JP6434292B2 - 情報表示装置用の前面板、及びそれを用いた情報表示装置 - Google Patents

情報表示装置用の前面板、及びそれを用いた情報表示装置 Download PDF

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本発明は、メーターなどの情報を表示する情報表示装置の前面に設置する前面板(カバー)、及びそれを用いた情報表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)などにより各種の情報を表示する情報表示装置の外側には、LCDなどを保護するための前面板(カバー)が設けられている。当該前面板(カバー)としては透明な樹脂でもよいが、近年では透過率20%〜70%程度のグレースモークなどの半透明のアクリル樹脂などの半透明樹脂が使用されてきている。これは、前面板(カバー)が透明な樹脂の場合に、外光によって内部の液晶ディスプレイが照らされて、液晶ディスプレイの液晶面の反射により、偏光板、透明電極が見え、非表示時の見栄えが悪くなるのを防ぐだけでなく、液晶ディスプレイの表面での反射外光を減少させることが可能となり、表示コントラストを上げることができるからである。また、グレースモークは液晶ディスプレイなどが非表示時に情報表示装置の内部を見せないようにすることにより、余分な情報を見て判断することの煩雑さの解消にもなっている(特許文献1参照)。
このような透過率20%〜70%程度のグレースモークなどの半透明のアクリル樹脂などの樹脂からなる前面板(カバー)は、通常は樹脂自体が着色されたものが使用され、主に射出成形にて製造されている。
しかし、前面板(カバー)が透明な樹脂ではなく、グレースモークなどの半透明樹脂の場合には、前面板(カバー)の透過率が20%〜70%程度に抑えられているために透過光が少なくなり、視認性が悪くなる。視認性を向上させるために、高輝度(400〜1000cd/m)の液晶ディスプレイ(LCD)などの発光体が必要となる。また、近年では複数の情報を一つの情報表示装置で表示するマルチ表示がなされることが通常となってきており、それぞれの情報は異なる輝度や異なる色で表示しようとされているが、前面板(カバー)がグレースモークなどの半透明樹脂の場合には、高輝度でない表示の視認性が低下したり、表示色が制限されるなどの問題も提起されてきている(特許文献2参照)。
このような問題点を解決するために、透明カバーに液晶ディスプレイ(LCD)の偏光部材の偏光軸と略一致する偏光軸を有する暗色偏光部材を貼り合せたブラックフェイス型とすることが提案されている(特許文献3参照)。この方法は、暗色偏光部材を透明カバー前面に貼り合せることから、透明カバーが湾曲している場合には加工が難しく、耐久性にも問題があった。
また、偏光素子として従来から使用されているヨウ素系の偏光素子は、平行ニコルに配置した際、黄色味を帯びてしまうという問題があったが、最近では平行ニコルに配置した際に無彩色の色相を有する偏光フィルムが報告されている(特許文献4及び5参照)。しかし、ヨウ素系の偏光素子は、染料系の偏光素子と比較して高温条件下や、高温高湿条件下における光学特性の耐久性が低いといった問題があった。
特開2003−151399号公報 特開2001−55062号公報 特開平9−43599号公報 特開2002−22950号公報 WO2005/029143号公報
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)などにより各種の情報を表示する情報表示装置の外側に設けられた前面板(カバー)として、透過率20%〜70%程度のグレースモークなどの半透明のアクリル樹脂などの半透明樹脂を使用することなく、液晶ディスプレイなどの表面での反射外光を減少させたまま、表示光の減少を抑えることが出来る新規な前面板(カバー)、及びそれを用いた情報表示装置を提供する。
また、本発明は、安価な透明樹脂を前面板(カバー)の素材として使用することができ、安価で機械的強度に優れた前面板(カバー)、及びそれを用いた情報表示装置を提供する。
本発明者らは、情報表示装置の内部からの透過性を高くするため、情報表示装置の前面板(カバー)の構成を検討してきたところ、前面板(カバー)の樹脂と偏光板を、前面板(カバー)の内部側において一体に成形し、かつ、情報表示装置の表示装置で使われている偏光板の偏光軸と、樹脂と一体に成形された偏光板の偏光軸を略一致させることにより、機械的強度に優れ、かつ透過性の優れた情報表示装置の前面板(カバー)が得られることを見出した。また、偏光板の偏光素子として無彩色偏光素子を使用することにより、色調の維持ができるだけでなく、透過性を顕著に改善することができることを見出した。
即ち、本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)などにより各種の情報を表示する情報表示装置の外側にLCDなどを保護するための前面板であって、当該前面板が樹脂と偏光板とを一体に成形してなる情報表示装置の前面板、及び当該情報表示装置の前面板を含有してなる情報表示装置に関する。
