JP6428316B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
切り欠き部にはその構造上、応力が集中しやすい。特に、搬送ローラー、転写ローラーのようにその外周面で他の物体と接触するローラーの軸受は、バネ等で付勢されることによって支持構造に固定されているので、この付勢に伴う応力が切り欠き部に集中する。この応力集中に耐え得る強度が切り欠き部には必要である。
転写ローラー等、バイアス電圧が印加されるローラーの支持構造ではバネ等の付勢部材がローラーの軸受へバイアス電圧を伝える。このバネは、その軸受を支えるフレームの切り欠き部に近接するので補強部材にも近接する。したがって、この補強部材が金属製であれば、このバネが軸受にバイアス電圧を伝える度にこの補強部材には電荷が蓄積される。バイアス電圧は一般に1kV程度の高い値であるので、仮に補強部材への電荷の蓄積が長期間持続すれば、転写ローラーの交換時等にユーザーまたはメンテナンス要員が誤ってこの補強部材に接触して感電する危険性すら生じかねない。それ故、この感電を防止する工夫が金属製の補強部材には必要である。
[画像形成装置の構造]
図1は、本発明の実施形態による画像形成装置の構造を示す模式的な正面図である。図1にはこの画像形成装置100の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。
−給送部−
給送部10は、給紙カセット11から作像部20までのシートの搬送路に沿って設置された搬送ローラー群12、13、14を回転させることにより、給紙カセット11からシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。「シート」とは、紙またはフィルム樹脂等の薄い膜状または板状の材料または物品をいう。給紙カセット11に収容可能なシートSHTの紙種は、普通紙、上質紙、カラー用紙、または塗工紙であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4である。搬送ローラー群の中で最も作像部20に近いタイミングローラー14は印刷ジョブの実行中でも一般には停止しており、主制御部からの駆動信号に応じて回転し、その駆動信号が示すタイミングでシートSH2を作像部20へ送り出す。
作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上にトナー像を形成する。
具体的には、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kのそれぞれがまず、感光体ドラム25を回転させながらその外周面の各部を帯電器26に対向させる。これにより、その対向した部分が均一に帯電する。
駆動ローラー23L、23Rは中間転写ベルト23を回転させて4対の1次転写ローラー22と感光体ドラム25との間のニップを順番に通過させ、中間転写ベルト23の表面の各部を各感光体ドラム25に接触させる。このとき、1次転写ローラー22はバイアス電圧の印加によって感光体ドラム25とは異なる電位に維持されているので、1次転写ローラー22と感光体ドラム25との間には電界が生じている。この電界が各感光体ドラム25の外周面から各色のトナー像を順番に、中間転写ベルト23の表面の同じ位置へ重ねて転写する。その結果、その位置に1つのカラートナー像が構成される。
定着部30は、作像部20から送り出されたシートSH2の上にトナー像を熱定着させる。具体的には、定着部30は定着ローラー31と加圧ローラー32とを回転させながら両者の間のニップにそのシートSH2を通紙する。このとき、定着ローラー31はそのシートSH2の表面へ内蔵のヒーターの熱を加え、加圧ローラー32はそのシートSH2の加熱部分に対して圧力を加えて定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がそのシートSH2の表面に定着する。定着部30は更に定着ローラー31と加圧ローラー32との回転により、そのシートSH2を排紙部40へ送り出す。
排紙部40は、トナー像が定着したシートSH3を排紙トレイ46へ排紙する。具体的には、まずシートSH3が定着部30の上部からガイド板41に沿って排紙口42へ移動する。このとき排紙部40は、排紙口42の内側に配置された排紙ローラー43を回転させて、その外周面でそのシートSH3を排紙口42の外へ送り出す。これによりこのシートSH3は排紙トレイ46に収容される。
