JP6432057B2 - 上げ越し量修正方法、上げ越し量修正装置、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、上げ越し量修正方法、上げ越し量修正装置、及びプログラムに関する。
コンクリート橋の施工方法として、橋脚を中心としてコンクリートブロック(単に「ブロック」とも呼ぶ)の橋体を両側に段階的に構築する張出架設工法が知られている。張出架設工法では、ブロックを新設するたびにその重みで構築途中の構造物先端が鉛直下方に変形してしまう。このため、降下する大きさを考慮して、最終的に設計された位置となるよう予め高く構築(上げ越し)する。
また、新設する桁ブロックのコンクリート打設前に、所定の重さのカウンターウェイトを配設し、コンクリート打設後に、カウンターウェイトの荷重を取り去るという技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この技術によれば、コンクリート打設に伴う張出し先端部の変位を相殺することにより、新設桁ブロックの高さを一定に保持しながら施工できるとされている。
特開2005−171638号公報
ブロックを連設するたびにカウンターウェイトの配設及び除去を行う場合、そのぶん施工に手間がかかる。一方、構築される橋梁は、様々な要因によって設計とのずれが生じ得るため、事前に橋桁(橋体)の将来的な変位量を見積もるのは容易ではない。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、張出架設工法による橋梁の構築過程において施工誤差を低減させ、施工精度を向上させることを目的とする。
本発明に係る上げ越し量修正方法は、所定数のブロックを橋脚から順に連設する張出架設工法における上げ越し量をコンピュータが修正する。また、上げ越し量修正方法は、橋桁の温度を取得し、予め記憶部に保持されている温度による橋桁の変形量の基準値を用いて、橋桁の変形量を求める温度影響算出ステップと、既設の先端のブロックについて測定した橋桁の高さである実測値から温度影響算出ステップにおいて求められた橋桁の変形量を除いた橋桁の真の高さを求める真値算出ステップと、既設の先端のブロックについて設計に基づいて算出された橋桁の高さである目標高と橋桁の真の高さとの差分を求め、当該差分を先端のブロックから所定数のブロックまでの残ブロックの各々に適用すべき補正値を求める補正値算出ステップとをコンピュータが実行する。
このようにすれば、橋桁の高さの実測値から温度の影響を除いた真値と橋桁の目標高との差分を、以降に連設する残ブロックで解消するための補正値を算出できる。すなわち、張出架設工法による橋梁の構築過程において施工誤差を低減させ、施工精度を向上させることができる。
また、温度による橋桁の変形量の基準値とは、橋桁の上床版の温度及び下床版の温度の差分と橋桁の変形量の予測値とを対応付けた情報とし、温度影響算出ステップにおいて、既設の先端のブロックにおける上床版の温度及び下床版の温度の差分と、基準値とに基づ
き取得した橋桁の温度に対応する橋桁の変形量を求めるようにしてもよい。具体的には、このようにすれば、上床版の温度と下床版の温度との差による橋桁のたわみを除いて、橋桁の真の高さを修正できるようになる。
また、補正値算出ステップにおいて、目標高と橋桁の真の高さとの差分を残ブロック数で按分することにより、補正値を算出するようにしてもよい。このようにすれば、残ブロックにおいて、最終的に計画高と合致するよう徐々に高さを修正することができる。
また、鉛直方向に対する橋脚の軸方向の傾きを取得し、当該傾きに基づいて先端のブロックにおける、傾きに起因する高さの変位を求める傾斜影響算出ステップをさらに実行し、真値算出ステップにおいて、実測値から、温度影響算出ステップにおいて求められた橋桁の変形量、及び傾斜影響算出ステップにおいて求められた高さの変位を除くことにより真の高さを求めるようにしてもよい。このようにすれば、橋桁の高さの実測値から温度の影響だけでなく橋脚の傾斜の影響も除いた真値と橋桁の目標高との差分を求めることができるようになる。
なお、上記課題を解決するための手段の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。上記課題を解決するための手段の内容は、上げ越し量管理方法の他、当該処理を実行する処理部を有する装置や、当該処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することもできる。さらに、当該プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
