以下、図面を参照して、本実施の形態の電池監視システムについて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態の電池監視システムの全体の概略構成について説明する。本実施の形態の電池監視システムの概略構成の一例を図1に示す。なお、本実施の形態では、具体的一例として、二次電池としてリチウムイオン電池が複数直列に接続された電池セル群12の電圧を監視する電池監視システム10について説明する。
電池監視システム10は、電池セル群12と、それぞれの電池セル群12の電圧を監視する電池監視IC20と、電池監視システム10全体の動作を制御する制御回路部14と、を備えている。
各々の電池セル群12は、具体的一例として、1個の電池電圧4.3Vのリチウムイオン二次電池セル(以下単に「電池セル」と表す)Eを10個(電池セルE1〜E10)、備えている。従って、本実施の形態では、電池セル群12の電圧のトータル電圧は43Vとなる。なお、電池セルを総称する場合は単に「電池セルE」と表し、個々を区別する場合は、個々を示す符号を付して表す。
図1では、一例として電池セル群12(121〜123)及び電池監視IC20(201〜203)がそれぞれ3段直列接続された電池監視システム10を示している。なお、電池セル群を総称する場合は単に「電池セル群12」と表し、個々を区別する場合は、個々を示す符号を付して表す。また、以下では、電池監視IC20等についても同様に、総称する場合は、個々を示す符号は付さずに表し、個々を区別する場合には、個々を示す符号を付して表す。
電池監視IC20は、それぞれ接続された電池セル群12の電圧を監視する機能を有している。詳細は後述するが、電池監視IC20は、上位(高電圧側)の電池監視IC20と通信を行うための通信BLK27、及び下位(低電圧側)の電池監視IC20と通信を行うための通信BLK28を備えている。なお、通信BLKを総称する場合は単に「通信BLK27」と表し、個々を区別する場合は、個々を示す符号を付して表す。
なお、最上位の電池監視IC203の通信BLK273には、制御回路部14が接続されており、制御回路部14との間で各種情報(信号)が送受信される。本実施の形態の制御回路部14の概略構成を図2に示す。
図2に示すように、制御回路部14は、MCU16、フォトカプラ部18、及び2チャンネルのアイソレータIC19を備えている。
MCU16は、電池監視システム10全体を制御する機能を有しており、一般的なマイコンにより構成されている。MCU16と電池監視IC203の通信BLK273とは、アイソレータIC19を介して接続されている。アイソレータIC19は、MCU16と電池監視IC203との間を電気的に絶縁しつつ、MCU16と電池監視IC203の通信BLK273との間で、電池セル群12の電池電圧の監視等に関する情報や信号(制御信号等、図2のDOUT1及びDIN1参照)を送受信するための機能を有する。
また、本実施の形態の電池監視システム10では、図2に示すように、MCU16と電池監視IC203のINT端子とがフォトカプラ部18を介して接続されている。フォトカプラ部18は、MCU16と電池監視IC203との間を電気的に絶縁しつつ、MCU16から出力されたレギュレータ(図4のレギュレータ30参照)起動信号INTを電池監視IC203に入力させるための機能を有する。フォトカプラ部18の一例を図3に示す。図3に示すように、本実施の形態のフォトカプラ部18は、一例として、フォトトランジスタPTr、及び赤外線発光ダイオードPDを備えている。赤外線発光ダイオードPDは、アノードが抵抗R53を介して電圧電位VDD(MCU16)に接続され、かつカソードが抵抗R54を介してMCU16に接続されている。フォトトランジスタPTrは、エミッタが電圧電位VSSに接続され、かつコレクタが抵抗R52を介して電圧電位VCCに接続されると共に電池監視IC203のINT端子に接続されている。フォトトランジスタPTrは、赤外線発光ダイオードPDの発光に応じて動作する。
なお、図1に示すように、最上位の電池監視IC203以外の電池監視IC20のINT端子は、抵抗R11を介して自身の電圧電位VCC(自電池セル群12の最上位の電圧V10と同様)に接続されている。
なお、フォトカプラ部18及びアイソレータIC19は、本実施の形態の構成に限らず、その他の構成であってもよいし、両機能を備えたIC(例えば、3チャンネルのフォトカプラ)等であってもよい。
また、図1に示すように、電池監視IC20のVDD0端子は、下位(直下)の電池監視IC20のVCC2端子に接続されており、上位の電池監視IC20から下位の電池監視IC20の電圧電位VCC2が供給される。また、電池監視IC20のVSS端子は、下位(直下)の電池監視IC20のVCC1端子に接続されており、上位の電池監視IC20の電圧電位VSS(上位の電池セル群12の最下位の電圧)が下位の電池監視IC20の電圧電位VCC1として供給される。
次に、本実施の形態の電池監視IC20の詳細について説明する。図4に、本実施の形態の電池監視IC20の一例の概略構成図を示す。
