JP6429374B2 - カメラ用の接続具、カメラ - Google Patents
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Description
肉眼観察顕微鏡にも画像観察顕微鏡にも一長一短があり用途に応じて双方普及しているが、前者の方がその構成が簡易で価格が安価なことなどからより普及している。
他方、市販のデジタル一眼レフカメラを肉眼観察顕微鏡に接続して画像観察顕微鏡として用いることを可能とする器具も知られているが、その場合用いられる一眼レフカメラは、レンズを取外してCCD(charge coupled device)、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)などの撮像素子を剥き出しにして用いられる。
例えば、コンパクトデジタルカメラやスマートフォンを含むカメラ付き携帯電話に内蔵されたデジタルカメラなどは、主な用途である人物や景色の撮像を無難に行えるよう、カメラの備えるレンズの中でも比較的広角と呼べる視野角(一般には、60°〜70°である。)を持ったレンズを備えている。その広角な視野角を持つレンズに、拡大レンズである対物レンズを介して像光を入れると、カメラのレンズの視野角の一部に、像光の導かれない領域ができてしまう。
他方、肉眼観察顕微鏡に取付けられるカメラを専用のカメラとすれば、肉眼観察顕微鏡の対物レンズと専用のカメラのレンズを適宜設計することで、肉眼観察顕微鏡の対物レンズで拡大された像光をカメラの撮像素子に正しく結像させることが可能となる。また、肉眼観察顕微鏡に取付けられるカメラを、レンズを取外したカメラとすれば、肉眼観察顕微鏡の対物レンズとレンズを持たないカメラの剥き出しになった撮像素子との間に配すべきレンズを適宜設計することで、肉眼観察顕微鏡の対物レンズで拡大された像光をカメラの撮像素子に正しく結像させることが可能となる。
しかしながら、専用のカメラを用いる器具、装置では専用のカメラを準備する必要が生じることによる使い勝手の悪さやコストの点で難点が生じやすい。また、剥き出しの撮像素子を有するカメラを用いる器具、装置ではそもそもレンズを取外して撮像素子を剥き出しにすることのできないコンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話に内蔵されたデジタルカメラなどには応用できないという不便がある。
他方、これだけ一般的に、コンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話が普及した今となっては、コンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話を肉眼観察顕微鏡に取付けられれば便利である。特に、スマートフォンを含むカメラ付き携帯電話は、同一機種が非常に大量に販売されるようになっているので、顕微鏡と、そのような大量に販売されている機種のカメラ付き携帯電話とを接続できるようにすると、そのビジネス的なインパクトは非常に大きい。
また、世の中には、様々なカメラ用の交換レンズが既に出回っている。これらは一般に、レンズがない剥き出しとされた撮像素子を有するカメラに対して着脱自在に取付けられるように構成されているのが一般的であるが、これら交換レンズを、レンズを有するコンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話に対して、そのレンズの上から装着できるようになったら、大変に便利である。
そして、本願では、上述した光学製品を含む、コンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話に取付けられたら便利である、像光を送り出す機能を有する機器を「光学的アクセサリ」と呼ぶこととする。
本願発明は、レンズと前記レンズを通過した像光を撮像する撮像素子とを備えたカメラに対して、前記カメラで撮像される像光を前記カメラに送るものであり、規格化された固定手段であるアクセサリマウントを備えた光学的アクセサリを着脱自在に取付けるために用いられる接続具である。
そして、この接続具は、前記カメラに対して予定された位置関係で着脱自在に取付け可能とされた本体と、前記アクセサリマウントと接続可能な、前記アクセサリマウントが採用する規格と同じ規格の固定手段である、前記本体に設けられた接続マウントと、前記本体が前記カメラに取付けられ、且つ前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続された際に、前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格におけるフランジバック位置において結像する像光を導き、前記カメラのレンズに集束させて、前記カメラの前記撮像素子に再び結像させる集束レンズと、を備えている。
この接続具は、本体を備えている。本体は、カメラに対して予定された位置関係で取付けられるようになっている。本体を、カメラに対して予定された位置関係で取付けられるようにするのは、接続具を介してカメラに対して取付けられる光学的アクセサリとカメラとの位置関係を一意に定められるようにするためである。
接続具は、また、光学的アクセサリが備えるアクセサリマウントと接続される、接続マウントを備えている。アクセサリマウントは、巷に多数存在する光学的アクセサリが本来的に備えているものであり、一般的には、光学的アクセサリを、レンズのない、撮像素子の剥き出しになったカメラに着脱自在に取付けるために用いられるものである。本願の接続具は、接続具と光学的アクセサリの接続を行う場合に、光学的アクセサリが本来的に備えているアクセサリマウントをそのまま利用する。それを可能とするために、接続具が備える接続マウントは、接続具と接続したい光学的アクセサリのアクセサリマウントが採用する規格と同じ規格を採用したものとなっている。光学的アクセサリと、レンズのない撮像素子の剥き出しとされたカメラとを接続するために設けられたカメラマウントについての規格としては、カメラと光学的アクセサリを提供するメーカー等が定めた独自規格(Leica Camera AGが採用するライカLマウント、リコーイメージング株式会社が採用するアサヒフレックス専用マウントをその例として挙げることができる。)や、各メーカーが共通して採用する共通規格(Cマウント、CSマウント、M12マウントをその例として挙げることができる。)が存在する。これらの規格化されたカメラマウントでは、一般に、アクセサリマウントは雌ネジ、接続マウントは雄ネジとなっていることが多いが、いずれの場合であっても、かかる規格には、雄ネジの口径と、雄ネジと雌ネジのピッチ等のパラメータが含まれており、それにより従来のアクセサリマウントと、接続マウントは、物理的に接続することが可能となっている。本願の接続具は、その接続マウントの規格を、その接続具と接続したい光学的アクセサリが備えるアクセサリマウントと共通の規格のものとすることにより、光学的アクセサリと物理的に接続可能となっている。
