JP6436482B2 - ライブラリ装置、磁気記録媒体装填不良検出方法、及び磁気記録媒体装填方法 - Google Patents

ライブラリ装置、磁気記録媒体装填不良検出方法、及び磁気記録媒体装填方法 Download PDF

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Description

本発明は、カセット状の磁気記録媒体を多数マガジンに収納するライブラリ装置に係り、磁気記録媒体がマガジンのセルに正しくセットされているか否かを検出し、さらには、装填不良を解消する技術に関する。
この種の技術として、特許文献1に示されるライブラリ装置が知られている。
このライブラリ装置は、装置本体の収納部内に挿脱自在に収納されて、磁気記録媒体を収容する複数のセルが所定方向に配列されたマガジンと、該マガジンのセル配列方向に沿って移動可能に設けられて、該マガジンのセルとの間で磁気記録媒体を授受するアクセッサを有している。
さらに、上記ライブラリ装置では、装置本体の収納部内へのマガジン挿入後に、アクセッサのアクセスにより、該マガジンのセルから搬送された磁気記録媒体に対してデータの読み取り又は書き込みを行うドライブ装置を有している。
磁気記録媒体を格納するマガジンのセル内には、バネ部材からなるコプリングが配置されている。このコプリングは、セル内に格納した磁気記録媒体を、該媒体が出し入れされるセル開口側に向けて付勢している。
また、マガジンの各セル開口には出没自在にラッチレバーが配置されている。このラッチレバーは、セルの開口に突出する側に付勢されており、突出位置において該セル内に挿入された磁気記録媒体の前面に係合して、該磁気記録媒体が外に飛び出さないようにセル内に保持する。
また、アクセッサには、ラッチレバーの位置を光学的に検出する撮像手段が設けられている。
この撮像手段は、ラッチレバーの表面に付されたターゲットマークを読み取るものであって、読み取ったターゲットマークの位置に基づき、ラッチレバーの位置ずれを検出している。
ここで、撮像手段は、装置本体の収納部内へのマガジン挿入後に、セル毎に定めた停止位置にアクセッサを移動させるスキャン処理を行うことにより、ターゲットマークのずれを測定し、これによりマガジンのセル内への媒体格納状態を検出する。
特開2013−073656号公報
ところで、上記のようなライブラリ装置では、磁気記録媒体にラッチレバーが掛からないと、前記コプリングに付勢された磁気記録媒体がアクセッサの移動経路まで突出し、アクセッサの移動を妨げることがある。そして、このような磁気記録媒体の突出によりアクセッサの移動が妨げられると、人手による復旧作業が行われるまで使用不能になることがある。
このため、特許文献1では、装置本体の収納部にマガジンが装填されている状態において、ターゲットマークを光学的に検出することにより、マガジンセル内に媒体が正しく格納されているか否かを監視している。
しかしながら、特許文献1では、ユーザーがマガジンの各セルに磁気記録媒体を格納する際、ラッチレバーが掛からない不完全な状態となり、この異常状態に気づかずに、その後、該マガジンを装置本体の収納部内へセットした場合には、振動などで運用中に磁気記録媒体が飛び出し、障害となることがある。
このため、特許文献1では、装置本体へのマガジン装填後に、アクセッサをメカ的に移動させながら撮像手段で媒体位置を検出するスキャン処理を実行しているが、位置測定に時間が係り、効率的に位置を検出することは難しい。
また、特許文献1では、アクセッサによるスキャン処理を実行する際、飛び出した磁気記録媒体にアクセッサが接触するなどの一時的な機械的負荷などにより、途中で動けなくなって正確な測定ができないことがあり、さらにアクセッサによるスキャン処理時の振動により、装置本体へのマガジン挿入後に磁気記録媒体が飛び出す不具合も発生していた。