以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、表示領域を備えた遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示領域としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリアともいう)が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図14の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図14の変動表示のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態は、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
確変大当りとしては、次のような第1確変大当りと第2確変大当りとが選択可能となるようにしてもよい。第1確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的多い回数(たとえば、15回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が比較的長い(たとえば、29秒間)ものである。第2確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的少ない回数(たとえば、2回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が極めて短い(たとえば、0.1秒間)ものである。第1確変大当りは、遊技者が視認容易な開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。これに対し、第2確変大当りは、遊技者が視認しにくい開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。このような第2確変大当りは、大入賞口の開放状態を遊技者にとって視認しにくくすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せる確変大当りであり、「突然確変大当り」と呼ばれ、略称として「突確」とも呼ばれる。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒〜60秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、客待ちデモ表示の実行を指定する客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(図示省略)をした後、この処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
また、前述した変動パターン設定処理(S301)においては、CPU56が、通常状態および時短状態等の遊技状態と、特別図柄通常処理における大当り判定の判定結果とに基づいて、図6に示す変動パターンテーブルのうちのいずれかを選択し、変動パターン種別判定用乱数の抽出値に基づいて変動パターン種別を選択決定するとともに、変動パターン判定用乱数の抽出値に基づいて変動パターンを選択決定する。そして、決定された変動パターンを特定可能な変動パターンコマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。さらに、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち変動表示を開始する特別図柄を指定する第1または第2の図柄変動指定コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図12は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、変動表示を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、変動表示受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、変動表示を受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示第2更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図13は、図12に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図17等参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報を「ターゲットの保留情報」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報をターゲットとして、所定のタイミングで特定演出としての先読み演出を実行する演出制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
演出図柄変動開始処理(S801)では、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するために、以下のような処理が実行される。
演出図柄変動開始処理においては、コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することに基づいて、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否かが確認される。はずれとすることに決定されている場合には、コマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドを確認することに基づいて、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かが確認される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信した場合は、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)が抽出され、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信した場合は、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)が抽出され、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することに基づいて、変動表示結果を大当りとすることに決定されている場合は、表示結果指定コマンドに基づいて確認可能な大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄が決定される。たとえば、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)が抽出される。確変大当りの種別にすることに決定されているとときは、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せが選択決定される。通常大当りの種別にすることに決定されているときは、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せが選択決定される。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示における各種演出を設定するための処理、および、保留等変化の演出等の各種演出を設定する処理を行なう演出設定処理が実行される。演出設定処理においては、受信した演出制御コマンドにより特定可能となる変動パターン、および、変動表示結果等の変動表示に関する各種情報に基づいて、演出制御パターンが複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定され、ROM102に記憶されている図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、決定された演出制御パターンが、演出に使用される演出制御パターンとして選択される。
