JP2016134935A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コージェネレーションシステムの運転制御手段7は、情報受付手段13が価格変更情報を受け付けたとき、一番目の計画対象期間において熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量を一番目の計画対象期間での予測熱負荷量により決定される下限追加熱量以上及び蓄熱装置4の最大蓄熱可能量に基づいて決定される上限追加熱量以下の間にすることで、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置CGで発生される熱によって賄われることを条件として、価格変更情報を参照してコスト計算用期間での予測熱負荷量及び予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算し、合計コストが小さくなるような一番目の計画対象期間での熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する。
【選択図】図1
Description
前記熱電併給装置で発生した熱を蓄えることができ、及び、蓄えた熱を前記熱負荷装置へ供給することができる蓄熱装置と、
前記商用電力系統から買う電力の時系列的な基準買電価格及び前記商用電力系統へ売る前記熱電併給装置の発電電力の時系列的な基準売電価格の少なくとも何れか一方を、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯において時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格へと変更することを示す価格変更情報を受け付ける情報受付手段とを備え、
前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、
前記価格変更情報で指定された前記特定の計画対象期間を一番目の計画対象期間とし、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量に基づいて決定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の上限値としての上限追加熱量を、前記蓄熱装置に蓄えることのできる最大の熱量である最大蓄熱可能量に基づいて決定し、
前記計画対象期間毎の前記予測熱負荷量を参照して、前記最大蓄熱可能量の熱量を全て消費するのに要すると予測される、前記一番目の計画対象期間を含む一以上の計画対象期間で構成される期間をコスト計算用期間として設定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量以上及び前記上限追加熱量以下の間にすることで前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量が前記熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、前記価格変更情報を参照して前記コスト計算用期間での前記予測熱負荷量及び前記予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、前記合計コストが小さくなるような前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯を決定する点にある。
ところが本特徴構成では、運転制御手段は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間にすることで一番目の計画対象期間での予測熱負荷量が熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、上記価格変更情報を参照して上記コスト計算用期間(余剰熱量が持ち越され得る期間を含む一以上の計画対象期間)での予測熱負荷量及び予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、その合計コストが小さくなるような一番目の計画対象期間での熱電併給装置の予定運転時間帯を決定する。その結果、一番目の計画対象期間での熱電併給装置の予定運転時間帯を、総合的に省コストとなるように決定することができる。
ところが本特徴構成では、運転制御手段は、情報受付手段が価格変更情報を受け付けたとき、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に、熱負荷装置を遠隔操作すること又は熱負荷装置の使用者に対して当該熱負荷装置の使用を促す情報を提示することを実施する。つまり、蓄熱装置に蓄えられた熱量は、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に減少することが期待される。その結果、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯の間に熱電併給装置の予定運転時間帯が設定されたとき、その特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に蓄熱装置の蓄熱量が減少していれば、熱電併給装置の運転が制限されること無く予定運転時間帯に滞りなく行われるようになる。
以下に図面を参照して本発明の第1実施形態のコージェネレーションシステムについて説明する。
