JP6437484B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技者に有利な遊技状態を生起可能な遊技機に関するものである。
遊技機の代表例の一つとしてのパチンコ機には、固定枠に開閉自在に組み付けられた本体枠に、パチンコ球が流下可能な遊技領域が前面側に形成された遊技盤が着脱自在に配設されている。遊技領域には、パチンコ球が入賞可能な入賞口が形成された入賞部が複数設けられており、該入賞部の入賞口にパチンコ球が入賞するか否かによって遊技者の興趣が高められる。ここで、遊技内容を変化に富んだものとするために、入賞部の形態の1つとして入賞口を開閉する開閉部材を該入賞口に付随して設けた可変式の入賞部が採用されることがある(例えば、特許文献1)。
特開2013−248507号公報
近年のパチンコ機では、可変式の入賞部が利用されること等によって遊技性が多様化されている。このため、パチンコ機の遊技性を遊技者が正確に理解できないケースも想定され、獲得できるはずの利益を遊技者が獲得し損ねるといった事態を防ぐ必要がある。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技に関する情報を遊技者に対して適切に示唆または報知し得る遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る遊技機は、
遊技球が入球可能な入球口(53a)と、待機位置から作動位置へ変位することで前記入球口への遊技球の入球を容易とする可変部材(53b)と、始動条件の成立を契機として当り判定を行う当り判定手段(81a)とを備え、前記当り判定手段(81a)による判定が当りの判定結果となった場合に、前記可変部材(53b)を待機位置から作動位置へ変位させることで前記入球口への入球を可能とするラウンド遊技の実行期間を少なくとも含む特定遊技状態を生起させるよう構成され、前記ラウンド遊技の開始条件が成立してから規定時間が経過するか、または規定個数の遊技球が前記入球口(53a)に入球した場合に、前記作動位置にある前記可変部材(53b)を前記待機位置へ変位させるよう構成された遊技機において、
表示、音または光により演出を実行可能な演出実行手段(17,18,19,20a)と、
前記演出実行手段(17,18,19,20a)による演出実行を制御する実行制御手段(82a)とを備え、
前記実行制御手段(82a)は、前記入球口(53a)に遊技球が入球したことを契機として、前記特定遊技状態の態様に関する決定内容または前記特定遊技状態の終了後の遊技状態に関する決定内容を示唆または報知可能な第1演出を前記演出実行手段(17,18,19,20a)に実行させ得るよう構成されると共に、前記ラウンド遊技の開始条件成立した予め定めた期間における遊技球前記入球口(53a)への入球数が前記規定個数未満の所定数より少なかった場合に、該期間の終了を契機として第2演出を前記演出実行手段(17,18,19,20a)に実行させ得るよう構成され
前記特定遊技状態のうち、初回のラウンド遊技から連続する複数のラウンド遊技の実行期間である第1連続ラウンド期間では、当該第1連続ラウンド期間の開始から終了までの合計入球数が増加するにつれて次第に前記第1演出の態様が変化すると共に、該特定遊技状態のうち、前記第1連続ラウンド期間より後に連続する複数のラウンド遊技の実行期間である第2連続ラウンド期間では、当該第2連続ラウンド期間の開始から終了までの合計入球数が増加するにつれて次第に前記第1演出の態様が変化するよう構成され、
前記第1演出が特定の前記決定内容を確定的に報知する態様に変化する確率が、前記第1連続ラウンド期間および前記第2連続ラウンド期間の相互で異なるよう設定されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、第1演出と、第2演出とを、演出として実行するよう構成したことで、可変部材が作動位置に変位した状態での遊技者による状況把握が容易となる。
また、特定遊技状態の態様に関する情報や、特定遊技状態の終了後の遊技状態に関する情報を、示唆または報知することができるから、入球口に遊技球を入球させることの価値を高め、遊技の興趣を高め得る。
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
前記実行制御手段(82a)は、前記作動条件の成立後において前記入球口(53a)に入球した遊技球の数が前記規定個数未満の所定数より少ない状態で所定時間が経過した場合に、前記第2演出を前記演出実行手段(17,18,19,20a)に実行させるよう構成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、入球口への所定数の入球が作動条件の成立後に所定時間が経過するまで生じなかった場合に第2演出を実行するようにした。すなわち、必要に応じて第2演出を実行でき、第2演出によって入球口を狙った遊技球の打出しを遊技者に促すことができる。
請求項に係る発明は、
前記演出実行手段(17)は、画像を表示可能に構成され、
前記実行制御手段(82a)は、前記ラウンド遊技の開始条件の成立後において前記入球口(53a)に遊技球が入球してから所定時間に亘って前記入球口(53a)に遊技球が入球しない状態が継続した場合に、前記第2演出を前記演出実行手段(17)に実行させるよう構成されると共に、前記第1演出として、入球報知画像が所定方向へ移動する動的表示を、前記入球口(53a)に遊技球が入球する毎に所定時間に亘って前記演出実行手段(17)に実行させ得るよう構成され、
前記演出実行手段(17)は、前記動的表示の実行中に前記入球口(53a)への新たな入球が発生した場合に、当該新たな入球に対応する別の入球報知画像の動的表示を、実行中の前記動的表示と並行して実行し得るよう構成されたことを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、ラウンド遊技の開始条件の成立後に遊技球が入球口に入球してから他の遊技球が入球しない状態が所定期間に亘って継続した場合に第2演出を実行するようにした。すなわち、入球口に遊技球が入球した後も、必要に応じて第2演出を実行でき、第2演出によって入球口を狙った遊技球の打出しを遊技者に促すことができる。
本発明に係る遊技機によれば、遊技に関する情報を遊技者に対して適切に示唆または報知し得る。
実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係る遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る枠状装飾体を庇状部における前後方向の中央で切断した状態を示す要部拡大図であって、外レール、球戻り防止片および開閉取付部を二点鎖線で示している。 実施例に係るパチンコ機の電気的な接続関係を示す説明図である。 実施例に係る特図の種類と大当り遊技の態様との関係を示す説明図である。 実施例に係る主制御CPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 大当り遊技における上開閉部材が長時間開放動作を行うラウンド遊技を示すタイムチャートであって、(a)および(b)は、上特別入賞ソレノイドおよび上特別入賞検出センサの状態変化に応じて第1開放報知および第2開放報知が態様変化するパターンを夫々示している。 (a)は、第1の入賞報知テーブルを示しており、(b)は、第2の入賞報知テーブルを示している。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20には、遊技に関する各種情報(各種演出)を表示可能な表示装置(図柄表示装置)17が配設されている。パチンコ機10は、大当り遊技が付与されるか否か(当否抽選の結果)をこの表示装置17の表示画面17aに表示される図柄変動演出によって報知するようになっている。すなわち、表示装置17は、表示情報を表示出力することで演出を実行可能な演出実行手段として機能している。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板13aで前後に開口する視認口13bを覆うよう構成された前枠(装飾枠)13が開閉可能に組付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。ここで、前枠13には、光出力手段としての枠ランプ(演出実行手段)19が視認口13bの外周を囲繞するよう配設されると共に、音声や効果音を出力可能な音出力手段としてのスピーカ(演出実行手段)18が前枠13の上隅部に配設されている。すなわち、枠ランプ19に設けられた発光体(図示せず)を所定の色およびタイミングで発光させたり、スピーカ18から適宜の音を出力することで、図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。なお、遊技盤20には、図柄変動演出に合わせて発光演出を行う光出力手段としての遊技盤ランプ(演出実行手段)20a(図2参照)が配設されている。
中枠12の前面側に設けられた下球受け皿15の右側部には、該中枠12に配設された球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、遊技者が操作レバー16aを右回転するように回動操作することで、球発射装置が作動されて上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20に向けて1個ずつ発射されるようになっている。ここで、球発射装置によるパチンコ球の打球力は操作レバー16aの回動量に応じて強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、遊技盤20の前面側に形成される遊技領域21の適宜位置にパチンコ球を導き得るようになっている。
(遊技盤20について)
遊技盤20は、パチンコ球が流下可能な遊技領域21を前面側に形成する部材(遊技領域形成部材)であって、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板に形成されている。なお、遊技盤20は、木材板によって全体を不透明に形成したものや、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を後面や前面に貼付けて少なくとも一部を不透明に形成したものであってもよい。
遊技盤20には、前後に貫通する装着口34が適宜位置に開設され、装着口34に対応して各種の部材25,26,57が配設されている(なお、図2において一部の装着口34のみを示している)。また、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を機外へ向けて排出するアウト口23が開設されている。
図2に示すように、遊技盤20の前面には、遊技領域21の外周を画成する案内レール22が配設されている。案内レール22は、遊技盤20の前面左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール22aと、遊技盤20の前面中央下部から左上部にかけて外レール22aの内側に並んで延在する内レール22bと、遊技領域21の右側(外レール22aの右上部および内レール22bの右下部の間)を画成する右側区画部材22cとから構成され、外レール22a、内レール22bおよび右側区画部材22cの夫々が、略円弧状の内面によって遊技領域21の外周の各部位を画成している。また、遊技領域21の左側方で並行する内レール22bおよび外レール22aの間には、球発射装置から発射されたパチンコ球を遊技領域21まで案内する発射球通路30が遊技盤20の前面中央下部から左上部に亘って画成されている。この発射球通路30の上端は、打出口31を介して遊技領域21と連通している。すなわち、球発射装置により打ち出されたパチンコ球は、発射球通路30を上方へ向けて通過して、該発射球通路30の上端に位置する打出口31から遊技領域21に放出される。打出口31から遊技領域21に放出されたパチンコ球は、外レール22aによって打出口31の指向方向への直線的な移動が規制されて遊技領域21の外周に沿って右側へ飛翔し、勢いを失ったところで外レール22aから下方へ離間して遊技領域21を流下するようになっている。
内レール22bの上端部には、打出口31を開閉する球戻り防止片32を配設するための開閉取付部33が設けられている。球戻り防止片32は、弾性変形可能な薄い金属板により形成されており、下端側が開閉取付部33に固定されている。そして、球戻り防止片32は、発射球通路30を通過するパチンコ球の衝突を受けた場合に遊技領域21側(開位置)に弾性変形して、打出口31からのパチンコ球の放出を許容する。一方で球戻り防止片32は、遊技領域21から発射球通路30へ戻ろうとするパチンコ球が当接した場合に自由端が外レール22aに当接して、遊技領域21から打出口31へのパチンコ球の流入を防ぐよう構成されている。また、遊技盤20の前面における外レール22aの右端部との隣接位置には、外レール22aに沿って飛翔したパチンコ球の衝突を受けて該パチンコ球の勢いを低減させる緩衝部材(右打ちゴム)24が配設されている(図2参照)。なお、以下の説明では、外レール22aのうち打出口31および緩衝部材24の間に位置する部位を「ガイド部27」と指称することがある。すなわち、ガイド部27は、打出口31から放出されて飛翔するパチンコ球を遊技領域21の上縁に沿って案内するよう機能している。また、以下の説明では、打出口31から放出されたパチンコ球がガイド部27に沿って飛翔して緩衝部材24に衝突するまでのパチンコ球の軌道を「飛翔経路H」と指称することがある。
図2に示すように、遊技盤20の前面には、前後に開口する窓口(開口部)25aが形成された枠状装飾体25が、遊技領域21の略中央を含む広範囲で開口する中央装着口(図示せず)に対応して前側から取り付けられ、表示装置17の表示画面17aが枠状装飾体25の窓口25aを通じて前方から視認できるように構成されている。ここで、遊技領域21は、枠状装飾体25が遊技盤20の前面に配設されることで、枠状装飾体25の左側を流下するパチンコ球の移動経路となる第1流下領域21aと、枠状装飾体25の右側を流下するパチンコ球の移動経路となる第2流下領域21bとに区画されている。なお、実施例では、第2流下領域21bにおける始端から終端までの略全域が、同時に複数個のパチンコ球が通過し得ない通路幅(パチンコ球の直径以上かつ該パチンコ球の直径の2倍未満となる幅寸法)に形成されている。そして、遊技盤20の前面には、多数の遊技釘28が第1流下領域21a内に位置するよう配設されると共に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内具29が第1流下領域21a(枠状装飾体25の左側方)に回転自在に支持されており、遊技領域21のうち第1流下領域21aを流下するパチンコ球が遊技釘28や回転案内具29に接触することで、該パチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
また、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球が入球可能(入賞可能または通過可能)な入球口51a,52a,53a,54a,55a,56a,57aを有する入球部51,52,53,54,55,56,57が全て第1流下領域21aに設けられており、第2流下領域21bを流下するパチンコ球は入球口51a,52a,53a,54a,55a,56a,57aに入球することなくアウト口23から排出されるようになっている。すなわち、当該パチンコ機10で遊技を行う場合、打球力を調節して第1流下領域21aにパチンコ球を打ち出す形態が、遊技者が採り得る遊技形態として最も好適となる。なお、実施例のパチンコ機10は、遊技者が第1流下領域21aに弱い打球力で打ち出したパチンコ球が、内レール22bに沿って第1流下領域21aの中流領域へ向けて直接流下するように構成されている。ここで、実施例において遊技盤20は、第1流下領域21aの上流領域に入球口としての後述する上特別入賞口53aが開口しており、第1流下領域21aの中流領域に入球口としての後述する下特別入賞口54aが開口している。
(入球部51,52,53,54,55,56,57について)
次に、遊技領域21に設けられた各種の入球部51,52,53,54,55,56,57について説明する。実施例の枠状装飾体25は、前記入球部として、特別入賞部53,54、ゲート部55、第1普通入賞部(普通入賞樋)56を備えている。そして、上特別入賞部53に設けられてパチンコ球が入賞(入球)可能な上特別入賞口53aと、下特別入賞部54に設けられてパチンコ球が入賞(入球)可能な下特別入賞口54aと、ゲート部55に設けられてパチンコ球が通過(入球)可能なゲート口55aと、第1普通入賞部56に設けられてパチンコ球が入賞(入球)可能な第1普通入賞口56aとが、第1流下領域21aの各部位に臨むように夫々位置している(図2参照)。また、枠状装飾体25の下方には、図示しない装着口に始動入賞ユニット26が前側から取り付けられ、この始動入賞ユニット26には、パチンコ球が入賞(入球)可能な第1始動入賞口51aを有する入球部としての第1始動入賞部51と、パチンコ球が入賞(入球)可能な第2始動入賞口52aを有する入球部としての第2始動入賞部52とが設けられて、各始動入賞口51a,52aが第1流下領域21aの下流領域に臨んでいる。更に、枠状装飾体25の左下方(始動入賞ユニット26の左方)で開口する装着口34には、普通入賞口57aを有する入球部としての第2普通入賞部(普通入賞樋)57が後方から挿通されて配設され、遊技盤20の前面より前方に突出する第2普通入賞部57の前端部に設けられた第2普通入賞口57aが第1流下領域21aに臨むように位置している。これにより、第1流下領域21aを流下するパチンコ球が、始動入賞口51a,52a、特別入賞口53a,54a、ゲート口55a、普通入賞口56a,57aに入球し得る一方、第2流下領域21bを流下するパチンコ球は各入球口51a,52a,53a,54a,55a,56a,57aに入球し得ないよう構成されている。
(第1および第2始動入賞部51,52について)
図2に示すように、前記第1始動入賞部51の上端部には、第1流下領域21a内で常に上方へ開口する第1始動入賞口51aが設けられている。また、第1始動入賞部51の下側に設けられる前記第2始動入賞部52には、パチンコ球が入賞可能な開状態および入賞不能な閉状態に変化する第2始動入賞口52aが設けられている。ここで、遊技盤20の後面側には、第1始動入賞口51aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1と、第2始動入賞口52aに入賞したパチンコ球を検出する第2始動入賞検出センサSE2とが配設されている。各始動入賞検出センサSE1,SE2は、パチンコ機10に配設された主制御基板81(図4参照)と電気的に接続され、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板81に備えられる遊技制御手段としての主制御CPU81aに入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、第1始動入賞検出センサSE1および第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出を契機として、規定個数の賞球を払い出すように構成されている。ここで、主制御基板81は、第1始動入賞検出センサSE1および第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出を契機として、大当り遊技(特図当り遊技)を付与するか否かの当否抽選(特図当り判定、大当り判定)を行うよう構成されている。そして、パチンコ機10に配設された演出制御基板82に備えられる演出制御手段(実行制御手段)としての演出制御CPU82aが、主制御CPU81aからの制御信号に基づいて、当否抽選(特図当り判定)の結果を示す図柄変動演出(演出用の装飾図柄(飾図)の変動表示を含む表示演出)を表示装置17の表示画面17aに表示させるための制御信号を表示制御基板83の表示制御CPU83aに出力すると共に、図柄変動演出に合わせた態様で、スピーカ18に音出力させると共に枠ランプ19および遊技盤ランプ20aを光出力させるようになっている。また、第2始動入賞部52は、第2始動入賞口52aを左右一対の開閉羽根52bによって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴って開閉羽根52bが第2始動入賞口52aを閉鎖する待機位置(閉鎖位置)と開放する作動位置(開放位置)とに変位するよう構成されている。なお、第2始動入賞口52aは、後述する球通過検出センサSE7による検出を契機として主制御基板81が行う普図当否抽選において当選した場合に付与される普図当り遊技において開放されるようになっている。
(上特別入賞部53について)
前記上特別入賞部53は、図2および図3に示すように枠状装飾体25の上部に設けられ、第1流下領域21aの上流領域に位置している。この上特別入賞部53には、パチンコ球が入賞可能な上特別入賞口53aが左方へ向けて開口するよう形成されており、該上特別入賞口53aが上開閉部材53bの変位(待機位置および作動位置への変位)によって開状態および入賞不能な閉状態に変化するよう構成されている。なお、上特別入賞部53における第1流下領域21aに臨む左側面は、枠状装飾体25の後述する庇状部61により構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10は、遊技者が第1流下領域21aに弱い打球力で打ち出したパチンコ球が通過し得ない位置に上特別入賞口53aが開口するよう上特別入賞部53が設けられており、上特別入賞部53を狙ったパチンコ球の打出しを促すための後述する開放報知(後述する第1開放報知および第2開放報知)を演出実行手段17,18,19,20aに実行させ得るよう構成されている。また、上特別入賞部53は、上特別入賞口53aに連通する上入賞通路53cが内側に画成された上ベース体B1(図3参照)を備えており、該上ベース体B1が枠状装飾体25の窓口25aに形成された上取付部68(図3および図4参照)に配設されている。ここで、上ベース体B1には、上特別入賞口53aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての上特別入賞検出センサSE3(図4参照)が配設されている。上特別入賞検出センサSE3は、主制御基板81と電気的に接続されており、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板81に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、上特別入賞検出センサSE3によるパチンコ球の検出を契機として、規定個数の賞球を払い出すように構成されている。
また、上特別入賞部53には、当否抽選(特図当り判定)の結果として大当り遊技が生起された場合に待機位置から作動位置へ変位することで上特別入賞口53aへのパチンコ球の入賞を容易とする上開閉部材53bが設けられている(図3参照)。上開閉部材53bは、上特別入賞部53(上ベース体B1)に配設された駆動手段としての上特別入賞ソレノイドSL2(図4参照)に連繋されている。上特別入賞ソレノイドSL2は、主制御基板81と電気的に接続されており、該主制御基板81が上特別入賞ソレノイドSL2を駆動することで、上開閉部材53bが上特別入賞口53aへのパチンコ球の入賞を阻止する待機位置(閉鎖位置)と該上特別入賞口53aへのパチンコ球の入賞を許容する作動位置(開放位置)との間を移動するよう構成される。なお、上特別入賞部53は、上開閉部材53bにより上特別入賞口53aを常には閉鎖する(入賞不能状態とする)よう構成され、大当り遊技の発生に伴って上特別入賞口53aを開放する(入賞可能状態とする)よう構成されている。すなわち、上特別入賞部53は、大当り遊技(特別遊技状態)で開放可能な可変入賞手段として機能する。なお、実施例では、大当り遊技中に上特別入賞口53aおよび下特別入賞口54aのうち何れかを開放するラウンド遊技を規定回数行うようになっている。各ラウンド遊技は、開放する特別入賞口53a,54aに予め定めた規定個数(上限個数)のパチンコ球が入賞するか、またはラウンド遊技の最大継続時間(特電開放時間)が経過することに応じて、終了するように設定されている。そして、実施例のパチンコ機10は、この規定回数のラウンド遊技のうち予め定めた特定回数目を除いた各ラウンド遊技において上特別入賞口53aを開放するよう構成されている。
上特別入賞口53aに入賞したパチンコ球は、上ベース体B1の内側に画成された前記上入賞通路53cを通過する過程で上特別入賞検出センサSE3に検出されるようになっている。ここで、図2に示すように、枠状装飾体25の後方位置には、窓口25aを横切るように延在する筒状の横断部37が配設されており、この横断部37の内部に右側へ下方傾斜するよう形成された内部通路(図示せず)の上流端(左端)が、上特別入賞部53に接続されて上入賞通路53cの下流端と連通している。すなわち、上特別入賞部53の上入賞通路53cを通過したパチンコ球は、横断部37の内部通路を通過して機外へ排出されるようになっている。ここで、枠状装飾体25の窓口25aは、正面視において横断部37により上下に区切られている。そして、窓口25aにおける横断部37で区切られた下側には、表示画面17aが後方から臨んでいる。
(下特別入賞部54について)
前記下特別入賞部54は、図2および図3に示すように枠状装飾体25の左側部に設けられ、第1流下領域21aの中流領域に位置している。この下特別入賞部54には、パチンコ球が入賞可能な下特別入賞口54aが左方へ向けて開口するよう形成されており、該下特別入賞口54aが下開閉部材54bの変位(待機位置および作動位置への変位)によって開状態および入賞不能な閉状態に変化するよう構成されている。なお、下特別入賞部54における第1流下領域21aに臨む左側面は、枠状装飾体25の後述する庇状部61により構成されている。また、下特別入賞部54は、下入賞通路54c(後述)および特定入球通路(後述)が内部に形成された下ベース体B2を備えており、該下ベース体B2が枠状装飾体25の窓口25aに形成された左取付部69(図3参照)に配設されている。