図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルが選択されると、選択されたプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)がスタートさせられる。これにより、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御が開始される。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令が出力される。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)が出力される。スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)が出力される。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値が設定され、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応した値にしされ、演出図柄変動開始処理を終了する。これにより、演出図柄変動開始処理が終了し、次回の演出制御プロセス処理において、演出図柄変動中処理が実行される。
[特定操作演出]
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される特定操作演出について説明する。特定操作演出は、特定の変動パターンにおいて操作に応じて実行される。特定の変動パターンは、たとえば、第3スーパーリーチとして実行されるスーパーリーチA(以下、「SPA」という略称で呼ばれる場合がある)と、第4スーパーリーチとして実行されるスーパーリーチB(以下、「SPB」という略称で呼ばれる場合がある)として実行されるスーパーリーチBとである。
[特定操作演出例]
図14は、特定操作演出例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図14(A)〜(L)に、特定操作演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。図14には、特定操作演出の一例として、スーパーリーチA(SPA)の演出が示されている。
図14においては、表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cと、保留画像Hと、アクティブ画像AHとが示されている。図14において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。演出表示装置9の表示領域内における下部には、第1保留記憶数を保留画像Hにより表示する第1保留表示エリアと、第2保留記憶数を保留画像Hにより表示する第2保留表示エリアとを含む保留表示エリア18cが設けられている。メイン演出表示装置9の表示領域内における下部の中央領域には、アクティブ画像AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが設けられている。第1保留表示エリアは、アクティブ表示エリアAHAの左側に設けられ、第2保留表示エリアは、アクティブ表示エリアAHAの右側に設けられている。
演出表示装置9において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄91,92,93は、画面中央部で変動表示が開始される。変動表示において特定操作演出が実行されるときには、図14(A)に示すように、リーチ表示態様(左,右演出図柄が同じ図柄で揃い、中演出図柄が変動中である表示態様)となったタイミングで、演出図柄91〜93が表示領域の右上隅部に移動して縮小表示され、特定操作演出が開始される。
図14(A)に示すように、特定操作演出の開始時には、「SPA」または「SPB」のリーチ演出であることを特定可能な文字および図形よりなる演出アイコン画像96が表示領域における第1位置としての中央部に表示される。図14(A)では、「SPA」のリーチ演出を特定可能な演出アイコン画像96が表示されて「SPA」のリーチ演出が実行される例が示されている。
そして、図14(B)に示すように、演出アイコン画像96が、表示領域の左上隅部に移動して表示されるとともに、アクティブ表示エリアAHAで表示されていたアクティブ画像AHが、プッシュボタン120を模したボタン画像94に変化して表示領域の中央部に移動して表示される。図14(B)に示すように、アクティブ表示エリアAHAにおける画像と、第1保留表示エリアおよび第2保留表示エリアにおける画像とが消去される。ボタン画像94は、遊技者の操作が検出されていない状態を示すような、押圧されていない形状を特定可能な第1態様で表示される。このようなボタン画像94が表示領域の中央部で表示されると、「長押ししろ」という文字よりなり、長押し操作を示唆する長押し示唆画像94Aが表示される。図14(B)に示すような画像が表示されることにより、プッシュボタン120の長押し操作を促進するための特定の報知を実行する長押し操作促進演出が開始される。
ボタン画像94は、大当りとなる期待度の大小関係に応じて画像色が変化し得る。特定操作演出においては、プッシュボタン120についての予め定められた長押し操作有効期間中において、プッシュボタン120が長押し操作されると、その操作に応じて、図14(C)〜図14(I)に示すように、ボタン画像94の画像色が「白」→「青」→「緑」→「赤」という順番により複数段階で段階的に変化し得る。ボタン画像94の画像色における大当りとなる期待度は、「白<青<緑<赤」という大小関係が設定されている。
プッシュボタン120の操作が長押し操作であると演出制御用マイクロコンピュータ100により認識される操作期間は、たとえば、1秒間以上の継続操作というような所定期間に設定されている。このような長押し操作を判定するための期間は、連打等の誤った操作を長押し操作として誤検出してしまい、長押し操作がされていないにも関わらずボタン画像94の表示位置を変更する演出等の特定の操作演出が誤って実行されることにより演出制御用マイクロコンピュータ100の処理負担が無用に増加しないようにすることが可能な期間となるように設定されている。
図14(B)に示すように、特定操作演出の開始時におけるボタン画像94の画像色は、「白」である。特定操作演出におけるボタン画像94の画像色の変化パターンは、演出図柄変動開始処理(S801)において、表示結果コマンドに基づいて確認される変動表示結果に応じて選択されるボタン画像色決定テーブルを用いて決定される。ボタン画像色決定テーブルは、演出制御用のランダムカウンタとしての画像色決定用カウンタが取り得る値が、複数種類の画像色の変化パターン(たとえば、「白→青」、「白→青→緑」、「白→青→緑→赤」というような変化パターン)のそれぞれに対応付けられたデータテーブルである。ボタン画像色決定テーブルでは、変動表示の開始時において、所定タイミングで抽出される画像色決定用カウンタの抽出値に対応する画像色の変化パターンが、特定操作演出での画像色の変化パターンとして選択決定される。
ボタン画像色決定テーブルとしては、変動表示結果が大当り表示結果となるときに選択される大当り時ボタン画像色決定テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに選択されるはずれ時ボタン画像色決定テーブルとがROM102に記憶されている。
大当り時ボタン画像色決定テーブルは、最終的に変化し得る色の選択割合として「青<緑<赤」という大小関係が設定されている。一方、はずれ時ボタン画像色決定テーブルは、最終的に変化し得る色の選択割合として「赤<緑<青」という大小関係が設定されている。変動表示結果が大当り表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、ボタン画像色が変化する段階数が多くなる割合が高く、「赤」まで変化する割合が高くなるようにボタン画像色決定テーブルのデータが設定されている。これにより、特定操作演出が実行されるときには、たとえば、画像色が「赤」まで変化する等、ボタン画像色が変化する段階数が多くなる程、変動表示が大当り表示結果となる期待度が高くなる。これにより、ボタン画像色の変化態様により、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができ、演出の面白みを向上させることができる。