本発明によれば、張出架設工法による橋梁の構築過程において施工誤差を低減させ、施工精度を向上させることができる。
PC橋梁のブロック割図の一例である。 システムの概要を示すブロック図である。 温度センサの設置位置の一例を示す橋梁の縦断面図である。 傾斜センサの設置位置の一例を示す橋梁の縦断面図及び横断面図である。 上げ越し管理装置の一例を示す機能ブロック図である。 橋梁の各ブロックについて算出される上げ越し量を説明するための表である。 コンピュータの一例を示す装置構成図である。 目標値修正処理の一例を示す処理フロー図である。 温度差と変形量との対応関係を示す情報の一例を示す表である。
図1は、張出架設工法で構築するPC(Prestressed Concrete)橋梁の一例を示すブロック割図である。図1には、中央に示す1つの橋脚(P2)と、その両側に連設されるブロック(1〜22)とが記載されている。張出架設工法では、橋脚の柱頭部を中心として、所定の2方向へ順にブロックを連設する。具体的には、各ブロックについて、作業車(ワーゲン、又はトラベラーとも呼ぶ)の移動、型枠等の組み立て、コンクリートの打設及び養生、緊張、型枠等の解体といった作業をブロックの番号の順に繰り返す。また、図示していない隣の橋脚からも同様にブロックが連設され、中間地点で橋桁が接続される。
構築過程において、新たなブロックにコンクリートを打設すると、橋脚から当該ブロックまでの橋桁は自重で鉛直下方に変形(降下)する。また、PCケーブルの緊張を行うと、橋桁は鉛直上方に持ち上がる。このような変形の大きさを予測し、橋梁全体の完成時に
設計された高さとなるよう、予め変形量を加味して各ブロックの高さを決める。ここで、コンクリートの硬化時の変形やクリープ変形といった施工過程における変形を考慮し、橋桁を、所定の時点までに予想される変形量だけ変形方向とは反対側(例えば鉛直上方)に構築することを上げ越しと呼び、その大きさを上げ越し量と呼ぶ。なお、所定の時点とは、発注者への橋梁の引渡し時点など、目標とする任意の時点をいう。本実施形態では、主として下方に生じる変位を想定して上げ越しと呼ぶが、変位の方向は特に限定されない。ここで、実際の施工過程において、変形は予測通りに生じないこともあり、施工過程において上げ越し量を修正することもある。一方、温度によって橋桁にたわみ(反り)が生じることもあり、上げ越し量の修正は経験に頼らざるを得ない部分があった。
本実施形態では、構築過程にある橋桁の上床版及び下床版の温度を測定し、温度差による橋桁の変形(たわみ)の大きさを算出する。このようにすれば、橋桁の高さの実測値から温度の影響による変形量を除いた当該時点における橋桁の硬化後の予測値(真の位置)を求めることができる。そして、求めた真の位置と設計上の位置である計画高との差に基づいて後の工程で新設するブロックの位置を修正し、最終的な橋桁の位置と計画高との差を低減させる。
<システム構成>
図2は、本実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。図2のシステムは、上げ越し量の修正を適宜行う上げ越し管理装置1と、所定のセンサが設置された構築対象の橋梁2と、工事者が操作するユーザ端末3とを含む。そして、上げ越し管理装置1及びユーザ端末3はネットワーク4を介して接続されている。所定のセンサとして、例えば、位置センサ21、温度センサ22、傾斜センサ23等が橋梁2の所定の位置に設置される。そして、各センサが測定した情報は、例えばユーザ端末3から上げ越し管理装置1に送信され、上げ越し管理装置1は受信した情報を用いて計画された上げ越し量を適宜修正する。また、上げ越し管理装置1が算出した補正値は、例えば工事現場においてユーザ端末3に出力され、以降の工程に反映される。
橋梁2に設置される位置センサ21は、高さを測定可能なセンサであり、例えば橋桁の上床版に設置されて位置を測定する。具体的には、GPS(Global Positioning System
)やGLANOSS(Global Navigation Satellite System)等の測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System(全地球測位システム)とも呼ぶ)、重力値や気圧等に基づき高度を出力する高度センサ等を用いてもよい。また、位置センサ21の代わりに例えば水準測量等の測量によってユーザが求めた標高をユーザ端末3から入力し、上げ越し管理装置1に送信するようにしてもよい。
また、図3は、温度センサ22の設置位置の一例を示す橋梁の縦断面図である。温度センサは、少なくとも橋桁の上部と下部とにそれぞれ設置される。具体的には、例えば熱電対である温度センサは、上床版及び下床版の温度を測定する。図3では橋脚の柱頭部に温度センサ22を設ける例を示しているが、ブロックを張出した場合は先端のブロックに温度センサ22を設ける。なお、上床版及び下床版に温度センサを埋設するようにしてもよいし、放射温度センサ等、非接触型の温度センサを例えば型枠等に設置するようにしてもよい。
