JP6428905B2 - 微細構造体および微細構造体の製造方法 - Google Patents

微細構造体および微細構造体の製造方法 Download PDF

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本発明は、反射防止構造体等として好適に用いられる微細構造体と、該微細構造体の製造方法に関する。
例えばパソコンなどのディスプレイの表面には、視認性向上のためのフィルム状の反射防止構造体が設けられることが多い。このような反射防止構造体として、円錐状の多数の微細な凸部が表面に形成された構造体が知られている。該構造体においては、凸部の配列ピッチが可視光の波長以下とされ、これにより屈折率が深さ(厚み)方向に連続的に変化し、凸部が形成された面側から入射しようとする入射光のフレネル反射が抑制される。 このような反射防止構造体においては、優れた反射防止能を発現させるために、アスペクト比が高い凸部を精度よく形成することが求められる。凸部の形成方法としては、マスクパターンを介して基材の表面をエッチングする方法がある(例えば特許文献1参照。)。
国際公開第2008/001670号
しかしながら、この方法は、基材がエッチングされにくい材質からなる場合には十分なアスペクト比の凸部を形成させることができない。そこで、基材がエッチングされにくい材質からなる場合には、基材の表面にエッチングされやすい材質の表面層を形成し、この表面層をエッチングすることにより、精度のよい凸部を形成することが考えられる。
ところが、この方法では、基材と表面層との界面において、光の反射が生じてしまう懸念がある。このような界面での光の反射を防止するためには、基材と同程度の屈折率となるように、表面層の材質を選定することが必要となるが、基材と屈折率が同程度であって、かつ、エッチングされやすいという特性を備えた材質の選定には困難が伴う。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アスペクト比の高い微細な凸部が精度よく形成され、外部からの入射光の反射を充分に抑制でき、かつ、基材とその上に設けられた層との界面等の、当該微細構造体の内部での光の反射も防止できる微細構造体とその製造方法の提供を課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]基材と、該基材上の少なくとも一部に形成され、層の厚み方向に組成が連続的に変化する中間層と、該中間層上に形成された組成一定の均質層とを有し、前記均質層側の面に、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸が形成された微細構造体であって、
前記中間層の前記均質層側の面と、前記均質層とが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の窒化物から形成され、前記中間層の前記基材側の面が、前記金属の酸窒化物または酸化物から形成され、
前記中間層は、前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化することにより、組成が連続的に変化している、微細構造体。
[2]基材と、該基材上の少なくとも一部に形成され、層の厚み方向に組成が連続的に変化する中間層と、該中間層上に形成された組成一定の均質層とを有し、前記均質層側の面に、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸が形成された微細構造体であって、
前記中間層の前記均質層側の面と、前記均質層とが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属から形成され、前記中間層の前記基材側の面が、前記金属の窒化物または酸窒化物または酸化物から形成され、
前記中間層は、前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化することにより、組成が連続的に変化している、微細構造体。
[3]基材と、該基材上の少なくとも一部に形成され、層の厚み方向に組成が連続的に変化する中間層と、該中間層上に形成された組成一定の均質層とを有し、前記均質層側の面に、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸が形成された微細構造体であって、
前記中間層の前記均質層側の面と、前記均質層とが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸窒化物から形成され、前記中間層の前記基材側の面が、前記金属の酸化物から形成され、
前記中間層は、前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化することにより、組成が連続的に変化している、微細構造体。
[4]前記微細凹凸の凸部のアスペクト比が3以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の微細構造体。
[5]前記微細凹凸は、スパッタリングにより形成された層をエッチングすることにより形成された、[1]〜[4]のいずれかに記載の微細構造体。
[6]前記基材は、YAGからなる、[1]〜[5]のいずれかに記載の微細構造体。[7][1]〜[6]のいずれかに記載の微細構造体の製造方法であって、
スパッタリングにより基材上に中間層を形成する工程(1)と、
