JP6429186B2 - 水耕栽培システム及び水耕栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、根物作物用の水位変動型かつ循環型の水耕栽培システム、それらのシステムを用いた水耕栽培方法などに関連する。
養液栽培は、土壌を用いずに、灌水と施肥を養液で行い、農作物を育てる方法であり、培地を用いない水耕栽培、培地を用いた固形培地耕などに分類される。水耕栽培は、土壌・固形培地などを用いずに、養液で栽培する方法であり、固形培地耕は、ロックウールなど、根の支持に土の代わりとなる固形培地を用いて、養液で栽培する方法である。
養液栽培には、一般的に、養液成分を調整できる、連作障害を予防できる、生育が早く短期間で出荷できる、土壌などの付着がないため簡易に洗浄できる、収穫作業などの労力を軽減できる、などの利点がある。
そのため、メロン・イチゴ・ナス・トマトなどの果菜類、ホウレンソウ・レタスなどの葉菜類などで養液栽培が広く実用化されている。一方、ダイコン・ニンジン・ゴボウなどの根菜類や、根部を収穫対象とする薬用植物など、いわゆる根物作物では、根部を養液に浸漬した状態で栽培すると、細根が多数発生し、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位が充分に肥大しないなどの課題があり、養液栽培はほとんど実用化されていない。
いわゆる根物作物では、根部の収穫部位を周期的に空気に曝すことで、それらの収穫部位を肥大させることができることが知られている。そこで、例えば、特許文献1では、ベッドの一部に設けられる槽の上方に配置される立体物を周期的に槽内に出し入れして、ベッド内の培養液の水位を周期的に上下に変異させる水位変異手段を含む水耕栽培装置などが、特許文献2では、ベッド内の培養液の液面をゴボウの根部に対して所定時間ごとに上下動させるゴボウの水耕栽培方法などが、それぞれ提案されている。また、本発明者らは、特許文献3において、養液を貯留する栽培槽と、その栽培槽内に形成され、上端開口部に植物体を設置する筒状部と、その栽培槽内の養液の水位を変動させる水位変動手段を備えた根物作物の養液栽培システムなどを開示している。その他、特許文献4には、サイフォンの原理を利用し、間欠給水、満水即排水を実施することにより、栽培プランター内の養液を水位変動させる、イモ類、根菜類、薬草類の養液栽培プランターが開示されている。
特開平7-177829号公報 特開平10-41号公報 特開2012-100573号公報 特開平1-165326号公報
上述の通り、いわゆる根物作物では、根部を養液に浸漬した状態で栽培すると、細根が多数発生し、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位が充分に肥大しないなどの課題があり、根物作物の養液栽培自体がほとんど実用化されていない。
また、上述の水位変動による根物作物の水耕栽培の場合、水位変動を実現するために水耕液を循環させずに栽培槽内に貯留させる方式を採用している一方、根物作物では主根の伸長などのために栽培槽の水深を深くする必要があるため、水耕液の淀み・滞留や水質の悪化を生じやすく、それが根部の収穫部位の肥大化にも影響を与える。
そこで、本発明は、根物作物において、根部の収穫部位をより肥大させることのできる水耕栽培手段を提供することなどを目的とする。
本発明では、根物作物の水耕栽培を行う栽培槽と、水耕液を循環させるための予備槽を備え、前記栽培槽の一端側には液供給手段が、他端側には液排出手段が設置され、前記液供給手段を駆動することにより、前記予備槽に貯留する水耕液を前記栽培槽へ供給するとともに、前記液排出手段により、前記栽培槽に貯留する前記水耕液を前記予備槽へ排出させることで前記水耕液を循環させる機構を備え、前記液供給手段は、駆動制御手段により定期的に一定時間駆動するように制御され、前記液排出手段は浅部排出部及び深部排出部を有し、前記浅部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さに開口し、前記水耕液を前記栽培槽の浅部から前記予備槽に排出する構成であり、前記深部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽の深部に開口し、サイフォンの原理により、前記水耕液を、前記栽培槽の深部から前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近まで上行させた後、前記予備槽に排出する構成である根物作物用の水耕栽培システムなどを提供する。
この水耕栽培システムでは、栽培槽内へ水耕液を供給する液供給手段が、駆動制御手段により定期的に一定時間駆動するように制御されており、液供給手段の駆動の有無によって定期的な水位変動が実行される。栽培槽内の水位を定期的に変動させることで、根物作物の根部に間欠的に乾燥ストレスを与えることができるため、細根の発生を抑制し、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位を肥大させることができ、良好な収穫物を取得できる。
また、この水耕栽培システムでは、栽培槽の一端側に設置された液供給手段を駆動することにより、予備槽に貯留する水耕液を栽培槽に供給するとともに、栽培槽の他端側に設置された液排出手段により、栽培槽に貯留する水耕液を予備槽へ排出させる。これにより、液供給手段の駆動時に、水耕液を栽培槽と予備槽の間で循環させるとともに、栽培槽内に貯留する水耕液も絶えず入れ替えることができるため、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を抑制できる。
