JP6635363B2 - 腫瘍部位の判別のための方法、腫瘍部位の判別装置 - Google Patents

腫瘍部位の判別のための方法、腫瘍部位の判別装置 Download PDF

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Description

本発明は腫瘍部位の判別方法及び腫瘍部位の判別装置に関する。
近年の日本は急速な高齢化社会を迎えており、癌の患者数は増加傾向にある。特に、胃癌や大腸癌などの消化器癌や、乳癌においてリンパ節転移は重要な予後因子の一つであり、患者の治療方法を決定する上でリンパ節転移の有無を正確に診断することは非常に重要である。センチネルリンパ節とは、原発巣から離れた癌細胞が最初にたどり着く腋窩リンパ節のことをいう。センチネルリンパ節にたどり着く癌細胞の数は当初は限定的であるため、センチネルリンパ節を調べて癌細胞の転移が極めて少なければ、それから先のリンパ節にはほぼ転移していないと考えてよいとされている。
術中迅速診断の一つの手法として、例えば特許文献1に開示されるように、消化器領域を含めた幅広い領域で、癌の検出に5−アミノレブリン酸(5−ALA)を用いて蛍光観察を行う手法が応用されている。5−ALAは、生体内にも存在するアミノ酸の一種であり、水溶性で経口的、局所的に投与可能である。体外から5−ALAを投与すると、正常細胞ではヘムに速やかに代謝されるが、癌細胞では代謝酵素の活性の違いにより代謝産物であるプロトポルフィリンIX(PpIX)が選択的に蓄積する。ここで、ヘムは蛍光を認めない一方、PpIXは蛍光物質であるため、この光を検出することで腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことができる。
国際公開第2013/002350号
しかしながら、ヒトの生体内において、リンパ節は結合組織に包まれて存在しており、これらの結合組織(脂肪やコラーゲンなど)は、青色の励起光のもとで青〜緑の波長域に強い自家蛍光を発する。この自家蛍光の波長帯は、上記PpIX由来の蛍光の波長帯と重なりを有している。
図1は、ヒト生体内に含まれる自家蛍光性を有する物質として代表的なコラーゲンとFAD(Flavin Adenine Dinucleotide:フラビンアデニンジヌクレオチド)の蛍光スペクトルを示す図面である。コラーゲンは500nm近傍に蛍光のピークを有し、当該ピーク波長よりも長波長側において滑らかに蛍光強度が低下している。また、FADは530nm近傍に蛍光のピークを有し、当該ピーク波長よりも長波長側において滑らかに蛍光強度が低下している。いずれの物質においても、波長650nm近傍において、ピーク波長における蛍光強度よりは低いものの、ある程度の蛍光強度を有していることが確認される。
図2は、上記コラーゲンやFADといった自家蛍光物質とPpIXとを含む検体の蛍光スペクトルの一例を示す図面である。図2において、(a)はPpIX単独の蛍光スペクトルを示し、(b)は自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルを示し、(c)は実際に計測される蛍光スペクトルを示している。なお、図2において、(a)、(b)、(c)は、それぞれにおいて規格化された値でグラフ化したものを同一図面上に重ね合わせたものであり、(a)、(b)、(c)の相互間においては、グラフの縦軸の値の大小関係は必ずしも一致しない。
PpIXの蛍光スペクトルは、図2(a)に示すように、波長635nm付近にピーク値を有している。このため、検体に自家蛍光物質が含まれていない場合においては、検体から発せられる光のうち、この波長635nm付近の光を分光して検出し、その強度分布を調べることによって、当該強度が高い部位、より詳細には所定の閾値を上回る蛍光強度を示す部位を腫瘍部位と判別することが可能である。
しかし、実際には検体に自家蛍光物質が含まれるため、検体から発せられる光のうち、この波長635nm付近の光を分光して検出すると、図2(b)に示す自家蛍光物質由来の蛍光が重ね合わせられる。このため、PpIXが蓄積されていない部位においても、波長635nm付近の蛍光強度が認められてしまう。自家蛍光物質由来の蛍光の強度は、検体として抽出した組織の部位によっても異なるし、個人差も有する。このため、波長635nm付近の蛍光強度が所定の閾値を上回っている部位を腫瘍部位と判別する方法を採用すると、場合によってはPpIXが蓄積されていないにもかかわらず、自家蛍光物質由来の蛍光の強度が高いという理由で、非腫瘍部位を誤って腫瘍部位と判別してしまうおそれがある。
すなわち、腫瘍部位、特にリンパ節などの結合組織に覆われた腫瘍部位を臨床応用で識別するためには、内在性組織による自家蛍光を排除する方法が必要である。本発明は、コラーゲンやFADといった自家蛍光性を有する物質を含む結合組織を含む検体から、腫瘍部位の判別を従来よりも正確に行うことのできる方法及び装置を実現することを目的とする。
本発明は、腫瘍部位及び自家蛍光部位を含む検体の前記腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別方法であって、
前記励起光を前記検体に照射して前記ポルフィリン類を励起する工程(a)と、
前記検体が発した光のうち、前記ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過する第一フィルタを介して受光された第一光の強度分布を示す第一画像情報を取得する工程(b)と、
前記検体が発した光のうち、前記第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過する第二フィルタを介して受光された第二光の強度分布を示す第二画像情報を取得する工程(c)と、
前記検体が発した光のうち、前記第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過する第三フィルタを介して受光された第三光の強度分布を示す第三画像情報を取得する工程(d)と、
前記第二画像情報及び前記第三画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記自家蛍光部位から発された蛍光の強度分布に対応した第四画像情報を生成する工程(e)と、
前記第一画像情報及び前記第四画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応した第五画像情報を生成する工程(f)と、
前記第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行う工程(g)とを有することを特徴とする。
ポルフィリン類が発する蛍光のスペクトルは、ピーク波長において蛍光強度が急峻に立ち上がっており、そのピーク波長よりも長波長側及び短波長側において蛍光強度が急激に低下する傾向を有している。一方で、生体に含まれる自家蛍光物質の蛍光スペクトルは、ピーク波長から長波長側に向かうに連れ、なだらかに蛍光強度が低下する傾向を有している。図1では、自家蛍光物質として代表的なコラーゲンとFADを例示しているが、他の物質においても概ね同様の傾向を示すことが知られている。
よって、検体から発せられた光のうち、第二フィルタを透過した光(第二光)及び第三フィルタを透過した光(第三光)は、大部分が自家蛍光物質由来の蛍光で構成されており、ポルフィリン類が発する蛍光が含まれているとしてもごく一部に限られる。そして、上述したように、自家蛍光物質の蛍光スペクトルはピーク波長よりも長波長側においてなだらかに減少する傾向を有している。よって、第二波長帯と第三波長帯の間に位置する第一波長帯における自家蛍光物質由来の蛍光強度分布を、第二光の強度分布を示す第二画像情報、及び第三光の強度分布を示す第三画像情報から生成することができる(工程(e))。
