JP7062323B1 - 植物栽培システムに用いられる養液排出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽内を流れる養液を滞留させることなく排出するための養液排出装置を提供する。【解決手段】 本装置は、第1の排液部と第2の排液部とのセットを備える。第1の排液部は、植物の栽培に必要な養液の必要液位の高さに第1の排液口を有する。第2の排液部は、必要液位より低く、かつ、養液の供給が停止したときでも少なくとも植物の生存に必要な最低液位を維持できる高さに第2の排液口を有する。第2の排液部は、第2の排液口を有する排液管と、排液管を覆うさや管とを有する。さや管は、第2の排液口の上方に位置する一方の端部と、栽培槽の底面に少なくとも一部が接し、栽培槽内の養液を内部に取り入れる1つ又は複数の開口が設けられた他方の端部とを有しており、一方の端部が第1の排液口より高い位置に配置される。【選択図】 図2

Description

本発明は、植物の人工栽培に関し、より具体的には、植物の水耕栽培のための栽培槽に流れる養液を栽培槽から排出する排出装置に関する。
野菜、花卉等を含む植物は、一般に、屋外又は屋内における土耕栽培方式(開放型、半閉鎖型、又は完全閉鎖型の土耕栽培方式)によって生産される。しかし、土耕栽培方式には、収穫が季節や天候に左右されること、連作障害が発生すること、害虫などによる病気の恐れがあることなどといった課題がある。こうした土耕栽培方式に対して、近年、養液栽培を利用して植物を屋内で栽培する屋内型人工栽培方式が実用化されている。
養液栽培には種々の方式があるが、主に用いられている方式は、流動する養液を用いて植物の根に養分を供給するものであり、この方式は、大きく薄膜型養液栽培方式と湛液型養液栽培方式とに分けられる。薄膜型養液栽培方式は、植物の生長に必要な養分を水に溶解させた養液を、緩やかな傾斜を持つ平面上に薄く流下させ、その養液によって植物を栽培する方式である。薄膜型養液栽培方式は、根の伸長が妨げられるため、植物の生長に問題が生じる場合がある。
一方、湛液型養液栽培方式は、植物の生育が行われる栽培槽に、植物の根が養液に浸漬するように養液を供給する方式である。湛液型養液栽培方式は、薄膜型養液栽培方式と比べて、養液の量が多いため水深が深く、根の生長が妨げられないこと、養分濃度や液温の変化がゆるやかであるため管理が容易であることなどといった特徴がある。本発明は、後者の湛液型養液栽培方式に関するものであり、以下において養液栽培というときは、湛液型養液栽培をいう。本出願の発明者は、特許文献1において湛液型養液栽培に関する提案を行っている。
特許文献1においては、湛液型養液栽培を行うための植物栽培システムが提案されている。この植物栽培システムでは、特許文献1の図3及び図4に示されるように、植物を栽培するための養液Sが養液供給経路45から栽培槽10に供給され、一方向に流されて、排液口16から排出される。排液口16は、第1の排液口16a及び第2の排液口16bからなる。第1の排液口16aは、栽培槽10の底面と同一の面に位置するように設けられた開口である。第2の排液口16bは、養液Sの流出口が養液Sの水面に近い場所に位置するように設けられている。
特許文献2には、養殖・栽培装置に利用される水位調節機構が提案されている。この水位調節機構は、水位調節管とその外側にかぶせるワクとで構成され、ワクの下方に設けられた開口から水が排水されることによって、水槽下部の有機物を水流で吸い上げて排出することができるとされている。
特開2015-84750号公報 特許第3069847号公報
特許文献1に提案されている排液方法には、次のような問題がある。
栽培槽10の底面に、単なる開口である排液口16aが配置されていると、排液口16aの近くの養液Sが優先的に排液され、栽培槽10内において排液口16aから離れた場所の養液Sが滞留することがある。このように養液Sが滞留すると、滞留した箇所の養液Sが腐敗するため、植物が成長せず、枯れる恐れがある。また、排液口16bから排出される養液Sの量が少なくなるため、栽培槽10内の養液Sの上層がスムーズに排出されず滞留し、植物の根が腐ることがある。
また、停電や故障等によって植物栽培システムへの電力供給が停止し、養液Sが栽培槽10に適切に供給されなくなったときには、栽培槽10の底面に配置された排液口16aから栽培槽10内の養液Sがすべて排出され、養液Sが必要な液位を下回る。そうすると、栽培槽10で栽培されている植物が枯れるおそれがある。停電や故障の際に自動的に養液Sの供給を停止したり、養液Sの排出を停止したりできるように、例えば電磁弁などによる養液制御システムを採用すれば、このような問題に対応可能であるが、導入コストが大きくなる。