ところで、カメラマウントの規格にはいずれの場合であっても、フランジバックというパラメータが含まれている。フランジバックとは、マウント面(接続マウントの先端の面)から、後方にある撮像素子までの、光軸に沿う距離を意味し、各規格毎に異なるものとされている。例えば、カメラが一眼レフカメラであり、光学的アクセサリがその望遠レンズである場合には、カメラが備える接続マウントに対してそのアクセサリマウントを接続された望遠レンズからの像光は、一眼レフカメラが備える撮像素子にて結像しなければならない(さもなくば、撮像素子は正しい条件で撮像を行えない。)。望遠レンズが、ある規格のアクセサリマウントを採用している場合、望遠レンズに含まれるレンズは、一眼レフカメラがレンズを備えていないこともあり、他のレンズを介さずに、そこからの像光が一眼レフカメラが備える撮像素子にそのまま結像するように設計されている。つまり、一眼レフカメラにおける撮像素子は、規格により定められるフランジバック位置に存在しており、望遠レンズに含まれるレンズは、規格により定められるフランジバック位置に結像を行うように設計されているので、光学的アクセサリたる望遠レンズからの像光は、正しくカメラが備える撮像素子上で結像するのである。このように、カメラマウントの規格は、カメラと、アクセサリマウントを物理的に接続するための規格と、アクセサリマウント及びカメラが満たすべき光学的な条件、より詳細には光路長についての規格とを含むものとされており、それにより、撮像素子が正しい条件で光学的アクセサリからの像光を撮像できるようになっている。
ところで、本願の接続具は、上述のように、レンズを有するカメラに対して光学的アクセサリを接続するためのものである。しかも、本願の接続具を介して光学的アクセサリに接続されるカメラは、何らかのカメラマウントの規格にしたがった接続マウントを持たず、それどころか、剥き出しであるべき撮像素子の前にレンズを備えている。したがって、接続具が備える接続マウントが、光学的アクセサリが備えるアクセサリマウントと物理的に接続可能なものであり、その接続マウントを用いて、光学的アクセサリと接続具とを接続できるようになっていたとしても、それら接続マウントと光学的アクセサリが採用している規格に含まれているフランジバックに対応した位置には、カメラに含まれている撮像素子が位置しないのが通常であり、或いはその位置に撮像素子が存在していたとしても、カメラが備えるレンズを光学的アクセサリからの像光が通過することにより、カメラが備える撮像素子に像光が結像しないのが通常である。それでは、この接続具を介して光学的アクセサリをカメラに接続したとしても、光学的アクセサリからの像光をカメラの撮像素子が正しく撮像できないことになる。
かかる問題を、この接続具は、アクセサリマウント及び接続マウントで採用される規格におけるフランジバック位置において結像する像光を導き、カメラのレンズに集束させて、前記カメラの前記撮像素子に再び結像させる集束レンズによって解決している。この接続具では、本来であれば、剥き出しとされた撮像素子が位置するべきフランジバック位置に、一度像光を結像させるようにしている。そして、この接続具では、そこで一端結像した像光を、集束レンズによって導き、更にカメラレンズに集束させるようになっている。上述したように、ある規格を満たす光学的アクセサリは必ず、その規格によって一意に定められたフランジバック位置に、像光を結像させるように設計されている。したがって、本来であれば、剥き出しとされた撮像素子が位置するべきフランジバック位置に、一度像光を結像させるようにするということは、言わば自然に、換言すれば、接続具に何らの工夫を行うことなく達成される。他方、この接続具は、フランジバック位置に一度結像した像光を、集束レンズによって導き、カメラレンズに収束させるようになっている。光学的アクセサリからの像光の結像する位置がフランジバック位置に定まっているのであれば、結像位置から再度出発する像光を、カメラのレンズに集束させ、最終的にカメラの撮像素子に再度結像させるような集束レンズを設計することは、カメラのレンズの仕様も考慮すれば可能である。このように、この接続具では、本来であれば、剥き出しとされた撮像素子が位置するべきフランジバック位置に一度結像させた像光を、集束レンズと、カメラのレンズとを経させて再度カメラの撮像素子に結像させることが可能とされており、それによりカメラの撮像素子に正しく像光の撮像を行わせられるようになっているのである。
例えば、Cマウントを採用する光学的アクセサリは多数存在するが、接続具がレンズを備えるあるカメラに対応しており、且つその接続マウントがCマウントの規格に則ったものであれば、その接続具を介してそのカメラに対して、Cマウントの規格に則ったアクセサリマウントを備えた光学的アクセサリを接続した場合には、その光学的アクセサリがどのようなものであったとしても、その光学的アクセサリからの像光はそのカメラの撮像素子に正しく結像するから、そのカメラの撮像素子は光学的アクセサリからの像光を正しい条件で撮像できることになる。これは、レンズを備えたあるカメラに対応した接続具を1つ作れば、その接続具を介することによって、どのような光学的アクセサリをもそのカメラに対して接続することが可能であり、且つカメラの撮像素子に正しい条件での撮像を行わせられることを意味する。つまり、この接続具は、いわば、万能接続具と称するべきものとなる。これは、光学的アクセサリのアクセサリマウントと、接続具の接続マウントとが採用する共通するカメラマウントについての規格が、CSマウント、ライカLマウント等の他の公知の規格である場合でも、同様である。
