JP6425614B2 - 廃棄物装入方法及び廃棄物装入装置 - Google Patents
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Description
a)廃棄物溶融炉内における廃棄物の偏積が抑制されたとしても、炉内ガスは廃棄物溶融炉内の周辺部(側壁の近傍部)に偏って流れる傾向がある。
b)炉内ガスが廃棄物溶融炉内の周辺部に偏って流れることにより、廃棄物溶融炉内の周辺部における廃棄物の熱分解及び減容が部分的に促進され、廃棄物溶融炉内の周辺部において部分的な空洞が生じる場合がある。
c)廃棄物溶融炉内の部分的な空洞は炉内ガスの流路を形成する場合があり、その場合、空洞以外の部分に炉内ガスが流れ難くなる可能性がある。
これらの現象は、廃棄物溶融炉内のガス流れを偏流化するため、廃棄物の熱分解及び減容を部分的に停滞させる要因となる。これに対し、本廃棄物装入方法では、上記第一状態及び第二状態における廃棄物の装入を交互に実行するので、側壁の中心に対して第一方向及び第二方向に偏った位置に廃棄物が落下する。このため、側壁の中心に廃棄物を落下させる場合に比べて、廃棄物溶融炉内の周辺部における廃棄物の堆積高さが高くなり、廃棄物溶融炉内の周辺部における通気抵抗が高まる。これにより、上記現象の発生が抑制されるので、廃棄物の熱分解及び減容の部分的な停滞が抑制され、廃棄物溶融炉内全域における廃棄物の溶融処理が安定的に進行する。従って、廃棄物溶融炉の操業安定性を向上させることができる。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
続いて、廃棄物装入方法の一例として、廃棄物装入装置1による廃棄物装入手順について説明する。以下の説明において、「通常目標角度」とは、案内板72の回転角度の目標値のうち、目標角度設定部111により設定されるものを意味する。「指定目標角度」とは、案内板72の回転角度の目標値のうち、オペレータにより入力部212に入力されるものを意味する。第一角度θ1とは、側壁3の中心軸線CL1に対して第一方向D1に偏った位置(以下、単に「第一方向D1に偏った位置」という。)に廃棄物を落下させるように予め設定された案内板72の回転角度を意味する。第二角度θ2とは、側壁3の中心軸線CL1に対して第二方向D2に偏った位置(以下、単に「第二方向D2に偏った位置」という。)に廃棄物を落下させるように予め設定された案内板72の回転角度を意味する。第一角度θ1及び第二角度θ2は、廃棄物溶融炉2内に堆積した廃棄物の上部が、第一方向D1に偏った位置及び第二方向D2に偏った位置において隆起した形状となるように設定されていてもよい。
案内板72の回転角度が第二角度θ2となっている場合、廃棄物は中心軸線CL1に対して第二方向D2に偏った位置に落下する。
停止指令は、必要に応じオペレータにより入力部212に入力される。停止指令が入力部212により取得されていないと判断した場合、コントローラ100は処理をステップS01に戻す。
以上に説明したように、本実施形態に係る廃棄物装入方法は、鉛直な軸線を囲むように配置された筒状の側壁3を有する廃棄物溶融炉2に、上方から廃棄物Gを装入する方法であって、水平な軸線まわりに回転して廃棄物Gの落下方向を調節する案内板72を用い、側壁3の中心に対して第一方向D1に偏った位置に廃棄物Gを落下させるように案内板72の回転角度を調節した第一状態にて、廃棄物Gを廃棄物溶融炉2内に装入すること、
側壁3の中心に対して第一方向D1の逆の第二方向D2に偏った位置に廃棄物Gを落下させるように案内板72の回転角度を調節した第二状態にて、廃棄物Gを廃棄物溶融炉2内に装入すること、を交互に繰り返す。
a)廃棄物溶融炉2内における廃棄物の偏積が抑制されたとしても、炉内ガスは廃棄物溶融炉2内の周辺部(側壁3の近傍部)に偏って流れる傾向がある。
b)炉内ガスが廃棄物溶融炉2内の周辺部に偏って流れることにより、廃棄物溶融炉2内の周辺部における廃棄物の熱分解及び減容が部分的に促進され、廃棄物溶融炉2内の周辺部において部分的な空洞が生じる場合がある。
c)廃棄物溶融炉2内の部分的な空洞は炉内ガスの流路を形成する場合があり、その場合、空洞以外の部分に炉内ガスが流れ難くなる可能性がある。