特許文献2に提案される水位調節装置は、これを単独で植物栽培システムに用いた場合には、ワクの下部に設けられた開口からしか養液Sが排出されないため、栽培槽10内の上層の養液Sに滞留が生じて、養液S全体の一様な排出に問題が生じるおそれがある。特許文献1の場合と同様に、栽培槽10内の養液Sの上層が滞留することによって、養液Sが腐敗し、植物の根が腐ることがある。
本発明は、上記の課題を解決するため、養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽内を流れる養液全体を滞留させることなく一様に排出することができる養液排出装置を提供することを目的とする。
本発明は、栽培槽内を流れる養液を排出するための養液排出装置を提供する。本装置は、第1の排液部と第2の排液部とのセットを備える。第1の排液部は、植物の栽培に必要な養液の必要液位の高さに第1の排液口を有する。第2の排液部は、必要液位より低く、かつ、養液の供給が停止したときでも少なくとも植物の生存に必要な最低液位を維持できる高さに第2の排液口を有する。第2の排液部は、第2の排液口を有する排液管と、排液管を覆うさや管とを有する。さや管は、第2の排液口の上方に位置する一方の端部と、栽培槽の底面に少なくとも一部が接し、栽培槽内の養液を内部に取り入れる1つ又は複数の開口が設けられた他方の端部とを有する。一方の端部は、第1の排液口より高い位置ある。
排液管の外面とさや管の内面との間には、1つ又は複数のスペーサが設けられることが好ましい。また、1つ又は複数のスペーサは、排液管の外面に取り付けられていることが好ましい。
さや管の1つ又は複数の開口は、それらの開口面積の合計が、第2の排液口の開口面積より小さいことが好ましい。
一実施形態では、第1の排液部及び第2の排液部は、養液の流れの下流において、養液の流れる方向を横切る方向に並置されていることが好ましい。別の実施形態では、第1の排液部及び第2の排液部は、養液の流れの下流において、養液の流れる方向と同じ方向に並置され、第2の排液部が第1の排液部の下流側に配置されていることが好ましい。
本発明にかかる養液排出装置によれば、栽培槽内の養液の部分的な滞留を生じさせることなく、全体を一様に排出させることができるとともに、停電や故障などで養液の適切な供給が不可能なときであっても植物の生存に必要な液位以下に栽培槽内の養液の液位が低下することがなく、かつ、これらの機能を低コストで実現可能である。
本発明の一実施形態に係る排液装置が用いられる植物栽培システムの概略的な全体図である。 本発明の一実施形態に係る排液装置が用いられた植物栽培システムの栽培槽の概略的な側断面図である。 本発明の一実施形態に係る排液装置の第1の排液部(オーバーフロー管)の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排液装置の第2の排液部(排液管)の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排液装置の第1の排液部及び第2の排液部の配置例を示す、栽培槽の平面図である。
(植物栽培システムの概要)
図1は、本発明の一実施形態に係る養液排出装置が用いられる植物栽培システム1の概略図を示す。植物栽培システム1は、ハウス60と、ハウス60内に収容され、植物を栽培する1つ又は複数の栽培槽10と、改質空気RAを製造するための改質空気製造手段20とを含む。製造される改質空気RAは、酸素含有量が高くなるように空気を改質したものである。図1においては、改質空気製造手段20は、ハウス60の外部に設けられているが、ハウス60の内部に設けてもよい。
栽培槽10は、単品目又は多品目の植物が支持体(フロート)で支持されるとともに、植物を生長させるための養分が含まれる養液Sが内部を流れるようになっている。栽培槽10は、例えば支持フレーム19によって支持される。多品目の植物が栽培される場合には、植物の種類や収穫までの時間に対応可能となるように多段式に構成されることが好ましい。栽培槽10の養液Sには、栽培される植物の根が浸漬する。養液Sには、改質空気RAが供給される。ハウス60の地下部分には、養液タンク41などの設備が埋設される。
