JP6440110B2 - 癌の検出液 - Google Patents
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Description
(式中、a、b及びcは、a:b:c=1:0.01〜10:100〜2000となる数を表わし、dは10〜600の数を表わし、eは10〜600の数を表わし、Xは、レクチン残基を表わす。但し、a、b及びcの各繰り返し数に対応する各ユニットの主鎖における順序は任意であり、前記ポリマーにおけるレクチン残基の割合は0.1〜0.7質量%である。)
一般式(1)において、a、b及びcは、a:b:c=1:0.01〜10:100〜2000となる数を表わす。a、b及びcは、癌の検出感度が上がることから、a:b:cが1:0.05〜8:130〜1000の割合が好ましく、1:0.1〜6:150〜600の割合が更に好ましい。なお、a、b及びcの各繰り返し数に対応する各ユニットの主鎖における順序は任意であり、ブロック状、ランダム状、ブロック状とランダム状との組み合わせ等のいずれでもよい。
本発明で用いる粒子状マーカーに含有される識別性物質は、本発明で用いる粒子状マーカーが癌細胞に結合したことを何らかの方法で識別するための物質であり、本発明の一般式(1)で表される構造を有するポリマーに化学的に結合していてもよいし、していなくてもよい。識別性物質としては、染料、顔料、磁性物質、放射性物質、蛍光物質等が挙げられるが、安全で、高感度での識別が可能であることから、蛍光物質が好ましい。蛍光物質としてはフルオレセイン類、ローダミン類、クマリン類、ピレン類、シアニン類、ダンシル類、NBD類等が挙げられ、一般式(1)で表される構造を有するポリマーとの相溶性に優れ、本発明の一般式(1)で表される構造を有するポリマーからの溶出が少ないことから、クマリン類が好ましく、中でもクマリン6(下式(2)参照)が好ましい。
撹拌装置、温度計を備えたガラス製反応容器に、N−ビニルアセトアミド85.1g(1mol)、2−メルカプトエタノール0.313g(4mmol)、ラジカル重合開始剤としてN,N−アゾビスイソブチロニトリル1.64g(10mmol)及び溶媒としてトルエン400gを仕込み、60℃で6時間攪拌して重合させ、生成した沈殿物をろ過により回収した。沈殿物のエタノール溶液を、アセトンにより再沈殿させ、溶媒を除去することによりN−ビニルアセトアミドポリマー(一般式(3a)で表される化合物)42gを得た。
撹拌装置、温度計を備えたガラス製反応容器に、メタクリル酸t−ブチル142g(1mol)、2−メルカプトエタノール0.781g(10mmol)、ラジカル重合開始剤としてN,N−アゾビスイソブチロニトリル1.64g(10mmol)及び溶媒としてテトラヒドロフラン300gを仕込み、60℃で6時間攪拌して重合させた。反応液を、50%メタノール水溶液に滴下して、生成する沈殿をろ過により回収し、溶媒を除去することによりメタクリル酸t−ブチルポリマー(一般式(4a)で表される化合物)120gを得た。
ガラス製スクリュー管ビンに、マクロモノマーA0.5g、マクロモノマーB0.5g、スチレン1g、識別性物質としてクマリン6を20mg、ラジカル重合開始剤としてN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mg、溶媒として65%エタノール水溶液15gを仕込み、溶解させ、窒素のバブリングを30分間行った後、フタをして、60℃の湯浴中で24時間震蕩させて重合させた。生成した微粒子を遠心分離(12000rpm、15分間)により分離した後、凍結乾燥させて粒子状マーカーA1を得た。粒子状マーカーA1は、一般式(1a)においてa:b:c=1:1:300、d=55、e=76となるポリマーを主成分とし、動的光散乱法による平均粒子径は280nmであり、質量平均分子量は90万であった。なお、a:b:cの比は、1H−NMRによる分析により算出した。
マクロモノマーAを0.5gから0.25gに変更し、マクロモノマーBを0.5gから0.75gに変更した以外は、製造例3と同様の操作を行い、粒子状マーカーA2を得た。粒子状マーカーA2は、一般式(1a)においてa:b:c=1:3:600、d=55、e=76となるポリマーを主成分とし、動的光散乱法による平均粒子径は320nmであり、質量平均分子量は100万であった。なお、a:b:cの比は、1H−NMRによる分析により算出した。
マクロモノマーAを0.5gから0.95gに変更し、マクロモノマーBを0.5gから0.05gに変更した以外は、製造例3と同様の操作を行い、粒子状マーカーA3を得た。粒子状マーカーA3は、一般式(1a)においてa:b:c=1:0.008:350、d=55、e=76となるポリマーを主成分とし、動的光散乱法による平均粒子径は250nmであり、質量平均分子量は110万であった。なお、a:b:cの比は、1H−NMRによる分析により算出した。
マクロモノマーAを0.5gから0.08gに変更し、マクロモノマーBを0.5gから5gに変更した以外は、製造例3と同様の操作を行い、粒子状マーカーA4を得た。粒子状マーカーA4は、一般式(1a)においてa:b:c=1:12:1500、d=55、e=76となるポリマーを主成分とし、動的光散乱法による平均粒子径は250nmであり、質量平均分子量は80万であった。なお、a:b:cの比は、1H−NMRによる分析により算出した。