接続具の本体は、カメラに対して位置合わせをして固定できるようにする必要があり、また接続具の集束レンズとは、光学的アクセサリからの像光がカメラの撮像素子に正しく結像されるようにする必要があるから、本体と集束レンズとは、カメラの本体形状や、カメラが備えるレンズや、カメラが備えるレンズとカメラが備える撮像素子の距離等に応じて、専用的に設計する必要があるかもしれない。しかしながら、レンズを備えたカメラが、非常に大量に販売されている機種であれば、ある接続具が、ある機種のカメラの専用品として設計されていたとしても、その接続具を用いれば、その機種のカメラに対して、カメラマウントについての規格を同一とする様々な光学的アクセサリを取付けられるのであるから、この接続具の商業的価値は十分に高い。例えば、Apple Japan合同会社が製造・販売するiPhone(商標)シリーズのカメラ付きスマートフォン、ソニー株式会社が製造・販売するXperia(商標)シリーズのカメラ付きスマートフォン、サムスン電子ジャパン株式会社が製造・販売するGALAXY(商標)シリーズのカメラ付きスマートフォン、Apple Japan合同会社が製造・販売するiPad(商標)シリーズのカメラ付きタブレットなどは、その販売台数が非常に多いため、それぞれについて専用の接続具を販売した場合において、そのそれぞれに様々な種類の光学的アクセサリを接続できるようにするメリットは非常に大きい。
上述したように、接続マウントには様々な規格が存在する。そして、ある光学的アクセサリのアクセサリマウントとは異なる規格が採用されたアクセサリマウントを備える光学的アクセサリを、接続具を介してカメラに取付けたいという要求は当然に存在する。
そのような場合に、接続具全体を交換することももちろん可能であるが、本体に対して接続マウントが着脱自在になっているのであれば、接続マウントのみを他の規格の接続マウントに交換することにより、他の規格のアクセサリマウントを有する光学的アクセサリを、その接続具に対して接続することが可能となる。集束レンズをそのままに、接続マウントのみを交換したとしても、フランジバック位置に変化がないのであれば、集束レンズは、接続マウントの交換前と同様に機能する。
前記集束レンズが複数枚のレンズからなる場合、それら複数のレンズの位置関係が固定となるように一体とされており、前記集束レンズは、前記本体に対して着脱自在になっていても構わない。
ユーザにおいては、この接続具を取付けたいカメラが変更される場合がある。例えば、ユーザが、接続具を取付けたいカメラを複数種類持っている場合や、或いは、カメラが、カメラ付きスマートフォンである場合などにおいては、ユーザがモデルチェンジをした新しいスマートフォンに買い換えることが想定されるので、そのような場合に、接続具を取付けたいカメラが変更されるという状況が生じる。
ところで、上述のように、接続具は、あるカメラに対してある程度専用的な設計を行う必要がある場合が多い。したがって、接続具を取付けたいカメラが変更された場合には、ユーザは接続具全体を買い換える必要に迫られる。他方、集束レンズが、本体に対して着脱自在になっていれば、複数のカメラに対してそれぞれ接続することが可能とされた複数種類の本体を予めメーカーがラインアップしておけば、ユーザは、そのカメラに適切な本体のみを交換することにより、一体とされた集束レンズをそのまま利用することができる。本体に比べれば集束レンズという光学要素は比較的高価になり易いので、それらを使い回せるようにすると同時に、比較的安価な本体のみを交換できるようにすることにより、ユーザの利便性を増すことと、ユーザの金銭的な負担を軽減することとの両立が可能となる。
コンパクトデジタルカメラや携帯電話に内蔵されたデジタルカメラが備えるレンズは一般に、比較的広角な視野角(一般には、60°〜70°である。)を持つことが多い。そのようなレンズに対して、集束レンズを通過させた像光を入れる場合には、視野角の外側に像光が入らない部分が生じることが起こりやすい。集束レンズが、像光をカメラのレンズの視野角と略同じかそれ以上の立体角でカメラのレンズの瞳に集束させるように構成されていれば、カメラのレンズの視野角一杯(或いはそれに近い状態で)に像光を導くことができるので、カメラの撮像素子で撮像される画像を明るくすることが可能となる。
接続具が上述の如き電源を備えている場合、前記電源が電力を供給するための接点である給電接点が前記接続マウントに設けられており、前記給電接点は、前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続されたときに、前記アクセサリマウントに設けられた電力の供給を受けるための接点である受電接点と接触して導通するようになっていても良い。接続具と光学的アクセサリとは、それらがそれぞれ備えている接続マウントとアクセサリマウントとによって、物理的に接続される。したがって、接続マウントに給電接点を、アクセサリマウントに受電接点をそれぞれ設けておけば、接続マウントとアクセサリマウントとを物理的に接続したときに、給電接点と受電接点とを導通させるようにすることも可能となり、そうすることにより、給電接点と受電接点とを導通させるための特別な動作なしに、光学的アクセサリに接続具が有する電源から電力を供給できるようになる。
その発明は、レンズと前記レンズを通過した像光を撮像する撮像素子とを含む一体化されたカメラモジュールを備えており、前記カメラモジュールで撮像される像光を前記カメラモジュールに送るものであり、規格化された固定手段であるアクセサリマウントを備えた光学的アクセサリを着脱自在に取付け可能となっているカメラである。
そして、そのカメラは、前記カメラモジュールに対して予定された位置関係で固定された本体と、前記アクセサリマウントと接続可能な、前記アクセサリマウントが採用する規格と同じ規格の固定手段である、前記本体に設けられた接続マウントと、前記本体が前記カメラに取付けられ、且つ前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続された際に、前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格におけるフランジバック位置において結像する像光を導き、前記カメラのレンズに集束させて、前記カメラの前記撮像素子に再び結像させる集束レンズと、を備えている。