工程(b)において取得された第一画像情報は、第一波長帯の蛍光強度分布であって、自家蛍光物質由来の蛍光とポルフィリン類が発する蛍光が重ね合わせられた強度分布に対応している。このため、工程(e)で生成された第四画像情報と第一画像情報に基づいて、ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応した第五画像情報を生成することができる(工程(f))。そして、この第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことで、自家蛍光物質由来の蛍光が概ね差し引かれた蛍光強度、すなわち、概ねポルフィリン類が発する蛍光強度に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことができる。これにより、従来よりも腫瘍部位の判別を正確に行うことが可能となる。
なお、本明細書中における「ポルフィリン類」とは、ポルフィン環に置換基がついたものを指し、ポルフィリン類の一種として例えばPpIXの他、PpIXから生成されたフォト−プロトポルフィリン(PPp)などのプロトポルフィリン類が存在する。
また、本明細書中において、「第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯」とは、第二波長帯を構成する下限値が第一波長帯を構成する下限値よりも短波長側で、第二波長帯を構成する上限値が第一波長帯を構成する上限値よりも短波長側であるものとして構わない。すなわち、上記の条件が成立していれば、第一波長帯と第二波長帯は一部に重なりを有していても構わない。
同様に、本明細書中において、「第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯」とは、第三波長帯を構成する下限値が第一波長帯を構成する下限値よりも長波長側で、第三波長帯を構成する上限値が第一波長帯を構成する上限値よりも長波長側であるものとして構わない。すなわち、上記の条件が成立していれば、第一波長帯と第三波長帯は一部に重なりを有していても構わない。
上記方法において、より具体的な一例としては、
前記工程(e)は、前記第二画像情報に示される前記第二光の強度分布を前記第二波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値と、前記第三画像情報に示される前記第三光の強度分布を前記第三波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値とに基づいて、前記第四画像情報を生成する工程であり、
前記工程(f)は、前記第一画像情報と前記第四画像情報の差分値を演算する工程を含むものとしても構わない。
なお、上記において、第二波長帯の波長幅に対応した値として、例えば第二フィルタの半値全幅の値を用いることができる。同様に、第三波長帯の波長幅に対応した値として、例えば第三フィルタの半値全幅の値を用いることができる。
第二光の強度分布は、第二フィルタを透過した光の強度分布として現れる。ここで、上述したように、第二フィルタを透過した第二光は、前記検体が発した光のうち第二波長帯に含まれる波長成分の光に対応する。よって、第二光の強度分布を第二波長帯の波長幅に対応した値で規格化することで、第二波長帯の中央に位置する波長における蛍光の強度分布が近似的に算定される。
同様に、第三フィルタを透過した第三光は、前記検体が発した光のうち第三波長帯に含まれる波長成分の光に対応する。よって、第三光の強度分布を第三波長帯の波長幅に対応した値で規格化することで、第三波長帯の中央に位置する波長における蛍光の強度分布が近似的に算定される。
上記2つの規格化された強度分布に関する情報を用いることで、第一波長帯に含まれる一の波長における蛍光の模擬的な強度分布を算出することができる。ただし、この値はあくまで第一波長帯に含まれる一の波長における蛍光の模擬的な強度分布であるため、自家蛍光物質由来の蛍光であって第一波長帯に含まれる波長成分の蛍光を、第一波長帯の波長幅に対応した値で規格化された情報に対応する。よって、例えばこの値を逆規格化する等の処理を施すことで、自家蛍光物質由来の蛍光であって第一波長帯に含まれる波長成分の蛍光強度分布を模擬的に算出することができる。この光の強度分布に関する情報が第四画像情報に対応する。上記処理が工程(e)において実行される。
上述したように、第四画像情報は、検体が発した光のうち第一波長帯を透過した自家蛍光物質由来の蛍光強度分布を模擬的に示す情報である。一方、第一画像情報は、検体が発した光のうち第一波長帯を透過した、ポルフィリン類が発する蛍光と自家蛍光物質由来の蛍光とが重ね合わされた状態の強度分布を示す情報である。よって、工程(f)において第一画像情報と第四画像情報の差分値を演算する処理が実行されることで、第一波長帯を透過した、ポルフィリン類が発する蛍光に基づく強度分布に対応した第五画像情報を生成することができる。
なお、前記ポルフィリン類をプロトポルフィリン類とすることもできる。特に前記プロトポルフィリン類をプロトポルフィリンIXとした場合には、
前記第一波長帯は、635nmを含む波長帯であり、
前記第二波長帯は、中心波長が580nm以上620nm以下の波長帯であり、
前記第三波長帯は、中心波長が640nm以上690nm以下の波長帯であるものとしても構わない。
更には、前記第二波長帯を、中心波長が600nm以上620nm以下の波長帯としても構わない。また、前記第三波長帯を、中心波長が640nm以上670nm以下の波長帯としても構わない。
このような方法とすることで、635nm近傍にスペクトルのピークを有するプロトポルフィリンIX(PpIX)由来の蛍光と、コラーゲン等の自家蛍光物質由来の蛍光が重ね合わせられた状態で検体から発せられた場合においても、PpIX由来の蛍光強度に対応した第五画像情報を生成することができる。かかる第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことで、従来よりも腫瘍部位の判別を正確に行うことが可能となる。
また、本発明は、腫瘍部位及び自家蛍光部位を含む検体の前記腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別装置であって、
前記励起光を発する光源部と、
前記検体から発せられる光を受光する受光部と、
前記ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過する第一フィルタと、
前記第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過する第二フィルタと、
前記第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過する第三フィルタと、
前記受光部で受光された光の強度に基づいて演算処理を行って、腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行う演算処理部と、を有し、
前記受光部は、前記検体が発した光のうち前記第一フィルタを介して受光された第一光、前記検体が発した光のうち前記第二フィルタを介して受光された第二光、及び前記検体が発した光のうち前記第二フィルタを介して受光された第三光を受光して、各光の強度分布に関する情報を前記演算処理部に出力し、
前記演算処理部は、