植物栽培システム1では、ホウレンソウ、リーフレタスなどの葉野菜、トマト、ナス、キュウリなどの果菜、白菜、キャベツ、レタスなどの結球野菜、エンドウ、ソラマメ、落花生などの豆類、いちご、メロンなどの果物、花卉などを、単品目又は多品目で、年間を通して栽培することができる。また、植物栽培システム1において多品目の植物を栽培する場合には、発芽直後から収穫までにわたって、生長段階の異なる植物を混在させながら、同時に栽培することができる。
植物栽培システム1においては、すべての栽培槽10間で、同一の養分が全体的に均質になるように混合された養液Sが一定の状態で常に循環するように構成されている。養液Sは、植物の品目、生長段階及び栽培時期に関わらず、同一成分の養液Sが連続的に用いられ、蒸発及び植物による吸収によって減少した分だけ、水及び/又は養分を補充するだけでよい。
養液Sに含まれる成分は特に限定されるものではなく、一般的な養液栽培において使用される養液を用いることができる。養液Sは、成分として、例えば、アンモニア性窒素、水溶性リン酸、硝酸性窒素、水溶性カリウム、硝酸カルシウム、水溶性マグネシウム、水溶性マンガン、水溶性ホウ素、水溶性鉄、水溶性銅、水溶性モリブデン、水溶性亜鉛を含むものとすることができる。養液Sは、その状態すなわち、少なくとも溶存酸素濃度(DO)、電気伝導度(EC)、温度Ts、水素イオン濃度指数(pH)及び酸化還元電位(ORP)といったパラメータの値が、概ね一定に維持されるように管理される。
図2は、本発明の一実施形態に係る養液排出装置16が用いられた栽培槽10及び周辺設備の一例を示す概略的な側面図である。栽培槽10は、底面10a及び側面10b、10cを有し、内部において養液Sが一方向に所定速度で流れるように構成された槽である。養液Sの液面には支持基材11が浮かべられ、支持基材11には複数の開口部12が設けられている。開口部12には、培地14が入った栽培ポット13が配置される。支持基材11、開口部12、及び栽培ポット13の種類や形状等は、栽培される植物の種類に応じて適宜選択することができ、図2に示されるものには限定されない。
栽培槽10の長さ、幅及び深さは、それぞれの栽培槽10で栽培される植物の種類、量及び栽培施設の規模などに応じて決められ、特に幅及び深さは、栽培される植物の根や茎がその本来の生長形状を維持することができるように決定される。栽培槽10は、例えば、葉野菜の場合であれば、幅が約1000mm、深さが約200mmのものが用いられ、ナスやトマトなどの果菜の場合であれば、幅及び深さが約300mm、レタスなどの結球野菜であれば、幅及び深さが約200mmのものが用いられる。栽培槽10の長さは、いずれの植物の場合でもハウス60の規模によって適宜設定され、例えば、短いもので約50cm、長いものでは約100mの場合もある。
栽培槽10には、供給経路45から養液Sが供給される。供給口45aから供給された養液Sは、栽培槽10内を、図2の矢印の方向に流れる。
栽培槽10内部には、空気配管34と空気供給部36とが設けられる。改質空気RAは、空気配管34を通して空気供給部36に供給され、空気供給部36から養液Sに改質空気RAが供給される。空気供給部36は、限定されるものではないが、セラミックスを高温で焼成した中空筒状の多孔質体であることが好ましい。
栽培槽10には、養液の排出装置16が設けられており、栽培槽10内を流れてきた養液Sは、この排出装置16から排出される。排出装置16は、2つの排液部16A、16Bからなる。第1の排液部16Aは、養液Sの排出口が養液Sの液面と同じ高さに位置するように設けられている。第2の排液部16Bは、養液Sの排出口が第1の排液部16Aの排出口より少し低い位置に設けられている。排出装置16の詳細は、後述する。
栽培槽10から排出された養液Sは、排出経路46a、46bを通り、好ましくは地中に埋設された排出側タンク41内に入る。排出側タンク41の養液Sは、循環ポンプ(図示せず)によって、配管43を通り、好ましくは地中に埋設された供給側タンク44に供給される。供給側タンク44内の養液Sは、供給ポンプ(図示せず)によって、供給経路45を通って、供給口45aから栽培槽10に供給される。供給経路45には、養液Sの供給量をより精密に制御することができるように、必要に応じて、経路を開閉するバルブ(図示せず)を設けてもよい。
(養液排出装置)
図3及び図4は、本発明に係る養液の排出装置16を示す。図3は第1の排液部16Aの分解斜視図であり、図4は第2の排液部16Bの分解斜視図である。
