JP2018510854A - 固体混合物からの難水溶性物質の効果的な可溶化のための賦形剤としてのコポリマー - Google Patents

固体混合物からの難水溶性物質の効果的な可溶化のための賦形剤としてのコポリマー Download PDF

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Abstract

本発明は、水性媒体中の難水溶性物質の効果的な可溶化のための、難水溶性物質を含む固体混合物中の賦形剤としての、i)1つ以上のN−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーから誘導される複数の熱応答性構造単位と、ii)1つ以上の第2のエチレン系不飽和モノマーから誘導される複数の親水性構造単位と、を含む骨格を有する非架橋コポリマーの使用に関する。このようなコポリマー及び難水溶性物質の固体混合物を含む固体剤形も、本発明の範囲内である。【選択図】図6

Description

本発明は、難水溶性物質を含む固体混合物中の賦形剤としてのある特定のコポリマーの使用に関し、詳細には、水性媒体中のこれらの物質の効果的な可溶化のための活性医薬成分に関する。このようなコポリマー及び難水溶性物質の固体混合物を含む組成物、ならびにこれらの組成物を含有する固体剤形は、同様に本発明の範囲内である。
導入
パーソナルケア活性成分、食品構成要素、活性医薬成分(API)、または農薬のような多くの活性物質は親油性構造を有し、したがってほんのわずかに水溶性であり、これは、意図した使用と相反し得る。例えば、新規のAPIの大多数は、水性媒体中での難溶性ならびにそれに伴う低いバイオアベラビリティ及び有効性の問題を抱え、それは、多くの場合、それらの商業化を妨げる。このため、水性媒体を伴う用途において難水溶性活性物質の効果的な可溶化及び送達のための様々な手段及び方法が考案されてきた。一般に用いられる1つの手法は、難水溶性物質と好適な賦形剤とを組み合わせることに基づく。賦形剤は、通常、親水性及び親油性部分を含む、すなわち、水環境下でミセルなどのコロイド状凝集体を形成することができる両親媒性構造を有する、表面活性化合物を含む。このため、親油性活性物質は、このような凝集体の親油性内部へ組み込むことによって、水相へ移すことができ、水相中で安定化させることができる。
広範な様々な物質、ほんの少し名前を挙げると、例えば、油、脂質、グリセリド、脂肪酸、脂肪族アルコール及び誘導体、例えば、これらのいずれかのポリアルコキシル化誘導体、ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリビニルアルコール及びポリオキシアルキルエンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ビタミンE、及びそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物が、賦形剤として調査されてきた(例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,third Edition,edited by A.H.Kibbe,American Pharmaceutical Association and Pharmaceutical Press(2000)を参照)。しかしながら、従来技術から既知の賦形剤の大部分は、固形剤からの親油性物質の制御放出及び水性媒体中に放出された親油性物質の安定化において適度な効果を有するのみである。
一般に、例えば、経口薬物送達のための固形剤における賦形剤としての化合物の適合性は、固体から液相への活性物質の効果的かつ制御された放出及び水性媒体中の放出物質の安定化だけでなく、化合物が製剤の他の成分と適合性であり、長期間、組成物の貯蔵安定性を提供することを必要とする。活性物質は、しばしば、一般的により良好な可溶性アモルファス形態で最初に提供されるので、賦形剤は、固形剤中の活性成分の結晶化などの相変化を阻害することが可能でなければならない。想定された用途に応じて、例えば、生理学的適合性などのさらなる要件が満たされる必要がある。
大部分がこれらの要件を満たす固体医薬組成物のための最も強力な賦形剤のうちの1つは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)である。しかしながら、HPMCASは、そのイオン性質のために、限定されたpH範囲においてのみ効率的に使用され得、溶解を改善することができず、かつ/または水性媒体中の一部の親油性活性物質、例えばいくつかのBCSクラスII薬物の効率的な安定化を提供することができない。さらに、HPMCASは、どちらかと言えば複雑な化学組成の材料であり、それによって材料特性の系統的な制御及び調製を比較的複雑化させる。
その結果、広範囲のpHの水性媒体中の種々の難水溶性活性物質の制御放出及び効率的な可溶化を可能にする、固形剤での使用に好適な代替的な賦形剤が必要とされ続けている。
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)のホモポリマー及びN−アルキル化(アルキル)アクリルアミドタイプの関連モノマーは、それぞれ、下限臨界溶解温度(LCST)で水和または脱水によって、可逆性コイル小球間移動を示すそれらの熱応答性挙動について周知である。好適な親水性または疎水性モノマーとの共重合によって、LCSTを調整し、両親媒性コポリマーを得ることができ、それは、環境温度が変動すると、ミセルに可逆的に自己組織化し得る。例えば、B.Liuらは、Journal of Polymer Science,vol.43,3643−3654(2005)において、ポリNIPAMの切り替え可能な親水性−疎水性ブロックとポリ(N−ジメチルアクリルアミド)の親水性ブロックとのスマート両親媒性ブロックコポリマーを記載している。
このような熱応答性コポリマーのミセル溶液が調製され、薬物送達ビヒクルとしてミセル溶液を使用するために薬物に充填されている。しかしながら、固体混合物からの難水溶性物質の可溶化及び制御放出のための賦形剤としてのこのようなコポリマーの使用は、今まで記載されていなかった。固形剤の溶解プロセスは、溶液中のミセルに充填された物質の放出と基本的に異なる。固形物は、固体/液体界面での相間移動プロセスによって段階的に崩壊する。賦形剤は、一般に、固体から液相への難可溶性物質の移動及び再沈殿に対する安定化を補助し、賦形剤自体は、液相中に溶解または分散する。溶液中のミセルからの物質の放出は、むしろ安定化液体コロイド系における再分布を伴い、バルク固形物の崩壊ではない。
ミセル溶液の他にも、上述の熱応答性コポリマーのコポリマーヒドロゲルが、薬物送達のために提案されている(例えば、R.Yoshidaら,Journal of Biomaterials Science,Polymer Edition,6(6),585−598(1994)を参照)。このようなヒドロゲルは、ヒドロゲルコポリマーが液相において不溶性であり、マトリックスを形成するという点で、賦形剤と通常の感覚において異なり、そこから組み込まれた物質は、温度に応答してゲルの可逆的膨潤によって放出することができる。このようなヒドロゲルは、架橋剤、例えば架橋ネットワークの形成のための熱応答性コポリマーの調製において、ジエチレン系不飽和化合物を含むことによって得ることができる。
上記を考慮して、本発明は、幅広いpH範囲の様々な水性媒体中の種々の難水溶性物質の制御された急速な放出及びより効率的な可溶化を理想的に可能にし、効果的に結晶化を阻害し、長期の安定的な製剤を提供し、生理学的に適合性であり、容易に利用可能な資源からコスト効率的に調製することができる、固形剤中の賦形剤として使用するための代替的な化合物を提供することを目的とする。本発明のさらなる目的は、高いユーザの承認を有する剤形において難水溶性物質を含む固体混合物中にこのような改善された賦形剤を含む対応する製剤を提供することである。
このため、第1の態様において、本発明は、以下を含む固体混合物を含む組成物に関する:
a)i)N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーである、1つ以上の第1のモノマーから誘導される複数の熱応答性構造単位、及びii)エチレン系不飽和モノマーである、1つ以上の第2のモノマーから誘導される複数の親水性構造単位を含む骨格を有する少なくとも1つの非架橋コポリマー、ならびに
b)少なくとも1つの難水溶性物質。
別の態様において、本発明は、前述の組成物を含む固体剤形を目的とする。
本発明はまた、水性媒体中の難水溶性物質の溶解度及び/もしくは溶解速度を増加させるため、かつ/または難水溶性物質の結晶化を阻害するため、かつ/または難水溶性物質のバイオアベラビリティを増加させるための、本発明による組成物の文脈における上記のようなコポリマーの使用に関する。
本発明は、熱応答性を提供するN−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーのうちの1つ以上のタイプと、親水性を提供するエチレン系不飽和モノマーのうちの1つ以上のタイプとの共重合から誘導される非架橋ポリマーが、水性媒体中の種々の難水溶性薬物の溶解度を大幅に増加させ得、実質的な期間、例えば6時間以上にわたって高度な過飽和状態を維持することができるという予期しない発見に基づく。これらのコポリマーは、難水溶性物質を有する均質な固体分散体を形成することが可能であり、それは典型的な貯蔵条件下で長期安定性であり、急速な溶解特性を呈する。本明細書において、コポリマーは、アモルファス形態において難水溶性物質を効果的に安定化させることができ、このため固体混合物中の結晶化を阻害する。該コポリマーは、さらに無毒性であり、生理学的に適合性であり、確立された重合技法を使用して、容易に利用可能な資源からコスト効率的な様式で調製することができる。これらの特性は、前述のコポリマーを、特にAPIなどの難水溶性物質を有する固体混合物中の賦形剤として特に好適にし、HPMCASなどの最先端の賦形剤と比較して、同等またはさらに改善された溶解及び可溶化特性を実現する。該コポリマーの典型的な非イオン性性質は、HPMCASよりも幅広いpH範囲において賦形剤として効率的な使用を可能にすることがさらに想定される。このように、下でより詳細に記載される前述のコポリマーは、適用のために十分な用量で固体組成物から難水溶性物質を放出するのを助け、例えば、APIのバイオアベラビリティを高め、かつ/またはある特定の(例えば治療的もしくは生理学的)効果を実現するためのその固有の溶解限度を十分に上回る水性媒体中の難水溶性物質の濃度レベルが所望/必要とされる。
実施例において概説される手順に従って示された相対的な積分ピーク面積の比から算出される、NIPAMから誘導される約66モル%の構造単位及びDMAから誘導される約34モル%の構造単位で構成される骨格を有するNIPAM−co−DMAポリマー(実施例1−6のポリマー)のH−NMRスペクトル(500MHz、CDCl)を示す図である。 実施例において概説される手順に従って示された相対的な積分ピーク面積の比から算出される、NIPAMから誘導される約67モル%の構造単位及びHEMAから誘導される約33モル%の構造単位で構成される骨格を有するNIPAM−co−HEMAポリマー(実施例4−1のポリマー)のH−NMRスペクトル(500MHz、CDOD)を示す図である。 フェニトイン(左)またはプロブコール(右)と、それぞれの結晶性純薬のX線回折パターン(最上部の曲線)と比較して25重量%の薬物充填を有するa)実施例1−23(比較例)のDMAホモポリマー、b)実施例1−17のNIPAM−co−DMAポリマー、c)実施例1−18のNIPAM−co−DMAポリマー、d)実施例1−19のNIPAM−co−DMAポリマー、e)実施例1−20のNIPAM−co−DMAポリマー)、またはf)実施例1−22(比較例)のNIPAMホモポリマーとの固体混合物のX線回折パターンを示す図である。 フェニトインと、25重量%の薬物充填を有する様々なポリマー(最下部:実施例1−17のNIPAM−co−DMAポリマー、中央:実施例1−18のNIPAM−co−DMAポリマー、最上部:実施例1−19のNIPAM−co−DMAポリマー)との固体混合物についてのDSC曲線を示す図である。 フェニトインと、ニートフェニトイン(最下部の曲線)の溶解と比較して水性PBS−FaSSIFバッファ(pH6.5)中に25重量%の薬物充填を有する様々なポリマー(t=360分における最上部から最下部の順での曲線:a)実施例1−13のNIPAM−co−DMAポリマー、b)実施例1−19のNIPAM−co−DMAポリマー、c)実施例1−12のNIPAM−co−DMAポリマー、d)実施例1−14のNIPAM−co−DMAポリマー、e)実施例1−2のNIPAM−co−DMAポリマー、f)実施例1−20のNIPAM−co−DMAポリマー、g)実施例1−22(比較例)のNIPAMホモポリマー、h)HPMCAS(比較例)、i)実施例1−18のNIPAM−co−DMAポリマー、j)実施例1−17のNIPAM−co−DMAポリマー、l)実施例1−23(比較例)のDMAホモポリマー)との固体混合物についての溶解プロファイル(時間に対する可溶化薬物濃度)を示す図である。 フェニトインと、ニートフェニトイン(最下部の曲線)の溶解と比較して水性PBS−FaSSIFバッファ(pH6.5)中に25重量%の薬物充填を有する様々なポリマー(t=360分における最上部から最下部の順での曲線:a)実施例1−1のNIPAM−co−DMAポリマー、b)実施例1−2のNIPAM−co−DMAポリマー、c)実施例1−5のNIPAM−co−DMAポリマー、d)実施例1−22(比較例)のNIPAMホモポリマー、e)HPMCAS(比較例)、f)実施例1−23(比較例)のDMAホモポリマー)との固体混合物についての溶解プロファイル(時間に対する可溶化薬物濃度)を示す図である。 フェニトインと、水性PBS−FaSSIFバッファ(pH6.5)中に25重量%の薬物充填を有するそれぞれ異なるNIPAM−co−VPポリマー(実施例2−1〜2−5)またはHPMCAS(比較例)との固体混合物についての溶解プロファイル(時間に対する可溶化薬物濃度)を示す図である。