スパッタリングにより前記中間層上に未エッチング層を形成する工程(2)と、
マスクパターンを介して前記未エッチング層側の面をエッチングして、均質層とする工程(3)とを有し、
前記工程(1)では、前記中間層の組成が層の厚み方向に連続的に変化するように、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させる、微細構造体の製造方法。
本発明によれば、アスペクト比の高い微細な凸部が精度よく形成され、外部からの入射光の反射を充分に抑制でき、かつ、基材とその上に設けられた層との界面等の、当該微細構造体の内部での光の反射も防止できる微細構造体とその製造方法を提供できる。
本発明の微細構造体の一実施形態例である反射防止構造体を示す縦断面図である。 微細構造体の製造方法についての説明図であり、基材の片面に中間層と、未エッチング層とを形成した状態を示す縦断面図である。 微細構造体の製造方法についての説明図であり、(a)エッチングの初期を示す模式図、(b)エッチングが進行し、各粒子に対応する位置にそれぞれ円柱が現れた後、各円柱上の粒子も徐々にエッチングされて小さくなった状態を示す模式図、(c)各粒子がエッチングにより消失して、円錐状の凸部を多数備えた微細凹凸が形成された状態を示す模式図、である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの詳細に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいては、当業者の知識に基づいて種々の修正、変更、改良を加えてもよい。
<微細構造体>
図1は、本発明の微細構造体の一実施形態例である板状の反射防止構造体を示す縦断面図である。
この例の反射防止構造体1は、板状の基材10と、該基材10の片面10aの全面に形成された中間層11と、該中間層11上の全面に形成された均質層12とを有する。反射防止構造体1の均質層12側の表面12bには、多数の円錐状の凸部13からなる微細凹凸のパターンが形成されている。
この例の基材10は、原子間の結合エネルギーが高く、エッチングされにくい特性を有するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)からなる。YAGの屈折率は、約1.82である。
基材10の厚みは、基板としての強度や加工性の点から、例えば20〜1000μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
この例の中間層11は、スパッタリングにより形成された層である。スパッタリングは、真空中等でスパッタリングガスをターゲットに衝突させることで、ターゲットを形成している物質からなる層、ターゲットを形成している物質とスパッタリングガスに含まれる成分との化合物からなる層等を対象物に製膜させる方法である。
この例の中間層11は、基材10側の面11bが、ケイ素の酸窒化物(Si−O−N)から形成され、均質層12側の面11aが、ケイ素の窒化物(Si−N)から形成されている。そして、層の厚み方向(凸部13の高さ方向。)に、組成が連続的に変化している。
具体的には、この例では、基材10側の面11bから、均質層12側の面11aに向かって、ケイ素に対する酸素比が連続的に減少し、窒素比が連続的に増加することにより、層の厚み方向の組成がSi−O−NからSi−Nへと連続的に変化している。そして、該中間層11は、このような連続的な組成変化にともなって、屈折率も層の厚み方向に連続的に変化している。この例では、基材10側の面11bから、均質層12側の面11aに向かって、屈折率が連続的に大きくなっている。
Si−O−Nとしては、ケイ素に対する種々の酸素比および窒素比を有する化合物が存在するが、例えばSi(原子比でケイ素:酸素:窒素=5:4:3)が挙げられる。Siの屈折率は約1.9である。一方、Si−Nとしては、Si(原子比でケイ素:窒素=3:4)があり、屈折率は約2.0である。
中間層11の厚みは、基材10側の面11bから、均質層12側の面11aに向かって、組成を連続的に変化させるために必要な厚みに設定され、10〜4000nmが好ましく、100〜1000nmがより好ましい。上記範囲の下限値以上であれば、中間層11の組成を連続的に変化させるために充分な厚みであり、上限値以下であれば、反射防止構造体1全体としての厚みを小さくできる。
この例の均質層12は、詳しくは後述するが、スパッタリングにより形成された層である。また、微細凹凸は、該層の表面をエッチングすることにより形成されている。均質層12は、凸部13も含めたその全体が、中間層11の均質層12側の面11aと同じ組成(Si−N)で形成され、層の厚み方向に一定の組成を有している。Si−Nは、Si−O−Nと比較して、エッチングされやすい特性を有する。
なお、均質層12の組成は、中間層11側の面12aから凸部13の先端まで、一定であるが、製造上不可避の範囲内での組成の変動は許容される。このような組成の変動としては、スパッタリングに使用するスパッタリングガスの組成制御に起因するものが考えられる。例えば、均質層がSi−Nである場合、Siに対する原子比として、0.1モル以下の範囲で酸素を含有する部分が生じること等は許容される。
均質層12の厚みは、凸部13の高さとおおよそ同程度であり、例えば100〜4000nmが好ましく、300〜1500nmがより好ましい。
なお、ある凸部13と、隣接する凸部13との間の谷部(溝)12cは、図示のように、均質層12内に位置していることが好ましいが、中間層11まで到達していてもよい。
