JP6425548B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、熱及び電気を併せて発生する熱電併給装置を備え、その熱及び電気を熱負荷装置及び電力負荷装置に供給するコージェネレーションシステムに関する。
特許文献1には、熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置と、熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とを備え、運転制御手段は、計画対象期間毎に熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷量と電力負荷装置の時系列的な予測電力負荷量とを予測して、予測熱負荷量を熱電併給装置で発生される熱によって賄い、及び、予測電力負荷量を熱電併給装置で発生される電力及び商用電力系統から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような計画対象期間毎での熱電併給装置の予定運転時間帯を決定するように構成されているコージェネレーションシステムが記載されている。
更に、特許文献1には、計画対象期間(例えば1日)に熱電併給装置で発生する熱量を、その計画対象期間に熱負荷装置で必要とされる予測熱負荷量を賄うために必要な熱量に限定しながら(即ち、余剰熱量を発生させないようにしながら)、時系列的な売電価格及び買電価格を参照してコスト計算を行って、どの時間帯に熱電併給装置を運転すれば省コストを達成できるかを判定することが記載されている。
特開2005−287211号公報
商用電力系統において電力の需給が逼迫した場合或いは逼迫するおそれがある場合、商用電力系統の運用者等から電力の需要者に対して、その受電電力や逆潮流電力等の調整を促すこと、所謂、デマンドレスポンス行動を促すことが行われ得る。例えば、電力の需給が逼迫するおそれがある特定の日の特定の時間帯において、電力需要者が商用系統へ電力を売るときの電力の時系列的な売電価格をより高く変更することや、電力需要者が商用電力系統から電力を買うときの電力の時系列的な買電価格をより高く変更することなどが行われ得る。このような場合、電力需要者の発電装置としての熱電併給装置の発電電力量を上記特定の時間帯に増加させると、電力を商用電力系統へ高く売ることができ、或いは、商用電力系統から高い電力を買わなくてもよくなるため、省コストの観点から好ましい。
しかし、特許文献1に記載のシステムでは、熱電併給装置は、1日の予測熱負荷量を賄えるだけの熱量を発生させるだけの特定期間しか運転されない。つまり、特許文献1に記載のシステムでは、1日の熱電併給装置の発電電力量も、その特定期間に発生する電力量に制限されており、熱電併給装置の発電電力量を増加させるために熱電併給装置の運転期間を長く変更するような処理は想定されていない。
尚、特許文献1に記載のシステムにおいて、熱電併給装置の発電電力量を増加させるために熱電併給装置の運転期間を長く変更することが可能であったとしても、単純に、1日に熱負荷装置で必要とされる予測熱負荷量より多くの熱量を発生させただけでは省コストを達成できないと考えられる。これは、1日に熱負荷装置で必要とされる予測熱負荷量より多くの熱量を発生させる(即ち、余剰熱量が発生する)と、その翌日に余剰熱量が持ち越されるからである。つまり、特許文献1に記載のシステムでは、熱電併給装置の発電電力量を増加させるために熱電併給装置の運転期間を長く変更すると、その翌日に熱電併給装置で新たに発生させる必要のある熱量が余剰熱量の分だけ減少することで熱電併給装置の運転期間が短くなることまでは想定されていない。そして、その翌日には熱電併給装置で発生される電力量も減少し、商用系統から買う電力量が増加するため、総合的に見てコストが増加してしまうという問題に対処できない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、総合的に見て省コストとなる熱電併給装置の運転が行われるようなコージェネレーションシステムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るコージェネレーションシステムの特徴構成は、熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、計画対象期間毎に熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷量と電力負荷装置の時系列的な予測電力負荷量とを予測して、前記予測熱負荷量を前記熱電併給装置で発生される熱によって賄い、及び、前記予測電力負荷量を前記熱電併給装置で発生される電力及び商用電力系統から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような前記計画対象期間毎での前記熱電併給装置の予定運転時間帯を決定するように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記熱電併給装置で発生した熱を蓄えることができ、及び、蓄えた熱を前記熱負荷装置へ供給することができる蓄熱装置と、
前記商用電力系統から買う電力の時系列的な基準買電価格及び前記商用電力系統へ売る前記熱電併給装置の発電電力の時系列的な基準売電価格の少なくとも何れか一方を、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯において時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格へと変更することを示す価格変更情報を受け付ける情報受付手段とを備え、
前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、
前記価格変更情報で指定された前記特定の計画対象期間を一番目の計画対象期間とし、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量に基づいて決定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の上限値としての上限追加熱量を、前記蓄熱装置に蓄えることのできる最大の熱量である最大蓄熱可能量に基づいて決定し、
前記計画対象期間毎の前記予測熱負荷量を参照して、前記最大蓄熱可能量の熱量を全て消費するのに要すると予測される、前記一番目の計画対象期間を含む一以上の計画対象期間で構成される期間をコスト計算用期間として設定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量以上及び前記上限追加熱量以下の間にすることで前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量が前記熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、前記価格変更情報を参照して前記コスト計算用期間での前記予測熱負荷量及び前記予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、前記合計コストが小さくなるような前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯を決定する点にある。
上記特徴構成によれば、上記特定の計画対象期間において熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量は、特定の値(即ち、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量に基づいて決定される下限追加熱量)に制限されておらず、下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間に変更できる。つまり、特定の計画対象期間において熱電併給装置で発生する電力量も併せて変更できるので、上記価格変更情報で示された特定買電価格及び特定売電価格を参照して、商用電力系統から買う電力の料金が安くなり又は商用電力系統へ売る電力の料金が高くなるような省コストを考慮した熱電併給装置の運転を行うことができる。
尚、一番目の計画対象期間において熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量より多くして、即ち、余剰熱量を発生させて、その余剰熱量を二番目の計画対象期間以降の計画対象期間での予測熱負荷量に充当するように計画すると、その二番目の計画対象期間に熱電併給装置で新たに発生させる必要のある熱量が余剰熱量の分だけ減少することで熱電併給装置の運転期間が短くなる(即ち、商用電力系統から買う電力量が増加する)ため、一番目及び二番目の計画対象期間を総合すると省コストにならない可能性もある。
ところが本特徴構成では、運転制御手段は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間にすることで一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、上記価格変更情報を参照して上記コスト計算用期間(余剰熱量が持ち越され得る期間を含む一以上の計画対象期間)での予測熱負荷量及び予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、その合計コストが小さくなるような一番目の計画対象期間での熱電併給装置の予定運転時間帯を決定する。その結果、一番目の計画対象期間での熱電併給装置の予定運転時間帯を、総合的に省コストとなるように決定することができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの別の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記コスト計算処理において、複数の単位期間で構成される前記一番目の計画対象期間内の仮の予定運転時間帯に前記熱電併給装置を運転すると仮定して、複数の前記単位期間のうち、前記熱電併給装置を運転させたときに得られると予測される利益が大きい前記単位期間ほど優先順位を高く設定して、前記複数の単位期間のうち、前記優先順位の高い前記単位期間から順に選択して前記仮の予定運転時間帯に含めるという選択ルールで、前記仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さ以上且つ上限運転長さ以下の範囲で変えながら、前記コスト計算用期間での前記合計コストを前記仮の予定運転時間帯の長さ毎に導出し、前記合計コストが小さくなる前記仮の予定運転時間帯を前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯として決定する点にある。
