<概要>
本開示によれば、フィルタカートリッジ構成及びアセンブリの選択された特徴が提供される。組み立て及び使用の方法も提供される。技術及び特徴は、エアクリーナアセンブリと共に使用されるか又はエアクリーナアセンブリと共に使用するためのエアフィルタカートリッジに関連して特に適用可能である。しかし、本明細書において説明される選択された技術を別の用途に適用することは可能である。
説明される技術は、エアクリーナアセンブリの中にフィルタカートリッジを適正に取り付け、密封すること、意図しない動き又は運動に対してエアクリーナの中のフィルタカートリッジを適切に支持すること、使用中にシステム、すなわちエア(ガス)クリーナを通る適正な空気(又はガス)の流れを確保すること、点検に便利な構成にすること及び/又は不適正なフィルタカートリッジの取り付けに対して(エア)クリーナハウジングを保護することなどの問題に関連して様々な利点を提供するために使用できる。これらの利点のすべてを得るように特徴及び技術を適用することは特段要求されない。しかし、図面に特徴を示される様々な例のシステムはこれらの利点を実現する。
個別に利点を有する多様な特徴及び技術が説明される。何らかの利点を得るために、それらの特徴及び技術のすべてを適用することは特段要求されない。従って付加的な利点を得るために、多くの特定の特徴は任意の特徴であるとみなすことができる。
特徴を示される第1の種類のシステムの例では、フィルタカートリッジは開放されたフィルタ内部空間を取り囲むフィルタ媒体を備える。フィルタ媒体は第1の端部及び第2の端部を有し、各端部は両端の端部材に隣接して媒体周囲部を規定する。第1の種類のフィルタの例の場合、本明細書において示される特徴によれば、媒体周囲部(両端部)はカートリッジ内で偏心的に位置合わせされる。
本開示に従って使用される場合のカートリッジの両端部にある特徴の互いに対する偏心的な位置合わせ(整列)に関連する多様な技術の特徴が示されている。先の段落では、各端部材に隣接する媒体の周囲部分が偏心的に位置合わせ又は整列されたパターンを規定する特徴の例が示される。媒体の両端部の他の特徴(偏心的な位置合わせ又は整列の利点を提供するために、先の特徴に加えて又はその代わりに使用可能である)は、カートリッジの両端部の端部材の選択された特徴及び/又はカートリッジの両端部に配置されたハウジング係合部材を含む。
好都合なエアクリーナ及びエアクリーナハウジング構成の特徴も示される。更に組み立て及び使用の方法の特徴も示される。
特徴の多くは、カートリッジの両端部の特徴の偏心的な位置合わせに関するが、本明細書において特徴を示される技術のうち特定の技術に従って利点を得るために、そのような偏心的な位置合わせは特段要求されない。これは以下に示される特徴のうち特定の特徴から明らかだろう。
本開示による何らかの利点を得るために、構成が本明細書において示される有利な特徴のすべてを含むことは特段要求されない。更に説明される技術が適用される場合、本開示による技術によって可能なすべての利点を得るために説明される技術を適用することは特段要求されない。
<詳細な説明>
I.有利なフィルタカートリッジの特徴及び組み立ての方法、図1〜図9
A.カートリッジの特徴全般
本明細書において特徴を示される原理をどのように具現化できるかを示すフィルタカートリッジの一例が図1〜図6に示される。以下に説明される可能な変形例に関連する説明から理解されるように、図1〜図6の図示は、有用な一実施形態の一例を提供する。原理は、多様な代替形態でも具現化できる。
図1を参照すると、フィルタカートリッジ1が示される。一般にフィルタカートリッジ1は、第1の媒体端部3と反対側の第2の媒体端部4との間に延設された延設媒体2を備える。図示される特定の例の場合、媒体2は、開放されたフィルタ内部空間7を取り囲むように構成される。
媒体2は、一般に第1の媒体端部3に配置された第1の端部材(端部キャップ)10と、反対側の媒体2の第2の端部4に配置された第2の端部材(端部キャップ)11との間に延設される。
図示される例のフィルタカートリッジ1では、第1の端部材10は、第1の端部材を貫通し、開放されたフィルタ内部空間7と流体連通する中央空気流れ開口部16を有する開放された端部材15である。これが典型的な構成である。
図示されるカートリッジ1の例の場合、第2の端部材11は、閉鎖された端部材18であるのが好ましい。本明細書における用語「閉鎖された」は、端部材11が端部材を貫通し、開放されたフィルタ内部空間7と流体連通する開口部を持たないこと、すなわち流れ開口部16も通過する流れが起こりうる開口部を持たないことを意味する。これに代わる構成も可能であり、場合によっては端部材11を開放された端部材として構成することもできる。しかし、本明細書において特徴を示される多くの用途に関しては、閉鎖された端部材18は典型的であり好ましい。
更に図1を参照すると、典型的にはカートリッジ1は、濾過中に「外から中へ」の流れを形成するように構成される。これは濾過流れが一般に媒体2の外周部2oから開放された内部空間7を取り囲む媒体内周部2iに向かって起こることを意味する。しかし、本明細書で説明される技術のいくつかの用途では、これに代わる流れ又は逆方向の流れも可能である。
カートリッジ1が濾過中に媒体2を通過する外から中への流れを形成するように構成される場合、開口部16は、当然のことながら出口開口部16oになる。
空気濾過のための典型的な用途では、媒体2は端部3及び4の間の延設部分に襞を有する。すなわち、媒体2は、内部空間7を取り囲む複数の襞を備える襞付き媒体2aである。これにより、選択された容積の中で媒体の面積は相対的に大きくなるので、カートリッジの寿命及び効率に関して好都合である。媒体2として現在利用可能であり、使用されている媒体材料から、又は現時点では開発途上である媒体材料から、多様な種類の媒体を選択できる。多くの場合、選択される媒体2はセルロース繊維媒体であるが、他の材料も可能である。媒体は必要に応じて微細繊維又は他の材料などの表面処理を有効に施されることが可能である。
図1を参照すると、図示されるカートリッジ1はオプションの接着剤ビード20を有し、この接着剤ビード20は媒体2を取り囲み、外側襞先端部と係合する。ビード20は、使用中に外側襞先端部を適正な位置、向き及び間隔に容易に固定する。
フィルタカートリッジ1は、媒体2の外周部2oを取り囲むオプションの外側ライナ21を提供することができる。そのようなライナは、他の種類のカートリッジに関してよく知られており、カートリッジ1のようなカートリッジと共に使用するために同様に適用可能である。使用できる既に知られた多様なライナには、エキスパンドメタルライナ、穴あき金属ライナ、多孔質プラスチックライナ及び多様な他の構成がある。カートリッジ1に関して特に有用な外側ライナは、例えばポリエチレンから製造された可撓性プラスチック網状構成21xである。そのような伸縮自在の外側ライナは、出荷中及び取扱い中に媒体2の一体性を容易に保護することができる。しかし、構成が濾過中に外から中に向かう流れを形成するような構成である場合、使用中の空気圧は、一般に媒体2を外側に押すのではなく内側へ押すので、実質的に剛性の構成支持体(可撓性網状ライナによっては提供されない)は、通常それほど重要ではない。ライナ21として選択される材料の種類に応じて、ライナはビード20の下方又はビード20の上方に配置されることが可能である。
通常、特に外から中に向かう流れ構成と共に使用される場合、カートリッジ1は周囲に媒体2が配置される内側ライナ又は内側支持構成24を備えるのが好ましい。内側ライナ又は内側支持構成24は、一般に媒体2に対して構成支持を提供するために、媒体端部3、4の間及び端部材10、11の間に延設される相対的に剛性の構成である。内側ライナ24は、金属又はプラスチックを含む多様な材料から製造可能である。本技術の典型的な用途の場合、内側ライナ24は、以下に説明されるように成形プラスチック構成であることが多い。
以上、特徴を示した通り、カートリッジ1は、エアフィルタ構成を含む多種多様なフィルタ構成で適用される特徴を有するものとして説明された。そのような特徴を含む例は、参考として本明細書に取り入れられている米国特許第6,652,614号公報、米国特許第6,837,920号公報、米国特許第6,986,805号公報、米国特許第7,291,198号公報、米国特許第7,572,310号公報、米国特許第7,981,187号公報、米国特許第7,070,642号公報、米国特許第7,988,757号公報、米国特許第7,662,203号公報、米国特許第8,216,335号公報、米国特許第8,394,166号公報、米国特許第7,524,349号公報、米国特許第7,981,186号公報、米国特許第8,292,984号公報、米国特許第8,066,791号公報において特徴を示されるユニットである。
B.選択された有利なカートリッジの特徴
次に図2に注目すると、図2において、同じ図中符号は、先に示された特徴を示す。図2を検討することにより、図示されるカートリッジ1が先に挙げた引用文献である米国特許第6,652,614号公報、米国特許第6,837,920号公報、米国特許第6,986,805号公報、米国特許第7,291,198号公報、米国特許第7,572,310号公報、米国特許第7,981,187号公報、米国特許第7,070,642号公報、米国特許第7,988,757号公報、米国特許第7,662,203号公報、米国特許第8,216,335号公報、米国特許第8,394,166号公報、米国特許第7,524,349号公報、米国特許第7,981,186号公報、米国特許第8,292,984号公報、米国特許第8,066,791号公報におけるカートリッジのような多くの以前のカートリッジと区別される点のいくつかを理解できる。
例えば、カートリッジ1は、端面図又は軸方向投影図(すなわち、端部材10、11の間の最短方向(軸方向)に対して垂直な平面への投影)で「偏心的」又は「偏心的に整列又は位置合わせされる」として定義できる両端部の選択された特徴を含む。図示されるカートリッジ1は、このように表すことができる多様な特徴を含む。しかし、本開示による何らかの利点を得るために、カートリッジにおいて、偏心的でありうるとして述べられ、示されるすべての特徴を偏心的であるように実現することは特段要求されない。このことは、偏心的に位置合わせされる特徴の動作上の利点に関連する説明から明らかになるだろう。
図2を参照すると、端部材10にすぐ隣接するか又は端部材10に埋め込まれた媒体端部3は、図1の外側ライナ21及び外側襞先端部2tのうち1つ以上により規定される外周部3pを有するとして特徴付けることができる。周囲部3pは、3cで示され、軸3xにより規定される中心を取り囲むものとして特徴付けることができる。中心3cは、第1の中心c1として特徴付けられてもよい。
端部4では、媒体2は、同様に図1の外側ライナ21及び/又は外側襞先端部2tにより規定される外周部4pを有すると特徴付けることができ、周囲部4pは中心軸4xにより規定される中心4cを取り囲む。中心4cは、第2の中心c2として特徴付けられてもよい。
図2を検討することによりわかるように、外周部3p、4pに関して、両端部4、3は互いに対して偏心的である。すなわち、各外周部3p、4pは、中心(それぞれ3c、4c)を取り囲んで規定するが、端面図で見た場合、すなわち、端部3、4又は端部材10、11の間の最短方向に対して垂直な平面に投影した場合、それらの中心(3c、4c)は、互いに対してずれているか又は偏心的に位置合わせされている。このずれ、偏心性又は偏心的な位置合わせの部分は、図2の側横断面図の投影平面において寸法Aで示される。
以下に更に詳細に説明されるように、カートリッジ1の使用時に利点を提供するために、カートリッジ1の両端部における特徴の偏心性(偏心的な位置合わせ)を使用できる。これは多様な形態で実現可能であり、特定してどのように実現されるかに応じて、いくつかの利点のうち1つ以上を得るために使用できる。偏心性が特定してどのように実現されるかに応じて、得ることができる可能な利点の中には、
1.使用中の性能に関する利点
2.ハウジング内部におけるカートリッジの好適な確実な係合
3.カートリッジが問題のハウジングに対して適正なカートリッジであることの確認に関する利点
4.使用中にハウジングの中の空気の好適な流れパターンの確保
という利点のうち1つ以上がある。
尚、先に特徴を示したすべての利点を得るために、ここで示した特徴を実現することは特段要求されない。状況に応じて利点のうち1つ以上を得るために、それらの特徴を任意に実現することができる。
次に図4に注目する。図4は端部材10に向かって見た場合のカートリッジ1の上部平面図である。投影した場合の端部3における媒体2の外周部3p(図2)の中心が3cで示され、投影した場合の媒体2の端部4における媒体外周部4p(図2)の中心が4cで示される。従って、図4は、先に特徴付けたような投影の形態である。中心3c及び4cの間のずれ又は偏心性Zは、2つの次元(投影平面で)でオフセットK及びオフセットLによりそれぞれ特徴付けることができる。これにより、ずれ又は偏心的な位置合わせの直線的寸法又は距離(Z)は(L 2 +K 2 )の平方根に相当するという結論が得られるだろう。
更に図4を参照して端部材10に注目する。複数のオプションの離間した突起23が端部材10から突出して、すなわち図4の向きで図面を見ている人に向かう方向に設けられている。突起23は、カートリッジ1が取り付けられる場合にハウジングの一端部、例えばアクセスカバーに接触する突起であり、通常端部材15の部分を形成しているのと同じ圧縮可能な弾性材料から形成される。通常突起23は、以下に説明されるように、端部材15の他のモールド・イン・プレース成形部分と一体に形成される。示される特定のカートリッジ1において、突起23は離間した突起23を含む突起部材を形成する。用途によっては、突起23を互いに接合して、1つの連続するリングを形成することも可能である。
図4において、図3の横断面図を規定する横断線3−3に注目する。図3を参照すると、示される横断面図により、カートリッジ1の更に別の独自の特徴を更に理解できる。
本技術の特定の好適な適用形態の特徴は、同様にカートリッジ1の両端部の選択された特徴の偏心的な位置合わせ(整列)に関する。先に示したように、これは多様な方法で実現可能であり、多様な選択されたカートリッジ特徴に関して特徴付けることができる。この点に関して、用語「偏心的」、「偏心的な位置合わせ」及びその変形は、一般に指示される特徴の中心(c1、c2)[両端部(3、4)又は端部キャップ(10、11)の間の最短方向に対して垂直な平面に投影した場合]が互いに位置合わせされないこと、すなわち重なり合わず、偏心距離Zだけずれていることを意味する。
そのような偏心性(又はずれ)の第1の例は、端部3に隣接する媒体2の外周部3pの中心3c及び端部3とは反対側の端部4である媒体端部4の外周部4pの中心4cに関連して先に特徴付けられた。図3には、偏心性は位置3c及び4cにより示され、示される断面の平面におけるずれの量はIで示される。
尚、外周部の規定3p、4pに関して、媒体2が襞付き媒体である場合、外側襞先端部により規定されるパターンを参照するものとし、不均一に規定された襞先端部のわずかな変化又は襞先端部の向きのわずかなばらつきは無視されるものとする。
カートリッジ1の偏心性は、別の方法で規定され及び/又は提供されることが可能である。例えば、場合によっては、偏心性は、媒体の特徴ではなく(又はそれに加えて)端部キャップの特徴に関して規定されることも可能である。
この一例は、2つの端部キャップ10、11の特定のハウジング係合特徴をそれぞれ検討することにより理解できる。まず、図3の端部キャップ10を参照すると、端部キャップ10は、ハウジングシール構成34によりアクセスカバーの特徴又は他の特徴などのハウジングの特徴に対して密封されるのが好ましい。多様なハウジングシール構成を使用できる。図示される特定のハウジングシール構成34は、半径方向シール構成35である。ハウジング半径方向シール又は半径方向シール構成は、一般に半径方向シール構成35が周囲に延設される中心軸X1にほぼ向かうか又はそれから離間する方向の密封力を提供するように(解放可能な密封係合)構成された構成である。この場合、半径方向シール構成35は円形であるが、オーバル形又は他の構成などの代替構成も可能である。軸X1により示される中心は、半径方向シール構成35により規定されるシールパターンの中心である。この例では、半径方向シール構成35は、外側に向いた半径方向シール36であり、これは半径方向シール構成35のシール面が軸X1から半径方向外側に向いていることを意味する。しかし、説明した原理は内側に向いた半径方向シール、すなわちほぼ軸X1に向いたシールでも適用可能である。
従って図3を参照すると、半径方向シール構成35は、この例では半径方向シール構成35により提供されるシール既定の中心を貫通して垂直に延設する中心軸X1により規定される中心の周囲に円形パターンを規定する(外側に向いた)半径方向シール36であることがわかる。この例ではシール36及び端部3における媒体外周部3pが同心の(又はほぼ同心の)円を規定するので、この軸X1は中心3c及び軸3xと一致する。
更に図3を参照すると、この例では半径方向シール構成35は、シールパターンの第1の端部材の中心軸X1に対して直交する平面にシール突起周囲部を有するシール部材であることが理解できる。これは半径方向シール構成35がそれを通る平面に関して、中心軸X1に対して傾斜しているのではなく、中心軸X1に対して直交していることを意味する。これに代わる構成も可能である。
図3の第2の端部キャップ11は、取り付けられた場合にオプションの第2のハウジング係合構成又は底部係合構成40によりハウジングと係合するのが好ましい。図示される例の第2の(又は底部)ハウジング係合構成40も、中心軸X2の周囲で半径方向に向いている。この場合半径方向係合の方向は半径方向内側に向いた係合であるが、それに代わる構成も可能である。
半径方向係合構成40はシールであることが可能であるが、図示される例では端部キャップ11が閉鎖されているので、すなわちカートリッジ内部空間7の中へ空気を流通させるように端部キャップの中央領域11cが開放されていないので、シールである必要はない。
典型的には第2のハウジング底部又は底部係合40は、単なる緩い整列又は係合ではない。典型的にはこれは「抵抗型」係合構成であるのが好ましい。本明細書において使用される場合の用語「抵抗型係合構成」及びその変形は、端部キャップ11をハウジングから分離するために力を加えなければならなくなるような何らかの能動的な相互作用を構成が有していることを意味する。典型的な抵抗型係合構成は、端部キャップ11の部材40が圧縮されて、ハウジングの一部と係合するような構成である。これは、「圧縮」係合構成として又はそれに類似する用語により特徴付けられる。そのような圧縮抵抗型係合構成は、端部キャップ11が閉鎖された場合にシールを形成するためにも連続して構成できるが、係合部でシールは特段要求されない。
圧縮係合に加えて又はその代わりに、構成40とハウジングとの間で締まりばめが使用される場合、係合構成は、「干渉型」構成として又はそれに類似する用語により特徴付けられるような種類であってもよい。
第2のハウジング係合構成又は底部ハウジング係合構成40の(内側)周囲部40pにより規定されるパターンは、多様な形状をとることができる。例えば、パターンは円形であることが可能である。しかし、図示される例のカートリッジ1の場合、第2のハウジング係合構成又は底部ハウジング係合構成40により規定される内周部40pはオーバル形であり、この例ではほぼ楕円形である。外周部はオーバル形であるので、その中心は、一般に長円の最長二等分線の中間点に規定できる。図示される例では、中心は中心軸X2により示され、これは媒体2の外周部4pの中心4cの規定にも対応するが、それに代わる構成も可能である。
投影した場合、軸X1により規定される半径方向シール構成35の一部の中心と、軸X2により規定される第2のハウジング係合構成40の中心とは、互いに対して偏心的であり、すなわち互いに対してずれている又は偏心的に位置合わせされている。すなわち、端部材10、11の最短方向に対して垂直な平面に投影した場合、半径方向シール構成35の中心X1と、第2のハウジング係合構成40の中心X2とは揃わず、偏心距離Zだけずれている。言い換えれば、軸X1及びX2は同軸ではない。図3の断面の平面に投影した場合、このずれ又は偏心距離は寸法Iにより示される。図示される実施形態においては、軸X1及びX2は中心3c、4cにそれぞれ対応し、それらを規定するので、端部材10及び11の間の最短方向に対して垂直な平面に投影した場合、2つの次元におけるずれは、言うまでもなく、図4の中心3c、4cによるずれにより、寸法L及びKによって示される。
両端の端部材10、11の選択された特徴の偏心的な位置合わせに関してここまで提示された説明では、ハウジングとの係合に使用される特徴、この例では一方の端部キャップの半径方向シール及び他方の端部キャップの半径方向に向いたハウジング係合特徴に関して説明されていた。尚、有利な偏心性は、2つの端部キャップ又は両端部の他のカートリッジ特徴にある代替特徴又はそれと関連する代替特徴により規定されることも可能である。これは以下に説明される。
尚、図3に示される例の場合、本明細書で説明されるように、媒体2はほぼ円筒形である。これが典型的であるが、場合によっては媒体は、例えばやや円錐形のパターンで構成されることも可能である。そのような変形の例も以下に説明される。
C.カートリッジ1の付加的特徴
次に、図1〜図3のカートリッジ1の付加的特徴に関して、図3、特に端部材11に注目する。図示される例では、端部材11はほぼ「閉鎖された」端部材18である。すなわち、端部材11は、未濾過流体を内部2iの中に流入させ、出口流れ開口部16へ流すと考えられるどの位置でも、通過する材料の未濾過流れに対して開放されていない。端部材11は閉鎖されていると特徴付けられるので、媒体2により取り囲まれる領域を横切って延設するその中心11cも閉鎖されている。
図示されるカートリッジ1の例では、ハウジング内部空間7の中に、閉鎖された端部材11の一部として受け入れ突起又は案内受け入れ部45が配置される。受け入れ突起45は、一般に媒体の端部4に隣接する位置から端部材10及び媒体端部3に向かって、媒体端部3、4の間の距離の少なくとも10%、典型的にはその距離の少なくとも15%、通常はその距離の少なくとも20%、多くの場合にその距離の25%以上、60%以下の量、例えばその距離の25%以上、50%以下の量に相当する距離だけ突出する。しかし、これに代わる構成も可能である。
