JP6438890B2 - 非白金族金属(pgm)触媒物質を製造する方法 - Google Patents

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Description

関連出願に対する相互参照
以下の出願は米国仮出願No.61/753,123(2013年1月16日出願)の利益を享受するものであり、その全体が参照としてここに組み込まれるものである。
燃料電池は、実行可能なエネルギー代替物としてますますの注目を浴びている。一般に、燃料電池は電気化学的エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、これは環境的にクリーンで効率的様式で行われる。燃料電池は小さな電子機器から車両用および家庭用に至るあらゆる物の潜在的エネルギー源として考えられている。様々の異なるエネルギー要求に対応させるため、今日、多くの異なるタイプの燃料電池が存在しており、それぞれが化学的動作、要求事項および用途において異なるものとなっている。
一例として、直接メタノール燃料電池(DMFCs)は電気触媒上でメタノールを酸化させ二酸化炭素を形成させることに依存している。水はアノードで消費され、カソードで生産させる。陽イオン(H+)はプロトン交換膜を横切ってカソードに向けて移送され、そこで酸素と反応し水が生成される。ついで電子が外部回路を介してアノードからカソードに向けて移送され、電力が外部電源に提供される。
他の例として、ポリマー電解質膜(PEM)燃料電池(プロトン交換膜燃料電池とも呼ばれる)は、純粋な水素(典型的には水素タンクから供給される)を燃料としている。水素流が膜-電極アセンブリー(MEA)のアノード側に送られ、そこで触媒作用によりプロトンとエレクトロンとに分割される。DMFCの場合と同様に、陽イオンがプロトン交換膜を横切ってカソードに向けて移送され、そこで酸素と反応し水が生成される。
現在、PEM燃料電池およびDMFC燃料電池の大規模商業化を制限している要因の一つは、貴金属に関連するコストである。DMFC燃料電池およびPEM燃料電池の双方とも電解触媒として通常、プラチナを使用している。プラチナのような貴金属は、カソードでの緩慢な酸素還元反応(ORR)に対し触媒作用を付与するのに必要とされている。このような制限を克服する主な方策の一つは、貴金属ベースの電解触媒におけるプラチナの利用度を増大させることである。他の実行可能な方策は、より安価であるが十分に活力のある触媒を大量に使用することである。非プラチナ系電解触媒の幾つかのクラスのものが、適当な酸素還元活性を有するものとして認識されており、商業的燃料電池用途における有能な電解触媒として考えられている。
一般に、公知の非プラチナ系電解触媒(non-platinum electrocatalysts)は大きい表面積カーボンブラック上に担持される。これは触媒層の分散、活性表面積および導電性を増大させるために行われる。その合成手法は通常、前駆物質分子(precursor molecules)を支持(担持)基板上に沈積させ、この支持前駆物質(supported precursor)を熱分解することからなる。
金属-窒素-炭素(M-N-C)触媒が、燃料電池膜電極アセンブリー(MEAs)、スタックおよび燃料電池システムにおける電気化学的酸素還元のための適用において非常に有望であることが見出されている。これら物質の重要な点は、金属粒子の存在、共役炭素-窒素-酸化物-金属ネットワークの存在および窒素結合炭素の存在が含まれていることである。その金属相には金属、酸化物、炭化物、窒化物およびこれらの状態の混合が含まれる。N/C/MネットワークおよびN/Cネットワークの化学状態および結合はパフォーマンスに影響を及ぼす。例えば、総括的窒素成分の増大はORRパフォーマンスを改善する。しかし、これらのシステムは依然として、幾つかの有意な欠点を蒙るものとなっている。すなわち、酸性環境における低い安定性、酸性およびアルカリ性環境における低い持続性、窒素前駆物質の高いコスト、およびプラチナとの比較における低いORR活性などである。酸環境における低い安定性の問題は、炭素-窒素ネットワークからの金属の浸出に関係する。酸性およびアルカリ性溶液における低い持続性は、金属および炭素-窒素ネットワークの双方にとって腐蝕的であるこれらの環境においてのHOのかなりの量の放出により説明される。上記の低い活性は恐らく低い金属充填によるものであり、その結果として、外部炭素源(Vulcan、KetjenBlackなどの高い表面積カーボン)の使用によるところのこのような触媒における低い濃度の活性サイトのためである。