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、装置本体へのマガジン挿入の際に、マガジンセル内への磁気記録媒体の収納状態をチェックすることができ、マガジン挿入後のアクセッサの動作妨害を防止できるとともに、マガジン挿入後の媒体スキャン処理を省略することができる高い作業効率のライブラリ装置、磁気記録媒体の装填不良検出方法、装填方法を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、装置本体の収納部内に挿脱自在に収納されて、磁気記録媒体を収容する複数のセルが所定方向に配列されたマガジンと、該マガジンのセル配列方向に沿って移動可能に設けられて、該マガジンのセルとの間で磁気記録媒体を授受するアクセッサと、を有し、前記マガジンのセルには、前記磁気記録媒体の挿入方向と交差する方向へ移動可能であり、前記セル内に収容された磁気記録媒体に係合されるラッチレバーが設けられ、前記ラッチレバーの表面には、前記アクセッサの撮像手段によって読み取られるラッチ判定マークが付され、前記マガジンには、前記ラッチレバーと前記アクセッサの移動経路との間に位置して、前記ラッチレバーのラッチ位置への移動に伴って、前記ラッチ判定マークの少なくとも一部と重なる遮蔽部が設置されることを特徴とする。
本発明によれば、撮像手段によるラッチ判定マークの検出に基づき、マガジン挿入時にセルの媒体装填不良を検出し、必要に応じて装填不良を解消することができる。
本発明に係るライブラリ装置を示す図である。 第1実施形態に係るライブラリ装置の平面図である。 図2のライブラリ装置において、マガジンとアクセッサとの関係を示す斜視図である。 図2のライブラリ装置において、装置本体からマガジンが引き出された場合の平面図である。 磁気記録媒体が収納されるセルの内部構造を示す平面図であって、(A)はラッチレバーが「ラッチ完全位置」にある場合、(B)ラッチレバーが「ラッチ不完全位置」にある場合を示している。 図5に対応したセルのラッチレバーを示す正面図であって、(A)はラッチレバーが「ラッチ完全位置」にある場合、(B)ラッチレバーが「ラッチ不完全位置」にある場合を示している。 ラッチレバーが「ラッチ完全位置」にある場合の例を示す図であって、(A)は正面図、(B)は(A)を側方から見た場合の図である。 ラッチレバーに付されるラッチ判定マークを示す図である。 ライブラリ装置におけるマガジンの各セルへの媒体格納状態を検出するためのフローチャートである。 第2実施形態に係るライブラリ装置に係り、ラッチレバーに付されるラッチ判定マークを示す図である。
図1は、本発明に係るライブラリ装置100を示す図である。
図1において符号1で示すものはライブラリ装置100の装置本体であって、該装置本体1のマガジン収納部2には、カセット状の磁気記録媒体Tを収容可能な複数のセルCを有するマガジンMが収容される。
このマガジンMは、磁気記録媒体Tを収容する複数のセルCが所定方向(図では矢印A1‐A2方向)に配列されたものであって、装置本体1の前部に形成された装置開口3を通じてマガジン収納部2から挿脱される。
また、装置本体1内には、マガジンMのセルCとの間で磁気記録媒体Tを授受するアクセッサAが設けられている。
このアクセッサAは、マガジンMのセル配列方向(図では矢印A1‐A2方向)に沿って移動可能に設けられたものであって、装置本体1のマガジン収納部2内へのマガジン挿入後に、アクセッサAのアクセスにより、該マガジンM内のセルCと、図示しないドライブ装置との間で磁気記録媒体Tの搬送を行う。また、ドライブ装置では、マガジンMのセルCから搬送された磁気記録媒体Tに対してデータの読み取り又は書き込みを行う。
また、アクセッサAには、ラッチレバー(後述する)に付されたマーク(後述する)を読み取るための撮像手段としてのカメラモジュール4が設けられている。
また、マガジンMのセルCには、磁気記録媒体Tの挿入方向(紙面と直交する方向)と交差する方向(図では矢印A1‐A2方向)へ移動可能であり、セルC内に収容された磁気記録媒体Tに係合されるラッチレバー5が設けられている。
ラッチレバー5の表面には、アクセッサAのカメラモジュール4によって読み取られるラッチ判定マーク6が付されている。
マガジンMには、各セルCにあるラッチレバー5とアクセッサAの移動経路との間に位置して、ラッチレバー5のラッチ位置への移動に伴って、ラッチ判定マーク6の少なくとも一部と重なる遮蔽部7が設置されている。
この遮蔽部7はカバープレート7Aにより構成されるものであって、ラッチレバー5がセルC内の磁気記録媒体Tに係合されない「ラッチ不完全位置」にある場合に、該ラッチレバー5の表面に付されたラッチ判定マーク6に重ならない(図中、右側セルの状態)。
