JP5292769B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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また、熱処理による方法では、界面の密着性を高めるには、比較的高温での熱処理が必要である。このため、この方法を有機EL素子に適用する場合には、有機材料が熱劣化するという問題がある。
さらに、溶媒に対する材料の溶解性を利用して各有機層間の界面を消失させる方法に関しては、溶媒温度や塗布方法等の各種条件により溶解度が変動するため、再現性の確保が困難である。
本発明の有機EL素子は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む2層以上の有機層を有する有機EL層と、上記有機EL層上に形成された第2電極層とを有する有機EL素子であって、上記有機EL層内の隣接する2層の有機層のうち、一方の有機層が主成分として電荷注入輸送材料を含有し、他方の有機層が添加成分として上記電荷注入輸送材料を含有しており、上記電荷注入輸送材料が使用態様にて非発光性を示すものであることを特徴とするものである。
図1は、本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、有機EL素子1は、基板2上に、第1電極層3と、正孔注入輸送層4および発光層5から構成される有機EL層6と、第2電極層7とがこの順に積層されたものである。また、正孔注入輸送層4は添加成分として電荷注入輸送材料を含有し、発光層5は主成分として電荷注入輸送材料を含有しており、隣接する正孔注入輸送層4および発光層5は同一の電荷注入輸送材料を含有している。
以下、本発明の有機EL素子の各構成について説明する。
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む2層以上の有機層を有するものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層2層以上の層をいう。また、有機EL層内の隣接する2層の有機層のうち、一方の有機層が主成分として電荷注入輸送材料を含有し、他方の有機層が添加成分として電荷注入輸送材料を含有している。
以下、有機EL層の各構成について説明する。
本発明においては、有機EL層内の隣接する2層の有機層のうち、一方の有機層が主成分として電荷注入輸送材料を含有し、他方の有機層が添加成分として電荷注入輸送材料を含有している。この電荷注入輸送材料は、使用態様にて非発光性を示すものである。
例えば、発光層が、ポリビニルカルバゾールと燐光発光するドーパントとを含有する場合、ポリビニルカルバゾールおよびドーパントのいずれも発光性を示すものではあるが、発光はドーパントから得られる。したがって、この場合、ポリビニルカルバゾールは使用態様にて非発光性を示すものとなる。
本発明における発光層に用いられる発光材料は、蛍光を発するものであってもよく、燐光を発するものであってもよいが、中でも、燐光を発するものであることが好ましい。すなわち、発光層は燐光発光層であることが好ましい。一般に、燐光を発する発光材料は、寿命が比較的短い。また一般に、燐光発光層を有する有機EL素子では、有機EL層を構成する複数層の有機層にそれぞれ異なる機能を付与するために、それぞれの有機層に異なる種類の有機材料を用いる場合が多い。そのため、有機層間の界面での接合性があまりよくない。本発明においては、隣接する2層の有機層のうち、一方の有機層を発光層とすることにより、発光層および他方の有機層間の界面の密着性を高めることができ、発光特性および寿命特性を向上させることができるので、発光層に燐光を発する発光材料を用いた場合に特に有用である。
本発明に用いられる正孔注入層は、発光層内への正孔の注入を安定化させるための層である。
本発明に用いられる正孔輸送層は、陽極から注入された正孔を発光層内へ安定に輸送するための層である。
本発明に用いられる正孔注入輸送層は、正孔の輸送機能および注入機能の両機能を有するものである。
本発明に用いられる電子注入層は、発光層内への電子の注入を安定化させるための層である。
本発明に用いられる電子輸送層は、陰極から注入された電子を発光層内へ安定に輸送するための層である。
本発明に用いられる電子注入輸送層は、電子の輸送機能および注入機能の両機能を有するものである。
本発明に用いられる第1電極層および第2電極層は、一方が陽極であり、他方が陰極であれば、いずれが陽極であってもよく陰極であってもよい。一般に、有機EL素子を製造する際には、陽極側から積層する方が安定して有機EL素子を作製することができる。
さらに、上記の導電性材料と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物とを用いて積層させたものを陰極としてもよい。
本発明に用いられる基板は、上記の第1電極層、有機EL層および第2電極層等を支持するものである。基板としては、所定の強度を有するものであれば特に限定されるものではない。上記第1電極層が所定の強度を有する場合には、第1電極層が基板を兼ねていてもよい。通常は、所定の強度を有する基板上に第1電極層が形成される。
本発明の有機EL素子の製造方法は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む2層以上の有機層を有する有機EL層と、上記有機EL層上に形成された第2電極層とを有する有機EL素子の製造方法であって、使用態様にて非発光性を示す電荷注入輸送材料を含有する下層形成用塗工液を塗布して、下層の有機層を形成する下層形成工程と、上記下層の有機層上に、上記電荷注入輸送材料および上記下層の有機層を溶解しない溶媒を含有する上層形成用塗工液を塗布して、上層の有機層を形成する上層形成工程とを有する有機EL層形成工程を有し、上記下層形成用塗工液および上記上層形成用塗工液のうち、一方が主成分として上記電荷注入輸送材料を含有し、他方が添加成分として上記電荷注入輸送材料を含有することを特徴とするものである。
