JP6424197B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機に関する。
従来、回胴式遊技機であるスロットマシンは、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、開口の一辺側を回転軸として回動することによって当該開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよびこの複数のリールを保持するユニット本体などを有し、筐体の開口から挿入されてこの筐体の内部空間内に配置されるリールユニットなどを備える。そして、特許文献1には、下記に記載する、リールユニットの筐体の背板部への取り付け方が開示されている。
リールユニットを筐体の背板部に取り付ける場合には、ユニット本体に設けられた複数の固定用フックをそれぞれに対応して筐体の背板部に設けられたフック受け孔に入り込むように、リールユニットの位置合わせを行う。その後、リールユニットのユニット本体の背面を筐体の背板部に当接させるとともに、固定用フックがフック受け孔の下方に入り込むように、リールユニットを下方に移動させる。
また、リールユニットのユニット本体には前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、筐体の背板部において当該貫通孔と対応する位置にねじ孔が形成されており、これら貫通孔とねじ孔を利用してねじによりリールユニットが背板部に固定されている。
特開2013−22140号公報(段落0079〜段落0126、図8〜図12)
ところで、リールユニットは各リールを駆動するリールモータ等を備えるため一定の重量がある。このため、リールユニットの固定用フックが筐体の背板部のフック受け孔に挿入されてリールユニットが背板部に取り付けられ、遊技機が遊技場に設置された後に実施される遊技中では、筐体の背板部に取り付けられたリールユニットが動くことは基本的に起こらない。ただし、遊技機の輸送時には振動によりリールユニットが動くこと、メンテナンスおよびモータ始動による揺れ等が発生することが考えられるため、上記の特許文献1では、リールユニットを筐体の背板部にねじ止めを行っている。
しかしながら、筐体内に存在する他の部品が邪魔となり、ねじ止めに電動ドライバー等の工具を用いることが困難である場合がある。特に、ねじ孔を前面扉の回転軸側に設けた場合、前面扉の裏側にも他の部品が設けられているため、ねじ止めに工具を用いることがより困難になる。
また、一定の重量があるリールユニットの振動をねじだけで支えるため、ねじ周辺に過度に荷重がかかり、過度に荷重がかかった箇所などが破損する虞がある。このため、ユニット本体の当該箇所の破損により、リールユニットの他の箇所が破損していなくても、リールユニットそのものを交換しなければならない虞がある。また、過度に荷重がかかる箇所だけ強度を高めるために別部品化すると、ユニット本体として一体化して形成することができず、リールユニットの製造工数が増大してしまうという問題が発生する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リールユニットを筐体の背板部に簡易に固定することができるとともに、遊技機の輸送時等に発生する振動に対する遊技機の破損を防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機であって、前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔とを備え、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材を備え、前記取付部には、垂直な縦リブが形成され、前記防止部材の前記取付部の前記縦リブと対向する位置には、前記縦リブと協働して前記取付部にかかる上方向の荷重を受ける荷重受け部が形成されていることを特徴としている
この構成によると、リールユニットのユニット本体に形成された取付部の少なくとも一部を筐体の背板部に形成された取付孔に挿入し、この少なくとも一部がリールユニットの自重により取付孔の下部に位置した状態で取付孔の上部空間に防止部材を嵌挿し、この嵌挿された防止部材により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することを防止する。これにより、リールユニットを筐体の背板部に簡易に固定することができるとともに、遊技機の輸送時等に発生する振動により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することに起因する遊技機の破損を防止することができる。また、取付部に縦リブを形成し、防止部材にこの縦リブに対応する位置に荷重受け部を形成することによって、遊技機の振動時にリールユニットの筐体の背板部に対する相対的な振動を効果的に抑えることができる。
