、ポイントが付与されないポイント付与演出を説明する説明図である。図18では、遊技回U2で実行されるポイント付与演出Y3を示した。
ポイント付与演出が開始されると、通常のポイント付与演出と同様に、カメのキャラクタが表示面41aの上部の右端から現れ、中央に向かって進行する。そして、図18(b)に示すように、カメのキャラクタが表示面41aの上部中央に位置したタイミングであっても、カメのキャラクタは何もせずに、図18(c)に示すように、そのまま左側に進行し表示面41aの上部左端に進出していく。このようにポイント付与演出[0P]を実行することによって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。その後、図柄が停止し、遊技回U2は終了する。なお、遊技回U2における蓄積ポイントは次回の遊技回(遊技回U3)に繰り越されるように設定されている。
遊技回U3が開始されると、演出b3が実行されるとともに、遊技回U2において実行されていた待機中演出に代わって、タイマ演出が実行される。図15では、後に実行される別のタイマ演出と区別するためタイマ演出1と表記する。タイマ演出1は、直近に実行されるボタン押下演出1に対応する演出である。すなわち、タイマ演出1におけるタイマに表示される時間は、ボタン押下演出1が実行されるまでの時間である。
図15に示すように、遊技回U3が開始されてから所定のタイミングでポイント付与演出Y4[+3P]およびポイント付与演出Y5[+7P]が実行される。当該2回のポイント付与演出によって合計で10ポイントが付与される。よって、蓄積ポイントは21ポイントとなる。上述のように、ボタン押下演出は10ポイント分の蓄積ポイント毎に1回実行されるので、遊技回U3では、ボタン押下演出1に加え、ボタン押下演出2が実行される。よって、ポイント付与演出Y5が実行され21ポイントの蓄積ポイントが蓄積された時点で、ボタン押下演出2に対応するタイマ演出2が実行される。
図19は、遊技回U3で実行されるタイマ演出およびボタン押下演出を説明する説明図である。図19(a)には、タイマ演出1およびタイマ演出2が実行される様子を示した。図示するように、タイマ演出2に対応する貝の画像およびタイマは、タイマ演出1に対応する貝の画像およびタイマの左側に表示される。上述のように、タイマ演出1に対応するタイマには、ボタン押下演出1が実行されるまでの時間がカウントダウンされて表示される。タイマ演出2に対応するタイマには、ボタン押下演出2が実行されるまでの時間がカウントダウンされて表示される。よって、タイマ演出1に対応するタイマに表示されている時間と、タイマ演出2に対応するタイマに表示されている時間とは異なる。このように、タイマ演出に対応する画像を複数表示することによって、遊技者に対して、ボタン押下演出が2回実行されることを示すことができるとともに、より一層期待感を付与することができる。
その後、図15に示すように、ボタン押下演出1が実行される。図19(b)には、ボタン押下演出1が実行される様子を示した。ボタン押下演出1が開始されると、タイマ演出1において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。なお、タイマ演出2に対応する画像はそのまま表示される。
図15に示すように、ボタン押下演出1が終了した後、演出b4が実行される。演出b4の実行中も、タイマ演出2は、ボタン押下演出2が実行されるまでの時間をカウントダウンして表示する。その後、タイマ演出2においてカウントダウンしていた時間が0を表示すると、ボタン押下演出2が実行される。図19(c)には、ボタン押下演出2が実行される様子を示した。ボタン押下演出2が実行されると、タイマ演出2において表示されていた貝が開いた画像が表示されると共に、「押せ!」と言う文字が表示される。
図15に示すように、ボタン押下演出2が実行された後、演出b5が実行され、その後、図柄が停止し遊技回U3は終了する。以上、ポイント付与演出(ケース2)について説明した。
なお、本実施形態においては、遊技回における大当たり抽選の結果が大当たりではない場合より、大当たりである場合の方が、当該遊技回においてボタン押下演出が実行される確率が高くなるように設定されている。
以上説明したように、本実施形態においては、ボタン押下演出を実行することによって、ボタン押下演出が実行された場合に大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」となる確率が高いことを遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。また、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となった場合にボタン押下演出が実行されることを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出を実行する毎に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、遊技回において蓄積した蓄積ポイントを、当該遊技回の終了の契機としてリセットする場合と、リセットせずに次回の遊技回に繰り越す場合とがある。蓄積ポイントが当該遊技回の終了の契機としてリセットする場合があることによって、遊技回が終了するまでに蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積するように遊技者に所望させ、ポイント付与演出に対する遊技者の期待感をより一層増加させることができる。さらに、遊技回が開始され、ポイント付与演出の実行の実行によってポイントが蓄積されたことを認識した遊技者に対して、蓄積ポイントがリセットしてしまうかもしれない当該遊技回の終了する時期を意識させ、蓄積ポイントの蓄積する態様、すなわちポイント付与演出の実行の態様に注目させることができる。
また、蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越す場合があることによって、仮に実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しなかった場合であっても、次回遊技回まで繰り越せば当該遊技回において蓄積したポイントは有効であるので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しないことに対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
A4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図20は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS10101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS10102に進む。
ステップS10102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10103に進む。
ステップS10103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図26)において、その値を更新する。
ステップS10104では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS10104の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS10104を実行した後、ステップS10105に進む。
ステップS10105では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS10105におけるスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS10105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図20:S10104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS10201では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS10201において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S10201:YES)、ステップS10202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS10203に進む。
ステップS10203では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS10204に進む。
ステップS10204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS10209に進む。
ステップS10201において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S10201:NO)、ステップS10205に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS10205において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S10205:YES)、ステップS10206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS10207に進む。一方、ステップS10205において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S10205:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS10207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS10208に進む。
ステップS10208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS10209に進む。
ステップS10209では、上述したステップS10204又はステップS10208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS10209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S10209:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS10209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S10209:YES)、ステップS10210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS10211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS10212に進む。
ステップS10212では、ステップS10103(図20)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図26)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS10210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS10103(図20)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS10210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS10103(図20)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS10210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS10212を実行した後、ステップS10213に進む。
ステップS10213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS10213を実行した後、ステップS10214に進む。
ステップS10214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図26:ステップS10703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS10214を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図21:S10213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図22は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS10301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS10301を実行した後、ステップS10302に進む。
ステップS10302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS10302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図22:S10301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図23は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS10401では、始動口用の入賞処理(図21)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS10402に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS10402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S10402:YES)、ステップS10403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS10405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS10402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S10402:NO)、ステップS10404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS10405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS10405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S10405:YES)、ステップS10406に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS10407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS10407を実行した後、ステップS10408に進む。
ステップS10408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS10408において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S10408:YES)、ステップS10409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS10408において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S10408:NO)、ステップS10410に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS10405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S10405:NO)、ステップS10411に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS10412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS10413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS10413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S10413:YES)、ステップS10414に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS10413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S10413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図22:S10302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS10501では、始動口用の入賞処理(図21)における始動口への入賞によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS10502に進む。
ステップS10502では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した大当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S10502:YES)、ステップS10503に進む。
ステップS10503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS10503を実行した後、ステップS10507に進む。
ステップS10507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS10502において、大当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS10502:NO)、ステップS10504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS10504において、リーチが発生すると判定した場合には(S10504:YES)、ステップS10505に進む。
ステップS10505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS10507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS10504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS10504:NO)、ステップS10506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS10507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。先判定処理の一処理として変動時間取得処理を実行する時点、すなわち、先判定処理の対象となっている保留遊技回の変動時間を取得する時点においては、当該処理の対象となっている保留遊技回が遊技回として実行される時点における保留個数は不明である。そこで、本実施形態においては、第1始動保留個数RaN=0(および、第2始動保留個数RbN=0)と仮定した場合における変動時間を取得する。よって、本変動時間取得処理によって取得した変動時間は、先判定処理の対象となった保留遊技回が遊技回として実行される際の実際の変動時間(後述する変動時間設定処理において取得される変動時間)とは値が異なる場合がある。本実施形態においては、先判定処理の一処理として実行する変動時間取得処理において取得した変動時間を「仮変動時間」とも呼ぶ。本実施形態においては、ポイント付与演出を実行するにあたって行われる処理において、当該仮変動時間の値を用いる。仮変動時間を用いた処理については後述する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図20:ステップS10105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図25は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS10601では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS10601において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S10601:YES)、ステップS10602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS10601において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S10601:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS10602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S10602:YES)、ステップS10603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS10604に進む。
ステップS10604では、ステップS10103(図20)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS10602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S10602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図26は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS10701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS10702に進む。
ステップS10702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS10703に進む。
ステップS10703では、ステップS10702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS10703を実行した後、ステップS10704に進む。
ステップS10704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS10705に進む。
ステップS10705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS10706に進む。ステップS10706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS10706を実行した後、ステップS10707に進む。
ステップS10707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS10708に進む。
ステップS10708では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS10709に進む。
ステップS10709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS10703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS10709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S10709:NO)、ステップS10710及びステップS10711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS10710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS10711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS10709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S10709:YES)、ステップS10703に戻り、ステップS10703からステップS10708までの各処理を実行する。
なお、ステップS10703からステップS10708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図26:S10706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図27は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS10801では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS10801においてオープニング期間フラグ、開閉実行モードフラグ、エンディング期間フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S10801:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップS10802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS10801において、特別遊技状態中でないと判定した場合には(S10801:NO)、ステップS10802に進む。
ステップS10802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS10802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S10802:NO)、ステップS10803〜ステップS10805の遊技回開始用の処理に進む。ステップS10803では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS10803において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S10803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS10803において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S10803:NO)、ステップS10804に進む。
ステップS10804では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS10805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS10805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS10806に進む。
ステップS10806では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS10806を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS10802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S10802:YES)、ステップS10807〜ステップS10809の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS10807では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS10807では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図30)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS10807において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S10807:NO)、ステップS10808に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS10808を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS10807において、変動時間が経過していると判定した場合には(S10807:YES)、ステップS10809に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図29)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS10809を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図27:S10804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS10901では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図5)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図5)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップS10901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップS10901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップS10901:YES)、ステップS10902〜ステップS10907の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップS10901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS10901:NO)、ステップS10908〜ステップS10913の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップS10902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS10903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS10904に進む。ステップS10904では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS10905に進む。
ステップS10905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS10905を実行した後、ステップS10906に進む。
ステップS10906では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS10907へ進む。
ステップS10907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS10907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS10703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS10901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップS10901:NO)、ステップS10908に進む。
ステップS10908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS10909に進む。ステップS10909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS10910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS10911に進む。
ステップS10911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS10911を実行した後、ステップS10912に進む。
ステップS10912では、各種フラグ記憶エリア64gの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS10913に進む。
ステップS10913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS10913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS10703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図27:S10805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS11001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップS11001において、高確率モードであると判定した場合には(S11001:YES)、ステップS11002に進む。
ステップS11002では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図6(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS11004に進む。一方、ステップS11001において高確率モードではないと判定した場合には(S11001:NO)、ステップS11003に進む。
ステップS11003では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図6(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS11004に進む。
ステップS11004では、ステップS11002又はステップS11003における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS11004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S11004:YES)、ステップS11005〜ステップS11012において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS11005では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11005において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S11005:NO)、ステップS11006に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS11005において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S11005:YES)、ステップS11007に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS11006又はステップS11007の処理を実行した後。ステップS11008に進む。
ステップS11008では、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS11008において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S11008:YES)、ステップS11009に進む。
ステップS11009では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11009を実行した後、ステップS11010に進む。
ステップS11010では、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS11016に進む。
一方、ステップS11008において、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(S11008:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS11011に進む。
ステップS11011では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11011を実行した後、ステップS11012に進む。
ステップS11012では、ステップS11006又はステップS11007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS11016に進む。
ステップS11004において、ステップS11002又はステップS11003における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S11004:NO)、ステップS11013に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS11013において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S11013:YES)、ステップS11014に進む。
ステップS11014では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11014を実行した後、ステップS11016に進む。
ステップS11013において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S11013:NO)、ステップS11015に進む。
ステップS11015では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS11015を実行した後、ステップS11016に進む。
ステップS11016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS11016を実行した後、ステップS11017に進む。
ステップS11017では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS11017において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S11017:NO)、ステップS11018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS11016で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップS11017において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S11017:YES)、ステップS11019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS11016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS11018又はステップS11019を実行した後、ステップS11020に進む。
ステップS11020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS11018〜ステップS11020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS10703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS11020を実行後、ステップS11021に進む。
ステップS11021では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS11021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図29:S11016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS11101では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS11102に進む。
ステップS11102では、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S11102:YES)、ステップS11103に進む。
ステップS11103では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS11107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS11102において、今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(S11102:NO)、ステップS11104に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS11102において今回の遊技回に係る大当たり抽選が当選していない場合に本処理(S11104)を実行することから、ステップS11104においては、大当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S11104:YES)、ステップS11105に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS11105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS11107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS11104において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S11104:NO)、ステップS11106に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS11107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図26:S10707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図31は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS11201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉実行モードの終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS11201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S11201:NO)、ステップS11202に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉実行モードフラグは、遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS11202において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S11202:NO)、ステップS11203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS11203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S11203:NO)、ステップS11204に進み、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS11204において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(S11204:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11204において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S11204:YES)、ステップS11205に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S11205:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11205において、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には(S11205:YES)、ステップS11206に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS11207に進む。
ステップS11207では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS11207を実行した後、ステップS11208に進む。
ステップS11208では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS10703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS11208を実行した後、ステップS11209に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S11203:YES)、ステップS11210に進む。
ステップS11210では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11210において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S11210:YES)、ステップS11211に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS11212に進む。
ステップS11212では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS11212を実行した後、ステップS11213に進む。
ステップS11213では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグ)を確認する。ステップS11213において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S11213:YES)、ステップS11214に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
一方、ステップS11213において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S11213:NO)、ステップS11215に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS11214又はステップS11215を実行した後、ステップS11216に進む。
ステップS11216では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11202において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S11202:YES)、ステップS11217に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS11217を実行した後、ステップS11218に進む。
ステップS11218では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11219:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11218:YES)、ステップS11219に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップS11219を実行した後、ステップS11220に進む。
ステップS11220では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS11220を実行した後、ステップS11221に進む。
ステップS11221では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、特別遊技状態におけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップS11221を実行した後、ステップS11222に進む。
ステップS11222では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS10603において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS11222を実行した後、ステップS11223に進む。
ステップS11223では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS11201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S11201:YES)、ステップS11224に進む。
ステップS11224では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S11223)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11224において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S11224:YES)、ステップS11225に進む。
ステップS11225では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS11226に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS11226を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS11224において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S11224:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図31:11217)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図32は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS11301では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS11301において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S11301:NO)、ステップS11302に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11302:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11302において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11302:NO)、ステップS11303に進む。
ステップS11303では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11303において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S11303:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11303において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S11303:YES)、ステップS11304に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS11305に進む。
ステップS11305では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS11305を実行した後、ステップS11306に進む。
ステップS11306では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図26:ステップS10703)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS11301において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS11301:YES)、ステップS11307に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS11307において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S11307:NO)、ステップS11308に進む。
ステップS11308では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS11308において、入賞が発生していないと判定した場合には(S11308:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11308において、入賞が発生していると判定した場合には(S11308:YES)、ステップS11309に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS11310に進む。
ステップS11310では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11310において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S11310:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS11307において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S11307:YES)、又は、ステップS11310において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S11310:YES)、ステップS11311に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS11312に進む。
ステップS11312では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS11313に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11313において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S11313:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS11313において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S11313:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS11314を実行した後、ステップS11315に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図26:ステップS10703)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図31:S11226)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図33は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS11401では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS11401において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S11401:YES)、ステップS11402に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。ステップS11402を実行した後、ステップS11403に進む。
ステップS11403では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS11404に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS11405に進む。
ステップS11405では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS11406に進む。
ステップS11406では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS11410に進む。
一方、ステップS11401において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S11401:NO)、ステップS11407に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップS11408に進む。
ステップS11408では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS11409に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS11410に進む。
ステップS11410では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図26:S10708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図34は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS11501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS11501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S11501:NO)、ステップS11502に進む。
ステップS11502では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS11502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S11502:NO)、ステップS11503に進む。
ステップS11503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS11503において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11503:YES)、ステップS11504に進む。
ステップS11504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS11504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S11504:YES)、ステップS11505に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS11504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S11504:NO)、ステップS11506に進む。
ステップS11506では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS11506において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S11506:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11506において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S11506:YES)、ステップS11507に進む。
ステップS11507では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS11508に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS11507において開閉実行モードではなく(S11507:NO)、且つ、ステップS11508において高頻度サポートモードである場合には(S11508:YES)、ステップS11509に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図9(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS11510に進む。
ステップS11510では、ステップS11509の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS11510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S11510:YES)、ステップS11511に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS11512に進む。一方、ステップS11510において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S11510:NO)、ステップS11511の処理を実行することなく、ステップS11512に進む。
ステップS11512では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS11512において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S11512:YES)、ステップS11513に進む。一方、ステップS11512において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S11512:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11513では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS11513において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S11513:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11513において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS11514に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS11515に進む。
ステップS11515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS11515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図26:ステップS10703)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS11507において開閉実行モードであると判定した場合(S11507:YES)、又は、ステップS11518において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S11508:NO)、ステップS11516に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS11517に進む。
ステップS11517では、ステップS11516の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS11517において、サポート当選でないと判定した場合には(S11517:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11517において、サポート当選であると判定した場合には(S11517:YES)、ステップS11518に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S11502:YES)、ステップS11519に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11519:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS11519において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11519:YES)、ステップS11520に進む。
ステップS11520では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS11521に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS11501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S11501:YES)、ステップS11522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図34:S11522)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図35は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS11601では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S11601:YES)、ステップS11602に進む。
ステップS11602では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S11602:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS11602において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S11602:YES)、ステップS11603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS11603を実行した後、ステップS11604に進む。
ステップS11604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS11605に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS11605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S11605:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS11605において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S11605:YES)、ステップS11606に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS11601において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S11601:NO)、ステップS11607に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS11607において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S11607:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS11507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S11607:YES)、ステップS11608に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS11609に進む。
ステップS11609では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S11609:NO)、ステップS11610に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS11610において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S11610:YES)、ステップS11611に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS11609において開閉実行モードであると判定した場合(S11609:YES)、又は、ステップS11610において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S11610:NO)、ステップS11612に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図36は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図37は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS11701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS11701を実行した後、ステップS11702に進む。
ステップS11702では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理は、主側MPU62から受信したコマンドに対応して実行される処理である。コマンド対応処理の詳細は後述する。ステップS11702を実行した後、ステップS11703に進む。
ステップS11703では、ポイント付与演出実行処理を実行する。ポイント付与演出実行処理は、遊技回の実行中におけるポイント付与演出に関する各種処理を実行するための処理である。ポイント付与演出実行処理の詳細は後述する。ステップS11703を実行した後、ステップS11704に進む。
ステップS11704では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS11702のコマンド対応処理およびステップS4703のポイント付与演出実行処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS11704を実行した後、ステップS11705に進む。
ステップS11705では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS11702のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS11705を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図37:S11702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図38は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップS11801では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS11801において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(S11801:YES)、ステップS11802に進む。一方、ステップS11801において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S11801:NO)、ステップS11806に進む。
ステップS11802では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS11802の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS11802を実行した後、ステップS11803に進む。
ステップS11803では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS11802において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2の表示態様を制御する。ステップS11803を実行した後、ステップS11804に進む。
ステップS11804では、保留コマンドの内容を遊技回設定情報記憶エリア94dに格納する。すなわち、主側MPU62によって実行された先判定処理によって取得された情報が保留コマンドによって音光側MPU92に送信され、当該送信された保留コマンドに含まれる先判定処理の情報を遊技回設定情報記憶エリア94dに格納する。
図39は、遊技回設定情報記憶エリア94dの構成を説明する説明図である。遊技回設定情報記憶エリア94dは、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアと第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアとを有する。図39(a)には第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアを示し、図39(b)には第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアを示した。なお、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアと第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアとは構成が同じであるので、図39(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアについて説明し、図39(b)に示した第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアについての説明は省略する。
図示するように、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアは、先判定情報エリアと、演出情報エリアとに区分されている。また、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている各情報は、各保留遊技回毎に記憶されている。第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに示された保留遊技回(n=1〜4)は、第1始動口の保留遊技回(n=1)から第1始動口の保留遊技回(n=4)の順に保留遊技回が実行される。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアには、第1始動口用の保留遊技回(n)毎に、主側MPU62が実行した先判定処理によって取得された情報(以下、先判定情報とも呼ぶ)が記憶される。先判定情報は、主側MPU62が実行した先判定処理によって取得された情報であり、保留コマンドによって主側MPU62から音光側MPU92に送信された情報である。音光側MPU92は、保留コマンドに含まれる情報を、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアに記憶する。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアは、先判定情報エリアに記憶された情報に基づいて、後述する演出情報設定処理によって設定された情報が記憶される記憶エリアである。演出情報エリアについては後述する。
第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの先判定情報エリアには、各保留遊技回毎に、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、仮変動時間が記憶されている。上述のように、仮変動時間は、当該保留遊技回が遊技回として実行される時点において第1始動保留個数RaN=0および、第2始動保留個数RbN=0と仮定した場合における当該保留遊技回の変動時間である。
先判定情報エリアに記憶された先判定情報および演出情報エリアに記憶された演出情報は、各保留遊技回自体に紐付けされており、遊技回が実行される毎に、記憶されるエリアが隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。例えば、図39(a)に示したように、遊技回が1回実行されると、保留遊技回(n=2)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=1)の記憶エリアにシフトし、保留遊技回(n=3)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=2)の記憶エリアにシフトし、保留遊技回(n=4)の記憶エリアに記憶されていた先判定情報および演出情報は保留遊技回(n=3)の記憶エリアにシフトする。
説明を図38に戻す。ステップS11804を実行した後、ステップS11805に進む。ステップS11805では、演出情報設定処理を実行する。演出情報設定処理は、遊技回設定情報記憶エリアに記憶された情報に基づいて種々の判定を行い、各遊技回において実行する演出に関する各種事項を設定する処理である。演出情報設定処理の詳細については後述する。ステップS11805を実行した後、ステップS11806に進む。
ステップS11806では、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS11806において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信したと判定した場合には(S11806:YES)、ステップS11807に進む。
ステップS11807では、演出設定処理を実行する。演出設定処理は、当該遊技回において実行する演出を設定する処理である。演出設定処理については後述する。ステップS11807を実行した後、ステップS11808に進む。
一方、ステップS11806において、変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S11806:NO)、ステップS11807を実行しないでステップS11808に進む。
ステップS11808では、主側MPU62から受信したその他のコマンドに対応するための処理を実行する。ステップS11808を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図38:S11802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図40は、入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS11901では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS11901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S11901:YES)、ステップS11902に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS11902を実行した後、ステップS11904に進む。
ステップS11901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S11901:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS11903に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS11903を実行した後、ステップS11904に進む。
ステップS11902及びステップS11903の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS11904では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS11904を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<演出情報設定処理>
次に、演出情報設定処理について説明する。演出情報設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図38:S11805)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
上述のように、演出情報設定処理は、遊技回設定情報記憶エリアに記憶された情報に基づいて種々の判定を行い、各遊技回において実行する演出に関する各種事項を設定する処理である。そして、設定した各種事項は、遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアに記憶される。説明の便宜上、先に、遊技回設定情報記憶エリア(第1始動口用遊技回設定情報記憶エリア、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリア)の演出情報エリア(図39参照)について説明をする。その後、演出情報設定処理について説明をする。
図39(a)に示すように、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアは、各保留遊技回毎に、ポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグ、合計付与ポイント数、演出シナリオNo、ポイント付与シナリオNoの記憶エリアを有する。
ポイント付与演出フラグについて説明する。ポイント付与演出フラグは、遊技回がポイント付与演出を実行する遊技回に設定された場合にONになるフラグである。
連続演出最終遊技回フラグについて説明する。本実施形態において連続演出とは、蓄積ポイントが遊技回を跨いで繰り越され、蓄積ポイントが複数の遊技回に亘って用いられる場合のポイント付与演出である。そして、連続演出を実行する遊技回のうちの最後の遊技回を連続演出最終遊技回とも呼ぶ。連続演出最終遊技回フラグは、遊技回が連続演出最終遊技回に設定された場合にONとなるフラグである。
繰越遊技回フラグについて説明する。本実施形態において繰越遊技回とは、連続演出を実行する遊技回のうち連続演出最終遊技回より先に実行される遊技回、すなわち、蓄積ポイントが繰り越される遊技回である。繰越遊技回フラグは、遊技回が繰越遊技回に設定された場合にONとなるフラグである。
なお、演出情報エリアに記憶されている上記のポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグは、後述する演出設定処理において、これらのフラグに対応する遊技回の演出が設定された後に、遊技回設定情報記憶エリアの更新(図51:S12112)によって、OFFにされる(リセットされる)。
連続演出最終遊技回および繰越遊技回について、より具体的に説明すると、例えば図15のポイント付与演出(ケース2)の場合、蓄積ポイントは遊技回U1〜遊技回U3の一連の連続した3つの遊技回で用いられるため、当該ポイント付与演出は3つの遊技回に亘って実行される連続演出である。そして、遊技回U1および遊技回U2は、蓄積ポイントが繰り越される遊技回であるので繰越遊技回である。遊技回U3は、連続演出を実行する遊技回のうちの最後の遊技回であるので連続演出最終遊技回である。また、本実施形態においては、連続演出を実行する遊技回の数を実行遊技回数Npと呼ぶ。図15のポイント付与演出(ケース2)の場合、3回の遊技回を用いて連続演出を実行するのでNp=3となる。実行遊技回数Npは、当該処理(演出情報設定処理)において用いられる。
演出シナリオナンバー(以下、演出シナリオNoとも表記する)について説明する。本実施形態においては、演出シナリオとは、処理対象遊技回において実行する動画の種類や、当該動画を実行するタイミング、ポイント付与演出を実行するタイミング等、処理対象遊技回において実行される演出に関する種々の事項が設定されたプログラムである。音光側ROM93には、複数の演出シナリオが記憶されている。演出シナリオNoは、各演出シナリオに対応して付された符号であり、一の演出シナリオを特定するために用いられる。
ポイント付与シナリオナンバー(以下、ポイント付与シナリオNoとも表記する)について説明する。本実施形態においては、ポイント付与シナリオとは、各演出シナリオに設定されたポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されたプログラムである。音光側ROM93には、複数のポイント付与シナリオが記憶されている。ポイント付与シナリオNoは、各ポイント付与シナリオに対応して付された符号であり、一のポイント付与シナリオを特定するために用いられる。以上、遊技回設定情報記憶エリアの演出情報エリアについて説明をした。
次に演出情報設定処理について説明をする。演出情報設定処理では、処理対象となっている保留遊技回に対応する演出情報エリアに記憶されている演出情報(ポイント付与演出フラグ、連続演出最終遊技回フラグ、繰越遊技回フラグ、合計付与ポイント数、演出シナリオNo、ポイント付与シナリオNo)を設定する処理である。
図41は、演出情報設定処理を示すフローチャートである。演出情報設定処理において実行される処理は、大きく3つの処理群から構成される。
ステップS12003〜ステップS12008の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
ステップS12011〜ステップS12015の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、当該処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
ステップS12016〜ステップS12018の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行する場合(連続演出を実行しない場合)、または、ポイント付与演出を実行しない場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
以下に、演出情報設定処理の詳細を説明するが、説明の便宜上、上記の3つの処理群のいずれを実行するかの判断処理(ステップS12001、ステップS12002、ステップS12010)について説明した後、先に、ステップS12016〜ステップS12018の処理群について説明し、次に、ステップS12003〜ステップS12008の処理群について説明し、最後に、ステップS12011〜ステップS12015の処理群について説明する。
ステップS12001では、遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている情報の読み込みを実行する。処理対象遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づく場合には、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記録されている情報を読み込み、処理対象遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づく場合には、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記録されている情報を読み込む。ステップS12001を実行した後、ステップS12002に進む。
ステップS12002では、遊技回設定情報記憶エリアの処理対象遊技回に対応する先判定情報エリアの情報に基づいて、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であるかを判定する。ステップS12002において、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」および「外れ(リーチ発生)」のいずれでもないと判定した場合、すなわち、「外れ(リーチ非発生)」であると判定した場合には(S12002:NO)、ステップS12010に進む。
ステップS12010では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。当該処理を実行することによって、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行可能であるか否かを判定する。本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定しているため、連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かの判定の対象となる先行遊技回は、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回のみとなる。
処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回においてポイント付与演出を実行しない設定となっている場合、または、当該先行保留遊技回の1回でポイント付与演出を実行する(連続演出を実行しない)設定となっている場合に、先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグはOFFに設定されている。なお、処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が連続演出における繰越遊技回に設定されている場合はなく、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が繰越遊技回であることによって先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがOFFに設定されている場合はない。以下、その理由を説明する。
処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点においては、既に、先行保留遊技回の演出情報が設定されているが、本実施形態においては、処理対象遊技回における演出情報設定処理の実行に伴って、既に設定された先行保留遊技回の演出情報が修正(再設定)される場合がある。本実施形態においては、連続演出最終遊技回が設定された後に、当該設定に伴って当該連続演出最終遊技回より先に実行される先行保留遊技回が繰越遊技回として設定(再設定)される。よって、処理対象遊技回における演出情報設定処理が実行される時点(つまり、処理対象遊技回の演出情報が未だ設定されていない時点)において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回が連続演出における繰越遊技回に設定されていることはない。なお、既に設定された先行保留遊技回の演出情報が修正(再設定)される場合については、ステップS12003〜ステップS12008の処理群およびステップS12011〜ステップS12015の処理群について述べる際に詳しく説明する。
ステップS12010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであると判定した場合には(S12010:YES)、ステップS12016に進む。すなわち、上記のステップS12016〜ステップS12018の処理群に進む。上述したように、ステップS12016〜ステップS12018の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行する場合(連続演出を実行しない場合)、または、ポイント付与演出を実行しない場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。本実施形態においては、処理対象遊技回の演出を設定する時点において、既に連続演出最終遊技回に設定されている先行保留遊技回については、当該連続演出最終遊技回の設定が優先され、後で連続演出における繰越遊技回に修正(再設定)されることはない。よって、ステップS12010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONある場合には、処理対象遊技回において先行保留遊技回との連続性を有さない演出を設定する処理群(ステップS12016〜ステップS12018の処理群)を実行する。
ステップS12016では、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行するか否かを抽選によって決定する。当該処理におけるポイント付与演出は、他の遊技回との連続性を有さず処理対象遊技回1回で実行するポイント付与演出である。本実施形態においては、本処理における抽選は、所定の乱数を用いて実行し、ポイント付与演出を実行するという抽選結果になる確率が50%になるように設定されている。ステップS12016を実行した後、ステップS12017に進む。
ステップS12017では、ステップS12016の抽選の結果を判定し、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行するという抽選結果と判定した場合には(S12017:YES)、ステップS12018に進む。
ステップS12018では、処理対象遊技回1回で実行するポイント付与演出において付与するポイントの合計(合計付与ポイント)を決定する。本処理では、合計付与ポイントは、所定の抽選によって決定し、合計付与ポイントが0ポイントから9ポイントの間になるように設定されている。すなわち、当該処理対象遊技回において蓄積ポイントが10ポイント分蓄積されてボタン押下演出が実行されることのないように設定されている。大当たり抽選の結果が「大当たり」でもなく「外れ(リーチ発生)」でもない遊技回においてボタン押下演出を実行させて遊技者に不要な期待感を付与してしまうことを抑制するためである。ステップS12018を実行した後、ステップS12009に進む。
一方、ステップS12017においてステップS12016の抽選の結果を判定し、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行しないという抽選結果であると判定した場合には(S12017:NO)、ステップS12018を実行しないで、ステップS12009に進む。
ステップS12009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS12016〜ステップS12018において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。例えば、処理対象遊技回1回でポイント付与演出を実行すると決定した場合には、ポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、ステップS12018において決定した合計付与ポイントの値に設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoはNULLに設定する。本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。処理対象遊技回1回でポイント付与演出を実行する場合に設定する演出パターンテーブルについては後述する。
また、処理対象遊技回においてポイント付与演出を実行しないと決定した場合には、ポイント付与演出フラグをOFF、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、設定せずNULLとなる。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、設定せずNULLとなる。
ステップS12009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
次に、ステップS12003〜ステップS12008の処理群について説明する。上述のように、ステップS12003〜ステップS12008の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
上記したように、ステップS12002では、遊技回設定情報記憶エリアの処理対象遊技回に対応する先判定情報エリアの情報に基づいて、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であるか否かを判定する。そして、ステップS12002において、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であると判定した場合には(S12002:YES)、ステップS12003に進む。
ステップS12003では、遊技回設定情報記憶エリアにおける処理対象遊技回より前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグを読み込み、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を特定する。本処理においては、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を特定することによって、処理対象遊技回より前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出が実行可能か判定をする。処理対象遊技回より前の先行保留遊技回の演出情報は既に設定されているが、本実施形態においては、当該処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回は、繰越遊技回として再設定可能な遊技回と判断する。以下、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数を再設定可能遊技回数Fnとも呼ぶ。
例えば、図39(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアの場合、処理対象遊技回が保留遊技回(n=4)である場合には、保留遊技回(n=4)から見て連続する遊技回である保留遊技回(n=3)と保留遊技回(n=2)の連続演出最終遊技回フラグが連続してOFFであるので、この場合、再設定可能遊技回数Fn=2である。なお、図39(a)に示した第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアは、保留遊技回(n=4)が演出情報設定処理の処理対象遊技回である場合を示しているので、保留遊技回(n=4)の演出情報エリアの情報は未設定である。すなわち、本演出情報設定処理によって演出情報エリアの情報が設定される。
また、仮に、処理対象遊技回から見て連続して連続演出最終遊技回フラグがOFFとなっている先行保留遊技回の数が0である場合には、再設定可能遊技回数Fn=0に設定する。
ステップS12003を実行した後、ステップS12004に進む。
ステップS12004では、ステップS12003で特定した再設定可能遊技回数Fnに基づいて、連続演出に用いることができる遊技回の数(以下、実行遊技回数Np)を決定する。本実施形態においては、乱数を用いた抽選によって実行遊技回数Npを決定する。上述のように、再設定可能遊技回数Fnは、繰越演出として用いることが可能な遊技回の数であるので、実行遊技回数Npとして取り得る最大値は、再設定可能遊技回数Fnに連続演出最終遊技回として1を加えた値となる。よって、ステップS12004では、Fn+1以下の値となる実行遊技回数Npを所定の抽選によって決定する。当該抽選に用いる乱数は、当該処理対象遊技回に対応する始動口への遊技球の入球の際に取得してもよいし、当該抽選を実行する際に取得してもよい。なお、再設定可能遊技回数Fn=0の場合は、実行遊技回数Npは必然的に1となる。ステップS12004を実行した後、ステップS12005に進む。
ステップS12005では、処理対象遊技回の仮変動時間に基づいて、演出シナリオを決定する。上述したように、演出シナリオは、処理対象遊技回において実行する動画の種類や、当該動画を実行するタイミング、ポイント付与演出を実行するタイミング等、処理対象遊技回において実行される演出に関する種々の事項が設定されたプログラムである。本実施形態においては、音光側ROM93に記憶されている大当たり用演出シナリオテーブルまたはリーチ用の演出シナリオテーブルを参照して演出シナリオを決定する。処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」の場合には大当たり用演出シナリオテーブルを用いて演出シナリオを決定し、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ発生)の場合にはリーチ用演出シナリオテーブルを用いて演出シナリオを決定する。
図42は、大当たり用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、大当たり用演出シナリオテーブルは、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して4種類の演出シナリオが対応している。図43は、リーチ用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。大当たり用演出シナリオテーブルと同様に、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して4種類の演出シナリオが対応している。
図44は、一例として大当たり用演出シナリオテーブルの仮変動時間T=t4に対応する演出シナリオを説明する説明図である。図44(a)には、仮変動時間T=t4に対応する大当たり用の演出シナリオ(演出シナリオEsc(D1)〜演出シナリオEsc(D4))を示した。図示するように、4種類の各演出シナリオは、仮変動時間T=t4の長さに対応して設定されており、実行される演出の種類や、ポイント付与演出およびボタン押下演出が実行されるタイミング等が各々異なる。なお、図に示した「擬似連」は擬似連続演出を示し、「Bt」はボタン押下演出を示し、「Pe」はポイント付与演出を示す。
また、演出シナリオに対応する遊技回が実行される時点における保留遊技回の数によって、当該遊技回の変動時間は異なる。本実施形態においては、保留遊技回の数が多いほど、当該遊技回の変動時間は短くなる。よって、本実施形態においては、各演出シナリオは、保留遊技回の数毎に用意されている。
図44(b)には、1種類の演出シナリオ(演出シナリオEsc(D1))が、保留遊技回の数毎(第1始動保留個数RaN:0〜4)に用意されていることを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオは、実行される演出動画やポイント付与演出の実行回数等は同じであるが、保留遊技回の数が多い場合に適応される演出シナリオの方が実行時間が短くなるように設定されている。
ステップS12005(図41)においては、大当たり用演出シナリオテーブル(またはリーチ用演出シナリオテーブル)から、処理対象遊技回の仮変動時間に対応する演出シナリオを4種類特定し、特定した4種類の演出シナリオの中から1つの演出シナリオを、乱数を用いた所定の抽選によって決定する。なお、図44(b)に示した5つの演出シナリオから1つを選択する処理は、当該演出シナリオに対応する遊技回が実行される直前に保留遊技回の数に応じて選択される。ステップS12005を実行した後、ステップS12006に進む。
ステップS12006では、決定した演出シナリオに基づいて、実行遊技回数Npに対応したポイント付与シナリオを決定する。ポイント付与シナリオは、各演出シナリオに設定されたポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されたプログラムである。本処理においては、音光側ROM93に記憶された大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。
図45は、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオとステップS12004で決定された各実行遊技回数Np(1〜4)に対して2つのポイント付与シナリオが対応して設定されている。本処理においては、決定した演出シナリオと実行遊技回数Npに基づいて2つのポイント付与シナリオを特定し、特定した2つのポイント付与シナリオの中から1つのポイント付与シナリオを乱数を用いた所定の抽選によって決定する。実際には、図45に示すように、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルは、各実行遊技回数Npに対して2つのポイント付与シナリオNoが対応して設定されており、実行するポイント付与シナリオのポイント付与シナリオNoが決定すると、当該ポイント付与シナリオNoに対応したポイント付与シナリオを音光側ROM93から読み出す。
図46は、大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオを説明する説明図である。図示するように、各ポイント付与シナリオには、処理対象遊技回で実行する演出シナリオに適合した付与ポイントの値が、演出シナリオに設定されたポイント付与演出の実行順に設定されるとともに、実行遊技回数Npに対応して、各先行遊技回において付与する合計ポイント数が設定されている。例えば、図45に示すように、ポイント付与シナリオPsc(A2g)は、処理対象遊技回で設定された演出シナリオがEsc(A2)である場合であって、実行遊技回数Np=4である場合に選択される。そして、Psc(A2g)は、処理対象遊技回において付与されるポイント数が、実行されるポイント付与演出毎に設定されている。具体的には、図46に示したように、処理対象遊技回における1回目のポイント付与演出では1ポイント、2回目のポイント付与演出では2ポイント、3回目のポイント付与演出では3ポイント、4回目のポイント付与演出では1ポイント、5回目のポイント付与演出では2ポイントが、各々付与される。
また、各ポイント付与シナリオには、先行遊技回1〜3において実行されるポイント付与演出において付与される合計付与ポイント数が設定されている。なお、図46においては、当該遊技回(処理対象遊技回)の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回1と表記し、先行遊技回1の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回2と表記し、先行遊技回2の1つ前に実行される遊技回を先行遊技回3と表記している。先ほど例に挙げた図46のポイント付与シナリオPsc(A2g)の場合、処理対象遊技回の1つ前に実行される先行遊技回1における合計付与ポイント数は5ポイントであり、先行遊技回1の1つ前に実行される先行遊技回2における合計付与ポイント数は4ポイントであり、先行遊技回2の1つ前に実行される先行遊技回3における合計付与ポイント数は1ポイントである。各先行遊技回1〜先行遊技回3におけるポイント付与演出を実行するタイミングや1回のポイント付与演出で付与するポイント数は、後述する演出設定処理において、各先行遊技回の変動時間と合計付与ポイント数に基づいて決定される。ステップS12006を実行した後、ステップS12007に進む。
ステップS12007では、ステップS12004で決定した実行遊技回数Npが2以上であるか否かの判定を行う。すなわち、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定し先行遊技回を繰越遊技回に設定した連続演出が実行されるか否かを判定する。より具体的に説明すると、先行遊技回を繰越遊技回に設定した連続演出が実行される場合には、既に設定されている先行遊技回の演出情報を再設定(修正)する必要があるため、実行遊技回数Npが2以上であるか否かの判定を行うことによって、再設定の必要があるか否かの判定をしている。ステップS12007において、実行遊技回数Npが2以上であると判定した場合には(S12007:YES)、ステップS12008に進む。
ステップS12008では、処理対象遊技回に設定したポイント付与シナリオに記憶されている各先行遊技回の合計付与ポイントを読み込む。すなわち、各先行遊技回で実行するポイント付与演出における合計付与ポイントを読み込む。ステップS12008を実行した後、ステップS12009に進む。
一方、ステップS12007において、実行遊技回数Npが2以上ではないと判定した場合には(S12007:NO)、ステップS12008を実行せずにステップS12009に進む。
ステップS12009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS12003〜ステップS12008において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。例えば、処理対象遊技回より前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出を実行すると決定した場合には、繰越遊技回として用いる先行遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをONに再設定する。合計付与ポイントは、ステップS12008において読み込んだ各先行遊技回における合計付与ポイントを再設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、NULLとして再設定する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを作成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出のために用意された演出パターンテーブルについては後述する。
そして、連続演出最終遊技回として用いる処理対象遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをON、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、NULLに設定する。合計付与ポイントは、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出を決定する際に用いるパラメータであり、連続演出最終遊技回においては、各ポイント付与演出に対して演出シナリオおよびポイント付与シナリオが設定されているため、合計付与ポイントの設定は不要である。演出シナリオNoは、ステップS12005で決定した演出シナリオに対応した演出シナリオNoを設定する。ポイント付与シナリオNoは、ステップS12006で決定したポイント付与シナリオに対応したポイント付与シナリオNoを設定する。
なお、本実施形態においては、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合には、当該遊技回が連続演出を実行する際の連続演出最終遊技回に設定されていない場合、すなわち、実行遊技回数Np=1であっても、実行遊技回数Np=1の連続演出が実行されるとみなし、当該遊技回を連続演出最終遊技回として扱う。すなわち、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である場合には、必ず、当該遊技回に対応する演出情報エリアの連続演出最終遊技回フラグはONに設定される。このようにすることで、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である遊技回が、当該遊技回より後に実行される遊技回の演出情報を決定する際に、繰越遊技回として再設定されることを回避している。よって、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」である遊技回における蓄積ポイントが、後に実行される遊技回まで繰り越されることはない。
ステップS12009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
次に、ステップS12011〜ステップS12015の処理群について説明する。上述のように、ステップS12011〜ステップS12015の処理群は、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、当該処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した場合に、当該処理対象遊技回の演出情報を設定する処理群である。
上記したように、ステップS12010では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。そして、ステップS12010において、処理対象遊技回の1つ前の先行保留遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONではないと判定した場合に(S12010:NO)、ステップS12011に進む。すなわち、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行可能であると判定した場合に、ステップS12011に進む。
なお、上述のように、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定する。これは、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合に連続演出を実行する遊技回の回数を少なくすることで、遊技者に不要な期待感を付与しないためである。また、連続演出が実行される遊技回が3回以上になった時点で、連続演出最終遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」であることを遊技者に認識させ、遊技者に対して、連続演出が実行される回数を数える楽しみを付与し、連続演出の実行回数の増加とともに遊技者の期待感を増幅させることができる。また、本実施形態においては、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出を実行する場合は、連続演出を実行する遊技回の回数(実行遊技回数Np)を2に設定する構成を採用したが、そのような構成に限らず、実行遊技回数Npを3または4に設定する構成を採用してもよい。
ステップS12011では、処理対象遊技回の1つ前の保留遊技回(先行保留遊技回)を繰越遊技回に設定し、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出、すなわち、実行遊技回数Np=2の連続演出を実行するか否かを決定する。本実施形態においては、乱数を用いた所定の抽選によって決定する。本実施形態においては、連続演出を実行するという抽選結果となる確率が20%になるように設定する。つまり、連続演出の実行(蓄積ポイントの繰越し)は、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合に高い確率で実行され、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」の場合には低い確率で実行されるように設定する。このように設定することによって、遊技回の実行中に蓄積ポイントが繰り越されたことを認識した遊技者に強い期待感を付与することができる。ステップS12011を実行した後、ステップS12012に進む。
ステップS12012では、ステップS12011で連続演出(Np=2)を実行すると決定されたか否かを判定する。
ステップS12011において、連続演出(Np=2)を実行しないと判定した場合には(S12012:NO)、ステップS12016に進む。すなわち、処理対象遊技回の大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」である場合であって、処理対象遊技回において他の遊技回との連続性を有さないポイント付与演出を実行することが可能な場合であるので、ステップS12016〜ステップS12018の処理群による処理を実行する。ステップS12016〜ステップS12018の処理群については上述したので、説明を省略する。
一方、ステップS12011において、連続演出(Np=2)を実行すると判定した場合には(S12012:YES)、ステップS12013に進む。
ステップS12013では、処理対象遊技回の仮変動時間に基づいて、演出シナリオを決定する。本実施形態においては、音光側ROM93に記憶されている非リーチ用の演出シナリオテーブルを参照して演出シナリオを決定する。
図47は、非リーチ用演出シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、非リーチ用演出シナリオテーブルは、処理対象遊技回に設定され得る1つの変動時間(仮変動時間)に対して2種類の演出シナリオが対応している。
図48は、一例として、非リーチ用演出シナリオテーブルの仮変動時間T=t24に対応する演出シナリオを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオは、変動時間がT=t24に対応して設定されており、実行される演出の種類や、ポイント付与演出が実行されるタイミング等が各々異なる。また、非リーチ用演出シナリオには、ボタン押下演出は設定されていない。すなわち、ポイント付与演出によって付与されるポイントが10ポイント以上蓄積されることがないように、後述するポイント付与シナリオに設定されている。換言すれば、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積されるのは、大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合に限定される。このようにすることで、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に、遊技者に強い期待感を付与することができる。
また、上述した大当たり用の演出シナリオおよびリーチ用の演出シナリオと同様に、演出シナリオに対応する遊技回が実行される時点における保留遊技回の数によって、当該遊技回の変動時間は異なる。本実施形態においては、保留遊技回の数が多いほど、当該遊技回の変動時間は短くなる。よって、本実施形態においては、各演出シナリオは、保留遊技回の数毎に用意されている。ステップS12013を実行した後、ステップS12014に進む。
ステップS12014では、決定した演出シナリオに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。本処理においては、音光側ROM93に記憶された非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに基づいて、ポイント付与シナリオを決定する。
図49は、非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルを説明する説明図である。図示するように、各演出シナリオに対応してポイント付与シナリオが1つ設定されている。実際には、図49に示すように、非リーチ用ポイント付与シナリオテーブルは、各演出シナリオに対して1つのポイント付与シナリオNoが対応して設定されており、実行するポイント付与シナリオのポイント付与シナリオNoに対応したポイント付与シナリオを音光側ROM93から読み出す。
図50は、非リーチ用の各ポイント付与シナリオを説明する説明図である。図示するように、各ポイント付与シナリオには、処理対象遊技回で実行する演出シナリオに適合した付与ポイントの値が、演出シナリオに設定されたポイント付与演出の実行順に設定されるとともに、1つ前に実行される先行遊技回において付与する合計ポイント数が設定されている。
ステップS12014を実行した後、ステップS12015に進む。
ステップS12015では、処理対象遊技回に設定したポイント付与シナリオに記憶されている先行遊技回の合計付与ポイントを読み込む。すなわち、先行遊技回で実行するポイント付与演出における合計付与ポイントを読み込む。ステップS12015を実行した後、ステップS12009に進む。
ステップS12009では、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新する。具体的には、ステップS12011〜ステップS12015において決定した事項を、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアに記録する。すなわち、処理対象遊技回より1つ前の先行保留遊技回を繰越遊技回として用いるとともに、処理対象遊技回を連続演出最終遊技回として用いた連続演出を実行するので、繰越遊技回として用いる先行遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをOFF、繰越遊技回フラグをONに再設定する。合計付与ポイントは、ステップS12015において読み込んだ先行遊技回における合計付与ポイントを再設定する。演出シナリオNo、および、ポイント付与シナリオNoは、NULLとして再設定する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを作成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。
そして、連続演出最終遊技回として用いる処理対象遊技回に対応する演出情報のポイント付与演出フラグをON、連続演出最終遊技回フラグをON、繰越遊技回フラグをOFFに設定する。合計付与ポイントは、NULLに設定する。上述のように、合計付与ポイントは、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出を決定する際に用いるパラメータであり、連続演出最終遊技回においては、各ポイント付与演出に対して演出シナリオおよびポイント付与シナリオが設定されているため、合計付与ポイントの設定は不要である。演出シナリオNoは、ステップS12013で決定した演出シナリオに対応した演出シナリオNoを設定する。ポイント付与シナリオNoは、ステップS12014で決定したポイント付与シナリオに対応したポイント付与シナリオNoを設定する。
ステップS12009において、遊技回設定情報記録エリアの演出情報エリアを更新した後、当該演出情報設定処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図38:S11807)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図51は、演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS12101では、遊技回設定情報記憶エリア(図39)に基づいて、本処理の処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12101において、処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONであると判定した場合には(S12101:YES)、ステップS12102に進む。
ステップS12102では、遊技回設定情報記憶エリア(図39)に基づいて、処理対象遊技回に設定された演出シナリオおよびポイント付与シナリオを読み込む。この際、演出シナリオは本処理時における保留遊技回の数に対応した演出シナリオを読み込む(図44(b)参照)。ステップS12102を実行した後、ステップS12103に進む。
ステップS12103では、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとに基づいて演出パターンを生成する。
図52は、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとに基づいて生成される演出パターンのイメージ図である。演出シナリオには、各ポイント付与演出の実行されるタイミングや、ボタン押下演出が実行されるタイミングが記録されている。ポイント付与シナリオには、当該演出シナリオに設定された各ポイント付与演出毎に付与されるポイント数が記録されている。音光側MPU92は、処理対象遊技回に設定された演出シナリオとポイント付与シナリオとを読み込みことによって、演出パターンを生成し、当該処理対象遊技回における演出パターンとして設定する。なお、上述したように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回のみ、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成する。連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回で実行する演出については、予め用意された演出パターンテーブルから所定の演出パターンを読み出して設定する。ステップS12103を実行した後、ステップS12107に進む。
一方、ステップS12101において、処理対象遊技回の連続演出最終遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S12101:NO)、ステップS12104に進む。
ステップS12104では、遊技回設定情報記憶エリア(図39)に基づいて、本処理の処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12104において、処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONであると判定した場合には(S12104:YES)、ステップS12105に進む。すなわち、処理対象遊技回が、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合、または、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合に、ステップS12105に進む。
ステップS12105では、処理対象遊技回の変動時間と合計付与ポイント数とに基づいて当該処理対象遊技回における演出パターンを決定する。具体的には、音光側ROM93に予め記憶されたポイント付与演出用演出パターンテーブルから、変動時間と合計付与ポイント数に対応した演出パターンを特定し、当該処理対象遊技回における演出パターンに設定する。
図53は、ポイント付与演出用演出パターンテーブルを説明する説明図である。図示するように、ポイント付与演出用演出パターンテーブルには、遊技回の変動時間と合計付与ポイントに対応して一の演出パターン(ポイント付与演出用演出パターン)が対応して記憶されている。
図54は、ポイント付与演出用演出パターンテーブルに記録されているポイント付与演出用演出パターンの一例を示す説明図である。図示するように、ポイント付与演出用演出パターンテーブルに記録されている演出パターンには、ポイント付与演出が実行されるタイミングに加え、当該各ポイント付与演出において付与されるポイント数も設定されている。本実施形態においては、連続演出最終遊技回フラグがONである遊技回においては、演出シナリオとポイント付与シナリオとから当該遊技回において実行する演出の演出パターンを生成することによって、各ポイント付与演出において付与されるポイント数が設定されるが、連続演出最終遊技回フラグがONではない遊技回においては、図54に示すように、各ポイント付与演出において付与されるポイント数が予め設定された演出パターンが用意されている。
このように、処理対象遊技回が、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合、または、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合に、同じ演出パターンテーブルを用いることができるので、データ容量を低減することができる。なお、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合には蓄積ポイントを次回の遊技回に繰り越し、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合には蓄積ポイントは当該遊技回の終了時にリセットする必要があるが、蓄積ポイントを繰り越す際の表示制御および繰り越さない場合の表示制御は、後に説明するポイント蓄積処理において繰越遊技回フラグを用いて実現するので、連続演出が実行される場合における繰越遊技回に設定されている場合と、当該処理対象遊技回の1回でポイント付与演出を実行するように設定されている場合とで、同じ演出パターンを適用することができる。ステップS12105(図51)を実行した後、ステップS12107に進む。
一方、ステップS12104において、処理対象遊技回のポイント付与演出フラグがONではないと判定した場合には(S12104:NO)、ステップS12106に進む。すなわち、処理対象遊技回が、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ非発生)」であり、かつ、ポイント付与演出を実行しない遊技回である場合にステップS12106に進む。
ステップS12106では、当該処理対象遊技回の変動時間に基づいて、演出パターンを決定する。具体的には、音光側ROM93に予め記憶された通常演出用演出パターンテーブルから、変動時間に対応した演出パターンを特定し、当該処理対象遊技回における演出パターンに設定する。通常演出用演出パターンテーブルには、遊技回の変動時間毎に1つの演出パターンが対応して記憶されている。ステップS12016を実行した後、ステップS12107に進む。
ステップS12107では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS12107を実行した後、ステップS12108に進む。
ステップS12108では、変動表示パターンの設定処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS12107において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS12108を実行した後、ステップS12109に進む。
ステップS12109では、ステップS12103、ステップS12105、S12106の処理において設定した演出パターン、停止する液晶用図柄、変動表示パターンを演出コマンドに設定し、ステップS12110に進む。
ステップS12110では、設定した演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。その後、ステップS12111に進む。
ステップS12111では、保留情報の更新処理を行う。具体的には、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS12111を実行した後、ステップS12112に進む。
ステップS12112では、遊技回設定情報記憶エリア94d(図39)の更新処理を実行する。処理対象である遊技回が第1始動口33への入球を契機とした遊技回の場合には、第1始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている遊技回設定情報(先判定情報および演出情報)を図39(a)で図示したように隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。処理対象である遊技回が第2始動口34への入球を契機とした遊技回の場合には、第2始動口用遊技回設定情報記憶エリアに記憶されている遊技回設定情報(先判定情報および演出情報)を図39(b)で図示したように隣の保留遊技回の記憶エリアにシフトする。ステップS12110を実行した後、演出設定処理を終了する。
<ポイント付与演出実行処理>
次に、ポイント付与演出実行処理について説明する。上述のように、ポイント付与演出実行処理は、遊技回の実行中におけるポイント付与演出に関する各種処理を実行するための処理である。ポイント付与演出実行処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図37:S11703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図55は、ポイント付与演出実行処理を示すフローチャートである。ステップS12201では、ポイント蓄積処理を実行する。ポイント蓄積処理は、ポイント付与演出の実行の開始の制御、および、ポイント付与演出において付与されたポイントを、蓄積ポイントを示す真珠の画像として、ステージSt上に表示するための表示制御を行う処理である。ポイント蓄積処理の詳細は後述する。ステップS12201を実行した後、ステップS12202に進む。
ステップS12202では、ポイント充填時制御処理を実行する。ポイント充填時制御処理は、蓄積ポイントが10個分蓄積(充填)された場合に、当該充填を契機として待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかを判定し、いずれかの演出を実行するように制御する処理である。ポイント充填時制御処理の詳細は後述する。ステップS12202を実行した後、ステップS12203を実行する。
ステップS12203では、ボタン押下演出処理を実行する。ボタン押下演出処理は、ボタン押下演出の実行を制御する処理である。ボタン押下演出処理の詳細は後述する。ステップS12203を実行した後、ステップS12204に進む。
ステップS12204では、ポイントリセット処理を実行する。ポイントリセット処理は、遊技回が終了するときに、蓄積ポイントをリセットするのか又は繰り越すのかを判定し、蓄積ポイントのリセットの実行を制御する処理である。ポイントリセット処理の詳細は後述する。ステップS12204を実行した後、ステップS12205に進む。
ステップS12205では、ステージ表示制御処理を実行する。ステージ表示制御処理は、ステージStの色を制御する処理である。ステージ表示制御処理の詳細は後述する。ステップS12205を実行した後、本ポイント付与演出実行処理を終了する。
<ポイント蓄積処理>
次に、ポイント蓄積処理について説明する。ポイント蓄積処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図55:S12201)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図56は、ポイント蓄積処理を示すフローチャートである。ステップS12301では、ポイント付与演出フラグがONであるか否かを判定する。ポイント付与演出フラグは、遊技回の実行中に1回のポイント付与演出の実行が開始されたことを契機としてONとなり、当該ポイント付与演出が終了したことを契機としてOFFとなるフラグである。ステップS12301において、ポイント付与演出フラグがONではないと判定した場合、すなわち、ポイント付与演出が開始されていないと判定した場合には(S12301:NO)、ステップS12302に進む。
ステップS12302では、処理対象遊技回に設定された演出パターンに基づいて、ポイント付与演出の開始のタイミングであるか否かを判定する。ステップS12302において、ポイント付与演出の開始のタイミングであると判定した場合には(S12302:YES)、ステップS12303に進む。一方、ステップS12302において、ポイント付与演出の開始のタイミングではないと判定した場合には(S12302:NO)、本ポイント蓄積処理を終了する。
ステップS12303では、処理対象遊技回に設定された演出パターンから、開始するポイント付与演出において付与するポイント数を読み込む。ステップS12303を実行した後、ステップS12304に進む。
ステップS12304では、付与するポイント数に対応したポイント付与演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、付与するポイント数に対応したポイント付与演出の演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS12304を実行した後、ステップS12305に進む。
ステップS12305では、付与するポイント数に対応したポイント付与演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ポイント付与演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS12305を実行した後、ステップS12306に進む。
ステップS12306では、ポイント付与演出実行フラグをONにする。ステップS12306を実行した後、本ポイント蓄積処理を終了する。
一方、ステップS12301において、ポイント付与演出フラグがONであると判定した場合、すなわち、ポイント付与演出が開始されていると判定した場合には(S12301:YES)、ステップS12307に進む。
ステップS12307では、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ポイント付与演出において、付与ポイント数が表示された真珠がカメのキャラクタによって投下された後(図11参照)、当該付与ポイント数が表示された真珠がステージStに到達したタイミングであるか否かを判定する。ステップS12307において、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングではないと判定した場合には(S12307:NO)、本ポイント蓄積処理を終了する。一方、ステップS12307において、開始されたポイント付与演出において、ポイントの付与が完了したタイミングであると判定した場合には(S12307:YES)、ステップS12308に進む。
ステップS12308では、付与ポイント数に応じて蓄積ポイントカウンタCpntの値を更新する。蓄積ポイントカウンタCpntは、蓄積ポイントの値をカウントするためのカウンタである。ステップS12308においては、ポイント付与演出においてポイントの付与が生じた場合に、当該付与されたポイント数に対応した値を蓄積ポイントカウンタCpntに加算する。ステップS12308を実行した後、ステップS12309に進む。
ステップS12309では、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10以上であるか否かを判定する。すなわち、ポイント付与演出によってポイントが付与され、蓄積ポイントが10ポイント以上であるか否かを判定する。ステップS12309において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上ではないと判定した場合には(S12309:NO)、ステップS12310に進む。
ステップS12310では、蓄積ポイントカウンタCpntの値に対応したポイント蓄積動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。ポイント蓄積動画は、蓄積ポイントに対応した数の真珠の画像をステージStに表示する動画である。表示側MPU102は、当該ポイント蓄積動画表示開始コマンドを受信すると、蓄積ポイントカウンタCpntに対応した数の真珠の画像をステージStに表示する演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS12310を実行した後、ステップS12311に進む。
ステップS12311では、ポイント蓄積動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ポイント蓄積動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS12311を実行した後、ステップS12312に進む。
ステップS12312では、ポイント付与演出実行フラグをOFFにする。その後、本ポイント蓄積処理を終了する。
一方、ステップS12309において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上であると判定した場合には(S12309:YES)、ステップS12313に進む。
ステップS12313では、充填済カウンタCwの値を1加算(インクリメント)する。充填済カウンタCwは、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に1加算されるカウンタである。ステップS12313を実行した後、ステップS12314に進む。
ステップS12314では、蓄積ポイントカウンタCpntの値を10減算する。ステップS12314を実行した後、ステップS12315に進む。
ステップS12315では、未処理フラグをONにする。未処理フラグは、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積された場合に、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理が未だされていない場合にONにされ、当該判断処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。なお、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理は、後述するポイント充填時制御処理において実行される。ステップS12315を実行した後、再び、ステップS12309に進む。
すなわち、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10未満となるまで、ステップS12313〜ステップS12315の処理が繰り返される。そして、ステップS12313〜ステップS12315の実行された回数だけ充填済カウンタCwの値は増加する。すなわち、10ポイント分の蓄積ポイントを1つの蓄積ポイント群と見た場合、ポイント付与演出によってポイントが付与された後の蓄積ポイントの中に含まれる蓄積ポイント群の数をカウントし、当該蓄積ポイント群の数を充填済カウンタCwとして加算し(S12313)、充填済カウンタCwに加算した蓄積ポイント群の数に対応する蓄積ポイントを蓄積ポイントカウンタCpntから減算(S12314)する。
そして、ステップS12313〜ステップS12315の処理を実行した後、再び、ステップS12309に進み、蓄積ポイントカウンタCpntの値が10ポイント以上ではないと判定した場合に(S12309:NO)、ステップS12310に進む。ステップS12310以降の処理については上述したので説明は省略する。
<ポイント充填時制御処理>
次に、ポイント充填時制御処理について説明をする。ポイント充填時制御処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図55:S12202)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図57は、ポイント充填時制御処理を示すフローチャートである。ステップS12401では、未処理フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、未処理フラグは、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積された場合に、当該10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断処理が未だされていない場合にONにされ、当該判断処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。
ステップS12401において、未処理フラグがONであると判定した場合には(S12401:YES)、ステップS12404に進む。ステップS12404〜ステップS12411の処理は、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をし、いずれかの演出の実行を制御する処理である。よって、未処理フラグがONであると判定した場合、すなわち、蓄積ポイントが10ポイント分蓄積されたと判定された場合には、ステップS12404〜ステップS12411の処理を実行することによって、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をし、いずれかの演出の実行を制御する。
一方、ステップS12401において、未処理フラグがONではないと判定した場合には(S12401:NO)、ステップS12402に進む。
ステップS12402では、変動用コマンド・種別コマンドを受信したか否かの判定をする。すなわち、新たな遊技回が開始されるタイミングであるか否かを判定している。ステップS12402において、変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定した場合、すなわち、新たな遊技回が開始されるタイミングであると判定した場合には(S12402:YES)、ステップS12403に進む。
ステップS12403では、充填済カウンタCw=0であるか否かを判定する。ステップS12403において、充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合には(S12403:NO)、ステップS12404に進む。すなわち、上述した10ポイント分の蓄積ポイントに相当する蓄積ポイント群が1つ以上存在する場合に、ステップS12404に進む。
ここで、ステップS12402において変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定をした場合であって(S12402:YES)、ステップS12403において充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合に(S12403:NO)、ステップS12404に進む理由を説明する。
本実施形態においては、待機中演出またはタイマ演出のいずれかを実行する契機となるのは、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積されたタイミングに加えて、新たな遊技回が開始されたタイミングである。待機中演出が実行されている遊技回が終了し、次の新たな遊技回が開始されたタイミングであって、当該新たな遊技回が連続演出最終遊技回である場合に、当該待機中演出に代えてタイマ演出が実行される。図15を用いて説明すると、繰越遊技回である遊技回U2において実行が開始された待機中演出は、連続演出最終遊技回である遊技回U3が開始されたタイミングで、タイマ演出1に切り替わる。
従って、ステップS12401において未処理フラグがONではないと判定した場合であっても(S12401:NO)、ステップS12402を実行することによって新たな遊技回が開始されたタイミングであると判定し(S12402:YES)、かつ、ステップS12403を実行することによって蓄積ポイント群(10ポイント分の蓄積ポイント)が1つ以上存在すると判定した場合には(S12403:NO)、ステップS12404に進み、ステップS12404〜ステップS12411の処理を実行することによって、10ポイント分の蓄積ポイントに対して待機中演出を実行するのか、または、タイマ演出を実行するのかの判断をする必要がある。よって、ステップS12402において変動用コマンド・種別コマンドを受信したと判定をした場合であって(S12402:YES)、ステップS12403において充填済カウンタCw=0ではないと判定した場合には(S12403:NO)、ステップS12404に進む。
一方、ステップS12402において変動用コマンド・種別コマンドを受信していないと判定をした場合(S12402:NO)、および、ステップS12403において充填済カウンタCw=0であると判定した場合には(S12403:YES)、本ポイント充填時制御処理を終了する。
ステップS12404では、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12404において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S12404:YES)、ステップS12405に進む。
ステップS12405では、充填済カウンタCwの値に対応した待機中演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該待機中演出用動画表示開始コマンドを受信すると、充填済カウンタCwの値に対応した待機中演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。例えば、充填済カウンタCw=1の場合には、待機中演出を示す画像(図17参照)を1つ表示する。充填済カウンタCw=2の場合には、待機中演出を示す画像を2つ表示する。ステップS12405を実行した後、ステップS12406に進む。
ステップS12406では、待機中演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該待機中演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS12406を実行した後、ステップS12411に進む。
ステップS12411では、未処理フラグがONの場合には、当該未処理フラグをOFFにする。その後、本ポイント充填時制御処理を終了する。
一方、ステップS12404において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S12404:NO)、ステップS12407に進む。
ステップS12407では、処理対象遊技回の演出パターンに基づいてボタン演出を実行するまでの時間を取得する。例えば、処理対象遊技回において1回のボタン押下演出が実行される場合には、当該ボタン押下演出を実行するまでの時間を取得し、処理対象遊技回において2回のボタン押下演出を実行する場合には、当該2回のボタン押下演出を実行するまでの時間を各々取得する。ステップS12407を実行した後、ステップS12408に進む。
ステップS12408では、各ボタン押下演出までの残時間に対応したタイマ演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該タイマ演出用動画表示開始コマンドを受信すると、各ボタン押下演出までの残時間に対応したタイマ演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。例えば、処理対象遊技回において1回のボタン押下演出が実行される場合には、当該ボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示する。処理対象遊技回において2回のボタン押下演出を実行する場合には、1回目のボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示するとともに、2回目のボタン押下演出を実行するまでの時間がカウントダウンされて表示されるタイマ演出用動画を表示する(図19(a)参照)。ステップS12408を実行した後、ステップS12409に進む。
ステップS12409では、各タイマ演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該タイマ演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS12409を実行した後、ステップS12410に進む。
ステップS12410では、充填済カウンタCwの値を0にリセットする。ステップS12410を実行した後、ステップS12411に進む。
上述のように、ステップS12411では、未処理フラグがONの場合には、当該未処理フラグをOFFにする。その後、本ポイント充填時制御処理を終了する。
<ボタン押下演出処理>
次に、ボタン押下演出処理について説明する。ボタン押下演出処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図55:S12203)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図58は、ボタン押下演出処理を示すフローチャートである。ステップS12501では、処理対象遊技回に設定されている演出パターンに基づいて、ボタン押下演出開始のタイミングであるか否かを判定する。ステップS12501において、ボタン押下演出開始のタイミングであると判定した場合には(S12501:YES)、ステップS12502に進む。一方、ステップS12501において、ボタン押下演出開始のタイミングではないと判定した場合には(S12501:NO)、本ボタン押下演出処理を終了する。
ステップS12502では、ボタン押下演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ボタン押下演出用動画表示開始コマンドを受信すると、ボタン押下演出用動画(図14(b)参照)を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS12502を実行した後、ステップS12503に進む。
ステップS12503では、ボタン押下演出用動画に対応した音声の出力を開始するとともに、当該ボタン押下演出用動画に対応した発光を各種ランプ47に実行させるための制御を開始する。ステップS12503を実行した後、本ボタン押下演出処理を終了する。
<ポイントリセット処理>
次に、ポイントリセット処理について説明する。ポイントリセット処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図55:S12204)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図59は、ポイントリセット処理を示すフローチャートである。ステップS12601では、処理対象遊技回に設定されている演出パターンに基づいて、遊技回終了のタイミングであるか否かを判定する。ステップS12601において、遊技回終了のタイミングであると判定した場合には(S12601:YES)、ステップS12602に進む。
ステップS12602では、繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12602において、繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S12602:NO)、ステップS12603に進む。
ステップS12603では、蓄積ポイントカウンタCpntをリセット(Cpnt←0)する。すなわち、蓄積ポイントを繰り越す遊技回である繰越遊技回以外の遊技回は、蓄積ポイントを繰り越さないので、当該遊技回の終了時に当該遊技回における蓄積ポイントに対応する蓄積ポイントカウンタCpntを0にする。ステップS12603を実行した後、本ポイントリセット処理を終了する。
一方、ステップS12601において遊技回終了のタイミングではないと判定した場合(S12601:NO)、および、ステップS12602において繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S12602:YES)、蓄積ポイントカウンタCpntをリセットせずに、本ポイントリセット処理を終了する。
<ステージ表示制御処理>
次に、ステージ表示制御処理について説明する。ステージ表示制御処理は、ステージStの色の制御をする処理である。ステージ表示制御処理は、ポイント付与演出実行処理のサブルーチン(図55:S12205)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図60は、ステージ表示制御処理を示すフローチャートである。ステップS12701では、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0であるか否かを判定する。ステップS12701において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0であると判定した場合には(S12701:YES)、ステップS12702に進む。
ステップS12702では、ステージStの色を白色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が白色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。本実施形態においては、ポイントが蓄積されていない場合には、処理対象遊技回が繰越遊技回や連続演出最終遊技回であってもステージStを白色に設定する。ステップS12702を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
一方、ステップS12701において、蓄積ポイントカウンタCpntの値が0ではないと判定した場合には(S12701:NO)、ステップS12703に進む。
ステップS12703では、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであるか否かを判定する。ステップS12703において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONであると判定した場合には(S12703:YES)、ステップS12704に進む。
ステップS12704では、ステージStの色を黄色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が黄色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。上述のように、本実施形態においては、繰越遊技回においてポイントが蓄積されている場合にはステージStの色を黄色に設定する。ステップS12704を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
ステップS12703において、処理対象遊技回の繰越遊技回フラグがONではないと判定した場合には(S12703:NO)、ステップS12705に進む。
ステップS12705では、ステージStの色を橙色に設定したステージ用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ステージ用動画表示開始コマンドを受信すると、ステージStの色が橙色に設定されたステージ用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。上述のように、本実施形態においては、連続演出最終遊技回においてポイントが蓄積されている場合にはステージStの色を橙色に設定する。ステップS12705を実行した後、本ステージ表示制御処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図61は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS12801では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS12802に進む。
