JP6436490B2 - ボーリング孔修正工法 - Google Patents

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Description

本発明は、切削されたボーリング孔が施工予定位置から偏奇(所謂「孔曲がり」:例えば、傾斜或いは湾曲)した場合に修正する技術に関する。
例えば、改良するべき地盤中に薬液、固化材を注入、噴射し、或いは、薬液や固化材を地盤に吐出しつつ撹拌翼で撹拌して、地中固結体を造成する技術では、先ず、施工するべき土壌中にボーリング孔を切削する工程を実施する。その様なボーリング孔は、例えば下方に切削流体を噴射する掘削機械を用いて切削される。
しかし、従来のボーリング孔の切削に際しては、図6で示す様に、ボーリング孔Hが施工予定位置(設計経路)に対して偏奇してしまう場合が存在する。図6において、ボーリング孔Hが傾斜或いは湾曲すること無く切削された場合を、仮想的に一点鎖線で表示している。
ここで、地上側の条件や地下埋設物等に起因して、ボーリング孔は特定の位置にしか切削できない場合が多く、その様な条件下でボーリング孔が施工予定位置から偏奇してしまった場合には、当該偏奇したボーリング孔を施工予定位置に適合したボーリング孔に修正しなければならない。
偏奇したボーリング孔を修正する際に、従来技術では、当該偏奇したボーリング孔を切削した掘削機械よりも細径の掘削機械を用いて、施工予定位置に適合したボーリング孔に修正していた。
しかし、細径の掘削機械を用いて修正されたボーリング孔には、大径の噴射装置等を挿入することができないという問題が存在する。
その他の従来技術として、例えばボーリングロッド先端に位置情報発信装置を内蔵して、当該ボーリングロッドで切削されたボーリング孔の先端位置を計測する技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術では、切削されたボーリング孔の位置を把握することが出来たとしても、当該ボーリング孔が傾斜或いは偏奇してしまった場合に修正することは出来ない。
特開2006−152594号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、切削されたボーリング孔が施工予定位置から偏奇(例えば、傾斜或いは湾曲)してしまった場合に、容易且つ効率的に施工予定位置に修正することが出来るボーリング孔修正工法の提供を目的としている。
本発明のボーリング孔修正工法は、施工予定位置から偏奇(例えば、傾斜或いは湾曲)したボーリング孔(H)を施工予定位置まで修正するボーリング孔修正工法において、
切削流体(例えば、高圧水)を供給する流路に計測装置(例えば、「ジャイロ」と呼称される細径の計測装置)を挿入して、切削されたボーリング(H)の位置、切削径路を計測する工程と、
掘削装置(1)の側面噴射部(1B)に設けられた側面噴射ノズル(1N)から、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤に向って切削流体(例えば、高圧水)を噴射して(噴流J)、当該領域(R)の地盤を緩める工程を含み、
前記地盤を緩める工程では、掘削装置(1)を中心軸(1C)に対して回転させながら(矢印A)切削流体を噴射し(噴流J)、掘削装置(1)の回転速度は一様ではなく、側面噴射ノズル(1N)が前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した円周方向領域(RA)に位置していない(ノズル1Nが領域RAには位置していない)時(切削流体の噴射方向が領域RA外である時:噴流Jが範囲RA外の時)の回転速度に比べて、側面噴射ノズル(1N)が前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した円周方向領域(RA)に位置している時の回転速度は遅く、
掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動して、当該掘削装置(1、2)の先端をボーリング孔(H)が施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置(P)或いはそれよりもボーリング孔(H)の始点側に位置せしめる工程と、
偏奇開始位置(P)からボーリング孔(H)の切削を再開して、切削流体の噴流(J)で緩められ掘削装置(1)が移動する際の抵抗が少なくなった領域(R)を掘削装置(1)が切削する工程を有することを特徴としている。
また本発明のボーリング孔修正工法は、施工予定位置から偏奇(例えば、傾斜或いは湾曲)したボーリング孔(H)を施工予定位置まで修正するボーリング孔修正工法において、
切削流体(例えば、高圧水)を供給する流路に計測装置(例えば、「ジャイロ」と呼称される細径の計測装置)を挿入して、切削されたボーリング(H)の位置、切削径路を計測する工程と、
