JP6430233B2 - 伝熱シート及び基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、伝熱シート及び基板処理装置に関する。
基板処理装置には、基板を載置する載置台の外周部にフォーカスリング(FR)が設けられ、その下にアルミリングが配置されている構成のものがある。プラズマからの入熱により高温になったフォーカスリングの熱は、アルミリング側に放熱される。その際、伝熱効果を高めるために、フォーカスリングとアルミリングとの間にポリマーシート等の伝熱シートを挿入して密着度を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
例えばフォーカスリングはシリコンで形成され、アルミリングはアルミニウムで形成されている。よって、プラズマからの入熱により線膨張率が異なるフォーカスリングとアルミリングとの間には線膨張差が発生する。この線膨張差は、伝熱シートをフォーカスリングやアルミリングから剥離させる力として働く。
特開2010−144130号公報
このような状況下において、伝熱シートの粘着性や柔らかさが不足すると、伝熱シートが、フォーカスリングやアルミリングの温度変化に伴う線膨張の変化に追従できず、剥離することがある。
特に、パルス状の高周波電力をチャンバ内に印加する場合、高周波電力がオンしている間、フォーカスリング及びアルミリング間の隙間が大きくなり、高周波電力がオフしている間、その隙間が小さくなるというサイクル的な熱膨張が繰り返される。
これにより伝熱シートが剥がれ易くなり、伝熱シートが一部分においてフォーカスリングやアルミリングから剥離すると、伝熱シートの剥離した部分が高温になって劣化が進む。そうするとその劣化した部分を起点として伝熱シートがより剥離しやすい状態になり、伝熱シートが全体的に剥がれてしまう。
これによりフォーカスリングの温度が設定温度と異なる温度に制御され、エッチングレートが変動する。また、伝熱シートの密着性が悪いと、基板処理装置間の機差や伝熱シート自身の個体差や伝熱シートが貼られた状態が伝熱シートの剥がれやすさに大きく影響し、チャンバ内の温度制御がより困難になり、エッチングレートの変動がさらに大きくなる。
上記課題に対して、一側面では、本発明は、所定の引っ張り特性を有する密着性の高い伝熱シートを供給することを目的とする。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、所定の引っ張り特性を有する伝熱シートであって、シリコンを含む第1の板状部材とアルミニウムを含む第2の板状部材との間に前記伝熱シートを挟んで所定時間押圧した後、前記伝熱シートを挟んだ前記第1の板状部材の一端を第1のクランプで把持し、前記第1のクランプと対向する位置にて前記第2の板状部材の一端を第2のクランプで把持し、前記第1及び第2のクランプの一方のクランプを固定し、他方のクランプを該固定された一方のクランプの反対側に0.1mm/分〜0.5mm/分の速度で引っ張る試験をN回(2≦N≦10)実施した際に前記伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲であるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であり、かつ、前記引っ張り力のバラツキは、伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲において引っ張り力の中央値に対して±25%の範囲内である、引っ張り特性を有する伝熱シートが提供される。
一の側面によれば、所定の引っ張り特性を有する密着性の高い伝熱シートを供給することができる。
一実施形態に係る載置台の一例を示す図である。 一実施形態に係る基板処理装置の一例を示す断面図である。 一実施形態に係るフォーカスリングの周辺構造を示す図である。 一実施形態に係る引っ張り試験の手順の一例を示す図である。 一実施形態に係るプラズマ着火からの時間とポリマーシートの変位量の関係を示す図である。 一実施形態に係るポリマーシートの引っ張り試験結果の一例を示す図である。 一実施形態に係るポリマーシートの引っ張り試験結果の他の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[ポリマーシート]
最初に、本実施形態にかかる伝熱シートの一例であるポリマーシートの組成について説明する。ポリマーシートを構成するシリコン粘着剤の組成は、エラストマーに相当するシリコンガム、粘着付与剤に相当するシリコンレジン、及び架橋剤の3成分からなる。以下は、ポリマーシートを構成するシリコン粘着剤の具体的組成の一例を示す。ただし、ポリマーシートは、これに限らず、シリコンガムとシリコンレジンとの比率や、架橋剤の量を変えた組成のポリマーシートを含む。これにより、ポリマーシートの粘着性能をコントロールできる。
(A)ベースポリマー成分
本発明の一実施形態にかかるベースポリマー成分は、1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)と、脂肪族不飽和結合を有しない分岐状のシリコンレジンであり、R1SiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位(A2)を含む。
(A1)成分