また、本発明は、樹脂と偏光板とを一体に成形してなる情報表示装置の前面板の製造方法に関する。
本発明をより詳細に説明すれば次のとおりとなる。
(1)少なくとも一つの表示装置を有する情報表示装置の前面板であって、樹脂と偏光板とを一体に成形してなり、かつ、情報表示装置の表示装置で使われている偏光板の偏光軸と、樹脂と一体に成形された偏光板の偏光軸が略一致している情報表示装置の前面板。
(2)偏光板が、染料系偏光フィルムを有するものである、(1)に記載の前面板。
(3)偏光板が、無彩色偏光フィルムを有するものである、(1)又は(2)に記載の前面板。
(4)表示装置が、LCDである、(1)から(3)のいずれか一項に記載の前面板。
(5)成形が、インサート成形によりなされたものである、(1)から(4)のいずれか一項に記載の前面板。
(6)情報表示装置が、自動車に設けられる情報表示装置である、(1)から(5)のいずれか一項に記載の前面板。
(7)(1)から(6)のいずれか一項に記載の前面板を有する情報表示装置。
(8)樹脂と偏光板とを一体に成形してなる、(1)から(6)のいずれか一項に記載の情報表示装置の前面板の製造方法。
(9)成形が、インサート成形によりなされる、(8)に記載の方法。
本発明の前面板(カバー)は、透過性に優れているにもかかわらず、外光による反射を抑えることができる。
また、本発明の前面板(カバー)は、透過性に優れていることから、液晶ディスプレイ(LCD)などの情報表示部の輝度を高くする必要が無く、省電力で発熱も少なくてすむだけでなく、輝度や色彩の異なる複数の情報表示部を有するマルチ表示装置においても、それぞれの情報を確実に視認することが可能である。
さらに、本発明の前面板(カバー)は、内部に偏光素子を有し、かつ一体に成形されていることから、自動車などの高温条件下や、高温高湿条件下においても安定した性能を維持することができる。
図1は、本発明の前面板及び表示装置の構成の概要を示した図である。 図2は、従来の前面板及び表示装置の構成の概要を示した図である。
本発明について、以下にさらに詳細に説明する。
本発明における「情報表示装置」とは、少なくとも一つの発光による情報の表示装置、及び当該表示装置を外部から保護するための前面板(カバー)を少なくとも有する装置である。表示装置は2つ以上あってもよいし、当該表示装置は同一の形式のものでもよいし、異なる形式のものであってもよい。また、同一の色調のものであってもよいし、異なる色調のものであってもよい。
本発明における情報の「表示装置」としては、発光した光を外部に放出することにより、人又は機械が認識し得る一定の情報を表示するものであればよい。発光は自発光でもよいし、バックライトや反射光のような他から供給される光でもよい。本発明における好ましい表示装置としては、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(OLED)などが挙げられ、より好ましい表示装置としては液晶ディスプレイ(LCD)が挙げられる。
これらの表示装置は、状態を表示する固定情報を表示するためのものであってもよいし、スピードメーターやタコメーターなどの可変情報を表示するものであってもよい。
本発明における「前面板」は、カバーと称されるものであり、本発明の情報表示装置の中の表示装置を外界から保護するためのものである。本発明においては「前面板」というが、必ずしも前面だけに限定されるものはなく、側面、裏面、上下面を包含するものであるが、表示装置からの情報を視認するための面として「前面板」という。
本発明の「前面板」は、樹脂と後述する「偏光板」が一体に成形されていることを特徴とするものであり、当該樹脂としては、一体成型が可能な樹脂であって、外界から保護できる機械的強度を有する樹脂であれば特に制限はない。透明であることが望ましいが、透明であることに限定されるものではなく、グレースモークなどのスモークされたものでもよい。透過率としては、20%以上であればよく、好ましくは40%以上、50%以上、70%以上、80%以上、90%以上などが挙げられる。
樹脂としては、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)、PC樹脂などが挙げられるが、価格や透明性、破損した際の飛散し難さからPMMA樹脂が好ましい。
本発明の「前面板」における偏光板が一体に成形される面は、情報表示装置の内側であることが好ましいが、これに限定されるものではない。特に、偏光板が一体に成形される面が情報表示装置の内側である場合には、偏光フィルムが情報表示装置の内側に存在することになることから、偏光フィルムを保護するための保護フィルムが必要とならない場合もあり、好ましい態様であるということができる。
