JP6441670B2 - ステンレス材の溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キッチン天板等に用いられるステンレス材同士を溶接する際に用いられる溶接方法に関するものである。
従来、水周り、特にキッチンに用いられるステンレス材は、水滴が付着し汚れ易いため、こうしたステンレス材に汚れが付着しにくくする、または取り除き易くする技術が求められていた。
こうした技術の一例として、特許文献1には、ステンレス材に対してケイ酸を含むコーティング剤を用いて表面処理を行い、Si、Li及びNaを含む溶液を塗布した後、これを焼成することで良好な外観と親水性とを備えた表面処理ステンレス材を得る技術が開示されている。こうして生成された表面処理ステンレス材は、キッチンにおいては特にシンク用に用いられる。
一方で、ステンレス材を用いた天板とシンクの接合や、天板同士の接合のために当該ステンレス材同士をTIG(Tungsten Inert Gas)溶接、MIG(Metal Inert Gas)溶接、MAG(Metal Active Gas)溶接等のアーク溶接を用いて接合する方法が知られている。
上述した表面処理を施したステンレス材を用いて溶接を行う場合、コーティングが電流を阻害するために適切な溶接をすることができない。導電性を阻害するコーティングがされたステンレス材を用いて溶接を行う技術の一例として、特許文献2には、コーティングの一部を研磨除去し、ステンレス材の導電性を確保する技術が開示されている。
国際公開第2006/092941号公報 特開2012−143481号公報
ところで、表面処理を施したステンレス材同士をアーク溶接する場合、急激な加熱により溶接部位の周囲に残存する表面処理層に細かな傷が発生してステンレス表面が白化することで、溶接後の製品の美観を損ねていた。
こうした美観の悪化に対処するため、アーク溶接後に、白化した表面処理層を研磨して除去することが行われていた。
しかし、表面処理層を除去した部分については上述した表面処理層に起因する親水性等の諸機能が消失する。そのため、表面処理層の白化する面積を低減させることが求められていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、アーク溶接時に表面処理層の白化面積を低減することのできるステンレス材の溶接方法を提供することを目的とする。
第1発明に係るステンレス材の溶接方法は、表面処理ステンレス材と表面非処理ステンレス材とを溶接するステンレス材の溶接方法であって、前記表面処理ステンレス材の溶接を行う部位の表面処理層を除去しステンレス基材が露出した、被溶接部位となる露出部を形成する表面処理層除去工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記露出部の周縁部を加熱するプレヒート工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位とを当接する当接工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の前記被溶接部位との当接部分に対してアーク放電を行いアーク溶接を行う溶接工程と、前記アーク溶接後の前記表面処理ステンレス材の前記露出部の周辺に発生した前記表面処理層の白化部分を研磨により除去する研磨工程と、を有することを特徴とする。
また、第2発明に係るステンレス材の溶接方法は、第1発明において、前記当接工程と前記溶接工程との間において、前記当接工程で当接させた前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位との当接部分の前記表面処理ステンレス材の表面処理層が形成された表面及びその裏面の表裏両面において、前記露出部に対して所定の間隔をあけて純銅板で覆う被覆工程を備え、前記溶接工程においては、前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位との当接部分に対して前記純銅板の前記間隔からアーク放電を行いアーク溶接が行われ、前記溶接工程と前記研磨工程との間に、前記純銅板を取り除く除去工程と、を有することを特徴とする。
