JP6442196B2 - 二輪自動車用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、二輪自動車用タイヤに関する。
二輪自動車が直進走行する際には、二輪自動車はほぼ直立しているため、タイヤのクラウン部が主に接地している。二輪自動車が高速で直進走行するときには、タイヤのクラウン部に対し遠心力に起因する大きな負荷がかかる。クラウン部には、この負荷に耐えうる剛性が必要となる。クラウン部の剛性の不足は、直進時の走行安定性の低下を招来する。
二輪自動車が旋回する時には、十分なキャンバースラストを得るために、ライダーは二輪自動車を内側へ傾斜させる。このため、旋回時には、タイヤのショルダー部が主に接地している。サーキット走行で車体を大きく傾斜させて走行すると、タイヤのショルダー部には、強い横力が負荷される。ショルダー部には、この強い横力に耐えうる剛性が必要となる。ショルダー部の剛性の不足は、旋回時の走行安定性の低下を招来する。
タイヤの剛性を大きくするために、カーカスを三枚のプライで構成し、これらをビードの周りで巻回す方法が採られることがある。しかし、この方法では、タイヤの剛性が過大となる。これは、直進時及び旋回時の走行安定性を悪化させる。特にサイド部の過大な剛性は、乗り心地の悪化を招来する。サイド部の過大な剛性は、旋回時に大きな横力が加えられたとき、急激な横滑りの原因となりうる。
特開平6−16006号公報に開示されたタイヤでは、カーカスは2枚のプライで構成されている。これらのプライは、ビードの回りに巻回されている。剛性を大きくするために、カーカスに外側のキャッププライを設けている。このキャッププライは、ビードの回りに巻回されていない。これにより、サイド部の剛性が過大になるのを抑制している。
特開2006−290164公報に記載のタイヤでは、カーカスは2枚のプライで構成されている。これらのプライはビードの回りに巻回されている。プライの端を、ベルトの近傍まで巻き上げることで、サイド部の剛性不足を緩和している。
特開平6−16006号公報 特開2006−290164公報
直進時及び旋回時の走行安定性をさらに改善した二輪自動車用のタイヤが求められている。特開平6−16006号公報のタイヤでは、キャッププライのために、クラウン部の剛性が過剰になることが起こりうる。このタイヤは外乱吸収性に劣る。このタイヤは、直進時の走行安定性に劣る。特開2006−290164公報のタイヤでは、クラウン部には2枚のプライしか存在しないため、クラウン部の剛性が不足することが起こりうる。このタイヤは、直進時の走行安定性に劣る。また、ショルダー部の剛性も不足するため、旋回時の走行安定性も十分でない。
本発明の目的は、直進時及び旋回時の高い走行安定性を実現した二輪自動車用タイヤの提供にある。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、このトレッド及びこのサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの外側に積層されたキャッププライと、ゴム層とを備えている。上記カーカスは、内側プライと、この内側プライの外側に積層された外側プライとを備えている。上記内側プライ及び上記外側プライは、それぞれ並列された多数の第一コードと第一トッピングゴムとを備えている。上記キャッププライの端は、ビードの近傍まで延びている。上記キャッププライは、並列された多数の第二コードと第二トッピングゴムとを備えている。上記ゴム層は、タイヤのクラウン部において、上記カーカスと上記キャッププライとの間に位置している。
好ましくは、タイヤを周方向に垂直な面で切った断面において、上記トレッド面に沿って計測した赤道面からトレッド端までの幅がWとされ、上記ゴム層の表面に沿って計測した赤道面から上記ゴム層の端までの幅がWiとされたとき、幅Wiの幅Wに対する比(Wi/W)は0.2以上0.4以下である。
好ましくは、上記ゴム層の複素弾性率がEiとされ、上記第一トッピングゴムの複素弾性率がEcとされたとき、複素弾性率Eiの複素弾性率Ecに対する比(Ei/Ec)は0.9以上1.1以下である。
好ましくは、赤道面上における上記ゴム層の厚みがTiとされ、上記第一トッピングゴムの厚みがTcとされたとき、厚みTiの厚みTcに対する比(Ti/Tc)は0.5以上1.0以下である。
本発明に係る二輪自動車用タイヤは、カーカスの外側にキャッププライを備えている。この構成はクラウン部の剛性を向上させる。さらにこのタイヤは、クラウン部において、カーカスとキャッププライとの間にゴム層を有している。ゴム層によりカーカスとキャッププライとの距離が離れているため、キャッププライの変形には、より大きな引っ張り力が必要となる。すなわち、このゴム層は、クラウン部の曲げ剛性を向上させる。このクラウン部は、遠心力に起因する大きな負荷に耐えうる十分な剛性を備える。一方、カーカスとキャッププライとの間が離れているので、カーカスとキャッププライとの間の拘束力が弱くなる。このゴム層はクラウン部の捻り剛性を抑制する。このゴム層は、クラウン部の捻り剛性が過大になるのを抑制する。このクラウン部は、外乱吸収性に優れる。このタイヤは、直進時の走行安定性に優れる。