また、本発明の「前面板」における偏光板が一体に成形される部分は、必ずしも樹脂の全面である必要はない。図1では全面に偏光板が成形されているように示されているが、これは本発明の原理を説明するために模式的に示した例示に過ぎない。偏光板は外部からの光(外光)の入射、及び視認性のためであることから、樹脂全体において一体に成形されている必要は無く、外光が入射する可能性がある部分や視認性を確保できる部分において偏光板を成形すれば十分であることは容易に理解されることである。
一般に「偏光板」とは、偏光フィルムの片面又は両面に保護フィルムを貼り合せたものであるが、本発明において使用する「偏光板」は必ずしも保護フィルムを必要とするものではない。したがって、本発明の「偏光板」とは、保護フィルムが貼り合わされた通常の偏光板を意味することもあるが、偏光フィルムのみの場合も包含している。
本発明における「一体に成形」とは、前面板の樹脂と偏光板が物理的に一体化されていればよく、射出成型、インサート成形などの成形手段によるだけでなく、接着剤による貼り合せでもよい場合もある。
図2は従来のグレースモークの前面板を用いた情報表示装置を模式的に示している。LCDなどを用いたメーターなどの表示装置22があり、その前面にグレースモークの前面板21がある。表示装置22から出た光は、グレースモークの前面板21を透過して視認される。一般にグレースモークの前面板21の透過率は20%〜40%であるとされており、例えば透過率が40%であるとすれば、外界から100の光が入射した場合に、情報表示装置の内部の表示装置22の表面に到達する光は40になることになる。この光が100%反射されたとすれば、反射された光がグレースモークの前面板21を通過して出てくるのは16ということになる。そして、表示装置22からの光の40%が視認できる光ということになるのであるから、例えば、表示装置22が500cd/mの光を出していたとすれば、視認される光は200cd/mとなる。
図1は本発明の情報表示装置を模式的に示している。LCDなどを用いたメーターなどの表示装置14があり、その前面に前面板13がある。当該前面板は、樹脂11及び偏光板12が一体に成形されている。表示装置14から出た光は、本発明の前面板13を透過して視認される。偏光板の自然光の透過率が、例えば透過率が40%であるとすれば、外界から100の光が入射した場合に、情報表示装置の内部の表示装置14の表面に到達する光は40になることになる。この光が100%反射されたとすれば、反射された光が前面板13を通過して出てくるのは16ということになる。そして、表示装置14の偏光軸と本発明の前面板の偏光板12の偏光軸は略一致していることから、表示装置14からの偏光光はほぼ100%透過することになるのであるから、例えば、表示装置14が500cd/mの光を出していたとすれば、視認される光はほぼ500cd/mとなる。
このことは、200cd/mの光で十分視認できるのであれば、本発明の情報表示装置における表示装置の輝度は約200cd/m程度であれば十分であるということになる。
即ち、本発明の前面板によれば、外界からの反射光による影響は、従来のグレースモークの場合と同程度で抑えられるが、表示装置14からの偏光光はほぼ100%透過することになり、表示装置14の輝度は従来の半分以下で十分となることを示している。
本発明で使用される偏光フィルムとしては、自然光を直線偏光に変換する機能を有するフィルムであり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の材質及び製膜は、公知の方法で行うことができる。二色性色素としては、ヨウ素、又はアゾ系、アントラキノン系、若しくはテトラジン系などの二色性染料を用いることができる。
偏光フィルムの厚さは通常は10〜40μm程度であるが、本発明の前面板の樹脂と偏光フィルムとを直接、一体成型する場合には、より厚くしておくこともできる。
本発明の偏光板として保護フィルムが必要な場合には、偏光フィルムの片面又は両面に保護フィルムを貼り合せることができる。保護フィルムとしては、シクロオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリサルホン系樹脂フィルム、脂環式ポリイミド系樹脂フィルム、アセチルセルロース系樹脂フィルムなどを用いて、公知の方法で貼り合せることができる。
保護フィルムを設けて、保護フィルムの側から本発明の前面板の樹脂と一体成型する場合には、これらの保護フィルムの樹脂と本発明の前面板の樹脂の成型性の良好なものを選択するのが好ましい。
本発明における偏光フィルムとしては、従来の着色偏光フィルムだけでなく、無彩色偏光フィルムを使用することもできる。無彩色偏光フィルムとしては、平行ニコル(パラレルニコル)における色相a*及び色相b*(色相a*及びb*は国際照明委員会(CIE)により定められた色座標を示す)の絶対値が共に1.0以下のものが好ましい。このような無彩色偏光フィルムは、公知の方法(例えば、特許文献4又は5に開示の方法であり、本明細書はこれらの特許文献の記載を取り込む。)で製造することができる。