粒子状マーカーA1の10mgを、0.78%リン酸二水素カリウム水溶液800mgに分散させ、縮合剤として1−エチル−3−(3' −ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(以下CDIと略記)2mgを0.78%リン酸二水素カリウム水溶液200mgに溶解して添加し、4℃で30分間震蕩した。これを遠心分離(6000rpm,10分間)で上澄みを除去した後、PNA(ピーナッツ由来レクチン)1mgをダベルコリン酸緩衝生理食塩液(シグマアルドリッチジャパン社製、商品名:D8537。以下DPBS(−)と略記する)1gに溶解した溶液を加えて分散させ、4℃で24時間震蕩させて、ピーナッツレクチンを結合させて粒子状マーカーB1を合成した。粒子状マーカーB1中の、未結合のピーナッツレクチンをDPBS(−)で洗浄して除去した後、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを含有するダベルコリン酸緩衝生理食塩液(シグマアルドリッチジャパン社製、商品名:D8662。以下DPBS(+)と略記する)に、分散させて本発明の検出液A1を得た。検出液A1中の粒子状マーカーB1の含量は1%であり、粒子状マーカーB1は、平均粒子径(動的光散乱法で測定、以下同様)280nmで、一般式(1)で表わされる構造を有するポリマー中のレクチン残基の含量(以下、単に「レクチン含量」ともいう)は0.5%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
CDIを2mgから1mgに、PNAを1mgから0.5mgに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、粒子状マーカーB2を合成し、粒子状マーカーB2を分散させた検出液A2を得た。検出液A2中の粒子状マーカーB2の含量は1%であり、粒子状マーカーB2は、平均粒子径280nmで、レクチン含量は0.3%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
CDIを2mgから0.5mgに、PNAを1mgから0.25mgに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、粒子状マーカーB3を合成し、粒子状マーカーB3を分散させた比較の検出液B1を得た。検出液B1中の粒子状マーカーB3の含量は1%であり、粒子状マーカーB3は、平均粒子径280nmで、レクチン含量は0.08%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
CDIを2mgから4mgに、PNAを1mgから2mgに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、粒子状マーカーB4を合成し、粒子状マーカーB4を分散させた比較の検出液B2を得た。検出液B2中の粒子状マーカーB4の含量は1%であり、粒子状マーカーB2は、平均粒子径280nmで、レクチン含量は0.8%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
粒子状マーカーA1の10mgの代わりに粒子状マーカーA3の10mgを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、粒子状マーカーB5を合成し、粒子状マーカーB5を分散させた比較の検出液B3を得た。検出液B3中の粒子状マーカーB5の含量は1%であり、粒子状マーカーB3は、平均粒子径320nmで、レクチン含量は0.11%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
粒子状マーカーA1の10mgの代わりに粒子状マーカーA4の10mgを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、粒子状マーカーB6を合成し、粒子状マーカーB6を分散させた比較の検出液B4を得た。検出液B4中の粒子状マーカーB6の含量は1%であり、粒子状マーカーB6は、平均粒子径250nmで、レクチン含量は0.3%であった。なお、レクチン含量はニンヒドリン法により求めた。
粒子状マーカーA1をDPBS(+)に含量が1%となるように分散させ、比較の検出液B5を得た。
粒子状マーカーA2をDPBS(+)に含量が1%となるように分散させ、比較の検出液B6を得た。
ヒト大腸癌細胞株(HT−29)をヌードマウスの直腸の漿膜下に移植し、癌を定着させ成長させた大腸癌組織と、ヌードマウスの大腸の正常組織を試験に用いた。
縦1.5mm、横3mmの小片状に切断された組織片を、実施例又は比較例の検出液に2分間浸漬した後、DPBS(+)を用いて、過剰の検出液を除去した。検出液で処理した組織片を蛍光顕微鏡(オリンパス社製、型式:BX63)を用いて観察(観察倍率40倍、露光時間1/60秒、FITCフィルター使用)し、蛍光の強さを以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
<評価基準>
◎:強い蛍光が認められる。
○:蛍光が認められる。
△:わずかな蛍光が認められる。
×:蛍光が認められない、又は蛍光がほとんど認められない。
Claims (7)
- 生体から採取した組織用の癌の検出液であって、粒子状マーカーが水系媒体に分散されており、粒子状マーカーが、下記一般式(1)で表わされる構造を有するポリマーと識別性物質を含有し、平均粒子径が250nm〜600nmであり、検出液中の粒子状マーカーの含量が0.1〜5質量%であることを特徴とする癌の検出液。
(式中、a、b及びcは、a:b:c=1:0.1〜6:150〜600となる数を表わし、dは10〜600の数を表わし、eは10〜600の数を表わし、Xは、レクチン残基を表わす。但し、a、b及びcの各繰り返し数に対応する各ユニットの主鎖における順序は任意であり、前記ポリマーにおけるレクチン残基の割合は0.27〜0.65質量%である。) - 識別性物質が蛍光物質である請求項1記載の癌の検出液。
- クマリン類が、クマリン6である、請求項3に記載の癌の検出液。
- dが30〜150の数であり、eが60〜150の数である、請求項1〜4の何れか1項に記載の癌の検出液。
- 生体から採取した組織が、消化器組織である請求項1〜5の何れか1項記載の癌の検出液。
- 生体から採取した組織に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の癌の検出液を塗布することを特徴とする癌の検出方法。
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