図14(C)に示すように、長押し操作促進演出がされている長押し操作有効期間において、プッシュボタン120が長押し操作されると、演出表示装置9の表示領域において、ボタン画像94が第1位置としての中央部から第2位置としての右下隅部に移動して表示される。ボタン画像94は、遊技者の操作が検出されている状態を示すような、押圧されている形状を特定可能な第2態様で表示される。このようなボタン画像94が表示領域の右下隅部で表示されると、「長押し中」という文字よりなり、長押し操作中であることを報知する長押し中画像94Bがボタン画像94の近傍で表示される。図14(C)に示すような画像が表示されることにより、プッシュボタン120の長押し操作に対応した演出としての長押し操作対応演出が開始される。このような長押し操作対応演出においては、ボタン画像94の周囲において、ボタン画像94の色と同色(対応色)のエフェクト画像95が表示される。ボタン画像94の周囲にエフェクト画像95が表示されることにより、ボタン画像94を用いた演出を強調して示すことができる。
図14(D)に示すように、プッシュボタン120の長押し操作が実行されると、前述のように決定された画像色の変化パターンに基づき、時間経過に応じて、たとえば、「白」→「青」というように、ボタン画像94の色が変化するボタン画像色変化演出が実行される。ボタン画像色変化演出においては、ボタン画像94の画像色が変化するときに、図14(D)に示すように、ボタン画像94が一旦拡大表示される拡大表示演出が実行された後、図14(E)に示すように、画像色変化後において、ボタン画像94が元の大きさに戻って表示される。このようなボタン画像色変化演出が実行されるときにおいては、ボタン画像94の周囲に表示されるエフェクト画像95が、ボタン画像94の色の変化に対応して、同色(対応色)に変化して表示されるエフェクト画像色変化演出も同時に実行される。ボタン画像色変化演出およびエフェクト画像色変化演出は、画像色変化演出という総称で呼ばれる場合がある。
なお、ボタン画像色変化演出を実行する場合においては、ボタン画像94が一旦拡大表示される拡大表示演出を実行する代わりに、ボタン画像94が一旦縮小される縮小表示演出を実行するようにしてもよい。つまり、ボタン画像94の報知態様を変化させるときに、ボタン画像94の大きさを所定期間に亘り変化可能な演出であれば、大きさを拡大する演出と、大きさを縮小する演出とのどちらを実行してもよい。また、ボタン画像94の大きさを所定期間に亘り変化可能な演出を実行するときには、演出画像に注目させるために、ボタン画像94を一時的に消去してもよい。
特定操作演出での長押し操作有効期間において、図14(E)に示すようにプッシュボタン120の長押し操作が実行されて長押し操作対応演出が実行されているときに、その長押し操作状態が解除される(実行されなくなる)と、図14(F)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、ボタン画像94が右下隅部(第2位置)から中央部(第1位置)に戻る移動表示がされて、図14(B)に示した長押し操作促進演出と同様の長押し操作促進演出が再度開始される。その場合の長押し操作促進演出においては、図14(F)に示すように、ボタン画像94が変化後の画像色(青)で表示される。ボタン画像94は、遊技者の操作が検出されていない状態を示すような、押圧されていない形状の第1態様で表示される。
その後、プッシュボタン120の長押し操作が再開されると、その操作に応じて、ボタン画像94が中央部(第1位置)から右下隅部(第2位置)に移動表示されて、図14(G)に示すように、長押し操作対応演出が再度開始される。ボタン画像94は、遊技者の操作が検出されている状態を示すような、押圧されている形状の第2態様で表示される。
特定操作演出での長押し操作有効期間において、図14(E)に示すようにボタン画像色が変化した後、プッシュボタン120の長押し操作が継続して実行されると、前述のように決定された画像色の変化パターンに基づき、図14(G)〜(I)に示すように、時間経過に応じて、たとえば、「青」→「緑」→「赤」というように、ボタン画像94の色が変化するボタン画像色変化演出が実行される。各ボタン画像色変化演出においては、図示を省略するが、図14(D)に示した拡大表示演出と同様の演出が実行される。
拡大表示演出中に長押し操作状態が解除されたときには、拡大表示が中断されてボタン画像94が拡大されていない状態で図14(F)のような長押し操作促進演出が実行される。その後、長押し操作状態が再開されたときには、中断されたボタン画像94の拡大表示演出が再開される態様で、ボタン画像94が拡大された状態で長押し操作対応演出が実行される。なお、拡大表示演出中に長押し操作状態が解除されたときには、拡大表示が中断されずにボタン画像94が拡大された状態で長押し操作促進演出が実行されるようにしてもよい。また、拡大表示演出中に長押し操作状態が解除されたときには、中断されたボタン画像94の拡大表示演出が再開されず、ボタン画像94が拡大されていない状態で長押し操作対応演出が実行されるようにしてもよい。
その後、時間経過に応じて特定操作演出での操作有効期間が終了すると、操作有効期間外の期間となる。当該操作有効期間外の期間は、所定期間に亘り継続する。操作有効期間外となったときには、図14(J)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、ボタン画像94が第2位置である右下隅部から、下中央部、すなわち、アクティブ表示エリアAHAと同様の位置に移動する表示がされ、ボタン画像94に矢の画像(以下、矢画像と呼ぶ)97が飛来して刺さる表示がされて、ボタン画像94が固定状態となったことを示唆するロック状態とする画像表示がされることにより、ボタン画像94の操作が無効(操作が受付けられない)であることを特定可能な報知態様での報知が可能な操作無効演出が実行される。このような操作無効演出による操作無効の報知は、所定期間に亘り継続して実行される。
操作無効演出の実行期間中には、たとえばプッシュボタン120のような操作手段の操作に関する文字情報が表示されない。なお、操作無効演出の実行期間中には、たとえばプッシュボタン120のような操作手段の操作が無効であること(操作が受付けられないこと)を特定可能な文字情報等の各種情報を表示してもよい。
操作無効演出においては、ボタン画像94が、長押し操作有効期間における長押し操作対応演出でボタン画像94が変化した場合に、その変化後の色で表示され続けられる。操作無効演出におけるボタン画像94は、表示位置が、アクティブ表示エリアAHAの表示位置と同じ位置であり、アクティブ画像としての表示の役割も担う表示とされる演出が行なわれる。アクティブ画像は、特定操作演出以外の演出が実行されるときに、大当りとなる期待度に応じて、画像色が、たとえば「青」、「緑」、「赤」というように変化し得る。したがって、特定操作演出において、大当りとなる期待度に応じて「青」、「緑」、「赤」というように変化し得るボタン画像94が、アクティブ表示エリアAHAの表示位置と同じ位置(第3位置)で表示される演出が行なわれた場合に、ボタン画像94がアクティブ画像としての表示の役割も担う表示となるように見える演出が実行されることとなる。
なお、操作無効演出としては、図14(J)のロック状態の画像表示の他に、特定のキャラクタ画像を表示して、大当りとなる期待度の高低を示唆する等、その他の演出を実行してもよい。
操作無効演出の実行開始時から特定期間が経過して操作有効期間外の期間が終了すると、所定期間に亘り一撃操作有効期間となる。一撃操作有効期間においては、図14(K)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、ロック状態であったボタン画像94に刺さっていた矢画像97が消去されることによりロック状態が解除されたことが示唆され、中央部に一撃チャンスという文字を示すアイコン画像よりなる一撃アイコン画像97が表示される。一撃アイコン画像97が表示されると、「押せ!!」という文字よりなり、一撃操作(1回の操作)を示唆する一撃示唆画像94Cが表示される。図14(K)に示すような画像が表示されることにより、プッシュボタン120の一撃操作を促進するための一撃操作促進演出が開始される。