この例のように基材10がYAGであり、中間層11の基材10側の面11bがSi−O−Nであると、YAGと、Si−O−N(例えばSi。)とは屈折率差が小さいため、基材10と中間層11との界面における光の反射が抑制される。
また、中間層11の組成が層の厚み方向に連続的に変化していると、上述のとおり、中間層11の屈折率も層の厚み方向に連続的に変化する。そのため、中間層11内部における光の反射も充分に抑制される。
また、この例では、均質層12と、中間層11の均質層12側の面11aとが同じ材質(Si−N)から形成されているため、均質層12と中間層11との界面でも光の反射は生じない。
また、この例では、均質層12はエッチングされやすい特性を有するSi−Nから形成されているため、アスペクト比が高く精度のよい凸部13がエッチングにより容易に形成され得る。そのため、この例の反射防止構造体1は、反射防止能に非常に優れる。
凸部13のアスペクト比は、3〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。上述のとおり、この例の均質層12は、エッチングされやすい材質からなるため、高アスペクト比の凸部13を容易に形成できる。アスペクト比が上記範囲の下限値以上であれば、反射防止構造体10の反射防止能がより優れる。上記範囲の上限値以下であれば、エッチングにより凸部13を形成しやすい。
アスペクト比は、凸部13の最頻高さHと最頻ピッチPとの比、すなわち「最頻高さH/最頻ピッチP」で定義される。
最頻ピッチP(凸部13の頂部間の距離を示すピッチの最頻値)は、具体的には次のようにして求められる。
まず、微細凹凸が形成された均質層12側の表面12bにおける無作為に選択された領域で、一辺が最頻ピッチPの30〜40倍に相当する正方形の領域について、原子間力顕微鏡(AFM)イメージを得る。例えば、最頻ピッチPが300nm程度の場合、9μm×9μm〜12μm×12μmの領域のイメージを得る。そして、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得る。次いで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求める。こうして求められた距離の逆数がこの領域における最頻ピッチPである。このような処理を無作為に選択された合計25カ所以上の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチを求める。こうして得られた25カ所以上の領域における最頻ピッチP〜P25の平均値が最頻ピッチPである。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、より好ましくは5mm〜1cm離れて選択される。
最頻高さHは、具体的には次のようにして求められる。
まず、AFMイメージから、任意の方向と位置における長さ1mmの線に沿った図1のような縦断面図を得る。この断面から、凸部13を30個抽出する。そして、これら各凸部13について、その頂点の高さH1と、当該凸部13に隣接する2つの凸部13とで形成される2つの谷部の高さのうち、高さが低い方の高さH2との差を求め、得られた値を有効桁数2桁で丸め各凸部13の高さとし、その最頻値を最頻高さHとする。
凸部13の最頻ピッチPは、可視光の波長(400nm〜750nm程度)よりも小さい300nm以下であり、好ましくは150nm以下である。150nm以下であれば、可視光領域での回折光を減少させることができる。波長750nm程度〜10000nm以下の赤外領域において使用する場合には、最頻ピッチPは5000nm以下であることが好ましい。
最頻高さHは、アスペクト比および最頻ピッチPが、上記範囲となる値であることが好ましく、例えば、300〜1500nmである。
以上説明したように、この例の反射防止構造体1では、中間層11の基材10側の面11bが、基材10との屈折率差が小さい材質(Si−O−N)で形成されている。そのため、基材10と中間層11との界面における光の反射が抑制される。
また、この例の反射防止構造体1では、中間層11の厚み方向の組成が連続的に変化している。そのため、中間層11の屈折率も層の厚み方向に連続的に変化し、これにより、中間層11内部における光の反射が抑制される。そして、このような中間層11の組成変化は、金属(ケイ素)に対する窒素比と酸素比とが層の厚み方向に連続的に変化することにより得られている。窒素比および酸素比の少なくとも一方を変化させることは、後述するように、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させる方法により、容易に行える。 また、この例の反射防止構造体1では、均質層12と、中間層11の均質層12側の面11aとが同じ材質(Si−N)で形成されている。そのため、均質層12と中間層11との界面でも光の反射は生じない。
このように図示例の反射防止構造体1においては、基材10と中間層11との界面における光の反射と、中間層11と均質層12との界面における光の反射と、中間層11内部における光の反射という、反射防止構造体1内部での光の反射がいずれも抑制されている。
また、この例の反射防止構造体1においては、均質層12の材質が、Si−O−Nよりもエッチングされやすい、Si−Nから形成されている。そのため、エッチングにより形成された高アスペクト比で、精度のよい凸部13を備えており、外部からの入射光の反射を効果的に防止するという、反射防止構造体1に求められる本来の特性も高く有している。