ステップS12802では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図62は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS12901では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図63は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS13001では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図62)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S13001)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS13002では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S13001)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS13003に進む。
ステップS13003では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S13002)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS13004に進む。
ステップS13004では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S13003)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS13005に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」の場合に、ボタン押下演出が実行されるように、演出シナリオによって設定している。よって、ボタン押下演出を実行することによって、ボタン押下演出が実行された場合に大当たり抽選の結果が「大当たり」、または、「外れ(リーチ発生)」となる確率が高いことを認識した遊技者に対して、期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態においては、演出シナリオにボタン押下演出の実行が設定されている場合には、当該ボタン押下演出が実行されるまでに、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となるようにポイントの付与を行う。よって、ポイント付与演出を実行することによって、蓄積ポイントが10ポイント以上となった場合にボタン押下演出が実行されることを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出を実行する毎に期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、遊技回において蓄積した蓄積ポイントを、当該遊技回の終了を契機としてリセットする場合と、リセットせずに次回の遊技回に繰り越す場合とがある。蓄積ポイントが当該遊技回の終了を契機としてリセットする場合があることによって、遊技回が終了するまでに蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積するように遊技者に所望させ、ポイント付与演出に対する遊技者の期待感をより一層増加させることができる。さらに、遊技回が開始され、ポイント付与演出の実行によってポイントが蓄積されたことを認識した遊技者に対して、蓄積ポイントがリセットされてしまうかもしれない当該遊技回の終了する時期を意識させ、蓄積ポイントの蓄積する態様、すなわちポイント付与演出の実行の態様に注目させることができる。
また、蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越す場合があることによって、仮に実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しなかった場合であっても、次回遊技回まで繰り越せば当該遊技回において蓄積したポイントは有効であるので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しないことに対する遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
本実施形態においては、ステージStの色によって、蓄積ポイントが繰り越すか否かを遊技者に対し示唆するので、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しない遊技回においても、次回の遊技回で蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積する可能性があるといった期待感を付与することができ、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積しない遊技回における遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積した場合に実行する処理としてボタン押下演出を採用している。蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積し遊技者に対して達成感を付与したタイミングでさらにボタン押下演出の実行によって遊技者に能動的に遊技に関与させ、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントはステージSt上の真珠の画像として遊技者に示唆するので、常に遊技者に蓄積ポイントを意識させることができる。
本実施形態においては、タイマ演出を実行するので、タイマ演出が実行されてからボタン押下演出が実行されるまでの期間中、継続的に、タイマ演出に示唆された時間の経過後に実行されるボタン押下演出について期待感を付与することができる。また、タイマ演出によって、ボタン押下演出までの残時間がカウントダウンされるので、示唆される残時間が減少し、ボタン押下演出が実行されるタイミングが近づくにつれ、遊技者の期待感を増大させることができる。
また、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されても、待機中演出が開始され、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した直後にタイマ演出が実行されない場合があるので、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した直後にタイマ演出が実行されるか否かを認識することによって、ボタン押下演出の実行されるタイミングを推測させる楽しみを遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態においては、ボタン押下演出を実行する遊技回においてタイマ演出を実行するので、遊技回においてタイマ演出を実行した場合には、当該遊技回に遊技者を注目させることができ、期待感を付与することができる。
本実施形態においては、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した場合であって、タイマ演出が次回以降の遊技回において実行される場合には、タイマ演出の実行に先立って待機中演出を実行する。よって、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した時点からタイマ演出が実行されるまでに生じた期間においても、待機中演出の実行によって、後の遊技回においてタイマ演出が実行されることを意識させ、タイマ演出に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
本実施形態においては、所定の遊技回におけるポイント付与演出の実行の有無、ポイント付与演出において付与するポイント数、蓄積ポイントの繰越の有無、待機中演出の実行の有無、タイマ演出の実行の有無、ボタン押下演出をいずれの遊技回で実行するか等、当該遊技回における各処理内容は、当該遊技回より後に実行される遊技回(以下、後発遊技回とも呼ぶ)の特別情報に基づいて決定する。より具体的には、後発遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」または「外れ(リーチ発生)」の場合には、当該後発遊技回を連続演出最終遊技回に設定した連続演出が実行される場合があり、その場合には、当該遊技回は繰越遊技回に設定される。すなわち、後発遊技回の特別情報に基づいて当該遊技回の処理内容を決定する。このようにすることで、ポイント付与演出の実行の有無、ポイント付与演出において付与するポイント数、蓄積ポイントの繰越の有無、待機中演出の実行の有無、タイマ演出の実行の有無、ボタン押下演出等の各処理に関して、複数の遊技回に亘って関連性を持たせることができる。各遊技回の処理内容と他の遊技回の処理内容とに関連性を持たせることで、例えば、実行中の遊技回において所定の処理を実行した場合に、当該所定の処理と当該遊技回の進行との関連性について遊技者に推測をさせるだけでなく、当該所定の処理と後発遊技回の進行との関連性についても遊技者に推測をさせる。すなわち、実行中の遊技回において遊技がどのように進行したとしても、後発遊技回の進行に様々な可能性を残し、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施形態において、連続演出においてボタン押下演出が実行される回数が多いほど、各ボタン押下演出後に実行される演出が発展する(演出が示唆する大当たり抽選に当選していることの期待度が高くなる)ように設定された演出シナリオを用意することによって、ボタン押下演出において遊技者に演出操作ボタン24を押下させる毎に、遊技者の遊技に対する期待感を増加させることができる。よって、連続演出の実行期間が長い場合でも、当該連続演出の実行期間の長さに応じてボタン押下演出の回数を増やすことによって、遊技者の集中力の低下を抑制し、期待感をより一層増加させることができる。
A7.第1実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成及び処理については、説明を省略する。
A7−1.変形例1:
第1実施形態において、特定の演出を実行する場合には必ずポイントを付与する構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的には、所定の演出(例えば、ノーマルリーチ演出)の後に、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行する場合と、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する場合とを、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定する。この場合、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行する場合と、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する場合とを1つの演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定してもよいし、各々別の演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定してもよい。また、所定の演出の後に付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する構成に代えて、所定の演出の後にポイント付与演出を実行しない構成を採用してもよいし、その両方を採用してもよい。
一方、特定の演出(例えば、スーパーリーチ演出)の後には必ず付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行するように演出シナリオおよびポイント付与シナリオに設定する。特定の演出として、特定のリーチ演出や、特定のカットイン演出を採用してもよいし、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行することを示唆するための専用の演出を採用してもよい。
このようにすることで、遊技回において特定の演出が実行された場合には、当該遊技回において、必ずポイントが付与されるので、ポイントの付与を望む遊技者に対して、特定の演出の実行に対する期待感を付与することができるとともに、遊技に注目させることができる。また、特定の演出が実行された場合には、ポイントの付与を望んでいた遊技者に対して高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
例えば、蓄積ポイントが9ポイントであり、あと1回、ポイントが付与されれば蓄積ポイントが10ポイント以上となりボタン押下演出が実行される場合に、特定の演出が実行されることに対して遊技者に強い期待感を付与することができる。また、このような状況で、特定の演出を実行しポイントを付与した場合には、遊技者に対して強い達成感を付与することができる。
A7−2.変形例2:
第1実施形態において、実行中の遊技回における蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越された場合には、当該遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的には、連続演出最終遊技回に設定する演出シナリオおよびポイント付与シナリオに必ず付与ポイントが0ではないポイント付与演出を設定する。また、ポイント付与シナリオにおいて、連続演出における繰越遊技回のうち最初に実行される繰越遊技回以降の繰越遊技回に対して必ず合計付与ポイントが0ではないポイント数を設定する。
このようにすることで、ポイントの付与を望む遊技者に対して、遊技回の終了を契機として蓄積ポイントが繰り越されることについて期待感を付与することがきる。よって、遊技者に対して、当該遊技回の終了時点においても遊技に注目させることができる。また、遊技回の終了を契機として蓄積ポイントが繰り越された場合には、ポイントの付与を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回でポイントが付与されることについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
例えば、蓄積ポイントが繰り越せば必ず次回以降の遊技回においてポイントが付与されることを遊技者が認識している場合であって、蓄積ポイントが9ポイントでありながら遊技回が終了しそうな状況である場合には、仮に蓄積ポイントが繰り越せば後の遊技回において必ずポイントが付与されてボタン押下演出が実行されるので、遊技者に対して、蓄積ポイントが繰り越すことへの強い期待感を付与することができ、実行中の遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達しないことに対しての期待感の低下を抑制することができる。また、このような状況で、蓄積ポイントが繰り越された場合には、遊技者に強い達成感を付与することができる。
また、実行中の遊技回における蓄積ポイントが次回の遊技回に繰り越された場合に、実行中の遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成に限らず、実行中の遊技回において所定の演出(例えば、青色のザリガニのキャラクタが出現する演出)が実行された場合に、当該遊技回より後の遊技回で必ずポイントが付与される構成を採用してもよい。このようにすることで、実行中の遊技回において所定の演出が実行された遊技者に対して、後の遊技回への期待感を付与することができる。
A7−3.変形例3:
第1実施形態において、連続演出が実行される一連の遊技回において実行されるポイント付与演出において、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する回数に制限を設ける構成を採用してもよい。または、遊技回1回のみで実行されるポイント付与演出において、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行する回数に制限を設ける構成を採用してもよい。当該構成を実現する一例として、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことで実現することができる。
具体的に説明する。上述のように、ポイント付与シナリオには連続演出最終遊技回で実行する各ポイント付与演出ごとに、付与ポイント数が設定されている。よって、各ポイント付与演出ごとに設定する付与ポイント数の値として「0」を設定する数に制限を設ける。例えば、付与ポイント数として、「0」という値を3回以下で設定するように制限する。
また、繰越遊技回および遊技回1回のみでポイント付与演出を実行する遊技回に対して用いられる演出パターンにおいて、各ポイント付与演出に設定する付与ポイント数の値として「0」を設定する数に制限を設ける。
このようにすることで、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達したことを認識した遊技者に対して、ポイント付与演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。なぜなら、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達した場合には、その後にポイント付与演出が実行された場合には、必ず、ポイントが付与されるからである。よって、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行した場合であっても、遊技者に対して、付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達することについての期待感を付与することができる。
すなわち、ポイント付与演出が実行された場合において、付与ポイントが0ではなかった場合にはポイントが付与されるので遊技者に高揚感を付与することができ、また、付与ポイントが0であった場合であっても遊技者に期待感(付与ポイントが0であるポイント付与演出の実行回数が上限に達することについての期待感)を付与することができる。その結果、付与ポイントが0ではないポイント付与演出を実行した場合、および、付与ポイントが0であるポイント付与演出を実行した場合のいずれの場合であっても、遊技者の期待感を増大させることができる。
A7−4.変形例4:
所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合に実行する演出(以下、未充填演出とも呼ぶ)を、遊技回において実行可能な構成としてもよい。また、未充填演出を、蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合において、所定の割合で実行する構成としてもよい。
さらに、未充填演出が実行された場合には、当該未充填演出が実行される直前における蓄積ポイントが多ければ多いほど、当該遊技回における大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高くなる構成としてもよい。
具体的には、当該遊技回において大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出が実行される演出シナリオが選択されやすくなるように設定する。例えば、演出シナリオを、抽選用乱数と抽選用テーブルデータを用いた抽選によって選択する場合には、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出が実行されるように抽選用テーブルデータを設定する。そして、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合以外で当該演出シナリオが選択される確率が低く(例えば30パーセント未満)なるように抽選用テーブルデータを設定する。さらに、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合には、当該演出シナリオに適用するポイント付与シナリオは、未充填演出が実行される直前の蓄積ポイントが比較的多く(例えば、8ポイントや9ポイント)なるように設定されたポイント付与シナリオを適用する。逆に、大当たり抽選の結果が「外れ(リーチ発生)」である場合には、当該演出シナリオに適用するポイント付与シナリオは、未充填演出が実行される直前の蓄積ポイントが比較的少なく(例えば、4ポイントや5ポイント)なるように設定されたポイント付与シナリオを適用する。
このようにすることで、所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上に達せずボタン押下演出が実行されない場合であっても、未充填演出が実行された場合には、蓄積ポイントが多いほど、当該所定の遊技回において、大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高く、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、所定の遊技回において蓄積ポイントが10ポイント以上に達せずボタン押下演出が実行されない場合であって、蓄積ポイントが比較的多い場合には、未充填演出が実行されることについて遊技者に期待感を付与することができる。
また、未充填演出は、当該未充填演出が実行される前における蓄積ポイントの量に応じて、演出内容が異なる構成を採用してもよい。
このようにすることで、蓄積ポイントの量がどのような場合であっても当該未充填演出の内容に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、以下の構成を採用してもよい。すなわち、未充填演出が実行された後に実行する演出(以下、未充填発展演出とも呼ぶ)を、遊技回において実行可能な構成としてもよい。また、蓄積ポイントが10ポイント以上となりボタン押下演出が実行される場合よりも、蓄積ポイントが10ポイント未満であり、未充填演出が実行された後に未充填発展演出が実行される場合の方が、当該遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高くなる構成を採用してもよい。例えば、演出シナリオを、乱数と抽選用テーブルデータを用いた抽選によって選択する場合には、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合に、未充填演出および未充填発展演出が実行されるように抽選用テーブルデータを設定する。そして、大当たり抽選の結果が「大当たり」以外の場合には、当該演出シナリオが選択される確率が低く(例えば5パーセント未満)なるように抽選用テーブルデータを設定する。さらに、大当たり抽選の結果が「大当たり」以外の場合には、当該演出シナリオが選択される確率がボタン押下演出を含む演出シナリオが選択される確率よりも低くなるように抽選用テーブルデータを設定することで当該構成を実現することができる。
このようにすることで、ボタン押下演出が実行される場合よりも、未充填発展演出が実行される場合の方が、当該遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高い構成となる。よって、遊技回において蓄積ポイントが10ポイントに達せずボタン押下演出が実行されない場合であっても、未充填演出が実行された場合には、遊技者に対して、その後、未充填発展演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。さらに、未充填発展演出が実行された場合には、ボタン押下演出が実行される場合よりも遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高いので、未充填発展演出が実行されたことを認識した遊技者に、より一層強い期待感を付与することができる。まとめると、蓄積ポイントが10ポイント以上に達した場合にはボタン押下演出が実行されるので遊技者に対して期待感を付与することができ、蓄積ポイントが10ポイントに達しない場合であっても、未充填演出が実行されることについて遊技者に期待感を付与し、さらに、未充填演出が実行された場合には、未充填発展演出が実行されることについて遊技者に強い期待感を付与することができる。よって、遊技がどのような状況であっても、遊技者に期待感を付与することができる。
A7−5.変形例5:
第1実施形態において、第1実行遊技回表示領域J1に示した第1実行遊技回表示、第1保留表示領域Ds1に示した第1保留遊技回表示、第2実行遊技回表示領域J2に示した第2実行遊技回表示、および、第2保留表示領域Ds2に示した第2保留遊技回表示の、各表示(以下、まとめて遊技回表示とも呼ぶ)の表示態様を変化させる構成を採用してもよい。さらに、ポイントを付与するタイミング(すなわち、ポイント付与演出を実行するタイミング)と、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングとに時間的な相関関係を有する構成を採用してもよい。
この場合、遊技回表示の表示態様は、各遊技回表示に対応する遊技回に係る大当たり抽選において大当たりに当選している可能性(期待度)を示唆するとしてもよい。
このように遊技回表示の表示態様の変化と、ポイントの付与とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
例えば、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させてから、所定時間内(例えば、1秒以内)に、ポイント付与演出を実行する構成を採用してもよい。この場合、遊技回表示の表示態様が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内にポイント付与演出が実行されたことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
また、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、ポイント付与演出を実行するタイミングとを同時にする構成を採用してもよい。この場合、遊技回表示の表示態様の変化とポイント付与演出の実行とを遊技者に同時に認識させることで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
その他、遊技回の実行中に、ポイント付与演出を実行してから、所定時間内(例えば、1秒以内)に、遊技回表示の表示態様を変化させる構成を採用してもよい。この場合、ポイント付与演出が実行されたことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に遊技回表示の表示態様が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。なお、遊技回表示の表示態様を変化させる対象の遊技回が、実行中の遊技回であれば、さらに強い期待感や高揚感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回表示の変化後の表示態様と、ポイント付与演出によって付与するポイント数とが相関関係を有する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技回表示の変化後の表示態様が遊技者の期待に沿う態様であった場合、すなわち、遊技回表示の変化後の表示態様が期待度が高いことを示唆する表示態様であった場合、および、ポイント付与演出によって付与されたポイント数が比較的多かった場合に、遊技者に対して、より一層強い期待感や優越感を付与することができる。
さらに、遊技回表示の変化後の表示態様が示唆する期待度が高いほど、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い構成を採用してもよい。すなわち、遊技回表示の変化後の表示態様が第1の表示態様である場合に、当該表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数を第1のポイント数とし、遊技回表示の変化後の表示態様が第1の表示態様が示す期待度よりも高い期待度を示唆する第2の表示態様である場合に、当該表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数を第2のポイント数とした場合に、第2のポイント数の平均値が第1のポイント数の平均値よりも大きくなる構成を採用してもよい。
このようにすることで、遊技回の大当たり抽選の結果が「大当たり」である期待度(確率)が高い場合には遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、さらに、遊技回表示が第2の表示態様に変化した場合には、第1の表示態様に変化した場合よりも、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い場合が多いので、遊技回表示の表示態様の変化と、ポイント付与演出の実行とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、大当たり抽選の結果に対する遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
なお、上記構成は、いずれも遊技回表示の表示態様を演出シナリオに設定することで実現可能である。例えば、ポイント付与演出の実行と同時に遊技回表示の表示態様が白色から赤色に変化するように設定された演出シナリオを用いることで、上記した構成の一つである、遊技回の実行中に、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、ポイント付与演出を実行するタイミングとを同時にする構成を実現することができる。
また、期待度が高いことを示唆する表示態様に遊技回表示を変化させることが設定された演出シナリオに対して、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数の値が大きい値に設定されたポイント付与シナリオを適用することで、上記した構成の一つである、遊技回表示の変化後の表示態様が示唆する期待度が高いほど、当該遊技回表示の表示態様の変化と時間的な相関関係をもって実行されるポイント付与演出によって付与されるポイント数が多い構成を実現することができる。なお、遊技回表示の表示態様として、形状、模様、色、キャラクタなどを採用することができる。
また、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと時間的な相関関係を有する演出がポイント付与演出である構成に限定されず、遊技回表示の表示態様を変化させるタイミングと、遊技回において実行される所定の演出(例えば、リーチ演出)の実行されるタイミングとが、時間的な相関関係を有する構成を採用してもよい。このようにしても、大当たり抽選の結果に対する遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
A7−6.変形例6:
第1実施形態においては、ポイント付与シナリオ(図46参照)に、連続演出最終遊技回において実行される各ポイント付与演出毎に、付与ポイント数が予め設定されていたが、連続演出最終遊技回の実行中に、各ポイント付与演出において付与するポイント数をリアルタイムに設定する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与シナリオには、連続演出最終遊技回において実行されるポイント付与演出の実行回数と、連続演出最終遊技回において付与するポイント数の合計値が情報として設定されており、連続演出最終遊技回の開始後に当該情報に基づいて抽選を行い、各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定する構成としてもよい。このようにすることで、ポイントが付与されるパターンを遊技者に推測されにくく、遊技者を遊技に注目させることができる。
A7−7.変形例7:
第1実施形態において、蓄積ポイントを減らす演出を実行する構成としてもよい。このようにすることで、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を付与することができる。また、本実施形態においては、ポイントを増加させていき10ポイントに達したらボタン押下演出が実行される構成を採用したが、遊技回の開始時点から所定数のポイントが蓄積されており、ポイントが減算される演出が実行され、蓄積ポイントが所定のポイント数以下に達したらボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。例えば、遊技回の開始時に10ポイントが蓄積されており、ポイントが減算される演出によって随時ポイントが減っていき、0ポイントに達したらボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。
A7−8.変形例8:
上記実施形態においては、ポイント付与演出を実行するタイミングは、予め演出シナリオに設定されている構成を採用したが、そのような構成に限らず、他の構成を採用してもよい。以下、詳しく説明する。
上記第1実施形態においては、連続演出最終遊技回の演出を設定する際に、ポイント付与演出を実行するタイミングが予め設定されている演出シナリオを用いる構成を採用したが、本変形例においては、ポイント付与演出を実行することが可能なタイミング、すなわちポイント付与演出を実行するタイミングの候補となるタイミング(以下、候補タイミングとも呼ぶ)が一または複数設定された演出シナリオを用いる構成を採用する。また、上記第1実施形態においては、1回の遊技回のみを用いてポイント付与演出を実行する遊技回の演出を設定する際、および、繰越遊技回の演出を設定する際に、ポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数が予め設定された演出パターンを用いる構成を採用したが、本変形例においては、連続演出最終遊技回の演出を設定する場合と同様に、候補タイミングが一または複数設定された演出シナリオを用いる構成を採用する。
図64は、変形例8における連続演出最終遊技回の演出シナリオおよびポイント付与シナリオを説明する説明図である。図64には、一例として、実行遊技回数(Np)=2である連続演出に係る繰越遊技回と連続演出最終遊技回との演出シナリオおよびポイント付与シナリオを示した。本変形例においても上記第1実施形態と同様に、連続演出最終遊技回に設定された遊技回の仮変動時間に基づいて連続演出最終遊技回の演出シナリオが設定される。上述のように、本変形例における演出シナリオには、ボタン押下演出を実行するタイミングは設定されているが、ポイント付与演出を実行するタイミングは設定されておらず、ポイント付与演出を実行するタイミングの候補となる候補タイミングが複数設定されている。図64の演出シナリオには、候補タイミングを破線の矢印で示した。音光側MPU92は、後述するポイント付与シナリオに基づいて、演出シナリオに設定された複数の候補タイミングの中から、遊技回の実行時に実際にポイント付与演出を実行する一または複数のタイミング(以下、実行タイミングとも呼ぶ)を決定する。
また、上記第1実施形態においては、図45の大当たり・リーチ用ポイント付与シナリオテーブルに示すように、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに2つのポイント付与シナリオが設定されており、連続演出の実行回数の決定後に、当該実行回数に対応して設定されている2つのポイント付与シナリオから1つを抽選によって決定した。一方、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオが設定されている。図64には、連続演出の実行遊技回数が2回(すなわち、実行遊技回数Np=2)のポイント付与シナリオを示した。図示するように、本変形例におけるポイント付与シナリオには、連続演出最終遊技回については、演出シナリオに設定されている各ボタン押下演出までの期間毎に付与すべきポイント数の合計値(以下、期間合計付与ポイントとも呼ぶ)が設定されており、繰越遊技回については、上記実施形態と同様に当該遊技回において付与すべきポイント数の合計値である合計付与ポイントの値が設定されている。
音光側MPU92は、連続演出最終遊技回については、期間合計付与ポイントと、演出シナリオに設定された各ボタン押下演出の期間までの複数の候補タイミングとに基づいて、ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを決定する。図64に示した例の場合、連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1(図のBt1)までの期間合計付与ポイントとして13ポイントがポイント付与シナリオに設定されており、当該期間内に候補タイミングが10箇所、演出シナリオに設定されている。よって、例えば、10箇所の候補タイミングから一または複数の実行タイミングを決定し、その後、決定した各実行タイミングにおいて実行するポイント付与演出において付与するポイント数を決定し、最後に、実行する各ポイント付与演出において付与するポイント数を乱数を用いた抽選によって決定する構成を採用する。
その他、種々の方法によって、各ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定することができる。例えば、連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1までの期間の期間合計付与ポイントである13ポイントを上限とした任意の値を抽選により決定し、当該決定した値を1回目のポイント付与演出において付与するポイント数に決定する。次に、期間合計付与ポイントの13ポイントから1回目のポイント付与演出において付与するポイント数を減算した値を上限とした任意の値を抽選により決定し、当該決定した値を2回目のポイント付与演出によって付与するポイント数に決定する。このように、順に、抽選によってポイント付与演出において付与するポイント数を決定していき、決定したポイント数を期間合計付与ポイントの13ポイントから減算をしていき、最終的に残りのポイント数が0になるまで抽選を行う。連続演出最終遊技回の開始からボタン押下演出1までの候補タイミングの数は10箇所なので、仮に、9回目の抽選が終わった時点で残りの付与ポイントが0になっていない場合には、最後の10回目のポイント付与演出での付与ポイント数を自動的に当該残りのポイント数に決定する。このようにして、ポイント付与演出の実行回数と各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定した後、ポイント付与演出の実行回数に対応する数の実行タイミングを、演出シナリオの候補タイミングの中から抽選によって決定する。
本変形例のように、ポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを、抽選によって決定することによって、同じ演出シナリオであってもポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とがパターン化しないため、遊技者が退屈するのを抑制するとともに、種々の推測をさせることが可能であり、期待感を付与することができる。このような理由から、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオしか設定されていない。すなわち、本変形例においては、各演出シナリオに対応するポイント付与シナリオに関して、各実行遊技回数(Np)ごとに1つのポイント付与シナリオしか設定されていなくても、複数のポイント付与のパターンを設定することが可能である。
また、上記説明においては、連続演出最終遊技回におけるポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数との決定方法について述べたが、当該決定方法は、連続演出における繰越遊技回においても採用することができる。上記第1実施形態においては、繰越遊技回においてポイント付与演出を実行する場合、および、1回の遊技回においてポイント付与演出を実行する場合におけるポイント付与演出の実行タイミングは、予め演出パターンに設定されていたが、本変形例のように、ポイント付与演出の実行タイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数を、抽選によって決定してもよい。この場合、まず、繰越遊技回の変動時間に基づいて演出シナリオを決定する。図64に示すように、繰越遊技回用に用意された演出シナリオには、上記した連続演出最終遊技回における演出シナリオと同様に、複数の候補タイミングが設定されている。そして、当該遊技回の演出パターンに設定された候補タイミングと、当該遊技回に設定された合計付与ポイントとに基づいて、上記の連続演出最終遊技回と同様に、抽選によって、ポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを決定する。上記の第1実施形態においては、予めポイント付与演出の実行タイミングと各ポイント付与演出において付与するポイント数が予め設定された演出パターンを用いたが本変形例のようにポイント付与演出を実行するタイミングと、各ポイント付与演出において付与するポイント数とを抽選によって決定することで、第1実施形態のような演出パターンを用いなくとも、本変形例の連続演出最終遊技回と同様に、複数の候補タイミングが設定されている演出シナリオを用いることができる。このようにすることで、同じ演出が実行される演出シナリオであってもポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とがパターン化しないため、遊技者が退屈するのを抑制するとともに、遊技者に種々の推測をさせることが可能であり、期待感を付与することができる。
また、上記第1実施形態においては、繰越遊技回の演出パターンは、連続演出最終遊技回に基づいて決定されたポイント付与シナリオに設定された合計付与ポイントと繰越遊技回における変動時間とに対応する演出パターンを、ポイント付与演出パターンテーブルを参照して決定していた。一方、本変形例においては、合計付与ポイントに関わらず、繰越遊技回における変動時間に基づいて演出パターンを決定し、決定した当該演出パターンに設定されている候補タイミングと、合計付与ポイントとに基づいて、ポイント付与演出の実行タイミングと各ポイント付与演出において付与するポイント数を決定する。従って、繰越遊技回の変動時間と合計付与ポイントとに対応したポイント付与演出パターンテーブルを備える必要がなく、変動時間のみに対応したポイント付与演出パターンテーブルを備えることができる。すなわち、合計付与ポイントを考慮しない変動時間のみに適合した演出パターンを複数種類備えることが可能である。そして、各演出パターンに対して、ポイントの付与のタイミングは抽選によって決定されるので、演出パターンとポイントの付与されるタイミングとがパターン化せず、常に遊技者に期待感を付与することができる。
A7−9.変形例9:
上記変形例8においては、ポイント付与シナリオには、繰越遊技回に対応する期間については当該遊技回において付与する合計付与ポイントが記録されており、連続演出最終遊技回については、各ボタン押下演出が実行されるまでの期間合計付与ポイントが記録されていたが、そのような構成に限らず、例えば以下のような構成を採用することができる。
図65は、変形例9を説明する説明図である。本変形例においては、ポイント付与シナリオには、繰越遊技回に対応する期間についての合計付与ポイントは設定されておらず、繰越遊技回が開始されてから直近に実行されるボタン押下演出までに付与すべきポイント数、または、ボタン押下演出から次に実行されるボタン押下演出までに付与すべきポイント数、すなわち期間合計付与ポイントが設定されている。よって、図65に示した例の場合、繰越遊技回の開始から連続演出最終遊技回のボタン押下演出(Bt1)が実行されるまでの期間合計付与ポイントが設定されている。
演出シナリオの構成については上記変形例8と同じである。すなわち、繰越遊技回の演出シナリオ、および、連続演出最終遊技回の演出シナリオには、一または複数の候補タイミングが設定されている。そして、ポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数は、ポイント付与シナリオに設定されている各ボタン押下演出までに付与するポイント数と、演出シナリオに設定されている各ボタン押下演出までの候補タイミングに基づいて、上記変形例8と同様に抽選によって決定する。このようにすることで、繰越遊技回と連続演出最終遊技回とを跨いでポイント付与演出を実行するタイミングおよび各ポイント付与演出において付与するポイント数を抽選によって決定するので、上記変形例8と比較してより一層、ポイント付与演出の実行タイミングと付与されるポイント数とのパターン化を抑制することができる。
A7−10.変形例10:
ポイント付与演出は、上記第1実施形態で示した演出の態様(カメのキャラクタがポイントを付与する演出)に限定されず、種々の態様を採用することができる。
図66は、変形例10におけるポイント付与演出を説明する説明図である。図66(a)に示すように、例えば、付与されるポイントを決定するためのルーレットを示す画像を表示面41aに表示してもよい。ルーレットには、付与される可能性のあるポイント数に対応する数字(例えば、0〜19)が表示されている。ルーレットを回転させた後、図66(b)に示すように、ルーレットの回転を停止させ、図66(c)に示すように、ルーレット上に停止した矢印が指し示す数字に対応するポイント数を付与する。ポイント付与演出をこのような態様にすることによって、ルーレットが回転している期間において、遊技者に対して、付与されるポイントに対する期待感を付与することができる。また、ルーレットには、付与されるポイント数として「0(ゼロ)」が含まれるので、遊技者に対して、期待感に加え、緊迫感を付与することができる。
さらに、ポイント付与演出が複数の遊技回を跨ぐ構成を採用してもよい。例えば、ルーレットの回転を開始した遊技回においてはルーレットの回転を停止させず、当該遊技回より後の遊技回においてルーレットの回転を停止させる構成を採用してもよい。このように複数の遊技回を跨ぐポイント付与演出(以下、繰越ポイント付与演出とも呼ぶ)を実行することによって、遊技回を跨いで長期間、遊技者に付与されるポイントに対する期待感や緊迫感を付与することができる。
例えば、遊技回が保留されている場合において、当該遊技回においてポイントを付与することが決定した場合に、当該遊技回より先に実行される遊技回(先行遊技回)において、繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画を表示面41aに表示するように先行遊技回の演出シナリオに設定する処理を実行する。保留されている遊技回(保留遊技回)においてポイントを付与することが決定した時点において、先行遊技回がまだ実行されていない場合には、当該先行遊技回において繰越ポイント付与演出を実行するように演出シナリオに設定する。また、保留されている遊技回(保留遊技回)においてポイントを付与することが決定した時点において、既に当該保留遊技回より先に実行される先行遊技回が実行されている場合には、その時点からリアルタイムに、実行中の先行遊技回において繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画の表示を開始する。繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画レイヤを、先行遊技回における演出の動画レイヤより上位のレイヤとして表示することでポイント付与演出を先行遊技回から開始することができる。この場合、例えば、繰越ポイント付与演出を示すルーレットの動画を、表示面41aの周縁に近い位置に表示することで、先行遊技回における演出用動画の表示を遊技者が視認しにくくなることを抑制することができる。
なお、本変形例の繰越ポイント付与演出において、ルーレットを回転させて、その後にルーレットの回転が停止するまでの演出、すなわち、ポイントが付与されることを示唆する演出を第1の演出とし、ルーレットの回転が停止して付与されるポイントが報知され、ステージStの蓄積ポイントを示す真珠の画像が変化してポイントの付与がされた後の蓄積ポイントが表示される演出、すなわち、ポイントが付与されることを示す演出を第2の演出とした場合に、先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成であれば、種々の態様を採用することができる。
先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成を採用することによって以下のような効果を創出することができる。第1の演出は、遊技者に対して、ポイントが付与される可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は、ポイントを付与することを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、ポイントが付与されたことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。また、上記第1実施形態の構成と本変形例の構成とを組み合わせることによって、以下のような効果を創出することができる。先行遊技回を第1の遊技回、先行遊技回より後に実行される遊技回を第2の遊技回とすると、第2の遊技回において付与するポイントに対応する第1の演出を、第1の遊技回において開始する場合と、第2の遊技回において開始する場合とが生じる。換言すれば、所定の遊技回において、第1の演出が実行された場合には、ポイントが、当該所定の遊技回において付与される場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において付与される場合とがあり、第1の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
なお、先行遊技回において第1の演出を開始し、先行遊技回より後に実行される遊技回において第2の演出を実行する構成としては、第1の演出の開始から終了までを第1の遊技回において実行し、第2の演出の開始から終了までを第2の遊技回において実行する構成を採用してもよいし、第1の演出におけるルーレットが回転している様子の演出を第1の遊技回において開始し、第1の演出における回転中のルーレットが停止する演出、および第2の演出の開始から終了までを第2の遊技回において実行する構成を採用してもよい。また、そのいずれの構成も同時に採用してもよい。いずれの構成も採用し、かつ、ポイント付与演出が遊技回を跨がない構成も組み合わせると、所定の遊技回において第1の演出が開始されたことを認識した遊技者に対して、まず、ルーレットの回転が当該遊技回において停止するのか否かを推測する楽しみや期待感を付与する。仮に、当該遊技回においてルーレットが停止した場合には、ルーレットが停止することによって示された付与ポイント数に対応するポイントが、当該遊技回において付与されるのか、当該遊技回より後の遊技回において付与されるのかを推測する楽しみや期待感を付与する。従って、遊技者に対して、段階的な楽しみや期待感を付与することができる。
また、上記第1実施形態で述べたように、蓄積ポイントは、遊技回の終了を契機としてリセットされる場合と、リセットされない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に蓄積ポイントについて注目させることができる。さらに、本変形例によって、第1の演出が実行された場合に、ポイントが当該所定の遊技回において付与される場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において付与される場合とがあり、遊技者に遊技回の移行時に注目をさせることができる。よって、遊技回の移行時における様々な期待感を遊技者に付与することができる。
なお、本変形例における第1の演出および第2の演出は、本変形例において説明した構成に限ることなく、種々の演出を採用することができる。例えば、上記第1実施形態におけるポイント付与演出のうち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠を投下するまでの演出を第1の演出として採用し、付与されるポイント数が表示された真珠をカメのキャラクタが投下し、当該真珠がステージStに到達して蓄積ポイントに対応する真珠の画像に変化しポイント付与演出が終了するまでの演出を第2の演出として採用してもよい。
A7−11.変形例11:
上記第1実施形態において、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、当該ポイント付与演出の態様が異なる構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出において表示するキャラクタであるカメの甲羅の色を、付与されるポイントが0〜2ポイントの場合には白色で表示し、付与されるポイントが3〜6ポイントの場合には黄色で表示し、付与されるポイントが7〜9ポイントの場合には青色で表示し、付与されるポイントが10〜15ポイントの場合には緑色で表示し、付与されるポイントが16〜20ポイントの場合には赤色で表示する構成を採用してもよい。このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図56)のステップS12303において、付与ポイント数の読み込みを実行した後に、読み込んだ付与ポイントの大きさに応じてポイント付与演出に表示させるカメの甲羅の色を判断する。そして、ステップS12304において、ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに、ポイント付与演出に表示させるカメの甲羅の色の情報を含め、表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに含まれるカメの甲羅の色の情報を読み込み、当該情報に応じた甲羅の色をしたカメを表示させたポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで本構成を実現することができる。このような構成にすることで、ポイント付与演出において表示されるポイント数の表示に加え、カメの甲羅の色によって遊技者に期待感や優越感を付与することができる。
その他、例えば、上記第1実施形態においては、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが投下する真珠には、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が表示される構成を採用したが、当該真珠にポイント数を表示せず、さらに、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じてカメが投下する真珠の色が異なる構成を採用してもよい。このような構成も、上述の、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じてカメの甲羅の色を異なる色で表示する処理と同様の処理によって実現することができる。すなわち、ポイント蓄積処理(図56)のステップS12303において、付与ポイント数の読み込みを実行した後に、読み込んだ付与ポイントの大きさに応じてポイント付与演出に表示させる真珠の色を判断する。そして、ステップS12304において、ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに、ポイント付与演出に表示させる真珠の色の情報を含め、表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドに含まれる真珠の色の情報を読み込み、当該情報に応じた色の真珠を表示させたポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。なお、本変形例の場合、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが投下する真珠にポイント数を表示しないので、表示側MPU102は、カメのキャラクタが投下する真珠にポイント数を表示しないポイント付与演出の演出動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで、ポイント付与演出の実行が開始されても遊技者は、付与されるポイントを明確に把握ことができないため、遊技者に対して付与されるポイント数について期待感を付与することができる。さらに、付与されるポイント数の大きさに応じて、カメが投下する真珠の色が異なるため、当該真珠の色に基づいて付与されるポイント数を推測する楽しみを遊技者に対して付与することができる。
また、その他、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、ポイント付与演出において表示されるキャラクタが異なる構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出において表示するキャラクタを、付与されるポイントが0〜2ポイントの場合にはカメのキャラクタに設定し、付与されるポイントが3〜6ポイントの場合にはタコのキャラクタに設定し、付与されるポイントが7〜9ポイントの場合にはカニのキャラクタに設定し、付与されるポイントが10〜15ポイントの場合にはサメのキャラクタに設定し、付与されるポイントが16〜20ポイントの場合にはクジラのキャラクタに設定する構成を採用してもよい。当該構成も、上述した構成、すなわち、ポイント付与演出において付与されるポイント数の大きさに応じて、カメの甲羅の色、カメが投下する真珠の色を変化させる構成と同様の処理によって実現することができる。
その他、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合に、当該実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行するポイント付与演出と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが3ポイントである状態において、9ポイントが付与されるポイント付与演出が実行される場合には、蓄積ポイントが10ポイントを超えるので、当該ポイント付与演出において表示するキャラクタを、通常のポイント付与演出の際に表示するカメのキャラクタに代えてクジラのキャラクタに設定する構成を採用てもよい。また、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合であって、かつ、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が所定の大きさ以上の場合に、それ以外の場合に実行するポイント付与演出と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超える場合であって、かつ、当該ポイント付与演出によって付与されるポイント数が8ポイント以上の場合に、当該ポイント付与演出において表示するキャラクタをカメのキャラクタに代えて、カニのキャラクタに設定し、かつ、当該カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するように設定する構成を採用してもよい。
このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図56)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であるかを判定し、かつ、当該ポイント付与演出において付与されるポイントが所定の大きさ(例えば、8ポイント)以上であるかを判定することによって実現することができる。すなわち、ポイント蓄積処理(図56)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であり、かつ、当該ポイント付与演出において付与されるポイントが所定の大きさ(例えば、8ポイント)以上であると判定した場合に、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するように設定されたポイント付与演出用動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、当該ポイント付与演出用動画表示開始コマンドを受信すると、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出の演出用動画を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。このようにすることで本構成を実現することができる。このような構成にすることで、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出を実行した場合に、通常のポイント付与演出が実行された場合よりも、より一層遊技者に期待感と優越感を付与することができる。また、遊技中に、ポイント付与演出が実行されないかといった期待感を遊技者に付与することができるとともに、さらに、カニのキャラクタが通常の場合よりも大きな真珠を投下するポイント付与演出が実行されないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
その他、以下のような構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後にスーパーリーチ演出が実行される場合に、当該スーパーリーチ演出が実行される前に実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出の態様と異なる態様に設定する構成を採用してもよい。より具体的には、蓄積ポイントが5ポイントである状態において、9ポイントが付与されるポイント付与演出が実行されて蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、かつ、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後にスーパーリーチ演出が実行される場合に、当該スーパーリーチ演出が実行される前に実行されるポイント付与演出において表示されるキャラクタを通常のポイント付与演出の際に表示するカメのキャラクタに代えてクジラのキャラクタに設定する構成を採用してもよい。なお、ノーマルリーチ演出は、図柄がリーチ状態になった際に実行される演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。なお、後述するスペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合、および、ノーマルリーチ演出に加えスーパーリーチ演出が実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。
また、本構成は、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出がスーパーリーチ演出である場合に限らず、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出がスペシャルリーチ演出である場合や、大当たり抽選に当選したことを即時に告知する演出(以下、一発告知演出とも呼ぶ)である場合等に適用してもよい。すなわち、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に、スペシャルリーチ演出が実行される場合や、一発告知演出が実行される場合には、当該実行されるポイント付与演出の態様を、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出の態様と異なる態様に設定する構成を採用する。
このような構成は例えば以下のような処理によって実現することが可能である。ポイント蓄積処理(図56)において、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに基づいて、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であるかを判定する。そして、実行するポイント付与演出がボタン押下演出までに実行される最後のポイント付与演出であると判定した場合に、演出シナリオに基づいて、当該ポイント付与演出後のボタン押下演出が実行された後の演出の種類を判定し、当該演出が、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、スペシャルリーチ演出、および、一発告知演出など、特定の種類の演出であると判定した場合には、各演出の種類に応じて、それ以外の場合とは異なる特別な態様のポイント付与演出を、ボタン押下演出前のポイント付与演出として設定する。このようにすることで上記構成を実現することができる。
このように、ポイント付与演出が実行されてポイントが付与されることによって蓄積ポイントが閾値(10ポイント)を超え、蓄積ポイントが閾値を超えたことによって実行されるボタン押下演出の後に実行される演出の種類に応じて、当該演出が実行される前に実行されるポイント付与演出の態様が、それ以外の場合に実行されるポイント付与演出と異なる構成を採用することによって、ポイントが付与されるといった期待感を遊技者に付与するだけでなく、その他の期待感や、その後の遊技を推測する楽しみを遊技者に付与することができる。また、ポイント付与演出の態様が複数種類存在することで、毎回実行されるポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。
すなわち、本変形例においては、遊技回に設定される演出シナリオは、当該遊技回に対応する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSに基づいて決定される。そして、遊技回に対応する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSに基づいて決定された演出シナリオに基づいて、ポイント付与シナリオが決定され、当該演出シナリオとポイント付与シナリオに基づいて、当該遊技回において実行されるポイント付与演出の態様が決定される。
A7−12.変形例12:
上記第1実施形態において、ポイントの付与の態様が、その後の遊技の進行を示唆する構成を採用してもよい。例えば、3回の各ポイント付与演出よって、3ポイント、4ポイント、1ポイントが付与されるポイントの付与の態様が、その後に実行されるボタン押下演出後に、スペシャルリーチ演出が実行されることを示唆する構成や、3回の各ポイント付与演出よって、7ポイント、7ポイント、7ポイントが付与されるポイントの付与の態様が、その後に実行されるボタン押下演出後に、一発告知演出が実行されることを示唆する構成を採用することができる。このような構成は例えば以下のようにすることで実現することが可能である。
スペシャルリーチ演出や一発告知演出など特定の演出が実行されることが設定されている演出シナリオに対して紐付けされているポイント付与シナリオについて、当該ポイント付与シナリオに設定される各ポイント付与演出の付与ポイント数に、例えば、3、4、1の値を予め設定しておくことによって、当該構成を実現することができる。このようにすることで、各ポイント付与演出において付与されるポイント数に対して、より一層、遊技者を注目させることができる。また、ポイントの付与の態様に基づいて、その後の遊技の進行について遊技者に種々の推測をさせることができ、遊技者により一層期待感を付与することができる。
なお、ポイントの付与の態様によって示唆する内容は、その後に実行される演出に限定されず、例えば、さらにその後に実行されるポイント付与演出において付与されるポイント数を示唆するとしてもよいし、大当たり抽選の結果を示唆するとしてもよいし、蓄積ポイントの繰越を示唆するとしてもよい。
A7−13.変形例13:
上記第1実施形態において、既に付与されたポイントの付与の態様に関する情報(以下、ポイント付与態様情報とも呼ぶ)を表示する構成を採用してもよい。例えば、ポイント付与態様情報として、ポイントが付与された態様の履歴を表示してもよい。そして、当該ポイントが付与された態様の履歴を色やキャラクタ等によって表示してもよい。
図67は、変形例13を説明する説明図である。図67は、ポイント付与演出においてステージStに蓄積したポイントを示す真珠の画像が、ポイントが付与された態様の履歴を表示している様子を示している。
図67(a)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から最初(1回目)のポイント付与演出が実行され4ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から1回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに白色の真珠の画像として表示する。
図67(b)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から2回目のポイント付与演出が実行され2ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から2回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに黄色の真珠の画像として表示する。
図67(c)には、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から3回目のポイント付与演出が実行され3ポイントが付与された後のステージStの蓄積ポイントを示した。本変形例においては、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から3回目のポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントは、ステージStに黄緑色の真珠の画像として表示する。
このように、各ポイント付与演出が実行されたことによって蓄積したポイントを示す画像を、当該蓄積ポイントが付与される契機となったポイント付与演出ごとに色によって区別することによって、ポイントが付与された態様の履歴を表示することができる。例えば、図67(c)のステージStに示した蓄積ポイントを示す真珠の画像を遊技者が視認することで、遊技者は、4ポイント→2ポイント→3ポイントの順で、ポイントが付与されたことを認識することができる。
本変形例は、例えば、第1実施形態におけるパチンコ機10が付与されたポイントの履歴を記憶する記憶エリアである付与履歴記憶エリアを音声発光制御装置90の音光側RAM94に備えることによって実現することができる。
図68、図69は、付与履歴エリアを説明する説明図である。図68(a)に示すように、付与履歴記憶エリアには、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態からのポイントの付与回数(ポイント付与演出の実行回数)と、各付与回数に対応するポイント付与演出によって蓄積されたポイントに対応する真珠の画像を表示する色(表示食)とが予め設定されており、実際にポイント付与演出が実行される毎に、付与ポイントの記憶エリア(以下、付与ポイント記憶エリアとも呼ぶ)に付与されたポイントを示す値が記憶される。図68(a)に示した付与履歴エリアの場合、1回目のポイント付与演出によって4ポイントが付与され、2回目のポイント付与演出によって2ポイントが付与され、3回目のポイント付与演出によって3ポイントが付与されたことがことがわかる。
図68(b)には、図68(a)の状態から、さらにポイント付与演出が1回実行され、6ポイントが付与された場合の付与履歴記憶エリアを示している。本変形例の付与履歴記憶エリアは、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に、付与ポイント記憶エリアの中で一つ右の記憶エリアに、付与されたポイントが記憶される。付与回数が1〜3回目において既にポイントが9ポイント蓄積されていたので、図68(b)に示すように、付与回数の4回目においては、付与された6ポイントのうち1ポイントは付与回数が1〜3回目と同列の記憶エリアに記憶され、残りの5ポイントは、一つ右の列の記憶エリアに記憶される。そして、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示する際には、付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込み、ステージStに真珠の画像を表示する。このように、10ポイント毎に記憶エリアを区分することで、ポイントが10ポイント蓄積したことによってタイマ演出(または待機中演出)が実行され、蓄積ポイントが10ポイント分減算され、ステージStに新たにポイントが蓄積される場合であっても、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から実際に実行されたポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示することができる。また、本変形例に示した付与履歴記憶エリアは、1回のポイント付与演出において10ポイント以上のポイントが付与された場合にも対応することができる。
図69には、図68(b)の状態から、さらにポイント付与演出が1回実行され、17ポイントが付与された場合の付与履歴記憶エリアを示している。この場合、17ポイントのうち、5ポイントが付与ポイント記憶エリアの2列目に記憶されることによって、2列目の記憶エリアは10ポイントとなる。そして、残りの12ポイントのうち10ポイントは付与ポイント記憶エリアの3列目に記憶され、さらに残りの2ポイントは付与ポイント記憶エリアの4列目に記憶される。このように、1回のポイント付与演出において10ポイント以上のポイントが付与された場合であっても、付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込むことによって、蓄積ポイントがリセットされ新たな遊技回が開始された状態から実際に実行されたポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示することができる。
また、当該付与履歴記憶エリアに付与されるポイントを記憶するタイミング、読み込むタイミング、および、リセットするタイミングについて説明する。付与されるポイントを付与履歴記憶エリアに記憶する場合には、例えば、ポイント蓄積処理(図56)のステップS12302において、実行される付与ポイント数を読み込んだときに、付与されるポイントを付与履歴記憶エリアに記憶する構成を採用することができる。このとき、上記説明したように、蓄積ポイントが10ポイント蓄積される毎に、付与ポイント記憶エリアの中で一つ右の記憶エリアに、付与されたポイントを記憶する。
付与履歴記憶エリアの読み込みについては、例えば、ポイント蓄積処理(図56)のステップS12310において、付与履歴記憶エリアにおける付与ポイント記憶エリアの最も右の列の付与ポイントと、付与回数に対応する表示色を読み込み、ポイントの付与回数に対応した表示色の真珠の画像(ポイント蓄積動画)を表示するためのポイント蓄積動画表示開始コマンドを表示側MPU102に送信する。当該ポイント蓄積動画表示開始コマンドを受信した表示側MPU102は、ポイントの付与回数に対応した表示色で、ステージStに蓄積ポイントに対応する真珠の画像を表示する。
付与履歴記憶エリアのリセットについては、例えば、ポイントリセット処理(図59)のステップS12603において蓄積ポイントカウンタCpntをリセットした後に、付与履歴記憶エリアをリセットする。このような処理を実行することで当該変形例における構成を実現することができる。
当該変形例の構成を採用することによって、ポイント付与演出の実行回数や1回のポイント付与演出における付与ポイント数等、ポイントが付与された態様の履歴を遊技者が確認することを可能にする。また、ポイントが付与された態様の履歴を確認した遊技者に対して、その後に実行されるポイント付与演出の回数や付与されるポイント数等を推測させ、遊技に対する期待感を付与することができる。また、上記変形例12のように、ポイントの付与の態様が、その後の遊技の進行を示唆する構成を採用した場合には、本変形例のようにポイントが付与された態様の履歴を遊技者が確認することを可能にすることで、遊技者に対して、より一層、その後の遊技の進行についての推測を促し、遊技者を遊技に注目させることができるとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
なお、本変形例においては、ポイントが付与された態様の履歴を、蓄積ポイントを示す真珠の画像の色によって表示したが、各ポイント付与演出毎に付与されたポイントを区別するキャラクタによって表示してもよいし、マーク、模様等によって区別してもよい。また、各ポイント付与演出毎に付与されたポイントを、数字によって直接表示してもよい。例えば、3回の各ポイント付与演出によって、3ポイント、4ポイント、1ポイントが付与された場合には、表示面41aに、「3・4・1」と表示する。このように、ポイントが付与された態様の履歴が遊技者が認識可能であれば、種々の表示態様を採用することができる。
また、ポイント付与態様情報として、直近に実行されたポイント付与演出の実行時に付与されたポイント数のみが識別可能な情報が表示されるとしてもよい。例えば、ステージStに蓄積ポイントとして表示される真珠の画像のうち、直近に実行されたポイント付与演出の実行時に付与されたポイント数に対応する数の真珠の画像のみが、他の真珠の画像と色や模様や形などが異なる構成を採用してもよい。
A7−14.変形例14:
上記第1実施形態におけるポイント付与演出として、1回のポイント付与演出で複数回ポイントを付与する態様を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出のうち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠を投下するまでの演出をポイント付与示唆演出と呼び、付与されるポイント数が表示された真珠をカメのキャラクタが投下し、当該真珠がステージStに到達して蓄積ポイントに対応する真珠の画像に変化しポイント付与演出が終了するまでの演出をポイント付与実行演出と呼ぶ場合において、ポイント付与示唆演出を1回実行した後に、ポイント付与実行演出を2回実行する。
図70は、変形例14におけるポイント付与演出の一例を示す説明図である。図示するように、図70(a)は、ポイント付与演出のうち、ポイント付与示唆演出が実行されている様子を示している。すなわち、表示面41aの右端からカメのキャラクタが表れて、付与されるポイント数が表示された真珠の投下を開始するまでの演出が実行される様子を示している。図70(b)は、ポイント付与示唆演出が実行された後、1回目のポイント付与実行演出が実行される様子を示している。図示するように、当該ポイント付与実行演出は、4ポイントが付与されることを示す演出である。図70(c)は、1回目のポイント付与実行演出が実行された後、2回目のポイント付与実行演出が実行される様子を示している。図示するように、当該ポイント付与実行演出は、5ポイントが付与されることを示す演出である。図70(d)は、2回目のポイント付与実行演出が終了するとともに当該ポイント付与演出が終了する様子を示している。
このような構成を採用することによって、ポイント付与示唆演出を認識した遊技者に対して、その後に、ポイント付与実行演出が何回実行されるのかといった期待感、すなわち、ポイントが何回付与されるのかといった期待感を付与することができる。また、ポイント付与示唆演出が1回実行された後にポイント付与実行演出が複数回実行された場合には、ポイント付与示唆演出が実行されたことを認識し、その後にポイント付与実行演出が1回実行されると推測していた遊技者に対して、意外性や驚きを付与することができる。
なお、図70においては、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出が実行される例について説明したが、1回のポイント付与示唆演出に対してN(N≧2の整数)回のポイント付与実行演出が実行されるとしてもよい。また、Nの値は、ポイント付与演出ごとに毎回異なっていてもよい。
本変形例におけるポイント付与演出は、例えば、以下のようにして実現することができる。例えば、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出を実行する場合には、上記第1実施形態において適用したポイント付与シナリオにおいて、1回のポイント付与演出に対応するポイントの値(例えば9ポイント)を2分割し(例えば、4ポイントと5ポイント)、1回目のポイント付与実行演出で分割したポイント値の一方のポイント(4ポイント)を付与し、2回目のポイント付与実行演出で分割したポイント値の他方のポイント(5ポイント)を付与することで実現することができる。このような処理によれば、実行するポイント付与示唆演出に対応してポイント付与シナリオに設定されているポイントの値を1つ取得すればよい。すなわち、1回のポイント付与示唆演出に対してポイント付与実行演出をN回実行する場合であっても、ポイント付与シナリオに設定されているポイントの値を1つ取得すればよい。そして、取得したポイントの値をN分割し、各ポイント付与実行演出に用いる。よって、1回のポイント付与演出においてポイント付与実行演出がN回実行される場合であっても、ポイント付与シナリオから付与するポイントの値を取得する処理までは、Nの値に関係無く同じであるので、処理を簡易化することができる。また、予めポイント付与シナリオに設定するポイントの値も、Nの値に関係無く設定することができ、ポイント付与シナリオへのポイント数の設定を簡易化することができる。
その他、本変形例におけるポイント付与演出は、例えば、以下のようにして実現することができる。例えば、1回のポイント付与示唆演出に対して2回のポイント付与実行演出を実行する場合には、上記第1実施形態において適用したポイント付与シナリオにおいて、2回分のポイント付与演出に対応するポイントの値を取得する。例えば、ポイント付与シナリオにおいて1回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数が4ポイントであり、ポイント付与シナリオにおいて2回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数が5ポイントである場合には、その2回分のポイント付与演出に対応するポイントの値を取得する。そして、1回のポイント付与示唆演出を実行した後に、ポイント付与シナリオにおいて1回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数の4ポイントを用いて1回目のポイント付与実行演出を実行し、その後に、ポイント付与シナリオにおいて2回目のポイント付与演出として設定されていたポイント数の5ポイントを用いて2回目のポイント付与実行演出を実行する。このようにしても上記構成を実現することができる。このような処理によれば、1回のポイント付与示唆演出に対してN回のポイント付与実行演出を実行する場合には、ポイント付与シナリオから、実行するポイント付与実行演出の回数(N回)に応じた個数(N個)のポイントの値を取得すればよいので、上記の構成のように、1回のポイント付与演出に対応するポイントの値をN分割するといった処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができる。
A7−15.変形例15:
上記第1実施形態においては、ポイント付与演出の態様は、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに加算処理が実行されることを示唆する態様であった。例えば、図12に示したポイント付与演出を例に説明すると、蓄積ポイントとして既にステージStに4ポイントが蓄積されており、さらに、ポイント付与演出が実行された場合には、カメが投下した真珠に表示されたポイント数(3ポイント)を、既に蓄積されているポイント数(4ポイント)に加算することを示す態様のポイント付与演出が実行される。このように、上記第1実施形態におけるポイント付与演出の態様は、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに、新たに付与されるポイントが加算されることを示唆する態様(以下、加算態様とも呼ぶ)であった。そして加算態様のポイント付与演出が実行された場合には、蓄積ポイントとして表示されているポイントに、加算態様のポイント付与演出によって付与されるポイントが加算された結果のポイント数が、新たな蓄積ポイントとして表示される。しかしながら、ポイント付与演出の態様として、加算態様に限らず、他の態様を採用してもよい。例えば、既にステージStに蓄積されている蓄積ポイントに乗算処理が実行されることを示唆する態様(以下、乗算態様とも呼ぶ)のポイント付与演出を採用してもよい。
図71は、乗算態様のポイント付与演出を説明する説明図である。乗算態様のポイント付与演出は、図71(a)に示すように、表示面41aの右端からカメのキャラクタが出現した後、図71(b)に示すように、カメのキャラクタが真珠を投下するが、当該真珠には乗算処理を示す「×2」と表示されている。そして、図71(c)に示すように、「×2」と表示された真珠がステージStに到達すると、真珠に表示されていた「×2」に対応して、蓄積ポイントとして既にステージStに表示されている4ポイントに対して2が乗算された結果のポイント数(8ポイント)が、新たな蓄積ポイントとして表示される。
このような構成は以下のようにして実現することができる。例えば、ポイント付与シナリオにおいて、乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値を設定する。このとき、当該乗算態様のポイント付与演出までの蓄積ポイントの値をXとし、当該乗算態様のポイント付与演出において蓄積ポイントに乗算する値をAとし、ポイント付与シナリオに設定する乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値をYとした場合、Y=XA−Xとして算出したYの値を乗算態様のポイント付与演出に対応するポイントの値としてポイント付与シナリオに設定する。また、演出シナリオには、乗算態様のポイント付与演出が実行されるように設定する。このようにすることによって上記構成を実現することができる。
このような構成とすることで、乗算態様のポイント付与演出を認識した遊技者に対して、蓄積ポイントに乗算する値に対する期待感を付与することができ、乗算態様のポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。また、乗算態様のポイント付与演出が実行された場合には、表示面41aにカメのキャラクタが出現したことを認識し加算態様のポイント付与演出が実行されると推測していた遊技者に対して、驚きを付与し、期待感を大きく向上させることができる。
また、乗算態様のポイント付与演出の態様を、蓄積ポイントに乗算する値の大きさに応じた態様に制御する(変化させる)構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントに乗算する値の大きさに応じて、カメが投下する真珠の色が異なる構成や、出現するキャラクタが異なる構成(例えば、カメに代えてタコが出現する構成)を採用してもよい。このようにすることで、より一層、乗算態様のポイント付与演出に遊技者を注目させることができる。
さらに、乗算態様のポイント付与演出を実行した場合に、既に蓄積されている蓄積ポイントに乗算した結果のポイント数より多いポイント数を、新たな蓄積ポイントとして表示する構成を採用してもよい。例えば、既に4ポイントが蓄積されている場合において、乗算態様のポイント付与演出を実行する。乗算態様のポイント付与演出においては、カメが投下する真珠に乗算処理を示す「×2」と表示されている。この場合、通常であれば、乗算処理を示す「×2」がステージStに到達した時点で、新たな蓄積ポイントとして8ポイント(4ポイント×2)が表示されるが、本ポイント付与演出においては、蓄積ポイントが8ポイントより多いポイント数(例えば10ポイント)が表示される。このようにすることで、既に蓄積されている蓄積ポイントに乗算した結果の蓄積ポイントより多い新たな蓄積ポイントを認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
また、ポイント付与演出の態様として、加算態様のポイント付与演出を実行する場合と、乗算態様のポイント付与演出を実行する場合とがあることで、遊技者に対して、加算態様のポイント付与演出が実行されるのか乗算態様のポイント付与演出が実行されるのかといった緊迫感や緊張感を付与することができる。
さらに、加算態様のポイント付与演出を実行した場合に、既に蓄積されている蓄積ポイントに加算した結果のポイント数より多いポイント数を、新たな蓄積ポイントとして表示する構成を採用してもよい。このようにすることで、既に蓄積されている蓄積ポイントに加算した結果の蓄積ポイントより多い新たな蓄積ポイントを認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
なお、ポイント付与演出の態様は、加算態様や乗算態様に限らず、減算態様や除算態様のポイント付与演出など、種々の演算態様のポイント付与演出を実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、実行されるポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができるとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
その他、1回のポイント付与演出の実行中に、当該ポイント付与演出の態様が変化する構成を採用してもよい。例えば、1回のポイント付与演出の実行中に、加算態様から乗算態様に変化したり、乗算態様から加算態様に変化したり、または、1回のポイント付与演出の実行中に当該ポイント付与演出の態様が複数回変化する構成を採用してもよい。このように、ポイント付与演出によって実行される演算方法が変化したと認識させることができ、遊技者に意外性を付与することができる。また、ポイント付与演出によって実行される演算方法によって、演算処理が実行された後の新たな蓄積ポイントの値が大きく異なる場合があることから、ポイント付与演出の態様を変化させることによって、遊技者に対して緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
図72は、一例として、1回のポイント付与演出の実行中に加算態様と乗算態様との間で態様が変化する場合における、カメが投下した真珠の画像(以下、単に真珠の画像とも呼ぶ)の表示態様を説明する説明図である。図72(a)には、ポイント付与演出の態様が加算態様である場合における、真珠の画像を示している。当該真珠の画像には、加法を示す算術記号である「+」が表示されることによって、ポイント付与演出が加算態様であることを示唆している。図72(b)には、ポイント付与演出の態様が乗算態様である場合における、真珠の画像を示している。当該真珠の画像には、乗法を示す算術記号である「×」が表示されることによって、ポイント付与演出が乗算態様であることを示唆している。
例えば、ポイント付与演出の実行中に加算態様から乗算態様に態様を変化させる場合には、図72(a)の真珠の画像に表示されている加法を示す算術記号である「+」を回転させて、図72(b)の真珠の画像に表示されている乗法を示す算術記号である「×」に変化させる。逆に、ポイント付与演出の実行中に乗算態様から加算態様に態様を変化させる場合には、図72(b)の真珠の画像に表示されている乗法を示す算術記号である「×」を回転させて、図72(a)の真珠の画像に表示されている加法を示す算術記号である「+」に変化させる。このような構成を採用することによって、「+」と「×」といった、ほぼ同じ線画の記号を回転させる処理により、その意味を大きく変えることができ、簡易な処理にも関わらず、遊技者に対して大きな緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
なお、1回のポイント付与演出の実行中に加算態様と乗算態様との間で態様を複数回変化させる場合には、カメが投下し落下中の真珠の画像に表示されている算術記号である「+」(または「×」)を継続的に回転させてもよい。そして、所定のタイミング(例えば、真珠がステージStに到達したタイミング)で当該算術記号の回転を停止させ、停止時に算術記号が示す演算(加算または乗算)によって、蓄積ポイントに演算を実行した量に相当するポイント(蓄積ポイントを示す真珠の画像)を、ステージStに表示する。このようにすることで、より一層、ポイント付与演出に対して遊技者を注目させることができる。
A7−16.変形例16:
上記第1実施形態においては、蓄積されるポイントの表示態様として、1ポイント分をステージSt上の1個の真珠の画像として表示したが、そのような構成に限定されず、蓄積されるポイントを種々の態様によって表示することができる。
図73は、蓄積されるポイントの表示態様の一例を示す説明図である。本変形例において示した蓄積されるポイントの表示態様は、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)となる表示態様である。図73(a)〜図73(j)の順に、ポイントが1ポイント〜10ポイントまで蓄積される様子を示している。図73に示した表示態様の場合、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1つの真珠の画像となる表示態様である。このような表示態様を採用することによって、遊技者に対して、部分的な画像から、1つの意味のある画像を形成していくという向上心を付与することや、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して1つの意味のある画像が形成された場合に、遊技者に達成感を付与することができる。
その他、図73においては、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線(輪郭線)を表示したが、そのような表示態様に限定されることなく、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しない表示態様を採用してもよい。
図74は、蓄積されるポイントの表示態様として、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しない表示態様を説明する説明図である。図示するように、1ポイント分に対応する真珠の部分的な画像の境界線を表示しないので、蓄積しているポイント数を遊技者が認識しにくい。よって、遊技者が無意識のうちに蓄積ポイントが閾値に達する場合があり、遊技者に驚きを付与することができる。
その他、蓄積されるポイントの表示態様として、図73や図74において説明したように、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)を表示する態様を採用するが、当該蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)を、所定のタイミングで変更する態様を採用してもよい。例えば、図73に示すように、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1つの真珠の画像となる表示態様で蓄積ポイントを表示し、その後、蓄積ポイントが閾値に達したことにより当該真珠の画像がタイマ演出を示す貝の画像または待機中演出を示す貝の画像に変化しステージSt上の蓄積ポイントが再び0ポイントの状態に移行し、当該0ポイントの状態から新たに蓄積ポイントを蓄積する場合に、図75に示すように、当該新たな蓄積ポイントの表示態様として、蓄積ポイントのポイント数が10ポイントに達して初めて1頭のクジラの画像となる表示態様で蓄積ポイントを表示する構成を採用してもよい。このようにすることで、ステージStの蓄積ポイントに対して遊技者を注目させることができる。また、蓄積ポイントのポイント数が閾値(10ポイント)に達して初めて1つの意味をなす形状(画像)が変更されるごとに、どのような形状(画像)が形成されるのかを遊技者に想像させ、遊技者に新たな期待感を付与することができる。
また、例えば、遊技回において大当たり抽選に当選する期待度(確率)に応じて、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状(画像)が異なる構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが閾値に達しボタン押下演出が実行された後に一発告知演出が実行される場合には、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状として1匹のマンボ―の画像を採用する。そして、例えば、蓄積ポイントが閾値に達しボタン押下演出が実行された後にスペシャルリーチ演出が実行される場合には、当該蓄積ポイントが蓄積する過程で形成されていく形状として1匹のサメの画像を採用する。このような構成を採用することによって、ステージStの蓄積ポイントに対して、より一層遊技者を注目させることができるとともに、蓄積ポイントを示す画像が形成されていく過程において遊技者の期待感を増加させることができる。
A7−17.変形例17:
第1実施形態においては、付与する対象として、「ポイント」という数えることのできる量を採用したが、数えることのできない量を採用してもよい。例えば、ポイント付与演出に代えて、ステージSt上に表示された容器に液体が追加される演出を採用してもよい。
A7−18.変形例18:
第1実施形態においては、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値を10ポイントとする構成を採用したが、そのような構成に限らず、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値として任意の正の値を採用することができる。
A7−19.変形例19:
第1実施形態においては、蓄積ポイントが閾値に達した場合には、ボタン押下演出を実行する構成を採用したが、ボタン押下演出に限らず、他の演出を実行する構成を採用してもよい。例えば、蓄積ポイントが閾値に達した場合に、ボタン押下演出に代えて、所定のリーチ演出が実行されるとしてもよい。すなわち、蓄積ポイントが10ポイント蓄積した場合には必ずリーチになるので、ポイントが付与されるごとに遊技者に対してリーチへの期待感を付与することができる。また、蓄積ポイントが閾値に達しても、ボタン押下演出などの特定の処理を実行しない構成を採用してもよい。このようにすることで、蓄積ポイントが閾値に達した後に、ボタン押下演出などの特定の処理が実行されるか否かを遊技者に推測させ、遊技者に緊迫感を付与することができる。
A7−20.変形例20:
第1実施形態においては、蓄積ポイントが繰り越すか否かの示唆をステージStの色の変化によって行ったが、ステージStの点灯、点滅、形状の変化など、他の方法によって行ってもよい。その他、蓄積ポイントが繰り越すか否かを示唆するための専用のランプ等を設けてもよい。
A7−21.変形例21:
上記第1実施形態において、ボタン押下演出に割り振られている期間(以下、ボタン押下演出期間とも呼ぶ)において、遊技者が演出操作ボタン24を押下するタイミングに応じて、演出操作ボタン24が操作された後からボタン押下演出期間が終了するまでの期間に実行される演出を変更する態様を採用してもよい。ボタン押下演出期間の開始のタイミングから遊技者が演出操作ボタン24を押下するタイミングまでの時間を計測し、当該計測した値に応じて、演出操作ボタン24が操作された後からボタン押下演出期間が終了するまでの期間に対応した演出が記録されている演出用記憶エリアからに演出用の画像データを読み出して実行することにより実現することができる。このようにすることによって、ボタン押下演出がパターン化することを抑制し、遊技者をボタン押下演出に注目させることができる。
A7−22.変形例22:
上記第1実施形態においては、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)は、表示面41aに表示されるステージStのみであったが、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)が表示面41aに複数個(複数箇所)表示される構成を採用してもよい。
図76は、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)が表示面41aに複数個(複数箇所)表示される構成を説明する説明図である。図76(a)に示すように、付与されたポイントを蓄積する機能を有する位置(画像)として、第1ステージSt1と、第2ステージSt2と、第3ステージSt3とが、表示面41aに表示されている。本変形例においては、各ステージStは、各々、演出上の機能が異なる。具体的には、各ステージStに蓄積されるポイント数が閾値に達したことを契機として実行される演出が、各々異なる。
第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、一発告知演出が実行される。上述のように、一発告知演出は、大当たり抽選に当選したことを即時に告知する演出である。従って、第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第1ステージSt1に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回における大当たり抽選に当選していることを認識することができる。
第2ステージSt2に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、スペシャルリーチ演出が実行される。上述のように、スペシャルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合、および、ノーマルリーチ演出に加えスーパーリーチ演出が実行される場合と比較して、より大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。従って、第2ステージSt2に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第2ステージSt2に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回における大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを認識することができる。
第3ステージSt3に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行される。そして、当該ボタン押下演出が実行された後に、ノーマルリーチ演出が実行される。ノーマルリーチ演出は、ノーマルリーチ演出が実行されない場合と比較して、大当たり抽選に当選する期待度(確率)が高いことを遊技者に示唆する演出である。従って、第3ステージSt3に蓄積されるポイントが閾値に達したことを認識した遊技者は、第3ステージSt3に蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機とするボタン押下演出が実行される遊技回において、少なくともノーマルリーチ演出が実行されること認識することができる。
このような各ステージStの特性から、遊技者は、ポイントが付与される場合には、3つのステージStのうち、第1ステージSt1に最もポイントが蓄積されることを所望し、次に、第2ステージSt2にポイントが蓄積されることを所望し、最後に、第3ステージSt3にポイントが蓄積されることを所望する。
図76に示したポイント付与演出においては、表示面41aの右端からカメのキャラクタが出現した際には、付与されるポイント数が表示された真珠の画像は表示されない。当該カメのキャラクタは、表示面41aを右端から左端に進行する。
その後、図76(b)に示すように、当該カメのキャラクタは、当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStの上を通過する際に、付与されるポイント数が表示された真珠を投下する。投下された真珠は、図76(c)に示すように、当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStに到達した後に、蓄積ポイントを示す真珠の画像に変化し、当該ステージStに蓄積ポイントとして蓄積される。
このような演出は、当該演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、当該遊技回において実行される各ポイント付与演出においてポイントを蓄積させる対象のステージSt(第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3)を、予め設定しておくことで実現することができる。
このような構成を採用することによって、ポイント付与演出において、ポイントが蓄積される位置(ステージSt)についても、遊技者に注目させることができ、遊技者に新たな楽しみを提供することができる。より具体的には、図76(a)に示したように、ポイント付与演出においてカメのキャラクタが表示面41aに出現したことを認識した遊技者に対して、いずれのステージStにポイントが蓄積されるのかといった期待感を付与することができるとともに、付与されるポイント数についての期待感を付与することができる。その後、図76(b)に示したように、カメのキャラクタが各ステージStの上部を通過している様子を認識した遊技者に対して、ポイントが蓄積される位置(ステージSt)についての期待感および緊迫感を付与し、さらに、付与されるポイント数に対する期待感も付与することができる。さらに、例えば、カメのキャラクタから付与されるポイント数が表示された真珠が、遊技者が期待していたステージSt(例えば、第1ステージSt1)に投下された場合には、遊技者に対して、優越感を付与することができる。
なお、図76に説明したポイント付与演出においては、図76(a)に示したように、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示されない構成であったが、そのような構成に限らず、例えば、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠の画像が表示される構成を採用してもよい。
図77は、開始時に付与ポイント数が表示されるポイント付与演出について説明する説明図である。図77(a)に示すように、本ポイント付与演出においては、カメのキャラクタが表示面41aの右端から出現する際に、付与されるポイント数が表示された真珠が表示される。その後、図77(b)に示すように、カメのキャラクタが各ステージStの上部を通過する際に、付与されるポイント数が表示された真珠が、3つのステージSt(第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3)のいずれかに投下される。そして、図77(c)に示すように、付与されるポイント数が表示された真珠が当該ポイント付与演出において付与するポイントを蓄積させる対象のステージStに到達した後に、蓄積ポイントを示す真珠の画像に変化し、当該ステージStに蓄積ポイントとして蓄積される。
このような演出は、図76に示したポイント付与演出と異なって、ポイント付与演出の開始時に付与ポイント数が表示される。この場合、当該付与ポイント数を認識した遊技者は、第1ステージSt1にポイントが蓄積されることを所望するとは限らず、今回実行されるポイント付与演出によって、蓄積ポイントが閾値に達するステージStがある場合には(例えば、図77に示した第2ステージSt2)、当該ステージStにポイントが蓄積されることを所望する場合がある。このように、図77に示したポイント付与演出の場合、遊技者は、蓄積ポイントが閾値に達した場合に大当たり抽選に当選している期待度(確率)が高いステージStがいずれであるのかを考慮することに加えて、現時点における各ステージStのポイントの蓄積状況についても考慮して、ポイントが蓄積されることを所望するステージStを決定する。よって、このようなポイント付与演出を実行することによって、遊技者に対して、遊技の状態を多角的に把握する楽しみを付与することができる。
その他、ポイントを付与する演出(ポイント付与演出)に加え、ポイントに関する他の演出を実行する構成を採用してもよい。例えば、実行された場合に3つのステージStのいずれかの蓄積ポイントを必ず閾値に到達させる演出(以下、閾値到達演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図78は、閾値到達演出の一例を説明する説明図である。図78(a)に示すように、閾値到達演出が開始されると、カニのキャラクタが真珠を持って表示面41aの右端から左端に通過する。その後、図78(b)に示すように、カニのキャラクタは、蓄積ポイントを閾値に到達させる対象のステージSt上で真珠を投下する。投下された真珠がステージStに到達すると、図78(c)に示すように、蓄積ポイントを閾値に到達させる対象のステージStの蓄積ポイントは閾値に到達した表示に変化する。その後、図78(d)に示すように、閾値に達したステージStに対応するタイマ演出が実行される。図78の例では、第1ステージSt1の蓄積ポイントが閾値に到達し、第1ステージSt1用に用意されたタイマ演出画像(クジラのキャラクタとタイマの画像)が表示される。上述のように、第1ステージSt1に蓄積されるポイントが閾値に達した場合には、その後に、タイマ演出(または待機中演出)、およびボタン押下演出が実行され、当該ボタン押下演出が実行された後に、一発告知演出が実行される。
このような構成は、閾値到達演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、予め、閾値到達演出に関する設定をしておくことで実現することができる。
このような構成を採用することによって、ポイント付与演出に加え、ポイントに関する新たな期待感を遊技者に付与することができる。具体的には、実行された閾値到達演出が閾値に到達させる対象のステージStがいずれであるのかによって、遊技の結果が大きく異なるので、遊技者に対して、大きな期待感や緊迫感を付与することができる。
なお、第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3は、当該ステージStに蓄積されたポイントが閾値に達したことを契機として実行される演出が、各々、一発告知演出、スペシャルリーチ演出、ノーマルリーチ演出であったが、そのような構成に限定されず、他の演出や処理が実行される構成を採用してもよい。
また、第1ステージSt1、第2ステージSt2、第3ステージSt3の各々に蓄積されたポイントは、上記第1実施形態と同様に、遊技回を跨いで繰り越す場合と繰り越さない場合とがある構成を採用してもよい。第1実施形態と同様に、蓄積ポイントが繰り越さない場合があることによって、遊技回が終了するまでに各ステージ上の蓄積ポイントが閾値に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、各ステージの少なくとも一つにポイントの蓄積が開始されたことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、各ステージ上の蓄積ポイントの付与される態様に注目させることができる。また、蓄積ポイントが遊技回を跨いで繰り越す場合があることによって、遊技回において3つのステージ上の蓄積ポイントのうちの少なくともいずれかのステージ上の蓄積ポイントが閾値に達しなかった場合であっても、当該蓄積ポイントが遊技回の終了時にリセットされずに次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、3つのステージ上の各蓄積ポイントに対して、このような期待感を付与することができ、上記第1実施形態に増して、遊技者に対して期待感を付与することができる機会を増やすことができる。
A7−23.変形例23:
上記第1実施形態において、実行中の遊技回が繰越遊技回ではない遊技回から繰越遊技回に変更されたように見せる演出(以下、繰越変更演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図79は、繰越変更演出の一例を説明する説明図である。図79(a)に示した遊技回においては、ステージStの色が橙色であり、当該遊技回が繰越遊技回ではないことを示している。当該遊技回において繰越変更演出が実行されると、黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが、表示面41aの右端から出現する。なお、黄色のステージは、表示面41aのステージStの位置に表示されている場合には、当該遊技回が繰越遊技回であることを示す。
黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現した後、図79(b)に示すように、黄色のステージおよびタコのキャラクタがステージStの上部を通過するタイミングにおいて、黄色のステージが落下する。その後、図79(c)に示すように、黄色のステージの画像は、橙色のステージStに重畳し、その後、ステージStの色が橙色から黄色に変化する。すなわち、繰越変更演出が実行されることによって、ステージStの色が、繰越遊技回ではないことを示す色(橙色)から、繰越遊技回であることを示す色(黄色)に変化する。
このような構成を採用することによって、繰越変更演出の実行を認識した遊技者に対して、当該遊技回が繰越遊技回ではない遊技回から繰越遊技回に変更されたと認識させ、驚きと、次回の遊技回への期待感を付与することができる。
また、本変形例においては、繰越変更演出と同様に黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現し、黄色のステージおよびタコのキャラクタがステージStの上部を通過するが、黄色のステージが落下せずに、黄色のステージおよびタコのキャラクタが表示面41aの右端から左端に通過するだけの演出、すなわち、繰越変更演出に見せかけたダミーの演出も実行する。繰越変更演出に見せかけたダミーの演出を実行することで、黄色のステージに乗ったタコのキャラクタが出現したことを認識した遊技者に対して、黄色のステージの画像が落下するのかしないのかを推測させることによって、当該遊技回が繰越遊技回に変化するのか変化しないのかを推測させ、緊迫感を付与することができる。そして、黄色のステージが落下した場合には、遊技者に対して、優越感や期待感を付与することができる。
このような構成は、繰越変更演出を実行する遊技回に設定される演出シナリオとポイント付与シナリオに、予め、繰越変更演出に関する設定をし、かつ、ステージ表示制御処理(図60)において、繰越変更演出が実行される場合には、ポイントの蓄積が開始されたときのステージStの色を繰越遊技回ではない場合のステージStの色(橙色)に設定する処理を実行することで実現することができる。
A7−24.変形例24:
上記第1実施形態において、タイマ演出が示す残時間が延長される演出(以下、タイマ時間延長演出とも呼ぶ)を実行してもよい。
図80は、タイマ時間延長演出の一例を示す説明図である。図80(a)に示した遊技回においては、タイマ演出が実行中である。タイマ時間延長演出が開始されると、図80(a)に示すように、タイマ(以下、延長用タイマとも呼ぶ)をぶら下げた魚のキャラクタが表示面41aの右端から出現する。そして、図80(b)に示すように、延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが、タイマ演出を示す貝とタイマの画像の上部を通過する際に、魚のキャラクタがぶら下げていた延長用タイマが落下し、タイマ演出を示すタイマの画像と重畳する。その後、図80(c)に示すように、タイマ演出を表すタイマの画像が示すボタン押下演出までの残時間が延長される。
すなわち、処理上、延長される前のボタン押下演出までの残時間は、ダミーの残時間として設定された時間(以下、ダミー残時間とも呼ぶ)である。そして、ダミー残時間の残り時間が0(ゼロ)に近づいたタイミング、または、0(ゼロ)になった後に、タイマ時間延長演出を実行し、タイマ演出のタイマが示す残時間を、真の残時間に更新する。このようにすることで、本変形例の構成を実現することができる。
このようなタイマ時間延長演出は、ダミー残時間が示す残時間が、実行中の演出の中間的な区切れ部分や、実行中の演出の終端部分までの時間を示すことによって、当該ダミー残時間に対する信憑性を付与することができ、ダミー残時間に対して遊技者を信用させることができる。そして、タイマ時間延長演出を実行し、タイマ演出のタイマが示す残時間をダミー残時間から真の残時間に更新することによって、遊技者に意外性や、期待感を付与することができる。
また、本変形例においては、タイマ時間延長演出と同様に延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが出現し、当該延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタがステージStの上部を通過するが、延長用タイマが落下せずに、延長用タイマをぶら下げた魚のキャラクタが表示面41aの右端から左端に通過するだけの演出、すなわち、タイマ時間延長演出に見せかけたダミーの演出も実行する。タイマ時間延長演出に見せかけたダミーの演出を実行することで、タイマをぶら下げた魚のキャラクタが出現したことを認識した遊技者に対して、タイマが落下するのかしないのかを推測させることによって、タイマ演出が示す残時間が延長するのかしないのかを推測させ、緊迫感を付与することができる。そして、延長用タイマが落下した場合には、遊技者に対して、優越感や期待感を付与することができる。
A7−25.変形例25:
上記第1実施形態において、蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数、すなわち、繰越遊技回が連続して実行される回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行してもよい。具体例としては、1回の繰越遊技回が実行された後に連続演出最終遊技回が実行される場合と比較して、3回の繰越遊技回が継続して実行された後に連続演出最終遊技回が実行される場合の方が、当該連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなるように制御する。
例えば、先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合に、当該保留遊技回より先に実行される遊技回(先行遊技回)の数が多いほど、当該先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した以降に実行される遊技回から当該保留遊技回にかけて連続演出が実行されやすくなるように制御する。具体的には、演出情報設定処理において、再設定可能遊技回数Fnに基づいて実行遊技回数Npを抽選によって決定する際に、当該保留遊技回(処理対象遊技回)が大当たりである場合の方が、外れ(リーチ発生)の場合と比較して、実行遊技回数Npの値が大きくなる確率が高くなるように、実行遊技回数Npを決定するための抽選用のテーブルデータを設定する。このようにすることで、繰越遊技回が連続して実行される回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなるように制御することができる。このような構成を採用することによって、繰越遊技回が連続して実行されるほど、遊技者の期待感を増大させることができる。
さらに、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行してもよい。例えば、先判定処理によって保留遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合であって、演出情報設定処理において、実行遊技回数Npに対応した演出シナリオおよびポイント付与シナリオを決定する際に、当該保留遊技回(処理対象遊技回)が大当たりである場合の方が、外れ(リーチ発生)の場合と比較して、繰越遊技回から連続演出最終遊技回に亘って、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)に達しない演出シナリオおよびポイント付与シナリオに決定される確率が高くなるように、演出シナリオおよびポイント付与シナリオを決定するための抽選用のテーブルデータを設定する。このようにすることで、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越す回数が多いほど、その後に実行される連続演出最終遊技回の大当たり抽選において大当たりに当選している期待度が高くなる制御を実行することができる。
このようにすることで、蓄積ポイントが閾値(10ポイント)まで達しない状態を維持したまま蓄積ポイントが連続して遊技回を繰り越していることを認識した遊技者に期待感を付与することができる。その結果、蓄積ポイントが閾値に達していない状態において遊技者の期待感が減退してしまうことを抑制することができる。
A7−26.変形例26:
上記第1実施形態において、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更される構成を採用してもよい。具体的には、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されたにも関わらずタイマ演出または待機中演出が実行されず、10ポイントを超えて蓄積ポイントが蓄積され、10ポイントを超えた所定のポイント数が蓄積されたタイミング(例えば15ポイント)でタイマ演出、待機中演出またはボタン押下演出が実行される構成や、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されていない状態にも関わらずタイマ演出、待機中演出またはボタン押下演出が実行される構成を採用してもよい。また、この場合、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更されたことは遊技者には報知しない構成を採用することが好ましい。このような構成は、閾値を変更した処理に特化した演出シナリオおよびポイント付与シナリオを予め用意し、さらに、当該処理を実行する場合にのみ、各種処理において閾値として設定している値(通常は「10」)を、変更後の閾値の値(例えば「15」)に設定し実行することによって当該処理を実行することができる。このような構成を採用することによって、遊技者が予想しないタイミングでボタン押下演出を実行することができ、その結果、遊技者に意外性を付与することができる。
また、このような閾値を変更した処理を、当該処理を実行する遊技回における大当たり抽選の抽選結果が大当たりまたは外れ(リーチ発生)である場合に実行する構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、閾値が変更されたことを認識した遊技者、すなわち、10ポイントを超えて蓄積ポイントが蓄積されていることを認識した遊技者、および、蓄積ポイントが10ポイント蓄積されていない状態にも関わらずボタン押下演出が実行されたことを認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
その他、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が変更されることを演出によって遊技者に報知する構成を採用してもよい。例えば、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出を実行する。このようにすることで、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントである場合よりも容易にボタン押下演出が実行されることを遊技者に期待させることができる。また、既に所定ポイント数のポイントが蓄積されている状態(例えば6ポイントが蓄積されている状態)で、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出が実行された場合には、既に、ボタン押下演出が実行されるために必要なポイント数が蓄積されていることになる。この場合、ボタン押下演出が実行されるための蓄積ポイントの閾値が10ポイントから5ポイントに変更されることを示唆する演出が実行された後すぐに当該ボタン押下演出に先立ってタイマー演出を実行した場合、遊技者に意外性と期待感を付与することができる。このような構成は、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
A7−27.変形例27:
上記第1実施形態において、第1実行遊技回表示領域J1に示した第1実行遊技回表示、第1保留表示領域Ds1に示した第1保留遊技回表示、第2実行遊技回表示領域J2に示した第2実行遊技回表示、および、第2保留表示領域Ds2に示した第2保留遊技回表示の、各表示(以下、まとめて遊技回表示とも呼ぶ)に対応付けて、各遊技回において付与される付与ポイント数を表示する構成を採用してもよい。より具体的には、所定の遊技回においてポイントの付与が実行される場合に、当該所定の遊技回に対応する遊技回表示の近傍(例えば、当該遊技回表示の真上)に当該遊技回において付与されるポイント数に対応する表示(付与ポイント示唆表示)を表示してもよい。この場合、表示されている全ての遊技回表示に対応して、付与ポイント示唆表示を表示してもよいし、表示されている一部の遊技回表示に対応して、付与ポイント示唆表示を表示してもよい。このような構成を採用することによって、付与ポイント示唆表示を認識した遊技者に対して、表示された付与ポイント示唆表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。例えば、保留中の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて付与ポイント示唆表示が表示された場合、当該付与ポイント示唆表示を認識した遊技者に対して、保留中の遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。また、例えば、実行中の遊技回において10ポイント未満の範囲でポイントが付与されており、次に実行される遊技回に対応する遊技回表示に対応して表示されている付与ポイント示唆表示に対応するポイント数と現在付与されているポイント数とを合算すると10ポイント以上になる場合、次に実行される遊技回に対応する遊技回表示に対応して表示されている付与ポイント示唆表示が表示されない場合と比較して、より一層、次回の遊技回までポイントを繰り越して欲しいと遊技者に切望させることができ、仮にポイントが繰り越された場合には、遊技者に大きな期待感を遊技者に付与することができる。
また、所定の遊技回に対応する付与ポイント示唆表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示する構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用の保留遊技回(n=1)に対応する遊技回表示の真上に、付与ポイント示唆表示として表示していた数字の画像を、所定のタイミングで、保留遊技回(n=2)に対応する遊技回表示の真上に移動させる。
このような構成を採用することによって、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した付与ポイント示唆表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができる。
このような構成は、所定の遊技回に対応する付与ポイント示唆表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するように、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
その他、所定の遊技回において付与するポイント数とは異なるポイント数に対応する付与ポイント示唆表示を表示した後に、所定の遊技回において付与するポイント数に対応する付与ポイント示唆表示を表示する構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用の保留遊技回(n=1)に対応する遊技回表示の真上に、付与ポイント示唆表示として表示していた数字「5」の画像を、所定のタイミングで、数字「7」の画像に変化させる。
所定の遊技回において付与するポイント数とは異なるポイント数に対応する付与ポイント示唆表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができるともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
このような構成も、演出シナリオおよびポイント付与シナリオに予め設定しておくことによって実現することができる。
B.第2実施形態:
B1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図81は、第2実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。また、以降の説明においては、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球が発射され、遊技球が遊技盤の正面視左側に流れるとともに遊技盤の左側を流下する場合を、遊技者が「左打ち」をすると表現する場合がある。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図82は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、上側第1始動口33(以下、単に第1始動口33とも呼ぶ)、下側第1始動口44(以下、単に第1始動口44とも呼ぶ)、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
上側第1始動口33、および、下側第1始動口44は、遊技球が入球可能な入球口である。上側第1始動口33は、遊技盤30の中央上方に設けられており、下側第1始動口44は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、上側第1始動口33、または、下側第1始動口44に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、下側第1始動口44には、左右一対の可動片よりなる電動役物44aが設けられている。電動役物44aが閉鎖状態のときには、遊技球は下側第1始動口44に入球することはできない。一方、電動役物44aが開放状態のときには、遊技球は下側第1始動口44に入球することができる。電動役物44aは、スルーゲート35に遊技球が通過することを契機として実行される抽選に当選した場合に、所定の期間、開放状態となるように構成されている。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側上方に設けられている。よって、第2始動口34は、遊技者が操作ハンドル25を操作することによって右打ちをした場合に遊技球が入球する位置に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
スルーゲート35は、電動役物44aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具多的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物44aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して下側第1始動口44よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して下側第1始動口44へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。上述したように、上側第1始動口33、下側第1始動口44又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間といい、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)の保留個数を表示する。本実施形態では、上側第1始動口33または下側第1始動口44に入球した遊技球は、当該2つの第1始動口の合計として最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35を遊技球が通過したことを契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、上側第1始動口33、下側第1始動口44又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図83は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図83(a)は、液晶表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄または第2液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第1の図柄に対応した図柄である。
図83(a)に示すように、液晶表示装置41には、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図83(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAと、サブ表示領域SAとが表示される。メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。同様に、サブ表示領域SAには、メイン表示領域MAと同様に、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。メイン表示領域MAに第1液晶用図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第1液晶用図柄の画像が表示され、メイン表示領域MAに第2液晶用図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第1液晶用図柄の画像が表示される。メイン表示領域MAおよびサブ表示領域SAに、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄のいずれが表示されるかは、遊技の状態によって決定される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図83(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図83(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)又は第2始動口34に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
サブ表示領域SAには、左、中、右の3つの図柄列Z4、Z5、Z6が表示される。各図柄列Z4〜Z6には、図83(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図83(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL2上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球が入球すると、各図柄列Z4〜Z6の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z4、図柄列Z6、図柄列Z5の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z4〜Z6に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。なお、サブ表示領域SAにおける第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、サブ表示領域SAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図83(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、上述したように、本実施形態では、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
また、図83(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、サブ表示領域SA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
B2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図84は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、下側第1始動口44の電動役物44aを開閉動作させる電動役物駆動部44bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物44aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図85は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、上側第1始動口33または下側第1始動口44に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球した場合に、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理と、第2始動口34に遊技球が入球した場合に、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理とを、並列的に実行する。以下では、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理とを並列的に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に実行することが可能なパチンコ機を同時変動機とも呼ぶ。
なお、以降の説明において、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行される遊技(遊技回とも呼ぶ)を第1始動口用遊技回と表現し、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される遊技(遊技回とも呼ぶ)を第2始動口用遊技回と表現する場合がある。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図83(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
その他の具体例としては、図83(b)の表示面41aのサブ表示領域SAにおいて、最初に図柄列Z4において図柄が停止表示され、次に図柄列Z6においてZ4と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z5において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z5に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物44aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜463であれば、電動役物44aを開放状態に制御し、C4=464,465であれば、電動役物44aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値及び電動役物開放カウンタC4の値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値およびリーチ乱数カウンタC3の値を保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図86は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図86(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図86(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図86(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜3の4個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜3の4個の値以外の値(4〜1199)が外れである。一方、図86(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜19の20個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜19の20個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
図87は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図87(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図87(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図87(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜3の4個の値が設定されている。また、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として4〜1195の1192個の値が設定され、外れとなる大当たり乱数カウンタC1の値として1196〜1199の4個の値が設定されている。
ここで、「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、後述する抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。また、本実施形態においては、小当たりは、開閉実行モードとして、開放期間が1.6secの可変入賞装置36の開放が1回発生する。
図87(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜19の20個の値が設定されている。また、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として20〜1195の1176個の値が設定され、外れとなる大当たり乱数カウンタC1の値として1196〜1199の4個の値が設定されている。
このように、第2始動口用の当否テーブルにおいても、第1始動口用の当否テーブルと同様に、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。さらに、第2始動口用の当否テーブルにおいては、低確率モード用の当否テーブルおよび高確率モード用の当否テーブルのいずれにおいても、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値が設定されており、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として当たり抽選が実行された場合には、所定の確率で小当たりとなるように設定されている。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。
上記の(1)から(3)のほか、当選した場合に特定の処理の実行を伴う大当たりを設定することもできる。後述するように、本実施形態においては、「特定確変大当たり」という大当たり種別を設定する。特定確変大当たりは、当選した場合に、特定の処理の実行を伴う。詳細は後述する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図88は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図88(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図88(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図88(a)に示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、10R確変大当たり、10R特定確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
10R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が10回(10ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、10R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、10R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。10R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
10R特定確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が10回(10ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、10R特定確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、10R特定確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。10R特定確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。
また、10R特定確変大当たりは、上述したように、当選した場合に、特定の処理の実行を伴う。詳細は後述する。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。但し、8R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は100回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が100回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜11」が10R確変大当たりに対応し、「12〜19」が10R特定確変大当たりに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりに対応するように設定されている。
図88(b)に示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、2R確変大当たり、及び、2R通常大当たりが設定されている。
2R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が2回(2ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、2R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、2R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。2R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
2R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が2回(2ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、2R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、2R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。但し、2R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は100回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が100回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜19」が2R確変大当たりに対応し、「20〜39」が2R通常大当たりに対応するように設定されている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の下側第1始動口44の電動役物44aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、下側第1始動口44の電動役物44aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物44aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物44aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下側第1始動口44への遊技球の入球が発生する確率が高くなり、遊技球が下側第1始動口44へ入球しやすくなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図89は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図89(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図89(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物44aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図89(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図89(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物44aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
B3.遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図90を用いて説明をする。
図90は、遊技機における遊技の流れを示す説明図である。
遊技を開始すると、ステップF101において、遊技者に左打ちをさせ、遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、上側第1始動口33に遊技球を入球させる。このとき、抽選モードは低確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードである。上側第1始動口33に遊技球が入球すると第1始動口用遊技回が実行され当たり抽選が行われる。
第1始動口用遊技回における当たり抽選が外れの場合には(F101:NO)、繰り返し上側第1始動口33に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる。
第1始動口用遊技回で実行される当たり抽選において大当たりに当選した場合(F102:YES)、当選した大当たりの種別が通常大当たりである場合には(F103:NO)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F104)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは低確率モード、サポートモードは高頻度サポートモード(遊技回100回限定)となる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F105)。
高頻度サポートモードは遊技回が100回実行されるまで継続され(F106:NO→F107:NO)、100回以内に大当たりに当選した場合には(F106:YES)、ステップF103から遊技が進行する。
一方、高頻度サポートモードにおける遊技回100回以内に大当たりに当選しなかった場合には(F106:NO→F107:YES)、ステップF101から遊技が進行する。
説明をステップF103に戻す。ステップF103において、当選した大当たりの大当たり種別が確変大当たりであった場合であって(F103:YES)、特定確変大当たりではない場合には(F108:NO)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F109)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは高確率モード、サポートモードは高頻度サポートモード(次回大当たり当選まで)となる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F110)。
高頻度サポートモードは当たり抽選において大当たりに当選するまで継続される(F110→F111:NO)。
第1始動口用遊技回を実行し、大当たりに当選した場合には(F110→F111:YES)、ステップF103から遊技が進行する。
説明をステップF108に戻す。ステップF108において、当選した大当たりの大当たり種別が特定確変大当たりであった場合には(F108:YES)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F112)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは高確率モード、サポートモードは高頻度サポートモードとなる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F113)。
第1始動口用遊技回を実行し、実行される第1始動口用遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合には(F114:YES)、当該第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行する(F115)。通常の遊技機においては実行される第1始動口用遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合には、当該第1始動口用遊技回の終了後に高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行するが、本実施形態のパチンコ機10においては、当該第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行する。
またこのとき、当該第1始動口用遊技回の開始時に、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出が実行される。
当たり抽選において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に、遊技者は、右打ちを促す示唆演出に従って右打ちを行い、第2始動口34に遊技球を入球させ、第2始動口用遊技回を実行させる(F116)。このとき、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードである。
当たり抽選において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間(以下、第1始動口用当選遊技回実行期間とも呼ぶ)に実行される第2始動口用遊技回において小当たりに当選すると(F117:YES)、小当たりに対する特典として1ラウンドのラウンド遊技が実行される(F118)。遊技者は、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
一方、実行される第2始動口用遊技回において小当たりに当選しなかった場合であっても(F117:NO)、第2始動口34に遊技球が入球すれば、再び、第2始動口用遊技回が実行される。
当該第1始動口用当選遊技回実行期間においては、第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値が、他の期間における第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値と比較して短くなるように設定されており、第1始動口用当選遊技回実行期間に複数回の第2始動口用遊技回が実行可能である。また、図87(b)の第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)からもわかるように、第2始動口用遊技回が実行された場合には、高い確率で小当たりに当選する。よって、第1始動口用当選遊技回実行期間に第2始動口用遊技回を複数回実行し、小当たりに複数回当選することが可能であり、遊技者は、小当たりによって付与される特典を複数回取得することが可能である。以下、第1始動口用当選遊技回実行期間に第2始動口用遊技回による小当たり当選によって遊技者に特典を付与する処理を「特別ボーナス処理」とも呼ぶ。
特別ボーナス処理は、第1始動口用当選遊技回実行期間が終了するまで実行される。すなわち、ステップF114において開始された大当たりに当選している第1始動口用遊技回が終了するまで実行される(F119:NO)。大当たりに当選している第1始動口用遊技回が終了すると(F119:YES)、ステップF103から遊技が進行する。すなわち、当該大当たりに当選している第1始動口用遊技回の大当たりの種別が、通常大当たりであるか、確変大当たりであるか、特定確変大当たりであるかによって、異なる方向へ遊技が進行する。以下、特別ボーナス処理についてタイムチャートを用いて説明する。
図91は、特別ボーナス処理を説明するタイムチャートである。
図91においては、時刻T0から遊技者が遊技を開始し、特別ボーナス処理が終了するまでを示している。図示した時刻T0は、図90におけるステップF101の遊技の進行状態に対応する。遊技者が時刻T0において遊技を開始し、上側第1始動口33に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる。このとき、図91に示すように、液晶表示装置41における表示面41a(図83(b)参照)のメイン表示領域MAには第1始動口用遊技回に対応する演出画像(以下、第1始動口用演出画像とも呼ぶ)が表示され、サブ表示領域SAには第2始動口用遊技回に対応する演出画像(以下、第2始動口用演出画像とも呼ぶ)が表示される。
時刻T1において第1始動口用遊技回において8R特定確変大当たりに当選すると(図90のF108:YESに対応)、8R特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の終了後に(時刻T2)、ラウンド遊技が実行される(図90のF112に対応)。主制御装置60による内部処理としては、ラウンド遊技を実行することを示す開閉実行モードフラグがONになる。このとき、液晶表示装置41には第1始動口用遊技回の大当たりを契機とするラウンド演出画像が表示される。