ここで、下ベース体B2には、下特別入賞口54aに連通する下入賞通路54cと、該下入賞通路54cの途中から分岐する特定入球通路(特定の入球領域)54dとが形成されている。そして、下ベース体B2には、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての下特別入賞検出センサSE4が配設されている。この下特別入賞検出センサSE4は、下入賞通路54cのうち特定入球通路54dが接続された部分よりも上流側(下特別入賞口54a側)に位置し、該下入賞通路54cを通過するパチンコ球を検出するよう設けられている。また、下特別入賞検出センサSE4は、主制御基板81と電気的に接続されており、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板81に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、下特別入賞検出センサSE4によるパチンコ球の検出を契機として、規定個数の賞球を払い出すように構成されている。
また、下特別入賞部54には、当否抽選(特図当り判定)の結果として大当り遊技が生起された場合に待機位置から作動位置へ変位することで下特別入賞口54aへのパチンコ球の入賞を容易とする下開閉部材54bが設けられている。下開閉部材54bは、下特別入賞部54(下ベース体B2)に配設された駆動手段としての下特別入賞ソレノイドSL3(図4参照)に連繋されている。下特別入賞ソレノイドSL3は、主制御基板81と電気的に接続されており、該主制御基板81が下特別入賞ソレノイドSL3を駆動することで、下開閉部材54bが下特別入賞口54aへのパチンコ球の入賞を阻止する待機位置(閉鎖位置)と該下特別入賞口54aへのパチンコ球の入賞を許容する作動位置(開放位置)との間を移動するよう構成される。なお、下特別入賞部54は、下開閉部材54bにより下特別入賞口54aを常には閉鎖する(入賞不能状態とする)よう構成され、大当り遊技の発生に伴って下特別入賞口54aを開放する(入賞可能状態とする)よう構成されている。すなわち、下特別入賞部54は、大当り遊技(特別遊技状態)で開放可能な可変入賞手段として機能する。なお、実施例では、大当り遊技中に行われる規定回数のラウンド遊技のうち予め定めた特定回数目のラウンド遊技において下特別入賞口54aを開放するよう構成されている。
更に、下特別入賞部54(下ベース体B2)には、特定入球通路54dの入口を通過したパチンコ球を検出する入球検出手段としての特定領域入球検出センサSE5(図4参照)が配設されている。この特定領域入球検出センサSE5は、特定入球通路54dにおける入口近傍に位置するよう設けられている。また、特定領域入球検出センサSE5は、主制御基板81と電気的に接続されており、パチンコ球を検出した場合に検出信号を主制御基板81に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、特定領域入球検出センサSE5によるパチンコ球の検出を契機として、主制御基板81が所定の特典を付与すること(具体的には、当否抽選の当選確率が向上する確変状態を大当り遊技の終了後に付与すること)を決定するように構成されている。
更にまた、下特別入賞部54(下ベース体B2)には、図3に示す如く、下入賞通路54cの途中から特定入球通路54dへ向けたパチンコ球の移動を阻害する第1姿勢(前側の突出位置)および許容する第2姿勢(後側の退避位置)に変位可能な案内体(可変部材)54eが設けられている。案内体54eは、下特別入賞部54(下ベース体B2)に配設された駆動手段としての切替えソレノイドSL4(図4参照)に連繋されている。切替えソレノイドSL4は、主制御基板81と電気的に接続されており、該主制御基板81が切替えソレノイドSL4を駆動することで、案内体54eを第1姿勢および第2姿勢に変位させるよう構成されている。案内体54eは、常には第1姿勢に保持されており、切替えソレノイドSL4が大当り遊技中に駆動制御されることで、案内体54eが大当り遊技中に第2姿勢に変位するようになっている。
ここで、実施例の下特別入賞部54(下ベース体B2)には、案内体54eの位置(第1姿勢または第2姿勢)を検出可能な位置検出センサSE6(図4参照)が備えられている。この位置検出センサSE6は、主制御基板81と電気的に接続されており、案内体54eが第2姿勢に位置する状態を検出した場合に検出信号を主制御基板81に入力するようになっている。そして、パチンコ機10は、主制御基板81が切替えソレノイドSL4を駆動制御していない期間に位置検出センサSE6からの検出信号を入力したことを契機として、所定の報知手段(例えば、表示装置17等)にエラー報知を実行させるようになっている。
また、下特別入賞部54の下入賞通路54cは、図3に示すように、上流端(下特別入賞口54a)から特定入球通路54dの入口に至るまでの部分が蛇行状に形成され、かつ複数個のパチンコ球が同時に通過し得ない幅寸法の通路に形成されている。これにより、下特別入賞部54(下ベース体B2)の上下寸法をコンパクトにしつつ、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球が特定入球通路54dの入口に到達するまでには必ず所定の時間がかかるように構成されている。
(ゲート部55について)
前記ゲート部55は、図2および図3に示すように枠状装飾体25の左側部に設けられている。このゲート部55は、枠状装飾体25の後述する台板部(第1台板部)65の前面から前方へ突出するよう設けられ、パチンコ球が通過可能なゲート口55aが上下に貫通するよう設けられている。また、ゲート部55の下面には、図3に示すように、ゲート口55aを通過したパチンコ球を誘導する誘導片55bが設けられている。この誘導片55bは、ゲート部55の下面のうちでゲート口55aよりも左側から下方へ向けて延出すると共に延出端に近づくほど右側に偏倚して、延出端がゲート口55aの直下に位置するよう設けられている。そして、ゲート口55aを通過したパチンコ球を下特別入賞口54aが位置する側へ向けて誘導するようになっている。
ゲート部55には、ゲート口55aを通過するパチンコ球を検出する球通過検出センサSE7(図3および図4参照)が設けられている。この球通過検出センサSE7は、主制御基板81と電気的に接続されており、該球通過検出センサSE7から主制御基板81への検出信号の入力(すなわち球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて普図当否抽選(普図当り判定)が行われるよう構成されている。そして、この普図当否抽選の結果に応じて第2始動入賞部52の始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて開閉羽根52bが開閉動作するようになっている。
(普通入賞部56,57について)
遊技領域21(流下領域21a,21b)には、枠状装飾体25の下端部に設けられた第1普通入賞部56と、装着口34に後方から挿通されて遊技盤20の前面より前方へ突出するよう設けられた第2普通入賞部57とが配設されている。第2普通入賞部57は、前後に延在する樋状部材であって、前端部に第2普通入賞口57aが第1流下領域21aで上方へ開口するよう設けられている。そして、第2普通入賞口57aに入賞したパチンコ球を装着口34を介して遊技盤20の後方へ案内するよう構成されている。この第2普通入賞部57は、遊技盤20の後面側から前方へ突出するよう設けられ、前端部が先窄まりに形成されることで、装着口34への挿入が容易とされている。なお、枠状装飾体25に設けられた第1普通入賞部56の形状は、前述した普通入賞部57のうち遊技盤20の前面から突出する部分の形状と同じ先窄まりの形状とされている。これら複数の普通入賞部56,57は、前後に延在する樋状に形成され、上方に開口する普通入賞口56a,57aで受けたパチンコ球を遊技盤20の後面側へ誘導するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、普通入賞口56a,57aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサSE8(図4参照)を遊技盤20の後面側に備えている。普通入賞検出センサSE8は、主制御基板81と電気的に接続されており、普通入賞検出センサSE8がパチンコ球を検出すると、検出信号を主制御基板81に出力し、該主制御基板81の制御下に規定個数の賞球が払い出されるようになっている。
(枠状装飾体25について)
枠状装飾体25は、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂材により形成された透明部材であって、窓口25aが前後に貫通するように形成されている。そして、枠状装飾体25は、ガイド部27(案内レール22)から離間して位置するよう遊技盤20の前面における中央装着口との対応位置に配設されている。これにより、実施例のパチンコ機10は、中央装着口の前方に位置する窓口25aを通じて、遊技盤20の後側に位置する表示装置17の表示画面17a等を前方から視認し得るように構成されている。
この枠状装飾体25の前面には、窓口25aを囲う環状の前面突壁(後述する庇状部61および防壁部62)が前方に延出するよう設けられている(図2参照)。前面突壁61,62は、遊技盤20の前面より前方に突出するように設けられ、遊技領域21を流下するパチンコ球と接触することで該パチンコ球の流下方向を規制して、窓口25aの内側にパチンコ球が流入するのを防いでいる。ここで、前面突壁61,62は、枠状装飾体25の上部から左下部および右下部まで延在する庇状部61と、この庇状部61の左端および右端を繋ぐように延在する防壁部62とにより構成されている。なお、実施例では、前面突壁61,62のうちで、最上端に位置する頂部61Tから左下方に延在して下特別入賞部54の下側を覆う部分まで、および頂部61Tから右下方に延在する部分を、遊技領域21(第1流下領域21aおよび第2流下領域21b)を流下するパチンコ球の流下方向を規制可能な庇状部61とし、この庇状部61の右下端から上方へ延在した後に左方へ延在して庇状部61の左下端に連なる部分を、窓口25aへ向けた下方からのパチンコ球の飛び込みを防止する防壁部62とする。また、枠状装飾体25には、庇状部61の前面(突出端面)に該庇状部61を装飾する庇飾り63がネジにより取着されている。
図2および図3に示すように、庇状部61は、上端に位置する頂部61Tから左側へ延在する部分が、開閉取付部33へ向けて階段状に下方傾斜した後に、表示画面17aの下部の高さ位置まで垂下し、更に下特別入賞部54を下方から覆うよう設けられている。そして、この頂部61Tから左側に延在する部分が、案内レール22(外レール22aおよび内レール22b)との間に第1流下領域21a(但し、下流側は除く)を画成している。なお、前述した始動入賞ユニット26が位置する第1流下領域21aの下流側は、前述した前面突壁を構成する防壁部62と、案内レール22(内レール22b)との間に画成されている。ここで、庇状部61には、頂部61Tから左側へ延在する部分に、上特別入賞口53aと、下特別入賞口54aとが開設されている。上特別入賞口53aおよび下特別入賞口54aは、上開閉部材53bおよび下開閉部材54bにより常には閉鎖状態とされており、該上開閉部材53bおよび下開閉部材54bが閉鎖状態において庇状部61と連なってパチンコ球の窓口25a内への流入(具体的には、特別入賞部53,54内への流入)を防ぐようになっている。また、庇状部61は、頂部61Tから右側へ延在する部分が、緩衝部材24へ向けて緩やかな湾曲状に下方傾斜した後に、案内レール22(右側区画部材22c)の左側面に沿う形状に湾曲するよう設けられている。そして、庇状部61における頂部61Tから右側に延在する部分が、案内レール22(右側区画部材22c)との間にパチンコ球が一列で流下可能な第2流下領域21bを画成している。
また、枠状装飾体25には、図2に示すように、遊技盤20の前面に支持されると共に前面突壁(庇状部61および防壁部62)の後端部からガイド部27側(外方)へ向けて(遊技領域21の外周側へ向けて)延出する台板部65,66,67が設けられている。枠状装飾体25は、台板部65,66,67の後面が遊技盤20の前面に当接した状態で該遊技盤20に支持され、該支持された部分の複数個所をネジ等の固定手段により遊技盤20の前面に固定することで遊技盤20に配設されている。この台板部65,66,67は薄板状に形成されており、遊技領域21を流下するパチンコ球が当該台板部65,66,67の前側へと移動し得るようになっている。すなわち、遊技領域21を流下するパチンコ球は、遊技盤20の前側から台板部65,66,67の前側へと移動し得る一方で、台板部65,66,67の前側から窓口25a内への移動が庇状部61および開閉部材53b,54bによって規制される。
図2および図3に示すように、枠状装飾体25の左側部には、庇状部61の後端部から左方へ延出する前記台板部としての第1台板部65が設けられており、この第1台板部65には、前述したゲート部55が前方へ向けて突出するよう設けられている。また、枠状装飾体25の下部には、防壁部62の後端部から下方へ延出する前記台板部としての第2台板部66が設けられている。なお、実施例では防壁部62および第2台板部66を連設したが、防壁部62および第2台板部66の間にパチンコ球が一時的に滞留する転動領域(ステージ)を設けてもよい。
更に、枠状装飾体25には、図2および図3に示すように、庇状部61のうちで窓口25aの上側全体および右側全体を囲う部分の後端部から案内レール22へ向けて延出する第3台板部67が設けられている。この第3台板部67は、図2に示すように、第2流下領域21bに位置する範囲では、庇状部61から案内レール22へ向けた延出寸法が概ねパチンコ球の直径程度に形成されている。一方で、第1流下領域21aに位置する範囲では、案内レール22へ向けた延出寸法がパチンコ球の直径の2倍以上(実施例では、最大で7.0cm程度)に形成されている。このように、第3台板部67は、第1流下領域21aに位置する範囲(前面で第1流下領域21aを画成している部分)が上下に大きく形成されている。そして、この第3台板部67には、第1流下領域21aに臨む部分の前面に、パチンコ球を減勢するための突部91,92,93(後述)が設けられている。
図2および図3に示すように、第3台板部67は、外縁(上縁)がガイド部27と上下に対向している。この第3台板部67の外縁は、打出口31と近接する左端部ではパチンコ球の直径以上にガイド部27から下方へ離間しており、第2流下領域21bが位置する右側へ向かうにつれてガイド部27に近接して、庇状部61の頂部61Tの上方位置ではガイド部27との離間寸法がパチンコ球の半径程度となっている。このため、パチンコ球が打出口31から放出されてガイド部27に沿う前記飛翔経路Hを飛翔する際に、第3台板部67の外縁によって下方から支持されることで飛翔経路Hから下方への離脱が規制されて、該パチンコ球が第2流下領域21b側へと誘導され易くなる。すなわち、実施例では、パチンコ球を第1流下領域21aの適宜位置で庇状部61側(上特別入賞口53a側)に落下させることができるか否かに面白味を持たせている。
また、第3台板部67のうち第2流下領域21bに位置する部分の外縁は、案内レール22に対してパチンコ球の半径以下の間隔を概ね維持しながら該案内レール22に沿うよう延在している。すなわち、第2流下領域21bを流下するパチンコ球は、第3台板部67の前面と常に接触し得る状態でアウト口23まで流下するようになっている。このため、第3台板部67の前面の形状や素材を設計変更するだけで、第2流下領域21bを流下するパチンコ球が遊技領域21外に排出されるまでの時間を容易に調整できるようになっている。
図3に示すように、枠状装飾体25には、庇状部61の後端部から内方へ向けて(窓口25a内へ向けて)延出する取付部68,69が設けられている。実施例では、枠状装飾体25の上部に位置する上取付部68と、枠状装飾体25の左側部に位置する左取付部69とが枠状装飾体25に設けられている。そして、上取付部68には、前記上特別入賞部53の上ベース体B1が取り付けられると共に、左取付部69には、前記下特別入賞部54の下ベース体B2が取り付けられている。各取付部68,69は、前述した台板部65,66,67と略同一の板厚であって、当該台板部65,66,67と略同じ前後位置に延在するよう設けられている。なお、左取付部69に取り付けられる下ベース体B2の右側面には、窓口25aを挟む反対側に位置する図示しない発光体(LED)から照射される光を反射する反射部材72が配設されている。この反射部材72は、窓口25a側を向く右面に凹凸が形成されており、反射した光を広範囲に拡散するよう構成されている。
窓口25aと遊技領域21(第1流下領域21a)とを区画する前記庇状部61は、図3に示すように、枠状装飾体25において第1台板部65および第3台板部67の内周縁に沿って前方に突出するよう設けられている。そして、打ち出されたパチンコ球が発射球通路30を通過して打出口31から放出され、図3に示す飛翔経路H(第1流下領域21aの上縁部)をガイド部27に沿って右側(打出口31から離間する方向)へ向けて飛翔した後に、庇状部61上で滞ることなく第1流下領域21aまたは第2流下領域21bを流下するよう構成されている。ここで、飛翔経路Hを飛翔するパチンコ球が第2流下領域21bに至る前に飛翔する勢いを失うと、該パチンコ球はガイド部27に沿う軌道(飛翔経路H)からずれて下方へ落下した後に、庇状部61の頂部61Tから開閉取付部33へ向けて下方傾斜する転動面75,76,77,78(後述)に受け止められ、今度は転動面75,76,77,78の傾斜に沿って左側(打出口31に近接する方向)へ流下するよう構成されている。すなわち、枠状装飾体25の庇状部61と、案内レール22のガイド部27との間に画成された第1流下領域21aの上流領域は、打出口31から放出されるパチンコ球が右方へ向かって飛翔した後に転動面75,76,77,78上を左方へ流下することから、パチンコ球が一様に右方へ進行する第2流下領域21bの上流領域と比較して上下寸法が大きく確保されている。なお、枠状装飾体25の転動面75,76,77,78の一部は、庇状部61に設けた上特別入賞口53aを開閉する上開閉部材53bに形成されている。
図3に示すように、枠状装飾体25には、第1流下領域21aの上流領域を画成する転動面75,76,77,78として、庇状部61の頂部61Tから開閉取付部33へ向けて下方傾斜する第1転動面75、第2転動面76、第3転動面77および第4転動面78が、傾斜角度が変化する階段状に連続するよう形成されている。具体的に、庇状部61には、第1転動面75が頂部61Tから左下方へ向けて傾斜するよう形成されると共に、第2転動面76が第1転動面75の下流端から左方へ向けて該第1転動面75よりも緩勾配で傾斜するよう形成されている。また、庇状部61には、左方へ向けて傾斜する第4転動面78が、第2転動面76の下流端から左下方に離間した位置に形成され、この第4転動面78と第2転動面76との間には上特別入賞口53aが開口している。ここで、枠状装飾体25の上特別入賞部53に設けられた上開閉部材53bは、閉鎖状態で上特別入賞口53aを塞き、左側面が図3に示すように第2転動面76の下流端および第4転動面78の上流端に連なって、第2転動面76および第4転動面78よりも急勾配で左下方へ向けて傾斜するようになっている。すなわち、上開閉部材53bの左側面は、第2転動面76を転動したパチンコ球が第4転動面78へ向けて転動する第3転動面77として機能している。
なお、図示省略するが、上特別入賞部53には、上開閉部材53bがパチンコ球との接触により開放するのを防ぐための開放規制手段が備えられている。この開放規制手段は、上特別入賞ソレノイドSL2が非駆動状態(消磁状態)のときに上開閉部材53bと係合して該上開閉部材53bの開放を規制するよう構成されている。
図2および図3に示すように、枠状装飾体25には、第1流下領域21aの上流領域に打ち込まれたパチンコ球を減勢するための突部(減勢部)91,92,93が設けられている。突部91,92,93は、庇状部61に対してパチンコ球が通過可能な間隔で上方へ離間すると共に、第3台板部67から前方に突出するよう設けられており、該突部91,92,93によりパチンコ球の流路が第1流下領域21aの上流領域に画成されている。突部91,92,93は、第3台板部67の前面に沿う方向の外形寸法が遊技釘28の頭部よりも大きなブロック状に形成されている。実施例では、第3台板部67の前面に突部91,92,93が複数設けられている。これら複数の突部91,92,93は、正面視での外形が相違しており、配置位置の相違毎に適した形状で、遊技盤20に交差する外周面(周壁部96の外周面)が正面視において多角形をなすように夫々形成されている。なお、実施例では、合計3つの突部91,92,93が第3台板部67の前面に設けられている。そして、図3に示すように、最も右側に位置する突部91の左面は、第2転動面76の下流端部へ向けて略垂直に延在しており、飛翔経路Hから落下してきたパチンコ球を受けて減勢して下方へ誘導し、当該左面91dと交差する第2転動面76との衝突によりパチンコ球を更に減勢した後に上特別入賞口53aに入賞させ得るようになっている。また、右から2つ目の突部92は、図3に示すように、右端位置(図3に直線L1で示している)が作動状態(開放状態)にある上開閉部材53bの上端(自由端)よりも右側(言い換えれば、上開閉部材53bの上端が移動可能な左右範囲の内側)に設定されている。すなわち、上開閉部材53bが作動位置にある状態では、右から2つ目の突部92の上面との接触により減勢されて傾斜に沿って放出されたパチンコ球が上開閉部材53bにより確実に受け止められて上特別入賞口53aに誘導され得るようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
図2および図4に示すように、遊技盤20には、主制御基板81により決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが所定位置(実施例では、遊技領域21外の下部位置)に設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、遊技情報表示部Mには、特図表示部Ma,Mb、特図保留表示部Mc,Md、普図表示部Me、普図保留表示部Mfおよび状態表示部Mgが設けられている。なお、遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体により覆蓋保護されており、カバー体を介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。また、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
(特図表示部Ma,Mbについて)
特図表示部(表示手段)Ma,Mbは、第1始動入賞口51aおよび第2始動入賞口52aへの入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当否抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部Ma,Mbは、第1始動入賞口51aへの入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部Maと、第2始動入賞口52aへの入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部Mbとからなり、各特図表示部Ma,Mbの何れも複数個の発光表示部により構成されている。そして、第1特図表示部Maにおける所定の変動開始条件が成立した場合に、第1特図表示部Maの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、特図の変動停止条件が成立すること(特図1の変動時間が経過したこと)に基づいて、発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示する(特図を確定表示する)ようになっている。また、第2特図表示部Mbにおける所定の変動開始条件が成立した場合に、第2特図表示部Mbの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、特図の変動停止条件が成立すること(特図2の変動時間が経過したこと)に基づいて、発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示する(特図を確定表示する)よう構成されている。なお、特図の変動開始条件は、特図変動表示の開始が禁止された変動禁止状態ではなく、かつ始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として取得された始動入賞情報が記憶手段としての主制御RAM81cに特図始動保留情報として記憶されている場合に成立するようになっている。なお、大当り遊技中や、特図変動表示中や、特図インターバル期間中が、「変動禁止状態」に相当する。すなわち、特図の変動開始条件は、大当り遊技が生起される期間中でなく、特図変動表示の期間中でなく、かつ特図インターバル期間中でない場合であって、次の特図変動表示に対応する特図始動保留情報が保留されている場合に、成立するようになっている。
また、特図表示部Ma,Mbは、特図の変動停止条件が成立(特図の変動時間が経過)した場合に、前記始動入賞情報(各種乱数情報)に基づいて決定された特図を示す点灯状態(特図の確定表示状態)となり、該点灯状態を少なくとも特図インターバル期間に亘って継続するよう主制御基板81の主制御CPU81aにより制御される。すなわち、主制御CPU81aは、特図の変動表示の終了時点(すなわち、変動停止条件が成立した時点)から特図インターバル期間が経過することで、次の特図の変動表示または大当り遊技の開始条件が成立し得るよう構成されている。なお、第1および第2特図表示部Ma,Mbにおいて特図変動表示が同じ期間に行われることはなく、一方の特図表示部Ma,Mbで特図変動表示が行われている場合に他方の特図表示部Ma,Mbでは特図変動表示の実行が待機されるようになっている。また、一方の特図表示部Ma,Mbが特図インターバル期間に対応する状態となっている場合に、他方の特図表示部Ma,Mbにおいても特図変動表示が開始されることはなく、特図インターバル期間の終了後まで特図変動表示の実行が待機されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに確定表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに確定表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部Mc,Mdについて)