上記特徴構成によれば、一番目の計画対象期間を構成する複数の単位期間のうち、熱電併給装置を運転させたときに得られると予測される利益が大きい単位期間ほど優先順位が高く設定されて、それら複数の単位期間のうち、優先順位の高い単位期間から順に選択されて仮の予定運転時間帯に含められる。そして、運転制御手段は、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さ以上且つ上限運転長さ以下の範囲で変えながら、コスト計算用期間での合計コストを仮の予定運転時間帯の長さ毎に導出し、合計コストが小さくなる仮の予定運転時間帯を一番目の計画対象期間での熱電併給装置の予定運転時間帯として決定する。つまり、熱電併給装置の予定運転時間帯には優先順位が相対的に高い(即ち、熱電併給装置を運転させたときに得られると予測される利益が相対的に大きい)単位期間が含まれているので、その予定運転時間帯での合計コストを確実に小さくさせることができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量を二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量に充当するように計画する点にある。
上記特徴構成によれば、余剰熱量を二番目以降の計画対象期間での予測熱負荷量に充当するように計画すると、二番目以降の計画対象期間に熱電併給装置から新たに供給する必要のある熱量は本来供給するべき熱量よりも相対的に減少する。その結果、その減少分だけ、二番目以降の計画対象期間での熱電併給装置の運転長さを短くした計画を作成することができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの別の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量が二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量には充当されないように計画する点にある。
上記特徴構成によれば、余剰熱量が二番目以降の計画対象期間での予測熱負荷量には充当されないように計画するので、二番目以降の計画対象期間に熱電併給装置から新たに供給する必要のある熱量はその計画対象期間に必要な熱量(予測熱負荷量)の全量となる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの更に別の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、前記特定の計画対象期間に含まれる前記特定の時間帯が終了する以前に、前記熱負荷装置を遠隔操作すること又は前記熱負荷装置の使用者に対して当該熱負荷装置の使用を促す情報を提示することを実施する点にある。
熱電併給装置が運転されて熱が発生されたとしても、熱負荷装置で熱が消費されなければ或いは消費される熱量が少なければ蓄熱装置で蓄えられた熱量が増加し、熱電併給装置の運転に制限が生じる(例えば、蓄熱装置に蓄えられた熱量が最大蓄熱可能量に達すると、熱電併給装置での運転を停止しなければならない等)可能性がある。
ところが本特徴構成では、運転制御手段は、情報受付手段が価格変更情報を受け付けたとき、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に、熱負荷装置を遠隔操作すること又は熱負荷装置の使用者に対して当該熱負荷装置の使用を促す情報を提示することを実施する。つまり、蓄熱装置に蓄えられた熱量は、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に減少することが期待される。その結果、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯の間に熱電併給装置の予定運転時間帯が設定されたとき、その特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に蓄熱装置の蓄熱量が減少していれば、熱電併給装置の運転が制限されること無く予定運転時間帯に滞りなく行われるようになる。
コージェネレーションシステムを備えるエネルギ供給設備の全体構成を示す図である。 コージェネレーションシステムの制御構成を示す図である。 コージェネレーションシステムに対する使用者からの指令を受け付ける情報受付手段の構成例である。 データ更新処理を説明する図である。 予測負荷演算処理を説明するための時系列的なデータを示す図である。 省エネルギ度基準演算処理を説明する図である。 省コストモードの制御フローを説明する図である。 省コストモードを説明するための時系列的なデータを示す図である。 熱電併給装置の予定運転時間帯を決定する手順例を説明するフローチャートである。 熱電併給装置で発生させるべき追加熱量の大きさを概略的に示す図である。 第1実施形態において熱電併給装置の各運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す図である。 コスト計算用期間での負荷及び料金及び熱電併給装置の運転時間帯及び蓄熱量の時間的推移の例を概略的に示す図である。 第2実施形態において熱電併給装置の各運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す図である。
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態のコージェネレーションシステムについて説明する。
図1は、本発明のコージェネレーションシステムを備えるエネルギ供給設備の全体構成を示す図であり、図2は、コージェネレーションシステムの制御構成を示す図である。
コージェネレーションシステムは、熱電併給装置CGと、その熱電併給装置CGにて発生する熱を利用しながら、回収した熱を湯水として蓄える蓄熱装置としての貯湯タンク4への貯湯及び熱負荷装置5への熱媒供給を行う貯湯ユニット6と、熱電併給装置CG及び貯湯ユニット6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部7と、情報入出力部Rなどから構成されている。図1及び図2に示すように、熱電併給装置CGは、ガスエンジン1によって発電装置2を駆動するように構成された装置本体部3と、後述する電熱変換部14とを備える。熱負荷装置5は、給湯端末5aと床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末5bにて構成されている。
発電装置2の出力側は、外部電力系統としての商用電力系統(以下、単に「商用系統」と表記することもある)9に連系するためのインバータ8に接続される。このインバータ8は、発電装置2の出力電力を商用系統9から供給される電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷装置11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、発電装置2からの出力電力がインバータ8及びコージェネ用供給ライン12を介して電力負荷装置11に供給されるように構成されている。
商業用電力供給ライン10には、この商業用電力供給ライン10にて供給される商業用電力を計測する商用電力計測部P1が設けられ、コージェネ用供給ライン12には、熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力を計測する発電電力計測部P2が設けられている。商用電力計測部P1は、商業用電力供給ライン10を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否か、即ち、余剰電力が発生するか否かをも検出するように構成されている。
コージェネ用供給ライン12には、熱電併給装置CGの装置本体部3の余剰電力を消費して熱を発生し、その熱により貯湯タンク4への貯湯を行うことで、エネルギの回収を行う余剰電力回収用熱源機としての電熱変換部14が接続されている。余剰電力は、熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力から、電力負荷装置11の消費電力を減算した値である。そして、運転制御部7は、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させるときには、その余剰電力を商用系統9へ売電し、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないときには、その余剰電力を、コージェネ用供給ライン12の途中に設けている電熱変換部14で消費させて熱に変換する。
つまり、本実施形態において「熱電併給装置CGで発生される熱」とは、熱電併給装置CGの装置本体部3で発生された熱と電熱変換部14で発生された熱とを含む。
電熱変換部14は、複数の電気ヒータを用いて構成される。そして、電熱変換部14の電気ヒータで発生した熱により、冷却水循環路15を通流するガスエンジン1の冷却水が加熱される。これらの電気ヒータでの電力の消費は、作動スイッチ16のON/OFFによって調節される。電熱変換部14の消費電力は、電気ヒータ1本当たりの電力負荷(例えば100W)にオンされている作動スイッチ16の個数を乗じた電力量になる。電熱変換部14の動作、即ち、作動スイッチ16の動作は、運転制御部7が制御する。
但し、電熱変換部14が消費する電力は熱電併給装置CGの装置本体部3で発生した電力のみであり、商業用電力供給ライン10から供給される電力を電熱変換部14が消費することはない。つまり、電熱変換部14が動作する(即ち、電力を消費する)のは、熱電併給装置CG(装置本体部3)が発電運転している間のみである。
ガスエンジン1には、エンジン燃料路21を通じて設定流量(例えば、0.433m3/h)でガス燃料が供給されて、熱電併給装置CGの装置本体部3が例えば定格運転されるようになっており、その定格運転では、熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力は定格発電電力(例えば1kW)で略一定になるようになっている。
貯湯ユニット6は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク4、湯水循環路18を通して貯湯タンク4内の湯水を循環させたり熱負荷装置5へ供給される熱媒を加熱する湯水を循環させる湯水循環ポンプ19、熱媒循環路22を通して熱媒を熱負荷装置5に循環供給させる熱媒循環ポンプ23、冷却水循環路15を通流する冷却水にて湯水循環路18を通流する湯水を加熱させる排熱式熱交換器24、湯水循環路18を通流する湯水にて熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させる熱媒加熱用熱交換器26、バーナ27bの燃焼により湯水循環路18を通流する湯水を加熱させる熱源機としての補助加熱器27などを備えて構成されている。この補助加熱器27はガスを燃料として熱を直接発生させる装置であり、加熱対象の湯水を通流させる熱交換器27aと、その熱交換器27aを加熱するバーナ27bと、そのバーナ27bに燃焼用空気を供給する燃焼用ファン27cとを備えて構成されている。