他の発明は、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機であって、前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔とを備え、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材を備え、前記防止部材は、前記取付孔の前記上部空間に嵌挿される基部と、前記基部の前面側に、該基部から前方に延びて設けられた把持部と、前記把持部の前面側に設けられた押し込み部と、前記基部の背面側の下端部分から前記基部の前面より前方にまで延びた底部と、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置する状態の前記ユニット本体の被係止部に着脱自在に係止する係止爪とを備え、前記防止部材は、前記底部に対して特定の方向に力を加えることにより、前記係止爪が前記ユニット本体の前記被係止部から外れやすくなるように構成されていることを特徴としている
この構成によると、リールユニットのユニット本体に形成された取付部の少なくとも一部を筐体の背板部に形成された取付孔に挿入し、この少なくとも一部がリールユニットの自重により取付孔の下部に位置した状態で取付孔の上部空間に防止部材を嵌挿し、この嵌挿された防止部材により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することを防止する。これにより、リールユニットを筐体の背板部に簡易に固定することができるとともに、遊技機の輸送時等に発生する振動により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することに起因する遊技機の破損を防止することができる。また、作業者は例えば2本の指の間で把持部を挟み、その状態で別の指で押し込み部を押圧して基部を取付孔の上部空間に押し込むことで、防止部材の基部を取付孔の上部空間に嵌挿する作業を行うことができ、このため、工具を利用せずに防止部材を簡単に取付孔の上部空間に嵌挿することができる。また、作業者は防止部材の係止爪がユニット本体の被係止部から外れやすくなる特定の方向に防止部材の底部に対して力を加えることで、防止部材の基部を取付孔から引き抜く作業を行うことができ、このため、工具を利用せずに防止部材を簡単に取付孔から引く抜くことができる。
さらに他の発明は、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機であって、前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔とを備え、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材を備え、前記リールユニットに、前記取付孔から取り外された前記防止部材を係合状態で留め置く留置部が設けられていることを特徴としている
この構成によると、リールユニットのユニット本体に形成された取付部の少なくとも一部を筐体の背板部に形成された取付孔に挿入し、この少なくとも一部がリールユニットの自重により取付孔の下部に位置した状態で取付孔の上部空間に防止部材を嵌挿し、この嵌挿された防止部材により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することを防止する。これにより、リールユニットを筐体の背板部に簡易に固定することができるとともに、遊技機の輸送時等に発生する振動により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することに起因する遊技機の破損を防止することができる。また、防止部材を取付孔から取り外した場合に、防止部材をリールユニットの留置部に係合状態で留め置くことにより防止部材の紛失を防止することができる。また、再度リールユニットを筐体の背板部に固定する場合、リールユニットの留置部に係合状態で留め置かれた防止部材が作業者の目に入ることにより、取付孔の上部空間への防止部材の嵌挿忘れを防止することができる。
さらに他の発明は、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機であって、前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔とを備え、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材と、前記防止部材を前記リールユニットに繋ぐ紐状部材とを備えることを特徴としている
この構成によると、リールユニットのユニット本体に形成された取付部の少なくとも一部を筐体の背板部に形成された取付孔に挿入し、この少なくとも一部がリールユニットの自重により取付孔の下部に位置した状態で取付孔の上部空間に防止部材を嵌挿し、この嵌挿された防止部材により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することを防止する。これにより、リールユニットを筐体の背板部に簡易に固定することができるとともに、遊技機の輸送時等に発生する振動により取付部の少なくとも一部が取付孔内で移動することに起因する遊技機の破損を防止することができる。また、防止部材を取付孔から取り外した場合に、防止部材がリールユニットに紐状部材で繋がれることにより、防止部材の紛失を防止することができる。また、再度リールユニットを筐体の背板部に固定する場合、リールユニットに紐状部材で繋がれた防止部材が作業者の目に入ることにより、取付孔の上部空間への防止部材の嵌挿忘れを防止することができる。
