JP6429145B2 - 腫瘍部位の判別のための方法、腫瘍部位の判別装置 - Google Patents

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Description

本発明は腫瘍部位の判別方法及び腫瘍部位の判別装置に関する。
近年の日本は急速な高齢化社会を迎えており、癌の患者数は増加傾向にある。特に、胃癌や大腸癌などの消化器癌や、乳癌においてリンパ節転移は重要な予後因子の一つであり、患者の治療方法を決定する上でリンパ節転移の有無を正確に診断することは非常に重要である。センチネルリンパ節とは、原発巣から離れた癌細胞が最初にたどり着く腋窩リンパ節のことをいう。センチネルリンパ節にたどり着く癌細胞の数は当初は限定的であるため、センチネルリンパ節を調べて癌細胞の転移が極めて少なければ、それから先のリンパ節にはほぼ転移していないと考えてよいとされている。
術中迅速診断の一つの手法として、例えば特許文献1に開示されるように、消化器領域を含めた幅広い領域で、癌の検出に5−アミノレブリン酸(5−ALA)を用いて蛍光観察を行う手法が応用されている。5−ALAは、生体内にも存在するアミノ酸の一種であり、水溶性で経口的、局所的に投与可能である。体外から5−ALAを投与すると、正常細胞ではヘムに速やかに代謝されるが、癌細胞では代謝酵素の活性の違いにより代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が選択的に蓄積する。ここで、ヘムは蛍光を認めない一方、PpIXは蛍光物質であるため、この光を検出することで腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことができる。
国際公開第2013/002350号
特に乳癌においては、手術中のセンチネルリンパ節生検で転移がないと診断できた場合は、郭清領域を縮小した手術が選択される場合もある。ここで、センチネルリンパ節生検とは、手術中にセンチネルリンパ節を探し出して摘出し、このリンパ節に癌が転移していないかどうかを調べる術中迅速診断のことをいう。
ところで、乳房の近くには多くのリンパ節が張り巡らされているため、どのリンパ節がセンチネルリンパ節であるかをそのままの状態で目視判断するのは困難である。このため、乳癌の近くに色素を局所注射し、これを目印にして手術中にセンチネルリンパ節を同定するという方法が行われている。
ここで、この同定に用いられる色素は体内に注入されるものであるから、人体に与える影響が極力小さいものを用いることが必要とされる。また、人体の血液は赤色であることから、この赤色に交じっても視認しやすい色を発光する色素であることが好ましい。かかる観点から、一般的には青色や緑色を発光するインジゴカルミンやメチレンブルーといった色素が利用されている。
しかしながら、上記の色素は、その吸収スペクトルが、PpIXが発する蛍光スペクトルと一部波長域において重複する。
図1は、PpIXの蛍光スペクトルを示す図である。図1に示すように、PpIXの蛍光スペクトルは635nm近傍に急峻なピークを有しており、630nm以上640nm以下の範囲内で前記ピークの半値以上の高い光出力を示している。
図2Aはインジゴカルミンの吸収スペクトルを示す図である。また、図2Bはメチレンブルーの吸収スペクトルを示す図である。図2Aに示すように、インジゴカルミンの吸収スペクトルは波長570nm以上670nm以下の範囲内で高い吸光度を示している。また、図2Bに示すように、メチレンブルーの吸収スペクトルは波長500nm以上700nm以下の広範囲にわたって高い吸光度を示している。
つまり、インジゴカルミン及びメチレンブルーのいずれもが、励起されたPpIXから発せられる蛍光に含まれるピーク波長及びその周辺の波長の光を吸収してしまう。従って、PpIXから発せられる当該ピーク波長(635nm)又はその周辺の波長の光を分光して腫瘍部位の判別を行おうとしても、実際の蛍光出力よりも大幅に低い出力の光を受光することになる。
この結果、本来であれば腫瘍部位であるはずの箇所を非腫瘍部位と誤って判断するおそれがあり、腫瘍部位を見逃してしまうことが懸念される。また、検体の一部に色素が蓄積されることも予想されるが、この場合、色素が蓄積されている腫瘍部位の箇所は蛍光出力が弱い一方、色素が蓄積されていない腫瘍部位の箇所は蛍光出力が強くなる結果、当該蛍光出力によって判別される腫瘍部位の形状が実際の腫瘍部位の形状と異なることも懸念される。いずれの場合においても、誤診のおそれが存在することから、現行の方法で腫瘍部位の判別を行うことに対しては一定の課題が存在しているといえる。