バーナ27bへガス燃料を供給する補助燃料路28には、バーナ27bへのガス燃料の供給を断続する補助燃料用電磁弁29と、バーナ27bへのガス燃料の供給量を調節する補助燃料用比例弁30とが設けられている。
貯湯タンク4には、貯湯タンク4の貯湯量を検出する貯湯量検出手段としての4個のタンクサーミスタTtが上下方向に間隔を隔てて設けられている。つまり、温度センサであるタンクサーミスタTtが設定温度以上の温度を検出することにより、その設置位置に湯が貯湯されているとして、検出温度が設定温度以上であるタンクサーミスタTtのうちの最下部のタンクサーミスタTtの位置に基づいて、貯湯量を4段階に検出するように構成され、4個のタンクサーミスタTt全ての検出温度が設定温度以上になると、貯湯タンク4の貯湯量が満杯であることが検出されるように構成されている。
そして、運転制御部7は、貯湯タンク4内の貯湯量が満杯となったと判定すると、熱電併給装置CGの装置本体部3の運転を停止させる。
湯水循環路18には、貯湯タンク4の下部と連通する取り出し路35と貯湯タンク4の上部と連通する貯湯路36が接続され、貯湯路36には、電磁比例弁にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う貯湯弁37が設けられている。
そして、湯水循環路18には、取り出し路35との接続箇所から湯水の循環方向の順に、排熱式熱交換器24、湯水循環ポンプ19、補助加熱器27、電磁比例弁にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う暖房弁39、熱媒加熱用熱交換器26が設けられている。
このエネルギ供給設備に設けられる補機には、このエネルギ供給設備に固有の補機と、このエネルギ供給設備において本来必要な補機があり、固有の補機としては、冷却水循環ポンプ17及び湯水循環ポンプ19などが含まれ、本来必要な補機としては、熱媒循環ポンプ23などが含まれ、本来必要な補機の電力負荷は、電力負荷装置11と同様に、使用者にて消費される電力として扱われる。
また、湯水循環路18には、補助加熱器27に流入する湯水の温度を検出する温度センサとしての入口サーミスタTi、補助加熱器27から流出する湯水の温度を検出する温度センサとしての出口サーミスタTeが設けられている。また、貯湯タンク4の上部から取り出した湯水を給湯する給湯路20には給湯端末5aでの給湯熱負荷量を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられている。熱媒循環路22には、暖房端末5bでの暖房熱負荷量を計測する暖房熱負荷計測手段32が設けられている。
図3は、コージェネレーションシステムに対する使用者からの指令を受け付けることができ、及び、使用者に対する情報の出力を行うことができる情報入出力部Rの構成例である。図示するように、情報入出力部Rは、使用者からの指令を受け付けるための「省エネ」ボタン43及び「省コスト」ボタン44と、使用者に対する情報の出力を行うための表示部42とを有する。
「省エネ」ボタン43は、後述する省エネルギモードで熱電併給装置CGを運転させることを使用者が指令するためのボタンであり、「省コスト」ボタン44は、後述する省コストモードで熱電併給装置CGを運転させることを使用者が指令するためのボタンである。つまり、運転制御部7は、「省エネ」ボタン43が押し操作されると、省エネルギモードでの熱電併給装置CGの運転が指令されたと判定して、その後、熱電併給装置CGを省エネルギモードで運転させる。これに対して、運転制御部7は、「省コスト」ボタン44が押し操作されると、省コストモードでの熱電併給装置CGの運転が指令されたと判定して、その後、熱電併給装置CGを省コストモードで運転させる。
また、図3に例示する表示部42は、電力使用量を表示する電力表示部42aと、貯湯タンク4に貯えられている熱量を表示する貯湯量表示部42bとを有する。このような情報表示が行われることで、表示部42を見た使用者は、現在の電力負荷装置11での電力使用量や貯湯タンク4での貯湯量を確認することができる。
運転制御部7は、熱電併給装置CGを運転するときには、省エネルギモード及び省コストモードの何れの場合であっても、熱電併給装置CG及び冷却水循環ポンプ17の作動状態を制御し、そして、湯水循環ポンプ19、熱媒循環ポンプ23の作動状態を制御することによって、貯湯タンク4内に湯水を貯湯する貯湯運転や、熱負荷装置5に熱媒を供給する熱媒供給運転等を行う。
また、給湯端末5aとしての給湯栓が開栓されると、給水圧によって、貯湯タンク4の上部から湯水が取り出されて、給湯路20を通じて給湯栓から給湯される。給湯栓が開栓されたときに、貯湯タンク4内に湯が貯湯されていないときには、湯水循環ポンプ19が作動され、貯湯弁37が開弁されると共に、補助加熱器27が加熱作動されて、その補助加熱器27にて加熱されて、貯湯路36を通じて給湯路20に給湯されるように構成されている。
運転制御部7は、計画対象期間毎(例えば、後述するように1日毎など)に熱負荷装置5の時系列的な予測熱負荷量と電力負荷装置11の時系列的な予測電力負荷量とを予測して、予測熱負荷量を熱電併給装置CGで発生される熱によって賄い、及び、予測電力負荷量を熱電併給装置CGで発生される電力及び商用系統9から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような計画対象期間毎での熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定するように構成されている。ここで、上述した「予測熱負荷量を熱電併給装置CGで発生される熱によって賄い」とは、予測熱負荷量が発生する時刻以前に、熱電併給装置CGで熱が発生されている或いは貯湯タンク4に熱が蓄えられていることを意味する。また、本実施形態では、熱電併給装置CGの予定運転時間帯は、1時間を最短単位として設定している。つまり、1時間が熱電併給装置CGの運転単位期間となる。
次に、運転制御部7が行うデータ更新処理及び予測負荷演算処理について説明する。尚、以下の説明では、計画対象期間を1日として説明する。
〔データ更新処理〕
運転制御部7は、実際の使用状況に基づいて、1日分(即ち、一つの計画対象期間分)の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するデータ更新処理を行い、日付が変わって午前0時になるごとに、記憶されている1日分の過去負荷データを用いて、将来の(その当日、翌日以降などの1日分の)予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
データ更新処理について説明を加えると、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷、熱負荷としての給湯熱負荷と暖房熱負荷があったかの1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するように構成されている。
図4は、データ更新処理を説明する図である。
過去負荷データは、電力負荷データ、給湯熱負荷データ、暖房熱負荷データの3種類の負荷データからなり、1日分の過去負荷データを日曜日から土曜日までの曜日ごとに区分けした状態で記憶するように構成されている。
そして、1日分の過去負荷データは、24時間のうち1時間を単位時間として、単位時間当たりの電力負荷データの24個、単位時間当たりの給湯熱負荷データの24個、及び、単位時間当たりの暖房熱負荷データの24個から構成されている。
上述のような過去負荷データを更新する構成について説明を加えると、実際の使用状況から、単位時間当たりの電力負荷、給湯熱負荷、及び、暖房熱負荷の夫々を、商用電力計測部P1、発電電力計測部P2、給湯熱負荷計測手段31、及び、暖房熱負荷計測手段32にて計測し、その計測した負荷データを記憶する状態で1日分の実負荷データを曜日と対応付けて記憶させる。電力負荷装置11の電力負荷量は、商用電力計測部P1で計測した電力量と、発電電力計測部P2で計測した発電装置2の発電出力量から、電熱変換部14の電力負荷量とエネルギ供給設備に固有の補機の電力負荷量とを差し引いたものとなる。商用電力計測部P1で計測された電力量は、商用系統9から受電する方向を正とする。従って、商用系統9から受電している(即ち、電力を買っている)状態のときは商用電力計測部P1で計測された電力量は正の値となる。これに対して、商用系統9へ電力を逆潮流している(即ち、商用系統9へ熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力を売っている)状態のときは商用電力計測部P1で計測された電力量は負の値となる。
そして、1日分の実負荷データが1週間分記憶されると、曜日ごとに、過去負荷データと実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、新しい過去負荷データを求めて、その求めた新しい過去負荷データを記憶して、過去負荷データを更新するように構成されている。
日曜日を例に挙げて具体的に説明すると、図4に示すように、過去負荷データのうち日曜日に対応する過去負荷データD1mと、実負荷データのうち日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔式1〕により、日曜日に対応する新しい過去負荷データD1(m+1)が求められ、その求められた過去負荷データD1(m+1)を記憶する。
尚、下記の〔式1〕において、D1mを、日曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Kは、0.75の定数であり、D1(m+1)を、新しい過去負荷データとする。
[数1]
D1(m+1)=(D1m×K)+{A1×(1−K)}・・・〔式1〕
〔予測負荷演算処理〕
〔当日(一番目の計画対象期間)〕
図5は、予測負荷演算処理を説明するための時系列的なデータを示す図である。
運転制御部7は、予測負荷演算処理を日付が変わるごとに実行し、その当日のどの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷、暖房熱負荷が予測されているかの1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。つまり、運転制御部7は、曜日ごとの7つの過去負荷データのうち、その日の曜日に対応する過去負荷データと前日の実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、どの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷、暖房熱負荷が予測されているかのその日1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