加えて、この水耕栽培システムでは、液排出手段として浅部排出部及び深部排出部を有し、浅部排出部はオーバーフローにより栽培槽の浅部域より水耕液を排出する機能を有し、深部排出部はサイフォンの原理により栽培槽の深部域より水耕液を排出する機能を有する。そのため、前記栽培槽内に貯留する前記水耕液を前記浅部排出部及び前記深部排出部から前記水耕液を排出させることで、前記栽培槽内の浅部域と深部域とで、前記液供給側から前記液排出側へ向けた略一様な流れを形成することができる。上述の通り、根物作物の水耕栽培では主根の伸長などのために栽培槽の水深を深くする必要があるため、特に栽培槽の底側では水耕液の淀みや滞留が生じやすく、また、栽培槽内の浅部域と深部域とで水質環境のむらも生じやすい。それに対し、本発明では、栽培槽内の浅部域と深部域とでの水質環境のむらを少なくより均一にすることができるため、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を効果的に抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を有効に抑制できる。
このように、本発明では、水位変動により乾燥ストレスを与えることができることに加え、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を効果的に抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を有効に抑制できるため、根物作物において、その生育をより促進し、根部の収穫部位をより肥大させることができる。
根物作物の水耕栽培において、根部の収穫部位を肥大させるためには、栽培期間の全体に亘って水位変動が安定的に行われる必要がある。例えば、水位変動調節に不具合が発生し、栽培槽内の水位が一定時間下がらなくなった場合には、その間、根部が空気に曝されることなく長期間水耕液に浸漬される状態になるため、細根の発生が促進され、根部の収穫部位の肥大化が抑制される。一方、例えば、栽培槽内の水位が一定時間上がらなくなった場合には、根部が一定時間以上空気に曝されるため、早期にその不具合を発見しないと、比較的短時間であっても根物作物自体が枯死するなど、深刻なダメージを受けやすい。
それに対し、この水耕栽培システムでは、液供給手段の駆動時には、液供給手段によって栽培槽内へ供給された量とほぼ同量の水耕液が液排出手段の浅部排出部及び深部排出部から排出され、栽培槽内では、水耕液の供給量と排出量の均衡がほぼ保たれ、原則的にほぼ一定の水位が維持される。一方、液供給手段の非駆動時には、液供給手段による水耕液の補充がなくなるため、栽培槽内に残存した水耕液が液排出手段の深部排出部からサイフォンの原理により排出され、低水位となる。即ち、本発明では、サイフォンの原理によって栽培槽内の水位変動の調節を行うのではなく、液供給手段の駆動の有無によって水位変動を行うため、目詰まりの発生などによって水位変動が不具合となる懸念は少なく、水位変動調節における不具合自体が発生しにくい。
また、本発明では、例えば、液供給手段の駆動時に水耕液の供給量と排出量の均衡が崩れ、栽培槽への供給量の方が排出量よりも大きくなった場合でも、過剰に供給された水耕液は、その分、液排出手段の浅部排出部から排出されるため、栽培槽から水耕液が溢れ出すことを防止できる。そして、本発明では、液供給手段の駆動の有無によって水位変動を行うため、液供給手段の非駆動時には通常通り水位が低下する。従って、定期的な水位変動も維持され、根部が長期間水耕液に浸漬される状態にも陥らない。
逆に、例えば、液供給手段の駆動時に水耕液の供給量と排出量の均衡が崩れ、栽培槽への排出量の方が供給量よりも大きくなった場合、液供給手段による水耕液の補充が不充分となるため、水耕液は、液供給手段の非駆動時と同様、液排出手段の深部排出部からサイフォンの原理により排出され、低水位となる。しかし、一定時間が経過して液供給手段が設定通り停止すると、深部排出部内に空気が流入するため、サイフォンの原理が働かなくなり、深部排出部における水耕液の排出が一端停止する。そこで設定通り液供給手段が再駆動すると、水耕液は、一定の水位にまで達し、深部排出部においてサイフォンの原理が働くようになるまでは、栽培槽内に貯留する。そのため、根部が一定時間以上空気に曝されることを防止でき、根物作物の枯死などの深刻なダメージを回避できる。
このように、本発明では、水耕液を循環させながら水位変動を行うことができ、また、水位変動調節における不具合自体が発生しにくく、さらに、液供給手段の駆動時に水耕液の供給量と排出量の均衡が崩れた場合にも、大きな支障をきたすことなく、そのまま水耕栽培を継続することができる。従って、栽培期間の全体に亘って定期的な水位変動を安定的に維持することができる。そして、これにより、根物作物において、根部の収穫部位を有効に肥大させることができ、かつ水位変動調節の不具合などによる枯死などの不測の事故の発生を極力回避できる。
本発明により、根物作物において、細根の発生を抑制し、主根などの収穫部位をより肥大させることができ、より良好な収穫物を取得できる。
<本発明に係る水耕栽培システムについて>
本発明は、根物作物の水耕栽培を行う栽培槽と、水耕液を循環させるための予備槽を備え、前記栽培槽の一端側には液供給手段が、他端側には液排出手段が設置され、前記液供給手段を駆動することにより、前記予備槽に貯留する水耕液を前記栽培槽へ供給するとともに、前記液排出手段により、前記栽培槽に貯留する前記水耕液を前記予備槽へ排出させることで前記水耕液を循環させる機構を備え、前記液供給手段は、駆動制御手段により定期的に一定時間駆動するように制御され、前記液排出手段は浅部排出部及び深部排出部を有し、前記浅部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さに開口し、前記水耕液を前記栽培槽の浅部から前記予備槽に排出する構成であり、前記深部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽の深部に開口し、サイフォンの原理により、前記水耕液を、前記栽培槽の深部から前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近まで上行させた後、前記予備槽に排出する構成である根物作物用の水耕栽培システムをすべて包含する。以下、図1及び図2を用いて、その例を説明する。なお、本発明は、この実施形態のみに狭く限定されない。