時刻T3において、開閉実行モードフラグがOFFとなりラウンド遊技が終了すると、主制御装置60による内部処理としては高頻度サポートモードであることを示す高頻度サポートモードフラグがONになる。また、主制御装置60による内部処理としては高確率モードであることを示す高確率モードフラグがONになる。なお、図91における時刻T3の状態は、図90におけるステップF113の遊技進行状態に対応する。
高頻度サポートモードおよび高確率モードの状態において、遊技者が左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させると、第1始動口用遊技回が実行される。このとき実行される第1始動口用遊技回は、他の期間と比較して遊技回の遊技時間の平均値が短い。
その後、時刻T4において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されると、特別ボーナス処理が開始される。具体的には、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されると、高頻度サポートモードフラグがOFFとなる。また、第1始動口用当選遊技回実行期間においては、第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値が、他の期間における第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値と比較して短くなるように設定される。また、遊技者に右打ちをするように促す示唆演出が実行される。なお、図91における時刻T4における処理は、図90におけるステップF114およびステップF115に対応する。さらに、図91の液晶表示装置の欄に示すように、特別ボーナス処理が開始されると、メイン表示領域MAに第2始動口用演出画像が表示され、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像が表示される。
遊技者が、右打ちを行い第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回を実行し小当たりに当選すると、小当たりに当選した各第2始動口用遊技回の終了後に1ラウンドのラウンド遊技が実行され、主制御装置60における内部処理として、各小当たりとなった第2始動口用遊技回の終了後に開閉実行モードフラグがONとなり、ラウンド遊技の終了後にOFFとなる。
このとき、図91に示すように第1始動口用遊技回は実行中であるが、第2始動口用遊技回の小当たりに伴ってラウンド遊技が実行されている期間は、主制御装置60の内部処理として、第1始動口用遊技回の遊技時間の計測を中断する。第1始動口用遊技回の遊技時間の計測が中断されている期間を、図91における第1始動口用遊技回を示すチャートに斜線で示した。図示するように、第1始動口用当選遊技回実行期間において第2始動口用遊技回の小当たりに伴って開閉実行モードフラグがONになっている期間は、第1始動口用遊技回の実行時間の計測は中断される。
そして、内部処理によって計測されていた第1始動口用遊技回の遊技時間が、あらかじめ定められた所定時間を経過すると、時刻T5において、第1始動口用遊技回は終了し、特別ボーナス処理は終了する。
第1始動口用遊技回の遊技時間が、あらかじめ定められた所定時間を経過すると、大当たりに当選していた第1始動口用遊技回に対応するラウンド遊技が時刻T5〜時刻T6の期間において実行され、開閉実行モードフラグが時刻T5でONになり、時刻T6でOFFになる。
なお、時刻T5以降は、第2始動口用遊技回に設定される遊技時間は5分〜10分の間の値に設定される。よって、遊技者が右打ちをして第2始動口用遊技回を実行させ小当たりに当選させても、1回の遊技時間が非常に長いため遊技者に不利な状態となる。このようにすることで、パチンコ機10の正当な遊技の流れに沿わない遊技者の行為を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に特典を付与する処理である特別ボーナス処理を実行するので、遊技者に対して、大当たりに当選している遊技回の終了後に付与される特典としてのラウンド遊技(開閉実行モード)についての期待感を付与するだけでなく、さらに、大当たりに当選している遊技回の実行中にも期待感を付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行される期間においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回において小当たりに当選したことを契機として特別ボーナスとしての特典(1Rのラウンド遊技)が付与されるので、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、さらに、第2始動口用遊技回を実行させ、かつ、小当たりに当選させることによる、より一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の終了後には、当該第1始動口用遊技回における大当たり当選に対応してラウンド遊技が実行されるので、さらに大きな期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、特別ボーナス処理が実行される場合に、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
また、本実施形態においては、特別ボーナス処理において第2始動口遊技回の実行可能な回数の上限は、特別ボーナス処理の期間に対応する第1始動口用遊技回の遊技時間に基づく。換言すれば、特定確変大当たりに当選した後、次に大当たりに当選する遊技回の遊技時間を制御することによって、特別ボーナス処理によって遊技者に付与する特典の上限を制御することができる。
なお、図90に示した時刻T1における大当たりの種別が特定確変大当たりであれば、時刻T4における大当たりの大当たり種別に関係無く、時刻T1における大当たり当選の第1始動口遊技回の開始を契機として特別ボーナス処理は開始される。
B4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図92は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS20101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップS20102に進む。
ステップS20102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20103に進む。
ステップS20103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図94)において、その値を更新する。
ステップS20104では第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS20104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS20104を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:S20104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図93は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS20201では、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS20201において、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球したと判定した場合には(S20201:YES)、ステップS20202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20203に進む。
ステップS20203では、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20204に進む。
ステップS20204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20201において、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球していないと判定した場合には(S20201:NO)、ステップS20205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S20205:YES)、ステップS20206に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS20207に進む。一方、ステップS20205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S20205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS20207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS20208に進む。
ステップS20208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS20209に進む。
ステップS20209では、上述したステップS20204又はステップS20208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S20209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS20209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S20209:YES)、ステップS20210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS20211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS20212に進む。
ステップS20212では、ステップS20103(図92)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS20210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図92)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS20103(図92)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS20210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップS20212を実行した後、ステップS20213に進む。
ステップS20213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップS20213を実行した後、ステップS20214に進む。
ステップS20214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図94:ステップS20302)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS20214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図94は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS20301では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS20302に進む。
ステップS20302では、タイマー割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS20302を実行した後、ステップS20303に進む。
ステップS20303では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS20304に進む。
ステップS20304では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS20305に進む。ステップS20305では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS20305を実行した後、ステップS20306に進む。
ステップS20306では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS20307に進む。
ステップS20307では、右側第1始動口44に設けられた電動役物44aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物44aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS20308に進む。
ステップS20308では、今回の通常処理の開始(2巡目以降では、ステップS20302のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。
ステップS20308において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S20308:NO)、ステップS20309及びステップS20310において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS20309において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS20310おいて、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。
一方、ステップS20308において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S20308:YES)、ステップS20302に戻り、ステップS20302からステップS20307までの各処理を実行する。
なお、ステップS20302からステップS20307の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図94:S20305)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図95は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS20401では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。ステップS20401において開閉実行モードが実行されているか否かを判定することによって、以下の2つの機能を実現する。1つ目の機能として、開閉実行モードが実行されている期間にステップS20403(およびステップS20406)を実行しないようにすることによって、開閉実行モードが実行されている期間に遊技回を開始しないようにすることができる。また、2つ目の機能として、遊技回の実行中に開閉実行モードが実行された場合に、後述するステップS20404(およびステップS20407)を実行しないようにすることによって、開閉実行モードが実行されている期間に当該実行中の遊技回の変動時間の計測を中断するようにすることができる。以下、詳細を説明する。
ステップS20401において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S20401:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS20402以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS20401において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(S20401:NO)、ステップS20402に進む。
ステップS20402では、第1遊技実行中フラグがONであるか否かを判定する。第1遊技実行中フラグは、第1始動口用遊技回が開始されるとONになり、第1始動口用遊技回が終了するとOFFになるフラグである。ステップS20402において、第1遊技実行中フラグがONではないと判定した場合には(S20402:NO)、ステップS20403に進む。
ステップS20403では、第1始動口用の変動開始処理を実行する。第1始動口用の変動開始処理は、第1始動口用遊技回を開始するための処理である。第1始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップS20403を実行した後、ステップS20405に進む。
一方、ステップS20402において、第1遊技実行中フラグがONである判定した場合には(S20402:YES)、ステップS20404に進む。
ステップS20404では、第1変動停止処理を実行する。第1変動停止処理は、開始された第1始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第1変動停止処理の詳細は後述する。ステップS20404を実行した後、ステップS20405に進む。
ステップS20405では、第2遊技実行中フラグがONであるか否かを判定する。第2遊技実行中フラグは、第2始動口用遊技回が開始されるとONになり、第2始動口用遊技回が終了するとOFFになるフラグである。ステップS20405において、第2遊技実行中フラグがONではないと判定した場合には(S20405:NO)、ステップS20406に進む。
ステップS20406では、第2始動口用の変動開始処理を実行する。第2始動口用の変動開始処理は、第2始動口用遊技回を開始するための処理である。第2始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップS20406を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS20405において、第2遊技実行中フラグがONであると判定した場合には(S20405:YES)、ステップS20407に進む。
ステップS20407では、第2変動停止処理を実行する。第2変動停止処理は、開始された第2始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第2変動停止処理の詳細は後述する。ステップS20407を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<第1始動口用の変動開始処理>
次に、第1始動口用の変動開始処理について説明する。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図95:S20403)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図96は、第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS20501では、第1始動保留個数RaN=0であるか否かを判定する。ステップS20501において、第1始動保留個数RaN=0ではないと判定した場合には(S20501:NO)、ステップS20502に進む。一方、ステップS20501において、第1始動保留個数RaN=0であると判定した場合には(S20501:YES)、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップS20502では、第1始動口用保留情報シフト処理を実行する。第1始動口用保留情報シフト処理では、第1保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる。第1始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップS20502を実行した後、ステップS20503に進む。
ステップS20503では、第1始動口用の判定処理を実行する。第1始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第1始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップS20503を実行した後、ステップS20504に進む。
ステップS20504では、第1始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第1始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第1始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS20504を実行した後、ステップS20505に進む。
ステップS20505では、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップS20504において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS20505を実行した後、ステップS20506に進む。
ステップS20506では、第1種別コマンドを設定する。第1種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第1種別コマンドには、10R確変大当たりの情報、10R特定確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップS20505及びステップS20506において設定された変動用コマンド及び第1種別コマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第1種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS20506を実行後、ステップS20507に進む。
ステップS20507では、第1図柄表示部37aにおける変動表示を開始させ、ステップS20508に進み、第1遊技実行中フラグをONにする。その後、ステップS20509に進み、第1変動中フラグをONにする。
第1遊技実行中フラグは、第1始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止表示となり、図柄の表示が停止している期間である第1図柄表示停止時間が終了した場合にOFFにされるフラグである。一方、第1変動中フラグは、第1始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。
ステップS20509を実行した後、ステップS20510に進む。
ステップS20510では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップS20510を実行した後、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
<第1始動口用保留情報シフト処理>
次に、第1始動口用保留情報シフト処理について説明する。第1始動口用保留情報シフト処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図96:S20502)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図97は、第1始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS20601では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算する。その後、ステップS20602に進む。
ステップS20602では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動させる。その後、ステップS20603に進む。
ステップS20603では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS20603を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
<第1始動口用の判定処理>
次に、第1始動口用の判定処理について説明する。第1始動口用の判定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図96:S20503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図98は、第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS20701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、次回の大当たりの当選に係る開閉実行モードの開始に際してOFFにされる。ステップS20701において、高確率モードであると判定した場合には(S20701:YES)、ステップS20702に進む。
ステップS20702では、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図86(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20704に進む。一方、ステップS20701において高確率モードではないと判定した場合には(S20701:NO)、ステップS20703に進む。
ステップS20703では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図86(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS20704に進む。
ステップS20704では、ステップS20702又はステップS20703における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS20704において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S20704:YES)、ステップS20705に進む。
ステップS20705では、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS20705において、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであると判定した場合には(S20705:YES)、ステップS20722に進み、第1始動口用遊技回の抽選結果を示す停止図柄を外れ用の停止図柄に設定する。その後、本第1始動口用の判定処理を終了する。すなわち、第1始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第2始動口用遊技回が実行中の場合には、第1始動口用遊技回の停止図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせに設定する。
一方、ステップS20705において、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S20705:NO)、ステップS20706に進み、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。特定処理フラグは、判定対象となっている第1始動口用の遊技回よりも前に実行された遊技回において、特定確変大当たりに当選している場合にONにされ、当該特定確変大当たりに対して特別ボーナス処理が実行された場合にOFFにされるフラグである。ステップS20706において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(S20706:YES)、ステップS20707に進む。
ステップS20707では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。すなわち、特別ボーナス処理に対応する処理を実行する。ステップS20707を実行した後、ステップS20708に進む。
ステップS20708では、特別ボーナス開始コマンドを設定する。特別ボーナス開始コマンドは、音声発光制御装置90に、特別ボーナス処理が開始されることを通知するためのコマンドである。当該コマンドは、通常処理(図94)のコマンド出力処理(S20302)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS20708を実行した後、ステップS20709に進む。
ステップS20709では、特定処理フラグをOFFにする。その後、ステップS20710に進む。
一方、ステップS20706において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(S20706:NO)、そのままステップS20710に進む。
ステップS20710では、では、第1始動口用の振分テーブル(図88(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS20710を実行した後、ステップS20711に進む。
ステップS20711では、ステップS20710における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS20711において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S20711:YES)、ステップS20712に進む。
ステップS20712では、ステップS20711において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS20712を実行した後、ステップS20713に進む。
ステップS20713では、当該確変大当たりが特定確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS20713において、当該確変大当たりが特定確変大当たりであると判定した場合には(ステップS20713:YES)、ステップS20714に進む。
ステップS20714では、特定確変大当たりフラグをONにする。その後、ステップS20715に進み、特定確変大当たりコマンドを設定する。特定確変大当たりコマンドは、判定対象の第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。当該コマンドは、通常処理(図94)のコマンド出力処理(S20302)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップS20715を実行した後、ステップS20716に進む。
一方、ステップS20713において、当該確変大当たりが特定確変大当たりではないと判定した場合には(ステップS20713:NO)、そのままステップS20716に進む。
ステップS20716では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS20711において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20716を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップS20711において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(S20711:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップS20717に進む。
ステップS20717では、ステップS20711において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS20717を実行した後、ステップS20718に進む。
ステップS20718では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS20711において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20718を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップS20704において、ステップS20702又はステップS20703における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S20704:NO)、ステップS20719に進み、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップS20719の処理は、上記ステップS20704における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップS20719においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップS20719を実行した後、ステップS20720に進む。
ステップS20720では、ステップS20719におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS20720において、リーチ発生であると判定した場合には(S20720:YES)、ステップS20721に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップS20721を実行した後、ステップS20722に進む。
ステップS20722では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS20722を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
<第1始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第1始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第1始動口用の変動時間の設定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図96:S20504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図99は、第1始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS20801では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS20802に進む。
ステップS20802では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S20802:YES)、ステップS20803に進む。
ステップS20803では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS20803を実行した後、ステップS20807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20802において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S20802:NO)、ステップS20804に進み、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。具体的には、リーチ発生フラグがONであるか否かを判定し、リーチ発生フラグがONであると判定した場合には(S20804:YES)、ステップS20805に進む。
ステップS20805では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS20805を実行した後、ステップS20807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップS20804において、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(S20804:NO)、ステップS20806に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。ステップS20806を実行した後、ステップS20807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、第1始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、第1始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<第1変動停止処理>
次に、第1変動停止処理について説明する。第1変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図95:S20404)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図100は、第1変動停止処理を示すフローチャートである。ステップS20901では、第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS20901において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(S20901:YES)、ステップS20902に進む。
ステップS20902では、第1変動時間計測処理を実行する。具体的には、第1始動口用遊技回の変動時間(第1図柄表示部の変動時間)を計測するための第1変動時間用カウンタPTC1をダウンカウントする。当該処理は、ステップS20902のスレッドを通る度に第1変動時間用カウンタPTC1の値をダウンカウントする。すなわち、ステップS20902のスレッドを通ったときのみ、第1変動時間用カウンタPTC1の値をダウンカウントする。ステップS20902を実行した後、ステップS20903に進む。
ステップS20903では、第1図柄表示部の変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、ステップS20902の処理によってダウンカウントされる第1変動時間用カウンタPTC1が0になったか否かを判定する。ステップS20903において、第1図柄表示部の変動時間が終了したと判定した場合には(S20903:YES)、ステップS20904に進み、第1図柄表示部の変動を停止する。その後、ステップS20905に進む。
ステップS20905では、第1変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS20906に進む。
一方、ステップS20903において、第1図柄表示部の変動時間が終了していないと判定した場合には(S20903:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップS20901において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(S20901:NO)、そのままステップS20906に進む。
ステップS20906では、第1図柄停止表示時間設定処理を実行する。第1図柄停止表示時間は、第1図柄が停止表示している時間である。ステップS20906では、第1図柄停止表示時間を設定する。但し、既に第1図柄停止表示時間が設定されている場合には、当該設定は行わない。本実施形態においては、全ての第1始動口用遊技回の第1図柄停止表示時間を同じ長さの時間に設定する。ステップS20906を実行した後、ステップS20907を実行する。
ステップS20907では、第1図柄停止表示時間計測処理を実行する。具体的には、第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタのダウンカウントを行う。当該処理は、ステップS20907のスレッドを通る度に第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値をダウンカウントする。ステップS20907を実行した後、ステップS20908に進む。
ステップS20908では、第1図柄停止表示時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値が0になったか否かを判定する。ステップS20908において。第1図柄停止表示時間が終了したと判定した場合には(S20908:YES)、ステップS20909に進む。一方、ステップS20908において。第1図柄停止表示時間が終了していないと判定した場合には(S20908:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップS20909では、第1遊技実行中フラグをOFFにする。その後、ステップS20910に進む。
ステップS20910では、大当たりフラグ(各大当たり種別に応じた大当たりフラグ)または小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS20910において、大当たりフラグまたは小当たりフラグがONであると判定した場合には(S20910:YES)、ステップS20911に進む。一方、ステップS20910において、大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONではないと判定した場合には(S20910:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップS20911では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップS20912に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定した後、本第1変動停止処理を終了する。
<第2始動口用の変動開始処理>
次に、第2始動口用の変動開始処理について説明する。第2始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図95:S20406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図101は、第2始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS21001では、第2始動保留個数RbN=0であるか否かを判定する。ステップS21001において、第2始動保留個数RbN=0ではないと判定した場合には(S21001:NO)、ステップS21002に進む。一方、ステップS21001において、第2始動保留個数RbN=0であると判定した場合には(S21001:YES)、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップS21002では、第2始動口用保留情報シフト処理を実行する。第2始動口用保留情報シフト処理では、第2保留エリアRbに記憶された保留情報をシフトさせる。第2始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップS21002を実行した後、ステップS21003に進む。
ステップS21003では、第2始動口用の判定処理を実行する。第2始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第2始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップS21003を実行した後、ステップS21004に進む。
ステップS21004では、第2始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第2始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第2始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS21004を実行した後、ステップS21005に進む。
ステップS21005では、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップS21004において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS21005を実行した後、ステップS21006に進む。
ステップS21006では、第2種別コマンドを設定する。第2種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第2種別コマンドには、2R確変大当たりの情報、2R通常大当たりの情報、小当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップS21005及びステップS21006において設定された変動用コマンド及び第2種別コマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第2種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS21006を実行後、ステップS21007に進む。
ステップS21007では、第2図柄表示部37bにおける変動表示を開始させ、ステップS21008に進み、第2遊技実行中フラグをONにする。その後、ステップS21009に進み、第2変動中フラグをONにする。
第2遊技実行中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止表示となり、図柄の表示が停止している期間である第2図柄表示停止時間が終了した場合にOFFにされるフラグである。一方、第2変動中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。
ステップS21009を実行した後、ステップS21010に進む。
ステップS21010では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップS21010を実行した後、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
<第2始動口用保留情報シフト処理>
次に、第2始動口用保留情報シフト処理について説明する。第2始動口用保留情報シフト処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図101:S21002)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図102は、第2始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップS21101では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS21102に進む。
ステップS21102では、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動させる。その後、ステップS21103に進む。
ステップS21103では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS21103を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
<第2始動口用の判定処理>
次に、第2始動口用の判定処理について説明する。第2始動口用の判定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図101:S21003)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図103は、第2始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップS21201では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、通常大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してOFFにされる。ステップS21201において、高確率モードであると判定した場合には(S21201:YES)、ステップS21202に進む。
ステップS21202では、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図87(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS21204に進む。一方、ステップS21201において高確率モードではないと判定した場合には(S21201:NO)、ステップS21203に進む。
ステップS21203では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図87(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS21204に進む。
ステップS21204では、ステップS21202又はステップS21203における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップS21204において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(S21204:YES)、ステップS21205に進む。
ステップS21205では、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21205において、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであると判定した場合には(S21205:YES)、ステップS21218に進み、第2始動口用遊技回の抽選結果を示す停止図柄を外れ用の停止図柄に設定する。その後、本第2始動口用の判定処理を終了する。すなわち、第2始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第1始動口用遊技回が実行中の場合には、第2始動口用遊技回の停止図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせに設定する。
一方、ステップS21205において、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S21205:NO)、ステップS21206に進む。
ステップS21206では、では、第2始動口用の振分テーブル(図88(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップS21206を実行した後、ステップS21207に進む。
ステップS21207では、ステップS21206における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS21207において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S21207:YES)、ステップS21208に進む。
ステップS21208では、ステップS21206において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS21208を実行した後、ステップS21209に進む。
ステップS21209では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS21206において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS21209を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップS21207において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(S21207:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップS21210に進む。
ステップS21210では、ステップS21206において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップS21210を実行した後、ステップS21211に進む。
ステップS21211では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップS21206において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS21211を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップS21204において、ステップS21202又はステップS21203における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(S21204:NO)、ステップS21212に進む。
ステップS21212では、ステップS21202又はステップS21203における当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。ステップS21212において、当否判定の結果が小当たりであると判定した場合には(S21212:YES)、ステップS21213に進む。
ステップS21213では、小当たりフラグをONにする。ステップS21213を実行した後、ステップS21214に進む。
ステップS21214では、小当たり用の停止図柄設定処理を実行する。小当たり用の停止図柄設定処理では、小当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、小当たりに対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS21214を実行した後、本第2始動口の判定処理を終了する。
ステップS21212において、当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(S21212:NO)、ステップS21215に進む。
ステップS21215では、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップS21215の処理は、上記ステップS21204における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップS21215においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップS21215を実行した後、ステップS21216に進む。
ステップS21216では、ステップS21215におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップS21216において、リーチ発生であると判定した場合には(S21216:YES)、ステップS21217に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップS21217を実行した後、ステップS21218に進む。
ステップS21218では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS21218を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
<第2始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第2始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第2始動口用の変動時間の設定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図101:S21004)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図104は、第2始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS21301では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS21302に進む。
ステップS21302では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21302において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(S21302:NO)、ステップS21303に進む。
ステップS21303では、低確時変動時間情報取得処理を実行する。低確時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図90におけるステップF101の遊技の進行状態のとき、および、ステップF105の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。低確時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップS21303を実行した後、ステップS21307に進む。
一方、ステップS21302において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(S21302:YES)、ステップS21304に進む。
ステップS21304では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21304において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S21304:YES)、ステップS21305に進む。
ステップS21305では高確高頻度時変動時間情報取得処理を実行する。高確高頻度時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図90におけるステップF110の遊技の進行状態のとき、および、ステップF113の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。高確高頻度時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップS21305を実行した後、ステップS21307に進む。
一方、ステップS21304において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S21304:NO)、ステップS21306に進む。
ステップS21306では高確低頻度時変動時間情報取得処理を実行する。高確低頻度時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図90におけるステップF116の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。高確低頻度時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップS21306を実行した後、ステップS21307に進む。
ステップS21307では、ステップS21303、ステップS21305、ステップS21306の各処理で取得した変動時間情報を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第2始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
<低確時変動時間情報取得処理>
次に、低確時変動時間情報取得処理について説明する。低確時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図104:S21303)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、低確時変動時間情報取得処理は、図90におけるステップF101の遊技の進行状態のとき、および、ステップF105の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、本来なら左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回が実行されるべき期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であり、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって本来なら得るべきではない期間に特典を得ようとする行為が行われている可能性があるので、当該行為を防ぐために、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は比較的長い時間に設定されている。以下、本低確時変動時間情報取得処理について説明する。
図105は、低確時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS21401では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S21401:YES)、ステップS21402に進む。
ステップS21402では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時大当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得される値の平均値は7分である。ステップS21402を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS21401において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS21401:NO)、ステップS21403に進む。
ステップS21403では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップS21403において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップS21403:YES)、ステップS21404に進む。
ステップS21404では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時リーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時リーチ発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得される値の平均値は7分である。ステップS21404を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS21403において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS21403:NO)、ステップS21405に進む。
ステップS21405では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時リーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時リーチ非発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は7分である。ステップS21405を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報は比較的長い時間に設定されている。
<高確高頻度時変動時間情報取得処理>
次に、高確高頻度時変動時間情報取得処理について説明する。高確高頻度時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図104:S21305)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、高確高頻度時変動時間情報取得処理は、図90におけるステップF110の遊技の進行状態のとき、および、ステップF113の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、本来なら左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回が実行されるべき期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であり、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって本来なら得るべきではない期間に特典を得ようとする行為が行われている可能性があるので、当該行為を防ぐために、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は比較的長い時間に設定されている。なお、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値は、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値よりも短い値に設定されている。これは、低確時変動時間情報取得処理が実行されれる期間と比較した場合、高確高頻度時変動時間情報取得処理が実行される期間の方が遊技者に有利な状態であるので、低確時変動時間情報取得処理の場合ほど、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって利益を得る行為の不当性が大きくないことを理由とする。以下、本高確高頻度時変動時間情報取得処理について説明する。
図106は、高確高頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS21501では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S21501:YES)、ステップS21502に進む。
ステップS21502では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時大当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップS21502を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS21501において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS21501:NO)、ステップS21503に進む。
ステップS21503では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップS21503において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップS21503:YES)、ステップS21504に進む。
ステップS21504では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時リーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時リーチ発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップS21504を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS21503において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS21503:NO)、ステップS21505に進む。
ステップS21505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時リーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時リーチ非発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップS21505を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報は比較的長い時間に設定されているが、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値は、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値よりも短い値に設定されている。
<高確低頻度時変動時間情報取得処理>
次に、高確低頻度時変動時間情報取得処理について説明する。高確低頻度時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図104:S21306)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、高確低頻度時変動時間情報取得処理は、図90におけるステップF116の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、特別ボーナス処理が実行されている期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であるので、本来の遊技の流れに沿った処理である。高確低頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は非常に短い時間に設定されている。以下、本高確低頻度時変動時間情報取得処理について説明する。
図107は、高確低頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS21601では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONである場合には(S21601:YES)、ステップS21602に進む。なお、本高確低頻度時変動時間情報取得処理が実行される特別ボーナス処理の期間は、第2始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第1始動口用遊技回が実行中であるので、第2始動口用遊技回の図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせで停止表示させる(図103/S21205:NOを参照)。よって、本高確低頻度時変動時間情報取得処理が実行される特別ボーナス処理の期間には第2始動口用遊技回が大当たり当選をすることがないので、図104および図105の処理と異なり、大当たり当選しているか否かの判定処理がない。
ステップS21602では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2秒〜5秒の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3秒である。ステップS21502を実行した後、本高確低頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS21601において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(ステップS21601:NO)、ステップS21603に進む。
ステップS21603では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低頻度時非小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確低頻度時非小当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は1秒〜3秒の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は2秒である。ステップS21603を実行した後、本高確低頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、高確低頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は非常に短い時間に設定されている。そのため、特別ボーナス処理の実行期間中、すなわち、大当たり当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に複数回の第2始動口遊技回を実行することができる。その結果、複数回の小当たりへの当選によって、第1始動口用遊技回の実行中に遊技者は特典を取得することができる。
<第2変動停止処理>
次に、第2変動停止処理について説明する。第2変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図95:S20407)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図108は、第2変動停止処理を示すフローチャートである。ステップS21701では、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。ステップS21701において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(S21701:YES)、ステップS21702に進む。
ステップS21702では、第2変動時間計測処理を実行する。具体的には、第2始動口用遊技回の変動時間(第2図柄表示部の変動時間)を計測するための第2変動時間用カウンタPTC2をダウンカウントする。当該処理は、ステップS21702のスレッドを通る度に第2変動時間用カウンタPTC2の値をダウンカウントする。すなわち、ステップS21702のスレッドを通った後に継続的にダウンカウントを行うのではなく、当該スレッドを通ったときのみ、第2変動時間用カウンタPTC2の値をダウンカウントする。ステップS21702を実行した後、ステップS21703に進む。
ステップS21703では、第2図柄表示部の変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、ステップS21702の処理によってダウンカウントされる第2変動時間用カウンタPTC2が0になったか否かを判定する。ステップS21703において、第2図柄表示部の変動時間が終了したと判定した場合には(S21703:YES)、ステップS21704に進み、第2図柄表示部の変動を停止する。その後、ステップS21705に進む。
ステップS21705では、第2変動中フラグをOFFにする。その後、ステップS21706に進む。
一方、ステップS21703において、第2図柄表示部の変動時間が終了していないと判定した場合には(S21703:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップS21701において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(S21701:NO)、そのままステップS21706に進む。
ステップS21706では、第2図柄停止表示時間設定処理を実行する。第2図柄停止表示時間は、第2図柄が停止表示している時間である。ステップS21706では、第2図柄停止表示時間を設定する。但し、既に第2図柄停止表示時間が設定されている場合には、当該設定は行わない。本実施形態においては、全ての第2始動口用遊技回の第2図柄停止表示時間を同じ長さの時間に設定する。ステップS21706を実行した後、ステップS21707を実行する。
ステップS21707では、第2図柄停止表示時間計測処理を実行する。具体的には、第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタのダウンカウントを行う。当該処理は、ステップS21707のスレッドを通る度に第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値をダウンカウントする。ステップS21707を実行した後、ステップS21708に進む。
ステップS21708では、第2図柄停止表示時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値が0になったか否かを判定する。ステップS21708において。第2図柄停止表示時間が終了したと判定した場合には(S21708:YES)、ステップS21709に進む。一方、ステップS21708において。第2図柄停止表示時間が終了していないと判定した場合には(S21708:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップS21709では、第2遊技実行中フラグをOFFにする。その後、ステップS21710に進む。
ステップS21710では、大当たりフラグ(各大当たり種別に応じた大当たりフラグ)または小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21710において、大当たりフラグまたは小当たりフラグがONであると判定した場合には(S21710:YES)、ステップS21711に進む。一方、ステップS21710において、大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONではないと判定した場合には(S21710:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップS21711では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップS21712に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定した後、本第2変動停止処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図94:S20306)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図109は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS21801では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS21801において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21801:NO)、ステップS21802に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップS21802において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S21802:NO)、ステップS21803に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS21803において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S21803:NO)、ステップS21804に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップS21804において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S21804:YES)、ステップS21805に進む。一方、ステップS21804において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S21804:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21805では、小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定することにより、開閉実行モードが開始される契機が小当たりの当選であるか否かを判定する。ステップS21805において、小当たりではないと判定した場合には(S21805:NO)、ステップS21806に進む。
ステップS21806では、高確率モードフラグをOFFにする。ステップS21805において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中の抽選モードを低確率モードにするため、高確率モードフラグをOFFにする。ステップS21806を実行した後、ステップS21807に進む。
ステップS21807では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップS21805において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップS21807を実行した後、ステップS21808に進む。
ステップS21808では、大当たり開閉実行モードコマンドを設定する。大当たり開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。大当たり開閉実行モードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図94:ステップS20302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS21808を実行した後、ステップS21809に進む。
ステップS21809では、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、大当たり当選を契機として、または、小当たりを契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。すなわち、開閉実行モード開始コマンドは、大当たりまたは小当たりに関係無く開閉実行モードが開始された場合に設定される。開閉実行モード開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図94:ステップS20302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS21809を実行した後、ステップS21810に進む。
ステップS21810では、開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における開閉扉36bの開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。開閉シナリオ設定処理については後述する。ステップS21810を実行した後、ステップS21811に進む。
ステップS21811では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。オープニング時間設定処理については後述する。ステップS21811を実行した後、ステップS21812に進む。
ステップS21812では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりまたは小当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS21812を実行した後、ステップS21813に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21803において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S21803:YES)、ステップS21814に進む。
ステップS21814では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定した第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21814において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S21814:YES)、ステップS21815に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21816に進む。
ステップS21816では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップS21816を実行した後、ステップS21817に進む。
ステップS21817では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21802において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S21802:YES)、ステップS21818に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップS21818を実行した後、ステップS21819に進む。
ステップS21819では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(S21819:YES)、ステップS21820に進む。一方、ステップS21819において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(S21819:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21820では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップS21821に進む。
ステップS21821では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS21821を実行した後、ステップS21822に進む。
ステップS21822では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間として第4タイマカウンタエリアT4に所定の値を設定する。ステップS21822を実行した後、ステップS21823に進む。
ステップS21823では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップS21823を実行した後、ステップS21824に進む。
ステップS21824では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS21801において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S21801:YES)、ステップS21825に進む。
ステップS21825では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S21822)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS21825において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(S21825:YES)、ステップS21826に進む。
ステップS21826では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS21827に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS21827を実行した後、ステップS21828に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS21829に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS21825において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(S21825:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<開閉シナリオ設定処理>
次に、開閉シナリオ設定処理について説明する。開閉シナリオ設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図109:S21810)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図110は、開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップS21901では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS21901において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(S21901:YES)、ステップS21902に進む。
ステップS21902では、大当たりの種別に応じた大当たり用開閉シナリオに設定する。なお、開閉シナリオは、ラウンド遊技における開閉扉36bの開放パターンが設定されたプログラムである。ステップS21902を実行した後、本開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップS21901において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S21901:NO)、ステップS21903に進む。
ステップS21903では、小当たり用開閉シナリオに設定する。なお、本実施形態においては、小当たり用開閉シナリオには、ラウンド遊技において開閉扉36bが1回開閉する開閉パターンが設定されている。ステップS21903を実行した後、本開閉シナリオ設定処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図109:S21811)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図111は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS22001では、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS22001において、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選であると判定した場合には(S22001:YES)、ステップS22002に進む。
ステップS22002では、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に3000(約6.0sec)を設定する。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS22001において、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選ではないと判定した場合、すなわち、今回の開閉実行モードの契機が小当たりであると判定した場合には(S22001:NO)、ステップS22003に進む。
ステップS22003では、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に0(0sec)を設定する。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図109:S21818)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図112は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS22101では、開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。ステップS22101において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(S22101:NO)、ステップS22102に進む。
ステップS22102では、開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップS22102において、開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(S22102:YES)、ステップS22103に進む。
ステップS22103では、開閉扉36bを開放する。その後、ステップS22104に進む。
ステップS22104では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図94:S20302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS22104を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS22102において、開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(S22102:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS22101において、開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(S22101:YES)、ステップS22105に進む。
ステップS22105では、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。開閉扉36bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された開閉扉36bの継続開放時間が経過したか、または、大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップS22105において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S22105:YES)、ステップS22106に進む。
ステップS22106では、開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップS22107に進む。
ステップS22107では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図94:S20302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS22107を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS22105において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S22105:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図109:S21827)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図113は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS22201では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグのいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップS22201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(S22201:YES)、ステップS22202に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たりフラグがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップS22202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(S22202:YES)、ステップS22203に進む。一方、ステップS22202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S22202:NO)、ステップS22212に進む。
ステップS22203では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、10R確変大当たりフラグ、2R確変フラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップS22203を実行した後、ステップS22204に進む。
ステップS22204では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップS22204を実行した後、ステップS22205に進む。
ステップS22205では、特定確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS22205において、特定確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(S22205:YES)、ステップS22209に進む。
ステップS22209では、特定確変大当たりフラグをOFFにする。その後、ステップS22210において、特定処理フラグをONにする。ステップS22210を実行した後、ステップS22211に進み、特定処理コマンドを設定する。特定処理コマンドは、特定処理(特別ボーナス処理)が実行されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。特定処理コマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップS22211を実行した後、ステップS22206に進む。
一方、ステップS22205において、特定確変大当たりフラグがONではないと判定した場合には(S22205:NO)、そのままステップS22206に進む。
ステップS22206では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップ06を実行した後、ステップ07に進む。
ステップS22207では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS22208に進み、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS22202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S22202:NO)、ステップS22212に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。ステップS22212を実行した後、ステップS22213に進む。
ステップS22213では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS22213を実行した後、ステップS22214に進む。
ステップS22214では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS22215に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として100を設定する。ステップS22215を実行した後、ステップS22216に進む。
ステップS22216では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図94)におけるステップS20302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS22201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(S22201:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップS22217に進み、小当たりフラグをOFFにする。ステップS22217を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図94:S20307)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図114は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS22301では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、下側第1始動口44の電動役物44aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS22301において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S22301:NO)、ステップS22302に進む。
ステップS22302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS22302において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S22302:NO)、ステップS22303に進む。
ステップS22303では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマーカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS22303において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S22303:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S22303:YES)、ステップS22304に進む。
ステップS22304では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS22304において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S22304:YES)、ステップS22305に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS22304において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S22304:NO)、ステップS22306に進む。
ステップS22306では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS22306において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S22306:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS22306において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S22306:YES)、ステップS22307に進む。
ステップS22307では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS22308に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS22307において開閉実行モードではなく(S22307:NO)、且つ、ステップS22308において高頻度サポートモードである場合には(S22308:YES)、ステップS22309に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマーカウンタエリアT2は、タイマー割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS22310に進む。
ステップS22310では、ステップS22309の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS22310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S22310:YES)、ステップS22311に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物44aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS22312に進む。一方、ステップS22310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S22310:NO)、ステップS22311の処理を実行することなく、ステップS22312に進む。
ステップS22312では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS22312において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S22312:YES)、ステップS22313に進む。一方、ステップS22312において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S22312:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS22313では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS22313において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S22313:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS22313において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS22314に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS22315に進む。
ステップS22315では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS22315にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図94:S20302)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS22307において開閉実行モードであると判定した場合(S22307:YES)、又は、ステップS22308において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S22308:NO)、ステップS22316に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS22317に進む。
ステップS22317では、ステップS22316の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS22317において、サポート当選でないと判定した場合には(S22317:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS22317において、サポート当選であると判定した場合には(S22317:YES)、ステップS22318に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS22302において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S22302:YES)、ステップS22319に進み、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS22319において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S22319:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS22319において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S22319:YES)、ステップS22320に進む。
ステップS22320では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS22321に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS22301において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S22301:YES)、ステップS22322に進み、電動役物44aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図114:S22322)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図115は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップS22401では、電動役物44aが開放中であるか否かを判定する。電動役物44aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部44bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物44aが開放されていると判定した場合には(S22401:YES)、ステップS22402に進む。
ステップS22402では、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS22402において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S22402:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物44aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS22402において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S22402:YES)、ステップS22403に進み、電動役物44aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物44aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマーカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物44aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマーカウンタエリアT2を電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS22403を実行した後、ステップS22404に進む。
ステップS22404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS22405に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS22405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S22405:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS22405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S22405:YES)、ステップS22406に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップS22401において、電動役物44aが開放中でないと判定した場合には(S22401:NO)、ステップS22407に進み、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS22407において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S22407:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップS22407において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S22407:YES)、ステップS22408に進み、電動役物44aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS22409に進む。
ステップS22409では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S22409:NO)、ステップS22410に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS22410において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S22410:YES)、ステップS22411に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS22409において開閉実行モードであると判定した場合(S22409:YES)、又は、ステップS22410において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S22410:NO)、ステップS22412に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
B5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図116は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
B6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図117は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS23101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS23101を実行した後、ステップS23102に進む。
ステップS23102では、状態記憶処理を実行する。状態記憶処理は、主側MPU62から受信したコマンドに基づいて、実行中の遊技の状態をフラグを用いて記憶する処理である。フラグとして記憶された遊技の状態は、実行する演出の決定に用いられる。状態記憶処理の詳細については後述する。ステップS23102を実行した後、ステップS23103に進む。
ステップS23103では、表示態様切替処理を実行する。表示態様切替処理は、第1始動口用演出画像と第2始動口用演出画像とを表示する領域を切り替える処理である。具体的には、メイン表示領域MAに第1始動口用演出画像を表示してサブ表示領域SAに第2始動口用演出画像を表示する場合と、メイン表示領域MAに第2始動口用演出画像を表示してサブ表示領域SAに第1始動口用演出画像を表示する場合とを切り替える処理を実行する。なお、第1始動口用演出画像には第1液晶用図柄が含まれ、第2始動口用演出画像には第2液晶用図柄が含まれる。表示態様切替処理の詳細については後述する。ステップS23103を実行した後、ステップS23104に進む。
ステップS23104では、特1用遊技回演出用処理を実行する。特1用遊技回演出用処理は、第1始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特1用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS23104を実行した後、ステップS23105に進む。
ステップS23105では、特2用遊技回演出用処理を実行する。特2用遊技回演出用処理は、第2始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特2用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップS23105を実行した後、ステップS23106に進む。
ステップS23106では、特別ボーナス演出設定処理を実行する。特別ボーナス演出設定処理は、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行する演出を設定するための処理である。特別ボーナス演出設定処理の詳細については後述する。ステップS23106を実行した後、ステップS23107に進む。
ステップS23107では、その他の表示用処理を実行する。その他の表示用処理は、主側MPU62から受信した種々のコマンドに基づいて、表示に関する種々の設定等を実行する処理である。例えば、主側MPU62から保留コマンドを受信した場合に、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2に表示している保留の個数を更新するための処理を行う。ステップS23107を実行した後、ステップS23108に進む。
ステップS23108では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS23103からステップS23107の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップS23103からステップS23107において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS23108を実行した後、ステップS23109に進む。
ステップS23109では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS23103からステップS23107の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップS23103からステップS23107において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS23109を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<状態記憶処理>
次に、状態記憶処理について説明する。状態処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図117:S23102)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図118は、状態記憶処理を示すフローチャートである。ステップS23201では、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信したか否かを判定する。特定確変大当たりコマンドは、特定確変大当たりに当選した遊技回の開始時に、主側MPU62から送信される。ステップS23201において、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信したと判定した場合には(S23201:YES)、ステップS23202に進み、音光側特定確変大当たりフラグをONにする。ステップS23202を実行した後、ステップS23203に進む。
一方、ステップS23201において、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信していないと判定した場合には(S23201:NO)、そのままステップS23203に進む。
ステップS23203では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信したか否かを判定する。特定処理コマンドは、特定確変大当たりに当選した遊技回が終了し、当該特定確変大当たり当選に対応する開閉実行モードの終了時に、主側MPU62から送信される。ステップS23203において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信したと判定した場合には(S23203:YES)、ステップS23204に進み、音光側特定処理フラグをONにする。ステップS23204を実行した後、ステップS23205に進む。
一方、ステップS23203において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(S23203:NO)、そのままステップS23205に進む。
ステップS23205では、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。特別ボーナス開始コマンドは、特定確変大当たりに当選した後、その後の遊技回において大当たりに当選した場合に、当該遊技回の開始時に主側MPU62から送信される。ステップS23205において、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(S23205:YES)、ステップS23206に進み、音光側特定処理フラグをOFFにする。その後、ステップS23207に進み、特別ボーナス開始フラグをONにする。ステップS23207を実行した後、ステップS23208に進む。
一方、ステップS23205において、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S23205:NO)、そのままステップS23208に進む。
ステップS23208では、主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信したか否かを判定する。大当たり開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機とした開閉実行モードの開始時に主側MPU62から送信される。ステップS23208において、主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信したと判定した場合には(S23208:YES)、ステップS23209に進む。
ステップS23209では、特別ボーナス開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23209において、特別ボーナス開始フラグがONであると判定した場合には(S23209:YES)、ステップS23210に進む。ステップS23210では、特別ボーナス開始フラグをOFFにする。その後、本状態記憶処理を終了する。
一方、ステップS23208において主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信していないと判定した場合(S23208:NO)、および、ステップS23209において特別ボーナス開始フラグがONではないと判定した場合には(S23209:NO)、そのまま本状態記憶処理を終了する。
<表示態様切替処理>
次に、表示態様切替処理について説明する。表示態様切替処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図117:S23103)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図119は、表示態様切替処理を示すフローチャートである。ステップS23301では、特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23301において、特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(S23301:YES)、S23302に進む。ステップS23302では、特2メイン表示フラグをONにする。特2メイン表示フラグは、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する場合にはOFFにされ、第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する場合にはONにされるフラグである。ステップS23302においては、特別ボーナス処理が開始される場合に、特2メイン表示フラグをONにする。図91に示すように、特別ボーナス処理が実行されている期間は、第2始動口用遊技回が複数回実行され、遊技者にとっても第2始動口用遊技回における抽選結果が小当たりであるかに注目しているため、本実施形態においては、特別ボーナス処理が開始される場合に、特2メイン表示フラグをONにする。ステップS23302を実行した後、ステップS23303に進む。
ステップS23303では、特2メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特2メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の表示制御をすることによって、第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。ステップS23303を実行した後、ステップS23304に進む。
一方、ステップS23301において、特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S23301:NO)、そのままステップS23304に進む。
ステップS23304では、大当たり開閉実行モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23304において、大当たり開閉実行モードコマンドを受信したと判定した場合には(S23304:YES)、ステップS23305に進む。
ステップS23305では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23305において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S23305:YES)、S23306に進み、特2メイン表示フラグをOFFにする。その後、ステップS23307に進み、特1メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。すなわち、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始された場合には、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する表示態様にする。
本実施形態においては、正当な遊技の流れに沿って遊技を実行した場合、第2始動口用遊技回における当たり抽選で大当たりに当選する確率は低く、大当たり当選を契機として実行された開閉実行モードは、高い確率で第1始動口用遊技回における大当たりに当選である。したがって、大当たり当選に起因して開閉実行モードが実行される場合には、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示する。
ステップS23307では、上述したように、特1メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特1メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の表示制御をすることによって、第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。ステップS23307を実行した後、本表示態様切替処理を終了する。
一方、ステップS23304において大当たり開閉実行モードコマンドを受信していないと判定した場合(S23304:NO)、および、ステップS23305において特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S23305:NO)、そのまま本表示態様切替処理を終了する。
<特1用遊技回演出用処理>
次に、特1用遊技回演出用処理について説明する。特1用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図117:S23104)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図120は、特1用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップS23401では、主側MPU62から特1変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS23401において、特1変動用コマンドを受信していると判定した場合には(S23401:YES)、ステップS23402に進む。
ステップS23402では、今回受信した特1変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS23403に進む。
ステップS23403では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23403において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S23403:NO)、ステップS23404に進み、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理は、ステップS23402において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップS23404を実行した後、ステップS23406に進む。
一方、ステップS23403において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S23403:YES)、ステップS23405に進み、サブ表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、ステップS23402において読み出した情報に基づいて、サブ表示領域SAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。
ここで、ステップS23405の処理、つまり、サブ表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行するのは、特別ボーナス処理が実行されている期間である。つまり、特別ボーナス処理を実行して期間に、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像を表示する。図91において説明したように、特別ボーナス処理を実行している期間は、大当たり当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回が実行され高い確率で小当たりに当選し1ラウンドのラウンド遊技が実行される。そして、第2始動口用遊技回の小当たりに伴ってラウンド遊技が実行されている期間は、主制御装置60の内部処理として、第1始動口用遊技回の遊技時間の計測を中断する。従って、この期間にサブ表示領域SAに表示する第1始動口用演出画像の表示時間は、可変的であり、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像の表示を開始した時点では特定できない。そこで、サブ表示領域SAに表示する第1始動口用演出画像として、どのようなタイミングで表示が終了しても遊技者に違和感を与えないような画像を設定する。例えば、物語性がなく第1液晶用図柄が単調に変化している画像や、所定のキャラクターが単調な動作を繰り返しているような画像を設定する。このようにすることで、表示時間が可変的であるサブ表示領域SAの第1始動口用演出画像の表示を、遊技者に違和感のない表示にすることが可能である。
ステップS23405を実行した後、ステップS23406に進む。
ステップS23406では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、特1変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS23406を実行した後、ステップS23407に進む。
ステップS23407では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特1変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS23406において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS23407を実行した後、ステップS23408に進む。
ステップS23408では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている第1保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS23408を実行した後、ステップS23409に進む。
ステップS23409では、特1演出設定フラグをONにする。特1演出設定フラグは、第1始動口用遊技回における演出パターン、停止液晶図柄、変動表示パターン等が設定されたことを示すフラグである。ステップS23409を実行した後、ステップS23410に進む。
一方、ステップS23401において、特1変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、そのままステップS23410に進む。
ステップS23410では、特1用遊技回演出実行処理を実行する。特1用遊技回演出実行処理は、第1始動口用遊技回に対応する液晶用図柄の変動の開始や変動の終了を制御する処理である。特1用遊技回演出実行処理の詳細については後述する。ステップS23410を実行した後、ステップS23411に進む。
ステップS23411では、特1変動用時間計測処理を実行する。特1変動用時間計測処理は、第1始動口用遊技回の液晶用図柄を変動表示させる時間を計測する処理である。特1変動用時間計測処理の詳細については後述する。ステップS23411を実行した後、本特1用遊技回演出用処理を終了する。
<メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理>
次に、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理について説明する。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図120:S23404)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図121は、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップS23501では、受信した特1変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップS23501において、処理対象である遊技回が大当たり当選した遊技回であると判定した場合には(S23501:YES)、ステップS23502に進む。
ステップS23502では、受信した特1変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップS23502において、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(S23502:YES)、ステップS23503に進む。
ステップS23503では、音光側特定確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップS23503において、音光側特定確変大当たりフラグがONではないと判定した場合、すなわち、10R確変大当たりであると判定した場合には(ステップS23503:NO)、ステップS23504に進む。
ステップS23504では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、確変大当たり用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23503において、音光側特定確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(S23503:YES)、ステップS23505に進む。ステップS23505では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、特定確変大当たり用の演出パターンを設定する。ステップS23505を実行した後、ステップS23506に進む。
ステップS23506では、音光側特定確変大当たりフラグをOFFにする。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
なお、ステップS23504で設定する確変大当たり用の演出パターンと、ステップS23506で設定する特定確変大当たり用の演出パターンとを、同じまたは類似した演出パターンにする構成を採用してもよい。このようにすることで、今回の大当たりが確変大当たりであるのか特定確変大当たりであるのかを識別しにくいようにして、いずれの種別の大当たりであるのかといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
ステップS23502において、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(S23502:NO)、ステップS23507に進む。
ステップS23507では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、通常大当たり用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23501において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(S23501:NO)、ステップS23508に進む。
ステップS23508では、音光側特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23508において、音光側特定処理フラグがONではないと判定した場合には(S23508:NO)、ステップS23509に進む。
ステップS23509では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、外れ用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23508において、音光側特定処理フラグがONであると判定した場合には(S23508:YES)、ステップS23510に進む。
ステップS23510では、特定処理用の外れ用の演出パターンの設定処理を実行する。当該処理が実行されるのは、第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選し、当該当選に対応する開閉実行モードが終了した後に、第1始動口用遊技回が実行される場合である。すなわち、当該処理は、図91の時刻T3〜時刻T4の期間に実行される第1始動口用遊技回における外れ用の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、当該期間に実行される第1始動口用遊技回における外れ用の演出パターンとして、次に大当たりに当選した場合には特別ボーナス処理が開始されることを示唆する演出パターンを採用する。このようにすることで、遊技者に対して、期待感を付与することができる。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
<特1用遊技回演出実行処理>
次に、特1用遊技回演出実行処理について説明する。特1用遊技回演出実行処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図120:S23410)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図122は、特1用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。ステップS23601では、特1演出設定フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23601において、特1演出設定フラグがONであると判定した場合には(ステップS23601:YES)、ステップS23602に進む。一方、ステップS23601において、特1演出設定フラグがONではないと判定した場合には(ステップS23601:NO)、そのまま本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS23602では、特1変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23602において、特1変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(S23602:NO)、ステップS23603に進む。
ステップS23603では、第1液晶用図柄の変動を開始する処理を実行する。具体的には、特1用遊技回演出用処理のステップS23404からステップS23408において設定した今回の遊技回の演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンに基づいて、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップS23603を実行した後、ステップS23604に進む。
ステップS23604では、第1液晶用図柄変動開始コマンドを表示制御装置100に送信する。具体的には、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第1液晶用図柄変動開始コマンドに設定し、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第1液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいた演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンを、第1始動口用演出画像として液晶表示装置41の表示面41aに表示する。ステップS23604を実行した後、ステップS23605に進む。
ステップS23605では、特1変動表示開始フラグをONにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS23602において、特1変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(S23602:YES)、ステップS23606に進む。
ステップS23606では、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0であるか否かを判定する。音光側変動時間カウンタSPTC1は、第1始動口用遊技回における変動時間を計測するためのカウンタである。音光側変動時間カウンタSPTC1は、後述する特1用変動時間計測処理においてダウンカウントされ、音光側変動時間カウンタSPTC1が0となるタイミングを認識することで、音光側MPU92は、第1始動口用遊技回における変動時間の終了するタイミングを特定する。ステップS23606において、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0であると判定した場合には(S23606:YES)、ステップS23607に進む。一方、ステップS23606において、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0ではないと判定した場合には(S23606:NO)、そのまま本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS23607では、第1液晶用図柄の変動を終了する処理を実行する。具体的には、第1液晶用図柄の変動を終了(停止図柄を表示)するためのスピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップS23603を実行した後、ステップS23608に進む。
ステップS23608では、第1液晶用図柄変動終了コマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第1液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置41の表示面41aに表示している第1液晶用図柄を停止させる。ステップS23608を実行した後、ステップS23609に進む。
ステップS23609では、特1演出設定フラグおよび特1変動表示開始フラグをOFFにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
<特1用変動時間計測処理>
次に、特1用変動時間計測処理について説明する。特1用変動時間計測処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図120:S23411)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本特1用変動時間計測処理は、第1始動口用遊技回の変動時間を計測する処理である。また、本処理は、開閉実行モードが実行されている期間には変動時間の計測を中断する機能を備える。
図123は、特1用変動時間計測処理を示すフローチャートである。ステップS23701では、特1変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23701において、特1変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(S23701:YES)、ステップS23702に進む。一方、ステップS23701において、特1変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(S23701:NO)、そのまま本特1用変動時間計測処理を終了する。
ステップS23702では、開閉実行モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23702において、開閉実行モード開始コマンドを受信したと判定した場合には(S23702:YES)、ステップS23703に進む。
ステップS23703では、特1用カウント停止フラグをONにする。その後、ステップS23706に進む。
一方、ステップS23702において、開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S23702:NO)、ステップS23704に進む。
ステップS23704では、開閉実行モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS23704において、開閉実行モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(S23704:YES)、ステップS23705に進み、特1用カウント停止フラグをOFFにする。ステップS23705を実行した後、ステップS23706に進む。一方、ステップS23704において、開閉実行モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S23704:NO)、そのままステップS23706に進む。
ステップS23706では、特1用カウント停止フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23706において、特1用カウント停止フラグがONではないと判定した場合には(S23706:NO)、ステップS23707に進む。
ステップS23707では、音光側変動時間カウンタSPTC1をダウンカウントする。当該処理は、ステップS23707のスレッドを通る度に音光側変動時間カウンタSPTC1の値をダウンカウントする。すなわち、ステップS23707のスレッドを通ったときのみ、音光側変動時間カウンタSPTC1の値をダウンカウントする。ステップS23707を実行した後、本特1用変動時間計測処理を終了する。
一方、ステップS23706において、特1用カウント停止フラグがONである判定した場合には(S23706:YES)、そのまま本特1用変動時間計測処理を終了する。
このような処理を実行することによって、本特1用変動時間計測処理は、開閉実行モードが実行されている期間に変動時間の計測を中断する機能を備えた第1始動口用遊技回の変動時間の計測を実現することができる。
このように、遊技回の実行中に開閉実行モードの開始を示す開閉実行モード開始コマンドを主側MPU62から受信することによって、音光側MPU92における遊技回の変動時間の計測を中断し、遊技回の実行中に開閉実行モードの終了を示す開閉実行モード終了コマンドを主側MPU62から受信することによって、中断していた音光側MPU92における遊技回の変動時間の計測を再開する。このような処理を実行した場合、例えば、特別ボーナス処理が実行されている期間など、頻繁に変動時間の計測の停止と再開が繰り返されると、主側MPU62において計測している変動時間と、音光側MPU92において計測している変動時間とにズレが生じてしまう可能性もある。従って、例えば、主側MPU62が送信する開閉実行モード開始コマンドや、開閉実行モード終了コマンドに、主側MPU62で計測している変動時間の現在の値に関する情報を含める構成を採用してもよい。音光側MPU92は、受信した開閉実行モード開始コマンドおよび開閉実行モード終了コマンドに含まれる主側MPU62で計測している変動時間の現在の値に関する情報に基づいて、音光側MPU92で計測している変動時間の値を補正する構成を採用してもよい。その他、主側MPU62で計測している変動時間と比較して音光側MPU92で計測している変動時間に誤差が生じることが分かっている場合には、予めその誤差の値、または誤差の値の平均値を特定し、音光側MPU92において変動時間の計測を実行する場合に、その誤差の値を補正する構成を採用してもよい。このようにすることで、主側MPU62と音光側MPU92との間で、変動時間の計測について精度良く同期させることができる。
<特2用遊技回演出用処理>
次に、特2用遊技回演出用処理について説明する。特2用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図117:S23105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図124は、特2用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップS23801では、主側MPU62から特2変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS23801において、特2変動用コマンドを受信していると判定した場合には(S23801:YES)、ステップS23802に進む。
ステップS23802では、今回受信した特2変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、小当たりの有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS23803に進む。
ステップS23803では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23803において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(S23803:NO)、ステップS23804に進み、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理は、ステップS23802において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップS23804を実行した後、ステップS23806に進む。
一方、ステップS23803において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(S23803:YES)、ステップS23805に進み、サブ表示領域用の特2演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、ステップS23802において読み出した情報に基づいて、サブ表示領域SAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。
ステップS23805を実行した後、ステップS23806に進む。
ステップS23806では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、特2変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS23806を実行した後、ステップS23807に進む。
ステップS23807では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特2変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS23806において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップS23807を実行した後、ステップS23808に進む。
ステップS23808では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている第2保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS23808を実行した後、ステップS23809に進む。
ステップS23809では、特2演出設定フラグをONにする。特2演出設定フラグは、第2始動口用遊技回における演出パターン、停止液晶図柄、変動表示パターン等が設定されたことを示すフラグである。ステップS23809を実行した後、ステップS23810に進む。
一方、ステップS23801において、特2変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、そのままステップS23810に進む。
ステップS23810では、特2用遊技回演出実行処理を実行する。第2始動口用遊技回に対応する液晶用図柄の変動の開始や変動の終了を制御する処理である。特2用遊技回演出実行処理の詳細については後述する。ステップS23810を実行した後、ステップS23811に進む。
ステップS23811では、特2変動用時間計測処理を実行する。特2変動用時間計測処理は、第2始動口用遊技回の液晶用図柄を変動表示させる時間を計測する処理である。特2変動用時間計測処理の詳細については後述する。ステップS23811を実行した後、本特2用遊技回演出用処理を終了する。
<メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理>
次に、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理について説明する。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図124:S23804)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図125は、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップS23901では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップS23901において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(S23901:YES)、ステップS23902に進む。
ステップS23902では、確変大当たりおよび通常大当たりを含む大当たり用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23901において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(S23901:NO)、ステップS23903に進む。
ステップS23903では、特別ボーナス開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS23903において、特別ボーナス開始フラグがONではないと判定した場合には(S23903:NO)、ステップS23904に進む。
ステップS23904では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップS23904において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(S23904:YES)、ステップS23905に進む。
ステップS23905では、通常時(特別ボーナス時ではない時)の小当たり用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23904において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(S23904:NO)、ステップS23906に進む。
ステップS23906では、通常時(特別ボーナス時ではない時)の外れ用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23903において、特別ボーナス開始フラグがONであると判定した場合には(S23903:YES)、ステップS23907に進む。
ステップS23907では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップS23907において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(S23907:YES)、ステップS23908に進む。
ステップS23908では、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定をする。特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定は、当該処理の実行時の遊技の状態に応じて設定方法が異なる。特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理の詳細については後述する。ステップS23908を実行した後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS23907において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(S23907:NO)、ステップS23909に進む。
ステップS23909では、特別ボーナス時の外れ用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
図126は、ステップS23908における特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を説明する説明図である。
特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理では、当該処理対象である遊技回の変動時間と演出パターンとを対応付けた演出パターンテーブルデータ(TB1〜TB9)を参照して演出パターンを設定する。図126は、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理の実行時の遊技の状態ごとに、参照する演出パターンテーブルデータを対応付けた対応表である。
