JP6439000B2 - 車椅子 - Google Patents
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Description
この種の車椅子は、便器を跨ぐ立体枠形に形成されて下端部に移動用車輪を備える椅子本体と、この椅子本体に対して便器より高い位置に設けられ着座者の臀部中央を少なくとも下方へ向けて開放する排便用開口が形成された座部と、この座部の排便用開口に嵌る蓋体とを有した構造とされている。蓋体は、排便用開口を閉鎖する位置とこの前方で排便用開口を開放する位置との前後間で移動自在に保持されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、座部の排便用開口を便器に対する適正位置へ簡単かつ安定して近づけることができるようにした車椅子を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る車椅子は、下枠と中枠と上枠とを有して便器を跨ぎ可能な立体枠形に形成されかつ前記下枠に移動用車輪を設けた椅子本体と、便器より高く前記中枠に設けられていて排便用開口が形成された座部とを備えた車椅子であって、前記下枠は前後左右の支脚と左右の前後支脚を連結する側部足元桟と前部の左右支脚を連結する前部足元桟とが設けられており、前記中枠は、下枠の前後左右の支脚に上から伸縮自在に挿入された前後左右の伸縮柱と、これらを互いに連結していて前記座部を取り付ける枠材とが設けられており、前記左右の前後支脚間であって、前記左右各側部足元桟と中枠の左右各側部との間に中枠を昇降する左右一対の昇降駆動装置が設けられていることを特徴とする。
前記排便用開口は座部の略中央から前端まで形成されており、前記中枠と座部との間には、座部の排便用開口に嵌る中央支持体と、この中央支持体の後部を支持しかつ排便用開口に嵌る着座支持位置から前方移動したときに中央支持体の後部を前部より低く下降させるガイドレールとが設けられたものとするのが好適である。
また、左右一対の昇降駆動装置のリニアシャフトによって座部を垂直に移動できる。
さらに、座部の排便用開口に嵌る中央支持体は、後部を前部より低く下降させることができる。
図1乃至図8は、本発明に係る車椅子1の一実施形態を示している。図4に示すように、この車椅子1は、椅子本体2と、この椅子本体2に設けられた座部3と、この座部3の中央部に組み込まれる中央支持体4と、この中央支持体4を座部3に対して移動自在な状態に保持させるガイドレール5(図1乃至図3参照)とを有している。
椅子本体2は、図4乃至図6に示すように、左右方向において便器T(図1参照)の幅を越える間隔を開けて設けられた複数本(図例では前後左右の計4本としている)の支脚8を有しており、これら支脚8により便器Tを跨ぐ立体枠形を形成するようになっている。なお、便器Tには、温水洗浄装置等の操作パネル(図示略)が片側に張り出して設けられていることが多いが、この種の便器Tに対しても跨ぎ込みを可能にするため、左右の支脚8間に設ける間隔には、便器幅と操作パネルとを含めた広い寸法を確保してある。
なお、本実施形態では、付き添いの介護者が車椅子1の移動を操るタイプとしてあるため、移動用車輪9には小形のキャスターを採用し、そのうち前部又は後部の二輪(4輪全部でもよい)が首振り自在なものとしてある。いくつかのキャスターにはブレーキ付きのものを採用するのが好ましい。但し、この車椅子1は電動車とすることも可能であり、この場合等には駆動輪とする車輪(主に後輪)に径大な車輪を採用するとよい。更に、この車椅子1は、着座者Mが自ら後輪を押し回しするタイプとしてもよく、この場合では後輪を更に径大化して、この後輪に操輪用の円形ハンドル(図示略)が同心円状に付設されたものを採用するとよい。
状態に移動させることができる。