図1は、本発明に係る水耕栽培システムの例を示す流れ方向鉛直断面模式図、図2は図1の水耕栽培システムのうちの液排出手段周辺を模式的に拡大した部分断面模式図である。
図1では、水耕栽培システムAが、根物作物の水耕栽培を行う栽培槽1と、水耕液Wを循環させるための予備槽2を備え、栽培槽1の一端側(液供給側)11には液供給手段3が、他端側(液排出側)12には液排出手段4が設置されている。液供給手段3には駆動制御手段31が接続され、液排出手段4は浅部排出部5及び深部排出部6を有している。また、栽培槽1の底面13近傍に曝気手段7が設けられ、栽培槽1内の液供給側11近傍の位置に整流板8が設置されている。栽培槽1内には水位の上限として設定した高さW1まで水耕液Wが貯留しており、栽培槽1内に貯留する水耕液Wを浅部排出部5及び深部排出部6から排出させることで、栽培槽1内の浅部域R1と深部域R2とで、液供給側11から液排出側12へ向けた略一様な流れ(符号X1、X2)が形成されている。その他、図2には、液排出手段4周辺の具体的構成例を示す。
水耕栽培システムAは、根物作物用の水位変動型かつ循環型の水耕栽培システムであり、上記の通り、栽培槽1と予備槽2を備え、液供給手段3を駆動することにより、予備槽2に貯留する水耕液Wを栽培槽1の一端側11へ供給するとともに、液排出手段4により、栽培槽1に貯留する水耕液Wを予備槽2へ排出させることで水耕液Wを循環させる機構を備えるとともに、液供給手段3の駆動の有無によって定期的な水位変動が実行される。
この水耕栽培システムAの栽培対象となる植物としては、水位変動による乾燥ストレスを負荷することが有効な植物であればよく、特に限定されない。例えば、水位変動による乾燥ストレスを負荷することで、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位が肥大する植物、具体的には、ダイコン・ニンジン・ゴボウなどの根菜類や、根部を収穫対象とする薬用植物などのいわゆる根物作物が本発明の栽培対象として好適である。
本発明は、根物作物の水耕栽培、即ち、土壌・固形培地などを用いずに水耕液(養液)で栽培する場合に特に適している。根物作物の栽培を固形培地耕でなく水耕栽培で行うことには、収穫時の培地を落とす作業を省略でき、収穫作業を容易にすることができるという利点がある。図1では、植物体Pの茎基部P1を、支持体Bで固定し、植物体Pの根部P2が水耕液Wに浸るように栽培槽1内に支持体Bを設置している。
上述の通り、この水耕栽培システムAは、根物作物の水耕栽培を行う栽培槽1と、水耕液を循環させるための予備槽2を備える。
栽培槽1は、根物作物の水耕栽培を行う場所である。栽培槽1内に水耕液Wを貯留させ、根部P2の少なくとも一部が水耕液Wに浸るように植物体Pを固定し、植え付けることで、水耕栽培を行う。
栽培槽1の形状・寸法・素材などは、植え付ける植物に応じて適宜設計すればよく、また公知のものを広く採用でき、特に限定されない。根物作物を栽培する場合は、その収穫部位が根部P2で鉛直方向に長く伸張させるため、通常の水耕栽培よりも水深を深く設計する必要があることが多い。その他、栽培槽1は、蒸発による水耕液Wの減少を抑制し、水温を一定に維持し、害虫などの侵入を抑止するため、植物体Pに接触する部分以外を略遮蔽する構成にしてもよい。
予備槽2は、栽培槽1とは別個に設けられた、水耕液Wを貯留する水槽であり、水耕液を循環させるための構成である。上述の通り、液供給手段3を駆動して予備槽2に貯留する水耕液Wを栽培槽1へ供給するとともに、液排出手段4により、栽培槽1に貯留する水耕液Wを予備槽2へ排出させることで水耕液Wを循環させる。
予備槽2の形状・寸法・素材などは、公知のものを広く採用でき、特に限定されない。
例えば、動力などを要せずに、栽培槽1に貯留する水耕液Wを予備槽2へ排出できるようにするためには、予備槽2は、栽培槽1よりも低い位置に設置することが好ましい。例えば、予備槽2を栽培槽1の下側に配置し、上段を栽培槽1、下段を予備槽2とした二段構造とすることにより、水耕栽培システムAをコンパクトにまとめることができ、省スペース化を図ることができる。その他、予備槽2は、蒸発による水耕液Wの減少を抑制し、水温を一定に維持し、害虫などの侵入を抑止するため、蓋材などで略遮蔽する構成にしてもよい。
液供給手段3は、予備槽2に貯留する水耕液Wを栽培槽1へ供給する部位であり、栽培槽1の一端側11に設置される。
本発明では、液供給手段3は、予備槽2に貯留する水耕液Wを、定期的に一定時間、栽培槽1へ供給できる構成であればよく、公知の技術を広く採用でき、特に限定されない。例えば、図1の水耕栽培システムAでは、液供給手段3は、供給手段3の駆動時期及び駆動時間を制御する駆動制御手段31と、水耕液Wを供給するための動力手段であるポンプ32と、水耕液Wを栽培槽1へ誘導する管路33で形成されている。
駆動制御手段31は、液供給手段3が定期的に一定時間駆動するように制御する部位である。液供給手段3は、駆動制御手段31により定期的に一定時間駆動するように制御される。駆動制御手段31によって、水耕液Wを供給して根部P2が水耕液Wに浸漬される時間、及び、水位を低下させ、根部P2が空気中に露出する時間を任意に設定できる。
図1の耕栽培システムAでは、例えば、駆動制御手段31が、設定に基づいて、液供給開始時にポンプ32への通電を許可してポンプ32を駆動させ、液供給停止時にポンプ32への通電を遮断してポンプ32を停止させることで、駆動制御手段31の駆動の有無を制御する。
本発明では、駆動制御手段31が液供給手段3の駆動の有無を制御することによって、定期的な水位変動が実行される。栽培槽1内の水位を定期的に変動させることにより、根物作物の根部P2に間欠的に乾燥ストレスを与えることができるため、細根の発生を抑制し、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位を肥大させることができ、良好な収穫物を取得できる。また、本発明では、液供給手段3の駆動の有無によって水位変動を行うため、目詰まりの発生などによって水位変動が不具合となる懸念は少なく、水位変動調節における不具合自体が発生しにくい。