例えば、スマートフォンに内蔵されるカメラモジュールが、スマートフォンメーカーなどにより、単体で販売されることがある。かかるカメラモジュールには、一般に、レンズと撮像素子とが含まれる。
かかるカメラモジュールからレンズを取り外して、所定の規格の接続マウントを取付ければ、その接続マウントに採用されているのと共通の規格のアクセサリマウントを有する光学的アクセサリを、そのカメラに取付けられるようにはなる。しかしながら、カメラモジュールから一部の部品を取除くことをすると、カメラモジュールに対して改造を加えたことになるので、カメラモジュールを販売するメーカー等による保証のサービスを受けられなくなる可能性が極めて高い。
他方、上述のカメラに、カメラモジュールが備えていたレンズを取外すことをしないで、上述の如き本体、接続マウント、及び集束レンズを取付けることにより、カメラモジュールに対して、上述した発明における接続具を取付けたのと同様の状況を作ることができる。そのようなカメラであれば、上述の接続具を用いたときと同様の効果を得ることができるし、また、カメラモジュールには変更を加えていないので、カメラモジュールに対するカメラモジュールの販売メーカー等による保証も受けられることになる。
また、このカメラが備える接続マウントは、本体に対して着脱自在になっていてもよい。
また、このカメラが備える集束レンズが複数のレンズからなる場合、それら複数のレンズの位置関係が固定となるように一体とされており、集束レンズは、本体に対して着脱自在になっていてもよい。
いずれも、上述の発明と同様の理由による。
もっとも、このカメラにおいては、カメラモジュール、或いはカメラの筐体の交換がなされることはあまり想定できないので、カメラが備える複数枚のレンズからなる集束レンズを、それら複数枚のレンズの位置関係が固定となるように一体としておき、集束レンズを、本体に対して着脱自在にすることの利益はあまり無いかもしれない。
図1〜図4に、第1実施形態における接続具1を示す。
図1は接続具1の全体構成を示す斜視図であり、図2は、接続具1のうちの後述するベースに本願でいうカメラに相当するカメラ付き携帯電話40を取付けた状態を示す斜視図であり、図3、図4は、接続具1の使用状態を示す側断面図である。
接続具1は、本願でいうカメラであるカメラ付き携帯電話40と、本願でいう光学的アクセサリである望遠レンズ30とを接続するためのものである。
カメラ付き携帯電話40はまた、ディスプレイ41を備えている。これには限られないが、ディスプレイ41は、カメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43が取付けられたのと反対側の面に設けられている。ディスプレイ41はカメラ付き携帯電話40に内蔵されたカメラがカメラレンズを介して撮像した画像を、この実施形態では実時間で表示することができ、撮像時におけるファインダーとして機能させることができるものとなっている。ディスプレイ41は、図示せぬ硝子板によってその表面を覆われている。また、カメラ付き携帯電話40は少なくとも操作するための入力を受付けることができる操作ボタン42を備えている。この実施形態では操作ボタン42は、カメラ付き携帯電話40のディスプレイ41が設けられている面に設けられている。なお、操作ボタン42はディスプレイ41をタッチパネルにすることにより、ディスプレイ41と一体にするか、或いは省略することも可能である。カメラ付き携帯電話40は、例えば、iPhone(商標)であってもよい。
ベース10は、本願で言う本体に相当するものである。ベース10はカメラ付き携帯電話40を、予め予定された位置関係で着脱自在に固定できるようなものとなっている。
他方、鏡筒20は、望遠レンズ30からの像光を、カメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43に後述の如く適切に導くためのものである。
ベース10と、鏡筒20とは、一体にされていても構わないが、この実施形態では、ベース10と鏡筒20とは、後述するような仕組みで着脱自在に構成されている。
ベース10のうち最も面積が広い部分である底面板10Aの、ベース10にカメラ付き携帯電話40を取付けた際に、カメラ付き携帯電話40のカメラレンズが対応する位置には、カメラ孔11が設けられている。
カメラ孔11はカメラ付き携帯電話40をベース10に取付けた際に、カメラレンズを底面板10Aから露出させるためのものである。本実施形態では、カメラ孔11に、後述するようにして、鏡筒20の端部を嵌め込むことによって、鏡筒20のベース10に対する着脱自在な取付けが実現されるようになっている。
この実施形態におけるカメラ孔11は、略円形とされている孔11aに、切り欠き部11bが等間隔をあけて三箇所に設けられたものであり、全体として歯車のような形状になっている。各切り欠き部11b間の略中央には、ベース10に平行で直方体形状の板をベース10に対して垂直に支える、全体として断面がL字型の係止片16が孔11aに接するようにして設けられている。係止片16は、後述する弾性片15を小さくしたような、断面略L字型形状とされており孔11aの縁から図1の上方に伸びる板の上側に、孔11aの接線方向に伸びるベース板10Aに平行な板を接続して構成されている。
カメラ孔11の径はカメラレンズ43の視野を確保するに充分なものとされているが、カメラレンズ43の視野を確保できるのであれば、カメラ孔11はその大きさ、形状は自由に変更することができる。
ベース10の底面板10Aの長さ方向の一端側には、ベース壁10Bが立ち上げられている。ベース壁10Bは、底面板10Aの長さ方向におけるカメラ付き携帯電話40の位置決めに用いることができる。この実施形態ではカメラ付き携帯電話40の長さ方向の下端をベース壁10Bの内側に当接させることで、ベース10のカメラ孔11とカメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43の位置合わせを行えるようになっている。
なお、この弾性片15は、ベース10の底面板10Aの一方の周縁上に少なくとも一つ設けられていればよい。係止力を上げるためには、これを底面板10Aの一方の周縁上に複数ずつ設けることもできる。