本発明の実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシンの概略斜視図である。 図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態の概略斜視図である。 図1のスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。 (a)はリールユニットを筐体の背板に取り付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は(a)のx方向から見たリールユニットの取付部の斜視図である。 (a)はリールユニットの天板の平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のx方向からみた取付部の側面図である。 (a)はリールユニットの取付部を筐体の取付孔に固定する前の断面図であり、(b)はリールユニットの取付部を筐体の取付孔に固定した後の断面図である。 (a)は固定キャップを右前方上から見た斜視図であり、(b)は固定キャップを右前方下から見た斜視図である。 (a)は固定キャップの正面図であり、(b)は固定キャップの平面図であり、(c)は固定キャップの背面図であり、(d)は固定キャップの左側面図である。 (a)はリールユニットおよび筐体の背板を筐体の前面側から見た斜視図であり、(b)は(a)の一点鎖線部分を筐体の裏側から見た斜視図である。 図9のA−A断面の概略図であり、(b)は固定キャップの背板の取付孔への嵌挿状態を示す図である。 固定キャップの背板の取付孔の上部空間への嵌挿作業を説明するための説明図である。 固定キャップの背板の取付孔の上部空間からの引き抜き作業を説明するための説明図である。 (a)は基板ケースが配置されたリールユニットの天板に固定キャップが保持されている状態を右前方上から見た斜視図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。 (a)は基板ケースが配置されていないリールユニットの天板の固定キャップの留置部周辺の斜視図であり、(b)は固定キャップを留置部に留め置いた状態の斜視図である。 図3のメイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。 (a),(b)はそれぞれ図15の点灯タイミング振分テーブルの具体例を示す図である。 背板に設けられた取付孔の変形例を示す図である。 取付部と固定キャップの変形例を示す図である。 (a)は変形例の固定キャップに取り付ける配線保持具の斜視図であり、(b)は(a)の配線保持具を変形例である固定キャップに取り付ける前の斜視図であり、(c)は固定キャップの前面に設けられた配線保持具取付用の取付穴の平面図である。 固定キャップをリールユニットに載置する構造の変形例を示す斜視図であり、(a)は固定キャップを留置部に留め置く前の状態の斜視図であり、(b)は固定キャップを留置部に留め置いた状態の斜視図である。 図20(a)の断面の概略図である。 図20(a)から図20(b)までの固定キャップを留め置く過程を説明するための図である。
本発明の実施形態について、図1〜図16を参照して説明する。
本実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1のように構成されている。なお、本件書類において、単に、左、右と記載した場合、スロットマシン1の前面扉5の前方からスロットマシン1の前面扉5の方を見て、左、右であり、単に、前面側、背面側と記載した場合、スロットマシン1の前面扉5の前方からスロットマシン1の前面扉5の方を見て、手前の方が前面側、後ろの方が背面側である。
スロットマシン1は、筐体3を備える。筐体3は、図2に示すように、それぞれが四角板状をした底板3a、天板3b、右側面板3c、左側面板3d、および背板3eを備えており、それぞれは例えば木製の板材によって形成されている。そして、筐体3は、底板3a、天板3b、右側面板3c、左側面板3d、および背板3eを適宜組み合わせることによって、図2に示すように、前面に開口3fを有する箱状に構成されている。
スロットマシン1は、筐体3の前面側に取り付けられた前面扉5を備え、前面扉5は、図2に示すように、開口3fの一辺側(本実施形態では、左辺側)を回転軸5cとして回動することによって開口3fを開閉可能とするように、筐体3の左側面板3dの前面側に取付部材5a,5bを用いて筐体3に取り付けられている。
前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図2に示すように、スロットマシン1が備えるリールユニット6の左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。
リールユニット6は、筐体3の開口3fから挿入されて筐体3の背板3eに取り付けられることによって、図2に示すように、筐体3の内部空間内であって、リールユニット6が備える左・中・右リール13L,13M,13Rが表示窓11の内側に位置するように、配置される。リールユニット6は支持枠体12を備え、支持枠体12は、図2、図4に示すように、天板12aと、底板12bと、右側枠12cと、不図示の左側枠を備え、天板12aと、底板12bと、右側枠12cと、左側枠を適宜組み合わせることによって構成されている。
