JP6438308B2 - 偏光板用接着剤、偏光板、及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエン型偏光板用接着剤、それを用いたポリエン型偏光板、及びそれを用いた表示装置に関する。
従来、液晶表示装置等に用いる偏光子としては、所謂ヨウ素型偏光子が広く使用されている。ヨウ素型偏光子は、高透過率、高偏光度を有し、例えばポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を吸着させ、一方向に延伸することによって得られる。しかしながら、このようなヨウ素型偏光子は環境変化や物理的変化に脆弱であるため、偏光板として使用する際は、その両面に必ず何らかの保護層を設ける必要がある。例えば、トリアセチルセルロース等の保護層が接着材を介して偏光子に貼り合わせられる。
一方、ヨウ素型偏光子と比較して、環境変化や物理的変化に高い耐性を有するポリエン型偏光子が開発されている。ポリエン型偏光子は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子などと組合わせることにより、フレキシブル表示装置を実現可能な偏光子として注目されている。しかしながら、ポリエン型偏光子を用いる偏光板においては、偏光子に保護層を設けるための接着剤として従来のヨウ素型偏光子に用いられる親水性接着剤等を用いた場合には、安定した接着性が得られないという問題がある。
ポリエン型偏光子に適用可能な接着剤として、例えば特許文献1に光硬化型接着剤が記載されている。しかし、特許文献1におては、フレキシブル表示装置の実現に必要な耐屈曲性についての検討がなされておらず、ポリエン型偏光子に適用可能な接着剤のさらなる検討が必要であった。
特開2005−139401号公報
本発明は、ポリエン型偏光子に対して良好な接着性及び耐屈曲性を有する偏光板用接着剤を提供する。
本発明による偏光板用接着剤の一態様は、脂環式構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第1の有機化合物と、環式不飽和構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第2の有機化合物と、脂環式構造又は環式不飽和構造を有し、光反応性基を含まず、水酸基価が20以上である第3の有機化合物とを含有する偏光板用接着剤であって、偏光板用接着剤100重量%に対して、第1の有機化合物及び第2の有機化合物とを合計で85重量%以上含有し、第3の有機化合物を1重量%以上12重量%以下含有し、硬化収縮率が7%未満であることを特徴とする。
ポリエン型偏光子に対して良好な接着性を有する偏光板用接着剤を提供することができる。
また、本発明の一態様において、前記偏光板用接着剤は、摂氏30度において、表面張力が35dyne/cm以下である。
本発明の一態様の偏光板用接着剤は、表面張力が低く、高い濡れ性を有することにより、ポリエン型偏光子に対して更に良好な接着性を有する。
また、本発明の一態様において、偏光板に前記偏光板用接着剤を用いる。
本発明による偏光板用接着剤用いてポリエン型偏光板を作製することによって、耐屈曲性に優れるポリエン型偏光板を提供することができる。
また、本発明の一態様において、表示装置に前記偏光板を用いる。
本発明によるポリエン型偏光板を用いることによって、環境変化や物理変化に強く、信頼性の高い表示装置を提供することができる。
本発明によると、ポリエン型偏光子に対して良好な接着性を有する偏光板用接着剤を提供することができる。
本発明による偏光板用接着剤を用いた偏光板の一実施形態を説明する断面図である。 本発明による偏光板用接着剤の屈曲性試験に用いたサンプルの構造を説明する断面図である。 本発明による偏光板用接着剤の屈曲性試験において、サンプルにかける負荷を説明する図である。 本発明による偏光板用接着剤の実施例をまとめた図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
発明者らが行った屈曲性試験においても、親水性接着剤を用いたポリエン型偏光子は、容易に剥離が発生することが明らかになった。ポリエン型偏光子においては、水酸基の消失に伴う二重結合の生成によって表面張力が低下し、このことが接着性を低下させる要因となるものと考えられる。この知見から、本発明者らは、ポリエン型偏光子に対する接着性に必要な低硬化収縮・低表面張力に特化した接着剤の組成について検討した。
<実施形態>
本発明による偏光板用接着剤は、脂環式構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第1の有機化合物と、環式不飽和構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第2の有機化合物と、脂環式構造又は環式不飽和構造を有し、光反応性基を含まず、水酸基価が20以上である第3の有機化合物とを含有する。
本発明による偏光板用接着剤に含有する第1の有機化合物の分子量としては、1000以下が好ましい。1500以上になってくると粘度の上昇が大きく厚み制御および面状制御の点で悪影響を及ぼす。また、官能基数としては、2官能以下が好ましい。3官能以上になると硬化塗膜の収縮が増大し密着性および外観に悪影響を及ぼす。
本発明において用いることができる第1の有機化合物は単結合から形成される環構造を有する有機化合物であることが好ましい。
本発明において用いることができる第1の有機化合物は、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、3.3.5−トリメチルシクロヘキサンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化シクロヘキサンジメタノールアクリレート等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。又は、これらの任意の組み合わせを用いてもよい。