本実施の形態の電池監視IC20は、低電圧領域22、低電圧領域23、及び高電圧領域24の3つの領域により構成されている。本実施の形態では具体的一例として、低電圧領域22及び低電圧領域23の電圧を5V、高電圧領域24の電圧を43Vとしている。
電池監視IC20は、電池セル群12の最高電位側から電源電圧となる電圧電位VCCが供給される。また、電池セル群12の最低電位側から電圧電位VSSが供給される。本実施の形態の電池セル群12では、1個が4.3Vのリチウムイオン二次電池Eが10個直列に接続されているため、電圧電位VCCは、以下の(1)式で表される。なお、電圧電位VSSは、以下の(2)式で表される。
VCC=(4.3V×10個)×段数 ・・・(1)
VSS=(4.3V×10個)×(段数−1) ・・・(2)
電池監視IC20が最上位(3段目)の場合、(1)式より、VCC=(4.3×10)×3=129Vとなる。また、(2)式より、VSS=(4.3×10)×(3−1)=86Vとなる。最上位の電池監視IC20は、上述したように制御回路部14のMCU16と接続されているが、一般的に、MCU16の電源電圧電位は5V、接地電圧電位は0Vであるため、フォトカプラ部18及びアイソレータIC19を介している。
また、本実施の形態の電池監視IC20は、セル選択SW(スイッチ)26、通信BLK27、通信BLK28、レギュレータ30、レベルシフタ32、レベルシフタアンプ34、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)36、レベルシフタ38、及び起動回路40を備えている。
レギュレータ30は、高電圧領域24に設けられている。レギュレータ30は、電池セル群12から供給される高電圧の電圧電位VCCから、電圧電位VDDを生成し、低電圧領域22に供給する機能を有している。電圧電位VDDは、低電圧領域22に設けられた回路等の駆動電圧となる。本実施の形態の電池監視IC20の起動の際は、まずレギュレータ30が起動してレギュレータが電圧電位VDDを生成する。従って、レギュレータ30の起動方法が、電池監視IC20の起動方法となっている。また、レギュレータ30が動作を停止すると、電圧電位VDDが低電圧領域22に供給されなくなるため、低電圧領域22に設けられた通信BLK28等の回路も動作を停止する。本実施の形態のレギュレータ30では、一例として、レギュレータ起動信号(パワーアップ信号)のレベルがLレベルで起動し、駆動状態となる。また、レギュレータ30は、レギュレータ起動信号(パワーアップ信号)のレベルがHレベルになると駆動を停止する。
通信BLK27は、低電圧領域23に備えられており、上位(直上)の電池監視IC20、またはMCU16(最上位の電池監視IC20の場合)から信号DIN1が入力されると共に信号DOUT1を出力する機能を有している。また、レベルシフタ37を介してロジック回路29と各種信号(命令)の授受が行われる。
通信BLK28は、低電圧領域22に設けられており、下位(直下)の電池監視IC20から信号DIN2が入力されると共に信号DOUT2を出力する機能を有している。また、ロジック回路29と各種信号(命令)の授受が行われる。
セル選択SW26は、電池セル群12の各電池セルEに対応した複数のスイッチング素子を備えており、スイッチング素子のオン・オフが制御されることにより、電池セル群12から電池セルEを選択すると共に、電池セルEの電圧を均等化する機能を有している。セル選択SW26により選択された電池セルEの高電位側の電圧値、及び低電位側の電圧値は、レベルシフタアンプ34及びADC36を介してロジック回路29に出力される。また、セル選択SW26には、レベルシフタ38を介してロジック回路29から各種信号(命令)が入力される。電池セル群12の電池電圧は、セル選択SW26及びロジック回路29により監視される。
起動回路40は、レギュレータ30の起動を制御するレギュレータ起動信号となるパワーアップ信号を出力する機能を有している。本実施の形態の起動回路40の一例の回路図を図5に示す。
図5に示すように、起動回路40は、起動回路40A、起動回路40B、OR回路42、RS回路44、及びインバータINV1を備えている。
起動回路40Aは、最上位電池監視IC203において、制御回路部14のMCU16から入力された起動信号INVに応じて、レギュレータ30を起動させるためのパワーアップ信号(Lレベル)を生成するための内部信号を出力する機能を有している。起動回路40Aは、電源端子が電圧電位VCC及び電圧電位VSSに接続され、起動信号INTが入力信号となる、インバータにより構成されている。
起動回路40Bは、最上位電池監視IC203以外の電池監視IC20(下位の電池監視IC20)において、上位の電池監視IC20から供給される電圧電位VCC2及び電圧電位VCC1と、電圧電位VCCに応じて、レギュレータ30を起動させるためのパワーアップ信号(Lレベル)を生成するための内部信号を出力する機能を有している。なお、本実施の形態では、当該内部信号がHレベルの場合に、パワーアップ信号がLレベルになる。