図示するように、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別(図91の時刻T4における第1始動口用遊技回の大当たりの種別)と、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の変動が開始されてからの残時間RTごとに、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回の演出の設定に用いられる演出パターンテーブルデータが対応付けて設定されている。
例えば、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別(図91の時刻T4における第1始動口用遊技回の大当たりの種別)が10R特定確変大当たりである場合であって、第2始動口用遊技回の演出を設定するタイミングにおける第1始動口用遊技回の変動時間の残時間RTが30秒以上であって60秒未満の場合には、演出パターンテーブルデータTB2を参照して小当たりとなった第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。
図示するように、各演出パターンテーブルデータは、第2始動口用遊技回の変動時間UTごとに演出パターンが対応付けて設定されており、当該変動時間に応じた演出パターンが選択され設定される。
このように、特別ボーナス時における第2始動口用遊技回の演出パターンの設定方法を、当該演出パターンを設定するときの遊技の状態によって決定することで、遊技者に対して種々の示唆演出を実行することができる。
例えば、特別ボーナス処理が実行されている期間における第1始動口用遊技回の残時間RTが少なくなった場合に、特別ボーナス処理の残時間が少ないことを示唆する演出を実行し、遊技者に焦燥感を付与することができる。その他、第1始動口用遊技回の残時間RTが十分にある場合に、特別ボーナス処理の残時間が少ないことを示唆する演出を実行し、その後、特別ボーナス処理の残時間が十分に残っていことを示唆する演出を実行することで、遊技者に期待感を付与することができる。
また、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別毎に、演出パターンの設定方法を変えることによって、当該第1始動口用遊技回の大当たりの種別を示唆する演出を実行することができる。
<特2用遊技回演出実行処理>
次に、特2用遊技回演出実行処理について説明する。特2用遊技回演出実行処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図124:S23810)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図127は、特2用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。ステップS24001では、特2演出設定フラグがONであるか否かを判定する。ステップS24001において、特2演出設定フラグがONであると判定した場合には(ステップS24001:YES)、ステップS24002に進む。一方、ステップS24001において、特2演出設定フラグがONではないと判定した場合には(ステップS24001:NO)、そのまま本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS24002では、特2変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS24002において、特2変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(S24002:NO)、ステップS24003に進む。
ステップS24003では、第2液晶用図柄の変動を開始する処理を実行する。具体的には、特2用遊技回演出用処理のステップS23404からステップS23408において設定した今回の遊技回の演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンに基づいて、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップS24003を実行した後、ステップS24004に進む。
ステップS24004では、第2液晶用図柄変動開始コマンドを表示制御装置100に送信する。具体的には、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第2液晶用図柄変動開始コマンドに設定し、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第2液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいた演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンを、第2始動口用演出画像として液晶表示装置41の表示面41aに表示する。ステップS24004を実行した後、ステップS24005に進む。
ステップS24005では、特2変動表示開始フラグをONにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS24002において、特2変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(S24002:YES)、ステップS24006に進む。
ステップS24006では、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0であるか否かを判定する。音光側変動時間カウンタSPTC2は、第2始動口用遊技回における変動時間を計測するためのカウンタである。音光側変動時間カウンタSPTC2は、後述する特2用変動時間計測処理においてダウンカウントされ、音光側変動時間カウンタSPTC2が0となるタイミングを認識することで、音光側MPU92は、第2始動口用遊技回における変動時間の終了するタイミングを特定する。ステップS24006において、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0であると判定した場合には(S24006:YES)、ステップS24007に進む。一方、ステップS24006において、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0ではないと判定した場合には(S24006:NO)、そのまま本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップS24007では、第2液晶用図柄の変動を終了する処理を実行する。具体的には、第2液晶用図柄の変動を終了(停止図柄を表示)するためのスピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップS24003を実行した後、ステップS24008に進む。
ステップS24008では、第2液晶用図柄変動終了コマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第2液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置41の表示面41aに表示している第2液晶用図柄を停止させる。ステップS24008を実行した後、ステップS24009に進む。
ステップS24009では、特2演出設定フラグおよび特2変動表示開始フラグをOFFにする。その後、本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
<特2用変動時間計測処理>
次に、特2用変動時間計測処理について説明する。特2用変動時間計測処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図124:S23811)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本特2用変動時間計測処理は、第2始動口用遊技回の変動時間を計測する処理である。また、本処理は、開閉実行モードが実行されている期間には変動時間の計測を中断する機能を備える。
図128は、特2用変動時間計測処理を示すフローチャートである。ステップS24101では、特2変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップS24101において、特2変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(S24101:YES)、ステップS24102に進む。一方、ステップS24101において、特2変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(S24101:NO)、そのまま本特2用変動時間計測処理を終了する。
ステップS24102では、開閉実行モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS24102において、開閉実行モード開始コマンドを受信したと判定した場合には(S24102:YES)、ステップS24103に進む。
ステップS24103では、特2用カウント停止フラグをONにする。その後、ステップS24106に進む。
一方、ステップS24102において、開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S24102:NO)、ステップS24104に進む。
ステップS24104では、開閉実行モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS24104において、開閉実行モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(S24104:YES)、ステップS24105に進み、特2用カウント停止フラグをOFFにする。ステップS24105を実行した後、ステップS24106に進む。一方、ステップS24104において、開閉実行モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S24104:NO)、そのままステップS24106に進む。
ステップS24106では、特2用カウント停止フラグがONであるか否かを判定する。ステップS24106において、特2用カウント停止フラグがONではないと判定した場合には(S24106:NO)、ステップS24107に進む。
ステップS24107では、音光側変動時間カウンタSPTC2をダウンカウントする。当該処理は、ステップS24107のスレッドを通る度に音光側変動時間カウンタSPTC2の値をダウンカウントする。すなわち、ステップS24107のスレッドを通ったときのみ、音光側変動時間カウンタSPTC2の値をダウンカウントする。ステップS24107を実行した後、本特2用変動時間計測処理を終了する。
一方、ステップS24106において、特2用カウント停止フラグがONである判定した場合には(S24106:YES)、そのまま本特2用変動時間計測処理を終了する。
このような処理を実行することによって、本特2用変動時間計測処理は、開閉実行モードが実行されている期間に変動時間の計測を中断する機能を備えた第2始動口用遊技回の変動時間の計測を実現することができる。
<特別ボーナス演出設定処理>
次に、特別ボーナス演出設定処理について説明する。特別ボーナス演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図117:S23106)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図129は、特別ボーナス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS24201では、特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS24201において、特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(S24201:YES)、ステップS24202に進む。
ステップS24202では、特別ボーナス用演出を設定する。特別ボーナス用演出は、特別ボーナス処理の実行されている期間に、表示面41aのメイン表示領域MAおよびサブ表示領域SA以外の領域において特別ボーナス処理の期間用の画像の表示、音声の出力、ランプの点灯等を実行するための設定処理である。ステップS24202を実行した後、本特別ボーナス演出設定処理を終了する。
一方、ステップS24201において、特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S24201:NO)、そのまま本特別ボーナス演出設定処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図130は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS24301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS24302に進む。
ステップS24302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図131は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS24401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図132は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS24501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図131)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S24501)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS24502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S24501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS24503に進む。
ステップS24503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S24502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS24504に進む。
ステップS24504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S24503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS24505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に特典を付与する処理である特別ボーナス処理を実行するので、遊技者に対して、大当たりに当選している遊技回の終了後に付与される特典としてのラウンド遊技(開閉実行モード)についての期待感を付与するだけでなく、さらに、大当たりに当選している遊技回の実行中にも期待感を付与することができる。
また、第1始動口用遊技回において大当たりに当選している場合であっても、当該遊技回の実行中に特別ボーナス処理が実行される場合と実行されない場合とがあるので、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始された場合に、特別ボーナス処理が実行されるのか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行される期間においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回において小当たりに当選したことを契機として特別ボーナスとしての特典(1Rのラウンド遊技)が付与されるので、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、さらに、第2始動口用遊技回を実行させ、かつ、小当たりに当選させることによる、より一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の終了後には、当該第1始動口用遊技回における大当たり当選に対応してラウンド遊技が実行されるので、さらに大きな期待感を遊技者に付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行可能な第2始動口用遊技回の実行回数の上限値は、当該期間に実行中である第1始動口用遊技回が実行されている時間に依存する。すなわち、特別ボーナスとして付与される特典の量の上限値は、当該期間に実行中である第1始動口遊技回が実行されている時間によって決定される。従って、遊技者に対して、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行中の第1始動口用遊技回がより長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、当該第1始動口用遊技回の終了が近づくにつれて特別ボーナスとしての特典を少しでも多く獲得したい、すなわち、第2始動口用遊技回を実行し小当たりに少しでも多く当選させたいといった期待感や、第1始動口用遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、る、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、特別ボーナス処理が実行される場合に、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
また、当たり抽選に当選した第1始動口用遊技回において、特別ボーナス処理を実行するか否かは、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別に基づいて決定する。具体的には、本実施形態においては、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別が特定確変大当たりである場合に、その後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理が実行される。すなわち、特別ボーナス処理が実行されるよりも前に予め、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合には特別ボーナス処理が実行されることを特定することができる。その結果、例えば、特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の実行中に、次に第1始動口用遊技回で大当たりに当選したら特別ボーナス処理が実行されることを予告(示唆)する演出を実行したり、特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の実行後から特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時までの間に、特別ボーナス処理が実行されることを予告(示唆)する演出を実行することができる。その他、第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選したことを、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える条件の一つとすることができる。このように、当たり抽選に当選した第1始動口用遊技回において、特別ボーナス処理を実行するか否かの判定を、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別に基づいて決定することで、特別ボーナス処理が実行されることに対する種々の対応処理を実行することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理を実行する期間と、それ以外の期間とで、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える。より具体的には、特別ボーナス処理を実行する期間に設定される第2始動口用遊技回の変動時間の平均値は、他の期間に設定される第2始動口用遊技回の変動時間の平均値よりも短い。従って、特別ボーナス処理を実行する期間を、遊技者に有利な状態にすることができる。またこのような処理を実行する場合、遊技者に過度に有利になってしまう虞があるが、本実施形態においては、特別ボーナス処理を実行する期間は、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
さらに本実施形態のパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、当該期間に実行される第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。よって、第2始動口用遊技回の演出を介して間接的に第1始動口用遊技回の抽選結果(大当たり種別)について遊技者に推測させることできる。すなわち、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。また、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第1始動口用遊技回の終了後の抽選モード(高確率モードまたは低確率モード)に基づいて、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。従って、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して、第1始動口用遊技回の終了後の抽選モードについて遊技者に期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第2始動口用遊技回の演出の設定について、当該演出の設定をするタイミングにおける第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う。よって、実行された第2始動口用遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1第1始動口用遊技回が実行されてからの経過時間や第1始動口用遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2始動口用特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1始動口用特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。また、このような処理、すなわち、第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う処理を実行する条件の一つとして、当該第1始動口用遊技回が大当たりに当選していることが条件となっている。従って、仮に第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口用遊技回を実行し、第2始動口用遊技回の演出が第1始動口用遊技回の経過時間に基づいているか否かを遊技者に推測させることによって、第1始動口用遊技回が大当たりに当選しているか否かを推測させることができる。すなわち、第2始動口用遊技回の演出を介して第1始動口用遊技回の当たり抽選の当否について期待感を付与することができる。また、このような処理、すなわち、第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う処理を実行する条件の一つとして、当該第1始動口用遊技回より先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していることが条件となっている。従って、仮に第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口用遊技回を実行し、第2始動口用遊技回の演出が第1始動口用遊技回の経過時間に基づいているか否かを遊技者に推測させることによって、当該第1始動口用遊技回より先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していたか否か、すなわち、当該実行中の第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理が実行されるのかを推測させることができ、遊技者に大きな期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、当該第1始動口用遊技回が実行された状態によって、第1液晶用図柄を表示する表示領域と第2液晶用図柄を表示する表示領域とを入れ替える処理が実行される場合と実行されない場合とがある。具体的には、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されるより先に、特定確変大当たりに当選していた状態の場合、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が開始されたことを契機として第1液晶用図柄と第2液晶用図柄を表示する表示領域を入れ替える処理を行う。一方、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されるより先に、特定確変大当たり以外の大当たりに当選していた状態の場合、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が開始されたことを契機として第1液晶用図柄と第2液晶用図柄を表示する表示領域を入れ替える処理は行われない。従って、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、当該第1始動口用遊技回が実行された状態が、特定確変大当たりに当選した遊技回の後であるのか、または、特定確変大当たり以外の大当たりに当選した遊技回の後であるのかを推測させることができる。結果として、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、特別ボーナス処理が実行されるのか否かを遊技者に推測させ、大きな期待感を付与することができる。また、表示領域の入れ替えの可否を利用した演出を実行することによって、遊技者に、特別ボーナス処理が実行されるのか否かといった期待感をより一層付与することができる。
B6.第2実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
B6−1.変形例1:
上記第2実施形態において、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理を実行するか否かの判定を、当該特別ボーナス処理を実行する第1始動口用遊技回の開始時に抽選よって行ってもよいし、当該第1始動口用遊技回における大当たり種別に基づいて行ってもよい。すなわち、上記実施形態においては、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理を実行するか否かの判定は、当該大当たりに当選した第1始動口用遊技回(後実行第1始動口用遊技回)より先に実行された大当たりに当選した第1始動口用遊技回(先実行第1始動口用遊技回)において特定確変大当たりに当選しているか否かに基づいて決定したが、本変形例においては、先実行第1始動口用遊技回における大当たり種別は参照せず、後実行第1始動口用遊技回における大当たり種別による判定や、後実行第1始動口用遊技回の開始時に抽選による判定を行う。このようにすることで、先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回の大当たり種別を記憶しておく処理(例えば、フラグによる記憶)を実行する必要がなく、処理負荷の軽減を図ることができる。
その他、大当たり種別の種類として確変大当たりと通常大当たりが設定可能であり、第1始動口用遊技回において確変大当たりに当選した場合には、次に第1始動口用遊技回において確変大当たりまたは通常大当たりに当選したタイミングで特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、特定確変大当たりといった大当たり種別の設定および特定確変大当たりフラグの設定が不要となり、処理を簡易化することができる。
その他、大当たり種別として、高頻度サポートモードに種類を設け、大当たりに当選し開閉実行モードが終了した後に実行される遊技回において設定される高頻度サポートモードが特定の高頻度サポートモードである場合であって、当該特定の高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。具体的には、大当たり種別として、電動役物44aの開放パターンがパターンAである高頻度サポートモードAが実行される10R確変大当たりAと、電動役物44aの開放パターンがパターンBである高頻度サポートモードBが実行される10R確変大当たりBとが設定可能な構成を採用する。そして、例えば、当該高頻度サポートモードBの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行するといった構成を採用する。
より具体的には、高頻度サポートモードの種類に応じた高頻度サポートモードフラグを用意する。そして、10R確変大当たりBに当選した場合に、当該大当たりに対応するラウンド遊技(開閉実行モード)の終了時に実行されるエンディング期間終了時の移行処理:図113)において、高頻度サポートモードBに対応する高頻度サポートモードフラグ(以下、パターンB用高頻度サポートモードフラグ)をONにする。その後、電動役物44aの開放パターンがパターンBである高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口用遊技回が実行され大当たりの当否の判定を行い大当たりに当選していると判定した場合には、パターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定し、当該フラグがONであると判定した場合には、特別ボーナス処理を実行することを決定する。すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の開始時にパターンB用高頻度サポートモードフラグをOFFにする。なお、第1始動口用遊技回における大当たりの当否の判定を行ってからパターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する構成を採用してもよいし、パターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定してから第1始動口用遊技回における大当たりの当否の判定を行う構成を採用してもよく、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口用遊技回において大当りに当選したことが認識可能な処理であれば、種々の処理の態様を採用することができる。
このような構成を採用することによって、特定確変大当たりに当選した後の遊技回において、特定処理フラグを用いずに、先の遊技回において特定確変大当たりに当選していたことを認識することができる。すなわち、高頻度サポートモードを複数種類設け、高頻度サポートモードが特定の高頻度サポートモードであるか否か(上記の例では、高頻度サポートモードBであるか否か)を判定することによって、先の遊技回において特定確変大当たりに当選していたことを認識することができる。
また、このような構成を採用した場合、遊技者に実行される高頻度サポートモードの種類に注目させることができる。そして、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)が実行されている場合には、遊技者に対して、第1始動口用遊技回の開始時に、当該遊技回における大当たりの当否結果についてより一層大きな期待感を付与することができる。すなわち、特定の高頻度サポートモードの実行中の第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合には、特別ボーナス処理が実行されるので、特定の高頻度サポートモードが実行されていない場合に実行される第1始動口用遊技回の大当たりの当否と比較して、遊技者により一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)の実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行される場合には、高頻度サポートモードフラグ(パターンB用高頻度サポートモードフラグ)がOFFになり、サポートモードが切り替わる。具体的には、低頻度サポートモードに切り替わる。よって、特定の高頻度サポートモードの実行中にサポートモードが切り替わるか否かといった期待感を遊技者に付与することができる。また、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)の実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行された場合には、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法が切り替わる(図91、図104参照)。従って、特定の高頻度サポートモードの実行中に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法が切り替わるか否かといった期待感を遊技者に付与することができる。
なお、高頻度サポートモードとして1種類のみ実行可能であり、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行するといった構成を採用してもよい。具体的には、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える。また、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の開始時に、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える。このような構成を採用してもよい。
B6−2.変形例2:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回の開始時にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える構成を採用したが、第1始動口用遊技回の開始時にサポートモードを低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える処理を実行する構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、第1始動口用遊技回の実行中に、過度に遊技者が不利になることを抑制することができる。
B6−3.変形例3:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理を、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動開始時に開始したが、変形例として、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動表示が終了し、第1の図柄が停止した時点から開始する構成を採用してもよい。すなわち、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動が停止した時点から当該停止した第1の図柄の表示が終了するまでの期間(以下、停止表示期間とも呼ぶ)において、特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。具体的には、停止表示期間の開始時に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を変更し、変動時間として比較的長い時間(5分〜10分)が設定される設定方法から、比較的短い時間(2秒〜5秒)が設定される設定方法に切り替える。そして、停止表示期間の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。また、特別ボーナス処理を実行する場合の停止表示期間を30秒〜1分といった比較的長い時間に設定する。このようにすることで、当該変形例の構成を実現することができる。
B6−4.変形例4:
上記実施形態においては、確変大当たりに当選した場合には、当該当選した遊技回の後に実行される開閉実行モードの終了時から抽選モードが高確率モードとなり、次に大当たりに当選するまで高確率モードが維持されたが、このような構成に限定されず、変形例として、確変大当たりに当選した場合に、当該当選した遊技回の後に実行される開閉実行モードの終了時から抽選モードが高確率モードとなり、所定回数の遊技回が実行された後に低確率モードに移行する構成を採用してもよい。すなわち高確率モードで実行される遊技回の回数に制限が設けられている構成である。このようにすることで、例えば、特定確変大当たりに当選した場合に、その後に大当たりに当選すれば特別ボーナス処理が実行されるが、本変形例の構成は、高確率モードで実行可能な遊技回の回数に制限があるため、制限回数の遊技回が実行されるまでに大当たりに当選しなければ特別ボーナス処理が実行されない。よって、特定確変大当たりに当選し、その後に高確率モードで遊技回が実行されている期間に、遊技者に緊迫感や焦燥感を付与することができ、感情に抑揚を付与することができる。
B6−5.変形例5:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回においていずれの大当たり種別の大当たりに当選しても、その後に、高頻度サポートモードが実行される。従って、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該高頻度サポートモードが実行される契機となった大当たりの大当たり種別を示唆する演出を実行することによって、高頻度サポートモード中に遊技者に期待感を付与することができる。例えば、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該当選した大当たりの大当たり種別が10R特定確変大当たり又は10R確変大当たりであることを示唆する演出を実行した場合、当該演出を認識した遊技者に対して、次に大当たりに当選した場合に特別ボーナス処理が開始される可能性があるといった期待感を付与することができる。
また、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該高頻度サポートモードが実行される契機となった大当たりの大当たり種別が10R特定確変大当たり又は8R通常大当たりのいずれであるのかを遊技者に推測させる演出を実行した場合、第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したことを認識した遊技者は、当該サポートモードの移行が、特別ボーナス処理が開始されたことに起因するものであるのか、高頻度サポートモードとして実行される遊技回数(100回)が終了したことに起因するのかを判別しにくく、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
B6−6.変形例6:
上記実施形態においては、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別が特定確変大当たりであった場合に、後に実行された第1始動口用遊技回において大当たりに当選したことを契機として、当該第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替えたが、そのような構成に限らず、他の構成を採用してもよい。例えば、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別に関わりなく、実行された第1始動口用遊技回において大当たりに当選したこと、または、特定の大当たり種別の大当たりに当選したことを契機として、当該第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える構成を採用してもよい。このようにすることで、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに切り替わったことを認識した遊技者に、その後の遊技の進行に対する期待感を付与することができる。
B6−7.変形例7:
上記実施形態では、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時の処理は先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別が特定確変大当たりであるか否かによって、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時に特別ボーナス処理が開始されるか否かが決定されたが、このような構成に限らず、先に大当たりに当選した遊技回における大当たり種別に基づいて、後に大当たりに当選した遊技回の開始時の処理を決定する構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、先に大当たりに当選した遊技回における大当たり種別が確変大当たりである場合には、後に大当たりに当選した遊技回の開始時に、特定の演出を開始する構成や、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える構成や、低頻度サポートモードを高頻度サポートモードに切り替える構成や、遊技回の変動時間の設定方法を変更する構成など、種々の構成を採用してもよい。
B6−8.変形例8:
本実施形態においては、特別ボーナス処理の開始を契機として、第2始動口用遊技回の変動時間は他の期間と比較して設定された変動時間の平均値が短くなるにも関わらず、高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替えたが、そのような構成に限定されず、特定の契機に基づいて設定される遊技回の変動時間の平均値が短くなるにも関わらず高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替える構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、高確率モードから低確率モードに移行したことを契機として、設定される遊技回の変動時間の平均値が短くなるように変動時間の設定方法を切り替え、かつ、高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替える構成を採用してもよい。このような構成を採用しても、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
B6−9.変形例9:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合、特に、第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行される場合には、当該第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回は、他の期間に実行される第2始動口用遊技回に対して第2始動口用遊技回において実行する演出の決定方法が異なる構成であったが、そのような構成に限定されず、1回の第1始動口用遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される第2始動口用遊技回において実行する演出を、当該1回の第1始動口用遊技回に対応する図柄(抽選結果)に基づいて決定する構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、当該1回の第1始動口用遊技回に対応する抽選結果が確変大当たりである場合と通常大当たりである場合とで、当該1回の第1始動口用遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される第2始動口用遊技回において実行する演出(または演出の設定方法)が異なる構成を採用してもよい。このようにしても、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。
B6−10.変形例10:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に、特別ボーナス処理という形態で遊技者に特典が付与される構成を採用したが、大当たりに当選している遊技回が実行されている期間に遊技者に特典が付与される構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わり遊技者に特典が付与される構成を採用してもよい。その他、本実施形態におけるパチンコ機は、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回とが並行して実行されるいわゆる同時変動機のパチンコ機であったが、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回とが排他的に実行されるパチンコ機を採用してもよい。この場合において、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わり、第2始動口に遊技球が入球しやすくなり、特典として当該第2始動口に遊技球が入球することによって賞球を払い出す構成を採用してもよい。
B6−11.変形例11:
上記実施形態において、第1始動口用遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報、または、第1始動口用遊技回の残時間に関する情報(残時間RT)を取得し、当該経過時間情報に基づいて、当該経過時間情報の取得対象である第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回に対応する演出を設定する構成であれば、他の構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用遊技回の残時間に基づいて、第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回において残時間に対応する情報を表示したり、実際の第1始動口用遊技回の残時間よりも多くの時間が残時間として残っていることを示唆する演出を当該実際の残時間に基づいて実行する構成を採用してもよい。このようにしても、実行された第2始動口用遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1始動口用遊技回が実行されてからの経過時間や第1始動口用遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2始動口用遊技回に対応する演出を介して間接的に第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。
B6−12.変形例12:
上記実施形態において、特別ボーナス処理が実行されている期間中に、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄の変動を、第2始動口用遊技回において特定の小当たりに当選したことを契機として停止させる構成を採用してもよい。例えば、第2始動口用当否テーブル(図87参照)に、小当たりとして第1小当たりと、第2小当たりの2種類が設定されている構成を採用する。そして、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中に、第2始動口用遊技回が実行され、抽選結果が第2小当たりであった場合には、上記実施形態と同様に、第1始動口用遊技回の変動は停止せずに、変動が継続される。一方、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中に、第2始動口用遊技回が実行され、抽選結果が第1小当たりであった場合には、当該第2始動口用遊技回の図柄の変動が停止するタイミングで、第1始動口用遊技回の図柄の変動も停止させる。このとき、第1始動口用遊技回の図柄は外れを示す図柄で停止させる。すなわち、第1始動口用遊技回が終了し、特別ボーナス処理は終了する。また、このとき、第1始動口用遊技回の図柄は外れを示す図柄で停止するので、当該第1始動口用遊技回の終了後に、開閉実行モードは実行されず、特別ボーナス処理としての第1始動口用遊技回が終了した後のサポートモードも、低頻度サポートモードとなる。
つまり、このような構成を採用することによって、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中の第2始動口用遊技回の抽選結果が第1小当たりであった場合には、遊技者に付与される特典が、抽選結果が第1小当たりとならなかった場合と比較して減少してしまう。よって、遊技者に対して、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中であっても、緊迫感や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本変形例においても、上記実施形態と同様に、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中の第2始動口用遊技回の抽選結果が大当たりとならない構成を採用することができる。
B6−13.変形例13:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の変動中に第2始動口用遊技回が実行された場合、当該第2始動口用遊技回が大当たりに当選していた場合には大当たりに当選していないことを示す図柄で停止するように設定されているにも関わらず、小当たりに当選していた場合には小当たりに当選していることを示す図柄で停止する構成であったが、特定の小当たりに当選している場合のみ当該小当たりに当選していることを示す図柄で停止し、それ以外の小当たりに当選していたとしても小当たりに当選していないことを示す図柄で停止するように設定される構成を採用してもよい。
B6−14.変形例14:
上記実施形態においては、先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選している状態において、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合、すなわち、特別ボーナス処理が実行される場合には、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用したが、そのような構成に限らず他の構成を採用してもよい。例えば、高確率モードの状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよいし、高頻度サポートモードの状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよい。その他、先に実行された遊技回において特定の小当たりに当選していた状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよい。また、表示領域が切り替わる図柄の対象は、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄に限定されず、第1液晶用図柄と電役開放抽選用の図柄や、第2液晶用図柄と電役開放抽選用の図柄であってもよい。このようにしても、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、遊技者に種々の推測をさせ、遊技者に期待感を付与することができる。
その他、大当たりに当選した先の第1始動口用遊技回における大当たり種別に関係無く、各第1始動口用遊技回において大当りに当選した場合には、当該遊技回における大当たり種別に基づいて、メイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを実行する構成を採用してもよいし、大当たりに当選していない場合であっても、例えば、リーチが発生する遊技回において、当該遊技回の開始時にメイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを実行する構成を採用してもよい。また、これらの構成を組み合わせてもよい。組み合わせることによって、メイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを認識した遊技者に対して、開始された遊技回における種々の推測を促し、期待感を付与することができる。
B6−15.変形例15:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理が実行される期間には、特典として付与される特典の量の上限値、すなわち、小当たりに当選することができる第2始動口用遊技回の実行可能回数は、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の変動時間の長さに基づいて決定される構成であったが、特典の量の上限値が、特定の条件を満たす遊技回の変動時間の長さに基づいて決定されていれば、他の構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口に入球可能な遊技球の個数の上限値が、当該第1始動口用遊技回の変動時間の長さに基づいて決定される構成を採用してもよい。このようにしても、遊技者に対して、遊技回の終了が近づくにつれて特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、当該遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
B6−16.変形例16:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の開始時に、高頻度サポートモードフラグをONからOFFにする構成を採用したが、さらに、第1始動口用遊技回の当たり抽選を実行する前に転落抽選を実行する構成を採用してもよい。ここで転落抽選とは、抽選モードが高確率モードである場合に、低確率モードにするか否かを決定する抽選である。本変形例においては、転落抽選は、遊技回における当たり抽選の前に実行する。既に高頻度サポートモードにおいて遊技回が100回以上実行された後である場合には、第1始動口用遊技回において転落抽選に当選すると、当該遊技回の開始時に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになる。
このような構成を採用すると、先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選しており、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選すれば特別ボーナス処理が実行される状態であって、かつ、既に高頻度サポートモードにおいて遊技回が100回以上実行されている状態において、第1始動口用遊技回が開始されたと同時にサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した場合には、遊技者に対して、大当たりに当選して特別ボーナス処理が開始されたことに起因してサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したのか、転落抽選に当選して高確率モードから低確率モードに移行したことに起因してサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したのかといった推測をさせることができ、遊技者に大きな緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
B6−17.変形例17:
上記実施形態において、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該遊技回において、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別に関する情報を示唆する演出を実行してもよい。すなわち、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において実行する演出を、当該第1始動口用遊技回よりも先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たりの種別に基づいて決定する。
例えば、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に一つ前に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が特定確変大当たりであったことを示唆する演出を実行した場合、現在実行中である第1始動口用遊技回は、特別ボーナス処理が実行される対象である遊技回であることを遊技者に認識させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。その他、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が特定確変大当たりであった場合に、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回において、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が、特定確変大当たりであったのか、または、通常大当たりであったのかを遊技者に推測させるような演出を実行してもよい。このような演出を実行することによって、遊技者に対して、現在実行中である第1始動口用遊技回は、特別ボーナス処理が実行される対象である遊技回であるのか否かを推測させることができ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
B6−18.変形例18:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理の開始時に、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える構成を採用した。具体的には、高確高頻度変動時間情報取得処理(図104:S21305)から、高確低頻度時変動時間取得処理(図104:S21306)に処理を移行し、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回に対して設定される変動時間の平均値が、特別ボーナス処理が実行される前に第2始動口用遊技回に対して設定される変動時間の平均値より短くなる構成であったが、さらに、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を複数種類有する構成を採用してもよい。
具体的には、高確低頻度時変動時間取得処理(図107参照)において、小当たりであった場合に選択される高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを複数種類備える。各高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルは、第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が互いに異なる。例えば、第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブル、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブル、第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを備える。第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの方が第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルよりも第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が短く、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの方が第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルよりも第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が短い。そして、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合には、当該小当たりとなる第2始動口用遊技回における変動時間を設定するための変動時間テーブルは、当該特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別や、変動時間など、当該第1始動口用遊技回において取得された所定のパラメーター(大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS)に基づいて決定する。
例えば、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が、10R確変大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。また、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が10R特定確変大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。さらに、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が8R通常大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。
このような構成を採用すると、選択される高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの種類によって、特別ボーナス処理が実行されている期間中の第2始動口用遊技回の実行回数の上限値が異なることとなる。よって、特別ボーナス処理が開始されたことに対する期待感とは別に、遊技者に対して、特別ボーナス処理期間中の第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法について期待感を付与することができる。
B6−19.変形例19:
上記実施形態において、特別ボーナス処理の開始時には、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなり、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへと移行する。高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなった時点から、電動役物44aの動作が低頻度サポートモードの動作態様で動作する時点までの期間(以下、サポートモード移行期間とも呼ぶ)における電動役物44aの動作の態様は、種々の態様を採用することができる。例えば、上記実施形態の場合、高頻度サポートモード中における1回の電役開放当選で電動役物44aが3回開閉動作を実行する。1回の電役開放当選に対する電動役物44aの開閉回数は第2ラウンドカウンタエリアRC2(図115:電役開閉処理参照)の値によって決定される。すなわち、上記実施形態においては、高頻度サポートモード中に電役開放抽選に当選すると第2ラウンドカウンタエリアRC2に値「3」が設定される。
上記実施形態の電役開閉処理(図115)の処理態様の場合、仮に高頻度サポートモードでの3回の電動役物44aの開放動作が実行されている途中に、高頻度サポートモードフラグがOFFとなった場合、残りの開閉回数分は、低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で開閉処理が実行される。例えば、高頻度サポートモード中に電役開放抽選に当選して、電動役物44aが1回開閉動作をした時点で、高頻度サポートモードフラグがOFFとなった場合、残りの開放回数(以下、残開放回数とも呼ぶ)2回分の電動役物44aの開放動作は、開放時間が低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で実行される。以下、サポートモード移行期間における電動役物44aのこのような動作態様を第1動作態様とも呼ぶ。すなわち、高頻度サポートモードフラグがOFFになった時点で、残開放回数が「0」ではない場合に、残開放回数分の電動役物44aの開放動作を、開放時間が低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で実行する。この場合、高頻度サポートモードフラグがOFFとなったと同時、または直後に、電動役物44aの動作が急に変更される。したがって、電動役物44aの動作が急に変更されたことを認識した遊技者は、特別ボーナス処理が開始されたことを認識し、すぐに右打ちを開始する。
しかし上記実施形態の構成に限らず、例えば、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなった時点で、残開放回数すなわち第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」ではない場合、残開放回数分の電動役物44aの動作を、高頻度サポートモードが設定されている場合の開放時間で実行する構成を採用してもよい。以下、サポートモード移行期間における電動役物44aのこのような動作態様を第2動作態様とも呼ぶ。このようにすることで、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになっても、電動役物44aの動作が急に変更されることがなく、遊技者に、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになったことを認識させるまでの時間を遅らせることができ、その結果、特別ボーナス処理が開始されたことを遊技者に認識させるまでの時間を遅らせることができる。よって、特別ボーナス処理が開始されてから遊技者が右打ちを開始するまでの時間を遅らせることができる。結果として、特別ボーナス処理によって遊技者が得ることができる特典の量を抑制(減少)させることができる。なお、特別ボーナス処理によって遊技者が得ることができる特典の量は減少するが、特別ボーナス処理の開始後も、電動役物44aの残回数分は高頻度サポートモードにおける開放時間で開閉処理を実行するので、第1始動口44に遊技球を入球させることによって遊技者は特典を得ることができる。
さらに、上記実施形態の構成と、本変形例に示した構成を組み合わせてもよい。すなわち、電動役物44aがサポートモード移行期間において第1動作態様で動作する場合と、第2動作態様で動作する場合がある。例えば、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させるか、または、第2動作態様で動作させるかを決定してもよい。より具体的には、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別が10R確変大当たり、または、10R特定確変大当たりの場合には、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させ、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別が8R通常大当たりの場合には、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第2動作態様で動作させるなどの構成を採用してもよい。このように、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様を制御することによって、特別ボーナス処理期間において、遊技者が取得することができる特典の量を制御することができる。
その他、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様として、第1動作態様、第2動作態様の他に、さらに異なる動作態様を実行可能であるとしてもよい。そして、例えば、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させるか、第2動作態様で動作させるか、または、他の動作態様で動作させるのかを決定する構成を採用してもよい。このように、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様を制御することによって、特別ボーナス処理期間において、遊技者が取得することができる特典の量を制御することができる。さらに、サポートモード移行期間における電動役物44aを認識した遊技者に対して種々の推測をさせ、遊技者に期待感を付与することができる。
C.第3実施形態:
C1.遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図133は、第3実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサ25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサ25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。また、以降の説明においては、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球が発射され、遊技球が遊技盤の正面視左側に流れるとともに遊技盤の左側を流下する場合を、遊技者が「左打ち」をすると表現する場合がある。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサ25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサ25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図134は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、スルーゲート35、特図始動口51、特電始動口52、普通電動役物53、第1可変入賞装置54、第2可変入賞装置55が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
特図始動口51は、遊技球が入球可能な入球口である。特図始動口51は、遊技盤30の中央の下部に設けられている。本実施形態では、特図始動口51に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第1可変入賞装置54は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口54aと、当該第1大入賞口54aを開閉する第1開閉扉54bとを備えている。第1開閉扉54bは、通常は遊技球が第1大入賞口54aに入球できない閉鎖状態となっている。特図始動口51に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第1可変入賞装置54の第1大入賞口54aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
スルーゲート35は、普通電動役物53を動作させるための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物53は、所定の態様で動作する電役開放状態へと移行する。なお、スルーゲート35を通過した遊技球は、最大4つまで保留される。
普通電動役物53は、可動片53aと、可動片53aに配置される凸部53b、および、可動片駆動部53cとを備える。以下、普通電動役物53の動作態様について説明する。
図135は、普通電動役物53の動作態様を説明する説明図である。図135(a)には、閉鎖状態の普通電動役物53を示した。遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選において電役開放に当選すると、図135(b)に示すように、可動片53aが遊技盤30の手前側に向かって突出(以下、開放とも呼ぶ)する。図135(c)に示すように、突出した可動片53aは遊技球が特電始動口52に入球するのを補助する。また、可動片53aの上面には凸部53bが配置されており、可動片53aの上面を流通する遊技球の速度を調整する。
特電始動口52は、遊技球が入球可能な入球口である。特電始動口52は、遊技盤30の中央の特図始動口51より下方に設けられている。特電始動口52に遊技球が入球すると所定の動作パターンで第2可変入賞装置55が作動する。特電始動口52に遊技球が入球した場合における第2可変入賞装置55の動作パターンについては後述する。また、本実施形態では、特電始動口52に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出される。
第2可変入賞装置55は、遊技盤30の背面側へと通じる第2大入賞口55aと、当該第2大入賞口55aを開閉する第2開閉扉55bとを備えている。第2開閉扉55bは、通常は遊技球が第2大入賞口55aに入球できない閉鎖状態となっている。特電始動口52に遊技球が入球すると、主制御装置60は、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bの開閉処理を実行する。具体的には、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bは、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第2可変入賞装置55の第2大入賞口55aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、特別図柄表示部37aを備えている。特別図柄表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
特別図柄表示部37aは特別図柄を表示するための表示部である。特別図柄とは、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。特別図柄表示部37aは、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、特別図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、特別図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した特別図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、特別図柄表示部37aに隣接した位置に、LEDランプからなる保留表示部37cを備えている。
保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、特図始動口51の保留個数を表示する。本実施形態では、特図始動口51に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35を遊技球が通過したことを契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が第1大入賞口54aに入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉54bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図136は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図136(a)は、液晶表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄に対応した図柄である。
図136(a)に示すように、液晶表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図136(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、液晶用図柄の画像が表示される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図136(a)に示した液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図136(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、特図始動口51に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図136(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、保留表示領域Dsが表示される。保留表示領域Dsには、特図始動口51への入球に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、特図始動口51に入球した遊技球の保留個数は、最大4つまでである。
また、図136(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う同期表示部Syncを備える。具体的には、特別図柄表示部37aが変動表示をしている場合には同期表示部Syncは点滅表示をし、特別図柄表示部37aが停止表示をしている場合には同期表示部Syncは点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、同期表示部Syncを表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
C2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図137は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、スルーゲート35、特図始動口51、特電始動口52、第1可変入賞装置54、第2可変入賞装置55などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bを開閉動作させる第1可変入賞駆動部54cと、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bを開閉動作させる第2可変入賞駆動部55cと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉54bが開閉されるように第1可変入賞駆動部54cの駆動制御を実行する。また、特電始動口52に遊技球が入球したことを検知した場合には、第2開閉扉55bが開閉されるように第2可変入賞駆動部55cの駆動制御を実行する。さらに、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物53が動作(開放)するように普通電動役物駆動部53cの駆動制御を実行する。また、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における特別図柄表示部37aの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、特図始動口51への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、特電始動口52への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1大入賞口54aおよび第2大入賞口55aへの遊技球の入球を特定した場合には15個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサ25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサ25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサ25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図138は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の特別図柄表示部37a並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、普通電動役物53を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、保留エリアRaが設けられている。本実施形態では、特図始動口51に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。
保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
なお、以降の説明において、特図始動口51への遊技球の入球を契機として実行される遊技を遊技回と呼ぶ。遊技回とは、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報としての大当たり乱数カウンタC1についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報(大当たり乱数カウンタC1)についての当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別情報(大当たり乱数カウンタC1)を取得すると、1遊技回毎に、特別図柄表示部37aにおいて、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報(大当たり乱数カウンタC1)の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別情報(大当たり乱数カウンタC1)を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。なお、特別情報には、大当たり乱数カウンタC1に限らず、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSが含まれる。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、特別図柄表示部37aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図136(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、特別図柄表示部37aにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。特別図柄表示部37aにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物53を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜461であれば、普通電動役物53を開放状態に制御し、C4=462〜465であれば、普通電動役物53を閉鎖状態に維持する。
なお、上述したように、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値及び電動役物開放カウンタC4の値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値およびリーチ乱数カウンタC3の値を保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。具体的には、パチンコ機10は、特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の2つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図139は、特図始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図139(a)は特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図139(b)は特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図139(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図139(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における第1可変入賞装置54への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。
上記の(1)から(3)のほか、当選した場合に特定の処理の実行を伴う大当たりを設定することもできる。本実施形態においても、大当たりに当選した場合に、ラウンド遊技としての特典以外に遊技者に特典を付与する大当たりが設定されている。本実施形態においては、ラウンド遊技としての特典以外に遊技者に付与する特典を「特別ボーナス」とも呼ぶ。特別ボーナスの詳細は後述する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図140は、特図始動口用の振分テーブルの内容を示す説明図である。特図始動口用の振分テーブルは、特図始動口51への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図140に示すように、特図始動口用の振分テーブルには、特図始動口51への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、16R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。16R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、8R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。8R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。但し、8R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は50回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が50回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
特図始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜7」が16R確変大当たりに対応し、「7〜19」が8R確変大当たりに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりに対応するように設定されている。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の普通電動役物53のサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、普通電動役物53が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物53の1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり普通電動役物53の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも特電始動口52への遊技球の入球が発生する確率が高くなり、遊技球が特電始動口52へ入球しやすくなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特電始動口52への遊技球の入球を補助する手段として機能する。
図141は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図141(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図141(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜456の4個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、普通電動役物53が1回開放し、その開放時間は0.5秒である。
図141(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図141(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜463の464個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として464〜465の2個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、232/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、普通電動役物53が1回開放し、その開放時間は1.0秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも特電始動口52への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
C3.遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図142を用いて説明をする。
図142は、遊技者が遊技を実行した場合にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。本タイムチャートには、遊技回、開閉実行モードフラグ、開閉処理期間フラグ、高頻度サポートモードフラグ、高確率モードフラグおよび第1開閉扉の各状態を示した。遊技回は、特図始動口51への遊技球の入球によって実行される。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行を特定するためのフラグであり、開閉実行モードが実行される場合にONとなり、開閉実行モードが終了する場合にOFFとなる。開閉処理期間フラグは、開閉実行モードが開始され、実際に第1開閉扉54bを所定の開閉パターンで開閉処理を行う場合にONとなり、開閉処理が終了する場合にOFFとなる。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する場合にONとなり、サポートモードが低頻度サポートモードと移行する場合にOFFとなる。高確率モードフラグは、抽選モードが高確率モードに移行する場合にONとなり、抽選モードが低確率モードに移行する場合にOFFとなる。第1開閉扉54bは、ラウンド遊技中に開閉処理が実行される。
遊技者は遊技を開始すると、操作ハンドル25を操作することによって遊技盤30に遊技球を発射させ、特図始動口51に遊技球を入球させる。特図始動口51に遊技球が入球するとパチンコ機10によって遊技回が実行される。図示した遊技回U1および遊技回U2は、当たり抽選において「外れ」となった遊技回を示している。時刻T1から開始された遊技回U3は、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回を示している。遊技回U3においては、リーチ演出が実行された後、当たり抽選の抽選結果として大当たりに当選していることが遊技者に報知される。図142に示した例では、遊技回U3において8R確変大当たりに当選している。
時刻T2において8R確変大当たりに当選した遊技回U3が終了すると、開閉実行モードフラグがOFFからONとなる。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回U3の終了後に、開閉実行モードが開始される。
時刻T2において開閉実行モードが開始され、時刻T3から開閉処理期間フラグがONとなり、第1開閉扉54bの開閉処理が実行される。本実施形態においては、開閉実行モードが開始されてから、開閉処理期間が開始されるまでの期間、すなわち実際に第1可変入賞装置54の開閉扉が開閉動作を行うまでの期間をオープニング期間と呼ぶ。すなわち、時刻T2から時刻T3までがオープニング期間である。オープニング期間においては演出(以下、オープニング演出とも呼ぶ)が実行される。本実施形態においては、オープニング演出として、第1開閉扉54bが開閉するラウンド遊技が開始されることを示唆する演出が実行される。オープニング期間の終了後、時刻T3から、第1開閉扉54bの開閉処理を行うラウンド遊技が開始され、第1開閉扉54bが開閉動作を行い、遊技球が第1大入賞口54aに入球可能な状態となる。ラウンド遊技が実行されると、遊技者は第1開閉扉54bに遊技球を容易に入球させ賞球を得ることができる。すなわち、ラウンド遊技は大当たりに当選したことに起因する特典として位置付けられる。
その後、開閉処理期間フラグがOFFとなりラウンド遊技が終了する。開閉処理期間フラグがOFFになった後、時刻T4において、開閉実行モードフラグがOFFになる。本実施形態においては、開閉処理期間フラグがOFFになってから、開閉実行モードフラグがOFFになるまでの期間をエンディング期間と呼ぶ。エンディング期間においては演出(以下、エンディング演出とも呼ぶ)が実行される。本実施形態においては、エンディング演出として、開閉実行モードが終了することを示唆する演出が実行される。
遊技回U3における当たり抽選においては8R確変大当たりに当選しているため、時刻T4から、高頻度サポートモードフラグがONとなり、また、高確率モードフラグがONとなる。すなわち、時刻T4から実行される遊技回の抽選モードは高確率モードである。本例においては図示するように、時刻T4から当たり抽選において「外れ」である遊技回が複数回(遊技回U4〜遊技回U7)実行された後、時刻T5から、当たり抽選に当選した遊技回U8が実行される。本例においては、遊技回U8における当たり抽選において8R確変大当たりに当選している。
時刻T6において8R確変大当たりに当選した遊技回U8が終了すると、開閉実行モードフラグがOFFからONとなる。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回U8の終了後に、開閉実行モードが開始される。また、時刻T6において、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなる。しかしながら、本実施形態におけるパチンコ機10は、時刻T6において高確率モードフラグはONからOFFには切り替わらない。すなわち、時刻T6から、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態となる。高確率モードかつ低頻度サポートモードの状態は、高確率モードであることが外部から認識しにくい状態であることから潜伏確変状態とも呼ぶ。そして、高確率モードフラグは、開閉処理期間フラグがOFFからONとなる時刻T7においてONからOFFとなる。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10においては、オープニング期間、より具体的には、大当たりとなった遊技回の終了時からラウンド遊技が開始されるまでの期間に、潜伏確変状態に移行する場合がある。本実施形態において潜伏確変状態に移行するのは、高確率モードある状態で大当たりに当選し、当該大当たりに当選した遊技回(本例では遊技回U8)が終了した後のオープニング期間が開始された場合である。図142の最下部に示したように、本実施形態においては、潜伏確変状態であるオープニング期間を「特定期間」とも呼ぶ。また、特定期間以外の期間を「非特定期間」とも呼ぶ。本実施形態においては、特定期間において特定の処理(以下、特定処理とも呼ぶ)を実行する。特定期間に実行する特定処理の詳細は後述する。なお、本実施形態において「非特定期間」は、潜伏確変状態ではないオープニング期間、および、オープニング期間以外の期間のいずれをも含めた意味で用いるが、「非特定期間」をオープニング期間のうち潜伏確変状態ではないオープニング期間のみを意味するものとして用いてもよい。
時刻T7からは、高確率モードフラグはONからOFFとなるため、潜伏確変状態は終了する。そして、時刻T7から、開閉処理期間フラグがOFFからONとなり、第1開閉扉54bが開閉動作を行うラウンド遊技が開始される。
ラウンド遊技の終了後、時刻T8から高頻度サポートモードはOFFからONとなり、また、高確率モードフラグもOFFからONとなり、新たな遊技回(遊技回U9や遊技回U10)が開始される。
次に特定期間に実行する特定処理について説明する。先に、比較例として非特定期間における処理を説明した後に、特定期間における処理について説明する。
図143は、非特定期間にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。本タイムチャートには、高頻度サポートモードフラグ、高確率モードフラグ、スルーゲート35の遊技球の通過の有無、普通電動役物53の動作、特電始動口52への遊技球の入球の有無、および、第2開閉扉55bの開閉動作について示した。
本説明においては、図示するように、高確率モードフラグがONであり、高頻度サポートモードフラグがONである場合、すなわち、高確率モードかつ高頻度サポートモードの状態の非特定期間における処理について説明する。
時刻T11においてスルーゲート35に遊技球が入球すると、主制御装置60において電役開放抽選が実行される。電役開放抽選において開放当選した場合、スルーゲート35への遊技球の入球から2.0秒後の時刻T12に普通電動役物53が動作(開放)し、1.0秒間、開放状態を維持し、特電始動口52への遊技球の入球を補助する。なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードの場合、スルーゲート35に遊技球が入球してから2.0秒後に普通電動役物53が1.0秒間開放する。低頻度サポートモードの場合には、スルーゲート35に遊技球が入球してから3.0秒後に普通電動役物53が0.5秒間開放する。
時刻T12において普通電動役物53が開放状態となり、特電始動口52に遊技球が入球しやすい状態となり、時刻T13において特電始動口52に遊技球が入球すると、特電始動口52の遊技球の入球から10秒後である時刻T17に第2開閉扉55bが開放される。第2開閉扉55bは、5秒間の経過または1個の遊技球の第2大入賞口55aへの入球を条件として閉鎖される。本実施形態においては、第2大入賞口55aに遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、本実施形態においては、特電始動口52には遊技球の入球が保留されない。すなわち、特電始動口52に遊技球が入球してから当該入球を契機として第2開閉扉55bの開放動作が終了するまでの間に、新たに遊技球が特電始動口52に入球したとしても、当該遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開放動作は実行されない。なお、特電始動口52に遊技球が入球したことによる賞球として1個の遊技球の払い出しは行われる。
次に特定期間に実行する特定処理について説明する。
図144は、特定期間にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。上述のように、特定期間においては潜伏確変状態である。従って、図示するように、高頻度サポートモードフラグはOFFであり、高確率モードフラグはONである。本例において説明する特定期間は、図142における時刻T6から時刻T7の間の期間に相当する。すなわち、高確率モードの状態で当たり抽選に当選し、当該大当たりに当選した遊技回が終了した後の開閉実行モードが開始された時から、開閉処理期間(ラウンド遊技が実行される期間)が開始されるまでの間の期間である。
特定期間の時刻T21においてスルーゲート35に遊技球が入球すると、主制御装置60において電役開放抽選が実行される。電役開放抽選において開放当選した場合、スルーゲート35への遊技球の入球から3.0秒後の時刻T22に普通電動役物53が動作(開放)し、0.5秒間、開放状態を維持し、特電始動口52への遊技球の入球を補助する。特定期間は潜伏確変状態であり、サポートモードは低頻度サポートモードであるため、上述のようにスルーゲート35に遊技球が入球してから3.0秒後に普通電動役物53が0.5秒間開放する。
時刻T22において普通電動役物53が開放状態となり、特電始動口52に遊技球が入球しやすい状態となり、時刻T23において特電始動口52に遊技球が入球すると、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後である時刻T24に第2開閉扉55bが開放される。図143の比較例である非特定期間においては、特電始動口52の遊技球の入球から10秒後に第2開閉扉55bが開放されるのに対し、特定期間においては、特電始動口52の遊技球の入球から0.5秒後に第2開閉扉55bが開放される。本実施形態におけるパチンコ機10が行う処理において、非特定期間の処理と特定期間の処理との大きな違いは、特電始動口52の遊技球から第2開閉扉55bが開放するまでの時間である。
特定期間においては、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後である時刻T24に第2開閉扉55bが開放されるので、特電始動口52が遊技球の入球を保留しなくても、次に特電始動口52に遊技球が入球したときには既に一つ前の特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作は終了している可能性が高く、当該次の特電始動口52への遊技球の入球によって第2開閉扉55bが開放される可能性が高い。すなわち、特定期間においては、非特定期間と比較して、単位時間当たりに第2開閉扉55bの開閉動作が実行される回数が多く、遊技者に賞球としての遊技球が非特定期間よりも多く払い出される。この特定期間における第2開閉扉55bの開閉動作による遊技者への遊技球の払い出しは、大当たりに当選したことに起因する特典として位置付けられる。
特定期間において、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後に第2開閉扉55bが開放される処理が特定処理であり、特定期間に遊技者に付与される特典を特別ボーナスとも呼ぶ。特定期間の時間的長さが長いほど、特電始動口52への遊技球の入球を契機として第2開閉扉55bが開放される回数が多くなる可能性が高く、その結果、遊技者に付与される特別ボーナスの量も多くなる。本実施形態におけるパチンコ機10においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとに特定期間の長さが設定されており、設定されている各特定期間の長さは各々異なる。本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合には特定期間は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合には特定期間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合には特定期間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。
なお、変形例として、大当たり種別にかかわらず、特定期間の長さを一定に設定する構成を採用してもよいし、大当たり種別が確変大当たりか通常大当たりかによって特定期間の長さを設定する構成を採用してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10における主制御装置60は、特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bを開放させるまでの時間の制御を、特定期間であるか否か、すなわち、潜伏確変状態であるか否かの判定によって行っている。より具体的には、高確率モードフラグの状態と高頻度サポートモードフラグの状態とに基づいて、特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bを開放させるまでの時間の制御を行っている。
このように、大当たりに当選した場合に、特典としてのラウンド遊技を実行することに加え、ラウンド遊技の前のオープニング期間に特典としての特別ボーナスを付与することによって、遊技者に、高確率モード状態時における大当たり当選に対するより一層の期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、オープニング期間のうち、潜伏確変状態である特定期間においては、特定期間専用の演出(特別ボーナス用演出とも呼ぶ)が実行される。従って、特別ボーナスが付与されている期間に遊技者に対して優越感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
C4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図145は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS30101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップS30102に進む。
ステップS30102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30103に進む。
ステップS30103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図152)において、その値を更新する。
ステップS30104では、特図始動口51への入球に伴う特図始動口用の入球処理を実行する。ステップS30104の特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS30104を実行した後、ステップS30105に進む。
ステップS30105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップS30105におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップS30105を実行した後、ステップS30106に進む。
ステップS30106では、特電始動口用の入球処理を実行する。ステップS30106における特電始動口用の入球処理の詳細は後述する。ステップS30106を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、特図始動口用の入球処理について説明する。特図始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図145:S30104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図146は、特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS30201では、遊技球が特図始動口51に入球(始動入賞)したか否かを、特図始動口51に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS30201において、遊技球が特図始動口51に入球したと判定した場合には(S30201:YES)、ステップS30202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30203に進む。一方、ステップS30201において、遊技球が特図始動口51に入球していないと判定した場合には(S30201:NO)、そのまま特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップS30203では、特図始動口51に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS30204に進む。
ステップS30204では、保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS30204において、始動保留個数RaNが上限値未満でない場合には(S30204:NO)、本特図始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS30204において、始動保留個数RaNが上限値未満である場合には(S30204:YES)、ステップS30205に進み、始動保留個数RaNに1を加算した後、ステップS30206に進む。
ステップS30206では、ステップS30103(図145)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図152)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS30205において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。ステップS30206を実行した後、ステップS30207に進む。
ステップS30207では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS30207を実行した後、ステップS30208に進む。
ステップS30208では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、特図始動口51への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、特図始動口51への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS30208を実行した後、特図始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、特図始動口用の入球処理のサブルーチン(図146:S30207)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図147は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS30301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップS30301を実行した後、ステップS30302に進む。
ステップS30302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップS30302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図147:S30301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図148は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30401では、特図始動口用の入球処理(図146)における特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップS30402に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に実行される当たり抽選の抽選結果を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS30402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S30402:YES)、ステップS30403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS30405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS30402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S30402:NO)、ステップS30404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS30405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S30405:YES)、ステップS30406に進み、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップS30407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、特図始動口用振分テーブルを参照し、大当たり種別カウンタC2の値と照合することによって、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2に対応する大当たり種別を特定する。ステップS30407を実行した後、ステップS30408に進む。
ステップS30408では、振分テーブルを参照した結果、特定された大当たり種別を大当たり情報として先判定処理結果記憶エリア64fに記憶する。その後、先判定処理を終了する。
一方、ステップS30405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S30405:NO)、ステップS30409に進み、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップS30410に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS30411に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS30411において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S30411:YES)、ステップS30412に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS30411において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S30411:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図147:S30302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図149は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップS30501では、特図始動口用の入球処理(図146)における特図始動口への入球によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS30502に進む。
ステップS30502では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(S30502:YES)、ステップS30503に進む。
ステップS30503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップS30503を実行した後、ステップS30507に進む。
ステップS30507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30502において、当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップS30502:NO)、ステップS30504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップS30504において、リーチが発生すると判定した場合には(S30504:YES)、ステップS30505に進む。
ステップS30505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップS30504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップS30504:NO)、ステップS30506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS30507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの始動保留個数RaNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図145:ステップS30105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図150は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS30601では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップS30601において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S30601:YES)、ステップS30602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS30601において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S30601:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS30602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S30602:YES)、ステップS30603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS30604に進む。
ステップS30604では、ステップS30103(図145)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS30602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S30602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<特電始動口用の入球処理>
次に、特電始動口用の入球処理について説明する。特電始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図145:ステップS30106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図151は、特電始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS30701では、遊技球が特電始動口52に入球したか否かを、特電始動口52に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS30701において、遊技球が特電始動口52に入球したと判定した場合には(S30701:YES)、ステップS30702に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS30703に進む。一方、ステップS30701において、遊技球が特電始動口52に入球していないと判定した場合には(S30701:NO)、そのまま特電始動口用の入球処理を終了する。
ステップS30703では、特電作動フラグがONであるか否かを判定する。特電作動フラグは、特電始動口52に遊技球が入球した場合にONになり、特電始動口52に遊技球が入球したことを契機とする第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bの開閉動作が終了した場合にOFFとなるフラグである。本実施形態におけるパチンコ機10においては、特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作が終了していない状態で、次の特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作が実行されることを回避するために、特電作動フラグが設けられている。
ステップS30703において、特電作動フラグがONではないと判定した場合には(S30703:NO)、ステップS30704に進む。一方、ステップS30703において、特電作動フラグがONであると判定した場合には(S30703:YES)、そのまま特電始動口用の入球処理を終了する。
ステップS30704では、特電作動フラグをONにする。ステップS30704を実行した後、ステップS30705に進む。
ステップS30705では、特電始動口入球コマンドを設定する。特電始動口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、特電始動口入球コマンドを受信すると、特電始動口52に遊技球が入球したことを遊技者に報知する演出を実行する。
ステップS30705を実行した後、特電始動口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図152は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS30801では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS30802に進む。
ステップS30802では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップS30803に進む。
ステップS30803では、ステップS30802において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS30803を実行した後、ステップS30804に進む。
ステップS30804では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップS30805に進む。
ステップS30805では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS30806に進む。ステップS30806では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、特別図柄表示部37aの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS30806を実行した後、ステップS30807に進む。
ステップS30807では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS30808に進む。
ステップS30808では、普通電動役物53を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、可動片53aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS30809に進む。
ステップS30809では、第2大入賞口用処理を実行する。第2大入賞口用処理は、特電始動口52に遊技球が入球したことを契機として第2開閉扉55bを開閉動作させるための処理である。第2大入賞口用処理の詳細は後述する。ステップS30809を実行した後、ステップS30810に進む。
ステップS30810では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS30803のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS30810において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S30810:NO)、ステップS30811及びステップS30812において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS30811において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップS30812において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップS30810において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S30810:YES)、ステップS30803に戻り、ステップS30803からステップS30809までの各処理を実行する。
なお、ステップS30803からステップS30809の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図152:S30806)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図153は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS30901では、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始時にONにされ、開閉実行モードの終了時にOFFにされるフラグである。
ステップS30901において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S30901:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップS30902以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、特図始動口51への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS30901において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S30901:NO)、ステップS30902に進む。
ステップS30902では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、特別図柄表示部37aが変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、特別図柄表示部37aの変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS30902において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S30902:NO)、ステップS30903〜ステップS30905の遊技回開始用の処理に進む。ステップS30903では、始動保留個数RaNが「0」であるか否かを判定する。始動保留個数RaNが「0」である場合とは、特図始動口51について保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS30903において、始動保留個数RaNが「0」であると判定した場合には(S30903:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30903において、始動保留個数RaNが「0」でないと判定した場合には(S30903:NO)、ステップS30904に進む。
ステップS30904では、保留エリアRaに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS30905に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS30905では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップS30905を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップS30902において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S30902:YES)、ステップS30906〜ステップS30915の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップS30906では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS30906では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図156)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS30906において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S30906:NO)、ステップS30907に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS30907を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS30906において、変動時間が経過していると判定した場合には(S30906:YES)、ステップS30908に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図155)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップS30908を実行した後、ステップS30909に進む。
ステップS30909では、いずれかの大当たりフラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップS30909において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(S30909:YES)、ステップS30910に進む。
ステップS30910では、開閉実行フラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS30909において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(S30909:NO)、ステップS30911に進む。
ステップS30911では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。ステップS30911を実行した後、ステップS30912に進む。
ステップS30912では、現在の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS30912において、抽選モードが低確率モードではないと判定した場合には(S30912:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
ステップS30912において、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S30912:YES)、ステップS30913に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0であるか否かを判定する。
ステップS30913において、遊技回数カウンタPNCの値が0ではないと判定した場合には(S30913:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。ステップS30913において、遊技回数カウンタPNCの値が0であると判定した場合には(S30913:YES)、ステップS30914に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS30915に進み、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。低頻度サポートモードコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したことを認識するとともに、低頻度サポートモードに対応した演出を実行する。ステップS30915を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図153:S30904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図154は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS31001では、第1保留エリアRaの始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS31002に進む。
ステップS31002では、保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS31003に進む。
ステップS31003では、保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS31003を実行した後、ステップS31004に進む。
ステップS31004では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。
ステップS31004において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更する。ステップS31004を実行した後、データ設定処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図153:S30905)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図155は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS31101では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグである。ステップS31101において、高確率モードであると判定した場合には(S31101:YES)、ステップS31102に進む。
ステップS31102では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、図139(b)に示す特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31104に進む。一方、ステップS31101において高確率モードではないと判定した場合には(S31101:NO)、ステップS31103に進む。
ステップS31103では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図139(a)に示す特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS31104に進む。
ステップS31104では、ステップS31102又はステップS31103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS31104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S31104:YES)、ステップS31105に進む。
ステップS31105では、特図始動口用の振分テーブル(図140)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS31105を実行した後、ステップS31106に進む。
ステップS31106では、対応する大当たり用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS31105において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31106を実行した後、ステップS31107に進む。
ステップS31107では、ステップS31105において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。その後、ステップS31110に進む。
一方、ステップS31104において、ステップS31102又はステップS31103における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S31104:NO)、ステップS31108に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS31108において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(S31108:YES)、ステップS31109に進む。
ステップS31109では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31109を実行した後、ステップS31111に進む。
ステップS31108において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31108:NO)、ステップS31110に進む。
ステップS31110では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップS31110を実行した後、ステップS31111に進む。
ステップS31111では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、特別図柄表示部37aにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS31110を実行した後、ステップS31112に進む。
ステップS31112では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が特図始動口51への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS31111で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS31112を実行した後、ステップS31113に進む。
ステップS31113では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップS31112およびステップS31113にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31113を実行後、ステップS31114に進む。
ステップS31114では、特図図柄表示部37aに図柄の変動表示を開始させる。ステップS31114を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図155:S31111)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図156は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS31201では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS31202に進む。
ステップS31202では、今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、いずれかの大当たりフラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ)がONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S31202:YES)、ステップS31203に進む。
ステップS31203では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS31207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31202において、今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選ではないと判定した場合には(S31202:NO)、ステップS31204に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS31202において今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選していない場合に本処理(S31204)を実行することから、ステップS31204においては、当たり抽選に大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S31204:YES)、ステップS31205に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS31205では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS31207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS31204において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S31204:NO)、ステップS31206に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS31207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの始動保留個数RaNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図152:S30807)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図157は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップS31301では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップS31301において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31301:NO)、ステップS31302に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップS31302において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(S31302:NO)、ステップS31303に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップS31303において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(S31303:NO)、ステップS31304に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップS31304において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(S31304:YES)、ステップS31305に進む。一方、ステップS31304において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(S31304:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31305では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップS31305を実行した後、ステップS31306に進む。
ステップS31306では、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、音声発光制御装置90に、サポートモードが低頻度サポートモードに移行したことを通知するコマンドである。ステップS31306を実行した後、ステップS31307に進む。
ステップS31307では、開閉実行モードコマンドを設定する。開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。ステップS31307を実行した後、ステップS31308に進む。
ステップS31308では、第1大入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における第1開閉扉54bの開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。具体的には、16R確変大当たりに当選した場合には、第1開閉扉54bが16回の開閉動作をする開閉パターンが設定されている。8R確変大当たりに当選した場合、および、8R通常大当たりに当選した場合には、第1開閉扉54bが8回の開閉動作をする開閉パターンが設定されている。ステップS31308を実行した後、ステップS31309に進む。
ステップS31309では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。上述したように、本実施形態のパチンコ機10においては、設定されるオープニング時間は、大当たりの種別に基づいて決定される。オープニング時間設定処理については後述する。ステップS31309を実行した後、ステップS31310に進む。
ステップS31310では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報など、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS31310を実行した後、ステップS31311に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS31303において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(S31303:YES)、ステップS31312に進む。
ステップS31312では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定されるタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31312において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(S31312:YES)、ステップS31313に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31314に進む。一方、ステップS31312においてオープニング期間が終了していないと判定した場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31314では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップS31314を実行した後、ステップS31315に進む。
ステップS31315では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップS31316に進む。
ステップS31316では、高確率モードフラグをOFFにする。図142において説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードが実行される契機となった大当たり当選した遊技回において高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグがONであった場合には、高頻度サポートモードフラグをONからOFFにするタイミングより遅れて、高確率モードフラグをOFFにする。具体的には、高頻度サポートモードフラグは、開閉実行モードの開始時にステップS31305によってONからOFFにするが、高確率モードフラグは、ステップS31312においてオープニング期間が終了したと判定した後にステップS31316においてONからOFFにする。本実施形態においては、このような処理を実行することによってオープニング期間を潜伏確変状態にし、特定期間としている。ステップS31316を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31302において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(S31302:YES)、ステップS31317に進み、第1大入賞口開閉処理を実行する。第1大入賞口開閉処理については後述する。ステップS31317を実行した後、ステップS31318に進む。
ステップS31318では、第1大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、第1大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(S31318:YES)、ステップS31319に進む。一方、ステップS31318において、第1大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(S31318:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31319では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップS31320に進む。
ステップS31320では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップS31320を実行した後、ステップS31321に進む。
ステップS31321では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間をカウントするためのタイマカウンタに所定の値(本実施形態においては5秒)を設定する。ステップS31321を実行した後、ステップS31322に進む。
ステップS31322では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図158)におけるステップS30803にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップS31322を実行した後、ステップS31323に進む。
ステップS31323では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS31301において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(S31301:YES)、ステップS31324に進む。
ステップS31324では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(S31321)において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS31324において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」であると判定した場合には(S31324:YES)、ステップS31325に進む。
ステップS31325では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップS31326に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS31326を実行した後、ステップS31327に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップS31328に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS31324において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」ではないと判定した場合には(S31324:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図157:S31309)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図158は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップS31401では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。本処理を実行するタイミングでは、ステップS31305において既に高頻度サポートモードフラグはOFFにされ低頻度サポートモードとなっている。よって、ステップS31401は、実行される開閉実行モードのオープニング期間が、低頻度サポートモードかつ高確率モードであるのか、低頻度サポートモードかつ低確率モードであるのかを判定している。換言すれば、潜伏確変状態であるか否かを判定している。
ステップS31401において、高確率モードフラグがONである、すなわち、潜伏確変状態であると判定した場合には(S31401:YES)、ステップS31402に進む。
ステップS31402では、大当たり種別に応じた特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。上述したように、本実施形態においては、潜伏確変状態であるオープニング期間は特定期間として、遊技者に特別ボーナスが付与される処理が実行される。従って、特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。上述したように、本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合にはオープニング時間(特定期間)は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合にはオープニング時間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合にはオープニング時間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。
ステップS31402を実行した後、オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップS31401において、高確率モードフラグがONではない、すなわち、潜伏確変状態ではないと判定した場合には(S31401:NO)、ステップS31403に進む。
ステップS31403では、非特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。本実施形態においては、特別ボーナスを付与しないオープニング期間に設定するオープニング時間は、大当たり種別に関わらず一定であり20秒である。すなわち、オープニング期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合、8R確変大当たりに当選した場合、8R通常大当たりに当選した場合において、オープニング時間は20秒である。ステップS31403を実行した後、オープニング時間設定処理を終了する。
<第1大入賞口開閉処理>
次に、第1大入賞口開閉処理について説明する。第1大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図157:S31317)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図159は、第1大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS31501では、第1開閉扉54bが開放中であるか否かを判定する。ステップS31501において、第1開閉扉54bが開放中ではないと判定した場合には(S31501:NO)、ステップS31502に進む。
ステップS31502では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、実行されるラウンド数をカウントするとともに、実行中のラウンドにおいて第1開閉扉54bの閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマカウンタでカウントすることによって、第1開閉扉54bを開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップS31502において、開閉シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(S31502:NO)、本第1大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS31502において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(S31502:YES)、ステップS31503に進む。
ステップS31503では、第1開閉扉54bを開放状態にする。ステップS31503を実行した後、ステップS31504に進む。
ステップS31504では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。第1開閉扉開放コマンドを受信した音声発光装置は、第1開閉扉開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第1大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS31501において、第1開閉扉54bが開放中ではないと判定した場合には(S31501:YES)、ステップS31505に進む。
ステップS31505では、第1開閉扉54bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第1開閉扉54bの閉鎖条件は、「開放状態の第1大入賞口54aに7個の遊技球が入球したこと」または「開放状態で10秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップS31505において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S31505:NO)、本第1大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS31505において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S31505:YES)、ステップS31506に進む。
ステップS31506では、第1開閉扉54bを閉鎖状態にする。ステップS31506を実行した後、ステップS31507に進む。
