JP6435327B2 - 患者インターフェイスのためのシーリングクッション - Google Patents

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Description

本発明は、患者に呼吸ガス流を提供するための圧支持(pressure support)システムにおいて特に使用され得る患者インターフェイスのためのシーリングクッションに関する。
圧支持システムにおける顔マスク等の患者インターフェイスは、ユーザに呼吸ガス流を送達するために使用される。空気、清浄空気、酸素又はいかなるその変形等、そのようなガスは、加圧されたか又は加圧されていない様式で患者インターフェイスを介して(患者とも呼ばれる)ユーザに与えられる。
いくつかの慢性的な障害及び疾患に対して、そのような患者インターフェイスの使用は、必要であるか又は少なくとも得策である。
そのような疾患の1つの非限定的な例は、閉塞性睡眠時無呼吸又は閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)である。OSAは、通常、上気道の閉塞によって引き起こされ、睡眠中の呼吸における反復性の休止によって特徴づけられ、さらに、通常、血中酸素飽和度における減少に関連している。無呼吸と呼ばれるこれらの呼吸の休止は、典型的には、20から40秒又はそれ以上続く。上気道の閉塞は、通常、睡眠中に発生する減少した体の筋緊張によって引き起こされる。ヒトの気道は、崩壊しその結果睡眠中の呼吸を妨げ得る軟部組織の壁で構成される。舌の組織は、睡眠中に咽頭の奥に向かって移動し、その結果、空気の通り道を遮断する。従って、OSAは、一般に、いびきを伴う。
OSAに対する種々の侵襲的及び非侵襲的治療が知られている。最も強力な非侵襲的治療のうちの1つは、持続的気道陽圧法(CPAP)又はバイレベル気道陽圧法(BiPAP)の使用であり、これらの治療では、例えば顔マスク等の患者インターフェイスがホースを介して圧力生成装置に接続され、圧力生成装置は、患者の気道を開いたまま維持するために、患者インターフェイス内に及び患者の気道を通して加圧呼吸ガスを送る。通常、患者インターフェイスの長期の使用が必要である。患者インターフェイスは、ほとんどの場合、患者が眠っている夜中装着される。
患者インターフェイスに対する例は:
− 鼻にフィットし、さらに、鼻孔を通してガスを送達する鼻マスク、
− 鼻にも口にもフィットし、さらに、その両方にガスを送達するフルフェイスマスク、及び、
− 本発明の範囲内のマスクともみなされ、さらに、鼻孔にガスを直接送達する小さい鼻挿入物を含む鼻ピロー、
である。
信頼できる作動を保証するために、患者インターフェイスは、患者の顔にぴったりフィットして、マスクから顔へのインターフェイスにて気密シールを提供する必要がある。患者インターフェイスは、患者の後頭部にわたるストラップを有するヘッドギアによって患者の頭部に着用される。患者インターフェイスは、通常、マスクから患者へのインターフェイスとして使用される、すなわち、患者インターフェイスが装着された場合に患者の顔に接触する柔らかいシーリングクッションを含む。さらに、そのような患者インターフェイスは、通常、シーリングクッションをしかるべき所に保持するため、及び、患者インターフェイスに対する機械的安定性を供給するための堅い又は完全には堅くない保持構造体を含む。この保持構造体は、マスクシェルとして表わされる。またさらに、そのような患者インターフェイスは、さらなるクッションを有する1つ又は複数の前頭部支持体を含んでもよい。これらの前頭部支持体は、患者の前頭部に接触して、患者インターフェイスを患者の顔に対して押す力のバランスを保つように構成される。
そのような患者インターフェイスの最も重要な部分の1つは、上記のシーリングクッションである。このシーリングクッションは、優れたシーリング効果に必要とされる患者インターフェイスと患者の顔との気密シールを形成する機能を有する。基本機能は別として、気密な接触は、患者の不快感のさらなる原因であり得るため、過剰な漏れを防ぐためにも必要とされる。シーリングクッションは患者の顔と直接接触しているため、上記のシーリングクッションの特性も、患者にとっての患者インターフェイスの総合的な快適さに対して重大な影響を与える。
間違って装着されたシーリングクッションの暗示は、患者の顔における赤い跡(red mark)の形成である。そのような赤い跡は、数分から何時間にも及ぶ期間、マスクがはずされた後も目に見えたまま残り得る。マスクの繰り返しの使用は、褥瘡と類似の、さらにより重度の皮膚のダメージを引き起こし得る。
赤い跡の重症度は、顔の位置によって変わり得る皮膚の特性及び皮下の組織構造体の結果でもある。顔の骨の部分が、赤い跡の形成を最も受けやすい部分である。特に、鼻梁の上では、鼻の骨構造と組み合わせて鼻の形状、及び、角質層(皮膚の最上層)の厚さ等の特定の皮膚の特徴により、圧力のピークが最も多く観察される。従って、シーリングクッションと患者の顔との間の最も大きい接触応力は、通常、鼻梁の領域(鼻の尖部)において観察される。
