JP6428544B2 - 疲労試験装置 - Google Patents
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Description
内圧を実使用時の圧力より高い圧力とする場合、加圧室の流体が外部に漏れ出さないようプランジャとプランジャ収容部材の内壁との間には耐圧性が高いシール部材が設けられることがある。しかしながら、特許文献1に記載の疲労試験装置は、プランジャとプランジャ収容部材の内壁との間に加圧室からの流体の流出を防止するシール部材を備えていないため、プランジャが往復移動するたびにプランジャとプランジャ収容部材の内壁との間から流体が漏れるおそれがある。このため、加圧室の流体を実使用時の圧力より高い圧力とすることができないおそれがある。
加圧部は、内部空間に連通する加圧室(100)を有する。
加圧用プランジャは、加圧室を形成する加圧部の内壁(12)に摺動可能に設けられ、内部空間の流体を加圧または減圧するよう加圧室を往復移動する。
加圧用駆動部は、加圧用プランジャを駆動する。
調整用プランジャは、加圧部内に往復移動可能に設けられ、一端(351)が加圧室に突出可能である。
調整用駆動部は、調整用プランジャを駆動する。
圧力検出部は、加圧室の流体の圧力を検出し、検出した圧力に応じた信号を出力する。
制御部は、加圧用駆動部、調整用駆動部、及び、圧力検出部と電気的に接続し、圧力検出部が出力する信号に基づいて加圧用駆動部及び調整用駆動部の作動を制御する。
本発明の疲労試験装置では、隙間からの漏れによって加圧室で加圧可能な圧力が低下すると、制御部は調整用駆動部を介して加圧室に調整用プランジャを突出させる。これにより、加圧室の容積が突出前に比べて小さくなるため、加圧用プランジャによる加圧室での流体の圧縮率を上げることができる。したがって、内部空間の流体を所定の圧力まで加圧することができる。
本発明の一実施形態による疲労試験装置を図1〜5を参照して説明する。
一実施形態による疲労試験装置1の模式図を図1に示す。疲労試験装置1は、「被検査体」としてのワーク5の内圧に対する疲労耐久性を評価する内圧疲労試験に用いられる。
ワーク5は、実使用時に内部空間6に高圧の流体が導入される部材であって、一実施形態では、例えば、圧力が300MPa程度の燃料が供給されるコモンレール、当該コモンレールに設けられる複数のインジェクタボディ、及び、コモンレールに高圧の燃料を供給するポンプから構成されている。
駆動側プーリ221は、モータ21に連結している。駆動側プーリ221には、モータ21が発生する回転トルクが伝達される。
被駆動側プーリ222は、タイミングベルト223によって駆動側プーリ221と連結されている。モータ21が発生する回転トルクは、駆動側プーリ221及びタイミングベルト223を介して被駆動側プーリ222に伝達される。
クランクシャフト224は、被駆動側プーリ222と一体に設けられている。クランクシャフト224は、フレーム11が有する軸受13によって回転可能に支持されている。
駆動用カム231は、クランクシャフト224の中心軸CA224に対して地側に中心軸を有する部材である。駆動用カム231は、クランクシャフト224の径方外側の外壁との間に軸受233を有しクランクシャフト224に対して回転可能に設けられている。一実施形態では、軸受233は、中心軸CA224方向に二つ並ぶよう設けられている。これにより、駆動用カム231に比較的大きな力が作用しても駆動用カム231はクランクシャフト224に対してスムーズに回転することができる。
連結部232は、複数の駆動用カム231の地側と加圧用プランジャ15の端部151とを連結している。これにより、モータ21が発生する回転トルクが加圧用プランジャ15の天地方向の往復運動に変換される。
バランス用カム241は、クランクシャフト224の中心軸CA224に対して天側に中心軸を有する部材である。バランス用カム241は、クランクシャフト224の径方外側にクランクシャフト224に対して回転可能に設けられている。
バランス部242は、複数のバランス用カム241の天側を連結している。これにより、クランクシャフト224が回転するとき、地側に位置する連結部材23によるクランクシャフト224の重量バランスの変化を打ち消すことができる。
