JP6437627B2 - ジニトロトルエンから不純物を除去する方法 - Google Patents

ジニトロトルエンから不純物を除去する方法 Download PDF

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Description

本発明は、純粋なジニトロトルエンを提供することを目的とし、ジニトロトルエンの調製のためのトルエンのニトロ化とそれに続く粗ジニトロトルエン(粗DNT)から不純物を除去するという技術分野に関する。
特に、本発明は、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在におけるトルエンのニトロ化(ジニトロ化)(例えば断熱的若しくは等温的なニトロ化)から結果として生じる粗ジニトロトルエンを浄化する工程(言い換えると、純若しくは浄化されたジニトロトルエンを調製若しくは提供するための工程)に関し、またこの工程を実行するための装置若しくはプラントに関する。
さらに、本発明は、ジニトロトルエンの調製のための製造プラント(いわゆるジニトロトルエンへのトルエンのニトロ化のための製造プラント)及びそれに続くニトロ化において形成されたニトロ化された粗ジニトロトルエン(粗DNT)の浄化工程に関する。
ジニトロトルエン(DNT)は、(例えば、触媒の存在における水素による反応によって)対応するアミンへの還元の後、特にポリウレタンのための開始材料若しくは反応物質として作用する化学産業における重要な中間体である。
一般的に、DNTは、断熱的に若しくは等温的に、向流における1工程若しくは2工程において、硝酸と直接、又は、触媒水結合剤としての硫酸の存在下においてトルエンを反応させることによって異性体混合物として調合される。使用済み硝化酸(例えば、一般的に使用済み硝酸/硫酸硝化酸混合物)を除去した後、まだ様々に汚染されている粗ジニトロトルエンが得られ、それは、さらに複雑な処理工程を経た後にのみ使用することができる純度である。
本出願に関して、ジニトロトルエン(DNT又はDNTs)に関して、単数形又は複数形が以下に同義語的に使用される。
硝酸と同様に所望のニトロ種によるトルエンのジニトロトルエンへの変換において、多数の不純物、特に多数の大きく異なる副産物及び他の不純物は、特にMNT(モノニトロトルエン)、TNT(トリニトロトルエン)及び開始トルエン中に常に存在する脂肪族及び脂環式炭化水素のわずかな残基、さらには、一連のさらなる副産物、例えばモノニトロクレゾール(MNK)、ジニトロクレゾール(DNK)及びトリニトロクレゾール(TNK)、トリニトロフェノール(ピクリン酸又はPS)、モノニトロ安息香酸 (MNBS)及びジニトロ安息香酸(DNBS)のようなニトロ安息香酸(NBS)、且つ、脂肪族及び脂環式炭化水素の酸化による分解生成物及び混合酸からの硝酸によるニトロクレゾール及びニトロ芳香族化合物による分解生成物、例えば二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)、シアン化水素(HCN)、テトラニトロメタン(TNM)、ギ酸、酢酸、シュウ酸等、窒素酸化物(例えば酸化窒素NO、二酸化窒素NO、一酸化二窒素NO等)のような硝酸の反応又は還元生成物、亜硝酸等、を含む粗DNTにおいて存在する。さらに、硝酸及び硫酸は、通常、粗DNTにおいて、特に、溶解された形態で、及び/若しくは、微細に分割された形の硝化酸のマイクロエマルションとして存在する。
一般的に、これらの全ての不純物又は少なくともそのかなりの部分は、さらなる処理又はさらなる使用の前に粗DNTから除去されなければならない。汚染の程度、すなわち浄化されたニトロ芳香族中の不純物の残留量は、特に、使用に基づいて必要とされる純度のレベルによって決定され、これは、さらなる使用などが想定されるプロセスを含む要因に依存する。特に、さらなる処理を、その微量物質においてすら、妨害する全ての物質、例えば水素化防止物質、例えば硫黄化合物、窒素酸化物、硝酸など(例えばUS4,224,249A参照)、ニトロクレゾール(例えばUS2,976,320A参照)、二酸化炭素(EP1,935,870A1参照)、ナトリウムイオン若しくは公知の錯化剤及び触媒毒、例えばCO、NO、シアン化水素などを最小限に抑える必要がある。
従来技術によれば、これらの不純物は、直接使用、異性体分離又は対応するアミンへの水素化に送られる前に、複数の洗浄工程における洗浄によって使用済み硝化酸が分離(除去)された後、粗ニトロ化芳香族(粗DNTs)から除去されるものである。
通常は、ニトロ化混合物に溶解し且つ懸濁している酸、ニトロフェノール及びまだ洗浄剤で抽出可能な他の酸性物質及び他の不純物の除去のための粗ニトロ芳香族化合物の洗浄は、三工程からなる(例えば、F.マイスナー他、工業化学第46巻、721(1954);ウルマンの工業化学事典、第4版、第17巻、385/386頁;H.ヘルマン他、ACSシンポジウムシリーズ632、238(1996)、241頁[編者:L.F.アルブライト、R.V.C.カー、R.J.シュミット];A.B.クオケンブッシュ他、オリンジニトロトルエン(DNT)プロセス、ポリウレタンワールドコングレス1993、出版:テクニカルランカスター、484−488頁;US6,288,289B1;EP1,816,117A1参照)。
粗製ニトロ芳香族化合物のこの3工程洗浄は、一般に、以下の洗浄工程を含む:
1.洗浄工程I又は酸洗浄:
水での洗浄(使用済みの硝化酸混合物の結果として酸性化される)であって、特に硫酸及び硝酸のような、溶解され且つ懸濁された強鉱酸及び含硝硫酸(すなわち窒素酸化物)を除去するためのもの。
2.洗浄工程II又はアルカリ洗浄(塩基洗浄):
例えば炭酸ナトリウム(ソーダ)、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウム、アンモニア、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等の塩基の存在下での洗浄(例えば、US4,482,769A、US4,597,875A又はUS6,288,289B1参照)であって、特に洗浄工程Iの後のニトロ芳香族に溶解され且つ懸濁された形において未だに存在する微量の硝酸、窒素酸化物及び硫酸、及び、ニトロフェノール、ニトロクレゾール、ニトロ安息香酸炭化水素などのニトロ化芳香族に未だ溶解している弱酸性不純物、例えばシアン化水素、シュウ酸、ギ酸 酸、酢酸などを除去するためのもの。
3.洗浄工程III又は中性洗浄:
中性洗浄であって、マイクロエマルションからのアルカリ若しくは塩基化合物の微量の残留物、又は洗浄工程IIからの他の同伴物の除去、且つ、生成物中に未だ微少量存在する不純物のさらなる還元のためのもの。
原理的には、各洗浄工程は、CA1,034,603において、EP1,780,195A1において、US6,288,289B1において、又はWO2013/160367A1において記載されているように、交差流若しくは向流又はそれらの組み合わせで、最大10抽出工程を具備することが可能である。
洗浄のための洗浄媒体は、典型的は水である。一般的に、洗浄は、液体/液体抽出として、すなわち洗浄すべきニトロ芳香族が液体の形態である温度で行われる。
この一般的に多工程の洗浄の目的は、未だに存在する不純物から結果として得られる逆効果なしに処理される純生成物とは別に、その処理が、安価に、未変換の反応物質の回収又は再利用について有利に行うことができるような方法において存在する不純物を洗い流すことにより、1メートルトンの生成物毎の最小排水量を得ることである。
しかしながら、液体/液体抽出に関して、水による粗DNTの洗浄において、洗い流された不純物は、主に、洗浄媒体(例えば硫酸及び硝酸)において高い溶解度を有すること、又は、硝酸を与えるために水を有する水性媒体において不均衡であること、又は、アルカリ若しくは塩基洗浄(上記洗浄工程II参照)に付加された塩基で塩を形成し、これによってそれらの分配平衡からDNT有機相(例えば、残留微少量の強酸[硫酸及び硝酸]及び中強度及び弱酸[例えばニトロフェノール、ニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、酢酸、シュウ酸、シアン化水素など])と不可逆的に除去されることである。しかし、これらの不純物に関しても、洗浄液中でのそれらの除去は、特に、粗DNTが不純物の高い充填量を有さないときにも、必ずしも完全ではなく定量的でもない。
さらに、他の不純物、特に洗浄媒体に関して好ましくない分配係数を有する不純物、弱酸性又は弱酸性不純物、及び有機相に溶解しないような物質への低い変換比率を有する不純物は、液体/液体抽出に関して1つ以上の工程を有する洗浄で完全に除去されることはなく、且つ/又は、高度な技術的複雑さでのみ除去することができることがわかった。これは、特に、プロセス経済の理由から(特に排水量の削減のために)、それぞれの洗浄工程における洗浄は、特に1未満の洗浄ニトロ芳香族に使用される洗浄媒体の比率(例えば1:5から1:20までの範囲内の体積比率)で効果的である場合、洗浄媒体の循環を介して、洗浄装置においてニトロ芳香族に対する洗浄媒体の比率が1又は1より大きい場合ですら、真実である。洗浄に関連して困難な場合若しくは不完全な場合にしか除去することができないような不純物は、通常、窒素酸化物NO(例えば、一酸化窒素NO、二酸化窒素NO、一酸化二窒素NOなど)、シアン化水素、脂肪族及び芳香族炭化水素、炭素酸化物(CO,CO等)等を含むが、これに限定されるものではない。
より具体的には、1回の洗浄工程だけ、例えば酸洗浄だけが使用される場合には、粗DNTからの不純物を除去することが困難であることがわかる。CA1,034,603、US4,224,249A、EP0,297,312A1、EP0,736,514A1、又はEP1,780,195A1に記載されるように、洗浄されたDNTは、微少量の強酸と同様に、硫酸、硝酸 窒素酸化物NO、洗浄酸のpHと等しいかそれ以上のpK値を有する中強度及び弱有機及び無機酸、例えばニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、シアン化水素、COなど、且つ、さらには洗浄酸中の溶解度に従って且つ個々の分離平衡に依存して、部分的に洗い流され、これによってDNTに残る中性又は非酸性の不純物を含むものである。微量な分散水の存在においてDNTに少量で一定に溶解するNOが、常に硝酸を再形成するので、特に硝酸を除去することはここでは特に難しい。
CA1,034,603によれば、交差流における7回の水による洗浄が、約15ppmのDNT中の鉱酸の残留含有量を達成するために、要求される。中強度及び弱無機及び有機酸は、pH値が4未満(7回の水での洗浄後)に有機相にとどまり、分離平衡に従ってのみ洗浄媒体中に抽出される。
US4,024,249Aによれば、水のみで洗浄されたDNTは、全酸度が6000ppm未満、好ましくは酸の3000ppm(硫酸として計算)未満である。このうち、1100ppmは硝酸塩、160ppmは亜硝酸塩、230ppmは硫酸塩である。対照的に、ニトロクレゾールのような全ての弱酸及びすべての中性不純物はDNT内に残る。