運転制御部7は、月曜日1日分の予測負荷データを求める場合を例に挙げて具体的に説明すると、図4に示すように、曜日ごとの7つの過去負荷データD1m〜D7mと曜日ごとの7つの実負荷データA1〜A7とが記憶されているので、月曜日に対応する過去負荷データD2mと、前日の日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔式2〕により、月曜日の1日分の予測負荷データBを求める。
そして、1日分の予測負荷データBは、図5に示すように、1日分の予測電力負荷データ、1日分の予測給湯熱負荷データ、1日分の予測暖房熱負荷データからなり、図5(a)は、1日分の予測電力負荷を示しており、図5(b)は、1日分の予測暖房熱負荷を示しており、図5(c)は、1日分の予測給湯熱負荷を示している。
尚、下記の〔式2〕において、D2mを、月曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Qは、0.25の定数であり、Bは、予測負荷データとする。
[数2]
B=(D2m×Q)+{A1×(1−Q)}・・・〔式2〕
〔翌日以降(二番目以降の計画対象期間)〕
翌日以降の予測負荷データも上記(式2)に従って導出できる。
具体的には、日曜日が終了して月曜日になった時点で、火曜日(二番目の計画対象期間)の予測負荷データを導出する場合、上記(式2)においてQ=1とする。その結果、火曜日の予測負荷データBは、火曜日に対応する過去負荷データD3mを用いて、B=D3mと導出できる。
同様に、日曜日が終了して月曜日になった時点で、水曜日(三番目の計画対象期間)の予測負荷データBを、B=D4mと導出できる。
〔省エネルギモード〕
運転制御部7は、省エネルギモードでの熱電併給装置CGの運転が指令された状態では、熱電併給装置CGを以下に説明する省エネルギモードで運転させる。省エネルギモードは、電力負荷装置11及び熱負荷装置5に電力及び熱を供給するときのエネルギ効率が省エネルギとなるように、熱負荷装置5の熱負荷量を賄える熱量を発生する熱主運転を行うための熱電併給装置CGの予定運転時間帯を定め、その予定運転時間帯に熱電併給装置CGを運転させるモードである。
この省エネルギモードでの運転制御部7の動作を説明すると、先ず、運転制御部7は、計画対象期間としての1日分の予測負荷データを求めた状態で、予測負荷データから、熱電併給装置CGを運転させるか否かの基準となる省エネルギ度基準値を求める省エネルギ度基準値演算処理を行うと共に、その省エネルギ度基準値演算処理にて求められた省エネルギ度基準値よりも現時点での実省エネルギ度が上回っているか否かによって、熱電併給装置CGの運転の可否を判別する運転可否判別処理を行うように構成されている。
以下に、運転制御部7がこの省エネルギモードで実施する省エネルギ度基準値演算処理と運転可否判別処理とについて説明する。
運転制御部7は、省エネルギ度基準値演算処理として、予測給湯熱負荷データを用いて、現時点から基準値用時間先までの間に必要となる貯湯必要量を賄えるように熱電併給装置CGを運転させた場合に、熱電併給装置CGを運転させることによって、エネルギ供給設備の設置施設における省エネルギ化を実現できる省エネルギ度基準値を求める。
例えば、単位時間を1時間とし、基準値用時間を12時間として説明を加えると、まず、運転制御部7は、予測負荷データによる予測電力負荷、予測給湯熱負荷、及び、予測暖房熱負荷から、下記の〔式3〕により、図6に示すように、熱電併給装置CGを運転させた場合の予測省エネルギ度を1時間ごとに12時間先までの12個分を求めると共に、熱電併給装置CGを運転させた場合に貯湯タンク4に貯湯することができる予測貯湯量を1時間ごとに12時間先までの12個分を求める。
[数3]
省エネルギ度P={(EK1+EK2+EK3)/熱電併給装置CGの必要エネルギ}×100・・・〔式3〕
但し、EK1は、有効発電出力E1を変数とする関数であり、EK2は、有効暖房熱出力E2を変数とする関数であり、EK3は、有効貯湯熱出力E3を変数とする関数であり、
EK1=有効発電出力E1の発電所一次エネルギ換算値
=f1(有効発電出力E1,発電所での必要エネルギ)
EK2=有効暖房熱出力E2の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f2(有効暖房熱出力E2,バーナ効率(暖房時))
EK3=有効貯湯熱出力E3の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f3(有効貯湯熱出力E3,バーナ効率(給湯時))
熱電併給装置CGの必要エネルギ:5.5kW
(熱電併給装置CGを1時間稼動させたときの都市ガス消費量を0.433m3とする)
単位電力発電必要エネルギ:2.8kW
バーナ効率(暖房時):0.8
バーナ効率(給湯時):0.9
また、有効発電出力E1、有効暖房熱出力E2、有効貯湯熱出力E3の夫々は、下記の〔式4〕〜〔式6〕により求められる。
[数4]
E1=熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力−(余剰電力+固有の補機の電力負荷量)・・・〔式4〕
E2=暖房端末5bでの熱負荷・・・〔式5〕
E3=(熱電併給装置CGの装置本体部3の熱出力+熱電併給装置CGの電熱変換部14の熱出力−有効暖房熱出力E2)−放熱ロス・・・〔式6〕
但し、電熱変換部14の熱出力=電熱変換部14の電力負荷×電熱変換部14の熱効率とする。
そして、図6に示すように、運転制御部7は、1時間ごとの予測省エネルギ度及び予測貯湯量を12個分求めた状態において、まず、予測給湯熱負荷データから12時間先までに必要とされている予測必要貯湯量を求め、その予測必要貯湯量から現時点での貯湯タンク4内の貯湯量を引いて、12時間先までの間に追加で貯湯タンク4に貯えることが必要となる必要貯湯量(追加熱量)を求める。
例えば、予測給湯熱負荷データから12時間後に9.8kWhの給湯熱負荷が予測されていて、現時点での貯湯タンク4内の貯湯量が2.5kWhである場合には、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量は7.3kWhとなる。
そして、単位時間の予測貯湯量を足し合わせる状態で、その足し合わせた予測貯湯量が必要貯湯量に達するまで、12個分の単位時間のうち、予測省エネルギ度の数値が高いものから選択していくようにしている。
説明を加えると、例えば、上述の如く、必要貯湯量が7.3kWhである場合には、図6に示すように、まず、予測省エネルギ度の一番高い7時間先から8時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせる。
次に予測省エネルギ度の高い6時間先から7時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が1.1kWhとなる。
また次に予測省エネルギ度の高い5時間先から6時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が4.0kWhとなる。
このようにして、予測省エネルギ度の数値が高いものからの単位時間の選択と予測貯湯量の足し合わせを繰り返していくと、図6に示すように、8時間先から9時間先までの単位時間を選択したときに、足し合わせた予測貯湯量が7.3kWhに達する。
そうすると、8時間先から9時間先までの単位時間の省エネルギ度を省エネルギ度基準値として設定し、図6に示すものでは、省エネルギ度基準値が106となる。
次に、運転制御部7は、運転可否判別処理において、現時点での電力負荷、予測給湯熱負荷、及び、現時点での暖房熱負荷から、上記の〔式3〕により、実省エネルギ度を求める。
そして、運転制御部7は、その実省エネルギ度が省エネルギ度基準値よりも上回ると、熱電併給装置CGの運転が可と判別し、実省エネルギ度が省エネルギ度基準値以下であると、熱電併給装置CGの運転が不可と判別する。
つまり、実際の電力負荷、給湯熱負荷及び暖房熱負荷が、予測電力負荷データ、予測給湯熱負荷データ及び予測暖房熱負荷データと略等しければ、実省エネルギ度は、省エネルギ基準値演算処理において求めた予測省エネルギ度と略等しくなるので、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間において、熱電併給装置CGが運転されることになる。
従って、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間から成る時間帯が、予測熱負荷及び予測電力負荷と省エネルギ運転条件(省エネルギ度Pに相当する)とに基づいて求めた熱電併給装置CGを運転するための予定運転時間帯となる。
以上のように、省エネルギモードにおいて、運転制御部7は、省エネルギ度Pが高く且つ熱負荷又は電力負荷が多い時間帯を、熱電併給装置CGを運転するための予定運転時間帯として求めるように構成されている。また、運転制御部7は、熱の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて、1日という計画対象期間における時系列的な予測熱負荷量及び時系列的な予測電力負荷量を求め、求めた予測熱負荷量及び予測電力負荷量と省エネルギ運転条件(省エネルギ度P)とに基づいて熱電併給装置CGを運転するための予定運転時間帯を求めて、その求めた予定運転時間帯に基づいて熱電併給装置CGを自動運転するように構成されている。
〔省コストモード〕
運転制御部7は、省コストモードでの熱電併給装置CGの運転が指令された状態では、熱電併給装置CGを以下に説明する省コストモードで運転させる。
つまり、本実施形態では、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力を商用系統9へと売電可能に構成されているので、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力が余るように熱電併給装置CGを運転して、商用系統9への熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力の売電料金を増加させれば、コージェネレーションシステムの省コストを達成できる可能性がある。従って、運転制御部7は、コージェネレーションシステムの省コストを目的とするときは、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力の売電料金と商用系統9からの買電料金とを考慮して、コージェネレーションシステムを省コストモードで運転させるような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を求めて、その求めた予定運転時間帯に基づいて熱電併給装置CGを自動運転させる。