上で指摘したように、本発明による組成物の固体混合物中の構成成分a)として使用されるコポリマーの性質は、本発明の重要な態様である。本発明によれば、コポリマーは、以下を含む骨格を有する非架橋コポリマーである。
(i)N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーである、1つ以上の第1のモノマーから誘導される複数の熱応答性構造単位、及び
(ii)エチレン系不飽和モノマーである、1つ以上の第2のモノマーから誘導される複数の親水性構造単位。
本発明の文脈において、「非架橋」という用語は、コポリマーが、互いに共有結合されない複数の別個の分子を含むことを意味する。例えば、コポリマー分子は、側鎖が結合した直鎖構造を有するかまたは直鎖主鎖を有してもよいが、典型的に高級分岐構造または3次元ネットワークではない。このため、「非架橋」は、多価不飽和化合物などの架橋剤がコポリマーの調製において使用されないことを特に意味し得る。架橋は、一般に、コポリマーの溶解度を劣化させ、水性媒体中にコポリマーを含む固体混合物の崩壊を妨げるまたは防止することから、この場合は望ましくないが、賦形剤としての効果的な使用にとって重要であるとみなされ、むしろ不溶性で膨潤可能なゲルをもたらす。好ましくは、本発明によるコポリマーは、直鎖コポリマーである。
「骨格」という用語は、本発明の文脈の範囲内でコポリマーの分子構造における主鎖を指す。主鎖は、コポリマー分子の(最大長の)連続的な鎖をともに形成する、共重合において使用されるモノマーから誘導される一連の共有結合構造単位として識別することができる。任意選択で、本発明によるコポリマーは、骨格にペンダントした側鎖またはグラフト化鎖を含んでもよい。
モノマーXなどから誘導される構造単位とは、本発明の文脈において、モノマーXから形成されるポリマー構造における最小繰り返し単位を指す。例えば、エチレン系不飽和モノマーの付加重合反応において、初期の不飽和モノマーの間の共有結合の生成によって、コポリマーが形成されるとき、ある特定の不飽和モノマーから誘導される構造単位は、不飽和度を除いて、モノマーに構造的に対応する。モノエチレン系不飽和モノマー、例えばN−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドの場合、モノエチレン系不飽和モノマーから誘導される構造単位は、例えば、モノマーの二価エチレン系飽和ラジカルとして概念化することができる。その後、概念化されたラジカル部位を介して隣接する構造単位の間に共有結合を形成するその対応するモノマーから誘導される複数の構造単位を結合することによって、ポリマー鎖が形式的に生成される。
上述のように、本発明により使用されるコポリマーは、1つ以上の第1のモノマーから誘導される複数の熱応答性構造単位を含む。本明細書において、熱応答性は、第1のモノマーから誘導される構造単位が、温度における変化に応答して、その立体構造、親水性、及び/または水和において実質的な変化を受けることができることを意味する。特に、それらは、ある特定の温度周辺でこれらの特性のうちのいずれか1つにおいて可逆性変化を呈し得る。したがって、コポリマーの溶解/分散特性は、温度依存性であってもよい。特に、コポリマーは、水性媒体において比較的高い溶解度/分散性の状態(例えば、コポリマーが分子的に溶解またはコロイド状に分散している)から、水性媒体における溶解度が、一般的に下限臨界溶解温度(LCST)と呼ばれる温度超で著しく低い(コポリマーが、例えばより大きい凝集体を形成する)状態まで変化を呈し得る。例えば、LCSTは、例えば、実施例において概説されるように、例えば、温度依存性透過率または濁り度測定によって、溶液温度の関数として、対象の水性媒体中の熱応答性構造単位を含むコポリマーの溶液の光学的特性の変化をモニタすることによって決定されてもよい。
1つ以上の第1のモノマー、すなわち、熱応答性構造単位をコポリマーに提供するモノマーのタイプは、一般に、N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーである。本発明の文脈において、「(アルキル)アクリルアミド」という表記は、それが例えば、メタクリルアミド、エチルアクリルアミド等などのアクリルアミド及びアルキルアクリルアミドをともに指すことを意味する。同じように、「(アルキル)アクリル酸、「(アルキル)アクリレート」などの用語は、それぞれ、本明細書において非置換アクリル酸またはアクリレート、及びそれらのアルキル化誘導体を指すと解釈されるべきである。同様に、例えば、「(メタ)アクリルアミド」という用語は、アクリルアミド及びメタクリルアミド部分を指すと解釈されるべきであり、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを包含し、以下同様である。
本発明によれば、「アルキル」という用語は、非置換アルキル部分、すなわち、組成C2n+1(n:整数≧1)及びC2n−1(環状構造、n:整数≧1)の部分、ならびにアルキル及びシクロアルキル部分を包含するように最も広義に解釈されるべきであり、1つ以上の水素原子が官能基、例えば、ヒドロキシル、カルボキシ、アミン、チオール、もしくはハロゲン)によって置換され、かつ/または1つ以上のヘテロ原子、すなわち、C及びH以外の原子が含まれる。好ましくは、アルキルという用語は、例えば、直鎖または分岐鎖であることができる非置換のC2n+1部分を指す。
原則として、本発明によれば、熱応答性構造単位を付与する任意のN−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドは、本発明のコポリマーを調製するための第1のモノマーとして使用することができる。第1のモノマーとして使用することができる、N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーの非限定例は、例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ピペリジル(メタ)アクリルアミド、及びそれらの組み合わせを含む。好ましくは、第1のモノマーは、N−イソプロピルアクリルアミドを含む。本発明によるコポリマーは、単一タイプの第1のモノマーから誘導されるまたは異なるタイプの第1のモノマーの組み合わせから誘導される熱応答性構造単位を含み得る。好ましくは、コポリマーは、単一タイプの第1のモノマー、好ましくはN−イソプロピルアクリルアミドから誘導される熱応答性構造単位を含む。
上述のように、本発明によるコポリマーは、ポリマー骨格において1つ以上の第2のモノマーから誘導される複数の親水性構造単位をさらに含む。親水性構造単位は、水に親和性を有する構造単位である。本発明の文脈において、これは、特に、第2のモノマーから誘導される構造単位の組み込みが、1つ以上の第1のモノマーのみの重合によって得られた対応するポリマーと比較して、水または水溶媒体中のポリマーの溶解度及び/またはLCSTを増大させることを意味することができる。
第2のモノマーは、エチレン系不飽和モノマーである。原則として、前述の感覚における親水性特性を本発明によるコポリマーに提供する任意の種類のエチレン系不飽和モノマーを用いることができる。1つ以上の第1のモノマーと対照的に、1つ以上の第2のモノマーは、典型的に、熱応答性特性をコポリマーに付与せず、言い換えれば、第2のモノマーから誘導される構造単位の立体構造、親水性、及び/または水和は、液体水性媒体について関連した温度領域での温度、すなわち、凝固点と沸点との間、例えば、0℃〜100℃の変動によって、実質的に変化しない。典型的に、第2のモノマーは、モノエチレン系不飽和、すなわち、単一のC=C結合を含む。1つ以上の第2のモノマーは、例えば、エチレン系不飽和アミド、アミン、カルボキシル酸、カルボキシレート、ヒドロキシルアミン、グリコールまたはアルコール、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。本明細書において、グリコールという用語は、単量体ジオール、例えば、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、または2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、及び2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタン−1−オール、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エタノール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及び混合ポリアルキレンオキシドのような単量体ジオールの凝縮によって得ることができるオリゴマー及びポリマージオール、ならびにそれらのいずれかの誘導体を含み、アルコールヒドロキシル基の一方または両方は、特に、(メタ)アクリル酸などの(アルキル)アクリル酸のような不飽和カルボン酸によって、エーテル化(例えば、メトキシ基によって置換されたOH基)またはエステル化される。好適なエチレン系不飽和のグリコールの非限定的な例は、前述のジオールまたはエーテル化誘導体、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールメタ(アクリレート)、及びポリエチレングリコールジメチルエーテルメタ(アクリレート)のうちのいずれか1つのメタ(アクリレート)である。
1つ以上の第2のモノマーは、特に、(アルキル)アクリル酸、(アルキル)アクリレート、(アルキル)アクリルアミド、それらの置換誘導体、及び前述の化合物のいずれかの組み合わせから選択されてもよい。したがって、1つ以上の第2のモノマーは、例えば、以下の式(I)及び(II)のいずれか1つによる構造を有する1つ以上の化合物を含むことができる。
本明細書において、R、R、R、R、及びRのそれぞれは独立して、水素及び1〜6個の炭素原子を有する一価の有機基から選択される。好適な一価の有機基は、特に、直鎖または分岐鎖アルキル基によって、例示することができる。非限定的な例は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、及びヘキシルである。Rは、R〜Rついて定義されてもよく、または例えばエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドのエタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、オリゴマー、及びポリマー、ならびに前述のうちのいずれか1つのエーテル化(例えばメトキシル化)誘導体であってもよい。好ましくは、R及びRは、水素であり、Rは、水素及びメチル基から選択され、R、R、及びRは、水素及び1〜4つの炭素原子有するアルキル基からそれぞれ独立して選択される。
さらに、例えば、4−ビニルピロリドンなどのビニル置換複素環式化合物も、親水性構造単位をコポリマーに導入するための第2のモノマーとして用いることができる。好ましくは、1つ以上の第2のモノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、4−ビニルピロリドン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明によるコポリマーは、単一タイプの第2のモノマーから誘導されるまたは異なるタイプの第2のモノマーの組み合わせから誘導される親水性構造単位を含み得る。好ましくは、コポリマーは、単一のタイプの第2のモノマー、例えばN,N−ジメチルアクリルアミドから誘導される親水性構造単位を含む。
コポリマー中に含まれる熱応答性構造単位i)対親水性構造単位ii)のモル比は、一般に限定されないが、好ましくは、1:1〜10:1、好ましくは、1.2:1〜5:1、より好ましくは、3:2〜4:1の範囲である。
前述の第1及び第2のモノマーから誘導される熱応答性構造単位及び親水性構造単位に加えて、本発明によるコポリマーは、それぞれ、任意選択で、他のモノマーから誘導されるさらなる構造単位を含んでもよい。原則として、不飽和の任意の種類、例えば、エチレン系不飽和モノマーは、これらの付加的な構造単位が、難水溶性物質を可溶化するための固体混合物中の賦形剤としてのコポリマーの使用を妨げず、かつ/またはコポリマー特性、例えば、安定度、可溶化能力、及び他の成分との適合性を劣化させない限り、所望の官能基の構造単位を導入するために、第1及び第2のモノマーと共重合することができる。例えば、コポリマーは、1つ以上のタイプの親油性モノマーから誘導される疎水性構造単位を含んでもよい。疎水性構造単位は、無極性媒体に親和性を有し、このため水を嫌う構造単位である。本発明の文脈において、これは、特に、親油性モノマーから誘導される構造単位の組み込みが、1つ以上の第1のモノマーのみの重合によって得られたポリマーと比較して、水または水溶媒体中のコポリマーの溶解度及び/またはLCSTを減少させることを意味することができる。コポリマーに疎水性構造単位を組み込むために使用することができる好適な非限定的な親油性モノマーは、例えば、不飽和脂肪酸、C−C30アルカノールなどの脂肪族アルコールのような親油性ヒドロキシル官能性化合物の(メタ)アクリレート、または不飽和炭化水素、例えばスチレン、プロピレン、及びエチレンである。