起動回路40Bは、電圧電位VCC2と電圧電位VCC1とを比較した比較結果、及び電圧電位VCC2と電圧電位VCCとを比較した比較結果に基づいて、内部信号を生成する。起動回路40Bの一例を図6に示す。図6(1)に示した起動回路40Bは、起動回路40Bの上位概念となる一例であり、(2)及び(3)はその他の具体的例である。
図6(1)に示した起動回路40Bは、比較回路50A、比較回路52A、及びAND回路を備えている。比較回路50Aは、電圧電位VCC2と、電圧電位VCC1とを比較し、VCC2>VCC1の場合に、Hレベルの信号を出力する。一方、比較回路52Aは、電圧電位VCC2と、電圧電位VCCとを比較し、VCC2>VCCの場合に、Hレベルの信号を出力する。従って、起動回路40Bからは、VCC2>VCC1、かつVCC2>VCCの場合に、Hレベルの内部信号が出力される。なお、起動回路40Bの安定動作のためには、VCC2>VCC1+A、かつVCC2>VCC+A(A:オフセット電圧)とすることが好ましい。さらに、オフセット電圧Aとしては、例えば、1V〜VDD/2とすることが好ましい。
図6(2)に示した起動回路40Bは、比較回路(コンパレータ)50B、比較回路(コンパレータ)52B、及びAND回路を備えている。比較回路50Bは、電源端子に電圧電位VCC2と電圧電位VSSとが接続されており、電圧電位VCC2と、電圧電位VCC1とを比較し、VCC2>VCC1の場合に、Hレベルの信号を出力する。一方、比較回路52Bは、電源端子に電圧電位VCC2と電圧電位VSSとが接続されており、電圧電位VCC2と、電圧電位VCCとを比較し、VCC2>VCCの場合に、Hレベルの信号を出力する。従って、起動回路40Bからは、VCC2>VCC1、かつVCC2>VCCの場合に、Hレベルの内部信号が出力される。なお、起動回路40Bの安定動作のためには、VCC2>VCC1+A、かつVCC2>VCC+A(A:オフセット電圧)とするオフセット電圧を比較回路50B及び比較回路52Bに持たせることが好ましい。さらに、オフセット電圧Aとしては、例えば、200mV〜VDD/2とすることが好ましい。
図6(3)に示した起動回路40Bは、PMOSトランジスタHVP1、PMOSトランジスタHVP2、及びアンプ54を備えている。PMOSトランジスタHVP1とPMOSトランジスタHVP2とは直列に接続されており、PMOSトランジスタHVP1の他端は、電圧電位VCC2に接続されており、PMOSトランジスタHVP2の他端は、抵抗を介して電圧電位VSSに接続されている。また、PMOSトランジスタHVP1のゲートには電圧電位VCC1が接続されており、PMOSトランジスタHVP2のゲートには電圧電位VCCが接続されている。従って、(VCC2−VCC1)≧HVP1(PMOSトランジスタHVP1がオン状態となる閾値電圧)、かつ(VCC2−VCC)≧HVP2(PMOSトランジスタHVP2がオン状態となる閾値電圧)の場合に、Hレベルの内部信号が出力される。
起動回路40Bの構成については特に限定されないが、図6(3)に示したように構成することにより、他の場合に比べて、素子数を少なく構成することができるため、チップの面積縮小や、低消費電流化することができるため好ましい。
起動回路40Aから出力された内部信号と、起動回路40Bから出力された内部信号とはOR回路42に入力され、OR回路42からは、両内部信号に応じた論理値を示す内部信号INT0がRS回路44に出力される。
RS(リセット)回路44のセット側には、内部信号INT0が入力される。また、リセット側には、レギュレータ30の停止を制御するためのパワーダウン信号が入力される。RS回路44の出力は、インバータINV1を介してパワーアップ信号(レギュレータ駆動信号)としてレギュレータ30に入力される。
次に、本実施の形態の電池監視システム10における、省電力モードへの移行、及び省電力モードからの復帰動作について説明する。本実施の形態では、車両に用いる電池セル群12の電池電圧の監視用の電池監視システム10とした場合、上述したように、駐車しておりエンジンをかけていない状態の場合では、過充電状態や過放電状態等の異常な状態に陥らないように電池セルの電圧を監視する必要がない。電池監視システム10では、このような場合に省電力化するため、各電池監視IC20内の電源電圧となる電圧電位VCCで動作する回路(例えば、セル選択SW26)等において、電圧電位VCCが印加されているが機能や、動作を停止させる、いわゆる省電力モード(スリープモード)に移行する。
本実施の形態では、省電力モードへの移行、及び省電力モードからの復帰は、制御回路部14のMCU16が、エンジンの駆動状態を監視し、当該駆動状態に基づいて移行、または復帰を電池監視システム10(電池監視IC20)に対して命令する。
まず、本実施の形態の電池監視システム10における省電力モードへの移行の流れについて説明する。図7に、電池監視システム10における省電力モードへ移行する際の流れの一例のフローチャートを示す。まず、MCU16がエンジンの駆動停止を検知すると、図7に示した省電力モードへの移行がスタートする。
