JP6428639B2 - 非線形歪補償器、それを用いた光受信器、および非線形歪補償方法 - Google Patents

非線形歪補償器、それを用いた光受信器、および非線形歪補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、非線形歪補償器、それを用いた光受信器、および非線形歪補償方法に関し、特に、光通信システムに用いられる非線形歪補償器、それを用いた光受信器、および非線形歪補償方法に関する。
インターネットの幅広い普及に伴い、通信されるデータ量は増大している。これに対応するためには、光通信システムを構成する光伝送路の容量を増大させる必要がある。大容量化を実現するための技術の一つとして、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)方式などの多値変調方式がある。光送信器によってQAM方式の変調を施された光信号は、デジタルコヒーレント方式を用いた光受信器によって復調される。
QAM方式を用いた光通信システムにおいては、光信号が光伝送路を伝播する際に受ける非線形効果による影響が大きな問題となる。これは、光信号が光伝送路中で非線形効果を受けると、光信号の位相が回転することによる。すなわち、QAM方式においては複雑な位相情報を取り扱うため、非線形効果による位相回転を受けると受信時に正しい位相情報を復調することができなくなるからである。
このような問題点を解決する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の関連する歪補償器は、光伝送路から受信された光信号を光電変換して得られた電気信号を入力する。そして、光信号の線形波形歪を補償する線形歪補償部と、光信号の非線形波形歪を補償する非線形歪補償部とを備えた歪補償部を、複数個縦続接続した構成としている。
関連する歪補償器が備える非線形歪補償部は、自己位相変調による非線形歪を補償する機能を有する。ここで自己位相変調とは、光ファイバ内の光信号パワーが大きくなると位相が変調する非線形歪である。関連する非線形歪補償部は、強度モニタ、位相変調部、乗算器、および非線形係数を有する。強度モニタは光信号に対応する電気信号の強度をモニタする。乗算器は強度モニタの出力と非線形係数を乗算して位相変調部に出力する。そして、位相変調部がそれに応じて位相変調を行う構成としている。
このような構成とした関連する歪補償器によれば、線形歪補償と非線形補償を交互に行うことにより高精度な歪補償が可能となる、としている。
特許文献2には、光通信における信号生成回路であって、特定周波数帯域信号発生回路と、少なくとも1つの信号合成回路とを備える信号生成回路が開示されている。特定周波数帯域信号発生回路は、送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を生成する。信号合成回路は、特定周波数帯域信号発生回路によって生成された特定周波数帯域信号の入力を受け、送信すべき信号系列に特定周波数帯域信号を挿入して送信信号系列を生成する。
特開2010−050578号公報(段落[0005]〜[0034]) 国際公開第2010/134321号
上述した特許文献1に記載されたような非線形補償方式は、バックプロパゲーション(Back Propagation)方式と呼ばれる。これは、分散補償を小刻みに行うとともに各分散補償の直後で非線形補償を行うことにより、受信側から送信側へ伝播波形を遡りながら波形歪を補償する方式である。
しかし、バックプロパゲーション方式によって補償効果を大きくするためには、分散補償機能と非線形補償機能を組み合わせて一段の歪補償部としたとき、歪補償部の段数を多くする必要がある。ここで、分散補償機能は線形歪補償器によって実現され、非線形補償機能は非線形歪補償器によって実現される。
線形歪補償器は、周波数領域で分散補償を行う場合、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)回路と逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)回路を含む構成である。FFT回路およびIFFT回路は回路規模が大きいため、大規模集積回路(Large Scale Integration:LSI)の実装面積や消費電力に及ぼす影響が大きい。そのため、一個の信号処理装置に実装できるFFT回路およびIFFT回路の個数には制約がある。
一方、非線形歪補償器は指数関数(exp)演算を含むため、回路規模が大きくなる。これは、指数関数演算(y=exp(jx))は回路技術によって直接計算することができないため、入出力変換テーブルを用意する必要があるからである。ここで、指数関数はサイン(sin)関数とコサイン(cos)関数を用いて展開することができる(exp(jx)=cos(x)+jsin(x))。しかし、サイン関数(y=sin(x))およびコサイン関数(y=cos(x))も回路技術によって直接計算することができない。そのため、独立変数xと従属変数yについて入出力変換テーブルを用意する必要があるが、サイン(sin)関数およびコサイン(cos)関数に対する入出力変換テーブルは多くのメモリを必要とする。その結果、指数関数(exp)演算回路は回路規模が増大することになる。
このように、非線形歪補償器は指数関数演算を含むため、回路規模が大きくなる、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、非線形歪補償器は指数関数演算を含むため、回路規模が大きくなる、という課題を解決する非線形歪補償器、それを用いた光受信器、および非線形歪補償方法を提供することにある。