例えば、二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素により染色処理を施した後、又はこれと同時に、延伸処理、硼酸処理、さらに必要であれば塩素化合物含有水溶液中に浸漬する補色処理を施すことにより製造することができる。また、二色性色素としてアゾ系、アントラキノン系、又はテトラジン系などの二色性染料を用いた場合には、高温条件下や、高温高湿条件下における光学特性の耐久性が優れ、また、成形時での色変化も少なく、色相調整が容易となるばかりでなく、ヨウ素による黄色味が無く好ましい。
二色性染料としては、例えば、アゾ化合物系染料、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 28、C.I.Direct Yellow 44、C.I.Direct Orange 26、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 107、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 31、C.I.Direct Red 79、特開2003−215338号公報に記載の染料、WO2007/138980号公報に記載の染料などが挙げられる。
樹脂の表面、好ましくは内側の表面に偏光板を一体に成形して前面板を得るには、樹脂上に偏光板を接着する方法を用いることもできる。より好ましい方法としては、射出成型が挙げられる。射出成型において、樹脂の面に偏光板を一体にするための方法として、インサート成形法がある。インサート成形法とは、あらかじめ所望の形状に切断あるいは予備成形した偏光板を所望の方向にして射出成形の金型内に供給し、樹脂の成形と同時に偏光板を樹脂に一体的に貼り付ける方法である。インサート成形法では、金型内で樹脂の成形と同時に偏光板との貼り付けができるため、製造工程を非常に簡略であるだけでなく、溶融樹脂の射出圧力により偏光板が伸ばされ、金型の形状に追随するため、3次元形状の前面板を容易に製造することができる。
偏光板が金型に沿いやすくするために、偏光板の近傍に、赤外線ヒーターやニクロムヒーターなどを配置して加熱することもできる。しかし、偏光板があまり高温にさらされると光学特性が劣化することもあるので、金型の温度を必要以上に高温にするのは好ましくない。金型の温度としては、100℃以下、好ましくは50℃〜100℃、50℃〜80℃程度が挙げられる。成形金型の所定の位置に所定の方向で固定し、成形金型を閉じた後、固定型に設けたゲートより溶融樹脂をキャビティ内に射出充満させる。シリンダー温度としては、樹脂の種類にもよるが、例えば200℃〜290℃程度が挙げられ、射出圧力としては、70〜150MPaが挙げられる。溶融樹脂をキャビティ内に射出充満させた後、成形品を冷却し、成形金型を開いて成形品を取り出せば、前面板を形成するのと同時に特定の位置に偏光板が一体に成形された前面板を製造することができる。
このようにして成形された本発明の前面板を、情報の表示装置のカバーとして所定の位置にセットすることにより本発明の情報表示装置を製造することができる。
本発明の前面板を有する本発明の情報表示装置は、外界からの光の反射が少なく、また表示装置が点灯していない場合には内部の表示装置が見えにくくなっているので、明るい場所で使用される情報表示装置に広く適用することができる。さらに、情報表示装置の内部側に偏光板、好ましくは染料系の無彩色偏光フィルムを有する偏光板を有しているので、高温条件下や、高温高湿条件下などの過酷な条件下においても安定した性能を維持することができる。
したがって、本発明の前面板を有する本発明の情報表示装置は、室内用の情報表示装置、野外での情報表示装置などとして広く適用することができる。また、ゲーム用の情報表示装置としても適しているし、各種の計器類の情報表示装置として、特に自動車の計器類の情報表示装置として特に適している。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例に示す単体透過率Ysは、400nm〜700nmの波長領域で所定波長間隔dλ(ここでは10nm)おきに分光透過率τλを求め、下式(1)により算出した。式中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。
偏光板の製造
ポリビニルアルコール樹脂製フィルム(株式会社クラレ製 VF−PS(75μm))を30℃の水中で5分間膨潤させた後、30℃の染色液(水1000重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部に対して、次の式(1)
で表されるアゾ化合物 0.06重量部、次の式(2)
