JP6436127B2 - 粉末冶金用混合粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末冶金用混合粉末に関する。
粉末冶金は、鉄基粉末等を含む混合粉末を加圧成形して圧粉体を得た後、この圧粉体を焼結させて機械部品などの焼結部品を製造する技術である。近年、粉末冶金技術の進歩によって、高寸法精度で複雑な形状の焼結部品をニアネット形状に製造できるようになったため、各種分野の製品の製造に粉末冶金技術が利用されている。
しかし、焼結部品について、極めて厳しい寸法精度が要求される場合、または、横穴形状、アンダーカット形状、もしくは、その他の高度に複雑な形状が要求される場合には、焼結後の後加工(切削加工など)が必要となることがある。
ところが、焼結部品は後加工するには強度が高く、また、空孔含有比率が高いことから切削抵抗および摩擦熱が大きく、切削工具の表面温度が上がりやすい。そのため、切削工具が損耗しやすく短寿命であり、その結果、切削加工費が増大して焼結部品の製造コストの上昇を招くという問題がある。
そこで、上記問題の解決策として、焼結前の圧粉体に切削加工を施してから焼結を行なう、いわゆるグリーン加工が関心を集めている。しかし、一般的に焼結前の圧粉体は脆く、加工性が不十分である場合が多い。すなわち、焼結前の圧粉体は、グリーン加工する際の治具への装着時または切削加工時にかかる応力に耐えられず、損傷しやすい。このため、グリーン加工に耐え得るよう圧粉体の高強度化が望まれている。
圧粉体の高強度化に関する技術としては、例えば、特許文献1では、鉄基粉末と潤滑剤粉末とを含有する金属粉末組成物において、前記潤滑剤粉末として、重量平均分子量MWが2,000〜20,000、融点ピークが120〜200℃の範囲にあるアミド型オリゴマーを用いることが提案されている。特許文献1によれば、前記金属粉末組成物を、前記アミド型オリゴマーの融点より5〜50℃低い温度に予熱して温間成形することにより、圧粉体強度が向上するとされている。
また、特許文献2では、鉄基粉末と潤滑剤粉末とを含有する金属粉末組成物において、前記潤滑剤として、物質A、物質B、および物質Cの組み合わせを用いることが提案されている。ここで、物質Aはポリオレフィン、物質Bは飽和及び不飽和の脂肪酸(ビス)アミド、飽和脂肪酸アルコール、および脂肪酸グリセロールからなる群より選択される物質、物質Cは500〜30,000g/モルの分子量を有するアミドオリゴマーである。特許文献2によれば、前記物質A〜Cを組み合わせた潤滑剤を用いることにより、見かけ密度や流動度などの粉末特性が強化されるだけでなく、圧粉体を熱処理することによって高いグリーン強度が得られるとされている。
特許文献3では、平均分子量が50,000〜400,000g/モルの範囲にあるポリエチレンエーテル及び残余の2,000〜20,000g/モルの重量平均分子量および120℃〜200℃の範囲の融点ピークを有するオリゴマーアミドからなる、粉末冶金組成物用の潤滑剤が提案されている。特許文献3によれば、前記潤滑剤を用いることにより、圧粉体強度を向上させ、成形用金型から抜出す際の耐久性を持たせることができると記載されている。
さらに、特許文献4では、熱硬化性樹脂粉末を含有する粉末冶金用混合粉末が提案されている。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ・ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアクリル系樹脂からなる群より選択される1以上が用いられる。特許文献4によれば、前記粉末冶金用混合粉末を原料として得られる圧粉体は焼結前においても適度な密度と強度を有しており、切削加工が可能であるとされている。
特許第3803371号公報 特表2013−503977号公報 特許第4300110号公報 特開2006−124777号公報
しかし、特許文献1で提案されている粉末冶金用混合粉末は、温間成形を行うことによって圧粉体強度が向上するとされているものの、室温で行われる一般的な成形では、それほど高い圧粉体強度を得ることができなかった。
特許文献2で提案されている粉末冶金用混合粉末についても同様に、室温で行われる一般的な成形ではそれほど高い圧粉体強度を得ることはできず、また、圧粉成形後に金型から抜出す際の抜出力が高いという問題があった。
また、特許文献3ではオリゴマーアミドの使用が開示されているのみであり、よりモノマーの結合数の多いポリマーの使用については記載がない。また、融点が120℃より低い低融点の重合体(樹脂)を用いることも記載されていない。