更に、典型的な用途では、受け入れ突起は、端部4に隣接する位置から端部3に向かって、少なくとも50mm、通常は少なくとも80mm、多くの場合に少なくとも100mm、典型的には100mm以上、280mm以下の範囲内(例えば100mm以上、250mm以下)の量だけ、多くの場合に120mm以上、250mm以下の範囲内(例えば120mm以上、220mm以下)の量だけ突出する。
典型的には、受け入れ突起45は、その外面45x(すなわち、端部材10及び内部2iの側ではない側の面)が、使用中にカートリッジ1を取り付けている間にハウジングの案内突起が受け入れられる受け入れ凹部46を取り囲む又は規定するように構成される。これを実現するための構成並びに動作上の利点及び結果は、以下に更に説明される。
受け入れ突起と同様に、受け入れ凹部46も、典型的には、媒体の端部4に隣接する位置から端部材10及び媒体端部3に向かって、媒体端部3、4の間の距離の少なくとも10%、典型的にはその距離の少なくとも15%、通常はその距離の少なくとも20%、多くの場合にその距離の25%以上、60%以下の範囲内の量、例えばその距離の25%以上、50%以下の範囲内の量に相当する距離だけ突出する。更に、凹部46は、典型的には、端部4に隣接する位置から端部3に向かって、少なくとも50mm、通常は少なくとも80mm、多くの場合に少なくとも100mm、典型的には100mm以上、250mm以下の範囲内(例えば100mm以上、280mm以下)の量、例えば多くの場合に120mm以上、250mm以下の範囲内(例えば120mm以上、220mm以下)の量の延出又は深さの寸法を有する。
更に図3を参照して、先に特徴を示したように、端部材11は閉鎖された端部材であることに再度注意する。突起45はそれ自体が閉鎖され、端部材11の閉鎖された内部領域11cの一部を形成するので、本明細書で使用される場合の用語「閉鎖された」は、凹部46が存在しているにもかかわらず、この意味で適用可能である。従って、凹部46に流入する空気、すなわち係合構成40により規定される開口部を通って流入する空気は、端部材10の開口部16を通過できない。
受け入れ突起45及び対応する受け入れ凹部46は、多様な形状で規定できる。例えば、それらは円錐形であることが可能である。図示される特定の例は、図4で見ることができる突起45及び凹部を示し、突起及び凹部は先端部45tに向かって細くなる形状であるが、断面は円形ではなく、一般にオーバル形である。場合によっては、突起45及び凹部は、それら2つが1つの回転向きにあるときにのみハウジング突起を受け入れることができるような形状を有するように構成されることが望ましいだろう。すなわち、例えば一方の側を歪ませることにより、オーバル形状から変形させてもよいだろう。このことは以下に更に説明される。
偏心性を規定するために使用される2つの特徴の各々の特定の幾何学構成は特段要求されず、各特徴が同一の全般的幾何学パターンを有していなければならない又は互いに異なる幾何学パターンを有していなければならないということも要求されない。このことは、以下に説明される変形例のいくつかから理解されるだろう。また、図3の例に示されるように、媒体がその長さを通して一貫して同一の襞深さを有していなければならないということも特段要求されず、襞深さは、外側襞周囲部2p又は先端部2tと内側襞先端部又は周囲部2iとの間の距離である。変形も可能である。
D.襞先端部定義の変形
尚、本明細書において、襞先端部により規定される幾何学形状を参照してきた。この用語は、内側襞先端部を表すか又は外側襞先端部を表すかに関わらず、種々の襞先端部に接触する周囲部により規定される形状を表す。先の説明では、円形などの一般的形状が説明された。例えばオーバル形を含む、それに代わる形状も可能である。一般に襞先端部により規定される一般的形状を説明する場合、ごくわずかな襞先端部の変化は無視されるものとする。例えば襞がわずかに歪んでいる場合、その歪みは外側襞先端部の実際の周囲部パターンに内側への傾きを生じさせるだろう。例えば、襞先端部パターンが円形又はほぼ円形のパターンであるという場合、そのようなわずかな変化は無視されるものとする。
典型的には、媒体に襞が形成され、襞の深さが一定のままである場合、第1の端部に隣接する第1の媒体外周部は第1の長さ寸法を有し、第2の端部材に隣接する第2の媒体外周部は第2の長さ寸法を有し、第1の長さ寸法は、第2の長さ寸法の98%〜102%の範囲内、通常は99%〜101%の範囲内であり、多くの場合に2つの長さ寸法はほぼ等しい。同様に第1の端部に隣接する第1の媒体外周部は、第2の長さ寸法の15mm以内(例えば10mm以内)の長さを有する。寸法は単に両端部に隣接する襞の変化によるわずかなばらつきは重大ではないことを意味するにすぎない。
より一般的に言えば、本明細書において説明される技術の多くの用途で、第1の端部材に隣接する媒体外周部は、第2の端部材に隣接する媒体外周部の長さ寸法の90〜110%、典型的には95〜105%の範囲内の長さ寸法を有する。特定の好適な用途では、それら2つの長さ寸法がほぼ等しいこと、すなわち互いに98%〜102%以内、多くの場合に99%〜101%以内であることは言うまでもない。
媒体が円筒形である場合、端部材10、11に媒体が埋め込まれる位置にほぼ隣接して、対応する端部材の中心軸に対して直交する平面で見ると、円筒が傾いているために、媒体の周囲に沿ったパターンは円形からわずかに歪む。媒体周囲部の規定から端部材の規定までの説明において、この円形からのわずかな歪みは、特に傾斜角が5°未満である場合にはほぼ無視される。
E.カートリッジの他の特徴
図5、特に端部材11に注目する。端部材11に、図面を見ている人に向かう方向に突出するような突起構成27が配置され、図示される例では、突起構成27は複数の離間した突起27pを含む。この構成の代わりに、突起構成27は連続するリングであることも可能だろう。突起27pは、先に端部材10に関して説明した突起23と同様に作用する。すなわち、突起27pは、典型的には圧縮性材料から、例えば端部材11の選択されたモールド・イン・プレース成形部分から形成されるだろう。これらの突起27pはハウジングの中でカートリッジ1を緩衝するのを補助し許容差の差異に対応する。
図3、図4及び図5の比較から、本発明の特定の用途の特性が理解されるだろう。特に、媒体パターンが偏心的に配置されている場合、媒体及び/又はライナの両側の周囲縁部が端部材11から端部材10に向かうほぼ同一の方向に、いずれかの端部材10、11の中心軸に関して傾いているような少なくとも1つの断面が存在する。媒体が円筒形であり、両端部が偏心的に配置される場合、この傾きがより大きく強調される断面は、各端部の投影中心を通る断面である。図4を参照すると、これはずれZにより示される4cから3cへの線にほぼ沿った断面になるだろう。この傾斜の角度は断面の両側で、典型的には少なくとも0.3°、通常は少なくとも0.6°、多くの場合に少なくとも1°、通常は10°以下であり、典型的な用途では、1°〜10°の範囲内、例えば1°以上、8°以下の範囲内である。
これは、この断面における2つの両縁部に関する傾斜の量が同一であることを示唆するものではない。例えば襞の変形によって、差異が生じてもよい。
また、媒体は必ずしも円筒形でなくてよい。例えば、場合によっては、媒体が徐々に細くなる形状であっても、すなわちやや円錐形の形状であっても、適切な断面は、適切に選択された断面で、両縁部のほぼ同一の方向に傾きを示す。
しかし、これは、すべての断面が傾きを示すだろうということを示唆するものではない。例えば図4の位置4cと位置3cとの間の方向に対して垂直な断面は、おそらく、設計角度からまったく傾きを示さないか又は最小限の傾きしか示さないだろう。
尚、図3の断面は多少の傾きを示すが、両端の部材の中心を通る断面ではないので、最大の傾きを示してはいない。
F.カートリッジ1の組み立て、付加的特徴
カートリッジ1に従ったカートリッジを組み立てるために、多様な方法を使用できる。典型的な方法では、襞付き延設媒体が形成され、中央ライナ又は支持体24にかぶせられる。典型的には、次に各々の端部に端部キャップ材料がモールド・イン・プレース成形される。典型的には、端部キャップ材料は成形工程で襞端部を閉鎖し、通常ハウジングシール構成(例えば半径方向シール構成35)及び/又は第2の端部ハウジング係合構成(例えば第2のハウジング係合構成40)などのハウジング係合特徴を形成するように構成される。
一般に先に特徴を示したような種類の方法が使用される場合、典型的な構成要素特徴は、典型的には予成形される、すなわちカートリッジ組み立て前に提供される内側ライナ又は支持体である。使用可能な予成形内側ライナ又は支持体の一例が図7に示される。図8及び図9には、それに類似する支持体又はプリフォーム(又は予成形支持体)が示され、それらの図は、以下に説明される特定のオプションの変形例を示す。
まず、図7の図中符号60を参照すると、カートリッジ1の組み立てで使用可能なライナ構成プリフォーム又は構成が概略的に示される。図60を見ると、ライナ構成は、両側のライナ端部61、62の間に延設された内部又は内側ライナ部分60iを含むことがわかる。一般に媒体2は、端部61、62の間に延設される部分で、内部ライナ60iの周囲に構成されるだろう。ライナ構成60の端部61は、図1の端部材10に又はその内部に配置され、ライナ端部62は、図1の端部材11に又はその内部に配置されるだろう。
図7を参照すると、内側ライナ部分60iは、使用中に流体(典型的にはガス又は空気)を流通させることができる多孔質部分である。図示される例では、部分60iは、側部リブ65により互いに結合された複数の長手方向延設部分又はリブ64を含む。これに代わる構成も可能であるが、ライナ構成60が成形プラスチックから形成される場合に、この構成は特に好都合である。
図示される例の端部61は、内側端部又はリム部材61cを含み、端部62は、内側端部又はリム部材62cを規定する。一般に2つのリム61c、62c及びそれらの間に延設されたリブ64は、60iの周囲に配置された場合に媒体2に望まれる程度の偏心性を規定するように構成される。従って、図示される例では、リム部材61c、62cは、本明細書において使用される用語の通りに偏心的に位置合わせされる。
尚、図示される構成の例の場合、リム部材61cは円形パターンを規定し、リム部材62cも同様に円形パターンを規定する。その結果、一定の襞深さを有する延設媒体が内側ライナ部分60iの周囲に配置された場合に、延設媒体は両端部3、4の内側襞先端部及び外側襞先端部を有する構成にほぼ従った形状を取り、円形パターンを規定する。また、長手方向延設部分64が一端部から他端部へ延出するにつれてほとんど細くならない形状である場合に、外側襞先端部は、一般にほぼ円筒形のパターンを規定する。
このような構成は、本開示に従った適用では典型的であるが、それに代わる構成も可能である。例えばリム61c、62cのうち一方又は双方は、非円形パターンで構成されることが可能である。また長手方向延設部分64は、必要に応じてやや傾斜した(すなわち、端部に関して偏心的な)円錐形パターンを規定するために、端部62に向かって内側へ延出するにつれて細くなる形状をとることが可能である。言うまでもなく、更に別の形状も可能である。
更に図7を参照するとライナ構造60は、端部61に離間した延設部分69により内側周囲リム61に固定された(外側)周囲リム68を含む。組み立て中、媒体2が内側ライナ部分60iの周囲に配置されると、媒体2は延設部分69の少なくとも選択された部分に当接するまで、端部61に向かって押しつけられることが可能である。尚、この例に関して延設部分69はリム61又はリム68のどの直径とも整列しない。これにより、襞付き媒体が使用される場合に延設部分69がいずれもどの襞の端部とも特定して整列するのを阻止されるという好ましい効果が得られるので、この構成は望ましい(ただし、あらゆる用途で要求されるわけではない)。これは以下に説明される成形工程で襞のブラインドオフ(blind off)端部を回避するので好都合である。
尚、更に図7を参照するとリング61、外側リム68及び延設部分69を含む端部材67は、複数のオプションの周囲タブ70を含む。周囲タブ70は互いに離間し、端部3pに隣接して媒体の外周部の周囲に配置されて使用される。タブ70は、シール36に対して何らかの支えを与える。すなわちシール36が取り付け中に半径方向内側に圧縮された場合に、シール36を形成する材料はタブ70により支えられるので、圧縮に対して選択された/所望の量の抵抗が与えられ、無理なくシールを規定する。
端部材67は、端部材10で媒体2の第1の端部3に隣接し、それを横切るように延設される支持構造60の端部材として特徴付けられることができる。
図7において、次に、端部62の端部材75に注目する。端部材75は、外周部又は外側リム部材62p及び内側受け入れ部材45を有する。互いに離間するオプションの延設部分76は、受け入れ部材45と周囲部リム62pとを結合する。延設部材76の間に間隔があることにより、以下に説明されるように端部材11の成形中に樹脂を流すことができる。尚、図示される例の場合、前述のように部材45は中実であり、従って、多孔質ではない。そのため、これは閉鎖された部材45bである。
尚、更に図7を参照すると、延設部分76は、リム62cと係合する前に屈曲して、周囲部62pに離間した突出端部77を形成する。
次に図8に注目する。図8には図中符号80で示されるオプションの変形を伴うプリフォーム又はライナ構成60が示される。特に、離間した延設部分69は、離間したタブ70で終端し、タブ70はリム68と係合する。従って図8の構成と図7の構成との相違点は、単に、図8では、オプションのタブ70がリムから垂れ下がる形状ではなく、オプションのタブ70がリムから上方へ突出し、各タブ70が延設部分69と係合するということだけである。
全般的な作用では、図7の支持体及び図8の支持体は同様に作用する。しかし、図8のタブ70の外周部は、最終製品でより幾分剛性であり、シール36を支持するという点で可撓性にやや欠ける。
図9には、図8のライナ又はライナ支持体60の端面図が示される。両端部の特徴の間の偏心的な位置合わせを見ることができる。
一般に図7〜図9に示される種類のプリフォーム、ライナ又は支持体60を使用するフィルタカートリッジ1の構成は次の通りだろう。開放された内部空間を取り囲む延設媒体2は、端部61と係合するまで端部62にかぶせられるように押し込まれるだろう。媒体は円筒形あるいはそれに代わる構成も可能である。媒体は襞付きであることが可能であるが、それに代わる構成も可能である。媒体内周部は、内側リム61cと係合する(取り囲む)ような大きさに形成され、リムの形状に似た形状をとる。これにより、先に説明した種類の両端部3、4における媒体の外周部の中心にずれが生じる。
様々な段階で、オプションの外側ライナを提供可能であることは言うまでもない。例えば媒体がライナ60にかぶせられる前に、外側ライナを媒体の周囲に含むことができる。外側ライナは、媒体と内側ライナとの組み合わせを覆うように配置されることが可能だろう。実際場合によっては、外側ライナはそれ以外の方法で完成したカートリッジを覆うように配置されることも可能だろう。
端部材10、11の構成を完了させる必要がある。それらの端部材が完成される順序に関する特段の条件はない。
本明細書の説明では、一例として使用される工程は、端部材10の構成を先に完了することを含むと想定される。これは例えば、端部材10の選択されたモールド・イン・プレース成形特徴を成形するのに適切な大きさ及び形状の成形型の中に、媒体2と支持体60との組み合わせ(使用される場合には、通常は外側ライナと共に)の一部を配置することにより実行可能である。端部材10の残る部分を所定の位置に成形するために、適切な樹脂材料を成形型の中に注入できる。典型的には、成形は開放型工程であるので、媒体2及びライナ構造60の一部は、成形型から外側(上方)へ突出する。
樹脂として多様な材料を使用できる。通常樹脂は、所期の用途に適する物理的特性及び化学的特性を有する材料から選択される。半径方向シールを有する他の様々な種類の端部キャップのために選択される種類のポリウレタンから形成されたモールド・イン・プレース成形端部キャップ材料が典型的である。一例は、米国特許第7,070,642号公報に特徴が示される種類の二液型ポリウレタンである。典型的な材料は、450kg/m3以下、典型的には355kg/m3以下、多くの場合に290kg/m3以下、通常は190〜300kg/m3の範囲内、例えば208〜275kg/m3の範囲内の成形密度で成形される。材料は、通常、30以下、典型的には22以下、通常は20以下、多くの場合に10以上、18以下の範囲内のショアA硬度に成形される。そのような材料はよく知られており、例えば米国特許第8,216,335号公報に記載されているような端部キャップの成形で以前使用されていた。
成形型は、モールド・イン・プレース材料の中に媒体を埋め込み、ガスを流通させるための中央開口部16を除いて端部キャップ11のすべての部分を閉鎖することにより、媒体2の端部を閉鎖するのと同じ成形作業で半径方向シール部分36を都合よく形成するように適切に構成されることが可能である。
反対側の端部材11は、成形型の中に媒体の端部4及び端部構成62を位置決めすることにより同様にして形成できる。必要に応じて、第2の端部材11のモールド・イン・プレース成形部分に同様の樹脂材料を使用できる。同時に成形型に含まれる成形特徴により、第2のハウジング係合特徴又は底端部ハウジング係合特徴を形成できる。
次の章では、図1〜図6に示される種類のカートリッジ1を使用し、図7〜図9の種類のライナを使用して構成されたエアクリーナアセンブリを説明する。
II.エアクリーナアセンブリの例
A.エアクリーナの特徴全般、図10〜図15
図10〜図15には、図1〜図6に従ったカートリッジ1を使用し、選択された内部係合構成を備えるエアクリーナアセンブリの一例が示される。
まず、図10の図中符号90を参照すると、本開示によるエアクリーナアセンブリが提供される。エアクリーナアセンブリ90は、内部空間を規定するハウジング91を含む。内部空間の中には、通常カートリッジ1が使用時に動作可能に配置されるだろう。
図示される特定のエアクリーナ90は、ハウジング91を有するように構成され、ハウジング91は、使用中に長い寸法がほぼ垂直に延設する向きをとるように配置されるだろう。本出願の原理は、そのような使用に特によく適する。しかし、本明細書において説明される技術の選択された用途では、ハウジングを別の向きにすることも可能である。更に図10を参照すると、この向きによってハウジング91は、第1の(上)端部91t及び反対側の第2の(底)端部91bを有する。
更に図10を参照すると、(底)端部91bは、典型的にはその内部にオプションの排出構成93を備え、使用中に例えばハウジング91の内部空間から回収された液体(通常は水)をこの排出構成93から放出することができる。また場合によってはアセンブリ90に吸い込まれた何らかの微粒子材料を排出アセンブリ93を介して排出することもできる。そのような排出アセンブリはよく知られており、エアクリーナアセンブリでは広く使用されている。一般にそのような排出アセンブリは、適切な大きさ、配置及び向きのポートを備える、水などの回収した物質を放出するために定期的に開放可能な排出弁が取り付けられる。
濾過中に「外から中への流れ」を形成するように構成された典型的なアセンブリでは、排出構成93は、使用中に取り付けられたフィルタカートリッジを取り囲む環状の未濾過空気と直接流体連通する。これは、フィルタカートリッジのフィルタ媒体を通過することなくエアクリーナ入口から排出構成93に向かう流れが起こりうるということを意味する。例えばアセンブリから水を取り出すように排出構成93が構成されている場合に、これは典型的且つ好適な構成である。
先に示したように、本明細書において説明される原理は、フィルタカートリッジ、例えばカートリッジ1が点検可能構成要素であるようなエアクリーナアセンブリと共に実現されるように開発された。すなわち、カートリッジ1は、エアクリーナ90の動作寿命を保つために必要に応じてエアクリーナハウジング91から取り外し可能であり、交換可能である。これを考慮すると、ハウジング91は一般に本体、すなわち本体95及び取外し可能なアクセスカバー部分96を含む。点検中に又はカートリッジ1に関連する他の取り外し/取り付け作業中、アクセスカバー96は下部本体95から取り外されるので、内部に受け入れられたカートリッジ1にアクセスすることができる。点検又は他の操作の後、アクセスカバー96は、カートリッジが適切に配置された本体部分95に再び置換される。図示されるエアクリーナアセンブリ90の例の場合、アクセスカバー96は、この例ではボルト99に対応する締め具98により本体部分91に固定される。しかし、別の種類の締め具構成(例えばオーバーセンターラッチ)も使用可能である。
尚、図示される例では空気流れ出口は、ハウジングの最上部に配置される。多くの場合にこれが典型的な構成であるが、それに代わる構成も可能である。実際、必要に応じてハウジングの底部に出口を配置することもできる。同様に、この例ではハウジングの最上部にあるように示されるアクセスカバーは、その代わりに、例えばハウジングの底部に配置されることが可能である。
図示されるエアクリーナアセンブリ90の例の場合、ハウジング本体95は、形成後に互いに固定される2つの個別の部分として構成される。2つの部分は、ハウジング本体中央部分100及びハウジング本体(閉鎖)端部分101により示される。この例では、排出構成93はハウジング本体(閉鎖)端部分101に配置される
部分100、101の接合部は図中符号105で示される。図示される特定のアセンブリ90の場合、接合部105は、部分100のホルダ110にスナップフィットされる部分101の突起109を有するスナップフィット構成である。それに代わる構成も可能である。この例では接合部105は、一度組み立てられた後、部分101を部分100から容易に分離できないように構成され且つ形成される。用途によっては、本明細書で説明される技術において、底部分101を中央部分100に取り外し可能に固定することができる。カートリッジの点検作業又は点検のための底部からのアクセスを可能にすることが望ましい場合には、この構成は好都合であるといえるだろう。