図1は、本発明のコージェネレーションシステムを備えるエネルギ供給設備の全体構成を示す図であり、図2は、コージェネレーションシステムの制御構成を示す図である。
コージェネレーションシステムは、熱電併給装置CGと、その熱電併給装置CGにて発生する熱を利用しながら、回収した熱を湯水として蓄える蓄熱装置としての貯湯タンク4への貯湯及び熱負荷装置5への熱媒供給を行う貯湯ユニット6と、熱電併給装置CG及び貯湯ユニット6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部7と、情報入出力部Rなどから構成されている。図1及び図2に示すように、熱電併給装置CGは、ガスエンジン1によって発電装置2を駆動するように構成された装置本体部3と、後述する電熱変換部14とを備える。熱負荷装置5は、給湯端末5aと床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末5bにて構成されている。
商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷装置11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、発電装置2からの出力電力がインバータ8及びコージェネ用供給ライン12を介して電力負荷装置11に供給されるように構成されている。
つまり、本実施形態において「熱電併給装置CGで発生される熱」とは、熱電併給装置CGの装置本体部3で発生された熱と電熱変換部14で発生された熱とを含む。
但し、電熱変換部14が消費する電力は熱電併給装置CGの装置本体部3で発生した電力のみであり、商業用電力供給ライン10から供給される電力を電熱変換部14が消費することはない。つまり、電熱変換部14が動作する(即ち、電力を消費する)のは、熱電併給装置CG(装置本体部3)が発電運転している間のみである。
バーナ27bへガス燃料を供給する補助燃料路28には、バーナ27bへのガス燃料の供給を断続する補助燃料用電磁弁29と、バーナ27bへのガス燃料の供給量を調節する補助燃料用比例弁30とが設けられている。
そして、運転制御部7は、貯湯タンク4内の貯湯量が満杯となったと判定すると、熱電併給装置CGの装置本体部3の運転を停止させる。
そして、湯水循環路18には、取り出し路35との接続箇所から湯水の循環方向の順に、排熱式熱交換器24、湯水循環ポンプ19、補助加熱器27、電磁比例弁にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う暖房弁39、熱媒加熱用熱交換器26が設けられている。
「省エネ」ボタン43は、後述する省エネルギモードで熱電併給装置CGを運転させることを使用者が指令するためのボタンであり、「省コスト」ボタン44は、後述する省コストモードで熱電併給装置CGを運転させることを使用者が指令するためのボタンである。つまり、運転制御部7は、「省エネ」ボタン43が押し操作されると、省エネルギモードでの熱電併給装置CGの運転が指令されたと判定して、その後、熱電併給装置CGを省エネルギモードで運転させる。これに対して、運転制御部7は、「省コスト」ボタン44が押し操作されると、省コストモードでの熱電併給装置CGの運転が指令されたと判定して、その後、熱電併給装置CGを省コストモードで運転させる。
また、図3に例示する表示部42は、電力使用量を表示する電力表示部42aと、貯湯タンク4に貯えられている熱量を表示する貯湯量表示部42bとを有する。このような情報表示が行われることで、表示部42を見た使用者は、現在の電力負荷装置11での電力使用量や貯湯タンク4での貯湯量を確認することができる。
次に、運転制御部7が行うデータ更新処理及び予測負荷演算処理について説明する。尚、以下の説明では、計画対象期間を1日として説明する。
運転制御部7は、実際の使用状況に基づいて、1日分(即ち、一つの計画対象期間分)の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するデータ更新処理を行い、日付が変わって午前0時になるごとに、記憶されている1日分の過去負荷データを用いて、将来の(その当日、翌日以降などの1日分の)予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
データ更新処理について説明を加えると、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷、熱負荷としての給湯熱負荷と暖房熱負荷があったかの1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するように構成されている。
過去負荷データは、電力負荷データ、給湯熱負荷データ、暖房熱負荷データの3種類の負荷データからなり、1日分の過去負荷データを日曜日から土曜日までの曜日ごとに区分けした状態で記憶するように構成されている。
そして、1日分の過去負荷データは、24時間のうち1時間を単位時間として、単位時間当たりの電力負荷データの24個、単位時間当たりの給湯熱負荷データの24個、及び、単位時間当たりの暖房熱負荷データの24個から構成されている。
