JP6434850B2 - 複層ガラス - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたトリプルガラスからなる複層ガラスは、3枚のガラス板をスペーサとシール部材を挟んで略平行に配列させ、各ガラス板の間にそれぞれ中空層を有している。3枚のガラス板は同一寸法で同じ大きさに設定されている。2つの中空層の一方に空気、もう一方にヘリウムガスを封入し、両側2枚のガラス板の厚さと2つの中空層の厚さが中央のガラス板からみて対称である。
また、特許文献1に記載された複層ガラスを含めて、一般的に三層以上のガラス板を積層して窓枠にはめ込む場合、それぞれのガラス板の縦横寸法を同一に設定している。
また、複層ガラス100の端面をグレージングチャンネル106で覆って接着する場合でも、図6に示すように、グレージングチャンネル106と突出した中央のガラス板101との間に隙間が発生し、衝撃で破損のおそれがあった。
前記三枚のガラスの少なくとも一の端面では中間の前記ガラスは両端の前記ガラスより短い長さに設定され、他の端面では同一面上に配設されており、前記一の端面では中間の前記ガラスの端面を覆って両側の前記シール部材が連続していることを特徴とする。
本発明によれば、中間のガラスを両端のガラスより短い長さに設定したため、中間のガラスに寸法誤差があったり取り付け時に傾いたりした場合でも、三枚以上のガラスをスペーサを介して配列して一体化した状態で、中間のガラスが両端のガラスより外側に飛び出すことを防止できる。そのため、取扱いの際に中間のガラスの端部に衝撃が集中することがなく破損等を生じない上に、ガラス間のシーリング処理がし易い。また、仮に衝撃が発生するような取扱いをした場合でも少なくとも両側のガラスに衝撃が加わるため破損部の特定がし易い。
中間のガラスを外側のガラスより短い長さに設定したことで、スペーサの外側に配設したシール部材は中間のガラスの端面の外側を覆ってその両側のシール部材に連続させることができ、複層ガラスの端面に衝撃が加わることがあっても連続する部分のシール部材によって中間のガラスの端面に衝撃が加わることを緩和できる。
複層ガラスの中間のガラスを両端のガラスより短い長さに設定しても、少なくとも三枚のガラスの他の端面を同一面上に配設したことで、複層ガラスの取り扱い時等に衝撃が加わったとしても他の端面では中間のガラスに衝撃が集中することはない。この場合、その他のいずれかの端面では中間のガラスが両側のガラスより内側に位置するため、中間のガラスに衝撃が加わることを抑制できる。そのため、中間のガラスのいずれかの端面に衝撃が集中することを防止してクラックや破損を生じない。
また、一の端面では、前記両端のガラスより短い長さの前記中間のガラスの端面を覆う前記シール部材を介して前記グレージングチャンネルと密着され、前記中間のガラスの端面が前記シール部材で覆われていない前記他の端面では、前記中間のガラスの端面は前記グレージングチャンネルと密着していることが好ましい。
また、グレージングチャンネルは、前記三枚のガラスの端面の前記シール部材に埋め込まれるアンカーを有していることが好ましい。
図1及び図2は本発明の実施形態による建具としての縦辷り出し窓1を示すものである。本実施形態による縦辷り出し窓1は、躯体の開口部2に上枠3と下枠4と左右の縦枠5とが四角形枠状に形成された枠体6を取り付けている。
そして、枠体6内に開閉可能に納めた障子8は、それぞれアルミと樹脂の複合サッシからなる上框9と下框10と左右の縦框11とからなる四角形枠状の框体12を有し、その内部に三層以上、例えばトリプルガラスからなる複層ガラス13を納めている。
また、下枠4は屋外側に設けた金属下枠20と屋内側に設けた樹脂下枠21を連結して構成している。金属下枠20は樹脂製の断熱材22を介して屋外側と屋内側を連結している。下框10は屋外側に設けた金属下框23と屋内側に設けた樹脂下框24を連結して構成している。
框体12内に納めた複層ガラス13は例えば略四角形板状をなす三層のガラス板を備え、屋外側ガラス30と中間ガラス31と屋内側ガラス32がそれぞれスペーサ34及びシール部材35を挟んで略平行に配列されている。複層ガラス13は、図3に示すように、屋外側ガラス30と屋内側ガラス32は例えば中間ガラス31よりも厚みが大きく、中間ガラス31の厚みを比較的小さく設定することで複層ガラス13を軽量化している。
そして、屋外側ガラス30と屋内側ガラス32は縦横方向の寸法が略同一とされ、中間ガラス31の縦横方向の寸法が屋外側ガラス30及び屋内側ガラス32の縦横方向の寸法より若干小さく設定されている。