図4は、傾斜センサ23の設置位置の一例を示す橋梁の縦断面図及び路線の進行方向から見た横断面図である。傾斜センサは、例えば橋脚の柱頭部付近に設置され、橋脚の軸方向に対する垂直面と、橋桁との角度及び傾斜の方向を測定する。換言すれば、傾斜とは、鉛直方向に対する橋脚の軸の傾きに起因する、路線方向の勾配(いわゆる縦断勾配)をいうものとする。
<上げ越し管理装置>
図5は、上げ越し管理装置1の一例を示す機能ブロック図である。上げ越し管理装置1は、記憶部101と、位置取得部102と、温度取得部103と、温度影響算出部104と、傾斜取得部105と、傾斜影響算出部106と、真値算出部107と、補正値算出部108と、出力部109とを有する。記憶部101は、コンピュータが有する記憶装置であり、橋梁の設計に基づく各ブロックの桁天端高を示す情報(計画高とも呼ぶ)等を予め保持させておく。また、記憶部101は、センサから取得した情報や、所定の数式に基づいて算出される補正値、その他中間的に生成される値等を保持する。位置取得部102は、ユーザ端末3から、例えば橋桁のうち施工済みブロックの上床版先端の高さを取得する。また、温度取得部103は、例えば橋脚のうち施工済みブロックの所定の位置における温度を取得する。本実施形態では、図3に示した位置に温度センサが設けられ、上床版及び下床版の温度が継続的に取得されるものとする。そして、温度影響算出部104は、取得された温度に基づいて橋桁の変形量を求める。本実施形態では、温度差と橋桁の変形(ゆがみ)量との基準となる対応関係を予め記憶部101に保持しておき、上床版と下床版との温度差から橋桁の変形量を算出する。また、傾斜取得部105は、橋脚の柱頭部における、橋脚の軸方向に対する垂直面と橋桁の上床版とのなす角度(傾斜と呼ぶ)を取得する。なお、上床版は、排水勾配等が設けられているため平面ではない。ここでは、上床版上の横断方向の中心に沿った路線方向の傾きを、上床版の縦断勾配(すなわち、橋桁の縦断勾配)とする。そして、傾斜影響算出部106は、取得された傾斜が施工済みブロックの先端の傾きに及ぼす影響の大きさを算出する。また、真値算出部107は、取得された温度及び傾斜が影響を及ぼす橋桁の変形量を実際に測定されたブロックの高さから除いた高さの真値を算出する。また、補正値算出部108は、設計された橋桁の計画高とブロックの真値との差分を求め、以降のブロックの各々において修正すべき差分の量を反映させた補正値を算出する。そして、出力部109は、補正値を、例えばネットワーク4を介してユーザ端末3へ出力する。
このように、施工過程の各ブロックにおいて目標値との差を修正しつつ設計に対する最終的な橋桁の位置の精度を向上させることができる。すなわち、張出架設工法による橋梁の構築過程において施工誤差を低減させ、施工精度を向上させることができる。
図6は、橋梁の各ブロックについて算出される上げ越し量を説明するための表である。図6の表は、施工工程の各段階における、橋桁の設計された計画高、目標値、目標高(補正なし)、実測値といった項目を有している。なお、値は、鉛直上向きを正として示されている。そして、図6の例では、全ブロックの計画高、及び施工済みブロックの目標値、目標高(補正なし)、実測値の値が表示されている。ここで、計画高とは、上述の通り設計に基づく上床版の上端の高さである。目標値とは、本実施形態に係る目標値修正処理において求められる補正値によって修正された上げ越し量である。目標高(補正なし)とは、設計時点において既存の手法によって求められる上げ越し量である。実測値とは、位置センサ21によって測定された高さの実測値である。そして、差の列には目標値と実測値との差分が表示されている。本実施形態では、既設のブロックの目標値と実測値との差に基づいてそれ以降に新設されるブロックの目標値を修正し、補正値を算出する。このような差を視覚的に理解し易くするため、例えば横軸にX(m)、縦軸に差(mm)をとり、目標値と実測値を折れ線グラフで表示するようにしてもよい。
<装置構成>
図7は、コンピュータの一例を示す装置構成図である。上げ越し管理装置1及びユーザ端末3は、例えば図7に示すようなコンピュータである。図7に示すコンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、主記憶装置1002、補助記憶装
置(外部記憶装置)1003、通信IF(Interface)1004、入出力IF(Interface)1005、ドライブ装置1006、通信バス1007を備えている。CPU1001は
