以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置およびテープ印刷システムについて説明する。このテープ印刷装置は、装着したテープカートリッジから印刷テープおよびインクリボンを繰り出しながら印刷を行い、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベル(テープ片)を作成するものである。また、テープ印刷システムは、このテープ印刷装置とこれに装着して用いられるテープカートリッジと、により構成したものである。
[テープ印刷装置の概要]
図1は、テープ印刷システムを構成するテープ印刷装置およびこれに装着されるテープカートリッジの外観斜視図である。同図に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を構成する装置ケース3と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部5と、カートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7と、を備えている。装置ケース3の上面には、奥側にカートリッジ装着部5が設けられ、中央にディスプレイ11が設けられ、手前側にキーボード13が設けられている。開閉蓋7の近傍には、指掛け用の窪入部15が設けられており、開閉蓋7は、この窪入部15に指を掛け引き上げることにより開放される。そして、装置ケース3の側面(左側面)には、印刷テープ102が排出される縦長のテープ排出口17が設けられている。
また、テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部5に立設された印刷ヘッド21を有する印刷機構部23と、カートリッジ装着部5の裏側空間に内蔵したテープ送り機構部25と、テープ排出口17の近傍に内蔵したテープ切断機構部27と、を備えている。ユーザーは、キーボード13から印刷情報を入力し、ディスプレイ11で印刷情報を確認した後、キー操作により印刷を実行する。印刷が指令されると、テープ送り機構部25が駆動して、印刷テープ102とインクリボン110とを並走させ、これに印刷機構部23で熱転写による印刷が行われる。この印刷送りにより、印刷テープ102はテープ排出口17から排出されてゆき、印刷が完了すると、テープ切断機構部27が駆動して、印刷テープ102の印刷済み部分が切り離される。
[テープカートリッジの概要]
図1、図2および図5に示すように、テープカートリッジ100は、印刷テープ102をテープコア104に巻回したテープロール106と、インクリボン110を繰出しコア112に巻回したリボンロール114と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、使用後のインクリボン110を巻き取る巻取りコア116と、印刷ヘッド21が当接すると共に印刷テープ102およびインクリボン110を送るプラテンローラー120(プラテン)と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、これらテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120を収容したカートリッジケース130を備えている。このように、本実施形態のテープカートリッジ100は、外殻をカートリッジケース130で覆われた、いわゆるシェル構造を有している。
また、テープカートリッジ100には、テープ印刷装置1に装着されたときに、印刷ヘッド21が挿入される挿入開口134が、カートリッジケース130に形成されている。また、テープカートリッジ100は、印刷テープ102が送り出されるテープ送出口138を備えている。なお、詳細は後述するが、テープロール106は、カートリッジケース130の内側に突設した円筒状のコア軸192に回転自在に支持されている。
上記のテープ送り機構部25により、プラテンローラー120および巻取りコア116が駆動されると、印刷テープ102はテープコア104から繰り出され、インクリボン110は繰出しコア112から繰り出される。繰り出された印刷テープ102およびインクリボン110は、プラテンローラー120の部分で並走し、印刷ヘッド21により印刷に供される。印刷が行われた印刷テープ102の繰出し端部(印刷済部分)は、テープ送出口138からテープ排出口17に向かって送り出される。一方、インクリボン110は、挿入開口134の周壁部分を周回し、巻取りコア116に巻き取られる。なお、テープカートリッジ100は、印刷テープ102のテープ幅に応じて、厚みの異なる複数種が用意されている。
[テープ印刷装置の詳細]
図1および図3に示すように、カートリッジ装着部5は、テープカートリッジ100の平面形状と相補的な平面形状に形成されると共に、複数種のテープカートリッジ100のうちの最大厚のテープカートリッジ100に対応する深さを有して、窪入形成されている。この場合、カートリッジ装着部5の底板部を構成する装着ベース31と側板部33とは、樹脂等で一体に形成(成形)されている。カートリッジ装着部5と上記のテープ排出口17との間には、スリット状のテープ排出経路35が形成されており、この部分に、上記のテープ切断機構部27が内蔵されている。
カートリッジ装着部5の装着ベース31には、テープカートリッジ100が装着されたときのそのテープカートリッジ100のコア軸192が嵌合して位置決めされる位置決め突起41と、ヘッドカバー43に覆われた印刷ヘッド21と、プラテンローラー120を回転駆動するプラテン駆動軸45と、巻取りコア116を回転駆動する巻取り駆動軸47と、が立設されている。また、巻取り駆動軸47の近傍に位置して装着ベース31には、印刷テープ102の種別(属性情報)を検出するテープ検出部51と、開閉蓋7の閉塞を検出する蓋検出部52と、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めを解除するコア解除部53と、が設けられている(図3参照)。