本発明は、上記の課題に鑑み、同定用の色素が存在することによって、PpIXを初めとするポルフィリン類から発せられる蛍光の強度に対する影響を考慮しながら、従来よりも腫瘍部位の判別を正確に行うことのできる方法及び装置を実現することを目的とする。
本発明は、同定用の色素を含有する検体の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別方法であって、
前記励起光を前記検体に照射して前記ポルフィリン類を励起する工程(a)と、
前記ポルフィリン類から発せられる蛍光のうち、前記色素に由来する吸収スペクトルと実質的に重複しない特定波長域の蛍光を分光検出する工程(b)と、
前記特定波長域の蛍光強度に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位との判別を行う工程(c)とを有することを特徴とする。
ここで、本明細書内において、色素に由来する吸収スペクトルと「実質的に重複しない」特定波長域とは、前記吸収スペクトルの吸光度が、当該吸収スペクトルのピーク値における吸光度に対して5%以下の極めて低い値を示す波長域を指す。
上記方法によれば、工程(b)において分光検出される蛍光は、色素によって全く又はほとんど吸収されない波長成分を有するため、当該蛍光の強度に基づいて従来よりも正確に腫瘍部位と非腫瘍部位との判別を行うことができる。
なお、本明細書中における「ポルフィリン類」とは、ポルフィン環に置換基がついたものを指し、例えばPpIXの他、PpIXから生成されたフォト−プロトポルフィリン(PPp)などのプロトポルフィリン類が存在する。
ここで、前記色素としては、インジゴカルミン、メチレンブルーのいずれか一つを含むものとすることができる。これらの色素は、いずれも、人体に注入して目視によりセンチネルリンパ節を同定することが可能であって、ポルフィリン類から発せられる蛍光のスペクトルのうち、特定波長域の光をほとんど吸収しない特徴を有している。
より具体的な一例として、ポルフィリン類をプロトポルフィリン類としても構わない。更にこの前記プロトポルフィリン類をプロトポルフィリンIXとし、前記工程(b)において、波長700nm近傍の蛍光を分光検出するものとしても構わない。
また、本発明は、同定用の色素を含有する検体の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別装置であって、
前記励起光を発する光源部と、
励起後の前記ポルフィリン類から発せられる蛍光のうち、前記色素に由来する吸収スペクトルと実質的に重複しない特定波長域の蛍光を分光して検出する受光部と、
前記受光部で受光された光の強度に基づいて、腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行う演算処理部とを有することを特徴とする。
上記装置によれば、受光部において分光検出される蛍光は、色素によって全く又はほとんど吸収されない波長成分を有するため、当該蛍光の強度に基づいて演算処理部において従来よりも正確に腫瘍部位と非腫瘍部位との判別を行うことができる。
ここで、前記色素としては、インジゴカルミン、メチレンブルーのいずれか一つを含むものとすることができる。
また、具体的な一例として、ポルフィリン類をプロトポルフィリン類としても構わない。更にこの前記プロトポルフィリン類をプロトポルフィリンIXとし、前記受光部が波長700nm近傍の蛍光を分光検出するものとしても構わない。
本発明の腫瘍部位の判別方法及び装置によれば、同定用の色素による蛍光の吸収の影響を極力排除することができるため、従来と比べてより正確に腫瘍部位の判別が行える。
PpIXの蛍光スペクトルを示す図である。 インジゴカルミンの吸収スペクトルを示す図である。 メチレンブルーの吸収スペクトルを示す図である。 腫瘍部位判別装置の外観の一例を模式的に示す図である。 腫瘍部位判別装置の内部構成の一例を模式的に示すブロック図である。
本発明の腫瘍部位判別装置の構成につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