それにもかかわらず、本発明によるコポリマーは、通常、大部分でまたは排他的に、コポリマーを構成するモノマー誘導構造単位の総量に対して、70モル%超、好ましくは80モル%超、より好ましくは、少なくとも90モル%または少なくとも95モル%または100モル%などの熱応答性構造単位i)及び親水性構造単位ii)を含む。任意の他のモノマー誘導構造単位は、典型的に、仮に存在する場合、コポリマーを構成するモノマー誘導構造単位の総量に対して、30モル%未満、好ましくは20モル%未満、より好ましくは、10モル%以下もしくは5モル%以下、または0モル%の量で、コポリマー中に含まれる。好ましくは、本発明によるコポリマーは、コポリマーを構成するモノマー誘導構造単位の総量に対して、50モル%超〜90モル%以下、好ましくは、55モル%〜80モル%、より好ましくは、60モル%〜75モル%の熱応答性構造単位i)、及び/または10モル%以上〜50モル%未満、好ましくは、20モル%〜45モル%、より好ましくは、25モル%〜40モル%の親水性構造単位ii)を含む。好ましくは、本明細書において熱応答性構造単位i)と親水性構造単位ii)との量は、合計して100モル%になる。このような組成物のコポリマーは、水性媒体中の難水溶性物質を可溶化して、長時間にわたって高度な過飽和状態を維持する際に特に効果的であることが見出された。
コポリマーのモル組成は、コポリマーを調製するために使用される反応混合物中のモノマーの相対量を調整することによって、直接的な様式で系統的に制御し得る。コポリマーのモル組成は、例えば、実施例において概説される手順に従って、例えば、異なる構成構造基の特性シグナルの同定による核磁気共鳴(NMR)分光分析、及び異なるシグナルの原因である構造単位当たりの核の数を考慮するそれぞれの相対的な積分ピーク面積の比較によって容易に決定することができる。
典型的に、本発明によるコポリマーは、2元コポリマーであり、すなわち、熱応答性構造単位(i)を提供する上記の第1のモノマーのうちの1つのタイプと、親水性構造単位(ii)を提供する上記のような第2のモノマーのうちの1つのタイプとを共重合することによって得られる。好適な2元コポリマーは、例えば、ポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(N,N−ジメチルアクリルアミド)]、ポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(アクリルアミド)]、ポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(4−ビニルピロリドン)]、ポリ[(N,N−ジエチルアクリルアミド)−co−(N,N−ジメチルアクリルアミド)]、及びポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)]である。ポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(N,N−ジメチルアクリルアミド)]が特に好ましい。
本発明によるコポリマーを構成する異なる構造単位は、一般に、コポリマー中にランダムまたはブロックワイズに配列することができる。ランダム配列は、別個のタイプの構成構造単位がコポリマー鎖にわたって均質な様式で統計的に分布する構造、ならびに構造単位のうちの少なくとも1つのタイプが、同じタイプまたは別個のタイプの構造単位に優先的に結合される、異なるタイプの構造単位を含む鎖構造を含む。それとは対照的に、同じタイプの構造単位を構成するブロックワイズ配列が、それぞれ、全体のコポリマー鎖に比例してかなりの長さの1つ以上の下部構造を形成する場合、下部構造(ブロック)は、例えば、コポリマーを構成するモノマー誘導構造単位の総量の、少なくとも5モル%、または少なくとも10モル%、または少なくとも20モル%、または少なくとも30モル%で作製される。例えば、コポリマー分子中に存在するすべての熱応答性構造単位は、直列に接続されて、熱応答性ブロックを形成してもよく、すべての親水性構造単位は、直列に接続されて、親水性ブロックを形成してもよい。その後、熱応答性ブロック及び親水性ブロックは、互いに結合し、ジブロックコポリマーを形成することができる。あるいは、存在する場合、例えば、熱応答性構造単位、親水性構造単位、または疎水性構造単位と同じこのようなタイプの構造単位のみから作製された2つ以上のブロックは、コポリマー分子中に存在することができる。しかし、好ましくは、本発明によるコポリマーは、ランダムコポリマーである。
当業者が知っているように、ポリマー材料は、一般に、構成する構造単位の数及び分布において異なり得る複数の個々の巨大分子からなる。したがって、反対の明記がない場合、本明細書全体にわたっても行われるように、ポリマーを構成する巨大分子の実体についての平均値によって、ポリマー特性を記載することが一般的である。このため、特に、本発明のコポリマーは、一般に、異なる分子量の巨大分子の分布を呈する。分子量分布は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィ、ならびにこれらのデータから推論される数平均分子量(M)及び重量平均分子量(M)によって測定され得る。本発明によるコポリマーは、典型的に、例えば、実施例において概説される手順に従って、光散乱を使用するサイズ排除クロマトグラフィによって、それぞれ決定されるように、3,000〜400,000g/モル、好ましくは、5,000〜200,000g/モル、より好ましくは、10,000〜120,000g/モル、もしくは10,000〜80,000g/モルの範囲での数平均分子量を有し、かつ/または2.5未満、好ましくは、2.0未満、もしくは1.5未満、より好ましくは、1.3未満、もしくは1.2以下もしくは1.1以下の多分散指数(PDI=M/M)を有する。
本発明によるコポリマーは、さらに、好ましくは、非イオン性である。本明細書において、「非イオン性」という用語は、コポリマーが、例えば、イオン基または1つ以上の共有結合のヘテロリシス解離によって、またはプロトンもしくはルイス酸の結合によって、水性媒体中にイオンを容易に形成する基を含まないことを意味する。イオン基、例えばカルボキシレート基及び酸、または塩基性基の存在は、典型的に、コポリマーの溶解度及び可溶化特性を著しくpH依存性にする。一方、非イオン性コポリマーは、溶解度及び可溶化特性を有利に呈すると考えられ、それは、pH値にあまり依存せず、このためより幅広いpH範囲での使用を可能にし得る。
本発明によるコポリマーは、一般に、熱応答性特性を呈する。典型的に、それらは、水または水性媒体において、1つ以上の第1のモノマーのみを重合することによって得られた対応するポリマーのLCSTよりも大きく、例えば、少なくとも2K超、または少なくとも5K超、または少なくとも10K、または少なくとも15K、または少なくとも25K超のLCSTを呈する。実施例において概説される温度依存性光学測定による、曇り点の決定または光透過性における突然の変化によって、脱イオン水またはリン酸緩衝生理食塩水中のコポリマーの1重量%溶液について測定されたLCSTは、例えば、NIPAMから誘導される熱応答性構造単位を含む2元コポリマーについて、30℃以上、35℃以上、または40℃以上、または50℃以上とすることができる。
本発明によるコポリマーは、例えば、このように従来技術から既知の確立された付加重合法による費用効率の良い様式において、前述のモノマーから調製することができる。例えば、G.Odian,principles of polymerization,3rd ed.,John Wiley & Sonsを参照のこと。鎖成長は、ラジカルもしくはイオン活性種、または金属有機触媒を用いて形成された中間体を介して進行してもよい。特に、本発明によるコポリマーは、ラジカル重合によって形成することができる。本明細書において、ラジカル種は、モノマーを含む反応混合物において生成され、段階的にモノマー単位を加える。鎖生長は、例えば、ラジカル移動もしくは組み換え反応によって末端が生じる、またはモノマーが消費されるまで進行する。開始ラジカルは、例えば、反応混合物を加熱すること、それを電磁放射線に曝露すること、及び/または粒子、例えば、マイクロ波、赤外線、UV照射線、X−線、もしくはγ−線、電子、プラズマもしくはα−照射線を電離することによって、ならびに/または1つ以上の開始剤を反応混合物中に含むことによって生成することができる。好適な開始剤の非限定的な例は、例えば、ペルオキシド、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ペルオキソ二硫酸塩(例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム)、ヒドロペルオキシド、例えば、クメンヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。任意選択で、反応混合物は、分子量及びその分布を制御するための1つ以上の連鎖移動剤(CTA)をさらに含んでもよい。本発明によるコポリマーを調製するのに有用であり得る連鎖移動剤の非限定的な例は、チオール、例えば、ドデシルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、tert−ノニルメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)または4,4´−チオベンゼンチオール、ハロカーボン、例えば、ブロムトリクロルメタン及びテトラクロロメタン、ならびにチオカルボニルチオ化合物、例えば、ジチオエステル、トリチオカーボネート、チオカルバメート、及びキサンテートである。重合は、溶液中、分散体中、または、乳化重合として、大量に行うことができる。構成する構造単位のモル比率に関するコポリマーの化学組成及びポリマー鎖に沿ったそれらの分布は、反応混合物において調製するために使用されるモノマーの相対量を調整することによって、制御することができる。本明細書において、モノマーは、1つのバッチとして反応混合物に提供されてもよく、または漸増的にもしくは連続的に供給されてもよい。ランダムコポリマーは、例えば、モノマーがバッチから重合されるときに得られ得る。ブロックコポリマーは、例えば、異なるモノマーの段階的な後続の重合によって得られ得る。例えば、ジブロックコポリマーは、第1のステップにおいて、上記の種類の1つ以上の第1のモノマーを重合させて、これにより複数の熱応答性構造単位を含むマクロラジカルを得ること、及び第2のステップにおいて、これらのマクロラジカルを、親水性構造単位を産生する1つ以上のエチレン系不飽和モノマーとさらに重合させることによって調製してもよい。分子量及びモル組成が制御されたNIPAM及びDMAのランダム及びブロックコポリマーの調製は、例えば、K.Li及びY.Cao,Soft Materials,8(3),226−238,(2010)によって記載されている。
上記の種類のコポリマーは、無毒性及び生理学的に適合性であると考えられる。それらは、水性媒体中の難水溶性物質の、固体混合物からの急速かつ制御された溶解及び効果的な可溶化において非常に効率的であることが見出された。
「難水溶性物質」という用語とは、本発明の文脈において、それ自体で(すなわち、いかなる添加剤も含まない)、23℃の温度及び1atmの大気圧でpH7.0の脱イオン水において、200mg/L以下、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは、50mg/L以下、または20mg/L以下、または10mg/L以下、または1mg/L以下の溶解度を有する物質を指す。典型的に、本発明による難水溶性物質は、生物活性を有する有機親油性物質である。したがって、難水溶性物質は、特に、活性医薬成分(API)、活性パーソナルケア剤、植物保護剤、殺虫剤、及び食品からなる群から選択することができる。
本発明は、難水溶性物質としての活性医薬成分に特に有用であると考えられる。活性医薬成分は、一般に、ヒトまたは動物の体の治療的、診断的、または予防的医療処置における用途のための任意の物質とすることができる。APIは、例えば、降圧薬、抗不安剤、反凝固剤、抗けいれん薬、血中グルコース低下剤、鬱血除去薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、ベータ遮断薬、消炎薬、抗精神病剤、向知性薬、コレステロール低下剤、反肥満剤、自己免疫不全剤、反不能剤、抗菌剤、抗かび剤、催眠剤、反パーキンソニズム剤、反アルツハイマー疾患剤、抗うつ薬、抗ウイルス剤、抗アテローム硬化性剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、ホルモン、ビタミン、カロチノイド、防腐剤、細胞分裂停止剤、麻酔薬、神経遮断薬、抗真菌薬、鎮痙剤、免疫グロブリン、血清、甲状腺治療剤、抗多動剤、眼科用薬剤、神経障害剤、代謝調節剤、筋弛緩薬、抗脂血薬、肝臓治療剤、冠状動脈剤、強心薬、調節性ペプチド及び酵素、ならびにそれらの阻害剤、鎮静剤薬、婦人科用薬剤、痛風治療薬、線維素溶解薬、血行促進剤、利尿薬、診断剤、コルチコイド、胆管治療薬、抗喘息薬、抗癲癇薬、解毒薬、反糖尿病剤、抗アレルギー薬、鎮痛薬、興奮薬、角質溶解剤、解熱剤、及び血管拡張剤の群から選択されてもよいが、それらに限定されることはない。本発明は、効果的な使用をするために、API自体が水性媒体においてあまりに低い溶解度を有するときに、特に有用である。これらの物質は、典型的に、不十分なバイオアベラビリティである問題抱えているため、これは、一般にBiopharmaceutics Classificationシステム(BCS)によるクラスII薬物についての場合である。