特図保留表示部Mc,Mdは、第1始動入賞口51aおよび第2始動入賞口52aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、主制御基板81に備えられた主制御RAM81c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部Mc,Mdは、前記第1始動入賞口51aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM81cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口52aにパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM81cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部Mcが設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLEDから発光表示部が構成された第2特図保留表示部Mdが設けられている。すなわち、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、第1特図保留表示部Mcで表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口51aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdで表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口52aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの夫々は、隣接した複数のLEDから構成されている。
(普図表示部Meについて)
普図表示部Meは、球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出(ゲート部55のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当否抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部Meでは、球通過検出センサSE7のパチンコ球の検出(ゲート部55のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では2種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。そして、前記普図表示部Meの最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に左側LEDだけが点灯され、はずれの場合に右側LEDだけが点灯される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留表示部Mfについて)
普図保留表示部Mfは、ゲート部55をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、主制御RAM81c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、普図保留表示部Mfは、図2に示すように、複数のLEDにより構成されており、該普図保留表示部Mfの表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。普図保留表示部Mfで表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部55をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(状態表示部Mgについて)
状態表示部Mgは、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では3個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10は、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部MgのLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。ここで、実施例の状態表示部Mgは、特図表示部Ma,Mbが当り図柄(大当り図柄)を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部Mgは、確変状態や変短状態が終了して特図表示部Ma,Mbにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
(表示装置17について)
表示装置17の表示画面17aには、前記飾図を変動表示可能な図柄列(変動領域)が複数設定されており、第1始動入賞口51aまたは第2始動入賞口52aへの入賞を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な有効停止位置が各図柄列に夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定表示(確定停止表示)される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列が左右横並び状に設定されると共に、図柄列毎に飾図の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、各図柄列の有効停止位置を組み合わせることで1つの停止図柄有効ラインが設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列、中図柄列、右図柄列と指称する場合がある。
また、表示装置17の各図柄列における飾図の表示領域は、第1特図表示部Maおよび第2特図表示部Mbに比較して大きな領域で構成されて、特図(特図1および特図2)に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。
表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列の有効停止位置に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に各図柄列で同時に飾図が変動開始し、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列の有効停止位置に飾図が一時的に仮停止表示されて、飾図が所定の図柄組み合わせを構成する状態となる。そして、仮停止表示された飾図が確定表示(確定停止表示)されることで、1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出は、1つの特図始動保留情報に基づいて飾図(特図1および特図2)の変動表示が開始されてから、飾図(飾図による図柄組み合わせ)が確定表示されるまでを1回として実行されるようになっている。ここで、演出制御基板82の演出制御CPU82aは、主制御CPU81aからの特図変動パターン指定コマンド(制御信号)を入力した場合に飾図の変動開始条件が成立して、該特図変動パターン指定コマンドにより特定される演出パターンに応じた図柄変動演出を開始すると共に、主制御CPU81aからの全図柄停止指定コマンド(制御信号)を入力した場合に、飾図の変動停止条件が成立して、図柄変動演出を終了する(飾図を確定表示する)ようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列に表示される飾図が変化している状態である。また、飾図の「仮停止表示」とは、前記各図柄列において有効停止位置に留まるよう表示された飾図が静止していない状態である。そして、飾図の「確定表示」とは、前記各図柄列において有効停止位置に留まるよう表示された飾図が静止した状態である。
なお、表示装置17に確定表示される飾図(飾図の図柄組み合わせ)は、特図変動表示の結果として第1特図表示部Maおよび第2特図表示部Mbに表示される特図と対応している。すなわち、特図表示部Ma,Mbにおいて当り図柄(当り表示)を示す特図が確定表示される場合には、表示装置17において当りの図柄組み合わせ(当り表示)または特殊図柄組み合わせ(当り表示)を構成する飾図が確定表示される。また、特図表示部Ma,Mbにおいてはずれ図柄(はずれ表示)を示す特図が確定表示される場合には、表示装置17においてはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示)を構成する飾図が確定表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して飾図による複数の図柄組み合わせの中から1つの図柄組み合わせが選択されるようになっている。そして、表示装置17は、特図変動表示が開始されるタイミングに対応して図柄変動演出(飾図の変動)を開始し、第1特図表示部Maや第2特図表示部Mbに特図が確定表示されるタイミングに対応して図柄変動演出を終了するようになっている。すなわち、第1特図表示部Maおよび表示装置17では、第1特図変動表示と、該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始された後に、特図1と飾図とが同時に確定表示されるようになっている。同様に、第2特図表示部Mbおよび表示装置17では、第2特図変動表示と、該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に確定表示される。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を生起する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態は、前記特別入賞口53a,54aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が生起されていない状態に比べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率(特図当り判定が当りの判定結果となる確率)を当該第1特典遊技状態が生起されていない状態での特図当り確率(低確率)よりも高確率に設定することにより、特別入賞口53a,54aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」という場合もある。
確変機能は、大当り遊技の抽選確率(大当り確率)を高確率(実施例では、1815/65536)に設定する機能(確変状態を生起する機能)である。ここで、大当り遊技(特定遊技状態)を除く遊技状態のうちで確変状態が生起されていない状態を、非確変状態というものとする。なお、非確変状態では、大当り遊技の抽選確率が低確率(実施例では、183/65536)に設定される。実施例では、大当り遊技終了後、次回の大当りに当選するまでの間継続して確変状態が生起されるよう設定してある。但し、確変状態が生起される期間としては、上記のものに限られない。例えば、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が生起されるようにしてもよい。また、前述した大当り遊技の抽選確率(低確率および高確率)は一例であって、これに限られるものではない。
ここで、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技中にパチンコ球が前記特定入球通路54dに入球することを契機として、遊技者に有利な遊技状態を生起させるよう構成されている。具体的には、前記特定領域入球検出センサSE5によるパチンコ球の検出を契機として、遊技者に有利な遊技状態としての確変状態を大当り遊技の終了後に生起させることを主制御基板81(主制御CPU81a)が決定する(すなわち、確変状態の生起条件が成立する)よう構成されている(図5参照)。一方で、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技中に特定領域入球検出センサSE5によるパチンコ球の検出がされなかった場合に、該大当り遊技の終了後に確変状態を生起させる決定を主制御基板81(主制御CPU81a)が行わないよう構成されている。
(変短状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を生起する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口52aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が生起されていない状態と比べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口52aを開放する開閉羽根52bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口52aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口52aを開放する開閉羽根52bの開放時間を増やすに際しては、開閉羽根52bの開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉羽根52bの開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態について、「変短状態」という場合もある。なお、大当り遊技を除く遊技状態のうちで変短状態が生起されていない状態を、非変短状態というものとする。また、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態は、大当り遊技の終了後(特定遊技状態の終了後)に遊技者に付与可能な遊技状態である。
実施例では、非変短状態において普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が5000msに設定され、変短状態において普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い600msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1/100)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、99/100)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。ここで、非変短状態および変短状態における普図当り確率については上記に限られるものではなく、例えば、非変短状態を、普図当りが生じない遊技状態とし、普図当りが生じ得る遊技状態を変短状態(入賞率向上状態、第2特典遊技状態)とすることが可能である。この場合には、例えば、非変短状態における普図当り確率を0/100(低確率)に設定し、変短状態における普図当り確率を99/100(実施例では、高確率)に設定すればよい。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態では、非変短状態とは異なる動作パターンで開閉羽根52bが開閉動作されるようになっている。具体的には、非変短状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉羽根52bが開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで作動状態(開放状態)を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉羽根52bは開放してから所定時間(実施例では1800ms)が経過するまで作動状態(開放状態)を維持する開放動作を3回行うようになっている。すなわち、変短状態では、非変短状態と比較して、開閉羽根52bの合計開放時間(普電開放時間)が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口52aへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では3個)が設定されており、前記開閉羽根52bを開放してからの入賞数が閉鎖条件となる規定個数(上限個数)に達することで、開閉羽根52bを閉鎖させるようになっている。
実施例のパチンコ機10は、図5に示すように、大当り遊技の終了後に付与する変短状態の回数(以下、変短回数という)として100回が設定されている。なお、特図として大当り図柄が決定された場合であっても、大当り遊技中に前記特定入球通路54dにパチンコ球が入球しなかった場合(前記特定領域入球検出センサSE5によってパチンコ球が検出されなかった場合)には、主制御基板81(主制御CPU81a)が大当り遊技の終了後に変短状態を生起しない(変短状態の生起条件が成立しない)ようになっている(図8参照)。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について図5を参照して説明する。大当り遊技(特図当り遊技)は、特図変動表示の結果として第1特図表示部Maまたは第2特図表示部Mbに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて、上特別入賞部53の上開閉部材53bまたは下特別入賞部54の下開閉部材54bが開閉動作される。実施例では、図5に示すように、上開閉部材53bまたは下開閉部材54bを1回または複数回開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では16回、12回、8回または4回)だけ実行した後に、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口53a,54aに規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド時間としての特電開放時間)が経過することで終了するよう設定されている。なお、大当り遊技では、1回目のラウンド遊技を開始する前にオープニング演出時間が設定されると共に、最後のラウンド遊技の終了後にエンディング演出時間が設定される。また、大当り遊技における各ラウンド遊技の間には、所定時間だけ開閉部材53b,54bが閉鎖状態で保持されるラウンドインターバル時間が設定される。なお、ラウンドインターバル時間は、全ての大当り遊技のラウンド遊技間において共通の時間(例えば1.00秒)を設定してもよいし、複数種類の時間(例えば、1.00秒および5.00秒の2種類の時間)から適宜決定するようにしてもよい。すなわち、1回目のラウンド遊技のラウンド開始条件(上開閉部材53bまたは下開閉部材54bの作動条件)は、オープニング演出時間の終了時点で成立し、2回目以降のラウンド遊技のラウンド開始条件(上開閉部材53bまたは下開閉部材54bの作動条件)は、直前のラウンドインターバル時間の終了時点で成立するようになっている。
ここで、大当り遊技を構成する各ラウンド遊技では、開放時間が異なる複数種類の開放態様(開放パターン)の何れかによって開閉部材53b,54bが開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)を行うようになっている。実施例の開閉部材53b,54bは、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が特別入賞口53a,54aに到達可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作(長時間開放)と、該長時間開放動作よりも開閉部材53b,54bの開放時間が短く設定された短時間開放動作(短時間開放)とのうち何れかの開放態様で開放動作を行うようになっている。なお、実施例では、開閉部材53b,54bに長時間開放動作を行わせるための特別入賞ソレノイドSL2,SL3の最大駆動時間(最大励磁時間)が25.0秒に設定されると共に、短時間開放動作を行わせるための特別入賞ソレノイドSL2,SL3の最大駆動時間(最大励磁時間)が0.2秒に設定されている。このため、開閉部材53b,54bの短時間開放動作では、パチンコ球の入賞が極めて難しく、特別入賞口53a,54aへの入賞を殆ど期待し得ない。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、前記第1〜第2始動入賞口51a,52aへのパチンコ球の入賞に基づいて行われる特図当り判定の結果が当りの判定結果となった場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技(特定遊技状態)の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される(図5参照)。ここで、複数種類の当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、特図当り判定に当選した際に決定される大当り図柄の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部Maに表示可能な100種類の大当り図柄(特図1の大当り図柄)は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄Dの4つのグループに分類されており、第1特図表示部Maに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示部Mbに表示可能な100種類の大当り図柄(特図2の大当り図柄)は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄dの4つのグループに分類されており、第2特図表示部Mbに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。ここで、実施例では、特図表示部Ma,Mbに確定表示された大当り図柄A,B,C,D,a,b,c,dに応じて、ラウンド遊技の合計回数(特定遊技状態の態様)が異なる複数種類の大当り遊技のうち何れかが付与されるようになっている。
第1始動入賞口51aへのパチンコ球の入賞を契機として行われる特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、主制御基板81の主制御CPU81aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図5に示すように、第1始動入賞口51aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の図柄(図柄A〜図柄D)の何れかに分類される1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、遊技状態の違いに関わらず、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Cが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Dが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。また、前記第2始動入賞口52aへのパチンコ球の入賞を契機として行われる特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、前記主制御基板81の主制御CPU81aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図5に示すように、第2始動入賞口52aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の図柄(図柄a、図柄b、図柄c、図柄d)の何れかに分類される1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、遊技状態の違いに関わらず、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄dが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られない。
実施例のパチンコ機10では、大当り遊技として、ラウンド遊技の合計回数が16回に設定された第1の当り遊技(図柄A,aに対応する大当り遊技)、ラウンド遊技の合計回数が12回に設定された第2の当り遊技(図柄B,bに対応する大当り遊技)、ラウンド遊技の合計回数が8回に設定された第3の当り遊技(図柄C,cに対応する大当り遊技)、およびラウンド遊技の合計回数が4回に設定された第4の当り遊技(図柄D,dに対応する大当り遊技)の4種類が設定されている。そして、大当り遊技の種類(第1〜第4の当り遊技)毎に、各ラウンド遊技で上開閉部材53bおよび下開閉部材54bの何れを開放動作するか(上特別入賞口53aおよび下特別入賞口54aの何れを開放するか)や、開閉部材53b,54bをどのように開放動作するか(長時間開放動作および短時間開放動作の何れを行うか)が定められている。ここで、第1〜第3の当り遊技は、図5に示すように、全てのラウンド遊技において上開閉部材53bまたは下開閉部材54bが長時間開放動作を行うよう設定されているのに対し、第4の当り遊技は、図5に示すように、4回目のラウンド遊技(後述する特定ラウンド)において下開閉部材54bが短時間開放動作のみを1回行うよう設定されている。