総体として、本発明は新規な物質およびその製造方法を提供することである。
具体例として、本発明は新規な非白金族金属(PGM)触媒物質の製造方法を提供するものであって、この方法は、電気防食用(犠牲)支持体をベースとしたアプローチを利用し、更に、安価、かつ容易に入手可能な前駆物質(遷移金属の前駆物質を含めて)および燃料電池を含めて異なる用途に有用な窒素富化電荷移動塩を使用するものである。
他の具体例として、本発明は新規な非白金族金属物質の製造方法を提供するものであって、ここでは、機械的合成(mechanosynthesis)をベースとしたアプローチが利用される。
更なる具体例として、本発明は新規な非白金族金属物質の製造方法を提供するものであって、ここでは、機械的合成と電気防食用支持体との組合せをベースとしたアプローチが利用される。
更なる具体例として、本発明は上述のような方法で形成された新規な非白金族金属物質を提供するものである。
ここに記載された方法を使用して生産されたFe-NCB触媒のSEM画像を示す図。 図1のFe-NCB触媒のTEM画像を示す図。 図1および図2のFe-NCB触媒の高解像度TEM画像を示す図。 種々の熱処理プロトコルを用いたここに記載の方法を使用して生産された触媒のRRDEデータ(環状電流トップおよびディスク電流ボトム)を示す図。 DOE耐久性作業グループ(DWG)提案のプロトコルを用いて測定したここに記載の方法を使用して生産された触媒の耐久性のRDE測定値を示す図。 負荷サイクル(load-cycling)プロトコルを用いて測定したここに記載の方法を使用して生産された触媒の耐久性のRDE測定値を示す図。 H/O2操作、100%RHおよび1バールのO2分圧(1.5バールの全圧又は0.5バールの背圧)での推奨されたDOE条件もとで、Nafion含量を変化させた場合のここに記載の方法を使用して生産されたFe-NCB触媒のMEAパフォーマンスのデータを示す図。 H/O2操作、100%RHおよび1バールのO2分圧(1.5バールの全圧又は0.5バールの背圧)での推奨されたDOE条件もとで、Nafion含量を変化させた場合のここに記載の方法を使用して生産されたFe-NCB触媒の反応電流密度(kinetic current density)を示す図。 55%Nafion含量でここに記載の方法を使用して生産されたFe-NCB触媒を含有する3つの異なるMEAsの反応電流密度の再現性を証明する図。条件:Tcell=80℃、100%RH、0.5バールの背圧。 負荷サイクルプロトコルに基づき、45%Nafion含量でここに記載の方法を使用して生産されたFe-NCB非PGM触媒の持続性データを示す図。条件:Tcell=80℃、100%RH、0.5バールの背圧。
総括的に、本発明は新規な物質並びにこれを製造する方法を提供するものである。具体例として、本発明は新規な触媒、触媒物質およびそれを製造するための方法を提供するものである。M-N-Cベースの触媒物質を製造する多くの従来の方法、つまり、前駆物質を固体支持体上に分散させることを含む方法とは対照的に、本発明は電気防食用支持体ベースの方法、機械的合成ベースの方法およびこれら組合せの電気防食用支持体/機械的合成ベースの方法を提供するもので、これは担持/非担持触媒物質の製造及び/又は可溶性および非可溶性物質の双方から触媒物質を合成することを可能にするものである。更に、ここに記載された方法は明確に画成された形態、特に明確に画成された多孔質形態を有する触媒物質を製造するのに使用することができるため、ここに記載された触媒物質はサイズ、形および活性に関する特定の要求に合致するように調整することができる。
明確性のため、本明細書において、“触媒”の用語は、例えば燃料電池での使用に適し、触媒活性を有する最終製品を参照するものとして使用されている。この触媒は物質の複合タイプのものを含むものであってもよく、その物質のいくつかはそれ自体は触媒活性を有しないものであってもよい(例えば、支持物質)。“触媒物質”の用語は、それ自体が、若しくは触媒の一部として触媒活性を有する如何なる物質であってもよい。