第1の排液部16Aは、養液Sのオーバーフロー機能を有する。すなわち、第1の排液部16Aは、供給経路45の供給口45aから栽培槽10に供給された養液Sが、栽培槽10内で、植物の栽培に必要な養液Sの液位、すなわち「必要液位」を維持することができるようにする。
第1の排液部16Aは、栽培槽10の底面10aに設けられた開口に嵌合する中空パイプのソケット16A1と、上方からソケット16A1に挿入されるオーバーフロー管16A2とを備える。ソケット16A1は、排出経路46aに連結される。
オーバーフロー管16A2は、中空パイプであり、その上端には排液口A21(第1の排液口)がある。排液口A21の高さは、養液Sの必要液位と同じ高さになるように設定される。排液口A21の高さ(すなわち必要液位)は、栽培する植物に応じて異なるが、例えば、栽培槽10において栽培される植物の根と茎の境目の3mm~5mm程度下方であることが好ましい。オーバーフロー管16A2から養液Sが排出されるようにすることで、栽培槽10内の養液Sの主に上層(植物の根の密な部分が位置する高さを流れる養液)を滞留させることなくスムーズに排出させることができる。
オーバーフロー管16A2の下端は、ソケット16A1に挿入される。ソケット16A1には、その下方から排出経路46aの上端が挿入される。したがって、排液口A21からオーバーフロー管16A2に入った養液Sは、排出経路46aを介して、養液タンク41に排出される。
第2の排液部16Bは、栽培槽10内の養液Sの主に下層の部分を自らの方向に移動させて排出する機能を有する。また、第2の排液部16Bによって、停電などで養液Sの供給が停止したときでも、少なくとも植物の生存に必要な養液Sの液位、すなわち「最低液位」を維持する機能を有する。最低液位は、栽培する植物の種類に応じて異なるが、例えば、栽培槽10において栽培される植物の根の半分程度が養液Sに浸る液位であることが好ましく、それより液位が低下すると根が乾くおそれがある。
第2の排液部16Bは、栽培槽10の底面10aに設けられた開口に嵌合するソケット16B1と、上方からソケット16B1に挿入される排液管16B2とを備える。ソケット16B1は、排出経路46bに連結される。
排液管16B2は、中空パイプであり、その上端には排液口B21(第2の排液口)がある。排液口B21の高さは、必要液位より低くなるように設定される。また、排液口B21の高さは、栽培槽10への養液Sの供給が停止したときでも最低液位を維持できる高さである。排液口B21の高さは、限定されるものではないが、必要液位及び排液口A21から20mm~30mm低い位置に配置されることが好ましい。排液口B21の高さが必要液位及び排液口A21から20mm低い位置より高くなると、後述されるさや管16B3の切欠B34から入った養液Sが排液口B21まで上がりづらくなり、養液Sの排出に支障が生じる可能性がある。排液口B21の高さが必要液位及び排液口A21から30mm低い位置より低くなると、停電や故障の際に液位が下がりすぎて、植物の生命が維持できなくなるおそれがある。
排液管16B2は、さや管16B3によって覆われる。さや管16B3は、一方の端部B31及び他方の端部B33がいずれも開放された中空パイプである。一方の端部B31は、排液口B21の上方に位置し、オーバーフロー管16A2の排液口A21より高い位置になるように設定されている。端部B31が排液口A21より低い位置にあると、後述されるさや管16B3の切欠B34より高い位置にある端部B31から排出される養液Sが、切欠B34を通って排出される養液より多くなり、必要液位が維持できないだけでなく、切欠B34を通る養液Sが少なくなるため栽培槽10の下層の養液Sを引く力が弱くなる。
さや管16B3の他方の端部B33には、側面B32の周方向に1つ又は複数の開口B34が形成される。図4の実施形態では、開口は3つの切欠B34として形成されている。3つの切欠B34が他方の端部B33に形成されているので、他方の端部B33においては、端面の一部が栽培槽10の底面10aに接し、切欠B34がある部分は底面10aに接することなく開口となる。切欠B34の形状は、図4に示されるような四角形に限定されず、多角形でも円の一部であってもよい。また、切欠B34の数は、3つに限定されるものではなく、2つ以下でもよく、4つ以上でもよい。