そして、1日分の実負荷データが1週間分記憶されると、曜日ごとに、過去負荷データと実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、新しい過去負荷データを求めて、その求めた新しい過去負荷データを記憶して、過去負荷データを更新するように構成されている。
尚、下記の〔式1〕において、D1mを、日曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Kは、0.75の定数であり、D1(m+1)を、新しい過去負荷データとする。
D1(m+1)=(D1m×K)+{A1×(1−K)}・・・〔式1〕
〔当日(一番目の計画対象期間)〕
図5は、予測負荷演算処理を説明するための時系列的なデータを示す図である。
運転制御部7は、予測負荷演算処理を日付が変わるごとに実行し、その当日のどの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷、暖房熱負荷が予測されているかの1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。つまり、運転制御部7は、曜日ごとの7つの過去負荷データのうち、その日の曜日に対応する過去負荷データと前日の実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、どの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷、暖房熱負荷が予測されているかのその日1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
そして、1日分の予測負荷データBは、図5に示すように、1日分の予測電力負荷データ、1日分の予測給湯熱負荷データ、1日分の予測暖房熱負荷データからなり、図5(a)は、1日分の予測電力負荷を示しており、図5(b)は、1日分の予測暖房熱負荷を示しており、図5(c)は、1日分の予測給湯熱負荷を示している。
尚、下記の〔式2〕において、D2mを、月曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Qは、0.25の定数であり、Bは、予測負荷データとする。
B=(D2m×Q)+{A1×(1−Q)}・・・〔式2〕
翌日以降の予測負荷データも上記(式2)に従って導出できる。
具体的には、日曜日が終了して月曜日になった時点で、火曜日(二番目の計画対象期間)の予測負荷データを導出する場合、上記(式2)においてQ=1とする。その結果、火曜日の予測負荷データBは、火曜日に対応する過去負荷データD3mを用いて、B=D3mと導出できる。
同様に、日曜日が終了して月曜日になった時点で、水曜日(三番目の計画対象期間)の予測負荷データBを、B=D4mと導出できる。
運転制御部7は、省エネルギモードでの熱電併給装置CGの運転が指令された状態では、熱電併給装置CGを以下に説明する省エネルギモードで運転させる。省エネルギモードは、電力負荷装置11及び熱負荷装置5に電力及び熱を供給するときのエネルギ効率が省エネルギとなるように、熱負荷装置5の熱負荷量を賄える熱量を発生する熱主運転を行うための熱電併給装置CGの予定運転時間帯を定め、その予定運転時間帯に熱電併給装置CGを運転させるモードである。
以下に、運転制御部7がこの省エネルギモードで実施する省エネルギ度基準値演算処理と運転可否判別処理とについて説明する。
省エネルギ度P={(EK1+EK2+EK3)/熱電併給装置CGの必要エネルギ}×100・・・〔式3〕
EK1=有効発電出力E1の発電所一次エネルギ換算値
=f1(有効発電出力E1,発電所での必要エネルギ)
EK2=有効暖房熱出力E2の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f2(有効暖房熱出力E2,バーナ効率(暖房時))
EK3=有効貯湯熱出力E3の従来給湯器でのエネルギ換算値
=f3(有効貯湯熱出力E3,バーナ効率(給湯時))
熱電併給装置CGの必要エネルギ:5.5kW
(熱電併給装置CGを1時間稼動させたときの都市ガス消費量を0.433m3とする)
単位電力発電必要エネルギ:2.8kW
バーナ効率(暖房時):0.8
バーナ効率(給湯時):0.9
E1=熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力−(余剰電力+固有の補機の電力負荷量)・・・〔式4〕
E2=暖房端末5bでの熱負荷・・・〔式5〕
E3=(熱電併給装置CGの装置本体部3の熱出力+熱電併給装置CGの電熱変換部14の熱出力−有効暖房熱出力E2)−放熱ロス・・・〔式6〕
但し、電熱変換部14の熱出力=電熱変換部14の電力負荷×電熱変換部14の熱効率とする。
例えば、予測給湯熱負荷データから12時間後に9.8kWhの給湯熱負荷が予測されていて、現時点での貯湯タンク4内の貯湯量が2.5kWhである場合には、12時間先までの間に必要となる必要貯湯量は7.3kWhとなる。
次に予測省エネルギ度の高い6時間先から7時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が1.1kWhとなる。
また次に予測省エネルギ度の高い5時間先から6時間先までの単位時間を選択し、その単位時間における予測貯湯量を足し合わせて、そのときの足し合わせた予測貯湯量が4.0kWhとなる。
そうすると、8時間先から9時間先までの単位時間の省エネルギ度を省エネルギ度基準値として設定し、図6に示すものでは、省エネルギ度基準値が106となる。