以下に省コストモードについて具体的に説明する。
図7は、省コストモードの制御フローを説明する図である。図8は、省コストモードを説明するための時系列的なデータを示す図である。図8において、実線で示すのは熱電併給装置CGの予定運転時間帯であり、破線で示すのは予測給湯熱負荷量及び予測暖房熱負荷量である。
図7の工程#100において運転制御部7は、日付が変わって午前0時になると熱負荷装置5の予測熱負荷量を賄える熱量を発生する熱主運転を行うための熱電併給装置CGの予定運転時間帯を仮決定する。
この予定運転時間帯は、上述した省エネルギモードで運転させるような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を用いることができる。そして、省エネルギを目的としないならば、その予定運転時間帯の開始タイミングは自由に変更可能である。つまり、熱電併給装置CGの予定運転時間帯が省エネルギを目的として図8(a)に実線で示すように仮決定されていたとしても、その運転期間の長さが維持されていれば(即ち、熱電併給装置CGの装置本体部3から発生する熱量が同じであれば)、その運転時間帯を時間的に前後に変更してもよい。
或いは、運転制御部7は、熱電併給装置CGの予定運転時間帯の運転期間の長さTだけを仮決定してもよい。つまり、運転制御部7は、熱負荷装置5の予測熱負荷量を賄うために熱電併給装置CGの装置本体部3で発生する必要のある追加熱量Xを知っているので、その追加熱量Xを発生する熱主運転を行うのに必要な熱電併給装置CGの運転期間の長さTを導出することができる。例えば、運転制御部7は、熱電併給装置CGの装置本体部3の予定運転時間帯の運転長さTを、T=f(X)といった数式で表すことができる。
以上のようにして運転期間の長さTを決定した後、工程#102において運転制御部7は、運転期間の開始時刻を1時間ずつずらしながら、運転トータルコストを導出する。例えば、省エネルギモードで運転させるときには図8(a)の実線で示すような時間帯で運転を行う予定であった熱電併給装置CGを、図8(b)に示すような、運転期間の開始時刻を午前0時とした運転時間帯で運転したときの運転トータルコストを導出する。尚、図8(a)及び図8(b)の破線で示すのは予測熱負荷量(図5(b)に示す予測暖房熱負荷量及び図5(c)に示す予測給湯熱負荷量)である。そして、運転制御部7は、運転トータルコストの計算を運転期間の開始時刻を変更しながら複数回行う。
例えば、運転制御部7は、図5(a)に示した1日という計画対象期間における時系列的な電力負荷装置11の予測電力負荷量と、図8(b)の運転時間帯で熱電併給装置CGの装置本体部3を運転したときに予測される図8(c)に示す時系列的な熱電併給装置CGの装置本体部3の予測発電電力量とに基づいて、時系列的な余剰電力量と不足電力量とを導出する。この余剰電力量は商用系統9で売ることのできる電力量であり、この不足電力量は商用系統9から買う必要のある電力量である。
そして、運転制御部7は下記の〔式7〕に示すように、熱量の調達コスト(熱電併給装置CGの燃料コストなど)と、図8(d)に示す熱電併給装置CGの装置本体部3で発電される電力を売電するときの時系列的な売電価格(単位電力量当たりの売電単価)と、商用系統9から買電するときの時系列的な買電価格(単位電力量当たりの買電単価)とを用いて運転トータルコストを導出する。具体的には、運転制御部7は、熱電併給装置CGの装置本体部3の出力及び運転期間の長さなどに応じて変化する運転料金を熱量の調達コストとして導出し、不足電力量と買電価格との積によって買電料金を導出し、余剰電力量と売電価格との積によって売電料金を導出する。そして、運転制御部7は、運転料金及び買電料金の和から売電料金を減算することで〔式7〕に示す運転トータルコストを導出する。
運転トータルコスト=熱電併給装置CGの運転料金+(不足電力量×買電価格)−(余剰電力量×売電価格) ・・・〔式7〕
尚、本実施形態では、余剰電力は全て売電され、余剰電力が電熱変換部14によって熱に変換されることはない。つまり、定格出力の熱電併給装置CGの装置本体部3で発生させる熱によって予測熱負荷量の全てを賄う熱主運転を想定しているため、予測熱負荷量が同じであれば、運転期間の開始タイミングが異なっていたとしても熱電併給装置CGの装置本体部3の運転期間の長さは同じ、即ち、熱量の調達コスト(熱電併給装置CGの燃料コストなど)は同じになる。従って、上記〔式7〕において、「熱電併給装置CGの運転料金」の項は削除してもよい。
尚、熱電併給装置CGの装置本体部3で発生させる熱量及び補助加熱器27で発生させる熱量を組み合わせて予測熱負荷量を賄う場合には、「熱量の調達コスト」として、熱電併給装置CGの燃料コストと補助加熱器27の燃料コストとの合計値を採用すればよい。
そして工程#104において運転制御部7は、上述のように運転期間の開始時刻をずらして導出された複数個の合計料金データの内で最も経済性が優れた、つまり運転トータルコストが最も小さい結果が得られたときの熱電併給装置CGの予定運転時間帯が、省コストを達成可能な運転時間帯であると決定する。そして、運転制御部7はその運転時間帯で熱電併給装置CGを運転させる。
〔デマンドレスポンス行動時〕
次に、図9〜図12を参照して、運転制御部7が、熱電併給装置CGを省コストモードで運用中に、デマンドレスポンス行動を促す情報として、後述する価格変更情報を通信部(情報受付手段の一例)13で受け付けた場合の制御について説明する。
図9は、熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する手順例を説明するフローチャートである。図10は、熱電併給装置CGで発生させるべき追加熱量の大きさを概略的に示す図である。図11は、1日の中の時刻0時台〜時刻23時台の1時間毎で熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す図である。図12は、コスト計算用期間での負荷及び料金及び熱電併給装置CGの装置本体部3の運転時間帯及び貯湯タンク4での蓄熱量の時間的推移の例を概略的に示す図である。
先ず、デマンドレスポンス行動について説明する。商用系統9において電力の需給が逼迫した場合或いは逼迫するおそれがある場合、商用系統9の運用者等から電力の需要者に対して、その受電電力や逆潮流電力等の調整を促すこと、所謂、デマンドレスポンス行動を促すことも行われ得る。例えば、電力の需給が逼迫するおそれがある特定の日に含まれる特定の時間帯において商用系統9への電力の時系列的な売電価格をより高く変更することは、省コストの観点からは、熱電併給装置CGをその特定の時間帯に運転して(即ち、商用系統9に対して高い単価で売ることのできる電力量を増加させて)売電料金を増加させるというデマンドレスポンス行動の動機付けとなる。同様に、電力の需給が逼迫するおそれがある特定の日に含まれる特定の時間帯において商用系統9からの電力の時系列的な買電価格をより高く変更することは、省コストの観点からは、熱電併給装置CGをその特定の時間帯に運転して(即ち、商用系統9から高い単価で買わなければならない電力量を減少させて)買電料金を減少させるというデマンドレスポンス行動の動機付けとなる。
本実施形態では、デマンドレスポンス行動を促す情報としての上記価格変更情報として、図8(d)に例示した商用系統9からの電力の時系列的な基準買電価格及び商用系統9への電力の時系列的な基準売電価格の少なくとも何れか一方を、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯において時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格へと変更することを示す情報としている。つまり、通信部13が受け付けた価格変更情報には、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯での時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格が含まれる。図12に記載した具体例では、2日目の時系列的な売電価格及び買電価格が、基準売電価格及び基準買電価格である。これに対して、1日目の時刻17時〜時刻20時までの時間帯での時系列的な売電価格が、基準売電価格よりも高く設定された特定売電価格である。尚、1日目の他の時間帯の時系列的な売電価格及び買電価格は、基準買電価格及び基準売電価格と同じである。
具体例を挙げて説明すると、インターネットなどの情報通信網(図示せず)と接続されている通信部13が、例えば商用系統9を運用している電力会社などからデマンドレスポンス行動を促す情報(即ち、上述した価格変更情報)を受け付けることがある。運転制御部7は、上記価格変更情報を通信部13で受け付けたとき、その価格変更情報で指定された特定の日時を含む特定の計画対象期間を一番目の計画対象期間とする。この計画対象期間は、上述した例と同様に例えば「1日」などである。
そして、運転制御部7は、通信部13が価格変更情報を受け付けたとき、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間にすることでその一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置CGで発生される熱によって賄われることを条件として、上記価格変更情報を参照してコスト計算用期間での予測熱負荷量及び予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、合計コストが小さくなる(好ましくは、合計コストが最小になる)ような計画対象期間での熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する。ここで、上述した「一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置CGで発生される熱によって賄われることを確保」とは、その予測熱負荷量が発生する時刻以前に、熱電併給装置CGで熱が発生されている或いは貯湯タンク4に熱が蓄えられていることを意味する。
先ず、図9のフローチャートに示す工程#200において運転制御部7は、下限追加熱量と上限追加熱量とコスト計算用期間とを決定する。
具体的には、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、一番目の計画対象期間で要求される予測熱負荷量に基づいて決定する。例えば、運転制御部は、図10に示すように、一番目の計画対象期間(例えば、当日の1日間)の予測熱負荷量から現時点での貯湯タンク4内の現在蓄熱量を減算して、熱電併給装置CGで追加で発生させる必要のある(即ち、貯湯タンク4に追加で蓄える必要のある)熱量を導出する。熱電併給装置CGは予測熱負荷量を賄うためには少なくともこの熱量を発生させなければならないため、この熱量を下限追加熱量とする。