本発明に係る二輪自動車用タイヤでは、キャッププライはビードの近傍まで延びている。このタイヤでは、ショルダー部においてもカーカスの外側にキャッププライが存在する。この構成はショルダー部の剛性を向上させる。このショルダー部は、大きな横力に耐えうる十分な剛性を有している。このタイヤは、旋回時の走行安定性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのカーカスの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された空気入りタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、キャッププライ12、ベルト14、インナーライナー16及びゴム層18を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、二輪自動車に装着される。このタイヤ2は、特に二輪自動車の前輪に装着される。図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。
トレッド4は、架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面20を備えている。このトレッド面20は、路面と接地する。図示されないが、このトレッド面20には溝が刻まれている。この溝により、トレッドパターンが形成されている。なお、このトレッド面20に溝が刻まれなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも軸方向略内側に位置している。ビード8は、コア22と、このコア22から半径方向外向きに延びるエイペックス24とを備えている。コア22は、リング状である。コア22は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。典型的には、コア22にスチール製ワイヤーが用いられる。エイペックス24は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス24は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、内側プライ10a及び外側プライ10bからなる。内側プライ10a及び外側プライ10bは、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。内側プライ10aは、コア22の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、内側プライ10aには、主部26と折り返し部28とが形成されている。外側プライ10bは、コア22の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、外側プライ10bには、主部30と折り返し部32とが形成されている。内側プライ10aの折り返し部28の端40は、半径方向において、外側プライ10bの折り返し部32の端42よりも外側に位置している。
図2は、内側プライ10aが拡大された図である。内側プライ10a及び外側プライ10bのそれぞれは、並列された多数の第一コード34と第一トッピングゴム36とからなる。図2において、内側プライ10aは、第一コード34の延在方向と垂直な面で切断されている。外側プライ10bを第一コードの延在方向と垂直な面で切断した断面は、図2と同じ構造である。内側プライ10a及び外側プライ10bそれぞれの第一コード34が赤道面に対してなす角度の絶対値は、65°以上から90°以下である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。第一コード34が赤道面に対してなす角度の絶対値が90°未満のとき、内側プライ10aの第一コード34の赤道面に対する傾斜方向は、外側プライ10bの第一コードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第一コード34は、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
キャッププライ12は、カーカス10の外側に積層されている。キャッププライ12の端は、ビード8の近傍まで延びている。キャッププライ12の端38は、ビード8のコア22の近傍まで延びている。キャッププライ12の端38は、半径方向において、内側プライ10aの折り返し部28の端40及び外側プライ10bの折り返し部32の端42よりも内側に位置している。
図示されないが、キャッププライ12は、並列された多数の第二コードと第二トッピングゴムとからなる。第二コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、65°以上から90°以下である。第二コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。このタイヤ2では、第二コードの材質及び構成は第一コード34の材質及び構成と同じである。第二コードの材質及び構成が第一コード34の材質及び構成と異なっていてもよい。