、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る処理等を行う。主記憶装置1002は、CPU1001が読み出したプログラムやデータをキャッシュしたり、CPUの作業領域を展開したりする。主記憶装置は、具体的には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。補助記憶装置1003は、CPU1001により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置1003は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi-Media Card)、フラッシュメモリ等である。主記憶装置1
002や補助記憶装置1003は、上げ越し管理装置1の記憶部101として働く。通信IF1004は、他のコンピュータとの間でデータを送受信する。上げ越し管理装置1及びユーザ端末3は、通信IF1004を介してネットワーク4に接続される。通信IF1004は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF1005は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。入出力装置は、具体的には、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等である。ドライブ装置1006は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の記憶媒体に記録されたデータを読み出したり、記憶媒体にデータを書き込んだりする。そして、以上のような構成要素が、通信バス1007で接続されている。なお、これらの構成要素はそれぞれ複数設けられていてもよいし、一部の構成要素(例えば、ドライブ装置1006)を設けないようにしてもよい。また、入出力装置がコンピュータと一体に構成されていてもよい。また、ドライブ装置1006で読み取り可能な可搬性の記憶媒体や、フラッシュメモリのような可搬性の補助記憶装置1003、通信IF1004などを介して、本実施の形態で実行されるプログラムが提供されるようにしてもよい。そして、CPU1001がプログラムを実行することにより、上記のようなコンピュータを例えば図5に示した上げ越し管理装置1として働かせる。
<目標値修正処理>
図8は、目標値修正処理の一例を示す処理フロー図である。本実施形態では、各ブロックの構築を行う度に目標値修正処理を行う。なお、上げ越し管理装置1の記憶部101には、構築対象の橋梁の設計値である計画高や、計画高に上げ越し量を加味した目標高がブロックごとに予め記憶されているものとする。なお、目標高は、既存の設計手法にもとづき決定される。例えば、既存のソフトウェア等で目標高を算出し、上げ越し管理装置1の記憶部101に記憶させておく。また、記憶部101には、上床版及び下床版の温度差と橋桁のたわみの大きさとを関連付けたデータや、所定の補正係数等も記憶されているものとする。なお、上床版及び下床版の温度差と橋桁のたわみの大きさは、例えば立体フレームモデルを用いた既存のシミュレーション手法により求めることができる。そして、温度差が例えば10℃の場合の各ブロック先端の降下量を用意しておけば、実際の温度差との比率や所定の補正係数に基づいて、ある時点における橋桁の温度に基づく変形量の推定値を求めることができるようになる。図9は、温度差と橋桁の変形量との対応関係の一例を示す表である。図9の例では、ブロックごとに温度差が10℃の場合の変形量の予測値が保持されている。
目標値修正処理では、まず、上げ越し管理装置1の位置取得部102、温度取得部103、及び傾斜取得部105は、それぞれ測定値を取得し、記憶部101に格納する(図8:S1)。本ステップは、例えば、各ブロックについて型枠をセットする段階までに実行される。具体的には、位置取得部102は、橋梁2に設けられた位置センサ21から、高さの実測値を含む位置情報を取得する。また、温度取得部103は、橋梁2に設けられた温度センサ22から、温度の実測値を取得する。本実施形態では、上床版の温度と下床版の温度とが取得されるものとする。また、傾斜取得部106は、橋梁2に設けられた傾斜センサ23から傾斜の実測値を取得する。
次に、上げ越し管理装置1の温度影響算出部104は、温度の影響による橋桁のたわみ
の大きさを算出する(S2)。例えば、温度の影響による施工済みブロック先端のたわみの大きさδth,iは、次のような式で求める。
Figure 0006432057