また、この遮蔽部7は、ラッチレバー5がセルC内の磁気記録媒体Tに係合される「ラッチ完全位置」にある場合には、該ラッチレバー5の表面に付されたラッチ判定マーク6に重なり、アクセッサAのカメラモジュール4に読み取られない(図中、左側セルの状態)。
すなわち、本発明に係るライブラリ装置100では、アクセッサAのカメラモジュール4が、ラッチ判定マーク6を読み取るか否かで、ラッチレバー5がセルC内の磁気記録媒体Tに係合されない「ラッチ不完全位置」にあるか、ラッチレバー5がセルC内の磁気記録媒体Tに係合される「ラッチ完全位置」にあるかを判定することができる。
以上のように構成されたライブラリ装置100によれば、複数のセルCを有するマガジンMに、ラッチレバー5とアクセッサAの移動経路との間に位置して、該ラッチレバー5のラッチ位置への移動に伴って、該ラッチレバー5に付されたラッチ判定マーク6の少なくとも一部と重なる遮蔽部7が設置されている。
これにより、上記ライブラリ装置100では、装置本体1へのマガジン挿入(矢印A2方向への挿入)の際に、アクセッサAに搭載されたカメラモジュール4に対して、ラッチ判定マーク6を読み取らせることで、マガジンMのセルC内への磁気記録媒体Tの収納状態をチェックすることができる。
具体的には、上記ライブラリ装置100では、装置本体1へのマガジン挿入の際に、アクセッサAに搭載されたカメラモジュール4が、遮蔽部7に重なっていないラッチ判定マーク6を検出した場合に、ラッチレバー5が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない(つまり、ラッチレバー5が「ラッチ不完全位置」にある)と判定することができ、その判定結果に基づき、ユーザーに対して、マガジンMへの媒体装填異常を認識させることができる。
その結果、上記ライブラリ装置100では、カメラモジュール4によるラッチ判定マーク6の検出に基づき、マガジン挿入後のアクセッサAの動作障害を未然に防止できるとともに、装置本体1へのマガジン挿入時に媒体Tの装填異常を検出できることから、マガジン挿入後の媒体スキャン処理を省略することも可能となる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るライブラリ装置101について、図2〜図9を参照して説明する。
図2はライブラリ装置101の平面図、図3はライブラリ装置101のマガジンMとアクセッサAとの関係を示す斜視図、図4はライブラリ装置101からマガジンMが引き出された場合の平面図である。
これらの図において、符号10で示すものはライブラリ装置101の装置本体であって、該装置本体10のマガジン収納部11には、カセット状の磁気記録媒体Tを収容可能な複数のセルCを有するマガジンMが収容される。
なお、図2及び図4において、図中左側が装置本体10のフロント側10A、図中右側が装置本体10のリア側10Bとなる。
このマガジンMは、磁気記録媒体Tを収容する複数のセルCが所定方向(図では矢印A1‐A2方向)に配列されたものであって、装置本体10のフロント側10Aに形成された装置開口12を通じてマガジン収納部11から挿脱される。
また、装置本体10内には、マガジンMのセルCとの間で磁気記録媒体Tを授受するピッカー機構(図示略)を有するアクセッサAが設けられている。
このアクセッサAは、マガジンMのセル配列方向(図では矢印A1‐A2方向)と同方向に沿って移動可能に設けられたものであって、装置本体10のマガジン収納部11内へのマガジン挿入後に、アクセッサAのアクセスにより、該マガジンM内のセルCと、ドライブ装置13との間で磁気記録媒体Tの搬送を行う。また、ドライブ装置13では、マガジンMのセルCから搬送された磁気記録媒体Tに対してデータの読み取り又は書き込みを行う。
なお、複数のセルCの各収納スペース内には、直列(矢印B1−B2方向)に複数の磁気記録媒体Tが収容されるが、本例では、最大で2個の磁気記録媒体Tが収容可能となっている。
また、図2において、符号14で示すものはライブラリ装置101の電源、符号15で示すものはライブラリ装置101の制御ユニット15である。