一撃操作有効期間においてプッシュボタン120が操作されると、図14(L)に示すような演出図柄91〜93の変動表示結果が表示されることにより、プッシュボタン120の一撃操作に対応した演出としての一撃操作対応演出が実行される。
一撃操作対応演出が実行されて変動表示結果が表示され、リーチ演出が終了した後は、リーチ演出の表示画面から通常の表示画面に戻り、画像が消去されていたアクティブ表示エリアAHAおよび保留表示エリア18cにおいて画像が復帰する態様で表示される。そのときにおいて、アクティブ表示エリアAHAでは、終了したリーチ演出(「SPA」または「SPB」)においてアクティブ画像が、ボタン画像94として使用されたため、アクティブ画像としては何も表示されない状態で画像が復帰する表示状態とされる。
以上に説明した特定操作演出では、「SPA」のリーチ演出が実行される例を示したが、「SPB」のリーチ演出も、「SPB」のリーチ演出と同様の演出態様で実行される。「SPB」のリーチ演出では、「SPA」のリーチ演出とは長押し操作有効期間等の演出期間が異なるが基本的に同様の演出が実行される。
図14に示す特定操作演出では、図14(B),(F)のように、遊技者の長押し操作が検出されていないことを特定可能な特定報知としての長押し操作促進演出が一定の位置でされることにより、遊技者の操作に関する報知の態様を明瞭化することができる。これにより、遊技者の操作を促進することができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(J)のように、表示領域において、操作無効演出が第3位置のように、第1位置以外の特定位置で実行されることにより、演出の実行位置により、操作有効期間ではなく、操作が受付けられない操作無効状態であることを明瞭に報知することができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(B),(F)のように、長押し促進演出が、遊技者の操作が検出されていない状態を示す第1態様(押圧されていない形状の表示態様)で実行され、図14(C)〜(E),(G)〜(I)のように、長押操作対応演出が、遊技者の操作が検出されている状態を示す第2態様(押圧されている形状の表示態様)で実行されるので、遊技者が長押し促進演出による特定報知と長押操作対応演出による特定報知とを報知態様により区別しやすくすることができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(C)〜(E),(G)〜(I)のように、遊技者の長押し操作が検出されたことを特定可能な報知としての長押し操作対応演出において、長押し操作が検出されていることに対応してボタン画像94の画像色が変化するというような報知態様の変化が実行されることにより、遊技者の操作が正常に検出されていることが報知できるとともに、遊技者の遊技への参加を促進することができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(C)〜(E),(G)〜(I)のように、遊技者の長押し操作が検出されたことを特定可能な報知としての長押し操作対応演出において、大当り遊技状態に制御されるか否かを色により示唆可能なボタン画像94の画像色が、長押し操作が検出されていることに対応して変化する報知態様の変化演出が実行されることにより、遊技者の操作が正常に検出されていることが報知できるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(D)に示すように、長押し操作対応演出においてボタン画像94の画像色が変化するときに、ボタン画像94が一旦拡大表示される拡大表示演出が実行されることにより、長押し操作対応演出の表示に遊技者を注目させることができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(F)に示すように、長押し操作対応演出により第2位置においてボタン画像94の画像色が変化した後に、遊技者の動作が検出されなくなったときでも、変化後の画像色で第1位置において長押し操作促進演出が実行可能であることにより、ボタン画像94の画像色が変化した状態を、遊技者が常に把握可能とすることができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(K)に示すように、長押し操作有効期間が終了すると、ボタン画像94の操作が無効であることを特定可能な報知が可能な操作無効演出が実行されることにより、遊技者の操作を受付けていないことを明確に報知することができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(J)に示すように、操作無効演出においては、ボタン画像94が、長押し操作有効期間における長押し操作対応演出でボタン画像94が変化した場合に、その変化後の色で表示され続けられる。これにより、長押し操作有効期間の終了後においても、長押し操作対応演出でのボタン画像94の画像色の種類を遊技者が把握することができる。
また、図14に示す特定操作演出では、図14(J)に示すように、長押し操作促進演出が実行される第1位置および長押し操作対応演出が実行される第2位置とは異なる第3位置において、操作無効演出が実行されることにより、促進演出遊技者の動作を受付けていないことを、長押し操作促進演出が実行される位置および長押し操作対応演出が実行される位置とは異なる位置に基づいて報知することができる。
操作無効演出が、図14(J)のようにアクティブ表示エリアAHAに対応する表示領域下部の第3位置で、アクティブ画像AHの代わりに、ボタン画像94がボタン画像94に矢画像97が刺さって固定状態となったことを示唆するロック状態を表示する報知態様で表示されることにより、表示領域の省スペース化と、遊技者の動作に関する特定報知に関する制御負担の軽減と、遊技演出の向上とを図ることができる。
[特定操作演出の操作有効期間例]
図15は、特定操作演出における操作有効期間の一例を示すタイミングチャートである。図15においては、特定操作演出の開始時から特定操作演出の終了時までの期間における操作有効期間の設定が、SPA演出とSPB演出とについて時間経過に応じて示されている。
SPA演出およびSPB演出のそれぞれにおいては、特定操作演出の開始時から長押し操作有効期間が開始され、長押し操作有効期間が終了すると、操作有効期間外の期間となり、操作有効期間外の期間が経過すると、一撃操作有効期間が開始され、特定操作演出の終了時に一撃操作有効期間が終了する。操作有効期間外の期間は、長押し操作有効期間および一撃操作有効期間のそれぞれの期間よりも長くなるように設定されている。
図15(a)に示すSPA演出は、図15(b)に示すSPB演出と比べて、特定操作演出が実行される期間が異なる。特定操作演出が実行される期間は、SPB演出の方がSPA演出よりも長い期間に設定されている。たとえば、SPB演出では、長押し操作有効期間、操作有効期間外の期間、および、一撃操作有効期間のそれぞれが、SPA演出におけるそれぞれの期間と比べて長い時間に設定されている。このように、SPA演出とSPB演出とは、特定操作演出の全体の期間の長さが異なり、特定操作演出を構成する各期間の長さが異なる。なお、SPA演出とSPB演出とは、特定操作演出を構成する各期間のちの少なくとも1つの期間の長さが異なってもよい。
図15に示した例では、SPB演出は、SPA演出と比べて、長押し操作有効期間の終了タイミングが遅く、操作有効期間外の開始タイミングおよび終了タイミングが遅く、一撃操作期間の開始タイミングおよび終了タイミングが遅い。
[特定操作演出の長押し操作時の画像色変化演出タイミング例]