より具体的な例として、本発明で開示されている触媒物質は電気防食用支持体ベースの方法を利用して合成することができる。本発明の目的において、“電気防食用(犠牲)支持体(sacrificial support)”の用語は、一時的構造的支持体を提供するため、合成プロセスの間に使用される物質を指すことを意図するものであるが、これは合成工程の間において殆んど、又は全体的に除去されるものである。この特定の方法の一例として、電気防食用支持体は溶出されたM-N-C前駆物質であり、ここでその金属は1又はそれ以上の遷移金属前駆物質(transition metal precursors)により提供され、窒素および炭素は1又はそれ以上の電荷移動塩前駆物質(charge transfer salt precursors)により提供される。幾つかの具体例として、上記遷移金属は鉄であってもよい。適当な鉄前駆物質としては、限定するものではないが、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、塩化鉄などが含まれる。更に、他の遷移金属、例えば、Ce, Cr, Cu, Mo, Ni, Ru, Ta, Ti, V, W, Zrを鉄の代わりに置換することができる。これは、これら金属の前駆物質を単に使用することによってなされる。遷移金属前駆物質の例としては、限定するものではないが、硝酸セリウム、硝酸クロム、硝酸銅、モリブデン酸アンモニウム、硝酸ニッケル、塩化ルテニウム、タンタルイソプロポキシド、チタニウムエトキシド、硫酸バナジウム、タングステン酸アンモニウム、硝酸ジルコニウムなどが含まれる。更に、幾つかの具体例において、ここに記載した方法論として、多重金属触媒を形成させるため、2又はそれ以上の金属の前駆物質を利用することができる。一般に、電荷移動塩は2又はそれ以上の分子又は原子の会合又は1つの大きな分子に異なる部分の会合として定義づけすることができる。この場合、電子電荷の一部が分子又は原子エンテティ間を移転する。幾つかの具体例において、電荷移動塩は窒素富化電荷移動塩、例えばナイカルバジンであってもよい。他の適当な電荷移動塩の例としては、非制限的に、テトラシアノキノジメタン、テトラチアフルバレンおよびマルチフェロイックが含まれる。
本発明の目的において、“前駆物質”の用語は、化学反応の生産物として形成される化合物に対し1又はそれ以上の原子を寄与することにより上記化学反応に参加する化合物を指すもの、若しくは上記生産物の形成に寄与する化合物を指すものとして使用されている。例えば、カーボンファイバーの成長につながるニッケルナノ粒子の場合のように、最終製品中に小さな孔又は空隙の形成するガス状製品を発生させる場合、若しくは最終製品の化学構造を形成するのを助ける場合である。
電気防食用支持体は単一の合成工程で合成し、溶出させるか、あるいは電気防食用支持体は最初に合成し(又は、他の方法で得て)、ついで電荷移動塩前駆物質および適当な/所望の遷移金属前駆物質を用いて溶出させることができることが理解されるであろう。ついで、この溶出された電気防食用支持体は不活性(N, Ar, Heなど)雰囲気又は反応性(NH、アセトニトリルなど)雰囲気中で熱処理(熱分解など)される。
合成方法の間に電気防食用支持体が高い温度に曝されるので、使用される特定の合成条件下で触媒物質に対し非反応的な電気防食用支持体を選択することが重要であることが勿論理解されるであろう。従って、シリカが電気防食用支持体のための好ましい物質であるが、その他の適当な物質も使用可能であることが理解されるであろう。他の適当な電気防食用支持体としては、非制限的に、ゼオライト、アルミナ、他の金属の酸化物、硫化物、窒化物、又はこれら混合物を挙げることができる。この支持体は、球状、粒子状、他の2ないし3次元の規則的、非規則的又は無定形のものであってもよい。これら球状、粒子状、その他の形状のものは単分散のもの、あるいは不規則のサイズのものであってもよい。これら球状、粒子状、その他の形状のものは多孔質のものであってもなくてもよく、その多孔質ものは同一又は異なるサイズ又は形状のものであってもよい。
シリカ粒子のサイズおよび形状は、電解触媒物質内の空隙(ボイド)の所望の形状およびサイズに従って選択することができることが理解されるであろう。従って、シリカ粒子の特定のサイズおよび形状を選択することにより、予想可能なサイズおよび形状のボイドを有する電解触媒を製造することができる。例えば、仮にシリカ粒子が球状であれば、電解触媒は複数の球状ボイドを有するものとなるであろう。当業者にとって、複数の球状プラチナ/ルテニウム合金からなる電解触媒Pt-Ruブラックはよく知られたものである。球状シリカを用い上述の方法により形成された電解触媒はPt-Ruブラックのネガ画像と似たものとなる。つまり、Pt-Ruブラック内にボイドとして存在していた空間は金属電解触媒で満たされ、Pt-Ruブラック内に金属電解触媒として存在していた空間はボイドである。