EP0,297,312A1、EP0,736,514A1及びEP1,780,195A1は、酸の最大濃度(硫酸、硝酸及び亜硝酸又はNOの混合物)を有する洗浄酸を得るように、酸性洗浄の洗浄工程を具体的に導通させるプロセスを開示する。この洗浄酸は、直接又は好ましくは50%〜60%の全酸(硝酸として計算)に濃縮した後にニトロ化に再利用される。洗浄酸中のこの硫酸及び硝酸の濃縮を達成するためには、DNTと純水との比は非常に高くなければならない。このように、EP0m736m514A1の実施例では、約23.3%の全酸(DNTのメートルトン毎に約142kgの洗浄酸の量に対応する)を有する洗浄酸を得るために、1メートルトンの粗DNTが、約110リットルの純水(9.1:1の純水に対するDNTの比率に対応する)と向流で多工程で洗浄される。約13:1の酸性洗浄のための純水に対するDNTの比では、約77リットルの純水が、洗浄される粗DNTのメートルトン毎に要求され、30%を超える総酸を有する洗浄酸が得られる。
1以下の抽出係数ε及び10以下の抽出剤の為の分配係数を有する水に対するDNTの約9:1又は13:1の相比率が与えられると、理論的に無限大の圧伸工程の結果としてのみ、90%以上の抽出収率で網羅的な抽出が可能になる(これに関して、例えば、K.サトラー、熱分離工程、ヴィレイ−VCH出版社、第3版、2001、545頁ff。参照);これは極めて技術的に要求されることであり、非常に高価であり、さらに5未満の分配係数を有する不純の場合には技術的に不可能である。
対照的に、例えば、EP0,297,312A1、EP0,736,514A1及びEP1,780,195による従来技術に記載されているような液体/液体抽出の形の従来の1工程又は多工程によって、洗浄媒体に対して不利な分配係数を有する不純物、洗浄媒体への溶解度が低い不純物、酸性度が弱いかゼロの不純物、及び、粗DNTから有機相に溶解しないか、完全にかつ効率的にそれを行うことができない物質への変換比率が低い不純物を除去することは不可能である。この方法において除去することができない不純物は、例えば(しかし、限定されることなしに)、窒素酸化物NO、CO及びCOなどの炭素酸化物、シアン化水素、炭化水素などが含まれる。
洗浄工程が、8.5〜9.2の範囲内のpHで、塩基、好ましくは炭酸ナトリウムの存在下で行われる従来技術によるそれぞれに5つまでの抽出工程を有する3つの洗浄工程における粗DNTの洗浄によってですら、7より小さいpK値を有する炭酸のような単に弱い鉱物酸、ニトロフェノール及びニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、酢酸、シュウ酸、ギ酸などの有機酸が、定量的に多かれ少なかれ洗い流される。8.5〜9.2の範囲内のpHでの炭酸ナトリウムによる標準洗浄の場合、約9.2のpKを有するシアン化水素でさえ、粗DNTから部分的にしか抽出されない;芳香族及び脂肪族炭化水素及びCO、NOなどは、それらの溶解度及び粗DNTからの分配平衡にしたがう場合にのみ抽出によって除去されるものである。過剰のアンモニアが塩基として使用される場合も同様である。;その微少物質は、洗浄されたDNT中に付加的に存在することができる。
好ましくない分配係数及び/若しくは洗浄媒体における低い溶解度を有する不純物、低い酸性度若しくは酸性度ゼロの(CO、シアン化水素、CO、NO等のような)不純物、(ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トルエン等のような)揮発性又は低沸点脂肪族及び芳香族炭化水素、又は、(低濃度のNO等のような)有機相にほとんど溶解しない物質への低い変換比率を有する不純物の抽出レベルを改善するための洗浄は、向流若しくは交差流若しくはそれらの組合せにおける多くの洗浄若しくは抽出工程を要求し、洗浄媒体の不均衡に過剰な消費、ひいては排水の過剰な発生を伴うことから、許容できない資本及び運転コストを生じるものである。
さらに、EP0,897,907B1は、芳香族化合物の混合物に硝酸を回収する方法を記載し、そこで、2つの補助的な処理工程が、粗ニトロ化生成物の浄化に使用される:EP0,897,907B1によれば、実際の洗浄の前に、粗ニトロ化生成物は、少なくとも部分的に分離される方法における洗浄に先だって、粗ニトロ化生成物に溶解し又は懸濁された硝酸を除去し、適当な処理の後それを再利用するために、硝酸の除去のための蒸留若しくは除去作業が施される。しかしながら、上記従来技術の概要と比較される粗ニトロ化生成物の浄化のために、この工程は、上述した従来技術の概略と比較される改善された生成物の純度を達成する可能性なしに、著しく付加的な技術的複雑さを要求する。いつも必要とされる下流側洗浄からの廃棄物流(すなわち、一般的に洗浄からの2つの廃棄物流、主に酸洗浄からの洗浄酸と塩基洗浄からの洗浄アルカリ)と同様に、蒸留若しくは除去の上流工程は、別個に処理されなければならない希硝酸を含む付加的な第3の廃棄物流を生じる。洗浄からの廃棄物流及び上流側の蒸留又は除去工程からの廃棄物流が、技術的複雑性の増加と同様に一般的なさらなる処理の目的のために組み合わされるならば、従来技術による洗浄と比較して、もはや利点がない。さらに、上流の蒸留又は除去は、硝酸の除去及び回収にのみ役立つが、粗ニトロ化生成物から除去することが困難な不純物の除去に関しては何ら改善をもたらさない。また、粗ジニトロトルエンの浄化に特有の特異性に焦点を当てるのではなく、所望の芳香族化合物のジニトロ化をかなり一般的に強調しているだけである。さらに、EP0,897,907B1において提案されているプロセスは、従来技術と比較して高い安全性リスクを構成し、それによって、粗DNTの浄化には特に適していない:粗ニトロ化生成物中において提案された蒸留における130℃までの温度で10%以下の硝酸の含有量が与えられるので、粗ニトロ化生成物(例えばニトロクレゾール、ニトロ安息香酸等)内に存在する不純物及びDNTそれ自体の酸化的及び制御不能な分解を、確実に除去することはできない。そこに記載されている方法は、結果として粗ジニトロトルエンの効率的かつ安全な浄化には不適当である。特に、高純度のDNTを製造するために、微量不純物を除去することは、そこに記載された方法によっては不可能である。
このように、効率的で、プロセス経済性かつ技術的に簡単な方法で、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在においてトルエンのジニトロ化に由来する粗ジニトロトルエン(粗DNT)からの全ての種類の不純物、特に除去するのが困難な若しくは従来の洗浄の範囲内では不十分にしか除去することができない不純物(すなわち、特に、洗浄媒体に対して好ましくない分配係数を有する不純物、酸性度が弱い若しくはゼロの不純物、及び有機相に溶解しないような物質に対する変換効率が低い不純物)を、完全に除去することが効率的に可能であるという全ての従来技術から知られた方法は、存在しない。
CA1,034,603 US4,224,249A EP0,297,312A1 EP0,736,514A1 EP1,780,195A1 EP0,897.907B1
したがって、本発明の目的は、トルエンのニトロ化から生じる粗ジニトロトルエン(粗DNT)の浄化のための方法及び装置(プラント)を提供することであり、上述した従来技術の欠点と不十分さが、少なくとも実質的に回避されるか、さもなければ少なくとも減衰される。本発明を介して、高純度又は浄化されたジニトロトルエン(DNT)を提供することは、技術的に効率的かつ安全かつ簡単な方法で可能であるべきである。特に、粗DNTから、特に揮発性不純物を除去することが困難である不純物を効果的に除去することが可能であることは、本発明によって可能となるものである。
より具体的には、本発明の目的は、使用済み硝化酸混合物と呼ばれるものの除去の後、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化(ジニトロ化)に由来するようなニトロ化された粗生成物の効果的な浄化によって、この方法を実施するのに適した工程及び装置又はプラントを提供することである。
さらに、本発明の目的は、この方法を実施するための工程及び装置を提供することであり、この工程及び装置は、DNTにおける不純物の含有量が、技術的DNT品質(いわゆる「技術的な等級のDNT」)のための仕様が達成されるかそれを超えるような程度まで減少されるように、より安全な方法において且つ最低レベルの技術的複雑性で、トルエンの断熱的又は等温的なジニトロ化に由来する粗ジニトロトルエン(DNT)の浄化を可能にするものである。より詳細には、そのような工程及びそのような装置が、洗浄媒体による粗DNTの洗浄の後に、それらのいくつか(例えば、窒素酸化物、硝酸、亜硝酸、シアン化水素などの揮発性不純物など)が排除するのが難しいかなりの量の不純物についてですら、効果的な除去を可能にするものである。
上記に概説した目的は、本発明により、請求項1に記載の方法によって達成される。さらに、本発明の方法の有利な開発及び構成は、関連する従属請求項の主題である。
発明は、請求項26に記載の装置又はプラントをさらに提供する。さらに、本発明のこの態様の有利な開発及び構成は、関連する従属請求項の主題である。
本発明は、さらに、請求項29に記載の生産プラントを提供する。さらに、本発明のこの態様の有利な開発及び構成は、関連する従属請求項の主題である。
不必要な反復を回避する目的で、本発明の一態様についてのみ引用された構成、実施形態、利点などは、当然、本発明の他のすべての態様に関して対応して適用されることは明らかであろう。
値、数値、及び範囲のそれに続く記述の場合でさえ、この点で言及された値、数及び範囲は、限定的であると見なされるべきではないことがさらに明らかであろう。個々の場合又は用途に応じて、本発明の範囲を逸脱することなく、指定された範囲及び図から逸脱することが可能であることは、当業者には明らかであろう。
さらに、以下で特定されるすべての値又はパラメータなどは、標準化又は明示的に特定された決定方法によって、又は当業者には本質的に熟知している決定又は分析方法によって確認又は決定することができる。
これらを前提として、本発明を以下に詳細に説明する。
したがって、本発明の第1の態様によれば、本発明は、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化(すなわちジニトロ化)から生じる粗ジニトロトルエンを浄化する方法、特に粗ジニトロトルエンから揮発性不純物を除去する方法を提供するもので、その方法は、
(a)粗ジニトロトルエンが、使用済み硝化酸混合物から分離された後、少なくとも1つの洗浄媒体による洗浄が行われ、次いで洗浄媒体(すなわち、不純物に費やされ/使用され/含まれる洗浄媒体)の除去が行われること;且つ
(b)続いて、処理工程(a)から得られた洗浄されたジニトロトルエンが、少なくとも1つのガス(除去ガス)で除去(除去ガス処理)されること;からなる。