例えば、駆動側ピストン30が停止している状態の供給用駆動部31において第二室312に駆動用流体を供給する。これにより、駆動側ピストン30が供給部27側に移動し、供給室271の容積を小さくすることができる。また、駆動側ピストン30が停止している状態の供給用駆動部31において第一室311に駆動用流体を供給する。これにより、駆動側ピストン30が供給部27とは反対側に移動し、供給室271の容積を大きくすることができる。
流体供給部25では、このようにして、供給室271の流体を一定の圧力に加圧しつつ連続的に流体供給路260に供給することが可能である。流体供給路260に供給された流体は、開口104を介して加圧室100に供給される。
モータ41は、制御部50と電気的に接続している。モータ41は、制御部50の指令に基づいて回転トルクを発生する。
シャフト42は、モータ41と連結している。シャフト42は、径方向外側にねじ溝を有している。シャフト42は、フレーム11に対して螺合され、モータ41が発生する回転トルクの回転方向に応じて水平方向に移動可能である。
地側に設けられる位置調整板43は、シャフト42に連結し、水平方向に移動可能に設けられている。位置調整板43は、天側に天地方向に対して傾斜している「第一の傾斜面」としての傾斜面431を有する。
天側の位置調整板44は、調整用プランジャ35と連結し、水平方向に移動可能に設けられている。位置調整板44は、傾斜面431と略平行な「第二の傾斜面」としての傾斜面441を有する。
疲労試験装置1を用いる内圧疲労試験では、内部空間6の流体が高圧になるときと低圧になるときとを繰り返すよう加圧室100の流体に対して加圧と減圧とを繰り返す。このとき、「内部空間6の流体が高圧となるとき」の高圧は、ワーク5の実使用時に内部空間6に導入される流体の圧力より高い圧力、例えば、600MPaとする。一実施形態の内圧疲労試験では、内圧によるワーク5の疲労破壊が発生するまで加圧室100の流体に対して加圧と減圧とを繰り返すか、または、内圧による疲労破壊が発生しない圧力と圧力変化の回数との関係を導出する。これらの試験結果から、ワーク5の疲労耐久性を評価する。
疲労試験装置1では、S102において流体が充填されたとき、加圧用プランジャ15は、図1に示すように、開口104が加圧室100と連通するよう位置している。
加圧用プランジャ15が図1の状態から地方向に移動すると加圧室100の流体は加圧される。加圧室100の流体が加圧されると、加圧室100の流体が流体流通路102を介して内部空間6に押し出されるため、内部空間6も加圧される。このとき、開口104は、加圧用プランジャ15によって閉じられる。
内部空間6の圧力が所定の圧力となった後、加圧用プランジャ15は、天方向に移動する。加圧用プランジャ15が天方向に移動すると、加圧室100は減圧される。これにより、内部空間6の流体が流体流通路102を介して加圧室100に吸引され内部空間6も減圧される。一実施形態の内圧疲労試験では、このような内部空間6に充填されている流体の加圧と減圧とを繰り返す。
次に、S105において、加圧部10からワーク5を取り外す。
このようにして、疲労試験装置1を用いる内圧疲労試験は行われる。
疲労試験装置1では、加圧用プランジャ15は、加圧部10の内壁12と摺動しつつ加圧室100の流体を圧縮または膨張することによって加圧室100に連通している内部空間6の流体を加圧または減圧する。これにより、加圧用プランジャと加圧部の内壁との間にシール部材を設ける場合に比べ、加圧用プランジャ15は比較的高速で往復移動することができる。したがって、疲労試験装置1は、内部空間6の流体における圧力変化の単位時間当たりの回数を多くすることができる。
そこで、疲労試験装置1では、加圧室100の流体の圧力に基づいて調整用プランジャ35を往復移動させ、加圧室100の容積を変更することによって加圧室100における流体の圧縮率を調整する。
上述の実施形態では、疲労試験装置は、加圧用プランジャの往復移動に応じて加圧室に流体を供給可能な流体供給部を備えるとした。しかしながら、流体供給部は備えなくてもよい。また、流体供給部の数はこれに限定されない。上述の実施形態による疲労試験装置が備える流体供給部では、供給室の流体がなくなると供給室への流体の補充に時間がかかる。そこで、流体供給部を二つ備えることによって一つ目の流体供給部が有する供給室の流体がなくなっても二つ目の流体供給部が有する供給室から流体を供給することができる。これにより、内圧疲労試験の時間が長くなっても加圧用プランジャの往復移動に応じて連続的に流体を加圧室に供給することができる。