上述のように、幾つかの実施例として、任意の直径の球状シリカを使用することができる。好ましい実施例として、シリカ粒子は1nm〜100nmの特性長を有するものであり、より好ましい実施例として、100nm〜1000nmの特性長を有するシリカ粒子を使用することができる。他の好ましい実施例として、1mm〜10mmの特性長を有するシリカ粒子を使用することができる。更に、メソ多孔質シリカもテンプレート合成手法において使用することができる。この場合、テンプレート合成は物質のメソ多孔性を挿入することが含まれ、2nm〜20nmの範囲の多孔性を有する自己担持された電解触媒がもたらされる。1つの特定の実施例として、このシリカテンプレートはCab-O-Sil無定形ヒュームドシリカである(325m2/g)。上述のように、球状が電解触媒の形成のためのテンプレートとして役立つので、平均径が20nmのシリカ粒子が使用される実施例においては、電解触媒内の球状ボイドは典型的に約20nmの平均径を有するものとなる。当業者にとって、様々の種類のシリカ粒子が市販されていることは周知であり、そのようなシリカ粒子を使用することができる。其の他、所望の形状及び/又はサイズの粒子を得るため、シリカ粒子形成のための公知の方法を採用してもよい。
上述のように、電荷移動塩前駆物質および遷移金属前駆物質を電気防食用支持体上に堆積及び/又は含浸させたのち、その物質をN, Ar, Heなどの不活性雰囲気又はNH、アセトニトリルなどの反応性雰囲気中で熱処理する。不活性雰囲気は典型的には溶出された物質が窒素リッチである場合に使用される。なぜならば、不活性雰囲気によりFe(又は他の金属)N4センターを有する活性部位の数を高い値にすることが可能となるからである。しかし、溶出された物質が炭素リッチであり、窒素涸渇である場合は、窒素リッチの雰囲気を使用することが望ましいかも知れない。なぜならば、窒素リッチ雰囲気はFe(又は他の金属)含窒素(N4を含めて)センターを創出を可能にするからである。下記の実施例の項で詳述するように、幾つかの好ましい実施例において、本発明の物質は反応性雰囲気中で熱処理されるようになっている。
幾つかの実施例においては、特に単一工程の合成方法が採用される実施例においては、熱処理のための最適温度は500℃ないし1100℃である。或る実施例においては、熱処理は好ましくは800℃ないし1000℃の範囲、より好ましくは875℃ないし925℃の範囲で行われる。或る実施例においては、熱処理は900℃近辺であることが好ましい。なぜならば、我々の実験データではこの温度で1時間熱処理された物質は、或る特定物質について高い触媒活性を示す触媒を創出させたからである(下記実験例の項参照)。
熱処理のあと、その電気防食用支持体は取除かれると、多孔質の非担持触媒物質がもたらされる。或る場合には、この多孔質非担持触媒物質は、最初の前駆物質から得られる物質のみからなるものとなる。この電気防食用支持体の取り出しは任意の適当な手段により行うことができる。例えば、この電気防食用支持体は化学的又は熱的エッチングを介して取り出すことができる。適当なエッチャントの例としてはNaOH, KOH, HFなどが含まれる。或る実施例においては、KOHを用いることが好ましい。なぜならば、触媒内の全ての金属および金属酸化物を保蔵させるからであり、仮に核種が触媒活性を有する場合は、事実、KOHが触媒活性を増大させるからである。その他、或る実施例においては、HFが好ましいことがある。なぜならば、HFは非常に攻撃的であり、触媒表面から或る毒性の種を除くのに使用できるからである。従って、当業者であれば、形成される特定の触媒物質の特定の要求に勘案して所望のエッチャントを選択することできるであろう。
上述のように、ここに記載した触媒物質は二重加熱処理手法を用いて合成することもできる。この手法において、電荷移動塩前駆物質および遷移金属前駆物質が電気防食用支持体内に溶出され、ついで、未反応鉄で富化された中間物質を形成させるため熱分解などの第1の熱処理工程に付される。或る実施例においては、第1の熱処理工程ののち、上述のような化学エッチング又は他の適当な手段を用いて電気防食用支持体を除去することができる。この中間物質はついで第2の熱処理工程に付される。この第2の熱処理工程は例えば第2の熱分解であってもよく、これにより新たに形成された活性部位(サイト)がもたらされる。この第2の熱処理工程は、化学エッチング(もし、行われるとすると)の間に導入されたかもしれない揮発性種(HFなど)を除去するのに有用でもあり、望ましい表面欠陥を導入することを可能にし、電気防食用支持体により当初に形成された開放気孔構造を拡張させるものである。もしも、電気防食用支持体が第1の熱処理工程の後に除去されない場合は、上述のような方法を再び用いて第2の熱処理工程の後に除去することができる。