さらに、第3発明に係るステンレス材の溶接方法は、第2発明において、前記純銅板による前記被覆工程は、前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位に跨って取り付けられる治具であって、アーク放電が行われる側に位置し第1幅を有する第1スリットが形成されて前記表面側に取り付けられた表面側純銅板と、前記裏面側に取り付けられて第2幅を有する第2スリットが形成された裏面側純銅板と、前記裏面側純銅板の下面側に設けられた支持板と、前記表面側純銅板、前記裏面側純銅板及び前記支持板を締結するクランプと、を備える治具を用いて、前記表面側純銅板と前記裏面側純銅板との間に前記表面処理ステンレス材及び前記表面非処理ステンレス材を挟み、前記表面側純銅板の前記第1スリット及び前記裏面側純銅板の前記第2スリットから前記露出部と前記被溶接部位との当接部分を露出して行われ、前記溶接工程は、前記第1スリットから前記露出部と前記被溶接部位との当接部分にアーク放電を行うことで行われることを特徴とする。
発明に係るステンレス材の溶接方法は、表面処理ステンレス材同士を溶接するステンレス材の溶接方法であって、前記表面処理ステンレス材の溶接を行う部位の表面処理層を除去しステンレス基材が露出した、被溶接部位となる露出部を形成する表面処理層除去工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記露出部の周縁部を加熱するプレヒート工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士を当接する当接工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士が当接した当接部分に対してアーク放電を行いアーク溶接を行う溶接工程と、前記アーク溶接後の前記表面処理ステンレス材の前記露出部の周辺に発生した前記表面処理層の白化部分を研磨により除去する研磨工程と、を有することを特徴とする。
また、第5発明に係るステンレス材の溶接方法は、第4発明において、表面処理ステンレス材同士を溶接するステンレス材の溶接方法であって、前記表面処理ステンレス材の溶接を行う部位の表面処理層を除去しステンレス基材が露出した、被溶接部位となる露出部を形成する表面処理層除去工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記露出部の周縁部を加熱するプレヒート工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士を当接する当接工程と、前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士が当接した当接部分に対してアーク放電を行いアーク溶接を行う溶接工程と、前記アーク溶接後の前記表面処理ステンレス材の前記露出部の周辺に発生した前記表面処理層の白化部分を研磨により除去する研磨工程と、を有することを特徴とする。
さらに、第6発明に係るステンレス材の溶接方法は、第5発明において、前記純銅板による前記被覆工程は、前記表面処理ステンレス材同士の前記露出部同士に跨って取り付けられる治具であって、アーク放電が行われる側に位置し第1幅を有する第1スリットが形成されて前記表面側に取り付けられた表面側純銅板と、前記裏面側に取り付けられて第2幅を有する第2スリットが形成された裏面側純銅板と、前記裏面側純銅板の下面側に設けられた支持板と、前記表面側純銅板、前記裏面側純銅板及び前記支持板を締結するクランプと、を備える治具を用いて、前記表面側純銅板と前記裏面側純銅板との間に前記表面処理ステンレス材同士を挟み、前記表面側純銅板の前記第1スリット及び前記裏面側純銅板の前記第2スリットから前記露出部同士の当接部分を露出して行われ、前記溶接工程は、前記第1スリットから前記露出部同士の当接部分にアーク放電を行うことで行われることを特徴とする。
発明に係るステンレス材の溶接方法は、第1乃至第6発明の何れか1つにおいて、前記プレヒート工程は320℃以上の温度で加熱することを特徴とする。
発明に係るステンレス材の溶接方法は、第発明又は第6発明において、前記被覆工程において、前記第1スリットの幅は3mm〜5mmであり、前記第2スリットの幅は1mm〜4mmである前記治具を用いることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、アーク溶接時に表面処理層の白化面積を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るステンレス材の溶接方法が実施されるアーク溶接機を示す模式図である。 溶接対象となる表面処理ステンレス材の端部の表面処理層が除去され露出部が形成された状態を示す模式図である。 2枚の表面処理ステンレス材の露出部同士が突き合わされた状態で治具が取り付けられた状態を示す模式図である。 