駆動制御手段31は、例えば、駆動時間、非駆動時間、駆動時期、所定時間毎の定期的な駆動などのうちの複数を目的・用途などに応じて適宜設定し、それによって液供給手段3の間欠的な駆動を制御できるものであればよく、間欠タイマーなど、公知の技術を広く採用でき、特に限定されない。
ポンプ32は、水耕液Wを予備槽2から栽培槽1へ供出できるものであればよく、公知のものを広く採用できる。例えば、図1のように、ポンプ32を予備槽2内に設置し、予備槽2から水耕液Wを取り込み、動力によりその水耕液Wを上行させ、栽培槽1へ供出するように形成してもよい。
管路33は、液供給手段3における水耕液Wの流路で、一端が、予備槽2に開口し、若しくはポンプ32などに接続され、他端(符号34)が栽培槽1に開口する。例えば、図1のように、栽培槽1側の開口部34が栽培槽1の一端側11の上側に配置し、液供給手段3によって供給された水耕液Wが栽培槽1の一端側11の上側から栽培槽1内に注ぎ込むような構造に形成してもよい。管路33を形成する部材としては、例えば、塩化ビニル管など公知の管状部材を採用できる。
液供給手段3を駆動すると、例えば、予備槽2内の水耕液Wは、管路33又はポンプ32に取り込まれ(符号X3)、管路33内を上行した後(符号X4)、開口部34より栽培槽1内に流入する(符号X5)。液供給手段3を駆動し、予備槽2に貯留する水耕液Wを栽培槽1に供給することで、水耕液Wを栽培槽1と予備槽2の間で循環させることができ、それにより、栽培槽1内に貯留する水耕液Wを絶えず入れ替えることができるため、栽培槽1内の水耕液Wの淀みや滞留を抑制でき、水耕液Wの溶存酸素低下や水質悪化を抑制できる。
液排出手段4は、栽培槽1内に貯留する水耕液Wを予備槽2に排出する部位であり、栽培槽1の他端側12に設置される。
本発明では、液排出手段4は浅部排出部5及び深部排出部6を有し、水耕液Wの排水を浅部排出部5と深部排出部6の二カ所で行う。
浅部排出部5は、栽培槽1側の端部が栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1に開口し、水耕液Wを栽培槽1の浅部から予備槽2に排出する構成であり、例えば、栽培槽1内に貯留する水耕液Wをオーバーフローによって予備槽2に排出する。
例えば、図2では、浅部排出部5は、栽培槽1側の開口部51と、予備槽2側の開口部52と、その間の管路53を有し、管路53は、栽培槽1内の液排出側12に略鉛直に形成された栽培槽1側先端部分54と、管路53の途中において栽培槽1の壁面を貫通する貫通部55と、水耕液Wを予備槽2に誘導する予備槽2側先端部分56を有している。水耕液Wはオーバーフローによって栽培槽1側の開口部51から管路53内に流入し(符号X6)、予備槽2側の開口部52より予備槽2に排出される(符号X7)。
管路53を形成する部材としては、例えば、塩化ビニル管など公知の管状部材を採用できる。栽培槽1側の開口部51は、栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1に略上向きに開口する。浅部排出部5の開口部51の高さを調節することにより、栽培槽1内の水位の上限として設定した高さ(最大水位位置)W1を任意の高さに設定できる。また、栽培槽1側の開口部51を略上向きを維持しつつ傾斜させることにより、設定高さW1を微調整することができる。予備槽2側の開口部52は、予備槽2の上側に略下向きに開口し、栽培槽1から排出された水耕液Wを予備槽2に流入させる。
深部排出部6は、栽培槽1側の端部が栽培槽1の深部に開口し、サイフォンの原理により、水耕液Wを、栽培槽1の深部から栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1付近まで上行させた後、予備槽2に排出する構成である。
深部排出部6は、サイフォンの原理により栽培槽1の深部から水耕液Wを排出できる構成であればよく、公知の形状・部材・構造などを広く採用でき、特に限定されない。
例えば、図2に示す通り、水耕栽培システムAは、一端(開口部611)が栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1付近に開口し、他端(開口部612)が前記予備槽2に開口する第一管状部材61と、一端(蓋部621)が閉塞された略筒状の形態を有し、内径Y1が第一管状部材61の管路613の栽培槽1側先端部分614の外径Y2よりも大きい第二管状部材62とで深部排出部6が形成され、第一管状部材61の栽培槽側先端部分614に第二管状部材62が遊嵌されることによって、第一管状部材61の栽培槽側の開口部611の上縁と第二管状部材62内部の天面622(蓋部621の裏面)が略対面するとともに、第一管状部材61の外壁面617と第二管状部材62の内壁面627との間に流通空間R3が形成され、該流通空間R3が栽培槽1の深部に開口し、かつ第一管状部材61の栽培槽1側の開口部611上縁の全周に亘って網状部材618が軸方向に立設されることで、第一管状部材61の栽培槽側の開口部611の上縁と第二管状部材62内部の天面622との対面箇所に隙間が形成された構成を備える形態にしてもよい。
第一管状部材61は、栽培槽1側の開口部611と、予備槽2側の開口部612と、その間の管路613を有し、管路613は、栽培槽1内の液排出側12に略鉛直に形成された栽培槽1側先端部分614と、管路63の途中において栽培槽1の壁面を貫通する貫通部615と、水耕液Wを予備槽2に誘導する予備槽2側先端部分616を有している。第一管状部材61の外壁面617は、第二管状部材62が嵌め込まれた際に、第二管状部材62の内壁面627との間に流通空間R3を形成する。
第一管状部材61(の管路613)を形成する部材としては、例えば、塩化ビニル管など公知の管状部材を採用できる。栽培槽1側の開口部611は、例えば、栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1付近の、浅部排出部5の栽培槽1側の開口部51よりも低い高さに略上向きに開口する。また、第一管状部材61の栽培槽1側の開口部611を略上向きを維持しつつ傾斜させることで、開口部611の高さを微調整してもよい。予備槽2側の開口部612を予備槽2の上側に略下向きに設置することで、栽培槽1から排出された水耕液Wを予備槽2に流入させることができる。