加えて、運転制御部7は、図10に示すように、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量の上限値としての上限追加熱量を、貯湯タンク4に蓄えることのできる最大の熱量である最大蓄熱可能量(即ち、上述した貯湯タンク4の貯湯量が満杯であると判定される熱量)に基づいて決定する。例えば、上限追加熱量=最大蓄熱可能量−現在蓄熱量とする。
つまり、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において、下限追加熱量≦X≦上限追加熱量となるような追加熱量Xを熱電併給装置CGで発生させることができる。
更に、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量を上限追加熱量(即ち、最大蓄熱可能量の熱量(=現在蓄熱量+上限追加熱量)が利用可能になる)にすると仮定したとき、予測熱負荷量を参照して、最大蓄熱可能量の熱量を全て消費するのに要すると予測される、一番目の計画対象期間を含む一以上の計画対象期間で構成される期間をコスト計算用期間として設定する。
例えば、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量を上限追加熱量とすることで、貯湯タンク4に対して最大蓄熱可能量の熱量が蓄えられると仮定したとき、その熱量が、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量で全て消費される場合には、コスト計算用期間は一番目の計画対象期間になる。或いは、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量を上限追加熱量とすることで、貯湯タンク4に対して最大蓄熱可能量の熱量が蓄えられると仮定したとき、その熱量が、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量と二番目の計画対象期間での予測熱負荷量とで消費される場合には、コスト計算用期間は、一番目の計画対象期間及び二番目の計画対象期間になる。
本実施形態では、一つの計画対象期間が1日を単位とし、コスト計算用期間が2日間である場合を例示する。従って、図12に示す「1日目」が一番目の計画対象期間であり、「2日目」が二番目の計画対象期間である。そして、この2日間がコスト計算用期間である。
次に、工程#201において運転制御部7は、一番目の計画対象期間(1日目)での熱電併給装置CGの各運転単位期間の優先順位を決定する。図11には、1日の中の時刻0時台〜時刻23時台の1時間毎で熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す。図11及び図12に示すように、1時間で構成される各運転単位期間に対して、予測電力負荷量、買電単価、売電単価が定まっている。また、図11に示している熱電併給装置CGを運転する場合の可能発電量は、熱電併給装置CGの装置本体部3をその定格発電電力(1000kW)で1時間運転した場合の電力量である。図11に示す買電価格及び売電価格は、図12に示す「1日目」の買電価格及び売電価格と同じであり、これは基準売電価格及び基準買電価格に対して、1日目の時刻17時台〜時刻19時台の時間帯での時系列的な売電価格が、基準売電価格よりも高く設定された特定売電価格を含む。
この工程#201において運転制御部7は、先ず、熱電併給装置CGが運転を行った場合の売買電力コストと運転を行わなかった場合の売買電力コストを比較して、「運転を行わなかった場合の売買電力コスト」から「運転を行った場合の売買電力コスト」を減算した売買コスト差を導出する。具体的には、運転制御部7は、熱電併給装置CGが運転を行わなかった場合の各時刻での「買電量」に基づいて、各時刻での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格)/1000)を導出する。また、運転制御部7は、熱電併給装置CGが運転を行った場合の各時刻での「買電量」及び「売電量」に基づいて、各時刻での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格+売電量×売電価格)/1000)を導出する。そして、運転制御部7は、熱電併給装置CGが運転を行わなかった場合の各時刻での1kWh当たりの「売買電力コスト」から、熱電併給装置CGが運転を行った場合の各時刻での1kWh当たりの「売買電力コスト」を減算した値を、「発電有無による売買コスト差」として決定する。つまり、熱電併給装置CGを運転することで売買電力コストがどれだけ減少するのかを見積もっているので、図11に示す「発電有無による売買コスト差」が大きいほど、運転を行った場合のメリットが大きいことになる。
そして、運転制御部7は、「発電有無による売買コスト差」が大きい運転単位期間から順に高い優先順位を割り当てる。図11に示した例では、時刻17時台及び時刻18時台及び時刻19時台の運転単位期間の優先順位が第1位となり、次に時刻12時台の運転単位期間の優先順位が第4位となっている。
工程#202において運転制御部7は、仮の予定運転時間帯の長さを変えながら、コスト計算用期間での合計コストをそれぞれ導出する。本実施形態では、運転制御部7は、図11に示した優先順位の高い方の運転単位期間から順に選択して仮の予定運転時間帯に含めるという選択ルールで、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さから上限運転長さまで変えながら、コスト計算用期間での合計コストを仮の予定運転時間帯の長さ毎に導出する。尚、運転制御部7は、予測熱負荷量を熱電併給装置CGで発生される熱によって賄うためには、予測熱負荷量が発生する時刻以前に、熱電併給装置CGで熱を発生させる或いは貯湯タンク4に熱が蓄えておくことを条件として、優先順位の高い方の運転単位期間から順に選択して仮の予定運転時間帯に含めることが必要である。
下限運転長さは、上述した下限追加熱量を発生させるために必要な熱電併給装置CGの運転長さであり、上限運転長さは、上述した上限追加熱量を発生させるために必要な熱電併給装置CGの運転長さである。本実施形態では、上述したように、追加熱量Xを熱電併給装置CGで発生するために必要な熱電併給装置CGの運転長さTを、T=f(X)という数式で表すことができる。従って、下限運転長さTmin=f(X=下限追加熱量)、上限運転長さTmax=f(X=上限追加熱量)とすると、Tmin≦T≦Tmaxとなる。そして、この工程#202において運転制御部7は、熱電併給装置CGの運転長さTをTminとTmaxの間で変化させながら、下記〔式8〕に基づいて、コスト計算用期間で合計コストを計算する。尚、本実施形態では、運転制御部7は、熱電併給装置CGの運転長さTを1時間単位で変化させる。
コスト計算用期間での合計コスト=一番目の計画対象期間の運転トータルコスト+二番目の計画対象期間の運転トータルコスト+三番目の計画対象期間の運転トータルコスト+・・・+n番目の計画対象期間の運転トータルコスト ・・・〔式8〕
例えば、運転制御部7は、下限運転長さTmin=2時間であり、上限運転長さTmax=5時間である場合には、先ず、優先順位が第1位である時刻17時台及び時刻18時台及び時刻19時台のうちの2時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の予定運転時間帯の長さ=2時間)を導出する。次に、運転制御部7は、優先順位が第1位である時刻17時台及び時刻18時台及び時刻19時台の3時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の予定運転時間帯の長さ=3時間)を導出する。このように、運転制御部7は、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さから上限運転長さまで変化させながら、コスト計算用期間でのそれぞれの合計コストを導出する。
図12は、上述のように設定された2日間のコスト計算用期間での、「負荷(時系列的な予測電力負荷量及び予測熱負荷量)」、並びに、「価格(時系列的な売電価格及び買電価格)」、並びに、「蓄熱(蓄熱量の時間的推移)」の例を概略的に示す図である。また、図12では、図面の簡略化のため、予測給湯熱負荷量を予測熱負荷量の例として記載し、予測暖房熱負荷量については記載していない。
そして、図12には、2日間のコスト計算用期間の「1日目」の時刻17時台及び時刻18時台及び時刻19時台の3時間を仮の予定運転時間帯とした場合の例を示している。この場合の仮の予定運転時間帯の長さT1である3時間は、下限運転長さ(Tmin=2時間)よりも長いため、熱電併給装置CGの運転によって装置本体部3で発生する追加熱量X1が下限追加熱量より多くなる。その結果、貯湯タンク4に蓄えられる蓄熱量の余剰分は、2日目(二番目の計画対象期間)に持ち越されることになる。そして、運転制御部7は、下限追加熱量を超える分の余剰熱量を2日目以降(二番目以降)の計画対象期間での予測熱負荷量に充当するように計画する。つまり、2日目(二番目の計画対象期間)に熱が持ち越された場合、本実施形態では、その持ち越された熱量に価値を見出す。
例えば、運転制御部7は、2日目(二番目の計画対象期間)に熱が持ち越された場合、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量は、2日目に必要とされる予測熱負荷量から上記余剰熱量を減算した量とする。従って、運転制御部7は、2日目に熱が持ち越された場合、2日目に熱負荷装置5で元来必要とされる予測熱負荷量から上記余剰熱量を減算した熱量を熱電併給装置CGで発生される熱によって賄い、2日目に電力負荷装置11で元来必要とされる予測電力負荷量を熱電併給装置CGで発生される電力及び商用系統9から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を2日目に関して決定する。この場合、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量は本来供給するべき熱量よりも相対的に減少するので、その減少分だけ2日目の熱電併給装置CGの運転長さを短くすることができる。尚、2日目での熱電併給装置CGの運転長さが短くなると、それに伴って熱電併給装置CGから供給される電力量が少なくなる。その結果、2日目での買電料金が増加或いは売電料金が減少して、2日目での運転トータルコストが増加する可能性はある。