第1〜第4の当り遊技では、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球のみが入球可能な特定入球通路54dを下特別入賞部54の内部で開放する(案内体54eを第1姿勢から第2姿勢に変位させる)特定のラウンド遊技(特定ラウンド)が設定されている。具体的に、第1〜第4の当り遊技は、全ラウンド遊技(16回、12回、8回または4回)のうち4回目のラウンド遊技が特定ラウンドとして設定されている。そして、特定ラウンドに対応して設定される案内体54eの変位期間(すなわち、特定入球通路54dの入球可能期間)において、下特別入賞部54の内部に設けられた特定入球通路54dにパチンコ球が入球すること(特定領域入球検出センサSE5によってパチンコ球が検出されること)を契機として、当該大当り遊技の終了後に確変状態が生起される(確変状態の生起条件が成立する)ようになっている。ここで、第1〜第4の当り遊技において確変状態の生起条件が成立した場合には、大当り遊技の終了後に確変状態が次回の大当り遊技まで継続して付与されると共に、変短回数が100回に設定された変短状態が生起される。一方、第1〜第4の当り遊技において確変状態の生起条件が成立しなかった場合には、大当り遊技の終了後は非確変状態(低確率状態)となり、また変短状態も付与されないよう設定されている。
また、第1〜第4の当り遊技に設定される各特定ラウンドにおいて、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4の駆動開始タイミングおよび駆動終了タイミングは、大当り遊技の種類に関係なく特定ラウンドの開始タイミング(作動条件が成立するタイミング)および終了タイミング(作動終了条件が成立するタイミング)と共通に設定されている。すなわち、各特定ラウンドの開始タイミングで、下開閉部材54bが開放し、かつ案内体54eが第1姿勢から第2姿勢に変位すると共に、各特定ラウンドの終了タイミングで、下開閉部材54bが閉鎖し、かつ案内体54eが第2姿勢から第1姿勢に変位するようになっている。具体的に、第1〜第3の当り遊技は、特定ラウンドにおける下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間(最大励磁時間)が25.0秒に設定され、当該特定ラウンドにおいて下開閉部材54bが長時間開放動作を行うようになっている。これに対応して、当該第1〜第3の当り遊技の特定ラウンドでは、切替えソレノイドSL4の最大駆動時間(最大励磁時間)が25.0秒に設定されており、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4が作動条件の成立に伴って同時に駆動開始され、作動終了条件の成立に伴って同時に駆動停止されるようになっている。一方で、第4の当り遊技は、特定ラウンドにおける下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間(最大励磁時間)が0.2秒に設定され、当該特定ラウンドにおいて下開閉部材54bが短時間開放動作を行うようになっている。これに対応して、当該第4の当り遊技の特定ラウンドでは、切替えソレノイドSL4の最大駆動時間(最大励磁時間)が0.2秒に設定されており、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4が作動条件の成立に伴って同時に駆動開始され、作動終了条件の成立に伴って同時に駆動停止されるようになっている。
ここで、下特別入賞部54の下入賞通路54cは、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球が特定入球通路54dの入口に到達するまでに少なくとも約0.8秒の時間がかかる通路形状に構成されている(具体的には、前述の如く、下特別入賞口54aから特定入球通路54dの入口に至るまでの部分が蛇行状に形成されている)。すなわち、実施例のパチンコ機10は、第1〜第3の当り遊技の特定ラウンドにおいて、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球が特定入球通路54dの入口に到達するまでに必要な0.8秒の時間よりも長い25.0秒に亘って案内体54eを第2姿勢に維持し得るようにして、特定入球通路54dへの入球を容易にする一方、第4の当り遊技の特定ラウンドでは、下特別入賞口54aに入賞したパチンコ球が特定入球通路54dの入口に到達するまでに必要な0.8秒の時間よりも短い0.2秒だけ案内体54eを第2姿勢に維持することで特定入球通路54dへの入球を極めて困難にしてあり、大当り遊技の種類によって特定入球通路54dへのパチンコ球の入球し易さ(確変状態が付与される確率)に明確な差が設けられている。
(第1の当り遊技について)
第1の当り遊技は、当該第1の当り遊技を生起させることが決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、開閉部材53b,54bを予め定められた態様で動作させて特別入賞口53a,54aを開放するようになっている。具体的に、第1の当り遊技は、ラウンド遊技の合計回数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の規定個数(上限個数)が「10個」に設定されている。また、第1の当り遊技では、図6に示すように、開閉部材53b,54bを長時間開放動作するための上特別入賞ソレノイドSL2または下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間である25.00秒が、全てのラウンド遊技での各ラウンド時間として設定されている。そして、1回目から3回目までのラウンド遊技、および5回目から16回目までのラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから上特別入賞ソレノイドSL2を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで上特別入賞部53の上開閉部材53bを長時間開放動作させて上特別入賞口53aを長時間に亘って開放し、4回目のラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから下特別入賞ソレノイドSL3を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで下特別入賞部54の下開閉部材54bを長時間開放動作させて下特別入賞口54aを長時間に亘って開放するよう設定されている。また、4回目のラウンド遊技の開始タイミングから切替えソレノイドSL4を最長で25.0秒に亘って駆動状態とする(案内体54eを第2姿勢に維持する)ことで、特定入球通路54dの球入口を長時間に亘って開放するよう設定されている。
(第2の当り遊技について)
第2の当り遊技は、当該第2の当り遊技を生起させることが決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、開閉部材53b,54bを予め定められた態様で動作させて特別入賞口53a,54aを開放するようになっている。具体的に、第2の当り遊技は、ラウンド遊技の合計回数が「12回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の規定個数(上限個数)が「10個」に設定されている。また、第2の当り遊技では、図6に示すように、開閉部材53b,54bを長時間開放動作するための上特別入賞ソレノイドSL2または下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間である25.00秒が、全てのラウンド遊技での各ラウンド時間として設定されている。そして、1回目から3回目までのラウンド遊技、および5回目から12回目までのラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから上特別入賞ソレノイドSL2を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで上特別入賞部53の上開閉部材53bを長時間開放動作させて上特別入賞口53aを長時間に亘って開放し、4回目のラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから下特別入賞ソレノイドSL3を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで下特別入賞部54の下開閉部材54bを長時間開放動作させて下特別入賞口54aを長時間に亘って開放するよう設定されている。また、4回目のラウンド遊技の開始タイミングから切替えソレノイドSL4を最長で25.0秒に亘って駆動状態とする(案内体54eを第2姿勢に維持する)ことで、特定入球通路54dの球入口を長時間に亘って開放するよう設定されている。
(第3の当り遊技について)
第3の当り遊技は、当該第3の当り遊技を生起させることが決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、開閉部材53b,54bを予め定められた態様で動作させて特別入賞口53a,54aを開放するようになっている。具体的に、第3の当り遊技は、ラウンド遊技の合計回数が「8回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の規定個数(上限個数)が「10個」に設定されている。また、第3の当り遊技では、図6に示すように、開閉部材53b,54bを長時間開放動作するための上特別入賞ソレノイドSL2または下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間である25.00秒が、全てのラウンド遊技での各ラウンド時間として設定されている。そして、1回目から3回目までのラウンド遊技、および5回目から8回目までのラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから上特別入賞ソレノイドSL2を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで上特別入賞部53の上開閉部材53bを長時間開放動作させて上特別入賞口53aを長時間に亘って開放し、4回目のラウンド遊技では、当該ラウンド遊技の開始タイミングから下特別入賞ソレノイドSL3を最長で25.00秒に亘って駆動状態とすることで下特別入賞部54の下開閉部材54bを長時間開放動作させて下特別入賞口54aを長時間に亘って開放するよう設定されている。また、4回目のラウンド遊技の開始タイミングから切替えソレノイドSL4を最長で25.0秒に亘って駆動状態とする(案内体54eを第2姿勢に維持する)ことで、特定入球通路54dの球入口を長時間に亘って開放するよう設定されている。
(第4の当り遊技について)
第4の当り遊技は、当該第4の当り遊技を生起させることが決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、開閉部材53b,54bを予め定められた態様で動作させて特別入賞口53a,54aを開放するようになっている。具体的に、第4の当り遊技は、ラウンド遊技の合計回数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の規定個数(上限個数)が「10個」に設定されている。また、第4の当り遊技では、図5に示すように、1回目〜3回目のラウンド遊技での各ラウンド時間として、開閉部材53b,54bを長時間開放動作するための上特別入賞ソレノイドSL2または下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間である25.0秒が設定されていると共に、4回目のラウンド遊技(特定ラウンド)のラウンド時間として、開閉部材53b,54bを短時間開放動作するための上特別入賞ソレノイドSL2または下特別入賞ソレノイドSL3の最大駆動時間である0.2秒が設定されている。また、4回目のラウンド遊技の開始タイミングから切替えソレノイドSL4を最長で0.2秒だけ駆動状態とする(案内体54eを第2姿勢に維持する)ことで、特定入球通路54dの球入口を短時間に限り開放するよう設定されている。
(パチンコ機の制御基板について)
ここで、パチンコ機10に備えられた主制御基板81、演出制御基板82および表示制御基板83について説明する。
(主制御基板81について)
先ず、前記主制御基板81について説明する。主制御基板81は、図4に示に示すように、制御処理を実行する主制御CPU81a、該主制御CPU81aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM81b、当該主制御CPU81aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM81c等が備えられている。そして、主制御CPU81aには、始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞検出センサSE3,SE4、特定領域入球検出センサSE5、位置検出センサSE6、球通過検出センサSE7,普通入賞検出センサSE8等の各種センサが電気的に接続されている。また、主制御CPU81aには、遊技情報表示器Mの各表示部(特図表示部Ma,Mb、特図保留表示部Mc,Md、普図表示部Me、普図保留表示部Mf、状態表示部Mg)が電気的に接続されて、各検出センサSE1,SE2,SE3,SE4,SE5,SE6,SE7,SE8の検出を契機として主制御CPU81aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示器Mの各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgの表示制御が実行されるようになっている。また、主制御CPU81aには、始動入賞ソレノイドSL1、上特別入賞ソレノイドSL2、下特別入賞ソレノイドSL3、切替えソレノイドSL4等の駆動手段が電気的に接続されており、該主制御CPU81aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドSL1,SL2,SL3,SL4を駆動制御することで、対応する開閉羽根52b、上開閉部材53b、下開閉部材54b、案内体54e等の可変部材が待機位置および作動位置の間で変位するようになっている。
主制御RAM81cは、第1始動入賞口51aおよび第2始動入賞口52aにパチンコ球が入賞した際に始動入賞情報(始動保留情報)を取得し、対応する記憶領域(バッファ)に一時的に当該始動入賞情報を記憶保持可能に構成されている。また、主制御CPU81aは、始動入賞口51a,52aにパチンコ球が入賞したことを示す始動入賞コマンドを設定して演出制御CPU82aへ向けて出力するようになっている。主制御RAM81cにおける始動入賞情報の記憶領域は、始動入賞情報を取得された順序で特図の種類毎に個別に記憶するよう設定されており、始動入賞情報に基づいて特図変動表示を実行する場合に、主制御RAM81cに記憶した順序で始動入賞情報が主制御CPU81aにより読み出されるようになっている。主制御CPU81aは、始動入賞口51a,52aへの入賞や特図変動表示の開始に応じて始動入賞情報の記憶数(保留数)を更新すると共に、更新後の始動入賞情報の記憶数(保留数)に応じて対応する特図保留表示部Mc,Mdの表示内容を変更するよう構成されている。ここで、始動入賞情報には、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数の値が含まれている。そして、主制御CPU81aは、始動入賞情報に基づいて特図変動表示を実行する際に、その変動時間等を示す特図変動パターン指定コマンドを演出制御CPU82aへ向けて出力するようになっている。
また、主制御RAM81cは、球通過検出センサSE7をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(通過保留情報)を、記憶領域(バッファ)に一時的に記憶保持可能に構成されている。主制御RAM81cにおける通過検出情報の記憶領域は、通過検出情報を取得された順序で記憶するよう設定されており、通過検出情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、主制御RAM81cに記憶した順序で通過検出情報が主制御CPU81aにより読み出されるようになっている。主制御CPU81aは、ゲート口55aへの入球や普図変動表示の終了に応じて通過検出情報の保留数を更新すると共に、更新後の通過検出情報の保留数に応じて普図保留表示部Mfの表示内容を変更するよう構成されている。ここで、通過検出情報としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数の値が含まれている。
主制御ROM81bには、大当り遊技の時間に関する情報として、各ラウンド遊技での上特別入賞ソレノイドSL2および下特別入賞ソレノイドSL3の駆動時間および駆動タイミングと、特定ラウンド(4回目のラウンド遊技)における切替えソレノイドSL4の駆動時間および駆動タイミングと、オープニング演出時間と、エンディング演出時間と、ラウンドインターバル時間とが記憶されている。そして、主制御CPU81aは、これらの時間の計測値との関係に基づいて、各駆動手段SL2,SL3,SL4の駆動制御を行うようになっている。なお、当り図柄としての特図1および特図2は、前述したように大当り遊技の種類毎に分類されており、主制御CPU81aが特図1または特図2を特定することで、大当り遊技におけるラウンド遊技の合計回数と、各ラウンド遊技での駆動手段SL2,SL3,SL4の駆動時間および駆動タイミングとが特定されるようになっている。
また、主制御CPU81aは、大当り遊技の開始および大当り遊技の種類を示す制御信号としての当り開始コマンドと、大当り遊技の終了を示す制御信号としての当り終了コマンドとを、演出制御基板82(演出制御CPU82a)へ向けて大当り遊技を開始するタイミングおよび大当り遊技を終了するタイミングで出力するよう設定されている。また、主制御CPU81aは、各ラウンド遊技の開始を示す制御信号としての開放コマンドおよび各ラウンド遊技の終了を示す制御信号としての閉鎖コマンドを、演出制御基板82(演出制御CPU82a)へ向けて各ラウンド遊技を開始するタイミングおよび各ラウンド遊技を終了するタイミングで夫々出力するよう設定されている。更に、主制御CPU81aは、特定領域入球検出センサSE5によるパチンコ球の検出(特定入球通路54dにパチンコ球が入球したこと)を判定した場合に、主制御RAM81cに記憶される確変付与フラグを「1」に設定すると共に、確変状態の生起条件が成立したことを示す生起条件成立コマンドを演出制御基板82(演出制御CPU82a)へ向けて出力する。そして、大当り遊技の終了時点において確変付与フラグの設定値が「1」である場合に、主制御CPU81aが確変状態を生起させるようになっている。
すなわち、主制御CPU81aは、始動条件の成立(始動入賞口51a,52aへの入賞)を契機として各種乱数を取得する乱数取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、乱数取得手段により取得された乱数の値が予め定められた特図当り判定値(大当り判定値)と一致するか否かを判定することで、始動条件の成立に基づいて大当り遊技(特定遊技状態)を生起させるか否かの当り判定を行う当り判定手段としての機能を有している。また、主制御CPU81aは、始動条件の成立を契機として大当り遊技の種類を決定し、これによって大当り遊技を構成するラウンド遊技の合計回数(特定遊技状態の態様・価値)を決定する価値決定手段としての機能を有すると共に、決定した種類の大当り遊技を生起させる当り遊技生起手段(生起手段)としての機能を有している。更に、主制御CPU81aは、始動入賞口51a,52aへの入賞に基づいて、主制御ROM81bが記憶する複数の特図変動パターン(特図変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段としての機能を備えている。更にまた、主制御CPU81aは、特定領域入球検出センサSE5によるパチンコ球の検出に基づいて、特図当り判定が大当り遊技を生起させる判定結果となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与することを決定する高確率状態付与決定手段としての機能を有すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する高確率状態付与手段としての機能を有する。更に、主制御CPU81aは、第2始動入賞口52aへパチンコ球を入賞させ易い変短状態を付与するか否かを判定する入賞容易状態判定手段としての機能を有すると共に、変短状態を付与する期間を決定する入賞容易状態付与期間決定手段としての機能を有する。
(主制御CPU81aによる制御処理について)
ここで、主制御基板81の主制御CPU81aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。主制御CPU81aは、パチンコ機10への電源投入時におけるセキュリティーチェック等の初期化処理の終了後に、通常動作状態に移行する。この通常動作状態では、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技に関する制御処理を実行するタイマ割込処理を、定期的(4ms毎)に実行するようになっている。ここで、タイマ割込処理では、各種の遊技時間を計測する計時処理や、各種センサからの検出信号に基づいて検出の有無を判定する検出判定処理や、特図や飾図に関する特図入力処理および特図開始処理や、各種乱数を更新する乱数更新処理や、遊技情報表示器Mでの表示内容に関する表示制御処理等を実行するようになっている。そこで、以下、タイマ割込処理で実行する各種の制御処理について、図6を参照して具体的に説明する。
(計時処理(ステップS301)について)
ステップS301において、主制御CPU81aは、遊技の進行に関する遊技時間(変動時間等)を計測する計時処理を実行する。具体的に、主制御CPU81aは、遊技の進行に関する遊技時間として、特図変動パターンによって特定される特図変動時間と、特図変動表示の終了タイミングから次の特図変動表示の開始タイミングまでの待機時間である特図変動インターバル時間と、普図変動パターンによって特定される普図変動時間と、普図変動表示の終了タイミングから次の普図変動表示の開始タイミングまでの待機時間である普図変動インターバル時間と、大当り遊技においてオープニング演出が行われる時間であるオープニング演出時間と、大当り遊技においてエンディング演出が行われる時間であるエンディング演出時間と、各ラウンド遊技の最大継続時間である特電開放時間と、ラウンド遊技の終了時点から次のラウンド遊技の開始までの待機時間であるラウンドインターバル時間と、普図当り遊技における第2始動入賞口52aの開放時間である普電開放時間とを、当該計時処理において計測可能に構成されている。なお、実施例では、ラウンド遊技が付与される期間に亘って上開閉部材53bや下開閉部材54bが開放されるようになっているが、ラウンド遊技が付与される期間の一部において上開閉部材53bや下開閉部材54bが開放されるようにしてもよい。この場合には、当該ステップS301において、ラウンド遊技の開始タイミングからの最大継続時間を計測すると共に、この最大継続期間のうち一部を特電開放時間として計測することができる。
(検出判定処理(ステップS302)について)
ステップS302において、主制御CPU81aは、当該主制御CPU81aと電気的に接続されている検出センサ(第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、上特別入賞検出センサSE3、下特別入賞検出センサSE4,特定領域入球検出センサSE5、位置検出センサSE6、球通過検出センサSE7、普通入賞検出センサSE8等)からの検出信号が入力されているか否かを判定するための検出判定処理を実行する。この検出判定処理において、主制御CPU81aは、各種の入球検出センサSE1,SE2,SE3,SE4,SE5,SE6,SE7,SE8からの検出信号の入力の有無に応じて、入球検出センサ毎に検出状態であるか否かを判定するようになっている。ここで、主制御CPU81aは、複数の入球検出センサSE1,SE2,SE3,SE4,SE8のうち何れかの検出状態(検出信号が入力されていること)を判定した場合に、検出状態に対応する入球検出センサSE1,SE2,SE3,SE4,SE8の種類に応じた賞球を払い出すことを決定する。
(ソフトウエア乱数更新処理(ステップS303)について)
ステップS303において、主制御CPU81aは、特図の大当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図決定用乱数の値と、特図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図変動パターン振分用乱数の値と、普図の当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての普図決定用乱数の値と、普図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての普図変動パターン決定用乱数の値とを更新する(ソフトウエア乱数更新処理を実行する)。このソフトウエア乱数更新処理では、特図決定用乱数としての「0」〜「100」の全101通りの整数値と、特図変動パターン振分用乱数としての「0」〜「250」の全251通りの整数値と、普図決定用乱数としての「0」〜「100」の全101通りの整数値と、普通図特図変動パターン振分用乱数としての「0」〜「250」の全251通りの整数値とを、1回の更新処理につき夫々「1」更新する。すなわち、実施例では、タイマ割込み処理が1回発生する毎に(4ms毎に)、特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各乱数の値が「1」ずつ更新される(なお、更新前の値が最大値の場合は、ランダムな値に決定される初期値へと更新する)ようになっている。