本発明の方法は、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化(ジニトロ化)から生じる粗ジニトロトルエン(粗DNT)の浄化のために、特にDNTと比べて低い沸点を有する揮発性の弱酸性又は中性の不純物(例えば、特に一酸化窒素NOのような窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素、シアン化水素、テトラニトロメタン、脂肪族及び芳香族炭化水素など)の除去が特に難しい不純物の効果的な除去のために著しく適している。そのいくつかが部分的にのみ微少量で存在し、部分的にのみ若しくは不完全にしか除去できない不純物も、その洗浄で(例えば硝酸、水など)、効果的に除去される。
本発明の全工程の範囲内で、粗ジニトロトルエン中に存在する少なくとも本質的に全ての不純物は、それらが不純物であることに関係なく、特にそれらの不純物等に関する揮発性、酸性度、分配係数又は抽出係数に関係なく、除去されることが明らかとなるであろう。トルエンのニトロ化に由来する粗ジニトロトルエンに存在し、且つ本発明の方法の範囲内における効果的な方法において少なくとも実質的に完全に除去され、制限なしに計上される代表的な不純物は、例えば、ニトロ化される開始トルエン及びその酸化分解生成物に存在する微量の脂肪族及び脂環式炭化水素、ニトロクレゾール(モノ−、ジ−及びトリニトロクレゾール)、トリニトロフェノール又はピクリン酸、ニトロ安息香酸(モノ−及びジニトロ安息香酸)、及び上述した炭化水素の酸化から生じる分解生成物、ニトロクレゾール及びニトロ芳香族、例えば炭素酸化物(一酸化炭素及び二酸化炭素)、シアン化水素、テトラニトロメタン、ギ酸、酢酸、シュウ酸等、及び、窒素酸化物(一酸化窒素、一酸化二窒素、二酸化窒素など)のような付加的な硝酸の反応生成物を含む;さらに、硝酸、亜硝酸及び硫酸は、粗ジニトロトルエンに、溶解され又は乳化され/微細に分散された形で特に付加的にまだ存在するものである。
本発明に関連して、洗浄媒体中で高い溶解度を有するか、硝酸を与えるために水を有する水性媒体中で不均化を起こさせるか、又は、アルカリ又は塩基洗浄に付加される塩基を有する塩を形成し、これによってDNT有機相とのそれらの分離平衡から不可逆的に除去される不純物、さらに従来の洗浄において困難で不完全にしか除去できない不純物、いわゆる洗浄媒体に関して好ましくない分配係数を有する不純物、酸性度が弱いかゼロの不純物、及び有機相に溶解しないような物質への変換比率が低い不純物を除去することが、効率的でプロセス経済的な方法で、可能である。
驚くべきことに、出願人は、上述した全ての不純物が、本発明の方法の範囲内で、少なくとも実質的に完全に除去することができることを見出した。これは、処理工程(b)の除去ガス処理又は本発明によって構想される除去が、処理工程(a)による粗ジニトロトルエンの洗浄に加えて行われる場合にのみ、且つ、特に、除去ガス処理が、粗ジニトロトルエンの洗浄の下流側に続く場合に可能となるものである。出願人が同様に驚いて見出したように、対照的に、2つの処理工程の逆の実行は、所望の結果を導かない(言い換えれば、この場合、すべての不純物を効果的に除去することはできない)。洗浄の下流の除去ガス処理によってのみ、驚くべきことに、純粋なDNTを得るために微量不純物の除去を達成することも可能である。
したがって、本発明の方法の原理は、−使用済みの硝化酸若しくは使用済みの硝化酸混合物を除去した後(例えば、分離器等において)−ニトロ化から生じ、また大量の不純物を含んでいる粗ジニトロトルエンを処理することであり、最初に洗浄媒体で洗浄し、続いて洗浄媒体を除去し、続いてこの方法で洗浄されたジニトロトルエンを除去ガス処理(すなわち、少なくとも1つのガス又は除去ガスで除去すること)が実施される。
これは、出願人が見出したように、洗浄の下流側で除去を実行することの効果は、洗浄後に依然として存在する少なくとも実質的に全ての不純物、特に除去が困難である不純物、例えば揮発性の不純物を、効果的で、簡単で、安全な方法で除去することができる理由である。本出願人が同様に見出したように、いくつかの工程で行われた粗ジニトロトルエンの洗浄後でさえ、除去することが難しいかなりの量の不純物がまだジニトロトルエン中に存在し、そして、これらは、本発明のよる除去によって効果的に除去されるものである。
出願人が見出したように、上流洗浄と下流の除去ガス処理(除去)との本発明に係る組合せのみが、トルエンのニトロ化から生じる粗ジニトロトルエンの効率的な浄化をもたらす(すなわち、洗浄処理又は洗浄工程の下流での除去)。驚くべきことに、除去することが非常に困難な微量の汚染不純物ですら、もしあるならば(例えば、シアン化水素等)、少なくとも実質的に完全に除去することが、この方法において、可能である。
先行技術とは対照的に、効率的な方法で、粗ジニトロトルエンの浄化のためのより広範囲の複雑な処理工程は、粗ジニトロトルエンの浄化における品質の損失を受け入れる必要なしに、避けられるものである。
驚くべきことに、洗浄の下流での除去ガス処理又は除去は、微量な領域であっても、依然として存在する不純物の安全かつ簡単な又は効率的な除去を保証する。さらに、除去ガス処理又は除去は、同様に(水による除去ガスの負荷に応じて)、処理されるジニトロトルエン中になお存在する残留水を(例えば、溶解されるか懸濁された形において)、多かれ少なかれ広範囲で除去するもので、この残留水が効果的に除去されるか、少なくとも顕著に減少させることができることを意味するものである。
本発明に関して、トルエンのニトロ化から生じる粗ジニトロトルエンを浄化するための容易に管理可能な方法がこれによって提供される。 言い換えれば、本発明に関して、浄化又は純粋な(高純度)ジニトロトルエン(DNT)を提供又は調製する方法が提供される。
本発明の典型的な実施形態では、本発明は、より詳細には、異性体混合物として、又は、硫酸の存在下でのトルエンと硝酸との等温又は断熱反応から得られる粗DNTから進む純粋な異性体として純粋なジニトロトルエン(DNT)を得る方法に関する。使用済みの硝化酸を除去した後、粗DNTは、1回以上の洗浄工程で、洗浄媒体(一般に水)と処理によって接触し、(典型的には、複数の洗浄工程の場合 特に8〜12の範囲のpHで、塩基の存在下での1つの洗浄工程の実施を有する)この方法において洗浄され、−洗浄媒体を除去した後−水洗DNTは、引き続いて除去ガスで処理される。
本発明の方法の処理工程(a)(すなわち、洗浄工程)に関しては、以下の点に留意すべきである:
典型的には、前記洗浄は、液体/液体抽出と呼ばれるものとして行われる。
本発明では、本発明の方法の範囲内で、処理工程(a)において、洗浄は1回以上の洗浄工程、特に1回、2回又は3回の洗浄工程で行うことができる。各洗浄工程は、1つ以上の洗浄及び/若しくは抽出工程を具備することができるが、各洗浄工程は、1つ又は複数の工程、特に1,2又は3工程において実行される(ここで、洗浄及び/若しくは抽出工程は、交差流及び/若しくは向流、又はそれらの組合わせで実行される)。
処理工程(a)において、洗浄は、通常は、水系洗浄媒体で達成される。水系洗浄媒体は、中性、酸性又は塩基性(アルカリ性)であってもよい。
本発明の方法において、処理工程(a)において、使用される洗浄媒体は、洗浄酸、水性塩基又は水であることができる。
本発明の好ましい実施形態では、この方法において、処理工程(a)では、洗浄は3工程で及び/若しくは3洗浄工程で実施することができる。この場合、3工程洗浄または3回の洗浄工程を有する洗浄は、第1の酸性洗浄工程(「酸性洗浄工程」又は「酸性洗浄」)、続く第2の塩基(アルカリ)洗浄工程(「塩基又はアルカリ洗浄工程 」又は「塩基又はアルカリ洗浄」)及び最終の第3の中性洗浄工程(「中性洗浄工程」又は「中性洗浄」)を具備することが可能である。これに関して、ニトロ化された粗生成物の洗浄に関して上記に概説された先行技術を参照することができる。
本発明の方法の特定の実施形態では、処理工程(a)において、洗浄(2回以上の洗浄工程の場合、各洗浄工程において)は、交差流又は向流で、または交差流−交差流の組合せにおいて実施される。 洗浄媒体は有利に再利用することができる。
処理工程(a)の終了時に、使用済み洗浄媒体は、洗浄媒体で洗浄されたジニトロトルエンから分離される。 一般に、処理工程(a)において、洗浄媒体の分離は、分離装置(セパレータ)、特に静的分離装置によって、又は遠心分離機によって行われる。あるいは、相分離は、相分離を促進する他のユニット又は装置(例えば、コアレッサーなど)によって行うこともできる。
これは、洗浄媒体を除去した後に、水で洗浄した後に得られる洗浄済みDNTが、常に水で飽和されており、且つ、マイクロエマルションの形において微量の未溶解水を未だに含有している理由である。したがって、洗浄後の静的分離の後に得られるDNTは、通常、より高いまたはより低い濁度を有する。除去によってそれに続いて処理されるべきDNTにおける水分含有量を最小限に抑え、これによって除去における負担を軽減するために、−既に説明したように−洗浄後且つ除去ユニットへDNTを供給する前に、特に遠心分離機によって、DNT中に溶解した水分に対してDNT内の水分含有量を減少させることができる。
処理工程(a)で行われる洗浄を実施するのに適した方法および装置(プラント)は、原則として先行技術から公知であり、例えば、同じ出願人から由来する以下の文書に記載されている: パテントファミリー同等物EP0,736,514A1及びUS5,756,867Aを有するDE195 12 114A1;パテントファミリー同等物EP1,780,195A1及びUS2007/088183A1を有するDE10 2005 050 106A1;及びパテントファミリ同等物WO2012/156095A1及びCA2,835,121A1を有するDE10 2012 009 787A1。
処理工程(a)に続く本発明の方法における処理工程(b)に関して、この処理工程内で、除去ガス処理が行われる。これは、処理工程(a)から結果として得られた洗浄済みジニトロトルエンが、少なくとも1つのガス(除去ガス)による除去工程にさらされることを意味する。上記に概説されたように、洗浄後に依然として存在し、それらのいくつかが除去するのに非常に困難である不純物、特に揮発性不純物を、この方法で効率的かつ効果的に除去することが可能である。
除去(除去ガス処理、除去などとも呼ばれる)は、一般に物質(ここでは不純物)が、特にヘンリーの法則の実施での脱着操作によって、液相(ここではDNT)から気相に、選択的に移動する物理的分離方法である。この目的のために、一般に、液相は、向流及び/若しくは交差流原理によって、好ましくは向流原理によってガス(除去ガス)と接触させる。
これによって、脱着の形の除去において、除去される不純物は、液相(DNT相)から気相へ、一般的に、ガス(除去ガス)の非常に大きな体積流量率を有する向流及び/若しくは交差流において液体相と接触することによって、液相(DNT相)から気相へ物理的に移送される。
除去工程の背後にある駆動力は、液体から除去される物質または不純物の蒸気圧が、ガス(除去ガス)中よりも液体中で大きく、そのため液体がガス(除去ガス)に移動されることである。