ステップS31507では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。第1開閉扉閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、第1開閉扉閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第1大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図157:S31326)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図160は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS31601では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たりフラグ(本実施形態においては、16R確変大当たりフラグまたは8R確変大当たりフラグ)がONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップS31601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(S31601:YES)、ステップS31602に進む。一方、ステップS31601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S31601:NO)、ステップS31607に進む。
ステップS31602では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップS31602を実行した後、ステップS31603に進む。
ステップS31603では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップS31603を実行した後、ステップS31604に進む。
ステップS31604では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップS31604を実行した後、ステップS31605に進む。
ステップS31605では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS31606に進み、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップS31601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(S31601:NO)、ステップS31607に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。ステップS31607を実行した後、ステップS31608に進む。
ステップS31608では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップS31608を実行した後、ステップS31609に進む。
ステップS31609では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS31610に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として50を設定する。ステップS31610を実行した後、ステップS31611に進む。
ステップS31611では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図152)におけるステップS30803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図152:S30808)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図161は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS31701では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、普通電動役物53を開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS31701において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S31701:NO)、ステップS31702に進む。
ステップS31702では、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS31702において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S31702:NO)、ステップS31703に進む。
ステップS31703では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS31703において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31703:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31703:YES)、ステップS31704に進む。
ステップS31704では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS31704において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S31704:YES)、ステップS31705に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS31704において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S31704:NO)、ステップS31706に進む。
ステップS31706では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS31706において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S31706:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31706において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S31706:YES)、ステップS31707に進む。
ステップS31707では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS31708に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS31707において開閉実行モードではなく(S31707:NO)、且つ、ステップS31708において高頻度サポートモードである場合には(S31708:YES)、ステップS31709に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜463であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図141(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「1000」(すなわち2.0sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS31710に進む。
ステップS31710では、ステップS31709の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31710において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S31710:YES)、ステップS31711に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップS31711を実行した後、ステップS31712に進む。
ステップS31712では、高頻度サポートモード用電役開閉シナリオ設定処理を実行する。本処理は、高頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。具体的には、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合に当選した場合には、普通電動役物53の開閉動作を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で1秒が経過することまたは特電始動口52に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが開閉パターンとして設定される。なお、ステップS31712を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS31707において開閉実行モード中ではないと判定した場合(S31707:YES)、または、ステップS31708において高頻度サポートモードではないと判定した場合(S31708:NO)には、ステップS31713に進む。
ステップS31713では、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図141(a)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「1500」(すなわち3.0sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS31714に進む。
ステップS31714では、ステップS31713の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS31714において、サポート当選でないと判定した場合には(S31714:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31714において、サポート当選であると判定した場合には(S31714:YES)、ステップS31715に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップS31715を実行した後、ステップS31716に進む。
ステップS31716では、低頻度サポートモード用電役開閉シナリオ設定処理を実行する。本処理は、低頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。具体的には、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合に当選した場合には、普通電動役物53の開閉動作を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で0.5秒が経過することまたは特電始動口52に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが開閉パターンとして設定される。なお、ステップS31716を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS31702において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S31702:YES)、ステップS31717に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS31717において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S31717:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS31717において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S31717:YES)、ステップS31718に進む。
ステップS31718では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS31719に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS31701において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S31701:YES)、ステップS31720に進み、普通電動役物53を開閉制御するための電役開閉処理を実行する。電役開閉処理の詳細は後述する。ステップS31720を実行した後、ステップS31721に進む。
ステップS31721では、電役開閉処理が終了したかを判定する。ステップS31721において、電役開閉処理が終了していないと判定した場合には(S31721:NO)、そのまま電役サポート用処理を終了する。ステップS31721において、電役開閉処理が終了したと判定した場合には(S31721:YES)、ステップS31722に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図161:S31720)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図162は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップS31801では、普通電動役物53が開放中であるか否かを判定する。ステップS31801において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(S31801:NO)、ステップS31802に進む。
ステップS31802では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放回数をカウントするとともに、普通電動役物53の閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマカウンタでカウントすることによって、普通電動役物53を開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップS31802において、開閉シナリオの開放条件が成立していないと判定した場合には(S31802:NO)、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS31802において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(S31802:YES)、ステップS31803に進む。
ステップS31803では、普通電動役物53を開放状態にする。ステップS31803を実行した後、ステップS31804に進む。
ステップS31804では、電役開放コマンドを設定する。電役開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。電役開放コマンドを受信した音声発光装置は、電役開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップS31801において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(S31801:YES)、ステップS31805に進む。
ステップS31805では、普通電動役物53の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモード時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が特電始動口52に入球したこと」または「開放状態で1秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。低頻度サポートモード時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が特電始動口52に入球したこと」または「開放状態で0.5秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップS31805において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S31805:NO)、電役開閉処理を終了する。一方、ステップS31805において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S31805:YES)、ステップS31806に進む。
ステップS31806では、普通電動役物53を閉鎖状態にする。ステップS31806を実行した後、ステップS31807に進む。
ステップS31807では、電役閉鎖コマンドを設定する。電役閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。電役閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、電役閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
<第2大入賞口用処理>
次に、第2大入賞口用処理について説明する。第2大入賞口用処理は、通常処理のサブルーチン(図152:S30809)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図163は、第2大入賞口用処理を示すフローチャートである。ステップS31901では、特電作動フラグがONであるか否かを判定する。ステップS31901において特電作動フラグがONであると判定した場合には(S31901:YES)、ステップS31902に進む。ステップS31901において特電作動フラグがONではないと判定した場合には(S31901:NO)、そのまま第2大入賞口用処理を終了する。
ステップS31902では、開閉シナリオ設定完了フラグがONであるか否かを判定する。開閉シナリオ設定完了フラグは、第2大入賞口用の開閉シナリオが設定された場合にONとなり、当該設定された開閉シナリオに従った第2大入賞口55aの開閉動作が終了した場合にOFFになるフラグである。ステップS31902において、開閉シナリオ設定完了フラグがONではないと判定した場合には(S31902:NO)、ステップS31903に進む。
ステップS31903では、第2入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する。第2入賞口用開閉シナリオ設定処理の詳細は後述する。ステップS31903を実行した後、ステップS31904に進む。
ステップS31902において、開閉シナリオ設定完了フラグがONであると判定した場合には(S31902:YES)、ステップS31903を実行せずに、ステップS31904に進む。
ステップS31904では、第2大入賞口開閉処理を実行する。第2大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS31904を実行した後、ステップS31905に進む。
ステップS31905では、第2大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップS31905において、第2大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(S31905:YES)、ステップS31906に進み、特電作動フラグをOFFにする。ステップS31906を実行した後、ステップS31907に進み、開閉シナリオ設定完了フラグをOFFにする。その後、第2大入賞口用処理を終了する。
ステップS31905において、第2大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(S31905:NO)、第2大入賞口用処理を終了する。
<第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理>
次に、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理について説明する。第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理は、第2大入賞口用処理のサブルーチン(図163:S31903)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図164は、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップS32001では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS32001において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(S32001:YES)、ステップS32002に進む。
ステップS32002では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS32002において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S32002:NO)、ステップS32003に進む。具体的には、高確率モードかつ低頻度サポートモードである場合、すなわち、潜伏確変状態である場合にステップS32003に進む。
ステップS32003では、第2大入賞口用の開閉シナリオとして特別ボーナス用開閉シナリオを設定する。特別ボーナス用開閉シナリオは、開放条件として後述する第2大入賞口開閉処理が開始されてから0.5秒後に第2開閉扉55bを開放するという条件が設定されている。また、閉鎖条件として、開放状態で1個の遊技球が第2大入賞口55aに入球した場合または開放状態で5秒間が経過した場合に閉鎖するという条件が設定されている。さらに、特別ボーナス用開閉シナリオには、第1大入賞口用の開閉処理が実行されている場合には第2大入賞口55aは開閉しないという条件が設定されている。ステップS32003を実行した後、ステップS32005に進む。
一方、ステップS32001において高確率モードフラグがONではないと判定した場合(S32001:NO)、または、ステップS32002において高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S32002:YES)、ステップS32004に進む。すなわち、潜伏確変状態ではない場合(通常状態とも呼ぶ)には、ステップS32004に進む。
ステップS32004では、第2大入賞口用の開閉シナリオとして通常用開閉シナリオを設定する。通常用開閉シナリオは、開放条件として後述する第2大入賞口開閉処理が開始されてから10秒後に第2開閉扉55bを開放するという条件が設定されている。また、閉鎖条件として、開放状態で1個の遊技球が第2大入賞口55aに入球した場合または開放状態で5秒間が経過した場合に閉鎖するという条件が設定されている。さらに、通常用開閉シナリオには、第1大入賞口用の開閉処理が実行されている場合には第2大入賞口55aは開閉しないという条件が設定されている。ステップS32004を実行した後、ステップS32005に進む。
ステップS32005では、開閉シナリオ設定完了フラグをONにする。その後、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理を終了する。
<第2大入賞口開閉処理>
次に、第2大入賞口開閉処理について説明する。第2大入賞口開閉処理は、第2大入賞口用処理のサブルーチン(図163:S31904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図165は、第2大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS32101では、第2開閉扉55bが開放中であるか否かを判定する。ステップS32101において、第2開閉扉55bが開放中ではないと判定した場合には(S32101:NO)、ステップS32102に進む。
ステップS32102では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。第2大入賞口用の開閉シナリオの開放条件の内容については図164において上述したので省略する。ステップS32102において、開閉シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(S32102:NO)、本第2大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS32102において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(S32102:YES)、ステップS32103に進む。
ステップS32103では、第2開閉扉55bを開放状態にする。ステップS32103を実行した後、ステップS32104に進む。
ステップS32104では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。第2開閉扉開放コマンドを受信した音声発光装置は、第2開閉扉開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第2大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップS32101において、第2開閉扉55bが開放中ではないと判定した場合には(S32101:YES)、ステップS32105に進む。
ステップS32105では、第2開閉扉55bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第2大入賞口用の開閉シナリオの閉鎖条件の内容については図164において上述したので省略する。ステップS32105において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S32105:NO)、本第2大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS32105において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S32105:YES)、ステップS32106に進む。
ステップS32106では、第2開閉扉55bを閉鎖状態にする。ステップS32106を実行した後、ステップS32107に進む。
ステップS32107では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図152:ステップS30803)において音声発光制御装置90に送信される。第2開閉扉閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、第2開閉扉閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第2大入賞口開閉処理を終了する。
C5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図166は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
C6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図167は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS32201では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップS32201を実行した後、ステップS32202に進む。
ステップS32202では、状態記憶処理を実行する。状態記憶処理は、主側MPU62から受信したコマンドに基づいて、実行中の遊技の状態をフラグを用いて記憶する処理である。フラグとして記憶された遊技の状態は、実行する演出の決定に用いられる。状態記憶処理の詳細については後述する。ステップS32202を実行した後、ステップS32203に進む。
ステップS32203では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理は、遊技回における演出を設定するための処理である。遊技回演出用処理の詳細は後述する。ステップS32203を実行した後、ステップS32204に進む。
ステップS32204では、オープニング演出用処理を実行する。オープニング演出用処理は、オープニング期間における演出を設定するための処理である。オープニング演出用処理の詳細は後述する。ステップS32204を実行した後、ステップS32205に進む。
ステップS32205では、特電始動口入球演出用処理を実行する。特電始動口入球演出用処理は、特電始動口52に遊技球が入球したときに実行する演出(以下、特電始動口入球演出とも呼ぶ)を設定するための処理である。特電始動口入球演出用処理の詳細は後述する。ステップS32205を実行した後、ステップS32206に進む。
ステップS32206では、第2開閉扉開放演出用処理を実行する。第2開閉扉開放演出用処理は、第2開閉扉55bが開放したときに実行する演出(以下、第2開閉扉開放演出とも呼ぶ)を設定するための処理である。第2開閉扉開放演出用処理の詳細は後述する。ステップS32206を実行した後、ステップS32207に進む。
ステップS32207では、その他の表示用処理を実行する。その他の表示用処理は、主側MPU62から受信した種々のコマンドに基づいて、表示に関する種々の設定等を実行する処理である。例えば、主側MPU62から保留コマンドを受信した場合に、保留表示領域Dsに表示している保留の個数を更新するための処理を行う。ステップS32207を実行した後、ステップS32208に進む。
ステップS32208では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS32203からステップS32207の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップS32203からステップS32207において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS32208を実行した後、ステップS32209に進む。
ステップS32209では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS32203からステップS32207の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップS32203からステップS32207において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS32209を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<状態記憶処理>
次に、状態記憶処理について説明する。状態記憶処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図167:S32202)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図168は、状態記憶処理を示すフローチャートである。ステップS32301では、高確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32301において、高確率モードコマンドを受信したと判定した場合には(S32301:YES)、ステップS32302に進み、音光側高確率モードフラグをONにする。その後、ステップS32303に進む。一方、ステップS32301において、高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(S32301:NO)、ステップS32302を実行せずにステップS32303に進む。
ステップS32303では、低確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32303において、低確率モードコマンドを受信したと判定した場合には(S32303:YES)、ステップS32304に進み、音光側高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS32305に進む。一方、ステップS32303において、低確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(S32303:NO)、ステップS32304を実行せずにステップS32305に進む。
ステップS32305では、高頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32305において、高頻度サポートコマンドを受信したと判定した場合には(S32305:YES)、ステップS32306に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS32307に進む。一方、ステップS32305において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S32305:NO)、ステップS32306を実行せずにステップS32307に進む。
ステップS32307では、低頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32307において、低頻度サポートモードコマンドを受信したと判定した場合には(S32307:YES)、ステップS32308に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS32309に進む。一方、ステップS32307において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(S32307:NO)、ステップS32308を実行せずにステップS32309に進む。
ステップS32309では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS32309において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(S32309:YES)、ステップS32310に進む。
ステップS32310では、音光側高頻度サポートモードフラグがOFFであるか否かを判定する。ステップS31310において、音光側高頻度サポートモードフラグがOFFであると判定した場合には(S32310:YES)、ステップS32311に進む。
ステップS32311では、潜伏確変状態フラグをONにする。潜伏確変状態フラグは、遊技の状態が潜伏確変状態であることを特定するためのフラグである。その後、状態記憶処理を終了する。
一方、ステップS32309において音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合(S32309:NO)、または、ステップS31310において音光側高頻度サポートモードフラグがOFFではない判定した場合(S32310:NO)には、ステップS32312に進む。ステップS32312では、潜伏確変状態フラグをOFFにする。その後、状態記憶処理を終了する。
本処理においては、ステップS32311およびステップS32312からわかるように、主制御装置60において制御している遊技の状態が潜伏確変状態であるか否かを、音声発光制御装置90において常に特定する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図167:S32203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図169は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップS32401では、主側MPU62から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS32401において、変動用コマンドを受信していると判定した場合には(S32401:YES)、ステップS32402に進む。
ステップS32402では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS32403に進む。
ステップS32403では、演出パターンの設定処理を実行する。当該処理は、処理対象である遊技回における演出のパターンを設定する処理である。演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップS32403を実行した後、ステップS32404に進む。
ステップS32404では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップS32404を実行した後、ステップS32405に進む。
ステップS32405では、遊技回演出コマンドを表示制御装置100に送信する。遊技回演出コマンドは、ステップS32403で設定した演出パターンおよびステップS32404で設定した停止する液晶図柄の内容を含む情報である。遊技回演出コマンドを受信した表示制御装置100は、遊技回コマンドに含まれる情報に基づいて液晶表示装置41に演出用の画像や液晶用図柄の画像を表示させる。ステップS32405を実行した後、ステップS32406に進む。
ステップS32406では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップS32408を実行した後、遊技回演出用処理を終了する。
<演出パターンの設定処理>
次に、演出パターンの設定処理について説明する。演出パターンの設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図169:S32403)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図170は、演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップS32501では、演出を設定する対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、受信した変動用コマンドに含まれる大当たりの有無に関する情報に基づいて判定する。ステップS32501において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(S32501:YES)、ステップS32502に進む。
ステップS32502では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS32502において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(S32502:YES)、ステップS32503に進む。
ステップS32503では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS32503において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S32503:YES)、ステップS32504に進む。
ステップS32504では、特別ボーナス確変大当たり用の演出パターンの設定処理を実行する。上述したように、本処理は、音光側高確率モードフラグがONであり、当該処理対象遊技回で確変大当たりに当選している場合に実行する。音光側高確率モードフラグがONであるということは、当該処理対象の遊技回が高確率モードで実行されたことを示す。すなわち、高確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態となる特定期間となり、特別ボーナスが遊技者に付与される。よって、ステップS32504では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、特別ボーナスが付与される可能性があることを示唆する内容および確変大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップS32504を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS32503において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりではない、すなわち通常大当たりであると判定した場合には(S32503:NO)、ステップS32505に進む。
ステップS32505では、特別ボーナス通常大当たり用の演出パターンの設定処理を実行する。上述したように、本処理は、音光側高確率モードフラグがONであり、当該処理対象遊技回で通常大当たりに当選している場合に実行する。上述のように、音光側高確率モードフラグがONであるということは、当該処理対象の遊技回が高確率モードで実行されたことを示す。すなわち、高確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態となる特定期間となり、特別ボーナスが遊技者に付与される。よって、ステップS32505では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、特別ボーナスが付与される可能性があることを示唆する内容および通常大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップS32505を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS32502において、音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(S32502:NO)、ステップS32506に進む。ステップS32506では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS32506において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(S32506:YES)、ステップS32507に進む。
ステップS32507では、確変大当たり用の演出パターン設定処理を実行する。本処理は、音光側高確率モードフラグがOFFであり、当該処理対象遊技回で確変大当たりに当選している場合に実行する。音光側高確率モードフラグがOFFであるということは、当該処理対象の遊技回が低確率モードで実行されたことを示す。すなわち、低確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態ではない状態(非潜伏確変状態)となる非特定期間となり、遊技者に特別ボーナスは付与されない。よって、ステップS32507では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、確変大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップS32507を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS32506において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が通常大当たりであると判定した場合には(S32506:NO)、ステップS32508に進む。
ステップS32508では、通常大当たり用の演出パターン設定処理を実行する。本処理は、音光側高確率モードフラグがOFFであり、当該処理対象遊技回で通常大当たりに当選している場合に実行する。よって、ステップS32508では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、通常大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップS32508を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップS32501において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していない(外れ)と判定した場合には(S32501:NO)、ステップS32509に進む。ステップS32509では、外れ用の演出パターン設定処理を実行する。なお、当該処理には、処理対象である遊技回の当たり抽選がリーチ(外れ)である場合に演出パターンを設定する処理も含まれる。ステップS32501を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
<オープニング演出用処理>
次に、オープニング演出用処理について説明する。オープニング演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図167:S32204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図171は、オープニング演出用処理を示すフローチャートである。ステップS32601では、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS32601において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S32601:YES)、ステップS32602に進む。
ステップS32602では、オープニング時間の読み出しを実行する。具体的には、受信したオープニングコマンドに含まれるオープニング時間に関する情報を読み出す。ステップS32602を実行した後、ステップS32603に進む。
ステップS32603では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS32603において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(S32603:YES)、ステップS32604に進む。
ステップS32604では、オープニング時間に応じた特別ボーナス用のオープニング演出パターンに設定する。具体的には、潜伏確変状態であるオープニング期間には特別ボーナスが付与されるので、オープニング演出パターンとして、特別ボーナスが付与されること示唆する内容や、特電始動口52に遊技球を入球させ第2開閉扉55bを開放させて第2大入賞口55aに遊技球を入球させることを促す内容を含む演出パターンに設定する。また、本実施形態においては、オープニング演出を実行する契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとにオープニング演出パターンが用意されており、大当たり種別に応じたオープニング演出パターンに設定する。その他、特別ボーナス用のオープニング演出として、オープニング期間の残時間をカウントダウンする演出を実行する構成を採用してもよい。また、オープニング時間が上乗せされたかのうような示唆を促す特別ボーナス用のオープニング演出を実行してもよい。具体的には、実際に設定されたオープニング時間より少ない残時間で、オープニング期間における残時間のカウントダウンを開始し、残時間が所定時間以下に達したタイミングで、残時間を増やす演出を実行する。その他、オープニング期間中に遊技者に特典として払い出した遊技球の個数をリアルタイムに表示するオープニング演出を実行してもよい。このような演出を実行することによって、遊技者に期待感を付与することができる。
このような特別ボーナス用のオープニング演出の演出パターンに設定した後、オープニング演出用処理を終了する。
ステップS32603において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(S32603:NO)、ステップS32605に進む。
ステップS32605では、オープニング時間に応じた通常用のオープニング演出パターンに設定する。具体的には、潜伏確変状態ではない通常状態であるオープニング期間には特別ボーナスは付与されないので、オープニング演出パターンとして、オープニング期間終了後にラウンド遊技が開始されることを示唆する内容を含む演出パターンに設定する。また、本実施形態においては、オープニング演出を実行する契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとにオープニング演出パターンが用意されており、大当たり種別に応じたオープニング演出パターンに設定する。その後、オープニング演出用処理を終了する。
<特電始動口入球演出用処理>
次に、特電始動口入球演出用処理について説明する。特電始動口入球演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図167:S32205)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
特電始動口入球演出用処理は、特電始動口52に遊技球が入球した場合に実行する演出の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、特定期間と、非特定期間とで、特電始動口52に遊技球が入球した場合に実行する演出が異なる。
図172は、特電始動口入球演出用処理を示すフローチャートである。ステップS32701では、特電始動口入球コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32701において、特電始動口入球コマンドを受信したと判定した場合には(S32701:YES)、ステップS32702に進む。一方、ステップS32701において、特電始動口入球コマンドを受信していないと判定した場合には(S32701:NO)、そのまま特電始動口入球演出用処理を終了する。
ステップS32702では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS32702において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(S32702:YES)、ステップS32703に進む。
ステップS32703では、特別ボーナス用の特電始動口入球演出パターンに設定する。具体的には、特電始動口52に遊技球が入球した時に実行する演出のパターンとして、すぐに(0.5秒後に)第2大入賞口55aが開放することを示唆する内容や、特典の付与を示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップS32703を実行した後、ステップS32705に進む。
一方、32702において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(S32702:NO)、ステップS32704に進む。ステップS32704では、通常用の特電始動口入球演出パターンに設定する。具体的には、特電始動口52に遊技球が入球した時に実行する演出のパターンとして、10秒後に第2大入賞口55aが開放することを示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップS32704を実行した後、ステップS32705に進む。
ステップS32705では、特電始動口入球演出用コマンドを表示制御装置100に送信する。特電始動口入球演出用コマンドには、ステップS32703またはステップS32704において設定された特電始動口入球演出の演出パターンに関する情報が含まれる。特電始動口入球演出用コマンドを受信した表示制御装置100は、設定された演出パターンに応じた映像を液晶表示装置41に表示させる。ステップS32705を実行した後、特電始動口入球演出用処理を終了する。
<第2大入賞口開放演出用処理>
次に、第2大入賞口開放演出用処理について説明する。第2大入賞口開放演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図167:S32206)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
第2大入賞口開放演出用処理は、第2大入賞口55aが開放した場合に実行する演出の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、特定期間と、非特定期間とで、第2大入賞口55aが開放した場合に実行する演出が異なる。
図173は、第2大入賞口開放演出用処理を示すフローチャートである。ステップS32801では、第2開閉扉開放コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS32801において、第2開閉扉開放コマンドを受信したと判定した場合には(S32801:YES)、ステップS32802に進む。一方、ステップS32801において、第2開閉扉開放コマンドを受信していないと判定した場合には(S32801:NO)、そのまま第2大入賞口開放演出用処理を終了する。
ステップS32802では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップS32802において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(S32802:YES)、ステップS32803に進む。
ステップS32803では、第2大入賞口開放演出パターンに設定する。具体的には、第2大入賞口55aが開放した時に実行する演出のパターンとして、第2大入賞口55aが開放したことを示唆する内容や、特典の付与を示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップS32803を実行した後、ステップS32805に進む。
一方、ステップS32802において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(S32802:NO)、ステップS32804に進む。ステップS32804では、通常用の第2大入賞口開放演出パターンに設定する。具体的には、第2大入賞口55aが開放した時に実行する演出のパターンとして、第2大入賞口55aが開放したことを示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップS32804を実行した後、ステップS32805に進む。
ステップS32805では、第2大入賞口開放演出用コマンドを表示制御装置100に送信する。第2大入賞口開放演出用コマンドには、ステップS32803またはステップS32804において設定された第2大入賞口開放演出の演出パターンに関する情報が含まれる。第2大入賞口開放演出コマンドを受信した表示制御装置100は、設定された演出パターンに応じた映像を液晶表示装置41に表示させる。ステップS32805を実行した後、第2大入賞口開放演出用処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図174は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS32901では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS32902に進む。
ステップS32902では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図175は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS33001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図176は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS33101では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図131)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S33101)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS33102では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S33101)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS33103に進む。
ステップS33103では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S33102)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS33104に進む。
ステップS33104では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S33103)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS33105に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間に、潜伏確変状態に移行するので、当該潜伏確変状態に移行することを利用して種々の処理を実行することができる。本実施形態におけるパチンコ機10においては、潜伏確変状態ではない非特定状態と、潜伏確変状態である特定期間とで、特電始動口52に遊技球が入球してから第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bが開放するまでの時間を異なる時間に設定する。すなわち潜伏確変状態か否かに基づいて、処理の態様を変更することができる。
高頻度サポートモードフラグと高確率モードフラグとを制御することによって潜伏確変状態に移行させたり、潜伏確変状態から他の状態に移行させたりすることができる。よって、オープニング期間に、高頻度サポートモードフラグを切り替えるタイミングと、高確率モードフラグを切り替えるタイミングとを制御することによって、潜伏確変状態(特定状態)の継続時間を制御することができる。換言すれば、特定期間に実行する処理の実行時間を高頻度サポートモードフラグを切り替えるタイミングと、高確率モードフラグを切り替えるタイミングとによって制御することができる。よって、簡易な処理によって、種々の処理の実行制御を行うことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、高確率モードにおいて実行された遊技回において大当たりに当選した場合に、2種類の方法によって遊技者に特典を付与する。具体的には、オープニング期間の特定期間において特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を、非特定期間より短い時間(0.5秒)にすることで特典を付与する。そして、特定期間の終了後のラウンド遊技においてさらに特典を付与する。したがって、抽選モードが高確率モードである場合には、低確率モードである場合と比較して、大当たりに当選することへの期待感に加え、大当たりに当選した後の特典の付与についても期待感を遊技者に付与することができる。
また、特典の付与方法を2種類設けることによって、特典を付与する処理の態様が切り替わったことを認識した遊技者に対して、意外性を付与することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、特定期間の長さは、当該特定期間が開始される契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別によって異なる。従って、大当たりに当選した場合に、遊技者に、より一層、大当たり種別に注目させることができる。本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合には特定期間は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合には特定期間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合には特定期間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。また、特定期間の長さを複数種類設けることによって、遊技者に特定期間の長さを推測させ、より一層の期待感や緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。換言すれば、遊技者に対して、大当たりに当選することの期待感に加え、特定期間の長さについても期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技の状態、具体的には潜伏確変状態か否か(特定状態か非特定状態か)に基づいて、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を決定している。従って、第2開閉扉55bの開放を期待する遊技者に対して、遊技の状態について注目をさせることができる。また、逆に、遊技の状態(潜伏確変状態か否か)について把握をしようとする遊技者に対して、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間に注目をさせることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、スルーゲート35への遊技球の入球→普通電動役物53が開放→特電始動口52への遊技球の入球→第2開閉扉55bの開放→第2大入賞口55aへの遊技球の入球といったように、種々の遊技の要素が関連しているので、種々の遊技要素について遊技者に注目をさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、高確率モード時に大当たりに当選した場合と、低確率モード時に大当たりに当選した場合とで、特典が付与される方法が異なる。具体的には、高確率モード時に大当たりに当選した場合には、大当たりに当選した遊技回の終了後に、特典としての特別ボーナスが付与され、その後、特典としてのラウンド遊技が付与される。低確率モード時に大当たりに当選した場合には、大当たりに当選した遊技回の終了後に、特典としてのラウンド遊技のみが付与される。よって、遊技回が実行されている際の抽選モードについて遊技者により一層の注目をさせることができる。また、遊技者が抽選モードを把握することなく大当たりに当選した遊技回が終了し特典の付与が開始された場合に、特典が付与される態様を把握することによって、大当たりに当選した遊技回における抽選モードを推測する楽しみを遊技者に提供することができる。このように、大当たりに当選した遊技回における抽選モードと、大当たりに当選した遊技回の終了後における特典を付与する処理の方法とを関連させることによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、上述のように、本実施形態のパチンコ機10は、高確率モード時に大当たりに当選した場合と、低確率モード時に大当たりに当選した場合とで、特典が付与される方法が異なる。すなわち、当該大当たりに当選した遊技回より先に実行された大当たりに当選した遊技回(以下、先当選遊技回とも呼ぶ)における大当たり種別が確変大当たりであったのか、または、通常大当たりであったのかに基づいて、その後に実行され大当たりに当選した遊技回(以下、後当選遊技回とも呼ぶ)の終了後に付与される特典の付与方法が決定される。よって大当たりに当選した場合に、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法について遊技者に期待感を付与することに加えて、その遊技回から見て後当選遊技回の終了後の特典の付与方法についても期待感を付与することができる。
また、大当たりに当選した場合に、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法について、遊技者に対して、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて推測させることができる。従って、大当たりに当選した遊技回が実行された場合には、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法の推測をさせることができ、また、その大当たりに当選した遊技回から見て後当選遊技回における特典の付与方法の推測をさせることができ、大当たりに当選した遊技回の1回の実行で、遊技者に対して種々の推測を促し、さらに、期待感を付与することができる。
また、先当選遊技回において確変大当たりに当選した場合には、当該先当選遊技回の終了後に付与される特典について遊技者に期待感を付与することができることに加え、後当選遊技回の終了後に付与される特典についても遊技者に期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間の時間であるオープニング時間は、その大当たりに当選した遊技回の抽選モード(高確率モードであるか、低確率モードであるか)に基づいて決定される。すなわち、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間の時間であるオープニング時間は、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて決定されている。よって、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間のオープニング時間の長さを、先当選遊技回における大当たり種別に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。また、そのオープニング期間が特定期間となる場合には、より一層、先当選遊技回における大当たり種別に基づいてオープニング時間について遊技者に推測を促し、特別ボーナスについて、さらなる期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間に実行するオープニング演出は、その大当たりに当選した遊技回の抽選モード(高確率モードであるか、低確率モードであるか)に基づいて決定される。すなわち、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出は、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて決定されている。よって、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出を、先当選遊技回における大当たり種別に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。逆に、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出に基づいて、遊技者に対して、先当選遊技回における大当たり種別など先当選遊技回における各種情報を推測させ、新たな遊技性を提供することができる。
C7.第3実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
C7−1.変形例1:
上記第3実施形態では、大当たりに当選した場合の大当たり種別である16R確変大当たり、および、8R確変大当たりは、抽選モードが高確率モードとなった後、次回に大当たりに当選するまで当該高確率モードが継続する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。具体的には、16R確変大当たり、および、8R確変大当たりなど、確変大当たりに当選した場合に、抽選モードが高確率モードとなった後、当該高確率モードでの遊技回の実行回数に制限がある構成を採用してもよい。
例えば、16R確変大当たり、または8R確変大当たりに当選した場合、抽選モードが高確率モードとなった後、当該高確率モードでの遊技回の実行回数が100回に達した後は、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。したがって、本例の構成の場合、高確率モードにおいて実行される遊技回の実行回数が100回に達する前に大当たりに当選した場合には、高確率モードにおいて大当りに当選しているので、当該大当たりとなった遊技回の終了後に潜伏確変状態となり、特典として特別ボーナスが付与される。しかしながら、高確率モードにおいて実行される遊技回の実行回数が100回に達した後は、抽選モードが低確率モードとなるため、大当たりに当選したとしても、当該大当たりとなった遊技回の終了後に潜伏確変状態とならず、特別ボーナスは付与されない。
このような構成を採用することによって、確変大当たりに当選し、高確率モードで遊技回が実行されている場合に、遊技者に対して、100回の遊技回が実行される前に大当たりに当選したいと強く所望させることができ、高確率モードにおける1回1回の遊技回における当たり抽選結果に強く注目させることができ、遊技者に緊迫感や期待感を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−2.変形例2:
上記第3実施形態においては、特定期間においては、普通電動役物53の開放動作中に、特電始動口52に遊技球が入球してから、第2開閉扉55bが開放するまでの時間を0.5秒に設定する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。
図177は、変形例2としての一例を説明する説明図である。図117(a)の状態から、普通電動役物53が開放して図177(b)の状態となった場合に、普通電動役物53が閉鎖するタイミングで第2開閉扉55bが開放し、図177(c)に示したように、可動片53aの上面を流通していた複数の遊技球が第2大入賞口55aに入球する構成を採用する。具体的には、可動片53aの上面を遊技球が流通する速度を凸部53bの数等で調整することによって、可動片53aの上面を複数の遊技球が同時に流通し得る構成とする。そして、1個の遊技球が特電始動口52に入球したことを契機として、普通電動役物53は閉鎖し、第2開閉扉55bは開放するが、普通電動役物53の閉鎖のタイミングと第2開閉扉55bの開放するタイミングを調整し、図177(c)に示したように、可動片53aの上面を流通していた複数の遊技球が第2大入賞口55aに入球する構成とする。第2大入賞口55aに複数の遊技球が入球した場合には、入球した遊技球の数に応じた数の遊技球が賞球として払い出される。
このような構成を採用することによって、特定期間中に、1回の特電始動口52への遊技球の入球で、多くの特典を遊技者に付与することができ、遊技者に対して特電始動口52への入球に注目させ、大きな期待感を付与することができる。
C7−3.変形例3:
上記第3実施形態においては、特定期間であるオープニング期間(特別ボーナスが付与されるオープニング期間)には、特別ボーナス用のオープニング演出を実行したが、特定期間であるオープニング期間に通常用のオープニング演出(特別ボーナスが付与されないオープニング演出)を実行する構成を採用してもよい。
このような構成を採用した場合、特定期間であるオープニング期間に通常用のオープニング演出が実行されたことを認識した遊技者は、一時的に、特別ボーナスは付与されないものと認識しているにもかかわらず、実際には特別ボーナスが付与されるので、遊技者に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−4.変形例4:
上記第3実施形態において、オープニング期間におけるオープニング時間を、潜伏確変状態である場合(特定期間である場合)と、潜伏確変状態ではない場合(特定期間ではない場合)とで、同じにしてもよい。このようにすることで、状態に応じたオープニング時間を設定する処理(オープニング時間設定処理:図158参照)を簡略化することができ、処理負担の軽減を図ることができる。
C7−5.変形例5:
上記第3実施形態においては、高確率モード時に大当たりに当選した場合、その大当たりの大当たり種別が有利であるほど、特別ボーナスが付与されるオープニング期間の時間的長さを短くする構成を採用したが、その大当たりの大当たり種別が有利であるほど、特別ボーナスが付与されるオープニング期間の時間的長さを長くする構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、高確率モード時に大当たりに当選した場合、その大当たり種別が有利な大当たり種別であることを遊技者に、より一層強く所望させ、大当たり種別について遊技者に大きな期待感を付与することができる。
C7−6.変形例6:
上記第3実施形態において、オープニング時間を決定する抽選を別に実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、特定期間の時間的長さを、遊技者が大当たり種別から推測することが困難となり、特別ボーナスが付与される場合に、特定期間の時間的長さについて遊技者に新たな期待感を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−7.変形例7:
上記第3実施形態においては、スルーゲート35に遊技球が入球した場合に、電役開放抽選を実行し、電役開放抽選において開放当選した場合に普通電動役物53を電動で開放する構成を採用したが、普通電動役物53に換えて非電動役物を備える構成を採用してもよい。この場合、スルーゲート35と当該非電動役物とが電気を用いない機械的構造によって接続されており、スルーゲート35を遊技球が通過した場合に機械的構造を介して非電動役物が動作する。このような構成を採用することによって、電役開放抽選に関連する処理を省略することができ、処理の簡略化を図ることができる。
C7−8.変形例8:
上記第3実施形態では、オープニング期間が潜伏確変状態である場合に特別ボーナスを付与し、オープニング期間が潜伏確変状態ではない場合に特別ボーナスを付与しない構成を採用したが、その逆の処理を実行する構成を採用してもよい。すなわち、オープニング期間が潜伏確変状態である場合に特別ボーナスを付与せず、オープニング期間が潜伏確変状態ではない場合に特別ボーナスを付与する構成を採用する。このような構成を採用すると、抽選モードが低確率モードである場合に大当たりに当選すると、オープニング期間において特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bの開放までの時間が0.5秒となり、特別ボーナスが付与される。通常、高確率モードである場合には大当たりに当選する確率が高いので遊技者に大きな期待感を付与することができ、低確率モードである場合には大当たりに当選する確率が低いので高確率モードである場合と比較して遊技者に期待感を付与しにくいが、本変形例の構成を採用した場合、低確率モードある場合には、大当たりに当選すると特別ボーナスが付与されるので、低確率モードである場合にも遊技者に大きな期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、この構成を採用する場合、オープニング期間フラグがON、高頻度サポートモードフラグがOFF、高確率モードフラグがOFFであることを条件として、特別ボーナスの付与を行うことで、本構成を実現することができる。
C7−9.変形例9:
上記第3実施形態において、普通電動役物53が配置される位置が第2可変入賞装置55の上部でない構成を採用してもよい。例えば、特電始動口52の上部に、いわゆる電動チューリップ型の構造で配置される構成を採用してもよい。この場合、低頻度サポートモード時に特電始動口52に遊技球が入球しにくくすることができ、過度に賞球を付与することを抑制することができる。
また、普通電動役物53を備えない構成を採用してもよい。この構成を採用した場合、構造を簡易化することができる。また、電役開放抽選の処理を省略することができるので、処理を簡易化することができる。
C7−10.変形例10:
上記第3実施形態においては、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間が、特定期間と非特定期間とで異なる構成を採用したが、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間が、特定期間と非特定期間とで同じである構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を遊技の状態によって変更する処理を省略することができ、処理を簡略化することができる。
C7−11.変形例11:
上記第3実施形態においては、潜伏確変状態(特定期間)と潜伏確変状態ではない状態(非特定期間または非潜伏確変状態とも呼ぶ)とで、特電始動口52への遊技球の入球を契機とする第2開閉扉55bの制御処理を変更したが、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで他の処理を変更する構成を採用してもよい。例えば、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで、駆動役物の動作態様を変更する構成や、出力する音声の種類を変更する構成や、普通電動役物53の開放パターンを変更する構成など、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで、処理の態様を変更する構成であればどのような構成を採用してもよい。
C7−12.変形例12:
上記第3実施形態において、潜伏確変状態となる確変大当たり(以下、潜伏確変大当たりとも呼ぶ)を、大当たり種別として有する構成を採用してもよい。すなわち、当該潜伏確変大当たりに当選した場合には、その後の遊技回において、高確率モードかつ低頻度サポートモードとなる。よって、遊技者は、抽選モードが高確率モードであることを認識しにくい。従って、次に大当たりに当選した場合に、特別ボーナスが付与されるが、遊技者は特別ボーナスが付与されることを予期していないので、特別ボーナスの付与が開始されると、遊技者に意外性を付与することができるとともに、遊技者に突発的な期待感を付与することができ、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
C7−13.変形例13:
上記第3実施形態においては、オープニング期間における時間的長さであるオープニング時間は、当該オープニング期間の直前に実行された遊技回における大当たり種別に基づいて決定される構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。具体的には、大当たりに当選した遊技回の終了後の期間において遊技球が特定の入球部またはスルーゲート(以下、まとめて特定入球部とも呼ぶ)に入球することを、ラウンド遊技が開始される条件とする遊技機を採用する。すなわち、大当たりに当選した遊技回が終了した後であっても、その後に遊技球が特定入球に入球するまではラウンド遊技が開始されない。よって、大当たりに当選した遊技回が終了した後であって特定入球部に遊技球が入球するまでの期間をオープニング期間とすることができる。
また、特定入球部を、特図始動口51や特電始動口52や第1可変入賞装置54や第2可変入賞装置55の近傍に配置する。さらに、特定入球部の入球口の周囲に釘42や役物を配置することによって、特定入球部に遊技球が比較的入球しにくいような構成とする。このようにすることで、オープニング時間を比較的長く確保することができる。また、遊技者は、特定入球部に遊技球が入らないことを所望するので、オープニング期間中、遊技者に緊迫感を付与することができる。
さらに、特定入球部に遊技球が入球した場合に賞球を払い出す構成としてもよい。この場合、特定入球部に遊技球が入球しやすい構成とすると、特定入球部への遊技球の入球によって賞球を得ることができるが、オープニング期間は短くなる可能性が高く、特別ボーナスとしての賞球は獲得しにくくすることができる。また、逆に、特定入球部に遊技球が入球しにくい構成とすると、特定入球部への遊技球の入球による賞球は獲得しにくいが、オープニング期間が長くなる可能性があるので、特別ボーナスとしての賞球を獲得しやすくすることができる。このように、特定入球部を備える構成とすることで、種々の遊技性を創出することができる。
C7−14.変形例14:
低確率モード時に当たり抽選に当選した場合と、高確率モード時に当たり抽選に当選した場合とで、大当たり抽選に当選した遊技回の後に実行されるラウンド遊技における第1可変入賞装置54の動作態様(第1開閉扉54bの開放シナリオ)が異なる構成の遊技機を採用してもよい。具体的には、第1開閉シナリオ設定処理において、当たり抽選の当選時の判定モードを特定し、当該判定モードに基づいて、ラウンド遊技における第1開閉扉54bの開放シナリオを決定する。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回の実行後に特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった大当たり当選した遊技回の実行時におけるに抽選モードに基づいて決定する。
C7−15.変形例15:
上記第3実施形態において、開閉実行モードを実行する期間の時間的長さを、当該開閉実行モードを実行する契機となった大当たり当選となった遊技回の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2やリーチ乱数カウンタC3に基づいて決定してもよい。
D.第4実施形態:
D1.遊技機の構造:
図178は、本発明の第4実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図179は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図180は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39と、起動時表示部39aとを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
起動時表示部39aは、1つのLEDランプによって構成されており、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時(電源オン時)に、後述する高確率モードが引き継がれている場合に、点灯する。パチンコ機10の前回動作時に、高確率モードのままで電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合、次の電源オン時には、高確率モードフラグの記憶内容が保持され、高確率モードが引き継がれる。なお、電源オン時に換えて、停電からの復旧時においても、高確率モードが引き継がれている場合に、同様に点灯する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、液晶表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図181は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図181(a)は、液晶表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図181(a)に示すように、液晶表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図181(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図181(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図181(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、液晶表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図181(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
D2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図182は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85とが接続されている。MPU62は、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
電源装置85は、停電監視回路86と、バックアップ電源回路87とを備える。停電監視回路86は、電源を監視することによって、停電発生時に停電情報信号を出力する。「停電発生時」とは、商用電源の停電が発生した時に限らず、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた時(電源オフ時)も含む。
バックアップ電源回路87は、コンデンサを備え、停電監視回路86から停電情報信号を受信した場合に、各装置への電力供給を継続する。具体的には、主制御装置60に備えられたRAM64に電力供給がなされ、RAM64の記憶情報の少なくとも一部を電源オフ後も保持し続ける。保持する情報としては、本実施形態では、後述する高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグと遊技回数カウンタPNCとを少なくとも含むもので、遊技状態の情報が該当する。
なお、本実施形態では、バックアップ電源回路87によって、停電発生時(例えば、電源スイッチ88がオフ状態にある時)でもRAM64に電力を供給し、上述した遊技状態の情報を保持し続けているが、これに換えて、停電発生時に、バックアップ電源回路87によって、所定の期間(例えば、10秒)だけ各装置への電力供給を継続し、その所定の期間に、遊技状態の情報をフラッシュメモリやハードディスクドライブ等の不揮発性メモリに退避し、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、待避した情報をRAM64に復元する構成としても良い。要は、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している遊技状態の情報を、非供給状態から供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る構成であれば、いずれの構成としても良い。
また、MPU62は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されており、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、MPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図183は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)を終了させるか否かの転落抽選には転落乱数カウンタC4が用いられる。なお、高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C4、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図182)に当否テーブルとして記憶されている。
図184は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図184(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図184(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図184(a)に示すように、当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図184(b)に示すように、当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図184を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図185は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図185(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図185(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図185(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図185(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに格納されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図181(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、転落乱数カウンタC4の詳細について説明する。転落乱数カウンタC4は、抽選モードが高確率モードである遊技状態において、高確率モードを終了させるか否かの判定である転落抽選を実行する際に用いられる。転落抽選に当選すると、遊技回における抽選モードは、高確率モードから低確率モードに変更される。
転落乱数カウンタC4は、例えば0〜119の範囲内で順に1ずつ加算され、最大に達した後0に戻る構成である。転落乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納された転落乱数カウンタC4の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63の転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルと照合され、高確率モードを終了させるか否かが決定される。本実施形態におけるパチンコ機10においては、転落当否判定テーブルには、転落抽選に当選する乱数の値は2個記憶されている。すなわち、高確率モードの遊技回において、転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードとなる確率は1/60である。なお、本実施形態においては、転落抽選は、低確率モードの遊技回においては実行しない。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C5=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C5=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
D3.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図186は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図182)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、保留確認用テーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
D4.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。本説明においては、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の特徴についての理解を容易にするため、先に、比較例としてのパチンコ機において実行されている処理の概要について説明し、その後、第4実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
D4−1.比較例:
図187は、比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。比較例1のパチンコ機としては、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が予め定めた保証遊技回数に達した場合に低頻度サポートモードに移行する構成のパチンコ機を用いた。「保証遊技回数」とは、高頻度サポートモードにおいて継続して実行されることが保証された遊技回数であり、本実施形態では100回である。但し、比較例1のパチンコ機は、高頻度サポートモードでの遊技回が継続して100回実行された場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。比較例1のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較するための参考例である。
図187(a)には、比較例1としてのパチンコ機における、抽選モードの状態とサポートモードの状態とが示されている。図187において、[ ]内に示した数字(例えば[1]、[60])は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数を示す。
図187(a)は、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。また、比較例1のパチンコ機においては、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、比較例1のパチンコ機の場合、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回において、転落抽選に当選し抽選モードが低確率モードに移行する。そして、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。
一方、サポートモードについては、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードに移行した場合であっても、高頻度サポートモードに移行後の高頻度サポートモードが開始されてから100回目に実行される遊技回に達するまで、高頻度サポートモードは継続される。
図187(b)は、比較例1のパチンコ機が、転落抽選に当選した60回目の遊技回において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。この例では、60回目の遊技回まで(1回〜59回)、転落抽選にも当たり抽選にも当選していないので、遊技回59回までは、各遊技回における当たり抽選の結果の予告や抽選結果を告知する通常の演出(通常演出とも呼ぶ)を実行する。そして、転落抽選に当選した60回目の遊技回においては、例えば、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)を実行する。バトル演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれの結果となるかを遊技者に対して告知する前の演出である。本実施形態においては、バトル演出は、転落抽選に当選した場合、当たり抽選に当選(大当たり当選)した場合、そのいずれでもない場合(転落抽選および当たり抽選のいずれにも当選していない場合)の内のいずれかに該当することを示唆する演出である。
そして、バトル演出を実行後に、転落抽選および当たり抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。結果告知演出においては、転落抽選および当たり抽選の抽選結果に対応した演出を実行する。具体的には、転落抽選に当選した場合は遊技者側キャラクターが敗北する敗北演出、当たり抽選に当選(本実施形態では大当たり当選)した場合は遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出、そのいずれでもない場合は遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行する。比較例1の場合、60回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
なお、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した結果、高確率モードから低確率モードに移行するタイミングは、転落抽選に当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングと一致している。すなわち、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した時、抽選モードは、直ちに高確率モードから低確率モードに移行する。サポートモードについては、前述したように、高頻度サポートモードが継続される。
図188は、比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例1のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図188に示されている。すなわち、図187(b)で示した例示において、転落抽選に当選したことに換えて当たり抽選において大当たり当選した場合が、図188に示されている。
当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、大当たり当選した60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
図189は、バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。図189(a)はバトル演出を示し、図189(b)は結果告知演出としての敗北演出を示し、図189(c)は結果告知演出としての勝利演出を示している。図189(a)に示したバトル演出は、遊技者側の女性キャラクターと敵側の男性キャラクターとが対決する画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、バトル演出は他の態様であってもよい。
また、図189(b)に示した敗北演出は、遊技者側の女性キャラクターが敗北で悲しむ画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果告知演出としての敗北演出は他の態様であってもよい。
図189(c)に示した勝利演出は、遊技者側の女性キャラクターが勝利に喜ぶ画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果演出としての勝利演出は他の態様であってもよい。
さらに、図示はしないが、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を結果告知演出としてもよい。
図187(b)に示したように、60回目の遊技回において転落抽選に当選することによって、抽選モードは当該遊技回の開始とともに高確率モードから低確率モードに移行するが、その一方で、サポートモードは高頻度サポートモードが継続されているため、比較例1のパチンコ機の遊技者は、バトル演出が実行されている期間は、サポートモードの状態によって転落に当選したことを認識し得ない。したがって、遊技者は、バトル演出、および、その後に実行される結果告知演出によって、転落抽選および当たり抽選の結果に対して、期待感や緊迫感を抱くことができる。
図190は、前述したバトル演出または結果告知演出が実行されているときの、液晶表示装置41の表示面41aの説明をする説明図である。図に示すように、バトル演出または結果告知演出が実行されるときには、表示面41aは、第1表示領域41aSと第2表示領域41aLとに区分される。そして、第1表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。一方、第2表示領域41aLでは、バトル演出または結果告知演出が実行される。
図191は、比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。図187に示した例と図191に示した例との違いは、高頻度サポートモードが開始されてからの転落抽選に当選するまでに実行された遊技回の実行回数である。図187に示した例では、保証遊技回数に達する前である60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合について説明したが、図191に示した例では、保証遊技回数に達した以降である120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合を示している。
図191(a)は、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、120回目の遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行した場合を示している。比較例1のパチンコ機においては、120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合でも、60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合と同様に、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、図191(a)の例では、120回目の遊技回において、転落抽選に当選して抽選モードが低確率モードに移行する。そして、120回目の遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。
サポートモードについては、先に説明したように、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が保証遊技回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。但し、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。したがって、図191(a)の例では、120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合、120回目の遊技回に達するまでは、高確率モードが継続されているので、高頻度サポートモードが継続されている。そして、120回目の遊技回において転落抽選に当選し、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードも高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図191(b)は、比較例1のパチンコ機が、転落抽選に当選した120回目の遊技回において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。この例では、120回目の遊技回まで(1回〜119回)、転落抽選にも当たり抽選にも当選していないので、120回目の遊技回までは通常演出を実行する。そして、転落抽選に当選した120回目の遊技回においては、例えば、先に説明したバトル演出(図189(a))と同一のバトル演出を実行する。バトル演出の実行後には、転落抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。具体的には、120回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
図191(b)に示したように、120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合、抽選モードは当該遊技回が開始するタイミングで高確率モードから低確率モードに移行する。また、抽選モードが低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。サポートモードが低頻度サポートモードに移行するタイミングは、抽選モードが低確率モードに移行したタイミングと同時である。したがって、120回目の遊技回が開始されると同時に低頻度サポートモードに移行する。
図192は、比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例1のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図192に示されている。すなわち、図191(b)で示した例示において、転落抽選に当選したことに換えて当たり抽選において大当たり当選した場合が、図192に示されている。
当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了するタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
図191(b)と図192とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が異なったものであることが判る。この期間では、大当たり当選の際には、図192に示すように高頻度サポートモードであるのに対し、転落当選の際には、図191(b)に示すように低頻度サポートモードとなっている。このため、遊技者は、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図180)の開閉状態から高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードに移行したか否かを判別することによって、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに認識することができる。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが可能である。したがって、120回目の遊技回における転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。
まとめると次の通りとなる。比較例1のパチンコ機の場合、図187(b)および図188を用いて説明したように、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行した場合、保証遊技回数(本実施形態では100回)に達する前の遊技回で転落抽選に当選した場合には、高頻度サポートモードは継続されるため、転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を付与する演出(本実施形態においてはバトル演出)および結果告知演出によって、遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。
しかし、比較例1のパチンコ機の場合、図191(b)および図192を用いて説明したように、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行し、保証遊技回数に達した以後の遊技回で転落抽選に当選した場合には、当該遊技回の開始時に抽選モードが低確率モードに移行するのと同時にサポートモードが低頻度サポートモードに移行するため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に高頻度サポートモードが終了したことを認識した場合には、当該遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに電動役物34aの動作状態から認識することが可能となる。この場合、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に期待感や緊迫感を付与することができない。具体的には、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合であって、かつ高頻度サポートモードである場合に、バトル演出が開始されると、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターのいずれが勝利するのかは結果告知まで分からない(すなわち、当たり抽選に大当たり当選するのか転落抽選に当選するのかは結果告知までわからない)といった内容に演出的にはなっているが、遊技者は、バトル演出が実行されている期間に高頻度サポートが終了したことを認識することによって、今回のバトルは遊技者側キャラクターが負けてしまう(転落抽選に当選する)ということを、バトル演出中に予測できてしまう。このことが、比較例1の課題となっている。
図193は、比較例2のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例2のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図193に示されている。比較例2のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較するための参考例である。
当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。大当たり当選した120回目の遊技回が開始するタイミングでもってサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、高確率モードでの遊技回が保証遊技回数(100回)以上継続して実行されている場合であって、当たり抽選において大当たり当選した場合に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するタイミングが、比較例1のパチンコ機では、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングである(図192参照)のに対して、比較例2のパチンコ機では、大当たり当選した遊技回が開始するタイミングとなっている点が相違する。
比較例2のパチンコ機は、残余の点で比較例1のパチンコ機と同一である。すなわち、高確率モードでの遊技回が100回に達する前に転落抽選に当選した場合に、図187に示した動作と同じ動作を行い、高確率モードでの遊技回が100回に達する前に当たり抽選において大当たり当選した場合に、図188に示した動作と同じ動作を行い、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合に転落抽選に当選した場合に、図191に示した動作と同じ動作を行う。
図191(b)と図193とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が同一であることが判る。このため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図180)の開閉状態から、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を認識することはできない。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが不可能である。したがって、比較例2のパチンコ機によれば、比較例1の前述した課題を解決することができる。
D4−2.パチンコ機10による処理の概要:
次に、本実施形態としてのパチンコ機10における処理の概要について説明する。本実施形態のパチンコ機10は、比較例2のパチンコ機に対して、メイン表示部45に起動時表示部39aを有し、起動時表示部39aを点灯/消灯する処理を行う点で相違し、残余の点で同一である。この起動時表示部39aを点灯/消灯する処理の概要について説明する。
図194は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。本実施形態のパチンコ機10によれば、前回動作時に、抽選モードが高確率モードのままで、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられ(電源オフされ)た場合(タイミングt11)、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられ(電源オンされ)た時(タイミングt12)には、抽選モードとして高確率モードが引き継がれる。同様に、サポートモードについても、電源オフ時の状態が電源オン時に引き継がれる。また、保証遊技回数の残りの回数も引き継がれる。以下、抽選モード、サポートモード、および保証遊技回数の残りの回数が引き継がれることを、単に「遊技状態が引き継がれる」とも呼ぶ。そして、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt12で、起動時表示部39aは点灯される。
図194には、電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。ここで言う「60回目」は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数であり、前回動作時からカウントが継続される後述する遊技回数カウンタPNCに基づくものである。転落抽選に当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt13で、起動時表示部39aは消灯される。
さらに、タイミングt13では、抽選モードについては、直ちに高確率モードから低確率モードに移行し、サポートモードについては、高頻度サポートモードが継続される。図示はしないが、タイミングt13でもって、バトル演出が実行開始され、バトル演出の終了後、結果告知演出(敗北演出)が行われる。すなわち、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選したタイミングt13での演出、抽選モード、サポートモードについてのそれぞれの変化の態様は、図187(b)で示した比較例1の転落当選時と同一である。
図195は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、本実施形態のパチンコ機10において、図194の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図195に示されている。そして、図194の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt22で、起動時表示部39aが点灯される。
図194で示した例示では、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図195で示した例示では、60回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選している。この大当たり当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt23で、起動時表示部39aは消灯される。ここで言う大当たり当選は、確変大当たりに当選した場合、普通大当たりに当選した場合のいずれであってもよい。
図示はしないが、このタイミングt23で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)t24でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、この60回目に実行される遊技回で大当たり当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図188で示した比較例1の大当たり当選時と同一である。
図196は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。ここでは、本実施形態のパチンコ機10において、図194、図195の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図196に示されている。そして、図194、図195の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt32で、起動時表示部39aが点灯される。
図194で示した例示では、保証遊技回数に達する前である60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図196で示した例示では、保証遊技回数に達した以後である120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選している。この転落抽選に当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt33で、起動時表示部39aは消灯される。
図示はしないが、このタイミングt33で、バトル演出を実行を開始し、バトル演出の終了後、敗北演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt33でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、この120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図191で示した転落当選時と同一である。
図197は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。ここでは、本実施形態のパチンコ機10において、図196の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図197に示されている。そして、図196の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt42で、起動時表示部39aが点灯される。
図196で示した例示では120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図197で示した例示では、120回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選している。この大当たり当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt43で、起動時表示部39aは消灯される。
図示はしないが、このタイミングt43で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt43でもってサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)t44でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、この120回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図193で示した比較例2の大当たり当選時と同一である。
まとめると、上述した処理を実行するパチンコ機10によれば、電源オン時に前回動作時の遊技状態が引き継がれ、起動時表示部39aが点灯された以後に、転落抽選または当たり抽選に当選した場合に、その当選した遊技回が開始されるタイミングで直ちに起動時表示部39aは消灯される。このことは、保証遊技回数に達する前の遊技回での転落抽選または当たり抽選の当選、保証遊技回数に達した以後の遊技回での転落抽選または当たり抽選の当選のいずれの場合も同様であり、当選した遊技回が開始されるタイミングで直ちに起動時表示部39aは消灯される。このため、パチンコ機10によれば、電源オン時に起動時表示部39aが点灯された場合に、60回目の遊技回または120回目の遊技回における転落抽選または当たり抽選に当選した場合に、遊技者によって、起動時表示部39aが消灯されるタイミングから、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)が予測されることを抑制することができる。
上述した比較例2のパチンコ機によれば、図187(b)と図188との比較から判るように、60回目の遊技回の開始から終了までの期間において、転落抽選に当選した場合と当たり抽選において大当たり当選した場合とで、抽選モードの変化の態様が異なったものである。また、図191(b)と図193との比較から判るように、当選した遊技回である120回目の遊技回の開始から終了までの期間においても、転落抽選に当選した場合と当たり抽選において大当たり当選した場合とで、抽選モードの変化の態様が異なったものである。すなわち、当選した遊技回の開始から終了までの期間において、その当選が大当たり当選の際には高確率モードであるのに対して、転落当選の際には低確率モードとなっている。
加えて、比較例2のパチンコ機において、一般的ないわゆる朝一ランプを採用した場合、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行するタイミング(図194のタイミングt13、図195のタイミングt24,図196のタイミングt33,図197のタイミングt44)でもって、朝一ランプを消灯することが考えられる。この構成によれば、転落当選の際には、転落当選した遊技回が開始されるタイミングで朝一ランプが消灯され、大当たり当選の際には、大当たり当選した遊技回が終了するタイミングで朝一ランプが消灯されることになる。このため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、朝一ランプの点灯/消灯状態から高確率モードから低確率モードに移行したことを認識することが可能となる。すなわち、この構成によれば、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが可能となる。したがって、比較例2のパチンコ機において単純に朝一ランプを設けた構成によれば、60回目の遊技回および120回目の遊技回における転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。
これに対して本実施形態のパチンコ機10によれば、上述したように、保証遊技回数に達する前である60回目の遊技回、および、保証遊技回数に達した後である120回目の遊技回において、転落抽選に当選した場合および当たり抽選で大当たり当選した場合のいずれの場合であっても、その当選した遊技回が開始されるタイミングで起動時表示部39aが消灯されるため、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者に予測されることを抑制し、転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を付与する演出(本実施形態においてはバトル演出)および結果告知演出によって、遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能となる。
さらに、起動時表示部39aの点灯/消灯状態を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者が認識してしまう場合と比較して、演出を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者に認識させる場合には、当該演出に時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。また、当該演出において、大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する演出要素と、転落抽選に当選している可能性が高いことを示唆する演出要素とを適宜組み合わせて一連の演出として実行することで、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
D5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図198は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS40101では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップS40102に進む。
ステップS40102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS40103に進む。
ステップS40103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS40104に進む。
ステップS40104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS40104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS40104を実行した後、ステップS40105に進む。
ステップS40105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップS40105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップS40105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図198:S40104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図199は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS40201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS40201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S40201:YES)、ステップS40202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS40203に進む。
ステップS40203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS40204に進む。
ステップS40204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS40209に進む。
ステップS40201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S40201:NO)、ステップS40205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS40205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S40205:YES)、ステップS40206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS40207に進む。一方、ステップS40205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S40205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS40207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS40208に進む。
ステップS40208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS40209に進む。
ステップS40209では、上述したステップS40204又はステップS40208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS40209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S40209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS40209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S40209:YES)、ステップS40210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS40211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS40212に進む。
ステップS40212では、ステップS40103(図198)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS40210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS40103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS40210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS40103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS40210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップS40212を実行した後、ステップS40213に進む。
ステップS40213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS40213を実行した後、ステップS40214に進む。
ステップS40214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図202:ステップS40505)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップS40214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図199:S40213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図200は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS40301では、始動口用の入球処理(図199)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップS40302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS40302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S40302:YES)、ステップS40303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS40308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS40302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S40302:NO)、ステップS40304に進み、今回の入球によって記憶エリアに格納された転落乱数カウンタC4の値を把握する。その後、ステップS40305に進み、転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルを参照し、転落抽選に当選しているか否かの判定をする。
ステップS40305において、転落抽選に当選していると判定した場合には(S40305:YES)、ステップS40306に進み、転落当選情報を先判定処理結果格納エリア64fに記憶し、ステップS40303に進む。ステップS40303では、上述のように、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS40308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS40305において、転落抽選に当選していないと判定した場合には(S40305:NO)、ステップS40307に進む。ステップS40307では、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS40308に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS40308では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S40308:YES)、ステップS40309に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップS40310に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS40310を実行した後、ステップS40311に進む。
ステップS40311では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS40311において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S40311:YES)、ステップS40312に進み、先判定処理結果格納エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS40311において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S40311:NO)、ステップS40313に進み、先判定処理結果格納エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS40308において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S40308:NO)、ステップS40314に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップS40315に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS40316に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS40316において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S40316:YES)、ステップS40317に進み、先判定処理結果格納エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS40316において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S40316:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図198:S40105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図201は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS40401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップS40401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S40401:YES)、ステップS40402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS40401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S40401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS40402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S40402:YES)、ステップS40403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS40404に進む。
ステップS40404では、ステップS40103(図198)において更新した電動役物開放カウンタC5の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS40402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S40402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC5の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図202は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS40501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS40502に進む。
ステップS40502では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高確率モードフラグがONであるとき、抽選モードは高確率モードである。高確率モードフラグがOFFであるとき、抽選モードは高確率モードではない、すなわち低確率モードである。高確率モードフラグは、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合、または、転落抽選に当選した場合にOFFにされる。
ステップS40502において、高確率モードであると判定した場合には(S40502:YES)、ステップS40503に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを点灯する。その後、ステップS40504に進み、起動時表示部フラグをONにする。起動時表示部フラグは、起動時表示部39aが点灯しているか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納される。ステップS40503で起動時表示部39aが点灯されたことを受けて、ステップS40504で起動時表示部フラグをオンにする。ステップS40504を実行した後、ステップS40505に進む。
一方、ステップS40502において高確率モードではないと判定した場合には(S40502:NO)、直ちにステップS40505に進む。
ステップS40505では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS40505を実行した後、ステップS40506に進む。
ステップS40506では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS40507に進む。
ステップS40507では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS40508に進む。ステップS40508では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS40508を実行した後、ステップS40509に進む。
ステップS40509では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS40510に進む。
ステップS40510では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS40511に進む。
ステップS40511では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS40505のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS40511において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S40511:NO)、ステップS40512及びステップS40513において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS40512において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS40513において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップS40511において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S40511:YES)、ステップS40505に戻り、ステップS40505からステップS40510までの各処理を実行する。
なお、ステップS40505からステップS40510の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図202:S40508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図203は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS40601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS40601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S40601:YES)、ステップS40602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS40601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S40601:NO)、ステップS40602に進む。
ステップS40602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS40602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S40602:NO)、ステップS40603〜ステップS40606の遊技回開始用処理に進む。ステップS40603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS40603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S40603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS40603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S40603:NO)、ステップS40604に進む。
ステップS40604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS40605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS40605では、遊技状態を判定するための遊技状態判定処理を実行する。具体的には、抽選モードが高確率モードであり、且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態であるか否かの判定を、遊技状態判定処理にて行う。高確率モードであり、且つ高頻度サポートモードである遊技状態を、以下、「高確・高サポ状態」とも呼ぶ。後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、高確・高サポ状態の遊技回において特定の演出を実行するため、高確・高サポ状態であるか否かの判定を行う。遊技状態判定処理の詳細は後述する。ステップS40605を実行した後、ステップS40606に進む。
ステップS40606では、メイン表示部45における変動表示及び液晶表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップS40606を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS40602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S40602:YES)、ステップS40607〜ステップS40611の遊技回進行用処理に進む。
ステップS40607では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS40607では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図206:S40903)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS40607において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S40607:NO)、ステップS40608に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS40608を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS40607において、変動時間が経過していると判定した場合には(S40607:YES)、ステップS40609に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図206)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。その後、ステップS40610に進む。
ステップS40610では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高頻度サポートモードフラグがONであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグがOFFであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードではない、すなわち低頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグは、後述する開閉実行モードの終了後にオンされる(図212のステップS41504参照)。
ステップS40610において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(S40610:YES)、ステップS40611に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて保証された保証遊技回数の残りの回数をカウントするためのカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、後述する図212のステップS41505で値100が予めセットされている。ステップS40611を実行した後、ステップS40612に進む。一方、ステップS40610において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S40610:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップS40612では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS40612において、高確率モードではないと判定した場合には(S40612:NO)、ステップS40613に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。上述したように、遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップS40613において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップS40613:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップS40614に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップS40614を実行した後、ステップS40615に進む。
ステップS40615では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS40615を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS40613において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップS40613:YES)には、ステップS40614およびステップS40615を実行することなく、直ちに遊技回制御処理を終了する。また、ステップS40612において高確率モードであると判定した場合(S40612:YES)にも、直ちに遊技回制御処理を終了する。
上述したステップS40612からステップS40615までの処理によれば、高頻度サポートモードにおいて継続して実行された遊技回数が100回に達した場合に低頻度サポートモードに移行すること、しかし、遊技回数が100回に達した以後であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続されること、が実現される。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図203:S40604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図204は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS40701では、第2保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップS40701において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(S40701:YES)、ステップS40702〜ステップS40707の第1図柄表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S40701:NO)、ステップS40708〜ステップS40713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図203で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図203:S40603参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2図柄表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップS40702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS40703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS40704に進む。ステップS40704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS40705に進む。
ステップS40705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS40705を実行した後、ステップS40706に進む。
ステップS40706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS40707へ進む。
ステップS40707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS40707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図202)におけるステップS40505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS40701において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S40701:NO)、上述のように、ステップS40708〜ステップS40713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップS40708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS40709に進む。ステップS40709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS40710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS40711に進む。
ステップS40711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS40711を実行した後、ステップS40712に進む。
ステップS40712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS40713に進む。
ステップS40713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS40713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図202)におけるステップS40505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<遊技状態判定処理>
次に、遊技状態判定処理について説明する。遊技状態判定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図203:S40605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図205は、遊技状態判定処理を示すフローチャートである。ステップS40801では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS40801において、高確率モードであると判定した場合には(S40801:YES)、ステップS40802に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS40802において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(S40802:YES)、ステップS40803に進み、高確・高サポフラグをオンする。高確・高サポフラグは、抽選モードが高確率モードであり、且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(高確・高サポ状態)であるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高確・高サポフラグがONであるとき、高確・高サポ状態である。高確・高サポフラグがOFFであるとき、高確・高サポ状態ではない。ステップS40803によれば、この遊技状態判定処理の実行時において高確・高サポ状態であるか否かの判定結果をMPU62にて特定することが可能となる。ステップS40803を実行した後、ステップS40804に進む。
ステップS40804では、高確・高サポ状態であることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確・高サポコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS40804を実行した後、遊技状態判定処理を終了する。
一方、ステップS40801において高確率モードでないと判定した場合(S40801:NO)、またはステップS40802において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S40802:NO)、ステップS40803およびステップS40804を実行することなく、遊技状態判定処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図203:S40606)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図206は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS40901では、転落抽選に当選したときの処理を含む転落判定処理を行う。転落判定処理の詳細については後述する。次いで、ステップS40902に進む。
ステップS40902では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップS40902を実行した後、ステップS40903に進む。
ステップS40903では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS40903を実行した後、ステップS40904に進む。
ステップS40904では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS40904において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S40904:NO)、ステップS40905に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS40903で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS40904において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S40904:YES)、ステップS40906に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS40903で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS40905又はステップS40906を実行した後、ステップS40907に進む。
ステップS40907では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS40905〜ステップS40907にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図202)におけるステップS40505によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS40907を実行後、ステップS40908に進む。
ステップS40908では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS40908を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<転落判定処理>
次に、転落判定処理について説明する。転落判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図206:S40901)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図207は、転落判定処理を示すフローチャートである。ステップS41001では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS41001において、高確率モードであると判定した場合には(S41001:YES)、ステップS41002に進み、転落抽選の当否判定を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納されている転落乱数カウンタC4の値が、転落当否判定テーブル記憶エリア63dの転落当否判定テーブルにおける転落当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。ステップS41002において、転落抽選に当選していると判定した場合には(S41002:YES)、ステップS41003に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS41004に進む。
ステップS41004では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップS41004において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(S41004:YES)、ステップS41005に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップS41006に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップS41006を実行後、ステップS41007に進む。一方、ステップS41004において、起動時表示部フラグがOFFされていると判定した場合には(S41004:NO)、ステップS41005およびステップS41006を実行することなく、ステップS41007に進む。