本実施形態の(A1)成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、本実施形態のシリコンゴム組成物における主剤である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個有する。粘度は25℃で10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10〜1000000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
Figure 0006430233
式中、R1は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、kは0又は正の整数である。
ここで、R1の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、並びに、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられる。R2のアルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜6、特に2〜3のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
一般式(1)において、kは、一般的には0≦k≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦k≦2000、より好ましくは10≦k≦1200を満足する整数である。
(A2)成分
ベースポリマーに加える成分(A2)は、脂肪族不飽和結合を有しない分岐状のシリコンレジンであり、R1SiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含む。平均単位式で示すと(R13SiO1/2)a(R12SiO2/2)b(R1SiO3/2)c(SiO4/2)d(XO1/2)eで表されるポリオルガノシロキサンであることが好ましい。式中、R1は、脂肪族不飽和結合を除く、同じか又は異なる置換もしくは非置換の1価炭化水素基である。R1としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;並びにこれらの基の炭素原子に結合する水素原子の少なくとも一部がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子やシアノ基等で置換された基、例えばクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノ置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等が挙げられる。特に、メチル基が好ましい。Xは、水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては、前記と同様の基が例示され、特にメチル基が好ましい。また、aは0又は正数であり、bは0又は正数であり、c又はdの少なくともいずれか一方は正数であり、eは0又は正数であり、0≦a/(c+d)<4であり、0≦b/(c+d)<2であり、0≦e/(a+b+c+d)<0.4となる数である。(A2)は、1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
(A1)成分と(A2)成分とは、重量基準で(A1)/(A2)は60/40〜90/10となる量割合が好ましい。前記の範囲であれば、好ましい低ブリード性と熱伝導性充填剤の高充填化が満足され、さらにはゲル状又は軟質ゴム状硬化物の良好な物性が得られる。
(B)架橋成分
(B)成分は、一般式:R2Si(OSiR32H)3で表される。式中、R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基である。R2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基が挙げられる。特に、合成し易いことから、メチル基又はフェニル基が好ましい。R3は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。R3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基が挙げられる。特に、材料の得やすさ、合成のし易さからメチル基が好ましい。(B)成分は、上記一般式で表されるシロキサンを1種単独で用いることが好ましい。
(C)成分
(C)成分は、本組成物の硬化を促進させる成分である。(C)成分としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。(C)成分の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。A成分に対して重量単位で0.01〜1000ppm添加する。
(D)成分
(D)成分の熱伝導性粒子は、A成分+B成分合計100重量部に対して100〜2000重量部添加する。これによりポリマーシートの熱伝導率を0.2〜5W/m・K、硬度が5〜60の範囲とすることができる。熱伝導粒子としては、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。アルミナを使用する場合は、純度99.5重量%以上のα−アルミナが好ましい。熱伝導性粒子の比表面積は0.06〜10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.1〜100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、50%粒子径を測定する。この測定器は例えば堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2がある。