更に図10を参照すると、図示されるエアクリーナアセンブリ90の例の場合、エアクリーナ90からの濾過済み流れに対する出口115は、ハウジング91に示される。図示される特定の例では、出口115はアクセスカバー96に配置される。本明細書において説明される技術の多くの用途で、これが典型的な構成である。
更に図10を参照し、タップ又は導管117に注目する。タップ又は導管117は、空気流れの一部を所望の位置へ誘導するために使用可能であるか、又はガス流れを他の構成からハウジング91の出口端部へ移動させるために使用可能であり、及び/又は圧力モニタ(制限指示器)又は他の機器をハウジング91に接続するために使用可能である。
次に、エアクリーナアセンブリ90の第2の側面図である図11に注目する。図11の図は、図10に示される向きのほぼ右側から見た図である。同じ図中符号は、先に示した特徴を示す。図11には、濾過されるガス(通常は空気)の入口120が示される。尚、特定の入口120は接線方向に傾斜した入口121であるが、別の構成も可能である。接線方向とは、入口120がハウジング91の内部空間に向かう空気流れをほぼ接線方向に(すなわち、ハウジングの中心又は中心軸に向かう方向ではない)へ、内側に収納されたカートリッジの周囲でサイクロンパターンを描くように誘導することを意味する。この点に関して、「傾斜した」とは、入口120が入口空気を端部91t、91bのうちいずれか一方に向かって、この場合には端部91bに向かって、すなわち使用中にエアクリーナハウジング91の底部に向かってより多く誘導するように構成されていることを意味する。従って、流入する空気は、水及びそれに伴う微粒子材料を遠心分離によって除去するのを補助するためにサイクロンパターンを描くように誘導され、水及び微粒子物質はオプションの排出出口115に向かって誘導される。図11において、矢印122は、入口流れの大体の方向を示す。
尚、多くの場合、傾斜は傾斜角により定義できる。傾斜角は例えば図11では、入口120の中心線方向と端部91t、91bの間の最短方向と平行な方向との間の鋭角になるだろう。Sで示されるこの角度は、典型的には少なくとも30°、通常は少なくとも40°、多くの場合に45°以上、65°以下(又は45°以上、70°以下)の範囲内であり、典型的な例は、48°以上、65°以下の範囲内である。
図12には、エアクリーナアセンブリ90の別の側面図が示される。この場合図は空気流れ入口120に向かって見た図であり、入口120の入口開口部120aを通してカートリッジ1の一部を見ることができる。
図12を検討することにより、媒体2が上端部91tに隣接する領域から底部91bに向かって延設するにつれて、カートリッジ1は、外周部2pで、空気が入口120からカートリッジ1の周囲に沿って誘導されていく位置であるハウジング91の第1の内側側壁部分又は部分91xから離れる方向に傾斜するように配向されていることを理解できる。すなわち、カートリッジ1の周囲の環状部124の形状は、上部91tに隣接するカートリッジ端部から底部91bまで一定ではない。環状部124の幅は、下方部分で広くなっている。この例では環状部124は、空気が入口120から直ちにハウジング91iの中へ誘導される領域で幅が広くなっていると理解される。これを可能にするカートリッジ及びエアクリーナの特徴並びにその結果得られる利点は、以下に更に説明される。
更に図12を参照すると、カートリッジがほぼ円筒形の媒体2を有するカートリッジ1として構成される場合、典型的には、媒体2は、ハウジング91xに隣接する第1の周囲部分縁部が第1の端部材10から第2の端部材11に延設するにつれて第1のハウジング部分91xから離れる方向に傾斜するような構成であり、その第1の部分又は縁部とは反対側の周囲部分又は縁部も、端部材11及びハウジング底部101に延設するにつれて内側部分91xから離れる方向に傾斜するような構成である。
先の段落で特徴を示したように第1の端部材から第2の端部材に延設するににつれてハウジング側壁から離れる方向に傾いていく媒体縁部又は第1の部分(及び反対側の媒体縁部分)に関する傾斜は、入口空気が誘導されて流入する領域(媒体縁部又は第1の部分に隣接する)における側壁部分の形状とは「無関係」である。この点に関して、「無関係である」とは、特徴付けられた傾斜が媒体の構成による傾きであり、側壁の構成には関係ないという意味である。従って側壁は、カートリッジに向かう方向に傾斜するか、カートリッジから離れる方向に傾斜するか、不規則に構成されるか、カートリッジの端部材に対してほぼ垂直に構成されることが可能であり、媒体に対する傾斜の定義は、先に示した通りである。
例えば、図12を参照すると、領域91yでハウジングは、領域91xより大きくハウジング底部101に向かって延設して傾斜している。
更に、図12を参照すると、図示される例の入口120は非円形として規定されることが理解できる。入口120は、上部91tから底部91bに向かう方向にほぼ対応する寸法で最も長く、その(使用中は縦)方向に対して垂直な方向で最も短くなるように形状又は縁部が規定されている。典型的には、縦の又は最長の寸法とその最大寸法に対して垂直な中間寸法との比は、少なくとも1.3:1であり、通常は1.4:1であり、例えば、1.5:1以上、3:1以下(例えば1.5:1以上、2.3:1以下)の範囲内である。入口を定義するそのような形状の利点は、以下に更に説明される。この場合中間寸法は、最長寸法に対して垂直な寸法であり、最長寸法の中間点で測定される。
次に図13に注目する。図13には、エアクリーナアセンブリ90の上部平面図が示される。出口115を通してカートリッジ1の各部分を見ることができる。また、図13には、使用中に車両又は他の機器へのエアクリーナアセンブリ90の取り付けを容易にする取り付けパッド130が示される。典型的には、取り付けパッド130はハウジング本体95に設けられるので、点検中にアクセスカバー96を更に容易に取り外すことができる。底部からの点検を可能にするために、中央部100から底部101も取り外し可能にすべき場合には、典型的には、すべての取り付けパッド130がハウジング中央部分100に配置される。
図14には、エアクリーナアセンブリ90の斜視図が提供され、先に指示された特徴は、同じ図中符号により示される。
図15には、エアクリーナアセンブリ90の底部平面図が提供される。
B.カートリッジ1とハウジング91との係合の選択された特徴
エアクリーナアセンブリ90において、内部に受け入れられるフィルタカートリッジ1は、一般にカートリッジ1の両側の端部分がハウジング91と係合する状態で、ハウジング内部空間91iの中に配置される。本明細書において図示され、説明される特定のカートリッジ1は、第1の端部材10で、シール構成によりアクセスカバー96に取り外し可能に固定される。このシール構成は一般にハウジングシール構成と呼ばれ、入口120からの未濾過空気が出口115に到達するのを阻止する。端部11では、取り付け中及び使用中にカートリッジ1が適切な向きにとどまるようにするために、ハウジング係合部40とハウジング本体部分95とが係合することが望ましい。
図16には、図示されるような例のシステムに関して、カートリッジ端部材10とハウジング91の一部との係合が概略的に示される。図16を参照すると、端部キャップ10に隣接するカートリッジ1の概略部分図が示される。図中符号135で、端部材10を取り囲む密封フランジが示される。密封フランジ135は、典型的にはハウジングの一部に、例えばアクセスカバー96に配置されるだろう。尚、この場合密封フランジ135は、カートリッジ1のシール部材36と密封方式で係合する内側シール面136を含む。これは典型的にはカートリッジ1が既に本体部分95に配置された状態で、アクセスカバー96を本体部分95の上へ押し下げたときに起こる。尚、図16において、この概略図はハウジングの部分136と端部材10との間でどのようにして密封が起こるかを示すものである。図16は、取り付け中に例えば突起23とハウジングの一部との間で起こっているかもしれない他の係合を示すことを意図しない。
図17には、端部材11とハウジング91の一部との間の典型的な選択された係合が部分横断面図で示される。図17を参照すると、図中符号140でハウジング91に配置された係合突起が概略的に示される。ハウジング91の係合突起140(又は突起160)は、カートリッジ1が取り付けられる場合にハウジング係合構成40がこの突起と適正に係合するように配置される。突起140(又は160)は本体部分95、典型的には底部101に配置される。言うまでもなく、この位置でシールが形成されることは可能であるが、端部材11が閉鎖されている例ではシールは必要とされない。
図17を参照して、突起140(又は160)のオプションの干渉突起部材141に注目する。オプションの干渉突起又は部材141は、端部材11が係合構成140に押しかぶせられた場合に、端部材11の突起構成40が部材141に押し込まれるように、場合によっては部材141を通り過ぎるまで押し込まれるように配置される。その結果、干渉突起141は、矢印150の方向への動きによってカートリッジ1が突起部材140(又は160)から離脱するのを防止するための付加的な抵抗を与える。これにより得られる利点は以下に説明される。
図18には、図17に類似しているが、カートリッジ1及び突起140(又は160)のより多くの部分を示す第2の概略横断面図が示される。この図には、ハウジング91の案内突起160に嵌合する受け入れ突起45が示され、すなわち、案内突起160は、突起45により規定される受け入れ凹部の中へ延出する。カートリッジ1がハウジング91の中へ押し下げられるにつれて、突起160と受け入れ部145との位置合わせは、カートリッジ1を(更に下げる間に)適正な回転向き及び長手方向に配向するのを、すなわちハウジングとの適正な係合状態を容易にする。これに関連して、以下に更に説明する。
典型的には、突起160及び突起45により規定される受け入れ凹部は、突起160が受け入れ凹部の中へ、受け入れ凹部の長さの少なくとも50%、好ましくはその長さの60%、最も好ましくはその長さの少なくとも80%の距離だけ延出するように選択される。また、典型的には、突出の量は少なくとも40mm、通常は少なくとも80mm、場合によっては100mm以上である。
尚、図17及び図18を参照すると、概略図は、カートリッジ1とハウジング91との間の必要に応じて選択された特定の係合のみを示すことを意図する。すべての可能な係合を示すことを示唆することは意図されていない。例えば、底部101にある他の突起に関連する係合が可能だろう。
C.第1の端部材10からアクセスカバーを分離可能であることと、突起140(すなわちハウジング本体95)からカートリッジ1を分離可能であることとの分離の相違の任意の規定
典型的には、アセンブリが図12に示されるような向きで使用される場合、点検中に、カートリッジ1をハウジング本体95から分離するより容易にアクセスカバー96をカートリッジの第1の端部材10から分離できるのが好ましい。その理由は、通常点検の際にはアクセスカバー96をカートリッジ1から離すように上へ持ち上げる必要があるので、この作業中にカートリッジ1はハウジング91から脱落防止するのが好ましいからである。場合によっては、これは単純にアクセスカバー96を持ち上げている間に、カートリッジ1が所定の位置にとどまろうとするように、カートリッジ1の重さに依存することにより対処できる。しかし場合によっては、任意にアクセスカバー96からのハウジングシール36の分離に対する抵抗と比較して、係合構成40(すなわちカートリッジ1)とハウジング91との分離に対する抵抗を大きくすることが望ましいかもしれない。
これを実現するためのオプションの方法は、先に説明した突起構成141のような干渉突起構成を使用することである。他の方法は、係合の圧力が更に大きくなるように、又は突起140から領域409を分離するために更に大きな力が必要になるように、ハウジング係合構成40の領域で端部キャップ11の材料を構成することに関連する。
また典型的には、アクセスカバー96が取り外されると、端部材11に隣接するカートリッジ1の部分がハウジング本体部分95から上方へ(典型的には10〜60mm)突出し、それにより、ハウジング本体1からの取り外しのために、この位置でカートリッジ1を握りやすくなるように、アクセスカバー96は構成されるのが好ましい。
D.組み立て中にハウジング本体95の中でカートリッジ1を適正に配向するのを容易にするための突起/受け入れ部構成の使用
以下に更に詳細に説明されるように、入口120と関連してカートリッジを取り囲む環状部124で好適な空気流れ特性を提供するために、カートリッジ1の偏心的な構成は一部で有用である。この利点を提供するためにカートリッジ1が適正な偏心的構成を有する場合、この利点を得るためにカートリッジ1は、ハウジング本体95の中に配置される場合に適切に配向されることが望ましい。
ハウジング本体95に対するカートリッジ1の所望の向きでの固定は、オプションの突起/受け入れ部構成、例えば、図18に一般に示されるように、ハウジング本体95の案内突起160と係合するカートリッジ1の受け入れ案内部材又は受け入れ部45を含む構成により提供されるのが好ましい。これは、取り付けを実行するために適切な半径方向位置合わせが必要になるように、それら2つの部材を適切な形状に形成することにより実現可能である。
例えば、先に述べたように、また図4からわかるように、突起45(及び受け入れ凹部)に非円形の断面形状、図示される例では上に延設するにつれて細くなるオーバル形の断面形状を与えることができる。図18のハウジング本体95の突起160にも同様の対応する形状を使用することができる。このようにした場合、カートリッジ1及びハウジング本体95の突起160は、理論上2つの回転向きをとることしかできない。一方の向きでは、カートリッジ1をハウジングの中へ完全に押し下げる(すなわち、取り付ける)ことができるだろう。他方の向きでは、カートリッジ1が偏心的な構成であるために、押し下げが開始されるにつれて、多くの場合にカートリッジ1が完全に取り付けられるのを阻止又は抑止する干渉が起こるだろう。
それに代わる構成では、受け入れ部45及び突起160の間で可能な回転係合向きが1つのみであり、そのため取り付け中のハウジング本体95に対するカートリッジ1の所望の回転の配向が更に容易になるように、受け入れ部45及び突起160の一方又は双方の形状を選択できることは当然である。これは、例えば、受け入れ部45及び突起160の一方又は双方に関して、1つの向きでのみ互いに完全に係合できる形状を使用することにより実現可能である。一例はそれらの部分を幾分か平坦にする又はまっすぐにするために、図示されるオーバル形の構成を一方の長辺側で歪ませることだろう。それに代わる構成も可能である。
尚、端部キャップ11におけるカートリッジ1の抵抗型係合部材40も、アクセスカバー96が取り付けられる前及びアクセスカバー96が取り外された後にカートリッジ1を適正な向きに保持するのを容易にすることができる。
III.選択された利点を実現するための説明される技術の適用
エアクリーナの設計及び製造には、いくつかの異なる関心事及び問題点を考慮しなければならない。例えば特徴は、容易に製造可能であるように選択されるべきである。性能上の問題も大きな関心事である。フィルタカートリッジは、所望の用途に関して適切な寿命を有するように提供されるべきである。多くの場合これは流れに過剰な制限を加えることなく妥当に収納できる範囲で所定の容積の中で媒体の表面積の量を可能な限り大きくすることを意味する。
車両又は他の機器のメーカーの見解も、多くの場合に重要な鍵を握る。多くの場合重量の問題及びスペースの問題に対処するために、所定の用途に関して妥当な範囲で小型のエアクリーナを提供することが望ましい。しかし、エアクリーナを通る空気流れに対する制限が多すぎる場合、それも問題である。流れ容積が大きい大型のエアクリーナでは、そのような問題がより起こりやすい。
本明細書において説明される技術の多くは、適用された場合に、上記の問題に関して利点を提供できる。例えば図示されるエアクリーナハウジング91は、外側サイズを相対的に小さく抑え(類似の用途に使用される多くのエアクリーナ構成と比較して)及び/又はカートリッジ1の選択された部分の周囲の環状部に関する内側断面サイズを相対的に小さく抑えて構成できる。これは1つには、入口120が最初に空気をカートリッジとハウジング側壁との間で誘導する位置に配置される環状領域の重要な部分が、先に説明した偏心的な構成により、この位置で媒体の傾斜によって開放されているからである。この傾斜は、図示される好適な例では単にカートリッジを円錐形にするだけでは実現されないのが好ましく、それは一般に徐々に細くなる円錐形の媒体(両端部で同心に位置合わせされている)の表面積は、それに類似する円筒形の媒体より小さくなるからである。
偏心的な円錐形になるようにカートリッジを徐々に細くなるような構成にしても、技術を適用できることは言うまでもない。しかし提供される偏心性は、カートリッジ1の底端部4が最初に空気が誘導されるハウジングの側面から更に離れる方向に動くことを確実にする。
入口120が相対的に長く狭い形状であることは、底端部に向かって入口が傾斜していることと併せて、これを容易にする。第1に底端部に向かう入口の傾斜は、環状領域の幅が最も広くなる位置で、すなわち媒体が側壁から最も離れている位置で空気の最初の流れが起こるのを容易に確実にする。エアクリーナハウジングの半径(断面寸法)が相対的に小さい場合であっても入口開口部が長く狭い形状であるので、相対的に高い空気流量に対して、入口開口部を相対的に大きくとることができる。これは、空気を相対的に狭い環状領域の中へ誘導するのを容易にするためにも使用可能である。
前述のように本明細書において説明される特徴は、適正なカートリッジが使用され、適正な向きに取り付けられていることの容易に確認するためにも適用可能である。それらの特徴は、カートリッジの両端部の好適な係合構成、特に、係合に偏心的な特徴を必要とする係合構成に関連する。その同じ特徴は、カートリッジをハウジング底部まで押し下げた後にカートリッジが完全に所定の位置に固定され、従ってアクセスカバーが取り付けられる場合にカートリッジが適切な向きのままであることを容易に確実にすることもできる。
また、偏心性によって、使用中にカートリッジは回転せずに固定される。
場合によっては、ハウジング本体を先に説明した中央部材100及び底部材101のような2つの個別の部材に分割することが望まれる。これは、中央部材100に固定されるアクセスカバー96の特徴に対して、偏心的突起を底部材101が有するような構成を容易にする。
IV.いくつかの選択された変形例
A.選択された偏心的特徴の変形、図19〜図23
先に偏心性に関連する2つの異なる特徴を説明した。第1の特徴は、媒体に関連して媒体の両端部に偏心的に配置された周囲部を規定させることにより説明された。第2の特徴は、両端部の選択された端部キャップの特徴に関して、特に両端部でハウジングと係合する特徴に関して説明された。この第2の偏心性は、シール36及び第2のハウジング係合構成40の偏心的向きにより表される。
偏心性を提供するために使用できるそれらの特徴及び他のカートリッジ特徴の多様な変形が可能である。選択された例を以下に示す。
図19には、偏心的に配向された(位置合わせされた)2つの選択されたカートリッジ特徴の概略図が示される。図19の概略図は、一般に2つの特徴が円形であり又は2つの特徴が同一の大きさ定義を規定するような状況に相当する。図19の概略図の一例は、先にカートリッジ1に関して説明された例だろうと考えられ、端部3における媒体の外周部は、図面では周囲部200で示され、カートリッジの下端部における媒体の外周部は、図面では周囲部201で示される。それら2つの間の偏心性は、2つの中心200c、201cのずれによりそれぞれ示される。
図19の概略図の一例は、媒体の深さが一定であり且つ両端部の間で媒体が実質的に細くなることはないと想定して、媒体がほぼ円筒形であり、周囲部200、201が外側襞先端部規定又は内側襞先端部規定のいずれかを表すような場合だろう。
規定される周囲部200、201は、同一の直径の円形部分を規定する両端部のカートリッジの他の部分を含むことも当然可能だろう。その例は、内側ライナ又は外側ライナの規定であることが可能だろう。
図20には、選択された変形例が概略的に示される。この場合2つの偏心的特徴は、異なる寸法の周囲部によって規定される。例えば、一方は中心205cを有する205で示され、他方は中心206cを有する206で示される。一例は、端部3から端部4に向かって外径が小さくなる媒体だろう。従って媒体構成は円錐形になるだろうが、端部の偏心的向きを得るために歪みを加えられるだろう。同様に異なる大きさを有し、しかも偏心的に位置合わせされる他の構成も当然可能だろう。図20から、媒体が円錐形である場合でも、特徴を示した種類の偏心性が使用されれば、空気流れがハウジングに流入する環状領域から、少なくとも反対の側に対して、単なる円錐テーパ形状の場合より大きく媒体を容易に引き離すことができるので、本開示による利点が得られることがわかる。
言うまでもなく、図20に示される偏心性とほぼ類似する偏心性を持つ向きとする他の可能性もあるだろう。例えばパターンの1つは、外側襞先端部又は外側媒体周囲部に関連することが可能だろうが、他方は他端部の内側襞先端部パターン又は他のカートリッジ特徴に関連する。
偏心性を規定するために使用される周囲部規定の各々が円形であること、又はそれらが共に同一の形状であることは要求されない。図21にはその一例が示される。この場合、一方の周囲部規定が中心201cを有する210で示され、他方は中心211cを有する211で示され、中心210c、211cは偏心的である。この場合、2つの周囲部211、210の全体的な形状は異なり、一方(210)は円形であり、他方(211)はオーバル形、この場合には楕円形である。双方が非円形であることも可能であるのは言うまでもない。従って、図21の例は、形状が非円形であることが可能であるだけではなく、互いに異なっていることも可能なことを示す。図21に示される構成の一例は、(周囲部210及び211が図示されるのとは異なる相対的な大きさで実現される場合に)周囲部210が第1の端部キャップと関連する構造を規定し、周囲部211は部材45などのオーバル形突起部材の基部を規定しているような場合だろう。