図7に示すようにまず、MCU16から最上位の電池監視IC203の通信BLK27へ、省電力モードへの移行命令が出力される(ステップ100)。これを受けて最上位の電池監視IC203では、通信BLK27からロジック回路29に移行命令が入力され、ロジック回路29からレベルシフタ32に当該移行命令が出力される(ステップS102)。さらにレベルシフタ32では、高電圧領域24の電圧レベル(高電圧:43V)に変換する(ステップ104)。これにより、パワーダウン信号がLレベルからHレベルに遷移する(ステップ106)。パワーダウン信号がHレベルに遷移すると、起動回路40のRS回路44がリセットされる。RS回路44からはLレベルの内部信号がインバータINV1に出力されるため、起動回路40からは、Hレベルのパワーアップ信号が出力される(ステップ108)。パワーアップ信号がHレベルになると、電池監視IC203のレギュレータ30は駆動を停止する。
レギュレータ30が停止すると、レギュレータ30の出力である電圧電位VDDが電圧電位VSSに落ちる。なお、この状態では、通信BLK27、通信BLK28、及びロジック回路29等も停止状態となるため、MCU16との間、及び下位(直下)の電池監視IC202との間で通信ができなくなる。
一方、電池監視IC203では、MCU16から省電力モードへの移行命令を受け付けると、下位(直下)の電池監視IC202に通信BLK28を介して当該移行命令を伝達する(ステップ150)。当該移行命令を伝達された下位の電池監視IC202では、上述と同様にして、レギュレータ30を停止させる(ステップ159)。なお、移行命令は同様にして下位の電池監視IC20に伝達されていき、最下位の電池監視IC20のレギュレータ30が停止すると、省電力モードへの移行が完了する。
このように本実施の形態の電池監視システム10では、省電力モードでは、全ての電池監視IC20のレギュレータ30を完全に停止させて、レギュレータ出力である低電圧領域22及び低電圧領域23の電圧電位VDDを電圧電位VSSの電位に落とすことができる。これにより、各電池監視IC20における省電力モード中の消費電流は、回路に用いられているトランジスタのオフ・リークだけにすることができ、従って、省電力モード中の静止電流(Iccs)を大きく低減させることができる。
次に、本実施の形態の電池監視システム10における省電力モードからの復帰の流れについて説明する。図8に、電池監視システム10における省電力モードから復帰する際の流れの一例のフローチャートを示す。また、最上位の電池監視IC203の起動におけるタイミングチャートを図9に示す。さらに、最上位以外の電池監視IC20の起動におけるタイミングチャートを図10に示す。また、以下では、具体的一例として起動回路40が図6(3)に示した起動回路40Bを備えている場合について説明する。
MCU16がエンジンの駆動を検知すると、図8に示した省電力モードからの復帰がスタートする。なお、本実施の形態の電池監視システム10では、以下に詳細を説明するように、まず最上位の電池監視IC203のレギュレータ30が起動し、その後、順次下位の電池監視IC20のレギュレータ30が起動する。
図8に示すようにまず、MCU16から最上位の電池監視IC203へ、省電力モードから復帰し、レギュレータ30を起動させるための命令となる起動信号INT(Hレベル(電圧電位VCC)からLレベル(電圧電位VSS)へ遷移する信号)が出力される(ステップ200)。なお、本実施の形態の電池監視システム10では一例として、起動信号INTがLレベルの場合に、電池監視IC20(レギュレータ30)が起動状態になるように設計されている。
これを受けて電池監視IC203の起動回路40(起動回路40A)にLレベルの起動信号INTが入力される(ステップ202)。これにより、起動回路40AからはHレベルの内部信号がOR回路42に出力される。OR回路42は、起動回路40AからのHレベルの信号に応じて、Hレベルの内部信号INT0をRS回路44に出力する。RS回路44のリセット側に入力されるパワーダウン信号がLレベルであるため、RS回路44からは、Hレベルの内部信号がインバータINV1に出力される。従って、起動回路40からLレベルのパワーアップ信号(レギュレータ起動信号)が出力される(ステップ204)。
パワーアップ信号がLレベルになると、電池監視IC203のレギュレータ30が起動して駆動状態となり、電圧電位VDDを生成する(ステップ206)。生成される電圧電位VDDの電位は図9に示すように、徐々に上昇していく。生成された電圧電位VDDが供給されることにより、低電圧領域22及び低電圧領域23の各回路が起動し、電池監視IC203が駆動状態になる。
レギュレータ30が起動すると、低電圧領域22に設けられているVDD0端子から、電圧電位VDD0が、下位(直下)の電池監視IC202に入力される(ステップ208)。
この際、電池監視IC202では、上記(1)式及び(2)式より、VCC=(4.3V×10個)×2=86V、VSS=(4.3V×10個)×(2−1)=43Vとなる。また、電圧電位VCC1=上位の電池監視IC203の電圧電位VSS=86Vとなる。さらに、電圧電位VCC2=上位の電池監視IC203の電圧電位VDD0=電池監視IC203の電圧電位VSS+5V=86V+5V=91Vとなる。上述したように、電池監視IC203では、レギュレータの立ち上がりに応じて徐々に電圧電位VDDが上昇するため、図10に示すように、当該上昇に応じて電池監視IC202の電圧電位VCC2も徐々に上昇する。