一部の既知の従来技術文献は、鼻梁接触領域において非常に柔らかいクッション部分を使用することを提案している。特許文献1は、使用中鼻梁に接触するシーリングクッションの領域が、クッションの残りの部分よりも柔軟であるように構成されるシーリングクッションを提案している。これらの処置は改善を示したけれども、実験が、そのようなシーリングクッションは、特に患者インターフェイスがより長い期間使用される場合に、赤い跡を依然として形成するということを示している。
特許文献2は、ユーザインターフェイス装置のためのクッション部材を開示している。クッション部材は、クッション部材がユーザによって着用されるのに応答性の負荷分散機能を提供するように構成され、クッション部材の少なくとも一部が、1kPa〜15kPaのクッション部材上の応力の増加に応答性の100kPa/mm以下の局所的剛性を有する。
可能な限り柔らかくあるように設計されたさらなるシーリングクッションが、特許文献3及び特許文献4から既知である。
より柔らかいか又はより柔軟な材料を提供することは、上記の問題を部分的に解決するだけであり、患者の鼻梁の上の赤い跡の形成を完全には防がないということを本出願人の実験は示している。このため、依然として改善の余地がある。
US 2012/285464 A1 WO2013/001489 A1 US 2012/0138061 A1 US 2006/0096598 A1
患者の顔の上の圧覚点及び赤い跡の形成を減らす患者インターフェイス及びそのような患者インターフェイスのためのクッションを提供することが、本発明の目的である。
本発明によると、この目的は、患者インターフェイスのためのシーリングクッションによって解決され、そのクッションは、クッションの使用中患者の鼻梁に接触するように構成される鼻梁接触領域を含み、鼻梁接触領域は、0.1から1に及ぶ材料のひずみにて0.N/mm未満の割線剛性(secant stiffness)を有する材料を含み、割線剛性は、材料のひずみによって割られる材料の単位幅あたりの材料に加えられる引張力として定義され、材料のひずみは、材料の元の長さの単位あたりの長さにおける材料の伸張力の比を示す。
本発明のさらなる態様によると、上記の目的は、上記のタイプのシーリングクッション、及び、シーリングクッションを保持するための支持部材を含む患者インターフェイスによって解決される。
本発明のさらなる別の態様によると、上記の目的は、上記のタイプのクッションを有する患者インターフェイス、及び、患者の気道まで患者インターフェイスを介して呼吸ガス流を送達するための、患者インターフェイスに接続される圧力生成装置を含む圧力支持システムによって解決される。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において定められている。本発明の患者インターフェイス及び本発明の圧力支持システムは、本発明のシーリングクッションと類似の及び/又は同じ、並びに、従属請求項において定められる好ましい実施形態を有するということが理解されたい。
上記の目的を考慮して、特許文献1のような既知の従来技術文献のほとんどが、シーリングクッションの残りの部分に対して使用される材料よりも柔らかい、より柔軟な又はより粘弾性の材料を有する鼻梁接触領域を有するシーリングクッションを提供することを提案している。しかし、本発明者等は、柔らかさ及び粘弾性のようなパラメータは、赤い跡又は圧覚点の形成を防ぐための最も重要なパラメータではないということを見つけた。本出願人の実験は、鼻梁接触領域に対して使用される材料に対する最も重要なパラメータは、その材料の剛性、特に、その材料の割線剛性であるということを示している。本明細書において定義される割線剛性は、特定のレベルの材料の伸張力/伸長力に必要とされる材料の単位幅あたりの引張力を示している。本出願人の実験は、特に、患者の顔の上の赤い跡及び圧覚点の形成は、0.1から1に及ぶ材料のひずみにて0.N/mm未満の割線剛性を有する材料がシーリングクッションの鼻梁接触領域に使用される場合に防ぐことができるということを示している。これらの割線剛性の要求を満たす材料は、患者インターフェイスの長期間の使用の後でさえも、患者の鼻梁の上に赤い跡又は圧覚点を全く形成しない。
上記の割線剛性の範囲を満たす材料は、上記のタイプのシーリングクッションに対して「通常」使用される材料より堅さは少なく、従って、より伸縮できるということに留意されたい。クッションの鼻梁領域におけるこのより低い剛性/より高い伸縮可能性の作用は2倍であり、すなわち、第一に、そのような材料は鼻の三次元形状により適合し、従って、漏れを防ぐため、異なる鼻の大きさ及び形状に対して優れたシーリング効果を促進する。第二に、これらの材料は、容易に伸びて鼻のサイズ及び形状に適合するため、鼻梁領域においてクッションの設計及び形状に完全にはフィットしない鼻の形状に対する高い接触応力の発生を防ぐ。高い接触応力点の減少及び/又は排除は、その結果、患者の鼻梁の上の赤い跡の減少及び/又は排除をもたらす。