図2、図3、図4は、本発明の実施形態による2次転写ローラー24とその支持構造とを示す。具体的には、図2の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、正面図、(a)の示す直線b−bに沿った断面図、および側面図であり、図3はそれらの要部の分解組立図であり、図4の(a)はその要部の拡大側面図であり、(b)は、その要部から補強板206を除去したときの拡大側面図である。図2−図4を参照するにこの支持構造は、電源端子200、給電板201、バネ202、軸受203、フレーム205、および補強板206を含む。
フレーム205は、絶縁性の樹脂から成形された実質的に板状の部材である。図2の(a)、(b)を参照するに、フレーム205はMFP100の筐体内に、その前面205Fが垂直方向に拡がる姿勢で固定されている。図2は示していないが、この前面205Fは、その前方に位置する駆動ローラー23Rと対向するように配置されている。
電源端子200はフレーム205を、その板面に対して垂直に貫通している。フレーム205の背面側(図2の(b)では図面の上側)に位置する電源端子200の端部200Aは、MFP100の背板の内側に設置された電源(いずれの図面も示していない。)に接続され、そこからバイアス電圧を受ける。この電源はたとえば外部の商用交流電源からの交流電力を整流して、たとえば1kV程度の直流電圧であるバイアス電圧に変換する。一方、フレーム205の前面205Fの側(図2の(b)では図面の下側)に位置する電源端子200の端部200Bは給電板201に接続されている。
給電板201は、アルミニウム、銅、もしくはそれらを含む合金、炭素鋼、または鋼合金等を含む金属製の板状部材である。図2の(b)、図3、図4を参照するに、給電板201はフレーム205の前面205Fに配置されており、その板面がバネ202を隔てて軸受203と対向している。図2の(b)、図3の示すように、給電板201には2つの貫通穴201A、201Bが開けられ、その一方201Aにはフレーム205の前面205Fの突起205Pが挿入され、他方201Bには電源端子200の端部200Bが挿入されている。給電板201は電源端子200のその端部200Bに接続され、そこを通して電源からバイアス電圧を受ける。
バネ202は、炭素鋼、鋼合金等の金属製のコイルバネである。図2の(b)、図3、図4の(b)を参照するに、バネ202は給電板201の板面と軸受203との間に挟まれ、その基端部が、給電板201の貫通穴201Aを通して露出したフレーム205の前面205Fの突起205Pに嵌められている。これにより、バネ202は軸受203を前方へ付勢する。バネ202は更に導電性であり、その基端部で給電板201に接触し、その給電板201からバイアス電圧を受けて軸受203へ伝える。すなわちバネ202は、電源端子200、給電板201と共に、バイアス電圧を電源から軸受203へ伝達する給電路を成す。
軸受203はたとえば樹脂から成形された部材であり、2次転写ローラー24をその軸のまわりに回転可能に保持する。図2−図4を参照するに、軸受203の前面には半円筒状の窪み203Hが設けられ、この窪み203Hに2次転写ローラー24のシャフト24Sが摺動可能に嵌められている。軸受203は更に導電性を持つ。具体的には、軸受203を構成する樹脂そのものが導電性を備え、またはその樹脂の表面が金属等の導体で覆われている。この導電性により軸受203はバイアス電圧をバネ202から2次転写ローラー24へ伝える。軸受203はまたバネ202から弾性力を受けて2次転写ローラー24へ伝える。
図2の(b)、(c)を参照するに、2次転写ローラー24の軸方向におけるフレーム205の両端面、すなわち2枚の側面205Sはいずれも、その前面205Fよりも前まで張り出している。図2の(c)、図3、図4の(b)を参照するに、これらの側面205Sの各先端は切り欠き部205Cを含む。この切り欠き部205Cはフレーム205の側面205Sの先端に開口部205Oを含み、この開口部205Oからフレーム205の側面205Sに沿って隙間GAPが開いている。すなわち、切り欠き部205Cは「コ」または「U」字形である。