以下に概説されるように、除去の工業的実施は、一般に、適切な除去装置、例えば除去塔で実行され、除去ガス処理を、目的を視野に入れて及び/若しくは効果的に目的に合わせるために、装置の特色及び除去状態を、処理されるべき汚染された粗生成物に調整することができるものである。この点に関するさらなる詳細については、例えば、ロンプケミエレクシコン[化学辞典]第1お版、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1996−1999、第5巻、4281頁、項目「除去」の下に、及び第2巻、1470頁、項目「ガス浄化」の下に、及びウルマンズ工業化学事典、第4版、第2巻、575頁以降、及びそれぞれの文献の参考文献に記載されている。
上記に詳細に記載されたように、除去又は除去ガス処理は、この目的に適した除去装置で行われる。この目的のための好適な装置は、特に、一方で除去ガスと他方で(除去条件下で液体である)DNTとの間に大きな交換領域の生成を可能にするものである。
特に、処理工程(b)において、除去は、除去装置で実行されるもので、使用される除去装置は、除去塔、特に一段若しくは多段の除去塔、好ましくはランダムパッキング、篩トレイ若しくはバブルキャップを有する塔、流下薄膜塔若しくはそれらの組合せ、又は薄膜蒸発器、気体/液体反応器若しくは水平除去装置であっても良いものである。
原則的には、処理工程(b)において、除去は、交差流及び/若しくは向流において、好ましくは向流において行われることができ、処理工程(b)の除去ガスは、交差流及び/若しくは向流において、好ましくは向流において行われるものである。
本発明の特定の実施態様では、処理工程(b)において、除去は多工程で行うことができる。様々な除去工程の各々において、除去は、交差流または向流で、好ましくは向流で行うことができ、又は、除去ガスは、様々な除去工程のそれぞれにおいて、交差流又は交流において、好ましくは向流において行うことができる。
本発明の方法の処理工程(b)において、処理工程(b)における除去ガス処理の効率的な実施を可能にするために、除去は、ジニトロトルエンの溶融温度より高い温度で、特に少なくとも56℃の温度で、好ましくは少なくとも60℃の温度、より好ましくは少なくとも65℃の温度で行われる。より好ましくは、処理工程(b)において、除去は、56℃〜130℃の温度範囲内、特に65℃〜105℃の温度範囲内、好ましくは70℃〜95℃で実行されるものである。
除去がジニトロトルエンの融点より高い温度で行われることを確実にするために、処理工程(b)において、除去ガスが、65℃〜140℃の範囲内、特に70℃〜120℃の範囲内、好ましくは70℃〜95℃の範囲内の除去ガス温度で、使用され及び/若しくはジニトロトルエンと接触させることが望ましい。この目的のために、処理工程(b)において、除去装置への供給時の除去ガスは、65℃〜140℃の範囲内、特に70℃〜120℃の範囲内、 好ましくは70℃〜95℃の範囲内の温度を有するべきである。
DNTを除去する際に超えてはならない上限温度は、特に安全性の考慮から生じる。DNTは、除去の過程で溶融状態でなければならないので、DNTが56℃〜130℃の範囲内、好ましくは65℃〜105℃の範囲内、より好ましくは70℃〜95℃の範囲内で、DNTが処理される温度範囲内で、除去ガスの安全かつ効果的な処理を実行することが望ましい。除去のためのより低い温度限界は、DNTの融点によって特に制限され、工業用異性体混合物について、特にDNT中の水分含有量に依存するもので、好ましくは55℃〜57℃の範囲内である。除去後に溶融するDNTの温度は、DNT結晶の沈殿を確実に防止するために(例えば、装置上若しくはその壁およびパイプライン上に)、60℃より低くならず、好ましくは65℃から85℃の間であるべきである。したがって、除去ガスの温度は、65℃〜140℃の範囲内、好ましくは70℃〜120℃の範囲内、より好ましくは70℃〜95℃の範囲内であるべきである。
一般に、本発明の方法に関する手順は、処理工程(b)において、好ましくはプロセス全体にわたって、ジニトロトルエンが、物質の液体状態及び/若しくはそれらの融解温度を上回ること、且つ/又は、処理工程(b)において、好ましくはプロセス全体にわたって、ジニトロトルエンは、少なくとも60℃の温度、好ましくは56℃〜130℃の範囲内、特に60℃〜105℃の範囲内、好ましくは65℃〜95℃の範囲内、より好ましくは65℃〜85℃の範囲内の温度を有することである。
安全上の理由で設定される上限温度を超える望ましくない有害な加熱を防止するために、DNT製造プラントのDNTは、標準ポンプでは送出されないことが好ましく、代わりに、DNTの送出のために適した送出装置、例えばDNTの相分離において使用可能な遠心分離機、インジェクタ等によって、又は、それに代わる重量測定手段によって送出される。
原理的には、除去ガス処理または除去は、広い温度範囲内だけでなく広い圧力範囲内で行うこともできるが、除去または除去ガス処理では、処理すべきDNTは 物質の液体状態であるべきである。
原則として、処理工程(b)において、除去は、大気圧(標準圧力; 1.01325バール)又は真空下(減圧)、又は加圧下、好ましくは大気圧で行うことができる。 一般に、処理工程(b)において、除去は、0.2バール〜3バールの範囲内、特に0.3バール〜1.2バールの範囲内、好ましくは0.4バール〜1.1バールの範囲内、より好ましくは約1バールの絶対圧で行うことができる。
除去ガスによる処理は、好ましくは大気圧(標準圧力)で行われる。 しかし、除去ガスの量を最適化する目的で、除去は、原理的には、減圧下または特にわずかに高い圧力下で可能である。
除去に使用されるガス(除去ガス)に関して、ここでは様々な種類のガスを使用することが可能である。一般に、処理工程(b)において、使用される除去ガスは、ジニトロトルエンに対して非反応性であり、且つ/又は、ニトロトルエンに対して不活性であるガスである。特に、除去ガスは、窒素、酸素、希ガス(好ましくはヘリウム及びアルゴン)、水素、炭素酸化物(例えば一酸化炭素及び二酸化炭素)及びそれらの混合物(特に窒素/酸素混合物としての空気)の群から選択され、好ましくは窒素、酸素、希ガスおよびそれらの混合物の群から選択され、より好ましくは窒素、酸素およびこれらの混合物の群から選択されることが可能である。これらが、最も安価で有り、最も産業上の有用性を有することから、除去ガスとして、窒素又は空気を使用することが、特に好ましいものである。
除去ガスの特定の選択は、特に、どの不純物または物質が、処理されるべきDNTから除去されるべきかに依存する:例えば、酸化炭素を含まない純粋なDNTが提供される場合、もちろん、当業者は、炭素酸化物を含まない前述の除去ガスの中のものにのみ頼るであろう。
本発明の方法の典型的な実施形態では、洗浄されたDNTの除去に使用される除去ガスは、それらが、例えば、空気、窒素、希ガス、CO、CO、NO、水素などのような安価で入手可能であるならば、特にすべての不活性ガス(すなわち、除去ガス処理条件下で洗浄されたDNTに対して非反応性の全てのガス) であることが可能である。空気または窒素を使用することが好ましいが、他の除去ガスを使用することも可能であり、特に圧力および温度のような観察すべき除去ガス処理のパラメータを考慮すると、DNTは、各々の場合に、ヘンリーの法則に関するその溶解限度まで除去ガスでいっぱいにされる。
一般に、除去ガスは、少なくとも本質的に水及び/若しくは水蒸気を含まず、特に少なくとも本質的に水蒸気を含まないものでなければならない。言い換えれば、一般に、処理工程(b)において、除去ガスは、水及び/若しくは水蒸気、特に水蒸気を含むべきでない。これは、処理工程(b)において、除去は、特に水蒸気の不在下で、水及び/若しくは水蒸気の非存在下で、特に水蒸気の非存在下で行われること、又は、処理工程(b)において、水蒸気は、除去ガスとして使用されないことを意味する。
それにもかかわらず、原理的に別の可能性は、特に除去ガス処理温度、好ましくは20℃〜30℃のガス温度に基づいて、100重量%まで、特に90重量%まで、好ましくは70重量%までの(相対的な)空気湿度又は残留水分含量を有する除去ガスの充填である。
これは、本出願人が見出したように、除去ガスとしての水蒸気の使用が、様々な理由で本発明の方法に関して弊害をもたらす理由である:第1に、除去ガスとしての水蒸気の使用は、処理されるDNTに水を導入するものである。しかしながら、安全性の理由からも、水蒸気は、本発明の方法の範囲内で、除去には不適当であるか又は良好な適合性を有しない。水蒸気での除去のさらなる欠点は、−不純物を除去した除去ガスと同様に−、DNT/水混合物が、常に除去塔の塔底部で得られ、それは、再度除去されなければならないので、付加的な技術的複雑さと同様に付加的な廃棄物の流れが得られる。したがって、除去ガスとしての水蒸気は、(たとえ原則的に臨床的観点から使用可能であっても、又は、本発明の方法の実施のためのその使用に関して原則的に実施可能であっても)避けるべきである。
したがって、水蒸気は、特に、除去ガス処理の好ましい温度範囲に関して、除去ガスとしては不適当であるかまたは特に適しておらず、これは、安全上の理由から留意されるべきである:105℃以下の好ましい温度範囲での水蒸気による除去は、 減圧下で除去ガスで処理されるDNT溶融物のための技術的観点から非常に複雑である。飽和水蒸気によるDNT溶融物の除去のさらなる欠点は−上に概説したように−、揮発性不純物と共に除去ガスを除去するだけでなく、常にDNT/水混合物が除去塔の塔底で得られることであり、それは除去されなければならない:硝酸、トリニトロクレゾール及びニトロ安息香酸のような除去されるべきDNT中に依然として存在する強および中強度の酸は、塔底で得られたこの水の中に抽出されなければならない。この結果、付加的な廃棄物流が得られ、その取扱いは化学工学の観点から複雑である。従って、本発明によれば、使用する除去ガスは水蒸気を含まない。
好ましくは、除去ガス処理は、特に除去ガス処理もまた除去されるDNT中の残留水分含量を減少させると考えられるので、除去ガスは、乾燥又は乾燥された形態(すなわち、少なくとも本質的に水を含まない)で使用される。原則的に別の可能性は、特に除去ガス処理温度に基づいて、好ましくは20℃〜30℃のガス温度に基づいて、100重量%まで、特に90重量%まで、好ましくは70重量%まで若しくはそれ以下の(特に相対)空気湿度又は残留水分含量 を有する除去ガスを充填することである。
処理工程(b)で使用される除去ガスの量は、広い範囲内で変化し得る。
特に、処理工程(b)において、使用される除去ガスの量は、除去条件、特に温度及び/若しくは圧力及び/若しくは除去期間及び/若しくは除去ガスの性質に依存して、且つ/又は、処理工程(b)で処理されるジニトロトルエン中の不純物の含有量及び/若しくは性質に依存して、且つ/又は、処理工程(b)の後に生じるニトロトルエン中の不純物の目標残存量に依存して、選択され且つ/又は設定される。
本発明の典型的な実施形態では、例えば除去ガスに対するDNTの重量比として計算される使用される除去ガスの量は、ストリッピングが行われる温度及び圧力に応じて、且つ、個々の不純物の所望の残留含有量に依存して選択され且つ/又は設定されるものである。