ステップS41007では、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップS41007において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップS41007:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップS41008に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。続いて、ステップS41009に進み、低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS41009を実行した後、転落判定処理を終了する。
一方、ステップS41007において、保証遊技回数内であると判定した場合(S41007:YES)には、直ちに転落判定処理を終了する。また、ステップS41001において高確率モードでないと判定した場合(S41001:NO)、またはステップS41002において転落抽選に当選していないと判定した場合(S41002:NO)には、直ちに遊技回制御処理を終了する。
以上のように構成された転落判定処理によって、図194のタイミングt13における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動、および、図196のタイミングt33における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動が実現される。特に、図194のタイミングt13において、転落当選したにもかかわらず高頻度サポートモードが継続されるのは、ステップS41007において保証遊技回数内であると判定した場合に、ステップS41008およびステップS41009を実行しないことによって実現される。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図206:S40902)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図208は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップS41101では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS41101において、高確率モードであると判定した場合には(S41101:YES)、ステップS41102に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図184(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS41104に進む。
一方、ステップS41101において高確率モードではないと判定した場合には(S41101:NO)、ステップS41103に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図184(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS41104に進む。
ステップS41104では、ステップS41102又はステップS41103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS41104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S41104:YES)、ステップS41105に進む。
ステップS41105では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップS41105において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(S41105:YES)、ステップS41106に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップS41107に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップS41107を実行後、ステップS41108に進む。なお、ステップS41105において、起動時表示部フラグがOFFされていると判定した場合には(S41105:NO)、ステップS41106およびステップS41107を実行することなく、ステップS41108に進む。
ステップS41108では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS41108において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(S41108:YES)、ステップS41109に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップS41109において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップS41109:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップS41110に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。続いて、ステップS41111に進み、低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS41111を実行した後、ステップS41112に進む。
一方、ステップS41108において、高頻度サポートモードでないと判定した場合(S41108:NO)、またはステップS41109において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップS41109:YES)には、直ちにステップS41112に進む。
上述したステップS41104からステップS41111までの処理によって、図195のタイミングt23における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部39aの点灯/消灯についての変動、および、図197のタイミングt43における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動が実現される。すなわち、図195のタイミングt23、および図197のタイミングt43において、大当たり当選したのに起動時表示部39aが消灯されるのは、ステップS41104〜ステップS41107によって実現される。図197のタイミングt43において、大当たり当選したにもかかわらず低頻度サポートモードに移行されるのは、ステップS41109において保証遊技回数内でないと判定した場合に、ステップS41110およびステップS41111を実行することによって実現される。
続くステップS41112からステップS41119においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS41112では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS41112において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S41112:NO)、ステップS41113に進み、第1始動口用の振分テーブル(図185(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS41112において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S41112:YES)、ステップS41114に進み、第2始動口用の振分テーブル(図185(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS41113又はステップS41114の処理を実行した後、ステップS41115に進む。
ステップS41115では、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS41115において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S41115:YES)、ステップS41116に進む。
ステップS41116では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS41116を実行した後、ステップS41117に進む。
ステップS41117では、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにする。ステップS41117を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップS41115において、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(S41115:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS41118に進む。
ステップS41118では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS41118を実行した後、ステップS41119に進む。
ステップS41119では、ステップS41113又はステップS41114において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップS41119を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップS41104において、ステップS41102又はステップS41103における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S41104:NO)、ステップS41120に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS41120を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図206:S40903)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図209は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS41201では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS41202に進む。
ステップS41202では高確・高サポ状態であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納された高確・高サポフラグONであるか否かを判定する。上述のように、高確・高サポフラグは、図205のステップS40803でONにされるフラグである。ステップS41202において、高確・高サポフラグがONではないと判定した場合には(S41202:NO)、ステップS41203に進む。
ステップS41203では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には、リーチが発生すると判定して(S41203:YES)、ステップS41204に進む。また、上記各フラグのいずれもがONではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合には、リーチが発生すると判定して(S41203:YES)、ステップS41204に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS41204では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS41210に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS41203において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S41203:NO)、ステップS41205に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS41210に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
次に、ステップS41202において、高確・高サポフラグがONであると判定した場合には(S41202:YES)、ステップS41206に進む。
ステップS41206では、今回の遊技回において当たり抽選に当選(大当たり当選)した場合、転落抽選に当選した場合、およびリーチが発生する場合、のうちの少なくとも一つに該当するか否かを判定する。具体的には、i)各種フラグ記憶エリア64eの確変大当たりフラグがONであること、ii)各種フラグ記憶エリア64eの通常大当たりフラグがONであること、iii)実行エリアAEに格納されている転落乱数カウンタC4の値が、転落当否判定テーブル記憶エリア63dの転落当否判定テーブルにおける転落当選として設定されている値と一致していること、iV)実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値であること、のうちの少なくとも一つを満たす場合に、ステップS41206で肯定判定される。なお、本実施形態およびその変形例の説明において、「当たり抽選に当選」とは、当たり抽選において大当たりに当選することを意味する。
ステップS41206において、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のうちの少なくとも一つに該当すると判定した場合には(S41206:YES)、ステップS41207に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているバトル結果告知演出用変動時間テーブルを参照して、変動時間を取得する。バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、バトル演出と結果告知演出との両方を行うのに要する時間である。バトル演出は、図189(a)に例示した演出である。結果告知演出は、図189(b)に例示した敗北演出、図189(c)に例示した勝利演出、あるいは引き分け演出である。本実施形態では、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、一定の長さに設定されている。
なお、本実施形態の変形例として、結果告知演出として勝利演出を行う場合と敗北演出を行う場合と引き分け演出を行う場合とで、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間を異なるようにしてもよい。この場合、変動時間のうちの結果告知演出が占める時間を、勝利演出を行う場合と敗北演出を行う場合と引き分け演出を行う場合とで異なる構成とする。具体的には、勝利演出の場合は、敗北演出や引き分け演出の場合よりも、結果告知が占める時間が長くなるように変動時間を長くすることによって、勝利したことの感動を高めることができる。
ステップS41207を実行した後、ステップS41209に進み、各種フラグ記憶エリア64eの高確・高サポフラグをOFFする。その後、ステップS41210に進み、ステップS41207で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
一方、ステップS41206において、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しないと判定した場合には(S41206:NO)、ステップS41208に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている外れ時演出用変動時間テーブルを参照して、変動時間を取得する。本実施形態では、外れ時演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、高確・高サポ状態でありながら、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を行うに要する時間であり、一定時間に設定されている。本実施形態においては、外れ時演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間より短くなるように設定されている。
ステップS41208を実行した後、ステップS41209に進み、各種フラグ記憶エリア64eの高確・高サポフラグをOFFする。続いて、ステップS41210に進み、ステップS41208で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図202:S40509)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図210は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップS41301では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS41301において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S41301:NO)、ステップS41302に進み、1の遊技回の第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS41302において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(S41302;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41302において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S41302:YES)、ステップS41303に進み、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S41303:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41303において、上記各フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S41303:YES)、ステップS41304に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS41304を実行した後、ステップS41305に進む。
ステップS41305では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ)を確認する。ステップS41305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変大当たりフラグ又は16R通常大当たりフラグであると判定した場合には(S41305:YES)、ステップS41306に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップS41305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグであると判定した場合には(S41305:NO)、ステップS41307に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS41306又はステップS41307を実行した後、ステップS41308に進む。
ステップS41308では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFする。その後、ステップS41309に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグをOFFする。
ステップS41309を実行した後、ステップS41310に進み、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図202)におけるステップS40505にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS41310を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS41301において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S41301:YES)、ステップS41311に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS41311を実行した後、ステップS41312に進む。
ステップS41312では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41312:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41312:YES)、ステップS41313に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図202)におけるステップS40505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS41313を実行した後、ステップS41314に進む。
ステップS41314では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS41314を実行した後、ステップS41315に進む。
ステップS41315では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップS41316に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグがONである場合にはこれらのフラグをOFFにし、これらのフラグがONではない場合にはその状態を維持する。ステップS41316を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図210:S41311)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図211は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS41401では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS41401において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S41401:NO)、ステップS41402に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41402:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41402:NO)、ステップS41403に進む。
ステップS41403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S41403:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S41403:YES)、ステップS41404に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS41405に進む。
ステップS41405では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入球数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入球モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入球カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS41405を実行した後、ステップS41406に進む。
ステップS41406では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図202:ステップS40505)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS41401において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS41401:YES)、ステップS41407に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS41407において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S41407:NO)、ステップS41408に進む。
ステップS41408では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS41408において、入球が発生していないと判定した場合には(S41408:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41408において、入球が発生していると判定した場合には(S41408:YES)、ステップS41409に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS41410に進む。
ステップS41410では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41410において、入球カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S41410:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS41407において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S41407:YES)、又は、ステップS41410において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S41410:YES)、ステップS41411に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS41412に進む。
ステップS41412では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS41413に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S41413:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS41413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S41413:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS41414を実行した後、ステップS41415に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図202:ステップS40505)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図210:S41314)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図212は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS41501では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS41501において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(S41501:YES)、ステップS41502に進み、フラグ消去処理を実行する。フラグ消去処理とは、遊技状態を特定するための情報を消去する処理である。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合には、それらをOFFにするとともに、これらのフラグがONではない場合には、その状態を維持する。ステップS41502を実行した後、ステップS41503に進む。
ステップS41503では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS41504に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS41505に進む。
ステップS41505では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS41506に進む。
ステップS41506では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS41510に進む。
一方、ステップS41501において、RAM64に、16R通常大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(S41501:NO)、ステップS41507に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS41508に進む。
ステップS41508では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS41509に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS41510に進む。
ステップS41510では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図202:S40510)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図213は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS41601では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS41601において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S41601:NO)、ステップS41602に進む。
ステップS41602では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS41602において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S41602:NO)、ステップS41603に進む。
ステップS41603では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS41603において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41603:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41603:YES)、ステップS41604に進む。
ステップS41604では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS41604において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S41604:YES)、ステップS41605に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS41604において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S41604:NO)、ステップS41606に進む。
ステップS41606では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS41606において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S41606:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41606において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S41606:YES)、ステップS41607に進む。
ステップS41607では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS41608に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS41607において開閉実行モードではなく(S41607:NO)、且つ、ステップS41608において高頻度サポートモードである場合には(S41608:YES)、ステップS41609に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS41610に進む。
ステップS41610では、ステップS41609の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS41610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S41610:YES)、ステップS41611に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップS41610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S41610:NO)、ステップS41611の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップS41607において開閉実行モードであると判定した場合(S41607:YES)、又は、ステップS41608において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S41608:NO)、ステップS41612に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS41613に進む。
ステップS41613では、ステップS41612の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS41613において、サポート当選でないと判定した場合には(S41613:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41613において、サポート当選であると判定した場合には(S41613:YES)、ステップS41614に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS41602において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S41602:YES)、ステップS41615に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41615:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS41615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41615:YES)、ステップS41616に進む。
ステップS41616では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS41617に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS41601において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S41601:YES)、ステップS41618に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図213:S41618)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図214は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS41701では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S41701:YES)、ステップS41702に進む。
ステップS41702では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S41702:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS41702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S41702:YES)、ステップS41703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS41703を実行した後、ステップS41704に進む。
ステップS41704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS41705に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS41705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S41705:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS41705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S41705:YES)、ステップS41706に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS41701において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S41701:NO)、ステップS41707に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS41707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S41707:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS41707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S41707:YES)、ステップS41708に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS41709に進む。
ステップS41709では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S41709:NO)、ステップS41710に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS41710において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S41710:YES)、ステップS41711に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS41709において開閉実行モードであると判定した場合(S41709:YES)、又は、ステップS41710において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S41710:NO)、ステップS41712に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
D6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図215は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS41801では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップS41801を実行した後、ステップS41802に進む。
ステップS41802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS41802を実行した後、ステップS41803に進む。
ステップS41803では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS41802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS41803を実行した後、ステップS41804に進む。
ステップS41804では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS41802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS41804を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図215:S41802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図216は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS41901では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S41901:YES)、ステップS41902に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS41902を実行した後、ステップS41903に進む。一方、ステップS41901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S41901:NO)、ステップS41902を実行することなく、ステップS41903に進む。
ステップS41903では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S41903:YES)、ステップS41904に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを音声発光制御装置90(図186参照)のMPU92にて特定するためのフラグであり、RAM94の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア94eに格納される。その後、ステップS41907に進む。
ステップS41903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S41903:NO)、ステップS41905に進み、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41905において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S41905:YES)、ステップS41906に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS41907に進む。ステップS41905において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S41905:NO)、そのまま、ステップS41907に進む。
ステップS41907では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S41907:YES)、ステップS41908に進む。一方、ステップS41907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S41907:NO)、ステップSステップS41909に進む。
ステップS41908では、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行されるバトル演出や、結果告知演出、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS41908を実行した後、ステップS41909に進む。
ステップS41909では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S41909:YES)、ステップS41910に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS41911に進む。一方、ステップS41909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S41909:NO)、ステップS41910を実行することなく、ステップS41911に進む。
ステップS41911では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS41911おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S41911:YES)、ステップS41912に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS41913に進む。一方、ステップS41911において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S41911:NO)、ステップS41912を実行することなく、ステップS41913に進む。
ステップS41913では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図216:S41902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図217は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS42001では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS42001の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS42001を実行した後、ステップS42002に進む。
ステップS42002では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS42001において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップS42002を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図217:S42001)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図218は入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS42101では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS42101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S42101:YES)、ステップS42102に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS42102を実行した後、ステップS42104に進む。
ステップS42101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S42101:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS42103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS42103を実行した後、ステップS42104に進む。
ステップS42102及びステップS42103の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS42104では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS42104を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図216:S41908)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図219は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS42201では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、転落当選の有無、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS42202に進む。
ステップS42202では、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS42202において、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信したと判定した場合には(S42202:YES)、ステップS42203に進み、高確・高サポ時演出設定処理を実行する。高確・高サポ時演出設定処理の詳細については後述する。ステップS42203を実行した後、ステップS42205に進む。
一方、ステップS42202において、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信していないと判定した場合には(S42202:NO)、ステップS42204に進む。
ステップS42204では、通常時における演出設定処理を実行する。具体的には、高確・高サポ状態以外の状態の遊技回における、大当たり演出や、リーチ演出、外れ演出を、遊技回の変動時間に応じて設定する。ステップS42204を実行した後、ステップS42205に進む。
ステップS42205では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL(図181参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS42205を実行した後、ステップS42206に進む。
ステップS42206では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS42205において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS42207に進む。
ステップS42207では、今回の遊技回においてステップS42203またはS42204で設定された演出の種類情報、ステップS42205で設定された停止図柄の種類情報、及びステップS42206で設定された変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップS42208に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS42208を実行した後、ステップS42209に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<高確・高サポ時演出設定処理>
次に、高確・高サポ時演出設定処理について説明する。高確・高サポ時演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図219:S42203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図220は、高確・高サポ時演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS42301では、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したか否かを判定する。この判定は、図219のステップS42201によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップS42301では、16R確変大当たり、8R確変大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップS42301において、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したと判定された場合には(S42301:YES)、ステップS42302に進む。
ステップS42302では、バトル演出・結果告知演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図189(a)に例示したバトル演出と、図189(c)に例示した勝利演出と、を併せて実行するように設定する。バトル演出の後に勝利演出を連続して実行する。この設定の際には、図209においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップS42302を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
ステップS42301において、今回の遊技回による確変大当たりに当選しなかった場合には(S42301:NO)、ステップS42303に進む。
ステップS42303では、今回の遊技回における通常大当たり又は転落抽選に当選したか否かを判定する。この判定は、図219のステップS42201によって把握した大当たりの有無の情報、大当たり種別の情報、および転落当選の有無の情報を用いて行う。ステップS42304では、16R通常大当たり、8R通常大当たり、および転落抽選のうちのいずれかに当選した場合に肯定判定される。ステップS42303において、今回の遊技回において通常大当たり又は転落抽選に当選したと判定した場合には(S42303:YES)、ステップS42304に進む。
ステップS42304では、バトル演出・結果告知演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図189(a)に例示したバトル演出と、図189(b)に例示した敗北演出と、を併せて実行するように設定する。バトル演出の後に敗北演出を連続して実行する。この設定の際には、図209においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップS42304の処理は、ステップS42302と同様の処理であり、ステップS42302では勝利演出であるのに対して、敗北演出である点が相違する。ステップS42304を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
ステップS42303において、今回の遊技回において通常大当たり又は転落抽選に当選していないと判定した場合には(S42303:NO)、ステップS42305に進む。
ステップS42305では、今回の遊技回においてリーチ発生となったか否かを判定する。この判定は、図219のステップS42201によって把握したリーチ発生の有無の情報を用いて行う。ステップS42305において、今回の遊技回においてリーチ発生となったと判定した場合には(S42305:YES)、ステップS42306に進む。
ステップS42306では、バトル演出・結果告知設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図189(a)に例示したバトル演出と引き分け演出とを実行するように設定する。バトル演出の後に引き分け演出を連続して実行する。引き分け演出は、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行するように設定する。この設定の際には、図209においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップS42306を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
一方、ステップS42305において、今回の遊技回においてリーチ発生となっていなと判定した場合には(S42305:NO)、ステップS42307に進み、外れ時用演出設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を実行するように設定する。この設定の際には、図209において外れ時演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出時間を定める。ステップS42307を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図219:S42215)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図221は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS42401では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS42401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(S42401:YES)、ステップS42402に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップS42401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(S42401:NO)、ステップS42403に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図222は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS42501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS42502に進む。
ステップS42502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図223は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS42601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図224は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、液晶表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS42701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図223)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S42701)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を液晶表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS42702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S42701)などによって設定された液晶表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、液晶表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS42703に進む。
ステップS42703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S42702)によって特定された、液晶表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS42704に進む。
ステップS42704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S42703)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を液晶表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを液晶表示装置41へ送信する。その後、ステップS42705に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10においてバトル演出および結果告知演出を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、前回動作時に、抽選モードが高確率モードのままで、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、抽選モードとして高確率モードが引き継がれる。この高確率モードが引き継がれた状態で、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、パチンコ機10においては、当たり抽選で大当たり当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは消灯するので、遊技者の推測を覆すことができる。具体的には、消灯したことで、遊技者は低確率モードに移行したと推測して落胆してしまうが、当たり抽選において大当たり当選した遊技回では、実際は低確率モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回、転落抽選に当選した遊技回、のいずれの場合であっても、その当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは点灯状態から消灯状態に切り替わるので、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、当たり抽選に当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、転落抽選に当選した遊技回において、図189(b)に例示した結果告知演出(敗北演出)の前に図189(a)に例示した、特定の演出としてのバトル演出を実行し、当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回において、図189(c)に例示した結果告知演出(勝利演出)の前に、転落抽選に当選した場合と同じ図189(a)に例示したバトル演出を実行することから、バトル演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、当たり抽選に当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、バトル演出によって時間的な幅を持って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
さらに、起動時表示部39aの点灯/消灯状態を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選に当選(大当たり当選)したのかを遊技者が認識してしまう場合と比較して、演出を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選に当選したのかを遊技者に認識させる場合には、当該演出に時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。また、当該演出において、大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する演出要素と、転落抽選に当選している可能性が高いことを示唆する演出要素とを適宜組み合わせて一連の演出として実行することで、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aの点灯/消灯状態が高確率モードか否かを特定する抽選モードに関連していると遊技者に推測させることができる。また、特定の演出であるバトル演出が開始される時に、起動時表示部39aは消灯するので、バトル演出が実行されたことと起動時表示部39aの点灯/消灯状態が関連していると遊技者に推測させることができる。両推測から、パチンコ機10によれば、特定の演出の実行と抽選モードとが関連していると遊技者に推測させることができる。したがって、パチンコ機10によれば、バトル演出の実行を認識した遊技者に対して、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行することの有無についての期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、パチンコ機10においては、当たり抽選に当選(大当たり当選)する保留情報に対応する遊技回の開始時に起動時表示部39aが消灯されるにも拘わらず、当該遊技回に対応する当たり抽選を高確率モードで実行するので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、図194に対する図195、および図196に対する図197に示すように、抽選モードが高確率モードから低確率モードに切り替わるタイミングが、転落抽選に当選した遊技回と当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回とで相違するのに対して、起動時表示部39aが点灯状態から消灯状態へ切り替わるタイミングは、転落抽選に当選した遊技回と当たり抽選に当選した遊技回とで一致する。このために、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、転落抽選に当選した遊技回か、当たり抽選に当選した遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、抽選モードが高確率モードである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達した以後に、抽選モードが低確率モードに移行したことを契機に、電動役物34aは低頻度サポートモードに移行する。このため、電動役物34aが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。即ち、起動時表示部39aが消灯したこと、電動役物34aが低頻度サポートモードに移行したことの双方から、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10によれば、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達した以後の、当たり抽選において大当たり当選したと判定がなされた遊技回の開始時において、遊技者の上記の推測を覆すことができる。具体的には、起動時表示部39aが消灯したこと、電動役物34aが低頻度サポートモードに切り替わったこととで、遊技者は低確率モードに移行したと推測して落胆してしまうが、大当たり当選した遊技回では、実際は低確率モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、起動時表示部39aが点灯中であって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前(=保証遊技回数内)において、当たり抽選において大当たり当選したと判定された場合、転落抽選に当選した場合のいずれであっても、起動時表示部39aは、大当たり当選または転落当選したその遊技回の開始時に、同じ挙動(点灯/消灯の動作)をする。このため、起動時表示部39aの表示の態様から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たり当選、転落当選のいずれであっても、遊技回の開始時から少なくとも遊技回が終了するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードを維持する。このため、遊技回における電動役物34aの挙動から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、保証遊技回数内における遊技回の開始時から遊技回が終了するまでの間において、起動時表示部39aの表示態様と電動役物34aの挙動から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、保証遊技回数内における大当たり当選または転落当選時に、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、抽選モードが高確率モードである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選において大当たり当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは点灯状態から消灯状態に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
D7.第4実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
D7−1.変形例1:
<変形例1における処理の概要>
変形例1におけるパチンコ機による処理の概要を、第4実施形態との相違点を示しながら先に説明する。なお、変形例1におけるパチンコ機のハードウェア構成は、第4実施形態のパチンコ機10と同一であることから、第4実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を付けて、処理の概要の説明を行う。
図225は、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。図225は、第4実施形態の図195に対応するタイムチャートであり、図195と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合を示している。そして、図195と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt22で、起動時表示部39aが点灯される。
図225の例示では、60回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選している。この大当たり当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt23で、起動時表示部39aは消灯される。これは、第4実施形態における図195と同じである。
図示はしないが、このタイミングt23で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt23で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回が開始される時(タイミングt23)に、起動時表示部39aが消灯されると共に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。このタイミングt23で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する点が、第4実施形態と相違する。
図226は、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。図226は、第4実施形態における図197に対応するタイムチャートであり、図197と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合を示している。そして、図197と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt42で、起動時表示部39aが点灯される。
図226の例示では、120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選している。この大当たり当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt43で、起動時表示部39aは消灯される。これは、第4実施形態における図197と同じである。
図示はしないが、このタイミングt43で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt43で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合も、その大当たり当選した遊技回が開始される時(タイミングt43)に、起動時表示部39aが消灯されると共に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。このタイミングt43で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する点が、第4実施形態と相違する。
なお、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理は、第4実施形態と同一である。すなわち、電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した場合は、第4実施形態の図194のタイムチャートと同様の処理を実行する。電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した場合は、第4実施形態の図196のタイムチャートと同様の処理を実行する。
上記の処理の概要から判るように、変形例1のパチンコ機では、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、転落抽選に当選した遊技回、当たり抽選において大当たり当選した遊技回のいずれの遊技回でも、遊技回の開始時に抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行される。この点が第4実施形態と相違する。そして、変形例1のパチンコ機では、この低確率モードへの移行のタイミングに伴って、起動時表示部39aは消灯する。このように処理することで、起動時表示部39aの制御を、抽選モードに連動して制御することができる。
次に、変形例1のパチンコ機において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。その具体的な制御は、第4実施形態における具体的な制御と比較して、主制御装置60のMPU62によって実行される後述する図227〜図230で示す処理が相違するだけで、主制御装置60のMPU62によって実行される残余の処理、音声発光制御装置90において実行される各種処理、表示制御装置100において実行される各種処理は同一である。
<変動開始処理>
図227は、変形例1における変動開始処理を示すフローチャートである。この変動開始処理において、ステップS42801〜S42802は第4実施形態の変動開始処理(図206)のステップS40901〜S40902と同一であり、ステップS42804〜S42809は第4実施形態の変動開始処理(図206)のステップS40903〜S40908と同一である。変形例1における変動開始処理において、第4実施形態の変動開始処理と相違するのは、ステップS42802とステップS42804との間に、起動時表示部制御処理(ステップS42803)が追加されている点だけである。起動時表示部制御処理の詳細については、後述する。
<転落判定処理>
図228は、変形例1における転落判定処理を示すフローチャートである。この転落判定処理において、ステップS42901〜S42903は第4実施形態の転落判定処理(図207)のステップS41001〜S41003と同一であり、ステップS42904〜S42906は第4実施形態の変動開始処理(図207)のステップS41007〜Sy1009と同一である。この転落判定処理において、第4実施形態の転落判定処理(図207)に対して相違するのは、第4実施形態の転落判定処理のステップS41004〜S41006が削除されている点であり、残余の点では同一である。即ち、変形例1における転落判定処理では、起動表示部部39aを消灯することは行わない。
<当たり判定処理>
図229は、変形例1における当たり判定処理を示すフローチャートである。この当たり判定処理において、ステップS43001〜S43005は第4実施形態の当たり判定処理(図208)のステップS41101〜S41105と同一であり、ステップS43007〜S43019は第4実施形態の当たり判定処理(図208)のステップS41108〜S41120と同一である。この当たり判定処理において、第4実施形態の当たり判定処理(図208)に対して相違するのは、第4実施形態の当たり判定処理のステップS41106が削除され、第4実施形態の当たり判定処理のステップS41107に換えて、ステップS43006の処理が実行される点である。すなわち、当たり抽選において大当たり当選し(S43004:YES)、かつ、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(S43005:YES)、ステップS43006に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFにする。ステップS43006の実行後、ステップS43007に進む。
<起動時表示部制御処理>
図230は、変形例1における起動時表示部制御処理を示すフローチャートである。起動時表示部制御処理は、変動開始処理のサブルーチン(図227:S42803)として主制御装置60のMPU62によって実行される。ステップS43101では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップS43101において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(S43101:YES)、ステップS43102に進み、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS43102において、高確率モードでない、すなわち低確率モードであると判定した場合には(S43102:NO)、ステップS43103に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップS43104に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップS43104を実行した後、起動時表示部制御処理を終了する。
一方、ステップS43101において起動時表示部フラグがONされていないと判定した場合(S43101:NO)、またはステップS43102において高確率モードであると判定した場合には(S43102:YES)、ステップS43103およびステップS43104を実行することなく、起動時表示部制御処理を終了する。
以上説明したように、変形例1のパチンコ機によれば、起動時表示部39aが点灯中に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに切り替えられたことを契機に、起動時表示部39aが点灯から消灯に切り替えられる。また、変形例1のパチンコ機は、当たり抽選に大当たり当選した遊技回の開始時に、抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替える。従って、起動時表示部39aは、点灯中であって、当たり抽選に大当たり当選した遊技回の開始時に、表示態様を点灯から消灯に切り替える。このとき、遊技回の開始時に、起動時表示部39a点灯から消灯に切り替わったことを認識した遊技者に対して、当該遊技回における判定が低確率モードで実行されたと推測させることができる。しかしながら、当たり抽選によって大当たり当選と判定された後に遊技回は開始され、その遊技回の開始時に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているので、当該遊技回の当たり抽選は高確率モードで実行される。従って、遊技回における当たり抽選が低確率モードで実行されたという遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができる。さらに、当該遊技回が当たり抽選において大当たり当選となる遊技回であることで、遊技者にさらに大きな意外性や期待感を付与することができる。これらの結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、変形例1のパチンコ機10によれば、遊技回の開始時に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているが、当たり抽選が高確率モードで行われて大当たり当選した後に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているので、当該遊技回において遊技者が不利益となることを回避することができる。さらに、起動時表示部39aを点灯から消灯に切り替える制御を、当たり抽選を高確率モードから低確率モードに切り替える制御に連動させているので、起動時表示部39aの点灯/消灯の状態を切り替える制御を特異な制御にすることを回避し、簡易な制御としつつ、上記のような遊技者の推定を覆したり、遊技者に意外性を付与する効果を奏することができる。
D7−2.変形例2:
上記第4実施形態およびその変形例1では、表示手段の少なくとも一部を構成する起動時表示部39aをLED(発光ダイオード)によって構成していたが、これに換えて、白熱ランプ、蛍光ランプ、液晶ディスプレイ、有機EL等の他の発光部によって構成しても良い。
D7−3.変形例3:
上記第4実施形態およびその変形例1では、表示手段の取り得る第1の表示態様と第2の表示態様との組合せを、消灯状態と点灯状態の組合せとしていたが、これに換えて、点滅状態と点灯状態の組合せ、消灯状態と点滅状態との組合せとしても良い。また、点滅間隔の異なる2種類の点滅状態の組合せとしても良い。さらに、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に表示する2種類の絵柄の組合せとしても良い。なお、「第1の表示態様」または「第2の表示態様」は、先に説明したように、消灯状態も含み得る。これらの構成によっても、第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
D7−4.変形例4:
上記第4実施形態およびその変形例1では、パチンコ機10は電源スイッチ88を備えた構成であったが、これに換えて、電源スイッチ88を備えない構成としても良い。例えば、複数のパチンコ機10を備えるホールの外側から、無線によって、複数のパチンコ機10への電力供給を実行したり中断したりする構成とすることができ、この構成では、電源スイッチ88が有ろうと無かろうと、電源装置に備えられる停電監視回路によって、パチンコ機に電力が供給されている供給状態とパチンコ機に電力が供給されていない非供給状態とのいずれにあるかが検出されることになる。電源スイッチを備えない構成によっても、第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
D7−5.変形例5:
上記第4実施形態およびその変形例1では、判定手段が有する判定モード(抽選モード)として、低確率モードと高確率モードとを有するが、これに換えて、特別情報が所定の条件を満たす確率が3段階に分かれる3種類の確率モード(例えば、低確率モードと中確率モードと高確率モード)を有する構成としてもよい。さらに、特別情報が所定の条件を満たす確率がn段階(nは4以上の正の整数)に分かれるn種類の確率モードを有する構成としても良い。
D7−6.変形例6:
上記第4実施形態およびその変形例1では、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出と引き分け演出とを行うが、これに換えて、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出とだけを行う構成としても良い。この構成によれば、遊技者に勝ち負けを明確化することができる。
D7−7.変形例7:
上記第4実施形態およびその変形例1では、結果告知演出前に実行される特定の演出としてバトル演出が実行される構成としたが、上記特定の演出はバトル演出に限定されることはない。上記特定の演出は、結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出であれば、いずれの構成とすることもできる。結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出としては、例えば、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行することを示唆する演出等を採用することができる。こうした構成によっても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
D7−8.変形例8:
上記第4実施形態およびその変形例1では、1遊技回において実行される演出は、バトル演出と結果告知演出との2種類の演出によって構成したが、これに換えて、バトル演出と第3の演出と結果告知演出との3種類の演出によって構成してもよい。第3の演出としては、例えば、パチンコ機10の機種のPR動画等であってもよい。さらには、4種類以上の演出としても良い。また、バトル演出を実行することなく、結果告知演出だけの演出としてもよい。
D7−9.変形例9:
上記第4実施形態およびその変形例1では、転落抽選に当選したときに実行されるバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときに実行されるバトル演出は、同一であったが、これに限定されない。例えば、転落抽選に当選したときのバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときとで、バトル演出を構成する画像の一部が相違する構成としても良い。例えば、画像全体としては似通っているが、一部の遊技者だけが相違することを気がつくことのできる画像とすることで、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
D7−10.変形例10:
上記第4実施形態およびその変形例1では、特別情報が所定の条件を満たす場合として、当たり抽選において大当たり当選する場合を例に説明をしたが、所定の条件は、当たり抽選において大当たり当選することに限定されない。例えば、特別情報が所定の条件を満たす場合として、取得したリーチ乱数カウンタC3のカウンタ値に基づいてリーチ演出を実行する条件が満たされた場合を採用してもよい。このように、所定の条件として他の条件を設定しても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
D7−11.変形例11:
上記第4実施形態およびその変形例1では、保証遊技回数に達した以降に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合に、その遊技回が開始されるタイミングt43(図197参照)で低頻度サポートモードに移行されるが、これに換えて、当たり抽選において大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングt44(図197参照)で、低頻度サポートモードに移行する構成としても良い。この構成によっても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
D7−12.変形例12:
上記第4実施形態およびその変形例1では、状態記憶手段において状態情報が特定している第1の状態として低確率モードを採用し、第2の状態として高確率モードを採用していたが、第1の状態および第2の状態は、これらに限定されない。例えば、第1の状態として低頻度サポートモードを採用し、第2の状態として高頻度サポートモードを採用してもよい。さらに、特定処理実行手段において実行を開始する特定の処理として、起動時表示部39aを点灯する処理を採用していたが、特定の処理は、起動時表示部39aを点灯する処理に限定されない。例えば、特定の処理は、高頻度サポートモードを実行する処理としても良い。
D7−13.変形例13:
上記第4実施形態およびその変形例1では、転落抽選を行い当選した場合に、当たり抽選の抽選モードを低確率モードに決定する構成としたが、これに換えて、転落抽選そのものを行わない構成としても良い。この構成によっても、上記第4実施形態と同様に、当たり抽選において大当たり当選した遊技回で遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができるという効果を得ることができる。
D7−14.変形例14:
上記変形例1では、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、保証遊技回数未満の遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合、その遊技回の開始時に、抽選モードは高確率モードから低確率モードに移行され、サポートモードは高頻度サポートモードを保持するが(図226のタイミングt43を参照)、これに換えて、その遊技回の開始時に、抽選モードは低確率モードに移行されるのと連動して、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する構成としても良い。この構成によれば、制御ルーチンが簡単になるという効果を得ることができる。
D7−15.変形例15:
上記第4実施形態およびその変形例1では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、第4実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記第4実施形態およびその変形例1において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、第4実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、第4実施形態における全ての処理が実行できれば良い。
E.第5実施形態:
E1.遊技機の構造:
図231は、本発明の第5実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図232は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図233は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。さらに、遊技盤30には、遊技球振分装置200が設けられている。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図232)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、液晶表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図234は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図234(a)は、液晶表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図234(a)に示すように、液晶表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図234(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図234(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図234(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、液晶表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図234(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
図233において、遊技球振分装置200(図233参照)は、遊技球が入球可能な第1入球口201から入球した遊技球を通常ルートNRと特別ルートSPとに振り分けるための装置であり、遊技領域PAにおける第1始動口33の上方に設けられている。遊技球振分装置200の詳細な構成ついて、次に説明する。
E2.遊技球振分装置の構成:
図235および図236は、遊技球振分装置200を示す断面図である。図235には後述する弁体241,251が閉じた状態が示されており、図236には弁体241,251が開いた状態が示されている。図235および図236において、断面として遊技盤30に平行な面で切断したときの切り口が示されている。図中の+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。
両図に示すように、遊技球振分装置200は、第1通路210と、第1通路210の−X方向側に隣接して配置される第2通路220と、第1通路210の+X方向側に隣接して配置される第3通路230と、を備える。本実施形態では、第1ないし第3通路210〜230は、透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路210は、第1入球口201を上端に有し、第1入球口201から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路210は、一本の本線通路211と、本線通路211から分かれた2本の支線通路212,213(以下、「第1支線通路212」、「第2支線通路213」と呼ぶ)と、を有する。各通路211〜213の流れ方向に垂直な断面形状は略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように各通路211〜213は取り付けられている。
本線通路211は、本線上流側部分211aと、本線中間部分211bと、本線下流側部分211cと、に区分けされる。本線上流側部分211aは、本線通路211において最も上流側の部分で、第1入球口201から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線中間部分211bは、本線上流側部分211aの下端に続く部分で、本線上流側部分211aの下端から右下方向に伸び、途中で真下方向に折れ曲がった形状を有する。本線下流側部分211cは、本線中間部分211bに続く部分で、本線中間部分211bの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
第1支線通路212は、本線通路211における本線上流側部分211aと本線中間部分211bとの連結部分を分岐点(以下、「第1分岐点」と呼ぶ)211xとして、第1分岐点211xから真下方向に伸びる直線形状を有する。したがって、本線通路211の本線上流側部分211aと第1支線通路212とによって、第1入球口201から真下方向に伸びる1本の直線形状の通路が構成されることになる。第1分岐点211xには、遊技球を本線通路211の本線中間部分211bと第1支線通路212とのいずれかに振り分ける第1遊技球振分機構240が設けられている。
第2支線通路213は、本線通路211における本線中間部分211bと本線下流側部分211cとの連結部分を分岐点(以下、「第2分岐点」と呼ぶ)211yとして、第2分岐点211yから真下方向に伸びる直線形状を有する。第2分岐点211yには、遊技球を本線通路211の本線下流側部分211cと第2支線通路213とのいずれかに振り分ける第2遊技球振分機構250が設けられている。
第2通路220は、遊技球が入球可能な第2入球口221を上端に有し、第2入球口221から入球した遊技球を下方に向かって流す。本実施形態では、第2入球口221の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路210に形成された第1入球口201の高さとは同じであり、第2入球口221と第1入球口201とは隣接する。第2通路220は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、第2入球口221から真下方向に伸びる上流側部分220aと、左下方向に向けて伸びる下流側部分220bとに区分けされる。
上流側部分220aは、第1通路210の本線上流側部分211aと第1支線通路212の一部分とに沿って配置される。本実施形態では、上流側部分220aの第1通路210側の側壁と、第1通路210の上流側部分220a側の側壁とは、一つの壁体210aによって構成される。第2通路220の流れ方向に垂直な断面形状は第1通路210と同様に略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように第2通路220は取り付けられている。
第3通路230は、遊技球が入球可能な第3入球口231を上端に有し、第3入球口231から入球した遊技球を下方に向かって流す。本実施形態では、第3入球口231の高さと、第1通路210に形成された第1入球口201の高さとは同じであり、第3入球口231と第1入球口201とは隣接する。第3通路210は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、正面視においては左右にぶれることなく真下方向に伸びる。ただし、第3通路230は、奥行き方向(図の表裏方向)においては、本線通路211の本線中間部分211bを跨ぐように後ろ側(図の裏側)に向けてUの字状に湾曲している。なお、このUの字の形状は、遊技球が流下可能な形状である。
第3通路230は、上記のUの字状に湾曲した部分を除いて、第1通路210の本線上流側部分211aと第1支線通路212とに沿って配置される。本実施形態では、第3通路230の上記Uの字状に湾曲した部分を除いた部分の第1通路210側の側壁と、第1通路210の第3通路230側の側壁とは、共通した一つの壁体210bによって構成される。第3通路230の流れ方向に垂直な断面形状は第1通路210と同様に略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように第3通路230は取り付けられている。
第1遊技球振分機構240は、弁体241と、弁体241に連結される作用片242と、を主な構成としている。弁体241は、第1分岐点211x内に配置される板状の部材である。第1分岐点211x横の壁体210aには、遊技領域PAに垂直な方向に回転軸243が埋設されており、この回転軸243の軸心周りに、弁体241は回動可能に支持されている。弁体241は、重し244を有し、弁体241の重し244を含めた自重によって、回転軸243の周りの力のモーメントを発生する。
弁体241は、本線通路211から第1支線通路212への開口を閉鎖する第1の位置(図235に示した弁体241の位置)と、本線通路211から第1支線通路212への開口を開く第2の位置(図236に示した弁体241の位置)と、の間を回動する。第1分岐点211xの右側角部CNによって弁体241は右回り(時計回り)の回転が規制されており、第1の位置に弁体241が位置決め可能な構成となっている。第1の位置が、弁体241に重力以外の力が働いていない初期姿勢の位置である。
第2の位置は、本線通路211から第1支線通路212への開口を遊技球が少なくとも通過可能なだけ開く位置であり、本実施形態では、第1の位置から左回り(反時計回り)に回転して壁体210aに形成された収納凹部DEの内部に収納される位置である(図236参照)。なお、第2の位置は、弁体241が壁体210aの内部に必ずしも収納される位置である必要はなく、遊技球が少なくとも通過可能なだけ開口を開く位置であれば、いずれの位置とすることもできる。
作用片242は、板状の部材であり、弁体241に対して、回転軸243を対称の中心とする点対称となる位置に設けられている。このため、弁体241が第1の位置にあるとき、作用片242は、第2通路220の内側に突出する。図235に示す第1の位置にあるときの状態から、遊技球が、第2入球口221から入球し、第2通路220を通過し、作用片242に達した場合に、遊技球は作用片242を押下し、作用片242に対して左回りの力のモーメントを作用する。これによって、弁体241は、図235に示す状態から左回りに回転し、遊技球の通過と共に、弁体241は、図236に示すように、第2の位置へと移動する。
弁体241が第2の位置にあるとき、本線通路211から第1支線通路212への開口が開くことから、遊技球はその開口から第1支線通路212を流下する。このため、本線通路211の本線上流側部分211aを通過し第1分岐点211xに至った遊技球P1(図236)は、第1支線通路212に振り分けられる。
その後、第2通路220において、遊技球が作用片242から離れると、弁体241には自重によって右回りの力のモーメントが作用し、第2の位置から第1の位置に戻る(図235)。
上記構成の第1遊技球振分機構240によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1分岐点211xに至った遊技球P1(図235)を第1支線通路212に振り分けることができる。より具体的には、第2通路220内における作用片242が動作する範囲内を遊技球が通過するときに、本線通路211から第1支線通路212への開口が開くことから、その時に、第1通路210の第1分岐点211xに遊技球P1が達した場合に、遊技球P1を第1支線通路212に振り分けることができる。換言すれば、第2通路220の第2入球口221への遊技球が入球し、その入球したと同じもしくは少し遅れるタイミングで、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球した場合に、その第1入球口201に入球した遊技球を第1支線通路212に振り分けることができる。すなわち、第1入球口201への遊技球の入球と第2入球口221への入球との時間的な間隔が特定時間(作用片242が作用する期間)内である特定の場合に、第1入球口201に入球した遊技球を第1支線通路212に振り分けることができる。
第2遊技球振分機構250は、第1遊技球振分機構240と同一の構成を有する。すなわち、第2遊技球振分機構250は、弁体251と、弁体251に連結される作用片252と、を主な構成としている。弁体251には、重し254が取り付けられている。第2遊技球振分機構250の動作についても第1遊技球振分機構240と同一であり、弁体251は、本線通路211から第2支線通路213への開口を閉鎖する第1の位置(図235に示した弁体251の位置)と、本線通路211から第2支線通路213への開口を開く第2の位置(図236に示した弁体251の位置)と、の間を回動する。遊技球が、第3入球口231から入球し、第3通路230を通過し、作用片252に達した場合に、遊技球は作用片252を押下し、作用片252に対して左回りの力のモーメントを作用する。これによって、弁体251は、第1の位置から第2の位置へと移動する。したがって、本線通路211から第1支線通路212への開口が開き、第2分岐点211yに至った遊技球P2(図236)は、第2支線通路213に振り分けられる。
第1通路210の有する本線通路211の下流側の端部は、通常ルートNR(図232)に連通している。第1通路210における第1支線通路212の下流側の端部と、第1通路210における第2支線通路213の下流側の端部とは合わさって、特別ルートSP(図233)に連通している。第2通路220の下流側の端部と、第3通路230の下流側の端部とは合わさって、アウトルートOT(図233)に連通している。
図233に示すように、本実施形態では、第1始動口33へ遊技球が入球する場合として、通常ルートNRを経由する場合と、特別ルートSPを経由する場合と、通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合の3通りがある。通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合は、第1始動口33の左横側または右横側から入球する場合であり、第1始動口33へ入球する確率は0ではないが極めて低い。通常ルートNRは、第1始動口33の真上から右側にずれた位置に開口していることから、通常ルートNRを経由した場合は、第1始動口33へ入球する確率は通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合に比べて高いが、例えば10%とそれほど高い確率ではない。この確率は、通常ルートNRの開口から第1始動口33に至る範囲に配設された釘42の位置によって調整される。特別ルートSPは、第1始動口33の真上かつ近い位置に開口していることから、第1始動口33へ入球する確率は例えば50〜100%と極めて高い確率である。第1始動口33へ入球する確率が高いと言うことは、遊技者にとっての有利度合が高いことであるため、特別ルートSPと呼ぶことができる。
遊技球振分装置200の第1入球口201から入球した遊技球は、遊技球振分装置200によって、上述した通常ルートNRと特別ルートSPのいずれかに振り分けられる。一方、遊技球振分装置200の第2入球口221または第3入球口231に入球した遊技球は、遊技球振分装置200の作用片242,252を動作させるだけで、アウトルートOTを経由してアウト口43から排出される。
図235および図236に示すように、なお、遊技球振分装置200の第1入球口201、第2入球口221、第3入球口231の上方には、釘42(42a,42b,42c,42d)が設けられている。具体的には、第1入球口201と第2入球口221との間の壁体の上方に第1の釘42aが設けられ、第1入球口201と第3入球口231との間の壁体の上方に第2の釘42bが設けられ、第2入球口221の左側の壁体の上方に第3の釘42cが設けられ、第3入球口231の右側の壁体の上方に第4の釘42dが設けられている。第1〜第4の釘42a〜42dの打ち込み位置によって、各入球口201,221,231への遊技球の入球の確率が変化する。
E3.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図237は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサー67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85とが接続されている。主制御基板61は、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
電源装置85は、停電監視回路86を備える。停電監視回路86は、電源を監視することによって、停電発生時に停電情報信号を出力する。「停電発生時」とは、商用電源の停電が発生した時に限らず、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた時(電源オフ時)も含む。
また、主制御基板61は、各種検知センサー67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサーと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサー67a〜67eからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図238は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図237)に当否テーブルとして記憶されている。
図239は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。図239(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図239(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図239(a)に示すように、当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は15個である。一方、図239(b)に示すように、当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は30個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
図238に戻り、大当たり種別カウンタC2の詳細について次に説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図239を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図240は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図240(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図240(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図240(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たりに対応しており、「6〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜27」が16R通常大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。このため、本実施形態では、確変大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの40パーセントとなっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図240(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜12」が16R確変大当たりに対応しており、「13〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜30」が16R通常大当たりに対応しており、「31〜39」が8R通常大当たりに対応している。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。本実施形態では、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となる場合において、確変大当たりとなる確率は60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は40パーセントであり、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合と同一であるが、16Rと8Rとの振分けは、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合よりも16Rとなる確率が高い確率となっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに格納されている停止結果テーブルが参照される。
図238に戻り、リーチ乱数カウンタC3の詳細について次に説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図234(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C5=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C5=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
E4.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図241は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図237)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
E5.主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図242は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS50101では、各種検知センサー67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサー67a〜67eの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップS50102に進む。
ステップS50102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS50103に進む。
ステップS50103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC5の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC5にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS50104に進む。
ステップS50104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップS50104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップS50104を実行した後、ステップS50105に進む。
ステップS50105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップS50105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップS50105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図242:S50104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図243は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS50201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS50201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(S50201:YES)、ステップS50202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS50203に進む。
ステップS50203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS50204に進む。
ステップS50204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS50209に進む。
ステップS50201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(S50201:NO)、ステップS50205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップS50205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(S50205:YES)、ステップS50206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS50207に進む。一方、ステップS50205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(S50205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップS50207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS50208に進む。
ステップS50208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップS50209に進む。
ステップS50209では、上述したステップS50204又はステップS50208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS50209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S50209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップS50209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S50209:YES)、ステップS50210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS50211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS50212に進む。
ステップS50212では、ステップS50103(図242)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS50210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS50103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS50210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS50103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS50210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップS50212を実行した後、ステップS50213に進む。
ステップS50213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS50213を実行した後、ステップS50214に進む。
ステップS50214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図246:ステップS50502)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップS50214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図243:S50213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図244は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS50301では、始動口用の入球処理(図243)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップS50302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS50302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S50302:YES)、ステップS50303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS50305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS50302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S50302:NO)、ステップS50304に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS50305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS50305では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S50305:YES)、ステップS50306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップS50307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS50307を実行した後、ステップS50308に進む。
ステップS50308では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS50308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S50308:YES)、ステップS50309に進み、先判定処理結果格納エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS50308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S50308:NO)、ステップS50310に進み、先判定処理結果格納エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS50305において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S50305:NO)、ステップS50311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップS50312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS50313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS50313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S50313:YES)、ステップS50314に進み、先判定処理結果格納エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS50313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S50313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図242:S50105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図245は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップS50401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップS50401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(S50401:YES)、ステップS50402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS50401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(S50401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップS50402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S50402:YES)、ステップS50403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS50404に進む。
ステップS50404では、ステップS50103(図242)において更新した電動役物開放カウンタC5の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップS50402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S50402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC5の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図246は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS50501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS50502に進む。
ステップS50502では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS50502を実行した後、ステップS50503に進む。
ステップS50503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS50504に進む。
ステップS50504では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS50505に進む。ステップS50505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS50505を実行した後、ステップS50506に進む。
ステップS50506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS50507に進む。
ステップS50507では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS50508に進む。
ステップS50508では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS50502のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS50508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S50508:NO)、ステップS50509及びステップS50510において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS50509において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS50510において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップS50508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S50508:YES)、ステップS50502に戻り、ステップS50502からステップS50507までの各処理を実行する。
なお、ステップS50502からステップS50507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図246:S50508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図247は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS50601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS50601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S50601:YES)、ステップS50602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS50601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S50601:NO)、ステップS50602に進む。
ステップS50602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS50602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S50602:NO)、ステップS50603〜ステップS50606の遊技回開始用処理に進む。ステップS50603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS50603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S50603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS50603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S50603:NO)、ステップS50604に進む。
ステップS50604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS50605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS50605では、メイン表示部45における変動表示及び液晶表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップS50605を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS50602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S50602:YES)、ステップS50606〜ステップS50610の遊技回進行用処理に進む。
ステップS50606では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS50606では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図249:S50802)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS50606において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S50606:NO)、ステップS50607に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS50607を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS50606において、変動時間が経過していると判定した場合には(S50606:YES)、ステップS50608に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図249)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。その後、ステップS50609に進む。
ステップS50609では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高頻度サポートモードフラグがONであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグがOFFであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードではない、すなわち低頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグは、後述する開閉実行モードの終了後にオンされる(図254のステップS51304参照)。
ステップS50609において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(S50609:YES)、ステップS50610に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて保証された保証遊技回数の残りの回数をカウントするためのカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、後述する図254のステップS51305で値100が予めセットされている。ステップS50610を実行した後、ステップS50611に進む。一方、ステップS50609において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S50609:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップS50611では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS50611において、高確率モードではないと判定した場合には(S50611:NO)、ステップS50612に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。上述したように、遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップS50612において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップS50612:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップS50613に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップS50613を実行した後、ステップS50614に進む。
ステップS50614では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS50614を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS50612において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップS50612:YES)には、ステップS50613およびステップS50614を実行することなく、直ちに遊技回制御処理を終了する。また、ステップS50611において高確率モードであると判定した場合(S50611:YES)にも、直ちに遊技回制御処理を終了する。
上述したステップS50611からステップS50614までの処理によれば、高頻度サポートモードにおいて継続して実行された遊技回数が100回に達した場合に低頻度サポートモードに移行すること、しかし、遊技回数が100回に達した以後であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続されること、が実現される。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図247:S50604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図248は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS50701では、第2保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップS50701において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(S50701:YES)、ステップS50702〜ステップS50707の第1図柄表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S50701:NO)、ステップS50708〜ステップS50713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図247で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図247:S50603参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2図柄表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップS50702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS50703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS50704に進む。ステップS50704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS50705に進む。
ステップS50705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS50705を実行した後、ステップS50706に進む。
ステップS50706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS50707へ進む。
ステップS50707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS50707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図246)におけるステップS50502において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS50701において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S50701:NO)、上述のように、ステップS50708〜ステップS50713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップS50708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS50709に進む。ステップS50709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS50710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS50711に進む。
ステップS50711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS50711を実行した後、ステップS50712に進む。
ステップS50712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS50713に進む。
ステップS50713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS50713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図246)におけるステップS50505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図247:S50605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図249は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS50801では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップS50801を実行した後、ステップS50802に進む。
ステップS50802では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS50802を実行した後、ステップS50803に進む。
ステップS50803では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS50803において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S50803:NO)、ステップS50804に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS50802で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS50803において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S508303:YES)、ステップS50805に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS50802で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS50804又はステップS50805を実行した後、ステップS50806に進む。
ステップS50806では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS50804〜ステップS50806にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図246)におけるステップS50502によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS50806を実行後、ステップS50807に進む。
ステップS50807では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS50807を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図249:S50801)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図250は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップS50901では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS50901において、高確率モードであると判定した場合には(S50901:YES)、ステップS50902に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図239(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS50904に進む。
一方、ステップS50901において高確率モードではないと判定した場合には(S50901:NO)、ステップS50903に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図239(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS50904に進む。
ステップS50904では、ステップS50902又はステップS50903における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS50904において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S50904:YES)、ステップS50905に進む。
続くステップS50905からステップS50912においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS50905では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS50905において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(S50905:NO)、ステップS50906に進み、第1始動口用の振分テーブル(図240(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS50905において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(S50905:YES)、ステップS50907に進み、第2始動口用の振分テーブル(図240(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS50906又はステップS50907の処理を実行した後、ステップS50908に進む。
ステップS50908では、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS50908において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S50908:YES)、ステップS50909に進む。
ステップS50909では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS50909を実行した後、ステップS50910に進む。
ステップS50910では、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにする。ステップS50910を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップS50908において、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(S50908:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS50911に進む。
ステップS50911では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS50911を実行した後、ステップS50912に進む。
ステップS50912では、ステップS50906又はステップS50907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップS50912を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップS50904において、ステップS50902又はステップS50903における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S50904:NO)、ステップS50913に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS50913を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図249:S50802)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図251は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS51001では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS51002に進む。
ステップS51002では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(S51002:YES)、ステップS51003に進む。
ステップS51003では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップS51004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS51002において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(S51002:NO)、ステップS51005に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップS51002において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(S51005)を実行することから、ステップS51005においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(S51005:YES)、ステップS51006に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS51006では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップS51004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS51005において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S51005:NO)、ステップS51007に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS51004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図246:S50506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図252は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップS51101では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS51101において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S51101:NO)、ステップS51102に進み、1の遊技回の第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS51102において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(S51102;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51102において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S51102:YES)、ステップS51103に進み、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S51103:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51103において、上記各フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S51103:YES)、ステップS51104に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS51104を実行した後、ステップS51105に進む。
ステップS51105では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ)を確認する。ステップS51105において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変大当たりフラグ又は16R通常大当たりフラグであると判定した場合には(S51105:YES)、ステップS51106に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップS51105において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグであると判定した場合には(S51105:NO)、ステップS51107に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS51106又はステップS51107を実行した後、ステップS51108に進む。
ステップS51108では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFする。その後、ステップS51109に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグをOFFする。
ステップS51109を実行した後、ステップS51110に進み、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図246)におけるステップS50505にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS51110を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS51101において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S51101:YES)、ステップS51111に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS51111を実行した後、ステップS51112に進む。
ステップS51112では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51112:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51112:YES)、ステップS51113に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図246)におけるステップS50505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS51113を実行した後、ステップS51114に進む。
ステップS51114では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS51114を実行した後、ステップS51115に進む。
ステップS51115では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップS51116に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグがONである場合にはこれらのフラグをOFFにし、これらのフラグがONではない場合にはその状態を維持する。ステップS51116を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図252:S51111)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図253は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS51201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS51201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S51201:NO)、ステップS51202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51202:NO)、ステップS51203に進む。
ステップS51203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S51203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S51203:YES)、ステップS51204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS51205に進む。
ステップS51205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入球数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入球モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入球カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS51205を実行した後、ステップS51206に進む。
ステップS51206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図246:ステップS50505)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS51201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS51201:YES)、ステップS51207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS51207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S51207:NO)、ステップS51208に進む。
ステップS51208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップS51208において、入球が発生していないと判定した場合には(S51208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51208において、入球が発生していると判定した場合には(S51208:YES)、ステップS51209に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS51210に進む。
ステップS51210では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51210において、入球カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S51210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS51207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S51207:YES)、又は、ステップS51210において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S51210:YES)、ステップS51211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS51212に進む。