低い割線剛性の値は、材料の伸張力が、所与の単位幅あたりの引張力にてかなり高いということ、又は、材料の単位幅あたりの比較的低い引張力が、特定のレベルの材料の伸張力/伸長力に対して加えられる必要があるということを意味する。低い割線剛性を有する材料は、従って、より高い割線剛性を有する材料よりも伸縮可能である。
上記のように、割線剛性は、材料のひずみによって割られる材料の単位幅あたりの材料に加えられる引張力として測定される伸張性のある材料の剛性のタイプであり:
Figure 0006435327
式中、Sは割線剛性であり、Fは材料に加えられる力であり、wは材料の幅であり、さらに、εは材料のひずみである。本明細書における材料のひずみεは、材料の緩んだ状態における元の長さの単位あたりの材料の長さにおける変化の比を示す。従って、ゼロのひずみは、材料が緩んだ状態にあり、その元の長さを有するということを意味し、1又は100%のひずみは、受ける長さが材料の元の緩んだ長さよりも2倍長いほど材料が伸ばされているということを意味する。
さらに、割線剛性は、ひずみによって割られる応力として、すなわち、(本明細書において測定されるように材料の単位幅あたりではなく)材料の断面領域の単位あたりのひずみによって割られる力として通常測定されるヤング係数とは対照的に、材料の単位幅あたり測定されるということに留意されたい。本発明の意義の範囲内で、材料の幅は、長さ及び厚さに対して垂直の材料の大きさを示す。
またさらに、本発明の意義の範囲内で、クッションのうち、患者の鼻梁に接触する「少なくとも」一部(本明細書においては鼻梁接触領域として示される)は、上記のタイプの材料を含むべきであるということに留意することが重要である。本発明は、しかし、鼻梁接触領域においてのみ上記のタイプの材料を含むクッションに限定されない。本発明によると、クッションのうち他の部分又はクッション全体でさえも、上記のタイプの材料から作製されてもよい。
上記の割線剛性は、従って、例えばショア硬度等の材料特性によっても、材料の厚さ、及び、患者の顔の鼻梁領域に適合するように形成されるその形等、形状によっても影響される。
非常に敏感な患者の顔の鼻梁領域における圧覚点及び赤い跡の形成は、上記の割線剛性よりもさらに低い割線剛性を有する材料、すなわち、さらにより伸縮可能な材料が、シーリングクッションの鼻梁接触領域において使用される場合に、依然としてより効果的に防ぐことができる。
特許文献2も、「剛性(stiffness)」という用語を使用しているけれども、その中で定義される「剛性」は、本開示により定義される割線剛性とは異なる材料のパラメータに関する。特許文献2において定義される「剛性」は、「割線剛性」とは対照的に、材料の単位幅あたりで定められず、断面領域の単位あたりで定められる。さらにより重要なことは、特許文献2において定義される剛性は、材料の圧縮性(負荷をかけている間の厚さの減少)を示す材料挙動に関し、本開示により定義される割線剛性は、伸縮可能性(負荷をかけている間の長さにおける材料の伸張力)を示す材料挙動に関するということである。言い換えると、特許文献2において定義される剛性は、材料の伸縮可能性の代わりに、材料の柔らかさ及び圧縮性にはるかにより関する。
特許文献3も、本開示により定義される割線剛性を有するシーリングクッションに対する材料について言及していない。特許文献3は、約35から約45のタイプAデュロメータを有する材料において成形されたクッションを使用している。ここでも、この材料のパラメータは柔らかさを意味するが、伸縮可能性を意味しておらず、すなわち、本開示により定義される材料の割線剛性を意味していない。それとは別に、特許文献3は、アンダークッション及びカバー膜を有する二重壁構成によって(すなわち、クッションの材料挙動を適応させることによってではなく)シーリングクッションの柔らかさ及び剛性を調節することを試みている。またさらに、特許文献3において使用される「堅い(stiff)」という用語は、本開示において定義される材料の割線剛性と比べることはできない異なる種類の材料挙動に関する。特許文献3における「剛性(stiffness)」という用語は、柔軟性の材料挙動、すなわち、その材料がどのくらい曲がるかを示している。
特許文献4は、硬度、伸び率、ヤング係数及び引裂強さのような特定の定義された材料特性を有する熱可塑性エラストマーゲルを含むシーリングクッションを開示している。これらの材料のパラメータのいずれも、本開示により定義される材料の割線剛性と比べることはできない。「硬度」は、ショア硬度、すなわち、材料がどのくらい硬い又は柔らかいかを意味する。「伸び率」は、特許文献4によると、材料が壊れ始める前の、元の長さと比較した長さの変化として定義されている。「ヤング係数」及び「引裂強さ」も、割線剛性と同じではない。ヤング係数は、単位領域あたりの(すなわち材料の単位幅あたりではない)材料に加えられる引張力として定義されている。ヤング係数とは対照的に、割線剛性は、従って、材料の厚さ及びその形状によって影響される。引裂強さは、標準テストにおいて測定されるパラメータであり、材料内で裂けるのを開始するのに必要な力を示す。