本発明の非線形歪補償器は、光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する位相算出手段と、位相雑音から所定のオフセット量を減算したオフセット補償位相を出力するオフセット補償手段と、オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を入力信号に施す位相補償手段、とを有する。
本発明の非線形歪補償器を用いた光受信器は、局所光源と、光90度ハイブリッド回路と、光電変換器と、アナログ−デジタル変換器と、信号処理部を有し、光90度ハイブリッド回路は、光伝送路を伝搬した信号光を局所光源からの局所光と干渉させて複数の信号成分に分離した複数の光信号を出力し、光電変換器は、光信号を検波して検波電気信号を出力し、アナログ−デジタル変換器は、検波電気信号を量子化して量子化信号を出力し、信号処理部は、線形歪補償器と非線形歪補償器を含む歪補償部を備え、非線形歪補償器は、量子化信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する位相算出手段と、位相雑音から所定のオフセット量を減算したオフセット補償位相を出力するオフセット補償手段と、オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を量子化信号に施す位相補償手段、とを備える。
本発明の非線形歪補償方法は、光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、信号光の自己位相変調による位相雑音を算出し、位相雑音の平均値であるオフセット量を位相雑音から減算したオフセット補償位相を算出し、オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を入力信号に施す。
本発明の非線形歪補償器および非線形歪補償方法によれば、非線形歪補償器の回路規模を縮小することができる。
本発明の第1の実施形態に係る非線形歪補償器の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る非線形歪補償器が備えるオフセット補償手段の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る非線形歪補償器が備えるオフセット補償手段の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置を備えた光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置が備える歪補償部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置が備える非線形補償部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置が備えるフィルタ部の出力を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光受信装置が備える非線形補償部の別の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非線形歪補償器10の構成を示すブロック図である。非線形歪補償器10は、位相算出手段11、オフセット補償手段12、および位相補償手段13を有する。
位相算出手段11は、光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する。ここで自己位相変調とは、信号光が光ファイバなどの光伝送路を伝搬するとき、自分自身の強度に起因する屈折率変化により位相がシフトしてしまう現象である。位相雑音は、自己位相変調による位相変調量を受信端で推定したものである。また、非線形補償係数とは、光伝送路の非線形歪を補償する効果が最大になるように、最適化した係数である。
オフセット補償手段12は、算出された位相雑音から所定のオフセット量を減算したオフセット補償位相を出力する。ここでオフセット量として例えば、位相雑音の平均値を用いることができる。すなわち、オフセット補償手段12は図2Aに示すように、入力された位相雑音信号Sの平均値を算出し、位相雑音信号Sから平均値を減算する構成とすることができる。これに限らず図2Bに示すように、オフセット補償手段12は、入力された位相雑音信号Sから、あらかじめ算出したプリセット値を減算する構成としてもよい。
位相補償手段13は、オフセット補償手段12が出力するオフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を入力信号に施す。
上述したように本実施形態による非線形歪補償器10において、オフセット補償手段12が出力するオフセット補償位相は、位相雑音から所定のオフセット量を減算した雑音成分である。そのため、位相補償手段13が入力信号に対して施す処理、すなわちオフセット補償位相に基づいて位相回転量を補償する処理における演算範囲を減縮することができる。これにより、位相補償手段13の回路規模を縮小することが可能となり、その結果、非線形歪補償器10の回路規模を縮小することができる。
次に、本実施形態による非線形歪補償方法について説明する。本実施形態の非線形歪補償方法では、まず、光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する。続いて、この位相雑音から所定のオフセット量、例えば位相雑音の平均値を減算したオフセット補償位相を算出する。そして、オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を入力信号に施す。