そして、運転制御部7は、その実省エネルギ度が省エネルギ度基準値よりも上回ると、熱電併給装置CGの運転が可と判別し、実省エネルギ度が省エネルギ度基準値以下であると、熱電併給装置CGの運転が不可と判別する。
従って、必要貯湯量を貯湯できるように予測省エネルギ度の高い時間帯の順に選択した複数の単位時間から成る時間帯が、予測熱負荷及び予測電力負荷と省エネルギ運転条件(省エネルギ度Pに相当する)とに基づいて求めた熱電併給装置CGを運転するための予定運転時間帯となる。
運転制御部7は、省コストモードでの熱電併給装置CGの運転が指令された状態では、熱電併給装置CGを以下に説明する省コストモードで運転させる。
つまり、本実施形態では、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力を商用系統9へと売電可能に構成されているので、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力が余るように熱電併給装置CGを運転して、商用系統9への熱電併給装置CGの装置本体部3の発電電力の売電料金を増加させれば、コージェネレーションシステムの省コストを達成できる可能性がある。従って、運転制御部7は、コージェネレーションシステムの省コストを目的とするときは、熱電併給装置CGの装置本体部3で発電された電力の売電料金と商用系統9からの買電料金とを考慮して、コージェネレーションシステムを省コストモードで運転させるような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を求めて、その求めた予定運転時間帯に基づいて熱電併給装置CGを自動運転させる。
図7は、省コストモードの制御フローを説明する図である。図8は、省コストモードを説明するための時系列的なデータを示す図である。図8において、実線で示すのは熱電併給装置CGの予定運転時間帯であり、破線で示すのは予測給湯熱負荷量及び予測暖房熱負荷量である。
この予定運転時間帯は、上述した省エネルギモードで運転させるような熱電併給装置CGの予定運転時間帯を用いることができる。そして、省エネルギを目的としないならば、その予定運転時間帯の開始タイミングは自由に変更可能である。つまり、熱電併給装置CGの予定運転時間帯が省エネルギを目的として図8(a)に実線で示すように仮決定されていたとしても、その運転期間の長さが維持されていれば(即ち、熱電併給装置CGの装置本体部3から発生する熱量が同じであれば)、その運転時間帯を時間的に前後に変更してもよい。
或いは、運転制御部7は、熱電併給装置CGの予定運転時間帯の運転期間の長さTだけを仮決定してもよい。つまり、運転制御部7は、熱負荷装置5の予測熱負荷量を賄うために熱電併給装置CGの装置本体部3で発生する必要のある追加熱量Xを知っているので、その追加熱量Xを発生する熱主運転を行うのに必要な熱電併給装置CGの運転期間の長さTを導出することができる。例えば、運転制御部7は、熱電併給装置CGの装置本体部3の予定運転時間帯の運転長さTを、T=f(X)といった数式で表すことができる。
尚、熱電併給装置CGの装置本体部3で発生させる熱量及び補助加熱器27で発生させる熱量を組み合わせて予測熱負荷量を賄う場合には、「熱量の調達コスト」として、熱電併給装置CGの燃料コストと補助加熱器27の燃料コストとの合計値を採用すればよい。
次に、図9〜図12を参照して、運転制御部7が、熱電併給装置CGを省コストモードで運用中に、デマンドレスポンス行動を促す情報として、後述する価格変更情報を通信部(情報受付手段の一例)13で受け付けた場合の制御について説明する。
図9は、熱電併給装置CGの予定運転時間帯を決定する手順例を説明するフローチャートである。図10は、熱電併給装置CGで発生させるべき追加熱量の大きさを概略的に示す図である。図11は、1日の中の時刻0時台〜時刻23時台の1時間毎で熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する手順例を示す図である。図12は、コスト計算用期間での負荷及び料金及び熱電併給装置CGの装置本体部3の運転時間帯及び貯湯タンク4での蓄熱量の時間的推移の例を概略的に示す図である。
具体的には、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、一番目の計画対象期間で要求される予測熱負荷量に基づいて決定する。例えば、運転制御部は、図10に示すように、一番目の計画対象期間(例えば、当日の1日間)の予測熱負荷量から現時点での貯湯タンク4内の現在蓄熱量を減算して、熱電併給装置CGで追加で発生させる必要のある(即ち、貯湯タンク4に追加で蓄える必要のある)熱量を導出する。熱電併給装置CGは予測熱負荷量を賄うためには少なくともこの熱量を発生させなければならないため、この熱量を下限追加熱量とする。
つまり、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において、下限追加熱量≦X≦上限追加熱量となるような追加熱量Xを熱電併給装置CGで発生させることができる。