ここで、起動回路40の起動回路40Bにおいて、VCC2−VCC1<HVP1及びVCC2−VCC<HVP2の少なくとも一方を満たすうちは、起動回路40Bから出力される信号のレベルはLレベルのまま変化しない(ステップ210でN)。電圧電位VCC2の上昇により、VCC2−VCC1≧HVP1、かつVCC2−VCC≧HVP2を満たすと(ステップS210でY)、起動回路40BのPMOSトランジスタHVP1及びPMOSトランジスタHVP2がオン状態になる。これにより、起動回路40BからOR回路42へHレベルの内部信号が出力される(ステップ212)。当該Hレベルの内部信号に応じて、OR回路42からは、Hレベルの内部信号INT0が出力される。なお、電池監視IC202のINT端子は、保護用の抵抗R11を介して電圧電位VCCに接続されているため、起動回路40Aには、起動信号INTとして、電圧電位VCCが入力される。従って、OR回路42では、常に起動回路40AからLレベルの内部信号が入力された状態になる。このように本実施の形態の電池監視IC20では、最上位以外の電池監視IC20においては、起動回路40の起動回路40Aに電圧電位がVCCの起動信号INTを入力させているため、起動回路40Aの出力が不定になることを抑制することができる。
RS回路44のリセット側に入力されるパワーダウン信号がLレベルであるため、RS回路44からは、Hレベルの内部信号がインバータINV1に出力される。従って、起動回路40からLレベルのパワーアップ信号(レギュレータ起動信号)が出力される(ステップ214)。
パワーアップ信号がLレベルになると、電池監視IC202のレギュレータ30が起動して駆動状態となり、電圧電位VDDを生成する(ステップ216)。生成される電圧電位VDDの電位は図10に示すように、上述した上位の電池監視IC203の電圧電位VDDと同様に、徐々に上昇していく。生成された電圧電位VDDが供給されることにより、低電圧領域22及び低電圧領域23の各回路が起動し、電池監視IC202が駆動状態になる。
さらに、レギュレータ30が起動(電池監視IC20も起動)すると、VDD0端子から、電圧電位VDD0が、下位(直下)の電池監視IC202に入力される(ステップ218)。以降、同様にして、電圧電位VDDの上昇に応じて、電圧電位VCC2が上昇し、ステップ210の関係を満たすと、Lレベルのパワーアップ信号が出力されてレギュレータ30が起動(電池監視IC20も起動)する処理を、最下位の電池監視IC20まで行い、最下位の電池監視IC20のレギュレータ30(電池監視IC20)が起動する(ステップ299)と、省電力モードからの復帰が完了する。
本実施の形態では、省電力モードから復帰する際は、制御回路部14のMCU16からレギュレータ30を起動させるためのLレベルの起動信号INTが最上位の電池監視IC203の起動回路40に入力される。起動回路40の起動回路40Aでは、起動信号INTに応じてHレベルの信号をOR回路42に出力し、起動回路40からはLレベルのパワーアップ信号が出力される。これによりレギュレータ30が起動し、電池監視IC203が起動する。レギュレータ30の起動による電圧電位VDDの電位の上昇に伴い、下位の電池監視IC20の起動回路40では、電圧電位VCC2が上昇し、VCC2−VCC1≧HVP1、かつVCC2−VCC≧HVP2を満たすと、起動回路40BからHレベルの内部信号がOR回路42に出力される。これにより、これによりレギュレータ30が起動し、電池監視IC20が起動する。このようにして、電池監視システム10の全ての電池監視IC20を起動させることができる。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、まず、省電力モードから復帰する際に、最上位の電池監視IC203を起動させ、その後、順次下位の電池監視IC20を起動させる場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、まず、最下位の電池監視IC201を起動させ、その後、順次上位の電池監視IC20を起動させる場合について説明する。
なお、本実施の形態の電池監視システム10及び電池監視IC20の構成及び動作は、第1の実施の形態と略同様の構成及び動作を含むため、同一部分についてはその旨を記し、詳細な説明を省略する。
まず、本実施の形態の電池監視システムの全体の概略構成について説明する。本実施の形態の電池監視システムの概略構成の一例を図11に示す。本実施の形態の電池監視システム10では、第1の実施の形態と異なり、最下位の電池監視IC20に制御回路部14が接続されている。具体的には、最上位の電池監視IC201の通信BLK281には、制御回路部14が接続されており、制御回路部14との間で各種情報(信号)が送受信される。なお、本実施の形態の制御回路部14は、MCU16及びフォトカプラ部18を備えている。最下位の電池監視IC201の低電圧領域22は、電圧電位VSSは0V、電圧電位VDDは5Vであるため、MCU16の電源系の電圧電位と一致している。そのため、本実施の形態では第1の実施の形態と異なり、フォトカプラやアイソレータIC等を介さずに、直接MCU16と通信BLK281とを接続することができる。