支持枠体12は、左・中・右リール13L,13M,13Rをそれぞれ回転軸周りに回転可能に支持している。左・中・右リール13L,13M,13Rには、周面に複数種類の図柄が所定数(この実施形態では、合計20個)、所定の配列で周方向にそれぞれ付されている。また、各リール13L,13M,13Rに付された各図柄には、0番から19番までのコマ番号が順に割り当てられている。この場合、例えば、コマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープが各リール13L,13M,13Rの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、この実施形態では、入賞判定に使用される表示窓11内の入賞ラインとして、左リール13Lの中段、中リール13Mの中段、右リール13Rの中段により構成されるいわゆる中段ラインが設定されている。
また、支持枠体12は、図2では図示省略しているが、各リール13L,13M,13Rを独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rの回転軸とそれぞれ連結されたステッピングモータで構成される各リールモータ14L,14M,14R(図3参照)を支持している。また、図2では図示省略しているが、支持枠体12の天板12aの上面には、各リールモータ14L,14M,14R(図3参照)の駆動制御などを行う制御回路が実装された矩形の基板が横置きに配設されるとともに、この基板を被包する基板ケースが配設されている。
なお、リールユニット6を筐体3の背板3eに取り付けるためのリールユニット6および筐体3の背板3eの構造の詳細については後述する。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルのメダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、クレジット表示器45の下方には、入賞時のメダルの払出枚数を表示するためのペイアウト表示器46が配設される。このペイアウト表示器46は、クレジット表示器45と同様、2個の7セグメントLEDで構成されている。ここで、ペイアウト表示器46は、エラー情報の表示に兼用される。
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果など、メイン制御基板63の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば2個の7セグメントLEDを備えている。したがって、両7セグメントLEDそれぞれが有する各セグメントの点灯態様を変化させることによって、例えば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序や操作タイミング等の操作様態を報知できるように構成されている。
また、筐体3内の支持枠体12の下方には、図2に示すように、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、図2に示すように、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、図2に示すように、操作ボックス49が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、設定変更処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図3参照)、設定変更時の設定値の切り換えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図3参照)が設けられている。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除や、許容状態滞在比率を表示するためのスイッチとしても用いられる。
図3の投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。図3の払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
図3の左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
図3のホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出す。
図3の許容状態報知ランプ80は、スロットマシン1の状態が、後述するAT許容状態(有利区間)であることを報知するためのもので、例えば、LEDランプで形成されている。この実施形態では、後述するAT許容状態への移行の許容役に当選した場合に決定されるタイミングで許容状態報知ランプ80が点灯され、AT許容状態の期間中、許容状態報知ランプ80が点灯する。また、AT非許容状態のときは消灯される。なお、許容状態報知ランプ80として、例えば、ペイアウト表示器46のドット部分を用いてもよく、クレジット表示器45のドット部分を用いてもよく、報知用表示器60のドット部分を用いてもよく、別のランプ部材を用いてもよい。
また、図2に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61(図3参照)が実装され、筐体3の背板3eのリールユニット6より上方の位置に固定されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71(図3参照)が実装され、筐体3の左側面板3dのリールユニット6より上方の位置に固定されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