図3に示す状態で2枚の表面処理ステンレス材が溶接された状態を示す模式図である。 溶接後の表面処理ステンレス材から治具が取り除かれた状態を示す模式図である。 溶接後の表面処理ステンレス材のビード及び表面処理層の白化部位が除去された状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態に係るステンレス材の溶接方法について、図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るステンレス材の溶接方法が実施されるアーク溶接機を示す模式図である。図2は、溶接対象となる表面処理ステンレス材2の端部の表面処理層22が除去され露出部23が形成された状態を示す模式図である。
アーク溶接機は、表面処理ステンレス材2に取り付けられる治具1と、表面処理ステンレス材2にアーク放電を行う電極3とを備えて構成されている。
治具1は、表面処理ステンレス材2の上面に当接する表面側純銅板11と、表面処理ステンレス材2の下面に当接する裏面側純銅板12と、裏面側純銅板12の下面側に設けられた支持板13と、表面側純銅板11、裏面側純銅板12及び支持板13を締結するクランプ14とを備えている。
表面側純銅板11は、酸素を含有しない純銅(無酸素銅)よりなる熱伝導性に優れた板状部材であり、中央部分に矩形の孔状の第1スリット111が形成されている。第1スリット111の幅(図1における紙面左右方向の幅)は、3mm〜5mmとなっている。表面側純銅板11は、アーク溶接時に表面処理ステンレス材2を冷却する機能を有している。
裏面側純銅板12は、表面側純銅板11と同様に純銅よりなる熱伝導性に優れた板状部材であり、中央部分に矩形の凹部である第2スリット121が形成されている。第2スリット121の幅(図1における紙面左右方向の幅)は、1mm〜4mmとなっている。裏面側純銅板12もまた、アーク溶接時に表面処理ステンレス材2を冷却する機能を有している。第1スリット111と異なり第2スリット121は貫通孔となっていないのは、アーク放電による治具1自体の破損を防ぐためである。
支持板13は、S45C炭素鋼製の板状部材である。なお、この支持板13の素材は、他の材質でもよく、また、設けない態様としてもよい。
クランプ14は、表面側純銅板11、裏面側純銅板12及び支持板13を締結するクランプであり、ねじの回転力を締結力に変換することで締結を行う。
電極3は、アーク放電を行う電極であり、この電極3と表面処理ステンレス材2との間でアーク放電が行われることでステンレス材2の溶接が行われる。
上述したアーク溶接機による溶接の対象となる表面処理ステンレス材2は、図2に示すように、ステンレス基材21と、ステンレス基材21の表面に形成された表面処理層22とを備えて構成されている。
ステンレス基材21は、SUS304等のステンレス製の板状の部材で構成されている。このステンレス基材21として、表面処理ステンレス材2では表面に何ら処理を施していないステンレス基材21が想定されている。しかし、本発明はこれに限らず、エンボス加工や、冷間圧延後に砥粒の研磨ベルトによる研磨等を行ったステンレス基材21を用いてもよい。
表面処理層22は、表面に−SiO2基を有する親水性の皮膜である。表面処理層22が形成されていることで、表面処理ステンレス材2の汚れ落ちをし易くする防汚性を付与するとともに、細かな擦り傷の発生を防止することのできる硬度と高い透明度とを付与することができる。
こうした表面処理ステンレス材2は、表面処理層22が形成されているため、当初の状態では通電性を有していない。そのため、アーク溶接を行う際には、図2に示すように、溶接が行われる部位について研磨等の任意の方法により表面処理層22を除去し、ステンレス基材21が露出した露出部23を形成する必要がある。
なお、本実施形態においては露出部23は表面処理ステンレス材2の端部に形成されているが、本発明においてはこれに限らず、溶接を行いたい位置に応じて任意の個所に形成することができる。
また、露出部23は、上述したように表面処理層22を除去することで形成される他、表面処理層22の形成時に表面処理層22が形成されない部分を設け、この部分を露出部23としてもよい。そのため、本発明においては、表面処理層22の未形成部分を設けることも含めて表面処理層22の除去という。
こうして表面処理ステンレス材2に露出部23が形成された後、図1に示したアーク溶接機を用いて本発明を適用した溶接が行われる。