また、前後の伸縮柱11間には、着座者Mが肘を置きやすくなる高さ位置同士を連結する脇部桟16aが設けられ、左後と右後の伸縮柱11間には脇部桟16aと略同じ高さ位置同士を連結する背部桟16bが設けられて、これら脇部桟16aと背部桟16bとによって、前記した下枠12とは前後逆向きの平面コ字状を呈する上枠16が形成されている。脇部桟16aは着座者Mの肘置きとして使用可能であり、この場合には上面に適宜クッション材やカバー材を被着させておくのが好適となる。また背部桟16bは、背当て部材17を支持させることにより着座者Mの背もたれとして使用可能である。
これに対し、前部の2本の伸縮柱11は、脇部桟16aを越えて上方へ突出するようになっており、この突出部分(脇部桟16aを越えた部分)で左右一対の握り棒22が形成されている。これら握り棒22の上端部には、車椅子1の前方に立つ介護者などが握りやすい高さで前部グリップ23が設けられている。なお、伸縮柱11と握り棒22とは、1本の棒材によって形成する(一体形成する)ことが限定されるものではなく、別部材により形成してもよい。また、伸縮柱11と握り棒22とが一軸配置されていることも限定されるものではなく、互いの軸心が離れるように配置してもよい。
下枠12の前部足元桟12bには、中枠15によって支持される座部3の正面位置となる配置で、踏み台31が設けられている。この踏み台31が設けられていることで、車椅子1に対する乗り降りはもとより、座部3に対して着座者Mの着席や起立が容易に行えるようになっている。
などでのコンパクト化を図れるものとなる。
本実施形態では、前記したように椅子本体2が幅広に形成されており、温水洗浄装置等の操作パネル(図示略)が片側に張り出した便器Tの跨ぎ込みを可能にしてある。そのため、このような椅子本体2の中枠15に対し、座部3は左右方向の一方(図例では左方)へ偏らせた配置として、座部3の右側に、操作パネルの上面を開放させて操作可能にするためのパネル用開口36が形成されるものとした。ただ、このようなパネル用開口36を形成させることは限定されるものではなく、遠隔操作型(壁面取付式)の操作パネルを備えた便器Tに専用させる場合は、省略することも可能である。
固定されている。
すなわち、中央支持体4は、左右の滑子部38により、ガイドレール5を介して座部3に取り付けられており、このガイドレール5に沿って滑子部38が摺動することに伴い、座部3に対する前後方向へ移動自在となっている。この移動により、中央支持体4は、座部3の排便用開口35に嵌る位置(以下、「着座支持位置」と言う)とこの着座支持位置より前方位置(以下、「開口位置」と言う)との前後間で移動することになる。
ガイドレール5には、滑子部38が摺動する範囲内にあって、その後部側に持ち上げ誘導部45が設けられ、この持ち上げ誘導部45よりも前方にスライド誘導部46が設けられ、このスライド誘導部46よりも前方に浮上誘導部47が設けられたものとなっている。スライド誘導部46と浮上誘導部47との前後間は、前方へゆくにしたがって昇り傾斜となる連絡部48によって連結されている。
持ち上げ誘導部45に滑子部38が配置された状態(中央支持体4が着座支持位置に配置された状態)は、例えば、中央支持体4の前端部に左右方向外方へ突出する張出軸50を設けておくと共に、椅子本体2又は座部3の前端には張出軸50を係止させるフック部51(図4参照)を設けておいて、これらを係合させることで行わせるようにすればよい。或いは、図示は省略するが、中央支持体4の後端部と座部3における排便用開口35の後部開口端との間で、マグネットキャッチャーの吸着等によって保持させるようにしてもよい。
ところで、中央支持体4は、水平軸40まわりで上下揺動させることができるので、開口位置へ引き出した後に起立させることができる。このとき、図8に示すように併せて椅子本体2の左右の握り棒22間で渡りバー25を架け渡し状態にすれば、中央支持体4の前端側を渡りバー25へ立て掛けるようにして、起立状態を保持させることができる。このようにすることで、周辺で付き添っている介護者から着座者Mの股間を視覚遮断できるものとなり、着座者Mには精神的な苦痛を強いるおそれがない。
図9に示すように、椅子本体2が備える左右一方の前後2本の伸縮柱11を上下に分離可能な構造にしておくことにより、車椅子1とベッドB等との間で着座者Mの乗り移りを更に一層、容易なものとさせることができる。この場合、昇降駆動装置30を作動させて座部3の上面をベッドB等の上面に合わせる(又は近付ける)ように高さ調節を行えばよい。なお、伸縮柱11は、分離させる方式とは別に、ヒンジなどで折り畳みできるような方式としてもよい。