また、本実施の形態の電池監視システム10では、第1の実施の形態と同様に、MCU16と電池監視IC201のINT端子とがフォトカプラ部18を介して接続されている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態で述べたVCC1端子及びVCC端子に加えて、VCC3端子が設けられている。VCC3端子は、下位(直下)の電池監視IC20のVCCUP端子に接続されており、下位の電池監視IC20の昇圧回路62の出力電圧VCCUPが、電圧電位VCC3として供給される。
次に、本実施の形態の電池監視IC20の詳細について説明する。図12に、本実施の形態の電池監視IC20の一例の概略構成図を示す。第1の実施の形態の起動回路40に替えて起動回路60が備えられており、さらに、昇圧回路62が備えられている。なお、本実施の形態のレギュレータ30は第1の実施の形態と同様に一例として、レギュレータ起動信号(パワーアップ信号)のレベルがLレベルで起動し、駆動状態となる。また、レギュレータ30は、レギュレータ起動信号(パワーアップ信号)のレベルがHレベルになると駆動を停止する。
昇圧回路62は、電圧電位VCCに、レギュレータ30の出力電圧電位VDDを加算した電圧VCCUPを生成して出力する機能を有している。昇圧回路62の具体的構成は、特に限定されず、一般的なものを使用すればよい。なお、一般的に電池監視IC20は、セル電圧測定機能を実現するために昇圧回路を設ける場合がある。当該昇圧回路を本発明の昇圧回路62として併用することにより、新たな回路(昇圧回路)を設ける必要がなくなる。
起動回路60は、レギュレータ30の起動を制御するレギュレータ起動信号となるパワーアップ信号を出力する機能を有している。本実施の形態の起動回路60の一例の回路図を図13に示す。
図13に示すように、本実施の形態の起動回路60は、第1の実施の形態の起動回路40の起動回路40Bに替えて起動回路40Cを備えている。起動回路40Cは、電圧電位VCC3(下位の電池監視IC20の昇圧回路62の出力VCCUP)と、基準電圧電位VREFとを比較して、VCC3>VREFを満たす場合に、Hレベルの内部信号をOR回路42へ出力する機能を有している。なお、基準電圧電位VREFは、電圧電位VCC3=下位の電池監視IC20の昇圧回路62の出力VCCUP=下位の電池監視IC20の電圧電位VCC+電圧電位VDDであるため、VDD/2とすることが好ましい。
起動回路40Cの一例を図14に示す。図14に示した起動回路40Cは、比較回路(コンパレータ)50C、及び分圧回路56を備えている。分圧回路56
は、抵抗R1と抵抗R2とにより、VCC−VSSを分圧して、基準電圧電位VREFを生成する。上述したように、基準電圧電位はVDD/2程度の電位とすることが好ましい。具体的一例として、VCC=43V、VSS=0Vの場合、R1:R2=81:5の比になるように、抵抗R1及び抵抗R2を選択すると、
VREF=VCC×R2/(R1+R2)=43V×25/(405+25)=2.5Vとなり、2.5Vの基準電圧電位VREFを生成することができる。
比較回路50Cは、電源端子に電圧電位VCCと電圧電位VSSとが接続されており、電圧電位VCC3と、基準電圧電位VREFとを比較し、VCC3>VREFの場合に、Hレベルの信号を出力する。なお、この場合、比較回路50Cは、オフセットが無い方が好ましい。
本実施の形態では、第1の実施の形態の起動回路40Bと同様に、起動回路40CからHレベルの内部信号がOR回路42に出力されると、起動回路40からは、Lレベルのパワーアップ信号(レギュレータ起動信号)が出力される。
次に、本実施の形態の電池監視システム10における、省電力モードからの復帰動作について説明する。なお、省電力モードへの移行については、第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図15に、電池監視システム10における省電力モードから復帰する際の流れの一例のフローチャートを示す。また、最下位の電池監視IC201の起動におけるタイミングチャートを図16に示す。さらに、最下位以外の電池監視IC20の起動におけるタイミングチャートを図17に示す。
MCU16がエンジンの駆動を検知すると、図15に示した省電力モードからの復帰がスタートする。まず、MCU16から最下位の電池監視IC201の通信BLK28へ、省電力モードから復帰し、レギュレータ30を起動させるための命令となる起動信号INT(HレベルからLレベルへ遷移する信号)が出力される(ステップ300)。