ここで、iは、目標値修正処理の実行時における施工済みブロックの数とする。なお、本実施形態では、橋梁の構築工程を、複数の張出ブロックを構築するステップに細分して扱う。δthcal,iは、立体フレームモデルにより求められた、施工済みブロック数がiで
あり且つ上床版と下床版との温度の差ΔTが10℃であるときの橋桁先端のたわみの大きさである。δthcal,iは、予め記憶部101に保持されている。ΔTexp,iは、温度センサ22によって測定された上床版の温度と下床版の温度との差分である。また、αは、所定の補正係数である。αは、例えば次のような式で定義できる。
Figure 0006432057
ここで、jは、各ブロックの施工工程における解析ステップとする。本実施形態では、各張出ブロックの構築工程を、例えば、作業車の移動、コンクリートの打設、PCケーブルの緊張・・・といったステップに細分して扱う。そして、各ステップは、1、2、3・・・といった番号で示すものとする。δexp,i,jは、位置センサ21によって測定された
施工済みブロック先端の上床版の高さである。
そして、上げ越し管理装置1の傾斜影響算出部106は、傾斜の影響による橋桁のたわみの大きさを算出する(S3)。例えば、傾斜の影響による施工済みブロック先端のたわみの大きさδθ,i,jは、次のような式で求める。
Figure 0006432057
ここで、δθcal,i,jは、以下の数4に示すように橋脚天端に設けられた傾斜センサ2
3によって測定された角θexp,i,jに橋脚から施工済みブロック先端までの張出長Liを乗じた値である。
Figure 0006432057
また、βは、例えば以下の数5に示すような補正係数である。
Figure 0006432057
その後、上げ越し管理装置1の真値算出部107は、施工済みブロックの先端の実測値から温度の影響によるたわみ、及び橋脚の傾斜の影響によるずれを除去した、施工済みブロック先端の高さの真の値(真値)を算出する(S4)。例えば、真値算出部107は、次のような式で真値δreal,i,jを求める。
Figure 0006432057
また、上げ越し管理装置1の補正値算出部108は、設計段階において求められた上げ越し量δcal,i,jを、真値算出部107によって算出された真値δreal,i,jに基づいて修
正するための補正値δi+1,j+kを算出する(S5)。例えば、補正値δi+1,j+kは、次のような式により求められる。
Figure 0006432057
nは、橋脚から一方に連設される全張出ブロック数である。よって、n−iは、当該処理時点以降に新設されるブロックの数である。また、Δδi,jは、真値と設計時点の上げ
越し量との差分であり、次の数8により求められる。
Figure 0006432057
すなわち、上述の数7に示す補正値は、橋桁の高さの実測値から温度や傾斜の影響を除いた真値と橋桁の計画高との差分を残ブロック数によって按分し、以降に連設する各ブロックに適用すべき値である。残ブロック数によって按分することにより、最終的に計画高と合致するよう徐々に高さを修正することができる。以上のような処理によれば、張出架設工法による橋梁の構築過程において施工誤差を低減させ、施工精度を向上させることができる。
<その他>
本発明は上述の処理を実行するコンピュータプログラムを含む。さらに、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に属する。当該プログラムが記録された記録媒体については、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、目標値(上げ越し量)の修正処理が可能となる。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。
また、各装置の接続関係は、上述の例には限定されない。例えばユーザ端末3は各センサと直接通信して測定値を取得し、取得した情報を、ネットワーク4を介して上げ越し管理装置1に送信する構成としてもよい。また、各センサが通信IFを備え、ネットワーク
4を介して測定値を示す情報を上げ越し管理装置1に送信するようにしてもよい。
また、上述の傾斜による影響は一般的に無視できるほど小さいと考えられるため、考慮しないようにしてもよい。すなわち、橋桁の高さの真値は、実測値から温度の影響のみを除いた値とするようにしてもよい。
また、上述の例では、温度差と変形量との対応関係を予めブロックごとに保持しているものとしたが、測定値のみを用いるようにしてもよい。例えば、橋桁の温度と橋桁の高さとを継続的に測定し、上床版と下床版との間でほぼ温度差がない夜間や早朝に、橋桁の高さの実測値が得られる場合、ほぼ温度差がない時点における橋桁の実測値を真値として用いてもよい。すなわち、何れの場合も、温度の影響による橋桁の変形量の基準値を用いて真値を求めることができる。