また、この例の反射防止構造体1においては、後述するように、中間層11の形成と均質層12の形成に、ともにスパッタリングを採用しているため、中間層11の形成と均質層12の形成とを連続的に生産性よく行える。
以上の説明では、屈折率が約1.82であるYAGを基材10に用いた場合の好適な例として、中間層11の基材10側の面11bの材質に、YAGとの屈折率差の小さいSi−O−Nを例示した。そして、中間層11bの均質層12側の面11aおよび均質層12の材質として、Si−O−NよりもエッチングされやすいSi−Nを挙げた。しかしながら、YAGを基材10に用い、Si−O−Nを中間層11の基材10側の面11bの材質に用いた場合、中間層11bの均質層12側の面11aおよび均質層12には、Si−NよりもさらにエッチングされやすいSiを採用してもよい。この場合、中間層11の層の厚み方向における組成は、Si−O−NからSiへと連続的に変化させる。具体的には、ケイ素に対する酸素比および窒素比がともに徐々に減少することにより、Si−O−NからSiへと連続的に組成変化する態様が挙げられる。また、ケイ素に対する酸素比が徐々に減少することにより一旦Si−Nとなり、ついで、ケイ素に対する窒素比が徐々に減少することによりSiへと組成変化する態様も挙げられる。
本発明においては、基材はYAGに限定されない。そして、基材の屈折率に応じて、中間層の基材側の面の材質を選択できる。具体的には、ケイ素等の金属の酸化物、酸窒化物、窒化物のなかから、基材との屈折率差が小さいものを、中間層の基材側の面の材質として選択する。基材と中間層との界面における光の反射を充分に抑制する点から、基材の材質と中間層の基材側の面の材質との屈折率差は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
一方、中間層における均質層側の面および均質層の材質については、エッチングのしやすさを優先的に考慮し、中間層の基材側の面の材質よりも、エッチングされやすい材質を選択する。そして、中間層については、層の厚み方向に屈折率が連続的に変化し、中間層内での光の反射が抑制されるように、金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方を層の厚み方向に連続的に変化させることで、組成を連続的に変化させる。
ケイ素においては、金属(ケイ素)、窒化物、酸窒化物、酸化物の順に、エッチングされやすいという特性を有する。
よって、中間層11の基材10側の面11bの材質が、上述の例のようにSi−O−N(酸窒化物)である場合には、中間層11の均質層12側の面11aおよび均質層12の材質は、Si−O−NよりもエッチングされやすいSi−N(窒化物)、Si(金属)のいずれかを、要求される凸部13のアスペクト比等に応じて、選択すればよい。
同様に、中間層の基材側の面の材質が、Si−O(酸化物)である場合には、中間層の均質層側の面および均質層の材質は、Si−OよりもエッチングされやすいSi−O−N、Si−N、Siのうちのいずれかを選択すればよい。
中間層の基材側の面の材質が、Si−Nである場合には、中間層の均質層側の面および均質層の材質は、Si−NよりもエッチングされやすいSiとすることができる。
そして、これらの各場合においても、中間層の厚み方向における連続的な組成変化は、ケイ素に対する酸素比および窒素比の少なくとも一方が連続的に変化することによるものである限り、何ら制限はない。
表1に、「中間層の基材側の面の材質」と、「中間層の均質層側の面および均質層の材質」との組み合わせをまとめて記載する。
Figure 0006428905
また、金属としては、ケイ素に限定されず、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムのなかの1種以上を基材の屈折率等に応じて、選択できる。チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムは、ケイ素の場合と同様に、金属、窒化物、酸窒化物、酸化物の順に、エッチングされやすいという特性を有する。
よって、これらの金属においても、上述したケイ素の場合と同様に、中間層の基材側の面の材質が酸窒化物である場合には、中間層の均質層側の面および均質層の材質は、窒化物、金属のうちのいずれかを選択すればよい(表1のパターン1および3)。
また、中間層の基材側の面の材質が酸化物である場合には、中間層の均質層側の面および均質層の材質は、酸窒化物、窒化物、金属のうちのいずれかを選択すればよい(表1のパターン2、5および6)。
また、中間層の基材側の面の材質が窒化物である場合には、中間層の均質層側の面および均質層の材質は、金属とすることができる(表1のパターン4)。
中間層の基材側の面の材質は、上述のとおり、基材の材質に応じて、基材の材質との屈折率差が小さいものが選択される。表2に、基材として好適に使用される各種材質を例示し、各材質の基材に対して好適に組み合わされる、中間層の基材側の面の材質を例示する。表2中のカッコ内の数値は、その材質のおおよその屈折率である。
Figure 0006428905
微細構造体の組成を測定する方法としては、X線光電子分光法(XPS)、電子エネルギー損失分光法(EELS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)等が用いられる。深さ方向の組成を測定するには、イオンビームを照射することで、微細構造体の表面をスパッタリングしながらX線光電子分光法(XPS)で測定する方法が挙げられる。