ステップS51212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS51213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S51213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS51213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S51213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS51214を実行した後、ステップS51215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図246:ステップS50502)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図252:S51114)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図254は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS51301では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS51301において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(S51301:YES)、ステップS51302に進み、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップS51302を実行した後、ステップS51303に進む。
ステップS51303では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS51304に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS51305に進む。
ステップS51305では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS51306に進む。
ステップS51306では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS51310に進む。
一方、ステップS51301において、RAM64に、16R通常大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(S51301:NO)、ステップS51307に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。その後、ステップS51308に進む。
ステップS51308では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS51309に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS51310に進む。
ステップS51310では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図246:S50507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図255は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS51401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS51401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S51401:NO)、ステップS51402に進む。
ステップS51402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS51402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S51402:NO)、ステップS51403に進む。
ステップS51403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS51403において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51403:YES)、ステップS51404に進む。
ステップS51404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS51404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S51404:YES)、ステップS51405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS51404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S51404:NO)、ステップS51406に進む。
ステップS51406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS51406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S51406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S51406:YES)、ステップS51407に進む。
ステップS51407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS51408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS51407において開閉実行モードではなく(S51407:NO)、且つ、ステップS51408において高頻度サポートモードである場合には(S51408:YES)、ステップS51409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS51410に進む。
ステップS51410では、ステップS51409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS51410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S51410:YES)、ステップS51411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップS51410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S51410:NO)、ステップS51411の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップS51407において開閉実行モードであると判定した場合(S51407:YES)、又は、ステップS51408において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S51408:NO)、ステップS51412に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS51413に進む。
ステップS51413では、ステップS51412の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS51413において、サポート当選でないと判定した場合には(S51413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51413において、サポート当選であると判定した場合には(S51413:YES)、ステップS51414に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS51402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S51402:YES)、ステップS51415に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51415において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51415:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS51415において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51415:YES)、ステップS51416に進む。
ステップS51416では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS51417に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS51401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S51401:YES)、ステップS51418に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図255:S51418)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図256は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS51501では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S51501:YES)、ステップS51502に進む。
ステップS51502では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S51502:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS51502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S51502:YES)、ステップS51503に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS51503を実行した後、ステップS51504に進む。
ステップS51504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS51505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS51505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S51505:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS51505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S51505:YES)、ステップS51506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS51501において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S51501:NO)、ステップS51507に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS51507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S51507:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS51507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S51507:YES)、ステップS51508に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS51509に進む。
ステップS51509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S51509:NO)、ステップS51510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS51510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S51510:YES)、ステップS51511に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS51509において開閉実行モードであると判定した場合(S51509:YES)、又は、ステップS51510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S51510:NO)、ステップS51512に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図257は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS51601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップS51601を実行した後、ステップS51602に進む。
ステップS51602では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS51602を実行した後、ステップS51603に進む。
ステップS51603では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS51602のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS51603を実行した後、ステップS51604に進む。
ステップS51604では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS51602のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS51604を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図257:S51602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図258は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS51701では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51701において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S51701:YES)、ステップS51702に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS51702を実行した後、ステップS51703に進む。一方、ステップS51701において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S51701:NO)、ステップS51702を実行することなく、ステップS51703に進む。
ステップS51703では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51703において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S51703:YES)、ステップS51704に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを音声発光制御装置90(図241参照)のMPU92にて特定するためのフラグであり、RAM94の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア94eに格納される。その後、ステップS51707に進む。
ステップS51703において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S51703:NO)、ステップS51705に進み、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51705において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S51705:YES)、ステップS51706に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS51707に進む。ステップS51705において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S51705:NO)、そのまま、ステップS51707に進む。
ステップS51707では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51707において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S51707:YES)、ステップS51708に進む。一方、ステップS51707において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S51707:NO)、ステップSステップS51709に進む。
ステップS51708では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、今回の遊技回において実行される大当たり時用演出や、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップS51708を実行した後、ステップS51709に進む。
ステップS51709では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51709において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S51709:YES)、ステップS51710に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS51711に進む。一方、ステップS51709において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S51709:NO)、ステップS51710を実行することなく、ステップS51711に進む。
ステップS51711では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS51711おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S51711:YES)、ステップS51712に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS51713に進む。一方、ステップS51711において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S51711:NO)、ステップS51712を実行することなく、ステップS51713に進む。
ステップS51713では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図258:S51702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図259は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS51801では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS51801の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS51801を実行した後、ステップS51802に進む。
ステップS51802では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS51801において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップS51802を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図259:S51801)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図260は入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS51901では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS51901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S51901:YES)、ステップS51902に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS51902を実行した後、ステップS51904に進む。
ステップS51901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S51901:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS51903に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS51903を実行した後、ステップS51904に進む。
ステップS51902及びステップS51903の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS51904では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS51904を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図258:S51708)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図261は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、遊技回演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、遊技回演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS52001では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS52002に進む。
ステップS52002では、大当たり時やリーチ時等における演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップS52002を実行した後、ステップS52003に進む。
ステップS52003では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は8R通常大当たりである場合には、有効ラインL(図234参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS52003を実行した後、ステップS52004に進む。
ステップS52004では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS52005において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS52005に進む。
ステップS52005では、今回の遊技回においてステップS52002で設定された演出の種類情報、ステップS52003で設定された停止図柄の種類情報、及びステップS52004で設定された変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップS52006に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS52006を実行した後、ステップS52007に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、遊技回演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図261:S52002)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図262は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップS52101では、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したか否かを判定する。この判定は、図261のステップS52001によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップS52101では、16R確変大当たり又は8R確変大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップS52101において、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したと判定された場合には(S52101:YES)、ステップS52102に進む。
ステップS52102では、確変大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において確変大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図251において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップS52102を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップS52101において、今回の遊技回による確変大当たりに当選しなかった場合には(S52101:NO)、ステップS52103に進む。
ステップS52103では、今回の遊技回における通常大当たり当選したか否かを判定する。この判定は、図261のステップS52001によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップS52103では、16R通常大当たり又は8R通常大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップS52103において、今回の遊技回において通常大当たりに当選したと判定した場合には(S52103:YES)、ステップS52104に進む。
ステップS52104では、通常大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において通常大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図251において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップS52104を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップS52103において、今回の遊技回において通常大当たりしていないと判定した場合には(S52103:NO)、ステップS52105に進む。
ステップS52105では、今回の遊技回においてリーチ発生となったか否かを判定する。この判定は、図261のステップS52001によって把握したリーチ発生の有無の情報を用いて行う。ステップS52105において、今回の遊技回においてリーチ発生となったと判定した場合には(S52105:YES)、ステップS52106に進む。
ステップS52106では、リーチ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回においてリーチとなったことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図251においてリーチ発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップS52106を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップS52105において、今回の遊技回においてリーチ発生となっていなと判定した場合には(S52105:NO)、ステップS52107に進み、外れ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、確変大当たり当選、通常大当たり当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を実行するように設定する。この設定の際には、図251においてリーチ非発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出時間を定める。ステップS52107を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図261:S52007)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図263は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS52201では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS52201において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(S52201:YES)、ステップS52202に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップS52201において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(S52201:NO)、ステップS52203に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図264は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS52301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS52302に進む。
ステップS52302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図265は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS52401では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図266は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、液晶表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS52501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図265)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S52501)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を液晶表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS52502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S52501)などによって設定された液晶表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、液晶表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS52503に進む。
ステップS52503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S52502)によって特定された、液晶表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS52504に進む。
ステップS52504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S52503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を液晶表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを液晶表示装置41へ送信する。その後、ステップS52505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球振分装置200によって、第1通路210の第1入球口201に入球した遊技球が本線通路211から第1支線通路212または第2支線通路213に振り分けられる。具体的には、第1遊技球振分機構240によって、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第1分岐点211xに至った遊技球が第1支線通路212に振り分けられ、第2遊技球振分機構250によって、第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第2分岐点211yに至った遊技球が第2支線通路213に振り分けられる。
このため、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率を変化させることができ、第3通路230の第3入球口231に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路210において、遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路210に遊技球が入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率と、第1通路210において遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、パチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、本実施形態のパチンコ機10によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、または第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210を通過する遊技球は遊技者にとって有利な特別ルートSPに振り分けられる。このため、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3通路230の第3入球口231に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1通路210において、遊技球が特別ルートSPに振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第1分岐点211xに至った遊技球は、特別ルートSPに至る第1支線通路212に振り分けられ、また、第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第2分岐点211yに至った遊技球は、特別ルートSPに至る第2支線通路213に振り分けられる。すなわち、前者と後者は論理和(OR)の関係にあり、前者の場合にも、後者の場合にも、遊技球を特別ルートSPに振り分けることが可能となる。このため、遊技者は、第1通路210の第1分岐点211xにおいて、遊技球が第1支線通路212に振り分けられなくても、続く第2分岐点211yで、遊技球が第2支線通路213に振り分けられるのではと期待感を抱くことができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に対して期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、第1通路210の有する第1入球口201、第2通路220の有する第2入球口221、第3通路230の有する第3入球口231の上方には、釘42(42a,42b,42c,42d)が設けられており、これらの釘42a〜42dの打ち込み位置によって、上述した第1支線通路212や第2支線通路213に振り分けられる確率が変わる。この確率が変わることについて、次に詳述する。
隣接する第1入球口201と第2入球口221との間の壁体の上方に設けられた第1の釘42aの打ち込み位置を考えてみる。第1の釘42aの打ち込み位置によれば、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において第1の釘42aを第1入球口201側に設けることによって、第1入球口201に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分機構240によって、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、第1の釘42aを第1通路210の第1入球口201側に設けた場合、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において第1の釘42aを第2通路220の第2入球口221側に設けた場合、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2入球口221に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が低くなる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1通路210の第1入球口201へ入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
パチンコ機10では、第1通路210において第1支線通路212に振り分けられた遊技球は、特別ルートSPに進むように構成されている。このため、第1の釘42aを第1通路210の第1入球口201側に設けて、第1入球口201へ入球する確率を低下させても、第1通路210において遊技者にとって有利な特別ルートSPに遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、第1の釘42aを第2通路220の第2入球口221側に設けて、第1通路210の第1入球口201へ入球する確率を上昇させても、第1通路210において遊技者にとって有利な特別ルートSPに遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1の釘42aの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1入球口201と第3入球口231との間の壁体の上方に設けられた第2の釘42bの打ち込み位置を考えてみる。この場合にも、前述した第1入球口201と第2入球口221との関係と同様に、第2の釘42bの打ち込み位置によって第1通路210の第1入球口201へ入球する確率を変化させることと、第1通路210において、遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、第2の釘42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10において、第1の釘42aが左右方向において第2入球口221側に設けられ、第2の釘42bが左右方向において第3入球口231側に設けられて、第1入球口201への入口が広げられた構成について考えてみる。この構成においては、第2入球口221や第3入球口231は遊技球が入球しにくく第1入球口211は遊技球が入球し易いことから、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって第1入球口201を狙って遊技球を発射することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりに第1入球口201から通常ルートNRへ送られる遊技球の数を増大させることができる。先に説明したように、通常ルートNRを経由した遊技球が第1始動口33へ入球する確率は例えば10%とそれほど高くはないが、通常ルートNRへ送られる遊技球の数を増大させることで、トータルとして単位時間当たりの第1始動口33へ入球する確率を高めることができる。
一方、第1の釘42aが左右方向において第1入球口201側に設けられ、第2の釘42bが左右方向において第1入球口201側に設けられることによって、第1入球口201への経路が狭くなった構成を考えてみる。この構成においては、第2入球口221および第3入球口231への経路は広いので、第2入球口221および第3入球口231に遊技球が入球し易い。このため、この構成においては、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって第2入球口221または第3入球口231を狙って遊技球を発射することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりに第2入球口221または第3入球口231へ入球する遊技球の数を増大させることができる。第2入球口221または第3入球口231へ入球する遊技球の数が増えれば、第1入球口201に遊技球が入球した場合に、その入球した遊技球が特別ルートSPへ振り分けられる確率が上昇する。先に説明したように、特別ルートSPを経由した遊技球が第1始動口33へ入球する確率は例えば50〜100%と極めて高いことから、単位時間当たりの第1始動口33へ入球する確率を高めることができる。このようにして、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球振分装置200を備えるので、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(以下、第1の釘間距離と呼ぶ)と、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の距離(以下、第2の釘間距離と呼ぶ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができる。以下、具体例を用いて説明する。
例えば、第1の釘間距離と第2の釘間距離との和、すなわち、第2の釘42bと第3の釘42cとの間の距離が一定に規定されている構成について考える。第1の釘42aを第2の釘42bと第3の釘42cとの間の中央より左側に設け、第1の釘間距離を第2の釘間距離よりも広くした構成(以下、「第1の構成」と呼ぶ)においては、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の下方に位置する第2入球口221は第1入球口201に比べて遊技球が入球しにくいため、第1遊技球振分機構240において弁体241が開きにくい(第1の位置から第2の位置に移行しにくい)。しかし、第1の構成においては、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の下方に位置する第1入球口201は遊技球が入球し易く、単位時間当たりに第1入球口201に入球する遊技球の数を多くすることで、第1始動口33に遊技球を入球させる確率を高めることができる。
一方、第1の釘42aを第2の釘42bと第3の釘42cとの間の中央より右側に設け、第1の釘間距離を第2の釘間距離よりも狭くした構成(以下、「第2の構成」と呼ぶ)においては、第1入球口201は第2入球口221に比べて遊技球が入球しにくいため第1の構成と比較して第1入球口201に遊技球は入球しにくい。しかし、第2の構成においては、第2入球口221は第1の構成に比べて遊技球が入球しやすいため、第1入球口201に遊技球が入球した場合には弁体241が開きやすく、第1始動口33に遊技球を入球させる確率を高めることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1の釘間距離と第2の釘間距離との差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。同様に、第1の釘間距離と、第3の釘間距離(第2の釘42bと第4の釘42dとの間の距離)の差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
また、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(第1の釘間距離)と、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の距離(第2の釘間距離)を、第1入球口201の幅(広さ)と、第2入球口221の幅(広さ)とに置き換えて考えた場合に、第1入球口201の幅(広さ)と第2入球口221の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。また、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(第1の釘間距離)と、第2の釘42bと第4の釘42dとの間の距離(第3の釘間距離)を、第1入球口201の幅(広さ)と、第3入球口231の幅(広さ)とに置き換えて考えた場合に、第1入球口201の幅(広さ)と第3入球口231の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、各遊技球振分機構240,250における弁体241,251が、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成であることから、弁体241,251を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がない。このため、パチンコ機10によれば、遊技機の構成を簡素化することができる。
E6.第5実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
E6−1.変形例1:
変形例1としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例1のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図267は、変形例1のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置300を示す説明図である。図267には弁体341,351が閉じた状態が示されている。図267において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。
図示するように、遊技球振分装置300は、第1通路310と、第1通路310の−X方向側に隣接して配置される第2通路320と、第1通路310の+X方向側に隣接して配置される第3通路330と、を備える。第1ないし第3通路310〜330は透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路310は、第1入球口301を上端に有し、第1入球口301から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路310は、一本の本線通路311と、本線通路311から分かれた子支線通路312と、子支線通路312から分かれた孫支線通路313と、を有する。
本線通路311は、本線上流側部分311aと、本線下流側部分311bと、に区分けされる。本線上流側部分311aは、本線通路311において最も上流側の部分で、第1入球口301から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線下流側部分311bは、本線上流側部分311aに続く部分で、本線上流側部分311aの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
子支線通路312は、本線通路311における本線上流側部分311aと本線下流側部分311bとの連結部分を分岐点(以下、「第1分岐点」と呼ぶ)311xとして、第1分岐点311xから真下方向に伸びる。第1分岐点311xには、遊技球を本線通路311の本線下流側部分311bと子支線通路312とのいずれかに振り分ける第1遊技球振分機構340が設けられている。
子支線通路312は、子支線上流側部分312aと、子支線下流側部分312bと、に区分けされる。子支線上流側部分312aは、子支線通路312において上流側の部分で、第1分岐点311xから真下方向に伸びる直線形状を有している。子支線下流側部分312bは、子支線上流側部分312aに続く部分で、子支線上流側部分312aの下端から左下方向に伸びる直線形状を有する。
孫支線通路313は、子支線上流側部分312aと子支線下流側部分312bとの連結部分を分岐点(以下、「第2分岐点」と呼ぶ)312xとして、第2分岐点312xから真下方向に伸びる直線形状を有する。第2分岐点312xには、遊技球を子支線下流側部分312bと孫支線通路313とのいずれかに振り分ける第2遊技球振分機構350が設けられている。
第2通路320は、遊技球が入球可能な第2入球口321を上端に有し、第5実施形態の第2通路220と同一の形状を有する。本変形例1では、第2入球口321の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路310に形成された第1入球口301の高さとは同じであり、第2入球口321と第1入球口301とは隣接する。
第3通路330は、遊技球が入球可能な第3入球口331を上端に有し、第3入球口331から入球した遊技球を下方に向かって流す。本変形例1では、第3入球口331の高さと、第1通路310に形成された第1入球口301の高さとは同じであり、第3入球口331と第1入球口301とは隣接する。第3通路310は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、第3入球口331から真下方向に伸びる上流側部分330aと、右下方向に向けて伸びる下流側部分330bとに区分けされる。
上流側部分330aは、正面視においては左右にぶれることなく真下方向に伸びる。ただし、上流側部分330aは、奥行き方向(図の表裏方向)においては、本線通路311の本線下流側部分311bを跨ぐように後ろ側(図の裏側)に向けてUの字状に湾曲している。なお、このUの字の形状は、遊技球が流下可能な形状である。
第1遊技球振分機構340は、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一の構成であり、弁体341と、作用片342と、回転軸343と、重し344と、を有する。第1遊技球振分機構340の動作についても、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一であり、この変形例1では、第2通路320を遊技球が流通しない場合には、本線通路311の第1分岐点311xに至った遊技球は本線通路311の本線下流側部分311bに振り分けられ、第2通路320における遊技球の流通を契機に、本線通路311の第1分岐点311xに至った遊技球が子支線通路312に振り分けられる。
第2遊技球振分機構350は、第5実施形態の第2遊技球振分機構250と同一の構成であり、弁体351と、作用片352と、回転軸353と、重し354と、を有する。第2遊技球振分機構350の動作についても、第5実施形態の第2遊技球振分機構250と同一であり、この変形例1では、第3通路330を遊技球が流通しない場合には、子支線通路312の第2分岐点312xに至った遊技球は子支線通路312の子支線下流側部分312bに振り分けられ、第3通路330における遊技球の流通を契機に、子支線通路312の第2分岐点312xに至った遊技球が孫支線通路313に振り分けられる。
第1通路310における本線通路311の下流側の端部と、第1通路310における子支線通路312の下流側の端部とは合わさって(合わさった部分は図示せず)、通常ルートNRに連通している。第1通路210における孫支線通路313は、特別ルートSPに連通している。第2通路320の下流側の端部と、第3通路330の下流側の端部とは合わさって(合わさった部分は図示せず)、アウトルートOT(図233)に連通している。
以上のように構成された変形例1のパチンコ機によれば、第2通路320を遊技球が流通し、かつ、第3通路330を遊技球が流通することを契機として、第1通路310の第1入球口301から入球した遊技球は、最終段である孫支線通路313に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路320の第2入球口321、第3通路330の第3入球口331の双方に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路310において、遊技球が子支線通路312に振り分けられる確率を変化させることができ、第3通路330の第3入球口331に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路310において、遊技球が孫支線通路313(ひいては特別ルート)に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路310に遊技球が入球する確率と、第1通路310において、遊技球が孫支線通路313に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、変形例1のパチンコ機によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
変形例1のパチンコ機によれば、第1入球口301に入球した遊技球が特別ルートSPに至る条件として、第1遊技球振分機構340によって遊技球が子支線通路312に振り分けられることと、第2遊技球振分機構350によって遊技球が孫支線通路313に振り分けられることとの双方を満たす必要がある(いわゆる論理積(AND)の関係)。このため、第1遊技球振分機構340によって、遊技球が子支線通路312に振り分けられた後、再度、当該遊技球が、第2遊技球振分機構350によって孫支線通路313に振り分けられるか、遊技者は緊張感を抱いて見守ることになる。したがって、変形例1のパチンコ機によれば、遊技者に対し緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
変形例1のパチンコ機は、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1および第2の釘42a,42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制でき、遊技の興趣向上をより図ることができる。さらに、弁体341,351を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる効果も奏する。
E6−2.変形例2:
変形例2としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例2における遊技球振分装置は、第5実施形態における遊技球振分装置200と比較して、第3通路230と第2遊技球振分機構250とを備えないことが主に相違する。
図268は、変形例2のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置400を示す説明図である。図268には弁体441が閉じた状態が示されている。図268において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。遊技球振分装置400は、第1通路410と、第1通路410の−X方向側に隣接して配置される第2通路420と、を備える。第1および第2通路410,420は透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路410は、第1入球口401を上端に有し、第1入球口401から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路410は、一本の本線通路411と、本線通路411から分かれた支線通路412と、を有する。
本線通路411は、本線上流側部分411aと、本線下流側部分411bと、に区分けされる。本線上流側部分411aは、第1入球口401から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線下流側部分411bは、本線上流側部分411aに続く部分で、本線上流側部分411aの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
支線通路412は、本線通路411における本線上流側部分411aと本線下流側部分411bとの連結部分を分岐点411xとして、分岐点411xから真下方向に伸びる。分岐点411xには、遊技球を本線通路411の本線下流側部分411bと支線通路412とのいずれかに振り分ける遊技球振分機構440が設けられている。支線通路412は、真下方向に伸びる直線形状を有している。
第2通路420は、遊技球が入球可能な第2入球口421を上端に有する。本変形例2では、第2入球口421の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路410に形成された第1入球口401の高さとは同じであり、第2入球口421と第1入球口401とは隣接する。
遊技球振分機構440は、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一の構成であり、弁体441と、作用片442と、回転軸443と、重し444と、を有する。遊技球振分機構440の動作についても、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一であり、この変形例2では、第2通路420を遊技球が流通しない場合には、本線通路411の分岐点411xに至った遊技球は本線下流側部分411bに振り分けられ、第2通路420における遊技球の流通を契機に、本線通路411の分岐点411xに至った遊技球が支線通路412に振り分けられる。
第1通路410における本線通路411の下流側の端部は、通常ルートNRに連通している。第1通路410における支線通路412は、特別ルートSPに連通している。第2通路420の下流側の端部は、アウトルートOTに連通している。
遊技球振分装置400の第1入球口401、第2入球口421の上方には、釘442a,442b,442cが設けられている。具体的には、第1入球口401と第2入球口421との間の壁体の上方に第1の釘442aが設けられ、第2入球口421の左側の壁体の上方に第2の釘442bが設けられ、第1入球口401の右側の壁体の上方に第3の釘442cが設けられている。第1〜第3の釘442a〜442cの打ち込み位置によって、各入球口401,421への遊技球の入球の確率が変化する。
以上のように構成された変形例2のパチンコ機によれば、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路410に遊技球が入球する確率と、第1通路410において、遊技球が支線通路413に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、変形例2のパチンコ機によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、変形例2のパチンコ機は、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1の釘442aの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制でき、遊技の興趣向上をより図ることができる。さらに、弁体451を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる効果も奏する。
E6−3.変形例3:
変形例3としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置200の上方に遊技球貯留装置と強制放出装置とを備えることが相違し、残余の構成については同一である。変形例3のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、その説明は省略する。
図269は、変形例3のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置200とその周辺を示す説明図である。図269において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。遊技球振分装置200は、第5実施形態における遊技球振分装置200と同一である。
遊技球振分装置200の上方、具体的には、第1通路210の第1入球口201と第2通路220の第2入球口221と第3通路230の第3入球口231との上方に、遊技球貯留装置500が設けられている。遊技球貯留装置500の右隣には、強制放出装置600が設けられている。
図270は、遊技球貯留装置500と強制放出装置600とを示す斜視図である。図269および図270に示すように、遊技球貯留装置500は、遊技球受け容器510と、回転軸(回転のための軸)520と、復元器530(図269)と、を備える。
遊技球受け容器510は、開口部510aを有する箱形の容器であって、遊技領域PAを流下してきた遊技球を3個まで貯めることができる。遊技球受け容器510に貯めることのできる遊技球の数は、遊技球振分装置200に備えられる入球口(第1〜第3入球口201,311,321)の数と同じである。遊技球受け容器510の底部の遊技盤30側に、回転軸520が設けられている。遊技球受け容器510は、回転軸520を中心に回動可能に構成されている。具体的には、通常姿勢と傾倒姿勢との間を回動可能に構成されている。
通常姿勢は、図269および図270に示した遊技球受け容器510の姿勢であり、開口部510aの向きが上向きとなる姿勢である。開口部510aの向きとは、開口面の垂線方向における遊技球受け容器510の内側から外側に向かう向きである。通常姿勢においては、上向きとなった開口部510aから、遊技領域PAを流下してきた遊技球を取り込むことができる。
傾倒姿勢は、遊技球受け容器510が傾倒して、開口部510aの向きが遊技盤30の正面視手前側(図面の表側)となる姿勢である。傾倒姿勢においては、正面視手前側に向いた開口部510aから、遊技球受け容器510に貯留された遊技球を落下させることができる。
遊技球受け容器510は、初期状態では通常姿勢をとり、遊技球受け容器510に3個の遊技球が貯留された時に、貯留された3個の遊技球の重さによって、矢印R(図270)に示すように通常姿勢から傾倒姿勢に移行する。この結果、貯留された3個の遊技球は遊技球受け容器510から一度に落下する。すなわち、遊技球受け容器510は、傾倒姿勢に移行したときに、3個の遊技球を一度に下方に放出する。
遊技球受け容器510の底部には、復元器530が設けられている。復元器530は、バネ等の弾性体を内部に備え、傾倒姿勢に移行した遊技球受け容器510を通常姿勢に戻す。
強制放出装置600は、遊技盤30に対して垂直に設けられた回転軸610と、回転軸610に取り付けられた長尺板620と、を有する。長尺板620は、厚さの薄い長尺形状の板であり、長尺板620の長手方向が回転軸610の軸方向と直交するように、回転軸610に取り付けられている。回転軸610の回転に連動して、長尺板620は回転軸610を中心として回転する。この長尺板620の回転する領域内に、遊技球受け容器510の一部が位置する。
本実施形態では、回転軸610は、左回り(反時計回り)に一定の回転速度で常時回転し、所定時間、例えば1分間で1回転する。回転軸610が左回りに回転し、長尺板620が左回りに回転すると、遊技球受け容器510の右側部分の上方に長尺板620が当たり、長尺板620は、通常姿勢にあった遊技球受け容器510を傾倒姿勢に移行させる。この結果、遊技球受け容器510は、所定時間毎に強制的に傾倒姿勢に移行させられ、遊技球受け容器510に貯留された遊技球は、下方に放出される。遊技球受け容器510に貯留された遊技球が仮に2個でも1個でも、貯留された遊技球は下方に放出される。
なお、強制放出装置600において、回転軸610は、一定の回転速度で常時回転する構成に換えて、所定時間毎に間歇的に回転する構成としても良い。また、強制放出装置600において、長尺板620は、棒状のものに換えても良い。
以上のように構成された変形例3のパチンコ機によれば、3個貯留されて遊技球受け容器510から放出された遊技球は、一度にまとめて遊技球振分装置200の第1〜第3入球口201,221,231に向かうことになる。このため、第1〜第3入球口201,221,231に続けて遊技球が入球する確率を高めることができることから、遊技球振分装置200において特別ルートSPに至る通路212,213に遊技球を振り分ける確率を高めることができる。したがって、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に有利となる確率を高くして、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技者は、操作ハンドル25の操作によって、遊技球受け容器510を狙って遊技球を発射する。すなわち、遊技球受け容器510に遊技球が3個、貯えられるように、遊技球受け容器510を狙って遊技球を発射する。こうすることで、遊技球受け容器510に遊技球が3個、貯えられ、遊技球が傾倒し、遊技球振分装置200の第1〜第3入球口201,221,231に対してまとめて遊技球を入球させることができる。このため、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に対して期待感を付与することができる。
また、変形例3では、強制放出装置600の長尺板620が一回転する毎に、遊技球受け容器510から遊技球が強制的に放出されることから、遊技者は、長尺板620が一回転する間に、遊技球受け容器510に遊技球を3個貯める必要がある。このため、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に対して、遊技球が強制的に放出される前に遊技球を3貯めることができるかという緊張感を付与することができる。
また、変形例3のパチンコ機によれば、遊技球の重さを受けて自動的に遊技球受け容器510から遊技球を放出することができることから、遊技機の構成を簡素化することができる。さらに、強制放出装置600によって、所定時間毎に繰り返し遊技球貯留装置500から遊技球を強制的に放出させることができることから、遊技者が遊技を終えようとした場合に、遊技球受け容器510に遊技球が貯留されたまま残ることがなくなる。このため、次の遊技者が有利な状態から遊技を開始することがなくなることから、遊技の公平性を保つことができる。
E6−4.変形例4:
変形例4としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例4のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、その説明は省略する。
図271は、変形例4のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置700を示す説明図である。図271には弁体741,751が閉じた状態が示されている。図271において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。変形例4における遊技球振分装置700は、第5実施形態における遊技球振分装置200と比較して、通路構成は同一であり、第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750の構成が相違する。
第5実施形態における第1遊技球振分機構240および第2遊技球振分機構250は、弁体241,251と、作用片242,252と、回転軸243,243と、重し244,245と、を有する構成であり、モータ等の駆動手段を用いずに動作する構成であった。これに対して、変形例4における第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750は、弁体741,751と、回転軸743,743と、を備える。弁体741,751は、それぞれ図示しないアクチュエータによって開動駆動される。そのアクチュエータは、主制御装置60によって、電気的に制御される。
第2通路220の内部には、遊技球の通過を検出する第1遊技球検出センサー725が取り付けられている。第3通路230の内部には、遊技球の通過を検出する第2遊技球検出センサー735が取り付けられている。主制御装置60は、第1遊技球検出センサー725によって遊技球の通過を検出したときに、その検出した時から予め定めた期間(例えば、2〜3秒)だけ、第1遊技球振分機構740の弁体741を開き(第2の位置に移行し)、当該期間経過後、弁体741を閉じる(第1の位置に移行する)。また、主制御装置60は、第2遊技球検出センサー735によって遊技球の通過を検出したときに、その検出した時から予め定めた期間(例えば、2〜3秒)だけ、第2遊技球振分機構750の弁体751を開き(第2の位置に移行し)、当該期間経過後、弁体751を閉じる(第1の位置に移行する)。
以上のように構成された変形例4のパチンコ機によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1および2の釘42a,42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。また、変形例4のパチンコ機によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路210に遊技球が入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率と、第1通路210において遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率とを個別に変化させることができ、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができる。こうして、変形例4のパチンコ機10によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技の興趣向上を図ることができる。
第5実施形態の第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750では、弁体741,751を開く期間は、第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750の形状から定まる一定の期間であった。これに対して、変形例4のパチンコ機によれば、弁体741,751を開く期間を、任意の時間に予め定めることができる。なお、弁体741,751を開く期間は、第1および第2遊技球検出センサー725,735により遊技球の通過を検出したタイミングから始まる期間であるが、これに換えて、上記の遊技球の通過を検出したタイミングから所定時間経過後から始まる期間としてもよい。
E6−5.変形例5:
上記第5実施形態およびその変形例1〜3では、遊技球振分機構の備える作用片を、板状の部材とし、弁体に対して回転軸を対称の中心とする点対称となる位置に設けていた。これに対して、変形例として、他の形状、他の位置に設けられた構成としても良い。要は、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることができれば、いずれの構成とすることもできる。さらに、遊技球を流通するための第2通路や第3通路を備えず、遊技領域PAを流下する遊技球が直接、作用片に作用する構成としても良い。
E6−6.変形例6:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4における第1〜第3通路の形状は、先に説明した形状に換えて、様々な形状としても良い。
E6−7.変形例7:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4における遊技球振分機構は、2つの通路のいずれかに遊技球を振り分ける構成であったが、これに換えて、遊技球振分機構は、3以上の数の通路のいずれかに遊技球を振り分ける構成としても良い。
E6−8.変形例8:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、隣接する関係であった。これに対して、変形例として、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、互いの高さが相違し、左右方向において隣り合うものとしても良い。さらには、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、離れたものとしてもよい。
E6−9.変形例9:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、遊技球振分機構は重しを有し、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成であった。これに対して、変形例として、重しを備えず、弁体そのものの重さが一方側に偏ることで、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成としてもよい。
E6−10.変形例10:
上記第5実施形態の変形例3は、第5実施形態における遊技球振分装置200の上方に遊技球貯留装置を備えた構成であった。これに対して、変形例として、第5実施形態の変形例2における遊技球振分装置400(図268)の上方に遊技球貯留装置を備えた構成としても良い。この場合には、遊技球貯留装置は、遊技球受け容器に2個の遊技球が貯留された時に、貯留された遊技球を下方に放出する構成とする。また、上記第5実施形態の変形例3では、複数の遊技球の重さによって当該遊技球受け容器が傾倒することで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる構成であったが、これに換えて、複数の遊技球の重さによって遊技球受け容器の底部が開くことで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる構成としてもよい。さらに、遊技球貯留装置は、遊技球受け容器に3個を上回る数の遊技球が載っても当該遊技球受け容器が傾倒しない構成として、強制放出装置600のみで遊技球受け容器が傾倒する構成としても良い。また、第5実施形態の変形例3において、強制放出装置600を取り除いた構成としても良い。
E6−11.変形例11:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、遊技球が流下する遊技領域PAに遊技球振分装置を設けていたが、これに限る必要はなく、パチンコ機10の背面側において遊技球が流通する領域に遊技球振分装置を設ける構成としても良い。
F.他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
G.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴A1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、
前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技回において所定の量が予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備えるので、所定の量が閾値に達するまでの所定の量の変化の態様に遊技者を注目させることができる。また、所定の量が閾値に達した後の遊技について遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化制御手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、前記閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化制御手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、遊技回において変化した所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理を実行するリセット手段を備えるので、遊技回が終了するまでに所定の量が予め設定された閾値に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回が開始され、所定の量が変化を開始したことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、所定の量の変化する態様に注目させることができる。
[特徴A4]
特徴A3に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量(蓄積ポイント)を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量(蓄積ポイント)を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない(蓄積ポイントを繰り越す)手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴A5]
特徴A3または特徴A4に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定するリセット実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量を初期値に戻すまたは維持する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴A6]
特徴A3から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段(ステージ表示制御処理を実行する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴A6によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、初期値に戻らなかった所定の量が次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴B1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に所定の量について注目させることができる。また、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定するリセット実行制御手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量の変化する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記所定の量(蓄積ポイント)が前記閾値(10ポイント)に達する所定の遊技回を第3の遊技回とした場合に、
前記特定処理実行手段は、
前記第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記特定の処理(ボタン押下演出)を前記第3の遊技回において実行するか前記第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する特別情報に基づいて、特定の処理を第3の遊技回において実行するか第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定するので、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、特定の処理が実行されたタイミングに基づいて、第3の遊技回に対応する特別情報および第3の遊技回より後に実行される遊技回に対応する特別情報に関して、遊技者に様々な推測をさせることができる。例えば、遊技回において特定の処理が実行されない場合であっても、次回の遊技回において特定の処理が実行されるから当該遊技回では特定の処理が実行されない可能性があるといった推測など、様々な推測を遊技者にさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴B4]
特徴B1から特徴B3いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴B5]
特徴B1から特徴B4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴B5によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
[特徴B6]
特徴B1から特徴B5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量(蓄積ポイント)に対応する表示をする所定量表示手段(ポイント蓄積処理を実行する機能/ステージ上に真珠の画像を表示する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、所定の量に対応する表示をする所定量表示手段を備えるので、常に遊技者に所定の量を意識させることができ、遊技に注目させることができる。
[特徴B7]
特徴B1から特徴B6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴する遊技機。
特徴B7によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、初期値に戻らなかった所定の量が次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴C1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、第1の遊技回において変化させる前記所定の量を、前記第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する変化量決定手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、第1の遊技回において変化させる所定の量を、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、各遊技回において変化する所定の量を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、遊技回において前記所定の量を変化させるタイミングを、当該遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する変化タイミング決定手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理および演出設定処理)
ことを特徴する遊技機。
特徴C3によれば、遊技回において所定の量を変化させるタイミングを、当該遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、当該遊技回の変動時間を決定付ける特別情報やその他の特別情報によって決定する種々の要素に適合したタイミングで所定の量を変化させることができる。
[特徴C4]
特徴C1から特徴C3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
前記リセット手段は、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記第1の遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定する手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、第1の遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、所定の量を初期値に戻すまたは維持する態様を、複数の遊技回に亘って関連性を有する態様にすることができる。すなわち、第1の遊技回における所定の量の変化を認識した遊技者に対して、当該第1の遊技回における期待感を付与するだけでなく、さらに、第2の遊技回における期待感を付与することができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴C5]
特徴C1から特徴C4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理を実行するリセット手段を備え、
前記リセット手段は、
遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回の終了を契機として前記リセット処理を実行するか否かを決定する手段を備える(第1実施形態における演出情報設定処理)
ことを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて、当該遊技回の終了を契機としてリセット処理を実行するか否かを決定するので、当該遊技回の変動時間を決定付ける特別情報やその他の特別情報によって決定する種々の要素を考慮して、当該遊技回において変化させた所定の量を初期値に戻すか否かを決定することができる。
[特徴C6]
特徴C1から特徴C5いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴C7]
特徴C1から特徴C6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴C7によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技者に対して遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴D群>
特徴D群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴D1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量(蓄積ポイント)が予め設定された閾値(10ポイント)に達した場合に特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記所定の量が前記閾値に達した場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理(タイマ演出)を実行する時間示唆手段(ポイント充填時制御処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定の量が閾値に達した場合に、特定の処理が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理を実行する時間示唆手段を備えるので、特定の処理が実行されるまでの時間が示唆されてから、特定の処理が実行されるまでの期間中、継続的に、当該示唆された時間の経過後に実行される特定の処理について遊技者に期待感を付与することができる。また、時間の経過とともに特定の処理が実行されるまでの時間が短くなる様子が時間示唆手段によって示唆されるので、時間の経過とともに、遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴D2]
特徴D1に記載の遊技機であって、
前記所定の量が前記閾値に達する遊技回を第1の遊技回とした場合に、
前記時間示唆手段(ポイント充填時制御処理を実行する機能)は、
第1の場合には、前記第1の遊技回において前記時間示唆処理(タイマ演出)の実行を開始し、
第2の場合には、前記第1の遊技回において前記時間示唆処理(タイマ演出)の実行を開始せず、前記第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において前記時間示唆処理の実行を開始する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、第1の遊技回において所定の量が閾値に達した場合に、時間示唆処理の実行を、第1の遊技回において開始する場合と、第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において実行する場合とがあるので、所定の量が閾値に達した場合に、当該遊技回で時間示唆処理が実行されるか否かを認識することによって、特定の処理がいつ実行されるのかを推測する楽しみを遊技者に付与することができる。
[特徴D3]
特徴D2に記載の遊技機であって、
前記第1の場合は、前記特定処理実行手段が前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合であり、
前記第2の場合は、前記特定処理実行手段が前記第1の遊技回より後に実行される遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合である
ことを特徴とする遊技機。
特徴D3によれば、所定の量が閾値に達した場合であって、時間示唆処理の実行が第1の遊技回において開始された場合には、遊技者に対して、第1の遊技回において特定の処理が実行されることを認識させ、第1の遊技回に対して遊技者に期待感を付与することができる。また、所定の量が閾値に達した場合であって、時間示唆処理の実行が第1の遊技回において開始されなかった場合には、遊技者に対して、第1の遊技回より後の遊技回において特定の処理が実行されることを認識させ、当該後の遊技回に対して遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴D4]
特徴D1から特徴D3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量が前記閾値に達する遊技回を第3の遊技回とした場合に、
前記特定処理実行手段は、
前記第3の遊技回より後に実行される第4の遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記特定の処理を前記第3の遊技回において実行するか前記第3の遊技回より後に実行される遊技回において実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D4によれば、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、特定の処理が実行されるまでの時間を示唆する時間示唆処理が実行されるタイミングに基づいて、遊技者に、どの遊技回に期待できるかを推測させることができ、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴D5]
特徴D1から特徴D4いずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記特定の処理として、特定の演出(ボタン押下演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴D5によれば、特定の処理として、特定の演出を実行するので、遊技回の実行中に実行される演出に遊技者を注目させることができる。また、特定の演出の実行によって、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴D6]
特徴D1から特徴D5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴する遊技機。
特徴D6によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴E群>
特徴E群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴E1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
特定の条件が満たされた場合に(第1実施形態において、蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、第1の処理(待機中演出)を実行する第1処理実行手段と、
前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、第2の処理(タイマ演出)を実行する第2処理実行手段と、
を備え、
第1の遊技回において前記特定の条件が満たされた場合に、
前記第1処理実行手段は、
前記第2処理実行手段が前記第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)を実行する場合には、前記第1の遊技回において前記第1の処理(待機中演出)を実行し、
前記第2処理実行手段が前記第1の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)を実行する場合には、前記第1の処理(待機中演出)を実行しない
ことを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1の遊技回において特定の条件が満たされた場合であって、第2の遊技回において第2の処理が実行される場合には、特定の条件が満たされてから第2の処理が実行されるまでに期間が生じる。このような場合に、第1処理実行手段は第1の遊技回において第1の処理を実行するので、特定の条件が満たされてから第2の処理が実行されるまでに生じた期間においても、遊技者に対して、後に第2の処理が実行されることを意識させることができ、第2の処理に対する期待感を持続させることができる。
[特徴E2]
特徴E1に記載の遊技機であって、
前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記第1の遊技回において前記特定の条件が満たされ、前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合には、前記第1の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)が実行され、
前記第1の遊技回において前記特定の条件が満たされ、前記第2の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合には、前記第2の遊技回において前記第2の処理(タイマ演出)が実行される
ことを特徴とする遊技機。
特徴E2によれば、第1の遊技回において特定の条件が満たされた場合に、遊技者は、第2の処理がどの遊技回において実行されるかを認識することによって、特定の処理が実行される遊技回を推測することができるので、遊技者に対して、第2の処理が実行されるタイミングに集中させることができるとともに、第2の処理の実行を認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
[特徴E3]
特徴E2に記載の遊技機であって、
前記特定処理実行手段は、前記第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、前記第1の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行するか前記第2の遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行するかを決定する特定処理実行制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴E3によれば、第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回に対応する特別情報に基づいて、特定の処理を第1の遊技回において実行するか第2の遊技回において実行するかを決定するので、特定の処理を実行するタイミングに関して複数の遊技回に亘る関連性を付与することができる。よって、第2の処理の実行を認識した遊技者に特定の処理が実行されるタイミングを推測させることができるとともに、推測した特定の処理が実行されるタイミングに基づいて、各遊技回における特別情報が所定の条件を満たすか否かを推測させることができる。従って、遊技者に対して、様々な要素によって、各遊技回における特別情報が所定の条件を満たすか否かを推測させることができ、遊技者の期待感を維持することができる。
[特徴E4]
特徴E2または特徴E3に記載の遊技機であって、
前記第2の処理(タイマ演出)は、前記特定の条件が満たされた場合に(蓄積ポイントが10ポイント以上蓄積された場合に)、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでの時間を示唆する処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴E4によれば、第2の処理の実行によって特定の処理が実行されるまでの時間が示唆されてから、特定の処理が実行されるまでの期間中、当該示唆された時間の経過後に実行される特定の処理について遊技者に期待感を付与することができる。また、時間の経過とともに特定の処理が実行されるまでの時間が短くなる様子が示唆されるので、時間の経過とともに、遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴E5]
特徴E1から特徴E4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の処理(待機中演出)は、前記第2の処理(タイマ演出)が実行されることを示唆する処理である
ことを特徴とする遊技機。
特徴E5によれば、第1の処理は、第2の処理が実行されることを示唆する処理であるので、第1の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、第2の処理の実行について期待感を付与することができる。
<特徴F群>
特徴F群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴F1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段は、
前記遊技回において第1の処理(第1実施形態の変形例1における所定の演出)が実行された場合には、当該遊技回の前記第1の処理が実行された後に、前記所定の量を変化させる場合と、前記所定の量を変化させない場合とがあり、
前記遊技回において第2の処理(第1実施形態の変形例1における特定の演出)が実行された場合には、当該遊技回の前記第2の処理が実行された後に、前記所定の量を必ず変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、遊技回において第2の処理が実行された場合には、当該遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、第2の処理の実行に対する期待感を付与することができるとともに、遊技に注目させることができる。また、第2の処理が実行された場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴F2]
特徴F1に記載の遊技機であって、
特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理(ボタン押下演出)を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、第2の処理が実行された場合には、当該遊技回において、必ず所定の量が変化するので、第2の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、特定の処理の実行についての期待感を付与することができる。
[特徴F3]
特徴F2に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴F3によれば、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。従って、第2の処理、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴F4]
特徴F3に記載の遊技機であって、
前記第1の処理は、所定の演出(第1実施形態の変形例1における所定の演出)であり、
前記第2の処理は、予め設定された特定の演出(第1実施形態の変形例1における特定の演出)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴F4によれば、遊技者に対して、遊技回において実行される演出に注目させることができる。そして、特定の演出が実行された際には、遊技者に対して大きな期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴F5]
特徴F2から特徴F4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴F5によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴G群>
特徴G群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴G1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の処理(第1実施形態におけるポイントの付与)を実行する所定処理実行手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記所定処理実行手段は、
前記遊技回の態様が第1の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の処理を実行する場合と、前記所定の処理を実行しない場合とがあり、
前記遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の処理を必ず実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の処理が実行されるので、所定の処理を望む遊技者に対して、当該遊技回における態様について期待感を付与することができるとともに、当該遊技回における遊技に注目させることができる。また、遊技回の態様が第2の態様であった場合には、所定の処理の実行を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の処理が実行されることについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G2]
特徴G1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記変化手段(第1実施形態の変形例2におけるポイント付与演出を実行する機能)は、
前記遊技回の態様が第1の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の量を変化させる場合と、前記所定の量を変化させない場合とがあり、
前記遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、前記所定の量を必ず変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、遊技回の態様が第2の態様である場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、当該遊技回における態様について期待感を付与することができるとともに、当該遊技回における遊技に注目させることができる。また、遊技回の態様が第2の態様であった場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の量が変化することについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G3]
特徴G2に記載の遊技機であって、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
前記遊技回の前記第1の態様は、前記リセット手段が当該遊技回の終了を契機として前記所定の量を初期値に戻す態様であり、
前記遊技回の前記第2の態様は、前記リセット手段が当該遊技回の終了を契機として前記所定の量を初期値に戻さない態様である
ことを特徴とする遊技機。
特徴G3によれば、リセット手段が当該遊技回の終了を契機として所定の量を初期値に戻さない場合には、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、所定の量の変化を望む遊技者に対して、当該遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らないことについて期待感を付与することがきる。よって、遊技者に対して、当該遊技回の終了時点においても遊技に注目させることができる。また、遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかった場合には、所定の量の変化を望んでいた遊技者に対して当該遊技回より後に実行される遊技回で所定の量が変化することについて期待感を付与することができるとともに、高揚感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴G4]
特徴G2または特徴G3に記載の遊技機であって、
特定の処理(ボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するようにに変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴G4によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかった場合は、当該遊技回より後に実行される遊技回において、必ず所定の量が変化するので、当該遊技回の終了を契機として所定の量が初期値に戻らなかったことを認識した遊技者に対して、特定の処理の実行についての期待感を付与することができる。
[特徴G5]
特徴G4に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴G5によれば、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。従って、リセット処理の有無、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴G6]
特徴G3から特徴G5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定の遊技回において変化した前記所定の量を前記リセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するリセット処理実行示唆手段(ステージ表示制御処理を実行する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴G6によれば、所定の遊技回において変化した所定の量をリセット手段が当該所定の遊技回の終了を契機として初期値に戻すか否かを、当該所定の遊技回において示唆するので、リセット処理実行示唆手段による示唆によって、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らないと認識した遊技者に対して、当該所定の遊技回より後の遊技回で必ず所定の量が変化するといった期待感、および、初期値に戻らなかった所定の量が当該所定の遊技回より後の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を付与することができる。
[特徴G7]
特徴G4から特徴G6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技者からの入力操作を受け入れる操作受入手段(演出操作ボタン)を備え、
前記特定の処理は、前記入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理(ボタン押下後に実行される演出)の実行を開始する実行開始処理を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴G7によれば、特定の処理は、入力操作を受け入れたことを契機として予め設定された処理の実行を開始する処理を含むので、特定の処理の実行によって遊技者に期待感を付与したタイミングで、さらに入力操作を介して遊技者に能動的に遊技に関与させることで、より一層遊技に注目させ、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
<特徴H群>
特徴H群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴H1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の処理を実行する所定処理実行手段と、
前記所定処理実行手段が前記所定の処理を実行することに先立って、所定の演出(ポイント付与演出)を実行する所定演出実行手段と、
を備え、
前記所定処理実行手段は、
前記所定演出実行手段が前記所定の演出を実行したにも関わらず、前記所定の処理を実行しない無実行処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する無実行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、所定処理実行手段は、所定演出実行手段が所定の演出を実行したにも関わらず、所定の処理を実行しない無実行処理を実行する無実行手段を備えるので、所定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、無実行処理が実行されないように期待させることができる。また、無実行処理を実行しなかった場合には遊技者に高揚感を付与することができ、無実行処理を実行した場合には遊技者を落胆させる。すなわち、無実行処理の実行の有無によって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができ遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴H2]
特徴H1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
前記所定の処理として、前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段を備え、
前記無実行手段は、
前記所定演出実行手段が前記所定の演出を実行したにも関わらず、前記所定の量を変化させない無変化処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する無変化手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、所定演出実行手段が所定の演出を実行したにも関わらず、所定の量を変化させない無変化処理を実行する無変化手段を備えるので、所定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、無変化処理が実行されないように期待させることができる。また、無変化処理を実行しなかった場合には遊技者に高揚感を付与することができ、無変化処理を実行した場合には遊技者を落胆させる。すなわち、無変化処理の実行の有無によって、遊技者の期待感に抑揚を付与することができ遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴H3]
特徴H2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備え、
遊技回が開始されてから前記リセット手段が前記リセット処理を実行するまでの期間に、前記無変化手段が前記無変化処理(付与ポイントが0であるポイント付与演出)を実行する回数に上限が設けられている(第1実施形態における変形例3)
ことを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、遊技回が開始されてからリセット手段がリセット処理を実行するまでの期間に、無変化手段が無変化処理を実行する回数に上限が設けられているので、無変化処理の実行回数が上限に達したことを認識した遊技者に対して、所定の演出が実行されることについて強い期待感を付与することができる。なぜなら、無変化処理の実行回数が上限に達した場合には、その後に所定の演出が実行された場合には、必ず、所定の量が変化するからである。よって、無変化処理を実行した場合であっても、遊技者に対して、実行回数が上限に達することについての期待感を付与することができる。すなわち、所定の演出が実行された場合において、無変化処理を実行しなかった場合には所定の量が変化するので遊技者に高揚感を付与することができ、また、無変化処理を実行した場合であっても遊技者に期待感(実行回数が上限に達することについての期待感)を付与することができる。その結果、無変化処理を実行しなかった場合、および、無変化処理を実行した場合のいずれの場合であっても遊技者の期待感を増大させることができる。
[特徴H4]
特徴H2または特徴H3に記載の遊技機であって、
特定の処理を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合には、前記特定の処理が実行されるまでに、前記所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させる変化制御手段を備えるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。また、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。従って、所定の演出、無変化処理の有無、無変化処理の実行回数、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
[特徴H5]
特徴H3または特徴H4に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達するように遊技者に期待をさせることができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴I群>
特徴I群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴I1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に、第1の特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する第1特定処理実行手段と、
前記所定の量が前記閾値に達しない場合に、第2の特定の処理(第1実施形態の変形例4における未充填演出)を実行する第2特定処理実行手段と、
を備え、
前記第2の特定の処理(未充填演出)が実行された場合には、前記第2の特定の処理が実行される前における前記所定の量の初期値からの変化量(蓄積ポイント)が、第1の変化量である場合よりも、前記第1の変化量よりも大きい第2の変化量である場合の方が、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であっても、第2の特定の処理が実行された場合には、所定の量の初期値からの変化量が大きいほど、特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高く、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であって、所定の量の初期値からの変化量が比較的大きい場合には、第2の特定の処理が実行されることについて遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴I2]
特徴I1に記載の遊技機であって、
前記第1の特定の処理(ボタン押下演出)は、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が実行される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、第1の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすことについて、強い期待感を付与することができる。また、第1の特定の処理は、所定の量が閾値に達することで実行されるので、変化手段が所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴I3]
特徴I1または特徴I2に記載の遊技機であって、
前記第2の特定の処理(未充填演出)は、当該第2の特定の処理が実行される前における前記所定の量(蓄積ポイント)に応じて、処理の内容が異なる(第1実施形態の変形例4)
ことを特徴とする遊技機。
特徴I3によれば、第2の特定の処理が実行される前における所定の量に応じて処理の内容が異なるので、所定の量がどのような場合であっても第2の特定の処理の内容に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴I4]
特徴I1から特徴I3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の特定の処理(未充填演出)が実行された後に、第3の特定の処理(第1実施形態の変形例4における未充填発展演出)を実行する第3特定処理実行手段を備え、
遊技回において、前記第1の特定の処理(ボタン押下演出)が実行される場合よりも、前記第3の特定の処理(未充填発展演出)が実行される場合の方が、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴I4によれば、第1の特定の処理が実行される場合よりも、第3の特定の処理が実行される場合の方が、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高い。よって、所定の量が予め設定された閾値に達せず第1の特定の処理が実行されない場合であっても、第2の特定の処理が実行された場合には、遊技者に対して、その後、第3の特定の処理が実行されることについて強い期待感を付与することができる。さらに、第3の特定の処理が実行された場合には、第1の特定の処理が実行される場合よりも遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高いので、第3の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に、より一層強い期待感を付与することができる。まとめると、所定の量が閾値に達した場合には第1の特定の処理が実行されるので遊技者に対して期待感を付与することができ、所定の量が閾値に達しない場合であっても、第2の特定の処理が実行されることについて遊技者に期待感を付与し、さらに、第2の特定の処理が実行された場合には、第3の特定の処理が実行されることについて遊技者に強い期待感を付与することができる。よって、遊技がどのような状況であっても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴J群>
特徴J群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴J1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段と、
表示中の前記遊技回表示の表示態様を変化させる表示態様変化処理を実行する表示態様変化手段(第1実施形態の変形例5において遊技回表示の表示態様を変化させる処理を実行する機能)と、
前記遊技回において所定の処理(第1実施形態におけるポイントの付与)を実行する所定処理実行手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
を備え、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記所定処理実行手段が前記所定の処理を実行するタイミングとは、時間的な相関関係を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の処理の実行とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴J2]
特徴J1に記載の遊技機であって、
前記所定処理実行手段は、
遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段を備え(第1実施形態における変形例5)、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記変化手段が前記所定の量を変化させるタイミングとは、時間的な相関関係を有する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の量の変化とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴J3]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行してから、所定時間内に、前記所定の量を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴J3によれば、遊技回表示の表示態様が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に所定の量が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴J4]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段が前記表示態様変化処理を実行するタイミングと、前記変化手段が前記所定の量を変化させるタイミングとは、同時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴J4によれば、遊技回表示の表示態様の変化と所定の量の変化とを遊技者に同時に認識させることで、遊技者の期待感を相乗的に増加させることができる。
[特徴J5]
特徴J2に記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段は
前記変化手段が前記所定の量を変化させてから、所定時間内に、記表示態様変化処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴J5によれば、所定の量が変化したことを認識して期待感が増加した遊技者に対して、さらに所定時間内に遊技回表示の表示態様が変化したことを認識させることで、より一層強い期待感や高揚感を付与することができる。
[特徴J6]
特徴J2から特徴J5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様と、前記変化手段が変化させた所定の量の変化量とは相関関係を有する(第1実施形態における変形例5)
ことを特徴とする遊技機。
特徴J6によれば、表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様と、変化手段が変化させた所定の量の変化量とに相関関係を持たせることで、表示態様変化手段が変化させた後の遊技回表示の表示態様が遊技者の期待に沿う態様であった場合、および、変化手段が変化させた所定の量の変化量が大きい場合に、遊技者に対して、より一層強い期待感や優越感を付与することができる。
[特徴J7]
特徴J2から特徴J6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示態様変化手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合には、前記遊技回表示の表示態様を第1の表示態様に変化させるよりも、前記遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、
前記表示態様変化手段が前記遊技回表示を前記第1の表示態様に変化させる場合に前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を第1の変化量とし、
前記表示態様変化手段が前記遊技回表示を前記第2の表示態様に変化させる場合に前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を第2の変化量とした場合に、
前記第2の変化量の平均値は、前記第1の変化量の平均値よりも大きい(第1実施形態における変形例5)
ことを特徴とする遊技機。
特徴J7によれば、特別情報が所定の条件を満たす場合には遊技回表示の表示態様を第2の表示態様に変化させる確率が高く、さらに、表示態様変化手段が遊技回表示を、第2の表示態様に変化させた場合には、第1の表示態様に変化させた場合よりも、所定の量の変化量が大きい場合が多いので、遊技回表示の表示態様の変化と、所定の量の変化とを、タイミングに相関関係を持たせて実行することで、特別情報が所定の条件を満たすことについての遊技者の期待感を相乗的に増大させることができる。
<特徴K群>
特徴K群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴K1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
既に変化させた前記所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を表示する変化態様情報表示手段(第1実施形態の変形例13において蓄積ポイントを示すステージSt上の真珠の画像を表示する機能)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を表示する変化態様情報表示手段を備えるので、所定の量がどのように変化したのかを遊技者が容易に把握することを可能とし、変化態様情報に基づいて遊技者に種々の推測を促し、遊技者に対して期待感を付与することができる。
[特徴K2]
特徴K1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、所定の量を複数のタイミングで変化させる手段を備え、
前記変化態様情報表示手段は、
前記変化手段が前記各タイミングにおいて変化させた前記所定の量の変化量が識別可能な態様で、前記変化態様情報を表示する手段(第1実施形態の変形例13において蓄積ポイントを示すステージSt上の真珠の画像を表示する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K2によれば、変化手段が各タイミングにおいて変化させた所定の量の変化量が識別可能な態様で、変化態様情報を表示するので、当該変化態様情報を認識した遊技者に対して、例えば、これまでの各タイミングにおいて変化した所定の量の変化量について規則性を見出そうとすることを促したり、次回以降のタイミングにおける所定の量の変化量を推測することを促したりすることを可能にし、遊技者に対して、変化態様情報に基づいた新たな楽しみを提供することができる。
[特徴K3]
特徴K1または特徴K2に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、
前記遊技回に対応する特別情報に基づいて、前記所定の量の変化の態様を決定する手段(第1実施形態の変形例12において演出シナリオに基づいてポイント付与シナリオを決定する機能)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴K3によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて、所定の量の変化の態様を決定するので、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報について期待感を付与することができる。
[特徴K4]
特徴K3に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する特別情報に基づいて、当該遊技回において実行する演出を決定する演出決定手段を備え、
前記変化手段は、
前記決定された前記演出(第1実施形態の変形例12において演出シナリオ)に基づいて、前記所定の量の変化の態様(第1実施形態の変形例12においてポイント付与シナリオ)を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴K4によれば、遊技回に対応する特別情報に基づいて当該遊技回において実行する演出を決定し、決定された演出に基づいて所定の量の変化の態様を決定するので、既に変化させた所定の量の変化の態様に関する情報である変化態様情報を認識した遊技者に対して、当該遊技回において後に実行される演出の内容について種々の推測をさせ、変化態様情報に基づいた期待感を付与することができる。
<特徴L群>
特徴L群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴L1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させることを示唆する演出である第1の演出(第1実施形態の変形例14におけるポイント付与示唆演出)を実行する第1演出実行手段と、
前記第1の演出が実行された後に、前記所定の量を変化させることを示す演出である第2の演出(第1実施形態の変形例14におけるポイント付与実行演出)を実行する第2演出実行手段と、
を備え、
前記第2演出実行手段は、
第1の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記第2の演出を1回実行し、第2の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記第2の演出をN(N≧2の整数)回実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1の演出は所定の量を変化させることを示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化する可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は所定の量を変化させることを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化したことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。よって、第1の演出が1回実行された後に第2の演出がN回実行された場合には、遊技者に対して、第1の演出が1回実行された後に所定の量がN回変化したと認識させることができる。その結果、第1の演出を認識した遊技者に対して、その後に、所定の量が何回変化するのかといった期待感を付与することができる。また、第1の演出が1回実行された後に第2の演出がN回実行された場合には、第1の演出が実行されたことを認識し、その後に第2の演出が1回実行されると推測していた遊技者に対して、意外性や驚きを付与することができる。
[特徴L2]
特徴L1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、変化させる前記所定の量の変化量に対応する情報である変化量情報を取得する変化量情報取得手段を備え、
前記第2演出実行手段は、
前記第1の場合には、前記第1の演出が1回実行された後に、前記変化量情報に対応する変化量だけ前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を1回実行し、
前記第2の場合には、前記変化量情報に対応する変化量をN個に分割し、前記第1の演出が1回実行された後に、前記N個に分割した各1個ずつの変化量である分割変化量だけ前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出をN回実行する手段を備える(第1実施形態の変形例14)
ことを特徴とする遊技機。
特徴L2によれば、第1の場合も第2の場合も、実行する第1の演出に対応して変化量情報を取得すればよいので、第2の場合のように第2の演出をN回実行する場合であっても、変化量情報を取得する処理までは第1の場合と同じであり、処理を簡易化することができる。また、変化量情報は、当該情報が第1の場合として用いられる場合と第2の場合として用いられる場合とを区別することなく設定することができ、変化量情報の設定を簡易化することができる。
[特徴L3]
特徴L1に記載の遊技機であって、
前記変化手段は、1回の前記第2の演出において変化させることを示す所定の量の変化量に対応する情報である第2演出用変化量情報を取得する第2演出用変化量情報取得手段を備え、
前記第2演出実行手段は、
前記第1の場合には、1個の前記第2演出用変化量情報を取得し、前記第1の演出が1回実行された後に、取得した前記第2演出用変化量情報に対応する変化量分の前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を1回実行し、
前記第2の場合には、N個の前記第2演出用変化量情報を取得し、前記第1の演出が1回実行された後に、取得したN個の前記各第2演出変化量情報に対応する変化量分の前記所定の量を変化させることを示す前記第2の演出を、前記取得したN個の前記各第2演出変化量情報に対応してN回実行する(第1実施形態の変形例14)
ことを特徴とする遊技機。
特徴L3によれば、第2の場合には、実行する第2の演出の回数に応じた個数の第2演出用変化量情報を取得すればよいので、例えば、取得した1個の第2演出用変化量情報に対応する変化量を、実行する第2の演出の回数に応じてN個に分割するといった処理を実行する必要がなく、処理を簡易化することができる。
[特徴L4]
特徴L1または特徴L2に記載の遊技機であって、
特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴L4によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合に、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。すなわち、第2の演出を実行するたびに、遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化(第2の演出の実行)、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
<特徴M群>
特徴M群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴M1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させることを示唆する演出である第1の演出(第1実施形態の変形例10における第1の演出)を実行する第1演出実行手段と、
前記第1の演出が実行された後に、前記所定の量を変化させることを示す演出である第2の演出(第1実施形態の変形例10における第2の演出)を実行する第2演出実行手段と、
を備え、
前記第1演出実行手段は、
第1の遊技回より後に実行される遊技回である第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合に、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させることに対応する前記第1の演出を、前記第1の遊技回において開始する手段と、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させることに対応する前記第1の演出を、前記第2の遊技回において開始する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、第1の演出は所定の量を変化させることを示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化する可能性があるという期待感を付与することができる。第2の演出は所定の量を変化させることを示す演出であるので、第2の演出を認識した遊技者に対して、所定の量が変化したことを認識させ、優越感や満足感を付与することができる。また、第2の遊技回において変化手段が所定の量を変化させることに対応する第1の演出を、第1の遊技回において開始する場合と、第2の遊技回において実行する場合とがある。換言すれば、所定の遊技回において、第1の演出が実行された場合には、所定の量が当該所定遊技回において変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において変化する場合とがあり、第1の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
[特徴M2]
特徴M1に記載の遊技機であって、
前記第1演出実行手段は、
前記第2の遊技回において前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合に、
前記第2の遊技回において前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を前記第1の遊技回において報知する手段と、
前記第2の遊技回において前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量を前記第2の遊技回において報知する手段と、
を備える(第1実施形態の変形例10)
ことを特徴とする遊技機。
特徴M2によれば、第2の遊技回において所定の量を変化させる場合に、第2の遊技回において変化させる所定の量の変化量を第1の遊技回において報知する場合と、第2の遊技回において変化させる所定の量の変化量を第2の遊技回において報知する場合とがある。換言すれば、所定の遊技回において、所定の量の変化量が報知された場合に、当該所定の遊技回において、報知された変化量に対応する所定の量が変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において、報知された変化量に対応する所定の量が変化する場合とがあり、所定の量の変化量が報知されたことを認識した遊技者に対して、そのいずれの場合であるのかといった推測をさせ、期待感を付与することができる。
[特徴M3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴M3によれば、所定の量は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回の終了時点においても、遊技者に所定の量について注目させることができる。また、遊技回において所定の量が閾値に達しなかった場合であっても、所定の量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において所定の量が閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。よって、特徴M1によって、第1の演出が実行された場合に、所定の量が当該所定遊技回において変化する場合と、当該所定の遊技回より後に実行される遊技回において変化する場合とがあり、さらに、当該特徴M3によって、所定の量が変化した場合に、当該所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と戻らない場合とがあるので、遊技回の移行時における様々な期待感を遊技者に付与することができる。
<特徴N群>
特徴N群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴N1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)を備え、
前記演出実行手段は、前記変化手段が所定の量を変化させる場合に、前記所定の量が変化することを示す演出である変化演出(ポイント付与演出)を実行する変化演出実行手段を備え、
前記変化演出実行手段は、前記変化手段が前記所定の量を変化させる前記遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記変化演出(第1実施形態の変形例11におけるポイント付与演出)の態様を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、変化演出実行手段は変化手段が所定の量を変化させる遊技回に対応する特別情報に基づいて変化演出の態様を決定するので、実行される変化演出の態様に対して遊技者を注目させることができ。また、変化演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、所定の量が変化する遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴N2]
特徴N1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、前記遊技回において実行する演出である遊技回演出(第1実施形態の変形例11における演出シナリオ)を決定する遊技回演出決定手段を備え、
前記変化演出実行手段は、前記遊技回演出(第1実施形態の変形例11における演出シナリオ)の内容に基づいて、前記変化演出(第1実施形態の変形例11におけるポイント付与演出)の態様を決定する手段を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴N2によれば、変化演出実行手段は、遊技回演出の内容に基づいて、変化演出の態様を決定するので、変化演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、その変化演出の態様に基づいて、その後に実行される遊技回演出の内容について推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴N3]
特徴N2に記載の遊技機であって、
前記変化演出実行手段は、
前記遊技回演出に特定の演出が含まれる場合であって、前記特定の演出が実行されるよりも前に前記変化手段が前記所定の量を変化させる場合には、当該所定の量が変化することを示す前記変化演出を特定の態様で実行する手段を備える(第1実施形態の変形例11)
ことを特徴する遊技機。
特徴N3によれば、変化演出実行手段は、遊技回演出に特定の演出が含まれる場合であって、特定の演出が実行されるよりも前に変化手段が所定の量を変化させる場合には、当該所定の量が変化することを示す変化演出を特定の態様で実行するので、実行される各変化演出の態様と、その後に実行される遊技回演出の内容との関係性を遊技者に考察させ、変化演出が実行されるたびに、その後に実行される遊技回演出の内容を推測させる。さらに、推測した遊技回演出の内容に基づいて、当該遊技回に対応する特別情報に対する期待感を付与することができる。
<特徴O群>
特徴O群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴O1]
所定の量を表示する所定量表示手段と、
前記表示されている前記所定の量に演算処理が実行されることを示唆する態様の演出である演算示唆演出を実行する演算示唆演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演算示唆演出実行手段は、
1回の前記演算示唆演出として、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様または前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様のいずれか一方の態様から、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様または前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様のいずれか他方の態様に変化させる演出である演算処理態様変化演出を実行する演算処理態様変化演出実行手段を備える(第1実施形態における変形例15)、
ことを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、演算示唆演出の態様を変化させることによって、表示されている所定の量に対して実行される演算方法が変化したと認識させることができ、意外性を付与することができる。また、所定の量に対して実行される演算方法によって、演算処理が実行された後の新たな所定の量が大きく異なる場合があることから、演算示唆演出の態様を変化させることによって、遊技者に対して緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴O2]
特徴O1に記載の遊技機であって、
前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様は、加法を示す算術記号である「+」を表示する態様である加法記号表示態様であり、
前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様は、乗法を示す算術記号である「×」を表示する態様である乗法記号表示態様であり、
前記演算処理態様変化演出実行手段は、
前記演算処理態様変化演出として、表示されている加法を示す算術記号である「+」または乗法を示す算術記号である「×」のいずれか一方の記号を回転させて、加法を示す算術記号である「+」または乗法を示す算術記号である「×」のいずれか他方の表示に変化させる演出を実行する手段を備える(第1実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴O2によれば、「+」と「×」といった、ほぼ同じ線画の記号を回転させる処理を実行することで、その意味を大きく変えることができるので、簡易な処理にも関わらず、遊技者に対して大きな緊迫感を付与するとともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴O3]
特徴O1または特徴O2のいずれか一つに記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において前記所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴O3によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合に、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。よって、演算示唆演出の態様が変化することに対する遊技者の緊迫感をより一層増大させることができるとともに、演算示唆演出の態様を変化させた場合に、遊技者の遊技に対する期待感に大きな抑揚を付与することができる。
<特徴P群>
特徴P群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴P1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を表示する所定量表示手段と、
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に乗算処理が実行されることを示唆する態様の演出である乗算態様演出を実行する乗算態様演出実行手段と、
を備え(第1実施形態における変形例15)、
前記所定量表示手段は、
前記乗算態様演出実行手段が前記乗算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量を新たな所定の量として表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴P1によれば、乗算態様演出を実行する乗算態様演出実行手段を備えるので、乗算態様演出の実行を認識した遊技者に対して、所定の量に乗算される値に対する期待感を付与することができ、乗算態様演出に対して注目させることができる。
[特徴P2]
特徴P1に記載の遊技機であって、
前記乗算態様演出実行手段は、
前記表示されている前記所定の量に乗算する値の大きさに応じて、実行する前記乗算態様演出の態様を制御する手段を備える(第1実施形態における変形例15)
ことを特徴する遊技機。
特徴P2によれば、乗算態様演出実行手段は、表示されている所定の量に乗算する値の大きさに応じて、実行する乗算態様演出の態様を制御するので、乗算態様演出の態様に注目させることができる。
[特徴P3]
特徴P1または特徴P2に記載の遊技機であって、
前記所定量表示手段は、
前記乗算態様演出実行手段が前記乗算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量より多い量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第1実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P3によれば、乗算態様演出実行手段が乗算態様演出を実行した場合に、表示されている所定の量を乗算した結果の量である乗算結果量より多い量を新たな所定の量として表示するので、当該乗算結果量より多い新たな所定の量を認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
[特徴P4]
特徴P1から特徴P3のいずれか一つに記載の遊技機であって
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様の演出である加算態様演出を実行する加算態様演出実行手段を備え、
前記所定量表示手段は、
前記加算態様演出実行手段が前記加算態様演出を実行した場合に、前記表示されている前記所定の量を加算した結果の量である加算結果量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第1実施形態)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P4によれば、加算態様演出実行手段を備えるので、遊技者に対して、加算態様演出が実行されるのか乗算態様演出が実行されるのかといった緊迫感や緊張感を付与することができる。
[特徴P5]
特徴P1から特徴P4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記所定の量が変化することに先立って、前記表示されている前記所定の量に加算処理が実行されることを示唆する態様の演出である加算態様演出を実行する加算態様演出実行手段を備え、
前記所定量表示手段は、
前記加算態様演出実行手段が前記加算態様演出を実行した場合には、前記表示されている前記所定の量を加算した結果の量である加算結果量より多い量を新たな所定の量として表示する手段を備える(第1実施形態における変形例15)
ことを特徴とする遊技機。
特徴P5によれば、加算態様演出実行手段が加算態様演出を実行した場合に、表示されている所定の量を乗算した結果の量である加算結果量より多い量を新たな所定の量として表示するので、当該加算結果量より多い新たな所定の量を認識した遊技者に意外性と幸福感を付与することができる。
<特徴Q群>
特徴Q群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴Q1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において第1の量を変化させる第1変化手段(第1実施形態の変形例22においてポイントを付与する機能)と、
前記遊技回において第2の量を変化させる第2変化手段(第1実施形態の変形例22においてポイントを付与する機能)と、
第1の特定の処理を実行する第1特定処理実行手段と、
第2の特定の処理を実行する第2特定処理実行手段と、
を備え、
前記第1変化手段は、
前記第1特定処理実行手段が前記第1の特定の処理を実行する場合に、前記第1の特定の処理が実行されるまでに、前記第1の量を予め設定された第1の閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備え、
前記第2変化手段は、
前記第2特定処理実行手段が前記第2の特定の処理を実行する場合に、前記第2の特定の処理が実行されるまでに、前記第2の量を予め設定された第2の閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q1によれば、第1変化手段は、第1特定処理実行手段が第1の特定の処理を実行する場合に、第1の特定の処理が実行されるまでに、第1の量を予め設定された第1の閾値に達するように変化させ、第2変化手段は、第2特定処理実行手段が第2の特定の処理を実行する場合に、第2の特定の処理が実行されるまでに、第2の量を予め設定された第2の閾値に達するように変化させるので、第1の量が変化した場合に遊技者に期待感を付与することができ、さらに、第2の量が変化した場合に遊技者に期待感を付与することができる。すなわち、遊技回において、少なくとも2つの量の変化について遊技者に注目させることができるとともに、期待感を付与することができる。
[特徴Q2]
特徴Q1に記載の遊技機であって、
前記第1の特定の処理が実行された遊技回は、前記第1の特定の処理が実行されない遊技回よりも、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q2によれば、遊技回において第1の特定の処理が実行されたことを認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすことについて期待感を付与することができる。
[特徴Q3]
特徴Q1または特徴Q2に記載の遊技機であって、
遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q3によれば、リセット手段を備えるので、遊技回が終了するまでに第1の量および第2の量の少なくとも一方が、各々の量に対応した閾値(第1閾値、第2の閾値)に達するように遊技者に期待感を付与することができる。また、遊技回が開始され、第1の量および第2の量の少なくとも一方が変化を開始したことを認識した遊技者に対して、遊技回の終了する時期を意識させ、第1の量および第2の量の変化する態様に注目させることができる。
[特徴Q4]
特徴Q3に記載の遊技機であって、
前記リセット手段は、
第1の場合には、遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記第1の量および前記第2の量の少なくとも一方を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない(蓄積ポイントを繰り越す)手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Q4によれば、第1の量および第2の量の少なくとも一方は、遊技回の終了を契機として初期値に戻る場合と、戻らない場合とがあるので、遊技回において第1の量および第2の量の少なくとも一方が各々の量に対応する閾値に達しなかった場合であっても、当該量が当該遊技回の終了時に初期値に戻らず次回の遊技回まで維持され、次回の遊技回において閾値に達する可能性があるといった期待感を遊技者に付与することができる。すなわち、遊技回の終了する時点においても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴R群>
特徴R群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴R1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記変化手段が変化させた前記所定の量を、予め設定された初期値に戻すリセット処理(第1実施形態におけるポイントリセット処理)を実行するリセット手段と、
を備え、
前記リセット手段は、
第1の場合(遊技回が繰越遊技回ではない場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻し、第2の場合(遊技回が繰越遊技回である場合)には、遊技回において変化した前記所定の量を、当該遊技回の終了を契機として初期値に戻さない手段を備え、
前記リセット手段が、所定の遊技回において変化させた前記所定の量を、遊技回の終了を契機として初期値に戻さない当該遊技回の終了の契機の数が多いほど、前記所定の遊技回より後に実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たしている期待度が高い(第1実施形態における変形例25)
ことを特徴とする遊技機。
特徴R1によれば、リセット手段が、所定の遊技回において変化させた所定の量を、遊技回の終了を契機として初期値に戻さない当該遊技回の終了の契機の数が多いほど、所定の遊技回より後に実行される遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしている期待度が高いので、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らない遊技回の終了の契機が続くほど、遊技者に対して大きな期待感を付与することができる。
[特徴R2]
特徴R1に記載の遊技機であって、
第1の遊技回より後に実行される第2の遊技回における前記特別情報が所定の条件を満たす場合に、
前記リセット手段は、
前記第1の遊技回において変化させた前記所定の量を前記第2の遊技回まで初期値に戻さない手段を備え、
前記変化手段は、
前記第1の遊技回から前記第2の遊技回までの間において前記所定の量が前記閾値に達しないように前記所定の量の変化量を制限する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴R2によれば、所定の量が遊技回の終了を契機として初期値に戻らない遊技回の終了の契機が続き、かつ、所定の量が閾値に達しないことを認識した遊技者に対して、期待感を付与することができる。その結果、所定の量が閾値に達していない状態における遊技者の期待感が減退してしまうことを抑制することができる。
<特徴S群>
特徴S群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴S1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を、予め設定された初期値から変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記変化手段が変化させることによって前記所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段と、
前記閾値の値を変更する閾値変更処理を実行する閾値変更手段と(第1実施形態における変形例26)、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴S1によれば、遊技回において所定の量を変化させ、所定の量が予め設定された閾値に達した場合に特定の処理を実行するので、所定の量の変化の態様に遊技者を注目させることができる。また、所定の量が閾値に達して特定の処理が実行された場合には、遊技者に優越感や期待感を付与することができる。さらに、閾値は変更される場合があるので、特定の処理が実行されるタイミングを遊技者が推測しにくく、遊技者の予想しないタイミングで特定の処理を実行することが可能となる。その結果、遊技者に意外性を付与することができる。
[特徴S2]
特徴S1に記載の遊技機であって、
前記閾値変更手段は、
遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回において前記閾値変更処理を実行するか否かを判定する閾値変更処理判定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴S2によれば、遊技回に対応する前記特別情報に基づいて、当該遊技回において閾値変更処理を実行するか否かを判定するので、閾値が変更されたことを認識した遊技者、または、特定の処理が実行された際に閾値が変更されたことを認識した遊技者に対して、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているのか否かについて期待感を付与することができる。
[特徴S3]