一方、特許文献4では熱硬化性樹脂の使用が提案されているものの、樹脂粉末を粉末冶金用混合粉末に単純に添加すると、鉄基粉末との質量の違いから、運搬時やホッパーからの排出時、および金型充填などの移送時に偏析を生じやすくなり、結果として製品の品質ばらつきの原因になることが懸念される。また、樹脂粉末は鉄基粉末と比べて粉塵を発生しやすく、多量な吸引、もしくは継続的な吸入による人体の健康リスクが心配され、作業そのものや作業場環境における対策が必要となると考えられる。
このような偏析や発塵を抑制する方法としては、混合粉末製造時に所定の温度で加熱混合を行い、質量が小さい配合物を、バインダーを介して鉄基粉末表面に付着させるプレミックスを行うことが考えられる。しかし、特許文献3に記載の粉末冶金用混合粉末についてプレミックスを行うことを検討したところ、条件によっては圧粉体強度の向上効果が十分に発揮されないことが分かった。
また、粉末冶金用混合粉末において、例えば、貯蔵ホッパーからの排出時や金型への充填時などの移送時における流動性は、生産スピードや充填性に影響を与える重要な特性の一つである。そのため、製品品質の向上や製造コスト低減などを実現するためには、粉末冶金用混合粉末が良好な流動性を有することが要求される。しかし、本発明者らが、特許文献4に記載の粉末冶金用混合粉末について検討したところ、流動性が不十分な場合があることが分かった。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、粉体移送時の流動性及び圧粉成形時の抜出性が良好であるとともに、圧粉体にした際の焼結前における加工性が優れ、高品質な製品(焼結体)を得ることができ、さらに健康リスクが低減された、粉末冶金用混合粉末を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成により上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.鉄基粉末、融点80〜120℃の共重合ポリアミド、およびマイクロカプセルを含有する粉末冶金用混合粉末であって、
前記マイクロカプセルが液状硬化性化合物を内包しており、
前記粉末冶金用混合粉末中における、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.10質量部以下である、粉末冶金用混合粉末。
2.前記共重合ポリアミドの含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.05〜0.4質量部である、前記1に記載の粉末冶金用混合粉末。
3.前記液状硬化性化合物を内包する前記マイクロカプセルの含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.05〜2質量部である、前記1または2に記載の粉末冶金用混合粉末。
4.前記鉄基粉末が前記共重合ポリアミドによって被覆されている、前記1〜3のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉末。
5.前記マイクロカプセルに内包されていない、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、および、カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有する、前記1〜4のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉末。
本発明によれば、粉体移送時の流動性、及び圧粉成形時の抜出性が良好であり、かつ、圧粉体にしたときに強度が高い粉末冶金用混合粉末を提供できる。また、当該粉末冶金用混合粉末をプレミックス粉にすることにより、製品品質を向上させ、健康リスクが低減された、粉末冶金用混合粉末を提供できる。
以下、本発明の粉末冶金用混合粉末について具体的に説明する。
[粉末冶金用混合粉末]
本発明の粉末冶金用混合粉末(以下、単に「混合粉末」ともいう)は、鉄基粉末、融点80〜120℃の共重合ポリアミド、およびマイクロカプセルを含有する粉末冶金用混合粉末である。そして、前記マイクロカプセルは、液状硬化性化合物を内包しており、さらに、前記粉末冶金用混合粉末中における、前記マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量は、前記鉄基粉末100質量部に対して0.10質量部以下である。
本発明の混合粉末は、圧粉成形時の抜出性が良好であるとともに、圧粉体にした際の強度が高い。さらに、流動性が良好であり、かつ、圧粉体にしたときに焼結前の加工性が優れる。このように本発明の混合粉末が優れた特性を有する理由は、以下のように推測される。
まず、本発明の混合粉末は共重合ポリアミドを含有しているため、該共重合ポリアミドの接着力により鉄基粉末の粒子の噛み込みが強化される。さらに、本発明の混合粉末は液状硬化性化合物を内包するマイクロカプセルを含有しているため、成形時に前記マイクロカプセルから液状硬化性化合物が染み出して鉄基粉末の粒子間に行き渡り、鉄基粉末の粒子どうしが接着される。その結果、本発明の混合粉末を加圧成形して得られる圧粉体は、焼結前であっても高い強度を有するとともに、損傷を抑制しながら切削加工等の加工を行なうことができる(加工性が優れる)と考えられる。