栽培槽10の養液Sは、ポンプで引かれることによって第2の排液部16Bから排出される。具体的には、養液Sは、栽培槽10の底面10aに隣接して配置される切欠B34からさや管16B3の内部に入る。さや管16B3に入った養液Sは、さや管16B3の内面と排液管16B2の側面B22の外面との間を上昇し、排液口B21から排出される。養液Sは、排液管16B2の内部を下方に流れ、排出経路46bを介して、養液タンク41に排出される。なお、排出経路46bにはバルブ47(図2参照)が設けられることが好ましい。バルブ47を用いて、排液管16B2からの養液Sの排液量を適切に設定することができる。
3つの切欠B34は、それらの開口面積の合計が排液口B21の開口面積より小さくなるように定められている。そのため、切欠B34を通るときの養液Sの流速は、排液口B21を通るときの流速より速くなる。したがって、特許文献1で用いられている排液方法と比較して、第2の排液部16Bから遠い養液Sも引いて排液することができるため、栽培槽10内で養液Sが滞留するのを防止することができる。切欠B34の大きさは、限定されるものではないが、小さすぎると切欠B34に異物が詰まり排液の障害になるおそれがあり、大きすぎると切欠B34を通る養液Sの流速が低下し、栽培槽10内の下層の養液Sが動きにくくなる。
さや管16B3の他方の端部B33に形成される1つ又は複数の開口は、図4に示されるような端部B33の端面から高さ方向に向かって形成された切欠であることには限定されない。例えば、端面からさや管16B3の高さ方向に少し離れた位置において側面B32に形成された開口であってもよい。このときの開口の形状もまた、限定されるものではなく、例えば四角形や円形でもあってもよい。
排液管16B2の側面B22の外面には、1つ又は複数のスペーサB23が立設されている。スペーサB23は、排液管16B2とさや管16B3との間隔を適切に保持し、排液時におけるさや管16B3の動きを防止するために設けられる。スペーサB23が形成される位置及びその数は、限定されるものではない。図4においては、スペーサB23は、側面B22の外面の高さ方向概ね中央部に、周方向に等間隔で4つ設けられている。スペーサB23は、例えば、排液管16B2の周方向に3つ又は5つ以上設けてもよく、高さ方向に2列以上設けてもよい。
図4においては、スペーサB23は、側面B22の外面に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、さや管16B3の内面に設けられてもよい。また、スペーサB23のサイズも、限定されるものではない。例えば、スペーサB23の高さ(上下方向の長さ)は、排液管16B2の側面B22の高さと同じでもよく、スペーサB23の幅(すなわち、側面B22の外面からの突出長さ)は、排液管16B2とさや管16B3との間隔を適切に保持して排液時におけるさや管16B3の不要な動きを防止することができるものであればよい。
第1の排液部16A及び第2の排液部16Bの材料は、いずれも特に限定されるものではないが、軽量で耐蝕性、耐薬品性が高く、安価であることから、ポリ塩化ビニル樹脂であることが好ましい。
(養液排出装置の配置及びサイズの例)
図5は、排出装置16が栽培槽10に配置される位置の例を示す。
図5(a)は、葉野菜の栽培に用いられる典型的な栽培槽10(幅が約1000mm、深さが約200mm)における排出装置16の配置例を示す。排出装置16は、養液Sの流れ方向の下流において、栽培槽10の側面10cの近くに配置される。この例では、第1の排液部16Aと第2の排液部16Bとは、養液Sの流れる方向を横切る方向に並置されている。
第1の排液部16A及び第2の排液部16Bは、それぞれの排液口A21、B21の中心の位置が側面10bから約180mm、側面10cから約250mmの位置に配置される。また、第1の排液部16Aを構成するオーバーフロー管16A2の内径は100mmである。第2の排液部16Bを構成する排液管16B2の内径は100mmであり、さや管16B3の内径は200mmである。
図5(b)は、ナスやトマトなどの果菜の栽培に用いられる典型的な栽培槽10(幅及び深さが約300mm)における排出装置16の配置例を示す。排出装置16は、養液Sの流れ方向の下流において、栽培槽10の側面10cの近くに配置される。この例では、第1の排液部16Aと第2の排液部16Bとは、養液Sの流れる方向と同じ方向に並置され、第2の排液部16Bは、第1の排液部16Aの下流側に配置されている。
第1の排液部16A及び第2の排液部16Bは、それぞれの間隔と、第2の排液部16Bと側面10cとの間隔が、いずれも約250mmであることが好ましい。また、第1の排液部16Aを構成するオーバーフロー管16A2の内径は100mmである。第2の排液部16Bを構成する排液管16B2の内径は100mmであり、さや管16B3の内径は200mmである。