なお、特図当り判定用乱数および普図当り判定用乱数の各値を更新するハードウエア乱数更新処理は、主制御基板81に備えられる乱数発生回路が有する特図当り判定用乱数カウンタおよび普図当り判定用乱数カウンタにより実行されている。
(遊技状態切替処理(ステップS304)について)
ステップS304において、主制御CPU81aは、遊技状態を切り替える遊技状態切替処理を実行する。具体的に、主制御CPU81aは、大当り遊技を開始するタイミング(特図変動表示の結果として大当り図柄(特図)を停止表示してから所定時間が経過するタイミング)で、主制御RAM81cに記憶される大当りフラグの設定値を「0」から「1」に変更し、大当り遊技を終了するタイミングで、大当りフラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU81aは、大当りフラグの値を「1」に変更するのに応じて大当り開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU81aは、大当りフラグの値を「0」に変更するのに応じて大当り終了コマンドを設定する。
また、このステップS304において、主制御CPU81aは、大当り遊技の終了に伴って確変状態を開始する場合に、主制御RAM81cに記憶される確変フラグの設定値を「0」から「1」に変更し、確変状態を終了する場合に、確変フラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU81aは、確変フラグの値を「1」に変更するのに応じて確変開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU81aは、確変フラグの値を「0」に変更するのに応じて確変終了コマンドを設定する。更に、主制御CPU81aは、このステップS305において、大当り遊技の終了に伴って変短状態を開始する場合に、主制御RAM81cに記憶される変短フラグの設定値を「0」から「1」に変更し、変短状態を終了する場合に、変短フラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU81aは、変短フラグの値を「1」に変更するのに応じて変短開始コマンドを設定する。そして、主制御CPU81aは、変短フラグの値を「0」に変更するのに応じて変短終了コマンドを設定する。
また、主制御CPU81aは、このステップS304において、普図当り遊技を開始するタイミング(普図変動表示の結果として普図当り図柄としての普図を停止表示してから所定時間が経過するタイミング)で、主制御RAM81cに記憶される普図当りフラグの設定値を「0」から「1」に変更し、普図当り遊技を終了するタイミングで、普図当りフラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU81aは、普図当りフラグの値を「1」に変更するのに応じて普図当り開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU81aは、普図当りフラグの値を「0」に変更するのに応じて普図当り終了コマンドを設定する。なお、設定された大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、確変開始コマンド、確変終了コマンド、変短開始コマンド、変短終了コマンド、普図当り開始コマンドおよび普図終了コマンドは、主制御CPU81aが実行するコマンド入出力処理の実行に応じて、演出制御CPU82aへ向けて出力される。
(特図入力処理(ステップS305)について)
ステップS305において、主制御CPU81aは、特図に関する特図入力処理を実行する。この特図入力処理において、主制御CPU81aは、前述した検出判定処理(ステップS305)において始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、始動入賞口51a,52aへのパチンコ球の入賞が発生した場合)に、始動入賞情報としての各種乱数値を取得すると共に主制御RAM81cの記憶領域に記憶する。ここで、始動入賞情報として主制御RAM81cの記憶領域に記憶される乱数の値としては、特図当り判定用乱数カウンタによりカウントされる特図当り判定用乱数(ハードウエア乱数)の値の他に、特図決定用乱数や特図変動パターン振分用乱数といったソフトウエア乱数の値がある。なお、主制御RAM81cの記憶領域は、第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する記憶領域と、第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する記憶領域とが個別に設定されており、各記憶領域において予め定めた上限数(実施例では、4個)までの始動入賞情報を、時系列に従って、対応する特図変動表示が開始されるまで始動保留情報として記憶(保留)可能となっている。また、特図入力処理では、主制御RAM81cの記憶領域に記憶される始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)等が変化するタイミングで、変化後の記憶数(保留数)等を特定するための始動入賞コマンドを設定する。なお、始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞検出センサSE1による検出に応じて出力される場合と、第2始動入賞検出センサSE2による検出に応じて出力される場合とで異なるコマンドが設定される。また、設定された始動入賞コマンドは、コマンド入出力処理の実行に応じて演出制御CPU82aへ向けて出力される。
なお、図示省略するが、主制御CPU81aは、普図に関する普図入力処理を前述した特図入力処理(ステップS305)と同様に行うよう構成されている。普図入力処理では、前述した検出判定処理(ステップS302)において球通過検出センサSE7からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、ゲート口55aへのパチンコ球の入球が発生した場合)に、通過検出情報としての各種乱数値(普図当り判定用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各値)を取得すると共に主制御RAM81cの記憶領域に記憶する。なお、主制御RAM81cの記憶領域は、球通過検出センサSE7からの検出信号の入力があったと判定された場合に通過検出情報を通過保留情報として予め定めた上限数(実施例では、4個)まで時系列に従って記憶(保留)可能となっている。
(特図開始処理(ステップS306)について)
ステップS306において、主制御CPU81aは、主制御RAM81cに記憶した始動入賞情報に基づいて(各種乱数の値に基づいて)遊技内容を決定して特図変動表示(図柄変動演出)を開始させる特図開始処理を実行する。特図開始処理において、主制御CPU81aは、特図変動表示の変動開始条件が成立したかを判定し、この変動開始条件が成立したと判定した場合に、主制御RAM81cに記憶されている始動入賞情報(複数ある場合は、最も早く記憶された始動入賞情報)を読み出す。次に、主制御CPU81aは、読み出した始動入賞情報のうち特図当り判定用乱数の値が、主制御ROM81bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する(特図当り判定)。ここで、特図当り判定では、非確変状態の時(確変フラグの値が「0」の時)には182/65536の確率で当りの判定結果となり、確変状態の時(確変フラグの値が「1」の時)には1638/65536の確率で当りの判定結果となるよう設定されている。そして、特図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として、はずれを示す特図を決定する。一方、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、読み出した始動入賞情報のうち特図決定用乱数の値が、主制御ROM81bに記憶されている特図決定用判定値の何れと一致するかによって、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに大当り図柄として停止表示する特図を複数種類のうちから決定する。次に、主制御CPU81aは、特図当り判定が当りの判定結果であったか、はずれの判定結果であったかに応じて、異なる特図変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを決定する。そして、主制御CPU81aは、決定した特図(当りの種類)および決定した特図変動パターンを示す特図変動パターン指定コマンドを設定して、特図変動表示を開始するタイミングに応じて演出制御CPU82aへ向けて出力する。なお、設定された特図変動パターン指定コマンドは、コマンド入出力処理の実行に応じて演出制御CPU82aへ向けて出力される。
なお、図示省略するが、主制御CPU81aは、普図に関する普図開始処理を前述した特図開始処理(ステップS306)と同様に行うよう構成されている。普図開始処理では、普図入力処理において主制御RAM81cに記憶された普図当り判定用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各値等の通過検出情報(通過保留情報)のうち最も早く記憶された通過検出情報を読み出して、読み出した通過検出情報に応じて、普図変動表示の結果として普図表示部Meに停止表示する普図や普図変動パターンを決定し、決定した普図および普図変動パターンに応じて普図変動パターン指定コマンドを設定して、設定した普図変動パターン指定コマンドを普図変動表示の開始タイミングに応じて演出制御CPU82aへ向けて出力するよう構成される。
(表示制御処理(ステップS307)について)
ステップS307において、主制御CPU81aは、遊技情報表示器M(第1および第2特図表示部Ma,Mb、第1および第2特図保留表示部Mc,Md、普図表示部Me、普図保留表示部Mf)での特図や普図に関する表示内容を制御する表示制御処理を実行する。具体的に、前記特図変動時間を計測している期間に対応して、特図変動表示中であることを示す発光態様で特図表示部Ma,Mbを点灯および消灯制御(切替制御)すると共に、前記特図変動時間の計測終了に合わせて、変動表示の結果としての特図を示す発光態様で、特図表示部Ma,Mbを点灯制御する。一方、特図変動時間を計測していない期間(大当り遊技中を含む)には、各表示部Ma,Mbの各々において、最も新しい特図変動表示の結果として停止表示した特図を示す発光態様の点灯制御を維持する。また、前記普図変動時間を計測している期間に対応して、普図変動表示中であることを示す発光態様で、普図表示部Meを点灯および消灯制御(切替制御)すると共に、前記普図変動時間の計測終了に合わせて、変動表示の結果としての普図を示す発光態様で、普図表示部Meを点灯制御する。一方、普図変動時間を計測していない期間(普図当り遊技中を含む)には、前回の普図変動表示の結果として停止表示した普図を示す発光態様での普図表示部Meの点灯制御を継続する。更に、主制御RAM81cの記憶領域に記憶される始動入賞情報(始動保留情報)の保留数や通過検出情報(通過保留情報)の保留数が更新されることに対応して、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdまたは普図保留表示部Mfの表示内容を更新する。
(第1駆動処理(ステップS308)について)
ステップS308において、主制御CPU81aは、普図当り遊技を付与する期間に、始動入賞ソレノイドSL1を駆動して開閉羽根52bを開放する第1駆動処理を実行する。具体的に、主制御CPU81aは、前述した計時処理(ステップS301)での普電開放時間の計測を開始するタイミングで、始動入賞ソレノイドSL1を消磁状態から励磁状態に切り替える(開閉羽根52bを開放する)と共に、第2始動入賞検出センサSE2による規定個数のパチンコ球の検出または前述した計時処理(ステップS301)での計測における普電開放時間の経過を契機として、始動入賞ソレノイドSL1を励磁状態から消磁状態に切り替える(開閉羽根52bを閉鎖する)。
(第2駆動処理(ステップS309)について)
ステップS309において、主制御CPU81aは、大当り遊技を付与する期間(主制御RAM81cにおける大当りフラグの設定値が「1」とされる期間)に、上特別入賞ソレノイドSL2を駆動して上開閉部材53bを開放する第2駆動処理を実行する。具体的に、主制御CPU81aは、1〜3回目のラウンド遊技、および4〜16回目のラウンド遊技のうち何れかに対応する特電開放時間の計測(前述したステップS309の計時処理)を開始するタイミング(言い換えれば、オープニング演出時間やラウンドインターバル時間の計測を終了するタイミング)で、上特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替える(上開閉部材53bを開放する)と共に、上特別入賞検出センサSE3による規定個数のパチンコ球の検出または前述した計時処理(ステップS309)での計測における特電開放時間の経過を契機として、上特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替える(上開閉部材53bを閉鎖する)。ここで、主制御CPU81aは、上特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の開始タイミング)で、上開閉部材53bを開放することを示す開放コマンドを設定する。また、主制御CPU81aは、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の終了タイミング)で、上開閉部材53bを閉鎖することを示す閉鎖コマンドを設定する。更に、主制御CPU81aは、上特別入賞ソレノイドSL2を駆動させる特電開放時間の計測中に前述した検出判定処理(ステップS302)において上特別入賞検出センサSE3からの検出信号の入力が判定された場合に、対応する個数の賞球の払い出しを決定すると共に、上特別入賞口53aへの入賞が発生したことを示す上特別入賞コマンドを設定する。なお、設定された開放コマンド、閉鎖コマンドおよび上特別入賞コマンドは、コマンド入出力処理の実行に応じて演出制御CPU82aへ向けて出力される。
(第3駆動処理(ステップS310)について)
ステップS310において、主制御CPU81aは、大当り遊技を付与する期間(主制御RAM81cにおける大当りフラグの設定値が「1」とされる期間)に、下特別入賞ソレノイドSL3を駆動して下開閉部材54bを開放すると共に、切替えソレノイドSL4を駆動して案内体54eを第1姿勢から第2姿勢に切り替える第3駆動処理を実行する。具体的に、主制御CPU81aは、4回目のラウンド遊技(特定ラウンド)に対応する特電開放時間の計測(前述したステップS301の計時処理)を開始するタイミング(言い換えれば、オープニング演出時間やラウンドインターバル時間の計測を終了するタイミング)で、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4を消磁状態から励磁状態に切り替える(下開閉部材54bを開放すると共に、案内体54eを第2姿勢とする)。また、下特別入賞検出センサSE4による規定個数のパチンコ球の検出または前述した計時処理(ステップS301)での計測における特電開放時間の経過を契機として、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4を励磁状態から消磁状態に切り替える(下開閉部材54bを閉鎖すると共に案内体54eを第1姿勢とする)。但し、特定領域入球検出センサSE5によってパチンコ球が検出された場合には、切替えソレノイドSL4を下特別入賞ソレノイドSL3の駆動契機となるタイミングを待たずに消磁状態へと切り替える。ここで、主制御CPU81aは、下特別入賞ソレノイドSL3を消磁状態から励磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の開始タイミング)で、下開閉部材54bを開放することを示す開放コマンドを設定する。また、主制御CPU81aは、下特別入賞ソレノイドSL3を励磁状態から消磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の終了タイミング)で、下開閉部材54bを閉鎖することを示す閉鎖コマンドを設定する。更に、主制御CPU81aは、下特別入賞ソレノイドSL3を駆動させる特電開放時間の計測中に前述した検出判定処理(ステップS302)において下特別入賞検出センサSE4からの検出信号の入力が判定された場合に、対応する個数の賞球の払い出しを決定すると共に、下特別入賞口54aへの入賞が発生したことを示す下特別入賞コマンドを設定する。更にまた、主制御CPU81aは、下特別入賞ソレノイドSL3を駆動させる特電開放時間の計測中に前述した検出判定処理(ステップS302)において特定領域入球検出センサSE5からの検出信号の入力が判定された場合に、特定入球通路54dへの入球が発生したことを示す特定領域入球コマンドを設定する。なお、設定された開放コマンド、閉鎖コマンド、下特別入賞コマンドおよび特定領域入球コマンドは、コマンド入出力処理の実行に応じて演出制御CPU82aへ向けて出力される。
(演出に関する制御基板82,83について)
演出制御基板82には、演出制御CPU82aが備えられている。該演出制御CPU82aには、図4に示す如く、演出制御ROM82bおよび演出制御RAM82cが接続されている。また、演出制御CPU82aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM82cの設定領域に一時的に記憶(設定)して更新前の値を書き換えることにより、主制御CPU81aからの制御信号(具体的には、特図変動パターン指定コマンド)が演出制御CPU82aに入力されたタイミングに応じて演出用の乱数値(具体的には、演出パターン決定用乱数の乱数値)を取得するようになっている。また、演出制御CPU82aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行するようになっている。演出制御RAM82cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
前記演出制御ROM82bには、表示装置17(表示制御基板83)、スピーカ18および枠ランプ19等の発光演出部を統括的に制御するための制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU82aは、各種制御コマンドを入力すると、当該制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
また、演出制御ROM82bには、図柄変動演出の結果として表示装置17に確定表示する飾図の図柄組み合わせとして、当りの図柄組み合わせと、はずれの図柄組み合わせ(特殊図柄組み合わせ)とが記憶されている。そして、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aが出力する特図指定コマンドによって伝達される特図の種類に関する情報と、主制御CPU81aが出力する特図変動パターン指定コマンドによって伝達される特図変動パターン振分用乱数の値とに基づいて、表示装置17に確定表示する飾図の図柄組み合わせを決定するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU82aは、表示装置17に確定的に表示する図柄(飾図の図柄組み合わせ)を決定する飾図決定手段として機能している。
ここで、前記演出制御ROM82bには、図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、主制御CPU81aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU82aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。そして、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aから出力された特図変動パターン指定コマンドによって指定される演出パターン群(演出パターン決定用テーブル)のうちから演出パターン決定用乱数の乱数値に応じて演出パターンを決定し、決定された演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを設定して、表示制御基板83に向けて該演出パターン指定コマンドを出力するようになっている。演出パターンには、図柄変動演出における各図柄表示列の飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止表示されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ18から適宜の効果音が出力されたり、枠ランプ19等の発光演出部が適宜の発光を行ったりするようになっている。
図4に示すように、表示制御基板83には、表示制御CPU83aが備えられている。該表示制御CPU83aには、表示制御ROM83bおよび表示制御RAM83cが接続されている。また、表示制御基板83(表示制御CPU83a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM83bには、表示装置17の表示内容を制御するための複数種類の表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM83bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM83cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。ここで、表示制御基板83は、演出制御基板82から出力された制御コマンド(制御信号)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。
(開放報知について)
次に、開放報知について説明する。実施例のパチンコ機10は、大当り遊技のラウンド遊技において、特別入賞口53a,54aが開状態となっていること(入賞可能となっていること)を遊技者に報知するための開放報知を実行可能に構成されている。具体的に、演出制御CPU82a(および表示制御CPU83a)は、開放報知として、大当り遊技における特定のタイミングで開始される「第1開放報知」と、ラウンド遊技において特別入賞口53a,54aに所定数のパチンコ球が入賞しない状態で予め定めた期間が経過した場合(所定の演出実行条件が成立した場合)に開始される「第2開放報知」とを、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行させ得るように構成されている。ここで、第1開放報知および第2開放報知は、上開閉部材53bまたは下開閉部材54bの何れが開放した状態(作動位置に変位した状態)であるかを識別可能な態様で実行されるようになっている。
(第1開放報知について)
演出制御CPU82aは、上開閉部材53bまたは下開閉部材54bに長時間開放動作を行わせるラウンド遊技が生起される期間(ラウンド開始条件の成立からラウンド終了条件の成立まで)において、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第1開放報知を実行させるよう構成されている(図7参照)。ここで、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技の各ラウンド遊技のうち上開閉部材53bを作動位置に変位させるラウンド遊技では、第1開放報知によって上開閉部材53bが開放した状態であることを報知する。一方で、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技の各ラウンド遊技のうち下開閉部材54bを作動位置に変位させるラウンド遊技では、第1開放報知によって下開閉部材54bが開放した状態であることを報知するようになっている。
演出制御CPU82aは、主制御CPU81aからの当り開始コマンドに基づいて、主制御CPU81aが生起させる大当り遊技が第1〜第4の当り遊技のうち何れであるかを特定すると共に、主制御CPU81aからの開放コマンドおよび閉鎖コマンドの入力に基づいて、第1〜第4の当り遊技における各ラウンド遊技の開始タイミング(ラウンド開始条件の成立、開閉部材53b,54bの作動条件の成立)および終了タイミング(ラウンド終了条件の成立、開閉部材53b,54bの作動終了条件の成立)を特定する。そして、演出制御CPU82aは、開放コマンドを主制御CPU81aから入力した場合(作動条件が成立した場合)に、開放コマンドに対応する開放情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力すると共に、閉鎖コマンドを主制御CPU81aから入力した場合(作動終了条件が成立した場合)に、閉鎖コマンドに対応する閉鎖情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力するようになっている。なお、演出制御CPU82aは、特別入賞口53a,54aのうち何れを開放するかによって異なる開放情報コマンドを表示制御CPU83aへ出力するよう構成されており、表示制御CPU83aは、入力する開放情報コマンドに基づいて特別入賞口53a,54aのうち何れが開放するラウンド遊技が開始されるかを特定するようになっている。