また、本発明の混合粉末では、液状硬化性化合物がマイクロカプセルに内包されており、かつ、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量が鉄基粉末100質量部に対して0.10質量部以下とされている。このように、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量が、実質的に含有されていないと言える程度に低いため、加圧成形する前の状態では鉄基粉末の粒子どうしが液状硬化性化合物によって接着されることがなく、流動性に優れると考えられる。これに対して、硬化性樹脂粉末を含有する粉末冶金用混合粉末(例えば、特許文献4を参照)は、圧粉体にしたときの焼結前の加工性は比較的良好であると考えられるが、加圧成形前においても接着性能が発揮され得るために流動性が劣ると考えられる。
次に、本発明の混合粉末に含有される各成分について説明する。
[鉄基粉末]
上記鉄基粉末としては、特に限定されることなく任意のものを用いることができる。ここで「鉄基粉末」とは、Fe含有量が50質量%以上である粉末を意味する。前記鉄基粉末としては、例えば、純鉄粉、合金鋼粉などが挙げられる。
前記純鉄粉としては、例えば、アトマイズ鉄粉(atomized iron powder)、還元鉄粉(reduced iron powder)など、任意のものを用いることができる。前記合金鋼粉としては、鉄粉に合金成分を部分拡散させて合金化した部分拡散合金化鋼粉、合金成分が溶製時より含まれている完全合金化鋼粉、完全合金化鋼粉にさらに合金成分を部分拡散させたハイブリッド鋼粉など、任意のものを用いることができる。合金鋼粉における合金成分としては、例えば、Cr、Mn、Ni、Mo、V、Cu、Nb等が挙げられ、特に、Ni、Mo、Cu等は拡散接合によっても添加できる。鉄基粉末中における合金成分の含有量は特に限定されず、鉄基粉末である前提(Fe:50質量%以上)を満たすかぎり、任意の値とすることができる。
前記鉄基粉末中には、Feおよび合金成分以外の不純物が含まれることも許容される。なお、鉄基粉末中における前記不純物の合計含有量は、3質量%以下とすることが好ましい。鉄基粉末に含有される代表的な不純物としては、C、Si、Mn、P、S、O、N等が挙げられる。これらの不純物が鉄基粉末に含有される場合、それぞれの含有量は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.10%以下、Mn(合金元素として添加しない場合):0.50%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下、O:0.50%以下、N:0.1%以下とすることが好ましい。
鉄基粉末の平均粒径は特に限定されず、任意の値とすることができるが、粉末冶金に用いられる通常の範囲として、70〜100μmとすることが好ましい。ここで、鉄基粉末の平均粒径とは、特に断りがない限り、JIS Z 2510:2004に準拠した乾式ふるい分けによる測定値とする。
[共重合ポリアミド]
上記共重合ポリアミドとしては、特に限定されることなく任意のものを用いることができるが、鉄基粉末への付着性の観点から、該共重合ポリアミドの融点を80〜120℃とする。共重合ポリアミドの融点が80〜120℃であれば、上記混合粉末を製造するために鉄基粉末や共重合ポリアミドを加熱混合する際に、前記鉄基粉末の表面に前記共重合ポリアミドを良好に付着させることができる。
前記共重合ポリアミドを構成するモノマーとしては、例えば、(A)ポリカプロアミド、ポリドデカンアミド等を構成するラクタムまたはアミノカルボン酸;(B)ポリテトラメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカンアミド等を構成するジカルボン酸とジアミンが等モル量結合した塩を挙げることができる。例えば、前記(A)及び(B)から選択される任意の2種以上のモノマーを共重合させて得られた共重合体を、前記共重合ポリアミドとして用いることができる。前記モノマーとしては、(i)ポリカプロアミドを構成するε−カプロラクタム;(ii)ポリヘキサメチレンアジパミドを構成するヘキサメチレンジアンモニウムアジペート(AH塩);(iii)ポリヘキサメチレンセバカミドを構成するヘキサメチレンジアンモニウムセバケート(SH塩);(iv)ポリドデカンアミドを構成するω−ラウロラクタムを含むことが特に好ましく、前記(i)〜(iv)のモノマーからなる4元共重合体とすることがさらに好ましい。
[[共重合ポリアミドの平均粒径]]