なお、以上の説明において、組成の変化が「連続的である」とは、層の厚み方向に10nm離れた任意の箇所においては、互いに、組成が異なっていることを意味する。
「組成が異なる」とは、X線光電子分光法(XPS)で測定して求めた組成において、0.5モルパーセント以上組成が異なっていることを意味する。たとえば、組成A(100モルパーセント)中における元素αの含有量をxモルパーセント、組成B(100モルパーセント)中における元素αの含有量をyモルパーセントとした場合に、xとyとの差が0.5以上、すなわち、|x−y|≧0.5となるような元素αが少なくとも1つ存在する場合、組成Aと組成Bとは組成が異なる、という。
<微細構造体の製造方法>
次に図1の例の反射防止構造体(微細構造体)1の製造方法について説明する。
(工程(1))
まず、スパッタリングガスでターゲットをスパッタリングして、基材10の片面に中間層11を形成する工程(1)を行う。
工程(1)では、真空状態において、スパッタリングガスを導入しつつ、ターゲットと基材10との間に電圧をかけ、スパッタリングガスをターゲットに衝突させる。すると、ターゲットを構成する原子が飛び出して基材10上に堆積し、中間層11を形成していく。
ここでターゲットとして、ケイ素を用い、スパッタリングガスとして、アルゴン(希ガス)と窒素(反応性ガス)と酸素(反応性ガス)の混合ガスを用いる。すると、希ガスであるアルゴンは製膜される中間層11に取り込まれないが、反応性ガスである窒素および酸素は製膜される中間層11に取り込まれる。そのため、基材10上には、まず、ターゲットに由来するケイ素と、反応性ガスである窒素および酸素とからなる化合物(Si−O−N)が堆積する。
なお、Si−O−Nとしては、上述したように原子比がケイ素:酸素:窒素=5:4:3であるSiが存在するが、それ以外の原子比のSi−O−Nも存在する。そこで、工程(1)でSi−O−Nを堆積させるに際しては、混合ガス中のアルゴンと窒素と酸素の初期の比率等を適宜調整して、最初に堆積するSi−O−Nの組成が基材10であるYAGとの屈折率差が少ない組成となるように、原子比を制御することが好ましい。これより、基材10と中間層11との界面における光の反射をより好適に防止できる。具体的には、工程(1)の初期のアルゴンを45〜70体積%、初期の窒素を20〜50体積%、初期の酸素を5〜20体積%とすることが好ましい。
ついで、導入する混合ガス(スパッタリングガス)を、酸素の比率が連続的に減少し、窒素の比率が連続的に増加するように制御しつつ、スパッタリングを継続する。
すると、スパッタリングの初期には、基材10上に、上述のようにSi−O−Nが堆積するが、混合ガスの上記組成変化にともなって、堆積物の組成も変化していく。そして、最終的に混合ガス中の酸素をゼロにした場合には、中間層11の均質層12側の面11aの組成は、ケイ素と窒素のみからなるSi−N(例えばSi)となる。
混合ガスにおいて、酸素の比率が連続的に減少し、窒素の比率が連続的に増加するように制御する具体的方法としては、混合ガスの総流量を一定にして、各ガスの比率を変化させてもよいし、例えば、アルゴンおよび窒素の少なくとも一方の流量を一定または増やしつつ、酸素を減らす方法等でもよく、特に制限はない。中間層11を安定に製膜できる点、ガス流量の制御が容易である点等から、アルゴンの流量を一定とし、窒素の流量を増やしつつ、酸素の流量を減らす方法が好ましい。このときの窒素の流量の増加量と酸素の流量の減少量は同じであってもよいし、異なっていてもよいが、中間層11を安定に製膜できる点から同じであることが好ましい。
また、希ガスとしては、スパッタリング時にターゲットから生じるスパッタ原子と反応しないガスであればよく、スパッタ効率の点からはアルゴンが好ましいが、アルゴン以外の希ガス(ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン)も使用でき、これらを混合して用いてもよい。
このように工程(1)では、中間層11の組成が層の厚み方向に連続的に変化するように、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させていく。
(工程(2))
工程(2)では、スパッタリングにより、図2に示すように、中間層11上に未エッチング層(エッチングされていない均質層)12’を形成する。
この例の未エッチング層12’は、中間層11の均質層12側の面11aと同じ組成である。よって、工程(1)における最終的なスパッタリングガス組成をそのまま維持し、引き続きスパッタリングを続けることによって、未エッチング層12’を形成できる。未エッチング層12’の厚みが所望の厚みになった時点で、スパッタリングを終了する。
なお、工程(1)および工程(2)におけるスパッタリングの方法としては、マグネトロンスパッタリング、ECRスパッタリング(電子サイクロトロン共鳴スパッタリング)、RFスパッタリング(高周波スパッタリング)等の種々の公知のスパッタリング方法が適用できる。大面積化、設備コストなどにより、マグネトロンスパッタリングを用いるのが好ましい。