このとき、信号強度と非線形補償係数との積に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を位相雑音とすることができる。また、位相回転量として、オフセット補償位相に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を用いることとしてもよい。
本実施形態による非線形歪補償方法によれば、オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理における演算範囲を減縮することができる。その結果、本実施形態の非線形歪補償方法を実施する非線形歪補償器の回路規模を縮小することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、光通信システムに用いられる非線形歪補償器を用いた光受信器について説明する。ここで、光通信システムは図3に示すように、光送信装置1000と光受信装置2000を備える。光受信装置2000として本実施形態の非線形歪補償器を用いた光受信器を用いることができる。光送信装置1000と光受信装置2000は光伝送路3000を介して互いに接続される。光伝送路3000は光ファイバなどを用いて構成される。本実施形態における光通信システムは、例えば直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)方式などの多値変調方式で通信を行うシステムであり、以下では偏波多重方式を採用した場合について説明する。
光送信装置1000は、送信すべき複数の信号を用いて光搬送波を変調することにより、偏波多重された光信号を生成する。生成された光信号は、伝送経路3000を介して光受信装置2000に送信される。光受信装置2000は受信した光信号を復調する。光信号は伝送経路3000を伝播する際、線形効果(分散効果)と非線形効果を受ける。光受信装置2000は復調処理を行うとともに、これらの効果を補償するための処理も行う。
図4に、光受信装置2000の構成を示す。光受信装置2000は、局所光源(LO)210、光90度ハイブリッド回路220、光電変換器(O/E)230、アナログ−デジタル変換器(ADC)240、および信号処理部100を有する。
光90度ハイブリッド回路220は、光伝送路3000を伝搬した信号光を局所光源(LO)210からの局所光と干渉させて複数の信号成分に分離した複数の光信号を出力する。すなわち光90度ハイブリッド回路220は、第1の偏波(X)の信号光と局所光とを位相差がゼロの状態で干渉させて第1の光信号(I)を生成し、第1の偏波(X)の信号光と局所光とを位相差がπ/2の状態で干渉させて第2の光信号(Q)を生成する。また光90度ハイブリッド回路220は、第2の偏波(Y)の信号光と局所光とを位相差がゼロの状態で干渉させて第3の光信号(I)を生成し、第2の偏波(Y)の信号光と局所光とを位相差がπ/2の状態で干渉させて第4の光信号(Q)を生成する。第1の光信号と第2の光信号が一組の信号を形成し、また、第3の光信号と第4の光信号も一組の信号を形成する。
光電変換器(O/E)230は、光90度ハイブリッド回路220が生成した4種の光信号(出力光)を光電変換して検波し、4種のアナログ信号である検波電気信号を出力する。アナログ−デジタル変換器(ADC)240は、検波電気信号を量子化して量子化信号(デジタル信号)を出力する。
信号処理部100は、偏波信号生成部110、歪補償部102、偏波分離部104、および復調部106を備える。信号処理部100は、アナログ−デジタル変換器(ADC)240が生成した4種のデジタル信号を処理することにより、光信号を復調した復調信号を生成する。
偏波信号生成部110は、加算部112、114を備える。加算部112は、第1の光信号(I)から生成されたデジタル信号と第2の光信号(Q)から生成されたデジタル信号とを加算処理することにより、第1の偏波信号(E)を生成する。加算部114は、第3の光信号(I)から生成されたデジタル信号と第4の光信号(Q)から生成されたデジタル信号とを加算処理することにより、第2の偏波信号(E)を生成する。第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)は、具体的には以下の式(1)、(2)によって表わされる。
=I+jQ (1)
=I+jQ (2)
歪補償部102は線形歪補償器と非線形歪補償器を含み、光信号が光伝送路3000を伝播する際に受けた線形効果及び非線形効果を補償するための処理を行う。歪補償部102の構成の詳細は後述する。
偏波分離部104は、偏波ごとにフィルタ演算を行う。復調部106は、信号光と局所光の間の周波数差および位相差を補償することにより、送信されてきた信号を復調する。
図5に、歪補償部102の構成を示す。歪補償部102は、線形補償部301および非線形補償部300からなる処理ステージを複数段有している。なお、処理ステージの数が少ない場合(例えば5ステージ以下)、歪補償部102の最終段は線形補償部301であることが好ましい。ただし、処理ステージの数が例えば10段以上の場合は、歪補償部102の最終段は非線形補償部300であってもよい。
