JP6427314B2 - 中空磁性粒子を用いた熱伝導率可変材料 - Google Patents

中空磁性粒子を用いた熱伝導率可変材料 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導率可変材料、当該熱伝導率可変材料を用いた熱制御装置、及び当該熱伝導率可変材料を用いた熱制御方法に関する。
断熱材は多くの分野で使用されており、例えば、充電池は、その性能を十分に発揮させるための適切な温度範囲が存在するため、寒冷地等の気温の低い場所では充電池の温度を下げないために断熱材が用いられている。
しかし、充電池を断熱材等で覆うと、充電池を使用したときに発生した熱を放出することが出来なくなるため、充電池の温度が上昇し、その性能が低下する。
従来、この問題を解決するために、充電池を断熱材で覆い、充電池の温度が一定以上に達したときにファン等で冷却する熱制御装置が知られている(特許文献1)。
しかし、従来の熱制御装置は断熱材とは別に冷却装置を設ける必要があり、熱制御装置が大型になった。さらに、冷却装置として冷却ファン等を設けた場合は、冷却時に継続的にファンを回す電力が必要となる上、非常に複雑な配線の構成等が必要となる等の問題があった。また、冷却装置としてヒートパイプ等を備えた場合(特許文献2)も同様に、その構造は非常に複雑かつ大きくなる。
特開2001−76771号公報 特開平10−55827号公報
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、断熱材と別に冷却装置を設ける必要がないシンプルかつコンパクトな構成の熱制御装置及び熱制御方法を実現するための材料を提供することを目的とする。
本発明は、高分子材料中に、当該高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する中空粒子、及び/又は電場作用により電気分極する性質を有する中空粒子が分散しており、磁場及び/又は電場を印加することによって前記中空粒子の少なくとも一部が相互に接触し熱伝導率が上昇することを特徴とする、熱伝導率可変材料である。
本発明の熱伝導率可変材料は、高分子材料中に、当該高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する中空粒子、及び/又は電場作用により電気分極する性質を有する中空粒子が分散している。そのため、本発明の熱伝導率可変材料は、磁場等を印加して前記中空粒子の少なくとも一部を相互に接触させることにより伝熱路が確保されるため、熱伝導率を上昇させることができる。また、本発明の熱伝導率可変材料は、磁場等を印加していない状態、又は印加する磁場等が弱い状態では、前記高分子材料が有する弾性によって前記中空粒子が相互に離れて伝熱路が断たれるため、熱伝導率を低下させることができる。つまり、本発明の熱伝導率可変材料は、印加する磁場等の強さによって熱伝導率を無断階に変化させることができるため、当該熱伝導率可変材料を熱制御装置の材料として使用することにより、断熱材と別個に冷却装置を設ける必要がない、シンプルかつコンパクトな構成の熱制御装置及び熱制御方法を提供することができる。また、本発明は中空粒子を用いているため、中実粒子を用いた場合よりも磁場等を印加していない状態の熱伝導率が低い。そのため、本発明は、磁場等を印加していない状態から磁場等を印加した状態の熱伝導率の変化率(熱伝導率変化率)を大きくすることができる。
本発明の実施形態に係る熱制御装置を示す概略図 磁場印加手段によって磁気分極中空粒子を相互に接触させた熱制御装置を示す概略図
本実施形態に係る熱伝導率可変材料は、高分子材料中に、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する中空粒子が分散しており、磁場を印加することによって前記中空粒子の少なくとも一部が相互に接触し熱伝導率が上昇する。以下、磁場作用により磁気分極する性質を有する粒子を磁気分極中空粒子と称する。
(高分子材料)
本実施形態の熱伝導率可変材料に用いる高分子材料は、弾性を有し、分散された状態の前記磁気分極中空粒子を保持できる材料であれば特に限定されない。当該高分子材料の例としては、ポリウレタン、シリコンゴム、エチレン―プロピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、その他使用温度においてゴム状あるいは、ゲル状の高分子材料が挙げられる。また、当該高分子材料は可塑剤を含んでいても良い。
