JP6440803B1 - 色温度の調整方法及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

色温度の調整方法及び有機el素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色温度の調整を容易に行うことができる色温度の調整方法及び有機EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】有機EL素子1の製造方法は、第1形成工程において発光層11を形成してから、第2形成工程において第2電極層17の形成を開始するまでの間において、発光層11に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と光の照射時間との積である光の積算照度を調整する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、色温度の調整方法及び有機EL素子の製造方法に関する。
従来の有機デバイスの製造方法として、例えば、特許文献1に記載された方法が知られている。特許文献1に記載の有機デバイスの製造方法では、アリールアミン化合物を含む発光層を、500nm以下の波長を含まない光の環境下で湿式成膜する。
国際公開第2010/104184号
有機EL素子は、照明装置等に用いられる場合、昼白色系又は暖色系等に色温度が調整される。従来では、有機EL素子の色温度は、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりして調整していた。そのため、従来では、色温度の調整に係る作業の負荷が大きかった。
本発明の一側面は、色温度の調整を容易に行うことができる色温度の調整方法及び有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る色温度の調整方法は、第1電極層上に、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層を形成する第1形成工程と、有機機能層上に第2電極層を形成する第2形成工程と、を含む方法で形成される有機EL素子の色温度の調整方法であって、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と光の照射時間との積である光の積算照度を調整する。
本発明の一側面に係る色温度の調整方法では、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光(以下、イエロー光と称する)の照度とイエロー光の照射時間との積であるイエロー光の積算照度を調整する。発光層(発光層と第1電極層との間に設けられた他の有機機能層を含む)にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。このとき、性質の変化により、赤色を発光する層の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子の色温度が高くなる。このように、色温度の調整方法では、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、イエロー光の積算照度を調整することにより、色温度を調整できる。したがって、本発明の色温度の調整方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
一実施形態においては、積算照度が、100lx・hrs以上500000lx・hrs以下であってもよい。積算照度は、光の照度[lx]と照射時間[hrs]との累積の照度値である。この方法では、有機EL素子の色温度の調整を適切に行うことができる。
本発明の一側面にかかる有機EL素子の製造方法は、第1電極層上に、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層を形成する第1形成工程と、有機機能層上に第2電極層を形成する第2形成工程と、を含み、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と光の照射時間との積である光の積算照度を調整する。
本発明の一側面に係る有機EL素子の製造方法では、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光(以下、イエロー光と称する)の照度とイエロー光の照射時間との積であるイエロー光の積算照度を調整する工程を含む。発光層(発光層と第1電極層との間に設けられた他の有機機能層を含む)にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。このとき、性質の変化により、赤色を発光する層の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子の色温度が高くなる。このように、有機EL素子の製造方法では、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、イエロー光の積算照度を調整することにより、色温度を調整できる。したがって、有機EL素子の製造方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
本発明の一側面に係る有機EL素子の製造方法は、第1電極層上に、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層を形成する第1形成工程と、有機機能層上に第2電極層を形成する第2形成工程と、を含み、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に500nm以下の波長域を含む光を照射しない。