第一トッピングゴム36の複素弾性率Ecと第二トッピングゴムの複素弾性率Epとはほぼ同じである。詳細には、複素弾性率Epの複素弾性率Ecに対する比(Ep/Ec)は0.9以上1.1以下である。第一トッピングゴム36の厚みTcと第二トッピングゴムの厚みTpとはほぼ同じである。詳細には、厚みTpの厚みTcに対する比(Tp/Tc)は0.9以上1.1以下である。典型的には、キャッププライ12を第二コードの延在方向と垂直な面で切断した断面は、内側プライ10a及び外側プライ10bを第一コード34の延在方向と垂直な面で切断した断面と同じ構造である。
本発明では、第一トッピングゴム36の複素弾性率Ec、第二トッピングゴムの複素弾性率Ep及び後述するゴム層18の複素弾性率Eiは、「JIS K 6394」の規定に準拠して、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、下記に示される条件で計測される。
初期歪み:10%
振幅:±2.5%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:100℃
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、キャッププライ12と積層されている。ベルト14は、カーカス10を補強する。ベルト14は、第一層14a及び第二層14bからなる。第二層14bは、第一層14aの半径方向外側に位置する。
図示されないが、第一層14a及び第二層14bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、15°以上30°以下である。第一層14aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第二層14bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。このタイヤ2では、コードの材質は有機繊維である。好ましい有機繊維はアラミド繊維である。コードが、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維及びポリエチレンナフタレート繊維からなってもよい。また、コードの材質がスチールでもよい。
インナーライナー16は、カーカス10の内側に位置している。インナーライナー16は、カーカス10の内面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する。
ゴム層18は、クラウン部において、トレッド4の半径方向内側に位置している。ゴム層18は、カーカス10とキャッププライ12との間に位置している。ゴム層18は、カーカス10とキャッププライ12とに挟まれている。図1のタイヤ2では、ゴム層18の厚さはほぼ一定である。
以下、本発明の作用効果が説明される。
直進時及び旋回時の走行安定性をさらに改善した二輪自動車用のタイヤが求められている。二輪自動車が高速で直進するときには、クラウン部には遠心力に起因する大きな力が負荷される。この負荷に対して直進時の高い走行安定性を実現するためには、クラウン部は十分な剛性を有することが必要である。特にクラウン部の曲げを抑える曲げ剛性を大きくすることが重要である。さらに、直進時の走行安定性の向上のためには、特に前輪において、クラウン部には高い外乱吸収性が求められる。すなわち、路面の凹凸等の状態が、過度に操舵に影響を及ぼさないことが必要となる。これは、クラウン部の捻り剛性を過大にしないことで実現できる。高い直進時の走行安定性を実現するには、クラウン部の曲げ剛性を大きくし、捻り剛性を過大にしないことが重要となる。
本発明に係る二輪自動車用タイヤ2は、カーカス10の外側にキャッププライ12を備えている。この構成はクラウン部の剛性を向上させる。さらに、このタイヤ2では、そのクラウン部において、カーカス10とキャッププライ12との間にゴム層18を有している。クラウン部に半径方向外側に凸に変形するように曲げ力が加わった場合、キャッププライ12には引っ張り方向の力がかかり、カーカス10には圧縮方向の力がかかる。このタイヤ2では、ゴム層18によりカーカス10とキャッププライ12との距離が離れているため、この距離が離れていないタイヤに比べて、キャッププライ12の変形には、より大きな引っ張り力が必要となる。即ち、このゴム層18は、クラウン部の曲げ剛性をさらに向上させる。このクラウン部は、遠心力に起因する大きな負荷に耐えうる十分な剛性を備える。
一方、クラウン部では、このゴム層18によりカーカス10とキャッププライ12との間が離れているので、カーカス10とキャッププライ12との間の拘束力が弱くなる。これは、クラウン部の捻り剛性を抑制する。このゴム層18は、クラウン部の捻り剛性が過大になるのを抑制する。このクラウン部は、外乱吸収性に優れる。このタイヤ2は、特に前輪用として、直進時の走行安定性の向上に寄与する。
旋回時の走行安定性のためには、ショルダー部が大きな横力に耐えうる剛性を有することが重要である。本発明に係る二輪自動車用タイヤ2では、キャッププライ12はビード8の近傍まで延びている。このタイヤ2では、ショルダー部においてもカーカス10の外側にキャッププライ12が存在する。この構成はショルダー部の剛性を向上させる。このショルダー部は、大きな横力に耐えうる十分な剛性を有している。このショルダー部を有するタイヤ2は、旋回時の走行安定性に優れる。