掘削装置(1)の側面噴射部(1B)に設けられた側面噴射ノズル(1N)から、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤に向って切削流体(例えば、高圧水)を噴射して(噴流J)、当該領域(R)の地盤を緩める工程を含み、
前記地盤を緩める工程では、掘削装置(1)をその中心軸(1C)に対して時計方向への回動と反時計方向への回動を繰り返して、前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した領域(RA)に対応する角度のみ往復回動をしつつ、側面噴射ノズル(1N)から切削流体を噴射し、
掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動して、当該掘削装置(1)の先端をボーリング孔(H)が施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置(P)或いはそれよりもボーリング孔(H)の始点側に位置せしめる工程と、
偏奇開始位置(P)からボーリング孔(H)の切削を再開して、切削流体の噴流(J)で緩められ掘削装置(1)が移動する際の抵抗が少なくなった領域(R)を掘削装置(1)が切削する工程を有することを特徴としている。
本発明において、掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動する(引き抜く)に際しては、ボーリング孔(H)が施工予定よりも偏奇するのを開始した箇所よりも、掘削装置(1)1つのロッドの長さだけ移動する(引き抜く)ことが好ましい。
ここで、掘削装置1の1つのロッドの長さ(1ストローク分の距離は、掘削装置1により異なっており、ケース・バイ・ケースで決定される。
上述の構成を具備する本発明によれば、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤に向って掘削装置(1、2)から切削流体を噴射して(噴流J)、当該領域(R)の地盤を緩めるので、当該領域(R)は噴射された切削流体により原位置土が緩まり、修正するべき方向に掘削装置(1、2)が移動する。
或いは、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤が切削流体の噴流(J)で緩められた後、掘削装置(1、2)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動して、掘削装置(1、2)の先端をボーリング孔(H)が施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置(P)近傍まで移動して、その位置から、再び地中側にボーリング孔(H)を切削すれば、上述した様に、修正するべき方向は、掘削装置(1、2)が移動する際の抵抗が少ないので、掘削装置(1、2)はボーリング孔(H)を修正するべき方向に移動し、施工予定位置に修正することが出来る。それに加えて、掘削装置(1、2)を構成するロッド状部材の弾性反撥力が作用するので、ロッド及び噴射装置(すなわち掘削装置)は真直に進行する。この様に、掘削装置(1、2)は施工予定位置側に移動して、ボーリング孔(H)は修正される。
ここで、施工予定位置が垂直方向に延在するボーリング孔であれば、掘削装置(1、2)の重力(ロッドも含む)により、掘削装置(1、2)は垂直方向に進行するので、ボーリング孔(H)は施工予定位置に修正される。
上述した様に、本発明によれば、偏奇したボーリング孔(H)を切削した掘削装置(1、2)を用いてボーリング孔(H)を施工予定位置まで修正することが出来るので、それよりも細径の掘削装置(噴射装置)を挿入して、修正されたボーリング孔(H)の径を当初よりも細くする必要がない。
そのため、修正されたボーリング孔(H)内に、所望の寸法の各種機器を挿入することが可能である。
また本発明によれば、掘削装置(1、2)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動する(引き抜く)に際しては、ボーリング孔(H)が施工予定よりも偏奇するのを開始した箇所よりも前記始点側、例えば掘削装置(1、2)の1ストローク分の距離だけ移動すれば(引き抜けば)良い。そのため、掘削装置(1、2)をボーリング孔(H)の始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)まで戻す必要がなく、掘削装置(1、2)を完全に引き抜いて、再度挿入する工程が不要であり、その分だけ、ボーリング孔修正のコストを節減することが可能である。
本発明の実施形態を示す正面断面図である。 実施形態において、ボーリング孔を修正するべき方向に切削流体を噴射する工程を示す平面図である。 図2とは別の態様により切削流体を噴射する工程を示す平面断面図である。 本発明の実施形態により、ボーリング孔を修正するべき方向の領域が緩められた状態を示す正面断面図である。 本発明の実施形態でボーリングロッドが適正な施工予定位置に修正された状態を示す正面断面図である。 ボーリングロッドが適正な施工予定位置に対して偏奇している状態を示す正面断面図である。