図5に示されるように、セルCにおける媒体収納スペース20の底部には、該媒体収納スペース20内に収容された磁気記録媒体Tを、該セルCの前側に位置するセル開口21側へ付勢して押し出す押出手段22が設けられている。
この押出手段22は、例えばゼンマイ状に形成されたコプリングからなるものであって、セルCの媒体収納スペース20内に挿入された磁気記録媒体Tの奥側角部に接触して、該磁気記録媒体Tが媒体収納スペース20に押し込まれると解けるように構成されている。そして、このようなゼンマイ状に形成されたコプリングの押圧によって、媒体収納スペース20内に収容された磁気記録媒体Tを、常時、セル開口21側へ付勢する。
なお、図5に示されるように、セルCの媒体収納スペース20内に2つの磁気記録媒体Tが装填された場合には、押出手段22のコプリングは実線で示す位置にあり、また、セルCの媒体収納スペース20内に1つのみの磁気記録媒体Tが装填された場合には、押出手段22のコプリングは点線で示す位置にある。
また、マガジンMにおけるセルCのセル開口21には、該セル開口21と交差する方向(本例では矢印A1‐A2方向)に移動可能であり、かつ該セル開口21と重なる方向へ板バネ(図示略)で付勢されたラッチレバー30が設けられている。
このラッチレバー30は、媒体収納スペース20内に磁気記録媒体Tがない状態では、セルCのセル開口21と重なるように突出した位置にある。
また、このラッチレバー30は、アクセッサAにより媒体収納スペース20内に磁気記録媒体Tが押し込まれる場合には、セルCのセル開口21から退避した位置となる。また、このラッチレバー30は、図5(A)に示すように、磁気記録媒体TがセルCのセル開口21を完全に通過した場合には、該セル開口21と重なるように突出する。
そして、図5(A)に示されるように、ラッチレバー30が「ラッチ完全位置」にある場合に、磁気記録媒体Tは、セルCの媒体収納スペース20内において、該ラッチレバー30と押出手段22との間に挟まれた適正配置となる。
また、アクセッサAには、セルCのセル開口21に磁気記録媒体Tを出し入れする際に、一時的にラッチレバー30を、セルCのセル開口21から退避した位置に押しやるための操作手段が設けられているが、図面上では省略されている。
アクセッサAには、図4に示されるようにラッチレバー30の位置を検出する撮像手段としてのカメラモジュール23が設けられている。
このカメラモジュール23は、セルCのセル開口21に対向するように配置されるものであって、ラッチレバー30に設けられたターゲットマーク31及びラッチ判定マーク32を読み取る他、例えば、磁気記録媒体Tの正面に貼付されたカセット識別コード(図示略)を読み取る。
ターゲットマーク31は、アクセッサAがセルCにアクセスする際の位置補正に利用されるものである。
また、ラッチ判定マーク32は、図6に示されるように、ラッチレバー30上のターゲットマーク31の下の空き領域に配置された四角形のマークである。また、このラッチ判定マーク32は、ラッチレバー30がセルC内の磁気記録媒体Tに係合される「ラッチ完全位置」(図5(A)及び図6(A)参照)にある、又はラッチレバー30がセルC内の磁気記録媒体Tに係合されない「ラッチ不完全位置」(図5(B)及び図6(B)参照)にあるか否かを示すものであるが、これについては後述する。
また、マガジンMには、各セルCにあるラッチレバー30とアクセッサAの移動経路との間に位置して、ラッチレバー30のラッチ位置への移動に伴って、ラッチ判定マーク32と重なる遮蔽部40が設置されている。
この遮蔽部40は、図6及び図7に示されるようにカバープレート40Aにより構成されるものであって、図5(A)、図6(A)及び図7(A)(B)に示されるように、ラッチレバー30がセルC内の磁気記録媒体Tに係合される「ラッチ完全位置」にある場合に、該ラッチレバー30の表面に付されたラッチ判定マーク32に重なる。
また、この遮蔽部40は、図5(B)及び図6(B)に示されるように、ラッチレバー30がセルC内の磁気記録媒体Tに係合されない「ラッチ不完全位置」にある場合に、該ラッチレバー30の表面に付されたラッチ判定マーク32に重ならない。これにより、アクセッサAのカメラモジュール23は、遮蔽部40に重ならずに露出したラッチ判定マーク32を読み取ることができる(このときのラッチレバー30のずれ量を図6(B)にΔXで示す)。