したがって、上記のような本発明によるコポリマーまたはそれらの2つ以上の組み合わせを固体混合物中の成分として使用し、水性媒体においてAPIなどの難水溶性物質の溶解度及び/または溶解速度を増加させることができる。本発明の概念の範囲内の水性媒体は、例えば、水自体及び任意の種類の水溶液、特に、任意の生理学的に関連した水溶液とすることができる。生理学的に関連した水溶液は、例えば、ヒト、動物、及び植物の天然水性体液、ならびにこのような体液を模倣する、またはある特定の生理学的状態において水性媒体を代表する人工的に調製された水溶液である。生理学的に関連した水溶液の例は、例えば、唾液、血液、胃液、腸液、模擬胃液、絶食状態模擬腸液、供給状態模擬腸液及び他の水性緩衝液、ならびに/または生理学的条件をさらに模擬する酵素溶液である。
本発明によれば、「溶解度」という用語は、一般に、水性媒体中にコロイド状凝集体の形態で分散される物質の量だけではなく、分子レベルでも溶解される物質の量を包含する。本明細書において使用する場合、「コロイド状凝集体」は、実質的な沈降力、例えば16,100×g(ここで、gは、地球の表面での1分間の重力加速度である)の遠心力に曝露されるときでも、安定して分散し、溶液から沈降しないエンティティを意味する。コロイド状凝集体は、典型的に、その最長寸法が、光学顕微鏡で検出可能なものよりも小さい、例えば、1〜200nm、好ましくは、1〜100nm、または1〜50nmの範囲の長さを有するサイズである。水性媒体中の難水溶性物質の溶解度は、例えば、実施例において詳細に記載されるように、高圧液体クロマトグラフィ分析によって、定量的に決定することができる。
本発明によるコポリマーは、本発明による好ましい種類のコポリマーに対して同等であると同時に、HPMCASなどの最先端の可溶化剤に関して、実質的に改善された様式において、難水溶性物質の溶解度を著しく増加させ得る。特定の利点は、それらが実質的な期間、例えば、6時間以上の間、得られた高度な過飽和状態を維持することができるということであり、すなわち、再沈殿を効果的に防止し得る。したがって、本発明によるコポリマーは、例えば、親油性物質が効果的に可溶化され得るコロイド状凝集体を形成することによって、親油性APIなどの難水溶性物質のバイオアベラビリティを付随して強化し得る。ビヒクルは、周囲の水性媒体中で安定であり、コポリマーを使用することなく、より有意に高い量で親油性物質をそれらが意図した効果を及ぼす、ヒトもしくは動物の体または植物内の部位に輸送することを可能にする。
本発明による組成物は、a)上記の種類の少なくとも1つのコポリマーと、b)上記のような少なくとも1つの難水溶性物質とを含む。少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)は、本明細書において、固体混合物の成分として存在する。典型的に、本発明による組成物は、それ自体で固形剤である。それでもなお、本発明は、半固体または液体もしくはエアゾールであり、前述の固体混合物を含む組成物も包含する。本発明の文脈において、物体の状態、例えば、「固体」、「半固体」、または「液体」は、別途指示されない場合、周囲条件(23℃、1atm)での物体の状態を指す。固体及び半固体材料は、一般に、制限されないときでも、その形状及び体積を維持することが可能である。固体材料は、典型的に、重力の影響下で変形しないまたは流れない。半固体は、重力などの外力が加えられるときに、材料が変形し、かつ/またはゆっくりと流れることを意味する。このため、固体及び半固体の状態は、後者が、いかなる外力が存在しなくても流動可能であり、拘束されないと形状を保持することができない材料と特徴付けられるという点で液体状態とは異なる。もちろん、粉末または顆粒材料などの別個の固体粒子の集団は、固体材料として分類されるが、拘束されないとき個々の粒子のみは、その形状及び体積を維持するが、集団全体ではないことは、当業者によって容易に理解される。
少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)は、それぞれ、それらの寸法、順序、形状、及び分布に関する種々の形態で固体混合物中に存在することができる。例えば、本発明による好適な固体混合物は、不均質な多相系から均質な単相系に及ぶ。不均質な多相系は、構成する構成要素が、それらの個々の物理的特性、例えば、相転移温度を保持する別個の相として存在する、混合物を指す。不均質な多相系の非限定的な例は、例えば、粒子材料のブレンドであり、連続固体マトリックスにおいて、1つ以上の粒子材料の連続固相または固体分散体に浸透する。固体混合物が、ブレンドまたは分散された物質b)及び/またはコポリマーa)を含む場合、これらは、それぞれ独立して、任意の可能な形状、例えば、球状、立方形、針状、または不規則な形状であり得、例えば、1nm〜5mm、例えば1nm〜200nm、または10nm〜500nm、または100nm〜1μm、または1μm〜300μm、または20μm〜500μm、または50μm〜1mm、または0.2〜1mmの範囲の平均粒度を有する寸法であり得る。本明細書において、平均粒度は、少なくとも50個の粒子に対する数平均値として、電子または光学顕微鏡検査によって得られる2次元画像から決定される粒子を完全に包含する最も小さい円の直径を指す。一方、均質な単相系は、構成する構成成分が、分子レベルで材料の全体にわたって均一に分布される混合物を意味し、混合物は、それ自身の特徴的な巨視的特性、例えば、混合物を調製するために使用される異なる構成成分のガラス転移温度とは異なり得る単一のガラス転移温度を呈する一様な単相として挙動する。言い換えれば、少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)は、本当の固溶体を形成することができる。本発明によれば、固体混合物は、典型的に、少なくとも1つのコポリマーa)において、少なくとも1つの難水溶性物質b)の固体分散体または固溶体である。
少なくとも1つの難水溶性物質は、アモルファス形態において、少なくとも部分的に本発明による組成物中に存在することができる。通常、難水溶性物質のアモルファス形態は、水性媒体において、結晶質形態よりも良好に本質的に溶解する。上記の種類のコポリマーが、難水溶性物質の結晶化を効率的に阻害することが見出された。本明細書において、結晶化は、固体状態において阻害することができ、すなわち、コポリマーは、結晶形態への熱力学的に望ましい移動に対して、固体混合物中の難水溶性物質のアモルファス形態を安定化させ得、かつ/または結晶化は、水溶液において阻害することができ、すなわち、コポリマーは、核形成及び再沈殿に対して可溶性難水溶性物質を安定化させ得る。好ましくは、少なくとも1つの難水溶性物質は、主に、それぞれの難水溶性物質の総質量の、例えば、50重量%超、もしくは80重量%超、もしくは90重量%超、もしくは95重量%超であり、または本発明による組成物中にアモルファス形態で完全に存在する。
上記の種類の少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)に加えて、本発明による組成物は、任意選択で、1つ以上の添加剤を含んでもよい。従来技術から既知である、それぞれの目的の用途、例えば医薬組成物のための組成物中で使用される任意の従来の添加剤は、それらが難水溶性物質の所望の作用を妨げず、コポリマーa)によって付与される上記の好ましい効果に悪影響を与えない限り、用いることができる。本発明による組成物は、例えば、充填剤、結合剤、pH調節剤、溶媒、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤、可塑剤、着色剤、香味剤、ミネラルアジュバント、緩和薬、滑沢剤、香料、上記の種類のコポリマーa)以外の賦形剤、及び前述のいずれかの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の添加剤を含んでもよい。好適な抗酸化剤は、アスコルビン酸、クエン酸、ビタミンE、及びこれらの化合物の誘導体、ならびにブチル化ヒドロキシアニソールによって例示することができる。可塑剤、例えば、鉱油、ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、トリエタノールアミン、ベンジルベンゾエート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、グリセリルモノステアレート、トリアセチン、及び/またはトリエチルシトレートを使用することができる。好適な溶媒は、例えば、水、アルコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びグリセリンである。適格なpH調節剤は、好ましくは、すべてのタイプの生理学的に許容できる酸及び/または塩基とすることができる。好適な界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、またはベタインタイプとすることができる。例えば、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールスルホネート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、脂肪族アルコールエーテルスルホネート、脂肪族アルコールアルコキシレート、脂肪族アルコールホスフェート、脂肪酸スルホネート、アルキルスルホネート、アルキルポリグリコシド、ソルビタンエステル、及びそれらのアルコキシル化誘導体、糖脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセロールエステル、脂肪酸部分グリセリド、脂肪酸カルボキシレート、脂肪族アルコールスクシネート、4級アンモニウム化合物、アルキルフェノールアルコキシレート、またはそれらの混合物を使用することができるが、それらに限定されることはない。例えば、稠度または外観を修正するために、本発明の医薬組成物に組み込まれ得る充填剤としては、例えば、顔料、チタニア、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、シリケート、アルモシリケート、粘土、タルク、ワックス、及びポリマー、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。本発明によるコポリマー以外の賦形剤は、例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipients,Third Edition,Edited by A.H.Kibbe,American Pharmaceutical Association and Pharmaceutical Press(2000)、WO00/76482、及びE.T.ColeらのAdvanced Drug Delivery Reviews60(2008),747−756における表3〜5において、賦形剤として言及される物質によって、例示することができる。
本発明による組成物は、典型的に、組成物の総重量に対して、1〜100重量%、好ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは、少なくとも50重量%、または少なくとも80重量%に対応する量で一緒に少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)を含む。その後、存在する場合、残部は、前述の任意添加剤で作製されてもよい。このため、添加剤は、組成物の総重量に対して、0〜99重量%、好ましくは、0〜90重量%、または0〜50重量%、または0〜20重量%に対応する総量で本発明による組成物中に含まれてもよい。少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)は、典型的に、100:1〜1:10、好ましくは20:1〜1:2の範囲、より好ましくは、10:1〜1:1の範囲の重量比において、本発明による組成物中に含まれる。典型的に、少なくとも1つのコポリマーa)は、組成物の総重量に対して、≧10重量%、好ましくは、≧20重量%、より好ましくは、≧30重量%、または≧50重量%の量で、例えば、10〜99重量%、または40〜70重量%の範囲で本発明による組成物中に存在する。少なくとも1つの難水溶性物質b)は、典型的に、組成物の総重量に対して、少なくとも1重量%の量、例えば、1〜60重量%、好ましくは、5〜40重量%、より好ましくは、10〜30重量%の範囲の量で本発明による組成物中に含まれる。特定の非限定的な例において、本発明の組成物は、組成物の総重量に対して、60〜95重量%の1つ以上のコポリマーa)、及び5〜40重量%の1つ以上の難水溶性物質b)を含む。
本発明による組成物の上述の好ましい溶解及び可溶化特性は、少なくとも1つの難水溶性物質を有する固体混合物において、上記の種類の少なくとも1つのコポリマーa)を含む、本発明の製剤の物理的及び化学的安定性を証明する典型的な貯蔵条件下で、かなりの期間にわたって保持される。