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図6で示す様に、切削されたボーリング孔Hが施工予定位置(垂直方向に真直な状態)に対して偏奇してしまった場合には、図1で示す様に、偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側(図1では左側)の領域Rの地盤に向かって掘削装置1から切削流体(例えば、高圧水ジェット)を噴射して(噴流J)、当該地盤(領域Rの地盤)を緩める。図示は省略されているが、図1における掘削装置1は地上側の掘削装置(図示せず)に接続されている。
図1において、掘削装置1は先端(図1では下端)近傍にロッド状部材を有し、当該ロッド状部材から地盤切削用流体(例えば高圧水)が噴射される。図1では、当該噴射装置から噴射される複数の地盤用切削流体の噴流には符号Jが付されている。
図1で示すように、掘削装置1により地盤Gにボーリング孔Hが切削される。
ここで、地点P(偏奇開始位置)からボーリング孔Hが、垂直方向真下の施工予定位置から偏奇している。そして掘削装置1も、前記偏奇開始地点Pから掘削装置1の先端にかけて、偏奇したボーリング孔Hの形状に沿って配置されている(弾性変形している)。
なお、掘削装置1は公知の機器が適用され、ボーリング孔Hの切削に際しては、図示しない外部供給源からの切削用流体(例えば、高圧水)が供給され、当該切削用流体を掘削装置1先端の噴射部1Aから地中に噴射して、ボーリング孔Hを切削している。ボーリング孔Hの切削の際に生じたスラリーは、掘削装置1内の図示しない通路から地上側に排出される。
掘削装置1の側面の先端近傍の領域には側面噴出部1Bが設けられており、側面噴出部1Bから地盤に向かって概略水平方向に切削流体が噴射される(噴流J)。側面噴出部1Bは、複数の側面噴射ノズル1Nを有している。
図示の実施形態では、側面噴射ノズル1Nは円周方向について1個設けられており、ロッド20の軸線1C方向に複数個設けられている。ここで、噴射ノズル1Nを円周方向について1個だけ設けるか、或いは、複数個設けるかについては、施工条件等に応じて決定される。また、ロッド20の軸線1C方向に亘って噴射ノズル1Nを何個設けるのかについても、施工条件等に応じて決定する。
掘削装置1は、図示しない外部供給源から供給された切削用流体(例えば、高圧水)を、先端噴射部1Aに連通する流路から、側面噴射部1Bの各噴射ノズル1Nに連通する流路に切り換える図示しない切換手段(従来公知の機器)を備えている。
ここで、切削用流体を先端噴射部1Aに連通する流路に図示しない計測装置(例えば、「ジャイロ」と呼称される細径の計測装置)を挿入して、切削されたボーリングHの実際の位置、切削径路を計測することが出来る。
図1で示す様に、ボーリング孔Hが施工予定位置から偏奇して切削されてしまった場合には、掘削装置1内の切削用流体の流路を、先端噴射部1Aに連通する流路から側面噴射部1Bのノズル1Nに切り換える。そして、各ノズル1Nから、偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側(図1では左側)の領域Rの地盤に向かって、切削流体(例えば高圧水)を噴射して領域Rの地盤を緩める。
側面噴射部1Bの各側面噴射ノズル1Nから(概略水平方向に)切削流体を噴射する態様は、図2或いは図3に示されている。
先ず図2に示す様に、掘削装置1を中心軸1Cに対して、例えば矢印Aで示す様に回転させながら、各側面噴射ノズル1N(図示せず)から切削流体を噴射する(噴流J)。
ここで、掘削装置1の矢印A方向の回転速度は一様ではなく、側面噴射ノズル1Nが前記施工予定位置側(図1の左側)の領域R(図1)の地盤に対向した円周方向位置にある時、すなわち図2においてノズル1Nが符号RAで示す領域内に位置している時(切削流体の噴射方向が符号RAの範囲にある時:噴流Jが範囲RA内の時)は、掘削装置1の回転速度を遅くする。一方、側面噴射ノズル1Nが施工予定位置側領域Rの地盤に対向していない時、すなわち図2においてノズル1Nの円周方向位置が領域RAには位置していない時(切削流体の噴射方向が領域RA外である時:噴流Jが範囲RA外の時)は掘削装置1の前記回転の角速度を速くする。
掘削装置1の矢印A方向の回転速度を上述した様に非一様とすることにより、偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側領域R(図1)の地盤に対しては、それ以外の領域に比較して、切削流体を長い時間(大量に)噴射することが出来るので、前記施工予定位置側の領域Rの地盤を重点的に緩めることが出来る。
ここで、掘削装置1の回転方向は、図2で示す矢印A方向(時計方向)ではなく、図2における反時計方向(矢印Aとは逆方向)とすることも可能である。