例えば、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量を上限追加熱量とすることで、貯湯タンク4に対して最大蓄熱可能量の熱量が蓄えられると仮定したとき、その熱量が、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量で全て消費される場合には、コスト計算用期間は一番目の計画対象期間になる。或いは、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで発生させる追加熱量を上限追加熱量とすることで、貯湯タンク4に対して最大蓄熱可能量の熱量が蓄えられると仮定したとき、その熱量が、一番目の計画対象期間での予測熱負荷量と二番目の計画対象期間での予測熱負荷量とで消費される場合には、コスト計算用期間は、一番目の計画対象期間及び二番目の計画対象期間になる。
そして、運転制御部7は、「発電有無による売買コスト差」が大きい運転単位期間から順に高い優先順位を割り当てる。図11に示した例では、時刻17時台及び時刻18時台及び時刻19時台の運転単位期間の優先順位が第1位となり、次に時刻12時台の運転単位期間の優先順位が第4位となっている。
尚、本実施形態では、定格出力の熱電併給装置CGの装置本体部3で発生させる熱によって予測熱負荷量の全てを賄う熱主運転を想定しており、並びに、1日目(一番目の計画対象期間)に発生した熱量がその日に必要な熱量(下限追加熱量)より多くなったとき、その余剰熱量は、2日目(二番目の計画対象期間)に持ち越されることになる。そして、2日目(二番目の計画対象期間)に熱が持ち越された場合、2日目に熱電併給装置CGから新たに供給する必要のある熱量は、その日に必要な熱量(予測熱負荷量)から上記余剰熱量を減算した量となる。つまり、コスト計算用期間(1日目及び2日目)での合計の予測熱負荷量が同じであれば、熱電併給装置CGの運転期間のタイミングが異なっていたとしても熱電併給装置CGの合計の運転期間の長さは同じ(即ち、図12のT1及びT2のタイミングが異なっていたとしても、T1及びT2の合計の長さは同じ)、即ち、熱電併給装置CGの運転料金は同じになる。従って、本実施形態では、上記〔式7〕において、「熱電併給装置CGの運転料金」の項を削除することができる。
第2実施形態のコージェネレーションシステムは、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させない(売電させない)点で上記第1実施形態と異なっている。以下に第2実施形態のコージェネレーションシステムについて説明するが第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
また、余剰電力を商用系統9に売電しないので、図11に示した「発電有無による売買コスト差」の値が第1実施形態と本実施形態とでは変わる。そのため、図13を参照して以下に説明するように、熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位も変わる。
次に、工程#201において運転制御部7は、一番目の計画対象期間での熱電併給装置CGの運転単位期間の優先順位を決定する。この工程#201において運転制御部7は、先ず、熱電併給装置CGが運転を行った場合の売買電力コストと運転を行わなかった場合の売買電力コストを比較して、「運転を行わなかった場合の売買電力コスト」から「運転を行った場合の売買電力コスト」を減算した売買コスト差を導出する。この売買コスト差の導出手法は、第1実施形態で説明したのと同様である。但し、本実施形態では、運転制御部7は、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないので「売電量」はゼロであり、その代わりに、電熱変換部14で熱に変換される「ヒータ消費電力量」が生じている。
そして、運転制御部7は、「発電有無による売買コスト差」が大きい時間から順に高い優先順位を割り当てる。図13に示した例では、時刻18時台及び時刻19時台の優先順位が第1位となり、次に時刻12時台及び時刻17時台の優先順位が第3位となっている。
例えば、運転制御部7は、下限運転長さTmin=2時間であり、上限運転長さTmax=5時間である場合には、先ず、優先順位が第1位である時刻18時台及び時刻19時台の2時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の運転時間帯の長さ=2時間)を導出する。次に、運転制御部7は、優先順位が第1位である時刻18時台及び時刻19時台の2時間と、優先順位が第3位である時刻12時台又は時刻17時台の1時間との合計3時間を仮の予定運転時間帯に設定して、コスト計算用期間での合計コスト(仮の予定運転時間帯の長さ=3時間)を導出する。
このように、運転制御部7は、仮の予定運転時間帯の長さを下限運転長さから上限運転長さまで変化させながら、コスト計算用期間でのそれぞれの合計コストを導出する。
<1>
上記実施形態では、具体例を挙げながら本発明に係るコージェネレーションシステムの構成を説明したが、コージェネレーションシステムの構成は適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、熱電併給装置CGとしてガスエンジン1と発電装置2とを備えたコージェネレーションシステムを例示したが、熱と電気とを併せて発生させることのできる装置であれば燃料電池などの他の装置を用いてコージェネレーションシステムを構築することもできる。