本発明の実施形態によると、鼻梁接触領域の材料は、0.1から1の材料のひずみにて0.1N/mm未満の、さらに、最も好ましくは0.05N/mm未満の割線剛性を有する。ここでも、上記の材料は、鼻梁接触領域のみに使用されるよう制限されず、クッションの他の部分においても含むことができる。患者の快適さを、クッションの鼻梁接触領域以外の部分が上記の材料を含む場合にさらに上げることができる。
「0.1から1の材料のひずみにて」という用語は、割線剛性が、0.1から1の材料のひずみの範囲において上記の上限を下回るが、好ましくは、0.1から1の材料のひずみの範囲全体にわたって限定されるということを意味する。しかし、そのような材料は、上記のひずみの範囲において線形(linear)割線剛性の挙動を必ずしも有していなければならないというわけではないことに留意するべきである。
さらなる実施形態によると、シーリングクッションは、患者の顔の一部を受けるための受け開口部を含み、シーリングクッションは、受け開口部を取り囲む少なくとも2つの部分を含み、第1の部分は鼻梁接触領域を構成し、第2の部分は、患者の顔のうち鼻梁以外の部分に接触するように構成される。この場合、上記の第2の部分は、第1の部分よりも高い/大きい割線剛性を有するように設計される。
フルフェイスマスクの場合、第1の部分は患者の鼻梁に接触し、シーリングクッションの第2の部分は、患者の鼻及び口の周りの残りの領域に接触する。鼻マスクの場合、第1の部分は患者の鼻梁に接触し、シーリングクッションの第2の部分は、患者の鼻の周りの残りの部分を取り囲む。クッション全体に対して、すなわち、鼻梁接触領域に対してだけではなく上記の引張力特性を有する材料を使用することが一般的には考えられるけれども、シーリングクッションのうち、患者の鼻梁に接触しない残りの部分に対して、より伸縮性が少ない且つより高い割線剛性を有する異なる種類の材料を使用することが有利である。後者の上記領域においてより堅い/伸縮性が少ない材料を使用することは、特に、シーリングクッションの総合的な安定性が増すという利点を有する。増した安定性は、残りの領域における漏れを防ぐことにも寄与するため、シーリングクッションの重要なシーリング挙動を成し遂げることができる。
第1及び第2の部分は、好ましくは、互いにシームレスに接続させられる。そのようなシームレスな接続も、異なる割線剛性/伸縮可能性の特性を有する2つの部分間の境界での漏れを防ぐことに寄与する。患者は2つの異なる材料がシーリングクッションの周囲に沿って使用されているということさえ認識しない可能性があるため、シームレスな接続は、患者にとっての快適さをさらに上げる。シーリングクッションは、異なる引張剛性の特性の材料を有する3つ以上の部分を含んでもよいということにも留意するべきである。
さらなる実施形態によると、鼻梁接触領域は、シーリングフラップとして形成される。これは、鼻梁接触領域を形成する上記の材料が、例えばシーリングクッションの内部に提供されたインサートを覆うシーリングフラップとして具体化されてもよいということを意味する。上記のインサートは、例えばゲルから作製される柔らかい材料、又は、いかなる他の粘弾性材料を含んでもよい。この場合、シーリングフラップは、患者の鼻梁に接触するシーリングクッションの外表面を形成する。
鼻梁接触領域においてシーリングフラップに使用され得る材料は、シリコーンを含んでもよい。本出願人の実験は、40未満のショアA値、及び、(緩んだ状態で)0.5mm未満の厚さを有するシリコーン材料は、10%から100%のひずみ範囲において0.45N/mm未満の割線剛性値を有するという上記の要求を満たすということを示している。ここでも、要求を満たしているとされた上記の割線剛性は、ショアA硬度だけでなく、材料の厚さにも依存するということに留意されたい。上記のショアA硬度と材料の厚さとの組み合わせは、従来技術によるシーリングクッションに対して使用される標準的なシリコーン材料よりも本質的に柔らかく且つより伸縮可能な材料をもたらすということにさらに留意されたい。本出願人の実験は、5のショアA値及び0.5mm以下の厚さを有するシリコーン材料が、患者の鼻梁の上の赤い跡を防ぐのにさらにより適しているということを示している。
しかし、患者の鼻梁の上の赤い跡の形成は、上記の割線剛性の要求を満たす限り他の材料がシーリングクッションの鼻梁接触領域に使用される場合にも防ぐことができる。これらの要求は、鼻梁接触領域の材料が、編物又は織物等の伸縮可能な繊維材料を含む場合にも満たされ得るということが示されている。或いは、材料は、伸縮可能な不織材料、又は、いかなる他の形の繊維アセンブリから作られ得る。そのようなファブリックの引張剛性/割線剛性は、スパンックス又はエラステイン等、伸縮可能な又は弾性の糸を含有する場合にさらに減らされ得る。