前記第二光の強度分布を示す第二画像情報及び前記第三光の強度分布を示す第三画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記自家蛍光部位から発された蛍光の強度分布に対応した第四画像情報を生成し、
前記第一光の強度分布を示す第一画像情報及び前記第四画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応した第五画像情報を生成し、当該第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことを特徴とする。
上記構成の装置によれば、検体から発せられる蛍光に、ポルフィリン類由来の蛍光と自家蛍光物質由来の蛍光とが重ね合わせられていても、演算処理部において、自家蛍光物質由来の蛍光が概ね差し引かれた蛍光強度、すなわち概ねポルフィリン類が発する蛍光強度の分布に対応した第五画像情報が生成され、当該第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別が行われるため、従来よりも腫瘍部位の判別が正確に行える。
ここで、前記演算処理部は、
前記第二画像情報に示される強度分布を前記第二波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値と、前記第三画像情報に示される強度分布を前記第三波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値とに基づいて、前記第四画像情報を生成し、
前記第一画像情報と前記第四画像情報の差分演算を含む処理によって前記第五画像情報を生成するものとしても構わない。
なお、前記ポルフィリン類をプロトポルフィリン類とすることもできる。このとき、前記プロトポルフィリン類をプロトポルフィリンIXとした場合には、
前記第一波長帯は、635nmを含む波長帯であり、
前記第二波長帯は、中心波長が580nm以上620nm以下の波長帯であり、
前記第三波長帯は、中心波長が640nm以上690nm以下の波長帯であるものとしても構わない。
更には、前記第二波長帯を、中心波長が600nm以上620nm以下の波長帯としても構わない。また、前記第三波長帯を、中心波長が640nm以上670nm以下の波長帯としても構わない。
更に、上記構成に加えて、前記装置は、前記検体と前記受光部の間の光路上に、前記第一フィルタ、前記第二フィルタ及び前記第三フィルタのうちのいずれか一のフィルタを切り替えて設置するフィルタ切替部を備えるものとしても構わない。
本発明の腫瘍部位の判別方法及び装置によれば、自家蛍光物質由来の蛍光の影響を概ね排除することができるため、従来よりも正確に腫瘍部位の判別が行える。
コラーゲンとFADの自家蛍光スペクトルを示す図面である。 自家蛍光物質及びPpIXを含む検体の蛍光スペクトルの一例を示す図面である。 腫瘍部位判別装置の外観の一例を模式的に示す図である。 腫瘍部位判別装置の内部構成の一例を模式的に示すブロック図である。 PpIXの蛍光スペクトルを示す図である。 ある位置における検体から発せられた蛍光のスペクトル分布を示す一例である。 コラーゲン、FAD、及びPpIXの各蛍光スペクトルを、ピーク値で規格化して重ね合わせた図面である。 検体から発せられた蛍光に実際に含まれるPpIX由来の蛍光強度と、演算によって推定されたPpIX由来の蛍光強度の関係を模式的に示すグラフである。 第一フィルタを透過した実際の蛍光強度Iaと、実際にこの蛍光に含まれていたPpIX由来の蛍光強度Ibの関係を模式的に示すグラフである。 実施例1−9に関し、検体から発せられた蛍光に実際に含まれるPpIX由来の蛍光強度と、演算によって推定されたPpIX由来の蛍光強度の関係を模式的に示すグラフである。 第二フィルタの中心波長λ2、第三フィルタの中心波長λ3、及びS/N比の関係を示すグラフである。 検証の内容を説明するためのイメージ図面である。 ウェルプレートに対して励起光を照射し、受光部において受光された蛍光画像写真及び蛍光強度プロファイルである。 ウェルプレートに対して励起光を照射し、受光部において受光された蛍光画像に基づいて生成された第五画像情報に対応する蛍光画像写真及び蛍光強度プロファイルである。 図13及び図14のそれぞれにおける蛍光強度の平均値を、PpIXの濃度別にプロットしたグラフである。
[装置構成]
本発明の腫瘍部位判別装置の構成につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
図3は、前記装置の外観の一例を模式的に示す図面である。また、図4は、前記装置の内部構成の一例を模式的に示すブロック図である。なお、図3及び図4は、腫瘍部位判別装置の一例を示す図面である。
図3に示すように、腫瘍部位判別装置1(以下、適宜「装置1」と呼ぶことがある。)は、ホルダ装着口11及び表示部12を備える。ホルダ装着口11は、検体2(図3では不図示、図4参照)が収容された検体用ホルダ10を装着するための機構である。また、表示部12は、腫瘍部位判別装置1によって、腫瘍部位と非腫瘍部位とが判別された結果が表示されるモニタに対応する。なお、ここでは、腫瘍部位判別装置1の本体に表示部12が設けられている構成を示しているが、装置1の本体には表示部12を備えずに、別のモニタに判別結果を表示させる構成を採用しても構わない。
検体2は、腫瘍部位の判別を行う対象となる生検材料(例えばセンチネルリンパ節を含む生体組織)である。この生検材料は、腫瘍部位が含まれていれば当該部位にポルフィリン類が蓄積されるよう、予め所定の措置が施されている。一例としては、この生検材料は、人体に5−ALAを投与した後に摘出されたものとすることができる。
図4に示すように、装置1は、光源部21、フィルタ22、ダイクロイックミラー23、対物レンズ24、フィルタ切替部25、受光部26、演算処理部27を備える。なお、図4の例では、図3にならって、装置1が表示部12を備えている構成を想定している。
光源部21は、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等のランプの他、発光ダイオード素子、レーザダイオード素子等で構成することができる。フィルタ22は、光源部21から射出された光のうち、特定の波長の光を選択的に透過させる機能を有し、例えば誘電体多層膜などで構成することができる。ここでは、フィルタ22が、波長405nmの光を選択的に透過させる機能を有するものとして説明するが、本実施形態では、385nm以上425nm以下の特定の波長帯の光を選択的に透過させる機能を有していればよい。より一般的にいえば、フィルタ22は、検体2に腫瘍部位が含まれている場合に蓄積されているポルフィリン類を励起するために必要な波長帯の光を選択的に透過させる機能を有していればよい。
ダイクロイックミラー23は、所定の波長帯の光を反射させ、別の所定の波長帯の光を透過させる機能を有し、例えば誘電体多層膜などで構成することができる。ここでは、ダイクロイックミラー23が、波長405nmの光を反射し、波長580nm以上の光を透過する機能を有するものとして説明する。なお、このダイクロイックミラー23は、フィルタ22によって選択された波長の光を反射し、検体2から発せられ後述されるフィルタ切替部25に含まれる各フィルタ(25a,25b,25c)で選択される波長の光を透過する機能を有していればよい。
光源部21から射出され、フィルタ22を透過した波長405nmの励起光31は、ダイクロイックミラー23で反射されて対物レンズ24に導かれる。そして、対物レンズ24を通過した光が、ホルダ10を透過して検体2に照射される。検体2にポルフィリン類の一例であるPpIX(これはプロトポルフィリン類の一例でもある)が蓄積されていると、この波長405nmの励起光31によってPpIXが励起され、蛍光32を発する。励起光31を検体2に照射して、検体2に蓄積されていたPpIXを励起する工程が、工程(a)に対応する。