共重合ポリアミドの平均粒径は特に限定されず、任意の値とすることができる。しかし、平均粒径が大きすぎると、混合粉末の密度が低下して目的の強度が得られにくくなる場合があり、小さすぎると流動性が不十分となる場合があることから、共重合ポリアミドの平均粒径を5〜100μmとすることが好ましい。共重合ポリアミドの平均粒径が前記範囲内であれば、混合粉末の流動性がより良好となり、圧粉体にしたときの焼結前の加工性がより優れる。なお、ここで共重合ポリアミドの「平均粒径」とは、体積平均粒子径を指し、レーザー回折/散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
[[共重合ポリアミドの含有量]]
本発明の混合粉末における共重合ポリアミドの含有量は特に限定されず、任意の値とすることができる。しかし、共重合ポリアミドの含有量が少なすぎると十分な強度が得られにくい場合があり、多すぎると圧粉体の密度が低下する場合があり得ることから、粉末冶金用混合粉末中における共重合ポリアミドの含有量を、鉄基粉末100質量部に対して0.05〜0.4質量部とすることが好ましく、0.1〜0.2質量部とすることがより好ましい。
[マイクロカプセル]
上記マイクロカプセルとしては、液状硬化性化合物を内包するものであれば任意のものを用いることができる。前記マイクロカプセルは、膜物質からなるカプセル壁の内部に、内包剤(芯物質)として、少なくとも液状硬化性化合物を内包する。このように、本発明の混合粉末では液状硬化性化合物がマイクロカプセル化された状態で存在しているため、加圧成形する前の状態では鉄基粉末の粒子どうしが接着されることがなく、流動性に優れている。なお、本明細書において、「液状」とは、常温(25℃)で液体であることを意味する。同様に、「粉末状」とは、常温で固体であることを意味する。また、マイクロカプセルに、液状の硬化性化合物以外の他の成分を共存させることは許容される。
液状硬化性化合物をマイクロカプセル化する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法等、任意の方法を使用することができる。例えば、Solid in Oil(S/O)マイクロカプセル法、相分離法、界面重合法、in−situ重合法、スプレードライ法などが挙げられるが、これらの方法に限定されない。
マイクロカプセルのカプセル壁の材質(カプセル壁材)としては、特に限定されず、樹脂などの任意の材料が使用できる。例えば、尿素樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂などが挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
マイクロカプセルにおいて、内包剤とカプセル壁との質量比(内包剤/カプセル壁)は、特に限定されないが、例えば、99/1〜50/50とすることができ、95/5〜70/30とすることが好ましい。
[[マイクロカプセルの平均粒径]]
上記マイクロカプセルの平均粒径は特に限定されず、任意の値とすることができる。しかし、平均粒径が大きすぎると混合粉末の密度が低下して目的の強度が得られにくくなる場合があり、小さすぎると流動性が不十分となる場合がある。そのため、マイクロカプセルの平均粒径は5〜100μmとすることが好ましい。マイクロカプセルの平均粒径が前記範囲内であれば、混合粉末の流動性がより良好となり、圧粉体にしたときの焼結前の加工性がより優れる。マイクロカプセルの平均粒径は、20〜90μmとすることがより好ましく、30〜80μmとすることがさらに好ましい。なお、ここでマイクロカプセルの「平均粒径」とは、体積平均粒子径を指し、レーザー回折/散乱式粒度分布計を用いて測定することができる。
[[マイクロカプセルの含有量]]
上記粉末冶金用混合粉末中における、液状硬化性化合物を内包するマイクロカプセルの含有量(以下、単に「マイクロカプセルの含有量」という場合がある)は、特に限定されず、任意の値とすることができる。しかし、マイクロカプセルの含有量が少なすぎると加圧成形時に内包剤が十分に染み出さず、十分な強度が得られにくい場合がある。また、逆にマイクロカプセルの含有量が多すぎると内包剤が圧粉体外へ染み出して金型へ付着し、抜出し性が悪化する場合や、鉄基粉末の粒子どうしのネッキングを阻害して強度が低下する場合があり得る。そのため、マイクロカプセルの含有量は鉄基粉末100質量部に対して0.05〜2質量部とすることが好ましく、0.08〜1.5質量部とすることがより好ましく、0.10〜1.0質量部とすることがさらに好ましい。
なお、粉末冶金用混合粉末は、加圧成形後における抜出し性を良好にするため、通常、潤滑剤(離型剤)が配合されることが多いが、本発明の混合粉末においては、マイクロカプセルを含有することで、抜出し性を良好にできるため、混合粉末が潤滑剤を含有しないことも許容される。もっとも、本発明の混合粉末に潤滑剤を配合することは排除されない。