熱伝導性粒子は平均粒子径が異なる少なくとも2つの無機粒子を併用するのが好ましい。このようにすると大きな粒子径の間に小さな粒子径の熱伝導性無機粒子が埋まり、最密充填に近い状態で充填でき、熱伝導性が高くなるからである。相対的に平均粒子径の小さな無機粒子は、R(CH3)aSi(OR')3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R'は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で表面処理するのが好ましい。R(CH3)aSi(OR')3−a(Rは炭素数6〜20の非置換または置換有機基、R'は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物(以下単に「シラン」)は、一例としてヘキシルトリメトキシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン,オクチルトリエトキシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,ヘキサドデシルトリメトキシシラン,ヘキサドデシルトリエトキシシシラン,オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシシラン等がある。前記シラン化合物は、一種又は二種以上混合して使用することができる。ここでいう表面処理とは共有結合のほか吸着なども含む。前記相対的に平均粒子径の大きな無機粒子は、例えば平均粒子径が2μm以上のものをいい、粒子全体を100重量%としたとき50重量%以上添加するのが好ましい。
(E)その他の成分
本実施形態の組成物には、必要に応じて前記以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。
本実施形態のポリマーシートの熱伝導率は0.2〜5W/m・Kの範囲である。好ましくは0.5〜3W/m・K、さらに好ましくは1〜2W/m・Kである。また当該伝熱シートの硬度は5〜60、さらに好ましくは5〜40である。前記の範囲であれば、発熱体と放熱体との間に介在させて効率よく熱伝導させることができる。
次に液体成分のブリードアウトについて説明する。本実施形態のポリマーシートは、縦38mm、横38mm、厚さ3mmの形状とし、直径70mmの濾紙に挟み、1kgの荷重を掛けた状態で70℃、1週間保持したときの液体成分のブリードアウト量が30mg以下である。前記荷重と温度は電子部品に組み込んだ際の条件に近似させている。前記の範囲であれば、ブリードアウト量は少なく、半導体や他の電子部品への影響は少ない。
[載置台及び基板処理装置の構成]
以下に、図1及び図2を適宜参照して、上述のポリマーシートが配置される載置台及び本実施形態にかかる基板処理装置の一例について説明する。なお、本実施形態にかかる基板処理装置は、以下に説明する構成に限定されるものではない。また、ポリマーシートは伝熱シートの一例である。
図1は、載置台2の構成の一例を示す図である。載置台2は、例えば、基板処理装置内に置かれ、被処理基板1を載置する。載置台2上には静電チャック12が設置されている。静電チャック12の周縁部には、環状のフォーカスリング3が配置される。本実施形態では、静電チャック12上に環状のアルミリング14を配置し、その上に上述のポリマーシート5を挟んでフォーカスリング3が配置される。アルミリング14を配置していない場合、ポリマーシート5は、フォーカスリング3と載置台2との間に配置されてもよい。
アルミリング14とフォーカスリング3とは、例えばネジにより静電チャック12に固定されている。アルミリング14は、アルミニウムを含有する部材から形成されている。本実施形態では、アルミリング14は、アルミニウム(Al)等の導電体部材又はアルミナ(Al)等の誘電体部材から形成される。フォーカスリング3は、シリコンを含有する部材から形成されている。本実施形態では、フォーカスリング3は、シリコン(Si)又は炭化ケイ素(SiC)から形成される。
ここで、フォーカスリング3は、被処理基板1の周縁部におけるプラズマの不連続性を緩和して、被処理基板1の全面が均一にプラズマ処理されることを目的として設置される。このため、フォーカスリング3を導電体材料とし、かつその上面の高さを被処理基板1の処理面とほぼ同一の高さとする。これにより、被処理基板1の周縁部においてもイオンが被処理基板1の表面に対して垂直に入射するようにし、被処理基板1の縁と中央とでイオン密度に差が生じないようにしている。
しかし、それにより被処理基板1とフォーカスリング3とが略同電位となり、その電界の形に起因してプラズマが被処理基板1の端部裏面側に回り込み易くなり、被処理基板1の周縁部の裏面側にCF系ポリマー等からなる付着物が発生することがある。
また、プラズマ処理においては被処理基板1の温度制御が極めて重要であることから、載置台2内に後述される冷却機構を設けることにより、被処理基板1を冷却し所望の温度に調整している。
被処理基板1にプラズマ処理を施す場合、静電チャック12上に被処理基板1を載置した後、チャンバを所定の真空度に保持した状態で被処理基板1を固定し、載置台2に高周波電圧を印加して、チャンバ内にプラズマを発生させる。