一方、図3で示すように、側面噴射ノズル1N(図1)から噴射される切削流体の噴射方向が、施工予定位置側(図1の左側)の領域Rの地盤にのみ向かう様に、換言すれば、図3の符号RAで示す領域のみに切削流体が噴射される様に、掘削装置1をその中心軸1Cに対して、矢印Bで示す様に、時計方向への回動と反時計方向への回動を繰り返して、符号RAで示す角度のみ往復回動させることが出来る。
その様な往復回動(符号RAで示す角度のみの往復回動)をしつつ、側面噴射ノズル1N(図1)から切削流体を噴射すれば、偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側領域R(図1)の地盤に対してのみ切削流体を噴射することが出来て、施工予定位置側領域Rの地盤を集中的に緩めることが出来る。
図示されていないが、掘削装置1を回転、回動せずに、円周方向について所定長さに亘って複数個のノズルを配置して、当該ノズルを偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側領域R(図1)の地盤と対向する様にせしめ、切削流体を噴射して、施工予定位置側領域Rの地盤を緩めることも可能である。
偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側領域R(図1)の地盤を緩める態様については、施工条件に応じて決定することが出来る。
図4では、偏奇したボーリング孔Hの施工予定位置側(図4の左側)の領域R、すなわちボーリング孔Hを修正するべき方向の領域Rが緩められた状態を示している。
図4で示す状態では、領域Rは、噴射された切削流体により緩められているが、領域R以外の領域は地盤の状態が保持されている。そのため、切削流体で緩められている領域Rは、それ以外の領域に比較して、掘削装置1の移動に対する抵抗力が減少している。そして、偏奇した(ロッド20を含む)掘削装置1が、領域R側に移動(修正)する際における抵抗も減少する。
次に、図4に示す状態から、掘削装置1をボーリング孔Hの始点側(垂直なボーリング孔であれば地上側:所謂「水平ボーリング」であれば羽口側)に移動して(引き抜いて)、掘削装置1の先端を、ボーリング孔Hが施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置Pの近傍まで移動する。なお、掘削装置1を偏奇開始位置Pの近傍まで移動した状態は図示していない。
ここで、掘削装置1を始点側(地上側)に移動する(引き抜く)に際しては、ボーリング孔Hが施工予定よりも偏奇するのを開始した箇所よりも若干始点側(地上側)に、例えば掘削装置1の1ストローク分の距離だけ、移動すれば(引き抜けば)良い。ここで、掘削装置1の1ストローク分の距離は、掘削装置1により異なっている。
掘削装置1を始点側(地上側)に移動した後(引き抜いた後)、再び掘削装置1を地中側に移動させつつ、ボーリング孔Hを切削する。
上述の様に、偏奇したボーリング孔Hの修正すべき方向は切削流体噴流Jで緩められており、掘削装置1が移動する際の抵抗が少なくなっているので、掘削装置1は(偏奇したボーリング孔Hの)修正するべき方向に移動し、施工予定位置(掘削装置1は垂直真下方向に延在する)に修正することが出来る。
また、掘削装置1或いはロッド20の弾性反撥力が掘削装置1或いはロッド20が作用するので、掘削装置1或いはロッド20は真直な方向(施工予定位置に向かう方向)に進行する。
なお、掘削装置1或いはロッド20に作用する弾性反撥力により、掘削装置1或いはロッド20は施工予定位置側(図4の左側)に移動する様に付勢されるので、掘削装置1を偏奇開始位置Pの近傍まで移動しなくても、図4に示す状態から掘削装置1或いはロッド20は真直ぐな状態に修正される場合も存在する。
さらに、図示の実施形態の様に施工予定位置が垂直方向に延在する場合には、掘削装置1或いはロッド20を含む掘削装置1の重力も作用し、掘削装置1は垂直方向に進行する。そのため、ボーリング孔Hは施工予定位置に修正される。
その結果、図5で示すように、掘削装置1或いはロッド20は真直な状態となり、ボーリング孔Hは修正される。
図5において、ボーリング孔Hは修正されており、掘削装置1は真直ぐな状態で施工予定位置に移動しており、ボーリング孔Hの施工予定位置が切削されている。
図1〜図5に示す実施形態によれば、偏奇したボーリング孔Hの修正に当たって、偏奇したボーリング孔Hを切削した当初の掘削装置1をそのまま用いてボーリング孔Hを施工予定位置まで修正することが出来る。したがって、修正時により細径の掘削装置(噴射装置)に変更して、それをボーリング孔Hに挿入して、修正されたボーリング孔Hの径を当初よりも細く切削する必要がない。
そのため、その後の工程においても、修正されたボーリング孔H内に、所望の寸法の各種機器を挿入することが可能である。