前記高分子材料は、磁気分極中空粒子を含まない状態でのせん断弾性率が200kPa以下であることが好ましく、100kPa以下であることがより好ましく、50kPa以下であることが最も好ましい。また、前記高分子材料は、磁気分極中空粒子を含まない状態でのせん断弾性率が0.1kPa以上であることが好ましく、1kPa以上であることがより好ましく、3kPa以上であることが最も好ましい。前記せん断弾性率が200kPaを超えると、高分子材料中に分散されている磁気分極中空粒子の少なくとも一部を磁場作用によって相互に接触させて熱伝導率可変材料の熱伝導率を高めることが困難になる。また、前記せん断弾性率が0.1kPa未満になると、磁場作用によって相互に接触させた磁気分極中空粒子を高分子材料が有する弾性によって相互に離すことが困難になる。なお、本明細書において、せん断弾性率は、1Hzにおけるせん断貯蔵弾性率を意味し、実施例に記載の方法により測定する。
(磁気分極中空粒子)
本実施形態の熱伝導率可変材料に用いる磁気分極中空粒子は、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する中空粒子であれば良い。当該磁気分極中空粒子の例としては、純鉄、電磁軟鉄、方向性ケイ素鋼、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、マグネタイト、コバルト、ニッケル等からなる中空粒子や、ガラス等の無機材料や合成樹脂等からなる中空粒子に、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する物質をコーティングしたものが挙げられる。当該磁気分極中空粒子のその他の例として、配向により高熱伝導性が促されるコンポジット系中空粒子も挙げられる。当該磁気分極中空粒子は、1種又は2種以上を用いることができる。また、磁気分極中空粒子は、磁場作用により磁気分極する性質を有さない中空粒子、磁場作用により磁気分極する性質を有する中実粒子、及び磁場作用により磁気分極する性質を有さない中実粒子と組み合わせて用いても良い。
本実施形態の熱伝導率可変材料は、前記磁気分極中空粒子の少なくとも一部が相互に接触することにより熱伝導率が上昇し、前記磁気分極中空粒子の少なくとも一部が相互に離れることにより熱伝導率が低下する。従って、熱伝導率の変化率を大きくするためには、高分子材料の熱伝導率と磁気分極中空粒子の熱伝導率の差が大きいほうが好ましい。
本実施形態の熱伝導率可変材料の熱伝導率の変化率を大きくするために、熱伝導率が低い気体を封入した磁気分極中空粒子や、空隙部を真空にした磁気分極中空粒子を用いることもできる。
前記磁気分極中空粒子の平均粒子径は、特段の制限がないが、5000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることが最も好ましい。また、前記磁気分極中空粒子の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが最も好ましい。当該平均粒子径が5000μmを超えると前記高分子材料に分散するのが困難になる。また、当該平均粒子径が1μm未満になると、当該磁気分極中空粒子の少なくとも一部を磁場作用によって相互に接触させることが困難になる。なお、本明細書において、平均粒子径は実施例に記載の方法により測定する。
平均粒子径が異なる2種以上の磁気分極中空粒子を組み合わせて用いる場合、2種以上の磁気分極中空粒子のそれぞれの平均粒子径に特に限定はなく、適宜調整して用いることができる。一例としては、平均粒子径が異なる2種の磁気分極中空粒子を組み合わせて用いる場合、熱伝導率の変化率をより大きくする観点から、大きい方の平均粒子径と小さい方の平均粒子径の比(大きい方の平均粒子径/小さい方の平均粒子径)が2以上が好ましく、8以上がより好ましい。また、同様の観点から、大きい方の平均粒子径と小さい方の平均粒子径の比(大きい方の平均粒子径/小さい方の平均粒子径)が、40以下が好ましく、30以下がより好ましい。
平均粒子径が異なる2種の磁気分極中空粒子を組み合わせて用いる場合、熱伝導率の変化率をより大きくする観点から、平均粒子径が大きい方の磁気分極中空粒子と平均粒子径が小さい方の磁気分極中空粒子の体積比は、平均粒子径が大きい方の磁気分極中空粒子:平均粒子径が小さい方の磁気分極中空粒子が80:20〜99:1であることが好ましく、90:10〜95:5であることがより好ましい。