加えて、伸縮可能な鼻梁材料は、織物に対して縦方向においても横方向においても、さらに、編物に対して縦列及び横列の方向においても本明細書において先に定められた所望の割線剛性を有する場合に、高められた快適さ、及び、赤い跡の形成のより少ない機会を提供することになる。
別のさらなる実施形態において、鼻梁接触領域は、シリコーン材料等のポリマー材料で、好ましくは、5以下のショアA値及び好ましくは0.1mm以下の厚さを有するシリコーン材料で覆われた(弾性糸を用いた又は用いていない)編物又は織物を含む。シリコーン又はいかなる他の伸縮可能なポリマーの薄い層で覆われたそのような繊維材料は、鼻梁領域における高い気密性及び漏れの防止をさらに確実にする。
本発明の上記及び他の態様が、以下に記載の1つ又は複数の実施形態から明らかになり、さらに、以下に記載の1つ又は複数の実施形態を参考にして説明されることになる。
対象の気道に加圧呼吸ガス流を提供する圧支持システムの一実施形態の概略図である。 図1に示されている圧支持システムにおいて使用され得る患者インターフェイスの一実施形態の図である。 図2において示された実施形態による患者インターフェイスの図であり、本発明によるシーリングクッションの一実施形態をより詳細に示すために側面から示した図である。 図2において示された実施形態による患者インターフェイスの図であり、本発明によるシーリングクッションの一実施形態をより詳細に示すために底面から示した図である。 伸縮挙動に関してテストした材料の実験結果を示した図である。 シーリングクッションの鼻梁接触領域に対して使用されるのが好ましい所望の材料の伸縮ゾーンを示した図である。
図1は、一実施形態による圧支持システムの一実施形態を例示している。圧支持システムは、図1において、参照番号10を用いて全体として示されている。システム10は、(本明細書においては患者12としても示される)対象12の気道に加圧呼吸ガス流を送達するように構成される。加圧呼吸ガス流は、肥満過換気症候群(OHS)、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)及び/又は他の呼吸器疾患等、呼吸器疾患を治療するように設計される特定の治療レジメンに従って提供されてもよい。治療レジメンは、平均一回換気量の維持、呼吸数の維持、及び/又は、吸気及び呼気陽圧の維持を要求する。
システム10は、患者12が治療上の呼吸数で呼吸するということを確実にするために患者12に治療を提供するように構成される。そのような治療の例は、持続的気道陽圧法(CPAP)又はバイレベル気道陽圧法(BiPAP)の使用であり、これらの治療では、加圧呼吸ガス流が、(CPAP機械において)持続的な様式で、又は、(BiPAP機械において)患者が吸息する場合には高いレベルの圧力で、さらに、患者が呼息する場合には低いレベルの圧力で供給される。システム10は、自発呼吸を、自発的ではなく且つ治療上の呼吸数に基づき自動的にトリガされる呼吸に対する圧力よりも低い圧力にて支持することができるように構成されてもよい。
加圧呼吸ガス流は、圧力生成装置14によって生成される。加圧呼吸ガス流は、ホース18を介して圧力生成装置14に接続される患者インターフェイス16を介して患者12に供給される。患者インターフェイス16は、通常、図2を参考にして以下でより詳細に例示されているようにマスクの形を有する。さらに、ホース18内の、及び/又は、ホース18への患者インターフェイスの接続位置近くの加圧呼吸ガス流の1つ又は複数のパラメータを測定する1つ又は複数のセンサ20が提供されてもよい。これらの流動パラメータは、圧力生成装置14を制御するように構成される処理ユニット22に伝達されてもよい。この方法で、圧力生成装置14は、1つ又は複数のセンサ20を用いて測定される1つ又は複数のパラメータに応じて、例えば、流速、圧力、量、湿度、温度及び/又はガスの組成等の加圧呼吸ガス流のパラメータを制御することができる。1つ又は複数のセンサ20によって測定されるパラメータは、例えば、ホース18内の測定される温度、圧力、流速及び/又はガスの組成を含んでもよい。
図2は、患者インターフェイス16の一実施形態を示している。この特定の実施形態において、患者インターフェイス16は、使用中に患者12の口及び鼻を覆うフルフェイスマスクとして具体化されている。しかし、本発明の範囲内の患者インターフェイス16は、例えば鼻マスク等、いかなる他のマスクのタイプとしても具体化されてよいということに留意されたい。
患者インターフェイス16は、クッション24を含む。クッション24の主な機能は、患者インターフェイス16が患者12によって装着された場合に患者12の顔に接触するため、マスクから顔へのインターフェイスの提供である。この機能の中で、クッション24は、最良の場合に加圧呼吸ガス流が、クッション24と患者12の顔との間にあるギャップを介して漏れることなく患者12の呼吸通路(鼻及び/又は口)のみに送達されるように、気密シールも提供しなくてはならない。従って、クッション24は、シーリングクッション24としても本明細書において示される。上記のシーリング効果を提供するために、シーリングクッション24の形状は、最適な方法で、患者12の顔の輪郭に適合するということが必要であるということが明らかであるべきである。