図22には、図21に類似する一例が示され、この例では中心215c、216cをそれぞれ有する2つの周囲部(215、216)が示される。この場合周囲部は共にオーバル形である。同様に相対的な大きさは幾分変更されてもよいだろう。一例(相対的直径が異なる)は、両端部でオーバル形の媒体周囲部が規定され、円錐形であるが偏心的であるテーパを伴う場合だろう。
オーバル形の形状の変形も可能であることは当然である。図23には、中心220c、221cをそれぞれ有する2つの周囲部220、221が示される。この場合パターン220は円形であり、パターン221はオーバル形である。しかし、パターン221のオーバル形状は、1対の対向する平行な側部及び1対の対向する湾曲端部を有する「レーストラック」と呼ばれる場合もある形状である。
以上示した例では、それぞれ比較される周囲部の相対的大きさは、カートリッジの関心特徴に応じて修正可能な変数であるとみなされる。
以上の説明からハウジング係合部の特徴であるか、媒体周囲部の特徴であるか、あるいは他の全般的な端部キャップ特徴又は構造全般の特徴であるかに関わらず、カートリッジの両端部の間の様々な比較特徴のうちいずれか1つに関して偏心性を取り入れることができると理解できる。通常すべての構成で必要とされるわけではないが、先に説明した望ましい環状部の利点を得るためには、少なくとも媒体特徴により偏心性が取り入れられるのが好ましい。また両端部のハウジング係合に関わる特徴も、両側のハウジング部材との係合を容易にするために偏心的であることが通常望ましい。
B.規則的でない幾何学形状、図24及び図25
尚、提供される例において、周囲部の形状は、一般にオーバル形又は円形のような規則的な形状であった。それに代わる構成も可能である。例えば図24には、下部端部キャップ11のような端部キャップの外側の周囲部形状が示され、この形状は本明細書に参考として取り入れられている米国特許第8,444,735号公報で説明されている種類である。このような特徴及び利点は本開示による構成で実現可能である。
図25には例えば端部キャップ10のシールの形状として使用できる別の周囲形状が示される。図25のシール形状は、本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号で一般に説明されている種類である。このシール形状は、本開示による原理と共に使用できる。
不規則な形状又は周囲規定に沿って反復する特徴を示さない形状を含む更に別の形状も使用可能である。そのような場合の偏心性は、使用される場合に一般に突起の2つの位置合わせされる特徴のほぼ幾何学中心に当たる位置がずれるようにすることにより実現される。
V.オプションの二次カートリッジ又はセーフティカートリッジの使用、図26及び図27
尚、本明細書において示される特徴は、二次フィルタカートリッジ又はセーフティフィルタカートリッジを更に使用するアセンブリで実現可能である。二次フィルタカートリッジ又はセーフティフィルタカートリッジは、一般に主フィルタカートリッジ1の下流側に配置されるカートリッジである。外から中へ向かう流れパターンの場合、セーフティフィルタカートリッジは通常主フィルタカートリッジ1の開放されたフィルタ内部空間7の中へ突出するように媒体と共に配置される。
そのような構成の2つの例が図26及び図27の部分概略図に示され、これらはそれぞれ図16の変形例である。
まず、図26を参照すると、オプションのセーフティカートリッジ200が想像線で示され、セーフティカートリッジ200は、シール203で主フィルタカートリッジ1のリング201に密封される。二次フィルタカートリッジ又はセーフティフィルタカートリッジ200は、開放されたフィルタ内部空間7の中へ下向きに突出する。二次フィルタカートリッジ200の媒体205は襞付き媒体であることが可能であるが、襞なし媒体も可能である。図示されない反対側の端部で、セーフティカートリッジ200は、突起45の手前で終端するか、又は突起45の一部を受け入れるように構成されることが可能である。
場合によっては、二次カートリッジ又はセーフティカートリッジをアクセスカバーの一部に密封することが望ましいだろう。この一例が、同様に図16の変形例でもある図27に示される。この場合図示されるように、セーフティカートリッジ220は、アクセスカバーのシールフランジ221に密封される。二次カートリッジ又はセーフティカートリッジ220は、その他の点では先に説明したセーフティカートリッジ200と同様であり、同様に使用可能である。
VI.実現可能なシステムの例
両端の端部材の間の最短方向に対して垂直な平面に投影したときに特徴が偏心的に位置合わせされる又は偏心的に位置決めされると特徴付けられる場合、特徴は、偏心距離Zにより離間されると表すことができる。本開示による2つの偏心的に位置合わせされる特徴の典型的な偏心距離Zは、少なくとも5mm、多くの場合に少なくとも8mmであるが、それに代わる寸法も可能である。多くの場合、偏心距離Zは、8〜50mmの範囲内、多くの場合に10mm以上、40mm以下の範囲内(例えば、10mm以上、30mm以下の範囲内)になるだろう。
様々な図において、寸法の例が文字によって指示されている。本章では、説明される種類の実現可能なシステムの例を構成するために使用可能な寸法例が提供される。尚、本出願の利点の多くを獲得しつつ、それらの寸法を変更することは実施可能である。
図1〜図15のシステムの寸法例は次の通りである。図2において、A=19.1mm及びB=249.4mmであり、図3において、C=269.8mm、D=235.8mm、E=165mm、F=5mm、G=495.1mm、H=176.5mm、I=12.7mm及びJ=10mmである。図4において、K=12.5mm及びL=8.4mmであり、図5において、M=112mm及びN=80mmであり、図6において、O=5.5mm及びP=2.5mmであり、図10において、Q=269mm、R=127.8mm、S=336.2mm及びT=345.9mmであり、図11において、U=23.7mm、V=35mm、W=35.8mm、X=44.2mm、Y=15.7mm、Z=226.3mm、AA=570.8mm及びBB=23.3mmであり、図12において、CC=170mmであり、図13において、DD=203.1mm、EE=149.3mm、FF=84.6mm、GG=43.7mm、HH=221.8mm、II=97.7mm、JJ=123mm及びKK=176mmであり、図15において、LL=145.2mmである。
同様に、本開示の原理は、先に指示した寸法からの多くの変更を伴って、多様なシステムで適用可能である。しかし、利点を得るために媒体が入口流れの経路及びアセンブリの選択された部分から動くのに十分な長さであるような用途で技術が適用されるのが最も好ましいので、多くの典型的な用途において、カートリッジの媒体は少なくとも300mmの長さ、通常は少なくとも400mmの長さである。また、カートリッジは、襞先端部が円形パターンを規定するときの直径に相当する、少なくとも190mm、典型的には少なくとも200mm、例えば200〜350mmの最大外側襞寸法を有するのが典型的である。これもフィルタカートリッジが相対的に大型であり、濾過中に大量の空気流れを処理しなければならない状況における好適な適用のために原理が開発されたことの証明である。
VII.実行可能なシステムの第2の例、図28〜図53
図28〜図53には、第2の実行可能なシステムの概略図が提供される。このシステムは、先に図示され又は説明された選択された変形例と共に提供された説明にほぼ従う。
図28〜図54の実施形態において、先に説明された部分とほぼ類似するか又はほぼ同様に機能する部分を示すために、同じ図中符号が使用される。選択された変形例を以下に特定して特徴付ける。
A.エアクリーナハウジング及びアクセスカバー、図29〜図44
図29〜図54のエアクリーナアセンブリは、図10〜図15のハウジング91とほぼ同様のエアクリーナハウジング91を使用する。図31及び図32の横断面図を参照すると、エアクリーナアセンブリ90は、ハウジング本体95及びアクセスカバー96を有するハウジング91を含み、ハウジング91の内側にフィルタカートリッジ1が受け入れられる。本例では、ハウジング本体95は本体部分100及び101を含み、本体部分100は中央本体部分であり、本体部分101は端部本体部分である。
図29には、個別の部分100及び101を含むハウジング本体95が側面図で示される。図29では傾斜した入口である空気流れ入口120を見ることができる。入口120を介するハウジング内部空間への空気流れの全般的方向は、矢印120xにより示される。接線方向流れ、すなわち入口流れは空気がハウジングに流入するにつれて、カートリッジ1と部分100の側壁との間の側壁方向に沿って誘導される。
図29には、排出弁部材を受け入れる排出ポートとして作用する突起93もハウジング部分101の中に示される。
図30には、入口120を有する中央部分100及び下部分又は端部分101を含むハウジング本体95が展開図で示される。使用中にエアクリーナアセンブリ90を所定の位置に固定するための取り付けパッド130を見ることができる。また、端部分101と中央部分100との間の、継目105における受け入れ部110及び突起109を含むスナップフィット係合部も見ることができる。
図30を参照すると、図示されるアセンブリの例の場合、端部材101は中央部材100にスナップフィットされ、通常は使用中に中央部材100から取り外されない。従って、取り付けパッド130の1つは端部材101に配置される。例えば点検作業のために、エアクリーナの取り付け後に端部材101を取り外せるような構成にしたい場合には、部材101を中央部材100に固定するために取り外し可能な接続を使用することが可能であり、通常端部材101に取り付けパッド130は配置されないだろう。
更に図30を参照すると、ハウジング端部分101及び突起又は突起部材160の一部を見ることができる。
図31の横断面図では両端部3及び4を有し、両端の端部材10、11にそれぞれ係合する延設媒体2を含むカートリッジ1を見ることができる。媒体2は開放されたフィルタ内部空間7を取り囲む。端部材10は開放された端部材であり、中央流れ開口部16を有し、半径方向に向いた半径方向シール構成35を有し、半径方向シール構成35は取り外し可能な密封部材としてアクセスカバー96と係合する。端部材11は、ハウジング91の(特に端部分101の)突起160が突出する受け入れ凹部46を規定する中央受け入れ突起45を有する閉鎖された端部材である。
尚、更に図31を参照すると、排出ポート93は濾過済み空気が流れるカートリッジ1の周囲の環状領域と直接流体連通している。これは図示されるシステムが濾過中に「外から中へ」の流れを形成するからであり、そのような直接流体連通により、水又は事前に分離された物質は、媒体1を通って流れることなく、すべて直接ポート93に到達できる。
図31の図に対してほぼ直角に見た図32の横断面図では、入口120が最初に空気流れをカートリッジ1とハウジング側壁の部分91xとの間に誘導する領域におけるハウジング91の内部空間91iを見ることができる。本明細書において、空気流れ入口が空気流れを誘導していく位置でフィルタカートリッジから離間される内側側壁部分と呼ばれるのがこの領域(91zとして示される)である。カートリッジ1は、位置2q及び部分91zに媒体外周部を有し、端部材10から端部材11に延設するにつれて側壁部分91xから徐々に傾斜離間し、空気流れが入口傾斜部に沿って誘導される間に、出口115とは反対側のハウジング91の端部91bに向かってより大きな流れ面積を開放するように構成されることがわかる。また、図示される例の場合、媒体周囲部分2qの反対側で、媒体周囲部分2sも、媒体2が端部材10から端部材11に延設するまでの間に側壁位置91xから離れる方向に傾斜するが、それに代わる構成も可能である。
図32を参照すると、ハウジング91の突起160の形状は、単純なオーバル形の周囲部(断面)が徐々に細くなる(円錐形の)突起から歪んでいることがわかる。特に領域169rを参照。この構成は以下に更に説明される。更に突起160は、端部キャップ11の第2の係合部材40と係合するための干渉部材141を有することがわかる。
図31の図中符号93vで、ハウジングに(突起93に)配置された排出弁を断面で見ることができる。このような弁は一般に領域93rの中に受け入れられた物質を解放するために内圧を受けて開くことができる可撓性部材から形成されるだろう。
図33〜図38では、ハウジング本体95、特に端部分101の特徴を詳細に見ることができる。これらの図を検討することにより、突起160の形状をよく知ることができる。
図33には部分101の上部斜視図が提供される。図34には側面図が提供される。図35には平面図が提供される。図36では図35の線36−36に沿った横断面図を見ることができる。ここで横断面図を検討すると、突起160は、肩部分160sを形成するために内側へ歪められた側部分160qを有することがわかる。また、補強リブ160r及び干渉突起141も見ることができる。図37には、図36の図に対してほぼ直角の図35の線37−37に沿った横断面図が提供される。突起160の内側に、肩部分160sの側壁の内側への歪みを見ることができる。更に細長いリブ160yも見ることができる。
図38には、突起160を見るために、図35の線38−38にほぼ沿った拡大部分図が提供され、その歪み100sが提供される。
図33〜図38からわかるように、突起160は、突起100の最も下側、すなわち底部に最も近い部分に隣接してオーバル形の端部160eを有する。しかし、突起に沿って上がり、内側に向かって細くなるにつれて、一定のオーバル形の断面を維持せず、例えば領域160sにおいて歪められている。
図39〜図42ではアクセスカバー96を見ることができる。図39ではアクセスカバー96を上部斜視図で見ることができる。図40ではアクセスカバーを底部斜視図で見ることができる。図41には上部平面図が提供される(情報指示なし)。図42は底部平面図である。図43には図41の線43−43に沿った横断面図が提供され、図44には、図41の線44−44に沿った横断面図が提供される。
更に図39〜図44を検討すると、アクセスカバーのシール面96sを見ることができ、取り付け中にこのシール面96sにカートリッジ1の外側に向いた半径方向シールが取り外し可能に密封されることになる。
B.フィルタカートリッジ及び支持ライナ、図45〜図53
図45〜図53には、図31〜図32のエアクリーナアセンブリに取り付け可能な形態のカートリッジ1の特徴が示される。図45ではこのカートリッジ1を側面図で見ることができ、図46では端面図で見ることができ、図46の図は端部材11の底部に向かって見た図であり、図47ではカートリッジ1を横断面図で見ることができ、図47の図は図46の線47‐47に沿った図である。カートリッジ1は、中央カートリッジ内部空間7の周囲に媒体2を備え、媒体2は両側に両端の端部材10及び11とそれぞれ係合する端部3及び4を有することがわかる。端部材11は閉鎖され、端部材10は開放されている。本例では半径方向シール36の形態であるハウジングシールは、端部材10の外側に向いた半径方向シールの一例として見ることができる。端部材11は閉鎖され、閉鎖された中央凹部突起45は、内部空間7と流体連通しない側に受け入れ凹部46を規定する。
図48には、ほぼ端部材10に向かって見た場合の平面図が示される。
図48Aでは、図48の線48−48に沿った横断面図を見ることができる。中央受け入れ突起45は、一般にオーバル形の周囲部を有し、先端部45tに向かって上へ延設するにつれて細くなる円錐形であることがわかる。この形状からの変形は可能である。また、第2のハウジング係合部材40も見ることができる。
図49〜図53には、図48〜図49の流れカートリッジに対して使用可能な内部ライナ支持体60の特徴が提供される。図49には概略斜視図が提供される。図50には端面図が提供され、図51及び図52には側面図が提供され、図53には横断面図が提供される。
C.不適正な取り付けの試みの実証、図54〜図56、オプション
以上の説明から、本明細書において説明される技術の多くの用途で、カートリッジ及びハウジングは、取り付け中にハウジングに対してカートリッジの適正な回転向きがただ1つしかないように構成されることが明らかだろう。これに代わる構成も可能であるが、典型的な好適な用途ではこれが当てはまる。
取り付け時に可能な向きのみが適正な向きであるような構成でカートリッジ及びハウジングを提供するのが好ましい。これを達成するために、多様な特徴を実現できる。それらの特徴は、カートリッジ及びハウジングで又はカートリッジ及びアクセスカバーで、あるいはそれら3つのすべてで提供されることが可能である。
図54〜図56には、ハウジング本体95の中へのカートリッジ1の取り付けが示される。これらの図において、カートリッジ及びハウジングは、カートリッジ1が2つの端部材10、11のうち一方の中心軸の周囲で180°回転され、従って、不適正にハウジング本体の中へ押し下げられていることを除き、ほぼ図32に従った構成である。カートリッジ2が押し下げられるにつれて、いずれかの時点で、受け入れ部46、例えば係合部材40は突起160と係合する。そのような係合の一例が図54に示される。
図55では、更なる押し下げが起こっており、カートリッジ1は、例えば400で示されるように詰まりはじめ、正しくない取り付けが行われていることを示し始めている。当然のことながら、図示される例で、カートリッジ1を揺り動かして、更に挿入することは可能である。図56を参照。しかし、挿入中に、突起160とカートリッジ46との不適正な位置合わせによって取り付けが不適正であると感じ取ることができる。また、アクセスカバーも適正に取り付けられない。
必要に応じて不適正な向き及び位置合わせであることを更に強く指示するために、特徴を変形できることは言うまでもない。例えば、図54を参照すると、所望の1つの向きが得られない場合に、妨害構造によって取り付けられないように、凹部46の変形された特徴と組み合わせて凹部又は肩部分160sを構成することができる。
不適正にカートリッジを取り付けようとした場合に、カートリッジが容易に完全にハウジング本体95の中に落ち込んで適正に挿入される適正な向きではないことを迅速に感じ取れるようにするために、付加的な構造特徴を使用することも可能である。
D.オプションのセーフティライナ、図28
図28には、オプションのセーフティフィルタ又は二次フィルタ200’を示すことを除き、図31に類似する横断面図が概略的に提供される。図示されるように、二次フィルタ又はセーフティフィルタ200’は、第1の開放された出口端部材301’の部分301’xがカートリッジ1の端部材10を覆うように延設されることにより端部材10と係合するように配置される。セーフティフィルタ200は、主カートリッジ1の内部空間7の中へ閉鎖された端部材305’まで突出するライナ又は支持部材302’を含む。閉鎖された端部材305’は、内部へ突出する主カートリッジ1の突起45及びハウジング91の突起160を受け入れるように構成された突起/受け入れ部構成311’の部材310’を有するような構成である。支持体302’は、セーフティフィルタの媒体320’を支持する格子状フレーム構成として示される。
E.寸法の例
図29〜図30の実施形態において、いくつかの寸法の例が提供された。それらの寸法は、使用可能なシステムの一例を示すが、それに代わる寸法も可能である。それらの図を参照すると、図34において、QA=91.3mm及びQB=101.1mmであり、図35において、QC=38°、QD=35°、QE=17.5°、QF=16.6mm、QG=35°、QH=21.3mm、QI=124.2mm、QJ=221.8mm、QK=17.5°、QL=28°、QM=114.5mm、QN=197.5mm、QO=35°及びQP=17.6mmであり、図36において、QQ=344mm、QR=3.6mm、QS=10mm、QT=171.5mm及びQU=351.2mmであり、図37において、QV=309.2mm、QW=76.5°、QX=2.2°、QY=11.8mm、QZ=0.8mm、RA=19.5mm及びRB=82mmであり、図38において、RC=114.5mm、RD=6.3mm及びRE=179mmであり、図41において、RF=34.8°、RG=56.5°、RH=39.8mm及びRI=119.6mmであり、図42において、RJ=84.5°、RK=66°、RL=半径147.9mm、RM=42°、RN=120°、RO=60°、RP=34.7°、RQ=76.7°、RR=49°、RS=36.1°、RT=半径142.3mm、RU=半径11.0mm及びRV=半径147.5mmであり、図43において、RW=170mm、RX=3.9mm、RY=1mm、RZ=7.4mm、SA=3.5mm、SB=29.8mm、SC=77.0mm、SD=10mm、SE=5.5mm、S=264.1mm、SG=265.4mm、SH=26mm、SI=2.3mm及びSJ=5.5mmであり、図44において、SK=3.3mm、SL=68mm、SM=34.8mm、SN=6mm及びSO=29mmであり、図46において、SQ=23mmであり、図47において、SS=23mmであり、図50において、ST=45°及びSU=4mmであり、図51において、SV=12.9mmであり、図52において、SY=19.4mm、SX=85mm及びSW=10mmであり、図53において、SZ=252.6mm、TA=18mm、TB=490.4mm、C=9mm及びTD=164.6mmである。
VIII.選択された更なる例の代替アセンブリ、構成要素の特徴、技術及び方法、図57〜図78
A.代替例のアセンブリ及び構成要素、図57〜図76
1.代替シールの変形例
先にIV.のB.で、いくつかの代替シール構成を説明した。図25に関連して説明した例は、本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号に特徴を示される全般的種類のシール形状であった。尚、米国特許出願第13/662,022号は、2013年10月10日に米国特許公開第2013/0263744号として公開され、この公開公報第2013/0263744号も参考として本明細書に取り入れられている。更に、対応する国際出願第PCT/US2012/062265号は、2013年5月2日に国際公開第WO2013/063497号として公開されており、国際公開第第WO2013/063497号も参考として本明細書に取り入れられている。一般に参考として取り入れられたそれらの引用文献で説明され及び/又は図示されるシール構成は、図1〜図56のフィルタカートリッジ及びエアクリーナアセンブリを含めて、本開示に従った全般的特性を有するフィルタカートリッジ及びエアクリーナアセンブリと共に使用可能であることが理解されるだろう。この例は、以下に図57〜図76に関連して説明される一実施形態及び変形例から理解されるだろう。