さらに、装着ベース31には、その対角位置に一対の小突起55が設けられ、加えて装着したテープカートリッジ100の中間部を掛け止めする一対の掛止め片57が設けられている。そして、装着ベース31の裏側空間には、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を回転させるモーターおよびギヤ列(いずれも、図示省略)を含む、上記のテープ送り機構部25が内蔵されている。テープ送り機構部25は、ギヤ列で動力分岐し、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を同期回転させる。
印刷機構部23は、サーマルヘッドで構成された印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21を支持すると共に回動させるヘッド支持フレーム61と、ヘッド支持フレーム61を介して印刷ヘッド21を印刷位置と退避位置との間で回動させるヘッドリリース機構(図示省略)と、印刷ヘッド21(およびヘッド支持フレーム61)を覆うヘッドカバー43と、を有している。
ヘッドリリース機構は、上記の開閉蓋7の開閉に連動して作動し、開閉蓋7の閉塞動作に連動して印刷ヘッド21を印刷位置に移動(回動)させ、開放動作に連動して印刷ヘッド21を退避位置に移動(回動)させる。印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、テープカートリッジ100のプラテンローラー120にインクリボン110と印刷テープ102とを介して当接し、退避位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120から離間する。これにより、テープカートリッジ100を着脱する際に、印刷テープ102やインクリボン110の印刷ヘッド21への干渉が防止される。
印刷ヘッド21には、複数の発熱素子が設けられ、複数の発熱素子は、プラテンローラー120の軸方向と同方向に列設されている。そして、印刷テープ102およびインクリボン110の送りと、複数の発熱素子の選択的駆動により印刷が行われる。ヘッドカバー43は、平面視略矩形に形成されおり、上記の装着ベース31(カートリッジ装着部5)と一体に形成(成形)されている。また、ヘッドカバー43は、装着ベース31から垂直に大きく突出しており、その内側において印刷ヘッド21の回動を許容し、外側においてテープカートリッジ100の装着ガイドとして機能する。
テープ検出部51は、複数のマイクロスイッチ51aで構成されており、後述するテープカートリッジ100の被検出部180に対し選択的に係合し、印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等の種別を検出する。そして、この検出結果に基づいて、印刷ヘッド21やテープ送り機構部25の駆動が制御される。
蓋検出部52は、検出部本体52aと、棒状の検出子52bとを有するプッシュスイッチで構成されている(図7(c)参照)。検出部本体52aは、装着ベース31の下側に配設され、検出子52bは装着ベース31からカートリッジ装着部5内に突出するように配設されている。蓋検出部52が作動(ON)して、開閉蓋7の閉塞が検出されると、印刷等の処理が可能になる。なお、蓋検出部52は、検出部本体52aを光センサー等で構成したものであってもよい。
コア解除部53は、繰出しコア112用および巻取りコア116用の2つの解除ピン53aで構成されている。詳細は後述するが、カートリッジケース130には、繰出しコア112および巻取りコア116にそれぞれ掛止めされる回転止めフック206が設けられている(図6参照)。テープカートリッジ100を装着すると、これら回転止めフック206に解除ピン53aが係合し、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めが解除される。
プラテン駆動軸45は、プラテンローラー120を挿通するように設けられた固定軸45aと、固定軸45aの基部に回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸45bとを有している。テープ送り機構部25の回転動力は、この可動軸45bに伝達され、更に可動軸45bからプラテンローラー120に伝達される。同様に、巻取り駆動軸47は、固定軸47aと、固定軸47aに回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸47bとを有している。この場合も、テープ送り機構部25の回転動力は、可動軸47bに伝達され、更に可動軸47bから巻取りコア116に伝達される。
テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着すると、位置決め突起41にコア軸192(テープコア104)が係合し、プラテン駆動軸45にプラテンローラー120が係合し、更に巻取り駆動軸47に巻取りコア116が係合する。そして、開閉蓋7を閉塞すると、印刷ヘッド21が回動し、印刷テープ102およびインクリボン110を挟んでプラテンローラー120に当接して、テープ印刷装置1は印刷待機状態となる。