減圧されたチャンバ内においては、アルミリング14及びフォーカスリング3間に真空断熱層が形成され、アルミリング14及びフォーカスリング3間の熱伝導が非常に悪い。それによって、フォーカスリング3が冷却されにくく、フォーカスリング3の温度が高くなる。そのため被処理基板1の周辺縁部のプラズマ中のイオン、ラジカルの組成比や密度が変化する。その結果、被処理基板1の周縁部の例えばエッチングレート、ホール抜け性(エッチングにより所定の深さまで確実に堀り込むことのできる特性)、エッチング膜に対するエッチングマスクのエッチング選択比が低下する。また、エッチングのアスペクト比が低下する。これにより、被処理基板1の周辺縁部のエッチング特性が悪くなる。よって、被処理基板1の周辺縁部のエッチング特性を高く維持するためには、フォーカスリング3の温度制御性を向上させる必要がある。
そこで、以下に説明するように、本実施形態に係る基板処理装置では、アルミリング14とフォーカスリング3との間に、上述のポリマーシート5が配置される。図2は、本実施形態の基板処理装置の一例を示す概略断面図である。基板処理装置は、容量結合型の平行平板プラズマエッチング装置として構成されており、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる略円筒状のチャンバ(処理容器)4を有している。チャンバ4は接地されている。
チャンバ4内には被処理基板1を載置する載置台2が配置されている。チャンバ4の内壁面と載置台2の側面との間にはガスを排出するための排気路6が形成され、この排気路6の途中に多孔板からなる排気プレート7が配されている。排気プレート7は、チャンバ4を上下に区分する仕切り板としての機能を有し、排気プレート7の上部は反応室8となり、下部は排気室9となる。排気室9には、排気管10が開口し、排気管10に接続された真空ポンプによりチャンバ4内は真空排気される。
静電チャック12は、電極板11を内蔵する。静電チャック12は、下部円盤状部材の上に下部円盤状部材よりも直径の小さい上部円盤状部材を重ねた形状になっている。静電チャック12は誘電体(セラミックス等)で形成され、直流電源13に接続された電極板11に直流高電圧を印加することにより、上部円盤状部材表面に誘電電位が生じ、その上に載置した被処理基板1をクローン力又はジョンソン・ラーベック力により吸着保持する。
静電チャック12は、ネジにより載置台2に固定されている。フォーカスリング3は被処理基板1の外周を覆って、その表面が反応室8の空間に露出しており、反応室内のプラズマを被処理基板1に収束させる機能を有する。
チャンバ4の天井部にはガス導入シャワーヘッド16が設けられている。ガス導入シャワーヘッド16には、ガス導入管19からガスが供給される。ガスは、バッファ室20を介して上部電極板21に設けられた多数のガス孔22から反応室8に供給される。ガス導入シャワーヘッド16には、高周波電源17から高周波電力が印加される。また、載置台2には、高周波電源18から高周波電力が印加される。これらの高周波電力によりガスが電離及び解離し、反応室8の空間にプラズマが生成される。
プラズマからの入熱により被処理基板1は高温になる。このため、載置台2は熱伝導性の良い金属材料で構成され、その内部に冷媒流路23を設けて、冷媒供給管15から水やエチレングリコール等の冷媒を循環して載置台2を冷却する。また、被処理基板1を吸着する面に多数の熱伝導ガス供給孔24を設け、熱伝導性の良いヘリウムをこの孔から流出させて、被処理基板1の裏面を冷却し、被処理基板1と載置台2との間の熱伝導率を高める。
[引っ張り試験によるポリマーシートの測定方法]
本実施形態では、フォーカスリング3はシリコン(以下、「Si」とも表記する。)又は炭化ケイ素(以下、「SiC」とも表記する。)で形成され、アルミリング14はアルミニウム(以下、「Al」とも表記する。)又はアルミナ(以下、「Al」とも表記する。)で形成されている。プラズマからの入熱により各部材が線膨張する際、材質が異なるフォーカスリング3とアルミリング14との間には、図3の矢印に示すような線膨張差(Thermal extension)が生じる。ポリマーシート5の密着性が低いと、ポリマーシート5は、この線膨張差によりフォーカスリング3やアルミリング14の温度変化に伴う線膨張の変化に追従できず、フォーカスリング3やアルミリング14から剥離してしまう。ポリマーシート5をフォーカスリング3やアルミリング14から剥がれ難くするためにはポリマーシート5の密着性が重要である。つまり、ポリマーシート5の密着性を高めることで、フォーカスリング3の温度のバラツキを改善し、フォーカスリング3の温度制御性を高めることができる。これにより、エッチングレート等のエッチング特性が向上する。
そこで、以下に説明する本実施形態にかかる引っ張り試験では、図3の上図に示すようにフォーカスリング3とアルミリング14との線膨張差によりポリマーシート5が引っ張られる状態を、図3の下図に示すように引っ張り試験機により再現する。
本実施形態にかかる引っ張り試験機では、ポリマーシート5aのテストピースを、SiCのフォーカスリング3aのテストピースとAlのアルミリング14aのテストピースとで挟み込む。そして、この状態でフォーカスリング3aのテストピースの一端(ポリマーシート5aが貼り付けられていない端部)を、スペーサ51を介して第1のクランプ50bで把持する。また、アルミリング14aのテストピースの一端(ポリマーシート5aが貼り付けられていない端部であって、フォーカスリング3aが把持されている位置と対向する位置)を、スペーサ51を介して第2のクランプ50aで把持する。そして、第2のクランプ50aを固定した状態で、ロードセル52が、第1のクランプ50bを第2のクランプ50aの固定位置と反対側に所定の速度で引っ張る。これにより、図3の上図に示すようにフォーカスリング3とアルミリング14との線膨張差によりポリマーシート5が引っ張られる状態が再現される。
