I.全般
先に示したように、本開示は、クランクケース換気フィルタアセンブリ、構成要素、その特徴、並びに組立て方法及び使用方法に関する。本開示に係る典型的なクランクケース換気フィルタアセンブリは、点検可能フィルタカートリッジ、すなわちハウジング又はカートリッジに損傷を与えることなくハウジングの中で取外し及び交換が可能であるフィルタカートリッジを有するハウジングを備える。典型的には、ハウジングはハウジング基部及び取外し可能なアクセスカバーを備える。本明細書において説明される特徴及び原理の中に、アクセスカバーが配置された場合にフィルタカートリッジがハウジングの中に適切に装着されているか否かを点検担当者が直ちに理解できるようにするのを助けることに関する特徴及び原理がある。そのような特徴を示すいくつかの実施形態が説明される。それらの特徴の多くは、回転係合がねじ結合によるものか又はねじを使用しない結合によるものかにかかわらず、ハウジングと係合するための回転可能な取付けリングをアクセスカバーが含むようなシステムで使用するのに特に適する。
尚、アセンブリに適する正しいフィルタカートリッジが使用され且つハウジングの中に装着された場合に適切に使用できる正しい位置に配置されているのを確実にすることに関する特徴も説明される。
カートリッジが正しく装着されていないことの指示を助ける特徴と共に使用可能であるか又はそのような特徴とは無関係に使用可能である、ある特定の実施形態に関連して他の数多くの特徴が説明される。
本開示に係る何らかの利益を得るために、クランクケース換気フィルタアセンブリ又は特徴、部品、あるいは組立て方法又は使用方法が、詳細に説明され且つ図示される特徴及び特性のすべてを含むことは特段要求されない。
II.第1の実施形態、図1〜図27
本開示に係るクランクケース換気フィルタアセンブリの第1の実施形態が図1〜図27に示される。まず、図1を参照すると、図中符号1はクランクケース換気フィルタアセンブリの全体を示す。アセンブリ1は、一般に、ガス流入口構造3、ガス流出口構造4及び凝集液体(油)排出出口構造5を有するハウジング2を備える。ハウジング2の中には、点検可能フィルタカートリッジ6が配置される(カートリッジは図1には図示されていない。以下に説明される図5及び図6の横断面図並びに図23〜図26のカートリッジの図を参照)。
一般的な動作では、アセンブリ1が使用されるエンジン系統からのエンジンのブローバイガス又はクランクケース換気フィルタガスは、ガス流入口構造3を介してハウジング2の中へ誘導される。ハウジング2の中で、ガスは、ハウジングの中に受入れられている点検可能フィルタカートリッジ6のフィルタ媒体に送り込まれる。媒体内で、ガスは濾過される。油はカートリッジ6の媒体の中で凝集し、カートリッジ6の外へ排出され、最終的には凝集液体(油)排出出口構造5を介してハウジング2から排出される。出口排出構造5は凝集油排出口であり、一般に、アセンブリ1が使用されるシステムの中の油だめ又は他の場所へ液体(油)を誘導するハウジング又は導管に接続される。凝集液体の流れを所望の通りに調整するために、出口5に装着される流れラインは弁機構を含むことができる。
更に図1を参照すると、ハウジングの中に受入れられているカートリッジ6を通過した濾過済みガスは、通常ガス流出口構造4を介してアセンブリ1の外へ誘導される。
尚、図1を参照すると、図示される特定のクランクケース換気フィルタアセンブリ1の場合、ガス流入口構造3、ガス流出口構造4及び凝集液体排出出口構造5は、ハウジング2の内部空間と流れ連通する1つの管/開口部構造としてそれぞれ示される。これが典型的な構造であるが、別の実施形態では、ガス流入口構造3、ガス流出口構造4及び/又は液体排出出口構造5は、それぞれ独立して、複数の開口部及び/又は複数の管であってもよい。
更に図1を参照すると、ハウジング2は、一般に、アクセスカバー構造又は点検用カバー構造15が取外し可能に装着されているハウジング基部又はハウジング底部14を備える。アクセスカバー構造又は点検用カバー構造15は、ハウジング2の内部空間の点検時にハウジング基部14から取外し可能である。これにより、例えば、フィルタカートリッジ6をハウジングの中に装着すること又はハウジングの中に装着されているフィルタカートリッジ6を取出すことが可能になる。
尚、図示されるアセンブリ1の場合、点検用カバー構造15とハウジング基部14との結合又は取付けのための相互作用は、回転相互作用構造による。すなわち、点検用カバー15及びハウジング基部14の2つを堅固に結合するために、点検用カバー15の少なくとも一部は、ハウジング基部14に対して回転される。これは本開示に係る構造では典型的であるが、本明細書で説明される選択された技術が適用されるいくつかの用途では、別の構造も可能である。
尚、更に図1を参照すると、ガス流入口構造3は、ほぼ下向きの上部ガス流入口構造として示される。これが典型的な構造であるが、別の構造も可能である。
図2には、アセンブリ1の第2の上面斜視図が示される。図2の図は、図1の左側に沿って幾分回転した位置から見ている点を除き、図1に類似している。図2には、ハウジング2、特にハウジング基部14に配置された取付けパッド構造18が示される。取付けパッド構造18は、使用時にアセンブリ1を機器に装着できるように配向される。取付けパッド構像18は、使用すべき特定の機器システムに合せて設計された特注構造であってもよい。しかし、取付けパッド構造18は、多様な機器システムに適合する汎用取付け構造であることも可能である。図示される特定の取付けパッド構造18は、当該機器に配置できるように適切に配向された取付け支柱又は受入部分18xを含む。各受入部分18xは、アセンブリ14の位置を固着するために受入部分の中へ突出するボルト又は類似のコネクタ構造を受入れるように構成される。受入部分18xのねじ付き金属挿入部材は、この目的のために使用可能である。あらゆる用途に対して、取付けパッド構造が同様に配置又は形成されるか、あるいは同様に受入部分18xに3つの支柱を含むことは特段要求されない。
特定の取付けパッド構造18は、以下に説明されるようにハウジング基部14の一部としてモールド・イン・プレース成型され且つ挿入部材が装着された3つの支柱18xを備える。別の構造も可能である。実際、ハウジング2は取付けパッド構造を備えていなくてもよく、装着時に取付けバンド又は類似の構造をハウジングに装着することによりハウジングを固着できる。図示される各支柱18xは、ボルトを介して装着するために挿入されるオプションのねじ付き挿入部材18tを含む。
次に図3に注目する。図3はアセンブリ1の側面図である。先に概要を説明した特徴は、ハウジング底部14及び点検用アクセスカバー15を備えるハウジング2、ガス流入口3、凝集液体出口5及びガス流出口構造4を含む。
尚、図1〜図3を参照すると、図示される特定のアセンブリ1の場合、ガス流入口構造3は点検用アクセスカバー15にあり、ガス流出口構造4及び凝集液体排出出口5はハウジング基部14に設けられる。別の構造も可能であるが、このような構造が典型的である。
次に図4に注目する。図4は、先に挙げたガス流出口構造4にほぼ対向して見た場合の側面図である。図4に示される先に説明した選択された他の特徴は、ハウジング基部14及び点検用アクセスカバー15を備えるハウジング2、ガス流入口構造3、凝集液体排出出口5及び取付けパッド18xを有する取付けパッド構造18を含む。
図5は、図4の線5‐5にほぼ沿った横断面図である。図5において、横断面図は、ハウジング2の内部空間2iの中に配置された先に示したカートリッジ6を示す。
図5を参照すると、一般に、カートリッジ6は、開放されたフィルタ内部空間21の周囲に配置され且つ第1の端部材22と第2の端部材23との間に延設された延設媒体20を備える。媒体20は、一般に、所定の用途、濾過特性及び凝集特性を考慮して選択される。媒体の例は以下に示される。
カートリッジ6、ハウジング2及び/又はアセンブリ1は、中心軸Xを有すると特徴付けできる場合がある。軸Xは図5に示されており、使用時に、典型的には縦向きとなる中心軸であり、この軸の周りに媒体20が配置される。中心軸Xは、カートリッジ6、ハウジング2及びアセンブリ1の中心又はほぼ中心を通る。軸Xは添付の図面の数多くの図で参照される。
更に図5を参照すると、クランクケース換気フィルタガス又はエンジンのブローバイガスは、入口構造3を介してアセンブリ1の中へ誘導される。次にガスは、端部材22の流れ開口部22aを通過し、開放されたフィルタ内部空間21に導入される。更にガスは、媒体20を通過(濾過されながら)して環状流路25に入る。環状流路25は、カートリッジ6を取囲む濾過済みガス環状流路である。一般に、環状流路25は濾過済みガス流出口構造4とガス流連通している。すなわち、濾過済みガスは、出口4を介してハウジング2の外へ排出可能である。
動作中、ガス中に含まれる液体は媒体20の中で凝集し、液頭を形成する。重力の作用によって、この液体は媒体20(及びカートリッジ6)から下方へ排出されようとする。液体の一部は、ハウジング底部又はハウジング基部14の下端部14bまで下方へ排出される前に、媒体20の下流側(本例では外側)の周囲部20pに達し、最終的には、重力の影響を受け且つ図示されるような漏斗構成により、凝集液体排出出口構造5まで流れる。しかし、媒体軸方向重ね合せ排出構造23oを使用することにより、液体の一部は端部材23を介して直接下方へ流れることができる。この構造23oは、本明細書に参考として取入れられている国際公開第WO2007/053411号に記載される原理を使用する媒体軸方向重ね合せ排出構造であってもよい。
更に一般的に言えば、カートリッジ6は媒体軸方向重ね合せ排出構造23oを含む。図示される特定の媒体軸方向重ね合せ排出構造23oは、第2の端部材23(装着時に下方に位置する端部材)にあり且つ/又は第2の端部材23を貫通して媒体20の一端部20bと直接重なり合う空間又は開口部である。媒体20から直接下方へ排出される液体は、媒体軸方向重ね合せ排出構造23oを介して直接下方へ流れることができ、底部14bに達する。
更に一般的に言えば、媒体軸方向重ね合せ排出構造は、液体の流れが媒体流れ面のうちの1つを通って外側へ流れる必要なく、媒体20から直接下方外側へ流れることができるような構造である。これは、媒体20の下端部の一部を下部端部材23により閉鎖させないことにより可能だろう。
媒体軸方向重ね合せ排出構造23oは、多様なオプションの特徴を備えることができる。図5を参照すると、図示される特徴の1つは、下部端部材23の外周部23pにある複数の凹部23rであり、各凹部23rは、媒体20のすぐ下の位置(すなわち重なり合う位置)まで半径方向内側へ延びる。第2の例示的な特徴は、図示される例では、媒体20のすぐ下の位置で、すなわち媒体20と軸方向に重なり合う位置で、端部材23を貫通する複数の開口部23aを備える開口部構造である。媒体軸方向重ね合せ排出構造23oが、ここで説明し且つ図示した特定の特徴のいずれか一方又は双方を備えることは特段要求されない。一般に、「媒体軸方向重ね合せ排出構造」23oという用語は、媒体20の中で凝集した液体の少なくとも一部が外周部20pなどの媒体周囲部を通って流れる必要なく、媒体から直接下方へ排出可能であるような位置に設けられた排出流路を表す。例えば、場合によっては、単純に下部端部材23の一部又は全体を媒体20の外周部20pほど遠くまで半径方向外側へ突出させないことにより、媒体軸方向重ね合せ排出構造が形成されてもよい。
尚、図5を参照すると、場合によっては、入口管3を介して流入する入口ガスに含まれている水蒸気は、ハウジング基部又はハウジング底部14の内面28で凝縮しようとする。一般に、そのように凝縮した水蒸気が凝集液体(油)排出出口構造5を介して排出されるのを妥当な程度まで防止するのが好ましい。凝縮した水蒸気の少なくとも一部が凝縮液体排出出口5に達するのを抑止するために、アセンブリ1は、オプションの凝集水回収/排出構造29を有する側壁32を含む。オプションの凝縮水回収/排出構造28は、側壁32(ハウジング基部14の)の上部31と基部14の内側フランジ33との間に配置され且つ側壁22及びカートリッジ6をほぼ完全に取囲むように延設された排出路又は排出溝30を備える。溝30は、通常溝出口35に向かって水を送り出し又は搬送し、水排出出口構造9に流入させるように傾斜している。これにより、回収された凝縮水は出口5から隔離される。
図示される例では、水排出構造9はガス流出口構造4を更に備える。すなわち、凝縮水出口構造9まで送り出された凝縮水は、ガス流出口構造4を介して外側へ誘導される。これは、ガス流出口4が下方で大気中へ通じている場合に特に好都合なアセンブリである。尚、場合によっては、水の流れ及び排出を調整するために追加の構造を使用できる。
図4及び図5を参照すると、溝30の上方で面28に沿って水が凝縮した場合、その水は、下方へ流れて排水路又は溝30の中へ排出され、基部14の下部領域14b及び凝集液体排出出口構造5に達しないようにフランジ33により妨げられることがわかる。回収されたこの水は、出口35に向かって下方へ排出され、図5の水排出構造9に流入しようとする。尚、凝縮水排出構造はオプションであるが、一般に有益である。
一般に、カートリッジ6はハウジングシール構造を備える。ハウジングシール構造は、通常ハウジングに流入したガス流が媒体20を迂回して、ガス流出口4に達するのを抑止する。図5及び図6を参照することにより、図示される特定のアセンブリ1のハウジングシール構造を理解できる。
図5を参照すると、先に示したように、カートリッジ6は、対向する端部材22、23の間に配置された媒体20を備える。図示される例のアセンブリ1の場合、カートリッジ6は、第1のハウジングシール又はシール部材39及び第2のハウジングシール又はシール部材40を備えるハウジングシール構造を設ける。図示される例では、ハウジングシール構造は、第1の端部材22にそれぞれ配置された第1のハウジングシール又はシール部材39及び第2のハウジングシール又はシール部材40を備える。第1の端部材は、典型的には、シール部材39、40を支持する剛性構造部材(金属又はプラスチック)である。
また、図示される例では、第1のハウジングシール又はシール部材39及び第2のハウジングシール又はシール部材40は、縦方向に互いに離間して配置される。本明細書において使用される場合の用語「縦方向に離間して配置される」は、中心軸Xが垂直になるようにカートリッジ6が配向された場合にシール又はシール部材39、40が縦方向に互いに離間して配置されることを意味する。これは図5に示される向きであり、本明細書において説明される実施形態では典型的な向きである。通常、シール又はシール部材39、40の縦方向の間隔は、少なくとも0.5mm、通常は少なくとも1mm、多くの場合に少なくとも20mm、典型的には少なくとも5mm、典型的には50mm以下、通常は40mm以下、多くの場合に30mm以下であるが、別の寸法も可能である。縦方向に離間させる理由及びその利点は、以下の更なる説明から明らかになるだろう。
典型的には、シール又はシール部材39、40は、互いに隔離される(すなわち、互いに一体ではない)。これは、典型的には、示される2つのシール又はシール部材39、40の各々が個別に形成され、同一の成形材料から成る別々の部分を構成しないことを意味する。言い換えれば、シール又はシール部材は互いに独立して製造され且つ個別に取付けられるのが典型的であり且つ好ましい。しかし、シール又はシール部材39、40をシール材料から成る1つのオーバーモールド部分又は成型部分の一部として互いに一体に形成することも可能であり、その場合、所望のシールを形成するために各領域が適切に離間して配置される。本明細書において、構造が第1のシール又はシール部材及び第2のシール又はシール部材を含むと言う場合、それは、特に指示のない限り又は各シール又はシール部材が本来互いに別であろうと思われるOリングなどの構造であると指示されない限り、それらのシール又はシール部材が互いに完全に別に形成されるか及びシール材料から成る1つの一体の領域のそれぞれの部分ではないかを指示するものではない。