図1および図4に示すように、開閉蓋7は、奥側に設けたヒンジ部71を介して、装置ケース3に回動自在に、すなわち開閉自在に取り付けられている。開閉蓋7は、開閉蓋本体73と、開閉蓋本体73の中央に設けた覗き窓75と、を有している。また、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設されヒンジ部71に回動自在に軸支された一対の軸支片77と、開閉蓋本体73の裏面に突設され印刷ヘッド21を回動させる作動レバー79と、を有している。
さらに、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設されテープカートリッジ100を押し込む押込み突起81と、開閉蓋本体73の裏面に突設され、上記の蓋検出部52を作動(ON)させる被検出突起83(被検出子)と、を有している。また、詳細は後述するが、被検出突起83は、テープカートリッジ100の変位部186を介して、テープカートリッジ100を押える機能をも有している。なお、請求項に言う「検出部」はこの蓋検出部52により構成され、「被検出部(被検出子)」はこの被検出突起83により構成されている。
覗き窓75は、横長に形成され、開閉蓋本体73とは別体となる透明(可視光に対し透明)な樹脂で構成されている。この覗き窓75越しに、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100が、視認(印刷テープ102の種別やテープ残量)できるようになっている。また、一対の軸支片77、作動レバー79、押込み突起81および被検出突起83と、開閉蓋本体73とは、樹脂で一体に形成(成形)されている。
作動レバー79は、開閉蓋本体73の裏面から大きく突出しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5の側方に設けたスリット開口87に挿入される。スリット開口87に挿入された作動レバー79は、上記のヘッドリリース機構を作動させ、印刷ヘッド21をプラテンローラー120に向かって回動させる。押込み突起81は、テープカートリッジ100のプラテンローラー120の近傍位置に対応しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部5の装着ベース31に着座するようにこれを押し込む。
被検出突起83は、作動レバー79の近傍に配設され、開閉蓋本体73の裏面から垂直に突出している。また、被検出突起83は、断面「T」字状に形成され、そのフランジ片95側を開閉蓋本体73の先端側に向けると共に、リブ片97側を開閉蓋本体73の基端側に向けるようにして配設されている(詳細は後述する)。詳細は後述するが、被検出突起83は、開閉蓋7の閉塞に伴って、テープカートリッジ100に挿入され、テープカートリッジ100の変位部186を介して、蓋検出部52を作動(ON)させる。
[テープカートリッジの詳細]
次に、図2、図5および図6を参照して、テープカートリッジ100について詳細に説明する。なお、テープカートリッジ100の説明では、図2を例に、テープカートリッジ100の上正面である装着方向手前の面を「表面」と、逆側の装着方向奥側の面を「裏面」と、左側の側面を「左側面」と、右側の側面を「右側面」と、上側(前側)の円弧状の側面を「先端面」と、下側(後側)の側面を「基端面」と、称呼するものとする。
テープカートリッジ100は、上述のように、カートリッジケース130と、これに収容したテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され挿入開口134と、プラテンローラー120の近傍において左側面に形成したテープ送出口138と、テープロール106が収容されている部位の表面、左側面および右側面に亘って貼着された識別シール141(図1参照)と、を備えている。識別シール141には、収容された印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等が、表面および左側面の2箇所に表示されている。
カートリッジケース130は、テープカートリッジ100の外郭を構成するものであり(シェル構造)、右側面の基端側が幾分突出した、平面視「L」字状の外観を呈している。表裏方向においてカートリッジケース130は、カートリッジ装着部5に装着したときに奥側となる下ケース150と、手前側となる上ケース152と、を有している。実施形態のカートリッジケース130は、上ケース152が透明な樹脂の成型品で構成され、下ケース150が不透明な樹脂の成型品で構成されている。
上ケース152は、カートリッジケース130の表面を構成する天壁部156と、天壁部156の周縁部に垂設された上周壁部158と、で一体に形成(成形)されている。また、下ケース150は、カートリッジケース130の裏面を構成する底壁部160と、底壁部160の周縁部に立設された下周壁162と、上記の挿入開口134を画成すべく底壁部160に立設された開口周壁部164と、で一体に形成(成形)されている。
上ケース152における上周壁部158の下端面には、適宜の間隔で複数の接合ピン170が設けられる一方、下ケース150の下周壁162には、この複数の接合ピン170に対応して複数の接合孔172が設けられている(図5参照)。下ケース150に、テープロール106やリボンロール114等の構成部品をセットした後、複数の接合孔172に複数の接合ピン170を圧入するように上ケース152を接合することにより、テープカートリッジ100が組み立てられる。なお、各接合孔172は、成形の容易性を考慮し貫通孔となっている。