上記引っ張り試験機を使用して実際に行ったポリマーシートの測定方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は本実施形態にかかる引っ張り試験の手順の一例を示す。図5は本実施形態に係るプラズマ着火とポリマーシートの変位量との関係を示す。
引っ張り試験では、まず、図4の(a)に示すように、矩形のフォーカスリング3aのテストピースとアルミリング14aのテストピースの間に、試験対象となるポリマーシート5aのテストピースを挟む。
次に、図4の(b)に示すように、フォーカスリング3aとアルミリング14aとの間に挟まれたポリマーシート5aのテストピースを上部から0.1MPaの荷重で10分間押圧する。
次に、図4の(c)に示すように、上記押圧後のポリマーシート5aを、フォーカスリング3aとアルミリング14aとの間に挟まれた状態で引っ張り試験機にセットする。このとき、ポリマーシート5aに横方向の力がかからないようにアルミリング14aを垂直方向に第2のクランプ50aを用いて把持する。また、フォーカスリング3aを垂直方向に第1のクランプ50bを用いて把持する。第2のクランプ50aは固定し、第1のクランプ50bはロードセル52に接続する。ロードセル52は、0.5mm/分の速度で第2のクランプ50aと反対方向に垂直に引っ張る。このようにして、引っ張り試験機を使用してポリマーシート5aの引っ張り試験を行うことで、ポリマーシート5aの特性が測定される。
なお、フォーカスリング3aのテストピースは、シリコンを含む第1の板状部材の一例であり、アルミリング14aのテストピースは、アルミニウムを含む第2の板状部材の一例である。
この引っ張り試験では、0.5mm/分の速度でポリマーシート5aを引っ張り、その特性を測定する。図5に示すように、プラズマが着火したときを始点(0分)として、0.5mm/分の速度で引っ張り試験機を引っ張ると、プラズマ着火時から約1分後に、チャンバ4内の部材(フォーカスリング3やアルミリング14を含む)の温度が安定する。引っ張り試験機で0.5mm/分の速度でポリマーシート5aを引っ張ると、ポリマーシート5aは、プラズマ着火時からチャンバ4内の温度が安定する約1分後に0.3mm変位する。以上から、プラズマ着火後から約1分後にチャンバ4内の温度が安定し、一定となる。つまり、フォーカスリング3a、アルミリング14a及びポリマーシート5aの線熱膨張は、プラズマ着火後から約1分後にその間で最大となる。このときのポリマーシート5aの変位量は、約0.3mm/分である。プラズマ着火から1分後の時点では、フォーカスリング3a、アルミリング14a及びポリマーシート5aのうち最も線膨張係数が大きいアルミリング14aの状態に応じてポリマーシート5aの変位量は定まる。
(ポリマーシートの特性)
以上の引っ張り試験の結果を図6に示す。図6の(a)は、比較例である従来のポリマーシートを、引っ張り試験機を用いて上記条件で引っ張った場合の結果を示す。図6の(b)は、本実施形態に係る上述の組成又は上述の組成比をコントロールしたポリマーシート5aを、引っ張り試験機を用いて上記条件で引っ張った場合の結果を示す。A〜Fの6本の曲線は、同一のポリマーシートを6回引っ張り試験機で引っ張った場合のポリマーシート5aの変位量(mm)に対する引っ張り力(N)を示す。
図6の(a)の比較例では、変位量が0mm〜0.2mmの間では変位量に対する引っ張り力の傾きが右肩上がりになり、ポリマーシートがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従して剥がれずに伸びていることがわかる。一方、変位量が0.2mm〜0.3mmの間では、D〜Fの曲線において変位量に対する引っ張り力の傾きが水平又は右肩下がりになり、ポリマーシートがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従しきれずに剥がれ初めていることがわかる。
このように、比較例のポリマーシートでは、同一のポリマーシートを6回引っ張り試験機で引っ張った場合、3回の引っ張り試験でプラズマ着火後から1分を経過する前に曲線のピークを迎えて、変位量が0.3mmの時点では傾きが右肩下がりになった。よって、6回の引っ張り試験のうちの半分において変位量が0.3mmの時点でポリマーシートが剥がれていることがわかる。
具体的には、変位量に対する引っ張り力の傾きが「0」の場合のポリマーシートの状態は、フォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従し難くなってきて、その界面で滑っていて平行にスライドしており、密着性が低下している状態を示す。また、変位量に対する引っ張り力の傾きが右肩下がりの場合のポリマーシートの状態は、フォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従しきれず、剥がれている状態を示す。ポリマーシートの一部で剥がれが生じると、ポリマーシートとフォーカスリング3a及びアルミリング14aとの接触面積が小さくなって、より密着性がなくなり、ポリマーシートが全体的に剥がれてしまい、著しく熱伝導率が低下する。
このように、比較例のポリマーシートでは、1〜6回の引っ張り試験によるポリマーシートの特性にバラツキが大きく、使用頻度が多くなるとポリマーシートの信頼性に欠ける傾向があることがわかる。