また、図3に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであって、図15に示すフラグ格納領域651、決定結果記憶領域652、許容期間遊技数カウンタ653、ナビ回数カウンタ654、総遊技数カウンタ655、総許容期間遊技数カウンタ656、許容状態滞在比率記憶領域657を構成する記憶領域がRAM65により形成される。また、図3に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図15に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672、初期ナビ回数振分テーブル673、ナビ回数上乗せ抽選テーブル674、点灯タイミング振分テーブル675などを含むスロットマシン1用のプログラム(遊技機用プログラム)を格納する。
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、後述する役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段503による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
なお、メイン制御基板63に搭載されたメインCPU61およびサブ制御基板73に搭載されたサブCPU71の機能の詳細については後述する。
続いて、リールユニット6を筐体3の背板3eに取り付けるためのリールユニット6および筐体3の背板3eの構造について図4および図5を用いて説明する。
リールユニット6の支持枠体12は、図4(a)に示すように、天板12aと、底板12bと、右側枠12cと、不図示の左側枠を備える。天板12aは、図5(a)に示すように、底面部12a1とこの底面部12a1の周辺部から鉛直上方に延びる枠部12a2を有し、枠部12a2のうちの背枠部分の左右2箇所に取付部101,102が形成されている。同様に、底板12bは、不図示の底面部とこの底面部の周辺部から鉛直上方に延びる不図示の枠部を有し、枠部のうちの背枠部分の左右2箇所に不図示の取付部が形成されている。天板12a側に設けられた2個の取付部101,102と底板12b側に設けられた2個の取付部は、例えば、天板12aおよび底板12bの枠部のうちの背枠部分において、各リール13L,13M,13Rに対して後方から対峙する領域とは外れた領域に形成されている。また、天板12aの2個の取付部101,102はそれぞれ同じ高さ位置に形成され、底板12bの2個の取付部はそれぞれ同じ高さ位置に形成されている。また、天板12aの左側の取付部101と底板12bの左側の取付部においては天板12aの左側の取付部101の鉛直下方に底板12bの左側の取付部が形成され、天板12aの右側の取付部102と底板12bの右側の取付部においては天板12aの右側の取付部102の鉛直下方に底板12bの右側の取付部が形成されている。
天板12aに形成された取付部101,102を含む4つの取付部の一部は、背板3eの後述する取付孔121〜124に挿入され、リールユニット6の自重により取付孔121〜124の下部に位置し、リールユニット6が背板3eに取りつくようになっている。なお、取付部全体が、背板3eの後述する取付孔121〜124に挿入され、リールユニット6の自重により取付孔121〜124の下部に位置し、リールユニット6が背板3eに取りつくように構成されていてもよい。
取付部101は図4(b)、図5(a)〜(c)に図示するように構成されている。但し、4つの取付部の形状はほぼ同じ形状をしており、取付部101以外の3つの取付部に対しては取付部101の構造の説明が適用できるため説明を省略する。
取付部101は、図4(b)に示すように、延在部111と、平板部112と、リブ113a,113bを有する。
延在部111は、天板12aの枠部12a2のうちの背枠部分から後方に向かって突出するU字状の突出部であり、左側面部111aと下面部111cと右側面部111bとを備える(図4(b)、図5(a)参照)。
平板部112は、延在部111の背面側に延在部111と一体形成されており、矩形状部分と当該矩形状部分の下辺から下方に延びる円弧状部分とからなる板状に形成されている(図4(b)参照)。平板部112の上面は、延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bそれぞれの上面より下方側に位置している(図4(b)、図5(b),(c)参照)。また、延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bそれぞれの上面は、天板12aの枠部12a2のうちの背枠部分の上面と同じ高さで当該背枠部分の背面位置から平板部112の前面位置まで延び、平板部112の前面位置から平板部112の背面位置にかけて斜めに下がるようになっている(図4(b)、図5(b),(c)参照)。この延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bが本発明の「縦リブ」に相当する。また、平板部112は、その左側、右側、下側が、延在部112の左側面部111a、右側面部111b、下面部111cより外側に存在するように形成されている(図4(b)、図5(a)〜(c)参照)。この外側に存在する部分(以下、「係止部」と称する。)112aが、図6(b)に示すように、筐体3の背板3eに形成された後述する取付孔121の背面穴153部分の背板3eに背板3eの後方側から当接することになる。