そして、工程#203において運転制御部7は、仮の予定運転時間帯のうち、コスト計算用期間での合計コストの優れたもの(例えば、最小のもの)を予定運転時間帯として決定する。
尚、本実施形態では、定格出力の熱電併給装置CGの装置本体部3で発生させる熱によって予測熱負荷量の全てを賄う熱主運転を想定しており、並びに、1日目(一番目の計画対象期間)に発生した熱量がその日に必要な熱量(下限追加熱量)より多くなったとき、その余剰熱量は、2日目(二番目の計画対象期間)に持ち越されることになる。そして、2日目(二番目の計画対象期間)に熱が持ち越された場合、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量は、その日に必要な熱量(予測熱負荷量)から上記余剰熱量を減算した量となる。つまり、コスト計算用期間(1日目及び2日目)での合計の予測熱負荷量が同じであれば、熱電併給装置CGの運転期間のタイミングが異なっていたとしても熱電併給装置CGの合計の運転期間の長さは同じ(即ち、図12のT1及びT2のタイミングが異なっていたとしても、T1及びT2の合計の長さは同じ)、即ち、熱電併給装置CGの運転料金は同じになる。従って、本実施形態では、上記〔式7〕において、「熱電併給装置CGの運転料金」の項を削除することができる。
以上のように、上記特定の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量は、特定の値(即ち、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量に基づいて決定される下限追加熱量)に制限されておらず、下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間に変更できる。つまり、特定の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生する電力量も併せて変更できるので、上記価格変更情報で示された特定買電価格及び特定売電価格を参照して、商用系統9から買う電力の料金が安くなり又は商用系統9へ売る電力の料金が高くなるような省コストを考慮した熱電併給装置CGの運転を行うことができる。
加えて、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間にすることで一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置CGで発生される熱によって賄われることを条件として、上記価格変更情報を参照して上記コスト計算用期間(余剰熱量が持ち越され得る期間を含む一以上の計画対象期間)での予測熱負荷量及び予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、その合計コストが小さくなるような一番目の計画対象期間での熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する。その結果、一番目の計画対象期間での熱電併給装置CGの予定運転時間帯を、総合的に省コストとなるように決定することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態のコージェネレーションシステムは、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させない(売電させない)点で上記第1実施形態と異なっている。以下に第2実施形態のコージェネレーションシステムについて説明するが第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態では、余剰電力は全て電熱変換部14で消費されて熱に変換される。つまり、熱電併給装置CGで発生される熱には、熱電併給装置CGの装置本体部3で発生される熱及び熱電併給装置CGの電熱変換部14で発生される熱が含まれることになる。
また、余剰電力を商用系統9に売電しないので、図11に示した「発電有無による売買コスト差」の値が第1実施形態と本実施形態とでは変わる。そのため、図13を参照して以下に説明するように、熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位も変わる。
以下に、上記実施形態で説明した図9のフローチャートを参照しながら、熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する手順例を説明する。また、図13は、1日の中の時刻0時台〜時刻23時台の1時間毎で熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す図である。
先ず、工程#200において運転制御部7は、下限追加熱量と上限追加熱量とコスト計算用期間とを決定する。この工程#200の内容は、第1実施形態と同様である。
次に、工程#201において運転制御部7は、一番目の計画対象期間での熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する。この工程#201において運転制御部7は、先ず、熱電併給装置CGが運転を行った場合の売買電力コストと運転を行わなかった場合の売買電力コストを比較して、「運転を行わなかった場合の売買電力コスト」から「運転を行った場合の売買電力コスト」を減算した売買コスト差を導出する。この売買コスト差の導出手法は、第1実施形態で説明したのと同様である。但し、本実施形態では、運転制御部7は、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないので「売電量」はゼロであり、その代わりに、電熱変換部14で熱に変換される「ヒータ消費電力量」が生じている。
そして、運転制御部7は、「発電有無による売買コスト差」が大きい時間から順に高い優先順位を割り当てる。図13に示した例では、時刻18時台及び時刻19時台の優先順位が第1位となり、次に時刻12時台及び時刻17時台の優先順位が第3位となっている。
工程#202において運転制御部7は、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さから上限運転長さまで変えながら、コスト計算用期間での合計コストをそれぞれ導出する。このとき、運転制御部7は、優先順位の高い方の運転単位期間から順に選択して、仮の予定運転時間帯を構築する。
例えば、運転制御部7は、下限運転長さTmin=2時間であり、上限運転長さTmax=5時間である場合には、先ず、優先順位が第1位である時刻18時台及び時刻19時台の2時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の運転時間帯の長さ=2時間)を導出する。次に、運転制御部7は、優先順位が第1位である時刻18時台及び時刻19時台の2時間と、優先順位が第3位である時刻12時台又は時刻17時台の1時間との合計3時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の予定運転時間帯の長さ=3時間)を導出する。
このように、運転制御部7は、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さから上限運転長さまで変化させながら、コスト計算用期間でのそれぞれの合計コストを導出する。
尚、本実施形態では、運転制御部7は、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないために、その余剰電力を電熱変換部14で消費させて熱に変換する。つまり、運転制御部7は、本実施形態で熱電併給装置CGを運転させたときの運転トータルコストを以下の〔式9〕で導出できる。
運転トータルコスト=熱電併給装置CGの運転料金+(不足電力量×買電価格) ・・・・・〔式9〕
この〔式9〕では、上述した〔式7〕に含まれていた「余剰電力量×売電価格」の項が無い。
そして、工程#203において運転制御部7は、仮の予定運転時間帯のうち、コスト計算用期間での合計コストの優れたもの(例えば、最小のもの)を予定運転時間帯として決定する。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、具体例を挙げながら本発明に係るコージェネレーションシステムの構成を説明したが、コージェネレーションシステムの構成は適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、熱電併給装置CGとしてガスエンジン1と発電装置2とを備えたコージェネレーションシステムを例示したが、熱と電気とを併せて発生させることのできる装置であれば燃料電池などの他の装置を用いてコージェネレーションシステムを構築することもできる。
<2>
上記実施形態において、運転制御部7は、通信部13が上記価格変更情報を受け付けたとき、上記特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に、熱負荷装置5を遠隔操作すること又は熱負荷装置5の使用者に対してその熱負荷装置5の使用を促す情報を提示することを実施してもよい。
例えば、運転制御部7が、遠隔操作により、熱負荷装置5としての給湯端末5aから湯水を放出させて浴槽(図示せず)の湯張りをすることや、浴室暖房乾燥装置などの暖房端末5bを運転させることで、貯湯タンク4の蓄熱量を減少させてもよい。或いは、運転制御部7が、情報入出力部Rの表示部42に、「風呂湯張りを行いましょう」など、熱負荷装置5の使用を促す文字情報を熱負荷装置5の使用者に対して提示してもよい。この場合、貯湯タンク4に蓄えられた熱量は、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に減少することが期待される。その結果、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯の間に熱電併給装置CGの予定運転時間帯が設定されたとき、その特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に貯湯タンク4の蓄熱量が減少していれば、熱電併給装置CGの運転が制限されること無く予定運転時間帯に滞りなく行われるようになる。
<3>
上記実施形態では、運転制御部7が、「省エネ」ボタン43及び「省コスト」ボタン44の押し操作に応じて、省エネルギモード又は省コストモードでの熱電併給装置CGの運転を行う例を説明したが、例えば、熱電併給装置CGを省コストモードのみで運転させるように改変してもよい。
<4>
上記実施形態では、一番目の計画対象期間で発生される熱量が下限追加熱量より多くなるとき、即ち、二番目の計画対象期間に熱量が持ち越されるとき、持ち越される熱量に価値を見出していたが、その持ち越される熱量(余剰熱量)の価値をゼロと見なしてもよい。つまり、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量より多くするとき、下限追加熱量を超える分の余剰熱量が二番目以降の計画対象期間での予測熱負荷量には充当されないように計画してもよい。