すなわち、本実施形態のライブラリ装置101では、装アクセッサAのカメラモジュール23が、遮蔽部40に重なっていないラッチ判定マーク32を検出した場合に、ラッチレバー30が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない(つまり、ラッチレバー30が「ラッチ不完全位置」にある)と判定することができる。
また、マガジンセルCのラッチレバー30に付されたラッチ判定マーク32は、符号32A〜32Eで示されるように、各ラッチレバー30毎に上下方向の長さが異なるように設定されている。
ラッチ判定マーク32は、図8に示されるように検出効率を考慮し四角形とし、セルCのセル番号をn(=1,2,…,5)とすると、各セルCの上下方向の長さを、『Ln = (n-1) * d + Lmin』と定義することで、検出したその長さから該当セルCを特定できる。(ここでdは増分、Lmin は最小値を示す)。
すなわち、アクセッサAのカメラモジュール23は、遮蔽部40に重ならずに露出したラッチ判定マーク32を上下方向(図8に示す矢印a方向)に読み取り、その読取った該ラッチ判定マーク32の長さから、「ラッチ不完全位置」にあるラッチレバー30がどのセルCに属するものかを認識できる。
なお、ラッチ判定マーク32は遮蔽部40と一部が重なるようにしても又は全部が重なるようにしても良いが、本例では、遮蔽部40と全部重なるように設定されている。
次に、図9を参照して、ライブラリ装置101においてマガジンMの開閉動作時に各セルCの媒体格納状態を検出する一連の動作とともに、磁気記録媒体の装填不良検出方法、装填方法について説明する。なお、このライブラリ装置101の動作は、制御ユニット15に設定された制御プログラムによって行われるものであって、その詳細を以下にステップ(SP)毎に説明する。
《ステップ1》
装置本体10のマガジン収納部11に収納されているマガジンMのロック解除動作を実行する。
《ステップ2》
ステップ1のロック解除により、ユーザーが装置本体10から矢印A1方向にマガジンMを引出させるようにする。このとき、本ステップ2では、マガジンMの引出しを検出するためのマガジン開閉センサが開状態を検出したYESの場合に、以下のステップ3に進む。
《ステップ3》
次の、装置本体10へのマガジンMの挿入時において、該マガジンM内の全セルCの磁気記録媒体Tの格納状態を検出できるように、アクセッサAを前進位置に移動させた後で、フロント側位置(矢印A1方向の末端位置)にて待機する。
《ステップ4》
マガジンMのセルCにおける磁気記録媒体Tの格納状態検出のために必要な情報初期化を行う。
《ステップ5》
装置本体10へのマガジンMの収納(マガジンMの矢印A2方向への収納)を検出するためのマガジン開閉センサが、閉状態を検出したか否かを検出する。これにより、ユーザーが装置本体10にマガジンMをセットした(すなわち、マガジン開閉センサが閉状態を検出した)YESの場合に、次のステップ9に進む。また、ユーザーが装置本体10にマガジンMをセットしたことが検出されないNOの場合には、マガジンMの閉検出までステップ5〜8をループする。
《ステップ6》
前進位置(矢印A1方向の末端)に位置させたアクセッサAに搭載のカメラモジュール23により、マガジンセルCの各ラッチレバー30に付されたラッチ判定マーク32を上下方向にスキャンする。
《ステップ7》
ステップ6でスキャンしたカメラモジュール23の画像を解析し、ラッチ判定マーク32を検出しなかったNOの場合、先のステップ5に戻り、また、ラッチ判定マーク32を検出したYESの場合、ラッチレバー30が「ラッチ不完全位置」にあると認識して、次のステップ8に進む。
《ステップ8》
ステップ6でスキャンしたカメラモジュール23の画像から、ラッチ判定マーク32の上下方向の長さLn(図8参照)を検出し、その検出結果から、「ラッチ不完全位置」にあるラッチレバー30を有するセル番号を特定する。なお、このステップ8で特定したセル番号は、後述するステップ9及び10に送信する。
《ステップ9》