上記実施形態において、運転制御部7は、通信部13が上記価格変更情報を受け付けたとき、上記特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に、熱負荷装置5を遠隔操作すること又は熱負荷装置5の使用者に対してその熱負荷装置5の使用を促す情報を提示することを実施してもよい。
例えば、運転制御部7が、遠隔操作により、熱負荷装置5としての給湯端末5aから湯水を放出させて浴槽(図示せず)の湯張りをすることや、浴室暖房乾燥装置などの暖房端末5bを運転させることで、貯湯タンク4の蓄熱量を減少させてもよい。或いは、運転制御部7が、情報入出力部Rの表示部42に、「風呂湯張りを行いましょう」など、熱負荷装置5の使用を促す文字情報を熱負荷装置5の使用者に対して提示してもよい。この場合、貯湯タンク4に蓄えられた熱量は、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に減少することが期待される。その結果、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯の間に熱電併給装置CGの予定運転時間帯が設定されたとき、その特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯が終了する以前に貯湯タンク4の蓄熱量が減少していれば、熱電併給装置CGの運転が制限されること無く予定運転時間帯に滞りなく行われるようになる。
上記実施形態では、運転制御部7が、「省エネ」ボタン43及び「省コスト」ボタン44の押し操作に応じて、省エネルギモード又は省コストモードでの熱電併給装置CGの運転を行う例を説明したが、例えば、熱電併給装置CGを省コストモードのみで運転させるように改変してもよい。
上記実施形態では、一番目の計画対象期間で発生される熱量が下限追加熱量より多くなるとき、即ち、二番目の計画対象期間に熱量が持ち越されるとき、持ち越される熱量に価値を見出していたが、その持ち越される熱量(余剰熱量)の価値をゼロと見なしてもよい。つまり、運転制御部7は、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量より多くするとき、下限追加熱量を超える分の余剰熱量が二番目以降の計画対象期間での予測熱負荷量には充当されないように計画してもよい。
上記実施形態では、一番目の計画対象期間で発生される熱量が下限追加熱量より多くなるとき、即ち、二番目の計画対象期間に熱量が持ち越されるとき、持ち越される熱量に価値を見出していたが、その持ち越される熱量(余剰熱量)の価値が例えば時間経過と共に減少すると見なしてもよい。具体的には、一番目の計画対象期間で発生される余剰熱量が、二番目の計画対象期間で消費されるまでの間(即ち、貯湯タンクで貯えられている間)に、時間経過と共に放熱によって徐々に失われる可能性を考慮してもよい。
上記実施形態において、運転制御部7が、コスト計算処理で、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量又は上限追加熱量の2通りに制限してもよい。コスト計算処理において、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を、下限追加熱量以上及び上限追加熱量以下の間のあらゆる値に設定可能にすると、上記コスト計算処理の計算負荷が大きくなる。
ところが、コスト計算処理において、一番目の計画対象期間において熱電併給装置CGで新たに発生させる追加熱量を下限追加熱量又は上限追加熱量の2通りに制限することで、上記コスト計算処理での計算負荷を相対的に小さくすることができる。
第1実施形態では余剰電力が存在するならばその余剰電力の全てを商用系統9へ逆潮流させる(売電する)場合を説明し、第2実施形態では余剰電力が存在するとしてもその余剰電力を商用系統9へは全く逆潮流させない(売電しない)場合を説明したが、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させるか否かを所定の判断基準に基づいて決定するように改変を行ってもよい。
具体的には、運転制御部7は、一番目の計画対象期間(1日目)での熱電併給装置CGの各運転単位期間の優先順位を決定するとき、特定の運転単位期間での売電価格が閾値となる所定の売電価格(例えば、0円/kWh、3円/kWhなど)より高ければその特定の運転単位期間での余剰電力を商用系統9へ逆潮流させることに決定する。そして、運転制御部7は、上述したようにその特定の運転単位期間での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格+売電量×売電価格)/1000)を、売電料金が含まれるように導出する。これに対して、運転制御部7は、特定の運転単位期間での売電価格が上記所定の売電価格以下であればその特定の運転単位期間での余剰電力を商用系統9へ逆潮流させないことに決定する。そして、運転制御部7は、上述したようにその特定の運転単位期間での1kWh当たりの売買電力コスト(=(買電量×買電価格)/1000)を、売電料金が含まれないように導出する。
このように、余剰電力を商用系統9へ逆潮流させるか否かを一律に定めるのではなく、所定の判断基準に基づいて余剰電力が逆潮流させる場合と余剰電力を逆潮流させない場合とを混在させてもよい。
4 :貯湯タンク(蓄熱装置)
5 :熱負荷装置
7 :運転制御部(運転制御手段)
9 :商用系統(商用電力系統)
11 :電力負荷装置
13 :通信部(情報受付手段)
Claims (5)