特定の実施形態では、処理工程(b)において、処理されるジニトロトルエンの1メートルトンに基づいて、且つ、準条件(圧力1.01325バール; 0%の空気湿度、すなわち乾燥除去ガス;0℃の温度[DIN1343STPDによる標準条件])下で、標準立方メートルにおいて除去ガスの体積として演算された使用される除去ガスの容積は、除去ガスの0.1〜1000標準立方メートル、特に0.5〜500標準立方メートル、好ましくは1〜200標準立方メートル、より好ましくは2〜120標準立方メートル、さらにより好ましくは5〜80標準立方メートル、さらに好ましくは10〜60標準立方メートルである。
標準立方メートル(通常立方メートルとして同義語的にも参照される)は、ガスの量に対する化学工学およびガス技術で使用される測定単位である。それは、1立方メートルのガスの量が、固定された条件(温度、圧力、空気湿度)下で占めるであろうガスの量を記述する。標準立方メートル単位若しくは標準立方メートルへの換算は、温度、圧力および水分含有量に関して任意に固定されているが正確に規定された状態で、相当する測定単位で、ガスと関連して記載された数値を基にするために使用される。本発明に関して、標準立方メートルの測定単位は、標準条件または通常条件(1.01325バールの圧力;0%の空気湿度、すなわち乾燥除去ガス;0℃の温度[DIN1343,STPDによる標準条件])において使用される。
したがって、本発明に関する標準立方メートルは、1.01325バールの圧力および0重量%の空気湿度(乾燥除去ガス)および273.15K(0℃)の温度で、1立方メートルのガス容積を有するガス量である。
1標準立方メートル(理想気体)は、(気体分子の種類にかかわらず)気体分子の44.615molの一定モル量を含む。
下記する気体の種類の1標準立方メートルには、下記のガス量を含む。
空気:1.293kg
窒素:1.250kg
水素:0.0899kg
特定の実施形態では、処理工程(b)において、処理すべきジニトロトルエンの1メートルトンに基づいて、且つ、標準条件(1.01325バールの圧力;0%の空気湿度、いわゆる乾燥除去ガス;0℃の温度[DIN1343,STPDによる標準条件])下で除去ガスとして窒素の量として演算される処理される除去ガスの量は、0.5〜500kg、特に1〜250kg、好ましくは1〜140kg、より好ましくは5〜50kg、さらに好ましくは10〜40kgである。他の不活性ガスが使用される場合、除去ガスとして窒素について報告された値は、それに応じて調整または再計算されるべきである。
一般に、処理工程(b)では、同様に乾燥している、且つ/又は、処理されたジニトロトルエンの水分含有量において減少している。より詳細には、これに関連して、処理工程(b)の後に生じるジニトロトルエン中の水分含有量は、それぞれの場合のジニトロトルエンに基づいて、1重量%以下、特に0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、さらにより好ましくは0.3重量%以下、さらにより好ましくは0.2重量%以下である。
一般に、処理工程(b)では、得られたジニトロトルエンの水分含有量は、液状ジニトロトルエンを凝固点まで冷却する間に、それ以上の水が分離されない程度に低下する。
除去ユニットにおいて、例えば空気若しくは窒素のような不活性ガスによる処理工程(b)に洗浄されたDNTの処理において、これによって除去されるものは、低沸点の脂肪族および芳香族炭化水素、シアン化水素、アンモニア、硝酸等、並びに、室温ですでに気体であるDNT中の不純物 例えばCO、NO、CO、NO、NO等、並びに水の存在下でNOXから新たに形成される硝酸だけでなく、DNT中に溶解し且つ懸濁している可能性のある水である。除去ガスで処理した後のDNT中にまだ溶解している水の割合は、非常に低いか、除去ガスでの処理後に、その融解点まで下降する液体DNTの冷却の過程で水が分離されなくなり、これによって「露点」に達することがない程度まで、減少させるべきである。これによって、洗浄され除去ガス処理されたDNT中に常に存在する残留酸性により高い腐食性を有する中間DNT貯蔵施設内の微量の水の形成を確実に避けることができるものである。
特定の実施形態では、処理工程(b)において、除去は、処理工程(a)における前述した酸性、塩基性又は中性洗浄に続いてもよい。これは、本発明の方法において、処理工程(a)における上流洗浄は、1,2又は3工程で実施することができるか、又は、1、2又は3つの洗浄工程を含むことができることを意味する。 例えば、除去ガスによる処理は、第1の洗浄工程(酸性洗浄)及び/若しくは第2の洗浄工程(アルカリ洗浄)及び/若しくは第3の洗浄工程(中性洗浄)を伴っても良い;これについては、以下に説明する図解および実施例に関連して詳細に論じる。しかしながら、除去ガスでの処理は、個々の抽出工程または種々の洗浄工程の個々の洗浄工程の後でも可能である。
本発明の特定の実施形態では、処理工程(b)の実施後、ジニトロトルエンから除去された不純物を含む除去ガスは、オフガス処理、特に熱オフガス処理を受けることができる。
これに対する別の実施形態では、処理工程(b)の実施後、ジニトロトルエンから除去された不純物を含む除去ガスに、好ましくは凝縮により、且つ/又は、好ましくは水性洗浄媒体での洗浄により、含有する除去ガスから不純物を除去するための処理を施し、付加的にその後に浄化された除去ガスを処理工程(b)に再循環させることができる。
例えば、容易に凝縮され又は容易に洗い流される硝酸、シアン化水素等のような不純物を除去した後、除去ガス及び室温で液体である脂肪族及び芳香族炭化水素は、凝縮され又は洗い流されることがない不活性物質、例えばCO、NOなどを含有する除去ガスのサブストリームの有利な排出によって循環し、オフガス処理、例えば熱オフガス処理に送られ、除去ガス流におけるこれら不活性ガスの濃縮を防止することができるものである。
除去ガスで予め洗浄されたDNTから除去されたすべての不純物は、オフガス流内に存在する。このオフガス流は、例えば、DNTから除去された水が確実に凝縮しないときに、熱オフガス処理に、例えば中間凝縮なしで送られるものである。別の可能性は、硝酸、NO、シアン化水素などの水への良好な溶解性の酸および炭化水素が、熱オフガス処理上の負担が軽減されるように、オフガスから除去される場合の、水又は洗浄酸のような洗浄媒体による中間凝縮若しくは付加的な洗浄である。
中間濃縮において若しくは洗浄媒体でのオフガスの付加的な処理において得られ、特に硝酸、シアン化水素及び良好な水溶性を有する他の不純物並びにDNT及び除去された微量の炭化水素を含有する排水は、−例えばEP0,736,514A1又はEP1,780,198A1に記載されているように、単独で、又は、処理工程(a)の第1の洗浄工程(いわゆる酸洗浄)から洗浄酸の濃縮からの蒸気凝縮と共に)−ニトロ化される芳香族(すなわち、トルエンを用いたDNTの場合)を用いて抽出して得られる溶解し懸濁したDNTから除去される。シアン化水素は、例えば酸化剤による処理によって、又は、抽出剤と共に水蒸気で除去することによって、直接抽出された廃水中に除去することができる。中和後、この汚染された廃水は、生物学的な後処理若しくは直接受水槽に放出される。
この凝縮物が同様に廃水処理に放出される前に、汚染された廃水からの除去凝縮物において濃縮されたシアン化水素は、酸化剤若しくは他の手段による処理によって破壊または結合されなければならない。微量のMNT及びDNTをまだ含有する除去された揮発性炭化水素のサブストリームは、洗浄に再循環させることができる。
環境に放出される前に、オフガスは、通常、後燃焼によって酸化され、放出される。
すでに上述したように、本発明の方法により、技術的に単純で信頼性の高い方法で、それらの不純物、例えば、特に仮にあったとしても、粗ジニトロトルエンの従来の浄化方法によって直接除去されることのない揮発性不純物(例えば非酸性又は弱酸性不純物のような他の分純物もまた)を含んでいる硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、断熱的又は等温的手段によって実施されるトルエンのニトロ化において得られるような粗ジニトロトルエンから、少なくとも本質的に全ての若しくは実質的に全ての不純物を効果的に除去することが可能である。驚くべきことに、特に下流の除去ガス処理によって、効果的に有効な方法で、ジニトロトルエンの下流のさらなる使用又はさらなる処理を著しく損なう可能性のある不純物を効果的に除去することも可能である(例えば、 触媒毒として、ジニトロトルエンの接触水素化を損なう可能性がある)。
本発明の方法を用いて、粗ジニトロトルエンから除去されるべき不純物は、特に鉱酸(特に硫酸、硝酸および亜硝酸)、未転化反応物及び/若しくは部分的に変換された反応物、窒素酸化物 、炭素酸化物及びニトロ化および非ニトロ化反応副生成物、並びにニトロ化から生じる生成物および副産物の分解および酸化生成物(例えば、シアン化水素など)からなる群から、特に選択されることが可能である。

特に、本発明の方法を用いて、粗ジニトロトルエンから除去される不純物は、(i)鉱酸、特に硫酸、硝酸及び亜硝酸;(ii)有機酸、特に蟻酸、酢酸、蓚酸、モノ−及びジニトロ安息香酸などのニトロ安息香酸、ピクリン酸、シアン化水素など;(iii)ニトロ芳香族、特に例えばモノ− 、ジ −及びトリニトロフェノールなどのニトロフェノール、並びに例えばモノ− 、ジ−およびトリニトロクレゾールなどのニトロクレゾール;(iv)窒素酸化物、特に一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)および一酸化二窒素(NO);(v)炭素酸化物、特に一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO);(vi)炭化水素、特に脂肪族および環式脂肪族炭化水素;(vii)未変換または部分的に変換された反応物、特にトルエン;からなる群から選択されることが可能である。
上述したように、本発明の方法による予期しない方法では、浄化される粗ジニトロトルエンから揮発性不純物(しかし、これだけではない)も、特に除去することが可能である。これは、本発明に関して、浄化される粗ジニトロトルエンよりも高い揮発性、特に高い蒸気圧及び/若しくは低い融点を有するそれら化合物を特に(しかし、制限なしに)意味することとして理解される。揮発性について使用される参照パラメータは、標準条件(すなわち、1.01325バールの圧力;;0%の空気湿度[DIN1343、STPDよる標準条件)下での蒸気圧、且つ/又は、標準条件(すなわち、1.01325バールの圧力;;0%の空気湿度[DIN1343、STPDよる標準条件)下でのジニトロトルエンの沸点であることが可能である。上述したように、本発明の方法の範囲内で除去することができる揮発性化合物は、例えば、窒素酸化物(例えば、NO、NO、NOなど)、炭化水素(例えば、脂肪族または芳香族炭化水素など)、炭素酸化物(例えば、CO、CO等)、シアン化水素等を含む。
上述したように、本発明の方法は、関連する先行技術から本発明を限定する多くの利点および特別な特徴に関連する;