ステップ5〜8の処理結果に基づき、ラッチレバー30が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない「ラッチ不完全位置」にあるか否かを判定し、「ラッチ不完全位置」にあるYESの場合に次のステップ10に進み、「ラッチ不完全位置」にないNOの場合に次のステップ13に進む。
《ステップ10》
ステップ8での算出結果に基づき、特定のラッチレバー30が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない「ラッチ不完全位置」にあることを示す警告メッセージを表示し、ユーザーに対して、“マガジンMを引出して磁気記録媒体Tの格納状態を確認するよう促すとともに、装置側で回復を試みるか”を尋ねる。
《ステップ11》
ユーザーから装置側で回復動作を行うよう要求があったか否かを判断し、要求があったYESの場合に次のステップ12に進み、要求がなかったNOの場合に先のステップ1に戻る。
《ステップ12》
「ラッチ不完全位置」にあるラッチレバー30があるセルCに格納された磁気記録媒体Tを、アクセッサA内のピッカー機構にて矢印B1方向に押し込むような回復動作を実行する。
《ステップ13》
ステップ12により、マガジン媒体Tのインベントリ動作を実行し、装置を利用可能な状態にした後、本フローチャートを終了する。
以上のように構成されたライブラリ装置101によれば、複数のセルCを有するマガジンMに、ラッチレバー30とアクセッサAの移動経路との間に位置して、該ラッチレバー30のラッチ位置への移動に伴って、該ラッチレバー30に付されたラッチ判定マーク32の少なくとも一部と重なる遮蔽部40が設置されている。
これにより、上記ライブラリ装置101では、ユーザーによる装置本体10へのマガジン挿入(矢印A2方向へのマガジン挿入)の際に、アクセッサAに搭載されたカメラモジュール23に対して、ラッチ判定マーク32を読み取らせることで、マガジンMのセルC内への磁気記録媒体Tの収納状態をチェックすることができる。
すなわち、上記ライブラリ装置101では、装置本体10へのマガジン挿入の際に、アクセッサAに搭載されたカメラモジュール23が、遮蔽部40に重なっていないラッチ判定マーク32を検出した場合に、ラッチレバー30が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない(つまり、ラッチレバー30が「ラッチ不完全位置」にある)と判定することができ、その判定結果に基づき、ユーザーに対して、マガジンMへの媒体装填異常を認識させることができる。
具体的には、ユーザーがマガジンMを取り出し、図6(A)のように磁気記録媒体Tを正しく格納した場合、ラッチレバー30によりラッチされているため、磁気記録媒体Tが飛び出すことはない。しかしながら媒体格納時の押し込みが不完全であると図6(B)のように磁気記録媒体Tが飛び出す格納不完全状態となり、ラッチレバー30のずれ量ΔXが発生する。不完全な状態では振動により磁気記録媒体TがマガジンMから飛び出し、走行路に落下する場合がある。
しかしながら、本発明の実施形態に示されるライブラリ装置101では、装置本体10へのマガジンMの挿入時にアクセッサAを停止させたまま、アクセッサAに搭載しているカメラモジュール23を用いて連続的にラッチ判定マーク32のスキャン動作を行い、該マガジンMの全てセルCに対して媒体ラッチ状態か、ラッチ不完全状態かを判定することができる。
また、上記ライブラリ装置101では、ステップ6でスキャンしたカメラモジュール23の画像から、ラッチ判定マーク32の上下方向の長さLn(図8参照)を検出し、その検出結果から、「ラッチ不完全位置」にあるラッチレバー30を有するセル番号を特定することができる。このようなセル番号の特定により、その後の「ラッチ不完全位置」にあるセルCにおいて、アクセッサA内のピッカー機構により、該当する磁気記録媒体Tの矢印B1方向に押し込む回復動作を速やかに実行することができる。
その結果、上記ライブラリ装置101では、カメラモジュール23によるラッチ判定マーク32の検出に基づき、マガジン挿入後のアクセッサAの動作障害を未然に防止することができるとともに、装置本体10へのマガジン挿入時に媒体Tの装填異常を検出できることから、マガジン挿入後の媒体スキャン処理を省略することも可能となる。