本発明による組成物は、このように従来技術から既知の従来の技法及び装置を使用して調製することができる。上記の種類の1つ以上のコポリマーa)と少なくとも1つの難水溶性物質b)との固体混合物は、例えば、構成要素の材料の粉末をブレンドすることによって得ることができる。微細固体分散体または固溶体の形態での固体混合物は、溶液ベース法、例えば、共沈及び噴霧乾燥によって得ることができる。噴霧乾燥の場合、少なくとも1つのコポリマーa)及び難水溶性物質b)を含む溶液または分散体が提供され、溶媒を蒸発させるために、加熱されたガス状乾燥媒体に噴霧され得る。あるいは、凍結乾燥を適用することもできる。噴霧乾燥プロセスの詳細は、例えば、R.H.Perry,D.W.Green,J.O.Maloney eds.,Perry’s Chemical Engineers’ Handbook,6th edition,McGraw−Hill Book Co.1984,pages20−57に見出すことができる。共沈は、例えば、相互溶媒中に少なくとも1つのコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)を溶解し、その後、非溶媒と混合することによって、または蒸発によって再び溶媒を除去することによって、行うことができる。別の可能性は、第1の溶媒中のコポリマー構成成分の第1の溶液及び第2の溶媒中の難水溶性物質の第2の溶液を提供することである。第1の溶媒及び第2の溶媒は、両方の構成成分の溶解度が第1及び第2の溶媒の混合物中で十分に低くなるように選択される。このため、コポリマーa)及び難水溶性物質b)は、両方の溶液を混合することによって、共沈殿することができる。さらに、少なくとも1つのコポリマーa)及び1つ以上の難水溶性物質b)は、溶融プロセスによって固体混合物に形成され得る。例えば、1つ以上の難水溶性物質は、従来のポリマー溶融加工技法を使用して、1つ以上のコポリマーa)の溶融物中に分散または溶解されてもよい。1つ以上のコポリマーa)及び少なくとも1つの難水溶性物質b)の得られる固体混合物は、任意選択で、さらなる成分と組み合わされ、本発明による組成物を形成することができる。例えば、固体混合物は、好適なキャリア媒体、例えば、固体もしくはゲルマトリックス、液体もしくはキャリアガスと組み合わせるもしくはそれらに組み込むことができ、かつ/または、上述のタイプのいずれかの添加剤は、該固体混合物と組み合わせることができる。存在する場合、任意添加剤も、例えば、前駆体溶液もしくは分散体または溶融用供給材料に、それらを含むことによって、またはコポリマー構成成分及び難水溶性物質の混合物が形成される段階中に、それらを添加することによって、固体混合物の調製中の任意の好適な段階で固体混合物に組み込まれてもよい。
これらの調製プロセスのうちのいずれか1つによって調製される本発明による組成物は、典型的に、例えば、粉末または固化した押出品として固体形態で得られ、このため、本発明による組成物を含む固体剤形を提供するために特に簡便に使用され得る。特に、医薬用途では、簡便な取り扱い及び投与が可能になる剤形において活性医薬成分(API)を提供することが重要である。固体剤形は、例えば、粉末、トローチ、坐薬、錠剤、または充填カプセルとすることができる。
経口投与の場合、錠剤及びカプセルが大多数の患者のなかの一般的に良好な承認を享受し、このため、好ましくは、API送達系として使用される。本発明の組成物を含む錠剤は、例えば、原料粉末の従来のプレス加工、または組成物の溶融押出、ならびに所望の錠剤サイズ及び形状のダイを使用する再固化によって容易に調製することができる。本発明による組成物が充填されたカプセルは、従来技術、例えば、E.T.Cole,Advanced Drug Delivery Reviews 60(2008),747−756からそれ自体が既知である、加工技法及び装置を使用して調製されてもよい。
本発明によるコポリマーを有する固体混合物からのそれ自体、難水溶性である、APIの急速な溶解及び効率的な可溶化のために、インビボで大部分の医療用に必要とされる有効量は、従来のサイズの錠剤またはカプセルの単一ユニットによって、投与から短時間以内に提供することができる。
本発明は、以下の実施例によってより詳細に例証されるが、本発明がこれらの実施例に限定されることを意味しない。
実施例1:N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)のコポリマーの調製
NIPAMから、及びDMAから誘導される構造単位のモル比率に関して異なる数平均分子量及び異なる組成のN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)のランダムコポリマーを、それぞれ、連鎖移動剤(CTA)として、4−シアノ−4−(プロピルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸(CPP)もしくは4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸(CDP)のいずれかを使用する制御されたラジカル重合によって、またはいずれのCTAも使用しないフリーラジカル重合によって調製した。
抽出後の乾燥のためにMgSOの代わりにNaSOが使用されたことを除いて、Macromolecules 2008,41,8429−8435に記載されている手順に従って、CPPを合成した。NIPAM(≧99%)、DMA(99%)、CDP(97%)、及び開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、98%)は、Aldrichから得られ、さらに精製することなく使用した。アニソール(≧99%)は、Flukaから得られ、さらに精製することなく使用した。ジメチルスルホキシド(DMSO、99.9%)をFisherから受け入れたままの状態で使用した。1,4−ジオキサン(99+%、5〜30ppmのブチル化ヒドロキシトルエンによって安定化されたエキストラピュア)をAcros Organicsから受け入れたままの状態で使用した。
実施例1−1〜1−16について、異なる組成を有するNIPAM及びDMAのコポリマーを、作動パラメータを示すLibrary Studioソフトウェア及び反応器を作動させるAutomation Studioソフトウェアを用いて半連続並列圧力反応器(FreeslateからのScPPR)中で調製した。合成ごとに、表1に列挙したNIPAM、AIBN、CDP、アニソール、及びDMSOのそれぞれの量を10mLの反応管にジオキサン中溶液として導入した。沈殿前の粗反応混合物についてモノマー転化を算出するための内部標準として使用し、全供給溶液の、40重量%を構成するNIPAM及び4重量%を構成するアニソールをともにジオキサン中に導入した。同様に、DMA及びDMSO(内部標準)を全供給溶液の、40重量%を構成するDMA及び4重量%を構成するDMSOとともにジオキサン中に一緒に導入した。ジオキサン中0.398重量%溶液としてAIBNを導入した。ジオキサン中2重量%溶液としてCDPを導入した。追加のジオキサンを各バイアルに添加し、表1に列挙された総量を得た。45分間、窒素を反応混合物に通してバブリングさせた。その後、恒温スチール反応器ホルダにおいて反応バイアルを70℃に加熱し、7時間、この温度で保持した。続いて、反応混合物を0℃に冷却して、バイアルを空気に開放した。THF300mL中の沈殿によって、各形成されたポリマーを反応混合物から単離した。このように得られた沈殿した固体生成物をメタノール5mL中に再溶解させ、前述のように2回THF中に沈殿させ、真空下で濾過した。固体生成物をジエチルエーテル10〜15mLを用いて洗浄し、続いて、約10mTorrの真空下で少なくとも12時間乾燥して、それぞれ精製されたNIPAM−co−DMAポリマーを得た。
実施例1−17〜1−20について、NIPAM、DMA、及びCPPを表1に示されたそれぞれの量で、一つ口ナシ形フラスコに装入した。14.5mLの1,4−ジオキサンをフラスコに添加し、均質な溶液が形成されるまで、反応混合物を超音波処理した。続いて、50mgのAIBNを1mLの1,4−ジオキサン中に溶解することによって作製された原液の対応する量を添加することによって、表1に列挙されたAIBNのそれぞれの量を反応混合物に添加した。45分間、窒素を溶液に通してバブリングさせた後、反応混合物を恒温油浴によって70℃の温度に加熱し、この温度で6時間撹拌した。その後、ジエチルエーテル約300mL中に沈殿させることによって、得られたコポリマーを反応混合物から沈殿させた。得られた沈殿物をテトラヒドロフラン(THF)中にそれを溶解させ、ジエチルエーテル約300mL中に再沈殿させることによって精製し、精製されたNIPAM−co−DMAポリマーを得た。
フリーラジカル重合を実施し、制御されたラジカル重合に製造された実施例と比較した実施例1−24について、実施例1−17〜1−20のために使用された手順と同様の手順を以下の修正によって進めた。7.2mLのジオキサンを使用し、70℃で7時間反応物を撹拌した。
比較する理由のために、NIPAM及びDMAの混合物の代わりにモノマーとしてNIPAMのみまたはDMAのみのいずれかを使用する、実施例1−17〜1−20と同様にNIPAM及びDMAのホモポリマーを調製した(表1の実施例1−22及び1−23を参照)。
最初に、マクロ開始剤のホモポリマーPNIPAM−CPPを調製し、その後DMAを重合させることによって、実施例1−21についてNIPAM及びDMAのブロックコポリマーを以下の通りに合成した。50mlの円形三角フラスコにNIPAM(5g、44.9mmol)、CPP(357mg、0.88mmol)、AIBN(7.2mg、0.044mmol)、及び1,4−ジオキサン(22mL)を装入した。窒素をバブリングすることによって、反応混合物を45分間脱気した。70℃で6時間、反応フラスコを予熱された油浴に供した。ペンタン(400mL)への沈殿、THF中のポリマーの再溶解、及びペンタン(400mL)中の2回目の沈殿、次いで、水に対する透析によって、PNIPAM−CPPを単離した。凍結乾燥による水の除去によって最終的な固体生成物を単離した。PNIPAM−CPPの算出されたMは、SEC(THF)により6kDaであった。ブロックコポリマーを合成するために、フラスコにPNIPAM−CPP(1g、0.167mmol)、AIBN(5.5mg、0.033mmol)、DMA(3.31g、33mmol)、及び1,4−ジオキサン(16.7mL)を装入した。窒素をバブリングすることによって、反応混合物を45分間脱気した。70℃で5時間、反応フラスコを予熱された油浴に供した。1000Daのカットオフ膜チューブにおいて反応混合物を水に対して透析させた。凍結乾燥による水の除去によって最終的な固体生成物を単離した。PNIPAM−b−PDMAの算出されたMは、SEC(THF)により25.6kDaであった。
実施例2:N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)及び4−ビニルピロリドン(VP)のランダムコポリマーの調製
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)及び4−ビニルピロリドン(VP)の一連のコポリマーを以下の通りに得た:合成ごとに、NIPAM(Aldrich、>99%)及びVP(Aldrich、≧99.9%、真空下で蒸留によって精製し、窒素下−20℃で保存した)を10mgのAIBN(Aldrich、98%)及び15mLのジメチルホルムアミド(DMF、Aldrich、≧99.8%)とともに表2に示されるそれぞれの量で丸底フラスコに導入した。反応混合物を少なくとも30分間窒素ガスでフラッシュした。続いて、撹拌された反応混合物を恒温油浴によって70℃に加熱し、5時間この温度で維持した。その後、反応混合物を0℃に冷却して、フラスコを空気に開放した。ジエチルエーテル約500mLを用いて沈殿させ、その後、ブフナー漏斗で真空濾過することによって、得られたコポリマーを反応混合物から単離した。得られた固体生成物をメタノール中で再溶解し、沈殿させ、前述のように2回真空下で濾過した。このように得られた固体生成物をジエチルエーテル約300mLで3回洗浄し、残留モノマー及びDMFを除去し、40℃で少なくとも24時間真空下で乾燥して、それぞれのNIPAM−co−VPポリマーを得た。
実施例3:NIPAM及びアクリルアミド(AA)のランダムコポリマーの調製
異なる組成を有するN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM、Aldrich、≧99%)及びアクリルアミド(AA、Aldrich、≧98%)のいくつかのコポリマーを実施例1−1〜1−16と同様に半連続並行圧力反応器(FreeslateからのScPPR)において調製した。合成ごとに、表3に列挙されたNIPAM、AIBN(Sigma、98%)、CDP、アニソール、及びDMSOを7:3v:vのジメチルホルムアミド(DMF、Fisher Scientific、99.9%):脱イオン水の溶媒混合物中溶液として、10mLの反応管に導入した。沈殿前の粗反応混合物についてモノマー転化を算出するための内部標準として使用し、全供給溶液の40重量%を構成するNIPAM及び全供給溶液の2重量%を構成するアニソールをDMF:水の7:3(v:v)混合物中にともに導入した。AA及びDMSOを全供給溶液の40重量%を構成するAA及び全供給溶液の2重量%を構成するDMSOとともに7:3(v:v)のDMF:水の第2の混合物中に一緒に導入した。7:3(v:v)DMF:水中0.398重量%溶液としてAIBNを導入した。DMF中2重量%溶液としてCDPを導入した。追加の水及びDMF:水(7:3v:v)混合物を添加し、各構成成分の全質量を表3に示される値にした。THF300mL中の沈殿によって、各形成されたポリマーを反応混合物から単離した。このように得られた沈殿した固体生成物をメタノール5mL中に再溶解させ、前述のように2回THF中に沈殿させ、真空下で濾過した。固体生成物をジエチルエーテル10〜15mlのmLで洗浄し、続いて、約10mTorrの真空下で少なくとも12時間乾燥して、それぞれ精製されたNIPAM−co−AAポリマーを得た。
実施例4:NIPAM及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のランダムコポリマーの調製