で表されるアゾ化合物 0.70重量部、C.I.Direct Orange 39 0.34重量部含有する)の中に5分間浸して染料による染色処理を行い、次いで50℃の3重量%硼酸水溶液中で5.5倍に延伸し延伸フィルムを得た。延伸処理の後、50℃の5重量%硼酸水溶液中に延伸フィルムを2分間浸し、水洗後、30〜80℃の空気中で乾燥して本発明の偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの厚さは25μmであった。偏光フィルム中の硼酸濃度は中和滴定法で求めた。偏光フィルムの硼酸含有量は17.0重量%であった。
得られた偏光フィルムの両面にTACフィルム(厚さ80μm)(富士写真フィルム製TD80UL)をポバール系接着剤にてラミネートした後、70℃で5分間乾燥して偏光板を得た。尚、支持体にはCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、PC(ポリカーボネート)フィルム、ナイロンフィルム、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムなどのフィルムも使用可能である。この偏光板は、パラレルニコルにおける色相a*は0.3であり、色相b*は0.5であり(色相a*及びb*は国際照明委員会(CIE)により定められた色座標を示す)、無彩色であった。単体透過率Ys(波長400−700nm)は43%であった。
同様の方法で測定されたヨウ素系偏光板では、Ysは43%であったが、パラレルニコルにおける色相a*が−2.0であり、色相b*は4.6であり、色相が黄色味をしている。
前面板の製造
射出成形機を用いて、樹脂成形品と偏光板の一体成形を行った。
成形機の金型に実施例1で製造した染料系偏光板を挟み込み、そこにシリンダー温度200℃から290℃で溶融状態にしたPMMA樹脂(株式会社クラレ製パラペットHR−L)を流し込むことにより、透明な樹脂に染料系偏光板が一体となって成形された前面板を製造した。
なお、金型の温度は50〜100℃として、染料系偏光板を金型の形状に沿ったものとすることができた。
情報表示装置の製造
LCDによる自動車用のメーターに、実施例2で製造した前面板を、その偏光板吸収軸とLCD表面についている偏光板吸収軸が平行になるようにセットして情報表示装置を製造した。
試験例
実施例3で製造した本発明の前面板を有する情報表示装置を用いて、表示装置の発光が無い場合(オフの状態)と表示装置の発光が有る場合(オンの状態)における、視認できる位置での透過率を、日立製分光光度計(U−4100)を用いて単体透過率を自然光と偏光光で測定した。
なお、比較例として、本発明の前面板に代えて従来のグレースモークの樹脂(透過率42%)を有する同様の情報表示装置を用いて、同様に測定した。
結果を次の表1に示す。
この結果、実験で使用した本発明の前面板を有する情報表示装置では、単体透過率が自然光で41%であり、LCDからの偏光光では80%であった。
一方比較例の従来のグレースモークを有する情報表示装置では、自然光及び偏光光のいずれの場合も透過率は42%であった。
このことは、本発明の情報表示装置では表示装置の発光が無い場合(オフの状態)では比較例のグレースモークと同じ暗さであるが、表示装置の発光が有る場合(オンの状態)には、本発明の情報表示装置の方が2倍程度も明るく見えることを表している。
本発明は、樹脂と偏光板とを一体に成形したLCDなどの発光による表示装置を有する情報表示装置における、新規な前面板(カバー)を提供するものであり、ゲーム用の情報表示装置や各種の計器類の情報表示装置として、特に自動車の計器類の情報表示装置などのための前面板(カバー)として耐久性や視認性に優れているだけでなく、一体成型品として製造も簡便であり、取り扱いも簡便であり、情報表示装置の産業分野において極めて有用である。
11 本発明の前面板の樹脂
12 偏光板
13 本発明の前面板
14 LCDなどの表示装置
21 従来例のグレースモーク樹脂
22 LCDなどの表示装置

Claims (6)

  1. 少なくとも一つの表示装置を有する情報表示装置の前面板であって、樹脂の内側の表面に偏光板を一体にインサート成形してなり、かつ、情報表示装置の表示装置で使われている偏光板の偏光軸と、樹脂と一体にインサート成形された偏光板の偏光軸が略一致しており、前記偏光板は、アゾ化合物系染料を含む二色性染料を用いた偏光フィルムを有する、情報表示装置の前面板。
  2. 偏光板が、無彩色偏光フィルムを有するものである、請求項1に記載の前面板。
  3. 表示装置が、LCDである、請求項1又は2に記載の前面板。
  4. 情報表示装置が、自動車に設けられる情報表示装置である、請求項1から3のいずれか一項に記載の前面板。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の前面板を有する情報表示装置。
  6. 樹脂の内側の表面に偏光板を一体にインサート成形してなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報表示装置の前面板の製造方法。
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