本発明による偏光板用接着剤に含有する第2の有機化合物の分子量としては、1000以下が好ましい。1500以上になってくると粘度の上昇が大きく厚み制御および面状制御の点で悪影響を及ぼす。また、官能基としては、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等から選ばれる。官能基数としては、2官能以下が好ましい。3官能以上になると硬化塗膜の収縮が増大し密着性および外観に悪影響を及ぼす。
本発明において用いることができる第2の有機化合物は、共役系を有する環式不飽和構造を有する有機化合物であることが好ましい。
本発明において用いることができる第2の有機化合物は、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビームセット101、ビスフェノールAジアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、ピマール酸等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。又は、これらの任意の組み合わせを用いてもよい。
第2の有機化合物は、少なくとも1以上共役系を有する環構造が1個以上繋がっている分子構造を有し、分子間力が非常に強く働くようになるため凝集力に寄与する。凝集力が大きければ接着部分の剥離が抑制可能となる。
本発明の偏光板用接着剤は、偏光板用接着剤100重量%に対して、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを合計で85重量%以上、より好ましくは87重量%以上92重量%以下含有する。第1の有機化合物と第2の有機化合物との合計が85重量%より少ないと、接着剤として必要な強度を得ることができない。また、第3の有機化合物及び光重合開始剤を添加する観点から、上限は96重量%である。
また、好ましくは、第2の有機化合物として、少なくとも1か所以上共役系を有する環構造が1個以上繋がっている分子構造を有する有機化合物を、偏光板用接着剤100重量%に対して、20重量%以上30重量%以下含有する。
本発明において用いることができる第3の有機化合物は、光反応性基を含まず、水酸基価が20以上の脂環式構造又は環式不飽和構造を有する有機化合物であることが好ましい。
本発明において用いることができる第3の有機化合物は、例えば、ニカノールY−1000(水酸基価:21)、ニカノールK−100(水酸基価:90)、ニカノールL5(水酸基価:36)、KE359(水酸基価:45)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。又は、これらの任意の組み合わせを用いてもよい。
本発明の偏光板用接着剤においては、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とが光重合反応に直接関与し、接着強度をもたらす。一方、本発明の偏光板用接着剤が含有する第3の有機化合物は、光反応性基を含まず、光重合反応には寄与しない。これにより、本発明の偏光板用接着剤は、低硬化収縮であり、表面張力が低く、偏光板に対する濡れ性を高めることができる。
本発明の偏光板用接着剤は、偏光板用接着剤100重量%に対して、第3の有機化合物を1重量%以上12重量%以下、より好ましくは3重量%以上10重量%以下含有する。第3の有機化合物の含有量が1重量%未満では、硬化収縮を低減することはできず、また濡れ性を得ることができない。第3の有機化合物の含有量が12重量%を超えると、第1の有機化合物と第2の有機化合物との合計が85重量%を下回り、接着剤に必要な強度を得ることができなくなるため、好ましくない。
本発明による偏光板用接着剤は、重合開始剤等の他の添加剤を含んでもよい。本発明において用いることができる重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ-シクロヘキシル−フェニル-ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
本発明の偏光板用接着剤は、偏光板用接着剤100重量%に対して、光重合開始剤を2重量%以上6重量%以下含有する。
[偏光板]
本発明による接着剤は、ポリエン型偏光子を用いた偏光板に適用される。図1に、本発明によるポリエン型偏光板用接着剤104を用いて作製されたポリエン型偏光板100の例を示す。
ポリエン型偏光子102は、本発明による接着剤104を介して、その両面に保護フィルム106が接着される。保護フィルム106は、ハードコート層(HC)108によりコーティングされてもよい。また、低反射材(LR)や反射防止膜(AR)も保護フィルム106の外側に設けられてもよい。偏光板100の一側方側には、感圧接着剤110を介して位相差フィルム112が接着されてもよい。
接着剤104としては、本発明による偏光板用接着剤が用いられるが、必ずしも両面に成分が同じ組成比で作製された接着剤を用いなくてもよい。両側に異なる組成比による接着剤を用いてもよい。
接着剤104以外は、公知の材料を用いることができる。
保護フィルム106としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、ポリオレフィン等、又はそれらを積層させたものを用いることができる。
保護フィルム106を、更にHC108でコーティングしてもよく、HC108を設けることによって、表面硬度を高め、外部衝撃から表面を守り、傷やへこみ等を防止することができる。
[表示装置]