また、上記ライブラリ装置101では、以前のように、装置本体10へのマガジン装填後に、セルC毎にアクセッサAの移動を伴った媒体格納状態検出動作(すなわち、スキャン処理)を行う必要がなくなり、メカを停止したままで格納状態検出が可能であるため媒体格納状態検出時間を短縮できる。
さらに、上記ライブラリ装置101では、以前のように、ラッチが不完全な状態でのラッチレバー30のずれ量自体を測定(ターゲットマーク31により測定)する必要がない。これにより、上記ライブラリ装置101では、部品の精度に左右されない媒体格納状態の検出を可能にするとともに、検出動作での振動を防止して磁気記録媒体Tの飛び出しによる障害を発生させないことで、装置の信頼性を向上させる。また、メカ動作を伴わない検出方式となることから装置寿命を延ばす効果も期待できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るライブラリ装置について、図10を参照して説明する。
第2実施形態に係るライブラリ装置が、第1実施形態に係るライブラリ装置101と構成を異にする点は、ラッチ判定マーク33の構成である。
すなわち、第1実施形態のラッチ判定マーク32では、マガジンMにおける、各セルCのラッチレバー30毎に上下方向の長さが異なるように設定されているが、これに限定されず、本実施形態のラッチ判定マーク33(33A〜33E)では色の違いによりセルCを識別しても良い。
例えば、マガジンMのセルCにおいて、ラッチ判定マーク33に「赤、黄、緑、青、白」といった異なる色を付し、この色の相違により、ラッチレバー30が「ラッチ不完全位置」にあるセルCを特定するようにしても良い。
また、第2実施形態では、これに限定されず、セルCの数が多い場合に、ラッチ判定マーク33において長さの要素と、色の要素とを組み合わせることで、セルCを特定しても良い。
例えば、複数のラッチ判定マーク33において、一部の上下方向の長さを同じとし、これら同じ長さのラッチ判定マーク33の色を相違させることで、該ラッチ判定マーク33の相違を識別しても良い。
以上詳細に説明したように第2実施形態に示されるライブラリ装置では、装置本体10へのマガジン挿入の際に、アクセッサAに搭載されたカメラモジュール23が、遮蔽部40に重なっていないラッチ判定マーク33を検出した場合に、ラッチレバー30が磁気記録媒体Tと係合されるラッチ位置にない(つまり、ラッチレバー30が「ラッチ不完全位置」にある)と判定することができ、その判定結果に基づき、ユーザーに対して、マガジンMへの媒体装填異常を認識させることができる。
さらに、上記ライブラリ装置では、ステップ6でスキャンしたカメラモジュール23の画像から、図10に示されるようにラッチ判定マーク33の色(赤、黄、緑、青、白といった色)を検出し、その検出結果から、「ラッチ不完全位置」にあるラッチレバー30を有するセル番号を特定することができる。そして、このようなセル番号の特定により、その後の「ラッチ不完全位置」にあるセルCにおいて、アクセッサA内のピッカー機構により、該当する磁気記録媒体Tの矢印B1方向に押し込む回復動作を速やかに実行することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、カセット状の磁気記録媒体を多数マガジンに収納するライブラリ装置に係り、磁気記録媒体がマガジンのセルに正しくセットされているか否かを検出する技術に関する。
1 装置本体
2 マガジン収納部
3 装置開口
4 カメラモジュール(撮像手段)
5 ラッチレバー
6 ラッチ判定マーク
7 遮蔽部
10 装置本体
11 マガジン収納部
12 装置開口
23 カメラモジュール
30 ラッチレバー
32 ラッチ判定マーク
33 ラッチ判定マーク
40 遮蔽部
100 ライブラリ装置
101 ライブラリ装置
T 磁気記録媒体
M マガジン
A アクセッサ
C セル

Claims (12)

  1. 装置本体の収納部内に挿脱自在に収納されて、磁気記録媒体を収容する複数のセルが所定方向に配列されたマガジンと、
    該マガジンのセル配列方向に沿って移動可能に設けられて、該マガジンのセルとの間で磁気記録媒体を授受するアクセッサと、を有し、