前記磁気分極中空粒子の空隙部の直径は、特段の制限がないが、4999μm以下であることが好ましく、999μm以下であることがより好ましく、499μm以下であることが更に好ましく、199μm以下であることが最も好ましい。また、前記磁気分極中空粒子の空隙部の直径は、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが最も好ましい。当該空隙部の直径が5000μmを超えると空隙部内の空気の対流による熱伝導が大きくなるため、断熱性が劣る場合がある。また、当該空隙部の直径が0.1μm未満になると、殻部分の占める割合が大きくなるため、断熱性が中実粒子を用いた場合と変わらなくなる。なお、本明細書において、磁気分極中空粒子の空隙部の直径は実施例に記載の方法により測定する。
前記磁気分極中空粒子の飽和磁化は、特段の制限がないが、1.0T以上であることが好ましく、1.2T以上であることがより好ましく、1.5T以上であることが最も好ましい。当該飽和磁化が1.0T未満の場合、磁場等を印加したときの磁化が弱いため、前記中空粒子の少なくとも一部を相互に接触させて熱伝導率を上昇させることが困難になる傾向がある。なお、本明細書において、飽和磁化は実施例に記載の方法により測定する。
前記高分子材料中の前記磁気分極中空粒子の含有量は、体積分率で10vol%以上であることが好ましく、20vol%以上であることがより好ましい。また、前記高分子中の前記磁気分極中空粒子の含有量は、体積分率で50vol%以下であることが好ましく、40vol%以下であることがより好ましく、30vol%以下であることが最も好ましい。前記高分子材料における前記磁気分極中空粒子の体積分率が10vol%未満の場合は、磁場作用による磁気分極中空粒子同士の接触が起こりにくく、熱伝導率を変化させにくくなる傾向がある。前記高分子材料における前記磁気分極中空粒子の体積分率が50vol%を超えると、磁場作用が無い状態でも多くの磁気分極中空粒子が相互に接触しており、熱伝導率を変化させにくくなる傾向がある。
本実施形態に係る熱伝導率可変材料の製造方法の一例として、高分子材料に軟質ポリウレタン樹脂を用いた場合の製造方法を示す。当該製造方法は以下の工程を有する。
(1)軟質ポリウレタン樹脂原料と、磁気分極中空粒子とを計量、混合し、混合材料を調製する混合材料調整工程
(2)前記混合材料調製工程にて調製した混合材料を、金型等に注入し硬化させる硬化工程
(3)所望の寸法に成形する成形工程
前記軟質ポリウレタン樹脂原料は、ポリエーテルポリオール化合物及びイソシアネート成分を含む。必要に応じて、触媒、架橋剤、可塑剤、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を当該軟質ポリウレタン樹脂原料に用いても良い。また、高分子材料に軟質ポリウレタン樹脂を用いた場合のせん断弾性率は、例えば、NCO―INDEXや、触媒、架橋剤、可塑剤等の種類及び配合により調整することができる。
(熱制御装置)
本実施形態の熱制御装置は前記熱伝導率可変材料を用いる。より具体的には、本実施形態の熱制御装置は、高分子材料中に、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有する磁気分極中空粒子が分散している熱伝導率可変材料と、磁場印加手段とを有し、前記磁場印加手段により磁場を印加することによって前記磁気分極中空粒子の少なくとも一部が相互に接触し熱伝導率が上昇することを特徴とする。当該熱制御装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、前記熱伝導率可変材料を用いた熱制御装置1の構成を示す概略図である。前記熱制御装置1は、少なくとも前記熱伝導率可変材料11及び磁場印加手段12を有する。熱伝導率可変材料11は、熱制御対象物2の周囲を覆うように設けられている。
磁場印加手段12は、磁場を印加することによって、前記熱伝導率可変材料11に含まれる磁気分極中空粒子13に磁場作用を与える。磁場印加手段12は、前記磁気分極中空粒子13に磁場作用を与え、前記磁気分極中空粒子13の少なくとも一部を相互に接触させることができれば、公知一般の手法を用いることができる。磁場印加手段12の一例としては電磁石が挙げられる。電磁石は、容易に磁場強度を調節することができるため好ましい。