これを受けて電池監視IC201の起動回路60(起動回路40A)にLレベルの起動信号INTが入力され(ステップ302)、Hレベルの内部信号がOR回路42に出力される。OR回路42は、Hレベルの内部信号INT0をRS回路44に出力する。パワーダウン信号がLレベルであるため、RS回路44からは、Hレベルの内部信号がインバータINV1に出力される。従って、起動回路60からLレベルのパワーアップ信号(レギュレータ起動信号)が出力される(ステップ304)。
パワーアップ信号がLレベルになると、電池監視IC201のレギュレータ30が起動して駆動状態となり、電圧電位VDDを生成する(ステップ306)。生成される電圧電位VDDの電位は図16に示すように、徐々に上昇していく。生成された電圧電位VDDが供給されることにより、低電圧領域22及び低電圧領域23の各回路が起動し、電池監視IC201が駆動状態になる。
また、電圧電位VDDの上昇に伴い、昇圧回路62で生成されるVCC+VDD=VCCUPの電位も徐々に上昇する(ステップ307)。
昇圧回路の出力VCCUPは、上位(直上)の電池監視IC202の電圧電位VCC3として入力される(ステップ308)。
ここで、起動回路60の起動回路40Cにおいて、VCC3≦VREFP1であるうちは、起動回路40Cから出力される信号のレベルはLレベルのまま変化しない(ステップ310でN)。電圧電位VCCUPの上昇により、VCC3>VREFを満たすと(ステップS310でY)、起動回路40CからOR回路42へHレベルの内部信号が出力される(ステップ312)。当該Hレベルの内部信号に応じて、OR回路42からは、Hレベルの内部信号INT0が出力される。パワーダウン信号がLレベルであるため、RS回路44からは、Hレベルの内部信号がインバータINV1に出力される。従って、起動回路60からLレベルのパワーアップ信号(レギュレータ起動信号)が出力される(ステップ314)。
パワーアップ信号がLレベルになると、電池監視IC202のレギュレータ30が起動して駆動状態となり、電圧電位VDDを生成する(ステップ316)。生成される電圧電位VDDの電位は図17に示すように、上述した下位の電池監視IC201の電圧電位VDDと同様に、徐々に上昇していく。生成された電圧電位VDDが供給されることにより、低電圧領域22及び低電圧領域23の各回路が起動し、電池監視IC202が駆動状態になる。
さらに、レギュレータ30が起動(電池監視IC20も起動)すると、昇圧回路62の出力VCCUPが、上位(直上)の電池監視IC20の電圧電位VCC3として入力される(ステップ318)。以降、同様にして、電圧電位VDDの上昇に応じて、昇圧回路62の出力VCCUP(電圧電位VCC3)が上昇し、ステップ310の関係を満たすと、Lレベルのパワーアップ信号が出力されてレギュレータ30が起動(電池監視IC20も起動)する処理を、最上位の電池監視IC20まで行い、最上位の電池監視IC20のレギュレータ30(電池監視IC20)が起動する(ステップ399)と、省電力モードからの復帰が完了する。
本実施の形態では、省電力モードから復帰する際は、制御回路部14のMCU16からレギュレータ30を起動させるためのLレベルの起動信号INTが最下位の電池監視IC201の起動回路60に入力される。起動回路60の起動回路40Cでは、起動信号INTに応じてHレベルの信号をOR回路42に出力し、起動回路40からはLレベルのパワーアップ信号が出力される。これによりレギュレータ30が起動し、電池監視IC201が起動する。レギュレータ30の起動による電圧電位VDDの電位の上昇に伴い、昇圧回路62の出力電圧VCCUP=VCC+VDD=上位の電池監視IC20の電圧電位VCC3が上昇し、VCC3>VREFを満たすと、起動回路40CからHレベルの内部信号がOR回路42に出力される。これにより、これによりレギュレータ30が起動し、電池監視IC20が起動する。このようにして、電池監視システム10の全ての電池監視IC20を起動させることができる。
以上説明したように、上述の実施の形態の電池監視システム10の電池監視IC20では、レギュレータ30の起動を制御する起動回路(起動回路40、60)を備えている。起動回路40及び起動回路60は、制御回路部14のMCU16から入力される起動信号INTに応じて、レギュレータ30を起動させるためのLレベルのパワーアップ信号を出力させるための起動回路40Aを備えている。また、起動回路40及び起動回路60は、下位または上位(先に起動した方)の電池監視IC20のレギュレータ30で生成された電圧電位VDDに応じて、レギュレータ30を起動させるためのLレベルのパワーアップ信号を出力させるための起動回路40Bまたは起動回路40Cを備えている。これにより、上述したように省電力モードから復帰する場合は、MCU16から1つの電池監視IC20に起動信号INTを入力させるだけで、全ての電池監視IC20(レギュレータ30)を順次、起動させることができる。
従って上述の実施の形態の電池監視システム10では、省電力モードでは、全ての電池監視IC20のレギュレータ30を完全に停止させて、レギュレータ出力である低電圧領域22及び低電圧領域23の電圧電位VDDを電圧電位VSSの電位に落とすことができる。これにより、各電池監視IC20における省電力モード中の消費電流は、回路に用いられているトランジスタのオフ・リークだけにすることができ、従って、省電力モード中の静止電流(Iccs)を大きく低減させることができる。