なお、天板12aの枠部12a2のうちの背枠部分の背面の図4(b)の点線で囲む部分115a,115bが、後述する固定キャップ200が後述する取付孔121の上部空間に嵌挿された状態において、固定キャップ200の後述する係止爪260a,260bが後方側から当接する部分であり、以下では、被係止部115a,115bと記載する。なお、被係止部115a,115bが、本発明の「被係止部」に相当する。
リブ113aおよびリブ113bは、それぞれ、支持枠体12の天板12aの枠部12a2を挟んで、延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bと対向する位置に形成されている(図4(b)参照)。
天板12aの枠部12a2のうちの背枠部分の右側には、図4(a)に示すように、鉛直上方に向かって延びる凸部131が形成されており、凸部131には前後方向に貫通した貫通孔131aが形成されている。この貫通孔131aはねじ133を通すためのものである。
筐体3の背板3eには、図4(a)に示すように、リールユニット6の天板12aの2個の取付部101,102および底板12bの2個の取付部の計4個の取付部に対応して、所定位置に4つの取付孔121〜124が形成されている。
取付孔121は図4(a)の一点鎖線で取り囲まれる領域に図示するように構成されている。但し、4つの取付孔121〜124の形状はほぼ同じ形状をしており、取付孔122〜124に対しては取付孔121の構造の説明が適用できるため説明を省略する。
取付孔121は、図4(a)に示すように、第1貫通孔151、第2貫通孔152、および背面穴153から形成されている。第1貫通孔151は、背板3eを貫通する内面が円弧状をした曲面を有する孔である。この第1貫通孔151の寸法は、筐体3の前方側から、取付部101の平板部112を第1貫通孔151に挿入できるように設定されている。また、第2貫通孔152は、背板3eを貫通する半長孔であり、第1貫通孔151と連続して設けられ、かつ、第1貫通孔151の鉛直下方へ向けて延びるように形成されている。この第2貫通孔152の左右方向の寸法は、取付部101の平板部112の左右方向の幅未満で、かつ、取付部101の延在部111の左側面部111aの左側と右側面部111bの右側との間の距離以上になるように設定されている。また、背面穴153は、背板3eの背面側に設けられた背板3eを貫通しない穴であり、第1貫通孔151および第2貫通孔152と連続して設けられ、かつ、第2貫通孔152の周囲のうちの上側を除く部分に形成されている。この背面穴153の左右方向の寸法は、取付部101の平板部112の左右方向の幅以上になるように設定されている。また、この背面穴153の前後方向の深さの寸法は、取付部101の平板部112の前後方向の厚み以上になるように設定されており、この背面穴153部分の背板3eの厚みは取付部101の延在部111の前後方向の長さ以下になるように設定されている(図6(b)参照)。
筐体3の背板3eには、図4(a)に示すように、支持枠体12の天板12aの貫通孔131aに対応して、所定位置に形成されたねじ孔132が形成されている。このねじ孔132は、支持枠体12の貫通孔131aを通ったねじ133を取り付けるためのものである。
続いて、リールユニット6を筐体3の背板3eに取り付ける手順について図6(a),(b)を用いて説明する。
作業者は、筐体3の前面側から、リールユニット6の天板12aの2個の取付部101,102および底板12bの2個の取付部の計4個の取付部を、背板3eに設けられた取付孔121の第1貫通孔151と取付孔122〜124の第1貫通孔の計4個の取付孔の第1貫通孔に挿入する(図6(a)参照)。なお、図6(a)は、取付孔122〜124の境界部分にあたる線の一部を省略している。
作業者は、リールユニット6の4個の取付部を背板3eの4個の取付孔121〜124の第1貫通孔に挿入した状態で、リールユニット6を下方(図6(a)の矢印方向)に移動させる。これにより、取付部101の延在部111の下部が取付孔121の第2貫通孔152に位置し、平板部112のうちの係止部112aが背面穴153に位置する(図6(b)参照)。他の取付部と他の取付孔についても同様である。そして、リールユニット6の自重により、4つの取付部は4つの取付孔の下部に位置するとともに、平板部112の係止部112aが背面穴153部分の背板3eに背面側から当接し、リールユニット6が背板3eに取り付くことになる。この状態では、図6(b)に示すように、取付部101は、背板3eから筐体3の外部に突出しないようになっている。
作業者は、リールユニット6の自重によりリールユニット6が背板3eに取り付いた状態となった後、ねじ133を天板12aの貫通孔131aを通した後、背板3eのねじ孔132に取り付ける。なお、ねじ133の取り付けは、後述する固定キャップ200を取付孔121内の後述する上部空間に嵌挿させた後であってもよい。
取付部101が貫通孔121に挿入されてリールユニット6の自重により取付部101の一部が貫通孔121の下部に位置することにより貫通孔121の上部には空間(この空間を「上部空間」と記載する。)が生じる。なお、この「上部空間」が本発明の「上部空間」に相当する。
本実施形態では、この上部空間に、図9(a),(b)、図10(a),(b)に示すように、図7および図8に示す固定キャップ200が嵌挿される。なお、本実施形態では、固定キャップ200は取付孔121にだけ取り付けるものとするが、固定キャップ200を取り付ける孔は、これに限定されるものではなく、1以上の取付孔に固定キャップが取り付けられるようにしてもよい。