第一管状部材61の栽培槽1側の開口部611上縁には、その全周に亘って網状部材618が軸方向に立設される構成にしてもよい。これにより、深部排出部6内を水耕液Wが流通する際にその中に含まれている枯葉・脱落根などの夾雑物を捕捉し、除去できる。また、網状部材618で夾雑物を捕捉し、除去することにより、夾雑物が栽培槽1・予備槽2間を循環することを防止できるため、液供給手段3、液排出手段4などにおける詰まりなどの不具合の発生を有効に抑止し、良好な循環状況を維持できる。
第一管状部材61の栽培槽1側の開口部611に網状部材618を立設することで、第二管状部材62を第一管状部材61に遊嵌した場合にも、第一管状部材61の栽培槽側の開口部611上縁と第二管状部材内部62の天面622との対面箇所に網状部材618の高さ分の隙間を維持できる。これにより、第一管状部材61の管路613内を水耕液Wが降下することにより形成された陰圧状況を緩和し、(1)液供給手段3の停止の際に、下限として設定した高さW2に水位が低下するまで水耕液Wを予備槽2へ排出した後、管路613内に空気が流入し、サイフォンの原理が働かなくなることで水耕液Wの排出を適切に停止することができ、(2)液供給手段3の再駆動の際に、水位の上限として設定した高さW1付近まで栽培槽1内に水耕液Wを貯留させ、さらに水位が高さW1付近まで達した後は、サイフォンの原理が再び働くことにより、水耕液Wの排出を適切に再開することができる。
第二管状部材62は、第一管状部材61と組み合わせることで深部排出部6を形成する部材であり、一端が閉塞された略筒状の形態を有する。
図2では、第二管状部材62は、上端側の蓋部621と、第二管状部材62内部の天面622(蓋部621の裏面)と、筒本体623と、開口部624を有する。
第二管状部材62を形成する部材としては、公知のものを広く採用できる。例えば、塩化ビニル管などの公知の管状部材の一端にエンドキャップを装着することにより、第二管状部材62を形成できる。
第二管状部材62の(筒本体623の)内径Y1は、深部排出部6を形成する際、一定の隙間(流通空間R3)を有した状態で、第一管状部材61の栽培槽1側先端部分614に第二管状部材62を嵌め込む点を考慮して、第一管状部材61の栽培槽1側先端部分614の外径Y2よりも大きく設計する。
深部排出部6の寸法(筒本体623の長さ)は、目的・用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、第一管状部材61の栽培槽1側先端部分614に嵌め込んだ際に、第二管状部材62の開口部624が栽培槽1の底面13近傍の位置に開口するように調節する。例えば、水位の上限として設定した高さW1(又はそれに網状部材615の高さ分を加えた高さ)と下限として設定した高さW2の間の距離と略同等の長さに調節してもよい。
図2では、上記の通り、深部排出部6を、第一管状部材61と第二管状部材62を組み合わせることによって形成している。即ち、第一管状部材61の栽培槽側先端部分614に第二管状部材62が遊嵌されることによって、第一管状部材61の栽培槽側の開口部611の上縁と第二管状部材62内部の天面622(蓋部621の裏面)が略対面する状態にしている。その際、第一管状部材61の外壁面617と第二管状部材62の内壁面625との間に流通空間R3が形成されている。
この構成により、深部排出部6の栽培槽1側の端部、即ち、第二管状部材62の開口部624が栽培槽1の深部に開口する形態を形成でき、この形態により、サイフォンの原理を働かせ、栽培槽の深部域より水耕液を排出させることができる。即ち、栽培槽1内の水耕液Wが水位W1付近にまで達し、流通空間R3の空気が排除されると、サイフォンの原理が働き、栽培槽1の深部に貯留する水耕液Wが第二管状部材62の開口部624より流通空間R3に流入し(符号X8)、栽培槽1内の水位の上限として設定した高さW1付近まで上行した後、網状部材618を通過して第一管状部材61の開口部611より管路613に流入し(符号X9)、予備槽2へ排出される(符号X10)。
第二管状部材62の開口部624が栽培槽1内の底面13近傍の位置に配置されるようにするとともに、深部排出部6の開口高さ、即ち、第二管状部材62の開口部624の高さを調節することにより、栽培槽1の最小水位位置(水位の下限として設定した高さ)W2を任意の高さに設定できる。従って、例えば、深部排出部6が、栽培槽1内の底面13近傍の、底面13から離れた高さW3に開口する構成にすることにより、低水位になった場合でも、最低限、その高さW3の水耕液を残存させることができるため、水位変動調節に想定外の不具合が発生した場合であっても、根部が完全な乾燥条件下に曝されることを防止でき、根物作物の枯死などの危機を低減できる。
上述の通り、この水耕栽培システムAでは、液供給手段3の駆動時には、液供給手段3によって栽培槽1内へ供給された水耕液Wとほぼ同量が液排出手段4の浅部排出部5及び深部排出部6から排出されるように調節することで、栽培槽1内の水耕液Wの供給量と排出量の均衡をできるだけ保ち、原則的にほぼ一定の水位が維持されるようにする。また、本システムAの立ち上げの際には、液供給手段3の駆動時に、液排出手段4の浅部排出部5と深部排出部6の両方から排出されるように、液供給手段3による水耕液Wの供給量を調節することが好ましく、浅部排出部5からの排出量と深部排出部6からの排出量が略同等になるように液供給手段3による水耕液Wの供給量を調節することがより好ましい。但し、上述の通り、液供給手段3の駆動時に、栽培槽1内における水耕液Wの供給量と排出量の均衡が崩れた場合にも、本システムAは、大きな支障をきたすことなく、そのまま水耕栽培を継続することができる。