弾性片15の曲折された部分と底面板10Aとの間に、カメラ付き携帯電話40を、カメラレンズ43が設けられている面を底面板10Aに向けた状態で嵌め込むことによって、ディスプレイ41を、底面板10Aの反対側に露出させ、かつカメラレンズ43を底面板10Aのカメラ孔11から露出させた状態で、ベース10にカメラ付き携帯電話40を取付けることができる。この状態を、図2に示す。かかる取付けは、着脱自在なものである。
なお、ベース10は、上述のものに限られない。カメラが使えるような状態でカメラ付き携帯電話40との固定を行え、且つ鏡筒20との着脱自在な固定を行えるようになっていればどのようなものでも構わない。また、カメラ付き携帯電話40をベース10に対して適切に位置決めした状態でベース10に対して着脱自在に固定できるようにするための手段は、もちろん弾性片15に制限されない。ベース10は、例えば磁力により、カメラ付き携帯電話40と固定できるようなものであってもよい。
なお、異なるカメラ付き携帯電話40に取付けられたベース10に対して鏡筒20を取付けた場合、異なるカメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43及び撮像素子45と、鏡筒20内の後述するフィールドレンズ及び結像レンズとの位置関係が変わることも考えられる。そのような場合においても、フィールドレンズ及び結像レンズの機能が正しく発揮されるように(或いはなるべく正しく発揮されるように)、ベース10は、カメラ付き携帯電話40の前後方向の適宜の位置に鏡筒20が位置するような状態で、鏡筒20と接続可能となっているのが好ましい。
鏡筒20の径(外径)は、この実施形態では、後述する顕微鏡の鏡筒の内径に略対応するものとされている。
フィールドレンズ21A、及び結像レンズ21Bは共に、互いに同軸を保つようにしてレンズケース21に対して適宜の方法で固定されており、それらの光軸方向での相対的な位置関係は固定された状態となっている。
フィールドレンズ21Aは、後述するようにして望遠レンズ30が鏡筒20に接続され、且つベース10がカメラ付き携帯電話40に取付けられた状態において、望遠レンズ30からの像光を、結像レンズ21Bにまで導くようになっている。結像レンズ21Bは、フィールドレンズ21Aによって導かれて来た像光を、カメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43の瞳に導くようになっている。これには限られないが、この実施形態では、結像レンズ21Bは、カメラレンズ43の視野角と略同じかそれ以上の立体角でカメラレンズ43の瞳の範囲内に像光を集束させるようになっている。この実施形態では、結像レンズ21Bは、それを通過した像光を、カメラレンズ43の瞳に、当該カメラレンズ43の視野角と略同一の立体角をもって集束させるものとなっている。
フィールドレンズ21A、及び結像レンズ21Bはそれぞれ、図3、図4では1枚のレンズにより構成されているが、フィールドレンズ21A、結像レンズ21Bの少なくとも一つが、複数のレンズを組合わせて構成されたものとなっていても構わない。フィールドレンズ21A、又は結像レンズ21Bが複数のレンズで構成されるとき、フィールドレンズ21A、又は結像レンズ21Bを構成する複数枚のレンズはともに、密着していても、隙間を空けて配列されていても構わない。
レンズケース21の基端の輪郭形状は、カメラ孔11の輪郭形状と略同一となっており、その大きさはカメラ孔11よりも僅かに小さくされている。それ故、レンズケース21の基端は、カメラ孔11に挿入できるようになっている。
鏡筒20のベース10への取付けは、レンズケース21の基端をレンズ孔11に挿入させた状態で、突起22を係止片16のベース10と平行な板とベース10との間で滑らせ、突起22が係止片16のベース10と垂直な板に触れるまで図1のAで矢視した方向に鏡筒20を回転させることで行う。突起22が係止片16のベース10と平行な板とベース10とに挟まれた状態で両者の間で固定され、結果として鏡筒20の基端がベース10に固定される。
接続マウント23は、ある規格(この実施形態では、これには限られないがCマウントの規格)に則ったカメラマウントのうちの、通常であればカメラ本体に取付けられるマウントである。カメラマウントのうちの通常であればカメラ本体に取付けられるマウントは、ナット状の雌ネジとされる。この実施形態の接続マウント23は、上述の規格に則った内径を有し、その内周面に上述の規格に則ったネジ溝が切られた、リングである。接続マウント23は、リング状であるが、その中央に設けられた円形の孔は、その先端側で大径であり、その基端側で小径となっている。上述のネジ溝は、その大径の部分の内周面にのみ切られている。接続マウント23のうちの小径の孔を備えている部分は、大径の孔を備えている部分の内側に、ドーナツ状に張り出している。
接続マウント23の外周面には、また、ネジ溝が切られている。他方レンズケース21の先端の内周面には、ネジ溝が切られている。接続マウント23は、その外周面のネジをレンズケース21の先端の内周面に切られたネジに螺合させることによって、レンズケース21の先端に着脱自在に固定できるようになっている。なお、接続マウント23のレンズケース21に対する着脱自在な取付けの方法はこれには限られない。接続マウント23をレンズケース21に対して着脱自在とすることにより以下の利点を得られる。この実施形態では、上述のように接続マウントは、Cマウントの規格に則ったものであり、通常であればカメラ本体に取付けられるマウントである。そして、この実施形態では、このマウントとは異なる規格(例えば、CSマウントの規格)に則った、通常であればカメラ本体に取付けられるマウントである他の接続マウント23が準備されており、元のCマウントの規格による接続マウント23をレンズケース21から外して、CSマウントの規格による接続マウントに付け替えることが可能となっている。そうすることによって、ベース10と、鏡筒20には変更を加えることなく、接続マウント23で採用されている規格を変更することが可能となる。これは、接続具1を介してカメラ付き携帯電話40に接続したい光学的アクセサリが備える後述するアクセサリマウントで採用されている規格と、接続具1の接続マウント23で採用されている規格とが合わないことにより、接続具1と光学的アクセサリとを接続できないという事態を回避するに有用である。