なお、MCU16から各電池監視IC20に命令を伝達するように構成した場合、当該命令を伝達するための信号線等が別途必要になると共に、各電池監視IC20との間にフォトカプラなどを設けなければいけないため、構成が複雑になり、コストアップにつながるという問題が生じる場合がある。これに対して上述の実施の形態の電池監視システム10では、MCU16からは、最上位の電池監視IC20にのみ命令を伝達するように構成しているため、簡易な構成とすることができ、コストアップを抑制することができる。
なお、上述の実施の形態では、最上位の電池監視IC20にMCU16から起動信号INTを入力させる場合、及び最下位の電池監視IC20にMCU16から起動信号INTを入力させる場合について説明したがこれに限らない。例えば、最上位及び最下位以外の中間の電池監視IC20にMCU16から起動信号INTを入力させるようにしてもよい。この場合の電池監視システム10の一例の概略構成を図18に示す。なお、この場合、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の特徴をあわせもつ。さらに、これらを組み合わせて用いてもよい。いずれの電池監視システム10にMCU16から起動信号INTを入力させるかは特に限定されない。最上位の電池監視IC20から起動させることが好ましいが、その他の場合は以下のような特徴を持つため、電池監視システム10の仕様等により、設計すればよい。
最下位の電池監視IC20から起動させる場合、MCU16と接続するためのアイソレータやフォトカプラ等の外付けの部品が不要となる。一方、電池監視IC20内の昇圧回路を利用できない場合は、VCCUPを生成するための昇圧回路62を必要とする場合がある。また、レギュレータ30を起動させた後、昇圧回路62を起動させVCCUPを生成した後、上位(次)の電池監視IC20のレギュレータ30を起動させ、さらに昇圧回路62を起動させることになる。このように、電池監視IC20のレギュレータ30を起動させる工程の間に、昇圧回路62を起動させる工程が挿入されることになるため、電池監視システム10全体の起動完了までに時間がかかる。また、起動回路40の起動回路40Cの分圧回路56において省電力モード中にDC電流(静止電流)が流れる懸念がある。なお、当該静止電流は、動作中のレギュレータ30、または省電力モードのレギュレータ30の動作電流やDC電流より、十分に小さくすることは可能である。また、起動回路40Cの構成が、起動回路40Bに比べて複雑になる。
一方、中間の電池監視IC20から起動させる場合、上述した両者の特徴を兼ね備えなければならない。そのため、構成の複雑化や、チップの面積が大きくなる等の懸念がある。
また、上述の実施の形態では、起動回路40が起動回路40A及び起動回路40Bを備える場合と、起動回路60が起動回路40A及び起動回路40Cを備える場合と、を説明したがこれに限らず、いずれか一方のみを備えるようにしてもよい。例えば、第1の実施の形態のように最上位の電池監視IC20から起動させる場合は、最上位の電池監視IC20の起動回路40は、起動回路40Aのみを備え、その他の電池監視IC20の起動回路40は起動回路40Bのみを備えるようにしてもよい。また同様に、第2の実施の形態のように最下位の電池監視IC20から起動させる場合は、最下位の電池監視IC20の起動回路60は、起動回路40Aのみを備え、その他の電池監視IC20の起動回路60は起動回路40Cのみを備えるようにしてもよい。なお、上述の実施の形態のように、両者を備えた起動回路(40、60)とすることにより、起動回路(40、60)の作り分けによるコストの増加を防止することができる。
なお、上述の実施の形態では、一例として、パワーアップ信号がLレベルの場合に起動する(駆動状態となる)レギュレータ30について説明したが、パワーアップ信号がHレベルの場合に起動する(駆動状態となる)レギュレータ30を用いてもよい。この場合、起動回路(40、60)を、インバータINV1に替わり、バッファを備えるように構成すればよい。
また、上述の実施の形態では、起動回路40、60がレギュレータ30を起動させる場合について説明したがこれに限らず、レギュレータ30以外の回路等についてもレギュレータ30と共に起動させてもよい。
また、電池セルEは、リチウムイオン二次電池に限らず他の電池であってもよい。なお、リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較して、高エネルギー密度(高出力密度)が得られ、1電池セル当たりの電池電圧が高く、充放電エネルギー効率が高く、さらにメモリー効果がない等の特徴を有している。そのため、ハイブリッド車やモータ駆動機器等の分野において用いることが好ましい。
また、上述の実施の形態で説明した電池監視システム10、制御回路部14、電池監視IC20、起動回路40、及び起動回路60等の構成、各動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。