アーク溶接機を用いたアーク溶接に先立ち、露出部23が形成された表面処理ステンレス材2について、ハロゲンヒータ等の加熱手段を用いて320℃以上の温度で加熱するプレヒートが行われる。このプレヒートを行うことにより、表面処理層22が改質され、溶接時の表面処理層22の白化を効果的に防止することができる。
なお、本実施形態においてはプレヒートは320℃以上の温度で行われるが、本発明においてはこれに限らず、表面処理層22の材質等の特性に応じて表面処理層22の改質を行うことのできる温度であれば適宜調節することができる。
また、プレヒートは溶接が行われる露出部23の近傍においてのみ行えば効果を奏することができるため、工数及び設備投資等のコストの観点と効果とのバランスから、本実施形態においては露出部23が形成されている端部から10mm程度の範囲においてプレヒートが行われる。なお、本発明においてはこの範囲に限られず、これ以上の範囲についてプレヒートが行われてもよい。
また、表面処理ステンレス材2が一旦320℃に到達しさえすれば、当該温度を所定時間保持しなくともプレヒートによる効果を奏することができ、かつ当該効果を持続させることができる。
次に、露出部23が形成されるとともにプレヒートが行われ、本発明に係る溶接方法に必要な事前処理が完了した表面処理ステンレス材2について、アーク溶接が行われる。このアーク溶接の手順について以下に説明する。
図3は、2枚の表面処理ステンレス材2の露出部同士が突き合わされた状態で治具が取り付けられた状態を示す模式図である。
まず、溶接対象となる2枚の表面処理ステンレス材2について、露出部23同士が突き合わされて当接される。
次に、図3に示すように、当接した2枚の表面処理ステンレス材2に治具1が取り付けられる。なお、図3及び後述する図4においては、説明を容易にすべく、治具1は支持板13を除いて図示されている。表面処理ステンレス材2への治具の取り付けは、表面側純銅板11と裏面側純銅板12との間に表面処理ステンレス材2を挟み込み、クランプ14を締め込むことで行われる。
こうして治具1が取り付けられた状態において、2枚の表面処理ステンレス材2の露出部23は、表面側純銅板11の第1スリット111から外部に露出した状態となっている。
また、裏面側純銅板12の第2スリット121は、2枚の表面処理ステンレス材2の下部において、これらが当接している辺に沿う配置となる。
次に、治具1が取り付けられた状態で、電極3からアーク放電Sを行い、2枚の表面処理ステンレス材2の溶接を行う。図4は、図3に示す状態で2枚の表面処理ステンレス材が溶接された状態を示す模式図である。
アーク溶接は、表面側純銅板11のスリット111から露出している2枚の表面処理ステンレス材2の露出部23に対して電極3からアーク放電Sを行うことにより行われる。
このアーク溶接は、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、MIG(Metal Inert Gas)溶接、MAG(Metal Active Gas)溶接等、任意のアーク溶接を適用することができる。
アーク放電により2枚の表面処理ステンレス材2の露出部23同士が溶融する。そして冷却をすることにより、溶接部位24が形成される。
このとき、溶接が行われた露出部23の周辺に位置する表面処理層22には、溶接に伴う高温によりステンレス基材21が急激に熱膨張することで生じる、細かい傷である白化部位221が発生する。
従来のアーク溶接では、アーク溶接時に発生する白化部位の発生幅は6mmを大きく超えるものであった。一方、本発明に係る溶接方法によると、従来のアーク溶接方法と比較して白化部位の範囲を狭めることができる。
具体的には、本実施形態に係る溶接方法においては、図4の紙面において溶接された2つのステンレス基材21の溶接部位24及び双方に発生した白化部位221を合わせた幅は、6mm以下に抑えることが可能となる。
これは、上述したプレヒートによる表面処理層22の改質効果に加え、更にアーク溶接時に溶接対象となる露出部23の周縁部がその表裏において熱伝導率の高い純銅である表面側純銅板11及び裏面側純銅板12に覆われることで、当該周縁部が効果的に冷却され、ステンレス基材21の急激な熱膨張が抑制されるためである。
特に、表面側純銅板11の第1スリット111の幅を3mm〜5mm、裏面側純銅板12の第2スリット121の幅を1mm〜4mmとすることで、白化部位221の発生を効果的に防止することができる。
第1スリット111の幅が3mm未満である場合には効果的にアーク溶接を行うことができず、5mmを超える場合には冷却効果が不十分となり、白化部位221の発生範囲の低減を図ることが難しくなる。