蛍光32は、ホルダ10を透過して、励起光とは逆向きに進行し、対物レンズ24へと導かれる。そして、この蛍光32はダイクロイックミラー23を透過してフィルタ切替部25へと向かう。
本実施形態において、フィルタ切替部25は、第一フィルタ25a、第二フィルタ25b、及び第三フィルタ25cの3つのフィルタを、検体2と受光部26の間の光路上に切り替えながら設置できる。各フィルタ(25a,25b,25c)は、それぞれ所定の波長帯の光を選択的に透過させる機能を有し、いずれもバンドパスフィルタ等の光学フィルタで構成されることができる。なお、フィルタの数は3に限られず、4以上のフィルタを光路上に切り替えながら設置できる構成としても構わない。
本実施形態において、第一フィルタ25aは、ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過させる機能を有する。例えば、検出対象としてポルフィリン類の一例であるPpIXを用いる場合においては、PpIX由来の蛍光のピーク波長が図5に示すように635nm近傍であるため、この635nmを含む所定の波長帯の光が選択的に透過するように設計された第一フィルタ25aが用いられる。一例として、中心波長が632nmであり、半値全幅が22nmのフィルタを利用することができる。この場合、第一波長帯は621nm以上643nm以下となる。
本実施形態において、第二フィルタ25bは、第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過させる機能を有する。より詳細には、第二フィルタ25bによって選択的に透過される光の波長帯(第二波長帯)は、その下限値が第一波長帯を構成する下限値よりも短波長側であり、その上限値が第一波長帯を構成する上限値よりも短波長側である。つまり、第二波長帯と第一波長帯は、上記の条件の範囲内で一部において重なりを有していても構わない。一例として、中心波長が620nmであり、半値全幅が20nmのフィルタを利用することができる。この場合、第二波長帯は610nm以上630nm以下となる。
本実施形態において、第三フィルタ25cは、第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過させる機能を有する。より詳細には、第三フィルタ25cによって選択的に透過される光の波長帯(第三波長帯)は、その下限値が第一波長帯を構成する下限値よりも長波長側であり、その上限値が第一波長帯を構成する上限値よりも長波長側である。つまり、第三波長帯と第一波長帯は、上記の条件の範囲内で一部において重なりを有していても構わない。一例として、中心波長が650nmであり、半値全幅が20nmのフィルタを利用することができる。この場合、第三波長帯は640nm以上660nm以下となる。
受光部26は、フィルタ切替部25において設定されているフィルタ(25a,25b,25c)を透過した各蛍光32が受光される。受光部26は、受光した蛍光強度を検体2内の位置情報と共に演算処理部27に出力する。
演算処理部27は、各フィルタ(25a,25b,25c)を透過した各蛍光の強度分布に基づいて画像情報を生成する。演算処理部27は例えばCPU等で構成される。
まず、フィルタ切替部25において光路上に第一フィルタ25aを設置した状態で、受光部26において受光された光の強度に関する情報が検体2内の位置情報と共に演算処理部27に送られる。検体2から発せられた蛍光32のうち、第一フィルタ25aを透過して受光部26で受光された光が、「第一光」に対応する。演算処理部27は、この第一光の位置毎の強度分布に基づく画像情報(第一画像情報)を生成し、内部の記憶手段に記憶する。この第一画像情報を生成する工程が上記工程(b)に対応する。
次に、フィルタ切替部25において光路上に設置するフィルタを第二フィルタ25bに変えた状態で、受光部26において受光した光の強度に関する情報が検体2内の位置情報と共に演算処理部27に送られる。検体2から発せられた蛍光32のうち、第二フィルタ25bを透過して受光部26で受光された光が、「第二光」に対応する。演算処理部27は、この第二光の位置毎の強度分布に基づく画像情報(第二画像情報)を生成し、内部の記憶手段に記憶する。この第二画像情報を生成する工程が上記工程(c)に対応する。
次に、フィルタ切替部25において光路上に設置するフィルタを第三フィルタ25cに変えた状態で、受光部26において受光した光の強度に関する情報が検体2内の位置情報と共に演算処理部27に送られる。検体2から発せられた蛍光32のうち、第三フィルタ25cを透過して受光部26で受光された光が、「第三光」に対応する。演算処理部27は、この第三光の位置毎の強度分布に基づく画像情報(第三画像情報)を生成し、内部の記憶手段に記憶する。この第三画像情報を生成する工程が上記工程(d)に対応する。
演算処理部27は、上記第二画像情報及び第三画像情報に基づいて、第一光のうち自家蛍光部位から発された蛍光強度分布に対応した画像情報(第四画像情報)を生成する。この第四画像情報を生成する工程が工程(e)に対応する。具体的な方法の一例としては、以下の通りである。
まず、演算処理部27は、第二画像情報に示される第二光の強度分布を第二波長帯の波長幅(例えば第二フィルタ25bの半値全幅)で規格化処理をする。より具体的な一例としては、第二光の位置毎の強度の値を第二フィルタ25bの半値全幅で除算する。
第二画像情報は、第二フィルタ25bを透過した蛍光強度の位置毎における分布の情報に対応する。ここで、第二フィルタ25bは、検体2から発せられた蛍光32のうち、第二波長帯に含まれる波長成分の光を透過させる。よって、受光部26において検出された第二フィルタ25bを透過した蛍光32(第二光)の強度は、当該第二波長帯に含まれる各波長の光強度の積分値に対応する。このため、この光強度値を第二フィルタ25bの半値全幅で除算することで、第二光のうち、第二波長帯の中心波長λ2における光の強度分布が模擬的に算定される。
次に、演算処理部27は、第三画像情報に示される第三光の強度分布を第三波長帯の波長幅(例えば第三フィルタ25cの半値全幅)で規格化処理をする。より具体的な一例としては、第三光の位置毎の強度の値を第三フィルタ25cの半値全幅で除算する。これにより、第三光のうち、第三波長帯の中心波長λ3における光の強度分布が模擬的に算定される。
そして、上記演算により算定された、第二波長帯の中心波長λ2における光の強度分布に関する情報と、第三波長帯の中心波長λ3における光の強度分布に関する情報とに基づいて、第四画像情報を生成する。この第四画像情報は、第一光のうち自家蛍光部位から発された蛍光の強度分布を模擬した情報に対応する。この理由につき、図面を参照して説明する。
図6は、ある位置Zにおける検体2から発せられた蛍光32のスペクトル分布を示す一例である。図2(c)を参照して上述したように、この蛍光32には、自家蛍光物質が発する蛍光とポルフィリン類が発する蛍光が重なり合っている。
フィルタ切替部25において第二フィルタ25bが設置されている場合、受光部26では、蛍光スペクトルのうち、第二波長帯62に含まれる波長成分の光、すなわち第二光のみが受光部26で受光される。受光部26で受光される光量は、この第二波長帯62に含まれる波長成分の光の積分値として与えられる。そこで、上述したように、受光部26で受光された光量を第二波長帯62の波長幅で規格化することで、第二波長帯62の中心波長λ2における光強度Iz2が模擬的に算定される。図6に示されるこの光強度Iz2は、ある位置Zにおける光強度であるが、上記演算を各位置において行うことで、第二波長帯62の中心波長λ2における位置毎の光強度分布I2が算定される。なお、本実施形態の構成では、第二波長帯62の中心波長λ2が620nmである。