典型的には、カバーアセンブリ15とハウジング基部14が互いに分離可能であるハウジング2において、ハウジングシール又はシール部材39は、カバーアセンブリ15の一部を解放可能に密封するように配置され、ハウジングシール又はシール部材40は、ハウジング基部14の一部を解放可能に密封するように配置される。従って、入口3を介して流入するガス流が濾過されないまま出口4に達することはありえず、入口3を介して流入するガス流がアクセスカバー15と基部14との間でハウジング2から漏れ出すこともない。
本明細書において、ハウジングシール又はシール部材が「解放可能に密封する」と言う場合、それは、カートリッジ6がハウジング2の中に正しく装着された場合にシールが係合し、シールが密封するハウジング2の部分からカートリッジ6が分離された場合にはハウジング又はシールに損傷を与えることなくシールの係合が解除されることを意味する。
次に、アセンブリ1の種々の展開図を提示する図11、図12及び図13に注目する。
図11を参照すると、カバーアセンブリ15がハウジング基部14から分離された状態のアセンブリ1が示される。内部に配置されたカートリッジ6を見ることができる。
尚、図示される特定のアセンブリ1のカバーアセンブリ15は、中央部材又は中央カバー(部分)50及び取付けリング51を備える。点検用カバーアセンブリ15がアセンブリ1に配置される場合、取付けリング51は中央部材(中央カバー)50に対して回転可能である。取付けリング51は、係止(締付け)位置と解除(緩め)位置との間で回転可能である。取付けリング51が解除位置にある場合、アクセスカバー又はカバーアセンブリ15をハウジング基部14から取外すことができる。取付けリング51を係止位置(締付け位置と呼ばれる場合もある)まで回転させると、カバー又はカバーアセンブリ15をハウジング基部14から分離することが不可能になる。図11において、取付けリング51は、係止位置又は締付け位置まで回転された状態で展開図で示されていることがわかる。
次に図12に注目すると、図12は、図11の線12‐12にほぼ沿った横断面図である。図12を参照すると、取付けリング51は、複数の係止突起51pを備える係止突起構造51xを含むことがわかる。各係止突起51pは、半径方向内側へ突出する下部突起51rを有する。カバー15がハウジング基部14に配置された後、下部突起51rが基部14の図5Aに示される突起14pの下方の位置に達するまで取付けリング51を回転させることができる。種々の状況で当該機器の振動により係止が緩むのを抑止するために、カートリッジ6及び取付けリング51は、締まり嵌め構成を設けることができる。その一例は、以下に図27に関連して説明される。
図5、図5A、図6、図11及び図12を比較することにより、取付けリング51は、アクセスカバー15を所定の位置に係止している間にカバー中央部材50とは無関係に回転するように構成されていることがわかる。従って、係止を解除した後、アクセスカバー15全体を取外すことができる。図11を参照することによりわかるように、中央部材50には任意の指標54を設けることができ、追加の指標55が取付けリング51に設けられる。係止(又は解除)が実行された場合、それらの指標は、係止又は解除を示すために協働するように構成される。このことは図1の上面斜視図にも示される。
更に図11を参照すると、図示される例のアセンブリ1の場合、取付けリング51(すなわち点検用カバーアセンブリ15)とハウジング基部14との係合は、「ねじを使用しない回転係合構造」による。本例の回転係合構造は、リング51にある複数のホルダ又は係止突起51pを備え、それらの係止突起51pは、ハウジング基部14にある複数の突起又はホルダ14pとねじを使用して係合するのではなく、(装填中に)位置合わせされる。尚、以下の更なる説明から明らかになるように、図1〜図27の実施形態の原理の多くと組合せて、ねじによる(回転)係合構造も使用できる。
次にカートリッジ6に注目する。図5を参照すると、前述のように、カートリッジ6は、端部材22、23の間に配置され且つ開放されたフィルタ内部空間21を取囲む延設媒体20を備える。更に図5を参照すると、一般に、典型的なカートリッジ6では、媒体20は中央カートリッジ支持体70を取囲むように配置される。図示される例の場合、中央カートリッジ支持体70は、使用時にガス流が通過できる開放された多孔質構造を規定する交差リブ又は半径方向リブ72により互いに結合された複数の長手方向延設部分又はリブ71を備える。
典型的には、媒体20は軸Xの周りに配置された円筒形の構成であるが、別の構成も可能である。媒体20は、必要に応じて、媒体の複数の巻線又はコイルから形成されるかそれを有するコイル状構成であってもよい。
更に図5を参照すると、図示される例のカートリッジ6は、底部端部材23と一体に形成された中央カートリッジ支持体70を有するものとして示される。これが典型的な構成であるが、別の構成も可能である。
また、図5を参照すると、図示されるカートリッジ6は、上部端部材22が中央カートリッジ支持体70と一体に形成されるものとして示される。これも典型的な構成であるが、別の構成も可能である。
更に図5を参照すると、図示される特定のカートリッジ6は、開放されたフィルタ内部空間21を横断するように延設されて閉鎖された底部端部材23を有する。すなわち、カートリッジ6の中央部分23cは閉鎖されている。すなわち、貫通する開口部を持たないが、本明細書において説明される原理が適用されるいくつかの用途では、別の構造も可能である。このように閉鎖された端部材23は、濾過中にガスが「内側から外側へ」流れるように、すなわちガスが媒体パックの内側周囲部20iから外周部20pに向かって流れるように構成されたカートリッジ6では典型的である。以下の説明から理解されるように、濾過中の流れが逆方向であるように、すなわち「外側から内側へ」流れるようにカートリッジが構成されているアセンブリにも、本明細書において説明される特徴の多くを適用できる。
図5に示されるカートリッジ6のような典型的なカートリッジの場合、上部端部材22、中央カートリッジ支持体70及び下部端部材23は、例えばプラスチックから1つの一体の剛性成形ユニットとして事前に形成される。その後、中央カートリッジ支持体に媒体を巻付けることにより媒体が装着され、カートリッジの構成を完成させるためにシール部材39、40が追加されるだろう。別の構造も可能であることは言うまでもない。
更に図5を参照して、第1の端部材22に注目する。尚、図示される特定のカートリッジ6の場合、媒体20を取囲むように配置されたシール部材はなく、媒体20を取囲む位置まで下方へ突出する上部端部材22の部分もない。前述のようなプレフォーム又はスプールを使用してカートリッジ6が組立てられ、その周囲に媒体20が巻付けられる場合、これは典型的な構造である。しかし、本明細書において説明される原理のうちある特定の原理は別の構造にも適用可能である。
図5において、第1の端部材22は、図示される例では媒体20の上方の位置に位置していることがわかる。前述のようなプレフォーム又はスプールを使用してカートリッジ6が組立てられ、その周囲に媒体20が巻付けられる場合、これは典型的な構造である。しかし、本明細書において説明される原理のうちある特定の原理は別の構造にも適用可能である。
図5を参照すると、カートリッジ6は、第1の端部材22の外周部の周りで上方へ突出し且つ媒体20の上方に凹部領域22yを設ける周囲リング22zを第1の端部材22に有することがわかる。典型的には、周囲突起22zは、一部でシール又はシール部材40のうち1つを支持するように構成された剛性構造である。
一般に、第1の端部材22は、第1の端部材22を貫通し且つ典型的には軸Xと一致するように端部材22の中心に形成されたガス流開口部である中央開口部22aを含む。図示される例のアセンブリでは、濾過されるガスは開口部22aを介してカートリッジ内部空間21の中に入るので、開口部22aはカートリッジ6のガス流入口開口部である。これは、流れが「内側から外側へ」向かう構造では典型的である。
更に図5を参照すると、第1のハウジングシール又はシール部材39及び第2のハウジング及び/又はシール部材40は、個別のOリング39o、40oとして示される。これは典型的な構造であるが、モールド・イン・プレース成型でのシールなどの別の構造も可能である。すなわち、ハウジングシール又はシール部材39、40のうち一方又は双方が分離されているか否かにかかわらず、別のシール材料又はシールの種類ではない個別のOリングであることは特段要求されない。また、以下の例から理解されるように、各シール部材39、40が1つのシールを形成することも要求されない。
尚、更に図5を参照すると、図示される特定のカートリッジ6の場合、第1のハウジングシール又はシール部材39は半径方向に向いたシール部材である。詳細には、本例において、シール部材39oは半径方向外側に向いたシール部材である。本開示に係る原理が適用されるすべての用途でこのような構造であることは特段要求されないが、この構造は図5のアセンブリには好都合である。
また、図示される例では、シール又はシール部材40も半径方向に向いたシール部材である。詳細には、本例において、シール部材40oは半径方向外側に向いたシール部材である。同様に、これは典型的且つ好都合な構造であるが、本開示に係る原理の多くと組合せて別の種類のシールも使用可能である。
本明細書において、密封力が中心軸Xに対して接離する方向に、すなわち中心軸Xに対して半径方向に向いている場合、各ハウジングシール又はシール部材39、40のようなシール部材は「半径方向」シール部材と呼ばれる。これに関連して、「外側に向いた」という用語は、シール部材を取囲むハウジングの部分と係合するようにカートリッジ6に配置されたシール部材を表すために使用される。逆方向に向いた半径方向シールは、場合によっては、「内側に向いた半径方向シール」又はそれに類似する用語で呼ばれるだろう。
図5において、第1の端部材22は、シール部材40が配置される周囲壁22zにOリング溝又は密封溝75を有する(図示される例では、媒体20の上方の位置に)ことがわかる。溝75は、シール部材40であるOリング40oと共に使用され且つOリングを所定の位置に保持するように構成される。溝75は、カートリッジ6が正しく装着された場合に側壁32(ハウジング基部14)の上部32uと共にシールを形成するのに適切な位置にOリング40o又はハウジングシール部材40を支持するような位置に配置される。
図示される例の特定のアセンブリ1において、特に図示されるカートリッジ6の場合、ハウジングシール部材40は、中心軸Xとほぼ直交するシール面で規定される円形パターンを描くように配置される。これは不可欠ではないが、典型的である。また、典型的には、ハウジングシール部材40は円形パターンを規定するが、例えば卵形パターン又は楕円形パターンなどの円形ではない別のパターンも可能である。
更にカートリッジ6(図5)を参照すると、第1の端部材22は、媒体20からほぼ離れる方向に突出するハウジングシール支持体22の管状延設部分を備えるハウジングシール支持体又は中央管状突起78を含む。支持体78は通常剛性の流れつばであり、ほぼ軸Xと平行に突出できる(軸Xと整列する)が、別の構成も可能である。支持体78は、横断面が円形である外周部を有することができるが、別の構造も可能である。
図示される特定のカートリッジ6の場合、支持体78は、その延設部分の周囲にハウジングシール又はシール部材39が取付けられるように構成される。これに対応するために、支持体70の外面78oは、ハウジングシール部材39を受入れる受入溝78gを備える。図示される例のハウジングシール部材39は、溝78gに配置されたOリング39oを備えることができる。
更に図5を参照すると、各シール部材39、40は、最大周囲横断寸法を有すると特徴付けることができる。シール部材40の場合、円形であり且つ中心軸Xと直交する平面にあるならば、この寸法は通常シール直径になるだろう。しかし、「最大周囲横断寸法」という用語は、シール部材の周囲の最大差渡し寸法を表しているにすぎない。
以下の説明から理解されるように、シール又はシール部材39は、中心軸Xと直交するシール面にはないが(図示される例の場合)、シール39の最大周囲横断寸法は、この場合、シール39が位置するシール面におけるシール部材の周囲の最大差渡し寸法にも対応する。また、中心軸Xと直交する平面にない場合のシール部材39を中心軸Xと直交する平面の中へ突出することが可能であり、この突出を、カートリッジ中心軸と直交する平面への突出に対応する「最大」周囲シール寸法を有すると特徴付けることもできる。
第1のシール部材39は最大周囲シール寸法D1を有すると特徴付けることができ、第2のシール部材40は最大周囲横断寸法D2を有すると特徴付けることができる。図5に示される特定の例のアセンブリの場合、D1<D2である。典型的には、このような例の構成の場合、D1はD2より少なくとも0.5mm小さく、通常はD2より少なくとも1mm小さく、多くの場合にD2より少なくとも10mm小さく、図示される例では、D2より少なくとも20mm小さい(言い換えれば、D2はD1より少なくとも0.5mm大きく、通常はD1より少なくとも1mm大きく、典型的にはD1より少なくとも10mm大きく、図示される例では、D1より少なくとも20mm大きい)。以下の説明から理解されるように、別の寸法も可能である。
尚、更に図5を参照すると、媒体20は第1の外周部20pを有する。図示される例では、図示される第2のシール部材D2は媒体20より大きい外周最大差渡し寸法を有するが、別の構造も可能である。典型的には、第2のシール部材40は、媒体20の最大周囲差渡し寸法より少なくとも10mm大きく、通常は少なくとも15mm大きい最大外周差渡し寸法D2を有するが、別の寸法も可能である。
尚、図示される例の場合、第1のシール39の最大横断周囲寸法D1は、媒体20の外周部20pより通常は少なくとも2mm小さく、多くの場合に少なくとも5mm小さいが、別の寸法も可能である。
次に図13に注目すると、アセンブリ1の展開斜視図が示される。図13には、カートリッジ6の一部、特に端部材22が示される。図13を参照すると、Oリング39oは平坦であり且つ中心軸Xと直交しないように規定され、中心軸Xに対して垂直ではない角度で延在する平面に配置されていることがわかる。このことは、以下に図23〜図27に関連して更に説明される。
図5に戻ると、ハウジングアクセスカバー15は、ハウジングシール部材40と係合するためのシールつば80を備える。図示される例では、ハウジングシールつば80の内面80iは、ハウジングシール部材39により規定される外側に向いた半径方向シールに対する密封面として構成される。図示される例では、シールつば80は、点検用カバー構造15の中央部分50の一部として構成される。
更に図5を参照すると、支持体78の内側を取囲むように、端部材22は支持体71の上端部により規定された内側肩部85を備える。点検用カバー15、特に中央部材51は、肩部85に向かって下方に向いた下向きつば部分88を設ける。つば88は、ハウジング2が組立てられる場合にハウジング内部空間2iの中へ下向きに突出する入口構造3の下部つば部分を構成することができる。このことは、以下に図23〜図27に関連して更に説明される。
尚、図13を参照すると、支持体78の上端部78uは、図5の中心軸Xと直交しない平面、すなわち中心軸Xに対して傾斜した平面を規定する。これは典型的な構造であるが、別の構造も可能である。そのことは、以下に図23〜図27に関連して更に説明される。