本発明に係る偏光板は、表示装置へ適用される。表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられる。
本実施例では、上述した本発明の実施形態による偏光板用接着剤を合成した。そして、合成した偏光板用接着剤を用いて屈曲性試験を行った。実施例及び比較例で用いた各成分の詳細を以下に示す。
[第1の有機化合物]
アクリル基又はメタクリル基を有し、脂環式構造を有する第1の有機化合物としては、以下の材料のいずれか一つを用いた。
A−1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
A−2:シクロヘキサンジメタノールジアクリレート
A−3:3.3.5−トリメチルシクロヘキサンアクリレート
A−4:ジシクロペンタニルアクリレート
A−5:PEG600ジアクリレート
[第2の有機化合物]
アクリル基又はメタクリル基又はビニル基を有し、環式不飽和構造を有する第2の有機化合物としては、以下のB−1〜B−3、C−1又はC−2のうち少なくとも一つを用いた。
B−1:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
B−2:ジシクロペンテニルアクリレート
B−3:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート
C−1:ビームセット101
C−2:ピマール酸
[第3の有機化合物]
光反応性基を含まない第3の有機化合物としては以下の材料のいずれか一つを用いた。
D−1:ニカノールY−1000(水酸基価:21)
D−2:ニカノールK−100(水酸基価:90)
D−3:ニカノールL5(水酸基価:36)
D−4:KE359(水酸基価:45)
D−5:KE100(水酸基価:5)
尚、それぞれの材料の水酸基価は、JIS(日本工業規格)に定められているJIS K 0070の試験方法を用いて測定することができる。本発明で使用したJIS K 0070の試験方法とは、JISに定められている化学製品の酸価、水酸基価等の試験方法である。水酸基価は、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、試験方法は、ここではJIS K 0070のうち、7.1中和滴定法を採用している。
[重合開始剤]
重合開始剤としては2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)を用いた。
<屈曲性試験>
屈曲性試験の試験方法について詳細に説明する。図2に、本試験において使用したサンプル114の構造の断面図を示す。本試験においては、5μm厚さのポリエン型偏光子102片面に、50μm厚さの位相差フィルム(λ/4)114を、合成した実施例1〜13、参考例14及び比較例1〜4の偏光板用接着材104を介して接着した。
前述の実施例及び比較例による偏光板用接着剤を用いたサンプルのそれぞれに対して屈曲性試験を行った。屈曲性試験は、図3に示すように、作製したサンプルの偏光子側を内側にして、屈曲部の直径が6mmとなるように屈曲させ、それを1秒間維持した後に平面に展開する動作を30回繰り返した。尚、屈曲方向は、ポリエン型偏光子の延伸方向に対して45°ずらした軸を屈曲方向とした。繰り返しの屈曲の後、目視によって、位相差フィルムとポリエン型偏光子が剥離されるか否かを目視によって観察した。
<屈曲性試験結果>
図4に、作製したサンプルのそれぞれの材料の組成比、及び硬化収縮率、表面張力、屈曲試験結果を示す。
[実施例1〜実施例13、比較例3]
比較例3は、第1の有機化合物を含まないサンプルであるが、屈曲性試験において剥離が発生している。実施例1〜実施例13は全て第1の有機化合物を含み、剥離は発生していない。本発明によるポリエン型偏光板用接着剤としては、脂環式構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第1の有機化合物を含むことが必要である。
[実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2]
実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2は、第1の有機化合物、第2の有機化合物、及び第3の有機化合物の合計の組成比及びそれらの種類は変えず、第2の有機化合物B−1及び第3の有機化合物D−1の組成比を変えて合成した。
光反応性基を有しない第3の有機化合物の組成比の増加に伴い、硬化収縮率が低下する傾向が確認できる。また、一定以上の第3の有機化合物を含有することによって、表面張力を低く抑えられることも確認できる。低硬化収縮率及び低表面張力が要求されるポリエン型偏光板用接着剤としては、光反応性基を有しない第3の有機化合物を一定以上含むことが必要である。
第3の有機化合物を含まない比較例1では、硬化収縮率が7.74%で最も高く、表面張力は35.1Dyne/cmで最も高い。比較例1では、屈曲性試験において剥離が確認された。この結果から、本発明によるポリエン型偏光板用接着剤においては、第3の有機化合物が光反応性基を有しないことにより硬化収縮率を低くし、20以上の水酸基価であることにより表面張力を低くし、濡れ性を高め、結果として剥離を生じないことが示された。
一方、第3の有機化合物の組成比が最も高い比較例2によるサンプルは、最も硬化収縮率及び表面張力が低いものの、屈曲性試験において剥離が確認された。第3の有機化合物の組成比の増加に伴い、光反応性基を有する第1の有機化合物及び第2の有機化合物の組成比が低下することが原因である。比較例2においては、第1の有機化合物及び第2の有機化合物の合計の組成比は82重量%であり、他と比べて最も低い。本発明によるポリエン型偏光板用接着剤に用いる第1の有機化合物及び第2の有機化合物の合計の組成比は、85重量%以上が必要である。これに伴い、重合開始剤等の他の添加剤の組成比も考慮すると、第3の有機化合物の組成比は、12重量%以下に抑えなければならないことが明らかである。