一方、下ケース150の左側面および右側面には、上記の一対の掛止め片57に掛け止めされる一対の掛止受け部174が設けられている(図2および図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の掛止受け部174に、カートリッジ装着部5側の一対の掛止め片57が掛け止めされることにより、テープカートリッジ100の浮き上がりが防止される。また、下ケース150の裏面には、上記の一対の小突起55が幾分余裕をもって嵌合する嵌合小穴176が設けられている(図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の嵌合小穴176に、カートリッジ装着部5側の一対の小突起55が嵌合することにより、装着ベース31上におけるテープカートリッジ100の簡単な位置決めが為される。
さらに、下ケース150の裏面(底壁部160)には、基端面側の左隅部(表面側から見て右隅部)に位置して、上記のテープ検出部51に対応する被検出部180が設けられている(図6参照)。被検出部180は、テープ検出部51の複数のマイクロスイッチ51aに対応する部分に構成され、この部分に設けた受け穴180aの有無により、複数のビットパターンを得るようにしている。すなわち、このビットパターンが、上記した印刷テープ102の種別に対応している。
また、被検出部180の近傍に位置して、下ケース150の裏面(底壁部160)には、蓋検出部52の検出子52bが遊挿される円形の裏受容開口182(第2受容開口)が形成されている(図6参照)。上述のように、カートリッジ装着部5には、装着ベース31から突出するように検出子52bが設けられており、カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100を装着すると、検出子52bがこの裏受容開口182からテープカートリッジ100内に挿入される。
一方、テープカートリッジ100の表面(天壁部156)における基端面側の右隅部、すなわち上ケース152の表面における基端面側の右隅部には、上記の被検出突起83が挿入される表受容開口184(第1受容開口)と、表受容開口184から挿入された被検出突起83が当接する変位部186とが設けられている(図2および図5参照)。
詳細は後述するが、開閉蓋7を閉塞すると、開閉蓋7に設けた被検出突起83が、表受容開口184からテープカートリッジ100内に挿入さて、変位部186を押圧する。押圧された変位部186は、弾性変形し、これにより生じた弾性力により、テープカートリッジ100自身が、開閉蓋7を受けとしてカートリッジ装着部5(装着ベース31)に押圧される。また同時に、弾性変形した変位部186により、裏受容開口182に挿入された上記の検出子52bが押下されることで、蓋検出部52が作動(ON)する(詳細は後述する)。
図5に示すように、カートリッジケース130内の上側空間(先端面側)には、広くテープロール106が収容されるテープ収容エリア190が構成されている。テープ収容エリア190の中央には、下ケース150に一体に形成(成形)されたコア軸192が立設されている。コア軸192は、円筒状に形成されており、その外周面にはテープロール106(テープコア104)が回転自在に軸支されている。また、プラテンローラー120の近傍に位置してテープ収容エリア190には、繰り出された印刷テープ102をプラテンローラー120に導くテープガイド194が、下ケース150に一体に立設されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、テープロール106を起点とし、テープガイド194およびプラテンローラー120を経てテープ送出口138に至るテープ送り経路196が構成されている。テープロール106から繰り出された印刷テープ102は、テープガイド194を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120からテープ送出口138に導かれる。
テープロール106は、印刷テープ102およびテープコア104を有すると共に、ロール状の印刷テープ102の両端面に貼着された2枚のフイルム198を有している。この2枚のフイルム198は、テープコア104に巻回した印刷テープ102のバラケを防止している。また、テープコア104には、図示では省略したが、逆転止め機構が組み込まれている。テープカートリッジ100を持ち運びするときには、この逆転止め機構により、印刷テープ102の逆転が防止される。一方、テープカートリッジ100を,テープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に装着すると、上記の位置決め突起41により逆転止め機構の逆転止めが解除され、印刷テープ102の送りが可能になる。
カートリッジケース130内の基部右側には、挿入開口134に隣接してリボン収容エリア200が構成されている。リボン収容エリア200の右寄りには、リボンロール114(繰出しコア112)を回転自在に支持する繰出し側軸受部202が、また左寄りには、巻取りコア116を回転自在に支持する巻取り側軸受部204が、それぞれカートリッジケース130に一体に形成されている。すなわち、上ケース152および下ケース150に、それぞれ繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204が形成されている。
下ケース150に形成された繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204の切欠き部分には、先端部をこれら繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204に臨ませた回転止めフック206が、それぞれ一体に形成されている。そして、一方の回転止めフック206は繰出しコア112に、他方の回転止めフック206は巻取りコア116に、それぞれ回転止め状態に係合されている。