ここで、表示制御CPU83aは、演出制御CPU82aからの開放情報コマンドが大当り遊技における何回目の開放情報コマンドであるか、および何れの特別入賞口53a,54aを開放させるラウンド遊技に対応するかを特定し、演出制御CPU82aから入力した開放情報コマンドが第1〜第3の当り遊技を構成するラウンド遊技に対応するものであるか、または第4の当り遊技における1回目〜3回目のラウンド遊技の何れかに対応するものである場合(言い換えれば、第4の当り遊技の4回目のラウンド遊技を除く他のラウンド遊技に対応する場合)に、「上アタッカを狙ってください」または「下アタッカを狙ってください」という文字情報からなる第1開放報知としての第1報知画像を演出実行手段としての表示装置17において表示開始させる。また、演出制御CPU82aは、閉鎖情報コマンドを演出制御CPU82aから入力した場合に、表示装置17での第1報知画像の表示を終了させる。なお、「アタッカ」は特別入賞部53,54のことを意味しており、上特別入賞口53aが開放するラウンド遊技では「上アタッカを狙ってください」という第1報知画像を表示出力する一方、下特別入賞口54aが開放するラウンド遊技では「下アタッカを狙ってください」という第1報知画像を表示出力する。すなわち、演出制御CPU82aおよび表示制御CPU83aは、複数の開閉部材53b,54bのうち何れが開放したか(作動位置に変位したか)を示唆または報知可能な態様で第1報知画像を表示装置17に表示させるよう制御する。なお、第1開放報知としての第1報知画像は、表示画面17aの左上部(すなわち、上特別入賞部53に近接する側)において後述する第2開放報知の表示(第2報知画像)よりも小さく表示されるようになっている。
また、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技を構成する各ラウンド遊技のうちで第4の当り遊技の4回目のラウンド遊技(特定ラウンド)を除く他のラウンド遊技に対応する開放コマンドを入力した場合に、演出実行手段としてのスピーカ18を制御して、開放する特別入賞口53a,54aによって異なる第1開放報知を実行させる。具体的に、演出制御CPU82aは、開放コマンドを主制御CPU81aから入力した場合に、第1〜第4の当り遊技における上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技では、音による第1開放報知としての第1報知音を、楽曲Aまたは楽曲Bを表す形態でスピーカ18に実行開始させると共に、第1〜第3の当り遊技における下特別入賞口54aを開放する4回目のラウンド遊技では、第1報知音(第1開放報知)を、楽曲Cを表す形態でスピーカ18に実行開始させる。そして、閉鎖コマンドを主制御CPU81aから入力した場合に、スピーカ18での第1報知音の音出力を終了させる。
更に、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技を構成する各ラウンド遊技のうちで第4の当り遊技の4回目のラウンド遊技(特定ラウンド)を除く他のラウンド遊技に対応する開放コマンドを入力した場合に、演出実行手段としての枠ランプ19および遊技盤ランプ20aを制御して、開放する特別入賞口53a,54aによって異なる第1開放報知を実行させる。具体的に、演出制御CPU82aは、開放コマンドを主制御CPU81aから入力した場合に、第1〜第4の当り遊技における上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技では、光による第1開放報知としての第1光報知を、楽曲Aまたは楽曲Bに対応する第1の発光態様で枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行開始させると共に、第1〜第3の当り遊技における下特別入賞口54aを開放する4回目のラウンド遊技では、第1光報知(第1開放報知)を、楽曲Cに対応する第2の発光態様で枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行開始させる。そして、閉鎖コマンドを主制御CPU81aから入力した場合に、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aでの第1光報知の光出力を終了させる。
(第2開放報知について)
次に、演出制御CPU82aおよび表示制御CPU83aが制御する第2開放報知について説明する。演出制御CPU82aは、上開閉部材53bが開放した状態(作動位置に変位した状態)であることを報知するための制御を実行するよう構成されている。具体的に、演出制御CPU82aは、上開閉部材53bに長時間開放動作を行わせるラウンド遊技におけるラウンド開始条件の成立後(作動条件の成立後)に、所定の演出実行条件が成立した場合に、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第2開放報知(特定演出、第2演出)を実行させることで、上開閉部材53bが開放した状態であることを報知するようになっている(図7参照)。ここで、演出制御CPU82aは、ラウンド開始条件の成立後における予め定めた期間に所定数(1個)のパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかった場合に、所定の演出実行条件が成立したと判定するように構成される。実施例では、上開閉部材53bに長時間開放動作を行わせるラウンド遊技中において、10秒の計測期間(予め定めた期間)にパチンコ球が上特別入賞口53aに1個も入賞しない(所定数としての1個のパチンコ球が入賞しない)場合に、第2開放報知が実行されるようになっている。ここで、「所定数」は、ラウンド終了条件となる規定個数(10個)より少ない数に設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、演出制御CPU82aの制御によって第2開放報知(特定演出、第2演出)を演出実行手段17,18,19,20aに実行させることで、ラウンド遊技の予め定めた期間においてパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかったことを報知するようになっている。ここで、実施例の演出制御CPU82aは、ラウンド遊技のうち予め定めた期間(実施例では、ラウンド遊技の開始時点、または入賞があった時点から、10秒が経過するまでの期間)を計測するための計時処理を実行するよう構成されている。
具体的に、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aからの開放コマンドの入力時に、当該開放コマンドによって特定されるラウンド遊技が第2開放報知を実行可能なラウンド遊技であるかを特定する。ここで、実施例では、第1〜第4の当り遊技を構成する各ラウンド遊技のうち、4回目以外のラウンド遊技(すなわち、上開閉部材53bを開放動作させるラウンド遊技)が開始されるかを判定する。そして、第2開放報知を実行可能なラウンド遊技が開始される場合には、10秒の報知待機時間を計測する計時処理を開始する。この計時処理での報知待機時間の計測は、例えば、10秒に対応するカウント値(初期値)を時間の経過毎に減算して最終的に0秒に対応するカウント値(最終値)となるまでを計測するものである。ここで、演出制御CPU82aは、報知待機時間の計測中において主制御CPU81aからの上特別入賞コマンドの入力があった場合には、報知待機時間の計測を中止してカウント値を初期値に戻し、再び初期値からの計測を開始する。また、報知待機時間の計測中において主制御CPU81aからの閉鎖コマンドの入力があった場合には、報知待機時間の計測を中止してカウント値を初期値に戻し、計時処理を終了するようになっている。そして、演出制御CPU82aは、報知待機時間の計測が最終値に達した場合(所定の演出実行条件が成立した場合)に、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第2開放報知を実行開始させるよう構成されている。
これにより、演出制御CPU82aは、図7(a)に示すように、上開閉部材53bを長時間開放動作させるラウンド遊技の開始から10秒間(予め定めた期間)に亘って所定数(1個)のパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかった場合に、報知待機時間のカウント値が最終値に達し、上開閉部材53bが開放した状態(作動位置に変位した状態)であることを報知可能な第2開放報知を演出実行手段17,18,19,20aに実行させるように構成されている。また、演出制御CPU82aは、第2開放報知の実行中において閉鎖コマンドまたは上特別入賞コマンドを入力した場合に、演出実行手段17,18,19,20aでの第2開放報知を終了させるよう構成されている。すなわち、第2開放報知の実行中においてラウンド遊技が終了した場合(閉鎖コマンドを入力した場合)、または第2開放報知の実行中において入賞が発生した場合(上特別入賞コマンドを入力した場合)に、第2開放報知の実行を終了させるようになっている。なお、演出制御CPU82aは、上特別入賞コマンドの入力を契機として第2開放報知を終了させる場合には、この第2開放報知の終了と同時に計時処理(報知待機時間の計測)を開始するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU82aは、図7(b)に示すように、上開閉部材53bを開放動作させるラウンド遊技において入賞が発生し、この入賞が発生した時点から10秒(予め定めた期間)に亘って所定数(1個)のパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかった場合にも、報知待機時間のカウント値が最終値に達し、上開閉部材53bが開放した状態(作動位置に変位した状態)であることを報知可能な第2開放報知を演出実行手段17,18,19,20aに実行させるように構成されている。このようにすることで、例えば遊技者が上特別入賞口53aの開放状態に気付かないままパチンコ球を打ち出している状況で、打ち出した一部のパチンコ球が偶然的に上特別入賞口53aへと入賞したとしても、計時値が最終値に達したときに第2開放報知により上特別入賞口53aの開放状態(上開閉部材53bが作動位置に変位した状態)を知らせることができるようになっている。
報知待機時間の計測が最終値に達した場合に、演出制御CPU82aは、第2開放報知の開始タイミングを示す第2報知開始コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、表示制御CPU83aは、第2報知開始コマンドの入力に応じて、「上アタッカが開いています」という文字情報からなる第2開放報知としての第2報知画像を演出実行手段としての表示装置17において表示開始させる。また、表示制御CPU83aは、閉鎖情報コマンドを演出制御CPU82aから入力した場合に、表示装置17での第2報知画像の表示を終了させる。すなわち、演出制御CPU82aおよび表示制御CPU83aは、複数の開閉部材53b,54bのうち何れが開放したか(作動位置に変位したか)を示唆または報知可能な態様で第2報知画像を表示装置17に表示させるようになっている。なお、演出制御CPU82aは、第2開放報知を開始する場合に、前述した第1開放報知としての第1報知画像(「上アタッカを狙ってください」の文字情報)の表示については表示装置17において継続しつつ、第2報知画像の表示だけを表示画面17aから消去するように表示制御を行う。
また、演出制御CPU82aは、報知待機時間の計測が最終値に達した場合に、演出実行手段としてのスピーカ18を制御して、音による第2開放報知としての第2報知音を、「上アタッカが開いています」という音声の繰り返しを表す形態でスピーカ18に実行開始させると共に、演出実行手段としての枠ランプ19および遊技盤ランプ20aを制御して、光による第2開放報知としての第2光報知を、第2報知音に対応する第3の発光態様で枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行開始させる。そして、閉鎖コマンドまたは上特別入賞コマンドを主制御CPU81aから入力した場合に、スピーカ18での第2報知音の音出力と、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aでの第2光報知の光出力とを終了させるようになっている。
(入賞報知演出について)
演出制御CPU82aは、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞したことを示唆または報知するための制御を実行するように構成されている。具体的に、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技のうち上開閉部材53bに長時間開放動作を行わせるラウンド遊技が生起される期間に、主制御CPU81aが前述した検出判定処理(ステップS302)において上特別入賞検出センサSE3からの検出信号があることを判定した場合に、演出実行手段としての表示装置17に入賞報知演出(第1演出)を実行させることで、上特別入賞口53aへの入賞が発生したことを報知(または示唆)するようになっている。なお、実施例では、上特別入賞口53aへの入賞についてのみ入賞報知演出を行うようになっているが、下特別入賞口53aにパチンコ球が入賞したことを示唆または報知するよう構成してもよい。また、演出実行手段としてのスピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aを用いて入賞報知演出を行うよう構成してもよい。
演出制御CPU82aは、上特別入賞コマンドを主制御CPU81aから入力した場合(上特別入賞口53aへの入賞が発生した場合)に、上特別入賞コマンドに対応する入賞情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、表示制御CPU83aは、入賞情報コマンドの入力に応じて、入賞報知演出としての入賞報知画像を表示装置17において表示開始させるようになっている。この場合に、表示制御CPU83aは、例えば多数の花びらが風に舞う状態を表す入賞報知画像を表示画面17aの左上部(上特別入賞部53と近接する側)に表示した後に表示画面17aの右下部へ向けて動的表示して、表示開始から3秒が経過する時点で入賞報知画像の表示を終了させる。なお、表示制御CPU83aは、入賞報知画像の表示中に上特別入賞口53aへの新たな入賞が発生し、演出制御CPU82aからの入賞情報コマンドを入力した場合に、入賞報知画像が表示された表示画面17aの左上部に新たな入賞報知画像の表示を追加するように表示制御を行う。
ここで、実施例のパチンコ機10は、後述する入賞報知パターンに応じて入賞報知演出を複数の態様(複数種類の表示色)で実行可能に構成されている。具体的に、演出制御CPU82aは、表示装置17で行う入賞報知としての入賞報知画像の態様(実施例では表示色)を、入賞報知パターン(後述)と、入賞情報コマンドの入力回数(すなわち、入賞数)との関係に基づいて決定し、入賞数の増加に伴う入賞報知画像の態様(表示色)の変化のしかたによって、大当り遊技を構成するラウンド遊技の合計回数(ラウンド遊技中にあっては、大当り遊技が続くか否か)を示唆し得る(大当り遊技の種類で特定される大当り遊技の態様を示唆し得る)ようになっている。具体的に、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aからの当り開始コマンドに基づいて、主制御CPU81aが生起させる大当り遊技が16回のラウンド遊技で構成される第1の当り遊技であるか、12回のラウンド遊技で構成される第2の当り遊技であるか、8回のラウンド遊技で構成される第3の当り遊技であるか、4回のラウンド遊技で構成される第4の当り遊技であるかを特定するよう構成されている。そして、演出制御CPU82aは、大当り遊技における1〜3回目のラウンド遊技を第1連続ラウンド期間として識別し得ると共に、5〜7回目のラウンド遊技を第2連続ラウンド期間として識別し、9〜11回目のラウンド遊技を第3連続ラウンド期間として識別し、13回目以降のラウンド遊技を第4連続ラウンド期間として識別し得るように構成されており、遊技者からみて次の連続ラウンド期間に継続する可能性がある所定の連続ラウンド期間(第1〜第3連続ラウンド期間)において、次の連続ラウンド期間に継続するかを入賞報知画像の態様(表示色)に応じて遊技者に示唆し得るようになっている。なお、第1〜第3連続ラウンド期間の直後のラウンド遊技(4回目、8回目、12回目)では、直前の連続ラウンド期間に上特別入賞口53aに入賞したパチンコ球の総数および最後の入賞を契機に表示された入賞報知画像の態様(表示色)が、表示制御CPU83aの制御に基づいて表示装置17に表示されると共に、次の連続ラウンド期間に続くか否かを報知する演出が、表示制御CPU83aの制御に基づいて表示装置17に表示されるようになっている。すなわち、4回目、8回目および12回目のラウンド遊技において表示装置17が実行する演出により、入賞報知画像の態様(表示色)と示唆内容(次の連続ラウンド期間に続くか否か)との関係が分かり易く遊技者に向けて示される。
演出制御ROM82bには、次の連続ラウンド期間に継続する場合の入賞報知画像の態様(表示色)を決定するための第1入賞報知テーブルTaと、次の連続ラウンド期間に継続しない場合の入賞報知画像の態様(表示色)を決定するための第2入賞報知テーブルTbとが設定されている。また、演出制御CPU82aは、入賞数に基づいて入賞報知画像の態様(表示色)がどのように変化するかを特定する入賞報知パターンを第1入賞報知テーブルTaを用いて決定するための第1乱数の値と、入賞報知パターンを第2入賞報知テーブルTbを用いて決定するための第2乱数の値とを、主制御CPU81aから当り開始コマンドを入力したタイミングで夫々取得するよう構成されている。ここで、第1乱数および第2乱数は、相互に異なる周期毎に値が「0」〜「99」の範囲で1ずつ更新される(最大値「99」に達した場合には「0」に戻って更新される)ようになっており、当り開始コマンドの入力タイミングに応じて演出制御CPU82aが第1乱数および第2乱数の各値を同時に取得するよう構成されている。なお、第1乱数および第2乱数が取り得る値の範囲を相互に異ならせてもよいし、乱数値の更新周期を同一としてもよい。
ここで、第1入賞報知テーブルTaには、図8(a)に示すように、第1乱数の値が「0」〜「19」のうち何れかである場合に対応する第1の入賞報知パターンP1と、第1乱数の値が「20」〜「39」のうち何れかである場合に対応する第2の入賞報知パターンP2と、第1乱数の値が「40」〜「59」のうち何れかである場合に対応する第3の入賞報知パターンP3と、第1乱数の値が「60」〜「79」のうち何れかである場合に対応する第4の入賞報知パターンP4と、第1乱数の値が「80」〜「99」のうち何れかである場合に対応する第5の入賞報知パターンP5とが設定されている。また、第2入賞報知テーブルTbには、図8(b)に示すように、第2乱数の値が「0」〜「49」のうち何れかである場合に対応する第6の入賞報知パターンP6と、第2乱数の値が「50」〜「99」のうち何れかである場合に対応する第7の入賞報知パターンP7とが設定されている。実施例では、第1〜第4、第6、第7の各入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P6,P7は、入賞報知画像の表示色が入賞数に応じて青色、緑色、赤色、虹色の順に変化するパターンを特定するものであり、第5の入賞報知パターンP5だけが、入賞報知画像の表示色(虹色)が変化しないパターンを特定するものとなっている。
そして、演出制御CPU82aは、当り開始コマンドの入力を契機として、入賞報知テーブルTa,Tbを参照して入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7を決定すると共に、当該決定した入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7を特定可能な入賞報知パターン指定コマンドを、当り開始コマンドが入力された直後のタイミングで表示制御CPU83aへ向けて出力するよう構成されている。これに対し、表示制御CPU83aは、演出制御CPU82aにより決定された入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7を入賞報知パターン指定コマンドに基づいて特定し、特定された入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7と、演出制御CPU82aからの入賞情報コマンドの入力回数との関係に基づいて、入賞報知画像を入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7で特定される表示色で表示装置17に表示させるよう構成されている。
ここで、第1の当り遊技は、ラウンド遊技が最終連続ラウンド期間(13回目のラウンド遊技)まで継続する大当り遊技であり、第1連続ラウンド期間(1〜3回目のラウンド遊技)、第2連続ラウンド期間(5〜7回目のラウンド遊技)および第3連続ラウンド期間(9〜11回目のラウンド遊技)における入賞報知画像の表示色を、第1入賞報知テーブルTaを参照して決定するようになっている。すなわち、第1の当り遊技では、第1〜第3連続ラウンド期間での各入賞報知パターンが何れも、第1入賞報知テーブルTaに定められている入賞報知パターンP1〜P5のうちから夫々決定される。ここで、演出制御CPU82aは、第1連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値を用いて決定する。また、演出制御CPU82aは、第2連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値に「30」を加算した値を用いて決定する。更に、演出制御CPU82aは、第3連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値に「60」を加算した値を用いて決定するようになっている。
第2の当り遊技は、ラウンド遊技が最終連続ラウンド期間(13回目以降のラウンド遊技)まで継続せず、12回目のラウンド遊技が最終ラウンドとなる大当り遊技であり、第1連続ラウンド期間(1〜3回目のラウンド遊技)および第2連続ラウンド期間(5〜7回目のラウンド遊技)における入賞報知パターンを第1入賞報知テーブルTaを参照して決定する一方、第3連続ラウンド期間(9〜11回目のラウンド遊技)における入賞報知パターンを、第2入賞報知テーブルTbを参照して決定するようになっている。ここで、演出制御CPU82aは、第1連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値を用いて決定する。また、演出制御CPU82aは、第2連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値に「30」を加算した値を用いて決定する。更に、演出制御CPU82aは、第3連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第2乱数の値を用いて決定するようになっている。
第3の当り遊技は、ラウンド遊技が第3連続ラウンド期間(9回目〜11回目のラウンド遊技)まで継続せず、8回目のラウンド遊技が最終ラウンドとなる大当り遊技であり、第1連続ラウンド期間(1〜3回目のラウンド遊技)における入賞報知パターンを第1入賞報知テーブルTaを参照して決定する一方、第2連続ラウンド期間(5〜7回目のラウンド遊技)における入賞報知パターンを、第2入賞報知テーブルTbを参照して決定するようになっている。ここで、演出制御CPU82aは、第1連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第1乱数の値を用いて決定する。また、演出制御CPU82aは、第2連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第2乱数の値を用いて決定するようになっている。
第4の当り遊技は、ラウンド遊技が第2連続ラウンド期間(5回目〜7回目のラウンド遊技)まで継続せず、4回目のラウンド遊技が最終ラウンドとなる大当り遊技であり、第1連続ラウンド期間(1〜3回目のラウンド遊技)における入賞報知パターンを第2入賞報知テーブルTbを参照して決定するようになっている。ここで、演出制御CPU82aは、第1連続ラウンド期間での入賞報知パターンを、当り開始コマンドの入力時に取得した第2乱数の値を用いて決定するようになっている。
図8(a)に示すように、第1入賞報知テーブルTaに設定される第1の入賞報知パターンP1は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目および2個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、3個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、12個目〜17個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示し、18個以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を虹色で表示するように定められている。第2の入賞報知パターンP2は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目および2個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、3個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、12個目〜23個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示し、24個以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を虹色で表示するように定められている。第3の入賞報知パターンP3は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、12個目〜17個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、18個目〜23個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示し、24個以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を虹色で表示するように定められている。第4の入賞報知パターンP4は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、12個目〜17個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、18個目〜26個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示し、27個以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を虹色で表示するように定められている。そして、第5の入賞報知パターンP5は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間における全ての入賞の発生に対応して虹色の入賞報知画像を表示するように定められている。