例えば、液供給手段3によって栽培槽1内へ供給された水耕液Wとほぼ同量が液排出手段4の浅部排出部5及び深部排出部6から排出されるように調節することにより、さらには、浅部排出部5からの排出量と深部排出部6からの排出量が略同等になるように液供給手段3による水耕液Wの供給量を調節することにより、栽培槽1内には水位の上限として設定した高さW1まで水耕液Wを貯留させるとともに、栽培槽1内に貯留する水耕液Wを浅部排出部5と深部排出部6の両方から排出させることができるため、栽培槽1内の浅部域R1と深部域R2とで、液供給(符号X1)側から液排出(符号X2)側へ向けた略一様な流れ(符号X3)を形成することができる。
また、栽培槽1内に貯留する水耕液Wを浅部排出部5及び深部排出部6から排出させることで、栽培槽1内の浅部域R1と深部域R2とで水質環境にむらなく略均一に、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を抑制できる。このことは、特に、水耕栽培時に水深を深くする必要のある根物作物の水耕栽培において非常に有効であり、これによって、根物作物において、その生育をより促進し、根部P2の収穫部位をより肥大させることができる。
本発明では、例えば、前記栽培槽1の底面13近傍に曝気手段7が設けられた構成にしてもよい。
曝気手段7は、栽培槽1内に空気を供給する部位であり、散気管など、公知のものを広く用いることができる。例えば、散気管のように、棒状で複数の位置から空気を供給可能な曝気手段7を、栽培槽1の底面13近傍に、栽培槽1の長手方向に沿って一又は複数設置することにより、栽培槽1の底面13付近に広く空気を供給できるため、栽培槽1の底面13近傍の溶存酸素量を増大させることができる。これにより、根物作物の生育をより促進し、根部P2の収穫部位をより肥大させることができる。
本発明では、板面上に複数の貫通孔が形成された整流板8が、前記栽培槽1内の前記液供給側11近傍の位置に、略鉛直に設置された構成にしてもよい。
整流板8は、栽培槽1内において、液供給手段3から供給された水耕液Wの流れを整えるための部材である。液供給手段3から供給される水耕液Wは、栽培槽1の限られた場所に同じ方向で勢いよく流入するため、流れの速い領域と停滞しがちな領域が生じやすく、栽培槽1内の流れが不均一になりやすい。それに対し、例えば、栽培槽1内の液供給側11近傍の位置に、略鉛直に、かつ流れ方向(符号X1、X2)に対して略垂直に整流板8を設置することにより、液供給手段3から供給される水耕液Wによって形成された流れを一端減弱させてから栽培槽1内の液排出側12に水耕液Wを供給することで、比較的緩除で均一な流れを形成することができる。
整流板8は、公知のものを広く採用でき、特に限定されないが、例えば、板状部材の板面上に複数の貫通孔が形成された部材を用いることで、供給手段3から供給される水耕液Wによって形成された流れを板面上に当てて一端減弱させ、かつ貫通孔から水耕液Wを流通させることができる。
<本発明に係る水耕栽培方法について>
本発明は、根物作物の水耕栽培を行う栽培槽と、水耕液を循環させるための予備槽を備え、前記栽培槽の一端側には液供給手段が、他端側には液排出手段が設置され、前記液排出手段は浅部排出部及び深部排出部を有し、前記浅部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さに開口し、前記水耕液を前記栽培槽の浅部から前記予備槽に排出する構成であり、前記深部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽の深部に開口し、サイフォンの原理により、前記水耕液を、前記栽培槽の深部から前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近まで上行させた後、前記予備槽に排出する構成である水耕栽培システムを用いて、前記液供給手段を定期的に一定時間駆動することにより、前記予備槽に貯留する水耕液を前記栽培槽へ供給するとともに、前記液排出手段により、前記栽培槽に貯留する前記水耕液を前記予備槽へ排出させることで前記水耕液を循環させながら定期的に水位変動させる根物作物の水耕栽培方法を全て包含する。
上述の通り、例えば、上述の水耕栽培システムAを採用し、液供給手段を定期的に一定時間駆動することにより、水耕液を循環させて水耕栽培を行うことができ、かつ液供給手段の駆動の有無によって定期的な水位変動を実行することができる。
従って、上述の通り、水耕液を栽培槽と予備槽の間で循環させることにより、栽培槽内に貯留する水耕液を絶えず入れ替えることができるため、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を抑制できる。また、液排出手段として浅部排出部及び深部排出部の二つを用いることにより、栽培槽内の浅部域と深部域とでの水質環境のむらを少なくより均一にすることができるため、栽培槽内の水耕液の淀みや滞留を効果的に抑制でき、水耕液の溶存酸素低下や水質悪化を有効に抑制できる。さらに、栽培槽内の水位を定期的に変動させるため、根物作物の根部P2に間欠的に乾燥ストレスを与えることができる。従って、本発明により、植物体の生育を促進できるほか、細根の発生を抑制し、主根・不定根・根茎・塊茎などの収穫部位を肥大させることができ、良好な収穫物を取得できる。
実施例1では、本発明に係る水耕栽培システムによって、カンゾウ属の薬用植物であるウラルカンゾウの栽培を試みた。
本実施例で用いた水耕栽培システムは、概ね図1と同様の構成であり、細部は以下の通りとした。
幅400mm×長さ2,000mm×高さ400mmの栽培槽と、幅400mm×長さ2,200mm×高さ300mmの予備槽を準備し、予備槽を栽培槽の下方に配置し、二段構造とした。
液供給手段をポンプと塩化ビニル管で作成した。予備槽の一端側から上行し、栽培槽の同側の上方から水耕液を供給できるように、塩化ビニル管を連結配置し、ポンプを予備槽内に設置し、塩化ビニル管の一端をポンプと連結した。ポンプを駆動すると、予備槽内の水耕液を栽培槽内の一端側に供給できた。ポンプには、駆動制御手段として間欠タイマーを接続し、駆動時間50分、停止時間10分とし、そのセットを繰り返すように設定した。