本発明の方法に関して、トルエンの断熱的または等温的なジニトロ化から得られ、最初に1回以上、特に1回〜3回の洗浄工程で洗浄され、これによって微少量の硝酸、窒素酸化物NO及び硫酸を含むが洗い流すことが困難である上述した種類の不純物をかなりの量で含有している粗ジニトロトルエンは、除去ガスで処理される。除去ガスで予め洗浄されたDNTに関するこの処理は、DNTと比べて低い沸点及び結果として高い分圧を有する少なくとも本質的に全ての又は実質的に全ての不純物、特に室温ですでに気体であり例えば特にCO、CO、NO、NO、NOのようなDNT内に存在する不純物だけでなく、例えばシアン化水素、硝酸、脂肪族及び芳香族炭化水素、水等、ヘンリーの法則に基づく分圧によって、複数回の液体/液体抽出を介して水による洗浄によって決して除去されることない低い沸点を有する不純物を、有効な方法で、かつ大きな技術的な複雑さを伴わずに、所望の残留量まで完全にまたは制御された方法で、除去するものである。
本発明の方法は、特に、処理工程(a)の洗浄中に、新しく付加される洗浄媒体に対する洗浄すべきDNTの高い比率が使用される場合に、且つ/又は、粗DNTから除去される小さい抽出係数を有する不純物が多工程洗浄によってのみ物理的手段によってDNTから除去可能である場合に、特に都合が良い。
この方法のさらなる利点は、多工程洗浄又は数回の洗浄工程を有する洗浄(例えば、3つの洗浄工程を有する洗浄)において、相分離の後のそれぞれの洗浄工程が、除去ガスによるDNT処理に続くことから、著しく汎用性のある方法において、実行可能である:本発明の方法において、3つの洗浄工程において洗浄され、微量の残留量のシアン化水素、アンモニア(アルカリ又は第2の洗浄工程で塩基としてのアンモニアを有するもの)及びCO、NO等のような比較的大量の中性物質、並びに低沸点の脂肪族及び芳香族炭化水素、且つ付加的にNOのかなりの残留量、又は第1若しくは酸洗浄工程(例えばEP0,736,514A1、EP0,736,514A1若しくはEP1,780,195A1に記載されているように、洗浄酸での処理)からのDNTであって、付加的にニトロフェノール、ニトロクレゾール、ニトロ安息香酸と同様に好ましくない分配係数、洗浄媒体における低い溶解度、弱酸性若しくはゼロ酸性度、例えばCO、CO、シアン化水素、NO、NO等、並びにいくつかが有害な触媒毒である不純物、並びに比較的低沸点の脂肪族及び芳香族炭化水素等を含むDNTと、これら比較的大量の不純物とのいずれかを、簡単且つ効果的な方法において、除去することが可能となるものである。代わりに、第2の洗浄工程後(すなわちアルカリ洗浄後)のDNTは、適切な除去ガスで効率的に処理することができる。 さらにその代わりに、いくつかの抽出工程からなる洗浄工程の各抽出工程の後、除去ガスで洗浄媒体を除去した後に得られるDNTの処理が可能である。
これによって、本発明の方法は、技術的観点から信頼性高く、安全に、効率的かつ柔軟に機能し、装置の観点から容易に実現可能であるが、同時にその動作面でも経済的である。
本発明の2つの他の様相−一方(本発明の第2の様相)で、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化から生じる粗ジニトロトルエンを浄化するための発明の装置(プラント)と、他方(本発明のさらなる様相)で、ジニトロトルエンの調合のための本発明の製造プラント−は、以下に記載され、以下に特定された参照番号は、図1乃至図4について適用された図面に関して、以下に詳細に説明される。
本発明の第2の様相において−本発明は、使用済み硝化酸混合物(同義語的に使用済み硝化酸とも参照される)の除去の後、硫酸/硝酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化の結果として生じる粗ジニトロトルエンの浄化のための、特に粗ジニトロトルエンからの揮発性不純物の除去のための装置(プラント)、特に上述したような本発明に係る方法の実施のための装置(プラント)に関するものであり、前記装置は:
(a) 少なくとも1つの洗浄媒体WMでの粗ジニトロトルエンR−DNTを洗浄するための少なくとも1つの洗浄ユニットWE;及び
(b) 洗浄ユニットWEの下流側に配置され、少なくとも1つのガス(除去ガス)SGでの洗浄ユニットWEから生じる洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−IIIの除去(除去ガス処理)のための少なくとも1つの除去ユニット(除去装置)SK:を具備するものである。
本発明の特定の実施形態では、本発明の装置において、洗浄ユニットWEは、1つ以上、特に1つ、2つまたは3つ、好ましくは3つの洗浄ユニットWS−I、WS−II、WS−IIIを有する粗ジニトロトルエンR−DNT、特に、酸性洗浄を行うための洗浄ユニットWS−I及び/若しくはアルカリ洗浄を行うための洗浄ユニットWS−II及び/若しくは中性洗浄を行うための洗浄ユニットWS−IIIを有する。
本発明の好ましい実施形態では、本発明の装置において、洗浄ユニットWEは、酸洗浄を行うための洗浄ユニットWS−I、酸洗浄を行うための洗浄ユニットWS−Iの下流側に配置され、アルカリ洗浄を行うための洗浄ユニットWS−II、アルカリ洗浄を行うための洗浄ユニットWS−IIの下流側に配置され、中性洗浄を行うための洗浄ユニットWS−IIIを具備する粗ジニトロトルエンR−DNTを洗浄するための3つの洗浄ユニットWS−I、WS−II、WS−IIIを有するものである。
本発明の一実施形態では、本発明の装置において、洗浄ユニットWEは、使用済み洗浄媒体(WL)及び/若しくは洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−IIIからのジニトロトルエンから除去される不純物が含有される洗浄媒体(WL)を除去するための少なくとも1つの除去ユニットを具備する。
本発明の特定の実施形態では、除去ユニットSK、特に除去塔は、下端(下部)KS、特に塔底、及び、上端(上部)KK、特に塔頂、及び供給ユニット、好ましくは除去ガスのために下端KSに配置された供給ユニットと、洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−IIIのために、好ましくは上端KKに配置された供給ユニットとを有することができるものである。
好ましくは、除去ユニットSKは、下端(下部)として塔底KSと、上端(上部)として塔頂KKとを有する除去塔の形をとることができる。除去塔は、除去ガスSGのために塔底KSに配置された供給ユニットと、洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−IIIのために塔頂KKに配置された供給ユニットとを含むことができる。
本発明の特定の実施形態において、除去ユニットSKは、動作状態において、第1に、一方で洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III及び他方で除去ガスSGの向流及び/若しくは交差流、好ましくは向流を可能にする。
不必要な反復を回避するために、本発明の装置(プラント)に関するさらなる詳細については、本発明の装置(プラント)に対応して適用される本発明の方法に関する上記の詳細を参照することができる。
本発明は−本発明の第3の様相において−、ジニトロトルエンの生成のための製造プラント、特に硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、ジニトロトルエンを与えるトルエンのニトロ化(ジニトロ化)及びそれに続いてニトロ化に由来する粗ジニトロトルエンを浄化のための製造プラントに関するもので、
前記製造プラントは:
i)硝酸/硫酸硝化酸混合物MSの存在下で、特にニトロ化を実行するための1つ以上の反応容器(ニトロ化反応器)を有し、ジニトロトルエンR−DNTを得るために、トルエンTのニトロ化(ジニトロ化)のためのニトロ化ユニットNE
(ii) 付加的に、製造ライン上のニトロ化ユニットNEの下流側に配され、粗ジニトロトルエンR−DNTから使用済み硝化酸混合物SPを除去するための少なくとも1つの除去ユニット、特に分離ユニット(セパレータ);
(iii)ニトロ化ユニットNEおよび生産ラインに存在する任意の除去ユニットの下流に配され、粗ジニトロトルエンR−DNTの浄化のための装置(プラント)、特に上述された本発明による装置(プラント)であって:
(a)少なくとも1つの洗浄媒体WMで、粗ジニトロトルエンR−DNTを洗浄するための少なくとも1つの洗浄ユニットWE;及び、
(b)洗浄ユニットWEの下流側に配され、少なくとも1つのガス(除去ガス)SG用いて洗浄ユニットWEから生じる洗浄されたジニトロトルエンW−DNTを除去(除去ガス処理)するための少なくとも1つの除去ユニット(除去装置)SKを具備する。
不必要な反復を回避するために、本発明の生産プラントに関するさらなる詳細については、本発明のプロセスおよび本発明の装置(プラント)に関する上記の詳細を参照することができ、これは、本発明の生産プラントに関して対応して適用されるものである。
以下に続く詳細は、本発明の装置(プラント)および本発明の生産プラントの両方に関連する。
本発明の装置(プラント)と本発明の製造プラントとの両方に関して、除去ユニットSKが、付加的に、除去ユニットSKに導入する前に、洗浄されたジニトロトルエンW−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−IIIを加熱するための熱交換器WM1を具備する場合があることが好ましい。さらに、除去ユニットSKが、除去ユニットSKに導入される前に、除去ガスSGを加熱するための熱交換器WM2を、付加的に具備する場合があることが好ましい。
加えて、本発明の装置(プラント)と本発明の製造プラントとの両方に関して、除去ユニットSKの下流に配され、ジニトロトルエンから除去される不純物を含有する除去ガスの浄化及び/若しくは処理を行うためのオフガス処理ユニットを設ける場合があることが好ましい。1つの実施形態において、オフガス処理ユニットは、洗浄ユニットWK、特に洗浄塔、場合により下流の、好ましくは熱によるオフガス後処理プラントABを備えることができる。代替の実施形態では、オフガス処理ユニットは、好ましくは熱オフガス処理プラントAB(すなわち、上流の洗浄ユニットなし)(のみ)を具備するものである。
本発明の他の利点、特性、局面および特徴は、図1乃至図4による図面の以下の説明で詳述される本発明に係る好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。
図1は、本発明の好ましい実施形態において、予め洗浄媒体で処理され、本発明の好ましい実施形態において除去ガスでDNTを処理するための本発明の方法および本発明の装置(プラント)の概略図である。 図2は、本発明の別の実施形態において、予め洗浄媒体で処理され、インジェクタによって除去ユニットに供給されたDNTの除去ための本発明の方法及び本発明の装置(プラント)の概略図である。 本発明の好ましい実施形態において、洗浄の下流側の除去装置と共に、DNTの洗浄によるニトロ化及びその後の浄化を具備する本発明の生産プラントの概略図である。 本発明のさらに好ましい実施形態において、洗浄の下流側の除去装置と共に、3つの洗浄工程を有するDNTの洗浄によるニトロ化及びその後の浄化を具備する本発明の生産プラントの概略図である。