同様に、フィルタ切替部25において第三フィルタ25cが設置されている場合、受光部26では、蛍光スペクトルのうち、第三波長帯63に含まれる波長成分の光、すなわち第三光のみが受光部26で受光される。受光部26で受光される光量は、この第三波長帯63に含まれる波長成分の光の積分値として与えられる。そこで、上述したように、受光部26で受光された光量を第三波長帯63の波長幅で規格化することで、第三波長帯63の中心波長λ3における光強度Iz3が模擬的に算定される。図6に示されるこの光強度Iz3は、ある位置Zにおける光強度であるが、上記演算を各位置において行うことで、第三波長帯63の中心波長λ3における位置毎の光強度分布I3が算定される。なお、本実施形態の構成では、第三波長帯63の中心波長λ3が650nmである。
検出対象としてポルフィリン類の一例であるPpIXを用いる場合、図5を参照して上述したように、PpIX由来の蛍光スペクトルは、波長635nm近傍において急峻なピークを有し、第二波長帯62の中心波長λ2である620nm、及び第三波長帯63の中心波長λ3である650nm近傍においては、上記ピーク値における強度に比べて著しく強度が低い。そこで、受光部26において受光した蛍光32のうち、第二フィルタ25bを透過した光(第二光)及び第三フィルタ25cを透過した光(第三光)については、PpIX由来の蛍光が含まれておらず、自家蛍光物質由来の蛍光のみで構成されていると近似することが可能である。
ところで、例えば図2を参照して上述したように、自家蛍光物質の蛍光スペクトルはピーク波長よりも長波長側、より詳細には、ポルフィリン類が発する蛍光スペクトルのピーク波長近傍の領域においてはなだらかに減少する傾向を示す。また、上記演算によって算定された第二波長帯62の中心波長λ2における位置毎の光強度分布I2は、検体2から発された自家蛍光物質由来の波長λ2の蛍光強度分布と近似される。同様に、上記演算によって算定された第三波長帯63の中心波長λ3における位置毎の光強度分布I3は、検体2から発された自家蛍光物質由来の波長λ3の蛍光強度分布と近似される。
よって、上記光強度分布I2及びI3の情報に基づき、検体2から発された自家蛍光物質由来の蛍光の、λ2とλ3の間に位置する第一波長帯61の中心波長λ1における光強度分布I1を近似的に算出することができる。算出方法の一例としては、自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルが波長λ2とλ3の間で線形的に減少する傾向を示していると近似し、波長λ2における位置毎の光強度分布I2と、波長λ3における位置毎の光強度分布I3の値を比例配分することで、波長λ1における位置毎の光強度分布I1を算出することができる。なお、これはあくまで一例であり、波長λ2とλ3の間における自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルを例えば所定の関数で近似することで、当該関数に従って波長λ1における位置毎の光強度分布I1を算出するものとしても構わない。なお、図6では、波長λ2とλ3の間における自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルを線形で近似した場合において、位置Zにおいて推定される光強度分布Iz1の位置を示している。
このようにして得られた光強度分布I1に関する情報は、第一波長帯61の中心波長λ1における位置毎の光強度の分布に対応する。よって、光強度分布I1に関する情報を第一波長帯61の波長幅で逆規格化処理することで、第一波長帯61に含まれる波長成分の光強度分布に関する情報が得られる。この情報は、フィルタ切替部25において第一フィルタ25aが設置されている状況下で受光部26において受光された蛍光32のうち、自家蛍光物質が発する蛍光の強度分布に対応する情報、すなわち第四画像情報に相当する。
次に、演算処理部27は、既に生成した第一画像情報と前記演算処理によって生成された第四画像情報に基づいて、フィルタ切替部25において第一フィルタ25aが設置されている状況下で受光部26において受光された蛍光32、すなわち第一光のうち、ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応する画像情報(第五画像情報)を生成する。この第五画像情報を生成する工程が工程(f)に対応する。
上述したように、第一画像情報は、フィルタ切替部25において第一フィルタ25aが設置されている状況下で、受光部26において受光された蛍光32の強度分布であり、この蛍光32には自家蛍光物質が発する蛍光とポルフィリン類が発する蛍光が含まれる。一方、工程(e)によって演算によって算定された第四画像情報は、フィルタ切替部25において第一フィルタ25aが設置されている状況下で受光部26において受光された蛍光32のうち、自家蛍光物質が発する蛍光の強度分布に対応する。よって、演算処理部27は、例えば第一画像情報が示す蛍光強度分布から第四画像情報が示す蛍光強度分布を差し引く演算を行うことで、第一光のうち、ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応する情報(第五画像情報)を生成することができる。
その後、演算処理部27は、生成された第五画像情報に基づいて、位置別の光強度が所定の閾値を上回っているか否かの判別を行う。そして、演算処理部27は、光強度が所定の閾値を上回っている箇所が腫瘍部位であり、光強度が前記所定の閾値以下である箇所が非腫瘍部位であると判別する。上記処理によって生成された第五画像情報は、検体2から発された蛍光32のうち、ポルフィリン類の蛍光スペクトルのピーク波長近傍である第一波長帯61に含まれる波長成分の光強度分布であって、自家蛍光物質由来の蛍光が近似的に排除された情報である。よって、この第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行うことで、自家蛍光物質由来の蛍光が含まれることによる誤判別のおそれを従来よりも大幅に低減することができる。
演算処理部27において行われる判別処理が工程(g)に対応する。演算処理部27は、この判別した結果を表示部12に出力する。
表示部12は、演算処理部27から送られた腫瘍部位の座標情報に基づいて、例えば検体2の画像上の所定の位置に腫瘍部位であることを示すマークや発色を施した画像データを表示する。また、演算処理部27において腫瘍部位と判別された領域が存在しない場合には、その旨の情報を表示部12に表示するものとしても構わない。
検査員は、表示部12を目視で確認することで、検体2に腫瘍部位が存在しるか否か、及び腫瘍部位が存在している場合にはその存在箇所を容易に認識することができる。また、例えば装置1に操作ボタンを設け、検体2が収容されたホルダ10を装置1に装着して当該操作ボタンを押下すると光源部21から励起光が射出される仕組みとすることで、装置1によって検体2の腫瘍部位の判別処理を自動的に行わせることができ、検査員のスキルによる判断結果のバラツキが解消すると共に、病理医による判断も不要となる。
なお、上述した方法においては、フィルタ切替部25が、第一フィルタ25a、第二フィルタ25b、第三フィルタ25cの順に切り替えることで、第一画像情報、第二画像情報、第三画像情報の順に情報を取得するものとしたが、この順序は上記に限られない。