[実施例2、実施例11〜13、及び比較例5]
実施例2、実施例11〜13、及び比較例5は、第3の有機化合物の種類を変えている。具体的には、それぞれに水酸基価の異なるD−1〜D−5を用いた。これらを用いて作製したサンプルにおいて、比較例5のみで屈曲性試験で剥離が確認された。比較例5で用いたKE100の水酸基価は5であり、上記のサンプルの中で最も低い。十分な濡れ性を得るために、本発明による偏光板に用いられる第3の有機化合物としては、20以上の水酸基価を有することが必要である。
[実施例2、実施例6〜8、比較例4及び比較例6]
実施例2、実施例6〜8及び比較例4では、第1の有機化合物の種類のみを変えている。環構造を有さないPEG600ジアクリレートを用いた比較例4のサンプルは、硬化収縮率及び表面張力が他に比べて突出して高く、屈曲性試験において剥離が確認された。つまり、本発明においては、第1の有機化合物として、脂環式構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する有機化合物を含有することが必須であることが示された。また、本発明によるポリエン型偏光板用接着剤としては、硬化収縮率が7%未満であることが必要である。
比較例6は比較例4と比較して材料の組成は同じであるが、組成比を変えている。比較例6は屈曲性試験において剥離が確認された。硬化収縮率に関しては上記基準である7%未満を満たしているが、表面張力の高さが剥離の要因と考えられる。本発明によるポリエン型偏光板用接着剤としては、摂氏30度の環境下における表面張力が、35dyne/cm以下であれば好ましい。
参考例14]
参考例14以外の実施例においては、第2の有機化合物として全てC−1を含むが、参考例14はC−1を含まず、C−2を含む。参考例14は屈曲性試験において剥離は確認されなかった。つまり、本発明によるポリエン型偏光板用接着剤において、C−1は必須の構成要素ではなく、他の環式不飽和構造を有する有機化合物を用いても構わない。
以上、本発明の好ましい実施形態による偏光板用接着剤について説明した。しかし、これらは単なる例示に過ぎず、本発明の技術的範囲はそれらには限定されない。実際、当業者であれば、特許請求の範囲において請求されている本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変更が可能であろう。よって、それらの変更も当然に、本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。
偏光板:100
偏光子:102
ポリエン型偏光板用接着剤:104
保護フィルム106
ハードコート:108
感圧接着剤:110
位相差フィルム:112
サンプル:114

Claims (10)

  1. 単結合から形成される脂環式構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第1の有機化合物と、
    環式不飽和構造を有し、少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を有する第2の有機化合物と、
    脂環式構造又は環式不飽和構造を有し、光反応性基を含まず、水酸基価が20以上である第3の有機化合物と
    を含有する偏光板用接着剤であって、
    前記偏光板用接着剤100重量%に対して、前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とを合計で85重量%以上含有し、
    前記第3の有機化合物を1重量%以上12重量%以下含有し、
    硬化収縮率が7%未満であることを特徴とする偏光板用接着剤。
  2. 摂氏30度において、表面張力が35dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用接着剤。
  3. 前記偏光板用接着剤100重量%に対して、前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とを合計で87重量%以上92重量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板用接着剤。
  4. 前記偏光板用接着剤100重量%に対して、前記第3の有機化合物を3重量%以上10重量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板用接着剤。
  5. 前記第2の有機化合物は、共役系を有する環式不飽和構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板用接着剤。
  6. 前記第2の有機化合物は、少なくとも1以上共役系を有する環構造が1個以上繋がっている分子構造を有する第4の有機化合物を含有することを特徴とする請求項に記載の偏光板用接着剤。
  7. 前記偏光板用接着剤100重量%に対して、前記第4の有機化合物を20重量%以上30重量%以下含有することを特徴とする請求項に記載の偏光板用接着剤。
  8. 前記偏光板用接着剤100重量%に対して、光重合開始剤を2重量%以上6重量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光板用接着剤。
  9. 請求項1乃至のいずれか一に記載の偏光板用接着剤を用いた偏光板。
  10. 請求項に記載の偏光板を用いた表示装置。
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