図1は、不活性ガスによるDNTの除去の一般的な例を示す。除去されるべき材料(DNT)は、例えば重量手段によって、又はDNTの搬送に適した搬送ユニットによって、除去ユニットに供給することができる。洗浄媒体で予め処理されたDNTは、重量手段又はDNTの搬送に適したポンプP1のいずれかによって熱交換器W1に供給されることが可能である。熱交換器の下流で、除去処理のために想定される温度を有するDNTは、除去塔SKの上端KKに到達する。除去塔SKの下部、塔底KSにおいて、加熱された除去ガスは、供給されると同時に、熱交換器W2による除去処理のために想定される温度まで調節される。除去塔SKを介して除去材料(DNT)の重力による通過の後、揮発性不純物が除去されたDNTは、塔底KSから引き出され、重力的に又は搬送に適したポンプP2のいずれかによって、浄化されたDNTのための中間貯蔵施設に流入する。
DNTから分離された揮発性化合物を含有する除去ガスは、洗浄塔WKの下部KS’に供給されて(例えば外気温度まで)冷却され、洗浄塔WKの塔頂KK’に供給される洗浄媒体で処理される。凝縮され且つ洗浄される揮発性不純物(DNT、シアン化水素、硝酸、揮発性の芳香族又は脂肪族炭化水素、溶媒残留物など)を除去した除去ガスは、又は、そのサブストリームが、またオフガス処理プラントAB、例えば熱オフガス処理へ循環されるか直接放出されるかのいずれかであり、それから浄化されたオフガスとして、大気中に放出される。除去ガスまたはそのサブストリームを再利用する場合、排出された部分は、新しいガスに交換され、ファンV1を介して回路に再利用される。洗浄塔WKの塔底KS’から出された凝縮され洗浄される除去された不純物を含有する洗浄媒体は、−例えばニトロ化される芳香族化合物による抽出によって溶解され且つ懸濁された生成物を除去した後−ニトロ化回路に放出され若しくは再利用されるような粗DNTの浄化から生じる別の廃水と共に処理される。
図2は、図1の一般的な用語で説明された方法又はDNTの移送のためのインジェクターを含む本発明の装置の特定の実施形態を示す:洗浄媒体で処理されたDNTは、エマルションとして、インジェクタP1を有する洗浄ユニットから除去塔SKに移送される。インジェクタP1のために使用される動力媒体は、上流洗浄からのそれぞれの洗浄媒体、好ましくは洗浄媒体10であり、上記の洗浄工程I〜III(酸性、塩基性及び中性洗浄)に供給される。DNT/動力媒体からなるエマルション11は、相分離装置に移送され、それは、除去塔SKの上部の形態を取ることができる。ニトロ芳香族(DNT)で飽和され、DNTに溶解された微量の不純物を依然として含む除去された輸送媒体は、想定される量の洗浄媒体10と混合された後且つ熱交換器W1を通過した後、ポンプP1によってインジェクタのための動力媒体として輸送回路に再利用される。動力媒体回路からの余分な水9は、洗浄媒体として洗浄液に供給される。
相分離装置Bにおいて除去されたDNTは、重力により除去塔SKの塔頂KKに流れる。除去塔SKの下部、すなわち塔底KSにおいて、加熱された除去ガスが供給されると同時に、熱交換器W2による除去処理のために想定された温度に調節される。除去塔SKを介して除去材料(DNT)の重量的通過の後、揮発性不純物が除去されたDNTは、塔底から引き出され、重量的に又はDNTの搬送に適したポンプP2のいずれかによって、 浄化されたDNTのための中間貯蔵施設に流れ込む。
除去された揮発性不純物を含む除去塔SKの下流の除去ガスの処理は、図1について記載されたものと同様に行われる。
図3は、洗浄されたDNTを除去ガスで一括処理してトルエンの断熱的または等温的ニトロ化からDNTを製造するための本発明の製造プラントの一般的な実施を示す。
洗浄ユニットWE内の使用済み硝化酸SPを除去した後に、硝酸/硫酸硝化酸混合物MSによるトルエンの反応により、ニトロ化ユニットNEに形成された粗DNTR−DNT(例えば上述された洗浄工程I〜IIIの実施)は、洗浄媒体WM、好ましくは洗浄酸、洗浄アルカリまたは水で洗浄される。洗浄ユニットWEから結果として生じた廃水WLは、上述したように、それらの源に従って処理される。
硫酸及び硝酸などの強鉱酸(洗浄工程I)及びトリニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、シュウ酸、COなどの8までのpKを有するすべての中強度の酸が好ましくは抽出されるが、シアン化水素のような弱酸及びNO、CO、NO又は脂肪族若しくは芳香族炭化水素などの不活性物質を含む洗浄媒体WEから除去されたDNTW−DNTは、本発明によって使用される除去ユニット/除去塔SKの塔頂KKに、溶解された形で適用され、除去ユニットSKの下部/塔底KSに導入される除去ガスSGで処理されるものである。DNTは、例えば重力的に除去ユニットSKを介して通過し、純粋な生成物DNTとして、除去ユニットSKの下部KSから引き出される。DNTから除去された不純物を含む除去ガスは、オフガス処理プラントABにおいて、例えば洗浄媒体での洗浄による、且つ/又は、NOの除去のようなさらなるオフガス処理による、且つ/又は、熱後処理によるオフガス処理プラントABにおいて、適用される環境規制に適合するオフガスが放出されるような方法において浄化される。洗浄塔WKの塔底KSから引き出される洗浄媒体WM1は、−微量のDNTと同様に−溶解され若しくは懸濁した形態において、除去ユニットSKにおいてDNTから除去された他のすべての凝縮性不純物を含むものである。受水槽への洗浄媒体WM1の放出前に、これらの物質は、洗浄媒体WM1から除去されるものである。
図4は、除去ガスによる洗浄工程I〜IIIにおいて洗浄されたDNTの本発明によって想定された統合処理と共にDNTの洗浄の3つの従来の洗浄工程を有する図3によるトルエンの断熱的または等温的ニトロ化からDNTを調製するための本発明の製造プラントの特定の実施形態を示す。使用済み硝化酸SPを除去した後、硫酸MSの存在下で硝酸によるトルエンTの反応により、ニトロ化ユニットNEにおいて形成された粗DNTR−DNTは、上述したように、3つの洗浄工程WS−I、WS−II、WS−IIIにおいて洗浄される。
洗浄工程IWS−I(酸洗浄)において、供給された洗浄媒体WMは、特に粗DNTから硫酸及び硝酸を分離するために使用され、そこで洗浄される生成物R−DNTに対する洗浄媒体WMの比率は、洗浄媒体WSが10重量%〜40重量%の酸の含有量を含むように選択されるものである。相分離後、洗浄酸WSは、直接的に又は濃縮後にニトロ化に再利用される。洗浄工程IWS−Iから排出されたDNTDNT−1は、洗浄工程IIWS−II(アルカリ洗浄)に供給されるか、除去ガスSGで処理される。
洗浄工程IIWS−IIにおいて、8.5〜9.5の範囲内洗浄媒体のpHで、洗浄工程IIIWS−IIIから供給される洗浄媒体WM−IIIへの塩基の付加によって、トリニトロクレゾール、ニトロ安息香酸、CO、シュウ酸などの中強度及び強酸が除去される。相分離後、アルカリ性洗浄媒体WM−IIは、廃水処理工程に放出される。洗浄工程IIWS−IIから排出されたDNTDNT−IIは、洗浄工程IIIWS−III(中性洗浄)に供給されるか、除去ガスSGで処理される。
洗浄工程IIIWS−III(中性洗浄)において、供給された洗浄媒体WMは、微量の洗浄媒体WM−II及び依然として存在する抽出するのが困難な微量の不純物を除去するために使用される。相分離後、洗浄媒体WM−IIIは、洗浄媒体として洗浄工程IIWS−IIに供給される。洗浄工程IIIWS−IIIから排出されたDNTDNT−IIIは、除去ガスSGで処理される。
3つの洗浄工程WS−I、WS−II、WS−IIIから除去されたDNTDNT−I、DNT−II、DNT−IIIは、本発明にしたがって使用された除去ユニット(除去塔)SKの塔頂KKに、溶融形態で適用され、除去ユニットSKの下部(塔底)KSに導入される除去ガスSGで処理される。DNT(DNT−IDNT−III)は、除去ユニットSKを、例えば重力によって通過し、除去塔SKの下部(塔底)KSから純生成物(DNT)として引き出される。

DNTから除去された不純物を含む除去ガスは、洗浄媒体での洗浄、且つ/又は、NOXの除去のようなさらなるオフガス処理、且つ/又は、熱後処理によるオフガス処理プラントABにおいて、適用される環境規制に適合するオフガスが放出されるような方法において浄化されるものである。
洗浄塔の塔底KSで引き出される洗浄媒体WM1は、微量のDNTと同様に、溶解又は懸濁の形態で、除去ユニットSKにおいてDNTから除去された他のすべての凝縮性不純物も含むものである。洗浄媒体WM1を受水槽に放出する前に、これらの物質は、除去されなければならない。
本発明のさらなる構成、変更、変形、修正などは、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者には明らかであり、説明を読むことにより実現可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(比較)
粗DNTのメートルトン毎に、15kgの硝酸、約7.4kgの二酸化窒素、約0.37kgの硫酸および約50ppmのシアン化水素を含有する粗DNT(2900kg/時間)が、3つの洗浄工程において従来技術によって洗浄された。
第1の洗浄工程(酸性洗浄)において、EP0,736,514A1/EP0,780,198A1によれば、洗浄は、約9:1(重量ベース)のDNT/水比率で行われた。洗浄装置において定義されるDNT/洗浄酸相比を維持するために、洗浄酸は付加的に循環された。 約27.6%の全酸によるこの酸性洗浄からの洗浄酸は、約60%の全酸(硝酸として測定された)への濃縮後、ニトロ化に再利用された。 濃縮物からの蒸気濃縮物は、酸性洗浄に再利用された。
第2の洗浄工程(アルカリ洗浄)において、pH9.2の炭酸ナトリウムの存在下において、洗浄液のpHより2単位低いpK値を有するすべてのニトロクレゾール、ニトロ安息香酸及び全ての弱酸は、DNTから完全に抽出された。CO、NO、炭化水素などの中性物質及びpK9.2を有するシアン化水素のような非常に弱い酸は、それらの溶解度によってのみ又は部分的にのみ、洗浄媒体中に抽出された。洗浄装置において、定義されたDNT/洗浄媒体相比率を維持するために、洗浄液は、さらに循環された。第3の洗浄工程(中性洗浄)において、DNT/処理水の比が2:1(重量ベース)で洗浄が行われた。洗浄装置において、定義されたDNT/洗浄媒体相比率を維持するために、洗浄水は、さらに循環された。中性洗浄からの洗浄水は、相分離の後、アルカリ洗浄に供給された。
従来技術によるこの洗浄の後、DNTが得られ、それからアルカリの範囲において塩を形成する全ての酸が大部分除去された。すでに乱された最大2ppmの硫酸塩、10ppm未満のニトロクレゾール(この場合はトリニトロクレゾール)及び10ppm未満のニトロ安息香酸だけでなく、約15ppmの硝酸(HNO+HNOの合計)、約2ppmのシアン化水素、約100ppmのCO、約5ppmのCO、50ppmのNO、約300ppmの脂肪族炭化水素及び約1%の水であった。
実施例2(本発明)