複層ガラス13は、障子8における上框9の金属上框18及び樹脂上框19、下框10の金属下框23及び樹脂下框24、左右の縦框11の金属縦框27と樹脂縦框28によって、グレージングチャンネル37の側部を介して保持されている。
この場合、屋外側ガラス30及び屋内側ガラス32の各端面とシール部材35a、35bと中間ガラス31上の薄層シール部材35cとは略面一になり、グレージングチャンネル37の内面と密着する。これによって、複層ガラス13や縦辷り出し窓1の端面に誤って衝撃がかかるような取扱いをした場合でも、中間ガラス31に係る衝撃は薄層シール部材35cによって緩和できる。
複層ガラス13を構成する屋外側ガラス30と中間ガラス31と屋内側ガラス32を所定寸法に切り出す。屋外側ガラス30と屋内側ガラス32の縦横寸法と厚みは任意に設定できるが、例えば縦横寸法1000mm×1000mmとし、中間ガラス31の縦横寸法は屋外側ガラス30と屋内側ガラス32より若干短い999.5mm×999.5mmに設定し、その厚みも屋外側ガラス30と屋内側ガラス32より短く設定した。
その際、スペーサ34a、34bを別の治具(図示せず)によって屋外側ガラス30と中間ガラス31の間、中間ガラス31と屋内側ガラス32の間の各辺の周辺部に位置決めする。そして、両面テープ等でスペーサ34aを屋外側ガラス30及び中間ガラス31に、またスペーサ34bを中間ガラス31と屋内側ガラス32にそれぞれ接着する。
その際、図4に示すように、複層ガラス13の下側端面では、屋外側ガラス30と中間ガラス31と屋内側ガラス32が略面一に配設されているため、シール部材35a、35bも屋外側ガラス30及び中間ガラス31、中間ガラス31及び屋内側ガラス32によってそれぞれ分離され、略面一に成形される。
次に、複層ガラス13の各端面を覆って断面略コの字形状のグレージングチャンネル37を被覆する。その際、シール部材35a、35bが硬化する前に、木槌等で叩くことでグレージングチャンネル37のアンカー37a、37bをシール部材35a,35bに埋め込む。そして、グレージングチャンネル37を複層ガラス13の端面に密着させる。これによってトリプルガラスからなる複層ガラス13が形成される。
しかも、複層ガラス13の各端面にグレージングチャンネル37を叩いてアンカー37a、37bを硬化前のシール部材35a、35bに埋め込む場合や、複層ガラス13の取り扱いを誤った場合でも、衝撃が中間ガラス31に集中してクラックや破損等を生じることを防止できる。
この場合、中間ガラス31は屋外側ガラス30及び屋内側ガラス32の治具a1に当接する端面で面一となり、他の3面または2面の端面で屋外側ガラス30及び屋内側ガラス32より内側にわずかに引っ込んで薄層シール部材35aで覆われた配置構成になる。
また、上述した実施形態では、中間ガラス31の縦寸法及び横寸法を両端の屋外側ガラス30と屋内側ガラス32より短く設定したが、縦方向と横方向のいずれか一方の寸法のみを短く設定し他方を同一寸法に設定してもよい。
なお、本発明の複層ガラス13は縦辷り出し窓1や嵌め殺し窓等に限らず、他の任意の障子を備えた窓や扉等の各種の建具にも適用できる。
13 複層ガラス
30 屋外側ガラス
31 中間ガラス
32 屋内側ガラス
34、34a、34b スペーサ
35、35a、35b シール部材
35c 薄層シール部材
37 グレージングチャンネル
Claims (3)
- 略平行に配列された少なくとも三枚のガラスと、
隣り合う前記ガラスの間に設置して互いに分離されたスペーサと、
前記ガラスの間において前記スペーサの外側に配設されたシール部材と、
前記シール部材の外側に配設されていて前記三枚のガラスの端面を覆うグレージングチャンネルと、
を備え、
前記三枚のガラスの少なくとも一の端面では中間の前記ガラスは両端の前記ガラスより短い長さに設定され、他の端面では同一面上に配設されており、
前記一の端面では中間の前記ガラスの端面を覆って両側の前記シール部材が連続していることを特徴とする複層ガラス。 - 前記一の端面では、前記両端のガラスより短い長さの前記中間のガラスの端面を覆う前記シール部材を介して前記グレージングチャンネルが密着され、
前記中間のガラスの端面が前記シール部材で覆われていない前記他の端面では、前記中間のガラスの端面は前記グレージングチャンネルと密着している請求項1に記載された複層ガラス。 - 前記グレージングチャンネルは、前記三枚のガラスの端面の前記シール部材に埋め込まれるアンカーを有している請求項1または2に記載された複層ガラス。
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