図3は、前記装置の外観の一例を模式的に示す図面である。また、図4は、前記装置の内部構成の一例を模式的に示すブロック図である。なお、図3及び図4は、腫瘍部位判別装置の一例を示す図面である。
図3に示すように、腫瘍部位判別装置1(以下、適宜「装置1」と呼ぶことがある。)は、ホルダ装着口11及び表示部12を備える。ホルダ装着口11は、検体2(図3では不図示、図4参照)が収容された検体用ホルダ10を装着するための機構である。また、表示部12は、腫瘍部位判別装置1によって、腫瘍部位と非腫瘍部位とが判別された結果が表示されるモニタに対応する。なお、ここでは、腫瘍部位判別装置1の本体に表示部12が設けられている構成を示しているが、装置1の本体には表示部12を備えずに、別のモニタに判別結果を表示させる構成を採用しても構わない。
検体2は、所定の色素によって同定された、腫瘍部位の判別を行う対象となる生検材料(例えばセンチネルリンパ節を含む生体組織)である。なお、色素については後述される。また、この生検材料は、腫瘍部位が含まれていれば当該部位にポルフィリン類が蓄積されるよう、予め所定の措置が施されている。一例としては、この生検材料は、人体に5−ALAを投与した後に摘出されたものとすることができる。
図4に示すように、装置1は、光源部21、フィルタ22、ダイクロイックミラー23、対物レンズ24、フィルタ25、受光部26、演算処理部27を備える。なお、図4の例では、図3にならって、装置1が表示部12を備えている構成を想定している。
光源部21は、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等のランプの他、発光ダイオード素子、レーザダイオード素子等で構成することができる。フィルタ22は、光源部21から射出された光のうち、特定の波長の光を選択的に透過させる機能を有し、例えば誘電体多層膜などで構成することができる。ここでは、フィルタ22が、波長405nmの光を選択的に透過させる機能を有するものとして説明するが、本実施形態では、385nm以上425nm以下の特定の波長帯の光を選択的に透過させる機能を有していればよい。より一般的にいえば、フィルタ22は、検体2に腫瘍部位が含まれている場合に蓄積されているポルフィリン類を励起するために必要な光の波長帯の光を選択的に透過させる機能を有していればよい。
ダイクロイックミラー23は、所定の波長帯の光を反射させ、別の所定の波長帯の光を透過させる機能を有し、例えば誘電体多層膜などで構成することができる。ここでは、ダイクロイックミラー23が、波長405nmの光を反射し、波長690nm以上の光を透過する機能を有するものとして説明する。なお、このダイクロイックミラー23は、フィルタ22によって選択された波長の光を反射し、少なくとも検体2から発せられた蛍光の波長のうち、検体2に付着している色素によってほとんど吸収されない波長帯(例えば690nm以上710nm以下であって、より好ましくは700nm近傍)の光を透過する機能を有していればよい。
光源部21から射出され、フィルタ22を透過した波長405nmの励起光31は、ダイクロイックミラー23で反射されて対物レンズ24に導かれる。そして、対物レンズ24を通過した光が、ホルダ10を透過して検体2に照射される。検体2にポルフィリン類の一例であるPpIXが蓄積されていると、この波長405nmの励起光31によってPpIXが励起され、蛍光32を発する。励起光31を検体2に照射して、検体2に蓄積されていたPpIXを励起する工程が、工程(a)に対応する。
蛍光32は、ホルダ10を透過して、励起光とは逆向きに進行し、対物レンズ24へと導かれる。そして、ダイクロイックミラー23を透過してフィルタ25に入射される。
フィルタ25は、入射された光から、所定の波長の光を選択的に透過させる機能を有する。ここでは、フィルタ25が、波長700nmの光を選択的に透過させる機能を有するものとして説明するが、波長690nm以上710nm以下の所定の波長の光を選択的に透過させる機能を有するバンドパスフィルタ等の光学フィルタで構成されるものとしても構わない。なお、図1に示したように、PpIXの蛍光スペクトルは、波長635nm近傍において最も高いピークを示しているが、波長700nm近傍において次点のピークを示している。本実施形態のフィルタ25は、この次点のピークを示す波長近傍の光を選択的に透過させる構成である。なお、本実施形態では、波長700nm近傍が「特定波長域」に対応する。