また、図8(b)に示すように、第2入賞報知テーブルTbに設定される第6の入賞報知パターンP6は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目および2個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、3個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、12個目以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示するように定められている。第7の入賞報知パターンP7は、1回の連続ラウンド期間として設定される期間において、1個目〜11個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を青色で表示し、12個目〜17個目の入賞が発生した場合に入賞報知画像を緑色で表示し、18個以上の入賞が発生した場合に入賞報知画像を赤色で表示するように定められている。すなわち、第6の入賞報知パターンP6における1個目から17個目の入賞に対応する入賞報知画像の表示色は、第1および第2の入賞報知パターンP1,P2と共通に設定されている。また、第7の入賞報知パターンP7における1個目から23個目の入賞に対応する入賞報知画像の表示色は、第3および第4の入賞報知パターンP3,P4と共通に設定されている。ここで、第2入賞報知テーブルTbに設定される各入賞報知パターンP6,P7には、入賞報知画像の表示色として虹色が設定されていない。すなわち、入賞報知テーブルTa,Tbは、表示装置17において入賞報知画像を虹色で表示することで次の連続ラウンド期間への継続を確定的に報知し得るよう各入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7が設定されている。なお、実施例の第1入賞報知テーブルTaに設定される入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5は、連続ラウンド期間において入賞数が27個以上となった場合の入賞報知画像の表示色が何れも虹色に設定されているが、入賞数が27個以上となっても入賞報知画像の表示色が虹色に変化しない入賞報知パターンとしてもよい(例えば、第4の入賞報知パターンP4における27個目以上の入賞に対応する表示色を赤色としてもよい)。
なお、演出制御CPU82aは、第1〜第4の当り遊技における上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技でスピーカ18から音出力される前述した第1開放報知としての第1報知音を、決定した入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7に基づいて楽曲Aおよび楽曲Bのうちから決定し得るように構成されている。具体的に、演出制御CPU82aは、入賞報知パターンとして第5の入賞報知パターンP5を決定した場合に、当該第5の入賞報知パターンP5に基づいて入賞報知演出を行う連続ラウンド期間において音出力される第1報知音(第1開放報知)として楽曲Bを決定し、他の入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P6,P7を決定した場合には、当該他の入賞報知パターンP1,P2,P3,P4,P6,P7に基づいて入賞報知演出を行う連続ラウンド期間において音出力される第1報知音(第1開放報知)として楽曲Aを決定するようになっている。また、第1〜第4の当り遊技における上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技のうち、連続ラウンド期間直後のラウンド遊技(4回目、8回目、12回目のラウンド遊技)では、当該ラウンド遊技において音出力される第1報知音(第1開放報知)として楽曲Aを決定するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、上開閉部材53bが開放した状態(作動位置に変位した状態)であることをラウンド遊技の開始から終了までの期間に亘って示唆または報知するための第1報知音(第1開放報知)を実行可能に構成されており、該第1報知音が楽曲Aおよび楽曲Bのうち何れであるかに基づいて、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞したことを示唆または報知する入賞報知画像(入賞報知演出)の入賞報知パターンを予測し得るようになっている。すなわち、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞していなくても入賞報知画像(入賞報知)の入賞報知パターンを示唆し得ることで、上特別入賞口53aを狙ったパチンコ球の打ち出しを遊技者に促すことができるようになっている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
実施例のパチンコ機10は、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節して図示しない球発射装置によるパチンコ球の発射強度を強弱変化させることで、遊技領域21の適宜位置にパチンコ球を打ち出して遊技を行う。ここで、遊技者が操作レバー16aを大きく回動させてパチンコ球を強く発射すると、打出口31から遊技領域21内へ放出されるパチンコ球はガイド部27(外レール22b)に沿って飛翔経路Hを庇状部61の頂部61Tよりも右側(緩衝部材24側)に至るように飛翔し、パチンコ球が1個のみ通過可能な通路幅に設けられた第2流下領域21bを流下して、入球口51a,52a,53a,54a,55a,56a,57aに入球(入賞または通過)することなくアウト口23から機外へ向けて排出される。このため、遊技者は、発射したパチンコ球が飛翔経路Hの途中で勢いを失って庇状部61の頂部61Tよりも左側(打出口31側)で落下するように操作レバー16aの回動量を調節する。すなわち、遊技者は、第1流下領域21aにパチンコ球を打ち出す遊技形態で遊技を行う。
第1流下領域21aに打ち出したパチンコ球が始動入賞口51a,52aに入賞し、始動入賞検出センサSE1,SE2により検出されると、該始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号が主制御CPU81aに入力される。主制御CPU81aは、検出判定処理において始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号が入力されたことを判定すると共に、特図入力処理において各種乱数の値を含む始動入賞情報を記憶し、特図開始処理において始動入賞情報に基づいて特図当り判定を実行して、当該特図当り判定の結果に基づいて大当り遊技を生起させるか否かを決定する。また、特図当り判定において大当り遊技を生起させることを決定する場合には、生起させる大当り遊技の種類を第1〜第4の当り遊技のうちから決定する。
主制御CPU81aは、特図変動表示の結果として大当り図柄を停止表示してから所定時間が経過するタイミングで、遊技状態切替処理において大当りフラグの設定値を「0」から「1」に変更すると共に、大当り遊技を終了するタイミングで、遊技状態切替処理において大当りフラグの設定値を「1」から「0」に変更する。また、主制御CPU81aは、遊技状態切替処理において大当りフラグの設定値を「1」に設定するタイミングで、演出制御CPU82aへ向けた当り開始コマンドを設定すると共に、遊技状態切替処理において大当りフラグの設定値を「0」に設定するタイミングで、演出制御CPU82aへ向けた当り終了コマンドを設定する。そして、主制御CPU81aは、設定した当り開始コマンドおよび当り終了コマンドを、コマンド入出力処理において演出制御CPU82aへ向けて出力する。
更に、主制御CPU81aは、大当りフラグが「1」に設定される期間において、大当り遊技に関する第2駆動処理および第3駆動処理を実行して、大当り遊技を生起させる。この場合に、主制御CPU81aは、上特別入賞ソレノイドSL2の駆動に関する第2駆動処理を、第1の当り遊技における1〜3回目および5〜16回目のラウンド遊技と、第2の当り遊技における1〜3回目および5〜12回目のラウンド遊技と、第3の当り遊技における1〜3回目および5〜8回目のラウンド遊技と、第4の当り遊技における1〜3回目のラウンド遊技とで実行する。また、主制御CPU81aは、下特別入賞ソレノイドSL3および切替えソレノイドSL4に関する第3駆動処理を、第1〜第4の当り遊技における各4回目のラウンド遊技で実行する。ここで、主制御CPU81aは、第2駆動処理において、上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技のラウンド開始条件(作動条件)が成立するタイミングで、上特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替え(上開閉部材53bを作動位置に変位させ)、かつ演出制御CPU82aへ向けた開放コマンドを設定すると共に、上特別入賞口53aを開放するラウンド遊技のラウンド終了条件(作動終了条件)が成立するタイミングで、上特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替え(上開閉部材53bを待機位置に変位させ)、かつ演出制御CPU82aへ向けた閉鎖コマンドを設定する。また、主制御CPU81aは、第3駆動処理において、下特別入賞口54aを開放するラウンド遊技のラウンド開始条件(作動条件)が成立するタイミングで、下特別入賞ソレノイドSL3を消磁状態から励磁状態に切り替え(下開閉部材54bを作動位置に変位させ)、かつ演出制御CPU82aへ向けた開放コマンドを設定すると共に、下特別入賞口54aを開放するラウンド遊技のラウンド終了条件(作動終了条件)が成立するタイミングで、下特別入賞ソレノイドSL3を励磁状態から消磁状態に切り替え(下開閉部材54bを待機位置に変位させ)、かつ演出制御CPU82aへ向けた閉鎖コマンドを設定する。更に、主制御CPU81aは、第2駆動処理において、特電開放時間の計測中(ラウンド遊技の期間)において上特別入賞検出センサSE3がパチンコ球を検出した場合に、上特別入賞口53aへの入賞が発生したことを示す上特別入賞コマンドを設定する。そして、主制御CPU81aは、設定した開放コマンド、閉鎖コマンドおよび上特別入賞コマンドを、コマンド入出力処理において演出制御CPU82aへ向けて出力する。
(第1開放報知に関する作用について)
大当り遊技において、遊技者が第1流下領域21aを狙って弱い打球力でパチンコ球を打ち出した場合には、第1流下領域21aの上流領域に設けられた上特別入賞部53の上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞し得ない。このため、実施例のパチンコ機10は、上開閉部材53bが長時間開放動作を行う(作動位置に変位する)ラウンド遊技において、上特別入賞部53へ向けたパチンコ球の打出しを促すための第1開放報知および第2開放報知を演出実行手段17,18,19,20aに実行させる。ここで、演出制御CPU82aは、第1の当り遊技における1〜16回目のラウンド遊技(全ラウンド遊技)と、第2の当り遊技における1〜12回目のラウンド遊技(全ラウンド遊技)と、第3の当り遊技における1〜8回目のラウンド遊技(全ラウンド遊技)と、第4の当り遊技における1〜3回目のラウンド遊技とにおいて、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第1開放報知を実行させることで、上開閉部材53bまたは下開閉部材54bが開放した状態であることを報知する。ここで、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aから入力した開放コマンドに対応する開放情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力すると共に、主制御CPU81aから入力した閉鎖コマンドに対応する閉鎖情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。この場合に、演出制御CPU82aは、各ラウンド遊技において特別入賞口53a,54aのうち何れを開放するかを主制御CPU81aからの当り開始コマンドに基づいて特定し、該特別入賞口53a,54aのうち何れを開放するかによって異なる開放情報コマンドを表示制御CPU83aへ出力する。
表示制御CPU83aは、演出制御CPU82aからの開放情報コマンドにより特定される情報(大当り遊技における何回目の開放情報コマンドであるか、および何れの特別入賞口53a,54aを開放させるラウンド遊技が開始されるか)に基づいて、第1開放報知を演出実行手段17,18,19,20aに実行させる。表示制御CPU83aは、演出制御CPU82aからの開放情報コマンドを入力した場合に第1開放報知として「上アタッカを狙ってください」または「下アタッカを狙ってください」という文字情報からなる第1報知画像を表示装置17で表示開始させ、該第1報知画像の表示を演出制御CPU82aから閉鎖情報コマンドを入力した場合に終了させる。なお、演出制御CPU82aは、表示装置17において第1開放報知が実行される期間に対応して、楽曲Aまたは楽曲Bを表す第1報知音の音出力を第1開放報知としてスピーカ18で実行させると共に、第1の発光態様からなる第1光報知の光出力を枠ランプ19および遊技盤ランプ20aで実行開始させる。なお、第1報知音として楽曲Aおよび楽曲Bの何れを音出力するかは、入賞報知演出の内容決定で参照する入賞報知テーブルTa,Tbに基づいて決定する。
(第2開放報知に関する作用について)
また、演出制御CPU82aは、第1の当り遊技における1〜3回目および5〜16回目のラウンド遊技と、第2の当り遊技における1〜3回目および5〜12回目のラウンド遊技と、第3の当り遊技における1〜3回目および5〜8回目のラウンド遊技と、第4の当り遊技における1〜3回目のラウンド遊技とにおいて、予め定めた期間においてパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかった場合(所定の演出実行条件が成立した場合)に、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第2開放報知(特定演出、第2演出)を実行させることで、上開閉部材53bが開放した状態であることを報知する。すなわち、第2開放報知(特定演出、第2演出)が行われることにより、ラウンド遊技の予め定めた期間においてパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかったことも報知されるようになっている。ここで、演出制御CPU82aは、当り開始コマンドにより特定される大当り遊技の種類と、主制御CPU81aからの開放コマンドの入力回数とに基づいて、当該開放コマンドが第2開放報知を実行可能なラウンド遊技に対応するコマンドであるかを特定する。そして、第2開放報知を実行可能なラウンド遊技に対応する開放コマンドが入力されるタイミングで、10秒の報知待機時間を計測する計時処理を開始する。
図7(a)に示すように、ラウンド遊技中に上特別入賞口53aへの入賞が発生しない場合には、ラウンド遊技の開始から10秒が経過した時点で演出制御CPU82aによる報知待機時間のカウント値が0秒に対応するカウント値(最終値)となる。すなわち、演出制御CPU82aは、報知待機時間の計測が最終値に達した場合(所定の演出実行条件が成立した場合)に、演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに第2開放報知を実行開始させる。この場合に、演出制御CPU82aは、第2開放報知の開始タイミングを示す第2報知開始コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、第2報知開始コマンドを入力した表示制御CPU83aは、「上アタッカが開いています」という文字情報からなる第2報知画像(特定演出、第2演出)を演出実行手段としての表示装置17において表示開始させる。そして、第2報知画像が表示装置17に表示され、かつ上特別入賞口53aへの入賞が発生しない状態でラウンド遊技の開始から25秒が経過すると(作動終了条件が成立すると)、主制御CPU81aからの閉鎖コマンドが演出制御CPU82aに入力され、演出制御CPU82aは、第2開放報知の終了タイミングを示す第2報知終了コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、第2報知終了コマンドを入力した表示制御CPU83aは、第2開放報知としての第2報知画像の表示を終了させる。なお、演出制御CPU82aは、表示装置17において第2開放報知が実行される期間に対応して、「上アタッカが開いています」という音声の繰り返しを表す第2報知音(特定演出、第2演出)の音出力をスピーカ18で実行させると共に、第3の発光態様からなる第2光報知(特定演出、第2演出)の光出力を枠ランプ19および遊技盤ランプ20aで実行開始させる。
図7(b)に示すように、ラウンド遊技中に上特別入賞口53aへの入賞が発生した場合には、演出制御CPU82aによる報知待機時間のカウント値が10秒に対応するカウント値(初期値)に戻された上で計時処理が再び開始される。そして、当該入賞の発生から10秒が経過する前に上特別入賞口53aへの入賞が再び発生した場合には、報知待機時間のカウント値が10秒に対応するカウント値(初期値)に戻された上で計時処理が再び開始される。一方で、入賞の発生から10秒が経過するまで上特別入賞口53aへの入賞が発生しなかった場合には、当該10秒の経過時点で演出制御CPU82aによる報知待機時間のカウント値が0秒に対応するカウント値(最終値)となる。この場合に、演出制御CPU82aは、第2開放報知の開始タイミングを示す第2報知開始コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、第2報知開始コマンドを入力した表示制御CPU83aは、第2報知画像を演出実行手段としての表示装置17において表示開始させる。ここで、第2報知画像が表示装置17に表示された状態で、ラウンド遊技の開始から25秒が経過する前に上特別入賞口53aへの入賞が発生すると、演出制御CPU82aは、第2開放報知の終了タイミングを示す第2報知終了コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、第2報知終了コマンドを入力した表示制御CPU83aは、第2開放報知としての第2報知画像の表示を終了させる。
(入賞報知演出に関する作用について)
演出制御CPU82aは、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞したことを示唆または報知するための制御を実行する。ここで、演出制御CPU82aは、上特別入賞コマンドを主制御CPU81aから入力した場合(上特別入賞口53aへの入賞が発生した場合)に、上特別入賞コマンドに対応する入賞情報コマンドを表示制御CPU83aへ向けて出力する。これに対し、入賞情報コマンドを入力した表示制御CPU83aは、入賞報知演出としての入賞報知画像を表示装置17において表示開始させるようになっている。この場合に、表示制御CPU83aは、例えば多数の花びらが風に舞う状態を表す入賞報知画像を表示画面17aにおいて移動表示して、表示開始から3秒が経過する時点で入賞報知画像の表示を終了させる。
すなわち、実施例のパチンコ機10は、パチンコ球が入賞可能な上特別入賞口(入球口)53aと、待機位置から作動位置へ変位することで上特別入賞口53aへのパチンコ球の入賞を容易とする上開閉部材(可変部材)53bとを備え、ラウンド開始条件(作動条件)が成立する場合に上開閉部材53bを待機位置から作動位置へ変位させると共に、ラウンド開始条件が成立してから規定時間としての25秒が経過するか、または規定個数としての10個の遊技球が上特別入賞口53aに入賞した場合に、上開閉部材53bを作動位置から待機位置へ変位させる。また、パチンコ機10は、表示、音または光により演出を実行可能な演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aと、これらの演出実行手段による演出実行を制御する演出制御CPU(実行制御手段)82aとを備えている。そして、演出制御CPU82aは、ラウンド開始条件の成立後に、上特別入賞口53aに入賞したパチンコ球の数が規定個数(10個)未満の所定数(1個)より少ない状態で報知待機時間の計測が最終値に達した場合(所定時間が経過した場合)を所定の演出実行条件の成立として、上開閉部材53bが作動位置に変位した状態であることを示唆または報知可能な第2開放報知(特定演出)を表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行させる。また、実施例のパチンコ機10は、ラウンド開始条件の成立後に、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞してから他のパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しない状態が報知待機時間の計測が最終値に達するまで(所定時間が経過するまで)継続したことを演出実行条件の成立として、第2開放報知(特定演出、第2演出)を演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aに実行させる。従って、第2開放報知を必要に応じて実行することができ、第2開放報知によって上特別入賞口53aを狙ったパチンコ球の打出しを遊技者に促すことができる。この場合に、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞してから他のパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しない状態が報知待機時間の計測が最終値に達するまで(所定時間が経過するまで)継続した場合に第2開放報知(特定演出、第2演出)を実行し得るから、例えば遊技者が上特別入賞口53aの開放状態に気付かないままパチンコ球を打ち出している状況で、打ち出した一部のパチンコ球が偶然的に上特別入賞口53aへと入賞した後も、必要に応じて第2開放報知を実行することができ、第2開放報知によって上特別入賞口53aを狙ったパチンコ球の打出しを遊技者に促すことができる。
ここで、実施例のパチンコ機10は、演出を実行可能な複数の演出実行手段としての表示装置17、スピーカ18、枠ランプ19および遊技盤ランプ20aを備えており、これら複数の演出実行手段17,18,19,20aのうち表示装置17は、演出を表示により実行し得る。そして、演出制御CPU82aは、ラウンド開始条件の成立後に、上特別入賞口53aに入賞したパチンコ球の数が規定個数(10個)未満の所定数(1個)より少ない状態で報知待機時間の計測が最終値に達した場合(所定時間が経過した場合)に、上開閉部材53bが作動位置に変位した状態であることを示唆または報知可能な第2開放報知(特定演出)を、表示装置17を含む複数の演出実行手段17,18,19,20aに実行させる。従って、上開閉部材53bが作動位置に変位した状態であることを遊技者が第2開放報知から容易に理解することができる。
また、実施例のパチンコ機10は、上特別入賞口53aおよび上開閉部材53bの組み合わせを備えた上特別入賞部53と、下特別入賞口54aおよび下開閉部材54bの組み合わせを備えた下特別入賞部54とが設けられ、第2開放報知(特定演出)は、複数の開閉部材53b,54bのうち上開閉部材54bが作動位置に変位したことを示唆または報知可能な「上アタッカが開いています」という文字情報からなる第2報知画像として表示装置17に表示されると共に、上開閉部材54bが作動位置に変位したことを示唆または報知可能な「上アタッカが開いています」という音声の繰り返しを表す第2報知音としてスピーカ18から音出力される。これにより、どの特別入賞口53a,54aを狙ってパチンコ球を打出せばよいかを第2開放報知としての第2報知画像および第2報知音により示唆または報知することができる。
また、実施例のパチンコ機10は、上特別入賞口53aにパチンコ球が入賞したことを示唆または報知可能な入賞報知演出(第1演出)を演出制御CPU82aが演出実行手段としての表示装置17に実行させ得る。すなわち、パチンコ球が上特別入賞口53aに入賞したことを示唆または報知可能な入賞報知演出と、作動条件成立後における報知待機時間としての10秒の計測中(予め定めた期間)にパチンコ球が上特別入賞口53aに入賞しなかったことを示唆または報知可能な第2開放報知とを、演出として実行するよう構成したことで、上開閉部材54bが作動位置に変位した状態での遊技者による状況把握が容易となる。