図2からさらに観察することができるように、シーリングクッション24は、支持部材26に接続され且つ支持部材26によって保持される。マスクシェル26としても示されることが多くあるこの支持部材26は、患者インターフェイス16に安定性を提供するためのシーリングクッション24に対するホルダーとして役立つ。マスクシェル26は、好ましくは、ホース18が接続される連結装置36も含む。しかし、ホース18は、シーリングクッション24に直接接続することもできる。
患者インターフェイス16を患者の頭部に取り付けるために、患者インターフェイス16は、通常、ヘッドギア28をさらに含む。図2に示されている実施形態において、ヘッドギア28は、2つのストラップ30、32を含み、それらを用いて患者インターフェイス16は、患者の顔に着用されてもよい。これらのヘッドギアのストラップ30、32の長さは、好ましくは、シーリングクッション24を患者12の顔に対して押す力を制御することができるように調整可能である。この力は、通常、患者インターフェイス16の不調を引き起こし得る非必要な漏れを防ぐためにかなり高くなくてはならない。もう一方で、これらの高い力は、患者インターフェイス16、特にシーリングクッション24を患者の顔に対して押すかなり高い圧力をもたらし得る。
そのような患者インターフェイス16は、通常、(一晩中)長期的に装着されるため、これは、患者の顔に赤い跡の形で目に見える圧覚点を引き起こすことが多くあり得る。これらの赤い跡は、さえないだけでなく、痛める場合があり、さらに、褥瘡又は他の組織ダメージさえももたらし得る。最も敏感な領域は、患者12の鼻梁の上及びそのあたりの領域であり、それは、皮膚がこの領域においていくぶん薄く、さらに、骨の部分が皮膚のすぐ下にあるためである。当然ながら、赤い跡及び褥瘡は、例えば頬又は鼻の下等、顔の他の領域にももたらされ得る。
マスクのさらなる安定性をもたらすために、患者インターフェイス16は、前頭部支持体34をさらに含んでもよい。本発明は、主に、以下において説明されているように、特別なタイプのシーリングクッション24を提供することによって、患者12の鼻梁の上の赤い跡の形成を防ぐことに焦点を合わせている。
本発明は、図2において例証的に示されているマスクのタイプに制限されないということに留意されたい。本発明は、例えば鼻マスクで実行することもできる。
図3a及び3bは、2つの異なる概略図で本発明によるシーリングクッション24を示している。シーリングクッション24は、患者の顔の一部を受けるための受け開口部38を画定している。例示されている事例において、この受け開口部38は、患者12の鼻及び口を受けるように構成されている。鼻マスクの場合、受け開口部38は、患者の12の鼻のみを受けるように構成されるであろう。
本発明の重要な態様は、シーリングクッション24が別々の部分に分けられるということである。これらの別々の部分は、シーリングクッション24のパラメータに沿って異なる部分にわたって異なる引張剛性及び伸縮挙動を提供するために異なる材料から成ってもよい。
第1の部分又は一片40は、患者インターフェイス16の使用中患者12の鼻梁(鼻の尖部)に接触するように構成されるいわゆる鼻梁接触領域を形成している。この第1の部分40は、シーリングクッション24の上部に配置される。第2の部分42は、シーリングクッションの残りの部分、すなわち、使用中患者12の鼻梁に接触しない部分を形成することができる。
最大の接触圧力が、患者12の鼻梁及びその周辺にて生じるため、第2の部分42よりも第1の部分40に対してより柔らかい材料を使用することが明らかであり得る。しかし、本発明者等は、材料の柔らかさは、最も重要なパラメータではないということを見つけた。その材料は上記の第1の部分40においてどのくらい伸縮可能であるかということのほうがはるかにより重要であり、それは、材料の引張剛性次第である。上記の第1の部分40は、大き過ぎる接触圧力を防ぐために、及び、そこから生じ得る赤い跡の形成を防ぐために低い割線剛性を含む必要があるということがわかった。低い割線剛性を有する材料は、非常に伸縮可能であり、さらに、その伸縮挙動により鼻梁の周りの顔の輪郭にほぼ完璧に適合し得るため、高い接触応力を下げることを可能にする。もう一方で、そのような非常に伸縮可能な材料は、より優れたドレープを有すること及び鼻の三次元形状に適合することを介して、異なる鼻の大きさ及び形状に対して優れたシーリング効果を促進する。従って、漏れをこの領域において防ぐこともできる。
シーリングクッション24の残り、すなわち、第2の部分42は、シーリングクッション24の第1の部分40と同じくらい伸縮可能である必要はなく、すなわち、その材料は、第1の部分40よりも第2の部分42においてより高い引張剛性を有してもよい。より高い引張剛性(割線剛性)を有する材料は、残りの顔の領域における組織はより脆弱ではなく、さらに、より大きい引張剛性の材料は、これらの領域において、改善されたシーリング効果を提供し得るため、第2の部分42において使用されてもよい。