本発明の一側面にかかる有機EL素子の製造方法では、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に500nm以下の波長域を含む光を照射しない。すなわち、発光層には、少なくとも、500nm以下の波長域を含まない光(以下、イエロー光と称する)が照射される。発光層(発光層と第1電極層との間に設けられた他の有機機能層を含む)にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。このとき、性質の変化により、赤色を発光する層の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子の色温度が高くなる。このように、有機EL素子の製造方法では、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、500nm以下の波長域を含む光を照射しないことにより、色温度を調整できる。したがって、有機EL素子の製造方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
一実施形態においては、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間における雰囲気の露点温度が−35℃以下であってもよい。この方法では、有機EL素子の色温度の調整を適切に行うことができると共に、発光層を含む有機機能層の水分による劣化を抑制できる。
一実施形態においては、第1形成工程において発光層を形成してから、第2形成工程において第2電極層の形成を開始するまでの間における雰囲気がドライエア雰囲気であってもよい。この方法では、有機EL素子の色温度の調整を適切に行うことができる。
本発明の一側面によれば、色温度の調整を容易に行うことができる。
図1は、一実施形態に係る有機EL素子の製造方法により製造された有機EL素子の断面構成を示す図である。 図2は、有機EL素子の製造方法を示すフローチャートである。 図3は、電圧と色温度との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、一実施形態に係る有機EL素子の製造方法により製造された有機EL素子1は、支持基板3と、陽極層(第1電極層)5と、正孔注入層7と、正孔輸送層(有機機能層)9と、発光層(有機機能層)11と、電子輸送層(有機機能層)13と、電子注入層(有機機能層)15と、陰極層(第2電極層)17と、を備えている。
[支持基板]
支持基板3は、可視光(波長400nm〜800nmの光)に対して透光性を有する部材から構成されている。支持基板3としては、例えば、ガラス等が挙げられる。支持基板3がガラスである場合、その厚さは、例えば、0.05mm〜1.1mmである。支持基板3は、樹脂から構成されていてもよく、例えばフィルム状の基板(フレキシブル基板、可撓性を有する基板)であってもよい。このとき、支持基板3の厚さは、例えば、30μm以上500μm以下である。支持基板3が樹脂の場合は、ロールツーロール方式の連続時の基板ヨレ、シワ、及び伸びの観点から45μm以上、可撓性の観点から125μm以下が好ましい。
支持基板3は、例えば、プラスチックフィルムである。支持基板3の材料は、例えば、ポリエーテルスルホン(PES);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル樹脂;アセタール樹脂;ポリイミド樹脂;エポキシ樹脂等を含む。
支持基板3の材料は、上記樹脂の中でも、耐熱性が高く、線膨張率が低く、かつ、製造コストが低いことから、ポリエステル樹脂、又はポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレンレテフタレート、又はポリエチレンナフタレートがより好ましい。また、これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
支持基板3の一方の主面3a上には、ガスバリア層、或いは、水分バリア層が配置されていてもよい。支持基板3の他方の主面3bは、発光面である。なお、支持基板3は、ガラス基板、シリコン基板であってもよく、薄膜ガラスであってもよい。支持基板3が薄膜ガラスの場合、その厚さは、強度の観点から30μm以上、可撓性の観点から100μm以下が好ましい。
[陽極層]
陽極層5は、支持基板3の一方の主面3a上に配置されている。陽極層5には、光透過性を示す電極層が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物及び金属等の薄膜を用いることができ、光透過率の高い薄膜が好適に用いられる。例えば酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅等からなる薄膜が用いられ、これらの中でもITO、IZO、又は酸化スズからなる薄膜が好適に用いられる。
陽極層5として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機物の透明導電膜を用いてもよい。また、陽極層5として、上記で挙げられた金属又は金属合金等をメッシュ状にパターニングした電極、或いは、銀を含むナノワイヤーがネットワーク状に形成されている電極を用いてもよい。
陽極層5の厚さは、光の透過性、電気伝導度等を考慮して決定することができる。陽極層5の厚さは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは10nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜300nmである。