また、ダイクロイックミラー23は、装置1を小型化するために、励起光31と蛍光32の光路を一部共通化することを目的として設けられているが、装置1においてダイクロイックミラー23は必ずしも必須の構成ではない。また、フィルタ22は光源部21と一体化されていても構わない。図4に示した装置1の構成はあくまで一例であり、同じ機能を実現する構成であれば、種々の設計変更が可能であることは言うまでもない。
[フィルタ設計]
以下、第二フィルタ25b及び第三フィルタ25cとして好ましい条件について記載する。
上述したように、第五画像情報は、検体2から発された蛍光32のうち、ポルフィリン類の蛍光スペクトルのピーク波長近傍である第一波長帯61に含まれる波長成分の光強度分布であって、自家蛍光物質由来の蛍光が近似的に排除された情報である。つまり、検体2から発された蛍光32の強度分布から、ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布を推定した情報に対応する。
しかし、上述したように、自家蛍光物質由来の蛍光の強度は、検体として抽出した組織の部位によっても異なるし、個人差も有する。そこで、ポルフィリン類が発する蛍光に、自家蛍光物質の蛍光が含まれている場合において、当該自家蛍光物質の蛍光が含まれている割合がある程度変化した場合においても、高い推定精度が担保されるためには、第二フィルタ25b及び第三フィルタ25cとして好ましい条件が存在すると考えられる。以下、この条件について、シミュレーションに基づいた実施例を参照して説明する。
図7は、コラーゲン、FAD、及びPpIXの各蛍光スペクトルを、ピーク値で規格化して重ね合わせた図面である。そして、これらの各スペクトルの成分比率をパラメータとして多数のテストスペクトルを生成した。コラーゲンの蛍光スペクトル関数をf1、FADの蛍光スペクトル関数をf2、PpIXの蛍光スペクトル関数をf3とすると、テストスペクトル関数Ftは、以下の(数1)で規定される。
(数1)
Ft=a・f1+b・f2+c・f3
ここで、a=b=0の場合とは、テストスペクトルに自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルが含まれていない状態に対応する。一方、a・b≠0の場合とは、テストスペクトルに自家蛍光物質由来の蛍光スペクトルが含まれている状態に対応する。
第一フィルタ25aを透過した蛍光32の実際の光強度をIa、第一フィルタ25aを透過した蛍光32に実際に含まれるPpIX由来の蛍光の光強度をIb、Iaの値に基づいて上記演算方法によって推定されたPpIX由来の蛍光の光強度をIcとする。蛍光32に実際に含まれるPpIX由来の蛍光の光強度Ibが高くなると、推定されたPpIX由来の蛍光の光強度Icも高くなるものの、上述したように、自家蛍光の強度には検体2の個体差が存在する。この結果、IbとIcは図8に示すような関係になる。
第一フィルタ25aを透過した蛍光32に自家蛍光由来の蛍光が含まれていなかった場合、第一フィルタ25aを透過した蛍光32に実際に含まれるPpIX由来の蛍光の光強度Ibと、Iaの値に基づいて推定されたPpIX由来の蛍光の光強度Icとは比例関係を示す。一方、第一フィルタ25aを透過した蛍光32に含まれている自家蛍光由来の蛍光の光量が高くなるほど、光強度Icは光強度Ibとの線形性から外れる関係になる。よって、蛍光32に実際に含まれるPpIX由来の蛍光の光強度Ibと、推定されたPpIX由来の蛍光の光強度をIcとの関係が線形に近づくほど、上記の演算による推定精度が高いことになる。
そこで、本シミュレーションにおいては、上記(数1)で規定されるテストスペクトル関数Ftにおいて、a,b,cをそれぞれ0.5以上5以下の範囲内で変化させることで、500パターンの自家蛍光を含む複数のテストスペクトルを模擬的に生成した。なお、本シミュレーションにおいては、第一フィルタ25aについては、中心波長が632nmであり、半値全幅が22nmのフィルタを想定した。また、第二フィルタ25b及び第三フィルタ25cにおいては、それぞれ半値全幅を20nmと固定し、第二フィルタ25bの中心波長λ2、及び第三フィルタ25cの中心波長λ3を種々異ならせることでシミュレーションを行った。
図9は、上述した推定のための演算を行わずに、単純に第一フィルタ25aを透過した蛍光32の実際の光強度Iaを縦軸とし、この蛍光32に実際に含まれていたPpIX由来の蛍光強度Ibを横軸としてグラフ化したものである。Ibの値が大きくなるとIaの値も大きくなるが、同一のIbの値に対してIaの値は大きくばらついていることが分かる。図9の結果より、テストスペクトル関数Ftにおいて、上記(数1)におけるa及びbの値を種々変化させ、蛍光32に含まれる自家蛍光の強度を模擬的に変化させた結果、蛍光32に含まれているPpIX由来の蛍光強度Ibの値を一定にしていても実際の蛍光強度Iaの大きさにばらつきが生じていることが示される。
図8及び図9のグラフを踏まえれば、同一のIbの値に対して、演算によって推定されたPpIX由来の蛍光強度Icの値のバラツキが小さいほど、推定精度が高いことが分かる。
図10は、下記の実施例1−9について、上記の演算によって蛍光に含まれるPpIX由来の蛍光強度Icを縦軸とし、この蛍光に実際に含まれていたPpIX由来の蛍光強度Ibを横軸としてグラフ化したものである。
実施例1−9の条件は以下の通りである。なお、上述したように、各実施例及び比較例を通じて、第二フィルタ25b及び第三フィルタ25cの半値全幅は20nmで共通である。
・ 実施例1: λ2=620nm、λ3=650nm
・ 実施例2: λ2=600nm、λ3=650nm
・ 実施例3: λ2=580nm、λ3=650nm
・ 実施例4: λ2=620nm、λ3=670nm
・ 実施例5: λ2=600nm、λ3=670nm
・ 実施例6: λ2=580nm、λ3=670nm
・ 実施例7: λ2=620nm、λ3=690nm
・ 実施例8: λ2=600nm、λ3=690nm
・ 実施例9: λ2=560nm、λ3=690nm
図10によれば、実施例9のグラフは、推定処理を行わなかった図9のグラフと比べるとバラツキは小さいものの、他の実施例1−8と比較すると、同一のIbの値に対するIcの値が最も大きくばらついていることが分かる。
なお、各実施例を比較すると、同一のIbの値に対するIcの値のバラツキは、実施例1が最も小さい。このことは、実施例1で規定された設計条件で各フィルタ(25a,25b,25c)を構成すれば、自家蛍光の強度が変化しても上記演算方法によって検体2から発せられる蛍光に含まれるPpIX由来の蛍光強度をほぼ一定値に推定することができるということを意味する。
実施例2、実施例3、実施例4及び実施例7は、いずれも実施例1よりは同一のIbの値に対するIcの値のバラツキが少し大きくなるものの、これらの各実施例で規定される設計条件で各フィルタ(25a,25b,25c)を構成した場合においても、自家蛍光の強度変化に対する推定結果の影響は極めて小さいといえる。
実施例5、実施例6、及び実施例8は、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例7よりも更に、同一のIbの値に対するIcの値のバラツキが少し大きくなるが、実施例9と比べるとそのバラツキ程度は小さい。
ここで、推定精度を評価するための別の指標としてS/N比を規定する。すなわち、第一フィルタ25aを透過した蛍光32の実際の光強度がIaである場合において、当該蛍光32に自家蛍光由来の蛍光が含まれていない場合にIaの値に基づいて推定されたPpIX由来の蛍光の光強度Ic1と、前記Ic1と当該蛍光32に自家蛍光由来の蛍光が含まれている場合にIaの値に基づいて推定されたPpIX由来の蛍光の光強度Ic2との差(誤差)の比率をS/N比とした。この値が大きいほど推定精度が高いものと評価できる。なお、実際には、今回シミュレーションを行った各テストスペクトル関数Ftについて算出された全てのIc1とIc2の差の2乗平均をもって誤差を規定している。