実施例1に記載されているように、従来技術によって洗浄されたDNT(2800kg/h)は、10トレイを有する除去塔の塔頂に85℃で適用され、同様に85℃の温度で、45標準立方メートルの窒素で除去された。塔底に流れ出るDNT(約74℃の温度)2ppm未満の硝酸(HNO+HNOの合計)、0.1ppm未満のシアン化水素及び合計で5ppm未満のNO、CO及びCO(及び10ppm未満の脂肪族炭化水素)を未だに含んでいた。水分含有量は、約0.17%まで低下した。中間凝縮及び洗浄媒体での処理において分離されたDNTは、除去された不純物に加えてオフガス中に存在した。
本発明の実施例2により実証されるように、得られたDNTの純度は、従来技術(実施例1)による浄化プロセスよりも大幅に改善することができる。特に、本発明によれば、従来技術によって除去不能な不純物を、簡単かつ効率的な方法において除去することも可能である。
実施例3(本発明)
粗DNTのメートルトン当たり約14kgの硝酸、約7.4kgの二酸化窒素、約0.37kgの硫酸及び約50ppmのシアン化水素を含有する粗DNT(2900kg/h)が、EP1,736,514A1/EP1,780,198A1にしたがって、約9:1のDNT/処理水の(重量ベースの)比率で、1つの洗浄工程(酸洗浄のみ)において洗浄された。洗浄装置において、定義されたDNT/洗浄酸の相比率を維持するために、洗浄酸は、さらに循環された。
約27.6%の全酸及び約80ppmのシアン化水素によるこの酸性洗浄からの洗浄酸は、約60%の全酸(硝酸として測定された)まで濃縮された後、ニトロ化に再利用された。約1.5%の全酸(硝酸として測定)および約100ppmのシアン化水素を含む濃度の蒸気濃縮物から、トルエンで抽出することによってまだ溶解したままのDNTを除去した;次いで、抽出物は、例えばシアン化水素のような他の揮発性物質と共に蒸気での除去によって蒸気濃縮物から除去され、この方法において処理された蒸気濃縮物は、中和後に、生物学的後処理に直接放出された。
この酸性洗浄(約2800kg/h)の後、DNTは、粗DNTに存在するすべてのニトロクレゾール(主ニトロニトロクレゾール)及びニトロ安息香酸、約2ppmの硫酸塩、650ppmの硝酸(HNO+HNOの合計)、40ppmのシアン化水素、150ppmのCO、40ppmのCO2、60ppmのN2O、約300ppmの脂肪族炭化水素及び約1%の水を依然として含むものである。
このDNTは、85℃で、10トレイを有する除去塔の塔頂に適用され、同様に85℃の温度で、80標準立方メートル/hの窒素で除去された。
塔底に流出するDNT(温度:約71℃)は、30ppmの硝酸(HNO+HNOの合計)、合計で最大0.5ppmのシアン化水素及び10ppm未満のN2O、CO及びCO2、及び10ppm未満の脂肪族炭化水素を依然として含んでいた。水分含有量は、約0.2%まで低下した。中間凝縮物において分離され、再利用されるDNTは、除去された不純物に加えて、オフガス中にも存在した。
本発明の実施例3により実証されるように、本発明の手順は、1工程の洗浄だけでも、従来技術の浄化方法と比較して、得られるDNTの純度をかなり改善することができる。
実施例4(比較)
実施例3が、処理工程の順序の変更または逆転(その後の洗浄を有する上流の除去ガス処理)によってのみ繰り返された:
最初に、除去ガス処理が実施例3に従って実行され、そしてその後実施例3に従った酸性洗浄が行われた。2つの硝酸廃棄物流が得られた(すなわち、除去のオフガスにおいて且つ洗浄水において)。このようにして得られたDNTは、−粗DNTに存在する全てのニトロクレゾール(主ニトロニトロクレゾール)及びニトロ安息香酸と同様に−約3.0ppmの硫酸塩、1200ppmの硝酸(HNO+HNOの合計)、35ppmのシアン化水素。110ppmのCO、30ppmのCO2、35ppmのN2O、約250ppmの脂肪族炭化水素及び約1.2%の水を含有した。実施例4により実証されるように、変更された処理順序(洗浄前の除去)で効率的な浄化効果を達成することは不可能である。

Claims (10)

  1. 硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンのニトロ化から生じる粗ジニトロトルエンを浄化する方法であって、該方法は
    (a)使用済み硝化酸混合物から分離した後の粗ジニトロトルエンを、少なくとも1つの洗浄媒体で最初に洗浄し、続いて洗浄媒体を除去する工程及び
    (b)引き続き、処理工程(a)から得られた洗浄されたジニトロトルエン、少なくとも1つの除去ガスで除去ガス処理する工程であって、使用される除去ガスは、ジニトロトルエンに対して非反応性であり、窒素、酸素、希ガス、水素、炭素酸化物およびそれらの混合物からなる群から選択されるガスであること、前記除去ガス処理は、水蒸気の不在下で行われ、これによってジニトロトルエン中の水含有量は、液状ジニトロトルエンをその凝固点まで冷却したとしてもそれ以上の水が分離されない程度まで低下されることを特徴とする方法。
  2. 処理工程(a)において、前記洗浄は、1つ以上の洗浄工程における液体/液体抽出として実行されること、且つ、処理工程(a)において、洗浄媒体の除去は、分離装置によって達成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 処理工程(b)において、除去ガス処理は、除去装置において実行されること、且つ、処理工程(b)において、除去ガス処理は、交差流若しくは向流において実行されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 処理工程(b)において、除去ガス処理は、ジニトロトルエンの溶融温度より高い温度で行われること、且つ、処理工程(b)において、ジニトロトルエンが物質の液体状態であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 処理工程(b)において、1メートルトンの処理されるジニトロトルエンに基づいて、いわゆる1.01325バールの圧力、0%の空気湿度及び0℃の温度を具備する標準条件下における標準立方メートルにおける処理ガスの量として演算される使用される除去ガスの量は、除去ガスの0.1〜1000標準立方メートルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 使用済み硝化酸混合物を除去した後、硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、トルエンをニトロ化して得られる粗ジニトロトルエンを浄化するための装置又はプラントであって、
    該装置又はプラントは:
    (a)少なくとも1つの洗浄媒体(WM)による粗ジニトロトルエン(R−DNT)の洗浄のための少なくとも1つの洗浄ユニット(WE);及び
    (b)前記洗浄ユニット(WE)の下流側に配される少なくとも1つの除去ユニット若しくは除去装置(SK)であって、ジニトロトルエンに対して非反応性であり、窒素、酸素、希ガス、水素、炭素酸化物及びそれらの混合物の群から選択される少なくとも1つの除去ガス(SG)によって、水蒸気の不在下で、前記洗浄ユニット(WE)から生じる洗浄されたジニトロトルエン(W−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III)の除去ガス処理を行い、これによってジニトロトルエン中の水含有量液状ジニトロトルエンをその凝固点まで冷却したとしてもそれ以上の水が分離されない程度まで低下されるもの;を具備することを特徴とする装置又はプラント。
  7. 前記洗浄ユニット(WE)は、粗ジニトロトルエン(R−DNT)を洗浄するための1つ以上の洗浄ユニット(WS−I、WS−II、WS−III)を有すること、且つ、
    前記洗浄ユニット(WE)は、使用済みの洗浄媒体(WL)又はジニトロトルエンから除去された不純物を含む洗浄媒体(WL)を、洗浄されたジニトロトルエン(W−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III)から除去するための少なくとも1つの除去ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項6記載の装置又はプラント。
  8. 前記除去ユニット若しくは除去装置(SK)は、下部(KS)と、上部(KK)と、除去ガス(SG)のために下部(KS)に配される供給ユニットと、洗浄されたジニトロトルエン(W−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III)のために上部(KK)に配された供給ユニットとを有することを特徴とする請求項6又は7記載の装置又はプラント。
  9. 硝酸/硫酸硝化酸混合物の存在下で、ジニトロトルエンを与えるために、トルエンのニトロ化と、それに続くニトロ化に由来する粗ジニトロトルエンの浄化を行う製造プラントにおいて、
    (i)ジニトロトルエン(R−DNT)を与えるために、硝酸/硫酸硝化酸混合物(MS)の存在下で、トルエン(T)をニトロ化するニトロ化ユニット(NE)であって、該ニトロ化ユニット(NE)が、ニトロ化の実行のための1つ以上のニトロ化反応器を具備するもの;
    (ii)製造ラインにおいて前記ニトロ化ユニット(NE)の下流側に配され、粗ジニトロトルエン(R−DNT)から使用済み硝化酸混合物(SP)を除去するための少なくとも1つの除去ユニット;
    (iii) ニトロ化ユニット(NE)及び任意の除去ユニットの下流側に配され、粗ジニトロトルエン(R−DNT)の浄化のための装置又はプラントであって、該装置又はプラントが:
    (a)少なくとも1つの洗浄媒体(WM)による粗ジニトロトルエン(R−DNT)を洗浄するための少なくとも1つの洗浄ユニット(WE);及び
    (b)前記洗浄ユニット(WE)の下流側に配される少なくとも1つの除去ユニット若しくは除去装置(SK)であって、ジニトロトルエンに対して非反応性であり、窒素、酸素、希ガス、水素、炭素酸化物及びそれらの混合物の群から選択される少なくとも1つの除去ガス(SG)によって、水蒸気の不在下で、前記洗浄ユニット(WE)から生じる洗浄されたジニトロトルエン(W−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III)の除去ガス処理を行い、これによってジニトロトルエン中の水含有量液状ジニトロトルエンをその凝固点まで冷却したとしてもそれ以上の水が分離されない程度まで低下されるもの;を具備することを特徴とする製造プラント。
  10. 前記除去ユニット若しくは除去装置(SK)は、前記除去ユニット若しくは除去装置(SK)に導入される前に、洗浄されたジニトロトルエン(W−DNT;DNT−I、DNT−II、DNT−III)を加熱するための熱交換器(WM1)と、前記除去ユニット若しくは除去装置(SK)に導入される前に、前記除去ガス(SG)を加熱するための熱交換器(WM2)を具備することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載のプラント若しくは装置又は請求項9記載の製造プラント。
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