陽極層5の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライ成膜法、インクジェット法、スリットコーター法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、スプレーコーター法等の塗布法を挙げることができる。また、陽極層5は、さらにフォトリソ法、ドライエッチング法、レーザートリミング法等を用いてパターンを形成することができる。塗布法を用いて支持基板3上に直接塗布することで、フォトリソ法、ドライエッチング法、レーザートリミング法等を用いることなくパターンを形成することもできる。
[正孔注入層]
正孔注入層7は、陽極層5の主面(支持基板3に接する面とは反対側)上に配置されている。正孔注入層7を構成する材料の例としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、及び、酸化アルミニウム等の酸化物、フェニルアミン化合物、スターバースト型アミン化合物、フタロシアニン化合物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、及び、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)のようなポリチオフェン誘導体等を挙げることができる。
電荷輸送性を有する従来知られた有機材料は、これと電子受容性材料とを組み合わせることにより、正孔注入層7の材料として用いることができる。電子受容性材料としては、ヘテロポリ酸化合物やアリールスルホン酸を好適に用いることができる。
ヘテロポリ酸化合物とは、Keggin型あるいはDawson型の化学構造で示される、ヘテロ原子が分子の中心に位置する構造を有し、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の酸素酸であるイソポリ酸と、異種元素の酸素酸とが縮合してなるポリ酸である。異種元素の酸素酸としては、主にケイ素(Si)、リン(P)、ヒ素(As)の酸素酸が挙げられる。ヘテロポリ酸化合物の具体例としては、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンタングストモリブデン酸、及び、ケイタングステン酸等が挙げられる。
アリールスルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、トシル酸、p−スチレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、ジヘキシルベンゼンスルホン酸、2,5−ジヘキシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、6,7−ジブチル−2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、3−ドデシル−2−ナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、4−ヘキシル−1−ナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、2−オクチル−1−ナフタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、7−へキシル−1−ナフタレンスルホン酸、6−ヘキシル−2−ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、2,7−ジノニル−4−ナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、及び、2,7−ジノニル−4,5−ナフタレンジスルホン酸、等が挙げられる。ヘテロポリ酸化合物と、アリールスルホン酸を混合して用いてもよい。
正孔注入層7の厚さは、5nm以上500nm以下であり、好ましくは5nm以上300nm以下である。
正孔注入層7は、例えば、上記材料を含む塗布液を用いた塗布法によって形成される。
塗布法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、及び、インクジェットプリント法等を挙げることができる。これら塗布法のうちの1つを用いて、陽極層5上に塗布液を塗布することによって、正孔注入層7を形成することができる。
[正孔輸送層]
正孔輸送層9は、正孔注入層7の主面(陽極層5に接する面とは反対側の面)上に配置されている。正孔輸送層9の材料には、公知の正孔輸送材料が用いられ得る。正孔輸送層9の材料の例は、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン若しくはその誘導体、ピラゾリン若しくはその誘導体、アリールアミン若しくはその誘導体、スチルベン若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などを挙げることができる。
正孔輸送層9の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。正孔輸送層9の厚さは、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
正孔輸送層9の形成方法としては、例えば、上記材料を含む塗布液を用いた塗布法等が挙げられる。塗布法としては、正孔注入層7で例示した方法が挙げられる。塗布液の溶媒としては、上記材料を溶解するものであればよく、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の含塩素溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、及び、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒を挙げることができる。
[発光層]