図2は、磁場印加手段12が前記磁気分極中空粒子13に磁場作用を与えることにより、前記磁気分極中空粒子13の少なくとも一部を相互に接触させた状態の一例を示す概略図である。図2に示すような前記磁気分極中空粒子13の少なくとも一部を相互に接触させた状態では、伝熱路が確保されるために熱伝導率が高くなる。また、磁場印加手段12によって印加される磁場の強度が弱い場合、又は磁場が印加されない場合は、図1に示すような前記磁気分極中空粒子13が相互に接触していない状態に戻る。本実施形態に係る熱制御装置は、前記構成により、熱制御対象物2の熱(例えば、表面温度や内部温度)を制御することができる。
なお、本実施形態では、磁気分極中空粒子を用い、磁場作用によって熱伝導率可変材料の熱伝導率を変化させた。しかしながら、他の実施形態では、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、電場作用により電気分極する性質を有する粒子を用い、電場作用によって熱伝導率可変材料の熱伝導率を変化させても良い。以下、電場作用により電気分極する性質を有する粒子を電気分極中空粒子と称する。当該電気分極中空粒子の例としては、誘電性(不導体、半導体)粒子、炭素粒子、金属粒子、合金粒子、金属間化合物粒子、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等のセラミック粒子、高導電性ポリマー粒子、誘電性ポリマー粒子等が挙げられ、当該電気分極中空粒子は1種又は2種以上を用いることができる。また、当該電気分極中空粒子は、磁気分極中空粒子と組み合わせて用いても良い。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(評価方法)
(平均粒子径)
島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200にて測定した。本明細書において平均粒子径は、水分散液の状態で、レーザ回折式粒度分布測定装置にて測定した粒度分布を体積基準で微粒側から積算した場合の50%粒子径(メディアン径D50)をいう。
(中空粒子の空隙の直径)
中空粒子の空隙の直径は、以下の式(1)〜(3)から、中空粒子の空隙率、空隙の体積を求め、これらの値から計算して求めた。なお、中空粒子の体積は、前記方法によって得られた平均粒子径を中空粒子の直径とし、当該直径から計算により求めた。
(1)殻成分の密度×(1−空隙率)=中空粒子の密度
(2)中空粒子の体積×空隙率=空隙の体積
(3)空隙の体積=(4π×(空隙の半径))/3
(飽和磁化)
各磁性粒子の磁気特性は、振動試料型磁力計(玉川製作所製:TM−VSM311483−HGC型)を用いて、常温(300K)にて、印加磁場30kOeの条件で磁気ヒステリシスループを測定し、得られた曲線より、飽和磁化を読み取ることで測定した。
(せん断弾性率)
せん断弾性率(kPa)は、JIS K−7312に準拠し、粘弾性測定装置MCR301(アントンパール社製)を用いて測定した。高分子材料の測定サンプルは、直径20mm、厚さ1mmであり、測定条件は、ひずみ制御方式で、温度25℃、周波数1Hz、せん断ひずみが0.001の測定値を記載した。測定サンプルに用いた高分子材料は、磁気分極中空粒子等の磁性粒子を加え無かったこと以外は後述の熱伝導率可変材料の製造と同様にして作製した。測定結果は16.5kPaだった。
(熱伝導率可変材料の評価)
熱伝導率可変材料の評価は、電磁石(玉川製作所製:TM−YS4型)と熱流計(江藤電気製:M55A,2300A)、ラバーヒーター(サミコン230,SBX3030K1S)を組み合わせた装置を用いて性能評価を行った。
1)熱伝導率
磁場印加前の熱伝導率は、熱伝導率可変材料の厚さ方向についてJISA 1412−2に従って熱流計法によって測定した。磁場印加時の熱伝導率は、熱伝導率可変材料の厚さ方向に前記電磁石によって700mTの磁場を印加した状態で、熱伝導率可変材料の厚さ方向についてJISA 1412−2に従って熱流計法によって測定した。
2)熱伝導率変化率
熱伝導率変化率は、磁場作用がない状態(磁場を印加していない状態)の熱伝導率可変材料の熱伝導率を100%とし、磁場作用を与える(磁場を印加する)ことによる熱伝導率の変化の度合いを表す。数値が大きい方がより大きく熱伝導率が変化したことを意味する。熱伝導率変化率は、以下の式により求めた。
熱伝導率変化率(%)=700mTの磁場を印加した状態の熱伝導率可変材料の熱伝導率/磁場作用がない状態の熱伝導率可変材料の熱伝導率×100