尚、アセンブリ1は、ハウジングアクセスカバーが所定の位置に装着された場合にカートリッジがハウジングの中に正しく配置されているか否かを点検担当者が直ちに認識するのを助ける構造を含む。この構造は、正しいカートリッジ6が装着されていない状態でハウジング2が偶然閉まることがないように確実にする。また、この構造は、装着されているカートリッジが使用時のハウジング2に適する正しいカートリッジ(6)であることを確実に知らせるように助ける。図13を参照することにより、これを容易にすると考えられる特徴をある程度理解できる。
図13を参照すると、アセンブリ1の上面斜視展開図が示される。ハウジング基部14は、上方先端部又は上縁部32eを含む側壁32を有することがわかる。上縁部32eは、受入凹部32rを備える受入凹部構造を含む。受入凹部32rは、縁部32eにある互いに離間して配置された凹部又は切欠きであることがわかる。図示される特定の例のアセンブリ1は4つの凹部32rを含むが、それ以外の数も可能である。典型的には、受入凹部32rの数は少なくとも1つ、通常は少なくとも2つ、通常は6つ以下であるが、それ以外の数も可能である。
更に図13を参照すると、カートリッジ6は、上部端部材22に、複数の半径方向外側へ突出する突起90を備える周囲突起構造89を含む。典型的には、カートリッジ6は、ハウジング基部14の凹部32rの数と同数の突起90を含むが、別の構造も可能である。突起90は、一般に、カートリッジ6がハウジング基部14の中へ押下げられる間に、カートリッジ6が中心軸Xに関して適切に回転されてハウジング基部14の中へ完全に押下げられた場合に凹部32rの中へ突出し、典型的には凹部32rを貫通することにより凹部32rと係合するような大きさに形成され且つそのような位置に配置される。
次に図5(及び図5の一部の拡大部分図である図5A)に注目する。凹部32rを貫通して突出する突起90を見ることができる。突起90を備える突起構造89は、取付けリング51が回転された場合に突起14pを備える突起構造と係止リング51が堅固に係合できるように、点検用カバー構造15の中央部分51を側壁32の端部32eから十分に離れた位置に配置させる縦方向スペーサ構造(又はアクセスカバー/ハウジング基部スペーサ構造又はハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造)であることがわかる。言い換えれば、アセンブリ1の中にカートリッジ6が入っていない場合、点検用カバー15を所定の位置まで押下げ且つリング51を回転させても堅固な係合は起こらず、取付けリング51は緩んだままである。点検担当者は直ちにそのことに気づき、正しいカートリッジ6が入っていないことを認識する。また、点検担当者がカートリッジ6の代わりに不適切なカートリッジをハウジング14の中に配置しようとしても、同様の問題が発生すると思われる。更に、必要に応じてカートリッジ6がハウジングの種々の部分と係合する適切な位置に来るようにカートリッジ6を正しく回転させるために、突起90と受入部分32rとの係合を利用できる。
一般的に言えば、アセンブリ1は、ハウジング基部/アクセスカバー(又はアクセスカバー/ハウジング基部)縦方向スペーサ構造を有すると特徴付けることができる。図示される特定の例の場合、ハウジング基部/アクセスカバー縦方向スペーサ構造はカートリッジ6に配置され、図示される特定の例では第1の端部材22に配置される構造である。図示されるハウジング基部/アクセスカバー縦方向スペーサ構造は、第1の端部材の他の部分から第1のハウジングシール部材39及び第2のハウジングシール部材40の各々の最大半径方向外側延設部分から半径方向外側の位置まで半径方向外側へ突出するように配向されたカートリッジの第1の端部材22に配置された剛性突起構造を含む。図示される例では、突起構造89は、先に説明したように配置された突起90を備える。突起90はシール部材39、40より遠くまで半径方向外側へ突出するので、必要に応じて凹部32rと係合することができる。
本明細書において、「縦方向スペーサ寸法」という用語及びその変形は、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造により形成される点検用カバー15の中央部材50とハウジング基部14との間の縦方向間隔の幅を示すために使用される。典型的には間隔の幅は少なくとも0.5mmであり、通常は少なくとも1mm、多くの場合に少なくとも2mmであり、少なくとも3mmであることが可能であり、場合によっては5mm以上になることもある。問題は、点検用カバー構造15の中央部材50が縦方向スペーサ構造により適切に持上げられない限り、回転可能な係止リング51が正しい締付け又は係止のためにハウジング基部14と正しく係合できないように、形成される縦方向間隔の幅を十分に取るということだけである。
尚、図5、図5A及び図13を更に参照すると、第2のシール部材40は、清浄ガス環状流路25をハウジング2の外側領域から適切且つ確実に隔離するために受入部分32rの下方の位置でハウジング14と係合するような位置に配置される。また、第1のシール部材39は、ハウジングの中央部材50と適切に係合し且つアクセスカバー15とハウジング基部14との間の接合部を通過するガス流がアセンブリ1の中の望ましくない位置に達するという事態を避けるために突起90の上方に配置される。これは、クランクケース換気フィルタガスがアクセスカバー15とハウジング基部14との間の接合部を通ってアセンブリ1から外側へ漏れ出すことのないようにするのを確実にする。
次に、カートリッジ6とハウジング2との係合を更に理解するために図14〜図19に注目する。図14には、カートリッジ6が中に配置されている状態のアセンブリ1の側面図が示される。図15には、図14の線15‐15に沿った横断面図が示される。この図は、通常下部端部材23及びその選択された特徴を示す。例えば、下部媒体出口排出構造を備える凹部23rを見ることができる。尚、開口部23aは、同様に軸方向に媒体20と重なり合う状態で端部材23を貫通する。開口部23a及び凹部23は、先に説明した媒体軸方向重ね合せ構造として協働する。図中符号23cは、カートリッジ6の下端部を閉鎖する部材を示す。図中符号96で、ハウジング14の底部にある支持体96の横断面図を見ることができる。支持体96は、例えば図5に示される。ハウジング基部14にカートリッジ6を装着している間、カートリッジ6は支持体96に当接するまで押下げられる。
図15の図中符号32bで、ハウジング側壁32の下部32bの横断面が示される。図15において、この下部は前述のように水排出出口9から隔離されていることがわかる。
図16は、図14の線16‐16に沿った横断面図である。この場合、横断面はほぼ端部材22の下方から見上げた図である。横断面は、図6の取付けリング51の保持リップ又は保持縁部51rを貫通している。
図17には、図14の線17‐17に沿った横断面図が示される。この場合、横断面は、取付けリング51のリップ51rと係合するように突起14pが配置された側壁32の上部32uを貫通している。
次に図18に注目する。図18は、図14の線18‐18にほぼ沿った見上げた場合の横断面図である。この場合、横断面は突起90を含む端部材22の部分を貫通している。突起90は凹部32rに受入れられていることがわかる。
図19には、アセンブリ1の展開図が示される。図19において、カートリッジ6は、ハウジング基部14の中へ押下げるために適切に回転された位置にある。従って、第1の端部材22の突起90は、下方の凹部32rの中に入ることができる。図19において、点検用カバー15は、取付けリング51が突起14pと係合する場合に取るだろうと考えられる位置まで回転された状態で示される。実際に押下げる場合、取付け突起51pを突起14pの間に通すために、リング51は、わずかに右へ又はわずかに左へ回転されるだろう。その後、リング51を回転させると、係止(締付け)が完成する。
図20には、媒体20なしでカートリッジ6が示されている点を除いて、図19とほぼ同様の図が示される。従って、互いに一体に形成された上部端部材22、下部端部材23及び中央カートリッジ支持体70を見ることができる。尚、図20において、取付けリング51は分離されており、図示されていない。見ることができるアクセスカバー15の唯一の部分は中央部分50である。
図20に示される各構成要素は、ボルトを受入れるために取付けパッド18の中に挿入部材を配置してもよいということを除いて、事前に形成された(例えば成形プラスチック)構成要素であることが可能である。
図21には、フィルタカートリッジが装着されていないハウジング2の図が示される。リング51の半径方向突起51rが突起14pの下方にあり、突起14pから離間しているので、取付けリング51は突起14pと堅固に係合できないことがわかる。
図22には、図21の線22‐22にほぼ沿った横断面図が示される。この場合も、ハウジング2はカートリッジが装着されない状態で示されており、従って、取付けリング51は緩んでいる。リング51を締付けようとした点検担当者は、リングが突起14pに締付けられないことから、何らかの不都合が起こっていると直ちに認識するだろう。
図21及び図22において、ハウジング側壁32の排出溝30は、端部35及び水排出口9に向かって下方へ排出するように形成されていることがわかる。
図7には、アセンブリ1の側面図が示される。寸法の例が、AA=111.9mm、AB=25mm、AC=57mmとして示される。
図8には、第2の側面図が示され、寸法は、AD=109.8mm、AE=60mm、AF=75mm、AG=35mm、AH=227.7mm、AI=18mm、AJ=12mm、AK=25mm及びAL=45mmとして示される。
図9には、寸法の例がAM=113.9mmとして示される。尚、本開示に係る原理のうち多くで別の寸法を使用可能である。
この章で先に参照されなかったもう1つの図は、アセンブリ1の底面図である図10である。
次に、フィルタカートリッジ6の種々の特徴並びにフィルタカートリッジ6と点検用カバー構造15、特に中央カバー部分50との係合に関連する特徴に関して、図23〜図27に注目する。
まず、図23を参照すると、フィルタカートリッジ6が中心軸Xに対して側面図で示される。前述のように、カートリッジ6は、開放されたカートリッジ内部空間の周囲に、端部材22、23の間に配置された媒体20を備える。端部材22は使用時に上部端部材であり、図示される例では、図5のOリング39oに対応する受入溝78gを有する垂直管状突起78を含むものとして示される。また、図示されるように、カートリッジ6は、Oリング40oに対応する溝を端部材22に有する。
更に図示されるように、端部材22にはスペーサ突起90が設けられる。
尚、図23を参照すると、突起78の上端部78u及びシール部材39は、中心軸Xと直交する平面に対してそれぞれ傾斜している。
図24には、カートリッジ6の横断面図が示される。なお、図24において、Oリング75は溝40の所定の位置に示される。更に、先に説明した他の特徴及び端部材22、23も図24で見ることができる。
Zは、中心軸Xと直交する平面に対するOリング39o及び端部78uの平面の角度を示す。典型的には、角度Zは1°以上30°以下、典型的には20°以下、多くの場合に2°以上である。
図25には、カートリッジ6の上面斜視図が示される。この図は、端部材22に向かって見た場合の図である。図25において、突起78は内面78fを有する管状突起であることがわかる。突起78は、媒体20から離れる方向に端部又は先端78uまで突出する。端部又は先端78uは、一般に、図24に関連して先に示したように中心軸Xと直交しない平面で規定される。
カートリッジ6は、カートリッジ‐アクセスカバー間(又はアクセスカバー‐カートリッジ間)突起/受入部分構造の第1の部材を更に含み、第1の部材は、内面78fに配置され、図中符号78xにより示される。図示される第1の部材は突起構造であり、図示される例では、複数の軸方向リブ78yを備える。図示される複数のリブ78yは、カートリッジ中心軸Xに対して非対称に配置されたリブを少なくともいくつか含む。この場合、「非対称に配置される」とは、リブのすべてが中心軸Xの周りで半径方向に均等に離間して配置されているのではないことを意味する。典型的な非対称の位置は、1対のリブが互いに対して第3のリブに対するより半径方向に近接して配置されているような少なくとも3つのリブ78yを有するリブ構造の場合である。
図26を参照すると、リブ78yは5つのリブ78yを含むことがわかり、そのうち2つのリブは互いに近接して配置され、残る3つのリブは半径方向にそれより離れて配置される。
図27には、中央カバー部分50及び回転可能な取付けリング51を備える点検用カバー15の底面斜視図又は下面図が示される。
使用時にカートリッジ突起78の周囲に下方へ突出する中央突起90に特に注目する。まず、突起90の下方先端部90tに注目する。下方先端部90tは複数の凹部又は間隙90rを有する。
図26を参照して、中央突起又はリブ94に注目する。尚、5つのリブ94が示されている。リブ94rは、最も近いリブに対して少なくとも45°の円弧により十分に離間された個別のリブである。しかし、リブ94x及び94yは、互いに対して半径方向に近接して配置される。
図26のカートリッジ6と図27に示されるカバー部材50の突起90を比較することにより、アクセスカートリッジ6が間隙90rに対して1つの回転位置にある場合にのみ、アクセスカートリッジ6を覆うようにカバー部材50を完全に押下げることができると理解できる。特に、各間隙90xは、2つの整列した図26のリブ94x、94yを突起として受入れるには狭すぎるが、間隙90yは、それらのリブを受入れるのに十分な幅を有する。しかし、各間隙90rは、それぞれ対応する1つのリブ94rを受入れるように配置される。従って、カバーアセンブリ50が押下げられ、突起78が管90の中へ突出するにつれて、回転が適切になるまで、カバー15は完全に下がることができない。これにより、適正な密封のために突起90の種々の特徴に対してシールが適切な向きに配置されているのを確実にできる。
尚、図27を参照すると、取付けリング51の突起51pと関連して中心越え係止構造又はスナップフィット係止構造が設けられている。詳細には、突起51pのうち少なくとも1つ(場合によっては各突起51p)と関連して、カム部材95及びストッパ96が設けられる。回転係止中、カム95は図11の突起14pと係合する。カム95が通過し且つストッパ96が係合するまで、取付けリング51は回転される。これは、通常の振動状況の下でリング51が回転するのを抑止するためのスナップフィット機構として作用する。しかし、点検担当者が係止を解除するためにリング51を回すにつれて、カム95が外れて係止を解除し、それによりリング51が離れるように、カム95は十分な大きさ及び形状に形成され且つ構造は十分な可撓性を有する。
図24において、いくつかの寸法の例がXA=101.5mm、XB=36.8mm、XC=137.6mm、XD=71mm、XE=10.9mm及び角度Z=5°として提示されている。
本明細書の以下の部分では、付加的な実施形態を説明する。尚、付加的な実施形態に関する特徴の多くは先に説明した実施形態でも適用可能であり且つ先に説明した実施形態の特徴の多くは以下の付加的な実施形態でも適用可能である。本明細書において表される開示は、種々の実施形態の特徴に関して排他的であることを意図しない。
III.第2の例示的な実施形態、図28〜図31
図28〜図31には、一般に本開示に係る特徴を含むアセンブリの第2の実施形態が示される。図28には、アセンブリ101の展開図が示される。アセンブリ101は、ハウジング基部114及び点検用カバー115を備えるハウジング102を含む。点検用カバーは中央部分115a及び取付けリング115bを備える。アセンブリ101は、ガス流入口構造103、ガス流出口構造104、液体排出構造105及び取付けパッド118xを含む取り付けパッド構造118を含む。
取付け基部114は、受入凹部114rを有する上端部114eを含む。また、ハウジング基部114の上端部114eは、取付けリング115bが適切に締付けられた場合に取付けリング115bの係止部材115xと係合する突起114pを含む。