繰出し側軸受部202の近傍に位置してリボン収容エリア200には、繰り出されたインクリボン110をプラテンローラー120に導く第1リボンガイド210が、下ケース150に一体に立設されている。また、上記の開口周壁部164の外周側には、インクリボン110の周回をガイドする複数の第2リボンガイド212が一体に形成されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、リボンロール114を起点とし、第1リボンガイド210、プラテンローラー120および複数の第2リボンガイド212を経て巻取りコア116に至るリボン送り経路214が構成されている。リボンロール114から繰り出されたインクリボン110は、第1リボンガイド210を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120から開口周壁部164(複数の第2リボンガイド212)を周回して巻取りコア116に巻き取られる。
リボンロール114は、インクリボン110および繰出しコア112を有すると共に、繰出しコア112に制動負荷を付与する円環状の板ばね220を有している(図5(b)参照)。板ばね220は、周方向において波状に形成されており、軸方向において上ケース152の天壁部156と繰出しコア112との間に介設されている。すなわち、繰出しコア112には、この板ばね220の弾発力により回転制動負荷が付与される。これにより、巻取りコア116により繰り出されてゆくインクリボン110には、バックテンションが付与されその弛みが防止される。
繰出しコア112は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き222が形成されている(図6参照)。そして、複数の切欠き222には、上記の回転止めフック206が係脱するようになっている。なお、繰出しコア112を支持する下ケース150側の繰出し側軸受部202は円形の開口で構成されているが、上ケース152側の繰出し側軸受部202は、円筒状の突出部分で構成されている。そして、この突出部分に上記の板ばね220が装着されている(いずれも、図5(b)参照)。
同様に、巻取りコア116は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き224が形成されている。そして、複数の切欠き224には、上記の回転止めフック206が係脱する。また、巻取りコア116の内周面にはスプライン溝226が形成され、上記の巻取り駆動軸47にスプライン係合する。これにより、巻取り駆動軸47の回転力が巻取りコア116に伝達され、インクリボン110が巻き取られる。
カートリッジケース130内の基部左側には、挿入開口134に隣接してプラテン収容エリア230が構成されている。プラテン収容エリア230の中央には、下ケース150に形成した楕円状開口の下軸受部234と(図6参照)、上ケース152に形成した楕円状開口の上軸受部232と(図5(b)参照)が設けられている。そして、上軸受部232および下軸受部234には、プラテンローラー120が回転自在且つ僅かに横移動可能に支持されている。すなわち、長円状の上軸受部232および下軸受部234に支持されたプラテンローラー120は、プラテン駆動軸45に係合するホーム位置と、印刷テープ102を挟み込んでテープガイド194に接する挟持位置との間で、横移動(微小移動)可能に構成されている。
ところで、このテープカートリッジ100は、印刷テープ102の繰出し端部を、テープ送出口138から外部に僅かに突出させた状態で持ち運びされる(図1参照)。その際、誤って印刷テープ102の繰出し端部に押込み力や引込み力が作用すると、これに引きずられたプラテンローラー120が上記の挟持位置に移動する。これにより、印刷テープ102の繰出し端部が、テープ送出口138からカートリッジケース130内に引き込まれることが防止される。
プラテンローラー120は、円筒状のローラー基体240と、ローラー基体240の外周面に装着したゴムローラー242と、を有している。ゴムローラー242は、軸方向において印刷ヘッド21に対応する長さを有しており、印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、印刷テープ102およびインクリボン110を挟み込んでこのゴムローラー242に接触する。また、ローラー基体240の内周面にはスプライン溝244が形成され、上記のプラテン駆動軸45にスプライン係合する。これにより、プラテン駆動軸45の回転力がプラテンローラー120に伝達され、印刷テープ102(およびインクリボン110)が印刷送りされる。
[蓋検出における第1実施形態]
次に、図7を参照して、第1実施形態に係る開閉蓋7の被検出突起83(被検出子)および蓋検出部52(検出部)の構造について、テープカートリッジ100の変位部186の構造と共に詳細に説明する。
上述のように、変位部186は、上ケース152における天壁部156の基端面側右隅部に設けられている。また、これに対応する被検出突起83は、開閉蓋7(開閉蓋本体73)の裏面に突出するように設けられ、蓋検出部52の検出子52bは、カートリッジ装着部5において、装着ベース31から突出するように配設されている。
図7(a)および(c)に示すように、変位部186は、上ケース152における天壁部156から内側に延びる断面「L」字状の弾性片310を有している。また、上記のように、天壁部156には、被検出突起83を受容する表受容開口184が形成され、底壁部160には、検出子52bが挿入される裏受容開口182が形成されている。