図1において両矢印Wは、トレッド面20に沿って計測した赤道面からトレッド端までの幅である。両矢印Wiは、ゴム層18の表面に沿って計測した赤道面からゴム層18の端までの幅である。幅Wiの幅Wに対する比(Wi/W)は0.2以上が好ましい。比(Wi/W)を0.2以上とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過剰となることはない。このクラウン部は外乱吸収性に優れる。さらにこのクラウン部は十分な曲げ剛性を有する。このタイヤ2は直性時の走行安定性に優れる。この観点から比(Wi/W)は0.3がより好ましい。
比(Wi/W)は、0.4以下が好ましい。比(Wi/W)を0.4以下とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過小となることはない。このタイヤ2は直進時の走行安定性に優れる。比(Wi/W)を0.4以下とすることでショルダー部の捻り剛性も適正に保たれる。このタイヤ2は旋回時の走行安定性に優れる。
ゴム層18の複素弾性率Eiの、第一トッピングゴム36の複素弾性率Ecに対する比(Ei/Ec)は1.2以下が好ましい。比(Ei/Ec)を1.2以下とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過剰とならない。このタイヤ2は、直進時の走行安定性に優れる。この観点から比(Ei/Ec)は1.1以下がより好ましい。
比(Ei/Ec)は0.9以上が好ましい。比(Ei/Ec)を0.9以上とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過小となることはない。ここのタイヤ2は直進時の走行安定性に優れる。この観点から比(Ei/Ec)は1.0以上がより好ましい。
複素弾性率Eiは2.2MPa以下が好ましい。複素弾性率Eiを2.2MPa以下とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過剰とならない。このタイヤ2は、直進時の走行安定性に優れる。この観点から複素弾性率Eiは2.1MPa以下がより好ましい。
複素弾性率Eiは1.8MPa以上が好ましい。複素弾性率Eiを1.8MPa以上とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過小となることはない。このタイヤ2は直進時の走行安定性に優れる。この観点から複素弾性率Eiは1.9MPa以上がより好ましい。
図1おいて両矢印Tiは、赤道面上におけるゴム層18の厚みである。詳細には、厚みTiは、赤道面上におけるゴム層18の内面と外面との半径方向の距離である。図2において、両矢印Tcは、第一トッピングゴム36の厚みである。厚みTiの厚みTcに対する比(Ti/Tc)は0.5以上が好ましい。比(Ti/Tc)を0.5以上とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過剰とならない。このクラウン部は外乱吸収性に優れる。さらにこのゴム層18は、クラウン部の曲げ剛性の向上に寄与する。このタイヤ2は直性時の走行安定性に優れる。この観点から比(Ti/Tc)は0.6以上がより好ましく、0.7がさらに好ましい。
比(Ti/Tc)は1.0以下が好ましい。比(Ti/Tc)を1.0以下とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過小となることはない。さらに、クラウン部の曲げ剛性が過剰になることが防止される。このタイヤ2は直性時の走行安定性に優れる。この観点から比(Ti/Tc)は0.9以下がより好ましい。
厚みTiは0.5mm以上が好ましい。厚みTiを0.5mm以上とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過剰とならない。このクラウン部は外乱吸収性に優れる。さらにこのゴム層18は、クラウン部の曲げ剛性の向上に寄与する。このタイヤ2は直性時の走行安定性に優れる。
厚みTiは1.0mm以下が好ましい。厚みTiを1.0mm以下とすることで、クラウン部の捻り剛性が適正に保たれうる。このクラウン部の捻り剛性は過小となることはない。さらに、クラウン部の曲げ剛性が過剰になることが防止される。このタイヤ2は直性時の走行安定性に優れる。
本発明では、タイヤ2及びタイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構造を備えた、実施例1の二輪自動車用タイヤを得た。タイヤのサイズは、120/70R17とされた。下記表1にこのタイヤの諸元が示されている。複素弾性率Eiは2.0MPaであり、複素弾性率Ecは1.8MPaである。従って比(Ei/Ec)は1.1である。厚みTiは0.7mmであり、厚みTcは1.0mmである。従って比(Ti/Tc)は0.7である。複素弾性率Epは複素弾性率Eiと同じである。厚みTpは厚みTcと同じである。