図16は、特定操作演出での長押し操作時に実行される長押し操作対応演出によりボタン画像94およびエフェクト95の画像色が変化する演出(画像色変化演出)の演出タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図16においては、SPA演出およびSPB演出のそれぞれについて、長押し操作時の画像色変化演出の開始時から終了時までの期間における各色の表示期間の設定が示されることにより、画像色変化演出の演出タイミングが示されている。図16に示すような画像色変化演出の演出タイミングを特定可能なデータは、ROM102において、画像色の変化パターン毎に記憶されており、画像色変化演出の実行時に用いられる。
図16では、長押し操作対応演出において、ボタン画像色およびエフェクト画像色が「白」→「青」→「緑」→「赤」という複数の色変化区間に分けられたパターンで変化する変化パターンについての画像色変化演出タイミング例が示されている。図16においては、画像色変化演出の開始時からの経過時間に応じて、長押し操作の検出状態が継続されたときに、ボタン画像色およびエフェクト画像色がどのようなタイミングで、どのような色に変化するかという変化パターンが示されている。
画像色変化演出について、長押し操作の検出状態が継続されたときのボタン画像色およびエフェクト画像色は、長押し操作有効期間中における長押し操作継続時間の累積時間に基づいて、図16に示すような色変化区間に分けられた変化パターンで変化させてもよい。また、画像色変化演出について、長押し操作の検出状態が継続されたときのボタン画像色およびエフェクト画像色は、長押し操作有効期間中における期間開始時からの経過時間に応じて、現在がどの区間に該当するかを確認し、色変化区間ごとに所定時間(たとえば、2秒間等)以上操作が継続されたときに、所定時間以上操作が継続された色変化区間に対応する画像色に変化させるようにしてもよい。
図16(a)に示すSPA演出の画像色変化演出時間T1は、図16(b)に示すSPB演出の画像色変化演出時間T2と比べて、時間が長く設定されており、演出時間の長さが異なり、各色が表示される期間が異なり、各色変化のタイミングが異なる。たとえば、SPB演出の画像色変化演出時間T2においては、SPA演出の画像色変化演出時間T1と比べて、各色が表示される期間が短く、各色変化のタイミングが早いタイミングに設定されている。これにより、SPB演出では、SPA演出と比べて、画像色変化演出において、長押し操作が検出されたときにおける画像色が変化するタイミングが早くなる。
なお、図16(a),(b)に示すタイミングとは逆に、SPA演出の画像色変化演出時間T1が、SPB演出の画像色変化演出時間T2と比べて、時間が短く設定されることにより演出時間の長さが異なり、各色が表示される期間が異なり、各色変化のタイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、SPA演出の画像色変化演出時間T1においては、SPB演出の画像色変化演出時間T2と比べて、各色が表示される期間が短く、各色変化のタイミングが早いタイミングに設定されてもよい。
図16に示すボタン画像色に示すように、複数種類の画像色のいずれかにより長押し操作対応演出が行なわれることにより、演出のバリエーションを豊富化することができる。また、図16に示すように、SPA演出とSPB演出とで画像色の変化タイミングが異なることにより、演出のバリエーションをより一層豊富化することができ、演出の面白みを向上させることができる。
なお、SPA演出とSPB演出とで、画像色変化演出の操作有効期間自体の長さを異ならせ、操作有効期間自体の長さが長い方が、操作有効期間自体の長さが短い方と比べて、画像色が変化するタイミングが早くなるように設定してもよい。
[特定操作演出処理]
次に、図14〜図16を用いて説明した特定操作演出をするために演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される特定操作演出処理について説明する。図17は、特定操作演出処理を示すフローチャートである。図17の特定操作演出処理は、前述の演出制御プロセス処理に含まれる処理である。特定操作演出処理は、たとえば、演出制御プロセス処理の演出図柄変動中処理(S802)の一部を構成する処理である。
操作演出処理においては、まず、ステップSA(以下単にSAと呼ぶ)により、現在が図15に示す特定操作演出における長押し操作有効期間中であるか否かを判定する(SA1)。SA1においては、変動表示の開始時に受信した演出制御コマンドと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在が、特定操作演出における長押し操作有効期間中であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、特定操作演出が、特定の変動パターン(第3スーパーリーチ、第4スーパーリーチ)を指定する変動パターンコマンドを受信したときに実行され、長押し操作有効期間が当該変動パターンの開始時から所定の期間に設定されるからである。
SA1で長押し操作有効期間中ではないと判定されたときは、後述するSA5に進む。一方、SA1で長押し操作有効期間中であると判定されたときは、プッシュボタン120の長押し操作中であるか否かを判定する(SA2)。長押し操作がされているか否かの判定は、たとえば、演出制御プロセス処理に設けた長押し判定用の処理において、プッシュボタン120の操作検出信号が所定時間(たとえば、1秒間)以上継続して入力されているか否かを判定し、入力されているときに長押しフラグをセットする処理を実行し、その長押しフラグがセットされているか否かに基づいて行なわれる。長押しフラグは、プッシュボタン120の操作検出信号の継続入力が停止したときにリセットされる。
SA2で長押し操作中ではないと判定されたときは、図14(B),(F)に示すような長押し操作促進演出が実行され(SA3)、処理が終了する。これにより、特定操作演出の開始時には、図14(B)のような長押し操作促進演出が実行され、特定操作演出での長押し操作中に長押し操作状態が解除されたときには、図14(F)のような長押し操作促進演出が実行される。
SA2で長押し操作中であると判定されたときは、図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示すような長押し操作対応演出が実行され(SA4)、処理が終了する。SA4では、長押し操作時の時間経過等に応じて、たとえば、図16に示すような演出タイミングで、ボタン画像色変化演出およびエフェクト画像色変化演出が実行されることにより、図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示すような画像色変化演出が行なわれる。
前述のSA1で長押し操作有効期間中ではないと判定されたときは、現在が図15に示す特定操作演出における一撃操作有効期間中であるか否かを判定する(SA5)。SA5においては、変動表示の開始時に受信した演出制御コマンドと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在が、特定操作演出における一撃操作有効期間中であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、特定操作演出が、特定の変動パターン(第3スーパーリーチ、第4スーパーリーチ)を指定する変動パターンコマンドを受信したときに実行され、一撃操作有効期間が当該変動パターンの開始時から特定の期間に設定されるからである。
SA5で一撃操作有効期間中ではないと判定されたときは、消去法的に、現在が図15に示す特定操作演出における操作有効期間外であるので、操作期間外演出を実行し(SA6)、操作期間外演出としては、たとえば、図14(J)に示す操作無効演出等の演出が実行される。これにより、長押し操作有効期間が終了すると、長押し操作有効期間中の画像色変化演出で表示されたボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色を引き継ぐ態様で、ロック状態とされたボタン画像94を表示する等の操作無効演出が実行されることとなる。
一方、SA5で一撃操作有効期間中であると判定されたときは、一撃操作有フラグがセットされているか否かを判定する(SA7)。一撃操作有フラグは、一撃操作有効期間中に一撃操作が検出されたときに、一撃操作有を示すためにセットされるフラグであり、SA9によりセットされ、特定操作演出の終了時にリセットされる。