弾性片310は、天壁部156から延びる垂設片部316と、被検出突起83が突き当てられる(当接)当接片部318とから成り、上ケース152に一体に形成(成形)されている。そして、弾性片310は、被検出突起83の押圧により弾性変形して検出子52bを動作させる(蓋検出部52をON)と共に、相対的にテープカートリッジ100を装着ベース31に押圧し、これを装着方向に位置決めする。
弾性片310(当接片部318)は、平面視長方形に形成される一方、表受容開口184は、弾性片310により一回り大きい長方形に形成されている。また、弾性片310(当接片部318)は、上ケース152の右側面に平行に、上ケース152の先端側から基端側に向かって延在している。弾性片310に被検出突起83の押圧力が作用すると、当接片部318が下方に撓むと同時に、垂設片部316が後方に撓んで、弾性力(ばね力)を発揮する。
図7(c)に示すように、弾性片310は、開閉蓋7を閉塞したときの被検出突起83の押圧力により、変位すると共にこの変位量に応じて増加(好ましくは、比例的に増加)する反力を被検出突起83に与える。言い換えれば、被検出突起83を受けとし、テープカートリッジ100が、自身の弾性片310により装着ベース31に押圧される。このため、弾性片310の弾性力は、装着方向において、テープカートリッジ100の位置ズレが抑制されるよう設計されている。
より具体的には、テープカートリッジ100は、プラテンローラー120を介して印刷ヘッド21の押圧力を受け、またプラテンローラー120(プラテン駆動軸45)や巻取りコア116(巻取り駆動軸47)の回転に伴って、プラテンローラー120廻りや巻取りコア116廻りの回転力を受ける。このため、テープカートリッジ100は、これら押圧力および回転力の合成力、更にはその分力を受け、装着ベース31上で位置ズレや浮き上がりを生ずる。実施形態の弾性片310の弾性力は、これら合成力やその分力に抗して、テープカートリッジ100を所定の位置に位置決めする。
上述のように、テープカートリッジ100には、厚みの異なる複数種のものが用意されている。このため、これら厚みの異なるテープカートリッジ100において、図7(c)における上下方向の位置が同一でなるように、弾性片310の当接片部318が配設されていることが好ましい。これにより、厚みの異なるテープカートリッジ100において、検出子52bを確実に作動させることができる。
一方、図7(b)に示すように、被検出突起83は、断面「T」字状に形成され、開閉蓋本体73の裏面から垂直に突出している。開閉蓋本体73と被検出突起83とは、樹脂等で一体に成形されており、被検出突起83を断面「T」字状とすることで、成形不良(肉ひけ)が防止される。断面「T」字状の被検出突起83は、そのフランジ片95側を開閉蓋本体73の先端側に向けると共に、リブ片97側を開閉蓋本体73の基端側に向けるようにして配設されている。そして、被検出突起83の先端は、変形した弾性片310の形状に倣った斜面に形成されており、先端の全域が弾性片310を押圧するようになっている。
図7(c)に示すように、蓋検出部52の検出子52bは、当接片部318を挟んで被検出突起83の直下に配設されている。より具体的には、開閉蓋7を閉塞した状態で、被検出突起83と同軸上に検出子52bが配設されている。また、検出子52bの先端は、当接片部318の下面(裏面)に接触し、或いは微小間隙を存して対峙している。そして、弾性片310に被検出突起83の押圧力が作用すると、当接片部318が下方に撓むと同時に検出子52bが押下され、蓋検出部52の検出部本体52aが動作(ON)される。これにより、開閉蓋7がカートリッジ装着部5を閉塞したことが検出される。
以上のように、第1実施形態によれば、開閉蓋7を閉塞すると、その被検出突起83が弾性片310を弾性変形させ、更に弾性片310を介して検出子52bを押下する。これにより、テープカートリッジ100は、被検出突起83により弾性片310を介して装着ベース31(カートリッジ装着部5)に押圧され、位置決めされる。また同時に、検出子52bの押下により、蓋検出部52が動作し、開閉蓋7の閉塞が検出される。
このように、第1実施形態では、その変位部186(弾性片310)を介して、蓋検出部52が検出作動されるようになっている。このため、開閉蓋7の開閉(閉塞)を検出することができるだけでなく、テープカートリッジ100の有無(有)をも検出することが可能となる。したがって、上記のテープ検出部51により、別途テープカートリッジ100の有無を検出する必要がない。また、検出子52bの押下を、弾性変形する変位部186(弾性片310)により行うようにしているため、極めて単純な構造で、テープカートリッジ100の位置ズレ防止を行うことができる。これにより、印刷品質を安定させることができる。
さらに、蓋検出部52をカートリッジ装着部5内に配置することができるため、その分、開閉蓋7を大型にする必要がない。また、カートリッジ装着部5において、蓋検出部52の設置の自由度を高めることができる。なお、上記実施形態の当接片部318は、単純な長方形に形成したが、例えば鍵穴形状等、その形状は任意である。
[第1実施形態の変位部の変形例]
次に、図8を参照して、第1実施形態の変位部186の変形例と、これに対応する被検出突起83および蓋検出部52と、について説明する。図8(a)は、第1変形例であり、図8(b)は、第2変形例であり、図8(c)は、第3変形例であり、図8(d)は、第4変形例である。
図8(a)に示すように、第1変形例では、弾性片310の当接片部318が先方に長く延在し、当接片部318の先端部で検出子52bを押下するようにしている。すなわち、被検出突起83の軸線と、検出子52bの軸線と、が前後方向(先端−基端方向)に位置ズレしている。これは、開閉蓋7に設けられた被検出突起83が当接する位置と、被検出部180の検出子が当接する位置と、が着脱方向から見た場合に、位置ズレしていることを意味している。