なお、上記光強度Ic1を算定するに際しては、上記(数1)で規定されるテストスペクトル関数Ftにおいて、a=b=0とし、cの値を0.5以上5以下の範囲内で変化させることで複数のテストスペクトルを模擬的に生成した。また、上記光強度Ic2を算定するに際しては、上記(数1)で規定されるテストスペクトル関数Ftにおいて、a,b,cをそれぞれ0.5以上5以下の範囲内で変化させることで、500パターンの自家蛍光を含む複数のテストスペクトルを模擬的に生成した。
図11は、第二フィルタ25bの中心波長λ2、第三フィルタ25cの中心波長λ3を適宜変更しながら、上記S/N比を演算によって求めたときの、λ2及びλ3とS/N比の関係をグラフ化したものである。なお、図11において、符号(b)で表されている点が実施例1に対応している。以下、符号(c)が実施例2に対応し、符号(d)が実施例3に対応し、符号(e)が実施例4に対応し、符号(f)が実施例5に対応し、符号(g)が実施例6に対応し、符号(h)が実施例7に対応し、符号(i)が実施例8に対応し、符号(j)が実施例9に対応している。
同一のIbの値に対するIcの値のバラツキ度合いに関し、上述した実施例毎の評価結果と、図11に示すS/N比の大小関係は一致している。すなわち、実施例1のS/N比は23.5程度と最も高く、逆に実施例9のS/N比は1.5程度と最も低い。実際に腫瘍部位を判定するに際しては、実施例1−8程度のバラツキ度合い(S/N比が約6.0以上)に抑制されているのが好ましく、実施例1−5及び実施例7程度のバラツキ度合い(S/N比が約7.0以上)に抑制されているのがより好ましく、更に実施例1−3程度のバラツキ度合い(S/N比が約10.0以上)に抑制されているのがより好ましく、更には実施例1程度のバラツキ度合い(S/N比が約20.0以上)に抑制されているのがより好ましい。
なお、第二フィルタ25b、及び第三フィルタ25cの波長幅は狭くするほど、同一条件下での上記バラツキ度合いは抑制される結果が得られた。ただし、バンドパスフィルタとして容易に入手できる範囲のもの(例えば波長幅が10nm以上30nm以下)を用いた場合、上記結果とほぼ同様の結果が確認された。
以上を鑑みれば、検体に蓄積されているポルフィリン類としてPpIXを想定する場合においては、第二フィルタ25bの中心波長λ2を580nm以上620nm以下とするのが好ましく、第三フィルタ25cの中心波長λ3を640nm以上690nm以下とするのが好ましい。また、上記においては、第二フィルタ25bの中心波長λ2を600nm以上620nm以下とするのが更に好ましく、第三フィルタ25cの中心波長λ3を640nm以上670nm以下とするのが更に好ましい。
本発明の方法を用いることで自家蛍光の影響を抑制できる点につき、別の検証を参照して説明する。図12は、検証の内容を説明するためのイメージ図面である。
図12に示すように、ウェルプレート70に、PpIXとFADが混合された水溶液71〜79を30μLずつ滴下した。水溶液71〜79の、PpIXとFADの濃度は以下の通りである。
水溶液71: PpIX 0μM、 FAD 0μM
水溶液72: PpIX 0μM、 FAD 10μM
水溶液73: PpIX 0μM、 FAD 20μM
水溶液74: PpIX 0.25μM、 FAD 0μM
水溶液75: PpIX 0.25μM、 FAD 10μM
水溶液76: PpIX 0.25μM、 FAD 20μM
水溶液77: PpIX 0.5μM、 FAD 0μM
水溶液78: PpIX 0.5μM、 FAD 10μM
水溶液79: PpIX 0.5μM、 FAD 20μM
図13は、本装置1を用いて上記ウェルプレート70に対して波長405nmの励起光31を照射し、受光部26において受光された蛍光画像写真及び蛍光強度プロファイルである。図13において、(a)が蛍光画像写真であり、(b)が蛍光強度プロファイルである。なお、図13は、フィルタ切替部25において第一フィルタ25aを設置していた場合の写真及びプロファイルに対応する。ここでは、第一フィルタ25aとして、上記の実施例と同様に、中心波長が632nmで半値全幅が22nmのフィルタを採用した。図13において得られている画像情報は上述した「第一画像情報」に対応する。
図14は、フィルタ切替部25において第一フィルタ25a、第二フィルタ25b、第三フィルタ25cを切り替えながら受光部26において蛍光を受光した後、上述した方法によって生成された第五画像情報に対応する蛍光画像写真及び蛍光強度プロファイルである。図14と同様に、(a)が蛍光画像写真であり、(b)が蛍光強度プロファイルである。なお、ここでは、第一フィルタ25aは上記と同様のフィルタを用い、第二フィルタ25bの中心波長λ2、及び第三フィルタ25cの中心波長λ3は、上記実施例2と同様に、λ2=600nm、λ3=650nmとした。なお、第二フィルタ25bの半値全幅を14nm、第三フィルタ25cの半値全幅を13nmとした。
なお、ウェルプレート70を用いたのは各水溶液(71〜79)の厚みを均一にする目的であり、このために滴下した水溶液の量もそれぞれ同一としている。ただし、水溶液が充填されているウェルの内壁近傍においては表面張力が発生している関係上、ウェルの中央付近と比べて厚みが異なっている。かかる厚みの相違による影響を排除する観点から、以下では、各水溶液(71〜79)に関し、ウェルの中央付近において得られたデータに基づいて説明する。
図13(b)によれば、水溶液72及び水溶液73では、PpIXを含まないにも関わらずプロファイル上に所定値の蛍光強度が確認されている。このことは、FAD由来の蛍光が受光部26で検知されていることを表している。
これに対し、本発明の方法によって作成された第五画像情報に対応する図14(b)によれば、水溶液72及び水溶液73では、水溶液71と同様に蛍光がほとんど確認されていない。
また、図13(b)によれば、水溶液74の蛍光強度と、水溶液75及び水溶液76の蛍光強度を比較すると、両者はPpIXの濃度は同一であるにも関わらず、水溶液75及び水溶液76の方が、水溶液74よりも確認された蛍光強度が高くなっている。同様に、水溶液77の蛍光強度と、水溶液78及び水溶液79の蛍光強度を比較すると、両者はPpIXの濃度は同一であるにも関わらず、水溶液78及び水溶液79の方が、水溶液77よりも確認された蛍光強度が高くなっている。このことは、FAD由来の蛍光がPpIX由来の蛍光に重ねられたことで、受光された蛍光強度が増加していることを表している。
これに対し、本発明の方法によって作成された第五画像情報に対応する図14(b)によれば、水溶液74、水溶液75、及び水溶液76は、ほぼ同程度の蛍光強度を示しており、同様に、水溶液77、水溶液78、及び水溶液79は、ほぼ同程度の蛍光強度を示している。
図15は、図13及び図14のそれぞれにおける蛍光強度の平均値を、PpIXの濃度別にプロットしたグラフである。図13は「第一画像情報」に基づく値に対応し、図14は「第五画像情報」に基づく値に対応する。図15によれば、第一画像情報は、同一のPpIXの濃度であっても蛍光強度に大きなバラツキが生じているのに対し、本発明の方法によって生成された第五画像情報には、前記バラツキが極めて抑制されていることが分かる。このことからも、本発明の方法によれば、FAD等、検体に含まれる自家蛍光物質由来の蛍光成分を極力排除した画像を生成できるので、PpIXを初めとするポルフィリン類由来の蛍光強度を高精度で検知することが可能となる。
[別実施形態]