カーカスの内側プライ及び外側プライの第一コードの材質はレーヨン繊維である。第一コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は70°である。第一コードの構造は、1840dtex/2である。キャッププライ12の第二コードの材質はレーヨン繊維である。第二コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は70°である。第二コードの構造は、1840dtex/2である。
[比較例1]
ゴム層を有しない他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。これは、従来のタイヤである。
[実施例2−5]
幅Wiを変更し、比(Wi/W)を下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5のタイヤを得た。
[実施例6−9]
複素弾性率Eiを変更し、比(Ei/Ec)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−9のタイヤを得た。
[実施例10−13]
厚みTiを変更し、比(Ti/Tc)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−13のタイヤを得た。
[直進走行安定性、旋回走行安定性]
試作タイヤを標準リム(サイズ=MT3.50)に組み込み、排気量が600ccである二輪自動車の前輪に装着した。このタイヤの内圧は250kPaとされた。後輪には、市販のタイヤ(サイズ:180/55R17)を装着し、その内圧が200kPaとなるように空気を充填した。この二輪自動車を、その路面がアスファルトであるサーキットコースで走行させて、ライダーによる官能評価を行った。評価項目は、直進走行安定性と旋回走行安定性である。この結果が、下記表1から表3に示されている。値が大きいほど好ましい。
Figure 0006442196
Figure 0006442196
Figure 0006442196
表1から表3に示されるように、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて旋回走行性の劣化を抑えつつ、優れた直進走行安定性を実現している。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、様々な二輪自動車にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
10a・・・内側プライ
10b・・・外側プライ
12・・・キャッププライ
14・・・ベルト
14a・・・第一層
14b・・・第二層
16・・・インナーライナー
18・・・ゴム層
20・・・トレッド面
22・・・コア
24・・・エイペックス
26、30・・・主部
28、32・・・折り返し部
34・・・第一コード
36・・・第一トッピングゴム
38、40、42・・・端

Claims (5)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向内側に位置する一対のビードと、このトレッド及びこのサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスの外側に積層されたキャッププライと、ゴム層とを備えており、
    上記カーカスが、内側プライと、この内側プライの外側に積層された外側プライとを備えており、
    上記内側プライ及び上記外側プライが、それぞれ並列された多数の第一コードと第一トッピングゴムとを備えており、
    上記キャッププライの端が、ビードの近傍まで延びており、
    上記キャッププライが、並列された多数の第二コードと第二トッピングゴムとを備えており、
    上記ゴム層が、タイヤのクラウン部において、上記カーカスと上記キャッププライとの間に位置しており、
    上記ゴム層の端が、半径方向においてトレッド端よりも外側に位置している二輪自動車用タイヤ。
  2. タイヤを周方向に垂直な面で切った断面において、上記トレッド面に沿って計測した赤道面からトレッド端までの幅がWとされ、上記ゴム層の表面に沿って計測した赤道面から上記ゴム層の端までの幅がWiとされたとき、幅Wiの幅Wに対する比(Wi/W)が0.1以上0.5以下である請求項1に記載の二輪自動車用タイヤ。
  3. 上記比(Wi/W)が0.2以上0.4以下である請求項に記載の二輪自動車用タイヤ。
  4. 上記ゴム層の複素弾性率がEiとされ、上記第一トッピングゴムの複素弾性率がEcとされたとき、複素弾性率Eiの複素弾性率Ecに対する比(Ei/Ec)が0.9以上1.1以下である請求項1から3のいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
  5. 赤道面上における上記ゴム層の厚みがTiとされ、上記第一トッピングゴムの厚みがTcとされたとき、厚みTiの厚みTcに対する比(Ti/Tc)が0.5以上1.0以下である請求項1からのいずれかに記載の二輪自動車用タイヤ。
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