たとえば、真空チャンバー内に基材10を設置し、チャンバー内部を10−3Pa以下、好ましくは10−4Pa以下、より好ましくは10−5Pa以下に真空引きする。スパッタリングガスとしてアルゴン112sccm、酸素18sccm、窒素70sccmを真空チャンバー内に導入し、圧力を0.3Paとする。この状態でケイ素のターゲットに電圧を印加することで、スパッタリングが始まる。放電を維持したまま酸素の流量を10秒ごとに0.6sccmずつ減少させ、同時に窒素の流量を10秒ごとに0.6sccmずつ増加させることで、徐々に酸素の量が少なく窒素の量が多くなる中間層11が形成される。ガス流量の変化量を5sccm以下、好ましくは1sccm以下とすることで、組成が層の厚み方向に階段状ではなく、連続的に変化することができる。酸素の流量が0sccm、つまり、導入しない状態となったら、そのままのスパッタリング条件を維持することにより、未エッチング層12’が形成される。
ターゲットとして、ケイ素のかわりにチタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属を用いた場合にも同様の方法によって中間層11および未エッチング層12’を形成することができる。
これらの条件のなかでも、反応性ガスの供給量が特に重要である。反応性ガスの供給量に応じて、スパッタリングターゲットの表面状態が変化し、スパッタリングターゲットのケイ素がそのままスパッタリングされるメタルモード、スパッタリングターゲットの表面が窒化や酸化された状態でスパッタリングされる窒化物モードや酸化物モード、メタルモードと窒化物モードや酸化物モードの中間領域である遷移領域があることが知られている。スパッタリング中はこれらのうちいずれかの状態に固定してスパッタリングをすることが好ましく、メタルモードもしくは遷移領域で製膜することがより好ましい。
なお、メタルモードでの製膜ではスパッタされたケイ素が基材に付着するまでの間に反応性ガスを取り込むことで、反応性ガスの種類に応じて窒化物、酸化物、酸窒化物になる。
(工程(3))
上述の工程(2)で形成された未エッチング層12’は、微細凹凸を有していない平らな層である。そこで、該未エッチング層12’上にマスクパターンを配置し、該マスクパターンを介して未エッチング層12’側をエッチングし、微細凹凸を形成する。これにより、未エッチング層12’の表面に微細凹凸が形成され、図1に示す均質層12となる。 この例の未エッチング層12’はエッチングされやすいSi−Nから形成されているため、アスペクト比が高く精度のよい凸部13をエッチングにより容易に形成できる。
なお、エッチングの程度は、凸部13間の谷部(溝)12cが、均質層12内に位置するように行うことが好ましいが、中間層11まで到達してもよい。
ここで用いるマスクパターンは、例えば特許文献1などに記載されている公知のコロイダルリソグラフィ法等による単粒子膜マスクを用いることが好ましい。また、図1のような反射防止構造体1を製造する場合には、反射防止能の点から、単粒子膜マスクを構成する粒子として、粒子動的光散乱法により求めた平均粒径が3〜380nmのものを使用することが好ましい。粒子の平均粒径と形成される凸部13の各円形底面の直径とはほぼ同じ値となる。また、平均粒径が3nm以上のものを使用すると、入射光が通過する屈折率の傾斜した空間の距離を充分に確保でき、いわゆるサブ波長格子による消光効果を良好に得ることができる。
また、単粒子膜マスクを構成する粒子は、粒径の変動係数(標準偏差を平均値で除した値)が20%以下であるものが好ましく、10%以下であるものがより好ましく、5%以下のものがさらに好ましい。このように粒径の変動係数、すなわち、粒径のばらつきが小さい粒子を使用すると、粒子が存在しない欠陥箇所が生じにくくなる。欠陥箇所のない単粒子膜マスクを用いると、入射光に対して均一な屈折率傾斜効果を与える反射防止構造体が得られやすい。
粒子の材質としては、Al、Au、Ti、Pt、Ag、Cu、Cr、Fe、Ni、Siなどの金属、SiO、Al、TiO、MgO、CaOなどの金属酸化物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの有機高分子などの他、半導体材料、無機高分子などのうち1種以上を採用できる。
エッチングとしては、気相エッチングを採用することが好ましい。マスクパターンを介してエッチングガスによりエッチングを開始すると、まず図3(a)に示すように、単粒子膜マスクFを構成している各粒子Pの隙間をエッチングガスが通り抜けて未エッチング層12’の表面に到達し、その部分に溝が形成され、各粒子Pに対応する位置にそれぞれ円柱13’が現れる。引き続き気相エッチングを続けると、各円柱13’上の粒子Pも徐々にエッチングされて小さくなり、同時に、未エッチング層12’の溝もさらに深くなっていく(図3(b))。そして、最終的には各粒子Pはエッチングにより消失し、それとともに未エッチング層12’の表面に多数の円錐状の凸部13が形成され、平坦な未エッチング層12’から、微細凹凸の形成された均質層12に変換される(図3(c))。
ここで形成される凸部13の最頻ピッチPは、単粒子膜マスクFを構成する粒子の平均粒径により主に制御される。また、最頻高さHは、エッチングの各条件(単粒子膜マスクFを構成する粒子の材質、エッチングガスの種類、バイアスパワー、アンテナパワー、ガスの流量、エッチング時の圧力、エッチング時間など)により制御される。
気相エッチングに使用するエッチングガスとしては、例えば、Ar、SF、F、CF、C、C、C、C、C、CHF、CH、CHF、C、Cl、CCl、SiCl、BCl、BCl、BC、Br、Br、HBr、CBrF、HCl、CH、NH、O、H、N、CO、COなどが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。