図28には、カートリッジ106は、媒体が配置されていない状態で示されている。先に説明した実施形態における媒体20と同様に、媒体を配置することができる。
カートリッジ106は、上部端部材106u、中央カートリッジ支持体106c及び図28には図示されないが、他のいくつかの図では全体を106fで示される下部端部材を有するプレフォーム106pを含む。
上部端部材106uは、2つの縦方向に互いに離間して配置されたハウジングシール又はシール部材120、121を含み、図示される例では、各ハウジングシール又はシール部材は、端部材106uの外周部を取囲むOリングを備えるが、別の構造も可能である。第1のハウジングシール又はシール部材120と第2のハウジングシール又はシール部材121との間に(図30)、半径方向外側へ突出し且つ使用時にカートリッジ106が配置された場合に受入凹部114rの中へ押下げられるような大きさに形成された複数の縦方向スペーサ突起120pが配置される。
図29には、横断面図が示される。図をわかりやすくするため、図28と同様に、カートリッジ106は、媒体が配置されていない状態で示されているが、典型的には、媒体は先に説明したように配置されるだろう。ハウジングシール部材120は、アクセスカバー115の外側部分115xを密封するように構成され、ハウジングシール部材121は、ハウジング基部114の側壁132の一部を密封するように構成される。
図30には、第2の横断面図、この場合は突起120pを通る横断面図が示される。突起120pは、取付けリング115bを回転させた場合に取付けリング115bが締付けられるように点検用カバー115、特に中央部材115aをハウジング基部114から十分に離間した状態に保持するためのハウジング基部/アクセスカバー(縦方向)スペーサ構造として機能することがわかる。
図31には、所定の位置にカートリッジが装着されていないハウジング102が示される。アクセスカバー115の中央部材115aは適切な位置に配置されておらず、従って、取付けリング115bを締付けようとしている点検担当者にはシステムに遊びがあるように思われる。
IV.第3の実施形態
図1〜図27の実施形態及び図28〜図31の第2の実施形態において、それぞれの場合、アクセスカバーは、取付けリング及びハウジングの各部分の間のねじによらない回転係合相互作用により取付けリングが係止位置と解除位置との間で回転されるように構成されていた。従って、ねじによる係合は使用されていなかった。尚、本明細書において説明される原理の多くは、ねじ係合が使用されるシステムでも適用可能である。実際、先に説明した実施形態と組合せて、ねじ係合を使用可能だっただろう。このことは、例えば図32及び図33に示される実施形態から理解されるだろう。
尚、図1〜図27の第1の実施形態及び図28〜図31の第2の実施形態において、それぞれの場合、カートリッジは、2つの端部材の間で媒体が巻付けられる中央プレフォーム又はスプールを使用できるように構成されていた。この場合、一般に、上部端部材のシール構造及び他の構造は媒体の上方に位置していることが必要であった。上部端部材の一部又はシールの一部、あるいは双方の部分が媒体の上方に配置されるのではなく、実際には媒体を取囲んでいるような構造で、本開示に係る原理を実現することは可能である。このことも、図32及び図33の構造から理解されるだろう。尚、それらの特徴は、必要に応じて、図1〜図27の実施形態及び図28〜図31の実施形態の特徴の多くによって実現可能である。また、そのような特徴は、一般に、本明細書に参考として取入れられている米国特許出願第61/503,008号に従った構造であることが可能である。
図32及び図33を参照すると、ハウジング202及びその内部に受入れられたカートリッジ206を備えるアセンブリ201が示される。ハウジング202は、点検用カバー構造215及びハウジング基部214を備える。点検用カバー構造215は、中央部分216及び取付けリング217を備える。この場合、取付けリング217は、ハウジング基部214とねじ係合するように構成される。図中符号220で示されるねじ構造は、取付けリング222にあるねじ221及びハウジング基部にあるねじ222を含む。先の場合と同様に、カートリッジ206は、媒体が装着されていない状態で示されるが、媒体は、先の実施形態で説明したような典型的な位置に配置されるだろう。
カートリッジ206は上部端部材222を備え、典型的には、先に説明した下部端部材と同様の下部端部材(図示せず)を有するだろう。この場合、上部端部材222は、中央カートリッジ支持体270を備えるプレフォームに装着される。この装着は、例えばスナップフィット、熱溶接、超音波溶接又は接着剤による装着であってもよく、その一例を以下に更に説明する。図示されるように、上部端部材222は、(縦方向に互いに離間して配置された)ハウジングシール又はシール部材239、240を有する。第1のハウジングシール又はシール部材239は、ハウジングカバー215と係合するように配置され、第2のハウジングシール又はシール部材240は、ハウジング基部214と係合するように構成される。図示されるように、上部端部材222は、堅固なねじ係合を実現できるように適切な縦方向間隔を確保するためにアクセスカバー215の中央部分215とハウジング基部214の上端部214uとの間に配置される突起構造222pを有する。
一般的に言えば、図32及び図33の例のアセンブリは、フィルタカートリッジの第1の端部材にあり且つ中心軸Xから第1のハウジングシール又はシール部材239及び第2のハウジングシール又はシール部材240のいずれよりも半径方向外側へ遠く離れた半径方向外側の位置まで突出する突起構造であるハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造を含む。ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、通常先に説明したように機能する。図32及び図33のアセンブリは、点検用カバー215とハウジング基部214との間でねじ係合が使用され且つカートリッジが中央カートリッジ支持体217に装着された第1の端部材222を含む構造で、上記のような種類の特徴をどのようにして実現できるかを示す。
図33には、上部端部材222と中央カートリッジ支持体270との間のオプションのスナップフィット構造又はスナップフィット係合の全体が図中符号280で示される。この場合、上部端部材222のフック部分281が中央カートリッジ支持体270の受入部分282と係合する。スナップフィット係合の場合、上部端部材222の一部及びそこに設けられたシール240のようなシールを媒体を取囲むように配置できる。その理由は、端部材222が所定の位置にスナップフィットされる前に媒体を支持体206に配置できるからである。従って、媒体の周囲で下方へ突出する端部材222の部分222xは、媒体が容易に所定の位置に配置されるのを妨げない。
図32及び図33において、媒体が装着されない状態でカートリッジ206が示されていることは明らかである。図33を参照すると、典型的には、媒体は支持体270の周囲に設けられ、端部材222が所定の位置にある場合に媒体が受入部材222rの中へ突出するような位置まで突出している。
図32及び図33を参照して、カートリッジ6が装着されていない状況を考える。点検用カバー215をハウジング基部214まで押下げ且つリム217を螺合する量だけ回転させると、点検担当者が問題を認識していない場合であっても、取付けリングがハウジングのねじを通り過ぎるまで取付けリングを回し続けることになるだろう。従って、システムに遊びがあるように見え、点検担当者はカートリッジが装着されていないことを認識する。
尚、図28〜図31の実施形態に関連して、端部材が中央カートリッジ支持体に固着されるオプションが説明される。そのようなオプションは、必要に応じて、説明される他の実施形態にも適用可能である。
V.第4の実施形態、図34及び図35
図1〜図33の先に説明した実施形態では、それぞれの場合に、ハウジングシール構造は半径方向に向いたシールであった。別の構造も使用可能である。例えば、カートリッジとハウジングとの間の密封は、アクセスカバー及びハウジング基部と係合する縦方向に互いに離間して配置され且つ軸方向に向いたシール部材によってもよい。その一例は、図34及び図35に概略的に示される構造から理解されるだろう。
図34を参照すると、ハウジング302を備える構造301が示される。カートリッジ306はハウジング302の中に配置される。カートリッジ306は、ハウジングシール構造340を有する上部端部材322を含む。ハウジングシール構造340は、点検用アクセスカバー315と係合するシール部材341と、ハウジング基部314と係合する第2のシール部材342とを備える。一般に、各シール部材341、342は、軸方向に向いたハウジングシール部材である。これは、密封部分がカートリッジ中心軸Xの方向にほぼ向いていることを意味する。シール部材341、342は、端部材322に配置されたスペーサ320により互いに縦方向に離間されている。図34及び図35の実施形態では、ハウジングアクセスカバー315とハウジング基部314との間のねじ係合構造350が示されるが、それに代わる構造も可能である。
図35から、カートリッジ306が装着されていない場合、ハウジングアクセスカバー315とハウジング基部314との間にスペーサ320は位置していないことがわかる。従って、点検用カバーが回されても(螺合されても)、最終的に締付けに至らない緩やかな結合が起こる。これにより、点検担当者は、カートリッジが入っていないことに直ちに気づく。
尚、図34を参照すると、シール又はシール部材341、342は1つのモールド・イン・プレース成型部材360の一体の部分である。これが好都合な製造方法であるが、シール部材341、342が個別に成形される別の構造も可能である。
VI.いくつかの一般概念及び特徴
A.使用例‐図36
次に図36に注目する。図中符号450は、アセンブリ401に係るアセンブリが使用される典型的な機器システムを示す。構造システム450は、例えば長距離輸送トラックなどのディーゼルエンジンを動力とする機器であってもよい。
図36を参照すると、本明細書の説明に従ったエンジン451からのクランクケース換気フィルタガスを濾過するためのフィルタアセンブリ401が示される。フィルタアセンブリ451からの濾過済みガス出口流は、最適な形で空気誘導系統453に至るライン452により示される。空気誘導系統453を出たガスは、ターボ454を介してエンジン451のエンジン吸気口470へ誘導されることができる。従って、図示される例のシステム450では、フィルタアセンブリ401は、アセンブリ401を出た濾過済みガスがエンジン吸気口470に戻される閉鎖型クランクケース換気フィルタアセンブリの一部である。図中符号460は、同様に濾過済み空気を誘導構造453へ送り出す燃焼空気の空気清浄器アセンブリ又はエアフィルタシステムを示す。必要に応じて、濾過済みガス流452をエアフィルタ460又は上流側へ誘導できることは言うまでもない。
本明細書において説明される技術の多くは、開放型クランクケース換気フィルタシステムにも適用可能である。その場合、フィルタアセンブリ451からのフィルタガス出口流は、空気誘導系統453ではなく、大気中へ送り出されるだろう。ライン452のフィルタガス流が本明細書において選択された実施形態に関して説明したような凝縮水を更に含む場合、このような大気中への放出が好ましいだろう。
B.縦方向に互いに離間して配置された第1のシール部材及び第2のシール部材を有するクランクケース換気フィルタカートリッジ
先に説明した例では、「第1の」端部材に縦方向に互いに離間して配置されたハウジングシール又はシール部材を有するクランクケース換気フィルタアセンブリの4つの実施形態が説明された。それぞれの場合で、「第1の」端部材は、使用時に上部に位置する端部材であり且つ貫通する中央流れ開口部を有していた。それぞれの場合、中央空気流開口部は、濾過されるガスが開放されたフィルタ内部空間に流入する場合の「入口」開口部として説明されたが、逆向きに流れる状況、すなわち「外側から内側へ」流れる状況では、第1の端部材の流れ開口部はガス流出口開口部になるだろう。
この点に関連して「縦方向に離間して配置される」という用語は、一般に、第1の端部材が上向きになるように、すなわち通常の使用時にカートリッジが配向された場合にシール又はシール部材の間に間隔が形成されること(密封が起こった時点で)を表す。提示される別の特徴は、カートリッジは周りに媒体が配置される中心軸Xを有し且つ縦方向の間隔は中心軸Xが縦方向に向いている場合の軸Xの方向の間隔であることである。
典型的には、縦方向に互いに離間して配置された第1のシール部材及び第2のシール部材の縦方向の間隔は少なくとも0.5mmであり、多くの場合に1mm以上、通常2mm以上、通常50mm以下、多くの場合に40mm以下、典型的には35mm以下である。多くの場合、この間隔は少なくとも5mmであり且つ30mmを超えない。
典型的には、縦方向の間隔はカートリッジの剛性構造により規定される。すなわち、シール部材は互いに別であり且つ明確に異なり、縦方向の間隔を確保する第1の端部材の剛性構造部分がシール部材の間に設けられる。
尚、例によっては、縦方向に互いに離間して配置された第1のシール部材と第2のシール部材との間に第3のシール部材を配置できる。そのような場合、第3のシール部材は、第1のシール部材及び第2のシール部材の各々から縦方向に離間して配置されてもよいが、その間隔は先に提示した量に対応してもよいし、あるいは対応しなくてもよい。
シール部材のうち種々の部材が1つのシール構成の一体の部分であるか又はフィルタカートリッジに取付けられた個別のシール部材であるかに関して、特段要求される条件はない。更に、各シール部材の種類(半径方向に向いたシール、内側又は外側に向いたシール、軸方向に向いたシール、上向き又は下向きのシール)に関して、特段要求される条件はない。種々の構造の例が説明される。
本明細書において説明される選択された構造では、カートリッジは、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造を含む。そのような構造は、使用時にカートリッジがハウジングに装着された場合、それら2つの構成要素を堅固に係合させるためにアクセスカバーとハウジング基部を適切な距離だけ確実に離間させる。ハウジングのハウジング基部及びアクセスカバーは、典型的には、カートリッジが装着されていない場合(従って、スペーサ構造が機能していない場合)、アクセスカバーをハウジング基部と堅固に係合させることができないように構成される。これにより、アセンブリに正しいフィルタカートリッジが装着されていないことを点検担当者に直ちに気付かせる構造が提供される。図示される選択された例では、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、カートリッジのカートリッジ中心軸が延びる方向に、第1のハウジングシール部材と第2のハウジングシール部材との間に位置する位置から半径方向外側に向くように規定された突起構造を備える。選択された例の構造の場合、スペーサ構造は、第1のハウジングシール部材及び第2のハウジングシール部材の各々の最大半径方向外側延設部分から半径方向外側の位置まで突出する。これが典型的且つ好都合な構造であるが、別の構造も可能である。
図示される例では、シールはほぼ「平坦」である。すなわち、各シールは通常平面により規定される。構造によっては、シールのうち1つ以上は「平坦ではない」シールであってもよい。
多様な種類のシール構造が使用される例が示される。いくつかの構造では、各シール部材は半径方向に向いたシール部材である。2つの半径方向シール部材の各々が半径方向外側に向いたシールである特定の例が提示される。