線形補償部301は、信号光が光伝送路3000で受けた線形効果を補償する。線形補償部301は、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)部、フィルタ部、およびIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部を備えた構成とすることができる。FFT部は入力された信号に対して高速フーリエ変換(FFT)演算を行う。フィルタ部は、信号光が光伝送路中で受けた分散効果を補償するためのフィルタ係数を用いて、入力された信号にフィルタ演算処理を施す。IFFT部はフィルタ処理された信号に対して逆高速フーリエ変換(IFFT)演算を行う。
図6に、非線形補償部300の構成を示す。非線形補償部300は信号光が光伝送路3000で受けた非線形効果による波形歪を補償する。非線形補償部300として、第1の実施形態で説明した非線形歪補償器10を用いることができる。
非線形補償部300は、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)の信号強度に基づいて算出される位相回転量をキャンセルするように、2つの偏波信号E、Eのそれぞれを補償する。
非線形補償部300は、強度算出部302、フィルタ部304、オフセット補償部305、位相変調部306、および乗算器310、314を備える。ここで、強度算出部302とフィルタ部304が位相算出手段を構成する。つまり、位相算出手段はフィルタ手段を備えた構成とした。
強度算出部302は、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)の信号強度と非線形補償係数γとの積を算出する。ここで、非線形補償係数γとは、光伝送路3000の非線形歪を補償する効果が最大になるように、最適化した係数である。
フィルタ部304は強度算出部302が出力する信号に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を算出し、このフィルタ処理値を位相雑音として出力する。フィルタ部304には、係数計算部と係数乗算部を備えた例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタやIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、または別の実現手段によるフィルタを用いることができる。具体的には、フィルタ部304は入力された信号に、係数計算部によって計算された平滑化のためのフィルタ係数h(n)を乗算する。
オフセット補償部305は、フィルタ部304によって処理された後の位相雑音から、位相雑音の平均値を減算してオフセット補償位相を算出し、位相回転量φとして出力する。
位相変調部306は、オフセット補償部305が出力する位相回転量φに指数関数(exp)演算を施して位相変調係数を算出する。位相変調係数は、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)における位相回転量φをキャンセルするための係数である。乗算器310は、遅延部308によって遅延された後の第1の偏波信号(E)に位相変調係数を乗算する。同様に、乗算器314は、遅延部312によって遅延された後の第2の偏波信号(E)に位相変調係数を乗算する。なお、遅延部308、312は、位相変調係数の算出タイミングと同期するように、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)をそれぞれ遅延させる。ここで、位相変調部306と乗算器310、314が位相補償手段を構成する。
次に、オフセット補償部305の動作について説明する。
強度算出部302は、非線形補償係数γの値が正の数であれば必ず正の値を出力する。フィルタ部304は、フィルタ係数h(n)がすべて正の数であれば、強度算出部302の出力を積算して出力する。そのため、この場合には、フィルタ部304の出力は強度算出部302の出力よりも大きな正の値となる。また、非線形補償係数γおよび第1の偏波信号(E)と第2の偏波信号(E)の信号振幅が大きいほど、フィルタ部304の出力値は大きくなる。さらに、フィルタ係数h(n)のタップ長が長く、タップ重みが大きいほど、フィルタ部304の出力は大きくなる。したがって、フィルタ部304から出力される位相雑音には、大きなオフセットが含まれることになる。
図7に、フィルタ部304の出力の一例を示す。縦軸はフィルタ部304の出力、つまりフィルタ処理された位相雑音であり、横軸は時間である。フィルタ部304からは、あるオフセット値を中心とした雑音成分が出力される。ここで、オフセット値は非線形補償係数γ、信号振幅、およびフィルタ係数h(n)の値によって定まる。
フィルタ部304が出力する位相雑音を、オフセット補償を行わずにそのまま位相変調部306に入力させる場合を考える。これは背景技術で説明した関連する歪補償器の構成に相当する。この場合、位相変調部306には、指数関数(exp)演算のために、オフセットの最大値を考慮したサイン(sin)テーブルとコサイン(cos)テーブルを準備する必要がある。このため、オフセットの最大値が大きくなればなるほど、サイン(sin)テーブルとコサイン(cos)テーブルのための回路規模が増大することになる。
しかし、フィルタ部304が出力する位相雑音に含まれるオフセットは、非線形補償には寄与しない。ここで、フィルタ部304が出力する位相雑音に含まれるオフセットは、乗算器314において第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)にそれぞれ乗算されると、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)の位相をある角度で定常的に回転させる。しかしながら、このときの位相の回転は復調部106でキャンセルされる。したがって、フィルタ部304が出力する位相雑音のうち、非線形補償機能に必要なのは雑音成分の方である。