フィルタ25を透過した波長700nmの蛍光は、受光部26において受光される。受光部26において、この波長700nmの蛍光を受光する工程が、工程(b)に対応する。
受光部26は、受光した光の強度を検体2内の位置情報と共に演算処理部27に出力する。演算処理部27は、例えばCPU等で構成され、位置別の光強度が所定の閾値を上回っているか否かの判別を行う。そして、演算処理部27は、光強度が所定の閾値を上回っている箇所が腫瘍部位であり、光強度が前記所定の閾値以下である箇所が非腫瘍部位であると判別する。演算処理部27において行われる判別処理が工程(c)に対応する。演算処理部27は、この判別した結果を表示部12に出力する。
なお、光の強度値と所定の閾値の大小関係で判別する方法について前述したが、その他の方法としては、光の強度値が高い領域の形状によって腫瘍部位を判別する方法を採用することもできる。付着した色素の影響が排除されることで、腫瘍部位の形状をより正確に認識することができるため、腫瘍部位を正確に判別することが可能となる。
表示部12は、演算処理部27から送られた腫瘍部位の座標情報に基づいて、例えば検体2の画像上の所定の位置に腫瘍部位であることを示すマークや発色を施した画像データを表示する。また、演算処理部27において腫瘍部位と判別された領域が存在しない場合には、その旨の情報を表示部12に表示するものとしても構わない。
検査員は、表示部12を目視で確認することで、検体2に腫瘍部位が存在するか否か、及び腫瘍部位が存在している場合にはその存在箇所を容易に認識することができる。また、例えば装置1に操作ボタンを設け、検体2が収容されたホルダ10を装置1に装着して当該操作ボタンを押下すると光源部21から励起光が射出される仕組みとすることで、装置1によって検体2の腫瘍部位の判別処理を自動的に行わせることができ、検査員のスキルによる判断結果のバラツキが解消すると共に、病理医による判断も不要となる。
なお、ダイクロイックミラー23は、装置1を小型化するために、励起光31と蛍光32の光路を一部共通化することを目的として設けられているが、装置1においてダイクロイックミラー23は必ずしも必須の構成ではない。また、フィルタ22は光源部21と一体化されていても構わないし、同様にフィルタ25は受光部26と一体化されていても構わない。図4に示した装置1の構成はあくまで一例であり、同じ機能を実現する構成であれば、種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
検体2にPpIXが含まれている場合、励起光31が照射されることでPpIXが励起されて、図1に示すような波長スペクトルを有する蛍光を発する。ここで、検体2には同定用の色素が含有されている。この色素としてインジゴカルミンが用いられている場合には図2Aに示すような吸収スペクトルを示し、メチレンブルーが用いられている場合には図2Bに示すような吸収スペクトルを示すため、いずれの場合においても、PpIXから発せられた蛍光のうち、ピーク値を示す波長635nm近傍の成分が色素によって吸収されてしまう。
しかし、インジゴカルミン及びメチレンブルーのいずれにおいても、波長700nm近傍の光に対する吸光度が極めて低いため、PpIXから発せられた蛍光のうち、次点のピーク値を示す波長700nm近傍の成分はこれらの色素でほとんど吸収されない。検体2のうち、PpIXが蓄積されていない箇所においては、このような波長700nm近傍の蛍光は発せられず、また、PpIXは腫瘍部位に対して選択的に蓄積されることに鑑みれば、受光部26において検出された波長700nm近傍の光の強度が所定の閾値より上回っている箇所が腫瘍部位であり、前記光の強度が所定の閾値以下である箇所が非腫瘍部位であると判別することが可能となる。
[別実施形態]
以下において、別実施形態について説明する。
〈1〉 上述した実施形態では、同定のために利用される色素がインジゴカルミン又はメチレンブルーである場合について説明した。しかし、人体に注入して目視によりセンチネルリンパ節を同定することが可能であって、PpIXから発せられる蛍光のスペクトルのうち、ピーク波長である635nm近傍の光に対する吸光度が高い反面、次点のピーク波長である700nm近傍の光に対する吸光度が極めて低い色素であれば、これらの色素以外を用いても構わない。