一方、図6の(b)に示す本実施形態にかかるポリマーシート5aに対する引っ張り試験では、A〜Fのすべての曲線において変位量が0mm〜0.3mmの間において変位量に対する引っ張り力の傾きが右肩上がりになる。よって、ポリマーシートの変位量が最大となる0.3mmの時点においてポリマーシート5aがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従して剥がれずに伸びていることがわかる。このように本測定は、本実施形態にかかるポリマーシートは、柔らかくかつ密着力が高い特性を有することを、ポリマーシートが剥がれ始める兆候を示す曲線のピークがグラフの右側に寄っていることにより示している。
このように、本実施形態のポリマーシート5aでは、1〜6回の引っ張り試験によるポリマーシート5aの特性にバラツキがほとんどなく、ポリマーシートの信頼性が高いことがわかる。この結果、本実施形態のポリマーシート5aは、使用頻度が高くなっても適度な密着力と硬度を保ち、熱伝導率が良好なすぐれた特性を有する伝熱シートであることがわかる。
また、本実施形態のポリマーシート5aは、変位量が0.3mmの時の引っ張り力の傾きが0.1[N/mm](ほぼ水平)〜50[N/mm]の右肩上がりを示す密着力と硬度を持った特性を有する伝熱シートであることがわかる。
なお、本実施形態の引っ張り試験では、アルミリング14aを把持した第2のクランプ50a側を固定し、フォーカスリング3aを把持した第1のクランプ50b側を所定の速度で引っ張った。しかしながら、本実施形態の引っ張り試験は、これに限らず、フォーカスリング3aを把持した第1のクランプ50b側を固定し、アルミリング14aを把持した第2のクランプ50a側を所定の速度で引っ張ってもよい。
また、第1のクランプ50b及び第2のクランプ50aのいずれかのクランプを引っ張る際の速度は、0.5mm/分に限られず、0.1mm/分〜0.5mm/分の速度であってもよい。プラズマ着火から温度が安定したときのポリマーシート5aの変位量は、クランプを引っ張る速度に応じて予め測定されている。よって、ポリマーシート5aは、プラズマ着火から温度が安定したときのポリマーシート5aの変位量において、引っ張り力の傾きが0.1[N/mm](ほぼ水平)〜50[N/mm]の右肩上がりを示す密着力と硬度を有していればよい。例えば、0.1mm/分〜0.5mm/分の速度でポリマーシートを引っ張った時に、その変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲であるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であればよい。
また、本実施形態にかかるポリマーシート5aは、上記引っ張り力の傾きYに加えて、引っ張り力のバラツキは、引っ張り試験の回数Nが2≦N≦10の範囲(図7を参照)で、かつ伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲において、引っ張り力の中央値の−25%〜25%の範囲であればよい。
さらに、引っ張り試験の回数Nを2≦N≦6の範囲で実施した際にポリマーシート5aの変位量XがX=0.3mmであるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であり、かつ、前記引っ張り力のバラツキは、引っ張り試験の回数Nを2≦N≦6の範囲で、かつ伝熱シートの変位量Xが0.3mmの場合、中央値の−15%〜15%の範囲であることがより好ましい。
以上に説明したように、本実施形態にかかる引っ張り試験により示される特性を有するポリマーシート5は、フォーカスリング3及びアルミリング14間の熱膨張差に追従できる粘着性(密着性)と柔らかさを有する。よって、このような条件の引っ張り試験による測定により示される上記特定を有するポリマーシート5によれば、チャンバ4内の経時的変化によっても密着性が維持され、熱伝導率がほとんど変化しないためフォーカスリング3の温度を安定させることができる。その結果、経時的なエッチングレートの変動を低下させ、エッチングレート等のエッチング特性を向上させることができる。
また、本実施形態にかかる引っ張り試験により示される特性を有するポリマーシート5によれば、所定の粘着性(密着性)と柔らかさを有するため、ポリマーシート5の個体差を吸収し、フォーカスリング3の温度制御性を向上させることができる。
[引っ張り試験によるポリマーシートの測定方法の変形例]
最後に、図7を参照しながら、引っ張り試験によるポリマーシートの測定方法の変形例について説明する。図7の(a)は、比較例である従来のポリマーシートを引っ張り試験機で引っ張った場合の結果を示す。図7の(b)は、本実施形態に係る上述の組成又は組成比をコントロールしたポリマーシート5aを引っ張り試験機で引っ張った場合の結果を示す。
上記実施形態と変形例とを比較すると、図6に示す上記実施形態の引っ張り試験では、フォーカスリング3aのテストピースがSiCであり、アルミリング14aのテストピースがAlであった。これに対して、本変形例では、フォーカスリング3aのテストピースがSiであり、アルミリング14aのテストピースがAlである。また、図6の実施形態と図7の上段に示す変形例の引っ張り試験では、フォーカスリング3aの裏面に鏡面加工が施されているテストピースが使用されている。これに対して、図7の下段に示す変形例の引っ張り試験では、フォーカスリング3aのSi裏面に鏡面加工が施されていないテストピースが使用される。図7の上段と下段に示す二つの変形例では、使用されるポリマーシート5aのテストピースの素材及び特性は変わらない。
また、図6に示す上記実施形態の引っ張り試験では、同一のポリマーシート5aを6回引っ張り試験機で引っ張った場合のポリマーシート5aの変位量に対する引っ張り力が測定された。これに対して、図7の上段と下段に示す二つの本変形例では、同一のポリマーシート5aを10回引っ張り試験機で引っ張った場合のポリマーシート5aの変位量に対する引っ張り力が測定される。その他の引っ張り試験の条件は、上記実施形態と同様である。