本実施形態による非線形補償部300では、オフセット補償部305がフィルタ部304から出力される位相雑音の平均値を算出する。そして、位相雑音からこの平均値を減算することによってオフセットをキャンセルし、雑音成分のみを取り出す構成としている。したがって本実施形態の非線形補償部300によれば、位相変調部306が行う指数関数(exp)演算において、オフセットの最大値を考慮する必要がない。そのため、ゼロ値近傍の値に対するサイン(sin)テーブルとコサイン(cos)テーブルを備えればよいので、位相変調部306の回路規模を縮小することが可能となる。その結果、非線形補償部300の回路規模を縮小することができる。
オフセット補償部305は、図2Aに示した構成と同様に、入力された位相雑音信号Sの平均値を算出し、位相雑音信号Sから平均値を減算する構成とすることができる。これに限らず図2Bに示した構成と同様に、オフセット補償部305は、入力された位相雑音信号Sから、あらかじめ算出したプリセット値を減算する構成としてもよい。ここでプリセット値は、非線形補償係数γ、信号振幅、および平滑化のためのフィルタ係数の値から算出することができる。
上述の本実施形態では、フィルタ部304はオフセット補償部305の前段に配置している場合について説明した。しかし、これに限らず、フィルタ部304がオフセット補償部305とその後段の位相変調部306との間に配置した構成としてもよい。この場合の非線形補償部300の構成を図8に示す。
この場合、強度算出部302は、第1の偏波信号(E)および第2の偏波信号(E)の信号強度と非線形補償係数γとの積を算出し、位相雑音として出力する。オフセット補償部305は、このときの位相雑音から所定のオフセット量を減算することにより、オフセットをあらかじめ補償する。これにより、位相雑音の平均値はゼロとなるので、オフセット補償部305からは雑音成分のみからなるオフセット補償位相が出力される。この場合、フィルタ部304の出力における積算成分もゼロとなるので、フィルタ部304は雑音成分であるオフセット補償位相に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を出力する。位相変調部306は、このときのフィルタ処理値を位相回転量φとして、位相回転量φに対して指数関数(exp)演算を施す。
この場合にもオフセット補償部305は、図2Aに示した構成と同様に、入力された位相雑音信号Sの平均値を算出し、位相雑音信号Sから平均値を減算する構成とすることができる。これに限らず図2Bに示した構成と同様に、オフセット補償部305は、入力された位相雑音信号Sから、あらかじめ算出したプリセット値を減算する構成としてもよい。ここでプリセット値は、非線形補償係数γ、信号振幅、および平滑化のためのフィルタ係数の値から算出することができる。
上述したように、本実施形態による光受信装置2000が備える非線形補償部300においては、オフセット補償部305が出力するオフセット補償位相は、位相雑音から所定のオフセット量を減算した雑音成分である。そのため、位相変調部306が入力信号に対して施す処理、すなわちオフセット補償位相に基づいて位相回転量を補償する処理における演算範囲を減縮することができる。これにより、位相変調部306の回路規模を縮小することが可能となり、その結果、非線形補償部300の回路規模を縮小することができる。
上述の説明では、位相変調部306は図6に示すように、オフセット補償部305が出力する位相回転量φに指数関数(exp)演算を施して位相変調係数を算出することとした。しかしこれに限らず、位相変調部306を以下に示す構成とすることもできる。
オフセット補償部305は、フィルタ部304によって処理された後の位相雑音から、位相雑音の平均値を減算した位相回転量φを出力するので、この位相回転量φは雑音成分のみからなる。したがって、位相変調部306に入力される位相回転量φは十分小さい値になる。すなわち、φ<<1が成り立つ。このとき、位相変調部306における指数関数(exp)演算は、次式に示すように線形関数演算に近似することができる。
−jφ=1−jφ
したがって、位相変調部306において、位相回転量φに「1−jφ」からなる線形関数演算を施して位相変調係数を算出する構成とすることができる。この場合、サイン(sin)テーブルとコサイン(cos)テーブルは不要となるので、位相変調部306の回路規模を大幅に削減することができる。その結果、非線形補償部300の回路規模をさらに縮小することができる。
本実施形態では、非線形補償方式として、フィルタ部304を用いたバックプロパゲーション(Filtered Back Propagation)方式を用いる場合について説明した。しかし、これに限らず、フィルタを使用しないバックプロパゲーション(Back Propagation)方式や摂動バックプロパゲーション(Perturbation Back Propagation)方式にも適用可能である。また、本実施形態では偏波多重方式を採用した場合について説明したが、これに限らず、単一偏波信号に対しても本実施形態による非線形歪補償器を用いることができる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2013年11月19日に出願された日本出願特願2013−238495を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 非線形歪補償器