[[液状硬化性化合物]]
マイクロカプセルの内包剤である液状硬化性化合物(以下、単に「硬化性化合物」ともいう)は、本発明の混合粉末を加圧成形して圧粉体を得る際に、マイクロカプセルから染み出して、鉄基粉末の粒子どうしを接着する。前記液状硬化性化合物としては、特に限定されることなく、液状の硬化性化合物であれば任意のものを用いることができる。例えば、接着剤等として用いられる硬化性化合物を使用でき、具体的には、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ウレタンプレポリマー、エポキシ樹脂プレポリマー、(メタ)アクリレート化合物(嫌気性)、変成シリコーン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。
なお、本発明の混合粉末は、更に、例えば、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、カップリング剤などの添加剤を含有してもよく、なかでも、硬化剤および硬化促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。これらは、液状であっても粉末状であってもよく、また、マイクロカプセルに内包されていてもよく、内包されていなくてもよい。
上記液状硬化性化合物としてノボラック型フェノール樹脂をマイクロカプセルに内包させる場合は、本発明の混合粉末には、別途、粉末状の硬化剤として、例えばヘキサメチレンテトラミンを添加してもよい。このとき、ノボラック型フェノール樹脂と硬化剤の質量比(ノボラック型フェノール樹脂/硬化剤)は、50/50〜99.99/0.01とすることが好ましい。
上記液状硬化性化合物としてウレタンプレポリマーをマイクロカプセルに内包させる場合は、更に、このマイクロカプセルに、硬化促進剤(例えば、オクテン酸鉛、フェニル水銀プロピオン酸塩、ジブチルチンジラウレート、ビスマスアセテートなど)を内包させてもよい。ウレタンプレポリマーと硬化促進剤の質量比(ウレタンプレポリマー/硬化促進剤)は、50/50〜99.99/0.01とすることが好ましい。
また、上記エポキシ樹脂プレポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとを縮合重合させたエポキシ樹脂プレポリマー(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)などを用いることができる。
上記液状硬化性化合物としてエポキシ樹脂プレポリマーをマイクロカプセルに内包させる場合は、本発明の混合粉末に、別途、粉末状の硬化剤(例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物などの酸無水物;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族アミン;等)を添加できる。前記硬化剤の添加量は、エポキシ当量に基づいて決定することが好ましく、例えば、芳香族ジアミンを硬化剤として用いる場合には、通常、エポキシ樹脂プレポリマー100質量部に対して、芳香族ジアミンを25〜35質量部とすることが好ましい。また、さらにこのマイクロカプセルに、硬化促進剤(例えば、N,N−ジメチルピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第三級アミン)を、例えば、エポキシ樹脂プレポリマー100質量部に対して硬化促進剤が0.01〜20質量部となるよう内包させてもよい。
上記液状硬化性化合物として(メタ)アクリレート化合物(嫌気性)を用いる場合、マイクロカプセルには、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、硬化剤、および任意に硬化促進剤を内包させることができる。一例としては、ジ(メタ)クリレートなどの(メタ)アクリレートモノマー3〜97質量%と、硬化剤である過酸化物3〜97質量%とを内包させることができ、さらに、硬化促進剤であるアミンを、(メタ)アクリレートモノマーおよび過酸化物の合計100質量部に対して0.1〜30質量部内包させることもできる。