SA7で一撃操作有フラグがセットされていないときは、プッシュボタン120の操作検出信号が入力されているか否かに基づいて、一撃操作がされたか否かが判定される(SA8)。SA8で一撃操作がされていないときは、図14(K)に示すような一撃操作促進演出が実行され、処理が終了する。一方、SA8で一撃操作がされたときは、図14(L)に示すような一撃操作対応演出の実行が開始され(SA9)、一撃操作有フラグがセットされ(SA10)、処理が終了する。一撃操作対応演出は、所定期間に亘り実行される。
また、前述のSA7で一撃操作有フラグがセットされているときは、SA8に進まずに処理が終了することにより、一撃操作有効期間中に一撃操作が検出されると、その後は、一撃操作の検出に応じて開始された一撃操作対応演出の実行が特定操作演出期間が終了するまで継続されることとなり、一撃操作促進演出の再開、および、一撃操作対応演出の再開等の重複した処理の実行が回避される。
なお、前述した特定操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、プッシュボタン120のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能なプッシュセンサ124のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては遊技者によるスティックコントローラの操作を検出する傾倒方向センサユニットのようなその他の検出手段を用いてもよい。また、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
[特定操作演出の変形例]
次に、特定操作演出の変形例を説明する。
(1) 図14(B),(F)に示すように、表示領域において、長押し操作促進演出の表示が実行される第1表示位置は、表示領域の中央部である例を示した。しかし、これに限らず、第1表示位置は、表示領域の中央部以外の位置(たとえば、表示領域の上部、下部、左部、右部、隅部のような位置等)であってもよい。
(2) 図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示すように、表示領域において、長押し操作対応演出の表示が実行される第2表示位置は、表示領域の隅部である例を示した。しかし、これに限らず、第2表示位置は、表示領域の隅部以外の位置(たとえば、表示領域の中央部、上部、下部、左部、右部のような位置等)であってもよい。
(3) 図14(J)に示すように、表示領域において、操作無効演出の表示が実行される第3表示位置は、表示領域の下部である例を示した。しかし、これに限らず、第3表示位置は、表示領域の下部以外の位置(たとえば、表示領域の中央部、上部、左部、右部、隅部のような位置等)であってもよい。
(4) 図14(K)に示すように、表示領域において、一撃操作促進演出の表示が実行される表示位置は、表示領域の下部である例を示した。しかし、これに限らず、第3表示位置は、表示領域の下部以外の位置(たとえば、表示領域の中央部、上部、左部、右部、隅部のような位置等)であってもよい。また、表示領域において、一撃操作促進演出の表示が実行される表示位置は、操作無効演出の表示が実行される第3表示位置と異なる表示位置であってもよい。
(5) 図14(B),(F)に示す長押し操作促進演出は、遊技者の動作が検出されていないことを特定可能な第1特定報知として実行される演出である。第1特定報知としては、長押し操作促進演出に限らず、その他の種類の操作を促進する演出であってもよく、なんらかの操作を促進する演出であればよい。
(6) 図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示す長押し操作対応演出は、遊技者の動作が検出されていることを特定可能な第2特定報知として実行される演出である。第2特定報知としては、図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示す長押し操作対応演出に限らず、単に操作手段が操作されている画像を表示すること、または、単に操作手段が操作されていることを示す文字画像を表示する等のその他の種類の演出を実行してもよい。
(7) 図14に示す長押し操作促進演出および長押し操作対応演出は、プッシュセンサ等の動作検出手段による検出が受付け可能な有効期間に亘り、遊技者の動作に関する特定報知を実行可能な特定報知として実行される演出である。この場合の有効期間は、図14に示すような演出表示装置9の表示領域全体を用いて実行される長押し操作対応演出を実行することが有効となる期間である。しかし、これに限らず、このような有効期間は、演出表示装置9の表示領域全体を用いて実行される演出ではなく、表示領域の一部を用いて実行される演出の有効期間であってもよい。また、このような有効期間は、演出表示装置9での演出に加えて、音声制御の演出および発光制御の演出等のその他の演出が実行されるときにおいて、演出表示装置9およびその他の演出のうちのすべての演出を実行することが有効となる期間であってもよく、一部の演出(たとえば、演出表示装置9での演出)を実行することが有効となる期間であってもよい。また、このような有効期間は、動作検出手段の動作状態により設定される有効期間であってもよく、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御の状態により設定される有効期間であってもよい。また、このような有効期間は、操作によりボタン画像が第1位置から第2位置に移動可能な期間であり、ボタン画像およびエフェクト画像の態様を変化させることが可能な期間である。
(8) 図14(B)〜(I)に示す長押し操作促進演出および長押し操作対応演出では、ボタン画像94に加えて、長押し示唆画像94Aおよび長押し中画像94Bのような文字情報の画像を表示する例を示した。しかし、これに限らず、文字情報の画像は、表示しなくてもよい。
(9) 図14(B)〜(I)に示す長押し操作対応演出および長押し操作対応演出では、プッシュボタンの長押し操作が検出されているか否かに応じて、押圧されていない形状の画像、および、押圧されている形状の画像というような、種類が異なるボタン画像94を表示する例を示した。この場合の種類が異なるボタン画像94としては、画像が静止した状態での形状、色、大きさ等の種類が異なるものであってもよく、画像が動作する状態での形状、色、大きさ等の種類が異なるものであってもよい。
(10) 図14(J)に示す操作無効演出では、表示領域における第3位置で長押し操作の有効期間でないことを特定可能な報知演出が実行される。その第3位置は、長押し操作促進演出が実行される第1位置以外の特定位置であればどの位置で実行されてもよく、たとえば、第2位置等のその他の位置で実行されてもよい。操作有効期間外における操作無効演出では、遊技者の動作(操作)検出に応じた演出以外の演出により、ボタン画像94の画像色を変化させる演出を実行可能としてもよい。その演出としては、たとえば、キャラクタ画像等の特定可能がボタン画像94に作用する表示をすることに応じて、ボタン画像94の画像色を変化させる作用演出等の各種演出を実行してもよい。このようにすることで、遊技者は操作有効期間の終了後においてもボタン画像の画像色の変化を期待でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 図14(C)〜(J)に示すように、特定操作演出では、ボタン画像94に伴なってエフェクト画像95を表示する例を示したが。しかし、これに限らず、特定操作演出では、エフェクト画像95を表示しなくてもよい。このようにすれば、演出画像の視認性を保つことができる。また、エフェクト画像95は、ボタン画像94の画像色と同じ色で表示されなくてもよく、たとえば、ボタン画像94の画像色が次に変化する変化先の画像色等のその他の色で表示されてもよい。