また、第2スリット121の幅が1mm未満の場合にはビードの高さが不安定になり、4mmを超える場合には冷却効果が不十分となり、白化部位221の発生範囲の低減を図ることが難しくなる。
次に、溶接が完了した表面処理ステンレス材2から治具1が取り外される。図5は、溶接後の表面処理ステンレス材2から治具が取り除かれた状態を示す模式図である。治具1の取り外しは、クランプ14を緩め、表面側純銅板11及び裏面側純銅板12の間に挟まれた表面処理ステンレス材2を取り出すことで行われる。
次に、治具1が取り外された表面処理ステンレス材2に対し、溶接部位24の隆起部分(ビード)及び白化部位221の研磨による除去が行われる。図6は、溶接後の表面処理ステンレス材2のビード及び表面処理層22の白化部位221が除去された状態を示す模式図である。
溶接部位24のビード及び白化部位221の研磨は、ベルト研磨機等を用いて行われる。そして、研磨により当該ビードが除去され平坦部位24’になるとともに、白化部位221が除去されステンレス基材21が露出した平滑露出部25となる。
この平滑露出部25は表面処理層22が除去された部位であるため当該部位においては表面処理層22に起因する防汚性を奏することができず、外観も変化してしまう。しかし、白化部位221の範囲が狭く抑えられることで、この平滑露出部25の範囲を従来のアーク溶接により発生するものよりも狭いものとすることができ、影響を最小限に留めることができる。
このように、上述した実施形態に係るステンレス材の溶接方法によると、アーク溶接時に表面処理ステンレス材の表面処理層の白化面積を低減することが可能となる。
なお、本発明においては、上述した実施形態において用いられていたアーク溶接機の形状に限られず、表面処理ステンレス材の表裏において、それぞれ露出部の周縁部分を露出部から所定の間隔をあけて純銅板で覆うことのできる形状であれば、他の形状のアーク溶接機を用いることもできる。
特に、治具の形状については、溶接対象となる表面処理ステンレス材の形状に応じて適宜変更することができる。
また、本発明に係るステンレス材の溶接方法による溶接対象となる複数のステンレス材については、表面処理ステンレス材を少なくとも1つ含めばよい。そして、他のステンレス材としては、表面処理ステンレス材である他、表面処理層が形成されていないステンレス材(表面非処理ステンレス材)であってもよい。
表面処理ステンレス材については、被溶接部位は露出部であるため、表面処理ステンレス材同士を溶接する場合にはこの露出部同士を当接させ当該当接部分に対してアーク溶接が行われる。
一方、表面処理ステンレス材と表面非処理ステンレス材とを溶接する場合には、表面処理ステンレス材の露出部と、表面非処理ステンレス材の被溶接部位とを当接させ、当該当接部分に対してアーク溶接が行われる。
1 治具
2 表面処理ステンレス材
3 電極
11 表面側純銅板
12 裏面側純銅板
13 支持板
14 クランプ
21 ステンレス基材
22 表面処理層
23 露出部
24 溶接部位
25 平滑露出部
111 第1スリット
121 第2スリット

Claims (8)

  1. 表面処理ステンレス材と表面非処理ステンレス材とを溶接するステンレス材の溶接方法であって、
    前記表面処理ステンレス材の溶接を行う部位の表面処理層を除去しステンレス基材が露出した、被溶接部位となる露出部を形成する表面処理層除去工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記露出部の周縁部を加熱するプレヒート工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位とを当接する当接工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の前記被溶接部位との当接部分に対してアーク放電を行いアーク溶接を行う溶接工程と、
    前記アーク溶接後の前記表面処理ステンレス材の前記露出部の周辺に発生した前記表面処理層の白化部分を研磨により除去する研磨工程と、を有すること
    を特徴とするステンレス材の溶接方法。
  2. 前記当接工程と前記溶接工程との間において、
    前記当接工程で当接させた前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位との当接部分の前記表面処理ステンレス材の表面処理層が形成された表面及びその裏面の表裏両面において、前記露出部に対して所定の間隔をあけて純銅板で覆う被覆工程を備え、