具体的には、装着ベース31と平行な面内において(テープカートリッジ100の装着方向から見て)、弾性片310(当接片部318)に対し被検出突起83が当接する入力部位310aと、検出子52bに対し弾性片310(当接片部318)が当接する出力部位310bと、が前後方向に位置ズレしている。また、弾性片310(垂設片部316)の基部である上ケース152の支持部位310cから入力部位310aまでの距離に比して、支持部位310cから出力部位310bまでの距離が、前後方向において長くなっている。
このような構成では、近似的に、支持部位310c付近が回転変位の中心として機能するため、テコの原理を利用し、弾性片310の比較的小さな変位量で検出子52bを作動させることができる。言い換えれば、検出子52bの作動ストロークを大きい場合にも、これを確実に作動させることができる。
図8(b)に示すように、第2変形例では、当接片部318の先端部が「L」字状に形成されており、被検出突起83に対し検出子52bが、前後方向に加え左右方向にも位置ズレしている。例えば、蓋検出部52の設置スペースが限られており、検出子52bの位置に合わせるように、当接片部318の平面形状(先端部等)を自在に変形させるようにする。このようにすれば、被検出突起83の位置と検出子52bの位置と、が前後および左右方向に位置ズレしていても、検出子52bを適切に作動させることができる。
図8(c)に示すように、第3変形例では、第1変形例と異なり、弾性片310(垂設片部316)の基部である支持部位310cから入力部位310aまでの距離に比して、支持部位310cから出力部位310bまでの距離が、前後方向において短くなっている。この場合には、テコの原理を利用し、弾性片310の比較的小さな押圧力で検出子52bを作動させることができる。
図8(d)に示すように、第4変形例では、弾性片310(変位部186)が、板ばねで構成され、上ケース152に設けた保持部330に保持されている。弾性片310は、「V」字状に折り曲げた基部ばね片部334と、基部ばね片部334から天壁部156に平行に延びる当接ばね片部336とを有しており、基部ばね片部334により、保持部330に形成された保持溝330aに保持されている。
このような構成においても、開閉蓋7の開閉を検出することができると共に、テープカートリッジ100の有無をも検出することが可能となる。また、被検出突起83に対する蓋検出部52(検出子52b)の配置の自由度を高めることができる。さらに、テープカートリッジ100の位置決めが可能となる。特に、テープカートリッジ100の厚みに応じた弾性片310を用意しておくことで、厚みの異なるテープカートリッジ100に対応させることができる。
[第1実施形態の被検出突起の変形例]
次に、図9を参照して、第1実施形態の被検出突起83の変形例について説明する。同図に示すように、この変形例では、開閉蓋7の被検出突起83が、断面「U」字状の柱状突部400と、柱状突部400の先端部に設けた押圧片部402と、を有している。
押圧片部402は、柱状突部400と一体に、且つ柱状突部400の延在方向に交差する板状に形成されている。また、押圧片部402は、柱状突部400の先端から幾分セットバックした位置に配設されている。そして、この押圧片部402が、上記の弾性片310の当接片部318に当接し、これを押圧変形させる。
柱状突部400の輪郭は、表受容開口184と相補的形状に形成されており、柱状突部400は、表受容開口184に嵌合するようになっている。断面「U」字状に形成された柱状突部400は、そのフランジ片406側を開閉蓋本体73の先端側に配設されると共に、一対のリブ片408を開閉蓋本体73の側面に平行になるように配設されている。
また、この嵌合を案内するように、柱状突部400の先端部の外面(3辺)には、先端に向かって狭窄する外ガイド斜面410aが形成されている。同様に、押圧片部402の当接片部318への突き当てを案内するように、柱状突部400の先端部の内面(3辺)には、先端に向かって拡開する内ガイド斜面410bが形成されている。
開閉蓋7の閉塞に伴い柱状突部400(被検出突起83)は、外ガイド斜面410aに案内されて表受容開口184に嵌合すると共に、押圧片部402は、内ガイド斜面410bを案内にして当接片部318に突き当てられる(当接)。この状態で、柱状突部400の外側の3辺は、対応する表受容開口184の3辺に接触し、テープカートリッジ100は、表受容開口184を介して被検出突起83(柱状突部400)により位置決めされる。また、柱状突部400の先端部内側の3辺は、対応する当接片部318の3辺に接触し、テープカートリッジ100は、当接片部318を介して被検出突起83(柱状突部400)により位置決めされる。
この変形例では、開閉蓋7の閉塞に伴って被検出突起83が、表受容開口184に嵌合すると共に、変位部186を位置決め状態で押圧する。このため、テープカートリッジ100は、装着ベース31に押し付けられて装着方向(表裏方向)に位置決めされると共に、装着ベース31上において、前後左右に位置決めされる。したがって、開閉蓋7の閉塞検出とテープカートリッジ100の有無検出が可能となる共に、テープカートリッジ100の位置ズレを有効に防止することができる。これにより、印刷品質をより一層安定させることができる。
[蓋検出における第2実施形態]