患者の快適さを増すため、シーリングクッション24の2つの部分40、42は、互いにシームレスに接続されるということが好ましい。部分40も42も、異なる材料から成るフラップとして具体化することができる。別の代わりとなるものによると、第2の部分42は、第1の部分40と同じ材料から作製されてもよい。この場合、クッション24は、別々の部分40、42を有する必要さえないが、例えば、以下において説明される材料から完全に作製されてもよい。しかし、シーリングクッション24は、鼻梁接触領域を構成する第1の部分40が以下の特性を有する限り、3つ以上の異なる部分40、42も含んでよいということに留意されたい。
本出願人の実験は、0.45N/mm未満の割線剛性を有する材料が鼻梁接触領域40に使用される限り、患者12の鼻梁の上の圧覚点及び赤い跡の形成を防ぐことができるということを示している。上記の割線剛性は、特定の量の材料のひずみに到達するために材料の単位幅あたりの材料に加えられる必要がある引張力のレベルを示し、材料のひずみによって割られる材料の単位幅あたりの引張力の割合として測定される。材料のひずみは、その材料の元の長さの単位あたりの長さにおける変化の割当を示す。本明細書において定義される割線剛性は、従って、ヤング係数はひずみにわたる応力として、すなわち、(材料の単位幅ではなく)材料の断面領域の単位あたりの材料のひずみによって割られる材料に加えられる引張力として定義されるという相違点を有してヤング係数と同等である。
0.45N/mmの割線剛性を有するという上記の上限は、シーリングクッション24の鼻梁接触領域40に対して使用した異なるタイプの材料をテストした後で見つかっている。選択されたポリマー材料及び選択された繊維材料の張力ヒステリシステストの結果は、被覆されていない布地としても、それらを種々のショア値及び厚さのシリコーン層で被覆した後も、図4において例示されたグラフにおいて示されている。
図4は、いくつかの材料の単位幅あたりの(%での)ひずみ対引張荷重(引張力)のグラフをいくつか実証している。参照番号44は、長期の研究においてシーリングクッション24の鼻梁接触領域40に対してテストした材料を描写している。テストした材料44は、40のショアA値を有するシリコーン材料であり、さらに、0.5mmの厚さを有した。本出願人が行った長期の研究は、そのような種類の材料は、十分に伸縮可能ではなく、少なくとも、1%から100%のひずみの値の範囲全体にわたって伸縮可能ではなかったということを示した。そのような種類の材料を使用した場合に、いくらかの赤い跡が、患者インターフェイス16の長期の使用の後で、依然として患者12の鼻梁の上に発生した。
図4のグラフにおいて参照番号46及び48によって示されている他のテストした材料は、より長い期間にわたって使用した場合でさえも鼻梁の上に赤い跡を形成しなかった。参照番号48は、5のショアA値及び0.2mmの厚さを有するシリコーン材料を描写している。グラフからわかるように、そのような材料は、約0.02N/mmの割線剛性を有する(100%のひずみを参照)。割線剛性は、グラフにおいて、x値にわたるy値の指数として見ることができる。「割線剛性」という用語は、その値を、グラフの開始点と考察中の曲線上の点との間の割線の勾配として見ることができるという事実から得られる。それとは対照的に、「接線剛性(tangent stiffness)」は、図4において示されている曲線上の接線の勾配として定義されるであろう。本発明によると重要な因子である割線剛性は、単に、線形剛性の曲線に対する接線剛性に等しい。しかしこれは、実際には、いくぶんまれである。
参照番号46は、5のショアA値及び90μmの厚さを有する薄いシリコーンコーティングで被覆したいくつかのタイプのファブリックを描写している。図4におけるグラフからわかるように、これらの材料は、約0.1N/mmの割線剛性を有する(100%のひずみを参照)。
これらの結果に基づき、以下のことが、従って、結論づけられ得る。患者12の鼻梁の上及びその周りの赤い跡を減らすのに寄与するであろう材料の決定特徴は、鼻梁の上の接触応力点を減らすその能力である。これは、引張変形におけるその挙動として定義される材料の割線剛性によって左右される。本発明者等は、0.1から1の、すなわち10%から100%の材料のひずみにて0.45N/mm未満の割線剛性を有する材料が鼻梁接触領域40に使用される場合に、赤い跡の形成を有意に減らすか又は完全に防ぐことさえできるということを明らかにした。
割線剛性に関する上記の好ましいゾーンは、図5においてグラフ60によって概略的に例示されている。さらにより好ましいのは、10%から100%の材料のひずみにて0.2N/mm未満の割線剛性を有する材料であろう。このゾーンは、参照番号62を用いて図5において示されている。最も好ましいのは、10%から100%の材料のひずみにて0.05N/mm未満の割線剛性を有する材料であろう。後者の上記伸縮ゾーンは、参照番号64によって図5において示されている。