尚、追加のシールの変形例は、2014年4月30日に出願された米国特許出願第14/266,560号に含まれる。それらの変形は、本開示に従った他の特徴を有するシステムに含めることができる。米国特許出願第14/266,560号は、参考として本明細書に内容全体が取り入れられている。
2.代替フィルタカートリッジの例、図57〜図61
図57を参照すると、図中符号201は、本開示による代替フィルタカートリッジの全体を示す。フィルタカートリッジ201は、特に先に引用し、参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号、米国特許出願公開第2013/0263744号及び国際公開第WO2013/063497号の教示にほぼ従った以下に説明されるようなハウジングシール構成を含む。図27を参照すると、フィルタカートリッジ201は、一般に第1の媒体端部203と第2の媒体端部204との間に延設された延設媒体202を備える。図示される特定の例の場合、図示される媒体202は、開放されたフィルタ内部空間207を取り囲むように構成される。媒体202は、一般に第1の媒体端部203に配置された第1の端部材(端部キャップ)210と、媒体202の反対側の第2の端部204に配置された第2の端部材(端部キャップ)211との間に延設される。
図示される例のフィルタカートリッジ201の場合、第1の端部材210は、第1の端部材を貫通し、開放されたフィルタ内部空間207と流体連通する中央空気流れ開口部216を有する開放された端部材215である。
先に説明した実施形態と同様に、図示されるカートリッジ201の例の場合、第2の端部材211は、典型的には閉鎖された端部材218であるのが好ましい。典型的には、カートリッジ201は、濾過中に「外から中へ」の流れを形成するように構成されるが、それに代わる構成も可能である。しかし、本技術のいくつかの用途では、これに代わる流れ又は逆方向の流れも可能である。カートリッジ201が、濾過中に外から中への流れを形成するように構成され使用される場合に、開口部216は出口開口部216oになる。
典型的には、端部203、204の間の延設部分に202jで概略的に示されるように、媒体202には襞が形成される。すなわち襞202は、複数の襞を含む襞付き媒体202aである。従って媒体202は、先に説明した実施形態に関して先に説明した通りであることが可能である。
図57を参照すると、図示されるカートリッジ201は、先に説明したビード20と同様の媒体202を取り囲み且つ外側襞先端部と係合するオプションの接着剤ビード220を有するものとして示される。ビード220は、使用中に外側襞先端部を適正な位置、向き及び間隔で容易に固定する。
先に説明した実施形態と同様に、フィルタカートリッジ201は、媒体202の外周部202oを取り囲むオプションの外側ライナ221を備えることができる。ライナは他の実施形態に関して先に説明した通りであることが可能である。
他の実施形態に関して先に説明したように、典型的には特に外から中への流れを形成する構成で使用される場合、カートリッジ201は、周囲に媒体202が配置される予成形内側ライナ支持構成224(又はプリフォーム224p)を備える。プリフォーム又は支持構成224は、典型的には媒体202を構成的に支持し、その結果カートリッジ201を支持するために、媒体端部203、204の間及び端部材210、211の間に延設される部分を含む相対的に剛性の構成である。内側ライナ224は、金属又はプラスチックを含む多様な材料から形成できる。本技術の典型的な用途の場合、内側ライナ224(及びプリフォーム224pの全体)は、成形プラスチック構成であることが多い。そのような構成の一例が図57Cに示される。
以上説明したように、フィルタカートリッジ201は、先に説明したカートリッジ1とほぼ同様である。しかし図57では、カートリッジ201はカートリッジ1に関連して説明したハウジングシール構成とは別のハウジングシール構成(特定の詳細で異なる)を有するものとして示される。この代替ハウジングシール構成は、一般に本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号、米国特許公開第2013/0263744号公報及び国際公開第WO2013/063497号で説明され及び/又は図示されるシール構成に従う。それらの引用文献で説明される変形例を使用可能である。
図57を参照して、端部材210、特にハウジングシール構成234に注目する。図示されるハウジングシール構成234は、半径方向シール構成235として構成される。特に、本例のハウジングシール構成240は、外側に(すなわち半径方向外側に)向いたハウジング半径方向シール236として示されるが、それに代わる構成も可能である。この場合の半径方向シール236は、端部材210の周囲部分237を取り囲む外周部シール面236xである。図示される例では、端部材210の部分237は、周囲部規定で非円形である(周囲部)シール面236xを規定するように構成される。本例において、周囲部形状は、面236xが(連続して)周囲方向に中心シール軸X(又はシール中心C)の周囲に延設されるにつれて凸形(外側に向いた)面部分236o及び凹形(外側に向いた)部分236iが交互に配列されるように示される。すなわち面236xが中心軸Xの周囲方向の延設経路で起伏を形成する間に、部分236oは、一般にそのような軸X又はシール中心Cから離れるように半径方向外側へ湾曲し、部分236iは中心軸X又は中心Cに向かって半径方向内側へ湾曲する。この種のシールは、引用した文献で説明されるように有利であるということができる。面236xは、それらの引用文献で説明され、以下の説明中にも引用される技術を使用して構成できる。説明中、シール軸又はシール中心という場合、それはシール面定義の軸又は中心点を定義することを意図する。中心又は軸は、典型的にはシール面周囲部を通る第1の最長の線と、その最長の線に対して垂直な、第1の線の中心を通る線との交差点により規定される位置にある。これは、先に説明した実施形態に関して述べた同様の中心に類似する定義だろう。
更に図57を参照すると規定されるような形状にした結果、シール面236xは、凹部(領域236i)により分離された外側に向いた複数の突出部(領域236o)を含むとして特徴付けられることが可能である。
典型的には、そのような突出部は少なくとも3個、通常は少なくとも4個、多くの場合に4個以上、12個以下の範囲内の数で存在する。図示される例では、6個の突出部がある。
他の面では、カートリッジ1は、図1〜図6のカートリッジ1とほぼ同様であることが可能である。しかし、変形は可能である。
図57Aには、カートリッジ201の第1の横断面図が示される。同様の部分は、同じ図中符号により示される。図57Aにおいて、指示記号X1、C1は、端部キャップ210の外周部、シール面236x及び中央開口部216、外側ライナ205の中心、プリフォーム224p及び端部キャップ210の隣接する領域の媒体203の内周部と外周部を含む第1の端部キャップ210の選択された特徴の中心軸又は中心を示す。
図57Aにおいて、線X2及び同様の中心C2は、一般に下部の端部キャップ211及び媒体端部204(及びそれに隣接する特徴)と関連する中心特徴である。図57Aを検討することにより、X1、C1はX2、C2からずれていること、すなわち先に図1〜図56に関連して説明したのとほぼ同様に、端部キャップ210の関連する特徴が端部キャップ211に対して偏心的に配置されていることがわかる。
図57Bにおいて、図57Aの図に対してほぼ直角に見た場合のカートリッジ201の第2の横断面図を見ることができる。
図57Cにおいて、カートリッジ201を形成するために使用可能なプリフォーム224pを含む支持体224を見ることができる。特に、図57Cを検討すると、支持体224は、図56Aの中心又は中心シール軸X1、C1の周囲に、外側に向いた凸形部分(突出部)224x及び外側に向いた凹形部分(凹部)224iの交互配列を有する波形面を含むシール支持部材224mを含むことがわかる。面224mは、一般にハウジングシール構成235などのシールに対する支持面である。本例において面224mは、内側襞先端部と外側襞先端部との間の位置で媒体端部203と重なり合うように配置される。
カートリッジ201を構成するために、プリフォーム224pに適切な媒体を巻き付けることができることが理解されるだろう。媒体は必要に応じて外側ライナ及び/又はビード構成を有する形で提供されることが可能だろう。様々な端部材210、211は、媒体パック/プリフォームの適切な端部をモールド・イン・プレース成形部分を形成するのに適する樹脂を含む成形型の中に配置することにより完成されるだろう。端部材210、211のモールド・イン・プレース成形部分に使用される材料は、先に図1〜図56に関連する実施形態に関して説明した材料であることが可能である。
成形作業は、参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号、米国特許公開第2013/0263744号公報及び国際公開第WO2013/063497号の説明と同様に実施可能である。
図58には、カートリッジ201の第2の出口端部斜視図が示され、図58の図は、図57で見られる特徴より多くの内部特徴を示す。半径方向(外側)に向いた凸形部分236o及び半径方向(内側)に向いた凹形部分236iの交互配列を含む外側に向いた半径方向シール面236xを有するハウジングシール構成234が示される。図57では、内部空間207にあるカートリッジ201の更なる特徴を見ることができる。特に、ライナ224(及びプリフォーム224p)の更に多くの特徴を見ることができる。本例のライナ224は、複数の離間した長手方向(フィン)延設部分224f及び複数の離間した半径方向リブ224rを有するものとして見ることができる(図57Cを併せて参照)。端部材211の内部中央面部分211iも見られる。図示されるカートリッジの例では、この内部中央面部分211iは閉鎖されており、支持体224を提供するために使用されるプリフォーム224pの一部を構成できる端部材211の中央部分211cを含む。そのような構成要素は以下に更に説明される。
図59には、端部材210及びカートリッジ201の内側の部分が開口部216oを通して見える場合に外側軸方向面部分210sのみが見えるように配向された図が示される。同様にハウジングシール面236xの全般的構成を見ることができる。図59を参照すると、端部材210は周囲領域210p及び突起部分210xを規定するものとして見ることができる。突起部分210xは、その周囲(周囲部)に沿って、ハウジングシール面236xを規定する。図59を再び参照すると、プリフォーム224pを内部に収納する内部空間207を見ることができる。
図60には、端部材211に向かって見た場合の図が示される。この場合閉鎖された端部材211は、中央閉鎖部211pを有するモールド・イン・プレース成形リング部分211rを含むものとして見ることができる。リングセグメント227pは先に説明したリングセグメント27pと同様であることが可能であり、部分211pは端部材210に向かって開放されたカートリッジ内部空間207の中へ延出する突起45に幾分類似する突起として見ることができる。部分211p(図57Cを参照)は、以下に更に説明されるように、突起45と同様にハウジング部分と好適に係合するように構成できる。
図60Aには、図60に類似するが、カートリッジ201の他の特徴を見るためにわずかに位置をずらされた図が示される。
カートリッジ201は、必要に応じて、カートリッジ1と同様の偏心性を含むように実現できる。図61には、端部203で選択された媒体周囲部203p及び端部204で媒体周囲部204pにより規定される偏心性を示す概略図が示される。偏心度Zは、ずれP及びQによりそれぞれ規定されるとして見ることができる。
カートリッジ1と同様に、カートリッジ201に関連して、先にカートリッジ1に関して説明した媒体パックの変形を適用できる。
先に、端部材210及び211の「モールド・イン・プレース成形」部分を参照した。端部材210に関して、それらの部分は、図57A及び図57Bにおいて210mで示される。一般に210mは、媒体203の部分、外側ライナ及びそれに埋め込まれた支持体224pの部分を含む。
端部材211のモールド・イン・プレース成形部分は、一般に図57A及び図57Bにおいて211mで示される。一般にそれらの部分は、端部材211の部分、外側ライナ、媒体202の端部204及びそれに埋め込まれたプリフォーム224pの閉鎖された端部分を含む。
B.エアクリーナアセンブリの例及びアセンブリの構成要素、図62〜図76
図62〜図76には、図57〜図61に従ったカートリッジ201を使用するエアクリーナアセンブリ及びその構成要素が全体として290で示される。エアクリーナアセンブリ290は、必要に応じて、カートリッジ201と係合するために変形された部分を除いて、先に説明したエアクリーナアセンブリ90とほぼ同様であることが可能である。
図62を参照すると、エアクリーナアセンブリ290は、ハウジング291を備えることがわかる。ハウジング291は内部空間を規定し、使用中にその内部空間にカートリッジ201が動作可能に配置される(又は配置されるだろう)。
図示される特定のエアクリーナ290は、典型的には図示される向きで、すなわち、使用中に長い寸法がほぼ縦方向に延設するように配向されると考えられるハウジング291を有する構成である。本出願の原理は、そのような使用に特によく適合する。しかし、エアクリーナ90と同様に、本明細書において説明される技術の選択された用途に関して、それに代わるハウジングの向きも可能である。
更に図62を参照すると、そのように配向されることにより、ハウジング291は、第1の(上部)端部291t及びその反対側の第2の(底部)端部291bを有する。先に説明したエアクリーナアセンブリ90の場合と同様に、端部291bにはオプションの排出構成293が設けられる。
先にエアクリーナアセンブリ90に関して説明したように、典型的にはカートリッジ201は、エアクリーナハウジング291において取り外し可能且つ交換可能である。これを考慮するために、ハウジング291は、一般に本体又は本体部分295及び取り外し可能なアクセスカバー部分296を含む。点検中又はカートリッジ201に関連する他の取り外し/取り付け作業中、アクセスカバー296は(下部)本体部分295から取り外されるので、内部に受け入れられたカートリッジ201にアクセスすることができる。点検又は他の作業の後、アクセスカバー296は再び本体部分295に置換され、その内部にカートリッジ201が適切に位置決めされ、アクセスカバー296を取り付けることによって、適正な密封が得られる。図示される例のエアクリーナアセンブリ290の場合、アクセスカバー296は、例えば、ホルダ299の中のボルト(図示せず)を含む締め具により本体部分291に固定されるだろう。用途によっては、それに代わる種類の締め具構成を使用できる。
図示される例のエアクリーナアセンブリ290の場合、主本体295は、任意に先に説明したハウジング本体95と同様に、形成後に互いに固定される2つの個別の部分から構成される。2つの部分は、ハウジング本体中央部分300及びハウジング本体(閉鎖)端部分301により示される。本例では、排出構成293はハウジング本体(閉鎖)端部分301に配置される。
部分300、301の間の接合部は305で示される。アセンブリ90と同様に、接合部305は、部分300のホルダにスナップフィットされる部分301の突起(又はその逆)を含むスナップフィット構成であることが可能である。先に説明したエアクリーナアセンブリ90の場合と同様に、接合部305は、一度組み立てられた後は、部分301を容易に部分300から取り外すことができないように構成され、形成される。
別の用途では、ハウジングの底端部分301は、中央部分300から取り外し可能であるように形成されることが可能である。従って、底端部分301は、取り外し可能なボルト又はオーバーセンターラッチなどの別の手段により装着されることが可能だろう。この場合、アセンブリ290は必要に応じて、中央部分300の底端部を介して点検可能である。先に説明した実施形態と同様に、底端部301が取り外し可能に構成される場合、典型的には中央部分300に取り付けパッドが配置される。
更に図62を参照すると、本例のエアクリーナアセンブリ290ではエアクリーナ290からの濾過済みガス流れの出口315は、ハウジング291に示される。図示される特定の例の場合、出口315はアクセスカバー296に配置される。本明細書において説明される技術の多くの用途では、これが典型的であるが、それに代わる構成も可能である。
更に図62を参照すると、濾過されるガス(通常は空気)の入口が320で示される。入口120と同様に、入口320は、接線方向に傾斜した入口321であるが、それに代わる構成も可能である。入口120に関連して先に示した好適な特徴及びアセンブリ90の他の特徴との関係性は、入口320並びに他の特徴及びハウジング291との関係性でも使用可能である。
図63には、図62の図とはほぼ反対の側の側面図が示され、同じ図中符号は、同じ全般的特徴又は部分を示す。図62−図63を参照すると、アセンブリの取り付けパッド構成の全体が330で示される。使用時に車両などの機器にアセンブリ290を取り付けできるのは、この取り付けパッド構成330を介してである。言うまでもなくこれに代わる構成も可能である。
図64には、ほぼ図62の左側及び/又は図63の右側から見た場合の第3の側面図が示される。同様に、同じ図中符号は同様の部分を示す。
図65には、エアクリーナアセンブリ290の底部平面図が示される。取り付けパッド330を見ることができる。図65において、図62〜図64に関して使用された図中符号と同じ図中符号は、同様の特徴を示す。
図66には、図62、図63のアクセスカバー296を取り外した状態のエアクリーナアセンブリ290の上部斜視図が示される。従って、内部にカートリッジ201が配置された状態のハウジング本体295を見ることができる。
図66を検討することにより、アクセスカバー296はカートリッジ201を所定の場所で適正に密封するためにハウジングシール構成235と係合するためのシール面を含む必要があるだろうということが理解される。これを提供するアクセスカバー296の特徴は、以下の図67、図68に関連する説明から理解されるだろう。それらの図を参照する前に、図66において、カートリッジ201の内部空間207にある長手方向延出部分又はフィン224fに注目する。特に、端部材210に隣接するそれらの長手方向延出部分又はフィン224fの端部分224eに注目する。
長手方向延出部分又はフィン224fのそれらの端部224eは、端部材210のモールド・イン・プレース成形部分210mが媒体202及びプリフォーム224pにモールド・イン・プレース成形される場合に、カートリッジプリフォーム224pの部分を成形型に対して位置合わせするために都合よく使用されることが可能である。これは、組み立て中にカートリッジ201のプリフォーム224pの他の部分に対して、シール面236xに形成されるべき様々な凸形部分及び凹形部分を適正に位置決めするのを補助する。このことは、例えば米国特許出願第13/662,022号、米国特許公開第2013/0263744号公報及び国際公開第WO2013/0063497号で説明されている。類似の技術は、カートリッジ201の組み立て時に使用できる。
フランジ352は、「半径方向位置合わせ受け入れ部構成を有する内側割り出しフランジ」であるとして特徴付けられる場合があり、「半径方向位置合わせ受け入れ部構成を有する内側割り出しフランジ」の受け入れ部352rの中に受け入れられるフィン324fの端部324eは、「半径方向位置合わせ受け入れ構成に受け入れられる半径方向位置合わせ割り出し突起」又はそれに類似する用語により特徴付けられる場合がある。
次に、アクセスカバー296の内面又は部分296iが2つの斜視図で示される図67及び図68に注目する。まず図67を参照すると、出口管315を有するアクセスカバー296を見ることができる。この図は内部空間296iに向かって見た図であるので、ハウジングシール面350を見ることができる。ハウジングシール面350は、カートリッジ201のハウジングシール構成235と密封係合するハウジングシールフランジ350fとして構成される。カートリッジ201の特定のハウジングシール構成235は、交互に配列された凸形部分及び凹形部分を有する半径方向外側に向いたシール面であるので、面350も、これと篏合するように同様の形状に形成される。従って、面350は、突出部又は領域236oと篏合する外側に湾曲した(凹形)部分350xと、凹部又は部分236iと係合する内側に湾曲した凹形部分350iとを含む。
図66において、カートリッジ201に対してアクセスカバー296を回転割り出しすることが望ましい。これを実現するために、アクセスカバー296は、その内部空間296iに、割り出し突起352を含む。図示される例の割り出し突起352は円弧状であり、全円を描いて延設されてはいないが、全円であることも可能だろう。割り出し突起は、取り付け中にフィン224fの図66における端部224eを選択的に受け入れるための受け入れ凹部352rを含む。受け入れ部352rとフィン端部224eとの間の突起/受け入れ部構成は、ハウジングシール構成234をシール面350に対して適正に密封しつつ、アクセスカバー296をハウジングのその他の部分295に適正に取り付けられるように適切な向きに確実に規定するための回転位置合わせ突起/受け入れ部(又は割り出し)構成を提供する。これは、適正な密封を得るために、図示されるシール面236の種々の突出部が種々の凹部350xと適正に位置合わせされることを意味する。
図68では、同様の特徴を見ることができ、それらの特徴は同じ図中符号で示される。更に図68を参照すると、面356の不規則形状が355で示される。この例の不規則形状355は谷部である(図68の図中)。