図5(c)は、レタスなどの結球栽培に用いられる典型的な栽培槽10(幅及び深さが約200mm)における排出装置16の配置例を示す。排出装置16は、養液Sの流れ方向の下流において、栽培槽10の側面10cの近くに配置される。この例では、図5(b)の例と同様に、第1の排液部16Aと第2の排液部16Bとは、養液Sの流れる方向と同じ方向に並置され、第2の排液部16Bは、第1の排液部16Aの下流側に配置されている。
なお、第1の排液部16Aと第2の排液部16Bとは、本来であれば、図5(a)に示されるように養液Sの流れを横切る方向に配置されることが好ましく、さらに、両者はできるだけ離して配置されることがより好ましい。図5(b)及び図5(c)のように幅が狭い栽培槽10の場合は、第1の排液部16Aと第2の排液部16Bとは、養液Sの流れる方向と同じ方向に並置せざるを得ないが、この場合には、養液Sを引く力がより強い第2の排液部16Bが第1の排液部16Aの下流側に配置されることが好ましい。
第1の排液部16A及び第2の排液部16Bは、それぞれの間隔と、第2の排液部16Bと側面10cとの間隔が、いずれも約180mmであることが好ましい。また、第1の排液部16Aのオーバーフロー管16A2の内径は50mmである。第2の排液部16Bの排液管16B2の内径は50mmであり、さや管16B3の内径は100mmである。
1 植物栽培システム
10 栽培槽
11 支持体
12 開口部
13 ポット
14 培地
16 排出装置
16A 第1の排出部
16A1 ソケット
16A2 オーバーフロー管
A21 排液口(第1の排液口)
16B 第2の排出部
16B1 ソケット
16B2 排液管
B21 排液口(第2の排液口)
B22 側面
B23 スペーサ
16B3 さや管
B31 閉塞端(一方の端部)
B32 側面
B33 解放端(他方の端部)
B34 切欠(開口)
20 改質空気製造手段
30 改質空気供給手段
34 空気配管
36 空気供給部
40 養液循環手段
41 排出側タンク
41a、41b 受液口
41c 送液口
43 配管
44 供給側タンク
45 供給経路
46a、46b 排出経路
47 バルブ
60 ハウス
RA 改質空気
S 養液


Claims (6)

  1. 養液が収容された栽培槽で植物を栽培する植物栽培システムにおいて、栽培槽内を流れる養液を排出するための養液排出装置であって、
    植物の栽培に必要な養液の必要液位の高さに第1の排液口を有する第1の排液部と、
    必要液位より低く、かつ、養液の供給が停止したときでも少なくとも植物の生存に必要な最低液位を維持できる高さに第2の排液口を有する、第2の排液部と
    を備え、
    前記第2の排液部は、
    前記第2の排液口を有する排液管と、
    前記第2の排液口の上方において前記第1の排液口より高い位置にある一方の端部と、栽培槽の底面に少なくとも一部が接し、栽培槽内の養液を内部に取り入れる1つ又は複数の開口が設けられた他方の端部とを有する、前記排液管を覆うさや管と
    を有する、養液排出装置。
  2. 前記排液管の外面と前記さや管の内面との間に、1つ又は複数のスペーサが設けられた、請求項1に記載の養液排出装置。
  3. 前記1つ又は複数のスペーサは、前記排液管の外面に取り付けられている、請求項2に記載の養液排出装置。
  4. 前記1つ又は複数の開口は、それらの開口面積の合計が、前記第2の排液口の開口面積より小さい、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の養液排出装置。
  5. 前記第1の排液部及び前記第2の排液部は、養液の流れの下流において、養液の流れる方向を横切る方向に並置されている、
    請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の養液排出装置。
  6. 前記第1の排液部及び前記第2の排液部は、養液の流れの下流において、養液の流れる方向と同じ方向に並置され、
    前記第2の排液部が前記第1の排液部の下流側に配置されている、
    請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の養液排出装置。

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