ゾーンは、図5において、線形ゾーン(linear zone)として示されているということに留意されたい。材料の割線剛性挙動は、しかし、剛性曲線が示されたゾーン60、62、64のうちの1つの中にある限り、示された10%から100%のひずみ範囲において線形である必要はない。材料44は、10%から100%に及ぶひずみ全体にわたって、示されているゾーン60に分類されないということに留意されたい。結果として、これは、シリコーンが使用される場合に、シリコーン材料は、10から100%のひずみ範囲にわたって0.45N/mm未満の割線剛性を有するという要求を満たすために、及び、鼻梁の上の赤い跡の形成を防ぐために、40未満のショアA値及び0.5mm未満の厚さを有していなければならないということを意味する。上記の割線剛性の要求を満たすとわかった他の材料は、編物、織物又は不織布であり、好ましくは、その上にシリコーンコーティングを有する。さらに、上記のファブリックが、スパンックス又はエラステイン等の弾性糸を含む場合に有利であると示されてきた。
本発明は、図面及び上記の説明において詳細に例示及び記述されてきたけれども、そのような例示及び記述は、例示的又は例証的であり、拘束性はないと考慮されることになる。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変化は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。
特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲において列挙されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。
特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、その範囲を限定するとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 患者インターフェイスのためのシーリングクッションであって、当該シーリングクッションは、当該シーリングクッションの使用中患者の鼻梁に接触するように構成される鼻梁接触領域を含み、該鼻梁接触領域は、0.1から1の材料のひずみにて0.2N/mm未満の割線剛性を有する材料を含み、前記割線剛性は、前記材料のひずみによって割られる前記材料の単位幅あたりの前記材料に加えられる引張力として定義され、前記材料のひずみは、前記材料の元の長さの単位あたりの長さにおける材料の伸張力の比を示す、シーリングクッション。
  2. 前記鼻梁接触領域の前記材料は、0.1から1に及ぶ材料のひずみにて0.05N/mm未満の割線剛性を有する、請求項1に記載のシーリングクッション。
  3. 前記患者の顔の一部を受けるための受け開口部を含み、該受け開口部を取り囲む少なくとも2つの部分を含み、第1の部分は、前記鼻梁接触領域を構成し、さらに、第2の部分は、前記患者の顔のうち、前記鼻梁以外の部分に接触するように構成され、前記第2の部分は、前記第1の部分よりも大きい割線剛性を有する、請求項1に記載のシーリングクッション。
  4. 前記第1の部分及び前記第2の部分は、互いにシームレスに接続される、請求項3に記載のシーリングクッション。
  5. 前記鼻梁接触領域は、シーリングフラップとして形成される、請求項1に記載のシーリングクッション。
  6. 前記鼻梁接触領域の前記材料は、ポリマー材料を含む、請求項1に記載のシーリングクッション。
  7. 前記ポリマー材料は、40未満のショアA値及び0.5mm未満の厚さを有する、請求項6に記載のシーリングクッション。
  8. 前記鼻梁接触領域の前記材料はファブリックを含む、請求項1に記載のシーリングクッション。
  9. 前記ファブリックは、編物又は織物である、請求項8に記載のシーリングクッション。
  10. 前記鼻梁接触領域の前記材料は更にファブリックを含み、前記ファブリックは、前記ポリマー材料で被覆される、請求項6に記載のシーリングクッション。
  11. 前記ファブリックは、弾性糸を含む、請求項8に記載のシーリングクッション。
  12. 前記弾性糸は、スパンデックス又はエラステインを含む、請求項11に記載のシーリングクッション。
  13. 請求項1に記載のシーリングクッション、及び、該シーリングクッションを保持する支持部材を含む患者インターフェイス。
  14. 請求項13に記載の患者インターフェイス、及び、該患者インターフェイスを介して患者の気道まで呼吸ガス流を送達するための、該患者インターフェイスに接続される圧力生成装置を含む圧支持システム。
  15. 前記ポリマー材料は、シリコーン材料である、請求項6又は10に記載のシーリングクッション。
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