一般に、面356は、カートリッジ201の図57における突起領域237の端面210eと重なり合っている。周囲部に沿ってシール面236を形成するのは突起領域210cである。
面356はシール面として使用されないのが好ましい。これは典型的なハウジングの場合、面356をそのような用途に適する規格に合わせて適切に構成し、形成する必要がないと考えられるからである。密封面としての面356の望ましくない使用を抑止するために、溝355が設けられる。
図1〜図56の構成に関して、突起/受け入れ部構成は、閉鎖された端部材211及びハウジング底部又は端部296に関して説明される。図57〜図61のカートリッジ201並びに図62〜図76のアセンブリ及び構成要素に関連して、同様の構成を使用できる。
この点に関して、エアクリーナアセンブリ290の横断面図である図73に注目する。この場合、カートリッジ201は、ハウジング291の内部空間291iの中に配置されることがわかる。カートリッジ201は、閉鎖端部211に、図3の突起45に類似する中央突起400を有することがわかる。この突起400は、端部材211の中央部分211cにより規定される。中央部分211cは、プリフォーム224pの一部として形成されることが可能である。
突起400の外側面400x(端部材210とは逆の側)は、エアクリーナ端部296の案内突起402と共に、突起/受け入れ部構成401の受け入れ部材を規定する。
突起/受け入れ部構成401は、大きさ、突出量、形状などの特徴に関する説明を含めて、他の実施形態に関連して先に説明した構成とほぼ同様に構成されることが可能である。従って一般に、図1〜図56の実施形態に関連する同様の特徴は、必要に応じて図57〜図76の実施形態に関しても適用できる。
多くの場合、先に図1〜図56の実施形態に関連して説明したように、カートリッジ201を選択された回転向きでハウジング291の中に取り付けることが望ましい。突起/受け入れ部構成401は、これを実現するように構成可能である。図74を参照すると、カートリッジ201の突起400の外側面400xは、内側突出フィン、リブ又は(割り出し)突起410を含む。この突起又は(割り出し)突出部材410は、選択された半径方向向きでのみハウジング291の底部296の突起402と係合して、完全な挿入を可能にするように構成される。このことは図74から理解でき、突起402がその内面(カートリッジ端部材210に面する面)に(割り出し)溝穴又は受け入れ部420を含むものとして示され、カートリッジ201がハウジングの底部296の中へ押し下げられるにつれて、カートリッジ201の突起410がこの溝穴又は受け入れ部420の中へ延出するが、その延出はカートリッジ201とハウジングとの間の回転向きが選択された通りである場合に限り起こる。
本明細書において、案内半径方向突起410及び溝穴又は受け入れ部420を含む突起/受け入れ部構成は、「半径方向位置合わせ割り出し突起/受け入れ部構成」又はそれに類似する用語で呼ばれる場合があり、その一方の部材は第2の端部材に配置され、他方の部材はハウジングに配置される。
突起/受け入れ部構成は、2つ以上の回転向きが可能になるように構成されることも可能であるのは当然である。しかし、特にカートリッジ201が本明細書において特徴付けられるような偏心的構成を有する場合、ただ1つの半径方向向きを得ることができるのが多くの場合に好ましい。
更に図74を参照すると、所望の取り付けを容易にするために、先に説明した実施形態と同様に側部402cの一部がわずかに「陥没」していることを除き、突起402は、オーバル形の断面を有するほぼ円錐形の形状を有することがわかる。
先に説明した構成と同様に、適切な力が加えられるまで、カートリッジをハウジング本体から引き離すときに抵抗を感じるようなカートリッジ201とハウジング底部との間の干渉型構成が説明される。この点に関して、図75の説明に注目する。
図75は、アセンブリ290の下端部分を示す拡大部分横断面図である。端閉鎖部材211の一部を形成する弾性材料が211mで示される。弾性材料211mはカートリッジ201の端部材211の凹部211rの内側を覆う領域430を含む。この材料は先に説明した実施形態と同様に、ハウジングベースの突起402の端部分と係合するように構成される。先の実施形態の場合と同様に、この位置で与えられる抵抗の量は、アクセスカバー296が取り外される間にカートリッジ201をハウジングベース295に保持するのを容易にするために使用されることが可能である。必要に応じて突起402の適切な部分にビード構成又は微細な構成を設けることにより、アクセスカバー296を取り外している間にカートリッジ201を持ち上げることに対する抵抗を増大させることができる。
領域430は、形状、偏心性などに関して、先に図1〜図56に関連して説明した構成と同様に、内周部定義を有する/規定するものとして定義できる。
図76には、カートリッジアクセスカバー296がカートリッジ201の上に押し下げられている状況を示す概略図が示される。尚、典型的にはカートリッジ201がハウジング本体295に取り付けられる場合にのみ、この係合が起こることは当然だろう。
図1〜図56の構成において、カートリッジ201及びアセンブリ290の変形を実現できることが理解されるだろう。更に、図1〜図56の構成に関して説明された変形は、図57〜図78の構成からの選択された特徴を伴って実現されることが可能である。本明細書における教示は、更に多くの実施形態で実現可能な特徴を示すことを意図する。
中心シール軸Xの周囲に沿って凹凸を有するカートリッジ201のシール部材に関して、突出部の数及び突出部の特定の形状の変形を使用できる。典型的には構成は、半径方向内側に向いた凹部又は部分により分離される2〜12個の突出部、通常は少なくとも3個で、10個を超えない突出部、多くの場合に4〜8個の突出部を有する。また、シールは外側に向いた密封を実現するように構成されるのが典型的である。しかし、例えば半径方向内側に向いたシールを有する構成などの、これに代わる構成も使用可能である。
尚、ハウジングシール構成が均等に配置された突出部又はその変形構成を有することは特段要求されない。本開示による構成ではこれに代わる構成も使用できる。
先に説明された変形例は、本開示による原理を多様なシール面構成を有するカートリッジで実現できるだろうということを示す。
尚、図57〜図76の様々な変形例は、図1〜図56の構成に関して先に説明した全般的原理に従って、二次フィルタ又はセーフティフィルタと共に実現されることも可能である。
C.図77〜図78の変形例
ハウジングとカートリッジとの間の半径方向位置合わせ又は割り出しのために、フィルタカートリッジ201とハウジング本体295との相互作用で、先に説明した突起/受け入れ部構成(又は先に説明した構成を同様に含むそのような構成の代替構成)に代わる突起/受け入れ部構成を使用できる。図77〜図78にはいくつかの変形例が示され、それらを説明する。それらの変形例は図1〜図56の構成又は図57〜図76の構成のいずれか及びその代替構成と共に実現可能である。図77〜図78に示される例の突起/受け入れ部構成は、一般に類似の構成に基づくが、本明細書に参考として取り入れられている米国特許第8,292,984号公報、米国特許出願第12/218,580号及び国際公開第WO2009/014982号に記載されるように、アクセスカバーとフィルタカートリッジとの間の構成である。
図77を参照すると、アセンブリ503を形成するためにハウジング502に配置されたカートリッジ501の部分横断面図が示される。
図示されるカートリッジ501の部分は、閉鎖端部511、すなわちハウジングシール端部とは反対の側の端部に隣接する部分である。図示される端部材511は、端部材11、211とほぼ同様である。端部材511は、モールド・イン・プレース成形部分511mと中央プリフォーム524の一部として形成された中央部分520とを含む。この場合中央部分524は、第1の端部材からハウジングの底端部502eに向かって延出する中央突起560を含む。この突起は中央領域560cを取り囲む壁560wを含み、従って内面560i及び外面560xを有する。図示される例の場合、(両側の)内面及び外面は非円形であり、図77Aからわかるように、この例では蛇行しているか又は起伏を有する。
同様に図77のハウジング端部502eは、取り付けが完了した場合に突起560を受け入れるような大きさに形成され且つそのように構成された凹部又は溝570を含む。この溝又は凹部570は、一般に、カートリッジに向かって開き、突起560の形状がどのようなものであっても、突起560を受け入れるように形成される。従って、溝570に向かって見た端面図である図77Bから理解できるように、この溝又は凹部は、内壁570iと外壁570xとの間で、それ自体が非円形(例えば蛇行する)の形状を有するように構成されることが可能である。
尚、突起560及び溝570の蛇行形状又は非円形形状は、複数の半径方向向きを可能にする半径方向位置合わせ割り出し突起/受け入れ部構成として使用できる。
突起/受け入れ部に関して、それに代わる形状も使用可能であるのは当然である。例えば、取り付け時に突起560と凹部570との間でただ1つの回転向きが可能であるように、突起560を非対称形に構成し、凹部570も非対称形に構成することが可能である。これは、例えば、起伏の1つを他の起伏より大きく半径方向外側又は半径方向内側へ延出させることにより実行可能である。
変形例では、突起をハウジング底部に配置し、溝又は凹部を閉鎖されたハウジング端部又は底部に向かって開くように、すなわち第1の開放された端部キャップとは逆の方向に開くようにカートリッジに配置することができる。その一例が図78に横断面図で示される。図78を参照すると、ハウジング部分602の中にカートリッジ601が示される。ハウジング部分の突起660は、取り付けが行われるときにカートリッジの凹部又は溝670の中に受け入れられるだろう。溝及び突起の形状は、図77及び図77Aに関して先に説明した溝及び突起に類似していることが可能である。
以上の説明から、代替変形例が理解されるだろう。ここで説明される突起/受け入れ部構成に関して、多様な異なる形状を使用できる。突起部材(図77の部材560、図78の部材660)が中心の周囲に沿って連続して延出していることは特段要求されないが、これが典型的な構成である。
突起及び受け入れ部の各々が起伏を含むか又は蛇行する形状定義を有することは特段要求されないが、本章で示す変形が使用される場合にこれも典型的な構成である。起伏及び/又は突起の数は変更可能である。図示される例は約2〜12個の部材を有する。しかし典型的には数は少なくとも2つであり、通常は4〜10個の範囲内、多くの場合に6〜10個である。
これらの特徴の全般的な定義に関して、米国特許第8,292,984号公報、米国特許出願第12/218,580号及び国際公開第WO2009/014982号の特徴が参考として本明細書に取り入れられている。
尚、図77〜図78の変形例は、他の実施形態において説明したハウジングの特徴のうち種々の特徴と共に実現可能である。
IX.いくつかの追加の変形例、図79〜図105
A.アセンブリの代替オプションの例、図79〜図82
図79〜図82において、本開示による原理を使用する付加的なアセンブリが提供される。尚、図79〜図82のオプションの多くは、本明細書において説明される他の実施形態の選択された特徴と共に実現可能である。
まず、図79を参照すると、エアクリーナアセンブリが700で示される。エアクリーナアセンブリ708は、第1の空気流れ管702及び第2の空気流れ管703を有するハウジング701を備える。典型的な外から中への流れに使用される場合、管702は濾過済み空気に対する出口流れ管として使用され、管703はエアクリーナアセンブリ700により濾過される空気の空気流れに対する入口流れ管として使用されるだろう。しかし、それに代わる実施も使用可能である。
図示されるハウジング701の場合、管702はハウジング中央部分706の端部701aにラッチ705aにより取り外し可能に固定される第1の取り外し可能なアクセスカバー705の一部である。
ハウジング701は第2の取り外し可能な端部707を含む。取り外し可能な端部707は、例えば洗浄を容易にするための点検用アクセスとして使用可能である。いくつかの用途では、この原理は、内部に受け入れられるフィルタカートリッジの取り外し及び取り付けのためのアクセス端部としても使用できる。取り外し可能な端部707は、ラッチ707aにより中央部分706の所定の場所に(ハウジング中央部分706の端部701bに)固定される。
場合によっては、内部に受け入れられる点検可能なフィルタカートリッジは、端部701aを介して(第1のアクセスカバー705の取り外し時)又は端部701bを介して(第2のアクセスカバー707の取り外し時)、あるいは双方の端部を介して取り付け(又は取り外し)できるような大きさに形成される。
別の実施形態では、端部707のみが取り外し可能な端部であり、端部705は永久的に配置されることも可能である。しかし場合によっては、2つの端部を共に取り外し可能且つ点検可能にすることが好ましい。尚、双方の端部を同様に取り外し可能(又は底部で取り外し可能且つ点検可能)且つ点検可能にすることは、本明細書において説明される種々の実施形態と共に適用される技術であることが可能である。
尚、更に図79を参照すると、入口703は、例えば先に説明した入口とほぼ同様に傾斜した入口である。しかし、この入口は接線方向入口として示されない。しかし、接線方向入口として構成されることが好都合であるといえるだろう。
図80には、内部に配置されたフィルタカートリッジ710を示すために、一部を横断面で示した第2の側面図が示される。フィルタカートリッジ710は、第1の端部711a及び反対側の第2の端部711bを有する媒体711を備える。媒体711は、開放された内部空間711iを取り囲むように配置される。
カートリッジ710は、媒体端部711aに配置された第1の端部材712を含む。第1の端部材712は、本明細書において説明した種々の実施形態の類似する端部材と同様に構成されることが可能である。図示される特定の端部材712は、端部711aにモールド・イン・プレース成形された部分712mと、カートリッジ710が位置決めされた場合にハウジング701と密封係合するように配向されたシール部材712sを有するものとして示される。この位置、あるいは他の位置又はそれに代わる位置で、多様なシール又はシールの種類を使用できる。典型的にはシールは半径方向に向いている。しかし特定の例では、図示される部材712sは軸方向シールである。実際図示されるように、シールは周囲ピンチシールであり、ハウジング部分705、706の間で密封が起こる。
カートリッジ710は、端部711bに第2の端部材713を含む。端部材713は、多様な方法で構成可能であり、本明細書において説明した代替特徴の中の種々の特徴を伴って構成されてもよい。特定の端部材713は、モールド・イン・プレース成形周囲部分713mと、端部711bに隣接して内部空間711iに延出し、本例では内部空間711iを閉鎖する中央プリフォーム部分713bとを含む。プリフォーム部分713bは、使用中にハウジングの一部と任意に係合するための突起部材を規定するために内部空間又は凹部713sの周囲に延設されるオプションの突出リング713rを含む。部材713rは円形の突起であることが可能であるが、中央凹部又は内側凹部の周囲で演出する、例えば複数の突出部によって蛇行形状を有する特定の突起であってもよい。
図示される特定のアセンブリ700において、ハウジング701は突起部材713rと係合するための部材を含まない。しかし、説明される他の実施形態では、そのような係合を可能にするための方式が説明される。
更に図80を参照すると、端部材713のモールド・イン・プレース成形部分713mは、先に説明した抵抗型ハウジング係合部分とほぼ同様の、715で示される抵抗型ハウジング係合部分を含む。尚、図示される特定のハウジング701は概略的に示され、従って、抵抗型ハウジング係合部分715は使用されない。しかし、ハウジングは、本明細書で説明される他の実施形態と同様にそのような係合を使用するように変形されることが可能だろう。
更に図80を参照すると、端部材712は、内部空間711iと直接流体連通する中央開口部712oを有する開放された端部材である。
図示されるフィルタカートリッジ70は、端部材712、713の間に延設され、フィルタ媒体711が配置されている中央ライナ716を含む。ライナ716は、典型的にはプリフォーム717の一部であるのが好ましい。図示される例では、プリフォーム717は、その一体の部分として、端部材713の中央部分713bを含む。
更に図80を参照すると、入口703は傾斜していることがわかり、出口702は、一般に軸方向出口である。
媒体及び/又はカートリッジの特徴は、多様な実施形態に関して本明細書において説明されるような形状の変形(すなわち偏心性)を伴って構成されてもよい。これはほぼ円筒形(しかし偏心的)であってもよいが、円錐形であってもよい。
図81には、アセンブリ700のハウジング701の出口端部に向かって見た場合の平面図が示される。図示される例の場合、媒体はややオーバル形のパターンで構成されることが図81から理解できる。オーバル形のパターンは、本明細書において説明される他の実施形態のような変形例で媒体に使用可能である。
図82には、アセンブリ700の概略展開図が示される。アクセスカバー705が分離された後にカートリッジ710を取り外すことができることがわかる。また、アクセスカバー707も取り外し可能であることがわかる。
図80を参照すると、図示される軸方向ピンチシールを有する場合、非常に可撓性の高いシールを使用しない限り、アクセスカバー707により開放された端部からカートリッジ710を取り外すことは不可能だろう。しかし、ピンチシール712sの代わりに半径方向シールが使用される場合には、そのような取り外しは相対的に容易だろう。カートリッジが端部701bを介して取り外し可能であるか否かに関わらず、カバー707を取り外せることは、例えば組み立て及び/又は洗浄に関して有利であるといえる。
上記の説明は、両端部から点検可能なユニットと共にピンチシール又は軸方向シールがまったく使用不可能だろうということを示すことを意図しない。これを実現させる構成が開発されるであろう。例えば、図82を参照すると、シールが突起712pと係合することにより構成される軸方向突出シールであった場合、アクセスカバー705の一部がラッチ705a又は他の構成により与えられる圧力を受けている状態で、端部材712の外周部712xは、アクセスカバー707が取り外された場合にカートリッジ712をハウジング端部701bから取り外すことを可能にするのに十分なほど小さいことが可能だろう。言い換えれば、ハウジング中央部分706は、密封のために棚状部分を含まない端部701aによって規定されることが可能だろう。
一般的に言えば、図79〜図82の概略図は、本開示による多様な構成と共に適用されるいくつかのオプション又は原理を示すことを意図する。第1に、ハウジングの両端部は取り外し可能に形成されることが可能だろう。第2に、半径方向密封に代わる密封(例えば)を使用できる。また、カートリッジをオーバル形の形状にすることも可能である。更に、ハウジングは、入口が傾斜している場合であっても、接線方向ではなく、中心軸に向かうように方向づけられた入口を有する構成であることが可能だろう。更に、カートリッジが閉鎖端部でハウジングと係合するための突起構成を有する場合でも、ハウジング自体がそのような係合に合わせた構成にならないようにハウジングを構成できる。同様にハウジングは、カートリッジが閉鎖端部に抵抗型係合構成を有する場合でも、ハウジングがそのような構成との係合を使用しないように構成されるように構成できる。
本明細書において、シールが「軸方向」であると特徴付けられる場合、それはシール部材に関わる密封力がシールにより取り囲まれる軸とほぼ一直線に並ぶような向きであることを意味する。軸方向シールは例えば、端部材に配置されたシールを軸方向力により、すなわち、ほぼ媒体の方向の力によりハウジング部材に押し付けることにより形成できるだろう。別の種類の軸方向シールは軸方向ピンチシールであり、この場合、シール部材は、同様にシール部材により取り囲まれる軸とほぼ整列する方向の力によって、分離可能なハウジング部分の間に挟まれる。
図79〜図82の様々な例において、いくつかの選択された寸法が次のように提供される。WA=166.2mm、WB=330mm、WC=35.4mm、WD=546mm、WE=30°、WF=216mm、WG=380mm及びWH=216mm及びWL=166.2mm。本明細書において特徴を示される原理と共に、これらに代わる寸法を使用できることは言うまでもない。しかし、提供される寸法は、特徴を示される技術の適用例を理解するために適用できる。
本章で図71図82に関して説明した変形例は、説明した種々の実施形態における特徴を伴って、単独で又は種々の組み合わせで集合的に実現されることが可能である。図79〜図82の図により概略的に示されるアセンブリは、多様な方法で実現可能な原理及び構成上の特徴を示すことを意図し、本開示による所定の好適な構成の代表例を必ずしも示さない。
B.カートリッジの付加的な例、図83〜図87
図83〜図87には、本開示による構成で使用可能な特徴を示す付加的なフィルタカートリッジが示される。図83には、斜視図が提供される。図中符号801は、一般にフィルタカートリッジの変形例を示す。フィルタカートリッジ801は、長さが可変であることを示す破断線Zと共に示される。典型的な長さは、両側の端部又は端部材の間に示される距離により指示される尺度だろうが、破断線Zで示される部分は、典型的には示される線の延長線で補てんされる。しかし、これに代わる構成も可能である。
図112を参照すると、フィルタカートリッジ801は、第1の端部材803及び第2の端部材804の間に延設されるフィルタ媒体802を備える。実施形態において、端部材803は開放されているものとして、すなわち貫通する空気流れ開口構成又は開口部803oを有するものとして示される。端部材804は、典型的には閉鎖され、カートリッジ内部空間と連通する貫通開口部を有していないだろう。
媒体802は、開放された中央内部空間802iの周囲に延設される。図示される例では、周囲にフィルタ媒体802が巻き付けられたフレーム部材807が示される。