引っ張り試験の結果、図7(a)の上段の比較例では、ポリマーシートの変位量が0.3mmのとき、変位量に対する引っ張り力の傾きがほぼ「0」になり、ポリマーシートが界面で滑って平行移動していることがわかる。これにより、図7(a)の上段の比較例では、ポリマーシートの変位量が0.3mmの近辺で、ポリマーシートがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従しきれずに剥がれ初めていることがわかる。
一方、図7(b)の上段の本変形例では、ポリマーシート5aの変位量が0.3mmの近辺で、すべての曲線において変位量に対する引っ張り力の傾きが右肩上がりになり、かつバラツキが小さい。これにより、本変形例では、ポリマーシート5aの変位量が0.3mmのとき、ポリマーシート5aがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従して剥がれずに伸びていることがわかる。
これにより、フォーカスリング3aがSiであり、アルミリング14aがAlの場合において、ポリマーシート5が柔らかく、かつ表面の密着力が高いことがわかる。また、10回の引っ張り試験によるポリマーシート5の特性にバラツキが小さいことがわかる。この結果から、フォーカスリング3がSiの場合であり、アルミリング14がAlの場合、本実施形態にかかるポリマーシート5は、信頼性が高く、使用頻度が高くなっても適度な密着力と硬度を保ち、熱伝導率が良好なすぐれた特性を有することがわかる。
図7(a)の下段の比較例では、同一のポリマーシートを10回引っ張り試験機で引っ張った場合、4回のデータしか取れず、残りの6回は引っ張り試験機にポリマーシートをセットしている間に剥がれてしまっている。
一方、図7(b)の下段の本変形例では、ポリマーシート5aの変位量が0.3mmの近辺で、すべての曲線において変位量に対する引っ張り力の傾きが右肩上がりになっている。これにより、ポリマーシート5aがフォーカスリング3a及びアルミリング14aの線膨張に追従して剥がれずに伸びていることがわかる。
これにより、フォーカスリング3aがSiであり、アルミリング14aがAlの場合であって、かつフォーカスリング3aの裏面に鏡面加工が施されていない場合、従来のシートでは非常に剥がれやすい状態となって、信頼性が低下した。これに対して、本実施形態に係るポリマーシート5aによれば、ポリマーシート5が柔らかくかつ表面の密着力があり、かつ10回の引っ張り試験によるポリマーシート5の特性にバラツキが小さいことがわかる。
なお、フォーカスリング3がSi又はSiCの場合であってアルミリング14がAl又はAlの場合には、上記実施形態及びその変形例と同様な引っ張り試験の結果が得られると考えられる。また、上記材質のフォーカスリング3及びアルミリング14を使用し、かつフォーカスリング3aの裏面に鏡面加工が施されていない場合にも、ポリマーシート5を十分に密着でき、熱伝導率が良好なすぐれた特性を有することがわかる。これにより、本実施形態及びその変形例に係るポリマーシート5aによれば、フォーカスリング3aの表面の加工が不要となり、コストを削減できることがわかる。
以上、伝熱シートを上記実施形態により説明したが、本発明にかかる伝熱シートは上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、本発明に係る伝熱シートは、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)装置だけでなく、その他の基板処理装置に適用可能である。その他の基板処理装置としては、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)、ラジアルラインスロットアンテナを用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、ヘリコン波励起型プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)装置、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance Plasma)装置等であってもよい。
また、本発明にかかる基板処理装置により処理される被処理基板は、ウェハに限られず、例えば、フラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display)用の大型基板、EL素子又は太陽電池用の基板であってもよい。
1:被処理基板
2:載置台
3:フォーカスリング
4:チャンバ
5:ポリマーシート
12:静電チャック
14:アルミリング

Claims (6)

  1. 所定の引っ張り特性を有する伝熱シートであって、
    前記伝熱シートは、
    1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、脂肪族不飽和結合を有しない分岐状のシリコンレジンであり、R1SiO3/2単位(R1は、互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基)及び/又はSiO4/2単位とからなるベースポリマー成分と、
    R2Si(OSiR32H)3(R2:炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基、R3:炭素原子数1〜4のアルキル基)で表される架橋成分と、