二重加熱処理手法を利用する実勢例においては、異なる熱処理工程を互いに異なる条件下(例えば、異なる温度及び/又は異なる時間の長さ)で行うことが好ましい。例えば、第1の熱処理工程を例えば800℃、1時間で行い、第2の熱処理工程を例えば800℃ないし1000℃で10分ないし1時間で行うことである。
或る種の用途においては、単一金属触媒は、従来の白金ベースの又は白金合金ベースの触媒と置換わるべく十分に安定又は活性なものである必要がないことが理解されるであろう。従って、上述のように、或る実施例においては、ここに記載した方法は、所望の安定性及び/又は活性を達成するために多重金属の前駆物質の使用を組み込むことができる。
或る実施例においては、例えばバッチ式プロセスでここに記載した触媒を大量に生産することが好ましいことがあり得る。従って、本発明は更に、ここに記載の触媒を大規模に製造する方法を提供するものである。1実施例として、電気防食用支持体ベースの方法とスプレー熱分解とを組合せて自己担持触媒を製造する方法が提供される。この方法によれば、スプレー熱分解法は連続的方法であり、電気防食用支持体ベースの方法はバッチ方式で行われる。1つの実例的方法では、ここに記載した電荷移動塩前駆物質および遷移金属前駆物質をシリカ支持体と混合し、粉砕し、チューブ炉内で乾燥する。この手法で得られた粉体をついでフィルター上に集める。この集められた粉体をついで熱処理する。最後に、電気防食用支持体を例えばHF又はKOHで浸出させることにより除去する。
上述の大規模生産方法は、広範な前駆物質および物質についての使用に適しており、ここに記載の触媒に必ずしも限定されないことが理解されるであろう。
他の実施例として、本発明は機械合成ベースのアプローチを利用した非PGM触媒物質の形成方法を提供するものである。ここに記載した機械合成ベースのアプローチは、例えば、限定的ではないが、不溶性物質から形成される触媒物質を含む種々の物質の製造を可能にするものである。この方法はボールミルを採用するが、電気防食性又はそうでない支持体を利用し、あるいは利用しなくてもよい。勿論、この方法は溶媒の添加を必要としないが、望むならば溶媒を使用してもよいことが理解されよう。
ボールミルについては、カーボン支持体の空隙を細孔フィラーで満たすための方法として、M-N-C触媒物質の合成との関連で従前の記載がある(Jaouen et al.[44])。しかし、本明細書で記載した方法において、ボールミルは溶媒ベースの製造方法についての必要性を軽減しながら機械合成を可能にするために使用される。本発明の目的において、“ボールミル”の用語は、シリカ研磨剤のような粉砕媒体又はバリのような鋭利部分を使用し、材料を細かな粉体に粉砕するため、及び/又はシステムに十分なエネルギーを導入して触媒形成につながる固相化学反応を開始させる任意のタイプのグラインダー又はミルを指すべく使用されている。一般に、本発明の目的において、使用されるボールミルは、所望の化学反応を開始させため、又は所望の混合レベルを達成させるため十分なエネルギーを生じさせることができるものでなければならない。
一般に、ここに記載した方法は、種々の前駆物質のボールミリングにより生成されるエネルギーを利用し、前駆物質間の化学反応を駆動させるものである。より具体的な実施例においては、本発明の触媒物質は、電荷移動塩前駆物質および遷移金属前駆物質を、種々の前駆物質の重合化を生じさせるのに十分な条件下で、ボールミリングすることにより合成することができ、それによりM-N-Cポリマーが形成されることになる(又はその形成が開始される)。このM-N-Cポリマーはついで不活性(N, Ar, Heなど)雰囲気又は反応性(NH、アセトニトリルなど)雰囲気中で十分な温度にて熱処理(熱分解など)され、触媒物質が製造される。或る実施例においては、このプロセス全体が乾燥式で行われる。つまり、如何なる溶媒をも存在させることなく行われる。この無溶媒プロセスの1例において、全ての反応体(すなわち、前駆物質)が粉体状態でボールミル内にて一緒にされ、プロセス全体が液体を何ら添加することなく実行される。或る実施例においては、電気防食性であるなしに拘わらず支持物質も含めることができる。本発明の目的において、粉体は乾燥したバルク固体であり、これは多数の極細粒子からなり振ったり傾けたときに自由に流れるようなものである。この方法は如何なる溶媒も存在させることなく行われるので、この方法は不溶性物質からの触媒の合成を可能にするものである。本発明により触媒を形成させるのに使用することができる不溶性物質の例としては、非制限的に、ポリアクリロニトリル、メラミン、ポリウレタンなどを挙げることができる。