シール部材が互いにほぼ平行な平面にある例が説明され、特定の例では、それらの平面はカートリッジ中心軸とほぼ直交する。選択された実施形態において、半径方向シールのうち一方はカートリッジ中心軸とほぼ直交する平面にあり、他方のシールはカートリッジ中心軸と直交しない。典型的には、中心軸と直交しないシールは、中心軸に対して垂直な(すなわち中心軸と直交する)平面と少なくとも1°、典型的には30°以下、多くの場合に2°及び20°を含む2°〜20°の範囲内の最小鋭角を成して交差する平面にあることが説明される。
提供される多様な例の中に、シール部材は剛性構造により分離された2つの軸方向に向いたシールであってもよいことを示す例がある。
第1の端部材にある縦方向に互いに離間して配置されたシール部材は、通常各シール部材が2つの分離可能なハウジング構成要素のうち一方を密封するように配置されるように構成される。2つの分離可能なハウジング構成要素は、通常アクセスカバー及びハウジング底部又はハウジング基部である。
図示されるアセンブリでは、特徴は、アクセスカバーが回転(又は回転可能)係止又は結合システムによってハウジング基部に固着されるようなクランクケース換気フィルタアセンブリで使用するために特に構成されているが、別の構造も示される。提示される説明によれば、ねじを使用しない回転係合が示され、また、ねじによる回転係合も示される。
実施形態では、縦方向に互いに離間して配置された第1のハウジングシール部材及び第2のハウジングシール部材は半径方向シール部材であり、各シール部材は最大周囲差渡し寸法を有する。シールが円形であり且つ中心軸と直交する平面にある場合、この最大周囲差渡し寸法は直径である。実際、シールがカートリッジ中心軸と直交しない平面にある場合でも、シールがその平面で円形であるならば、最大周囲差渡し寸法は同様に直径であるとみなすことができる。しかし、シールが傾斜しているか又はシールがカートリッジ中心軸Xと直交しない平面にある場合、シールは若干楕円形の形状になり、中心軸と直交する平面の中に突出すると、円形パターンを規定することもある。
シール部材のうち一方が他方より大きい「最大」周囲差渡し寸法を有する構造が示される。これは典型的な構造であるが、本開示に係る縦方向に互いに離間して配置されたハウジングシール部材のすべての適用用途で特段要求されるわけではない。
フィルタカートリッジが第1の端部材及び第2の端部材を備え、第1の端部材は、縦方向に互いに離間して配置された第1のハウジングシール部材及び第2のハウジングシール部材を有し、第2の端部材は、典型的には閉鎖された端部材、すなわち開放されたカートリッジ内部空間と連通する貫通開口部を持たない典型的な実施形態が説明される。
C.ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造の規定
本開示によれば、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造を含むクランクケース換気フィルタカートリッジが説明される。一般に、「ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造」という用語及びその変形は、カートリッジにあり且つハウジング基部とアクセスカバーとの間に間隔を規定する構造を表す。これは、ハウジング基部とアクセスカバーとの間の係止係合機構をカートリッジが所定の位置にある場合にのみ確実な係止を提供できるような位置に配置させるために使用される。例において図示され且つ説明される特定のハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、回転係止構造、すなわち回転可能な取付けリングによってアクセスカバーがハウジングに固着されるようにハウジングが構成されているクランクケース換気フィルタアセンブリで機能するように構成される。ねじなし係合を使用する係止構造並びにねじ係合を含む係止構造が共に説明される。
いくつかの実施形態では、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、カートリッジにあり且つアクセスカバーとハウジング基部の選択された部分の間の位置まで突出する突起構造である。この突起は、典型的にはシール部材から独立しており、すなわちシール部材自体を含まない。実際この突起構造は、典型的には、いずれのシール部材の最も大きく突出した部分をも越えた位置まで半径方向外側へ突出する。
第1のシール部材及び第2のシール部材に軸方向シール部材が使用される一実施形態では、スペーサ構造は、カートリッジから半径方向外側へ突出しない2つの軸方向シール部材の延設部分である。しかし、スペーサ構造は、ハウジングカバーが回転可能結合によって所定の位置に固着されるように構成されている場合であってもハウジングと係合するような位置に配置される。
典型的には、スペーサ構造は、少なくとも0.5mm、典型的には少なくとも1mm、多くの場合に2mm、通常は少なくとも3mm以上、場合によっては5mm以上の縦方向スペース寸法を有するように構成される。典型的には、スペーサ構造は約50mmより広い空間を規定するようには構成されず、スペースは典型的には約40mm以下であるが、別の寸法も可能である。
D.フィルタカートリッジと点検用カバーとの係合のための回転位置合せ構造の実現
例示的な構造において、使用時にカートリッジ6と点検用カバーアセンブリ15の一部との正しい回転位置を確保する回転位置合せ構造が設けられていた。図1〜図29の実施形態では、図26及び図27に関連して、第1の端部材22にある突起94と中央カバー部分50にある内側突起90との間に設けられた回転位置合せ構造が説明された。一般に、回転位置合せ構造は、カバー部分50とカートリッジ6との正しい係合が起こったことを示す。図示される特定の回転位置合せ構造は、アクセスカバー50の突起94を備える突起構造が点検用カバー構造15にある受入部分又は間隙90r、90xを備える受入部分構造に対して適切に回転位置合せされない限り、点検用カバーにある突起部材78がアクセスカバー50と完全に係合できないような突起/受入部分構造である。別の構造も可能である。
E.別の構造及び説明される種々の実施形態における特定の特徴の実現
尚、種々の実施形態に関して説明した代替特徴を他の実施形態で実現することは可能である。例えば、図1の実施形態は、アクセスカバーとハウジング基部との間のねじを使用しない回転係止ではなく、ねじ係合構造を使用して実現することができる。実際、図1の実施形態の種々の特徴によって種々の実施形態の構造を実現できる。更に、図30の実施形態では、アクセスカバーは、ハウジング基部のハウジングに取付けるために全体として回転可能であるものとして示されている。その代わりに、回転可能な取付けリングによってアクセスカバーを取付けることができる。
種々の実施形態において、ねじによる取付け構造とねじを使用しない取付け構造とを入れ替えて使用することができる。どちらを使用するかは、所定のシステムに合わせた選択肢の問題である。
尚、種々の実施形態は部分図で示される。それらの実施形態におけるハウジング及びカートリッジの他の特徴は、先に他の実施形態に関して説明した特徴の変形であってもよいが、別の構造も可能である。
VII.使用可能な媒体
気液分離に適する多様な媒体を使用可能であり、関心ある用途に対してどの媒体を選択するかは、本明細書において説明される特定の特徴の多くにとり重要ではない。使用可能な媒体の例は、本明細書に参考として取入れられている国際公開第WO2006/084282号、国際公開第WO2007/0535411号、国際公開第WO2008/115985号及び国際公開第WO2006/91594号に記載される媒体である。
VIII.更なる例示的な実施形態、図37〜図56
図37〜図56には、付加的な実施形態が示される。図37〜図56の構造は、先に説明した実施形態で示され且つ説明された特徴の多くを含む。実際、図37〜図56の実施形態は、図1〜図27の特定の実施形態の改良及び変形とみなすことができる。
一般に、図37〜図56の実施形態において同様に特徴付けられ、説明され且つ/又は図示される特徴は、図1〜図27の実施形態に関して説明した特徴と類似する機能/作用/利点を提供する。実際、図37〜図56の実施形態は、図1〜図27に関して説明した寸法に類似する寸法で実現できるが、別の寸法も可能である。
まず、図37を参照すると、図中符号501は、クランクケース換気フィルタアセンブリの全体を示す。アセンブリ501は、ガス流入口構造503、ガス流出口構造504及び液体(油)排出出口構造505を有するハウジング502を備える。ハウジング2の中には点検可能フィルタカートリッジ506(図37には図示せず。図39の横断面図を参照)がある。尚、アセンブリ501は、凝縮水の排出に関して、先に説明した構造1と同様のオプションの特徴を使用する。従って、出口504は凝縮水排出出口構造509でもある。先に説明した実施形態と同様に、1つの管として示されている流れ構造503、504及び505を多重管構造又は多重開口部構造として構成できることは言うまでもない。
更に図37を参照すると、ハウジング502は、一般に、アクセスカバー又は点検用カバー構造515が取外し可能に固着されているハウジング基部又はハウジング底部514を備える。図1のアクセスカバー又は点検用カバー構造15と同様に、ハウジング502の内部空間502iの点検時に、カバー構造515をハウジング基部514から取外すことができる。これにより、(点検可能)フィルタカートリッジ506をハウジングの中に装着すること及びハウジングの中に配置されているフィルタカートリッジ506を取出すことが可能になる。
アセンブリ1と同様に、点検用カバー構造515とハウジング基部514との結合相互作用又は取付け相互作用は、回転相互作用構造である。すなわち、点検用カバー515とハウジング基部514を堅固に結合するために、点検用カバー515の少なくとも一部は、ハウジング基部514に対して回転される。同様に、これは典型的な構造であるが、本明細書において説明される技術が適用されるあらゆる用途で要求されるわけではない。
図1のアセンブリと同様に、本例のガス流入口構造503は、アセンブリ501にガス流を流入させるために、通常上方へ突出するように構成された上部ガス流入口構造である。これが典型的な構造であるが、同様に別の構造も可能である。
尚、更に図37を参照すると、アセンブリ501は、ハウジング基部502に、本例では基部514に取付けられた取付けパッド構像518を含む。図示される特定の取付けパッド構造518は取付け支柱、パッド又は受入部分518xを備え、各取付けパッドは、典型的には、ボルト又は類似の結合構造と係合するためのねじ付き金属挿入部分を有するが、別の構造も可能である。
尚、更に図37を参照すると、図示される特定の例のアセンブリ501の場合、ガス流入口構造503は点検用アクセスカバー515にあり、ガス流出口構造504及び凝集液体排出出口構造505は、ハウジング基部514にある。同様に、別の構造も可能であるが、このような構造が典型的である。
図39は、図37の線39‐39にほぼ沿った横断面図である。図39において、横断面図は、ハウジング502の内部空間502iの中に動作可能に配置された先に示したカートリッジ506を示す。図39を参照すると、一般に、カートリッジ506は、開放されたフィルタ内部空間521の周囲に配置された延設媒体520を備える。媒体520の一端部520aは端部材522に隣接して配置される。端部520aは、使用時に上側に位置する端部である。図示される例のカートリッジ506の第2の端部520bは、端部520aとは反対側の端部であり、端部材523に隣接して配置される。従って、図示される例のカートリッジ506の場合、媒体520は、第1の端部材522と第2の端部材523との間に延設される。
先に説明した実施形態と同様に、ハウジング502、アセンブリ501及びカートリッジ506は、図39の長手方向中心軸Xを有すると特徴付けることができる。一般に、本明細書の説明中、中心軸Xが延びる方向は「軸方向」と呼ばれ、特徴が「軸方向に互いに離間して配置される」と特徴付けられる場合、それらの特徴が長手方向軸Xの方向に互いに離間していることを意味する。長手方向軸Xは、通常、典型的な使用時には縦方向の軸であるので、それらの特徴を「縦方向に互いに離間して配置される」と特徴付けてもよく、「縦」、「縦方向」及びその変形は、長手方向に延びる方向又は軸方向と同一の方向を表す。
更に図39を参照すると、動作中、クランクケースガス又はエンジンのブローバイガスは、入口構造503を介してアセンブリ501の中に導入される。その後、ガスは端部材522の流れ開口部522aを通過し、開放されたフィルタ内部空間521に流入する。そこで、ガスは(濾過されつつ)媒体パック520を通過し、環状流路525に入る。環状流路525は濾過済みガス流出口構造504とガス流連通している。
先に説明した実施形態と同様に、動作中、ガスに含まれる液体は媒体520の中で凝集し、液頭を形成する。重力の作用によって、その液体は外側へ流れ、媒体520(及びカートリッジ506)から排出されようとする。液体の一部は、ハウジング底部又はハウジング基部514の下端部514bで下方へ排出される前に媒体パック520の下流側周囲部(本例では外周部)520pに達し、最終的に、重力の作用により、更には図示されるような漏斗状構成に助けられて、凝集液体排出出口構造505まで流れる。媒体軸方向重ね合せ排出構造523oを使用することにより、液体の一部は媒体の下端部520bから直接下方へ流れることができる。先に説明した実施形態と同様に、構造523oは、本明細書に参考として取入れられている国際公開第WO2007/053411号に記載される原理を使用するオプションの好都合な媒体軸方向重ね合せ排出構造であってもよいが、別の構造も可能である。
一般的に言えば、媒体軸方向重ね合せ排出構造523oは、下部端部材523により液体の下方への排出を直接妨げられていない媒体520の下端部520bの1つ以上の部分を備える。図示される特定の例示的な実施形態では、媒体軸方向重ね合せ排出構造523oは、第2の端部材523(装着時に下部に位置する端部材)にあり且つ/又はそれを貫通し、端部520bから液体を直接下方へ排出させるスペーサ又は開口部を備える。尚、用途によっては、媒体軸方向重ね合せ排出構造523oは、端部材523のどの延設部分をも越えて(半径方向外側へ)延出する媒体端部520bの部分を含むか又は備えることができる。
図39を参照すると、媒体軸方向重ね合せ排出構造523oの特徴の1つは、下部端部材523の外周部523pにある複数の凹部523rであり、各凹部は媒体520の下方(すなわち媒体520と重なり合う)の位置まで半径方向内側へ延びる。第2の例の特徴は開口部構造であり、図示される例では、開口部構造は媒体520の下方の位置にあり、端部材523を貫通する複数の開口部523aを備える。先に説明した実施形態と同様に、媒体軸方向重ね合せ排出構造523oが説明され且つ図示される特定の種類の特徴のいずれか一方又は双方を備えることは特段要求されない。更に、媒体軸方向重ね合せ排出構造が設けられている場合、媒体520から排出されるすべての液体が媒体軸方向重ね合せ排出構造523oを介して排出されることも要求されない。液体の一部は、媒体520の外周部520pから外側へ排出されるように誘導される可能性もある。
尚、更に図39を参照すると、ハウジング基部又はハウジング底部514の内面528で水蒸気が凝縮した場合。その水は、この場合はガス流出口504でもある凝縮水蒸気出口509まで下方へ排出されることが可能である。従って、ハウジング基部又はハウジング底部514は、側壁532及びオプションの凝集水回収/排出構造529を含む。図示されるオプションの水回収/排出構造529は、先に説明した排水溝330と同様の排水路又は排水溝530を備える。通常排水溝530は、出口535から排出構造509(すなわちガス流出口504)の中まで漏斗状に水を送り出すために傾斜している。