特徴S1または特徴S2に記載の遊技機であって、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴S3によれば、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理が実行された場合には、遊技者に対して期待感を付与することができる。また、所定の量が閾値に達した場合に特定の処理が実行されるので、所定の量が変化した場合にも、遊技者に対して期待感を付与することができる。
<特徴T群>
特徴T群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態から抽出される。
[特徴T1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作が開始されてから前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、
前記遊技回において所定の量(第1実施形態における蓄積ポイント)を変化させる変化手段(ポイント付与演出を実行する機能)と、
前記所定の量を変化させるよりも前に、前記変化手段が変化させる前記所定の量の変化量に関する情報を示す変化量表示(第1実施形態の変形例27における付与ポイント示唆表示)を表示する変化量表示手段と、
を備える遊技機。
特徴T1によれば、所定の量を変化させるよりも前に、変化手段が変化させる所定の量の変化量に関する情報を示す変化量表示を表示するので、変化量表示を認識した遊技者に対して、当該変化量表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。
[特徴T2]
特徴T1に記載の遊技機であって、
保留中または実行中の1回の遊技回を示す表示である遊技回表示を表示する遊技回表示手段を備え、
前記変化量表示手段は、
所定の遊技回に対応する前記変化量表示を、前記所定の遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴T2によれば、所定の遊技回に対応する変化量表示を、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するので、遊技回表示に対応付けて表示された変化量表示を認識した遊技者に対して、表示された変化量表示に対応する遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。例えば、保留中の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて変化量表示が表示された場合、当該変化量表示を認識した遊技者に対して、保留中の遊技回に対する種々の推測や期待感を付与することができる。
[特徴T3]
特徴T2に記載の遊技機であって、
前記変化量表示手段は、
所定の遊技回に対応する前記変化量表示を、前記所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示した後に、前記所定の遊技回に対応する前記遊技回表示に対応付けて表示する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴T3によれば、所定の遊技回に対応する変化量表示を、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した後に、所定の遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示するので、所定の遊技回とは異なる遊技回に対応する遊技回表示に対応付けて表示した変化量表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができる。
[特徴T4]
特徴T2または特徴T3に記載の遊技機であって、
前記変化量表示手段は、
前記所定の遊技回において前記変化手段が変化させる前記変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示を表示した後に、前記所定の遊技回において前記変化手段が変化させる前記変化量に対応する変化量表示を表示する
ことを特徴とする遊技機。
特徴T4によれば、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示を表示した後に、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量に対応する変化量表示を表示するので、所定の遊技回において変化手段が変化させる変化量とは異なる変化量に対応する変化量表示に基づいた遊技者の推測を覆すことができ、遊技者に対して、意外性を付与することができるともに、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴T5]
特徴T1から特徴T4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
特定の処理(第1実施形態におけるボタン押下演出)を実行する特定処理実行手段を備え、
前記変化手段は、
前記所定の量(蓄積ポイント)を、予め設定された閾値(10ポイント)に達するように変化させる変化制御手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合より、前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の方が、前記遊技回において前記特定の処理を実行する確率が高く、
前記変化制御手段は、
前記特定処理実行手段が前記特定の処理を実行する場合に、前記特定の処理(ボタン押下演出)が実行されるまでに、前記所定の量(蓄積ポイント)を、前記閾値(10ポイント)に達するように変化させる手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴T5によれば、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合より、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の方が、遊技回において特定の処理を実行する確率が高いので、特定の処理を実行することによって、遊技者に対して、大きな期待感を付与することができる。また、変化制御手段は、特定処理実行手段が特定の処理を実行する場合には、特定の処理が実行されるまでに、所定の量を、予め設定された閾値に達するように変化させるので、所定の量を変化させる毎に遊技者に期待感を付与することができる。従って、所定の量の変化、および、特定の処理の実行によって、遊技者に対して、段階的に期待感を付与することができる。
なお、上記特徴A群〜特徴T群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴U群>
特徴U群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴U1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記判定手段による前記判定の結果に基づいて、当該判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U1によれば、判定手段による判定の結果に基づいて、判定の結果を報知する遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、遊技回の開始後に実行する処理と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。例えば、状態遷移手段の制御モードが遊技者に有利な制御モードであった場合に、さらに、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となると、遊技者に過度に有利な状態となってしまう可能性がある。しかしながら、本特徴による遊技機は、遊技回の開始時に判定手段による判定の結果に基づいて制御モードを切り替える手段を備えるので、例えば、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となる場合には、それに合わせて制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることによって、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴U2]
特徴U1に記載の遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴U2によれば、状態遷移手段を第1の制御モードで制御する場合の方が第2の制御モードで制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。すなわち、第1の制御モードは第2の制御モードよりも遊技者に有利な制御モードである。従って、本特徴の遊技機によれば、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となる場合には、それに合わせて制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることができるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴U3]
特徴U1または特徴U2に記載の遊技機であって、
特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(特別ボーナス処理を実行する機能)とを備え、
前記制御手段は、
実行される遊技回が前記特定の条件を満たす場合(特定処理フラグがONである場合)に、当該遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替える手段(高頻度サポートモードフラグをOFFにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U3によれば、実行される遊技回が特定の条件を満たす場合には遊技回実行中特典付与手段によって当該遊技回の実行中に特典が付与され遊技者に有利な状態となる。その一方で、制御手段は、当該遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、遊技回実行中特典付与手段によって特典が付与されている期間であっても、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴U4]
特徴U1から特徴U3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記補助手段は、
前記第1の入球部または前記第2の入球部のいずれか一方に配置され、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴U4によれば、第1特別情報遊技回と第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備えるので、例えば、第1特別情報遊技回の実行中に第2特別情報遊技回の判定結果に対する特典を付与する処理が可能となる。このような場合、第1特別情報遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となるが、本特徴の遊技機は、第1特別情報遊技回の開始時に制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、第1特別情報遊技回の実行中に遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴V群>
特徴V群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴V1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に、特典を付与する特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回(大当たりに当選している遊技回)を条件成立遊技回とし、2つの前記条件成立遊技回のうち先に実行される前記条件成立遊技回を先条件成立遊技回とし、前記先条件成立遊技回よりも後に実行される前記条件成立遊技回を後条件成立遊技回とした場合に、前記後条件成立遊技回の開始時における処理を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する処理決定手段(大当たりに当選した先の遊技回の大当たり種別に基づいて、大当たりに当選した後の遊技回の開始時に特別ボーナス処理に関わる処理を実行するか否かを決定する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴V1によれば、後条件成立遊技回の開始時における処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する処理決定手段を備えるので、後条件成立遊技回が実行されるよりも前に予め、後条件成立遊技回の開始時に実行する処理に対する対応処理を実行することができる。例えば、先条件成立遊技回において後条件成立遊技回の開始時に実行する処理を示唆する演出を実行することや、先条件成立遊技回と後条件成立遊技回との間に実行される遊技回において後条件成立遊技回の開始時に実行する処理を示唆する演出を実行することなど、後条件成立遊技回の開始時に実行する処理に対する様々な対応処理を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、後条件成立遊技回の開始時における処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、例えば、後条件成立遊技回の開始時における処理として決定した処理が遊技者に有利な処理である場合には、当該処理に対する対応処理として、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて当該処理によって遊技者に過度に有利にならないような処理を後条件成立遊技回の開始時に実行することができる。
[特徴V2]
特徴V1に記載の遊技機であって、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記処理決定手段は、
前記後条件成立遊技回の開始時に前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替えるか否かの判定(高頻度サポートモードフラグをOFFにするか否かの判定)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴V2によれば、処理決定手段は、後条件成立遊技回の開始時に制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるか否かの判定を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて実行するので、例えば、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて後条件成立遊技回の開始時に遊技者に有利な処理が実行される場合には、当該処理に対する対応処理として、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて後条件成立遊技回の開始時に制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えるか否かの判定を実行することが可能となり、その結果、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴V3]
特徴V2に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段を備え、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する遊技回を第1条件成立遊技回とし、2つの前記第1条件成立遊技回のうち先に実行される前記第1条件成立遊技回を第1先条件成立遊技回とし、前記第1先条件成立遊技回よりも後に実行される前記第1条件成立遊技回を第1後条件成立遊技回とした場合に、
前記遊技時間決定手段は、
前記第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する手段(第2実施形態における第2始動口用の変動時間の設定処理/先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時に、高頻度サポートモードフラグのON/OFFを判定し、高頻度サポートモードフラグの状態に基づいて、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を決定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴V3によれば、第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、例えば、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を遊技者に有利な設定方法に決定することができる。より具体的には、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法として、遊技時間の平均値が比較的短くなる設定方法に決定することができる。この場合、第1後条件成立遊技回が実行されている期間が、遊技者に過度に有利になってしまう虞があるが、例えば、上記特徴V2に示したように、当該処理に対する対応処理として、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第1後条件成立遊技回の開始時に制御モードを切り替えることができるので、例えば、遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることによって、第1後条件成立遊技回が実行されている期間に遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴W群>
特徴W群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴W1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすく、
前記遊技時間設定手段は、
前記遊技時間の設定方法として少なくとも第1の設定方法と、前記第1の設定方法よりも設定する遊技時間の平均値が短い第2の設定方法とを実行可能であり、
前記制御手段は、
前記遊技時間設定手段が、特定の契機に基づいて前記遊技時間の設定方法を前記第1の設定方法から前記第2の設定方法に切り替える(特定ボーナス処理の開始時に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える/高確高頻度時変動時間情報取得処理から高確低頻度時変動時間情報取得処理に切り替える)にも関わらず、当該特定の契機に基づいて、前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替える手段(高頻度サポートモードフラグをOFFにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
一般的な遊技機においては、遊技時間の設定方法を第1の設定方法から、第1の設定方法よりも設定する遊技時間の平均値が短い第2の設定方法に切り替えた場合には、状態遷移手段の制御モードを、第2の制御モードから、第2の制御モードよりも入球部に遊技球が入球しやすい第1の制御モードに切り替える。しかしながら、この場合、遊技者に過度に有利な状態になる可能性がある。
特徴W1の遊技機によれば、特定の契機に基づいて遊技時間の設定方法を第1の設定方法から第2の設定方法に切り替えるにも関わらず、特定の契機に基づいて、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴W2]
特徴W1に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記特定の契機は、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回の開始であり、
前記制御手段は、
前記遊技時間設定手段が、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1の設定方法から前記第2の設定方法に切り替えるにも関わらず、
前記特定の契機に基づいて前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴W2によれば、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から第2の設定方法に切り替えることによって遊技者に有利な状態となった場合であっても、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始を契機として制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
さらに、制御モードを切り替える契機は、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始であるので、当該第1特別情報遊技回が終了した後には特典が付与される処理を実行することも可能であり、遊技者に種々の遊技の状態の変化を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴X群>
特徴X群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴X1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記演出実行手段は、
1回の前記第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を、当該1回の前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定する手段(第2実施形態において、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X1によれば、1回の前記第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を、当該1回の前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定するので、第2特別情報遊技回において実行する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回について遊技者に推測させることでき、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴X2]
特徴X1に記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
前記特典付与手段が付与する前記特典の種別を、複数種類の前記特典の種別の中から決定する特典種別決定手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回の終了後に付与される前記特典の種別に基づいて、当該第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を決定する手段(特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回における大当たり種別に基づいて、当該特別ボーナス処理の期間に実行される第2始動口用遊技回の小当たり用の演出パターンテーブルを設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X2によれば、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して第1特別情報遊技回の終了後に付与される特典の種別について遊技者に期待感を付与することできる。
[特徴X3]
特徴X1または特徴X2に記載の遊技機であって、
前記判定手段は前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定するための判定モードとして少なくとも第1の判定モード(低確率モード)と第2の判定モード(高確率モード)の2種類の判定モードを実行可能であり、
前記判定手段が前記第2の判定モードを実行している場合の方が、前記第1の判定モードを実行している場合より、前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高く、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該第1特別情報遊技回の終了後に実行される遊技回において前記判定手段が実行する判定モードの種類に基づいて、当該第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を決定する手段(特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回における大当たり種別が確変大当たりか通常大当たりかによって、当該特別ボーナス処理の期間に実行される第2始動口用遊技回の小当たり用の演出パターンテーブルを設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴X3によれば、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の終了後に実行される遊技回の判定モードの種類について遊技者に期待感を付与することできる。
<特徴Y群>
特徴Y群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴Y1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回(第2実施形態における第1始動口用遊技回)と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回(第2始動口用遊技回)とを並行して実行する手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回の終了後に、特典である遊技回終了後特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(第2実施形態における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に、特典である遊技回実行中特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(第2実施形態における特別ボーナス処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴Y1によれば、遊技回終了後特典付与手段と遊技回実行中特典付与手段とを備えるので、遊技回終了後特典および遊技回実行中特典について遊技者に期待感を付与することができる。また、例えば、遊技回実行中特典を付与する場合と付与しない場合とを設定することで、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行されている期間であっても、遊技回実行中特典が付与されるのか否かを推測させ、遊技者に緊迫感を付与することができる。
[特徴Y2]
特徴Y1に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行中特典付与手段は、
前記遊技回実行中特典を付与する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回(第2始動口用遊技回)を契機として、前記遊技回実行中特典(第2始動口用遊技回における小当たりを契機としたラウンド遊技による特典)を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y2によれば、遊技回実行中特典を付与する第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回を契機として、遊技回実行中特典を付与するので、第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報が所定の条件を満たす場合であっても、さらに第2特別情報遊技回を実行させることによる、より一層大きな期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴Y3]
特徴Y1または特徴Y2に記載の遊技機であって、
前記特別情報に基づいて前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間である遊技時間を設定する遊技時間設定手段を備え、
前記遊技回実行中特典として付与される特典の量の上限値は、前記遊技回実行中特典を付与する前記第1特別情報遊技回に対して前記遊技時間設定手段が設定した前記遊技時間の長さ(特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の変動時間の長さ)に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機。
特徴Y3によれば、遊技回実行中特典として付与される特典の量の上限値は、遊技回実行中特典を付与する第1特別情報遊技回に対して遊技時間設定手段が設定した遊技時間の長さに基づいて決定されるので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回がより長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、第1特別情報遊技回の終了が近づくにつれて遊技回実行中特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、第1特別情報遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
<特徴Z群>
特徴Z群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴Z1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報を取得し、前記経過時間情報に基づいて、当該経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する演出を設定する演出設定処理を実行する演出設定処理実行手段(第2実施形態において、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報に基づいて、当該第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出を設定するので、実行された第2特別情報遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されてからの経過時間や第1特別情報遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴Z2]
特徴Z1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて、前記演出設定処理を実行するか否かを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z2によれば、経過時間情報の取得対象である第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報に基づいて、演出設定処理を実行するか否かを決定する。よって、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報が所定の条件を満たしているのかを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴Z3]
特徴Z1または特徴Z2に記載の遊技機であって、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該特定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間(第1始動口用遊技回の変動時間の残時間RT)に関する情報である経過時間情報を取得し、前記経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行する前記第2特別情報遊技回に対応する演出を設定する演出設定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z3によれば、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回が特定の条件を満たしているのか否かを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴Z4]
特徴Z3に記載の遊技機であって、
特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回が前記特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(特別ボーナス処理を実行する機能)とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z4によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与するので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回が特定の条件を満たしているのか否かを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に、第1特別情報遊技回の実行中に付与される可能性がある特典についてより一層大きな期待感を付与することができる。
<特徴αA群>
特徴αA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αA1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する判定結果報知手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記特典付与手段は、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、特典を付与する所定条件成立時特典付与手段と、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たす場合に(小当たりの場合に)、特典を付与する特定条件成立時特典付与手段とを備え、
前記判定結果報知手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていないことを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知するにも関わらず、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知する特定条件成立報知処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴Z1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理と、第2の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理とが、同時期に競合してしまうことを回避することができる。
[特徴αA2]
特徴αA1に記載の遊技機であって、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αA2によれば、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、第1特別情報遊技回の開始後に実行する処理と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。
<特徴αB群>
特徴αB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αB1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第1の入球部(第1始動口33)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第1の入球部および前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定の結果を示すための識別情報を表示する表示手段(第2実施形態における液晶表示装置41)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記表示手段は、
前記第1の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第1識別情報(第2実施形態における第1液晶用図柄)と、前記第2の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第2識別情報(第2実施形態における第2液晶用図柄)とを、各々、当該表示手段の異なる表示領域に表示する領域別表示手段を備え、
前記領域別表示手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が第1の状態(先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していない状態)において実行された場合には、前記第1の特別情報に対応する前記第1識別情報を表示する表示領域と前記第2の特別情報に対応する前記第2識別情報を表示する表示領域とを入れ替える処理を実行しないにも関わらず、前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が第2の状態(先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選している状態)において実行された場合には、前記第1の特別情報に対応する前記第1識別情報を表示する表示領域と前記第2の特別情報に対応する前記第2識別情報を表示する表示領域とを所定のタイミングで入れ替える処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす場合であっても、当該第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行された状態によって、第1識別情報を表示する表示領域と第2識別情報を表示する表示領域とを入れ替える処理が実行される場合と実行されない場合とがあるので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が実行された場合に、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、当該第1特別情報遊技回が実行された状態が、第1の状態であったのか第2の状態であったのかを推測させることができる。
[特徴αB2]
特徴αB1に記載の遊技機であって
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が実行される状態が前記第1の状態であるか前記第2の状態であるかを判定する状態判定処理を実行する状態判定処理実行手段を備え、
前記状態判定手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回よりも先に実行された第1特別情報遊技回である先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいて前記状態判定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αB2によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が実行される状態が第1の状態であるか第2の状態であるかの判定は、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいて行われるので、例えば、所定の条件を満たす第1特別情報遊技回において、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいた処理を、表示領域の入れ替えの実行の可否を利用した処理にすることができる。例えば、表示領域を入れ替えるか入れ替えないかといった演出を実行することによって、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に関する情報を示唆することができる。
<特徴αC群>
特徴αC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αC1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報に基づいて前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間である遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、特典を付与する特典付与手段(第2実施形態における特別ボーナス処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特典として付与される特典の量の上限値は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回に対して前記遊技時間設定手段が設定した前記遊技時間の長さ(特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の変動時間の長さ)に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC1によれば、特典として付与される特典の量の上限値は、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回に対して遊技時間設定手段が設定した遊技時間の長さに基づいて決定されるので、遊技者に対して、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の遊技時間が、より長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、当該遊技回の終了が近づくにつれて特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、当該遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
[特徴αC2]
特徴αC1に記載の遊技機であって、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モードと第2の制御モードとを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記特典付与手段が前記特典を付与する場合には、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC2によれば、特典付与手段が特典を付与する場合には、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、当該遊技回の開始後に付与される特典と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。
[特徴αC3]
特徴αC2に記載の遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴αC3によれば、状態遷移手段を第1の制御モードで制御する場合の方が第2の制御モードで制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。すなわち、第1の制御モードは第2の制御モードよりも遊技者に有利な制御モードである。従って、本特徴の遊技機によれば、特典付与手段によって特典が付与される遊技回の開始時に、制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることができるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴αD群>
特徴αD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技時間設定手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されたこと(大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されたこと)を契機として、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、第1の設定方法(第2実施形態における高確高頻度時変動時間情報取得処理/ステップS21305)から、設定する遊技時間の平均値が前記第1の設定方法と異なる第2の設定方法(第2実施形態における高確低頻度時変動時間情報取得処理/ステップS21306)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替える手段を備えるので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の開始前と開始後で、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を変更することができ、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。すなわち、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。
[特徴αD2]
特徴αD1に記載の遊技機であって、
前記第2の設定方法は、前記第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αD2によれば、第2の設定方法は、第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短いので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の開始前と比較して、開始後における単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を多くすることができ、有利な遊技の状態にすることができる。すなわち、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、有利な遊技の状態にすることができる。
[特徴αD3]
特徴αD1または特徴αD2に記載の遊技機であって、
前記遊技時間設定手段は、
前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法として、設定する遊技時間の平均値が異なる複数種類の遊技時間の設定方法を選択可能であり、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1の設定方法から、前記複数種類の遊技時間の設定方法のうちの一の遊技時間の設定方法に切り替え、
前記一の遊技時間の設定方法は、前記設定する遊技時間の平均値が異なる複数種類の遊技時間の設定方法の中から、前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例18における遊技機)。
特徴αD3によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として切り替える第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法は、所定の条件を満たす第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報に基づいて決定されるので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が所定の条件を満たしたことによる期待感とは別に、第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として切り替えられる第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法についての期待感も付与することができる。
<特徴αE群>
特徴αE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αE1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードを複数種類実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードAと高頻度サポートモードB)のうちの特定の制御モード(高頻度サポートモードB)を実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記判定の結果に基づいて、実行中の前記特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードではない制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モード切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例1における遊技機)。
特徴αE1によれば、特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による判定の結果を報知する遊技回の開始時に、判定の結果に基づいて、実行中の特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するので、制御手段によって特定の制御モードが実行されている場合には、遊技者に対して、遊技回の開始時に、判定の結果について期待感を付与することに加えて、制御モードが切り替わるか否かといった期待感を付与することができる。
[特徴αE2]
特徴αE1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード切替判定処理を実行し、前記制御モードを切り替えると判定した場合には、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モードを前記特定の制御モードから所定の制御モードに切り替える手段を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記特定の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードB)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記所定の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE2によれば、制御手段が特定の制御モードで状態遷移手段を制御する場合の方が、所定の制御モードで状態遷移手段を制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。よって、制御手段によって制御モードが切り替えられた際に、なんらかの処理が実行されることによって遊技の状態が遊技者に有利な状態に移行する場合であっても、制御モードが特定の制御モードから所定の制御モードに切り替わるので、遊技者に対して過度に有利となることを抑制することができる。
[特徴αE3]
特徴αE1または特徴αE2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード切替判定処理において、前記判定手段による前記判定の結果として前記判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしている場合に、前記制御モードを切り替えると判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αE3によれば、判定手段による判定の結果として判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしている場合に制御モードを切り替えると判定するので、制御モードが切り替わったことを認識した遊技者に対して、判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしたことを認識させることができる。よって、制御モードの切り替わりを用いて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αF群>
特徴αF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードを複数種類実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技時間設定手段は、
前記制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードAと高頻度サポートモードB)のうちの特定の制御モード(高頻度サポートモードB)を実行中である場合には、前記判定手段による前記第1の特別情報に対する前記判定の結果を報知する前記第1特別情報遊技回の開始時に、当該第1の特別情報に対する前記判定の結果に基づいて、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が前記第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えるか否かを判定する設定方法切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードとは異なる制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記第1の特別情報に対する前記判定の結果を報知する前記第1特別情報遊技回の開始時に、前記設定方法切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例1における遊技機)。
第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えた場合、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を変更することができ、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。
よって、特徴αF1によれば、制御手段が実行可能な複数種類の制御モードのうちの特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による第1の特別情報に対する判定の結果を報知する第1特別情報遊技回の開始時に、当該第1の特別情報に対する判定の結果に基づいて、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えるか否かを判定する設定方法切替判定処理を実行するので、制御手段が特定の制御モードを実行していることを認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回の開始時に、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が切り替わるか、すなわち、遊技における遊技者の有利・不利の度合いが変更されるかといった期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴αF2]
特徴αF1に記載の遊技機であって、
前記第2の設定方法は、前記第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF2によれば、第2の設定方法は、第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短いので、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が第1の設定方法から第2の設定方法に切り替わった場合には、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を多くすることができ、遊技者にとって有利な状態に移行することができる。よって、制御手段が特定の制御モードを実行していることを認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回の開始時に、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が第1の設定方法から第2の設定方法に切り替わって有利な状態に移行しないかといった期待感を付与することができる。
[特徴αF3]
特徴αF1または特徴αF2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの特定の制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記判定の結果に基づいて、実行中の前記特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードとは異なる制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モード切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αF3によれば、特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による判定の結果を報知する遊技回の開始時に、判定の結果に基づいて、実行中の特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するので、遊技者は、制御手段によって特定の制御モードが実行されている場合には、遊技者に対して、遊技回の開始時に、判定の結果について期待感を付与することに加えて、制御モードが切り替わるか否かといった期待感を付与することができる。
<特徴αG群>
特徴αG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替えた時点(高頻度サポートモードフラグをONからOFFに切り替えた時点)から、前記補助手段が前記第2の制御モードで状態遷移を開始する時点までの期間である制御モード移行期間(第2実施形態の変形例19におけるサポートモード移行期間)において、前記補助手段を複数種類の動作態様で制御可能である
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例19における遊技機)。
特徴αG1によれば、制御モード移行期間において、補助手段を複数種類の動作態様で制御することによって、第1の制御モードから第2の制御モードへの切り替え時に、遊技者に種々の推測をさせたり期待感を付与したりすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。例えば、制御モード移行期間に、第1の制御モードや第2の制御モードにおける動作態様とは異なる動作態様で補助手段を制御することによって、遊技者に一時的な混乱を付与することや、意外性を付与することができる。
[特徴αG2]
特徴αG1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード移行期間における前記補助手段の動作態様を、前記第1の制御モードの実行を継続した場合の動作態様である第1の動作態様で制御する手段と、
前記制御モード移行期間における前記補助手段の動作態様を、前記第1の動作態様とは異なる動作態様で制御する手段とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αG2によれば、制御モード移行期間における補助手段の動作態様を、第1の制御モードの実行を継続した場合の動作態様である第1の動作態様で制御する手段を備えるので、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り替わったことを遊技者に認識させることを遅らせることができ、遊技者の推測を覆したり、遊技者に意外性を付与することができる。また、制御モード移行期間における補助手段の動作態様を、第1の動作態様とは異なる動作態様で制御する手段を備えるので、制御部が制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えたタイミングで制御モードが切り替わったことを遊技者に認識させることや、遊技がどのような状態に移行したのかを遊技者が一時的に認識させにくくすることなど、興趣の向上につながる種々の制御をすることができる。さらに、これらの手段を組み合わせて用いることによって、制御モード移行期間において、遊技者に種々の感情を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αH群>
特徴αH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴αH1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する判定結果報知手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部であって、所定の役物が作動した場合に入球が容易になる第3の入球部と、
前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)の動作を制御する役物制御手段と、
特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記役物制御手段は、
前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)を作動させる所定条件作動手段と、前記所定の条件とは異なる特定の条件を満たす場合に(小当たりに当選した場合に)、前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)を作動させる特定条件作動手段とを備え、
前記特典付与手段は、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、当該遊技回の終了時に前記所定条件作動手段に前記所定の役物を動作させることによって特典を付与する所定条件成立時特典付与手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件として第1の特定の条件を満たす場合には(第2実施形態の変形例12における第1小当たりに当選した場合には)、前記第1の特定の条件を満たす前記第2の特別情報に対応する前記第2特別情報遊技回の終了時に、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回を終了させる手段と、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件として第2の特定の条件を満たす場合には(第2実施形態の変形例12における第2小当たりに当選した場合には)、前記第2の特定の条件を満たす前記第2の特別情報に対応する前記第2特別情報遊技回の終了時に、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回を終了させない手段とを備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例12における遊技機)。
特徴αH1によれば、第2特別情報遊技回に対応する特別情報が第1の特定の条件を満たす場合には、当該第2特別情報遊技回の終了時に所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回を終了させてしまうので、当該第1特別情報遊技回が実行されている期間に第2特別情報遊技回が実行された場合に、当該第2特別情報遊技回に対応する第2の特別情報が特定の条件を満たす場合であっても、当該特定の条件のうち第1の特定の条件を満たすのか第2の特定の条件を満たすのかを遊技者に推測させ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴αH2]
特徴αH1に記載の遊技機であって、
前記判定結果報知手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていないことを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知するにも関わらず、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知する特定条件成立報知処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αH2によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理と、第2の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理とが、同時期に競合してしまうことを回避することができる。
なお、上記特徴U群〜特徴αH群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αI群>
特徴αI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αI1]
遊技球が入球可能な入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第3実施形態における普通電動役物53)と、
前記補助手段の動作を制御する制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードで前記補助手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすい第2の制御モード(高頻度サポートモード)とを有する補助制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
当該遊技機は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回(大当たりに当選した遊技回)の終了後に、前記制御モードが前記第1制御モードであり、かつ、前記判定モードが前記第2判定モードである特定状態(第3実施形態における潜伏確変状態)に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI1によれば、所定の条件を満たす遊技回の終了後に特定状態に移行するので、当該特定状態に移行することを利用して種々の処理を実行することができる。例えば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の終了後に、特定状態である期間中に限って、固有の方法によって遊技者に特典を付与する処理を実行することができる。また、判定モードと制御モードとを制御することによって特定状態に移行させたり、特定状態から他の状態に移行させたりすることができる。よって、所定の条件を満たす遊技回の終了後において、判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとを制御することによって、特定状態の継続時間を制御することができ、特定状態の場合のみに行う処理の実行時間を当該判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとによって制御することができる。よって、所定の条件を満たす遊技回の終了後に、簡易な処理によって、種々の処理の実行制御を行うことができる。
[特徴αI2]
特徴αI1に記載の遊技機であって、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特定状態(第3実施形態における潜伏確変状態)である場合に、前記特典を付与する第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、
前記特定状態の終了後に、前記特典を付与する第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI2によれば、特定状態である場合に、特典を付与する第1の特典付与手段と、特定状態の終了後に、特典を付与する第2の特典付与手段とを備えるので、判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとを制御することによって、第1の特典付与手段によって特典を付与する期間の時間的な長さを制御し、さらに、第2の特典付与手段が特典の付与を開始するタイミングを制御することができる。また、特典付与手段を2種類備えるので、第1の特典付与手段による特典の付与から第2の特典付与手段による特典の付与に切り替わったことを認識した遊技者に意外性を付与することができる。
[特徴αI3]
特徴αI1または特徴αI2に記載の遊技機であって、
前記特定状態の継続時間を決定する継続時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理を実行する機能)を備え、
前記継続時間決定手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回における当該特別情報に基づいて前記継続時間を決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αI3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回における当該特別情報に基づいて継続時間を決定するので、特別情報が所定の条件を満たすことによって遊技者に期待感を付与することに加え、遊技回の終了後に移行する特定状態の継続時間について推測させることができ、より一層の期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αJ群>
特徴αJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αJ1]
遊技球が入球可能な第1の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記第1の入球部に遊技球が入球した場合に、所定の駆動機構(第2開閉扉55b)を駆動させる駆動手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球してから前記所定の駆動機構の駆動を開始するまでの時間である駆動開始時間を決定する駆動開始時間決定手段(第3実施形態における第2入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する機能)と、
遊技の進行に関する制御を実行する制御手段(主制御装置)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動開始時間決定手段は、
前記制御手段による制御の状態(抽選モードとサポートモードの状態)に基づいて、前記駆動開始時間を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ1によれば、制御手段による制御の状態に基づいて、駆動機構の駆動開始時間が決定されるので、駆動機構の駆動を期待する遊技者に対して、遊技の進行の状態について注目させることができる。また、逆に、遊技の進行の状態と駆動開始時間とが関連していることから、遊技の進行の状態を把握しようとする遊技者に対して、第1の入球部への遊技球の入球および駆動機構の駆動に注目させることができる。結果として、遊技の進行に関する制御の状態と駆動開始時間とを関連付けて制御することによって、遊技者を常時遊技に注目させることができる。
[特徴αJ2]
特徴αJ1に記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記第1の入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第3実施形態における普通電動役物53)と、
前記補助手段の動作を制御する制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードで前記補助手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすい第2の制御モード(高頻度サポートモード)とを有する補助制御手段と、
を備え、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
前記制御手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後に、前記制御モードが前記第1制御モードであり、かつ、前記判定モードが前記第2判定モードである特定状態(潜伏確変状態)に移行させ、
前記駆動開始時間決定手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後から次の遊技回が開始されるまでの期間である特別遊技期間における状態が前記特定状態であるか否かに基づいて、前記特別遊技期間における前記駆動開始時間を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ2によれば、特別遊技期間における状態が特定状態か否かに基づいて、当該特別遊技期間における駆動開始時間を決定する。したがって、特別遊技機期間において、遊技者に対して、特定状態か否かに注目させることができる。より具体的には、特別遊技期間において、遊技者に対して、判定モードと制御モードに注目させることができる。結果として、判定モード、制御モード、第1の入球部への入球、駆動開始時間、駆動機構の駆動など、種々の要素について遊技者に注目をさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αJ3]
特徴αJ1または特徴αJ2に記載の遊技機であって、
前記駆動機構は、遊技球が入球可能な第2の入球部(第2大入賞口55a)を備え、
前記第2の入球部は、前記駆動機構が駆動することによって、駆動前と比較して遊技球の入球が容易となり、
前記遊技機はさらに、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことを契機として賞球としての遊技球を払い出す賞球払い出し手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αJ3によれば、駆動機構は、遊技球が入球可能な第2の入球部を備え、第2の入球部は、駆動機構が駆動することによって、駆動前と比較して遊技球の入球が容易となり、第2の入球部に遊技球が入球したことを契機として賞球としての遊技球を払い出すので、遊技者に、駆動機構の駆動開始時間により一層注目させることができるとともに、遊技の進行の状態により一層注目させることができる。
<特徴αK群>
特徴αK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αK1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
前記特典を付与する期間である特典付与期間の時間的長さである特典付与時間(第3実施形態において特定期間におけるオープニング時間)を、前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK1によれば、特典付与時間は条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、特別情報が所定の条件を満たしたことへの遊技者の満足感に加え、特典付与時間の長さについても期待感や緊迫感を付与することができる。換言すれば、遊技回に対応する特別情報について、所定の条件を満たすか否かといった期待感だけではなく、さらに、当該特別情報に対応する特典付与時間の長さについても期待感を付与することができる。
[特徴αK2]
特徴αK1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記第1の特典付与手段は、前記特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2の特典付与手段は、前記第1の特典付与手段による特典の付与の終了後に、当該第2の特典付与手段としての特典の付与を開始する手段(遊技状態移行処理においてオープニング期間の終了後に第1大入賞口開閉処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αK2によれば、第1の特典付与手段は、特典付与時間決定手段を備えるので、遊技回に対応する特別情報について、所定の条件を満たすか否かといった期待感だけではなく、さらに、第1の特典付与手段によって特典が付与される特典付与時間の長さについても期待感を付与することができる。さらに、特徴αK2によれば、特典付与手段は、第1の特典付与手段と、第2の特典付与手段とを備えるので、第1の特典付与手段による特典の付与に加えて、第2の特典付与手段による特典の付与についても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αL群>
特徴αL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αL1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回(第3実施形態において大当たりに当選した遊技回)の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
前記特典付与手段は、
前記特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記判定を行った前記判定モードに基づいて決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL1によれば、特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった条件成立遊技回に対応する特別情報に対して判定手段が判定を行った判定モードに基づいて決定するので、遊技回実行時の判定モードについて第1判定モードであるのか第2判定モードであるのかといったことに遊技者を注目させることができる。さらに、現在の判定モードにおいて特別情報が所定の条件を満たした場合に、その後に実行される特典を付与する処理の方法について遊技者に推測および注目をさせることができる。また、遊技者が判定モードを把握することなく条件成立遊技回が終了し特典の付与が開始された場合に、特典を付与する処理の方法を把握することによって、先に実行された条件成立遊技回における判定モードを推測する楽しみを遊技者に提供することができる。このように、条件成立遊技回における判定モードと、条件成立遊技回の終了後における特典を付与する処理の方法とを関連させることによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αL2]
特徴αL1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記第1判定モード(低確率モード)で前記判定を行った場合には、前記条件成立遊技回の終了後に前記第1の特典付与手段による特典の付与はされず、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされ、
前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記第2判定モード(高確率モード)で前記判定を行った場合には、前記条件成立遊技回の終了後に前記第1の特典付与手段による特典の付与がされ、前記第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL2によれば、条件成立遊技回において第1判定モードで判定がされた場合には、条件成立遊技回の終了後に第1の特典付与手段による特典の付与はされず、第2の特典付与手段による特典の付与がされ、条件成立遊技回において第2判定モードで判定がされた場合には、条件成立遊技回の終了後に第1の特典付与手段による特典の付与がされ、第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、第2の特典付与手段による特典の付与がされるので、条件成立遊技回における判定モードによって、その後に付与される特典において遊技者への有利の度合いが異なる。従って、より一層、遊技者に対して、判定モードについて注目をさせることができる。また、判定モードが第2判定モードである場合において特別情報が所定の条件を満たした場合には、第1の特典付与手段および第2の特典付与手段による特典が付与されるので、判定モードが第2判定モードである場合には、遊技者に対して、特別情報が所定の条件を満たすことに対して、さらに大きい期待感を付与することができる。
[特徴αL3]
特徴αL2に記載の遊技機であって、
前記第1の特典付与手段は、
当該第1の特典付与手段として前記特典を付与する期間である第1特典付与期間の時間的長さである第1特典付与時間(第3実施形態において特定期間におけるオープニング時間)を、前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する第1特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL3によれば、第1特典付与時間を、特典を付与する契機となった条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、第1の特典付与手段によって特典が付与されることが分かった場合であっても、さらに、当該条件成立遊技回における特別情報に基づいて決定された第1特典付与時間について、遊技者に推測をさせるとともに、期待感を付与することができる。
[特徴αL4]
特徴αL2から特徴αL3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球の入球が可能な第1の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記入球部に遊技球が入球したことを条件として駆動する駆動機構(第2可変入賞装置55)と、
前記駆動機構が駆動することによって遊技球の入球が容易となる第2の入球部(第2大入賞口55a)と、
を備え、
前記第1特典付与手段は、
前記条件成立遊技回の終了後から前記第2の特典付与手段が特典を開始するまでの期間である特定期間(第3実施形態におけるオープニング期間)において、当該特定期間以外の期間と比べて前記第2の入球部に遊技球が入りやすくなるように前記第1の入球部に遊技球が入球してから前記駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御する(特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を特定期間以外の期間と比べて短くする)ことによって、前記特定期間に特典を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αL4によれば、特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて第2の入球部に遊技球が入りやすくなるように第1の入球部に遊技球が入球してから駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御することによって、特定期間に特典を付与するので、特定期間における第1の入球部に遊技球が入球してから駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様に対して、遊技者を注目させることができるとともに、当該駆動態様に基づいて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αM群>
特徴αM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αM1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす(第3実施形態において大当たりに当選する)ことを条件として、当該所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に、連続して駆動する第1の駆動機構(第3実施形態における第1可変入賞装置54)と、
前記第1の駆動機構が駆動することによって、遊技球の入球が容易となる第1の入球部(第1大入賞口54a)と、
前記条件成立遊技回の終了後から前記第1の駆動機構が連続した駆動を開始するまでの期間である特定期間(オープニング期間)に、特典(特別ボーナス)を付与する特別特典付与手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αM1によれば、条件成立遊技回の終了後から第1の駆動機構が連続した駆動を開始するまでの期間である特定期間に、特典を付与する。通常、特別情報が所定の条件を満たす場合には、当該所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の終了後に、第1の駆動機構が連続して駆動することによって遊技者に特典を付与する。特徴αM1によれば、
第1の駆動機構が連続して駆動することによって遊技者に特典を付与することに先立って、特定期間において特典を付与するので、遊技者に意外性を付与することができるとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αM2]
特徴αM1に記載の遊技機であって、
前記特別特典付与手段は、
前記特定期間(オープニング期間)の時間的な長さを、前記条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する手段を備える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM2によれば、特定期間の時間的な長さを、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて実行される各種処理(例えば演出など)に基づいて、特定期間の時間的な長さについて遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αM3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
前記特別特典付与手段は、
前記付与する特典の有利度を、前記特定期間(オープニング期間)の時間的な長さによって制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM3によれば、付与する特典の有利度を、特定期間の時間的な長さによって制御するので、遊技者に対して、特定期間の時間的な長さについて、より一層期待感を付与することができる。
[特徴αM4]
特徴M1から特徴M3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の入球部(第1大入賞口54a)とは異なる第2の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことを条件として駆動する第2の駆動機構(第2可変入賞装置55)と、
前記第2の駆動機構が駆動することによって遊技球の入球が容易となる第3の入球部(第2大入賞口55a)と、
を備え、
前記特別特典付与手段は、
前記特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて前記第3の入球部に遊技球が入りやすくなるように前記第2の入球部に遊技球が入球してから前記第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御する(特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を特定期間以外の期間と比べて短くする)ことによって、前記特定期間に特典を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αM4によれば、特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて第3の入球部に遊技球が入りやすくなるように第2の入球部に遊技球が入球してから第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御することによって、特定期間に特典を付与するので、特定期間における第2の入球部に遊技球が入球してから第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様に対して、遊技者を注目させることができるとともに、当該駆動態様に基づいて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴αN群>
特徴αN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴αN1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
2つの前記条件成立遊技回のうち、先に実行された前記条件成立遊技回を先条件成立遊技回(第3実施形態における先当選遊技回)とし、後に実行された前記条件成立遊技回を後条件成立遊技回(第3実施形態における後当選遊技回)とした場合に、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報(先当選遊技回の大当たり種別に基づく次回遊技回からの判定モード)に基づいて決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN1によれば、後条件成立遊技回の終了後に実行する処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後に実行される処理についての期待感を遊技者に付与することに加えて、次に条件成立遊技回(後条件成立遊技回)が実行された場合における処理の方法についても期待感を付与することができる。
[特徴αN2]
特徴αN1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理として、前記後条件成立遊技回の終了後に特典を付与する処理の方法を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報(先当選遊技回の大当たり種別に基づく次回遊技回からの判定モード)に基づいて決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN2によれば、後条件成立遊技回の終了後に特典を付与する処理の方法を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する処理の方法についての期待感を遊技者に付与することに加えて、次に条件成立遊技回(後条件成立遊技回)が実行された場合における特典を付与する処理の方法についても期待感を付与することができる。また、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する処理の方法について、遊技者に対して、当該条件成立遊技回の前に実行された条件成立遊技回(先条件成立遊技回)における特別情報に基づいて推測をさせることができる。従って、条件成立遊技回が実行された場合には、当該条件成立遊技回から見て先条件成立遊技回における特別情報に基づく当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する方法の推測、および、当該条件成立遊技回から見て後条件成立遊技回における特典を付与する方法の推測をさせることができ、1回の条件成立遊技回の実行で、遊技者に対して種々の推測を促し、さらに、期待感を付与することができる。
[特徴αN3]
特徴αN2に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たす場合(大当たり種別が確変大当たりである場合)には、前記後条件成立遊技回の終了後に、前記第1の特典付与手段によって特典の付与がされ、前記第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされ
前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たさない場合(大当たり種別が通常大当たりである場合)には、前記後条件成立遊技回の終了後に、前記第1の特典付与手段による特典の付与はされず、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされる
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN3によれば、先条件成立遊技回に対応する特別情報が特定の条件を満たす場合には、当該先条件成立遊技回が終了した後の特典の付与について遊技者に期待感を付与することに加え、後条件成立遊技回の終了後の特典の付与についても大きな期待感を付与することができる。
[特徴αN4]
特徴αN3に記載の遊技機であって、
前記第1の特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に当該第1の特典付与手段として前記特典を付与する期間である第1特典付与期間の時間的長さである第1特典付与時間を、前記後条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する第1特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN4によれば、先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たしていた場合には、後条件成立遊技回の終了後の第1特典付与期間における第1特典付与時間を、当該後条件成立遊技回に基づいて遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αN5]
特徴αN1から特徴αN4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理として、前記後条件成立遊技回の終了後から特典の付与(ラウンド遊技)を開始するまでの時間的長さ(オープニング時間)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN5によれば、後条件成立遊技回の終了後から特典の付与を開始するまでの時間的長さを、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、後条件成立遊技回が実行され特典の付与が開始されるまでの時間的長さを、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。
[特徴αN6]
特徴αN5に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記後条件成立遊技回の終了後から前記第2の特典付与手段として特典の付与(ラウンド遊技)を開始するまでの期間である第2特典付与開始期間の時間的長さである第2特典付与開始時間(オープニング時間)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定し(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定し)、
前記第2特典付与開始期間(オープニング期間)に、前記第1の特典付与手段として特典の付与(特別ボーナスの付与)を行う
ことを特徴とする遊技機。
特徴αN6によれば、特典付与手段は、第1の特典付与手段と、第2の特典付与手段とを備えるので、条件成立遊技回が実行された場合には、遊技者に第1の特定付与手段による特典の付与に対する期待感に加え、第2の特典付与手段による特典の付与に対する期待感を付与することができる。また、第1の特典付与手段が特典を付与する期間である第2特典付与開始期間の時間的長さである第2特典付与開始時間は、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定されるので、遊技者に対して、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第2特典付与開始時間を推測させるとともに、第2特典付与開始期間における第1の特典付与手段による特典の付与について期待感を付与することができる。
なお、上記特徴αI群〜特徴αN群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
<特徴αO群>
特徴αO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αO1]
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作(第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示)が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段(RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図202の通常処理におけるステップS40502およびS40503)と、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41104〜S41106)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴αO1においては、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。具体的には、第1の表示態様に切り替わったことで、遊技者は第1判定モードに移行したと推測して落胆してしまうが、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回では、実際は第1判定モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αO2]
特徴αO1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図207の転落判定処理)を備え、
前記表示手段は、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(図207の転落判定処理におけるステップS41002、S41004、およびS41005)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、表示手段の表示態様から、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1判定モードで実行することが決定された遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αO2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴αO3]
特徴αO2に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回において、特定の演出を実行する手段と、
前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回において、前記特定の演出を実行する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、同じ特定の演出が実行されることから、特定の演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、表示手段の表示態様から、上記いずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、特徴αO3によれば、特定の演出によって時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴αO4]
特徴αO1から特徴αO3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、LEDを備え、
前記第1の表示態様は、前記LEDの消灯状態であり、
前記第2の表示態様は、前記LEDの点灯状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αO4によれば、LEDの消灯/点灯状態といった簡単な表示態様で、判定モードの識別が可能となる。したがって、特徴αO4によれば、遊技者の視認性を向上することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴αP群>
特徴αP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αP1]
第1の表示態様と第2の表示態様とを取り得る表示手段と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードと、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図202の通常処理におけるステップS40502およびS40503)と、
前記第2の表示態様で表示中に、所定の遊技回が開始されることを契機に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41104〜S41106)と、
を備え、
前記判定手段は、
前記所定の遊技回の開始時に前記表示手段が前記第2の表示態様から前記第1の表示態様への切り替えを行うにも拘わらず、前記所定の遊技回に対応する前記判定を前記第2判定モードで実行する手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41101〜S41103)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードで場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴αP1においては、所定の遊技回の開始時に表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様への切り替えを行うにも拘わらず、所定の遊技回に対応する判定を第2判定モードで実行するので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、特徴αP1によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αP2]
特徴αP1に記載の遊技機であって、
前記所定の遊技回は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αP2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回において、第1判定モードに移行したとする遊技者の推測を覆すことができることから、遊技者により大きな意外性を付与することができ、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴αQ群>
特徴αQ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αQ1]
第1の表示態様と第2の表示態様とを取り得る表示手段と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードと、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
前記遊技回が開始される時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図207の転落判定処理)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図202の通常処理におけるステップS40502〜S40503)と、
前記第2の表示態様で表示中に、所定の切替タイミングで、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段と、
を備え、
前記判定手段が前記判定モードを前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは、前記判定モード決定手段が前記判定を前記第1判定モードで実行することを決定した前記遊技回としての第1の遊技回と、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回としての第2の遊技回と、で相違するのに対して(主制御基板61側のMPU62にて実行される図207の転落判定処理におけるステップS41002〜S41003と、主制御基板61側のMPU62にて実行される図210の遊技状態移行処理におけるステップS41308)、
前記第1の表示態様への切替を行う前記所定の切替タイミングは、前記第1の遊技回と前記第2の遊技回とで一致する(図207の転落判定処理におけるステップS41004〜S41005と、主制御基板61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41105〜S41106)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ1によれば、表示手段が表示態様を第1の表示態様へ切り替える所定の切替タイミングが、判定モード決定手段が判定を第1判定モードで実行することを決定した第1の遊技回と、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回とで一致する。このために、表示手段の表示態様から、第1判定モードで実行することを決定した第1の遊技回か、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αQ1によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αQ2]
特徴αQ1に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技回において、前記所定の切替タイミングは前記第1の遊技回の開始時であり、前記第2の遊技回において、前記所定の切替タイミングは前記第2の遊技回の開始時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ2によれば、遊技回が開始されたと同時に表示手段が表示態様を第1の表示態様へ切り替えることから、遊技者により緊張感を与えることができる。その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴αQ3]
特徴αQ2に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技回において、前記判定手段が前記判定モードを第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは前記第1の遊技回の開始時であり、前記第2の遊技回において、前記判定手段が前記判定モードを第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは前記第2の遊技回の終了時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αQ3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回においては、第2の遊技回の終了時に第1判定モードへの切り替えが行われることから、第2の遊技回に対応する判定を第2判定モードで実行することができる。したがって、特徴αQ3によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴αR群>
特徴αR群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αR1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
排他的な2つの状態である第1の状態(低確率モード)と第2の状態(高確率モード)とを特定可能な状態情報(抽選モードの情報)を記憶する状態記憶手段(高確率モードフラグ)と、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報に基づいて特定の処理(起動時表示部39aの点灯)の実行を開始する特定処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記状態記憶手段は、
前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態に切り替わる直前に記憶している前記状態情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに前記状態情報が前記第2の状態を特定する情報である場合に前記特定の処理(起動時表示部39aの点灯)の実行を開始する手段と、
前記所定の条件を満たす前記遊技回の開始時に前記特定の処理を終了する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR1によれば、特定処理実行手段は、非供給状態から供給状態に切り替わったときに、状態情報が第2の状態を特定する情報である場合に特定の処理の実行を開始するので、特定の処理が実行されていることを認識した遊技者に対して、第2の状態であることを認識させることができる。また、特定処理実行手段は、所定の条件を満たす遊技回の開始時に特定の処理を終了するので、判定手段による判定の結果と特定の処理の終了とが関連していることを遊技者に推測させることができる。従って、特定の処理が実行されている場合には、遊技者に特定の処理が終了するか否かに注目させることができ、特定の処理が終了した場合には、遊技回の開始時から遊技者に大きな期待感を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αR2]
特徴αR1に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードとを実行する手段を備え、
前記第1の状態は、前記判定手段が前記第1判定モードを実行する状態であり、前記第2の状態は、前記判定手段が前記第2判定モードを実行する状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR2によれば、第1の状態は、判定手段が第1判定モードを実行する状態であり、第2の状態は、判定手段が第2判定モードを実行する状態であるので、特定の処理が実行されていることを認識した遊技者に対して、第1判定モードよりも特別情報が所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードで判定手段が判定を行うことを推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴αR3]
特徴αR1または特徴αR2に記載の遊技機であって、
遊技者が視認可能な表示部を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記特定の処理として、前記表示部の表示態様を前記第2の状態であることを示す表示態様にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴αR3によれば、遊技者に対して表示部の表示態様に注目させることができる。また、表示部の表示態様が第2の状態であることを示す表示態様になっていることを認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
<特徴αS群>
特徴αS群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αS1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への前記遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への前記遊技球の入球を補助する手段であって、前記補助を行うためのサポートモードとして、第1サポートモード(低頻度サポートモード)と、前記入球部への遊技球の入球の可能性が前記第1のサポートモードよりも高い第2サポートモード(高頻度サポートモード)と、を有する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段を制御する制御手段であって、前記補助手段が前記第1サポートモードから前記第2サポートモードへの移行後における前記遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後に、前記判定モードが前記第2判定モードから前記第1判定モードに移行したことを契機に、前記補助手段を前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する制御手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報と、前記サポートモードが前記第2サポートモードであるか否かを特定するためのサポートモード情報と、をそれぞれ記憶する手段であって、前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報および前記サポートモード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段であって、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後に、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合に、当該判定がなされた遊技回が開始される時に、前記表示手段は、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え(主制御基板61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41104〜S41106)、前記制御手段は、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1のサポートモードに移行する(主制御基板W61側のMPU62にて実行される図208の当たり判定処理におけるステップS41108〜S41110)
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。また、特徴αS1によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後に、判定モードが第1判定モードに移行したことを契機に、補助手段を第1サポートモードに移行する。このため、補助手段が第2サポートモードから第1サポートモードに移行した場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。即ち、表示手段の表示態様が第1の表示態様に切り替わったこと、補助手段が第1サポートモードに切り替わったことの双方から、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴αS1によれば、第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後の、特別情報が所定の条件を満たしたと判定がなされた遊技回の開始時において、遊技者の上記の推測を覆すことができる。具体的には、第1の表示態様に切り替わったことと第1サポートモードに切り替わったこととで、遊技者は第1判定モードに移行したと推測して落胆してしまうが、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回では、実際は第1判定モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αS2]
特徴αS1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段を備え、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後に、前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、当該決定がなされた遊技回が開始される時に、前記表示手段は、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、前記制御手段は、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1のサポートモードに移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αS2によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、判定を第1判定モードで実行することが判定モード決定手段によって決定された場合に、表示手段は、当該決定がなされた遊技回の開始時に、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合と同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。また、特徴αS2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、判定を第1判定モードで実行することが判定モード決定手段によって決定された場合に、制御手段は、当該決定がなされた遊技回の開始時に、サポートモードを特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合と同じ第1のサポートモードに移行する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αS2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αS2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴αT群>
特徴αT群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴αT1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への前記遊技機への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への前記遊技球の入球を補助する手段であって、前記補助を行うためのサポートモードとして、第1サポートモード(低頻度サポートモード)と、前記入球部への遊技球の入球の可能性が前記第1のサポートモードよりも高い第2サポートモード(高頻度サポートモード)と、を有する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段を制御する制御手段であって、前記補助手段が前記第1サポートモードから前記第2サポートモードへの移行後における前記遊技回の実行回数が所定の回数に達した場合であって、前記判定モードが前記第1の判定モードである場合に、前記補助手段を前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する制御手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報と、前記サポートモードが前記第2サポートモードであるか否かを特定するためのサポートモード情報と、をそれぞれ記憶する手段であって、前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報および前記サポートモード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段と、
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段であって、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達するより前において、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合、または前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、
前記表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、
前記制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時から少なくとも当該遊技回が終了するまで、前記サポートモードとして前記第2サポートモードを維持する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT1によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前において、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれであっても、表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、特徴αT1によれば、前記2つの場合のいずれであっても、制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時から少なくとも当該遊技回が終了するまで、サポートモードとして2サポートモードを維持する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、遊技回の前記実行回数が所定の回数に達するより前における前記遊技回の開始時から遊技回が終了するまでの間において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αT1によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前において、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αT1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2の判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴αT1においては、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴αT2]
特徴αT1に記載の遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後において、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合、または前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、
前記表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、
前記制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αT2によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれであっても、表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、特徴αT2によれば、前記2つの場合のいずれであっても、制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、サポートモードを第1サポートモードに移行する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αT2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後の双方において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。
<特徴αU群>
特徴αU群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴αU1]
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第1判定モードであるか前記第2判定モードであるかを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段(RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう手段と、
前記第2の表示態様で表示中に、前記判定モードが前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えられたことを契機に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段と、
を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記判定モードを前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替える手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU1によれば、表示手段は、第2の表示態様で表示中に、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに切り替えられたことを契機に、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える。また、この遊技機は、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替える。従って、表示手段は、第2の表示態様で表示中であって、所定の条件を満たす特別条件に対応する遊技回の開始時に、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える。このとき、遊技回の開始時に、表示態様が第2の表示態様から第1の表示態様に切り替わったことを認識した遊技者に対して、当該遊技回における判定が第1判定モードで実行されたと推測させることができる。しかしながら、判定手段によって所定の条件が満たされると判定された後に遊技回は開始され、その遊技回の開始時に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているので、当該遊技回の判定は第2判定モードで実行される。従って、遊技回における判定が第1判定モードで実行されたという遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができる。さらに、当該遊技回が所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回であることで、遊技者にさらに大きな意外性や期待感を付与することができる。これらの結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴αU1によれば、遊技回の開始時に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているが、判定手段が第2判定モードで判定をして所定の条件が満たされると判定した後に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているので、当該遊技回において遊技者が不利益となることを回避することができる。さらに、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える制御を、判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替える制御に連動させているので、表示手段の表示態様を切り替える制御を特異な制御にすることを回避し、簡易な制御としつつ、上記のような遊技者の推定を覆したり、遊技者に意外性を付与する効果を奏することができる。
[特徴αU2]
特徴αU1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段を備え、
前記表示手段は、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、表示手段の表示態様から、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1判定モードで実行することが決定された遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴αU2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴αU3]
特徴αU2に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回において、特定の演出を実行する手段と、
前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回において、前記特定の演出を実行する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αU3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、同じ特定の演出が実行されることから、特定の演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、表示手段の表示態様から、上記いずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、特徴αU3によれば、特定の演出によって時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
<特徴αV群>
特徴αV群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴αV1]
遊技球が入球可能な入球口であって、当該入球した遊技球が所定の領域(第1始動口33)に到達することが可能な第1の入球口(第1入球口201)と、
遊技球が入球可能な入球口であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)と、
前記第1の入球口への遊技球の入球と前記第2の入球口への遊技球の入球との時間的な間隔が特定時間内である特定の場合に、前記特定の場合以外の場合と比較して、前記第1の入球口に入球した遊技球を前記所定の領域に到達し易くする補助手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αV1によれば、補助手段を備えるので第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する所定の領域への遊技球の到達のし易さ(到達の期待値)の変化を抑制することができる。以下、具体例を用いて説明する。
例えば、互いに隣接する第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)との和が一定の幅(広さ)に規定されている構成について考える。第1の入球口の幅を第2の入球口の幅よりも広くした第1の構成においては、第2の入球口は第1の入球口に比べて遊技球が入球しにくいため上記の特定の場合にはなりにくいが、第1の入球口の幅が広いので第1の入球口に遊技球が入球し易く、単位時間当たりに第1の入球口に入球する遊技球の数を多くすることで、所定の領域に遊技球を到達させる確率を高めることができる。
一方、第1の入球口の幅を第2の入球口の幅よりも狭くした第2の構成においては、第1の入球口は第2の入球口に比べて遊技球が入球しにくいため第1の構成と比較して第1の入球口に遊技球は入球しにくいが、第2の入球口は第1の構成に比べて遊技球が入球しやすいため、第1の入球口に遊技球が入球した場合には上記特定の場合になりやすく、所定の領域に遊技球を到達させる確率を高めることができる。
このように、特徴αV1によれば、第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)の差分に対する所定の領域への遊技球の到達のし易さ(到達の期待値)の変化を抑制することができ、所定の領域に遊技球が到達する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
[特徴αV2]
特徴αV1に記載の遊技機であって、
前記補助手段は、
予め定められた遊技球の経路であって、前記第1の入球口から入球した遊技球が前記所定の領域としての入賞口に到達する確率が第1の確率値である第1種経路(通常ルートNR)と、
予め定められた遊技球の経路であって、前記第1の入球口から入球した遊技球が前記入賞口に到達する確率が前記第1の確率値よりも高い第2の確率値である第2種経路(特別ルートSP)と、
前記特定の場合以外の場合に、前記第1の入球口から入球した遊技球を前記第1種経路に振り分け、前記特定の場合に、前記第1の入球口から入球した遊技球を前記第2種経路に振り分ける遊技球振分手段(遊技球振分装置200)と
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴αV2によれば、前記特定の場合以外の場合に、第1の入球口から入球した遊技球は第1種経路に振り分けられ、前記特定の場合に、第1の入球口から入球した遊技球は第2種経路に振り分けられる。このため、特定の場合となったときには、遊技球が入賞口に到達する確率を高めることができる。このようにして、特徴αV2によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αW群>
特徴αW群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴αW1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、当該第1の入球口に入球した遊技球を流通させる第1の通路(第1通路210)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)を有し、当該第2の入球口に入球した遊技球を流通させる第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記第1の通路における遊技球の挙動を変化させる挙動変化手段(第1遊技球振分機構240)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW1によれば、第2の通路を流通する遊技球から挙動変化手段が作用を受けることによって、第1の通路における遊技球の挙動が変化させられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率を変化させることができる。したがって、特徴αW1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができるという効果を奏する。
特徴αW1において、隣接する第1の通路の第1の入球口と第2の通路の第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、挙動変化手段によって、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球の挙動が変化する確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球の挙動が変化する確率が低くなる。したがって、特徴αW1によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において遊技球の挙動が変化することで、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴αW1によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できるという効果も奏する。
[特徴αW2]
特徴αW1に記載の遊技機であって、
前記挙動変化手段は、前記第1の通路における遊技球を複数の行き先のうちのいずれかに振り分ける構成である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW2によれば、挙動変化手段によって、第1の通路における遊技球の行き先が振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球の行き先が振り分けられる確率を変化させることができる。
[特徴αW3]
特徴αW2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と、
を備え、
前記挙動変化手段は、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けない場合には、前記第1の通路における遊技球を前記第1種経路に向けて振り分け、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記第1の通路における遊技球を前記第2種経路に向けて振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αW3によれば、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けない場合に、遊技球は第1種経路に向けて振り分けられ、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、遊技球は遊技者にとって有利な第2種経路に向けて振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に向けて振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴αW3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴αX群>
特徴αX群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴αX1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた分岐通路(第1支線通路212)と、
前記第1の通路における前記分岐通路への分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記分岐通路とに振り分ける遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記分岐点に至った遊技球を前記分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX1によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴αX1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αX2]
特徴αX1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第1の入球口と前記第2の入球口とは、隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX2によれば、第1の通路が有する第1の入球口と第2の通路が有する第2の入球口とが隣接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴αX2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴αX2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴αX3]
特徴αX1または特徴αX2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴αX3によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1種経路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴αX3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴αY群>
特徴αY群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴αY1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた分岐通路(第1支線通路212)と、
前記第1の通路における前記分岐通路への分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記分岐通路とに振り分ける遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と
を備える遊技機であって、
前記遊技球振分手段は、
前記第1の通路から前記分岐通路への開口を閉鎖する第1の位置と、前記開口を遊技球が通過可能に開く第2の位置と、に移動可能な弁体(弁体241)と、
前記弁体と連動し、前記第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記弁体を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ得る作用片(作用片242)と
を有することを特徴とする遊技機。
特徴αY1によれば、第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けて、弁体が第1の位置から第2の位置に移動することによって、第1の通路から分岐通路への開口が開き、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、上記別の領域を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴αY1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αY2]
特徴αY1に記載の遊技機であって、
前記弁体は、自重によって前記第2の位置から前記第1の位置に移動しうる構成である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY2によれば、弁体は重力以外の力が働いていない初期姿勢において第1の位置を保つことができる。その上、上述したように、弁体は、作用片を介して、第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けることによって、第1の位置から第2の位置に移動する。このため、特徴αY2によれば、弁体を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる。
[特徴αY3]
特徴αY1または特徴αY2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)
を備え、
前記第1の通路とは別の領域は、前記第2の通路内の予め定められた領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY3によれば、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。
[特徴αY4]
特徴αY3に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第1の入球口と前記第2の入球口とは、隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY4によれば、第1の通路が有する第1の入球口と第2の通路が有する第2の入球口とが隣接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴αY4によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴αY4によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴αY5]
特徴αY4に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴αY5によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1種経路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴αY5によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴αZ群>
特徴αZ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴αZ1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた第1の分岐通路(第1支線通路212)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた第2の分岐通路(第2支線通路213)と、
前記第1の通路における前記第1の分岐通路への第1分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記第1の分岐通路とに振り分ける第1遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と、
前記第1の通路における前記第2の分岐通路への第2分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記第2の分岐通路とに振り分ける第2遊技球振分手段(第2遊技球振分機構250)と
を備える遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第3の通路(第3通路230)と
を備え、
前記第1遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の分岐通路に振り分ける手段を備え、
前記第2遊技球振分手段は、
前記第3の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第2分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第3の通路における遊技球の流通を契機に、前記第2分岐点に至った遊技球を前記第2の分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ1によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は第1の分岐通路に振り分けられる。また、第3の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第3の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は第2の分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができ、第3の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率と、第1の通路において遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴αZ1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴αZ2]
特徴αZ1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第3の通路は、当該第3の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第3の入球口(第3入球口231)を有し、
前記第2の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の一方の側に隣接し、
前記第3の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の他方の側に隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ2によれば、第2の通路が有する第2の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接し、第3の通路が有する第3の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴αZ2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴αZ2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1の入球口と第3の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この場合にも、前述した第1の入球口と第2の入球口との関係と同様に、この釘の打ち込み位置によって第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を変化させることと、第1の通路において、遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴αZ3]
特徴αZ1または特徴αZ2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記第1の分岐通路の下流端と前記第2の分岐通路の下流端とは合わさって、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴αZ3によれば、第2の通路における遊技球の流通を契機に、または第3の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3の通路の第3の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴αZ3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴βA群>
特徴βA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴βA1]
遊技球が流通する流通領域と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路311)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた1回目分岐通路(子支線通路312)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記1回目分岐通路から分かれた2回目分岐通路(孫支線通路313)と、
前記第1の通路における前記1回目分岐通路への第1分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記1回目分岐通路とに振り分ける第1遊技球振分手段(第1遊技球振分機構340)と、
前記1回目分岐通路における前記2回目分岐通路への第2分岐点で、遊技球を前記1回目分岐通路と前記2回目分岐通路とに振り分ける第2遊技球振分手段(第2遊技球振分機構350)と
を備える遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路320)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第3の通路(第3通路330)と
を備え、
前記第1遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記第1分岐点に至った遊技球を前記1回目分岐通路に振り分ける手段を備え、
前記第2遊技球振分手段は、
前記第3の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第2分岐点に至った遊技球を前記1回目分岐通路に振り分け、
前記第3の通路における遊技球の流通を契機に、前記第2分岐点に至った遊技球を前記2回目分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA1によれば、第2の通路を遊技球が流通し、かつ、第3の通路を遊技球が流通することを契機として、第1の通路に入った遊技球は、2回目分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができ、第3の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、1回目分岐通路において、遊技球が2回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路に遊技球が入球する確率と、遊技球が最終的に2回目分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴βA1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βA2]
特徴βA1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口301)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口321)を有し、
前記第3の通路は、当該第3の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第3の入球口(第3入球口331)を有し、
前記第2の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の一方の側に隣接し、
前記第3の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の他方の側に隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA2によれば、第2の通路が有する第2の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接し、第3の通路が有する第3の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴βA2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴βA2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1の入球口と第3の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この場合にも、前述した第1の入球口と第2の入球口との関係と同様に、この釘の打ち込み位置によって第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を変化させることと、遊技球が2回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴βA3]
特徴βA1または特徴βA2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記1回目分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴βA3によれば、第2の通路における遊技球の流通と、第3の通路における遊技球の流通との双方を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3の通路の第3の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴βA3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴βB群>
特徴βB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態の変形例3から抽出される。
[特徴βB1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、当該第1の入球口に入球した遊技球を流通させる第1の通路(第1通路210)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)を有し、当該第2の入球口に入球した遊技球を流通させる第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記第1の入球口から入球した遊技球と前記第2の入球口から入球した遊技球とに基づいて、遊技球を遊技者に有利となる方向に誘導し得る遊技球誘導手段(遊技球振分装置200)と、
遊技球を貯留する遊技球貯留手段であって、複数の遊技球が貯留された時に、当該貯留された遊技球を前記第1の入球口および前記第2の入球口に向けて放出する遊技球貯留手段(遊技球貯留装置500)と
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴βB1によれば、遊技球誘導手段によって、第1の入球口から入球した遊技球と第2の入球口から入球した遊技球とに基づいて、遊技球は遊技者に有利となる方向に誘導され得る。一般に、隣接する2つの入球口に続けて遊技球が入る確率は比較的低いが、特徴βB1によれば、遊技球貯留手段によって、複数の遊技球が一度に、第1の入球口および第2の入球口に向かって放出されることから、第1の入球口および第2の入球口に続けて遊技球が入球する確率を高めることができる。したがって、特徴βB1によれば、遊技者に有利となる確率を高くして、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴βB2]
特徴βB1に記載の遊技機であって、
前記遊技球貯留手段(遊技球貯留装置500)は、
前記第1の入球口と前記第2の入球口との上方に配置され、遊技球が載る遊技球受け容器(遊技球受け容器510)であり、複数の遊技球の重さによって当該遊技球受け容器が傾倒することで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴βB2によれば、モーター等の駆動手段を用いずに遊技球の重さを受けて遊技球受け容器から遊技球を放出することができることから、遊技機の構成を簡素化することができる。
[特徴βB3]
特徴βB1または特徴βB2に記載の遊技機であって、
前記遊技球貯留手段に貯留された遊技球を、所定時間毎に強制的に放出させる強制放出手段(強制放出装置600)
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴βB3によれば、所定時間毎に繰り返し、遊技球貯留手段から遊技球を強制的に放出させることができる。このため、遊技者が遊技を終えようとした場合に、遊技球貯留手段に遊技球が貯留されたまま残ることがなくなる。したがって、次の遊技者が有利な状態から遊技を開始することがなくなることから、遊技の公平性を保つことができる。
なお、上記特徴αV群〜特徴βB群の発明は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記特徴A群〜特徴βB群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。