気相エッチングは、未エッチング層12’の水平方向よりも垂直方向のエッチング速度が大きくなる異方性エッチングで行う。使用可能なエッチング装置としては、反応性イオンエッチング装置、イオンビームエッチング装置などの異方性エッチングが可能なものであって、最小で20W程度のバイアス電場を発生できるものであれば、プラズマ発生の方式、電極の構造、チャンバーの構造、高周波電源の周波数等の仕様には特に制限ない。
異方性エッチングをするためには、単粒子膜マスクFと未エッチング層12’のエッチング速度が異なる必要があり、エッチング選択比(未エッチング層のエッチング速度/単粒子膜のエッチング速度)が好ましくは3以上、より好ましくは4以上となるようにエッチングの各条件(単粒子膜マスクFを構成する粒子の材質、エッチングガスの種類、バイアスパワー、アンテナパワー、ガスの流量と圧力、エッチング時間など)を設定することが好適である。
エッチングの際には、凸部13の側壁を保護する側壁保護ガス(デポガス)を導入しながら、エッチングを行ってもよい。
側壁保護ガスとしては、C、C、C、C、C、CHF、CH、CHF、Cをはじめとするフロン系のガスが挙げられ、これらのうちの1種以上を使用できる。これらのガスは、プラズマ状態で分解された後、分解物同士が結合することで高分子化し、保護膜として作用する堆積膜をエッチング対象物の表面に形成する。
このような製造方法では、基材10をエッチングするのではなく、基材10上に中間層11を介して設けた未エッチング層12’をエッチングする。そのため、YAGやガラスのように、エッチング困難な材料を基材に用いても、微細凹凸をエッチングにより形成できる。なお、ガラスは、エッチングは可能であるものの、エッチングが進行するのに伴って残渣が発生し、発生した残渣によりエッチングの進行が妨げられ、実質的にはエッチングは困難な材料である。また、YAGは、エッチング自体がされにくい材料である。
また、エッチングで凸部13を形成する方法は、未エッチング層12’を直接加工する方法であり、例えばナノインプリント法等で微細凹凸フィルムを別途製造し、これを基材や中間層に積層させる方法に比べて、生産性に優れる。また、エッチングは、微細凹凸を所望の形状に厳密に制御しやすい。
以上の製造方法の説明では、中間層11として、基材10側の面11bがSi−O−Nから形成され、均質層12側の面11aがSi−Nから形成されたもの(表1におけるパターン1に相当)を例示した。そして、このような中間層11を形成するスパッタリング方法として、ターゲットにはケイ素を用い、スパッタリングガスにはアルゴン(希ガス)と窒素(反応性ガス)と酸素(反応性ガス)の混合ガスを用い、最終的に、混合ガスにおける酸素の比率をゼロに減らしていく方法を例示した。しかしながら、ターゲットやスパッタリングガスの種類・組成、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させる具体的な方法等は、目的の中間層を形成できる限り制限されない。
例えば、表1に記載の組合せのパターン2の中間層を形成する場合には、ターゲットとして金属を用い、スパッタリングガスとして希ガスと酸素と窒素の混合ガスを用い、金属に対する酸素の比率をゼロまで減らしていくとともに、金属に対する窒素の比率をゼロから増やしていく方法が挙げられる。
表1に記載の組合せのパターン3の中間層を形成する場合には、ターゲットとして金属を用い、スパッタリングガスとして希ガスと窒素と酸素との混合ガスを用い、金属に対する酸素の比率および金属に対する窒素の比率を徐々にゼロまで減らしていく方法が挙げられる。
表1に記載の組合せのパターン4の中間層を形成する場合には、ターゲットとして金属を用い、スパッタリングガスとして希ガスと窒素との混合ガスを用い、金属に対する窒素の比率を徐々にゼロまで減らしていく方法が挙げられる。
表1に記載の組合せのパターン5の中間層を形成する場合には、ターゲットとして金属を用い、スパッタリングガスとして希ガスと酸素との混合ガスを用い、金属に対する酸素の比率をゼロまで減らしていく方法が挙げられる。
表1に記載の組合せのパターン6の中間層を形成する場合には、ターゲットとして金属を用い、スパッタリングガスとして希ガスと窒素と酸素との混合ガスを用い、金属に対する窒素の比率をゼロから増やしていく方法が挙げられる。
また、その他、ターゲットとして金属の酸化物等を用いてもよく、公知の方法を適用できる。
また、以上の例では、均質層12および中間層11を基材10の片面全面に設けた形態を示したが、均質層および中間層は、基材の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。例えば、基材の片面全面の他、基材の片面の一部、基材の両面、基材の端面などに形成されていてもよい。また、基材の形状は板状に限定されず、立体形状でもよいし、均質層が形成される基材の表面が、レンズのような曲面表面を有する基材でもよい。
さらに、上述の説明では、中間層の形成と未エッチング層の形成について、製膜速度、大面積化、設備コストなどの点で好適なスパッタリングを例示した説明したが、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、熱蒸着法など従来公知の方法を用いて、導入する酸素量と窒素量を上述の方法で変化させることで、中間層、未エッチング層を形成してもよい。
1 反射防止構造体
10 基材
11 中間層
11a 中間層の均質層側の面
11b 中間層の基材側の面
12 均質層
12a 均質層の中間層側の面