例えば、椅子本体2においては、パイプ材などで形成した構造とする他、合成樹脂製とすることも可能である。従って、下枠12の側部足元桟12aや前部足元桟12b、中枠15、上枠16の脇部桟16aや背部桟16bは、必ずしも必要というわけではない。
滑子部38は、摺動方向に倣って回転する構造のベアリングにより形成したり、摩擦抵抗の小さな樹脂材などにより形成したりすることも可能である。
昇降駆動装置30の駆動電源は、椅子本体2にバッテリを搭載して給電させる方式でも、車椅子1の移動先で建物側からコンセントを介して給電させる方式でもよい。なお、昇降駆動装置30による座部3の高さ調節は、着座者M又は介護者のスイッチ操作によるものとしたり、段階的な小駆動(歩進)の繰り返しによるものとしたり、センサ検出によるものとしたりすればよい。
2 椅子本体
3 座部
4 中央支持体
4a 隆起部
5 ガイドレール
8 支脚
9 移動用車輪
11 伸縮柱
12 下枠
12a 側部足元桟
12b 前部足元桟
15 中枠
16 上枠
16a 脇部桟
16b 背部桟
17 背当て部材
20 後部ハンドル
21 後部グリップ
22 握り棒
23 前部グリップ
25 渡りバー
26 バー受け
27 バークリップ
30 昇降駆動装置
30a 駆動源
30b リニアシャフト
31 踏み台
32 車輪
33 揺動支持部
35 排便用開口
36 パネル用開口
38 滑子部
38a 貫通孔
39 滑子保持部
40 水平軸
45 持ち上げ誘導部
46 スライド誘導部
47 浮上誘導部
48 連絡部
50 張出軸
51 フック部51
B ベッド
M 着座者
R 前方リム部
T 便器
Claims (2)
- 下枠と中枠と上枠とを有して便器を跨ぎ可能な立体枠形に形成されかつ前記下枠に移動用車輪を設けた椅子本体と、便器より高く前記中枠に設けられていて排便用開口が形成された座部とを備えた車椅子であって、
前記下枠は前後左右の支脚と左右の前後支脚を連結する側部足元桟と前部の左右支脚を連結する前部足元桟とが設けられており、
前記中枠は、下枠の前後左右の支脚に上から伸縮自在に挿入された前後左右の伸縮柱と、これらを互いに連結していて前記座部を取り付ける枠材とが設けられており、
前記左右の前後支脚間であって、前記左右各側部足元桟と中枠の左右各側部との間に中枠を昇降する左右一対の昇降駆動装置が設けられており、
前記排便用開口は座部の略中央から前端まで形成されており、
前記中枠と座部との間には、座部の排便用開口に嵌る中央支持体と、この中央支持体の後部を支持しかつ排便用開口に嵌る着座支持位置から前方移動したときに中央支持体の後部を前部より低く下降させるガイドレールとが設けられていることを特徴とする車椅子。 - 前記左右各昇降駆動装置は、上部が中枠の側部に連結されていて垂直方向に直動するリニアシャフトと、側部足元桟に設けられていてリニアシャフトを上下移動させる電動駆動源とを有しており、前記電動駆動源はその長手方向が側部足元桟の上面で桟長手方向に沿わされていることを特徴とする請求項1に記載の車椅子。
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JP2017082949A JP6439000B2 (ja) | 2017-04-19 | 2017-04-19 | 車椅子 |
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Family Applications (1)
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-
2017
- 2017-04-19 JP JP2017082949A patent/JP6439000B2/ja not_active Expired - Fee Related
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