次に、図10を参照して、第2実施形態に係る開閉蓋7の被検出突起83および蓋検出部52の構造について、テープカートリッジ100の変位部186の構造と共に詳細に説明する。また、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、被検出突起83の直下に変位部186Aが配置される一方、検出子52bは、被検出突起83の直下から前方(先端側)に外れた位置に配置されている。変位部186は、被検出突起83が当接する入力部340と、入力部340の基部に設けられ、検出子52bを押下する出力部342と、入力部340および出力部342を、被検出突起83を受け入れるための初期位置で受ける弾性部材344と、を有している。
また、カートリッジケース130には、入力部340の上下方向(テープカートリッジ100の厚み方向)の移動をガイドするスライドガイド350が設けられている。スライドガイド350は、上ケース152に一体に垂設した上ガイド352と、下ケース150に一体に立設した下ガイド354と、を有している。そして、下ガイド354には、出力部342が臨むガイド切欠き部354aが設けられている。
入力部340は、円筒状の入力部本体360と、入力部本体360の下端に連なるスカート部362と、を有している。スカート部362の内側には、コイルばねで構成された弾性部材344が配設され、またスカート部362の下端部外面には、径方向に突出するように出力部342が設けられている。入力部本体360、スカート部362および出力部342は、樹脂等により一体に形成(成形)されている。そして、出力部342の下面には、検出子52bが当接している。
コイルばねで構成された弾性部材344は、下ケース150の底壁部160に着座し、入力部340を受けている。弾性部材344は、圧縮コイルばねで構成され、図示のように入力部340を、その上端が上ケース152(天壁部156)に微小間隙を存して、或いは突き当てるように対峙する初期位置で、受けるようにしている。
被検出突起83が入力部340を押圧すると、入力部340および出力部342が、弾性部材344を抗して下方に移動し、出力部342が検出子52bを押下する。また、被検出突起83が上方に外れると、弾性部材344により、入力部340および出力部342が元の初期位置に復帰する。
このように、第2実施形態においても、その変位部186を介して、蓋検出部52が動作(ON)される。このため、開閉蓋7の開閉を検出することができるだけでなく、テープカートリッジ100の有無をも検出することが可能となる。また、変位部186の弾性部材344は、テープカートリッジ100を相対的に押圧し、その位置決めを可能とする。
[第2実施形態の変形例]
次に、図11を参照して、第2実施形態の変形例について説明する。図11(a)は、第1変形例であり、図11(b)は、第2変形例である。
図11(a)の第1変形例では、上記のコイルばねに代えて、弾性部材344が、ゴム或いはスポンジ等で構成されている。
図11(b)の第2変形例では、弾性部材344が、下ケース150の底壁部160を内側に切起こしたばね片366で構成されている。この場合には、入力部340のスカート部362は短く形成され、ばね片366は、入力部340をその入力部本体360の下端で受けている。
このように、第2実施形態の変形例では、弾性部材344を単純な構造とすることができる。特に、第2変形例では、テープカートリッジ100の部品点数を削減することができる。
[蓋検出における第3実施形態]
次に、図12を参照して、第3実施形態に係る開閉蓋7の被検出突起83および蓋検出部52の構造について、テープカートリッジ100の変位部186の構造と共に詳細に説明する。また、第3実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図12に示すように、第3実施形態では、変位部186が、被検出突起83の押圧力により弾性変形する入力弾性部370と、入力弾性部370に連なり、入力弾性部370の弾性変形に伴って検出子52bを作動させる出力作動部372と、を有している。
入力弾性部370は、天壁部156の一部を「U」字状に除去して形成されている。出力作動部372は、棒状に形成され、入力弾性部370の下面に固着されている。被検出突起83が入力弾性部370を押圧すると、入力弾性部370が弾性変形すると共に、出力作動部372を下動させる。下動した出力作動部372は、検出子52bを押下する。
このように、第3実施形態のテープカートリッジ100においても、その変位部186を介して、蓋検出部52が動作(ON)される。このため、開閉蓋7の開閉を検出することができるだけでなく、テープカートリッジ100の有無をも検出することが可能となる。また、変位部186の入力弾性部370、テープカートリッジ100を相対的に押圧し、その位置決めを可能とする。
[蓋検出における第4実施形態]
次に、図13を参照して、第4実施形態に係る開閉蓋7の被検出突起83および蓋検出部52の構造について、テープカートリッジ100の変位部186の構造と共に詳細に説明する。また、第4実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図13に示すように、第4実施形態では、変位部186が、矩形の板状に形成され、カートリッジケース130内に設けた回動支持部380に回動自在に支持されている。変位部186の上面には、被検出突起83が当接し、下面には、検出子52bが当接している。被検出突起83が板状の変位部186を押圧すると、変位部186が回動し検出子52bを押下する。
このように、第4実施形態においても、その変位部186を介して、蓋検出部52が動作(ON)される。このため、開閉蓋7の開閉を検出することができるだけでなく、テープカートリッジ100の有無をも検出することが可能となる。なお、テープカートリッジ100を相対的に押圧し、その位置決めを可能とすべく、変位部186の回動軸に捻じりコイルばねを設けるようにしてもよい。