- 熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とを備え、前記運転制御手段は、計画対象期間毎に熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷量と電力負荷装置の時系列的な予測電力負荷量とを予測して、前記予測熱負荷量を前記熱電併給装置で発生される熱によって賄い、及び、前記予測電力負荷量を前記熱電併給装置で発生される電力及び商用電力系統から買う電力の少なくとも何れか一方によって賄うような前記計画対象期間毎での前記熱電併給装置の予定運転時間帯を決定するように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記熱電併給装置で発生した熱を蓄えることができ、及び、蓄えた熱を前記熱負荷装置へ供給することができる蓄熱装置と、
前記商用電力系統から買う電力の時系列的な基準買電価格及び前記商用電力系統へ売る前記熱電併給装置の発電電力の時系列的な基準売電価格の少なくとも何れか一方を、特定の計画対象期間に含まれる特定の時間帯において時系列的な特定買電価格及び時系列的な特定売電価格へと変更することを示す価格変更情報を受け付ける情報受付手段とを備え、
前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、
前記価格変更情報で指定された前記特定の計画対象期間を一番目の計画対象期間とし、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の下限値としての下限追加熱量を、前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量に基づいて決定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる追加熱量の上限値としての上限追加熱量を、前記蓄熱装置に蓄えることのできる最大の熱量である最大蓄熱可能量に基づいて決定し、
前記計画対象期間毎の前記予測熱負荷量を参照して、前記最大蓄熱可能量の熱量を全て消費するのに要すると予測される、前記一番目の計画対象期間を含む一以上の計画対象期間で構成される期間をコスト計算用期間として設定し、
前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量以上及び前記上限追加熱量以下の間にすることで前記一番目の計画対象期間での前記予測熱負荷量が前記熱電併給装置で発生される熱によって賄われることを条件として、前記価格変更情報を参照して前記コスト計算用期間での前記予測熱負荷量及び前記予測電力負荷量を賄うために要する合計コストを計算するコスト計算処理の結果に基づいて、前記合計コストが小さくなるような前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯を決定するコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段は、前記コスト計算処理において、
複数の単位期間で構成される前記一番目の計画対象期間内の仮の予定運転時間帯に前記熱電併給装置を運転すると仮定し、及び、前記下限追加熱量を前記熱電併給装置で発生させるための運転長さを下限運転長さとし、前記上限追加熱量を前記熱電併給装置で発生させるための運転長さを上限運転長さとして、
複数の前記単位期間のうち、前記熱電併給装置を運転させたときに得られると予測される利益が大きい前記単位期間ほど優先順位を高く設定して、前記複数の単位期間のうち、前記優先順位の高い前記単位期間から順に選択して前記仮の予定運転時間帯に含めるという選択ルールで、前記仮の予定運転時間帯の長さを前記下限運転長さ以上且つ前記上限運転長さ以下の範囲で変えながら、前記コスト計算用期間での前記合計コストを前記仮の予定運転時間帯の長さ毎に導出し、
前記合計コストが小さくなる前記仮の予定運転時間帯を前記一番目の計画対象期間での前記熱電併給装置の前記予定運転時間帯として決定する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量を、二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量を賄うために充当するように計画する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段は、前記一番目の計画対象期間において前記熱電併給装置で新たに発生させる前記追加熱量を前記下限追加熱量より多くするとき、前記下限追加熱量を超える分の余剰熱量が、二番目以降の前記計画対象期間での前記予測熱負荷量を賄うためには充当されないように計画する請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段は、前記情報受付手段が前記価格変更情報を受け付けたとき、前記特定の計画対象期間に含まれる前記特定の時間帯が終了する以前に、前記熱負荷装置を遠隔操作すること又は前記熱負荷装置の使用者に対して当該熱負荷装置の使用を促す情報を提示することを実施する請求項1〜4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
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