上記実施形態では、例えば図12に示したように、1日目(一番目の計画対象期間)に発生した熱量がその日に必要な熱量(下限追加熱量)より多くなったとき、貯湯タンク4に蓄えられる蓄熱量の余剰分は、2日目(二番目の計画対象期間)に持ち越されることになる。そして、2日目(二番目の計画対象期間)に熱が持ち越された場合、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量は、その日に必要な熱量(予測熱負荷量)から上記余剰分を減算した量としていた。
しかしながら、本別実施形態では、持ち越される熱量の価値をゼロと見なして、運転制御部7は、2日目(二番目の計画対象期間)に実際には熱が持ち越されるとしても、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量はその日に必要な熱量(予測熱負荷量)の全量とし、余剰熱量が2日目の予測熱負荷量を賄うためには充当されないように計画する。従って、運転制御部7は、2日目に余剰熱量が持ち越されないものとして、2日目に熱負荷装置5で元来必要とされる予測熱負荷量を熱電併給装置CGで発生される熱によって賄い、2日目に電力負荷装置11で元来必要とされる予測電力負荷量を熱電併給装置CGで発生される電力及び商用系統9から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を2日目に関して決定する。
<5>
上記実施形態では、一番目の計画対象期間で発生される熱量が下限追加熱量より多くなるとき、即ち、二番目の計画対象期間に熱量が持ち越されるとき、持ち越される熱量に価値を見出していたが、その持ち越される熱量(余剰熱量)の価値が例えば時間経過と共に減少すると見なしてもよい。具体的には、一番目の計画対象期間で発生される余剰熱量が、二番目の計画対象期間で消費されるまでの間(即ち、貯湯タンクで貯えられている間)に、時間経過と共に放熱によって徐々に失われる可能性を考慮してもよい。
<6>
上記実施形態において、運転制御部7が、コスト計算処理で、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量又は上限追加熱量の2通りに制限してもよい。コスト計算処理において、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を、下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間のあらゆる値に設定可能にすると、上記コスト計算処理の計算負荷が大きくなる。
ところが、コスト計算処理において、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量又は上限追加熱量の2通りに制限することで、上記コスト計算処理での計算負荷を相対的に小さくすることができる。
<7>
第1実施形態では余剰電力が存在するならばその余剰電力の全てを商用系統9へ逆潮流させる(売電する)場合を説明し、第2実施形態では余剰電力が存在するとしてもその余剰電力を商用系統9へは全く逆潮流させない(売電しない)場合を説明したが、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させるか否かを所定の判断基準に基づいて決定するように改変を行ってもよい。
具体的には、運転制御部7は、一番目の計画対象期間(1日目)での熱電併給装置CGの各運転単位期間の優先順位を決定するとき、特定の運転単位期間での売電価格が閾値となる所定の売電価格(例えば、0円/kWh、3円/kWhなど)より高ければその特定の運転単位期間での余剰電力を商用系統9へ逆潮流させることに決定する。そして、運転制御部7は、上述したようにその特定の運転単位期間での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格+売電量×売電価格)/1000)を、売電料金が含まれるように導出する。これに対して、運転制御部7は、特定の運転単位期間での売電価格が上記所定の売電価格以下であればその特定の運転単位期間での余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないことに決定する。そして、運転制御部7は、上述したようにその特定の運転単位期間での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格)/1000)を、売電料金が含まれないように導出する。
このように、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させるか否かを一律に定めるのではなく、所定の判断基準に基づいて余剰電力が逆潮流させる場合と余剰電力を逆潮流させない場合とを混在させてもよい。
本発明は、コスト的に有利になる熱電併給装置CGの運転が行われるようなコージェネレーションシステムに利用できる。
3 :熱電併給装置
4 :貯湯タンク(蓄熱装置)
5 :熱負荷装置
7 :運転制御部(運転制御手段)
9 :商用系統(商用電力系統)
11 :電力負荷装置
13 :通信部(情報受付手段)

Claims (5)

  1. 熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、計画対象期間毎に熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷量と電力負荷装置の時系列的な予測電力負荷量とを予測して、前記予測熱負荷量を前記熱電併給装置で発生される熱によって賄い、及び、前記予測電力負荷量を前記熱電併給装置で発生される電力及び商用電力系統から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような前記計画対象期間毎での前記熱電併給装置の予定運転時間帯を決定するように構成されているコージェネレーションシステムであって、
    前記熱電併給装置で発生した熱を蓄えることができ、及び、蓄えた熱を前記熱負荷装置へ供給することができる蓄熱装置と、
    前記商用電力系統から買う電力の時系列的な基準買電価格及び前記商用電力系統へ売る前記熱電併給装置の発電電力の時系列的な基準売電価格の少なくとも何れか一方を、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯において時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格へと変更することを示す価格変更情報を受け付ける情報受付手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、
    前記価格変更情報で指定された前記特定の計画対象期間を一番目の計画対象期間とし、
    前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量に基づいて決定し、
    前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の上限値としての上限追加熱量を、前記蓄熱装置に蓄えることのできる最大の熱量である最大蓄熱可能量に基づいて決定し、
    前記計画対象期間毎の前記予測熱負荷量を参照して、前記最大蓄熱可能量の熱量を全て消費するのに要すると予測される、前記一番目の計画対象期間を含む一以上の計画対象期間で構成される期間をコスト計算用期間として設定し、
    前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量以上及び前記上限追加熱量以下の間にすることで前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量が前記熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、前記価格変更情報を参照して前記コスト計算用期間での前記予測熱負荷量及び前記予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、前記合計コストが小さくなるような前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯を決定するコージェネレーションシステム。
  2. 前記運転制御手段は、前記コスト計算処理において、
    複数の単位期間で構成される前記一番目の計画対象期間内の仮の予定運転時間帯に前記熱電併給装置を運転すると仮定し、及び、前記下限追加熱量を前記熱電併給装置で発生させるための運転長さを下限運転長さとし、前記上限追加熱量を前記熱電併給装置で発生させるための運転長さを上限運転長さとして、
    複数の前記単位期間のうち、前記熱電併給装置を運転させたときに得られると予測される利益が大きい前記単位期間ほど優先順位を高く設定して、前記複数の単位期間のうち、前記優先順位の高い前記単位期間から順に選択して前記仮の予定運転時間帯に含めるという選択ルールで、前記仮の予定運転時間帯の長さを前記下限運転長さ以上且つ前記上限運転長さ以下の範囲で変えながら、前記コスト計算用期間での前記合計コストを前記仮の予定運転時間帯の長さ毎に導出し、
    前記合計コストが小さくなる前記仮の予定運転時間帯を前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯として決定する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量を、二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量を賄うために充当するように計画する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量が、二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量を賄うためには充当されないように計画する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、前記特定の計画対象期間に含まれる前記特定の時間帯が終了する以前に、前記熱負荷装置を遠隔操作すること又は前記熱負荷装置の使用者に対して当該熱負荷装置の使用を促す情報を提示することを実施する請求項1〜4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
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