JP6432276B2 - 熱間プレス方法 - Google Patents
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Description
(1)Si:0.8質量%以上を含み、表面粗さが0.300μm以下である熱間プレス用鋼板を加熱して、オーステナイト単相となる温度以上950℃以下で熱間プレスする方法であって、600℃から熱間プレス温度までを20秒以内で加熱し、SiO 2 の被覆率を70%以上とすることを特徴とする熱間プレス方法。
本発明によれば、スケール生成抑制のために特段の工程や設備を必要とせずに、安価に、耐酸化性に優れた熱間プレス成形品を得ることのできる、熱間プレス方法、およびその熱間プレス成形品を提供することができる。
加熱に際して、600℃から950℃以下の温度までを20秒以内で加熱する
ことを特徴とする熱間プレス方法、である。上記の鋼組成、表面粗さ、プロセス条件に限定される理由を説明する。
Siは鋼板の強度を高める元素であるとともに、鋼板表面にSiO2をフィルム状に生成し、耐酸化効果を発現させる為に必要な元素である。0.8質量%未満では、鋼板表面にフィルム状SiO2を十分に生成できず、本発明の効果が得られない。したがって、Si含有率の下限を0.8質量%とする。上限については、特に限定されないが、過度な添加は鋼板製造時の熱延工程での延性低下やその結果として表面性状などを損ねることがあるため、3.0%を上限としてもよい。
Cは、鋼板の焼入れ性を高めかつ焼入れ後の強度を主に決定する非常に重要な元素であり、熱間プレスの強度確保のために添加してもよい。さらにCは、AC3点を下げ、焼入れ処理温度の低温化を促進する元素である。しかしC含有量が0.10%未満では、その効果は十分ではなく、一方でC含有量が0.40%を超えると焼入れ部の靱性劣化が著しくなり、割れが生じることがある。そのため、Cを添加する場合、0.10〜0.40質量%とする。
Mnは、鋼板の焼入れ性を高めかつ焼入れ後の強度を安定して確保するために、非常に効果のある元素である。さらにAC3点を下げ、焼入れ処理温度の低温化を促進する元素である。しかしMn含有量が0.5%未満ではその効果は十分ではなく、一方でMn含有量が3.5%を超えるとその効果は飽和し、さらに焼入れ部の靱性劣化を招き、圧延時に割れが生じることもある。そのため、Mnを添加する場合、0.5〜3.5質量%とする。
これらの元素も、鋼板の焼入れ性を高めかつ焼入れ後強度の安定確保に効果の有る元素である。しかしそれぞれ上限値を超えて含有させてもその効果は飽和し、かついたずらにコスト増を招く。そのため、P、Sを添加する場合、それぞれ0.05質量%以下とする。
Alは、脱酸剤として利用される他に強化元素として有効である。0.3wt%より多いと効果が飽和する。そのため、Alを添加する場合、0.3質量%以下とする。
Bは、鋼板の焼入れ性を高めかつ焼入れ後強度の安定確保効果をさらに高める元素である。しかしB含有量が0.01質量%を超えるとその効果は飽和し、かつコスト増を招く。そのため、Bを添加する場合、0.01質量%以下とする。
これらの元素は、鋼板の靱性向上に効果の有る元素である。しかしそれぞれ上限値を超えて含有させてもその効果は飽和し、かついたずらにコスト増を招く。そのため、NbまたはMoを添加する場合、それぞれ1.0質量%以下とする。
冷却速度については、マルテンサイト組織が得られるように、その鋼の臨界冷却速度以上の冷却速度を確保してやればよい。このときの冷却停止温度は、特に制限はなく、室温にまで冷却してもよいが、鋼板表面温度が100℃以下であれば通常の雰囲気では鉄の酸化は進まないので、冷却停止温度は、100℃としてもよい。
このように急速に冷却されるため、鋼板表面での酸化反応がさらに進むことはなく、すでに鋼板表面に形成されたフィルム状SiO2の耐酸化効果が持続する。
本発明の熱間プレス成形品は、鋼板表面にフィルム状SiO2が形成され、耐酸化効果を得ている。このフィルム状SiO2を、鋼板の被覆率で表現すると、70%以上の被覆率となる。70%未満では、耐酸化効果が十分に得られないことがある。被覆率は、鋼板表面をオージェ電子分光法で元素マッピングし、SiO2分布を測定することにより求められる。
1.2Si−1.3Mn鋼の表面を機械研削および研磨し、表面粗さをそれぞれ、0.465μm(比較例)、0.026μm(本発明例)とした。表面粗さは、JIS B0601:2013に基づいて平均粗度Raを測定した。これらのサンプルを、900℃に加熱した大気雰囲気の電気炉に入れて、鋼板温度が600℃以上900℃以下の範囲である時間が20秒に達した時点で、炉から取り出し、大気放冷した。冷却後のサンプルの表面の酸化挙動について調査した。
様々な成分を含有する鋼板を、ブライトロール冷間圧延または研磨により様々な表面粗さになるよう変化させた。表面粗さは、JIS B0601:2013に基づいて平均粗度Raを測定した。それらの試験鋼板を大気雰囲気中で加熱して、目標加熱温度および、600℃から目標加熱温度までの加熱時間が種々の条件になるようにした。その後、試験鋼板を大気放冷し、表面をオージェ電子分光法で元素マッピングし、SiO2分布を測定した。500μm角視野における分析値のSiO2検出領域が、70%以上を○、それ未満を×とした。70%以上としたのは、それ未満の場合、酸化抑制効果が得られなかったからである。酸化抑制効果の有無は、上記種々の条件で試験鋼板を加熱した時の重量増加で評価した。重量増加が0.0003g/cm2以下の場合、外観が良好であったので試験鋼板の表面の酸化が抑制されているとした。その結果、オージェ電子分光法で表面を元素マッピングして求めたSiO2分布が70%以上の場合は酸化が抑制されていた。各試験の条件および結果を表1〜4に示す。
尚、No1〜No16までの鋼のオーステナイト単相となる温度は900℃
No17〜No24までの鋼のオーステナイト単相となる温度は920℃
No25〜No32までの鋼のオーステナイト単相となる温度は910℃
No33〜NO40までの鋼のオーステナイト単相となる温度は900℃
No41〜NO50までの鋼のオーステナイト単相となる温度は880℃であった。
Claims (1)
- Si:0.8質量%以上を含み、表面粗さが0.300μm以下である熱間プレス用鋼板を加熱して、オーステナイト単相となる温度以上950℃以下で熱間プレスする方法であって、600℃から熱間プレス温度までを20秒以内で加熱し、SiO 2 の被覆率を70%以上とすることを特徴とする熱間プレス方法。
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JP2014215500A JP6432276B2 (ja) | 2014-10-22 | 2014-10-22 | 熱間プレス方法 |
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JP6010730B2 (ja) * | 2009-05-29 | 2016-10-19 | 日産自動車株式会社 | 高延性ダイクエンチによる高強度成形品及びその製造方法 |
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