また、実施例のパチンコ機10は、主制御CPU(当り判定手段)81aが始動入賞検出センサSE1,SE2による検出を契機として特図当り判定を行うと共に、特図当り判定が大当り遊技(特定遊技状態)を生起させる判定結果となった場合に、上特別入賞口53aを待機位置から作動位置に変位させて上特別入賞口53aへの入賞が可能な大当り遊技(特定遊技状態)を生起させる。そして、パチンコ機10は、大当り遊技(特定遊技状態)を構成するラウンド遊技の合計回数(特定遊技状態の態様)を主制御CPU(価値決定手段)81aが決定し、決定内容に基づいて演出制御CPU82aが入賞報知演出を演出実行手段としての表示装置17に実行させる。すなわち、大当り遊技の合計回数に関する情報を示唆または報知することができるから、上特別入賞口53aにパチンコ球を入賞させることの価値を高め、遊技の興趣を高め得る。
(別の実施例)
ここで、別の実施例について説明する。前述した実施例では、大当り遊技(特定遊技状態)を構成するラウンド遊技の合計回数(特定遊技状態の態様)を主制御CPU(価値決定手段)81aが決定し、決定内容に基づいて演出制御CPU82aが入賞報知演出を演出実行手段としての表示装置17に実行させるように構成した。これに対し、以下に説明する別の実施例では、大当り遊技の終了後の遊技状態(特定遊技状態の終了後の遊技状態)を主制御CPU(価値決定手段)81aが決定し、決定内容に基づいて演出制御CPU82aが入賞報知演出を演出実行手段としての表示装置17に実行させるように構成されている。なお、別の実施例に係る以下の説明では、パチンコ機10の各構成について前述した実施例と同一の名称および符号を用いて説明する。
具体的に、別の実施例に係るパチンコ機10は、第1始動入賞口51aに入賞したパチンコ球が第1始動入賞検出センサSE1によって検出され、この第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号が主制御基板81の主制御CPU81aに入力されて、当該検出信号が入力されている場合に主制御CPU81aが実行する検出判定処理において第1始動入賞検出センサSE1からの検出が判定される。また、第2始動入賞口52aに入賞したパチンコ球が第2始動入賞検出センサSE2によって検出され、この第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号が主制御基板81の主制御CPU81aに入力されて、当該検出信号が入力されている場合に主制御CPU81aが実行する検出判定処理において第2始動入賞検出センサSE2からの検出が判定される。そして、始動検出センサSE1,SE2の検出(始動条件の成立)を契機として主制御CPU(当り判定手段)81aが特図開始処理において特図当り判定を行い、当該特図当り判定が大当り遊技を生起させる判定結果となった場合に、主制御CPU81aが大当り遊技を生起させるよう構成されている。また、主制御CPU81aは、特図当り判定が大当り遊技を生起させる判定結果となった場合に、複数種類の大当り図柄(特図)のうち何れかを決定する。ここで、複数種類の大当り図柄のうち何れの大当り図柄が決定されるかに応じて、複数種類の大当り遊技のうち何れを生起させるかを主制御CPU81aが決定するようになっている。
ここで、別の実施例に係るパチンコ機10の主制御CPU81aは、第1始動入賞口51aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の図柄(図柄E、図柄F、図柄G、図柄H)の何れかに分類される1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、遊技状態の違いに関わらず、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Eが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Fが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Gが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄Hが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。また、第2始動入賞口52aへのパチンコ球の入賞を契機として行われる特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、主制御基板81の主制御CPU81aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、第2始動入賞口52aへパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の図柄(図柄e、図柄f、図柄g、図柄h)の何れかに分類される1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、遊技状態の違いに関わらず、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄eが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄fが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄gが選択され、25パーセントの割合で大当り図柄としての図柄hが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られない。
別の実施例に係るパチンコ機10では、大当り遊技として、終了後に確変状態かつ変短状態となる遊技状態へと移行することを前提として生起される第5の当り遊技(図柄E,eに対応する大当り遊技)、終了後に確変状態かつ非変短状態となる遊技状態へと移行することを前提として生起される第6の当り遊技(図柄F,fに対応する大当り遊技)、終了後に非確変状態かつ変短状態となる遊技状態へと移行することを前提として生起される第7の当り遊技(図柄G,gに対応する大当り遊技)、および終了後に非確変状態かつ非変短状態となる遊技状態へと移行することを前提として生起される第8の当り遊技(図柄H,hに対応する大当り遊技)の4種類が設定されている。なお、第5〜第8の当り遊技では、大当り遊技を構成するラウンド遊技の合計回数や、各ラウンド遊技での上開閉部材53bおよび下開閉部材54bの開放動作態様に関する条件が同一に設定されている。具体的に、第5〜第8の当り遊技では、ラウンド遊技の合計回数が何れも16回に設定されている。また、第5〜第8の当り遊技では、1〜3回目および5〜16回目の各ラウンド遊技において上開閉部材53bに1回の長時間開放動作を行わせ、4回目のラウンド遊技において下開閉部材54bに1回の長時間開放動作を行わせるよう設定されている。すなわち、別の実施例に係るパチンコ機10は、決定した大当り図柄(特図)の種類に応じて、生起させる大当り遊技の終了後の遊技状態が決定されるようになっている。
ここで、別の実施例に係るパチンコ機10は、入賞報知演出を複数の態様(複数種類の表示色)で実行可能に構成されており、演出制御CPU82aへの入賞情報コマンドの入力回数(すなわち、入賞数)に応じて、表示装置17で行う入賞報知としての入賞報知画像の態様(実施例では表示色)を変化させ、当該入賞報知画像の態様(表示色)の変化のしかたによって、大当り遊技の終了後の遊技状態を示唆し得るようになっている。具体的に、演出制御CPU82aは、主制御CPU81aが第5〜第8の当り遊技のうち何れを生起させるかを、主制御CPU81aからの当り開始コマンドに基づいて特定するよう構成されている。そして、5〜7回目のラウンド遊技における上特別入賞口53aへの合計入賞数に基づいて、各入賞を契機として表示装置17に表示する入賞報知演出の表示色を変化させ得るようになっている。なお、別の実施例では、第5〜第8の当り遊技における1〜4回目および8〜16回目のラウンド遊技では、入賞報知演出を行わないよう構成されている。これに対し、全てのラウンド遊技で入賞報知演出を行うようにしてもよいし、5〜7回目のラウンド遊技以外のラウンド遊技で入賞報知演出を行うようにしてもよい。
演出制御ROM82bには、大当り遊技の終了後に確変状態(確変状態かつ変短状態、または確変状態かつ非変短状態)に移行する場合の入賞報知画像の態様(表示色)を決定するための第1入賞報知テーブルTaと、大当り遊技の終了後に確変状態(非確変状態かつ変短状態、または非確変状態かつ非変短状態)に移行しない場合の入賞報知画像の態様(表示色)を決定するための第2入賞報知テーブルTbとが設定されている。また、演出制御CPU82aは、図柄E,e,F,fの大当り図柄に対応して第5または第6の大当り遊技を生起させる場合に、第1入賞報知テーブルTaを用いて入賞報知パターンを決定するための第1乱数の値を主制御CPU81aから当り開始コマンドを入力したタイミングで取得する一方、図柄G,g,H,hの大当り図柄に対応して第7または第8の大当り遊技を生起させる場合に、第2入賞報知テーブルTbを用いて入賞報知パターンを決定するための第2乱数の値を主制御CPU81aから当り開始コマンドを入力したタイミングで取得するよう構成されている。
このように、別の実施例に係るパチンコ機10は、主制御CPU(当り判定手段)81aが始動入賞検出センサSE1,SE2による検出を契機として特図当り判定を行うと共に、特図当り判定が大当り遊技(特定遊技状態)を生起させる判定結果となった場合に、上特別入賞口53aを待機位置から作動位置に変位させて上特別入賞口53aへの入賞が可能な大当り遊技(特定遊技状態)を生起させる。そして、パチンコ機10は、大当り遊技(特定遊技状態)を構成するラウンド遊技の終了後の遊技状態を主制御CPU(価値決定手段)81aが決定し、決定内容に基づいて演出制御CPU82aが入賞報知演出を演出実行手段としての表示装置17に実行させる。すなわち、大当り遊技の終了後の遊技状態に関する情報を示唆または報知することができるから、上特別入賞口53aにパチンコ球を入賞させることの価値を高め、遊技の興趣を高め得る。
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、複数の特別入賞部として、上開閉部材(可変部材)によって上特別入賞口(入球口)を開状態および閉状態に変化させる上特別入賞部と、下開閉部材(可変部材)によって下特別入賞口(入球口)を開状態および閉状態に変化させる下特別入賞部とを設けた。また、実施例では、入球部の全て(複数の始動入賞部、複数の特別入賞部、ゲート部、複数の普通入賞部)を、遊技領域の第1流下領域に設けた。これに対し、特別入賞部(入球口および可変部材の組み合わせ)を1つまたは3つ以上設けるようにしてもよいし、上特別入賞部および下特別入賞部のうち一方を第1流下領域に設け、他方を第2流下領域に設けるようにしてもよい。
(2) 実施例では、上開閉部材が作動位置に変位した状態であることを報知する開放報知として、ラウンド遊技の開始とともに開始され、ラウンド遊技の終了とともに終了される第1開放報知と、ラウンド遊技の予め定めた期間において所定数の遊技球の入賞がない場合に開始され、入賞が発生すると終了する第2開放報知とを、演出制御CPU(実行制御手段)が演出実行手段に実行させるように構成した。これに対し、演出制御CPU(実行制御手段)が開放報知として第2開放報知のみを演出実行手段に実行させるように構成してもよい。
また、第1開放報知をラウンド遊技の開始から所定時間が経過したこと(例えば3秒が経過したこと)に伴って終了させてもよいし、ラウンド遊技の実行期間より前(例えば大当り遊技のオープニング演出時間)において演出実行手段に実行させてもよい。
更に、演出実行手段における第1開放報知の報知態様を変化させることによって第2開放報知を実行させるよう構成してもよい。この場合には例えば、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)が成立した時点で第1開放報知として「上アタッカを狙ってください」という文字情報(第1報知画像)を表示装置に表示開始させ、該ラウンド開始条件の成立してから報知待機時間としての10秒(所定時間)が経過するまで遊技球の入賞がない場合に、該「上アタッカを狙ってください」の文字情報(第1報知画像)を「上アタッカが開いています」(第2報知画像)に変更するようにする。
(3) 実施例では、表示装置、スピーカ、枠ランプおよび遊技盤ランプの各演出実行手段に第2開放報知(第2報知画像の表示、第2報知音の音出力、第2光報知の光出力)を実行させるよう構成したが、これら表示装置、スピーカ、枠ランプおよび遊技盤ランプのうち少なくとも1つの演出実行手段に第2開放報知を実行させる構成としてもよい。
(4) 実施例では、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)の成立後における予め定めた期間に上特別入賞口(入球口)に遊技球が入球しなかった場合(すなわち、規定個数より少ない所定数としての1個の遊技球が入球しなかった場合)に、演出制御CPU(実行制御手段)が演出実行手段に第2開放報知(特定演出)を実行させるよう構成したが、予め定めた期間において所定数としての複数個(例えば3個)の遊技球が上特別入賞口(入球口)に入球しなかった場合に、第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるよう構成してもよい。
(5) 実施例では、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)の成立後において上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞しない状態で(入賞した遊技球が所定数としての1個より少ない状態で)10秒(所定時間)が経過した場合に、第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるよう構成すると共に、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)の成立後において上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞してから他の遊技球が入賞しない状態が10秒(所定時間)に亘って継続した場合に、第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるよう構成した。これに対し、ラウンド開始条件(作動条件)の成立後において、上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞しない状態で10秒(所定時間)が経過した場合にのみ第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるようにしてもよいし、上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞してから他の遊技球が入賞しない状態が10秒(所定時間)に亘って継続した場合にのみ第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるようにしてもよい。
(6) 実施例では、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)の成立から上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞しない状態、または上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞してから他の遊技球が入賞しない状態のうち一方の状態が、演出制御CPU(実行制御手段)によって同一の報知待機時間として計測される10秒(所定時間)に亘って継続した場合に、第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させるよう構成した。これに対し、第2開放報知(特定演出)を演出実行手段に実行させる契機となる報知待機時間を、ラウンド開始条件(作動条件)の成立から上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞しない状態を計測する場合、および上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞してから他の遊技球が入賞しない状態を計測する場合で、相互に異ならせてもよい。
(7) 実施例では、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、ラウンド開始条件(作動条件)の成立後において上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞した場合に、第2開放報知(特定演出)を行うまでの報知待機時間(10秒)のカウント値を演出制御CPU(実行制御手段)が初期値に戻した上で、再び演出制御CPUが当該報知待機時間の計測を開始するよう構成した。これに対し、上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞した時点でラウンド遊技における最大駆動時間(特電開放時間)の残り時間が10秒以下の場合に、報知待機時間の計測を行わないよう構成してもよい。
(8) 実施例では、大当り遊技(特定遊技状態)を構成するラウンド遊技のうちで上開閉部材を作動位置に変位させる全てのラウンド遊技において第2開放報知が実行され得るように構成したが、上開閉部材を作動位置に変位させる複数回のラウンド遊技のうち一部のラウンド遊技においてのみ第2開放報知が実行され得るようにしてもよい。また、大当り遊技(特定遊技状態)を構成するラウンド遊技のうちで下開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において第2開放報知が実行され得るよう構成してもよい。
(9) 実施例では、演出制御CPU(実行制御手段)からの第2報知開始コマンドの入力を契機として表示制御CPUが表示装置を表示制御することで、第2開放報知としての第2報知画像(特定演出)を表示装置に表示開始させると共に、演出制御CPUからの第2報知終了コマンドの入力を契機として表示制御CPUが第2報知画像(特定演出)の表示を終了させるよう構成した。これに対し、演出制御CPU(実行制御手段)が直接的に(表示制御CPUを経由せずに)表示装置を表示制御して、第2報知画像(特定演出)を表示装置に表示させる構成としてもよい。
(10) 実施例では、第2開放報知として「上アタッカが開いています」という文字情報からなる第2報知画像(特定演出)を表示装置に表示させることで、上開閉部材(可変部材)が作動位置に変位したことを直接的に認識させるように報知する構成とした。このような第2開放報知の態様は実施例の表示態様に限られず、上開閉部材(可変部材)が作動位置に変位したことを示唆または報知可能な表示態様であれば、「上特別入賞口(入球口)が開いています」や、「上開閉部材が作動位置にあります」や、「上特別入賞ソレノイドが励磁状態となっています」等、他の文字情報等により第2報知画像を表示してもよい。また、で、上開閉部材(可変部材)が作動位置に変位したことを報知することも可能である。
(11) 実施例では、第2開放報知として「上アタッカが開いています」という文字情報からなる第2報知画像(特定演出)を表示装置に表示させることで、上開閉部材(可変部材)が作動位置に変位したことを直接的に認識させるように報知する構成とした。これに対し、例えば、「遊技領域の上部を狙ってください」の文字情報を示す画像や、上特別入賞口が開いた状態を示す画像を、第2開放報知の第2報知画像(特定演出)として表示装置に表示させることで、上開閉部材(可変部材)が作動位置に変位したことを間接的に認識させるように報知する(示唆する)構成としてもよい。
(12) 実施例では、上開閉部材を作動位置に変位させるラウンド遊技において、上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞したことを報知するための入賞報知演出(第1演出)と、当該ラウンド遊技における予め定めた期間において上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞しなかったこと報知する第2開放報知(第2演出)とを、演出制御CPU(実行制御手段)が演出実行手段に実行させるように構成した。これに対し、入賞報知演出(第1演出)および第2開放演出(第2演出)のうち一方のみを演出制御CPU(実行制御手段)が演出実行手段に実行させるように構成してもよい。
(13) 実施例では、主制御CPU(価値決定手段)が決定する大当り遊技を構成するラウンド遊技の合計回数(特定遊技状態の態様)に基づいて、演出制御CPU(実行制御手段)が入賞報知演出(第1演出)を演出実行手段に実行させるよう構成した。また、別の実施例では、主制御CPU(価値決定手段)が決定する大当り遊技(特定遊技状態)終了後の遊技状態に基づいて、演出制御CPU(実行制御手段)が入賞報知演出(第1演出)を演出実行手段に実行させるよう構成した。これに対し、主制御CPU(価値決定手段)が決定する大当り遊技(特定遊技状態)での開閉部材の動作態様に基づいて、演出制御CPU(実行制御手段)が入賞報知演出(第1演出)を演出実行手段に実行させるよう構成してもよい。
例えば、主制御CPU(当り判定手段)による当り判定が大当り遊技(特定遊技状態)を生起させる判定結果となった場合に、付与する大当り遊技の種類として、主制御CPU(価値決定手段)が、遊技者にとって価値の高い第9の当り遊技と、遊技者にとって価値の低い第10の当り遊技とのうち何れかを決定するよう構成する。この場合に、第9の当り遊技は、合計16回の全てのラウンド遊技において開閉部材(例えば上開閉部材)に長時間開放動作を1回行わせるよう設定し、第10の当り遊技は、合計16回のラウンド遊技のうち1回目〜3回目のラウンド遊技では開閉部材(例えば上開閉部材)に長時間開放動作を行わせ、4回目〜16回目のラウンド遊技では開閉部材(例えば上開閉部材)に短時間開放動作を行わせるよう設定する。このように構成すれば、演出制御CPU(実行制御手段)の制御によって、主制御CPU(価値決定手段)による決定内容、すなわち、特定遊技状態において開閉部材に長時間開放動作を行わせる回数(開閉部材の動作態様)に基づいて、入賞報知演出を演出実行手段に実行させることができる。
また、上特別入賞口(入球口)に遊技球が入賞したことのみを入賞報知演出(第1演出)によって報知するようにしてもよい。
(14) 実施例では、第1入賞報知テーブルおよび第2入賞報知テーブルに設定される各入賞報知パターンにおいて、1個目〜30個目の入賞(ラウンド遊技の数×規定個数)に対応する表示色を定めたが、30個目以降の入賞に対応する表示色を定めてもよい。この場合には例えば、実施例の各入賞報知パターンにおいて27個目〜30個目の入賞に対応して定めた表示色を、31個目以降の入賞に対応する表示色として定めることができる。
17 表示装置(演出実行手段)
18 スピーカ(演出実行手段)
19 枠ランプ(演出実行手段)
20a 遊技盤ランプ(演出実行手段)
53a 上特別入賞口(入球口)
53b 上開閉部材(可変部材)
81a 主制御CPU(当り判定手段、価値決定手段)
82a 演出制御CPU(実行制御手段)

Claims (2)

  1. 遊技球が入球可能な入球口と、待機位置から作動位置へ変位することで前記入球口への遊技球の入球を容易とする可変部材と、始動条件の成立を契機として当り判定を行う当り判定手段とを備え、前記当り判定手段による判定が当りの判定結果となった場合に、前記可変部材を待機位置から作動位置へ変位させることで前記入球口への入球を可能とするラウンド遊技の実行期間を少なくとも含む特定遊技状態を生起させるよう構成され、前記ラウンド遊技の開始条件が成立してから規定時間が経過するか、または規定個数の遊技球が前記入球口に入球した場合に、前記作動位置にある前記可変部材を前記待機位置へ変位させるよう構成された遊技機において、
    表示、音または光により演出を実行可能な演出実行手段と、
    前記演出実行手段による演出実行を制御する実行制御手段とを備え、
    前記実行制御手段は、前記入球口に遊技球が入球したことを契機として、前記特定遊技状態の態様に関する決定内容または前記特定遊技状態の終了後の遊技状態に関する決定内容を示唆または報知可能な第1演出を前記演出実行手段に実行させ得るよう構成されると共に、前記ラウンド遊技の開始条件成立した予め定めた期間における遊技球前記入球口への入球数が前記規定個数未満の所定数より少なかった場合に、該期間の終了を契機として第2演出を前記演出実行手段に実行させ得るよう構成され
    前記特定遊技状態のうち、初回のラウンド遊技から連続する複数のラウンド遊技の実行期間である第1連続ラウンド期間では、当該第1連続ラウンド期間の開始から終了までの合計入球数が増加するにつれて次第に前記第1演出の態様が変化すると共に、該特定遊技状態のうち、前記第1連続ラウンド期間より後に連続する複数のラウンド遊技の実行期間である第2連続ラウンド期間では、当該第2連続ラウンド期間の開始から終了までの合計入球数が増加するにつれて次第に前記第1演出の態様が変化するよう構成され、
    前記第1演出が特定の前記決定内容を確定的に報知する態様に変化する確率が、前記第1連続ラウンド期間および前記第2連続ラウンド期間の相互で異なるよう設定された
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出実行手段は、画像を表示可能に構成され、
    前記実行制御手段は、前記ラウンド遊技の開始条件の成立後において前記入球口に遊技球が入球してから所定時間に亘って前記入球口に遊技球が入球しない状態が継続した場合に、前記第2演出を前記演出実行手段に実行させるよう構成されると共に、前記第1演出として、入球報知画像が所定方向へ移動する動的表示を、前記入球口に遊技球が入球する毎に所定時間に亘って前記演出実行手段に実行させ得るよう構成され、
    前記演出実行手段は、前記動的表示の実行中に前記入球口への新たな入球が発生した場合に、当該新たな入球に対応する別の入球報知画像の動的表示を、実行中の前記動的表示と並行して実行し得るよう構成された請求項1記載の遊技機。
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