(12) 図14(K)に示すように、一撃操作促進演出では、ボタン画像94を第3位置で表示する例を示した。しかし、一撃操作促進演出では、ボタン画像94を第1位置で表示してもよい。一撃操作促進演出では、ボタン画像94を第2位置で表示してもよい。一撃操作促進演出では、ボタン画像94を第1位置〜第3位置以外の特定の位置で表示してもよい。一撃操作促進演出では、ボタン画像94以外の表示領域をブラックアウト(暗転)させる表示をしてもよい。このようにすれば、ボタン画像94に注目させることができるとともに、操作促進演出を明瞭に行なうことができる。
(13) 図14(J)に示す操作無効演出では、操作有効期間外にプッシュボタン120が操作されたときに、操作が受付けられないことを特定可能とする音声(言語メッセージ等)出力、効果音(ブザー音等)出力、および、発光手段の動作(点灯、点滅、消灯等)の少なくともいずれかを実行することにより、操作が無効であることを報知してもよい。このようにすれば、遊技者は操作有効期間外であることを容易に把握することができる。大当り表示結果とすることが決定されているときにおいて、操作無効演出では、所定の大当り確定音をスピーカ27から出力する等、大当りが確定したことを特定可能な大当り確定報知を実行可能としてもよい。このようにすれば、遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
(14) 図14に示す操作無効演出では、ボタン画像94およびエフェクト画像95は、形状変化および色変化等の画像変化をさせなくてもよい。その場合には、画像変化がされないときの方が画像変化がされたときよりも大当りの期待度が高くなるような演出制御をしてもよく、その逆の演出制御をしてもよい。このようにすれば、遊技者に違和感と驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
(15) 図14に示す操作無効演出では、長押し操作有効期間中に長押し操作がされなかったときに、図14(K),(L)のような一撃操作促進演出および一撃操作対応演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、演出を遊技者の趣向に合わせることができ、遊技の興趣を損ねないようにすることができる。図14に示す操作無効演出では、長押し操作有効期間中に長押し操作がされなかったときに、図14(K),(L)のような一撃操作促進演出および一撃操作対応演出を実行するが、ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色は、長押し操作促進演出の開始時から変化しないようにしてもよい。このようにすれば、遊技者はボタン画像の画像色により大当りか否かを予測できないため、ドキドキ感を得ることができる。図14に示す操作無効演出では、長押し操作有効期間中に長押し操作がされなかったときに、一撃操作有効期間の開始時に、ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色を、予め決定されていた画像色の変化パターンにおける最終段階の画像色に1回で変化させて、図14(K),(L)のような一撃操作促進演出および一撃操作対応演出を実行してもよい。このようにすれば、長押し操作を行なわなくても大当りの期待度を示唆することができ、遊技の興趣を向上することができる。
(16) 図14(K)に示す一撃操作促進演出で表示されるボタン画像94の大きさは、ボタン画像の色の種類(大当りの期待度)によって異なるようにしてもよい(変化する色の種類の大当り期待度が高い程大きくなるようにしてもよく、逆に、変化する色の種類の大当り期待度が高い程小さくなるようにしてもよい)。このようにすれば、遊技者は大当りの期待度を色以外の態様で認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(17) メイン(主)表示手段として演出表示装置9を備え、サブ(副)表示手段として小型画像表示装置等のその他の表示装置を備えるパチンコ遊技機においては、図14に示す特定操作演出のうち、長押し操作促進演出および長押し操作対応演出をメイン表示手段で表示し、一撃操作促進演出および一撃操作対応演出をサブ表示手段で表示する表示の割振り制御をしてもよく、その逆の割振り制御をしてもよい。その場合において、操作無効演出は、メイン表示手段で表示してもよく、サブ表示手段で表示してもよい。このようにすれば、表示手段ごとに長押し操作と一撃操作とを区別することができ、間違った操作を行なってしまうことを防ぐことができる。また、長押し操作促進演出をメイン表示手段で表示し、長押し操作対応演出をサブ表示手段で表示する表示の割振り制御をしてもよく、その逆の割振り制御をしてもよい。このようにすれば、長押し操作が正常に受付けられているかをより明瞭に報知することができる。
(18) 図14(J)に示す操作無効演出におけるロック状態においては、ボタン画像の画像色を変化可能としてもよく、ボタン画像の画像色を変化不可能としてもよい。操作無効演出におけるロック状態においては、現実の動作検出手段であるプッシュセンサ124を、実際に操作不能なロック状態に制御するようにしてもよい。たとえば、操作無効演出におけるロック状態においては、プッシュボタン120を実際に押圧してもプッシュボタン120が押圧操作不可能な状態に固定されていて制御するような実際的なロック状態にする制御をしてもよい。このようにすれば、遊技者は操作無効演出の実行中であることを容易に把握できる。
(19) 図14(D)に示す拡大表示演出における拡大時のボタン画像94の大きさは、変化する色の種類が大当りの期待度によって異なるようにしてもよい(変化する色の種類の大当り期待度が高い程大きくなるようにしてもよく、逆に、変化する色の種類の大当り期待度が高い程小さくなるようにしてもよい)。このようにすれば、遊技者は大当りの期待度を色以外の態様で認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(20) ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色については、長押し操作に応じて段階的に変化するものを前述したが、これに限らず、段階的な変化以外の変化パターンで変化するようにしてもよい。たとえば、長押し操作に応じてメーター値が溜まる所定のメーターを表示し、メーター値が所定値まで溜まったときに、ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色を変化させる演出を実行してもよい(ボタン画像94の画像色のみを変化させてもよい)。このようにすれば、遊技者のボタン画像の画像色変化演出に対する興趣を向上させることができる。
(21) ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色については、長押し操作に応じて段階的に変化するものを前述したが、これに限らず、長押し操作に応じて背景画像の表示態様(画像色等)が変化していくことにより、ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色の変化を示唆する演出をし、特定の表示態様(特定の色等)まで表示態様が変化したときに、ボタン画像94およびエフェクト画像95の画像色を変化させる演出を実行してもよい(ボタン画像94の画像色のみを変化させてもよい)。
(22) ボタン画像94については、長押し操作に応じて表示態様がメーターのように変化する形状の画像として表示し、長押し操作に応じてメーター値が所定値まで溜まった画像表示態様となったときに、ボタン画像94の画像色を変化させる演出を実行してもよい。このようにすれば、遊技者はボタン画像の画像色の変化タイミングを予め把握でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(23) 特定操作演出において、アクティブ画像AHがボタン画像94に変化するときの変化態様については、アクティブ画像AHが「白」の画像色のボタン画像94に変化した後に長押し操作促進演出が開始される演出以外に、次のような演出を実行してもよい。アクティブ画像AHの画像色が、ボタン画像94と同様に大当りの期待度によって変化する場合において、たとえば、特定操作演出の開始時のアクティブ画像AHがボタン画像94に変化するときに、直前のタイミングにおけるアクティブ画像AHの画像色と同じ画像色のボタン画像94に変化するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者はボタン画像がアクティブ画像の代わりであることを認識しやすくなる。また、特定操作演出の開始時のアクティブ画像AHがボタン画像94に変化するときに、直前のタイミングにおけるアクティブ画像AHの画像色よりも所定段階(たとえば1段階)大当りの期待度が高い画像色のボタン画像94に変化するようにしてもよい。