    前記マガジンのセルには、前記磁気記録媒体の挿入方向と交差する方向へ移動可能で、前記セル内に収容された磁気記録媒体に係合されるラッチレバーが設けられ、
    前記ラッチレバーの表面には、前記アクセッサの撮像手段によって読み取られるラッチ判定マークが付され、
    前記マガジンには、前記ラッチレバーと前記アクセッサの移動経路との間に位置して、前記ラッチレバーのラッチ位置への移動に伴って、前記ラッチ判定マークの少なくとも一部と重なる遮蔽部が設置されることを特徴とするライブラリ装置。
  2. 前記遮蔽部は、前記マガジンの各セルの前側にそれぞれ設置されて、前記アクセッサの移動方向に沿って前記ラッチレバーが移動することにより、該ラッチレバーの表面に付されたラッチ判定マークに重なることを特徴とする請求項1に記載のライブラリ装置。
  3. 前記遮蔽部は、前記ラッチレバーが前記セル内の磁気記録媒体に係合されるラッチ完全位置にある場合に、該ラッチレバーの表面に付されたラッチ判定マークに重なることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
  4. 前記遮蔽部は、前記ラッチレバーが前記セル内の磁気記録媒体に係合されないラッチ不完全位置にある場合に、該ラッチレバーの表面に付されたラッチ判定マークに重ならず、
    前記アクセッサの撮像手段は、前記遮蔽部に重ならずに露出した前記ラッチ判定マークを読み取ることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
  5. 前記アクセッサは、前記撮像手段が前記遮蔽部に重ならないラッチ判定マークを読み取った場合に、前記装置本体へのマガジン挿入後に、該当するセルに対して磁気記録媒体を押し込むリトライ処理を実行することを特徴とする請求項4に記載のライブラリ装置。
  6. 前記アクセッサは、前記装置本体内にて、前記セル配列方向に一致する前記マガジンの挿脱方向に沿うように移動するように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
  7. 前記アクセッサは、前記装置本体へのマガジン挿入時に、該マガジンが挿入される収納部の装置開口付近にある前進位置に位置決めされ、かつ該前進位置にて、前記撮像手段による前記ラッチ判定マークの読み取りを行うことを特徴とする請求項6のライブラリ装置。
  8. 前記ラッチ判定マークは、前記セル毎に異なる態様に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のライブラリ装置。
  9. 前記ラッチ判定マークは、前記セル毎に異なる大きさに形成されていることを特徴とする請求項8に記載のライブラリ装置。
  10. 前記ラッチ判定マークは、前記セル毎に異なる色に形成されていることを特徴とする請求項8に記載のライブラリ装置。
  11. 装置本体の収納部内に挿脱自在に収納されて、磁気記録媒体を収容する複数のセルが所定方向に配列されたマガジンのセル配列方向に沿って移動して該マガジンのセルとの間でアクセッサにより磁気記録媒体を授受するライブラリ装置の挿入不良検出方法であって、
    前記マガジンのセルに前記磁気記録媒体の挿入方向と交差する方向へ移動可能に設けられたラッチレバーの表面に付されたラッチ判定マークは、前記アクセッサの撮像手段によって読み取ることによって前記磁気記録媒体の前記セルへの挿入の適否を判定する工程と、
    を実行し、
    前記マガジンには、前記ラッチレバーと前記アクセッサの移動経路との間に位置して、前記ラッチレバーのラッチ位置への移動に伴って、前記ラッチ判定マークの少なくとも一部と重なる遮蔽部が設置されることを特徴とするライブラリ装置の装填不良検出方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    前記磁気記録媒体が前記セルへ正常に挿入されていないと判定された場合に、前記アクセッサを前記磁気記録媒体を前記セルへ押し込む方向へ作動させるリトライ工程を実行することを特徴とするライブラリ装置の磁気記録媒体装填方法。
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