上記液状硬化性化合物として変成シリコーン樹脂(エポキシ・変成シリコーン樹脂、アクリル・変成シリコーン樹脂などを含む)を用いる場合、マイクロカプセルには、例えば、変性シリコーン樹脂に加え、任意に変性シリコーン樹脂用触媒や充填剤を内包させることができる。また、前記成分に加えてさらに、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂用硬化剤を内包させることもできる。一例として、変成シリコーン樹脂100質量部に対し、変成シリコーン樹脂用触媒0.1〜20質量部、充填剤0.1〜200質量部、エポキシ樹脂0.5〜300質量部、および、エポキシ樹脂硬化剤0.1〜200質量部などを内包させることができる。前記充填剤としては、例えば、発泡体の表面に無機剤が存在する嵩比重が0.5以下の充填剤を用いることができる。前記発泡体としては、有機系、無機系いずれのものも使用できるが、例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等の有機系発泡体を用いることが好ましい。また、前記無機剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等の無機材料を使用することが好ましい。
なお、本発明の混合粉末は、可塑剤、カップリング剤を含有できる。液状硬化性化合物が変成シリコーン樹脂である場合、可塑剤およびカップリング剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸アルキルエステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸アルキルエステル類;ペンタエリスリトールエステル;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤;ポリプロピレングリコール;ポリエチレングリコール;塩素化パラフィン;等が挙げられる。前記可塑剤は、例えば、液状硬化性化合物100質量部に対して、10〜300質量部含有させることができる。
前記カップリング剤としては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。前記カップリング剤は、例えば、液状硬化性化合物100質量部に対して1〜15質量部含有させることができる。
上記液状硬化性化合物の分子量(重量平均分子量、数平均分子量を含む)は、硬化性化合物が液状であれば特に限定されず、適宜設定される。
[マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物]
本発明においては、粉末冶金用混合粉末中における、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量を、鉄基粉末100質量部に対して0.10質量部以下とする。これにより、本発明の混合粉末を加圧成形する前の状態では、鉄基粉末の粒子どうしが接着されることがなく、流動性に優れる。前記マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物としては、例えば、マイクロカプセルの内包剤である液状硬化性化合物として説明したものを用いることができる。マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量は、鉄基粉末100質量部に対して0.01質量部以下とすることがより好ましく、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物を実質的に含有しないことがさらに好ましい。なお、ここで「マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物を実質的に含有しない」とは、「マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物を粉末冶金用混合粉末に添加しない」ことを意味する。
[その他の添加剤]
本発明の混合粉末は、上記構成成分に加え、さらに必要に応じてその他の添加剤を、マイクロカプセルに内包されていない状態で任意に含有することができる。前記添加剤としては、例えば、上述したように硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、および、カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。また、他に潤滑剤を用いることもできる。前記潤滑剤としては、例えば、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛など)、脂肪酸アミド、アミドワックス、共重合ポリアミド、ポリエチレン、酸化ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
[粉末冶金用混合粉末の製造方法および使用方法]
次に、本発明の粉末冶金用混合粉末の製造方法および使用方法について説明する。なお、以下の説明は本発明の一実施形態に関するものであって、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の混合粉末は、上述した必須成分および任意成分を、例えば混合機を用いて適宜混合することにより得られる。例えば、鉄基粉末に共重合ポリアミド、さらに任意に合金用粉末を加えて、1次混合する。前記1次混合の際に、共重合ポリアミドの融点以上に加熱しつつ撹拌し、混合しながら徐々に冷却することによって、鉄基粉末の表面を共重合ポリアミドによって被覆することができる。また、合金用粉末やその他の添加剤を添加した場合には。これらの成分も鉄基粉末の表面に固着する。