アクリルアミドの代わりにHEMAを使用し、DMF−水混合液の代わりの溶媒としてジオキサン(Aldrich、99.8%)を使用し、かつTHFの代わりにジエチルエーテル(Aldrich、≧99%)を使用して沈殿を行ったという点で異なる実施例3の文脈において上記の手順に従って、異なる組成を有するN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM、Aldrich、≧99%)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、Aldrich、≧99%)のコポリマーを調製した。N−イソプロピルアクリルアミド及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの異なるコポリマーの調製において使用された物質の量を表4に要約する。
実施例5:N,N−ジエチルアクリルアミド(DEA)及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)のランダムコポリマーの調製
NIPAMの代わりにDEAを使用し、アクリルアミドの代わりにDMAを使用し、DMF−水混合液の代わりの溶媒としてジオキサン(Aldrich、99.8%)を使用し、かつTHFの代わりにヘキサン(Aldrich、95%)を使用して沈殿を行ったという点で異なる実施例3の文脈中の上記の手順に従って、異なる組成を有するN,N−ジメチルアクリルアミド(DEA、Aldrich、99%)及びN,N−ジメチルアクリルアミド)(DMA、Aldrich、99%)のコポリマーを調製した。N,N−ジエチルアクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドの異なるコポリマーの調製において使用された物質の量を表5に要約する。
調製されたポリマーの特性評価
核磁気共鳴(NMR)分光分析及びサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって、ならびに以下に記載する手順に従って、それらの熱応答性特性に関して、それぞれ、調製されたポリマーを調査し、それらの化学組成、分子量分布、及びLCSTについての情報を得た。
A)NMR分光分析による特性評価
CDCl(実施例1−1〜1−24及び実施例2−1〜2−5について)、重水素化メタノール(実施例3−1〜3−6及び実施例4−1〜4−2について)、またはDO(実施例5−1〜5−5について)において、それぞれ、信号対雑音比を減少させるために、スピンさせることなく10秒の緩和遅延及び少なくとも16個のトランジェントを使用して、22℃でz軸勾配を有する5mmのProdigy TCIクライオプローブを装備したBruker Avance III HD500分光計でH−NMRスペクトルを取得した。ポリ(DEA−co−DMA)について、重水素化クロロホルム中のさらなる13C−NMRスペクトルは、少なくとも672の走査、40秒の緩和遅延、12.1ms90°パルス長、スペクトル中心:100ppm、スペクトル幅:250ppm(実施例5−1及び5−2について)を使用して、25℃で試料スピンすることなく、10mmのクライオプローブを備えたBruker AVANCE 400MHz分光計で、または少なくとも1600の走査、40秒の緩和遅延、12.1ms90°パルス長、スペクトル中心:100ppm、スペクトル幅:250ppm(実施例5−3、5−4、及び5−5について)を使用して、25℃で試料スピンすることなく、標準的な10mmのクライオプローブを有するBruker AVANCE III HD 600MHz分光計で、取得した。ピークは、77.2ppmでクロロホルムを参照した。
それぞれのコポリマーを調製するために使用される異なるモノマーから誘導される構造単位のモル含有量(ホモポリマー:ホモポリマーを調製するために使用されるモノマーから誘導される構造単位の100モル%)をある特定の構造要素に起因する積分ピーク面積の比から算出した。
a)ポリ(NIPAM−co−DMA):コポリマー骨格中のNIPAMまたはDMAから誘導される構造単位のモル分率をそれぞれH−NMRスペクトル中のDMA単位(6H)のN−(CH部分のプロトンに関連する約2.8〜3.3ppmの範囲で、ピークの積分面積に比例して、NIPAM単位(1H)のN−CH部分のプロトンに関連する約4.1ppmのピークの積分面積から算出した。例証のために、図1は、CDClにおける実施例1−6のコポリマーのH−NMRスペクトルを示す。示された積分ピーク面積は、約4.1ppmのピークの積分面積に関連して報告される(積分ピーク面積:1.00)。DMA単位のN−(CH部分のプロトンに起因する約2.8〜3.3ppmの範囲のピークの積分ピーク面積は、約2.86である。DMA構造単位当たりN−CHタイプの6つのプロトンが存在するために、このようなプロトン当たり0.48の集積面積値を算出することができる。このように両方のタイプの熟慮した構造単位についてプロトン当たりの相対的な積分ピーク面積から、コポリマー中のNIPAM誘導構造単位のモル分率は、1.00/(1.00+0.48)=68モル%として推論することができ、コポリマー中のDMA誘導構造のモル比率は、0.48/(1.00+0.48)=32モル%として生じる。
b)ポリ(NIPAM−co−VP):ポリマー骨格においてNIPAMまたはVPから誘導される構造単位のモル分率をそれぞれポリ(NIPAM−co−DMA)について上記の手順に類似したH−NMRスペクトルにおいて約3.2ppm(VPのC=CH部分のプロトン、2H)のピークの積分面積に比例して、約1.1ppm(NIPAM単位のC−(CH部分のプロトン、6H)のピークの積分面積から算出した。
c)ポリ(NIPAM−co−HEMA):ポリマー骨格においてNIPAMまたはHEMAから誘導される構造単位のモル分率をそれぞれ、約0.6〜2.4ppmの範囲でポリマー骨格及びメチル基に関連したすべてのピークの積分面積に関して、約3.8ppm(HEMA単位のCHOH部分の炭素結合プロトン、2H)のピークの積分面積から算出した。例証のために、図2は、重水素化メタノールにおける実施例4−1のコポリマーのH−NMRスペクトルを示す。示された積分ピーク面積は、約3.8ppmのピークの積分面積に関連して報告される(積分ピーク面積:1.0)。0.6〜2.4ppmの領域のピークは、HEMAの−CH−C(CH)−骨格部分のプロトン及び−CH−CH−骨格部分のプロトン、ならびにNIPAMの2つのメチル基のプロトンに起因している。それ故、0.6〜2.4ppmの領域の積分ピーク面積は、HEMAの5つのプロトン及びNIPAMの9つのプロトンに由来する。3.8ppmのピークから、0.5の値は、HEMA構造単位のプロトン当たりの積分ピーク面積のために生じる。このように、0.6〜2.4ppmの領域の積分ピーク面積の5×0.50=2.5の値は、HEMAの−CH−C(CH)−骨格部分の5つのプロトンに起因し得る。そのとき、11.6−2.50=9.1の残りの価は、NIPAM単位の上述の9つのプロトンに起因し得る。したがって、9.1/9=1.01の積分ピーク面積は、NIPAMユニットのプロトンごとに推論される。その結果、両方のタイプの熟慮した構造単位についてプロトン当たりの相対的な積分ピーク面積から、コポリマー中のNIPAM誘導構造単位のモル分率は、1.01/(0.50+1.01)=67モル%として推論することができ、コポリマー中のHEMA誘導構造単位のモル比率は、0.50/(0.50+1.01)=33モル%として生じる。
d)ポリ(NIPAM−co−AA):ポリマー骨格においてNIPAMまたはAAから誘導される構造単位のモル分率をそれぞれポリ(NIPAM−co−HEMA)について上記の手順と類似した約0.6〜2.5ppm(AA骨格による3H、NIPAM骨格による3H、及びNIPAMのメチル基による6H)の範囲でポリマー骨格及びメチル基に関連したすべてのピークの積分面積に比例して、NIPAM単位(1H)のN−CH部分のプロトンに起因する約4.0ppmのピークの積分面積から算出した。
e)ポリ(DEA−DMA):ポリ(DEA−co−DMA)についてモノマー組み込みの定量化のために、13Cピークのすべてからの積分を結果(12〜16ppm、DEAのCH、32〜39.5ppm、両方のモノマーのためのポリマー骨格、及びDMAのCH、39.5〜43.5ppm、DEAのNCH、174ppm、DEAのCO、175ppm、DMAのCO)を算出する際に使用した。12〜16ppm(2CH基)のピークの半分の積分、39.5〜43.5ppm(2CH基)のピークの半分の積分、及び174ppm(1CO基)の積分の平均を算出することによって、DEAの相対的なモル数を決定した。175ppm(1CO基)の積分の平均及び32〜39.5ppmのピークの積分の合計と上記のように算出されるDEAの相対的なモル数の2倍との差の1/4を算出することによって、DMAの相対的なモル数を決定した。両方のモノマーの相対的なモル数の合計によって、それぞれ、各モノマーの相対的なモル数を割ることによって、各モノマーのモル分率を算出した。
ポリマーの調製において使用された異なるモノマーから誘導される構成構造単位のモル分率についてのこのように得られた値が表1−5に含まれる。
B)サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)による特性評価
調製されたポリマーについての絶対数平均分子量(M)及び多分散指数(PDI)をサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって決定した。
実施例1−1〜1−24、実施例2−1〜2−5のポリマー、実施例4−1〜4−2のポリマー、及び実施例5−1〜5−5のポリマーの場合、100〜10,000,000g/モルの有効分子量を有する材料に好適なポアサイズを有する1つのWaters Styragelガードカラム及び3つのWaters Styragelカラム(HR6、HR4、及びHR1)を装備したAgilent 1260 Infinity高速液体クロマトグラフィシステムでSECを実施した。分析のために使用されるSECシグナルは、254nm(80Hzのデータ収集周波数)のモニタリング波長で設定されたAgilent 1260 Infinity Variable Wavelength Detector、663.6nm(10°〜160°の18の角度)のレーザ波長で作動されるWyatt Dawn Heleos II多角レーザ散乱(MALS)検出器、及び658nmの波長で作動されるWyatt Optilab T−rEX屈折率検出器を含んだ。それぞれのポリマーの約6〜7mgをTHF1mL中に溶解し、0.2μmのメンブランフィルタによって濾過した。カラムが、25℃の温度に維持された、クロマトグラフィシステムにこのように得られた検体を導入し、1.0mL/分の流速においてテトラヒドロフランで溶出した。ポリマーのそれぞれについてのdn/dc値をOptilab T−rEX屈折計を用いてオフラインで決定し、ASTRA(登録商標)6ソフトウェアを使用して絶対M及びPDIを算出するために使用した。
実施例3−1〜3−6のポリマーの場合、30℃の温度で保持されたEprogenカラム(CATSEC1000(7μm、50×4.6mm)、CATSEC100(5μm、250×4.6mm)、CATSEC300(5μm、250×4.6mm)、及びCATSEC1000(7μm、250×4.6mm))を装備したAgilent 1260高速液体クロマトグラフィシステムでSECを実施した。分析のために使用されたSECシグナルは、662nmの波長で作動されるWyatt Heleos II光散乱検出器及び658nmの波長で作動されるOptilab rEX屈折計を含んだ。それぞれのポリマーの約6〜7mgを酢酸水溶液(1.0%v/v)において1mLのNaSOの0.1M溶液中に溶解し、0.2μmのメンブランフィルタにより濾過した。このように得られた検体をクロマトグラフィシステムに導入し、0.4mL/分の流速で、酢酸水溶液(1%v/v)においてNaSOの0.1M溶液で溶出した。ポリマーのそれぞれについてのdn/dc値をOptilab rEX屈折計を用いてオフラインで決定し、ASTRA(登録商標)5ソフトウェアを使用して絶対Mを算出するために使用した。
得られたM及び多分散指数(PDI=M/M)についての値を表1−5に記載する。
C)LCSTの決定
調製されたポリマーのいくつかについて、コロイド状凝集体/ミセルの分子的に溶解したまたは光学的に透明な分散体(LCST未満)からより大きな粒子(LCST超)の不透明な分散体への可逆的転移が起こった温度としての下限臨界溶解温度(LCST)を以下のように決定する。
実施例1−17〜1−20、1−22、及び2−1から2−5のポリマーの場合、加熱システム及び温度制御装置を装備したCARY 100 Bio UV−Vis分光光度計において、LCST測定を実施した。水及び/またはpH6.5の絶食状態模擬腸液(FaSSIF)0.5重量%を有するリン酸緩衝生理食塩水中のそれぞれのポリマーの1.0重量%溶液を提供した。ミリポア水200mlにおいて、NaCl0.96g、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物(NaHPO・7HO)1.07g、及び一塩基性リン酸カリウム(KHPO)1.28gを溶解することによって、82mMのNaCl、20mMのNaHPO・7HO、47mMのKHPOのリン酸緩衝生理食塩水を調製した。PBSにおけるLCST測定ごとに、SIF粉末9mgを上記の調製された溶液(pH6.5)1.8mLに添加し、絶食状態模擬腸液0.5重量%を有するリン酸緩衝生理食塩水0.5重量%を得た。セル(Semi−Micro Rectangular Cells、経路長10mm)をそれぞれのポリマー溶液で充填し、分光光度計に挿入し、溶液の温度を0.2K/分の加熱速度で25℃から70℃に上昇させた。本明細書において、450nmの波長で溶液の透過率を測定した。透過率[%]対温度プロットにおいて測定されたデータに適合した最小自乗の変曲点として、LCSTを決定した。