腫瘍部位に蓄積されるポルフィリン類は、プロトポルフィリンIX(PpIX)以外の物質であっても構わず、例えば、PpIXから生成されたフォト−プロトポルフィリン(PPp)や、ウルポルフィリンなどから発せられる蛍光を分光検出する場合に、上記方法を採用することも可能である。
この場合、フィルタ22は、当該ポルフィリン類を励起させるために必要な波長帯の励起光31を選択的に透過させることのできる構成であればよい。また、第一フィルタ25aは当該ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過する機能を有し、第二フィルタ25bは第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過する機能を有し、第三フィルタ25cは第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過する機能を有していればよい。
1 : 腫瘍部位判別装置
10 : 検体用ホルダ
11 : ホルダ装着口
12 : 表示部
21 : 光源部
22 : フィルタ
23 : ダイクロイックミラー
24 : 対物レンズ
25 : フィルタ切替部
25a : 第一フィルタ
25b : 第二フィルタ
25c : 第三フィルタ
26 : 受光部
27 : 演算処理部
31 : 励起光
32 : 蛍光
61 : 第一波長帯
62 : 第二波長帯
63 : 第三波長帯
70 : ウェルプレート
71〜79 : 水溶液

Claims (7)

  1. 腫瘍部位及び自家蛍光部位を含む検体の前記腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別のための方法であって、
    前記励起光を前記検体に照射して前記ポルフィリン類を励起する工程(a)と、
    前記検体が発した光のうち、前記ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過する第一フィルタを介して受光された第一光の強度分布を示す第一画像情報を取得する工程(b)と、
    前記検体が発した光のうち、前記第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過する第二フィルタを介して受光された第二光の強度分布を示す第二画像情報を取得する工程(c)と、
    前記検体が発した光のうち、前記第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過する第三フィルタを介して受光された第三光の強度分布を示す第三画像情報を取得する工程(d)と、
    前記第二画像情報及び前記第三画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記自家蛍光部位から発された蛍光の強度分布に対応した第四画像情報を生成する工程(e)と、
    前記第一画像情報及び前記第四画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応した第五画像情報を生成する工程(f)と、
    腫瘍部位と非腫瘍部位の判別のために、前記第五画像情報に基づいて位置別の光強度を比較する工程(g)とを有し、
    前記工程(e)は、前記第二画像情報に示される前記第二光の強度分布を前記第二波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値と、前記第三画像情報に示される前記第三光の強度分布を前記第三波長帯の波長幅に対応した値で規格化した値とに基づいて、前記第四画像情報を生成する工程であり、
    前記工程(f)は、前記第一画像情報と前記第四画像情報の差分値を演算する工程を含むことを特徴とする腫瘍部位の判別のための方法。
  2. 前記ポルフィリン類がプロトポルフィリン類であることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の判別のための方法。
  3. 前記プロトポルフィリン類がプロトポルフィリンIXであり、
    前記第一波長帯は、635nmを含む波長帯であり、
    前記第二波長帯は、中心波長が580nm以上620nm以下の波長帯であり、
    前記第三波長帯は、中心波長が640nm以上690nm以下の波長帯であることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の判別のための方法。
  4. 腫瘍部位及び自家蛍光部位を含む検体の前記腫瘍部位に蓄積するポルフィリン類に励起光を照射して、励起後の前記ポルフィリン類が発する蛍光を検出する腫瘍部位の判別装置であって、
    前記励起光を発する光源部と、
    前記検体から発せられる光を受光する受光部と、
    前記ポルフィリン類が発する蛍光のピーク波長を含む第一波長帯の光を透過する第一フィルタと、
    前記第一波長帯よりも短波長側の第二波長帯の光を透過する第二フィルタと、
    前記第一波長帯よりも長波長側の第三波長帯の光を透過する第三フィルタと、
    前記受光部で受光された光の強度に基づいて演算処理を行って、腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行う演算処理部と、を有し、
    前記受光部は、前記検体が発した光のうち前記第一フィルタを介して受光された第一光、前記検体が発した光のうち前記第二フィルタを介して受光された第二光、及び前記検体が発した光のうち前記第二フィルタを介して受光された第三光を受光して、各光の強度分布に関する情報を前記演算処理部に出力し、
    前記演算処理部は、
    前記第二光の強度分布を示す第二画像情報及び前記第三光の強度分布を示す第三画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記自家蛍光部位から発された蛍光の強度分布に対応した第四画像情報を生成し、
    前記第一光の強度分布を示す第一画像情報及び前記第四画像情報に基づいて、前記第一光のうち前記ポルフィリン類が発する蛍光の強度分布に対応した第五画像情報を生成し、当該第五画像情報に基づいて腫瘍部位と非腫瘍部位の判別を行い、
    前記第二画像情報に示される強度分布を前記第二フィルタの半値全幅に対応した値で規格化した値と、前記第三画像情報に示される強度分布を前記第三フィルタの半値全幅に対応した値で規格化した値とに基づいて、前記第四画像情報を生成し、
    前記第一画像情報と前記第四画像情報の差分演算を含む処理によって前記第五画像情報を生成することを特徴とする腫瘍部位の判別装置。
  5. 前記ポルフィリン類がプロトポルフィリン類であることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の判別装置。
  6. 前記プロトポルフィリン類がプロトポルフィリンIXであり、
    前記第一波長帯は、635nmを含む波長帯であり、
    前記第二波長帯は、中心波長が580nm以上620nm以下の波長帯であり、
    前記第三波長帯は、中心波長が640nm以上690nm以下の波長帯であることを特徴とする請求項に記載の腫瘍部位の判別装置。
  7. 前記検体と前記受光部の間の光路上に、前記第一フィルタ、前記第二フィルタ及び前記第三フィルタのうちのいずれか一のフィルタを切り替えて設置するフィルタ切替部を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の腫瘍部位の判別装置。
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