前記混合を行う手段としては、特に制限はなく、各種の混合機を使用できる。前記混合機としては例えば、V型混合機や、加熱が容易な高速底部撹拌式混合機、傾斜回転パン型混合機、回転クワ型混合機および円錐遊星スクリュー形混合機などが特に好適に用いられる。
このようにして得られた本発明の混合粉末は、粉末冶金の原料として使用できる。すなわち、本発明の混合粉末を、任意の方法によって加圧成形して圧粉体(圧粉成形体)とし、次いで、この圧粉体を例えば1000〜1300℃で焼結させることで、機械部品などの焼結部品を製造できる。このとき、本発明の混合粉末は、加圧成形するに際して、貯蔵ホッパーからの排出時や金型への充填時などの移送時における流動性が優れるため、生産スピードや充填性が良好となり、製品品質の向上や製造コスト低減などが期待できる。また、本発明の混合粉末を加圧成形して得られた圧粉体は、密度を保持しつつ、高強度化されており、焼結前であっても、損傷を抑制しつつ切削加工等の加工(グリーン加工)を行なうことができる。
[硬化処理]
上記液状硬化性化合物として、アクリル系やフェノール系、及びエポキシ系等の熱硬化性化合物を使用した場合には、圧粉体成形後、さらに該液状硬化性化合物を硬化させるための硬化処理(加熱処理)を行うこともできる。加熱して液状硬化性化合物を硬化させることによって、圧粉体の強度をさらに向上させることができる。前記硬化処理の条件は、使用する熱硬化性液状化合物の種類に応じて決定すればよいが、一般的には80℃〜200℃で10分から1時間、より好適には15分から30分の範囲で行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
純鉄粉(JFEスチール社製 アトマイズ鉄粉301A)に銅粉:2質量%および黒鉛粉:0.8質量%を添加した鉄基粉末を準備し、この鉄基粉末100質量部に対して、共重合ポリアミド粒子(融点116℃,平均粒径40μm)を0.2質量部添加(1次添加)し、高速底部撹拌式混合機で所定温度にて加熱混合を行った。次いで、徐冷した後、液状のエポキシ樹脂プレポリマーを内包するマイクロカプセルと、粉末状の硬化剤である芳香族アミン(メタフェニレンジアミン)とを、4:1の割合(質量比)で鉄基粉末100質量部に対して0.5質量部添加(2次添加)し、再度高速底部撹拌式混合機で室温にて混合して粉末冶金用混合粉末を得た。前記粉末冶金用混合粉末には、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物が添加されておらず、したがって、該粉末冶金用混合粉末は、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物を実質的に含有しない。
前記マイクロカプセルとしては、以下のものを使用した。
・カプセル壁:尿素樹脂
・内包剤:液状のエポキシ樹脂プレポリマー(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・質量比(内包剤/カプセル壁):80/20
・平均粒径:60μm
上記マイクロカプセルは、内包剤となる芯物質の分散溶液中にカプセル壁となる膜物質を溶解し、界面で重合反応を起すことによってマイクロカプセルを調製する、in−situ重合法により作製した。より詳細には、特許第5239786号公報の段落[0144]に記載された方法に準拠して、マイクロカプセルを作製した。
さらに、得られた粉末冶金用混合粉末の特性を評価するために該粉末冶金用混合粉末を成形して圧粉体を得た。成形条件については後述する。
<実施例2>
成形後、さらに80℃、30分での加熱硬化処理を施した点以外は実施例1と同様にして、粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<実施例3>
成形後、さらに120℃、30分での加熱硬化処理を施した点以外は実施例1と同様にして、粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<実施例4>
2次添加で添加されるマイクロカプセルと硬化剤の合計量を、鉄基粉末100質量部に対して1質量部とした以外は、実施例3と同様の方法で粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<実施例5>
2次添加で添加されるマイクロカプセルと硬化剤の合計量を、鉄基粉末100質量部に対して2.5質量部とした以外は、実施例3と同様の方法で粉末冶金用混合粉末を得た。