<磁気分極中空粒子Aの製造>
中空ガラスビーズ(Sphericel25P45:ポッターズバロティーニ株式会社製)を従来法によって鉄−コバルトメッキして、磁気分極中空粒子Aを得た。
<熱伝導率可変材料の製造>
ポリオール(N4567:日本ポリウレタン工業)に磁気分極中空粒子等の磁性粒子を加え良く混合し、プレポリマー(コロネート4028:日本ポリウレタン工業)を加え、ハイブリッドミキサーで混合したものを金型に注型して硬化させ、磁性粒子が分散したポリウレタンエラストマーからなる熱伝導率可変材料を得た。
<熱伝導率可変材料の構成>
(実施例1−1)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
磁気分極中空粒子A(密度2.5g/cm):27.8重量部(10体積%)
(実施例1−2)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
磁気分極中空粒子A(密度2.5g/cm):83.3重量部(25体積%)
(実施例1−3)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
磁気分極中空粒子A(密度2.5g/cm):134.6重量部(35体積%)
(実施例1−4)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
磁気分極中空粒子A(密度2.5g/cm):250重量部(50体積%)
(実施例2)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
中空鉄球(品名TEC−BALL JFEテクノリサーチ社製):30重量部(25体積%)
(実施例3)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
中空鉄球(品名TEC−BALL JFEテクノリサーチ社製):30重量部(25体積%)
(比較例1−1)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
カルボニル鉄粉(品名CI−CS BASF社製):260重量部(25体積%)
(比較例1−2)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
カルボニル鉄粉(品名CI−CS BASF社製):420重量部(35体積%)
(比較例1−3)
・ポリウレタンエラストマー:100重量部
・磁性粒子
カルボニル鉄粉(品名CI−CS BASF社製):780重量部(50体積%)
前記各熱伝導率可変材料の評価結果を表1に示す。
Figure 0006427314
表1に記載の結果から、本発明に係る熱伝導率可変材料は、磁場を印加することによって熱伝導率がより大きく変化することがわかる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前記の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことが可能である。
本発明に係る熱伝導率可変材料は、熱制御装置及び熱制御方法に使用することができ、例えば、自動車に搭載された充電池の温度を調節する熱制御装置及び熱制御方法に好適に利用することができる。
1 熱制御装置
11 熱伝導率可変材料
12 磁場印加手段
13 磁気分極中空粒子
2 熱制御対象物

Claims (4)

  1. 高分子材料中に、前記高分子材料よりも高い熱伝導率を有し、磁場作用により磁気分極する性質を有する中空粒子、及び/又は電場作用により電気分極する性質を有する中空粒子が分散しており、
    前記高分子材料は、せん断弾性率が0.1kPa以上200kPa以下であり、
    磁場及び/又は電場を印加することによって前記中空粒子の少なくとも一部が相互に接触し熱伝導率が上昇することを特徴とする、熱伝導率可変材料。
  2. 前記高分子材料がポリウレタンエラストマーである、請求項1に記載の熱伝導率可変材料。
  3. 請求項1又は2に記載の熱伝導率可変材料を用いた熱制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の熱伝導率可変材料を用いた熱制御方法。
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