更にいえば、腫瘍部位に蓄積されるポルフィリン類は、プロトポルフィリンIX(PpIX)以外の物質であっても構わない。この場合、フィルタ22は、当該ポルフィリン類を励起させるために必要な波長帯の励起光31を選択的に透過させることのできる構成であればよい。また、フィルタ25は、励起光31が照射されることで発せられる蛍光32のスペクトルのうち、その出力が高い波長帯であって、且つ、検体2に含まれる色素の吸収スペクトルの吸光度が当該吸収スペクトルのピーク値における吸光度に対して5%以下といった極めて低い波長帯に含まれる光を選択的に透過させることのできる構成であればよい。
〈2〉 上述したように、図3及び図4に示した装置1の構成はあくまで一例であって、上記と同様の方法が実現可能であれば、その構成には拘泥されない。すなわち、本発明の腫瘍部位の判別装置は、励起光を検体に照射してポルフィリン類を励起する工程(a)と、ポルフィリン類から発せられる蛍光のうち、色素に由来する吸収スペクトルと実質的に重複しない特定波長域の蛍光を分光検出する工程(b)と、特定波長域の蛍光強度に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位との判別を行う工程(c)とが実現可能な構成であればよい。
1 : 腫瘍部位判別装置
10 : 検体用ホルダ
11 : ホルダ装着口
12 : 表示部
21 : 光源部
22 : フィルタ
23 : ダイクロイックミラー
24 : 対物レンズ
25 : フィルタ
26 : 受光部
27 : 演算処理部
31 : 励起光
32 : 蛍光

Claims (8)

  1. 同定用の色素を含有する検体の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別のための方法であって、
    前記励起光を前記検体に照射して前記ポルフィリン類を励起する工程(a)と、
    前記ポルフィリン類から発せられる蛍光のうち、前記色素に由来する吸収スペクトルと実質的に重複しない特定波長域の蛍光を分光検出する工程(b)と、
    腫瘍部位と非腫瘍部位との判別のために前記特定波長域の蛍光強度を比較する工程(c)とを有することを特徴とする腫瘍部位の判別のための方法。
  2. 前記ポルフィリン類がプロトポルフィリン類であることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍部位の判別のための方法。
  3. 前記プロトポルフィリン類がプロトポルフィリンIXであり、
    前記工程(b)において、波長700nm近傍の蛍光を分光検出することを特徴とする請求項2に記載の腫瘍部位の判別のための方法。
  4. 前記色素が、インジゴカルミン、メチレンブルーのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腫瘍部位の判別のための方法。
  5. 同定用の色素を含有する検体の腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別装置であって、
    前記励起光を発する光源部と、
    励起後の前記ポルフィリン類から発せられる蛍光のうち、前記色素に由来する吸収スペクトルと実質的に重複しない特定波長域の蛍光を分光して検出する受光部と、
    前記受光部で受光された光の強度に基づいて、腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行う演算処理部とを有することを特徴とする腫瘍部位の判別装置。
  6. 前記ポルフィリン類がプロトポルフィリン類であることを特徴とする請求項5に記載の腫瘍部位の判別装置。
  7. 前記プロトポルフィリン類がプロトポルフィリンIXであり、
    前記受光部が波長700nm近傍の蛍光を分光して検出することを特徴とする請求項6に記載の腫瘍部位の判別装置。
  8. 前記色素が、インジゴカルミン、メチレンブルーのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の腫瘍部位の判別装置。
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