(24) 図15においては、操作有効期間外の期間が、長押し操作有効期間および一撃操作有効期間のそれぞれの期間よりも長い例を示した。しかし、操作有効期間外の期間は、押し操作有効期間および一撃操作有効期間のそれぞれの期間よりも短い期間となるように設定してもよい。
(25) 特定操作演出において、演出制御用マイクロコンピュータ100により長押し操作として認識される操作期間は、たとえば、1秒間以上の継続操作というような所定期間に設定されている例を示した。しかし、これに限らず、誤操作による誤動作をより一層低減するために、長押し操作として認識される操作期間は、3秒間以上等の明らかに誤操作により長押し操作と判定されないような比較的長い期間に設定されてもよい。このようにすれば、誤操作(例えば、連打)によりボタン画像が第1位置および第2位置を不要に移動することを防止することができ、制御上の負担を軽減することができる。
(26) 長押し操作有効期間の開始当初に長押し操作が検出されず、長押し操作有効期間の途中から長押し操作が検出された場合においては、以下の(27)〜(29)に示すように、長押し操作有効期間の残期間に応じて、ボタン画像色変化演出におけるボタン画像94の色等の表示態様を変化させるタイミングを調整可能とする演出制御をしてもよい。このようにすれば、有効期間の途中から長押し動作を開始しても、ボタン画像を最終的に変化予定である画像色に確実に変化させることができる。
(27) たとえば、ボタン画像色が「白→青→緑」の順番で変化する場合において、最初の「白→青」の色変化演出に要する時間を基本設定時間よりも短縮することにより、長押し操作有効期間の残期間に応じて、ボタン画像色の変化タイミングを調整して、ボタン画像色変化演出の実行に要する期間を調整してもよい。
(28) たとえば、ボタン画像色が「白→青→緑」の順番で変化する場合において、青への変化を飛ばして、「白→緑」の順番で変化させることにより、長押し操作有効期間の残期間に応じて、ボタン画像色の変化タイミングを調整して、ボタン画像色変化演出の実行に要する期間を調整してもよい。
(29) たとえば、ボタン画像色が「白→青→緑→赤」の順番で変化する場合において、すべての画像色間の色変化演出に要する時間をそれぞれ基本設定時間よりも短縮することにより、長押し操作有効期間の残期間に応じて、ボタン画像色の変化タイミングを調整して、ボタン画像色変化演出の実行に要する期間を調整してもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図14(B),(F)に示すように、特定操作演出では、遊技者の長押し操作が検出されていないことを特定可能な特定報知としての長押し操作促進演出が一定の位置でされることにより、遊技者の操作に関する報知の態様を明瞭化することができる。これにより、遊技者の操作を促進することができる。さらに、図16に示すボタン画像色に示すように、複数種類の画像色のいずれかにより長押し操作対応演出が行なわれることにより、演出のバリエーションを豊富化することができる。さらに、図14に示す特定操作演出では、図14(J)のように、表示領域において、操作無効演出が第3位置のように、第1位置以外の特定位置で実行されることにより、演出の実行位置により、操作有効期間ではなく、操作が受付けられない操作無効状態であることを明瞭に報知することができる。
(2) 図14(B),(F)に示すように、特定操作演出では、長押し促進演出が、遊技者の操作が検出されていない状態を示す第1態様で実行され、図14(C)〜(E),(G)〜(I)のように、長押操作対応演出が、遊技者の操作が検出されている状態を示す第2態様で実行されるので、遊技者が長押し促進演出による特定報知と長押操作対応演出による特定報知とを報知態様により区別しやすくすることができる。
(3) 図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示すように、特定操作演出では、遊技者の長押し操作が検出されたことを特定可能な報知としての長押し操作対応演出において、長押し操作が検出されていることに対応してボタン画像94の画像色が変化するというような報知態様の変化が実行されることにより、遊技者の操作が正常に検出されていることが報知できるとともに、遊技者の遊技への参加を促進することができる。
(4) 図14(C)〜(E),(G)〜(I)に示すように、特定操作演出では、遊技者の長押し操作が検出されたことを特定可能な報知としての長押し操作対応演出において、大当り遊技状態に制御されるか否かを色により示唆可能なボタン画像94の画像色が、長押し操作が検出されていることに対応して変化する報知態様の変化演出が実行されることにより、遊技者の操作が正常に検出されていることが報知できるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図14(D)に示すように、特定操作演出では、長押し操作対応演出においてボタン画像94の画像色が変化するときに、ボタン画像94が一旦拡大表示される拡大表示演出が実行されることにより、長押し操作対応演出の表示に遊技者を注目させることができる。
(6) 図14(F)に示すように、特定操作演出では、長押し操作対応演出により第2位置においてボタン画像94の画像色が変化した後に、遊技者の動作が検出されなくなったときでも、変化後の画像色で第1位置において長押し操作促進演出が実行可能であることにより、ボタン画像94の画像色が変化した状態を、遊技者が常に把握可能とすることができる。
(7) 図16に示すように、特定操作演出では、SPA演出とSPB演出とで画像色の変化タイミングが異なることにより、演出のバリエーションをより一層豊富化することができ、演出の面白みを向上させることができる。
(8) 図14(K)に示すように、特定操作演出では、長押し操作有効期間が終了すると、ボタン画像94の操作が無効であることを特定可能な報知が可能な操作無効演出が実行されることにより、遊技者の操作を受付けていないことを明確に報知することができる。
(9) 図14(J)に示すように、操作無効演出では、ボタン画像94が、長押し操作有効期間における長押し操作対応演出でボタン画像94が変化した場合に、その変化後の色で表示され続けられる。これにより、長押し操作有効期間の終了後においても、長押し操作対応演出でのボタン画像94の画像色の種類を遊技者が把握することができる。
(10) 図14(J)に示すように、特定操作演出では、長押し操作促進演出が実行される第1位置および長押し操作対応演出が実行される第2位置とは異なる第3位置において、操作無効演出が実行されることにより、促進演出遊技者の動作を受付けていないことを、長押し操作促進演出が実行される位置および長押し操作対応演出が実行される位置とは異なる位置に基づいて報知することができる。
(11) 図14(J)に示すように、アクティブ表示エリアAHAに対応する表示領域下部の第3位置で、アクティブ画像AHの代わりに、ボタン画像94がボタン画像94に矢画像97が刺さって固定状態となったことを示唆するロック状態を表示する報知態様で表示されることにより、表示領域の省スペース化と、遊技者の動作に関する特定報知に関する制御負担の軽減と、遊技演出の向上とを図ることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(4) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(6) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(7) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。