これらの現象は、廃棄物溶融炉2内のガスの流れを偏流化するため、廃棄物Gの熱分解及び減容を部分的に停滞させる要因となる。これに対し、本廃棄物装入方法では、上記第一状態及び第二状態における廃棄物Gの装入を交互に実行するので、側壁3の中心に対して第一方向D1及び第二方向D2に偏った位置に廃棄物Gが落下する。このため、側壁3の中心に廃棄物Gを落下させる場合に比べて、廃棄物溶融炉2内の周辺部における廃棄物Gの堆積高さ(以下、単に「堆積高さ」という。)が高くなり、廃棄物溶融炉2内の周辺部における通気抵抗が高まる。これにより、上記現象の発生が抑制されるので、廃棄物の熱分解及び減容の部分的な停滞が抑制され、廃棄物溶融炉2内全域における廃棄物の溶融処理が安定的に進行する。従って、廃棄物溶融炉2の操業安定性を向上させることができる。
(実施例1)
廃棄物装入装置1を用い、以下の装入条件にて廃棄物を廃棄物溶融炉2内に装入しながら、廃棄物装入処理を継続的に行った。
装入条件 : 第一状態及び第二状態での廃棄物の装入を交互に繰り返す(図4参照)。途中で指定目標角度の入力を行わない。
廃棄物装入装置1を用い、以下の装入条件にて廃棄物を廃棄物溶融炉2内に装入しながら、廃棄物装入処理を継続的に行った。
装入条件 : 案内板72をなくした状態にて廃棄物の装入を繰り返す(図5参照)。途中で指定目標角度の入力を行わない。一回の廃棄物装入の継続時間、廃棄物装入の繰り返し周期は実施例1と同じである。
廃棄物装入装置1を用い、以下の装入条件にて廃棄物を廃棄物溶融炉2内に装入しながら、廃棄物装入処理を継続的に行った。
装入条件 : 廃棄物Gが側壁3の中央部に落下するように設定された第三角度θ3に案内板72の回転角度を一致させた第三状態にて廃棄物Gの装入を繰り返す(図6参照)。途中で指定目標角度の入力を行わない。一回の廃棄物装入の継続時間、廃棄物装入の繰り返し周期は実施例1と同じである。
廃棄物装入装置1を用い、以下の装入条件にて廃棄物を廃棄物溶融炉2内に装入しながら、廃棄物装入処理を継続的に行った。
装入条件 : 第一状態、第三状態及び第二状態での廃棄物の装入を順に繰り返す(図7参照)。途中で指定目標角度の入力を行わない。一回の廃棄物装入の継続時間、廃棄物装入の繰り返し周期は実施例1と同じである。
上記実施例1及び比較例1〜3のそれぞれにおいて、廃棄物の溶融処理を所定期間(5日以上)継続した時点での炉頂温度(廃棄物受入ホッパ20内の最上部の近傍における温度)を測定した。廃棄物溶融炉2内の廃棄物を高温のまま吹き抜ける炉内ガスが増えると、炉頂温度が高くなる。このため、炉頂温度に基づいて、炉内ガスの偏流状態を推定できる。炉頂温度が低いほど、炉内ガスの偏流が少なく、廃棄物溶融炉2の操業安定性が高いと考えられる。図8に、炉頂温度の評価結果を示す。図8は、比較例1の炉頂温度を100%として、炉頂温度を無次元化したグラフである。
Claims (7)
- 鉛直な軸線を囲むように配置された筒状の側壁を有する廃棄物溶融炉に、上方から廃棄物を装入する方法であって、
水平な軸線まわりに回転して廃棄物の落下方向を調節する案内板を用い、前記側壁の中心に対して第一方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第一状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入すること、
前記側壁の中心に対して前記第一方向の逆の第二方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第二状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入すること、を交互に繰り返し、
前記廃棄物溶融炉内に堆積した廃棄物の上部が、前記第一方向に偏った位置及び前記第二方向に偏った位置において隆起した形状となるように、前記第一状態及び前記第二状態における前記案内板の回転角度を調節する、廃棄物装入方法。 - 前記案内板の回転角度を指定する外部入力が取得された場合に、前記第一状態及び前記第二状態における廃棄物の装入に優先して、前記外部入力に対応するように前記案内板の回転角度を調節した状態にて廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入する、請求項1記載の廃棄物装入方法。