以下、本発明の有機EL素子の製造方法の各工程について説明する。
本発明における有機EL層形成工程は、使用態様にて非発光性を示す電荷注入輸送材料を含有する下層形成用塗工液を塗布して、下層の有機層を形成する下層形成工程と、下層の有機層上に、電荷注入輸送材料および下層の有機層を溶解しない溶媒を含有する上層形成用塗工液を塗布して、上層の有機層を形成する上層形成工程とを有するものである。
以下、有機EL層形成工程の各工程について説明する。
本発明における下層形成工程は、電荷注入輸送材料を含有する下層形成用塗工液を塗布して、下層の有機層を形成する工程である。
本発明における上層形成工程は、下層の有機層上に、電荷注入輸送材料および下層の有機層を溶解しない溶媒を含有する上層形成用塗工液を塗布して、上層の有機層を形成する工程である。
本発明においては、上記の下層形成工程および上層形成工程を繰り返し行うことにより、2層以上の有機層を積層することができる。例えば、3層の有機層を積層する場合には、まず下層形成工程を行って1層目の有機層を形成し、次いで上層形成工程を行って2層目の有機層を形成し、最後に再度、上層形成工程を行って3層目の有機層を形成する。2層目および3層目の有機層を形成するための塗工液に、それぞれ下層の有機層を溶解しない溶媒を用いることで、3層の有機層を安定して積層することができるのである。このように、本発明においては複数層の有機層を積層することも可能である。
本発明の有機EL素子の製造方法は、上記有機EL層形成工程以外に、第1電極層や第2電極層等を形成する工程を有することができる。なお、第1電極層および第2電極層の形成方法については、上記「A.有機EL素子」に記載したので、ここでの説明は省略する。
[比較例]
ITO膜が形成されたガラス基板を洗浄し、この基板上に、PEDOT:PSSの水分散体(スタルク社製 Baytron P CH-8000)をスピンコート法により塗布し、160℃で1時間乾燥させて、膜厚80nmの正孔注入輸送層を形成した。
<発光層形成用塗工液>
ポリビニルカルバゾール … 70重量部
オキサジアゾール … 30重量部
緑色燐光発光色素(American Dye Source社製、ADS066GE) … 1重量部
モノクロロベンゼン … 4900重量部
ITO膜が形成されたガラス基板を洗浄し、この基板上に、下記の正孔注入輸送層形成用塗工液をスピンコート法により塗布し、160℃で1時間乾燥させて、膜厚80nmの正孔注入輸送層を形成した。
<正孔注入輸送層形成用塗工液>
PEDOT:PSSの水分散体(スタルク社製 Baytron P CH-8000)に、親水性溶剤である1,4−ジオキサンに溶解させたポリビニルカルバゾールを、PEDOT:PSSの水分散体の固形分10重量部に対して、ポリビニルカルバゾールが1重量部になるよう添加し、十分に攪拌、混合して、正孔注入輸送層形成用塗工液を調製した。
2 … 基板
3 … 第1電極層
4 … 正孔注入輸送層
5 … 発光層
6 … 有機EL層
7 … 第2電極層
Claims (4)
- 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む2層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス層内の隣接する2層の有機層のうち、一方の有機層が主成分として電荷注入輸送材料を含有し、他方の有機層が添加成分として前記電荷注入輸送材料を含有しており、
前記有機エレクトロルミネッセンス層が、前記電荷注入輸送材料を含む粒子を含有せず、
さらに、前記有機エレクトロルミネッセンス層が、環状部を有し、該環状部が少なくとも二つの炭素原子に結合するルイス塩基性元素を複数有して構成されてなる、金属イオントラップ材料を含有せず、
前記電荷注入輸送材料が、材料自体が非発光性を示すもの、またはドーパントと同時に含有される際に非発光性を示すものであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記隣接する2層の有機層が塗膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光層が燐光発光層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む2層以上の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第2電極層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
材料自体が非発光性を示す、またはドーパントと同時に含有される際に非発光性を示す電荷注入輸送材料を含有する下層形成用塗工液を塗布して、下層の有機層を形成する下層形成工程と、前記下層の有機層上に、前記電荷注入輸送材料を溶解または分散し、前記下層の有機層を溶解しない溶媒を含有する上層形成用塗工液を塗布して、上層の有機層を形成する上層形成工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス層形成工程を有し、
前記下層形成用塗工液および前記上層形成用塗工液が、前記電荷注入輸送材料を含む粒子を含有せず、
さらに、前記下層形成用塗工液および前記上層形成用塗工液が、環状部を有し、該環状部が少なくとも二つの炭素原子に結合するルイス塩基性元素を複数有して構成されてなる、金属イオントラップ材料を含有せず、
前記下層形成用塗工液および前記上層形成用塗工液のうち、一方が主成分として前記電荷注入輸送材料を含有し、他方が添加成分として前記電荷注入輸送材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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