望遠レンズ30は、また、その基端に、アクセサリマウント33を備えている。アクセサリマウント33は、鏡筒部31に対して固定的に取付けられている。アクセサリマウント33は、接続具1が備える接続マウント23が採用するカメラマウントについての規格と同じ規格を採用したものであり、ナット状の雌ネジである接続マウント23の内側に螺合させることができる、リング状の雄ネジとされる。この実施形態のアクセサリマウント33は、接続マウント23が採用する規格、つまりはこの実施形態では、Cマウントに則ったものとされた、その外周面にネジ切りのされたリングである。
望遠レンズ30は、図4に示したようにして、そのアクセサリマウント33の外周のネジを、接続具1が備える接続マウント23の内周のネジに螺合させることによって、接続具1の鏡筒20の先端に接続される。アクセサリマウント33と、接続マウント23の規格は同一であるので、両者は接続することが可能であり、またアクセサリマウント33を接続マウント23に対してきつく螺合させることで、両者の位置関係はその規格で予定されていた位置関係となるようになっている。より詳細には、アクセサリマウント33は、接続マウント23に接続されるが、アクセサリマウント33の基端側の面を、上述の張り出している接続マウント23のうちの小径の孔を備えている部分の先端側の面に突き当てることにより、接続マウント23に対する光軸方向での位置決めを、予定された位置に一意に行えるようになっている。
望遠レンズ30のレンズ32は、この状態で、接続マウント23とアクセサリマウント33とに共通する規格で定められたフランジバック(L)の距離だけ後方の位置であるフランジバック位置(X)位置に、像光を結像させるようになっている。その位置は、例えば図4で示した位置であり、これには限られないが、この実施形態ではフィールドレンズ21Aよりも望遠レンズ30寄りの位置である。
接続具1を用いる場合には、先後は問わないが、ベース10へカメラ付き携帯電話40を、図2〜図4に示したような状態で取付け、またベース10と鏡筒20の基端とを着脱自在に固定するとともに、鏡筒20のレンズケース21の先端の接続マウント23に、望遠レンズ30のアクセサリマウント33を螺合させた状態とする。つまり、接続具1と、カメラ付き携帯電話40と、望遠レンズ30とを、図4に示した状態とする。
なお、アクセサリマウント33は望遠レンズ30に対して着脱自在となっていてもよい。その場合には、アクセサリマウント33を望遠レンズに対して接続する処理が上述の処理に加わる。なお、本願の光学的アクセサリは本来的に、或いはそれ自身がアクセサリマウントを備えている必要は必ずしもないが、その場合には、光学的アクセサリには、後付的に取付けられた、一般的には着脱自在に光学的アクセサリに着脱できるようにされたアクセサリマウントが取付けられる。
つまり、望遠レンズ30からの像光が結像する位置は、接続具1の接続マウント23及び望遠レンズ30のアクセサリマウント33に共通する規格から、一意に定まる。例えば、Cマウントのフランジバックは、17.526mmであり、CSマウントのフランジバックは、12.5mmである。
像光は、フランジバック位置Xで結像した後フィールドレンズ21Aに向かい、フィールドレンズ21Aによって、結像レンズ21Bに送られる。そして、結像レンズ21Bは、フィールドレンズ21Aから送られた像光を、カメラ付き携帯電話40のカメラレンズ43に集束させる。像光が結像する位置であるフランジバック位置Xが予めわかっており、またカメラ付き携帯電話40におけるカメラレンズ43と撮像素子45の特性もわかっているので、フィールドレンズ21Aと、結像レンズ21Bとを、フィールドレンズ21Aが、フランジバック位置Xからの像光を結像レンズ21Bに送り、結像レンズ21Bがその像光を、カメラレンズ43の瞳に収束させ、撮像素子45に再度結像させることにより、撮像素子45に正しく撮像させるように設計することは可能である。そして、この実施形態では、フィールドレンズ21Aと、結像レンズ21Bとは、そのように設計されている。したがって、結像レンズ21Bを通過した像光は、正しい条件で撮像素子45に結像する。なお、この実施形態では、結像レンズ21Bは、カメラレンズ43の視野角と略同じかそれ以上の立体角でカメラレンズ43の瞳の範囲内に像光を集束させる。
しかも、上述のフランジバック位置は、規格により一意に決定されているので、接続具1をそのままにしつつ、接続具1に接続する光学的アクセサリを、上述の望遠レンズ30から、上述の望遠レンズ30と同じカメラマウントについての規格(この実施形態であればCマウント)を採用する他の光学的アクセサリに変更した場合であっても、そのフランジバック位置は変わらない。これは、同一規格を採用した光学的アクセサリであれば、ねじ山の高さやピッチなどによってその可否が決定される、接続マウント23とアクセサリマウント33との接続が可能となるのみならず、接続具1内のフィールドレンズ21Aと結像レンズ21Bとが、光学的アクセサリを交換する前と同様に機能することを意味する。
したがって、この接続具1が有する接続マウント23に採用された規格と同じ規格を採用したアクセサリマウント33を有する光学的アクセサリであれば、どのような光学的アクセサリであっても、この接続具1を介すれば、撮像素子45を剥き出しにすることのできない、固定されたカメラレンズ43を有するカメラに対して取付けることができ、且つ光学的アクセサリの別によらず、光学的アクセサリからの像光を常に正しくカメラの撮像素子45に結像させ、その撮像素子45で正しく撮像させることができる。
もっとも、上述したように、カメラマウントについての規格には、フランジバックについての値も含まれている。それ故、接続マウント23を交換することによってフランジバック位置も変更される可能性がある。上述したように、接続具1のフィールドレンズ21Aと結像レンズ21Bとは、特定のフランジバック位置において結像した像光を、カメラ付き携帯電話40等のカメラの撮像素子45に正しく結像させるようなものとなっているので、フランジバック位置がずれると、撮像素子45にて像光が正しく結像しない可能性がある。そのようなことを防ぐには、接続マウント23を交換した場合においてもフランジバック位置が変わらないよう、接続マウント23とレンズケース21とが接続された場合におけるそれらの相対的な位置関係が変更されるように設計しておく必要がある。もっとも、かかる相対的な位置関係は、光路に沿う前後位置での位置決めのみであるから、そのような調整は特に難しくもない。