液排出手段の浅部排出部として、一端が栽培槽内の底面から300mmの高さに略上向きに開口し、途中で栽培槽壁を貫通し、他端が予備槽に下向きに開口するように、塩化ビニル管などを連結して流路を形成した。
液排出手段の深部排出部は、第一管状部材と第二管状部材を組み立てて作成した。第一管状部材として、一端が栽培槽内の底面から約200mmの高さに略上向きに開口し、途中で栽培槽壁を貫通し、他端が予備槽に下向きに開口するように、塩化ビニル管などを連結して流路を形成し、さらに、第一管状部材の栽培槽側先端に周縁に沿って約100mmの高さの網状部材を立設させた。第二管状部材として、内径が第一管状部材の栽培槽側先端部分の外径よりも大きい約300mm長の塩化ビニル管を準備し、その一端をエンドキャップで閉塞することで略筒状の形態を作成した。そして、第一管状部材の栽培槽側先端部分に第二管状部材を遊嵌させることによって、第一管状部材の栽培槽側先端と第二管状部材内部の天面を略対面させるとともに、第一管状部材の外壁面と第二管状部材の内壁面との間に流通空間を形成させ、その流通空間が前記栽培槽の深部に開口した構造になるようにした。また、第一管状部材の栽培槽側先端に周縁に沿って網状部材を立設させることで、第一管状部材の栽培槽側先端と第二管状部材内部の天面との対面箇所に隙間が形成された状態にした。
栽培槽及び予備槽に大塚A処方の1/4培養液を入れ、支持体でウラルカンゾウ株の茎基部を固定し、植物体の根部が水耕液に浸るように栽培槽内に支持体を設置した。上限水位に水耕液が達した際に植物体の根部が水耕液に浸るように、浅部排出部の栽培槽側先端部分、若しくは第一管状部材の栽培槽側先端部分を傾斜させて調節した。そして、液供給手段を駆動し、駆動時間50分、停止時間10分の周期で水位変動を繰り返し、駆動時には水耕液を循環させながら、360日間、栽培を続けた。
栽培期間中、液供給手段の駆動時には、液供給手段により水耕液が栽培槽内に供給され、栽培槽内では設定の高さの水位が維持され、液排出手段では浅部排出部と深部排出部の両方から、水耕液が予備槽に向けて排水され続け、水耕液は概ね良好に循環し続けた。
また、栽培期間中、液供給手段の非駆動時には、液排出手段の深部排出部からサイフォンの原理により水耕液が排出され、栽培槽内では低い水位が維持され、水位変動を良好に行うことができた。
栽培期間中、定期的に水耕栽培システムの点検を行った。その結果、第一管状部材上の網状部材に枯葉・脱落根などが捕捉されることで、約二週間経過すると、液排出手段の深部排出部からの排出量が約20%低下することが分かった。しかし、液排出手段の深部排出部からの排出量が低下することで、浅部排出部からの排出量はその分増えたが、水耕液の循環及び水位変動は安定的かつ良好に維持し続けることができ、植物体も枯死などせずに良好に生育を続けることができた。
その後は、約二週間おきに、第一管状部材上の網状部材に捕捉された枯葉・脱落根などを回収しながら、栽培を続けた。また、水耕液を随時追加した。
その結果、360日間栽培した後、全ての株で根部を肥大させることができた。根部の収穫部位(肥大部)の収量は、乾燥重量で1株当たり平均100g以上であった。この値は、本発明者らがウラルカンゾウ株について、通常通り、養液を循環させずに栽培槽内に貯留させる方式で養液栽培を行った場合の収量の約4倍であった。
この結果は、本発明に係る水耕栽培システムを採用することにより、根物作物において、根部の収穫部位を有効に肥大させることができること、及び、液供給手段の駆動時に水耕液の供給量と排出量の均衡が崩れた場合にも、栽培期間の全体に亘って定期的な水位変動を安定的に維持することができることを示す。
実施例2では栽培槽内の溶存酸素量を測定した。
実施例1と同様の水耕栽培システムを準備した。その液供給手段を駆動し、予備槽に貯留する水耕液を栽培槽の一端側へ供給しつつ、浅部排出部及び深部排出部から水耕液を排出させることで、水耕液を循環させた。そして、栽培槽内の各地点における溶存酸素量を測定した。溶存酸素量測定時の水温は22.5℃であった。
また、水耕栽培システムの栽培槽の中央底面近傍に、流れ方向(液供給側から液排出側への方向)に沿って、長さ1,600mmの散気管を設置し、上記と同様に水耕液を循環させるとともに、散気管により栽培槽の底部に1分あたり2Lの通気を行った。そして、散気管による曝気を行った場合の栽培槽内の各地点における溶存酸素量を測定した。溶存酸素量測定時の水温は22.7℃であった。
その他、対照として、浅部排出部のみで水耕液を排出させ、かつ散気管を設置しなかった場合の栽培槽内の各地点における溶存酸素量も測定した。溶存酸素量測定時の水温は22.4℃であった。
結果を表1に示す。表1中、「測定位置」の欄は、栽培槽内の液供給地点からの距離を、「水槽底部」の欄は各地点の水槽底部の位置における溶存酸素量(単位:mg/L、以下同じ)を、「水面下」の欄は各地点の水面下30mmの位置における溶存酸素量を、それぞれ表わす。また、「浅部・深部排出部+散気管」は水耕液循環時に浅部排出部及び深部排出部から水耕液を排出させ、さらに、散気管による曝気を行った場合の溶存酸素量を、「浅部・深部排出部」は水耕液循環時に浅部排出部及び深部排出部から水耕液を排出させた場合(散気管による曝気は行わなかった場合)の溶存酸素量を、「浅部排出部のみ(対照)」は水耕液循環時に浅部排出部のみから水耕液を排出させ、散気管による曝気も行わなかった場合の溶存酸素量を、それぞれ表わす。
Figure 0006429186
表1に示す通り、予備槽に貯留する水耕液を栽培槽の一端側へ供給しつつ、浅部排出部及び深部排出部から水耕液を排出させ、水耕液を循環させることで、栽培槽内の溶存酸素量を改善でき、また、栽培槽内の浅部域(水面下)と深部域(水槽底部)とで溶存酸素量をほぼ均一に改善できた。さらに、散気管による曝気を行った場合、栽培槽内の浅部域(水面下)と深部域(水槽底部)の両方において、栽培槽内の溶存酸素量を大幅に改善できた。