発光層11は、正孔輸送層9の主面(正孔注入層7に接する面とは反対側の面)上に配置されている。発光層11は、通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、或いは該有機物とこれを補助する発光層用ドーパント材料を含む。発光層用ドーパント材料は、例えば、発光効率を向上させたり、発光波長を変化させたりするために加えられる。なお、有機物は、低分子化合物であってもよいし、高分子化合物であってもよい。発光層11を構成する発光材料としては、例えば、下記の色素材料、金属錯体材料、高分子材料等の主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、発光層用ドーパント材料等を挙げることができる。
(色素材料)
色素材料としては、例えば、シクロペンダミン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体、トリフェニルアミン及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、ピラゾロキノリン及びその誘導体、ジスチリルベンゼン及びその誘導体、ジスチリルアリーレン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン化合物、ピリジン化合物、ペリノン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、キナクリドン及びその誘導体、クマリン及びその誘導体等を挙げることができる。
(金属錯体材料)
金属錯体材料としては、例えば、Tb、Eu、Dy等の希土類金属、又はAl、Zn、Be、Pt、Ir等を中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を配位子に有する金属錯体を挙げることができる。金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体等を挙げることができる。
(高分子材料)
高分子材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、上記色素材料、又は金属錯体材料を高分子化した材料等を挙げることができる。
(発光層用ドーパント材料)
発光層用ドーパント材料としては、例えば、ペリレン及びその誘導体、クマリン及びその誘導体、ルブレン及びその誘導体、キナクリドン及びその誘導体、スクアリウム及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体、スチリル色素、テトラセン及びその誘導体、ピラゾロン及びその誘導体、デカシクレン及びその誘導体、フェノキサゾン及びその誘導体等を挙げることができる。
発光層11の厚さは、通常2nm〜200nmである。発光層11は、例えば、上記のような発光材料を含む塗布液(例えばインク)を用いる塗布法により形成される。発光材料を含む塗布液の溶媒としては、発光材料を溶解するものであれば、限定されない。
[電子輸送層]
電子輸送層13は、発光層11の主面(正孔輸送層9に接する面とは反対側の面)上に配置されている。電子輸送層13の材料には、公知の電子輸送材料が用いられ、例えば、ナフタレン、アントラセンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、4,4-ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル芳香環誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、アントラキノジメタン、テトラシアノアントラキノジメタンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体、及び、インドール誘導体、トリス(8−キノリノラート)、アルミニウム(III)などのキノリノール錯体、及び、ヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体及びフラボノール金属錯体、電子受容性窒素を有するヘテロアリール環を有する化合物などが挙げられる。
電子輸送層13の厚さは、例えば、1〜100nmである。
電子輸送層13の形成方法として、低分子の電子輸送材料を用いる場合は、真空蒸着法、塗布液を用いた塗布法等を挙げることができ、高分子の電子輸送材料を用いる場合は、塗布液を用いた塗布法等を挙げることができる。塗布液を用いた塗布法を実施する場合には、高分子バインダーを併用してもよい。塗布法としては、正孔注入層7で例示した方法が挙げられる。
[電子注入層]
電子注入層15は、電子輸送層13の主面(発光層11と接する面とは反対側の面)上に配置されている。電子注入層15の材料には、公知の電子注入材料が用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上を含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。
従来知られた電子輸送性の有機材料と、アルカリ金属の有機金属錯体を混合した材料も、電子注入材料として利用することができる。
電子注入層15の厚さは、例えば、1〜50nmである。
電子注入層15の形成方法としては、真空蒸着法等が挙げられる。
[陰極層]
陰極層17は、電子注入層15の主面(電子輸送層13に接する面の反対側)上に配置されている。陰極層17の材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及び周期表第13族金属等を用いることができる。陰極層17の材料としては、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、前記金属のうちの2種以上の合金、前記金属のうちの1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1種以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を挙げることができる。