5 ・・・ワーク
6 ・・・内部空間
100 ・・・加圧室
10 ・・・加圧部
15 ・・・加圧用プランジャ
20 ・・・第一駆動部(加圧用駆動部)
35 ・・・調整用プランジャ
40 ・・・第二駆動部(調整用駆動部)
45 ・・・圧力センサ(圧力検出部)
50 ・・・制御部
Claims (7)
- 被検査体(5)の内部空間(6)に充填されている流体の加圧と減圧とを繰り返し前記被検査体の疲労耐久性を評価する内圧疲労試験に用いられる疲労試験装置(1)であって、
前記内部空間に連通する加圧室(100)を有する加圧部(10)と、
前記加圧室を形成する前記加圧部の内壁(12)に摺動可能に設けられ前記内部空間の流体を加圧または減圧するよう前記加圧室を往復移動する加圧用プランジャ(15)と、
前記加圧用プランジャを駆動する加圧用駆動部(20)と、
前記加圧部内に往復移動可能に設けられ、一端(351)が前記加圧室に突出可能な調整用プランジャ(35)と、
前記調整用プランジャを駆動する調整用駆動部(40)と、
前記加圧室の流体の圧力を検出し、検出した圧力に応じた信号を出力する圧力検出部(45)と、
前記加圧用駆動部、前記調整用駆動部、及び、前記圧力検出部と電気的に接続し、前記圧力検出部が出力する信号に基づいて前記加圧用駆動部及び前記調整用駆動部の作動を制御する制御部(50)と、
を備える疲労試験装置。 - 前記調整用駆動部は、前記内部空間の流体の圧力が所定の範囲内の圧力に加圧されるよう前記調整用プランジャを前記加圧室に突出させる請求項1に記載の疲労試験装置。
- 前記調整用駆動部は、前記調整用プランジャの移動方向に対して傾斜する第一の傾斜面(431)を有し前記調整用プランジャの移動方向に対して非平行な方向に移動可能な第一の位置調整部材(43)、前記第一の傾斜面と当接可能な第二の傾斜面(441)を有し前記調整用プランジャに連結しつつ前記調整用プランジャの移動方向に対して平行な方向に移動可能な第二の位置調整部材(44)、及び、前記第一の位置調整部材を前記第二の位置調整部材に当接させつつ前記第一の位置調整部材を前記調整用プランジャの移動方向に対して非平行な方向に移動可能な調整部材駆動部(41、42)を有する請求項1または2に記載の疲労試験装置。
- 前記加圧用プランジャの移動に応じて前記加圧室に流体を供給可能な流体供給部(25)をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の疲労試験装置。
- 前記流体供給部は、
前記加圧室に連通可能な連通路(260)を有する連通管(26)と、
前記連通管の前記加圧部とは反対側の端部に設けられる供給部(27)と、
前記供給部内に往復移動可能に収容され、前記供給部内を前記連通路に連通する供給室(271)と前記連通路に非連通な空間(272)とに区画する供給側ピストン(28)と、
前記供給側ピストンに連結し、前記供給側ピストンとともに往復移動可能なシャフト(29)と、
前記シャフトの前記供給側ピストンとは反対側の端部に設けられる駆動側ピストン(30)と、
前記駆動側ピストンによって内部を第一室(311)と第二室(322)とに区画される供給用駆動部(31)と、
前記第一室及び前記第二室に供給する駆動用流体の供給量を制御する供給用制御部(32)と、
前記連通管に設けられ前記供給室から前記加圧室への流体の流れを許容し前記加圧室から前記供給室への流体の流れを抑制する逆止弁(33)と、
を有する請求項4に記載の疲労試験装置。 - 前記加圧部は、前記加圧室に連通可能に前記加圧部の内壁に形成され前記流体供給部が供給する流体が流通可能な流通口(104)を有し、
前記流通口は、前記内部空間の流体を加圧するよう移動する前記加圧用プランジャによって閉じられる請求項4または5に記載の疲労試験装置。 - 複数の前記流体供給部を備える請求項4〜6のいずれか一項に記載の疲労試験装置。
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