ここに記載した触媒物質を製造するために使用される窒素、炭素又は窒素-炭素前駆物質の選択に関して検討される例示的特徴は、非制限的に、(1)炭素含量;(2)窒素含量および(3)熱安定性(すなわち、加熱に起因する分子の揮発性および分解に対する抵抗度)である。炭素含量の度合いは最終製品の気孔率に関係する。つまり、炭素含量はよりオープンな最終構造と反比例する。例えば、或る実施例においては、炭素前駆物質の各分子が平均で少なくとも5個の炭素原子を含む場合は多孔質のオープンフレームのマトリックスが形成されるであろう。プランが不活性雰囲気又は窒素リッチ雰囲気で合成を行うかどうかに応じて、その前駆物質の窒素リッチの度合いを考慮する必要がある。例えば、仮に、合成が不活性雰囲気中で行われる場合は、その前駆物質は可なりの量の窒素を含むものでなければならない。なぜならば、全ての活性M-Nセンターはその前駆物質自身に含まれる窒素から形成されなければならないからである。最後に、前駆物質は、使用される熱条件下で安定を保つものを選択すべきである。例えば、使用される手法が700℃を超える温度での熱分解を必要とするならば(活性部位形成のためにしばしば要求される最小温度)、その前駆物質は700℃を超える温度で安定性を維持するものであることが重要である。
或る実施例においては、ここに記載のM-N-C前駆物質は支持物質の存在下でボールミルに付され、支持物質上、その周り、その全体に亘って(仮に、その支持物質が多孔質であれば)M-N-C前駆物質の溶出を可能にするようにする。適当な支持物質の例としては、非制限的に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、導電性酸化物又は窒化物(スズ酸化物、窒化モリブデンなど)などが含まれ、更に、当初は導電性ではないが処理後に導電性となるような物質(例えばTiOであり、これは酸素成分の化学的又は熱的還元、又は合成後ドーピングの結果、導電性とすることができる)も含まれる。支持物質をボールミルプロセスで含ませることにより、担持された触媒物質がもたらされる。この支持物質は活性ないし不活性でもよく、触媒物質の触媒活性に寄与するもの、寄与しないものであってもよい。
更なる実施例においては、非PGM触媒物質は、上述のボールミリングと電気防食用支持体ベースの手法とを組み合わせた方法を用いて形成することができる。これらの実施例において、ここに記載されたM-N-C前駆物質が電気防食用支持体の存在下でボールミルに付され、ついで、上述のような熱分解の後、取除かれ、その結果、多孔質非担持触媒物質がもたらされる。或る場合には、この多孔質非担持触媒物質は当初の前駆物質から得られる物質のみからなるものとなる。
ここに記載した特定の方法および組成物は好ましい具体例を代表したものであり、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。例えば、上述したものの多くは燃料電池での使用のための触媒物質に向けられたが、ここに記載の物質および方法は他の触媒物質又は非触媒物質についても有用であり、触媒反応が含まれる又は含まれない他の用途においても有用であることが理解されるであろう。非制限的例として、ここに記載の物質は液体貯蔵において、又は吸収剤として有用であろう。その他の目的、側面および実施例については、本明細書を考慮することにより、当業者であれば予想し得るものであり、特許請求の範囲で規定された発明の範疇に包含されるものである。当業者であれば、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、ここに記載された発明に対し、種々の置換、変更をなしえることは明らかであろう。ここに例示的に記載した発明は、必須のものとして具体的に開示されていない要素又は制限の欠損のもとで適当に実施することができるであろう。ここに例示的に記載した方法およびプロセスは、その工程を異なる順序で行うこともでき、ここに記載した、又は請求の範囲に記載した工程の順序に必ずしも制限されるものではない。ここに記載した、又は請求の範囲に記載した単一形の冠詞は、他に特段の明確な文脈がない限り、複数のものも包含されるものである。従って、“触媒”として言及されたものは複数の触媒も包含するものである。其の他も同様である。