また、陰極層17としては、例えば、導電性金属酸化物及び導電性有機物等からなる透明導電性電極を用いることができる。導電性金属酸化物としては、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ITO、及びIZOを挙げることができ、導電性有機物としてポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等を挙げることができる。なお、陰極層17は、2層以上を積層した構造体で構成されていてもよい。なお、電子注入層が陰極層17として用いられる場合もある。
陰極層17の厚さは、電気伝導度、耐久性を考慮して設定される。陰極層17の厚さは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。陰極層17の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、塗布法等を挙げることができる。
[有機EL素子の製造方法]
続いて、上記構成を有する有機EL素子1の製造方法について、図2を参照して説明する。
支持基板3が可撓性を有し、長手方向に延在する基板である形態では、有機EL素子1の製造方法には、ロールツーロール方式が採用され得る。ロールツーロール方式で有機EL素子1を製造する場合、巻出しロールと巻取りロールとの間に張り渡された長尺の可撓性の支持基板3を連続的に搬送ロールで搬送しながら、各層を支持基板3側から順に形成する。
有機EL素子1を製造する場合、図2に示されるように、支持基板3を加熱して乾燥させる(基板乾燥工程S01)。次に、乾燥された支持基板3上に、陽極層5を形成する(陽極層形成工程S02)。陽極層5は、陽極層5の説明の際に例示した形成方法で形成し得る。続いて、陽極層5上に正孔注入層7及び正孔輸送層9をこの順番で形成する(正孔注入層形成工程S03、正孔輸送層形成工程S04)。正孔注入層7及び正孔輸送層9は、正孔注入層7及び正孔輸送層9の説明の際に例示した形成方法で形成し得る。
次に、正孔輸送層9上に発光層11を形成する(発光層形成工程(第1形成工程)S05)。発光層11は、発光層11の説明の際に例示した形成方法で形成し得る。具体的には、本実施形態では、例えば、発光層11を形成する発光材料(蛍光及び/又はりん光を発光する有機物を含む)を有機溶媒に溶解させた塗布液を用いて、塗布法によって発光層11を形成する。
続いて、発光層11が形成された構造体を保管する(保管工程S06)。本実施形態では、発光層11に照射される500nm以下の波長域を含まない(500nm以下の波長が遮断された)光(以下、イエロー光を称する)の照射量を調整して構造体を保管する。本実施形態では、構造体を、露点温度が−35℃以下のクリーンドライエア雰囲気下で保管する。本実施形態の保管工程S06では、イエロー光の照度L[lx]とイエロー光の照射時間T[hrs]との積である積算照度(累積の照度値)L・T[lx・hrs]が100lx・hrs以上500000lx・hrs以下の範囲で、構造体を保管する。
積算照度は、所望する有機EL素子1の色温度に応じて設定される。すなわち、所望する有機EL素子1の色温度に応じて、イエロー光の照度及び照射時間を設定する。有機EL素子1の色温度は、積算照度が高くなると高くなり、積算照度が低くなると低くなる。例えば、正面輝度が500cd/m以上で且つ正面輝度における色温度が3000K以上の有機EL素子1を製造する場合には、積算照度が1750lx・hrs以上500000lx・hrs以下の環境下で保管する。この場合、イエロー光の照度Lを、例えば、50lx以上1000lx以下とし、イエロー光の照射時間Tを、例えば、35hrs以上500hrs以下とすることが好ましい。
例えば、正面輝度が500cd/m以上で且つ正面輝度における色温度が3000Kよりも低い有機EL素子1を製造する場合には、積算照度が1680lx・hrs以下の環境下で保管する。この場合、イエロー光の照度Lを、例えば、10lx以下とし、イエロー光の照射時間Tを、例えば、50hrs以上168hrs以下とすることが好ましい。なお、保管工程S06において、イエロー光が照射される照射時間は、保管時間と同じでなくてもよい。つまり、構造体を保管している間、イエロー光が照射されない期間があってもよい。
続いて、保管工程S06の後、発光層11上に陰極層17を形成する(陰極層形成工程(第2形成工程)S07)。陰極層17は、陰極層17の説明の際に例示した形成方法で形成し得る。以上により、有機EL素子1が形成される。なお、陰極層17上に、封止部材等を設けてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る有機EL素子1の製造方法では、発光層11を形成してから、陰極層17の形成を開始するまでの間において発光層11に照射するイエロー光の照度とイエロー光の照射時間との積であるイエロー光の積算照度を調整する。正孔輸送層9及び発光層11にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。特に、赤色発光成分は、イエロー光により性質が変化しやすい。この性質の変化により、赤色を発光する層(例えば、正孔輸送層9)の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子1の色温度が高くなる。このように、有機EL素子1の製造方法では、発光層11の膜厚を変化させたり、発光層11に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、イエロー光の積算照度を調整することにより、色温度を調整できる。したがって、有機EL素子1の製造方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