実施例1−1〜1−16、3−1〜3−6、及び5−1〜5−5のポリマーの場合、LCSTは、脱イオン水及び/または0.5重量%の絶食模擬腸液粉末(Biorelevant.com、UK)を有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH6.5)中のそれぞれのポリマーの1.0重量%溶液について測定した。塩化ナトリウム(Fisher、≧99.0%)82mM、二塩基性リン酸ナトリウム七水和物(Fisher、98%)20mM、及び一塩基性リン酸カリウム(J.T.Baker、≧99.0%)47mMの溶液としてPBSを調製した。測定ごとに、それぞれのポリマー溶液の0.7mLのアリコートを1.0mLのガラスバイアルに移動させた。振動するための振動ステージ上の垂直パネルに取り付けられる51個の試料バイアルを有する加熱ステージ、QImaging QICAM Fast 1394カメラ、及びキャプチャした画像を分析するための内部開発ソフトウェアを備える、温度走査濁り度測定のための社内構築システムに、充填されたバイアルを設置した。平坦で一様な白色発光パネルをバイアル保持パネルの後ろに配置した。円形の光学窓内の対象領域は、バイアルごとにソフトウェアで規定した。溶液を0.5K/分の速度で、24℃〜97℃に加熱させた。本明細書において、カメラは、1分間隔で、画像を記録した。LCSTを曇り点温度として決定した、すなわち、平均光透過率が24℃で対象領域内の完全に溶解された溶液の光透過率の95%未満に低下した。
このように得られたLCST値は、表1、2、3、及び5に含まれる。
ポリマー溶解度試験
異なるpH価の水性媒体中の実施例1−12及び1−15のポリマーの溶解度を試験した。試験ごとに、バイアルにおいて、ポリマー及び溶媒の総量に対して、それぞれのポリマーを1重量%に対応する量でpH4.0、4.4、5.0、5.4、及び6.0のマッキルベン緩衝液に添加した。バイアルを30分間撹拌して、次いで、視覚の明快さについて調査した。各実施例は、視覚的に透明であり、pH条件のこの範囲内で完全な溶解度を示唆している。
過飽和試験
過飽和溶液から薬物の沈殿または結晶化を阻害するための調製されたポリマー能力(すなわち「過飽和維持」)を以下のハイスループットな方法によって調査した:調査されたポリマーごとに、溶液の総重量に対して、それぞれのポリマーの1重量%の濃度を有するリン酸緩衝生理食塩水(NaOHによってpH6.5に調節された、82mMの塩化ナトリウム、20mMの二塩基性リン酸ナトリウム、47mMの一塩基性リン酸カリウム、0.5重量%のFaSSIF)中のポリマーの水溶液を調製した。Evo 2000プラットフォームを使用して、アルミニウム8×12ウェル配列に配列された個々のバイアルに、これらの溶液をそれぞれ、912μLの量で、機械的に送達した。続いて、メタノール1リットル当たり薬物20gの濃度を有するメタノール中薬物(フェニトインまたはNilutamide)溶液48μLを各ポリマー溶液に送達した。薬物及びポリマーの各それぞれの実験の組み合わせが4通りで実行されるように、薬液を送達した。Evo 2000ピペットを使用することによって、混合物を撹拌し、3サイクルの吸引及び分注を実施した。37℃の恒温アルミニウム試料ホルダ内に試料を置いた。ポリマー溶液に対する薬物の添加後のある特定の時点(30分、90分、及び180分)で、試料を4分間2,080×gで遠心分離に供し、30μLのアリコートを試料ごとに上澄み液から取り、メタノール150μLで希釈した。取った各アリコートの可溶化薬物濃度を逆相高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)分析によって決定した。この目的のために、逆相XDB−C8カラム(Eclipse、4.6×150mm、5.0μm、Agilent製、USA)を装備したAgilent 1100HPLCシステムに、取った2μLのそれぞれ希釈されたアリコートを注入した。2.0mL/分の流速で、移動相としてアセトニトリル及び水の混合物(ニルタミドについては50:50v/v及びフェニトインについては40:60v:v)を使用して、30℃の温度でシステムを作動した。220nmの波長で、ダイオードアレイ検出器(1100DAD、Agilent製、USA)によって、カラムからの廃液を検出した。薬物濃度をそれぞれの薬物についての直線較正曲線を使用することによって、測定された溶出プロファイルから決定し、直線較正曲線は、既知濃度(約250、500、750、及び1,000mg/L)の4つの溶液の濃度とメタノールにおいて2μLの各薬物の注射後に積分されたそれぞれのピーク面積との関係を記載した直線の最小二乗適合を決定することによって、作成した。比較の理由のために、前述の試験手順をa)中にいかなるポリマーも溶解されていないリン酸緩衝生理食塩水、またはb)1重量%の商業用の可溶化剤(それぞれ、BASFからのSoluplus、もしくはThe Dow Chemical CompanyからのHPMCAS AFFINISOL(商標)912G)を有するリン酸緩衝生理食塩水に添加された薬物を用いて同様に実行した。4通りの実行の平均値として報告される測定された薬物濃度を要約し、以下で考察する。機械的に少量(すなわち、48μLの薬液)の送達と関連した軽微な変動により、1000μg/mLの目標最大薬物濃度をときどき超えたことに留意されたい。
表6から分かるように、調査されたNIPAM−co−DMAポリマーは、ベンチマーク可溶化剤として使用されたBASF Soluplus及びHPMCASと同様に可溶化フェニトインの量を著しく増加させる(フェニトイン自体と関連する2〜10以上の指数)。一連の実施例1−7〜1−16(同等のM:16,000±5,000でのモル組成の系統的変動)から、NIPAMから誘導される約60〜75モル%構造単位を含むコポリマーについて観察される最も効率的な可溶化を有するNIPAMから誘導される50モル%超の構造単位を含むそれらのコポリマーに対して特に効果的な可溶化(BASF SoluplusまたはHPMCASと比較して改善された可溶化)が実現されることが分かる(実施例1−2及び1−12〜1−14を参照)。NIPAM−co−DMAポリマーのこれらの可溶化能力は、実施例1−1〜1−6によって例証されるように、広範囲の分子量で入手可能であり、Mは、約66±2モル%NIPAM誘導構造単位を含むコポリマーに対して約10,000〜約70,000g/モル系統的に変動した。過飽和状態は、基本的には、180分の調査期間全体にわたってNIPAM−co−DMAポリマーによって維持され得る。
また、表7によって明示されるように、ニルタミドは、ベンチマークのBASF Soluplusによってより効率的に本発明によるNIPAM−co−DMAポリマーによって可溶化される。NIPAMから誘導される約60〜75モル%構造単位の上記の好ましい組成範囲において、完全に提供されたニルタミドの量(1,000mg/Lに対応する)は、PBS−FaSSIF緩衝溶液において可溶化され、過飽和状態は、180分の調査期間全体にわたって維持される。
また、NIPAM−co−AAポリマーは、フェニトインに対する可溶化効果を有する(表8を参照)。実施例3−1〜3−6の比較が可溶化を示すように、効率は、調査された組成範囲(27モル%〜73モル%のNIPAM誘導構造単位)においてNIPAMから誘導される構造単位のモル分率によって、系統的に増加する。少なくとも、実施例3−6のコポリマーは、BASF Soluplus及びHPMCASと比較して明確に優れた可溶化容量を実現する。この発見は、ニルタミドについても検証された(図示せず)。一般に、NIPAM−co−DMAポリマーは、経時的に可溶化フェニトインの濃度の若干の減少を呈する、対応するNIPAM−co−AAポリマーよりも過飽和状態を安定させる上でいくらか効果的なようである。
60〜75モル%のNIPAM誘導構造単位の上記の好ましい組成範囲においても、NIPAM−co−HEMA−ポリマーの可溶化能力は、調査された。表6と組み合わされた表9及び10から分かるように、NIPAM−co−HEMA−ポリマーは、PhenytoinについてだけでなくNilutamideについても試験されたベンチマーク可溶化剤よりも良好な可溶化を実現する。可溶化薬物の濃度は、180分の調査期間にわたって測定精度内で安定なままである。
DEA−co−DMAポリマーは、NIPAM−co−DMAポリマーと同様に挙動し、BASF Soluplus及びHPMCASに対して、50モル%以上のDEAから誘導される構造単位を含む組成物に対して、少なくとも同等またはさらに改善されたフェニトインの可溶化をもたらすことが見出された(参照表11)。これは、ニルタミドについても検証された(図示せず)。
固体ポリマー薬物混合物の調製
難水溶性薬物(プロブコールまたはフェニトイン)と、表1によるポリマーとの固体混合物、表2によるポリマーとの固体混合物、及びベンチマーク賦形剤としてThe Dow Chemical CompanyからのHPMCAS AFFINISOL(商標)912Gとの固体混合物をそれぞれBend Research Mini Spray Dryer(Bend,OR)を使用する噴霧乾燥によって調製した:いずれの場合も、溶液の総重量に対して、2重量%のポリマー及び薬物の総濃度を有するアセトンまたはアセトン−メタノール混合物(1:1、v/v)中のそれぞれのポリマー及び薬物の溶液は、固体構成成分を溶媒に添加し、均質溶液が形成されるまで、厳密な撹拌によって調製した。薬物の量は、それぞれ、例えば、ポリマー及び薬物の総重量の10重量%、25重量%、または50重量%に対応するように本明細書において選択した。例えば、薬物20mgを溶媒9.8g中のポリマー180mgと組み合わせて、10重量%の薬物充填を有する2重量%の総溶質含有量を有する溶液を調製した。0.65mL/分の供給速度を有する噴霧乾燥器に、調製された溶液を20mLのシリンジで注入した。窒素ガスを1分当たり12.8標準リットルの速度で、噴霧乾燥器に供給した。噴霧乾燥器の入口温度を90℃に維持し、出口温度は、制御せず、24〜29℃の範囲に及んだ。固体ポリマー薬物混合物を1.5”ワットマン濾紙上の出口で収集し、帯電防止バーの補助によってそこから除去し、少なくとも12時間真空下(10mTorr)で乾燥した。乾燥固体混合物をさらに使用するために22℃でデシケータ中に保存した。
固体ポリマー薬物混合物の特性評価
調製された固体ポリマー薬物混合物を粉末X線回折によって分析した。シンチレーションカウンタ検出器を装備した、2.2kWの密封されたCu(λ=1.54Å)源を有するBruker−AXS(Siemens)D5005回折計で粉末X線回折実験を実施した。試料(〜50mg)を標準的なガラスホルダに均一に詰めた。40kWの電圧及び45mAの電流で測定した。0.02のステップ幅及び0.5秒のスキャンステップ時間で5〜40°の2θ角度範囲において試料を分析した。混合物のXRDパターンは、ガラス状態の近距離秩序に関連する広範な「ハロ」シグナルを呈すに過ぎないが、結晶相について特徴的である鋭いピークはない。図3は、実施例1−17〜1−20のコポリマーの固体混合物の例示的なXRDパターンを示し、実施例1−22及び1−23のホモポリマーを比較する理由のために、それぞれの結晶性純薬と比較して、25重量%の薬物充填でフェニトイン(左)またはプロブコール(右)を有する。したがって、薬物は、アモルファス形態で調製された固体混合物中に存在する。調製されたNIPAM及び/またはDMA系ポリマーは、固体混合物における結晶化に対して、薬物のアモルファス形態を安定化させる。
さらに、TA Instruments Discovery DSCを使用して調製された固体ポリマー薬物混合物について、示差走査熱量測定を実施した。すべての試料(〜5から10mg)をT−ゼロアルミニウムパンにおいて密封圧着した。2.5K/分の加熱速度を適用する22℃〜180℃の温度範囲で測定を実行した。TA TRIOSソフトウェア(バージョン2.2)を使用して、熱転移を分析した。第1の加熱ステップの間、MDSCにおける反転サーモグラムを使用して各混合物のガラス転移温度を決定した。図4は、25重量%の薬物充填で、フェニトインを有する実施例1−17〜1−19のコポリマーの固体混合物について得られた例示的なDSC曲線を示す。DSC曲線はそれぞれ、ガラス転移を呈し、ガラス転移温度は、約66℃(実施例1−18)〜約76℃(実施例1−19)に対して約62℃(実施例1−17)からポリマー中のNIPAM誘導構造単位のモル含有量の増加とともに増加し、それは、コポリマー自体について観察される傾向と反対(NIPAMのモル含有量の増加とともにTの減少)である。フェニトインを有する混合物における観察された逆の挙動は、例えば、水素結合によってコポリマーのNIPAM誘導構造単位を有する薬物間に強い相互作用を示すと考えられている。混合物について単一のガラス転移温度の存在は、均質なポリマー薬物混合物、すなわちコポリマー中の薬物の固溶体の形成を示す。DSC曲線は、調製された混合物においてアモルファス形態での薬物の存在を立証する、約95℃〜130℃の結晶化ピークをさらに示す。10重量%の薬物充填レベルについての熱分析によって同様の結果を得た。
固体ポリマー薬物混合物の溶解特性