先に説明した構造と同様に、カートリッジ506はハウジングシール構造を備える。ハウジングシール構造は、ハウジング502に流入したガス流が媒体520を迂回してガス流出口504に達するのを抑止する。図39及び図40を参照することにより、図示される特定のアセンブリ501のハウジングシール構造を理解できる。
図39を参照すると、先に示したようにカートリッジ506は、図示される例では対向する端部材522、523の間に配置された媒体520を備える。図示されるアセンブリ501の場合、カートリッジ506は、各々が少なくとも1つのシール又はシール部材539、540を有する第1のハウジングシール構造537及び第2のハウジングシール構造538を備えるハウジングシール構造を具備する。図示される例では、ハウジングシール構造は、第1の端部材522にそれぞれ配置された第1のハウジングシール又はシール部材539及び第2のハウジングシール又はシール部材540を備える。第1の端部材522は、典型的には、シール部材539、540を支持する剛性構造部材(金属又はプラスチック)として構成される。
以下に更に詳細に説明されるように、図示される例では、端部材522は、媒体506が周囲に示されている内側支持体を含むスプールの一部を備え、端部材523も同様であるが、別の構造も可能である。このようにカートリッジ506が構成されている場合、端部材522を説明するということは、一般に、媒体506に隣接し且つ媒体506の端部520aと重なり合うように配置された構造部材を説明することであり、媒体により取囲まれた内側支持体は参照されない。すなわち、第1のシール部材539及び第2のシール部材540は端部材522に配置され、端部材522自体は、媒体520の端部520aに隣接して配置される。
図示される例では、先に説明した構造と同様に、シール部材539、540は軸方向に(すなわち縦方向に)互いに離間して配置される。先の場合と同様に、「縦方向に互いに離間して配置される」という用語は、中心軸Xが縦方向に延びている状態でカートリッジ506が位置合わせされた場合にシール又はシール部材539、540が互いに縦方向に離間して配置されることを意味する。この点に関連して「軸方向に互いに離間して配置される」という用語及びその変形は、中心軸Xのほぼ延設方向に間隔があることを意味する。通常、第1のシール又はシール部材539と第2のシール又はシール部材540との縦方向間隔の量は少なくとも0.5mm、通常は少なくとも1mm、典型的には少なくとも2mm、多くの場合に少なくとも5mm、例えば8mmである。典型的には、この間隔は50mm以下、通常は40mm以下、多くの場合に30mm以下であるが、別の寸法も可能である。例えば、多くの実施形態において、この間隔は、5mm及び40mmを含む5〜40mmの範囲内であり、多くの場合に8mm及び30mmを含む8〜30mmの範囲内である。
典型的には、シール部材539、540は、先に図1〜図27の実施形態に関して説明したように互いに隔離される(且つ互いに一体ではない)が、別の構造も可能である。第1のシール又はシール部材539及び第2のシール又はシール部材540は、シール材料の1つのオーバーモールド又は成形部分の一部として互いに一体に形成されることも可能であり、所望のシールを形成するために、各部分は適切に離間して配置される。先に示したように、本明細書において、構造が第1のシール又はシール部材及び第2のシール又はシール部材を含むと言う場合、とくに指示のない限り又は各シール又はシール部材が本来互いに別であると考えられる構造をそれぞれ備えると示されない限り、それは、シール又はシール部材が互いに完全に別に形成されるか否か及び/又はシール材料から成る1つの一体の領域の一部であるか否かを述べるものではない。
本明細書において、第1のハウジングシール部材539及び第2のハウジングシール部材540が先に特徴付けられたように互いに縦方向及び/又は軸方向に離間して配置されると言う場合、それは、例えば第1のシール部材と第2のシール部材との間に配置される第3のシール部材のような追加のシール部材が存在しないこと又はそのような追加のシール部材を配置できないことを示唆するものではなく、また、第1のハウジングシール部材539及び第2のハウジングシール部材540のいずれか一方又は双方から、第1のシール部材及び第2のシール部材の互いの離間距離に関して先に挙げた好適な量より少ない量だけ縦方向又は軸方向に離間して、そのような第3のシール部材を配置できないことを示唆するものでもない。実際、以下の更なる説明から理解されるように、図示される特定のカートリッジ506は、第1のシール部材と第2のシール部材との間に第3のシール部材を含む。
典型的には、カバーアセンブリ又は基部514が互いに分離可能であるハウジング502の場合、第1のシール部材539は、カバーアセンブリ515の一部を解放可能に密封するように配置されたハウジングシール又はシール部材であり、第2のハウジングシール又はシール部材540は、ハウジング基部514の一部を密封するように配置される。従って、入口503を介して流入したガス流が濾過されないまま出口504に達することはありえない。入口503を介して流入したガス流は開口部522aへ送り出され、アクセスカバー515と基部514との間でハウジング501からガス流が漏れ出す事態は抑止される。
本明細書において、ハウジングシール又はシール部材が「解放可能なシール」又はその変形を形成するように配置されると言う場合、先に示したように、それは、カートリッジ506がハウジング502の中に正しく装着された場合にシールが係合し、シールが密封しているハウジング502の部分からカートリッジ506が分離された場合、ハウジング又はシールのいずれをも損傷させることなくシールの係合が解除されることを意味する。
尚、更に図39を参照すると、図示される例のカートリッジ506の場合、第2のシール部材540は、カバーアセンブリ515と係合する追加の(第3の)シール部材541を更に含むシール構造538の一部を備える。このことは以下に更に説明される。一般に、ハウジングシール構造540がハウジング基部514と係合するように構成されると言う場合、それは、シール部材540がアクセスカバー構造515と係合する部分541のように、いずれか他の位置と係合する追加のシール部分を更に有するか又は含まないシール構造538の一部であるか否かを特定して指示するものではない。
次に、図39の一部の拡大部分図である図40を参照すると、シール構造538、シール部材540及びシール部材541を更に詳細に見ることができる。
図38に注目する。図38は、異なる位置の横断面であることを除いて、図39と同様の横断面図である。一般に、上から見た場合、アセンブリ501は、図39の出口管504の全体が見えなくなるように、図39から反時計回りに回転されていることがわかる。図38において、先に説明した特徴に対応する特徴は、同一の図中符号で示される。
次に、アセンブリ501の種々の展開図が示される図41及び図42に注目する。
まず、図41を参照すると、ハウジング基部514からカバーアセンブリ515が分離された状態でアセンブリ501が示される。一部がハウジング基部514から取外されているカートリッジ506を見ることができる。尚、図41の図は部分展開図であり、通常の点検作業中に構成要素が(現場で)どのように分離されるかを表す。
図11の構造と同様に、図示される特定のアセンブリ501のカバーアセンブリ515は、中央部材又は中央カバー(部分)550及び周囲取付けリング551を備える。図示される例では、点検用カバーアセンブリ515がアセンブリ501に配置される場合、取付けリング551は中央部材(中央カバー)550に対して回転可能である。取付けリング551は、係止(締付け)位置と解除(緩め)位置との間で回転可能である。取付けリング551が解除位置にある場合、アクセスカバー又はカバーアセンブリ515をハウジング基部514から取外すことができる。取付けリング551を係止(締付け)位置まで回転させると、カバーアセンブリ515をハウジング514から分離することはできなくなる。図41の展開図において、取付けリング551は、ハウジング基部514に対して係止位置又は締付け位置に回転位置合せされていることがわかる。
尚、更に図41を参照すると、図示される特定のアセンブリ501では、取付けリング551及びハウジング基部514は、上から見た場合、通常、締付け位置又は係止位置へ回転させるときの向きは時計回り方向の回転であり且つ解除位置への回転は反時計回り方向の回転であるように構成される。逆の向きに動作する構成も可能であることは言うまでもない。
次に図42に注目する。図42は、アセンブリ501の第2の上面斜視(等角投影)展開図である。図42は、図41から更に構成要素を分離させた図であり、実際、点検作業中に部品をどのように分離させるかということではなく、選択された構成要素を組立て時にどのように形成できるかを示す。
例えば、図42を参照して、ハウジング基部514に注目する。図42には、取付けパッド518xから分離されたねじ付き挿入部材518zが示される。通常、基部514にねじ付き挿入部材518zが挿入され、組立てられた後、製品の通常の寿命の間に挿入部材518zが再び分離されることはない。図42を参照すると、中央部材550及びリング551も展開又は分離された状態で示される。通常、構造501が最初に組立てられる間に、それら2つの部品が一体に固着(例えばスナップフィット)された後、典型的には、それらの部品が製品の寿命の間に再び分離されることはない。
更に図42を参照すると、端部材522から分離された状態で、シール部材又はシール構造538が示される。典型的な組立ての場合、シール部材538が端部材522の所定の位置に装着された後、カートリッジ506の使用寿命の間、シール部材538が再び分離されることは通常ないが、別の構造も可能である。シール部材538は、他の図に関連して以下に更に説明される。
尚、図42にも、すべての構成要素が完全に展開された形で示されているわけではない。例えば、シール539は、カートリッジ506に配置された状態で、その周囲に配置されたシール部材として示される。更に、図示されるように、媒体520はカートリッジ506の一部として配置されている。
取付けリング551の作用は、先に図1〜図27の構造に関連して説明したリング51と同様である。取付けリング551は、各々が半径方向内側へ突出する下部突起551r(図39、図40を参照)を有する複数の係止突起551pを備えた係止突起構造551xを含むことが理解できる。図37〜図41のカバー515がハウジング基部514に配置された後、下部突起551rがハウジング基部514の図41の突起514pの下方に入るまで取付け551を回転させることができる。ハウジング基部514及び取付けリング551は、当該機器の振動によって係止が外れるのを抑止するための締まり嵌めの構成を備えることができる。また、突起514pは、係止を容易にするために係止突起551pと最初に係合するカム係合面を備えることができる。そのようなカム構造は、図41に図中符号514cで示される。
図1〜図27の構造と同様に、取付けリング551は、アクセスカバー515を所定の位置に係止している間にカバー中央部分550とは無関係に回転するように構成される。従って、係止が外れた後、アクセスカバー515全体を取外すことができる。中央部材550にはオプションの指標554を設けることができ、それらの指標554は、取付けリング551に設けられる付加的な指標と共に、係止位置又は解除位置に達したことを示すように構成される。
図1〜図27の構造と同様に、図示されるような取付けリング551(すなわち点検用カバーアセンブリ515)とハウジング基部514との係合は、「ねじを使用しない回転係合構造」による。本例の回転係合構造は、リング551にあり且つ(係止中に)ねじを使用する係合を伴わずにハウジング基部514の複数の突起又はホルダ514pと位置合わせされる複数のホルダ又は係止突起551pを備える。別の構造では、図1の実施形態の原理の多くと組合せて、ねじ構造(回転係合構造の1つの形態)を使用できることは言うまでもない。
次に、カートリッジ506及びカートリッジ506に装着される構成要素の構成に関して、図43〜図54に注目する。図43〜図45には、カートリッジ506の種々の側面図が示される。図44を参照すると、図示される特定の第1のシール部材539は、中心軸Xと直交しないシールを規定する。実際、本例において、シール部材539は、中心軸Xと直交しない平面シールを規定する。図43の図はシール539の高い側に向かって見た図であり、図45の図は、シール539の低い側に向かって見た図である。シール539は以下に更に説明される。
図46には、カートリッジ506の底面等角投影図又は斜視図が示され、図47には、カートリッジ506の上面等角投影図又は斜視図が示される。
図48には、図43の線48‐48にほぼ沿った概略横断面図が示される。図48を参照すると、カートリッジ506は、開放されたフィルタ内部空間521及び軸Xを取囲むように配置された延設媒体520(両端部520a、520bを有する)を備える。図示される例のカートリッジ506では、一端部520aは、第1の端部材522に隣接して配置され且つ第1の端部材522と重なり合う。図示される例において、第2の端部520bは、端部材、この場合は第2の端部材523と係合する。従って、図示される例の構造506の場合、媒体520は端部材522、523の間に延設される。
一般に、図48を参照すると、典型的なカートリッジ506では、媒体520は中央カートリッジ支持体570を取囲むように配置される。図示される例において、中央カートリッジ支持体570は、交差リブ又は半径方向リブ572と相互に結合されることにより、使用時にガス流が通過できる開放された多孔質構造を規定する複数の長手方向延設部分又はリブ571を備える。
典型的には、媒体520は、中心軸Xの周りに配置されたほぼ円筒形の構成であるが、別の構成も可能である。媒体520は、必要に応じて支持体570の周囲に巻付けられた媒体の複数の巻線又はコイルから/によって形成されたコイル状構成であってもよい。これが典型的な構造である。尚、典型的には、媒体520は、(巻付け前に)端部材522、523の間の距離よりわずかに長い長さ(端部520a、520bの間の延設方向に見て)を有する。これにより、媒体の装着時の媒体520と部材522、523との間に間隙が形成されることがなくなるので、媒体と端部材522、523との間に接着剤又はポッティング剤は通常不要である。図示されてはいないが、媒体520と端部材522、523との間の漏れ流路の形成を回避しやすくするために、媒体520と締まり嵌め係合するリブ構造又は他の締まり嵌め構造を端部材522、523の一方又は双方に配置することができる。
更に図48を参照すると、図示される例のカートリッジ506は、底部端部材523と一体に形成された中央カートリッジ支持体570を備える。これが典型的な構造であるが、別の構造も可能である。
また、図示されるカートリッジ506は、カートリッジ支持体570と一体に形成された上部端部材522を有する。これも典型的な構造であるが、別の構造も可能である。
更に図48を参照すると、図示されるように、端部材520、中央支持体570及び端部材523が互いに一体に形成されている場合、それにより形成される構成は、通常周囲に媒体520を巻付けることができるスプール573であり、組立てに好都合である。これは、本開示に係る原理を使用する多くのカートリッジ構造で使用するのに便利なシステムであるが、別の構造も可能である。
更に図48を参照すると、図示される特定のカートリッジ506では、底部端部材523は、開放されたフィルタ内部空間521の延設部分沿って閉鎖される。すなわち、カートリッジ506の中央部分523cは閉鎖されている。すなわち、貫通する開口部を持たないが、用途又は本明細書において説明される原理によっては別の構造も可能である。そのような閉鎖された端部材523は、濾過中にガスが「内側から外側へ」流れるように構成されたカートリッジ506、すなわち、通常ガスが媒体520の内周部520iから外周部520pに向かって流れる間に濾過が起こるカートリッジ506の場合には典型的な構造である。尚、本明細書において説明される特徴の多くは、カートリッジが逆方向の流れに、すなわち濾過中に「外側から内側へ」向かう流れに対応して構成されているようなアセンブリにも適用可能である。