図3は、電圧と色温度との関係を示す図である。図3では、横軸が電圧Vf[V]を示し、縦軸が色温度[K]を示している。図3では、グラフG1,G2は、発光層11の形成後にイエロー光の積算照度の調整を行っていない有機EL素子の測定結果を示している。なお、未調整時のイエロー光の積算照度は、100lx・hrs未満である。グラフG3,G4は、イエロー光の照度を100lx〜120lx、照射時間を168hrsとし、積算照度が16800lx・hrs〜20160lx・hrsとした場合の有機EL素子の測定結果を示している。グラフG5,G6は、イエロー光の照度を10lx以下、照射時間を168hrsとし、積算照度が1680lx・hrs以下とした場合の有機EL素子の有機EL素子の測定結果を示している。図3では、図1に示される構造を有する有機EL素子、すなわち、支持基板上に陽極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極層が積層された有機EL素子の測定結果を示している。
図3に示されるように、正面輝度500cd/m以上の領域において、積算照度が16800lx・hrs〜20160lx・hrsの場合には、イエロー光の積算照度の調整を行っていない有機EL素子に比べて、色温度が高く、積算照度が1680lx・hrs以下の場合には、色温度が低い。具体的には、積算照度が16800lx・hrs〜20160lx・hrsの場合には、正面輝度における色温度が3000K以上となり、積算照度が1680lx・hrs以下の場合には、正面輝度における色温度が3000Kよりも低くなる(図3では2600K程度となる)。つまり、色温度は、積算照度が高くなると高くなり、積算照度が低くなると低くなることが確認された。したがって、有機EL素子1の製造方法では、イエロー光の照射量を調整することにより、色温度を調整できるため、色温度の調整を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、陽極層5、正孔注入層7、正孔輸送層9、発光層11、電子輸送層13、電子注入層15及び陰極層17がこの順番で配置された有機EL素子1を例示した。しかし、有機EL素子1の構成はこれに限定されない。有機EL素子1は、以下の構成を有していてもよい。
(a)陽極層/発光層/陰極層
(b)陽極層/正孔注入層/発光層/陰極層
(c)陽極層/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極層
(d)陽極層/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極層
(e)陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極層
(f)陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極層
(g)陽極層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極層
(h)陽極層/発光層/電子注入層/陰極層
(i)陽極層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極層
ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。上記(g)は、上記実施形態の構成を示している。
有機EL素子1は、一層の有機機能層を有していてもよいし、複層(2層以上)の有機機能層を有していてもよい。上記(a)〜(i)の層構成のうちのいずれか1つにおいて、陽極層5と陰極層17との間に配置された積層構造を「構造単位A」とすると、2層の有機機能層を有する有機EL素子の構成として、例えば、下記(j)に示す層構成を挙げることができる。2個ある(構造単位A)の層構成は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子とを発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデン等からなる薄膜を挙げることができる。
(j)陽極層/(構造単位A)/電荷発生層/(構造単位A)/陰極層
また、「(構造単位A)/電荷発生層」を「構造単位B」とすると、3層以上の発光層11を有する有機EL素子の構成として、例えば、以下の(k)に示す層構成を挙げることができる。
(k)陽極層/(構造単位B)x/(構造単位A)/陰極層
記号「x」は、2以上の整数を表し、「(構造単位B)x」は、(構造単位B)がx段積層された構造体を表す。また複数ある(構造単位B)の層構成は同じでも、異なっていてもよい。
電荷発生層を設けずに、複数の有機機能層を直接的に積層させて有機EL素子を構成してもよい。
上記実施形態では、有機EL素子1の製造工程において、支持基板3を加熱して乾燥させる基板乾燥工程S01を含む形態を一例に説明した。しかし、基板乾燥工程は含まなくてもよい。
上記実施形態では、支持基板3上に陽極層5を形成する形態を一例に説明した。しかし、支持基板3上に陽極層5を予め形成したロールを用いてもよい。
上記実施形態では、保管工程S06において、露点温度が−35℃以下のクリーンドライエア雰囲気下で構造体を保管する形態を一例に説明した。しかし、保管工程では、水分濃度の低い環境の他の雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)で構造体を保管してもよい。