一般に、媒体802は典型的には襞付きであるが、それに代わる構成も可能である。典型的には媒体802は、両端部802a、802bの間の偏心性に関して、先に特徴を示したように構成される。しかし、それに代わる構成も可能である。媒体802は、ほぼ円筒として構成されてもよいが、偏心性を得るための歪みを有する。しかし、その代わりに、例えばオーバル形の形状の断面などの別の形状を与えられることも可能だろう。
カートリッジ801は、ほぼ先の説明に従った外側ライナ及び本明細書において特徴を示したようなオプションの襞ビード802bのうち一方又は双方を必要に応じて備えることができる。
端部材803は、本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号及び米国特許出願第14/266,560号で見られるような説明に従って構成されたシール構成突起又は膨出部805をシール突起として有する。シール構成805は、(外向き)凸形部分又は突出部805l及び内向き凹形部分又は凹部805rの交互配列を含む半径方向外側に向いた面805xを有する。面805xは、以下に説明されるように、半径方向(外側)に向いた密封面として使用できる。そのように使用される場合、一般にシール面805xは、非円形の半径方向外側に向いたシール面を表し、一般に形状はシールの中心又はシールにより規定される中心軸の周囲に起伏を含むだろう。このシール面は、開口部803o及び端部キャップ803の中心を通る軸を中心とすること/その中心の周囲にあることができるが、その軸からずれていることも可能である。
しかしいくつかの用途では、面805xはシール面として使用されない。このことは、内面805iの以下の説明並びに図101〜図105に関連する以下の説明から理解されるだろう。
更に図83及び密封膨出部805を参照して、半径方向内側に向いた面805iに注目する。図示される例では、面805iは同様に、開口部803o及び密封膨出部805の中心軸の周囲で非円形である。図示される特定の面805iは、複数の離間した内側に向いた突出部又は凸形部分805y及びそれらと交互に配置された凹形部分又は凹部805zを含む。面805iは、一般に中央開口部85o及び/又は中心軸の周囲に非円形のシール形状を含む半径方向(内側)に向いた密封面として使用されるように構成されることが可能である。
面805x、805iのいずれか一方又は双方を密封面として使用できることが理解されるだろう。このことは、以下に図81〜図85に関連して説明される。尚、図83を参照すると密封膨出部又は突起805は相対的に幅が狭い。すなわち、密封膨出部又は突起805の幅は、端部材803の差し渡し寸法より狭い。これは材料の使用を保存するように、密封膨出部805をモールド・イン・プレース材料から形成できることを意味する。
更に図83を参照すると、密封膨出部805により形成され及び/又はいずれか一方の(又は双方の)面805x、805iにより規定されるハウジングシール構成が密封のために使用され、媒体802の一端部と「軸方向に位置合わせされる」又は媒体802の一端部と「軸方向に重なり合う」として特徴付けられることがわかる。これは特徴を示される膨出部及び/又は面は、端部材803に埋め込まれた媒体802の一端部の半径方向内側又は半径方向外側に配置されるのではなく、媒体802の一端部と整列するように配置されることを意味する。これは例えば半径方向スペースの問題に対処することに関して有利であるといえる。
図84には、端部材803及び密封膨出部805にほぼ向かって見た場合の平面図が示される。図84では、図83のフィルタ媒体802が周囲に配置される中央プリフォーム810の部分を見ることができる。プリフォーム810は、周囲にフィルタ媒体802が配置されるライナ810lと、端部材804に隣接するカートリッジ801の端部を閉鎖する端部分810eとを含む。端部810eは、図84の向きでは図を見ている人に向かって延出するオプションの中央受け入れ部突起810rを有することができる。その突起810は、ハウジングと係合するための突起/受け入れ部構成810mの部材を備える中央部分810cを有することができる。この部材810mは、先に変形例に関連して説明した変形に従うことが可能である。
プリフォーム810は典型的には、突起805のシールを支持する端部材803に埋め込まれた媒体の端部を覆うように延出する部分を更に含むだろう。これは、本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第13/662,022号及び/又は米国特許出願第14/266,560号で説明される類似の構成にほぼ従うことが可能だろう。
更に図84を参照すると、側方延出部分816の先端部815は、本明細書において説明される原理にほぼ従ってカートリッジ801をハウジング(又はアクセスカバー)の一部と回転位置合わせするための半径方向位置合わせ突起/受け入れ部構成の一部として使用できる。
図85には、閉鎖された端部材804にほぼ向かって見た場合のカートリッジ801の平面図が提供される。閉鎖された端部材804は、埋め込まれた媒体を覆うように延設されたモールド・イン・プレース成形部分804mを含む。端部804の中央部804cは、プリフォーム810の中央部分又は端部810eにより閉鎖される。
モールド・イン・プレース成形部分804は、図示される例では、図85を見ている人に向かって突出する分割リングを含む突起構成804pを含む。突起804pは、取り付け中にハウジングに対する緩衝材として提供されることが可能である。尚、突起構成804pは、分割されない円を含む代替構成を有することができる。
更に図85を参照すると、804xで示されるように、端部材804は、本明細書において説明された特徴と同様の半径方向内側に向いた抵抗型ハウジング係合特徴を備えることができる。これは典型的には、端部キャップ804のモールド・イン・プレース成形部分804mを形成する材料と同一の材料から成る部分を含む「圧縮」係合構成を使用していただろう。
更に図85を参照して、突起804yに注目する。この突起は一般に本明細書の種々の説明に従って、半径方向位置合わせ構成の一部として作用でき、位置合わせはカートリッジの端部804と、それと関連するハウジングの端部分との間で起こる。
図86には、カートリッジ801の側面図が示される。
図87には、ほぼ図86の右側に向かって見た場合の第2の側面図が示される。
図示される特定の構成に関して、シール面805x、805iの各々は、6つの凹部と交互に配置された6つの突出部を含むが、この数は変更可能である。更に、本例において、各面の種々の突出部及び凹部は対称に均等に配置されるが、それに代わる構成も可能である。尚、図示される特定のカートリッジ801に関して、シール構成又はシール突起805は相対的に一定の厚さを維持するので、面805xの外向き突出部805lは、内側の面805iの内向き突出部805yより大きい、すなわちそれより大きな半径を有するように構成される。
C.カートリッジとハウジングとの密封係合の選択された変形例
図83〜図87にほぼ従ったカートリッジがハウジングに密封される方法のいくつかの選択された変形例は、図101〜図105の概略図から理解できる。
図101を参照すると、ハウジングの一部が850で概略的に示される。部分850は、外側壁851xと内側壁851iとの間に配置された凹部又は溝851を含む。溝851は、フィルタカートリッジ801が取り付けられる場合にこの溝の中へ突出するシール突起805を受け入れるように形成され且つ構成されるだろう。面851x、851iのいずれか一方又は双方は、カートリッジ801の面805x、805iに関して密封するように抵抗密封係合するためのハウジングシール面として構成できる。(双方の面851x、851iが密封を提供する場合、突起805はシール支持体を必要としなくてもよい。)
図102には、図101の構成の変形例が示される。この場合溝851gの外側壁851xは、ハウジング密封面として使用される。しかし、図101と同様の完全な面851iではなく、カートリッジ801を案内するための種々のセグメント又は突起851sが設けられるが、シール面を設けない。突起851sは、面全体にわたってではないが、面805sの複数の部分と係合する(あるいはそれから離間される)ように構成されることが可能である。突起の数、突起の位置及び突起の形状は変更可能である。しかし、それらの突起は、取り付けを容易にするためのガイドとして有用である。
図103には、外側シール面805xと位置合わせするための案内突起が設けられ、壁851iは、カートリッジ801の内側シール面805iと密封係合するように維持される変形例が示される。
図104において、ハウジング部分850は、外側に向いたシール面851iを有する部分のみを備えるように構成されるので、シール突起805との係合は、内側の面又は半径方向内側に向いた面805iに沿って起こる密封を伴う。
図105には、ハウジング部分850がシール突起805の外側に向いたシール面805xとシールを形成するために半径方向内側に向いた面851xのみを備えるように構成される変形例が示される。
半径方向突起の両面が共に起伏(離間した突出部)構成を有していないような構成に適応させた構成を含めた多様なシール構成と共に、上記の変形例を使用できることは言うまでもない。
図101〜図105の図及び説明から、多様な可能性を理解できる。フィルタカートリッジの半径方向シール構成は、半径方向外側に向いた構成でのみ密封するように構成できる。このシール構成は、半径方向内側に向いた構成でのみ密封するようにも構成できる。また、内面と外面の双方に沿って密封するように構成することも可能である。ハウジング構成要素に関しては、外面とのみ係合するか、内面とのみ係合するか、その両面と係合するか、密封膨出部の半径方向に向いた面のうち1つのみと係合するハウジングシール面を有し、その一方で、反対側の面が密封面であるか否かに関わらず、反対側の面と係合又は整列する突起構成を有するように構成できる。
これらの変形例は、ここで特徴を示した代替構成を含めて、本開示による多様な構成と共に実現可能である。
D.付加的なエアクリーナアセンブリ及び特徴、図88〜図100B
図88〜図100Bには、本開示による付加的なエアクリーナアセンブリ(及び構成要素)が示される。図88には、エアクリーナアセンブリの全体が900で示される。アセンブリ900は、フィルタカートリッジ(図89の920を参照)を取り除いた状態で示される。従って、図88のアセンブリ900において見ることができるのはハウジング901である。ハウジング901は両端部を有し、第1の端部903及び反対側の第2の端部904を有するハウジング中央部分902を含む。図示されるアセンブリ900において、第1の端部903は、ラッチ903bにより所定の場所に固定された端部(この場合には取り外し可能な)カバー903aを含む。(アクセス)カバー903aは、典型的にはシステムの(軸方向)出口流れ管として構成される流れ管905を有するように示される。
図示されるアセンブリの端部904は、第2のハウジング端部又は端部分のカバー又は底部904aを備え、カバー又は底部904aは中央部分902とは別に製造され、本例では、例えばスナップフィットにより中央部分902に取り外し不可能なように固定される。しかし、端部カバー904eは、先に説明した原理を使用して、取り外し可能であるように構成されることも可能だろう。
図88を参照すると、取り付けパッド構成が910で示される。取り付けパッドの1つ910bは、図示されるようにハウジング端部材904aに配置され、別の取り付けパッド910aは、図示されるようにハウジング中央部分902に配置される。端部材904aが取り外し可能な(アクセス)カバーとして形成される場合、典型的には取り付けパッド910bも中央部分902に配置され、それによりハウジング901の中央部分は、下端部又はアクセスカバー904aが取り外されたときに所定の場所に固定取り付けされたままになるだろう。しかし図示される特定の端部カバー904aは取り外し可能なアクセスカバーとして構成されず、ハウジング中央部分902に取り外し不可能に取り付けられるので、取り付けパッド910bを端部904aに配置することができる。
更に図88を参照すると、ハウジング901は、第2の端部又は基部端部に、すなわち端部カバー904aに中央突起915を含む。この突起915は、(突起/受け入れ部構成の一部として)取り付け時にカートリッジ920(図89)の一端部に配置された受け入れ部を受け入れるように作用する。このことは以下に更に説明される。
図88を参照すると、突起915は、図示される例では、オプションの中央突起915a及びオプションの外側リング915rを有する遠端部915eを含み、突起915aとリング915rとの間にオプションの(端部)受け入れ溝915gが配置される。受け入れ溝915gは、取り付け中にこの溝の中へ突出するカートリッジ920の中央軸方向突起(又は部分)を受け入れるような位置に配置される。このことは以下に更に説明される。
図示される特定の突起915の場合、受け入れ溝945gは非円形であるが、それに代わる形状も可能である。特に端部915eの中央突起915aは、本例では一般に複数の離間した外側に向いた突出部又は突起を含み、それらの突出部の間に凹部を有するような非円形の外周部を有する。尚、外側リング915rは、本例では複数の離間した凹部を有し、それらの凹部の間に内側突出部又は内側突起を含むほぼ非円形の突起を有する。このことは、以下に図92及び図92Aに関連して更に説明される。
更に図88を参照すると、突起915aはベース部分915bを含む。ベース部分815bの一部に、そこから上方へ突出するオプションの半径方向位置合わせ受け入れ部、凹部又は受け入れ溝穴915sが配置される。オプションの受け入れ溝穴915sは、取り付け時にその溝穴の中へ延出するカートリッジ920の半径方向位置合わせ突起又は位置決め突起を受け入れるように構成される。これは、以下に説明されるオプションの回転位置合わせ構成として作用するだろう。
突起915はやや円錐形の又は徐々に細くなる形状を有するが、先に説明した特定の構成と同様に内側へ歪められた部分915dを有する中央部分915cを含む。これは本明細書において特徴を示される種類の偏心的カートリッジの取り付けを容易にすることができる。
更に図88を参照すると、この場合にはハウジング中央部分902に配置されたハウジング901の第2の流れ管が918で示される。流れ管908は一般に、先に説明した構成と同様であることができる入口流れ管として構成される。流れ管は傾斜した接線方向の流れ管として示されるが、それに代わる構成も可能である。
次に図89に注目する。図89ではアセンブリ900は、図88のアクセスカバー903が取り外され、カートリッジ920が取り付けられた状態で示される。理解を容易にするために、様々な部分を概略的な横断面図で見ることができる。
まず、カートリッジ920に注目する。カートリッジ920は一般に、内部空間920iを取り囲むように配置されたフィルタ媒体921を備える。フィルタ媒体921は襞付きであってもよいが、それに代わる材料から構成されることもできる。フィルタ媒体921は、一般に、両側の第1の端部921aと第2の端部921bとの間に延設される。
第1の端部921aには第1の端部材923が配置され、第2の端部921bには第2の端部材924が配置される。図示される実施形態の場合、第1の端部材923は一般に、貫通する中央空気流れ開口部923oを有する開放された端部材である。これに対し、第2の端部材924は典型的には閉鎖された端部材である。すなわち第2の端部材は、内部空間920iと連通する貫通する中央開口部を持たないが、それに代わる構成も可能である。
典型的にはフィルタアセンブリ900は、濾過中に「外から中へ」の流れを形成するように構成されるが、それに代わる構成にも原理を適用できる。従って本例において、開口部923oは、濾過済み空気の出口開口部であるが、本明細書において説明される原理と共に別の流れ方向も使用可能である。第1の端部材923は、本明細書において図示され且つ説明される種々の実施形態に従って多様な特徴と共に構成されてよい。図示される特定の第1の端部材923は、一般に半径方向外側に向いた密封が得られるような形状に形成され且つそのように配向されたハウジングシール構成を有するように構成されるが、それに代わる構成も可能である。
従って、本例の第1の端部材923は、半径方向(外側)に向いた面又は外面923xと、半径方向内側に向いた面又は内面923iとを有する密封膨出部923bを含む。外面923xは、外側に向いた半径方向密封面923sとして構成される。半径方向内側の(又は内側に向いた)面923iは、シール面として構成されないが、シール面であることも可能だろう。
図示される例では、シール面923sは、シールにより取り囲まれる中心軸の周囲に沿って(言い換えれば、開口部923oの周囲に沿って)非円形シールを形成するように構成されるが、それに代わる構成も可能である。図示される特定の非円形パターンは、複数の半径方向(外側に面しているが、内側に向いた)凹形特徴又は凹部923rにより分離された複数の離間した半径方向(外側)に向いた突出部923pを含む。
典型的には、少なくとも3個の突出部及び3個の凹部があり、通常は少なくとも4個、多くの場合に4〜12個の範囲内の数、通常は4個以上、10個以下の数の突出部及び凹部がある。シール面923sは、シールにより取り囲まれた中心軸の周囲に沿って起伏のある又は蛇行する形状を規定すると特徴付けられることが可能であり、軸の周囲の延出部分を追跡した場合又はたどった場合に周囲に沿って交互に配置された突出部及び凹部が見られる。
図示される例において、内面923iは同様に密封面として構成されないが、先に図83〜図87に関連して一般に説明され、図101〜図105に関連して説明されるような原理を使用して、密封面として構成されることも可能であろう。
図89の特定の例の場合、面923iは、中心軸又は中央開口部923oの周囲に沿ってたどった場合又は追跡した場合に起伏のある又は蛇行する面パターンを規定しない。この場合、半径方向内側に向いた突出部923pの各々は、凹部923rに対向し、面923iの凹形部分又は凹部923gは、外向き突出部923pに対向する。これによりシール材料の使用に関して効率のよい密封膨出部923pが提供される。膨出部923pのシール材料は、一般に端部材923のモールド・イン・プレース成形部分923mの一部としてモールド・イン・プレース成形される。
更に図89を参照すると一般にハウジングシール面は、媒体の周囲部の間の位置で、媒体の端部921aと軸方向に重なり合うような向きに配置される。これは必要ではないが、多くの用途で典型的である。
尚、図89のハウジングシール面又は面は、シールにより取り囲まれる中心軸に対してほぼ垂直なシール平面でシール周囲部を規定すると特徴付けられることが可能である。
カートリッジ920は、必要に応じて、媒体921を取り囲むオプションの外側ライナを備えることができる。カートリッジ920は、その周囲に延設されたオプションの襞先端部ビードを更に備えることができる。図示される例では、カートリッジ920はその双方を含み、ライナは920lで示され、襞先端部ビードは920bで示される。それらは、先に特徴を示した通りであってもよい。
更に図89を参照すると、図示されるカートリッジ920は支持部材又はプリフォーム930を含み、その周囲に媒体921が配置される。図示される例では、プリフォーム930は中央ライナ構造931を含み、中央ライナ構成931はほぼ開放されているか又は多孔質であり、その周囲に媒体920が配置される。ライナ構造931は、一般に、媒体920を内側から支持する。
支持体931は、両端部932、933の間に延設される。端部932は一般に、端部材923のモールド・イン・プレース成形部分923mに埋め込まれた部分を含む。モールド・イン・プレース成形部分は、密封膨出部923b並びにそこから周囲方向(内側及び外側)に延出する部分を含む。プリフォーム端部932は一般に、媒体920の端部921aを少なくとも部分的に横切るように延出し、突起932a、932bなどの1つ以上の突起を有する部分を含む。突起932aは、密封膨出部923bの中に埋め込まれた支持体を提供し、典型的には、膨出部923bがモールド・イン・プレース成形されるときに成形型にはめ込まれる。突起932bは、端部921aを横切るように延出する端部材の部分に対して強度を与えることができる。
更に図89を参照すると、カートリッジ920は使用中に図88のアクセスカバー903aに対して回転位置決めを行うようにカートリッジ内部空間の中に配置され、構成された、端部材923と関連する第1の非シール回転位置合わせ突起/受け入れ部構成の1つの部材を含む。図89において、この第1の非シール半径方向位置合わせ突起/受け入れ部構成の第1の部材は、端部材923に隣接して配置される(且つ端部材923に隣接する位置から半径方向内側に突出する)突起931pを含む。図示される例では、個々の突起931pは、長手方向延出部分931eの各部分を含む。
更に図89を参照すると、端部材924はモールド・イン・プレース成形部分924m及びプリフォーム中央突起/受け入れ部分924cを備える。部分924cはカートリッジ内部空間920iに対向し、ハウジングと係合するための受け入れ部として機能する受け入れ空間を規定する。中央部分824cは、内部空間920iと連通する空気の流れを阻止するようにほぼ閉鎖されている。中央部分924cの受け入れ部分924rとハウジングとの間の相互作用は、以下に更に説明される。
更に図89を参照すると、カートリッジ920は、ハウジング901と係合するための抵抗型(本例では圧縮)半径方向係合部材又は係合構成を備える。特にモールド・イン・プレース成形部分924mは、中央突起915のベース915bの周囲部に係合するように構成された(他の実施形態に関して先に説明した類似の特徴と同様に)半径方向内側に向いた部分924iを含む。本例では、この抵抗型半径方向係合部材又は係合構成は、突起924cへの入口を取り囲む。
更に図89を参照すると、ハウジング901は、排出弁941が配置された排出ポート940を含む。先に説明した構成の場合と同様に、アセンブリ900は、濾過中に「外から中へ」の流れを形成するように構成されるので、排出ポート940は、使用中にカートリッジ920を取り囲む環状未濾過空気942と直接流体連通する。従って、図88の入口918を介してハウジング内部空間に侵入する水及び他の物質は、フィルタ媒体921を通過することなく、ポート940及び弁941を介して直接流出又は排出されることが可能である。