図2の(a)、(b)を参照するに、2次転写ローラー24は、シャフト24S、本体24B、およびギア24Gを含む。シャフト24Sは、アルミニウムもしくはその合金、炭素鋼、または鋼合金等の金属製の棒状部材である。本体24Bは、導電性ゴム等、導電性を持つ弾性部材から成る円柱部材であり、その中心軸に沿ってシャフト24Sを貫通させている。図2−図4は示していないが、本体24Bは、フレーム205の前方に位置する駆動ローラー23Rと対向し、バネ202の弾性力で駆動ローラー23Rとの間のニップに中間転写ベルト23を挟む。ギア24Gはシャフト24Sの片端に接続され、モーターからの駆動力をシャフト24Sに伝える。この駆動力は、2次転写ローラー24が本体24Bと駆動ローラー23Rとの間の摩擦力から受ける回転力を補い、それらの間のスリップに起因する回転の遅れを防ぐ。
補強板206は、炭素鋼、鋼合金等の金属製の板状部材である。図2−図4を参照するに、補強板206はフレーム205の側面205Sに1枚ずつ装着されている。図2の(c)、図3、図4の(a)の示すとおり、補強板206はフレーム205の側面205Sの凹部205Vに嵌め込まれ、その側面205Sに沿って2次転写ローラー24とは反対側に向かって拡がり、切り欠き部205Cの隙間GAPを跨いでいる。
補強板206には3つの貫通穴206A、206B、206Cが開いている。中央の貫通穴206Aの中には雄ネジ207が挿入され、フレーム205の凹部205Vに開けられたネジ穴205Hにねじ込まれる。両脇の貫通穴206B、206Cの中には、フレーム205の凹部205Vから突出したダボD1、D2が1つずつ挿入される。
図5は、給電板201とバネ202との分解組立図である。図4、図5を参照するに、給電板201は接点部210を含む。この接点部210は、給電板201の板面の縁が軸受203に向かって屈曲して伸びている部分であり、図4の示すとおり、その先端が補強板206の、2次転写ローラー24とは反対側に位置する縁に接触する。バイアス電圧は給電板201からバネ202へ伝搬する間、この接点部210を通して補強板206に対しても印加される。その結果、補強板206は、給電板201、バネ202、および軸受203から成る給電路、ならびに2次転写ローラー24のいずれとも同じ電位、すなわちバイアス電圧と実質的に等しい電位に維持される。したがって、2次転写ローラー24に対してバイアス電圧が印加される間、補強板206には電荷の蓄積が生じない。また、2次転写ローラー24への給電が遮断された後では補強板206の電位は、2次転写ローラー24と給電路201、202、203との電位と共にバイアス電圧から接地電圧へ降下する。こうして、ユーザーまたはメンテナンス要員が誤って補強板206に接触しても、感電の危険性はない。
本発明の実施形態によるMFP100では上記のとおり、2次転写ローラー24の支持構造の含む給電板201が接点部210を含み、それを通して補強板206に接触する。これにより、バイアス電圧は、給電板201からバネ202へ伝搬するときには必ず、接点部210を通して補強板206に対しても印加される。その結果、補強板206は、給電板201、バネ202、軸受203、および2次転写ローラー24のいずれとも、実質的に同じ電位に維持されるので、補強板206には電荷の蓄積が生じない。こうして、MFP100は、補強板206が金属製であっても、2次転写ローラー24に対するバイアス電圧の印加に伴う補強板206への電荷の蓄積を確実に防止することができる。これにより、2次転写ローラー24の交換時等において、感電に対する安全性が向上する。
(A)図1の示す画像形成装置100はMFPである。本発明の実施形態による画像形成装置はその他に、レーザープリンター、インクジェットプリンター、ファクシミリ、またはコピー機等のいずれであってもよい。
(B)図2−図4の示すローラーの支持構造は2次転写ローラー24を対象とする。本発明の実施形態による支持構造はその他に1次転写ローラー22を対象としてもよい。すなわち、転写材が中間転写ベルト23に代えて感光体ドラム25であり、被転写材がシートに代えて中間転写ベルト23であってもよい。本発明の実施形態はまた、転写材が感光体ドラムであり、かつ被転写材がシートである場合における転写ローラーの支持構造にも適用可能である。