使用されている用語および表現は説明のための用語であり、制限を意図するものではなく、これらの用語および表現は、示され、かつ記載された特徴およびその部分の均等物を除外することを意図したものではない。請求項に記載された発明の範囲内において種々の変更が可能であることが理解されるであろう。すなわち、本発明を好ましい具体例および任意的特徴に基づいて具体的に開示したが、ここに記載の概念の改良および変更は当業者により適宜行うことができ、そのような改良および変更も添付された請求項により規定された発明の範疇に包含されるものと云える。
以下に参照した及び/又はここに記述した全ての特許および文献は当業者の技術レベルを示唆するものであり、これら参照された特許および文献のそれぞれはあたかも個々に全体として参照されるものとして組み込まれたものであり、それらは全体としてここに記述されている。本出願人はこれらの引用された特許および文献からの如何なる物質および情報をも、この明細書中に物理的に組み込む権利を保有するものである。
更なる情報は下記の実施例の項から収集することができるであろう。図面および以下の実施例中に示され、記載された反応テストは、ここに記載された方法を用いて製造された触媒が、酸媒体中で高い酸素還元活性を有することを明らかに実証するものである。更に、この酸素還元のメカニズムは、腐食性過酸化物の生成を防止しつつ、4つの電子経路による水への酸素の直接的還元を示すものであり、従って、触媒の安定性および持続性が改善される。このように、ここに記載の製造方法を使用して形成された、この組成物の触媒(ここに記載された物質を含めて)は酸素還元のための効果的な触媒である。
実施例1:鉄およびナイカルバジン前駆物質から電気防食用支持体ベースの方法を用いての触媒物質の合成
最初に、シリカの計算量(Cab-O-Sil登録商標M5P、表面積:125mg-1)を、高エネルギー超音波プローブを用いて水中に分散させた。ついで、アセトン中のナイカルバジン(Nicarbazin, Sigma-Aldrich)をシリカに加え、超音波バス中にて20分間超音波処理した。最後に、硝酸鉄の溶液(Fe(NO)3*9HO, Sigma-Aldrich)をSiO-NCB溶液に添加し、8時間超音波処理した(シリカに対する金属総装填量は20wt%以下であると計算された)。超音波処理の後、シリカおよびFe-NCBの粘着性ゲルをT=85℃で一晩乾燥させた。この得られた固形物をメノウ乳鉢内で微小粉体に粉砕し、ついで熱処理(HT)に付した。このHTの一般的条件は、UHP窒素(100cc/minの流量)、20 deg/min温度上昇速度であった。熱時間軌跡の実験変数成分はHTの温度および時間であった(900℃で1時間、950℃で30分間、950℃で1時間)。熱処理の後、25wt%HFを用いて一晩かけてシリカを浸出させた。最後に、このFe-NCB触媒を、中性pHが達成されるまでDI水を用いて洗浄し、ついでT=85℃で乾燥させた。第2の熱処理は、反応性(NH)雰囲気中でT=950℃で行われた。
図1のSEM画像は、Fe-NCB触媒が幾つかのレベルの気孔率を有していることを示し、これはSiOナノ粒子の除去およびナイカルバジン分解の間に形成された形態学的欠陥から起生されたものである。TEM画像(図2)は、形態的繰返し単位を有する非常に透明なオープン構造を示している。高解像度TEM画像(図3)は、不定形タイプの炭素と一緒にグラファイト面を示している。EDS分析によりFeの存在が確認されたが、TEM画像における観察可能な金属粒子はなく、これは窒素富化カーボンネットワーク全体に亘っての極小の均一に分布された鉄粒子に向けられたものである。高解像度XPSスペクトルは、窒素の量(4.7 at%)および鉄の量(0.39 at%)が他のM-N-C電解触媒と似ていることを示している。このサンプルは可なりの量のピリジン性窒素(398.8eV)およびFe-Nセンター(399.6eV)を有し、これは先にORR電解触媒の高い活性とリンクされたものである。図4は種々の熱処理プロトコルのRDEデータを示している。図示のように、T=900℃で1時間熱処理されたFe-NCBはE1/2=0.8Vの値を有し、これは同一条件でテストした多くの他の非PGM触媒よりも非常に高いものである。
1バッチのFe-NCB物質を、T=900℃、1時間の第1の熱処理工程を行う上述の方法を用いて合成した。これを、自動車性能および実際のスタック条件に似せた耐久サイクルのもとでのこの有望な触媒の高性能および持続性を検証するためにテストした。