更に図48を参照して、端部材522に注目する。尚、図示される特定のカートリッジ506の場合、媒体520のどの部分を取囲む位置にもシール部材は配置されず、上部端部材522で、媒体520を取囲む位置まで下方へ突出する部分はない。カートリッジ506が周囲に媒体520が巻付けられる前述のようなプレフォーム又はスプール(互いに一体に形成された端部材522、中央支持体570及び端部材523を備える)を使用して組立てられる場合、このような構造は媒体の巻付けを容易にするので、典型的な構造である。しかし、本明細書において説明される原理の多くは、別の構造、例えば端部材522、523及び支持体570のうち1つ又は2つが他の構成要素とは別に形成され且つ組立て中に、例えばスナップフィット、超音波溶接、熱溶接又は接着剤によってそれらの部品が一体に固着されるような構造にも適用可能である。
図48において、第1の端部材522は、図示される例では通常の使用時の位置である媒体520の「上方の」位置にあることがわかる。前述のように周囲に媒体520が巻付けられるプレフォーム又はスプール573を使用してカートリッジ506が組立てられる場合、これが典型的な構造である。同様に、別の構造も可能である。
図47を参照すると、カートリッジ506は、第1の端部材522の外周部の周囲で上方へ突出し且つ図47の媒体520の上方に凹部領域522yを規定する周囲リング522zを第1の端部材522に有することがわかる。周囲突起522zは、典型的には、シール又はシール部材540のうち1つをある程度支持するように構成された剛性構造である。
更に図47を参照すると、端部材522の上面522uは通常領域522zにより取囲まれている。端部材522は、面522uから上方へ突出する流れ突起522sを含む。シール部材539は流れ突起522sに取付けられる。端部材522は、補強のために周囲部分522zと突起522sとの間に突出するオプションの支持フランジ522fを更に含む。図48は、フランジ522fのうち2つを通るような横断面図であり、従って、図48には端部材522の凹部領域522yは示されていない。
図48に示されるように、第1の端部材522は、貫通する中央開口部522aを含む。中央開口部522aは、典型的には軸Xと一致する端部材522の中心を通るガス流開口部である。図示される例のアセンブリでは、濾過されるガス流は開口部522aを介してカートリッジ内部空間521に流入するので、開口部522aはカートリッジ506のガス流入口開口部である。これは、「内側から外側へ」流れる構造では典型的である。
更に図48を参照すると、ハウジングシール部材539は中央突起522sに取付けられ、図示される例では、Oリング539oを備える。Oリングは典型的な構造であるが、モールド・イン・プレース成型シールなどの別の構造も可能である。
シール部材540は、典型的には端部材522に事前に成形され且つ第1の端部材522に嵌合されるシール構造538の一部であり、端部材522の一部は周囲凹部522kとして形成される。図示される部材538は、2つのシール部材、すなわち、先に説明したシール部材540を構成する半径方向外側へ突出するリング又はリブと、外側に向いた上部シールフランジ541とを含む。シールフランジ541は、少なくとも一部が軸方向に媒体520から離れる方向に突出するように、すなわち少なくとも一部が長手方向軸Xの方向にあるように構成されたシールフランジとして見ることができる。更に、図示される特定のフランジ541は、媒体520及び端部材522から離れるにつれて、中心軸Xから半径方向外側へ突出する。フランジ541は、一般に、密封力がほぼ軸方向に向いている状態で関連するハウジング部分と係合するので、軸方向シールフランジとして見ることができる。
図39及び図40の横断面図を参照すると、図示される例のシールリング540は、ハウジング基部514の内面の上部に対して半径方向外側に向いたシールを規定する。シールフランジ541は、本例では、アクセスカバー515の中央部分550にある周囲フランジ550pとリップシールとして軸方向に係合するように構成される。シール541は、使用時に、カバーアセンブリ515と基部514との間でガス流がアセンブリ501に出入りするのを抑止する。シール541は有効であるが、少なくとも何らかの利点を得るために、本明細書において説明される技術が適用されるあらゆる用途で要求されるわけではない。
シールリング538は、ゴム又はAEM(場合によってはAECMと呼ばれるエチレンアクリル系ゴム)などのゴム状材料から事前に成形可能であり、その後、端部材522に嵌合するように延伸させることができる。図52〜図54には、カートリッジ506の他の部分から分離されたシールリング538が示される。図51には側面図が示される。図52には平面図が示される。図53には、図52の線53‐53に沿った横断面図が示される。
尚、図示される例のシールリング538は、複数の(図示される例では4つの)開口部538aを有する。それらの開口部538aは、シールリング538がカートリッジ506の他の部分に取付けられた場合に端部材522の対応する部分をそれらの開口部を通して突出させるような大きさに形成され且つそのような位置に適切な間隔で配置された取付け開口部である。図48には、端部材522にあるそのような突起522mのうち2つが開口部538aのうち2つを通して突出していることが示される。
端部材522が半径方向外側に向いた複数の突起522mを含むことは、図46及び図47の斜視図から理解されるだろう。また、シールリング538は、それらの突起522mをシールリング538を貫通して半径方向外側へ突出させるように構成されることも理解されるだろう。図41を検討すると、突起522mはハウジング基部514の上部にある受入部分560に嵌合することが理解されるだろう。
更に、図39及び図40を検討することにより、カートリッジ506が装着されていない場合、突起522mがあるためにアクセスカバー515はハウジング514から十分に遠く離れた位置に位置しているので、リング551を回転させても締付け係止は起こらないことが理解されるだろう。このように、アセンブリ501は、図1〜図27のアセンブリ1と同様に機能する。
更に一般的に言えば、図1〜図27の構造と同様に、図37〜図56のアセンブリは、ハウジング基部/アクセスカバー(又はアクセスカバー/ハウジング基部)スペーサ(又は縦方向スペーサ)構造をカートリッジ506に含む。例のハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、カートリッジ506が正しく装着された場合にハウジング基部514の一部とアクセスカバー515の一部との間に位置するようになるカートリッジ506の一部(図示される例では、スペーサ又は突起522mの一部であり且つシール材料を含まない)を備える。スペーサ構造により間隔が規定されるので、取付けリング551を回転させても、取付けリング551は緩まない。すなわち適正な締付けが実現される。例えばアセンブリ501の中にカートリッジ506が入っていないためにスペーサ構造がない場合、取付けリング541は緩み、すなわちハウジング基部514と堅固に係合しない。
図示される例では、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、中心軸Xが延びる方向に第1のハウジングシール部材539と第2のハウジングシール部材540との間に位置する位置から半径方向外側へ突出するように向きを規定された突起構造(すなわち突起522m)を備える。また、図示される例では部材522mを備えるスペーサ構造の突起構造は、中心軸Xからの第2のハウジングシール部材540の最大半径方向外側突出部分又は延設部分から半径方向外側の位置まで突出し、図示される例では、中心軸Xからの第1のハウジングシール部材539の最大半径方向外側延設部分から半径方向外側の位置まで突出する。
次に、カートリッジ506の平面図である図51に注目する。図51からわかるように、突起522mは、端部材522の周囲部から半径方向外側へ突出する。支持体570の中のリブ571を見ることもできる。尚、リブ571x及び571yは、互いに隣接して配置され且つ使用時にアクセスカバー515の一部と共に回転指標となる。これに関連して、端部カバー又は端部カバーアセンブリ515の下面等角投影図を示す図55の図に注目する。中央突起565は複数の溝穴又は受入部分566を有することがわかる。突起565は、対のリブ571x、571yが幅広の溝穴566xと係合するようにアクセスカバー515とカートリッジ500が回転位置合わせされない限り、突起565を図51の中央開口部522aの中へ完全に押下げることができないように十分な長さを有する。これは、カートリッジ506がハウジング514に配置された後、突起565がカートリッジ506に対して選択された1つの回転位置に入った場合に限りアクセスカバー515を正しく位置決めできることを意味し、中央部分550のその他の部分に関しても同じことが当てはまる。
一般的に言えば、アセンブリ501は、アクセスカバー/フィルタカートリッジ(又はフィルタカートリッジ/アクセスカバー)回転指標構造又は回転位置合せ構造を含む。この回転指標(又は位置合せ)構造は、カートリッジ506に関して選択された回転位置への位置合せが実現された場合に限りアクセスカバー515を装着できるようにする構造である。図示される例のアセンブリ501の場合、この回転位置合せ構造において、正しく組立てが実行されている間にアクセスカバー515とカートリッジ506との間で許容される選択された回転位置はただ1つである。この1つの選択された回転構造は、対の隣接するリブ571x、571yが幅広の溝穴566xに受入れられた場合の構造である。しかし、更に一般的にいえば、これは、選択された位置、図示される例ではただ1つの半径方向整列位置でのみ正しく係合するように割出されるカートリッジ506とアクセスカバー515との相互作用のための突起/受入部分構造として見ることができるが、別の構造も可能である。
再び図43〜図45を参照すると、図示される特定のアセンブリ501、特にカートリッジ506では、第1のシール部材539は中心軸Xと直交しない。実際、図示される例の場合、シール部材539は、中心軸Xと直交せずに延在するシール面を規定する。典型的な構造では、シール539は、中心軸Xと直交する平面と1°以上、通常は30°以下、多くの場合に2°以上20°以下の範囲内の図4に示される鋭角Zを成すシール面を規定する。
次に図39を参照すると、図示される例では、シール又はシール部材539は、アクセスカバー515の中央部材550にあるシールフランジ580に当接して半径方向シールを形成するように構成される。図示されるように、特定のシール部材539はOリングであり、外側に向いたシールを形成するように構成されるが、別の構造も可能である。
シールフランジ580は図55に示される。アセンブリは、アクセスカバー515とフィルタカートリッジ506との間に先に説明した回転位置合せ構造を含むので、カートリッジ506の第1のシール部材539との間にシール面を形成するフランジ580の内面は、1つの回転位置でのみシール部材539と正しく係合するように構成できる。
更に図55を参照すると、先に説明した特徴は、一体に嵌合されてアセンブリ515を形成する中央部分550及び周囲取付けリング551を含み、周囲取付けリング551には、半径方向内側突起551rを有する係止突起551pがある。突起551rは、図41の突起514sとの相互係止作用を助けるための戻り止め構成又はそれに類似する構成を有することがわかる。また、図55の突起551zは、ハウジング基部の特徴と係合した後は容易には分離しない相互作用を容易にするために使用可能である。
次に、カートリッジ506の底面図である図49に注目する。図示される下部端部材523は、互いに離間して配置された突起590により規定される外周部523pを有する。尚、突起591のうち1つの突起の半径方向外側への延出量は、その他の突起のうち大部分の(本例ではすべての)突起の半径方向外側への延出量より少なくなっている。これは、カートリッジ506とハウジング基部514との間の好適な半径方向位置合せ又は半径方向指標を実現するのに有効であり、そのことは、図56を参照することによりある程度理解できる。
図56を参照すると、ハウジング基部514は、底部514bを取囲み且つそこから上方へ突出する内側フランジリング又は内壁532を含む。リブ593は壁532の内側に沿って設けられる。一般に、半径方向に短い突起591を除いて、図49のどの突起590も、リブ593と衝突して、カートリッジ506が基部514の中へ完全に押下げられるのを妨げるだろう。従って、短い突起591がリブ593と位置合せされるようにカートリッジ506が回転されない限り、カートリッジ506をハウジング基部514の中へ完全に押下げることはできない。図示される例の場合、これは、1つの選択された回転位置でのみカートリッジ506をハウジング基部514に装着できることを意味する。言うまでもなく、別の数の回転位置への位置合せを可能にするために、2つ以上の突起を短い突起として形成できるだろう。
一般的に言えば、図37〜図56のアセンブリは、ハウジング基部/フィルタカートリッジ(又はフィルタカートリッジ/ハウジング基部)回転位置合せ(指標)構造を含む。回転位置合せ(指標)構造は、選択され且つ規定された回転位置にある場合にのみカートリッジ506をハウジング基部の中へ完全に押下げることができるように構成される。この回転位置合せ構造は、一般に、円形ではなく且つ選択された回転位置にある場合にのみハウジング基部514に完全に挿入できるような大きさ及び形状を有するように形成された第2の端部材523の外周部を備える。図示される例では、下部端部材523の外周部は、ただ1つの回転位置のみが提供されるように構成される。従って、図示される例では、短い突起591によりリブ593との衝突を回避できる場合に限り、カートリッジ506を完全に押下げることができる。
図示される例では、アクセスカバーとハウジング基部との間の回転位置合せは2つの特徴により実現される。第1の特徴は、先の段落で説明した周囲部での衝突である。第2の特徴は、カートリッジ500が正しく回転位置合せされた(この場合は4つの回転位置のうち1つの位置)場合に限り、カートリッジを完全に押下げるために突起522mが図41の凹部560と係合できるということである。従って、図示される特定のハウジング基部/フィルタカートリッジ回転位置合せ構造の場合、カートリッジ506をハウジング基部514の中に完全に装着できる回転位置は1つだけである。本明細書において説明される技術の多くが適用される別の用途では、2つ以上の回転位置での位置合せが可能になるように回転位置合せ構造を構成できることは言うまでもない。
全体的な特徴付では、ハウジング基部とフィルタカートリッジとの間の回転位置合せ構造は、それら2つの構成要素の間で1つ以上の選択された回転位置合せが実現された場合に限り、カートリッジ506を完全に装着できるように正しく係合する突起/受入部分構造である。
次に、図48とほぼ同様のカートリッジ506の横断面図である図50に注目する。図50には、原理を全般的に理解するために、例示的なアセンブリの寸法の例が示される。大きさの異なる多様な別のアセンブリにも原理を適用できることは言うまでもない。図50において、示される寸法の例は、ZA=104.3mm、ZB=71mm、ZC=39.6mm、ZD=126.8mm、ZE=112.2mm、ZF=141.6mm及びZG=74.2mmである。