11 位相算出手段
12 オフセット補償手段
13 位相補償手段
100 信号処理部
102 歪補償部
104 偏波分離部
106 復調部
110 偏波信号生成部
112、114 加算部
210 局所光源(LO)
220 光90度ハイブリッド回路
230 光電変換器(O/E)
240 アナログ−デジタル変換器(ADC)
300 非線形補償部
301 線形補償部
302 強度算出部
304 フィルタ部
305 オフセット補償部
306 位相変調部
308、312 遅延部
310、314 乗算器
1000 光送信装置
2000 光受信装置

Claims (10)

  1. 光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、前記信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する位相算出手段と、
    前記位相雑音から所定のオフセット量を減算したオフセット補償位相を出力するオフセット補償手段と、
    前記オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を前記入力信号に施す位相補償手段、とを有する
    非線形歪補償器。
  2. 請求項1に記載した非線形歪補償器において、
    前記オフセット量は、前記位相雑音の平均値である
    非線形歪補償器。
  3. 請求項1または2に記載した非線形歪補償器において、
    前記位相算出手段は、フィルタ手段を備え、
    前記フィルタ手段は、前記信号強度と前記非線形補償係数との積に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を算出し、前記フィルタ処理値を前記位相雑音として出力する
    非線形歪補償器。
  4. 請求項1または2に記載した非線形歪補償器において、
    前記オフセット補償手段と前記位相補償手段との間に配置したフィルタ手段をさらに有し、
    前記フィルタ手段は、前記オフセット補償位相に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を算出し、
    前記位相補償手段は、前記フィルタ処理値を前記位相回転量とする
    非線形歪補償器。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載した非線形歪補償器において、
    前記位相補償手段は、位相変調手段と乗算器とを備え、
    前記位相変調手段は、前記位相回転量に指数関数演算を施して位相変調係数を算出し、
    前記乗算器は、前記位相変調係数を前記入力信号に乗算する
    非線形歪補償器。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載した非線形歪補償器において、
    前記位相補償手段は、位相変調手段と乗算器とを備え、
    前記位相変調手段は、前記位相回転量に線形関数演算を施して位相変調係数を算出し、
    前記乗算器は、前記位相変調係数を前記入力信号に乗算する
    非線形歪補償器。
  7. 局所光源と、光90度ハイブリッド回路と、光電変換器と、アナログ−デジタル変換器と、信号処理部とを有し、
    前記光90度ハイブリッド回路は、光伝送路を伝搬した信号光を前記局所光源からの局所光と干渉させて複数の信号成分に分離した複数の光信号を出力し、
    前記光電変換器は、前記光信号を検波して検波電気信号を出力し、
    前記アナログ−デジタル変換器は、前記検波電気信号を量子化して量子化信号を出力し、
    前記信号処理部は、線形歪補償器と非線形歪補償器を含む歪補償部を備え、
    前記非線形歪補償器は、
    前記量子化信号の信号強度と非線形補償係数に基づいて、前記信号光の自己位相変調による位相雑音を算出する位相算出手段と、
    前記位相雑音から所定のオフセット量を減算したオフセット補償位相を出力するオフセット補償手段と、
    前記オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を前記量子化信号に施す位相補償手段、とを備える
    非線形歪補償器を用いた光受信器。
  8. 光伝送路を伝搬した信号光を光電変換した入力信号の信号強度と前記非線形補償係数に基づいて、前記信号光の自己位相変調による位相雑音を算出し、
    前記位相雑音の平均値であるオフセット量を前記位相雑音から減算したオフセット補償位相を算出し、
    前記オフセット補償位相に基づく位相回転量を補償する処理を前記入力信号に施す
    非線形歪補償方法。
  9. 請求項8に記載した非線形歪補償方法において、
    前記位相雑音の算出において、前記信号強度と前記非線形補償係数との積に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値を算出し、前記フィルタ処理値を前記位相雑音とする
    非線形歪補償方法。
  10. 請求項8に記載した非線形歪補償方法において、
    前記位相回転量は、前記オフセット補償位相に平滑化のためのフィルタ係数を乗算したフィルタ処理値である
    非線形歪補償方法。
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