<比較例1>
添加する共重合ポリアミド粒子を、融点が140℃,平均粒径40μmのものに置き換えた以外は実施例3と同様の方法で粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<比較例2>
2次添加を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。したがって、得られた粉末冶金用混合粉末にはマイクロカプセルおよび硬化剤が添加されていない。
<比較例3>
1次添加を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で粉末冶金用混合粉末をおよび圧粉体を得た。したがって、得られた粉末冶金用混合粉末には共重合ポリアミドが添加されていない。
<比較例4>
成形後、さらに80℃、30分での加熱硬化処理を施した点以外は比較例2と同様にして、粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<比較例5>
成形後、さらに120℃、30分での加熱硬化処理を施した点以外は比較例2と同様にして、粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<比較例6>
1次添加の際に、共重合ポリアミドに代えてエチレンビスステアロアミド(EBS)を0.2質量部添加した以外は比較例1と同様の方法で粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<比較例7>
1次添加の際に、共重合ポリアミドに代えてエチレンビスステアロアミド(EBS)を0.2質量部添加した以外は実施例1と同様の方法で粉末冶金用混合粉末および圧粉体を得た。
<評価>
得られた粉末冶金用混合粉末を用いて、以下の評価を行なった。各粉末冶金用混合粉末の製造条件と評価結果を表1に示す。
(流動度)
得られた粉末冶金用混合粉末50gを、オリフィス径:2.5mmの容器に充填し、充填してから排出するまでの時間を測定して、流動度(単位:sec/50g)を求めた。なお、その他の測定条件は、JIS Z 2502:2012に準拠した。流動度は、金型充填時の混合粉の流動性を示す指標であり、流動度の値が小さいほど混合粉の流動性が優れていることを意味する。
(密度および抜出し力)
得られた粉末冶金用混合粉末を、日本粉末冶金工業会規格JPMA P10−1992に準拠して、588MPaの成形圧力で成形し、得られた圧粉体の密度(単位:g/cm3)および抜出し力(単位:MPa)を測定した。抜出し力の値が低いほど抜出し性が優れることを意味する。
(抗折強度)
得られた粉末冶金用混合粉末について、日本粉末冶金工業会規格JPMA P10−1992に準拠して、588MPaの成形圧力で成形し、得られた圧粉体の抗折強度(単位:MPa)を測定した。圧粉体の抗折強度は、ドリル加工時に発生する割れに対する数値的指標であり、抗折強度の値が大きいほど、圧粉体が高強度化されており、焼結前の圧粉体の加工性に優れることを意味する。
Figure 0006436127
表1に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす粉末冶金用混合粉末は、流動性が優れていた。また、該混合粉を用いて作製した圧粉体は抜出性と密度が良好であるとともに、焼結前の状態であっても優れた加工性を備えていた。

Claims (4)

  1. 鉄基粉末、融点80〜120℃の共重合ポリアミド、およびマイクロカプセルを含有する粉末冶金用混合粉末であって、
    前記マイクロカプセルが液状硬化性化合物を内包しており、
    前記液状硬化性化合物を内包する前記マイクロカプセルの含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.4〜2質量部であり、
    前記粉末冶金用混合粉末中における、マイクロカプセルに内包されていない液状硬化性化合物の含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.10質量部以下である、粉末冶金用混合粉末。
  2. 前記共重合ポリアミドの含有量が、前記鉄基粉末100質量部に対して0.05〜0.4質量部である、請求項1に記載の粉末冶金用混合粉末。
  3. 前記鉄基粉末が前記共重合ポリアミドによって被覆されている、請求項1または2に記載の粉末冶金用混合粉末。
  4. 前記マイクロカプセルに内包されていない、硬化剤、硬化促進剤、可塑剤、および、カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の粉末冶金用混合粉末。




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