図6に示されるのは、光学的アクセサリが望遠レンズであり、それをカメラ付き携帯電話であるカメラに接続するために用いられる接続具1に含まれるフィールドレンズ21Aと結像レンズ21Bのレンズ構成例である。なお、図6では、図示を省略の光学的アクセサリが図の右側に存在するものとし、以下のようにその一部のみが図示されるカメラは図の左側に存在するものとする。この点は図7でも同様である。
この例では、フィールドレンズ21Aは2枚の、そして結像レンズ21Bは1枚のレンズによりそれぞれ構成されている。この例では、光学的アクセサリからの像光は、フィールドレンズ21Aのうちの最も光学的アクセサリ寄りのレンズよりも更に光学的アクセサリ寄りの位置に位置するフランジバック位置Xに一旦結像するようになっている。フランジバック位置Xに結像した像光は、そこからフィールドレンズ21Aによって結像レンズ21Bまで導かれ、結像レンズ21Bに向かう。結像レンズ21Bを通過した像光は、カメラ付き携帯電話のディスプレイを覆う硝子板Gを通過し、更にカメラレンズ43の瞳43A(なお、図6にはカメラレンズ43のうちの瞳43Aのみが図示されている。)に収束し、最終的に、撮像素子46の撮像面46A(なお、図6には撮像素子46のうちの撮像面46Aのみが図示されている。)に再度結像する。なお、結像レンズ21Bを出た像光は、カメラレンズ43のみならず硝子板Gでも屈折する。フィールドレンズ21Aと、結像レンズ21Bは、その点も加味して、最終的に増光が撮像素子46の撮像面46Aに結像するように設計されている。この点は、図7の例でも同様である。
図7に示されるのは、光学的アクセサリが顕微鏡であり、それをカメラ付き携帯電話であるカメラに接続するのに用いられる接続具1に含まれるフィールドレンズ21Aと結像レンズ21Bのレンズ構成例である。
この例では、フィールドレンズ21Aは2枚の、そして結像レンズ21Bは2枚のレンズによりそれぞれ構成されている。この例では、光学的アクセサリからの像光は、フィールドレンズ21Aのうちの最も光学的アクセサリ寄りのレンズの内部に位置するフランジバック位置Xに一旦結像するようになっている。フランジバック位置Xに結像した像光は、そこからフィールドレンズ21Aによって結像レンズ21Bまで導かれ、結像レンズ21Bに向かう。結像レンズ21Bを通過した像光は、カメラ付き携帯電話のディスプレイを覆う硝子板Gを通過し、更にカメラレンズ43の瞳43A(なお、図7にはカメラレンズ43のうちの瞳43Aのみが図示されている。)に収束し、最終的に、撮像素子46の撮像面46A(なお、図7には撮像素子46のうちの撮像面46Aのみが図示されている。)に再度結像する。
第2実施携帯の接続具1は、第1実施形態の接続具1と概ね同様に構成されている。第2実施形態の接続具1が第2実施形態の接続具1と異なるのは、第2実施形態の接続具1が、第1実施形態の接続具1が有していなかった電源を備えているという点である。
第2実施形態の接続具1は、上述のようにベース10を備えている。そして、第2実施形態の接続具1のベース10の底面板10Aの一部は、図8に示したように二重構造になっており、その内部に内部空間10Cが形成されている。そしてその内部空間10Cには電源10Dが配されている。電源10Dはバッテリ、例えば公知のリチウムイオン電池によって構成されており、図示を省略の電源回路を備えている。電源回路は、後述する給電接点にその一端を接続された図示を省略の接続線の他端に接続されている。
鏡筒20はレンズケース21を備えている。レンズケース21の先端には、第1実施形態の場合と同様に、接続マウント23が取付けられている。
第2実施形態の接続マウント23は、上述した第1実施形態の接続マウント23と同様に、リング状である。第2実施形態の接続マウント23も、光軸に沿うその中央に円形の孔を備えており、その孔は、その先端側で大径であり、その基端側で小径となっている。接続マウント23のうちの小径の孔を備えている部分は、大径の孔を備えている部分の内側にドーナツ状に張り出している。その張り出している接続マウント23のうちの小径の孔を備えている部分の先端側の面23Aには、上述の給電接点23Xが設けられている。給電接点23Xは、ドーム状に上述の面23Aから突出している。給電接点23Xは、これには限られないが3つとされている。給電接点23Xのうちの2つは+接点と−接点であり、残りの1つはアースを行うための接点である。
他方、図示を省略するが、アクセサリマウント33の基端側の面には、給電接点23Xに対応した凹面に形成された接点である受電端士が、給電接点23Xと同数だけ設けられている。上述したように、アクセサリマウント33は接続マウント23に螺合によって接続されるが、そのとき、アクセサリマウント33の基端側の面は、接続マウント23の先端側の面23Aに突き当てられるようになっている。そして、その状態で、受電端士は、給電接点23Xに接触し、互いに導通するようになっている。この状態で、電源10Dから電源回路、接続線を介して給電接点23Xに供給される電力は、給電接点23Xと導通した受電端士を介して光学的アクセサリに供給されるようになっている。
その電力は光学的アクセサリにて用いられる。例えば光学的アクセサリは証明を備えている。電源10Dから供給された電力は、その光源を発行させるために用いられる。
なお、給電接点23Xと受電接点は、カメラマウントにおいて規格化されているものが存在するのであれば、それをそのまま用いることも可能である。
第1実施形態、第2実施形態では、カメラ付き携帯電話40であるカメラと、望遠レンズ30である光学的アクセサリとを接続する接続具1について説明した。
この実施形態では、光学的アクセサリと接続することのできる、カメラ50について説明する。このカメラ50は、一言で言うと、第1実施形態のカメラと接続具1とを一体にしたものである、と言える。