RDE耐久性作業グループ(DWG)提案のプロトコル(図5)を用い、更に負荷サイクル(load-cycling)プロトコル(図6)を用いて触媒サンプル(図5および図6)のRDE測定を行ったところ、52mV/10年のTafelスロープを有し、0.8Vでik=4.6mAcm-2の高い反応電流密度を示した。このFe-NCBサンプルは更に0.75V近辺で活性還元ピークを示し、これはこの触媒の活性部位と関連するものと思われる。耐久性テストのもとで、この触媒が当初の値の僅か3−4%のE1/2降下を示し、すぐれた耐久性を示唆するものであった。
RDE評価は触媒活性を測定するのに強力なツールであるが、動作燃料電池におけるMEAテストは総体的パフォーマンスのより実際的推定を提供するものである。図7および図8はH/O2操作、100%RHおよび1バールのO2分圧(1.5バールの全圧又は0.5バールの背圧)での推奨されたDOE条件もとでのFe-NCB触媒のMEAパフォーマンスを示すものである。4mg/cm2の同じ触媒装填を有するが異なるNafion含量を有する3つのMEAを検証した。その開回路電圧(OCV)は0.92Vであったが、これはNafion含量を増加させても変化しなかった。図7は、アイオノマー含量を35%から55%に増加させることによりiVパフォーマンスに有意な変化が生じることを示している。35wt%Nafion MEAの悪いiVパフォーマンスは、非PGM活性部位の不完全なNafionカバレッジのためと思われる。より良好なアイオノマーカバレッジはNafion含量を45%および55%に増加させることにより達成された。これはiV曲線における有意な改善により実証されている。アイオノマー含量を45%から55%に増加させることにより反応電流の更なる増加がもたらされた。図8に示すように、55%のNafion含量を有するFe-NCB触媒を含有するMEAは、0.8ViR-freeで100mAcm-2の反応電流を達成した。これは燃料電池のパフォーマンスの最初のレポートであり、これは潜在的な将来の自動車用用途のための非PMGカソードPEMFC触媒についての現在のDOE設計目標に合致するものである。この結果は、図9に示すように、異なる触媒バッチからの3つのMEAを使用することにより再現された。この触媒を用いて得られる高電流密度の再現性は、Tafelプロットをオーバーラップさせることにより確認される。我々の知る限りにおいて、Nafion NRE211膜(Nafion 115又はNafion 117よりも可なり薄い膜であり、非PMG触媒について研究している他の研究グループによって典型的に使用されている)を使用し、0.8ViR-freeでこのような高い電流密度を達成させた非PGM触媒の最初のレポートである。
我々は更に、Fe-NCB触媒の耐久性について評価を行った。これはFECV操作条件のもとで、実際のスタック条件に似せた自動車の加速ストレス試験(ASTs)を採用しておこなった。この触媒は、10,000ポテンシャルサイクルの後に最小変化がなされる分極(polarization)パフォーマンスを伴ったすぐれた持続性を示した(45%Nafionサンプルについての図10を参照のこと)。負荷サイクル(load cycling)プロトコルのもとでテストした全てのMEAは、Nafion含量に拘わらず同様の持続性を示した。45%Nafion MEAについての図10におけるライフ(BoL)iV曲線および図9の対応する曲線における最初の差異はMEA対MEAの差異に起因するものである。

Claims (5)

  1. 鉄塩を含有してなる遷移金属前駆物質と、ナイカルバジン、テトラシアノキノジメタンおよびテトラチアフルバレンからなる群から選択される電荷移動塩前駆物質とを、シリカテンプレートの存在下で、これら前駆物質の重合が開始されるような適当な条件下で結合させ、それによりポリマーを形成させ、
    ついで、該ポリマーを窒素雰囲気下で熱処理し、
    更に前記シリカテンプレートをエッチャントにより除去し、自己担持型非白金族金属(PGM)触媒物質を生産することを特徴とする、非白金族金属(PGM)触媒物質を製造する方法。
  2. 前記遷移金属前駆物質が硝酸鉄である請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱処理が熱分解である請求項1に記載の方法。
  4. 前記適当な条件がボールミリングを含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記エッチャントがNaOH、KOHおよびHFからなる群から選択されるものである請求項1に記載の方法
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