(D)図2−図4の示す、給電板201、バネ202、軸受203、フレーム205の切り欠き部205C、および補強板206の形状はいずれも一例に過ぎない。たとえば、バネ202に対する給電部材は板状に代えて線状またはストリップ状であってもよい。バネはコイルバネ202に限らず、板バネ等、他の形態であってもよい。軸受はローラーと一体化していてもよい。フレームの切り欠き部は直線的な輪郭に代えて、円弧等の曲線的なものであってもよい。補強部材は板状に代えて、棒、網、格子、または鉤等の形状であってもよい。
24 2次転写ローラー
24B 2次転写ローラーの本体
24G ギア
24S 2次転写ローラーのシャフト
201 給電板
210 給電板の接点部
202 バネ
203 軸受
203A−C 軸受の上下面の突起
203H 軸受の半円筒状の窪み
205 フレーム
205C フレームの切り欠き部
205F フレームの前面
205H フレームの側面のネジ穴
205O フレームの切り欠き部
205P フレームの前面の突起
205S フレームの側面
205V フレームの側面の凹部
205W フレームの切り欠き部の壁部
D1、D2 フレームの側面のダボ
GAP フレームの切り欠き部の隙間
ARW フレームの切り欠き部の隙間の奥行方向
206 補強板
206A−C 補強板の3つの貫通穴
206T 補強板の張り出し部
207 雄ネジ
Claims (8)
- 帯電した感光体に露光によって静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像して前記感光体から被転写材へ転写する画像形成装置であり、
前記感光体または前記被転写材と対向するローラーと、
前記ローラーを回転可能に保持する軸受と、
前記軸受を収容する絶縁性のフレームと、
を備え、
前記フレームは、
前記感光体または前記被転写材と対向する部位に開口部を含み、前記開口部から前記ローラーの軸方向における端面に沿って隙間が開いている切り欠き部と、
前記切り欠き部の隙間の奥に基端が接続され、前記切り欠き部の開口部に向かって先端が伸びている導電性のバネと、
前記バネの基端に給電する給電部材と、
前記切り欠き部の隙間を跨ぐように前記切り欠き部の端面に装着された金属製の補強部材と、
を含み、
前記軸受は、前記ローラーが前記切り欠き部の開口部を通して取り外し可能であるように前記切り欠き部の中に固定されて前記バネの先端に接触し、前記バネによって前記感光体または前記被転写材に向かって付勢されると共に、前記バネの先端から前記ローラーへ給電し、
前記給電部材から前記バネを通して前記軸受へ給電する経路は前記補強部材にも電気的に接続されている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記バネは、前記給電部材と前記軸受との間に挟まれたコイルバネであり、
前記給電部材は板状であり、前記バネを隔てて前記軸受と対向する板面と、前記板面から前記軸受に向かって伸びて前記補強部材に接触する接点部とを含む、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記補強部材は板状であり、板面が前記切り欠き部の端面に沿って前記ローラーとは反対側に向かって拡がっており、
前記給電部材の接点部は前記補強部材の、前記ローラーとは反対側に位置する縁に接触する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ローラーは、前記感光体から前記被転写材への転写に利用されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ローラーは、前記静電潜像の現像に利用されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ローラーは、前記感光体の帯電に利用されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ローラーは、前記感光体のクリーニングに利用されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記フレームは前記ローラーの両端で前記軸受を支持し、
前記補強部材は前記ローラーの両端に配置され、
前記給電部材と前記導電性のバネとは前記ローラーの同じ片端にのみ配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の画像形成装置。
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