上記実施形態では、有機EL素子1の製造工程の保管工程S06において、発光層11に照射されるイエロー光の照射量を調整する形態を一例に説明した。しかし、イエロー光の照射量の調整は、発光層11の形成工程後であれば、保管工程以外の工程において行われてもよい。
上記実施形態では、第1電極層が陽極層5であり、第2電極層が陰極層17である形態を一例に説明した。しかし、第1電極が陰極層であり、第2電極層が陽極層であってもよい。
上記実施形態に加えて、有機EL素子1では、支持基板3の他方の主面3bに光取出フィルムが設けられていてもよい。
上記実施形態では、発光層11を形成してから陰極層17の形成を開始するまでの間において、発光層11に照射する500nm以下の波長域を含まないイエロー光の照度とイエロー光の照射時間との積であるイエロー光の積算照度を調整する形態を一例に説明した。しかし、有機EL素子の製造方法は、発光層を形成してから第2電極層の形成を開始するまでの間に、発光層に500nm以下の波長域を含む光を照射しない形態であってもよい。この方法では、発光層には、少なくとも、500nm以下の波長域を含まないイエロー光が照射される。発光層にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。このとき、性質の変化により、赤色を発光する層の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子の色温度が高くなる。このように、他の形態における有機EL素子の製造方法においても、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、500nm以下の波長域を含む光を照射しないことにより、色温度を調整できる。したがって、有機EL素子の製造方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
上記実施形態では、有機EL素子1の製造方法を説明した。しかし、本発明は、色温度の調整方法であってもよい。色温度の調整方法では、第1電極層、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層及び第2電極層がこの順番で積層された有機EL素子の色温度を調整する。第1電極層、発光層及び第2電極層は、上記実施形態の有機EL素子1における陽極層5、発光層11及び陰極層17にそれぞれ相当する。色温度の調整方法は、発光層11を形成してから第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層11に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と光の照射時間との積である光の積算照度を調整する。具体的な方法としては、上記実施形態の保管工程S06と同様の方法を採用し得る。
以上のように、色温度の調整方法では、発光層を形成してから第2電極層の形成を開始するまでの間において、発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と光の照射時間との積である光の積算照度を調整する。発光層(発光層と第1電極層との間に設けられた他の有機機能層を含む)にイエロー光が照射されると、各層の性質(特性)に変化が生じる。このとき、性質の変化により、赤色を発光する層の輝度が小さくなり得る。これにより、有機EL素子の色温度が高くなる。このように、色温度の調整方法では、発光層の膜厚を変化させたり、発光層に含まれるインクの配合比を変化させたりすることなく、イエロー光の積算照度を調整することにより、色温度を調整できる。したがって、色温度の調整方法では、色温度の調整を容易に行うことができる。
1…有機EL素子、5…陽極層(第1電極層)、9…正孔輸送層(有機機能層)、11…発光層(有機機能層)、13…電子輸送層(有機機能層)、15…電子注入層(有機機能層)、17…陰極層(第2電極層)。

Claims (5)

  1. 第1電極層上に、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層を形成する第1形成工程と、前記有機機能層上に第2電極層を形成する第2形成工程と、を含む方法で形成される有機EL素子の色温度の調整方法であって、
    前記第1形成工程において前記発光層を形成してから、前記第2形成工程において前記第2電極層の形成を開始するまでの間において、前記発光層に照射する500nm以下の波長域を含まない光の照度と前記光の照射時間との積である前記光の積算照度を調整する、色温度の調整方法。
  2. 前記積算照度が、100lx・hrs以上500000lx・hrs以下である、請求項1に記載の色温度の調整方法。
  3. 第1電極層上に、少なくとも発光層を含む2層以上の有機機能層を形成する第1形成工程と、
    前記有機機能層上に第2電極層を形成する第2形成工程と、を含む有機EL素子の製造方法であって、
    請求項1又は2に記載の色温度の調整方法によって前記有機EL素子の色温度の調整を行う有機EL素子の製造方法。
  4. 前記第1形成工程において前記発光層を形成してから、前記第2形成工程において前記第2電極層の形成を開始するまでの間における雰囲気の露点温度が−35℃以下である、請求項3に記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 前記第1形成工程において前記発光層を形成してから、前記第2形成工程において前記第2電極層の形成を開始するまでの間における雰囲気がドライエア雰囲気である、請求項3又は4に記載の有機EL素子の製造方法。
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