また、上述の数7では、計画高と真値との差を残ブロックに均等に割り当てたが、各ブロックの属性に応じて重みをつけてもよい。例えば、各ブロックの橋脚からの距離や、各ブロックの重量等に基づいて、各ブロックに適用する補正量の大きさに差をつけるようにしてもよい。
1 上げ越し管理装置
101 記憶部
102 位置取得部
103 温度取得部
104 温度影響算出部
105 傾斜取得部
106 傾斜影響算出部
107 真値算出部
108 補正値算出部
109 出力部
2 橋梁
21 位置センサ
22 温度センサ
23 傾斜センサ
3 ユーザ端末
4 ネットワーク

Claims (6)

  1. 所定数のブロックを橋脚から順に連設する張出架設工法における上げ越し量をコンピュータが修正する上げ越し量修正方法であって、
    橋桁の温度を取得し、予め記憶部に保持されている温度による橋桁の変形量の基準値を用いて、橋桁の変形量を求める温度影響算出ステップと、
    既設の先端のブロックについて測定した橋桁の高さである実測値から前記温度影響算出ステップにおいて求められた橋桁の変形量を除いた橋桁の真の高さを求める真値算出ステップと、
    前記既設の先端のブロックについて設計に基づいて算出された橋桁の高さである目標高と前記橋桁の真の高さとの差分を求め、当該差分を前記先端のブロックから前記所定数のブロックまでの残ブロックの各々に適用すべき補正値を求める補正値算出ステップと、
    をコンピュータが実行する上げ越し量修正方法。
  2. 前記温度による橋桁の変形量の基準値とは、橋桁の上床版の温度及び下床版の温度の差分と橋桁の変形量の予測値とを対応付けた情報であり、
    前記温度影響算出ステップにおいて、前記既設の先端のブロックにおける上床版の温度及び下床版の温度の差分と、前記基準値とに基づき取得した前記橋桁の温度に対応する橋桁の変形量を求める
    請求項1に記載の上げ越し量修正方法。
  3. 前記補正値算出ステップにおいて、前記目標高と前記橋桁の真の高さとの差分を残ブロック数で按分することにより、前記補正値を算出する
    請求項1又は2に記載の上げ越し量修正方法。
  4. 鉛直方向に対する前記橋脚の軸方向の傾きを取得し、当該傾きに基づいて前記先端のブロックにおける、前記傾きに起因する高さの変位を求める傾斜影響算出ステップ
    をさらに実行し、
    前記真値算出ステップにおいて、前記実測値から、前記温度影響算出ステップにおいて求められた橋桁の変形量、及び前記傾斜影響算出ステップにおいて求められた前記高さの変位を除くことにより前記真の高さを求める
    請求項1から3のいずれか一項に記載の上げ越し量修正方法。
  5. 所定数のブロックを橋脚から順に連設する張出架設工法における上げ越し量をコンピュータが修正する上げ越し量修正装置であって、
    温度による橋桁の変形量の基準値を保持する記憶部と、
    橋桁の温度を取得し、前記記憶部に保持されている前記基準値を用いて、取得した前記橋桁の温度に対応する橋桁の変形量を求める温度影響算出部と、
    既設の先端のブロックについて測定した橋桁の高さである実測値から前記温度影響算出部がめた橋桁の変形量を除いた橋桁の真の高さを求める真値算出部と、
    前記既設の先端のブロックについて設計に基づいて算出された橋桁の高さである目標高と前記橋桁の真の高さとの差分を求め、当該差分を前記先端のブロックから前記所定数のブロックまでの残ブロックの各々に適用すべき補正値を求める補正値算出部と、
    を有する上げ越し量修正装置。
  6. 所定数のブロックを橋脚から順に連設する張出架設工法における上げ越し量を修正する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    橋桁の温度を取得し、予め記憶部に保持されている温度による橋桁の変形量の基準値を用いて、取得した前記橋桁の温度に対応する橋桁の変形量を求める温度影響算出ステップと、
    既設の先端のブロックについて測定した橋桁の高さである実測値から前記温度影響算出ステップにおいて求められた橋桁の変形量を除いた橋桁の真の高さを求める真値算出ステップと、
    前記既設の先端のブロックについて設計に基づいて算出された橋桁の高さである目標高と前記橋桁の真の高さとの差分を求め、当該差分を前記先端のブロックから前記所定数のブロックまでの残ブロックの各々に適用すべき補正値を求める補正値算出ステップと、
    を含むプログラム。
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