これらの結果は、水耕液を深部排出部及び浅部排出部から排出させる構成にすることにより、栽培槽内の浅部域と深部域とでの水質環境のむらを少なくより均一にでき、水耕液の溶存酸素低下を有効に抑制できることを示す。また、これらの結果は、栽培槽内の浅部域と深部域とで均一に水耕液の溶存酸素量を改善できたことが、実施例1において根物作物の生育やその収穫部位の肥大化を促進できた理由の一つであることを示唆するとともに、この知見に基づき、栽培槽の底面近傍に曝気手段を設置する構成を採用することにより、根物作物の生育やその収穫部位の肥大化をより促進できることを示唆する。
本発明は、根物作物用の水位変動型かつ循環型の水耕栽培システム及び水耕栽培方法であり、本発明によって、露地栽培の多かった根物作物についても実用化可能な水耕栽培を行うことができる点、さらには根部の収穫部位をより肥大させることができ、より良好な収穫物を取得できる点で、産業上有用である。
特に、水耕栽培には、天候の影響が少なく安定的な生産が可能である、収穫・出荷時期を調整できる、養液成分を調整できる、連作障害を予防できる、生育が早く短期間で出荷できる、土壌などの付着がないため簡易に洗浄できる、収穫作業などの労力を軽減できる、などの利点があり、根物作物の水耕栽培を実用化することは、有用性が高い。
本発明では、栽培槽からの水耕液の排出を深部排出部及び浅部排出部で行うため、電磁バルブ、水位センサーなどの設備を必要としない。従って、簡易かつ安価にシステムを構築することができる。また、本発明には、システム構成が比較的簡易で、精密な部品などもほとんど用いないため、不具合が生じる可能性を低く抑えることができるという利点がある。
本発明に係る水耕栽培システムの例を示す流れ方向鉛直断面模式図。 図1の水耕栽培システムのうちの液排出手段周辺を模式的に拡大した部分断面模式図。
1 栽培槽
11 栽培槽1の一端側(液供給側)
12 栽培槽1の他端側(液排出側)
13 栽培槽1の底面
2 予備槽
3 液供給手段
31 駆動制御手段
4 液排出手段
5 浅部排出部
6 深部排出部
7 曝気手段
8 整流板
A 水耕栽培システム
B 支持体
P 植物体
W 水耕液
W1 水位の上限として設定した高さ(最大水位位置)
W2 水位の下限として設定した高さ(最小水位位置)

Claims (5)

  1. 根物作物の水耕栽培を行う栽培槽と、水耕液を循環させるための予備槽を備え、
    前記栽培槽の一端側には液供給手段が、他端側には液排出手段が設置され、
    前記液供給手段を駆動することにより、前記予備槽に貯留する水耕液を前記栽培槽へ供給するとともに、前記液排出手段により、前記栽培槽に貯留する前記水耕液を前記予備槽へ排出させることで前記水耕液を循環させる機構を備え、
    前記液供給手段は、駆動制御手段により定期的に一定時間駆動するように制御され、
    前記液排出手段は浅部排出部及び深部排出部を有し、
    前記浅部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さに開口し、前記水耕液を前記栽培槽の浅部から前記予備槽に排出する構成であり、
    前記深部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽の深部に開口し、サイフォンの原理により、前記水耕液を、前記栽培槽の深部から前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近まで上行させた後、前記予備槽に排出する構成であり、
    複数の貫通孔が形成された整流板が、前記栽培槽内の前記液供給側近傍の位置に略鉛直に設置された根物作物用の水耕栽培システム。
  2. 前記栽培槽内に貯留する前記水耕液を前記浅部排出部及び前記深部排出部から排出させることで、前記栽培槽内の浅部域と深部域とで、前記液供給側から前記液排出側へ向けた略一様な流れを形成する請求項1記載の水耕栽培システム。
  3. 前記栽培槽の底面近傍に曝気手段が設けられた請求項1又は請求項2記載の水耕栽培システム。
  4. 一端が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近に開口し、他端が前記予備槽に開口する第一管状部材と、一端が閉塞された略筒状の形態を有し、内径が前記第一管状部材の管路の栽培槽側先端部分の外径よりも大きい第二管状部材とで前記深部排出部が形成され、
    前記第一管状部材の栽培槽側先端部分に前記第二管状部材が遊嵌されることによって、前記第一管状部材の栽培槽側の開口部の上縁と前記第二管状部材内部の天面が略対面するとともに、前記第一管状部材の外壁面と前記第二管状部材の内壁面との間に流通空間が形成され、該流通空間が前記栽培槽の深部に開口し、かつ
    前記第一管状部材の栽培槽側の開口部上縁の全周に亘って網状部材が軸方向に立設されることで、前記第一管状部材の栽培槽側の開口部の上縁と前記第二管状部材内部の天面との対面箇所に隙間が形成された請求項1〜3のいずれか一項記載の水耕栽培システム。
  5. 根物作物の水耕栽培を行う栽培槽と、水耕液を循環させるための予備槽を備え、前記栽培槽の一端側には液供給手段が、他端側には液排出手段が設置され、
    前記液排出手段は浅部排出部及び深部排出部を有し、
    前記浅部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さに開口し、前記水耕液を前記栽培槽の浅部から前記予備槽に排出する構成であり、
    前記深部排出部は、前記栽培槽側の端部が前記栽培槽の深部に開口し、サイフォンの原理により、前記水耕液を、前記栽培槽の深部から前記栽培槽内の水位の上限として設定した高さ付近まで上行させた後、前記予備槽に排出する構成であり、
    複数の貫通孔が形成された整流板が、前記栽培槽内の前記液供給側近傍の位置に略鉛直に設置された水耕栽培システムを用いて、
    前記液供給手段を定期的に一定時間駆動することにより、前記予備槽に貯留する水耕液を前記栽培槽へ供給するとともに、前記液排出手段により、前記栽培槽に貯留する前記水耕液を前記予備槽へ排出させることで前記水耕液を循環させながら定期的に水位変動させる根物作物の水耕栽培方法。
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