また、ボーリング孔Hの修正の際に、再び掘削装置1によりボーリング孔Hを切削するのに先立ち、掘削装置1をボーリング孔Hの始点側(地上側)に移動する(引き抜く)場合も存在するが、その様に場合においても、掘削装置1の先端をボーリング孔Hが施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置Pの近傍まで(例えば、偏奇開始位置Pよりも掘削機械1の1ストローク分だけ始点側の位置まで)移動すれば良く、掘削装置1をボーリング孔Hの始点側(例えば地上側)まで移動させる必要がない。
そのため、掘削装置1を完全に引き抜いて、再度、ボーリング孔Hに挿入する必要が無く、ボーリング孔修正のコストを節減することが可能である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では垂直方向に延在するボーリング孔を切削する場合が例示されているが、水平方向にボーリング孔を切削する場合や、斜め方向にボーリング孔を切削する場合についても、本発明を適用することが出来る。
1・・・掘削装置
1A・・・先端噴射部
1B・・・側面噴出部
1C・・・中心軸
1N・・・側面噴射ノズル
H・・・ボーリング孔
P・・・偏奇開始位置
R・・・施工予定位置側の領域
RA・・・領域Rの地盤に対応する切削流体の噴射方向
J・・・切削流体の噴流

Claims (3)

  1. 施工予定位置から偏奇したボーリング孔(H)を施工予定位置まで修正するボーリング孔修正工法において、
    切削流体を供給する流路に計測装置を挿入して、切削されたボーリング(H)の位置、切削径路を計測する工程と、
    掘削装置(1)の側面噴射部(1B)に設けられた側面噴射ノズル(1N)から、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤に向って切削流体を噴射して(J)、前記領域(R)の地盤を緩める工程を含み、
    前記地盤を緩める工程では、掘削装置(1)を中心軸(1C)に対して回転させながら(A)切削流体を噴射し(J)、掘削装置(1)の回転速度は一様ではなく、側面噴射ノズル(1N)が前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した円周方向領域(RA)に位置していない時の回転速度に比べて、側面噴射ノズル(1N)が前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した円周方向領域(RA)に位置している時の回転速度は遅く、
    掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側に移動して、当該掘削装置(1)の先端をボーリング孔(H)が施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置(P)或いはそれよりもボーリング孔(H)の始点側に位置せしめる工程と、
    偏奇開始位置(P)からボーリング孔(H)の切削を再開して、切削流体の噴流(J)で緩められ掘削装置(1)が移動する際の抵抗が少なくなった領域(R)を掘削装置(1)が切削する工程を有することを特徴とするボーリング孔修正工法。
  2. 施工予定位置から偏奇したボーリング孔(H)を施工予定位置まで修正するボーリング孔修正工法において、
    切削流体を供給する流路に計測装置を挿入して、切削されたボーリング(H)の位置、切削径路を計測する工程と、
    掘削装置(1)の側面噴射部(1B)に設けられた側面噴射ノズル(1N)から、偏奇したボーリング孔(H)の施工予定位置側の領域(R)の地盤に向って切削流体を噴射して(J)、当該領域(R)の地盤を緩める工程を含み、
    前記地盤を緩める工程では、掘削装置(1)をその中心軸(1C)に対して時計方向への回動と反時計方向への回動を繰り返して、前記施工予定位置側の領域(R)の地盤に対向した領域(RA)に対応する角度のみ往復回動をしつつ、側面噴射ノズル(1N)から切削流体を噴射し、
    掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側に移動して、当該掘削装置(1)の先端をボーリング孔(H)が施工予定位置から偏奇し始めた偏奇開始位置(P)或いはそれよりもボーリング孔(H)の始点側に位置せしめる工程と、
    偏奇開始位置(P)からボーリング孔(H)の切削を再開して、切削流体の噴流(J)で緩められ掘削装置(1)が移動する際の抵抗が少なくなった領域(R)を掘削装置(1)が切削する工程を有することを特徴とするボーリング孔修正工法。
  3. 掘削装置(1)をボーリング孔(H)の始点側に移動するに際しては、ボーリング孔(H)が施工予定よりも偏奇するのを開始した箇所(P)よりも、掘削装置(1)の1つのロッドの長さだけ始点側に移動する請求項1、2の何れかに記載のボーリング孔修正工法。
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