この筐体51には、第1実施形態のカメラ付き携帯電話40に含まれていたのと同様のカメラレンズ43と撮像素子45とが含まれている。カメラレンズ43は筐体51の前面に露出している。カメラレンズ43と撮像素子45は、図示せぬ撮像素子の制御回路等とともにモジュール化されている。かかるモジュールを、図5では、破線で囲み符号46を付して示している。カメラレンズ43は、技術的に言えば、モジュール46から取外すことも可能ではあるが、この実施形態ではモジュール46に改造を加えないことを優先し、モジュール46に含めたままとする。
筐体51は、その前面に鏡筒20を備えている。鏡筒20はレンズケース21を備えており、レンズケース21にはフィールドレンズ21Aと、結像レンズ21Bとが取付けられている。フィールドレンズ21Aと結像レンズ21Bは、第1実施形態で説明した通りのものである。レンズケース21の先端には、接続マウント23が設けられている。接続マウント23も第1実施形態で説明したものと同じものである。
鏡筒20は、筐体51に対して着脱自在になっていても良いがそうでなくても良い。この実施形態では、鏡筒20は筐体51に対して固定である。接続マウント23は、レンズケース21に対して着脱自在になっていても良い。この実施形態における接続マウント23は、第1実施形態で説明したのと同様の方法で、レンズケース21に対して着脱自在に取付けられるようになっており、レンズケース21に取付けられるある規格の接続マウント23を他の規格の接続マウント23に交換できるようになっている。
他方、この実施形態においてカメラ50には光学的アクセサリが着脱自在に接続されるようになっている。光学的アクセサリは、この実施形態では、望遠レンズ30である。望遠レンズ30は、第1実施形態で説明したものと同様である。もっとも光学的アクセサリは、第1実施形態で説明したものと同様に、望遠レンズ30には限られない。
もっとも第1実施形態では、接続具1のベース10にカメラ付き携帯電話40を固定する過程があったが、この実施形態におけるカメラ50は接続具1と第1実施形態におけるカメラ付き携帯電話40とをまとめたものとなっているから、その過程は省略できる。
10 ベース
11 カメラ孔
15 弾性片
16 係止片
20 鏡筒
21 レンズケース
21A フィールドレンズ
21B 結像レンズ
23 接続マウント
23X 給電接点
30 望遠レンズ
33 アクセサリマウント
40 カメラ付き携帯電話
41 ディスプレイ
43 カメラレンズ
45 撮像素子
46 モジュール
50 カメラ
51 筐体
Claims (9)
- レンズと前記レンズを通過した像光を撮像する撮像素子とを備えたカメラに対して、前記カメラで撮像される像光を前記カメラに送るものであり、規格化された固定手段であるアクセサリマウントを備えた光学的アクセサリを着脱自在に取付けるために用いられる接続具であって、
前記カメラに対して予定された位置関係で着脱自在に取付け可能とされた本体と、
前記アクセサリマウントと接続可能な、前記アクセサリマウントが採用する規格と同じ規格の固定手段である、前記本体に設けられた接続マウントと、
前記本体が前記カメラに取付けられ、且つ前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続された際に、前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格におけるフランジバック位置において結像する前記光学的アクセサリからの像光を導き、前記カメラのレンズに集束させて、前記カメラの前記レンズ越しに前記カメラの前記撮像素子に再び結像させる集束レンズと、
を備えている、
接続具。 - 前記接続マウントは、前記本体に対して着脱自在になっている、
請求項1記載の接続具。 - 前記フィールドレンズ集束レンズは、複数枚のレンズからなり、それらの位置関係が固定となるように一体とされており、前記フィールドレンズ集束レンズは、前記本体に対して着脱自在になっている、
請求項1記載の接続具。 - 前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格は、Cマウント又はCSマウントである、
請求項1記載の接続具。 - 前記集束レンズは、前記光学的アクセサリが前記接続具を介して前記カメラに取付けられたときに、前記像光を前記カメラの前記レンズの視野角と略同じかそれ以上の立体角で前記カメラの前記レンズの瞳に集束させるように構成されている、
請求項1記載の接続具。 - 電源を備えており、前記接続具を介して前記カメラに取付けられた前記光学的アクセサリは、前記電源から電力の供給を受けられるようになっている、
請求項1記載の接続具。 - 前記電源が電力を供給するための接点である給電接点が前記接続マウントに設けられており、前記給電接点は、前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続されたときに、前記アクセサリマウントに設けられた電力の供給を受けるための接点である受電接点と接触して導通するようになっている、
請求項6記載の接続具。 - レンズと前記レンズを通過した像光を撮像する撮像素子とを含む一体化されたカメラモジュールを備えており、前記カメラモジュールで撮像される像光を前記カメラモジュールに送るものであり、規格化された固定手段であるアクセサリマウントを備えた光学的アクセサリを着脱自在に取付け可能となっているカメラであって、
前記カメラモジュールに対して予定された位置関係で固定された本体と、
前記アクセサリマウントと接続可能な、前記アクセサリマウントが採用する規格と同じ規格の固定手段である、前記本体に設けられた接続マウントと、
前記本体が前記カメラに取付けられ、且つ前記接続マウントが前記アクセサリマウントと接続された際に、前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格におけるフランジバック位置において結像する前記光学的アクセサリからの像光を導き、前記カメラのレンズに集束させて、前記カメラの前記レンズ越しに前記カメラの前記撮像素子に再び結像させる集束レンズと、
を備えている、
カメラ。 - 前記アクセサリマウント及び前記接続マウントで採用される規格は、Cマウント又はCSマウントである、
請求項8記載のカメラ。
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