    白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類又はビニルシロキサンとの錯体、白金系触媒、パラジウム系触媒及び白金族金属触媒のいずれかからなる硬化を促進させる成分と、
    アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つからなる熱伝導粒子の成分とを含み、
    前記硬化を促進させる成分は、前記ベースポリマー成分に対して重量単位で0.01〜1000ppm添加し、
    前記成分の熱伝導性粒子は、前記ベースポリマー成分と前記架橋成分との合計が100重量に対して100〜2000重量添加し、
    シリコンを含む第1の板状部材とアルミニウムを含む第2の板状部材との間に厚さが3mm、かつ、面積が38mm×38mmの前記伝熱シートを挟んで0.1MPaの圧力で10分間押圧した後、前記伝熱シートを挟んだ前記第1の板状部材の一端を第1のクランプで把持し、前記第1のクランプと対向する位置にて前記第2の板状部材の一端を第2のクランプで把持し、
    前記第1及び第2のクランプの一方のクランプを固定し、他方のクランプを該固定された一方のクランプの反対側に0.1mm/分〜0.5mm/分の速度で引っ張る試験をN回(2≦N≦10)実施した際に、
    前記伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲であるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であり、かつ、
    前記引っ張り力のバラツキは、伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲において引っ張り力の中央値に対して±25%の範囲内である、
    伝熱シート。
  2. 前記試験をN回(2≦N≦6)実施した際に、
    前記伝熱シートの変位量Xが0.3mmであるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であり、かつ、
    前記引っ張り力のバラツキは、伝熱シートの変位量Xが0.3mmの場合において引っ張り力の中央値に対して±15%の範囲内である、
    請求項1に記載の伝熱シート。
  3. 前記第1の板状部材は炭化ケイ素(SiC)又はシリコン(Si)であり、前記第2の板状部材はアルミナ(Al)又はアルミニウム(Al)である、
    請求項1又は2に記載の伝熱シート。
  4. 前記伝熱シートはポリマーシートである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の伝熱シート。
  5. 前記伝熱シートは、
    基板処理装置に設けられたフォーカスリングとアルミリング又は載置台との間に配置される、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝熱シート。
  6. 1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサンと、脂肪族不飽和結合を有しない分岐状のシリコンレジンであり、R1SiO3/2単位(R1は、互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基)及び/又はSiO4/2単位とからなるベースポリマー成分と、
    R2Si(OSiR32H)3(R2:炭素原子数1〜4のアルキル基又はフェニル基、R3:炭素原子数1〜4のアルキル基)で表される架橋成分と、
    白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類又はビニルシロキサンとの錯体、白金系触媒、パラジウム系触媒及び白金族金属触媒のいずれかからなる硬化を促進させる成分と、
    アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つからなる熱伝導粒子の成分とを含み、
    前記硬化を促進させる成分は、前記ベースポリマー成分に対して重量単位で0.01〜1000ppm添加し、
    前記成分の熱伝導性粒子は、前記ベースポリマー成分と前記架橋成分との合計が100重量に対して100〜2000重量添加した伝熱シートであって、
    シリコンを含む第1の板状部材とアルミニウムを含む第2の板状部材との間に厚さが3mm、かつ、面積が38mm×38mmの前記伝熱シートを挟んで0.1MPaの圧力で10分間押圧した後、前記伝熱シートを挟んだ前記第1の板状部材の一端を第1のクランプで把持し、前記第1のクランプと対向する位置にて前記第2の板状部材の一端を第2のクランプで把持し、
    前記第1及び第2のクランプの一方のクランプを固定し、他方のクランプを該固定された一方のクランプの反対側に0.1mm/分〜0.5mm/分の速度で引っ張る試験をN回(2≦N≦10)実施した際に、
    前記伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲であるときの引っ張り力の傾きYが0.1N/mm≦Y≦50N/mmの範囲であり、かつ、
    前記引っ張り力のバラツキは、伝熱シートの変位量Xが0.2mm≦X≦0.4mmの範囲において引っ張り力の中央値に対して±25%の範囲内である引っ張り特性を有する伝熱シートを、フォーカスリングとアルミリング又は載置台との間に配置する基板処理装置。
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