- 鉛直な軸線を囲むように配置された筒状の側壁を有する廃棄物溶融炉に上方から廃棄物を装入する経路を開閉する開閉機構と、
水平な軸線まわりに回転する案内板により廃棄物の落下方向を調節する案内機構と、
前記側壁の中心に対して第一方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第一状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御すること、前記側壁の中心に対して前記第一方向の逆の第二方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第二状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御すること、を交互に繰り返すように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記廃棄物溶融炉内に堆積した廃棄物の上部が、前記第一方向に偏った位置及び前記第二方向に偏った位置において隆起した形状となるように設定された角度を目標値として、前記第一状態及び前記第二状態における前記案内板の回転角度を調節するように前記案内機構を制御する、廃棄物装入装置。 - 前記案内板の回転角度を指定するためのコンソールを更に備え、
前記コントローラは、前記案内板の回転角度を指定する外部入力が前記コンソールにより取得された場合には、前記第一状態及び前記第二状態における廃棄物の装入に優先して、前記案内板の回転角度を前記外部入力に対応するように調節した状態にて廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御する、請求項3記載の廃棄物装入装置。 - 前記廃棄物溶融炉の上部において、前記側壁の周方向に並ぶように配置された複数の温度センサを更に備え、
前記コンソールは、前記複数の温度センサによる検出値に関する情報の表示部を有する、請求項4記載の廃棄物装入装置。 - 少なくとも一つの前記温度センサの位置は、前記側壁の中心に対して前記第一方向に偏っており、少なくとも一つの前記温度センサの位置は、前記側壁の中心に対して前記第二方向に偏っている、請求項5記載の廃棄物装入装置。
- 鉛直な軸線を囲むように配置された筒状の側壁を有する廃棄物溶融炉に上方から廃棄物を装入する経路を開閉する開閉機構と、
水平な軸線まわりに回転する案内板により廃棄物の落下方向を調節する案内機構と、
前記側壁の中心に対して第一方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第一状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御すること、前記側壁の中心に対して前記第一方向の逆の第二方向に偏った位置に廃棄物を落下させるように前記案内板の回転角度を調節した第二状態にて、廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御すること、を交互に繰り返すように構成されたコントローラと、
前記案内板の回転角度を指定するためのコンソールと、
前記廃棄物溶融炉の上部において、前記側壁の周方向に並ぶように配置された複数の温度センサと、を備え、
前記コントローラは、前記案内板の回転角度を指定する外部入力が前記コンソールにより取得された場合には、前記第一状態及び前記第二状態における廃棄物の装入に優先して、前記案内板の回転角度を前記外部入力に対応するように調節した状態にて廃棄物を前記廃棄物溶融炉内に装入するように前記案内機構及び前記開閉機構を制御し、
前記コンソールは、前記複数の温度センサによる検出値に関する情報の表示部を有し、
少なくとも一つの前記温度センサの位置は、前記側壁の中心に対して前記第一方向に偏っており、少なくとも一つの前記温度センサの位置は、前記側壁の中心に対して前記第二方向に偏っている、廃棄物装入装置。
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