尚、本明細書において説明される例において、シール部材539、シール部材540及びシール部材541はほぼ円形のパターンを規定することができる。これらのシールのうち1つ以上のシールに関して、別のパターンも可能である。例えば、これらのシールのうち1つ以上のシールは、通常楕円形パターンを形成できるだろう。このパターンは、該当する位置のハウジング部分が円形ではない場合に円形ではないシールを形成するために、ハウジング基部と半径方向に係合するシール540の場合に特に好都合だろう。
また、シール部材539、540及び541を「平坦に」、すなわち延設平面を規定するように構成できる。これが典型的であるが、本明細書において説明される原理が適用されるあらゆる用途で特段要求されるわけではない。
IX.原理の概要
本開示によれば、クランクケース換気フィルタシステム、部品、特徴並びに組立て方法及び使用方法が提供される。本開示に係る何らかの利点を得るために、一例において説明される特徴のすべてを所定のシステムに取入れることは特段要求されない。本明細書において説明されるすべての可能性が実現されるわけではないが、利点のうち選択された利点のみが実現される実施形態を開発できる。
本開示は、クランクケース換気フィルタアセンブリに関していくつかの好都合な特徴及び特徴を提供するものとして使用可能である。特定の利点を提供するために選択的に適用可能な図示される2種類の特徴は、フィルタカートリッジに設けられるハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造と、フィルタカートリッジに設けられる効果的なハウジングシール構造である。利点を得るために、これらの特徴は併せて実現可能である。しかし、何らかの利点を得るために、2つの特徴を同一のカートリッジで実現することは特段要求されない。一般的に言えば、2つの特徴(スペーサ構造及びシール構造)を同一のカートリッジに適用した場合、使用時にハウジングに装着するのに特に好都合なクランクケース換気フィルタカートリッジを提供できる。
クランクケース換気フィルタカートリッジは、概して、開放されたフィルタ内部空間を取囲み且つ規定する延設フィルタ媒体と中心(長手方向)軸とを備え、媒体は第1の端部と第2の端部との間に延びる。フィルタ媒体は円筒形であってもよいが、別の形状も可能である。媒体はコイル状に巻付けることができるが、別の構成も可能である。
カートリッジは、媒体の第1の端部に隣接して第1の端部材を含む。典型的には、第1の端部材は、媒体の第1の端部が第1の端部材に当接するように配置され、第1の端部材は、媒体の第1の端部全体に沿って延設される。
カートリッジは、媒体の第1の端部材とは反対側の端部に第2の端部材を含んでもよい。第2の端部材は、各部分が媒体の第2の端部全体に沿って延設されるように構成されてもよいが、使用時に媒体から下方へ排出するという好適な構成を提供するために別の構造も可能である。
図示される好適なハウジングシール構造が使用される場合、第1のハウジングシール構造は、典型的には第1の端部材のフィルタ媒体の第1の端部とは反対の側に配置される第1のハウジングシール部材を含む。第1のハウジングシール部材は、第1の最大シール周囲差渡し寸法D1を有すると特徴付けることができる。この周囲差渡し寸法は直径であることが可能であるが、例えば中心軸Xと直交する平面に突出されたシール部材の最大差渡し寸法であってもよい。シール部材自体が中心軸Xと直交する平面にない場合、この寸法は、典型的には、中心軸Xと直交する平面にシール部材を突出したときの最大横断面寸法である。
第2のハウジングシール部材を含む第2のハウジングシール構造が設けられる。第2のハウジングシール構造は第1の端部材に配置される。第2のハウジングシール部材は、通常第2の最大シール周囲差渡し寸法D2を有するように配置される。いくつかの例示的な用途では、D1はD2より小さい。
典型的には、第2のハウジングシール部材は、第1のシール部材から中心軸が延びる方向に(使用時の軸方向又は縦方向に)離間して配置される。典型的には、第1のシール部材は、媒体から第2のシール部材より(軸方向又は縦方向に)離れて配置される。
フィルタカートリッジは、好都合なシール構造及び好都合なハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造の双方を含むことができる。典型的には、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、中心軸が延びる方向に、第1のハウジングシール部材と第2のハウジングシール部材の間に位置する位置から半径方向外側へ突出するように向きを規定された突起構造を備える。スペーサ構造の典型的な突起構造は、第2のハウジングシール部材の最大半径方向外側延設部分から中心軸Xから離れる方向に半径方向外側の位置まで突出する。典型的には、ハウジング基部/アクセスカバー縦方向スペーサ構造は、軸Xから第1のハウジングシール部材のどの部分より遠くまで、半径方向外側へ突出するように規定される。
基部/アクセスカバースペーサ構造の突起構造は、1つ以上の互いに離間して配置された突起を備えることができ、典型的には複数の互いに離間して配置された突起を備える。典型的な例は、3個以上6個以下のスペーサ突起を含むが、別の構造も可能である。図1〜図7及び図37〜図56の実施形態に示される特定のカートリッジは、それぞれ4つのそのような突起を有する。
典型的には、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、フィルタカートリッジにおいて、少なくとも0.5mm、典型的には少なくとも1mm、通常は少なくとも2mm、更にそれ以上の縦方向スペーサ寸法を規定する。規定される縦方向間隔の量は、一般に、カートリッジの装着後にアクセスカバーをハウジング基部に堅固に固着でき且つカートリッジが装着されていない場合はアクセスカバーをハウジング基部に堅固に固着できないようにするのに十分な寸法であることを要求されるだけである。
ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、第1の端部材と一体の突起構造を備えることができる。別の構造も可能である。
図37〜図56に関連して示される例示的な構成では、第3のハウジングシール部材は、ハウジングが装着された場合、中心軸が延びる方向に、第1のハウジングシール部材と第2のハウジングシール部材との間に位置する位置に解放可能なシールを形成するように構成される。図示される一例では、第3のハウジングシール部材は、第2のハウジング部材と共に、(第2の)ハウジングシール構造の一体の部分である。
図40に図示される一例において、第3のハウジングシール部材は、少なくとも一部が媒体から軸方向に離れるような方向に規定され且つ使用時にアクセスカバーのシール部分(本例ではフランジ部分)と軸方向に重なり合うように押上げられる可撓性フランジとして構成される。図示される一例では、可撓性フランジは、カートリッジ中心軸Xから離れて半径方向に斜めに突出するように更に構成される。
図示される選択された例の構造では、第2のハウジングシール部材は、使用時にハウジング基部の周囲を取囲む部分と共に半径方向外側に向いたシールを形成するように構成される。図1〜図27の例の場合、第2のハウジングシール部材はOリングである。図37〜図56の例では、第2のハウジングシール部材はリップシールフランジ540である。
図1〜図27及び図37〜図56の例のアセンブリでは、縦方向に互いに離間して配置された第1のハウジングシール部材及び第2のハウジングシール部材は、互いに分離されており、連続した成形構成の一体の部分を構成しない。別の構造も可能である。
典型的には、縦方向に互いに離間して配置された第1のシール部材及び第2のシール部材の縦方向の間隔は0.5mm以上、多くの場合に1mm以上、典型的には2mm以上であり50mm以下、例えば5mm以上40mm以下、多くの場合に8mm以上且つ30mm以下である。典型的な例では、この間隔は、8mm以上30mm以下の範囲内の量である。
図1〜図27及び図37〜図56に示される構造のような例示的な構造では、第2のハウジングシール部材は、カートリッジ中心軸と直交するシール面で規定される(又はそのようなシール面を規定する)。更に、図1〜図27及び図37〜図56の例では、第1のハウジングシール部材は、カートリッジ中心軸と直交しないように規定される。それらの例において、第1のハウジングシール部材は、このカートリッジ中心軸と直交しないシール面で平面シールを規定する。第1のハウジングシールがシール面で規定されるが、その平面がカートリッジ中心軸と直交しない平面ではない場合、その平面は、典型的には、カートリッジ中心軸と直交する平面に対して1°以上30°以下の範囲内の鋭角、典型的には2°及び20°を含む2°〜20°の範囲内の鋭角を成すように規定される。
図示されるある特定の例の構造において、D2は、D1より少なくとも10mm大きく、典型的にはD1より少なくとも20mm大きい。更に一般的に言えば、D2は、多くの場合、D1より少なくとも0.5mm大きく、典型的には少なくとも1mm大きく、通常は50mm以下の量だけ大きい。典型的には、第1のハウジングシール部材は、媒体の最大横断面寸法より小さい外周部を有するが、別の構造も可能である。図示される例では、第2のハウジングシールは、媒体の最大横断面寸法より大きい外周部を有するが、別の構造も可能である。
本開示の1つの態様によれば、第1の端部材及び第2の端部材と、第1の端部材と第2の端部材との間に配置された延設媒体とを含むクランクケース換気フィルタカートリッジが提供される。図示される例では、延設フィルタ媒体は、開放された内部空間を取囲み且つ規定する。第1の端部材にハウジングシール構造が設けられる。ハウジングシール構造は、縦方向(軸方向)に互いに離間して配置された第1のハウジングシール又はシール部材及び第2のハウジングシール又はシール部材を含む。第1の端部材は、典型的には、第1の端部材を貫通し且つ開放されたフィルタ内部空間と連通する中央ガス流開口部を有する開放された端部材である。
縦方向(軸方向)に互いに離間して配置された第1のハウジングシール又はシール部材及び第2のハウジングシール又はシール部材は、1つの一体に成形されたシール材料の一部であることが可能であるが、個別に取付けられたか又は成形された部材であってもよい。典型的な例のアセンブリでは、それらは個別の部材であり、各々がOリングを備えるが、別の構造も可能である。第1のハウジングシール又はシール部材及び第2のハウジングシール又はシール部材が互いに分離しているか、又は各部材がOリングを備えると特定して述べられていない限り、あるいは同様の表現が使用されていない限り、それらのシール部材が1つの成形部材の部品であり且つ互いに一体であるか、又は個別の成形部材であるかに関して指示することを意図しているわけではない。
図示される典型的な構造の場合、第2の端部は、開放されたフィルタ内部空間と直接連通する貫通開口部を中央部分に持たないが、すなわち中央部分に関して閉鎖されているが、別の構造も可能である。第2の端部材は、媒体軸方向重ね合せ排出構造を有することができるという利点を有する。
第1の端部材に縦方向に互いに離間して配置されたシール部材を有する多様な構造の例が説明される。いくつかの構造では、縦方向に互いに離間して配置されたシール又はシール部材は、半径方向シール又は半径方向シール部材である。一例では、縦方向に互いに離間して配置されたシール又はシール部材は、軸方向シール又は軸方向シール部材である。多様な半径方向シールが説明される。図示される例は、半径方向外側に向いたシール部材である半径方向シールを示すが、別の構造も可能であると指示されている。図示されるある特定の例の構造の場合、半径方向シールはOリングから形成されるが、別の構造も特徴付けられている。
半径方向シールは、それぞれ平面シールであってもよく、カートリッジ中心軸と直交するシール面に配置できる。シールのうち1つがカートリッジ中心軸と直交しないような少なくとも1つの構造を含む別の構造も説明される。
多様な特定のシール構造及びシール間の関係が図示され且つ説明され、多様な縦方向間隔が指示され且つ説明される。
また、本開示によれば、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造を含むフィルタカートリッジが図示され且つ説明される。そのようなカートリッジは、典型的には、ハウジング基部及びアクセスカバーを備えるハウジングで使用するために構成される。典型的な用途では、アクセスカバーは回転係止によってハウジング基部に固着されるが、場合によっては別の構造も可能である。説明される種々の回転係止構造は、ねじを使用しない係止構造及びねじによる係止構造を含む。
カートリッジのハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、ハウジングにカートリッジが配置されていない場合、アクセスカバーがハウジング基部に堅固に取付けられず、それにより、正しいカートリッジが装着されていないことを確実に認識させるような構造である。一般に、ハウジング基部/アクセスカバースペーサ構造は、カートリッジが装着されている場合は間隔を確保する剛性構造を含む。いくつかの例では、この剛性構造は、カートリッジのシールから外側の位置まで突出し且つ装着時にハウジング構成要素の間の位置まで突出する突起構造を備える。しかし、説明される一例では、スペーサ構造は、シール又はシール部材から半径方向外側の位置まで突出しない剛性延設部分(2つの軸方向シールの間に配置された)を備える。
典型的には、縦方向スペーサ構造は、少なくとも0.5mm、通常は少なくとも1mm、多くの場合に2mm(場合によっては少なくとも3mm)以上、例えば3mm及び40mmを含む3〜40mmの範囲の間隔寸法を提供する。一般に、要求される間隔の量は、その間隔が保たれないと、アクセスカバーをハウジングに堅固に取付けできないか又は堅固に取付けられないように見えるような量である。回転係止構造の場合、これは、取付けリング(又はアクセスカバー)が緩み、締付けることができないか、あるいは取付けリングを締付けようとしても、緩ませ位置へ動いてしまうような十分な量の間隔である。
更に、本開示によれば、クランクケース換気フィルタアセンブリが提供される。アセンブリは、一般に、ガス流入口構造、ガス流出口構造及び凝集液体排出出口構造を有するハウジングを含む。凝集液体排出出口構造から隔離されたオプションの凝縮水排出出口構造を更に含むハウジングの一例が示される。ハウジングは、概して、本明細書に示される特徴に従い且つハウジングの中に動作可能に配置されるカートリッジを含む。この点に関連して、「動作可能に配置される」という用語は、カートリッジがアセンブリの中に適切に使用できるように配置されることを意味する。典型的には、ハウジングは、アクセスカバー構造を有するハウジング基部を備える。いくつかの例のアクセスカバー構造(又は点検用カバー)は、中央剛性カバー分及び周囲取付けリングを備える。周囲取付けリングは、概して、中央カバー部分に対して回転可能であり且つカバーアセンブリをハウジング基部に取付ける働きをする。ハウジング基部とねじ係合相互作用する取付けリング並びにねじを含まない回転係合構造を使用する取付けリングが説明される。
本明細書において説明される例示的な一実施形態では、回転係止によって、アクセスカバー全体がハウジング基部に対して回転可能である。しかし、同様に、カートリッジが正しく配置されていない場合、アクセスカバーは、回転させても緩んでしまう。
好適なカートリッジの特徴に対応するために、多様なハウジングの特徴の特徴が示される。
尚、本開示の原理の多くに従って、説明される特定の例の構造の構造上の変形が可能である。更に、本開示に係る何らかの利益を得るために、アセンブリ、ハウジング、特徴、部品又は方法が本明細書において特徴付けられる特徴のすべてを含むことは要求されない。