    前記溶接工程においては、前記露出部と前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位との当接部分に対して前記純銅板の前記間隔からアーク放電を行いアーク溶接が行われ、
    前記溶接工程と前記研磨工程との間に、前記純銅板を取り除く除去工程とを有すること
    を特徴とする請求項記載のステンレス材の溶接方法。
  3. 前記純銅板による前記被覆工程は、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記表面非処理ステンレス材の被溶接部位に跨って取り付けられる治具であって、
    アーク放電が行われる側に位置し第1幅を有する第1スリットが形成されて前記表面側に取り付けられた表面側純銅板と、
    前記裏面側に取り付けられて第2幅を有する第2スリットが形成された裏面側純銅板と、
    前記裏面側純銅板の下面側に設けられた支持板と、
    前記表面側純銅板、前記裏面側純銅板及び前記支持板を締結するクランプと、
    を備える治具を用いて、前記表面側純銅板と前記裏面側純銅板との間に前記表面処理ステンレス材及び前記表面非処理ステンレス材を挟み、前記表面側純銅板の前記第1スリット及び前記裏面側純銅板の前記第2スリットから前記露出部と前記被溶接部位との当接部分を露出して行われ、
    前記溶接工程は、前記第1スリットから前記露出部と前記被溶接部位との当接部分にアーク放電を行うことで行われること
    を特徴とする請求項記載のステンレス材の溶接方法。
  4. 表面処理ステンレス材同士を溶接するステンレス材の溶接方法であって、
    前記表面処理ステンレス材の溶接を行う部位の表面処理層を除去しステンレス基材が露出した、被溶接部位となる露出部を形成する表面処理層除去工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部及び前記露出部の周縁部を加熱するプレヒート工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士を当接する当接工程と、
    前記表面処理ステンレス材の前記露出部同士が当接した当接部分に対してアーク放電を行いアーク溶接を行う溶接工程と、
    前記アーク溶接後の前記表面処理ステンレス材の前記露出部の周辺に発生した前記表面処理層の白化部分を研磨により除去する研磨工程と、を有すること
    を特徴とするステンレス材の溶接方法。
  5. 前記当接工程と前記溶接工程との間において、
    前記当接工程で当接させた前記露出部同士の当接部分の前記表面処理ステンレス材の表面処理層が形成された表面及びその裏面の表裏両面において、前記露出部に対して所定の間隔をあけて純銅板で覆う被覆工程を備え、
    前記溶接工程においては、前記露出部同士の当接部分に対して前記純銅板の前記間隔からアーク放電を行いアーク溶接が行われ、
    前記溶接工程と前記研磨工程との間に、前記純銅板を取り除く除去工程と、を有すること
    を特徴とする請求項4記載のステンレス材の溶接方法。
  6. 前記純銅板による前記被覆工程は、
    前記表面処理ステンレス材同士の前記露出部同士に跨って取り付けられる治具であって、
    アーク放電が行われる側に位置し第1幅を有する第1スリットが形成されて前記表面側に取り付けられた表面側純銅板と、
    前記裏面側に取り付けられ第2幅を有する第2スリットが形成された裏面側純銅板と、
    前記裏面側純銅板の下面側に設けられた支持板と、
    前記表面側純銅板、前記裏面側純銅板及び前記支持板を締結するクランプと、
    を備える治具を用いて、前記表面側純銅板と前記裏面側純銅板との間に前記表面処理ステンレス材同士を挟み、前記表面側純銅板の前記第1スリット及び前記裏面側純銅板の前記第2スリットから前記露出部同士の当接部分を露出して行われ、
    前記溶接工程は、前記第1スリットから前記露出部同士の当接部分にアーク放電を行うことで行われること
    を特徴とする請求項記載のステンレス材の溶接方法。
  7. 前記プレヒート工程は320℃以上の温度で加熱すること
    を特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のステンレス材の溶接方法。
  8. 前記被覆工程において、前記第1スリットの幅は3mm〜5mmであり、前記第2スリットの幅は1mm〜4mmである前記治具を用いること
    を特徴とする請求項3又は6記載のステンレス材の溶接方法。
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