次に図90に注目する。図90には、カートリッジ920がハウジング901の中に配置され、アクセスカバー903aは所定の場所に取り付けられている状態でアセンブリ900が示される。アクセスカバー903aは、カートリッジ920の半径方向外側に向いた図89のシール面923sと係合するためのハイジングシール面903sを規定することがわかる。非円形の形状に対応するために、面903sは勘合する形状、この場合には内側に向いた凸形部分により取り囲まれた複数の外向き突出部(凹部)を有する。
図90では、アクセスカバー903aは、アクセスカバー903aがカートリッジ920と密封係合するために適切に回転位置合わせされた場合に突起931pのうち1つ以上と係合するように構成された非シール回転位置合わせ突起/受け入れ部構成948の第2の部材を含むことがわかる。図示される例では、半径方向位置合わせ突起/受け入れ部構成は、突起931pのうち1つを受け入れることにより、その場合にのみカートリッジ920sと完全に係合できるように構成された受け入れ凹部又は溝穴948sを含む。この係合はシール膨出部923pとシール面903sを適正に密封係合させるためにアクセスカバー903aが適切に回転位置合わせされた場合(又はカートリッジがシール面903sと係合するように抵抗位置合わせされた場合)にのみ起こりうる。
尚、更に図90を参照すると、ハウジング901の底端部904aは、中央部分902とは別に製造されており、その後容易に分離しないように中央部分902に固定されるように構成される。底部分は必要に応じてラッチ、ボルト又は他のコネクタにより固定される取り外し可能な部材であることも可能だろう。
図90において、カートリッジ920の側の中央突起/受け入れ部分924cに注目する。この部分924cは図示される例では、貫通する軸に対して垂直な断面でほぼ円形である端部キャップ又は端部キャップ部分924nを含み、突起924cはキャップ924nと媒体の第2の端部921bとの間の位置に、断面が非円形である中央部分924tを含むことがわかる。それに代わる構成も可能であり、例えば双方の部分が円形であるか又は双方の部分が非円形であることが可能だろう。しかし、図示される特定の例は組み立て及び製造、並びに本明細書において示される特定の好適な特徴を有する実現形態に好都合である。
図90Aには、アクセスカバー903aの内側底面斜視図が示される。この図では、シール面903s及び溝穴948sを有する部材948aを見ることができる。
尚、カートリッジ920が図示されるように半径方向に向いたハウジングシールを有する場合、アクセスカバー903aは面903xをシール面として利用することを可能にするような許容差で製造されないこともあるので、面903xはシール面として利用可能ではないのが好ましい。シール面としての意図しない使用を抑止するために、面903xは凹部903yを含む。
また、アクセスカバー903aはラッチ(又はそれに代わるコネクタ)903bの代わりに又はそれに加えて、ハウジング中央ポート902と係合するためのオプションのスナップフィット構成を使用できる。これを可能にするためのオプションのスナップフィット受け入れ部部材は、一般に図90Aに949で示される。図示される例では、アクセスカバー903aの周囲に半径方向に(典型的には等間隔で)離間して配置された3つのそのような部材949があるだろう。
アクセスカバー903aとハウジング中央部分902との係合に関して、図90Bに注目する。図90Bでは、ハウジング中央部分902は、アクセスカバー903aが配置される場合にアクセスカバーの受け入れ部949とスナップフィット方式で係合するように配置されたオプションの突起950を備えることがわかる。これは、オプションの別の結合機構903bであることが可能であるが、システムによっては、ラッチなどのコネクタと関連させて使用されることも可能である。尚、状況に応じてスナップフィット結合は、必要な場合に分離が容易であるように、あるいは分離することが非常に難しいか又は実質的に不可能であるように形成されることが可能である。
尚、更に図90Bを参照すると、アクセスカバーを固定するためにボルト又はそれに代わるコネクタ構成を使用できる。このオプションの一例は、ボルト受け入れ部951の指示により提供される。これより多くのボルト受け入れ部が使用されることも可能だろう。また、篏合する部分954を有する953で示されるアクセスカバーの形状は、必要に応じてアクセスカバー903aとハウジング中央部分902との間のオプションの回転位置合わせ構成として使用可能である。
図91には、選択された部分を横断面で示す付加的なアセンブリ図が示される。この場合、カートリッジ920は、ハウジング901の中に取り付けられ、受け入れ部924rが突起915を越えて突出している状態であることがわかる。尚、図中の重なり合いにより、適切な力が加えられるまでカートリッジ920が外れるのを抑止するために、端部キャップ部分924iが抵抗型(本例では圧縮)係合によってベース915bとどのように係合するかということがわかる。これは先に説明した適用に類似する典型的な適用だろう。
図92には、突起915を有する底部分904aの上部斜視図が提供される。図92Aには、突起915aの拡大部分図が示される。図92Aに注目する。
図92Aを参照すると、見えているのは突起915の端部915eである。受け入れ溝915gにより分離された中央部材915a及び外側リング915rが示される。一般に、溝915gはその中へ突出する以下に説明されるカートリッジ920の突起部材を受け入れるような大きさに形成される。
図示される特定の例の場合、溝915gは円形の形状を有していないが、別の用途で円形の形状を与えられるのであれば、それは可能だろう。図示される例の溝915gは、円形の形状ではなく、外側凹部961と交互に配置された内側突起960及び凹部966と交互に配置された外側突起965を有する外壁915rがあるために、オプションの蛇行又は起伏する形状を有する。この好適なオプションの方法によって、溝915gは、カートリッジの突起が篏合する形状を有する場合にのみ溝915gの中に受け入れられるように構成される。これは、カートリッジが所期のシステムに適正なカートリッジであることを容易に確認することができる。また取り付け中にカートリッジをハウジングの種々の部分と所望の回転関係に容易に維持することができる。
図93には、中央受け入れ部924rのすぐ上方で見たカートリッジ920の横断面図920が示される。フィルタ媒体921は概略的に(任意に)襞付き媒体として示されていることがわかる。
一般に、受け入れ部924rはカートリッジ内部空間920iとは反対側の面で、中へ突出するハウジング902の突起915を受け入れるように配置された受け入れ凹部を規定する。図89では、この相互作用を見ることができる。また、典型的には内部空間920iとは反対側の受け入れ部924rの面に、カートリッジ中央部分924cは溝915gの中へ突出するような大きさに形成された中央軸方向突起を含む。この中央軸方向突起又は突起部材は、図89に924xで示される。
図89を参照すると一般に中央軸方向突起924xは、少なくともその一部で、図示される例において、円形の断面を有する端部材又は端部キャップ924nの領域の突起924pの部分により取り囲まれる。また突起924xは、円形の断面を有していない突起924cの部分により取り囲まれる位置まで突出するのに十分な長さを有することができる。
図94には、ハウジング底部904aと係合するカートリッジ920の一部の横断面図が示される。
図95には、図94の図よりわずかに低い位置の横断面図が示される。
図96には、突起915の平面図が示される。溝穴915sに注目すると、溝穴915sは適切な回転位置合わせが起こった場合に、溝穴915sの中へ突出するフィルタカートリッジの閉鎖端部にある半径方向位置合わせ突起を受け入れるように構成される。
図100には、閉鎖された端部材924に向かって見た場合のカートリッジ920の斜視図が示される。篏合する突起970は、カートリッジがハウジングと係合する場合に図96の溝穴915sと係合するような大きさに形成され、そのような位置に配置されることが可能である。また、端部材923から離れる方向に突出し、溝915gの中へ突出する方向に配向された受け入れ部924rに、本例では非円形の中央軸方向突起を見ることができる。
典型的には、突起921は、受け入れ部又は凹部の周囲に中実壁を規定するが、それに代わる構成も可能である。
図97には、突起971と溝915gとの係合を示す拡大部分図が示される。
図98には、更なる拡大図が示され、溝915gに受け入れられた突起971を更に示す。
図99には、この場合には異なる回転向きから見た場合の更なる拡大図が横断面で示される。
図100A−図100Bには、カートリッジ920で使用可能な支持部材930が示される。これは先に説明したような類似のプリフォーム支持体と同様であることが可能だろう。支持部材930は、剛性プラスチックなどの相当に剛性の高い材料から予成形されることが可能であり、その後カートリッジ920を形成するために、その周囲に媒体及び成形部分を位置決めするために使用されることが可能だろう。図100Aでは、図89に関連して先に説明した種々の特徴を有するポート930を見ることができる。リブ981により内側部分980に固定されたシール支持体923aに注目する。部材923aは、取り付け中に半径方向外側に向いたシール面923sを支持するために、図89の密封膨出部923pの中に配置される支持部材であることが可能である。
図100Bには、支持体930が横断面図で示される。非円形の突起971を見ることができる。また位置決めフィン970も見られる。
図100A−図100Bを参照すると、支持体930は先に説明した種々の種類の偏心性を提供するために使用可能であることがわかる。例えば図100Bを参照すると、シール支持領域923aは、支持体の下端部985に関して偏心性を有するように構成できる。更に上端部986に隣接して支持体930は、使用中に媒体により取り囲まれ、下端部985に関して偏心的である領域987を有することができる。更に下端部988に基部988を有する突起924rを設けることができ、この突起924rは上端部986に隣接する種々の特徴に関して偏心的である。
従って支持体930は、カートリッジで使用された場合に本明細書において説明した種々の種類の偏心性を有するカートリッジを提供するように構成できる。
尚、更に図88〜図100Aの実施形態を参照すると、図示されるシール部材は、周囲にシールが配置される軸とほぼ平行な平面において(非円形の)シールパターンを有するとして特徴付けられることが可能であり、中央突起971はその突起971により取り囲まれる平面において(非円形の)パターンを有するとして特徴付けられることが可能である。それら2つの平面は、多くの用途でほぼ平行であってもよい。また、突出部を含む構成が使用される場合、シール部材と突起がそれぞれ同数の突出部を有してもよく、場合によっては突出部は「半径方向に位置合わせされ」てもよい。本明細書において使用される場合の用語「半径方向に位置合わせされる」は、多くの用途でそれらの部材は典型的には互いに偏心的な中心を有すると考えられるので、それらの部材が互いに垂直方向に直接重なり合って配置されることを意味しない。しかし、中心軸に対してそれぞれの(突出部を含むハウジングシール部材923s及び中央軸方向突起971の各々の)突出部は、そのような用途においてほぼ同一の方向に延出してもよいことを意味する。
尚、フィルタカートリッジは2つ以上のハウジングシール構成を含んでもよい。例えば、ただ1つの構成を示していることは、他のハウジングシール構成を含むことができないということを指示又は示唆することを意図しない。
図88〜図100Bの種々の図において、寸法例が次のように提供される。WI=56mm、WJ=66mm及びWK=27.5mm。それに代わる寸法も使用可能であることは当然である。寸法例は多様な用途に関して使用可能な構成を指示し、本明細書において特徴を示される用途又は原理を一般に示すことを意図する。
尚、図88〜図100Bの実施形態の特徴は、本明細書において他の図及び実施形態に関して説明した種々の構成を含めて、異なる特定の詳細を有する多様な構成で実現可能である。何らかの利点を得るために、実施されるあらゆる実施形態が図示されるいずれかの選択された実施形態の特定の特徴のすべてを有することは特段要求されない。
X.選択された概要所見
フィルタカートリッジ及び/又はフィルタアセンブリと関連して使用可能な多様な特徴、技術及び構成が説明される。特徴は例えば車両又は他の機器で使用される内燃機関の吸気を濾過するためのエアクリーナアセンブリとして使用するように構成された構成と共に使用するのに特に適している。しかし、技術は他の用途にも適用可能である。
一般にフィルタカートリッジは、ハウジング構成要素との選択された相互作用に適する特徴を有するとして特徴付けられる。示される複数の特徴は、カートリッジの両端部の間の偏心性(又はカートリッジの両端部の特徴)を提供することに関する。この偏心性は、取り付け及びハウジング内での使用に有利なカートリッジを提供できる。
本明細書において特徴を示される典型的なフィルタカートリッジは、開放されたフィルタ内部空間を取り囲むフィルタ媒体を有し、フィルタ媒体は第1の端部及び第2の端部を有する。媒体の第1の端部に、第1の端部材が配置される。第1の端部材は貫通する流れ開口部を有する。フィルタ媒体の第2の端部に、第2の端部材が配置される。多くの典型的な用途において、第2の端部材は閉鎖されており、すなわち貫通する開口部を持たない。
フィルタカートリッジの第1の端部と第2の端部との間の偏心性は、多様な方法で提供されることが可能である。本明細書において特徴を示される特定の例では、フィルタ媒体は、第1の端部材に隣接する位置で第1の媒体外周部を規定し、フィルタ媒体の第2の端部は、第2の端部材に隣接する位置で第2の媒体外周部を規定する。2つの媒体外周部は互いに関して偏心的に位置合わせされる。この偏心性が円錐形の媒体を使用せずに実現されるのではなく、第1の端部及び第2の端部に隣接してほぼ同一の大きさの周囲部を規定する媒体を使用することにより実現される一例が示される。
偏心性を規定するための別の方法も提供される。その一例は一端部の特徴の他端部の外周部に対する偏心性に関連すること、又は両端部のカートリッジの外周部の間の偏心性に関連することを含む。開放端部に半径方向シール部材が設けられ、シール部材はカートリッジの反対側の端部の特徴が第2の端部材の外周部であるか、第2の端部材に隣接する媒体の外周部であるか又は別の特徴であるかに関わらず、その特徴に関して偏心的なパターンを特徴とするような方法が示される。
第2の端部材が開放されたフィルタの中へ延出する受け入れ部突起を含む多様なカートリッジが示される。この受け入れ部突起は、開放されたフィルタ内部空間とは反対の側に受け入れ凹部を規定する。
受け入れ部突起は多様な形状で提供されることが可能である。一例では受け入れ部が媒体の第2の端部から遠い側で、媒体の第1の端部に向かう端部キャップ又は端部材を有し、周囲断面寸法はほぼ円形であるが、円形の端部材又は端部キャップより低い位置に非円形である部分を更に有するような形状が提供されることが可能である。
特徴を示される特定の例において、この中央受け入れ部は、カートリッジの内部空間とは反対の側の中央突起の面に中央軸方向突起を含み、この突起は、一般に媒体の第1の端部及び第1の端部キャップから突出する。中央凹部又は受け入れ領域を取り囲む壁、典型的には中実の壁(すなわち、完全に貫通する開口部を持たない壁)を含む中央軸方向突起の一例が示され且つ説明される。中実の壁は溝を有することができ、すなわち、両面であることが可能である。図示される例ではこの壁は非円形であり、すなわち本明細書において定義されるように形状に起伏を含む。一般に壁は壁を通る中心軸に対して垂直な平面において、非円形の周囲部を規定するように提供されることが可能である。
第1の端部材にあるハウジングシール構成がシールの中心軸に対して垂直な投影平面において非円形であるようなフィルタカートリッジの例が示される。図示される例では、シールの中心軸の平面は、カートリッジの第2の端部にある受け入れ部突起の外側面(カートリッジの内部空間の反対側の面)の中央軸方向突起を通る平面とほぼ平行である。
カートリッジの第2の端部は、特定の有利な用途において抵抗型ハウジング係合部材を有すると特徴付けられる場合がある。この抵抗型ハウジング係合部材は、例えば第2の端部材にモールド・イン・プレース成形圧縮可能材料から形成された圧縮構成を含むことができる。一般にこの抵抗型ハウジング係合部材は、第2の端部材の中心軸に対して直交する平面において周囲係合パターンを規定する。これは、第2の端部の中央受け入れ部に侵入して位置合わせされるように配置されることが可能である。係合パターンは、一般に、用途に応じて円形のパターンであること又は非円形であることが可能である。ハウジングの突起がカートリッジの受け入れ凹部の中へ延出するにつれてハウジングの突起の基部と係合するオーバル形の係合パターンを使用する例が示される。
本明細書において特徴を示される構成において、カートリッジの開口部を有する第1の端部材に隣接する端部に、半径方向位置決め突起構成が配置される。半径方向位置決め構成は、一般に使用中に所望の半径方向位置合わせを実現するためにハウジングのアクセスカバー又は他の部分と係合するように配向された1つ以上の突起を含む半径方向内側へ突出する半径方向位置決め突起構成である。
また、カートリッジの第2の端部の第2の端部材と関連して、半径方向割り出し位置決め構成が示される。この半径方向割り出し位置決め構成は、一例ではカートリッジがハウジングと係合するときに、ハウジングの突起の受け入れ溝穴又は凹部の中へ延出するように構成された単一のフィン又は半径方向内側に向いた突起部材を含む。
本明細書において、典型的には第1の端部キャップ又は端部キャップを貫通する開口部の周囲の位置に配置された多様なハウジングシール構成の特徴が示される。円形のシール構成を使用できる。ハウジングシール構成は、第1の端部材の外側の周囲の周囲シール構成であることが可能であるが、別の位置に配置されることも可能である。図示される特定の例の構成では、ハウジングシール構成は、媒体の第1の端部と軸方向に重なり合う位置で、第1の端部材の外周部から半径方向内側に向いている。半径方向内側へ突出するシール面又は半径方向外側へ突出するシール面のいずれかであることが可能な構成の例が示される。例として、非円形の構成が特徴付けられる。シール面の周囲に沿ってシール面をたどった場合に、凹部により分離された複数の突出部を含む非円形の構成の例の特徴が示される。
尚、本明細書において説明される技術の多くは、カートリッジが媒体の両端部の間及び/又はカートリッジの両端部の端部材の部分の間で必ずしも偏心性を示さない構成にも適用可能である。すなわち本明細書において示される選択された特徴は他の用途にも適用可能であるが、本明細書において特徴付けられるような何らかの形の偏心性を有するカートリッジと共に使用される場合に特に有利であるように特定して構成されていた。
本明細書において、フィルタカートリッジで使用可能な種々の有利なライナ支持体が説明される。典型的なライナ支持体は、第1のライナ支持部分及び第2のライナ端部を有するだろう。図示される一例では、第1のライナ端部及び第2のライナ端部は、互いに関して偏心的に位置合わせされ、ライナ支持体はそれを取り囲むフィルタ媒体のカートリッジの中に配置される。ライナ支持体は、その一端部に媒体の一端部と少なくとも部分的に軸方向に重なり合うように延出する端部材を含むように配置されることが可能である。この第1の端部材は、例えば離間した延出部分により内側ライナ部分に固定されたシール支持部材を有するように構成されてもよい。シール支持体は円形及び非円形を含めて、多様な形状で提供されることが可能である。
ライナ支持体は第2の端部に、本明細書において示されるような選択された特徴を有する受け入れ部突起を備えることができる。
本開示によれば、エアクリーナアセンブリも提供される。エアクリーナアセンブリは、典型的には少なくとも1つのアクセスカバー、空気流れ入口及び空気流れ出口を有するハウジングを備える。本明細書において特徴付けられる定義のうち1つ以上にほぼ従ったフィルタカートリッジは、ハウジングの中に動作可能に配置され、ハウジングに解放可能に固定されるだろう。カートリッジは点検可能な部品であり、ハウジングから取り外し可能であり、ハウジングに再び設置することが可能であるような大きさに形成できる。
本明細書において特徴を示される種々のフィルタカートリッジに関して、カートリッジは、ハウジングシール部材を含むハウジングシール構成を有するものとして説明される。これは、ここで示される原理があらゆる場合に単一のハウジングシール部材を必要とすることを示唆するものではない。実際ハウジングの異なる部分に対して密封する2つ以上のシール部材が使用されることは可能だろう。また、同一のカートリッジで2つ以上のシール部材が使用される場合、それらのシール部材は同一の種類であること又は異なる種類であることが可能である。
一般に本明細書において説明される種々のカートリッジの特徴と相互作用するように設けられたハウジングの多様な特徴が示される。それらの特徴は、カートリッジでハウジングシール部材と密封係合するための特徴、カートリッジの一方又は双方の端部で回転位置合わせするための特徴、及びカートリッジの突起/受け入れ部構成と係合するための突起/受け入れ部構成を含む。
1つのアクセスカバーが配置されたハウジングの特徴が示されるが、2つのアクセスカバーがハウジングの両側に配置された別の例も特徴付けられる。
流れ管構成に関連する多様な構成が説明される。図示される例では、第1の流れ管はハウジングの一端部に軸方向流れ管として、典型的には出口流れ管として配置される。また一般に第2の流れ管はハウジングの側面に、通常は入口流れに対して配置される。種々の流れ管の好適な形状及び向きが示される。
好ましくはハウジングの内部で(典型的にはカートリッジの外側で)未濾過空気部分と直接流体連通する排出ポートを含むハウジングの例の特徴が示される。
エアクリーナアセンブリは、本明細書において示される種々の特徴のうち選択された特徴を備え、特定の例で示される特定の他の特徴を回避して実現可能であることを理解すべきである。すなわち、本開示による何らかの利点を得るために、エアクリーナアセンブリ、ハウジング又はカートリッジが所定の実施形態で示される特徴のすべてを有することは特段要求されない。