12b 反射防止構造体の均質層側の面
12c (円錐状の)凸部間の谷部(溝)
12’ 未エッチング層
13 (円錐状の)凸部
13’ 円柱
F 単粒子マスク
P 単粒子

Claims (8)

  1. 基材と、該基材上の少なくとも一部に形成され、層の厚み方向に組成が連続的に変化する中間層と、該中間層上に形成された組成一定の均質層とを有し、前記均質層側の面に、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸が形成された微細構造体であって、
    前記中間層の前記均質層側の面と、前記均質層とが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の窒化物から形成され、前記中間層の前記基材側の面が、前記金属の酸窒化物または酸化物から形成され、
    前記中間層は、前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化することにより、組成が連続的に変化している、微細構造体。
  2. 基材と、該基材上の少なくとも一部に形成され、層の厚み方向に組成が連続的に変化する中間層と、該中間層上に形成された組成一定の均質層とを有し、前記均質層側の面に、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸が形成された微細構造体であって、
    前記中間層の前記均質層側の面と、前記均質層とが、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸窒化物から形成され、前記中間層の前記基材側の面が、前記金属の酸化物から形成され、
    前記中間層は、前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化することにより、組成が連続的に変化している、微細構造体。
  3. 前記微細凹凸の凸部のアスペクト比が3以上である、請求項1または2に記載の微細構造体。
  4. 前記微細凹凸は、スパッタリングにより形成された層をエッチングすることにより形成された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細構造体。
  5. 前記基材は、YAGからなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細構造体。
  6. 基材上に、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させながらスパッタリングを行い、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸窒化物または酸化物から前記金属の窒化物へと前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化する中間層を形成する工程(1)と、
    前記工程(1)における最終的なスパッタリングガスの組成をそのまま維持してスパッタリングを行い、前記中間層上に前記金属の窒化物からなる組成一定の未エッチング層を形成する工程(2)と、
    マスクパターンを介して前記未エッチング層側の面をエッチングして、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸を形成する工程(3)とを有する、微細構造体の製造方法。
  7. 基材上に、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させながらスパッタリングを行い、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物から前記金属の酸窒化物へと前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化する中間層を形成する工程(1)と、
    前記工程(1)における最終的なスパッタリングガスの組成をそのまま維持してスパッタリングを行い、前記中間層上に前記金属の酸窒化物からなる組成一定の未エッチング層を形成する工程(2)と、
    マスクパターンを介して前記未エッチング層側の面をエッチングして、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸を形成する工程(3)とを有する、微細構造体の製造方法。
  8. 基材上に、スパッタリングガスの組成を連続的に変化させながらスパッタリングを行い、ケイ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、ジルコニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の窒化物、酸窒化物または酸化物から前記金属へと前記金属に対する窒素比および酸素比の少なくとも一方が層の厚み方向に連続的に変化する中間層を形成する工程(1)と、
    前記工程(1)における最終的なスパッタリングガスの組成をそのまま維持してスパッタリングを行い、前記中間層上に前記金属からなる組成一定の未エッチング層を形成する工程(2)と、
    マスクパターンを介して前記未エッチング層側の面をエッチングして、可視光の波長以下のピッチの微細凹凸を形成する工程(3)とを有する、微細構造体の製造方法。
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