水性媒体において調製された固体ポリマー薬物混合物の溶解特性は、以下の通りに調査した。いずれの場合においても、それぞれの固体ポリマー薬物混合物の量を2.0mLのプラスチック円錐マイクロ遠心機管に、慎重に量り入れた。0.5重量%のFaSSIF粉末(Biorelevant、UK)を有し、37℃の温度で保持されたリン酸緩衝生理食塩水(次いで、NaOHによってpH6.5に調節された、200mLのミリポア水中のPBS、82mMのNaCl、20mMのNaHPO・7HO、0.96gのNaClを溶解することによって調製された47mMのKHPO、1.07gの二塩基性リン酸ナトリウム七水和物(NaHPO・7HO)、及び1.28gの一塩基性リン酸カリウム(KHPO))を管に量り入れた固体ポリマー薬物混合物の薬物量全体が溶解された場合、1,000mg/Lの最終薬物濃度を実現するための量でマイクロ遠心機管に添加した。固体ポリマー薬物混合物の量は、例えば、合計で約1.8mLの試料液の量を得るために選択した。例えば、25重量%の薬物充填を有する固体ポリマー薬物混合物の場合、薬物1.8mg及びポリマー5.4mgからなる固体ポリマー薬物混合物7.2mgをマイクロ遠心機管に慎重に量り入れ、そこに1.8mLのPBS−FaSSIF溶液を添加した。PBS−FaSSIF溶液の添加後、試料を30秒間ボルテックスし(SI−V524 Vertical Microtube Holderを装備するScientific Industries Vortex Genie 2)、37℃で恒温アルミニウム加熱ブロック(VWR Digital Heatblock)においてインキュベートした。ポリマー溶液に対してPBS−FaSSIF溶液の添加後のある特定の時点(4、10、20、40、90、180、及び360分)で、試料を1分間16,000×gで遠心分離(Eppendorf Centrifuge 5415RまたはBeckman Coulter Microfuge 16)に供し、50μLのアリコートを上澄み液から取り、250μLのメタノールで希釈した。アリコートをそれぞれ取った後に、再度、残留試料を30秒間ボルテックスし、次のアリコートが取られるようになるまで、37℃で保持した。取った各アリコートの可溶化薬物濃度を逆相高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)分析によって決定した。この目的のために、逆相EC−C18カラム(Poroshell 120、4.6×50mm、2.7μm、Agilent製、USA)を装備したHPLCシステムに、取った10μLのそれぞれ希釈されたアリコートを注入した。1.0mL/分の流速で、移動相としてアセトニトリル及び水の混合物(96:4v:v)を使用して、30℃の温度でシステムを作動した。241nmの波長で、UV検出器(1260のInfinity Multiple Wavelength Detector、Agilent製、USA)によって、カラムからの廃液を検出した。薬物濃度をそれぞれの薬物についての較正曲線を使用することによって、測定された溶出プロファイルから決定した。25重量%の薬物充填のフェニトインを有するいくつかのNIPAM−co−DMAポリマーの典型的な固体混合物について測定された溶解プロファイルを図5及び6に示す。加えて、図7は、25重量%の薬物充填でフェニトインを有する表2に従ってNIPAM−co−VPポリマーの固体混合物について測定された溶解プロファイルを示す。比較の理由のために、賦形剤としてHPMCASを有するそれぞれの混合物の溶解プロファイルは、これらのプロットに含まれる。可溶化有効性の測定として、0〜360分(AUC360分)の時間[分]プロットに対する濃度[mg/L]における曲線下面積は、台形法を使用して算出した。
図5は、NIPAM−co−DMAポリマーを含有する固体混合物−ポリマーとしてNIPAM(実施例1−22)またはHPMCASのホモポリマーを有する混合物と同様に−が急速に溶解し、フェニトイン自体の溶解の場合に到達される約50mg/Lよりも相当に高い、200mg/Lを十分に上回る、さらに部分的に500mg/Lを上回る最初の4分可溶化薬物濃度の範囲内で提供することを示す。その対照において、DMA(実施例1−23)のホモポリマーは、ニート薬物の溶解と比較して、わずかに増加した可溶化薬物濃度のみをもたらす。DMA(実施例1−17及び1−18)から誘導される構造単位を大部分で含むコポリマーの場合、可溶化薬物濃度は、以下においてHPMCAS試料について観察された挙動と同様に、200mg/L未満の値まで連続的に減少する、すなわち、初期の高度な過飽和状態は、長期間にわたって保持されない。一方、NIPAMから誘導される50モル%超の構造単位を含有するポリマーを含む固体混合物は、異なる溶解プロファイルを呈し、可溶化薬物濃度は、進行時間が十分に長い期間に対する限界値に接近するに伴いさらに増加する。本明細書において、NIPAMから誘導される約60〜75モル%の構造単位の組成範囲のNIPAM−co−DMAポリマー(実施例1−2、1−12、1−13、1−14、及び1−19)は、1.0×10mg・分/Lを上回るAUC360分値及び360分後に400mg/Lを上回る可溶化薬物濃度を実現する最も効率的な可溶化剤である(HPMCAS:6.2×10mg・分/LのAUC360分、c360分≒130mg/L)。コポリマー中のNIPAMから誘導される構造単位がより高い含有量の場合、実施例1−20の場合には、例えば、約290mg/L(t=360分)の可溶化薬物濃度のいくらか低い限界値を実現する。しかしながら、NIPAMホモポリマーは、関連した水性媒体中のLCSTは、それぞれの用途、例えば、ヒトまたは動物の体温において遭遇する温度未満または温度近傍であり得るので、約270mg/L(t=360分)に到達し、可溶化剤としてのその有用性は、多くの生物学的用途において限定されると考えられる。
図6は、それぞれ、NIPAMから誘導される約66モル%の構造単位を含む、実施例1−1(M:10,950g/モル)、1−2(M:20,000g/モル)、及び1−5(M:69,000g/モル)のコポリマーの溶解プロファイルから分かるように、広い分子量範囲において、好ましい組成範囲におけるフェニトインとNIPAM−co−DMAポリマーとの固体混合物の前述の効果的な溶解及び可溶化特性が得られることを例証する。
図7は、NIPAM−co−VPポリマーを有するフェニトインの固体混合物が、類似の固体フェニトイン−HPMCAS混合物と少なくとも同等の効果的な溶解及び可溶化特性を同様に可能にすることを示す。本明細書において、VPから誘導される構造単位を大部分で含む、NIPAM−co−VPポリマーを含有する混合物(実施例2−4及び2−5)は、賦形剤としてHPMCASを有する混合物と極めて同様の挙動をする、すなわち、最初の数分以内の500mg/L超の可溶化薬物の濃度を実現するイニシャルバースト溶解及びその後、360分後の250mg/L未満の値まで可溶化薬物濃度の安定した減少を呈する。NIPAM及びVPから誘導される構成構造単位とほぼ等しい割合(実施例2−3)、または適度な過剰のNIPAM誘導構造単位(実施例2−4)を有するNIPAM−co−VPポリマーを含むそれらの固体混合物は、それぞれ、最初の約60分以内の可溶化薬物濃度を約450mg/Lの最大値まで安定して増加させる異なる溶解挙動を示す。この過飽和状態は、実質的に少なくとも最大180分維持されるが、より長い時間で可溶化薬物濃度は減少する。それにもかかわらず、360分の調査期間全体にわたって、実施例2−3及び2−4に対応する混合物は、約1.4×10mg・分/LのAUC360分値を実現し、それらがHPMCASと比較して実質的により高い積分量の可溶化薬物を提供し得ることを証明する。NIPAM誘導構造単位の最も高い調査含有量(74モル%)を有する実施例2−1のNIPAM−co−VPポリマーを含有する混合物は、可溶化薬物の初めの再沈殿を示すことなく、さらに360分の観察期間全体にわたって約280mg/Lのほぼ一定の可溶化薬物濃度を示す。
上述の所見は、HPMCASのような確立された従来技術の可溶化剤と同等の固体混合物から急速及び制御様式において、難水溶性物質を溶解するだけでなく、水性媒体中の再沈殿に対してより効率的に可溶化物質も安定させて、かつ実質的により長い期間、高度な過飽和状態も維持するための本発明によるコポリマーの能力を例証する。

Claims (15)

  1. a)骨格を有する少なくとも1つの非架橋コポリマーであって、前記骨格が、
    i)N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーである、1つ以上の第1のモノマーから誘導される複数の熱応答性構造単位、及び
    ii)エチレン系不飽和モノマーである、1つ以上の第2のモノマーから誘導される複数の親水性構造単位を含む、非架橋コポリマーと、
    b)23℃の温度及び1atmの大気圧で、pH7.0の脱イオン水において、それ自体で、200mg/L以下の溶解度を有する少なくとも1つの難水溶性物質と、を含む固体混合物を含む、組成物。
  2. 前記コポリマーが、ランダムコポリマーであり、かつ/または直鎖状コポリマーであり、かつ/または非イオン性コポリマーである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記コポリマー中に含まれる前記熱応答性構造単位i)対前記親水性構造単位ii)のモル比が、1:1〜10:1、好ましくは、1.2:1〜5:1、より好ましくは、3:2〜4:1の範囲である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記コポリマーが、前記コポリマーを構成するモノマー誘導構造単位の総量に対して、50モル%超〜90モル%以下、好ましくは、55モル%〜80モル%、より好ましくは、60〜75モル%の前記熱応答性構造単位i)、及び/または10モル%以上〜50モル%未満、好ましくは、20モル%〜45モル%、より好ましくは、25モル%〜40モル%の前記親水性構造単位ii)を含み、好ましくは、前記熱応答性構造単位i)と前記親水性構造単位ii)との量が、合計して100モル%になる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記熱応答性構造単位i)が誘導される前記N−アルキルまたはN,N−ジアルキル置換(アルキル)アクリルアミドモノマーが、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタアクリルアミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、N−イソプロピルアクリルアミドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記親水性構造単位ii)が誘導される前記エチレン系不飽和モノマーが、ビニル置換複素環式化合物及び/または構造:
    もしくは
    を有する1つ以上の化合物から選択され、式中、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは独立して、水素及び1〜6個の炭素原子を有する一価の有機基から選択され、Rはまた、代替的に、グリコールからエステル化することによって誘導される部分であってもよく、好ましくは、R及びRは、水素であり、Rは、水素及びメチル基から選択され、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素及び1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記親水性構造単位ii)が誘導される前記エチレン系不飽和モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ビニルピロリドン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記コポリマーが、2元コポリマーであり、好ましくは、ポリ[(N−イソプロピルアクリルアミド)−co−(N,N−ジメチルアクリルアミド)]である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記コポリマーが、サイズ排除クロマトグラフィによってそれぞれ測定した場合、3,000〜400,000g/モルの範囲で数平均分子量を有し、かつ/または2.5未満の多分散指数を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも1つの難水溶性物質b)が、活性医薬成分、活性パーソナルケア剤、植物保護剤、殺虫剤、または食品から選択され、好ましくは、活性医薬成分である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記少なくとも1つの難水溶性物質b)が、少なくとも部分的に、好ましくは、大部分でまたは完全にアモルファス形態で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、前記組成物の総重量に対して、60〜95重量%の前記少なくとも1つのコポリマーa)及び5〜40重量%の前記少なくとも1つの難水溶性物質b)を含み、かつ/または前記固体混合物が、前記少なくとも1つのコポリマーa)中の前記少なくとも1つの難水溶性物質b)の固体分散体もしくは固溶体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 充填剤、結合剤、pH調節剤、溶媒、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤、可塑剤、着色剤、香味剤、ミネラルアジュバント、緩和薬、滑沢剤、香料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 好ましくは、錠剤またはカプセルである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物を含む、固体剤形。
  15. 水性媒体中の難水溶性物質の溶解度及び/もしくは溶解速度を増加させ、かつ/または難水溶性物質の結晶化を阻害し、かつ/または難水溶性物質のバイオアベラビリティを増加させるための固体混合物中の成分としての請求項1〜9のいずれか一項に記載のコポリマーの使用であって、前記難水溶性物質が、請求項1、10、もしくは11のいずれか一項に記載される、使用。
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