固定キャップ200は、スロットマシン1の輸送時の振動やリールユニット6の駆動時の振動などにより、リールユニット6の取付部101の貫通孔121に挿入された部分が貫通孔121の上部空間に移動しようとするが、この移動を防ぐためのものであり、図7(a),(b)および図8(a)〜(d)に図示するように構成されている。なお、固定キャップ200は、本発明の「防止部材」に相当する。
固定キャップ200は、例えば、エラストマー入りのポリプロピレン、ポリカーボネートなどの弾力性を有する材料で作られ、基部210、2つのリブ220a,220b、把持部230、押し込み部240、底部250、および2個の係止爪260a,260bが一体形成されている(図7(a),(b)、図8(a),(b),(c),(d)参照)。
基部210は、平面を下にして前後方向に延びる円弧筒状をした円弧筒状部211と、円弧筒状部211の前面側に設けられ、円弧筒状部211から当該円弧筒状部211の円弧部分の外周面と垂直な方向に突出した止め部213と、台部215を備える(図7(a),(b)、図8(a),(b),(c),(d)参照)。円弧筒状部211のうちの止め部213の背面から後方側の部分(以下、「挿入部」と記載する。)211aの外形は、図9(b)に示すように、取付孔121の上部空間部分の曲面(取付孔121の第1貫通孔151の曲面)に添う形状になっている。また、取付孔121の上部空間(取付孔121の第1貫通孔151)に嵌挿された固定キャップ200がスロットマシン1の振動等により後方に移動しようとする場合に、止め部213が、背板3eに前方側から当接することによって、固定キャップ200が取付孔121の上部空間から筐体3の外部に抜け落ちることが防がれる(図10(a),(b)参照)。また、台部215は、円弧筒状部211の平面のうちの、左側前方部分および右側前方部分を除いた部分から、鉛直下方に突出するように形成されており(図7(b)参照)、台部215の背面のほぼ中央部分に、図8(c)に示すように、ほぼ矩形状をした凹部215aが設けられている。
リブ220a,220bは、それぞれ、基部210の円弧筒状部211の内周面のうちの下面から鉛直上方に当該内周面のうちの円弧面まで延びるように形成されている(図7(a),(b)、図8(a),(c)参照)。このリブ220a,220bは、固定キャップ200が取付孔121の上部空間に嵌挿された状態で、図9(b)に示すように、取付部101の延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bの鉛直上方に位置するように設定されている。
把持部230は、基部210の前面側の円弧部分中央から前方に向かって水平に延び、その先端から円弧を描くように下方向に向かって延び、その先端からほぼ鉛直下方に向かって延び、かつ、その方向に徐々に左右方向の幅が狭くなるように、形成されている(図7(a),(b)、図8(b)参照)。この把持部230は、固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿作業時、また、固定キャップ200の取付孔121の上部空間からの引き抜き作業時に、作業者が例えば2本の指で掴む部分である(図11、図12参照)。
押し込み部240は、把持部230の前面側に、把持部230の左側より左方向に突出し、把持部230の右側より右方向に突出するように、形成されている(図7(a),(b)、図8(a),(b),(c)参照)。この押し込み部240の前面は、固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿作業時、作業者が例えば把持部230を掴んでいる2本の指以外のいずれかの指で後方に向かって押す部分である((図11参照)。
底部250は、基部210の台部215から前方に向かってほぼ水平に延びるU字状に形成されている(図7(a),(b)、図8(b)参照)。この底部250は、固定キャップ200の取付孔121の上部空間からの引き抜き作業時に、作業者が例えば把持部230を掴んでいる2本の指以外のいずれかの指で上方に向かって力を加えて持ち上げる部分であり、これにより係止爪260a,260bが支持枠体12の被係止部114a,114bから外れやすくなる(図12参照)。
係止爪260a、260bは、底部250のうちの左右それぞれの基部210の止め部213の背面の下方から後ろの部分において、下方に突出し、かつ、左側面および右側面が前方から後方に向かって幅が狭くなる三角形で、それ以外が四角形である三角柱状に形成されている(図7(a),(b)、図8(d)参照)。この係止爪260a、260bは、固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿状態において、その前面が支持枠体12の被係止部114a,114bに背面側から当接し(図10(b)参照)、これにより、固定キャップ200が取付孔121の上部空間から筐体3内部に抜け落ちることを防止するためのものである。
固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿部分(固定キャップ200のうちの止め部213の背面から固定キャップ200の背面までの部分)の前後方向の寸法は、固定キャップ200を取付孔121の上部空間に嵌挿した状態において、背板3eから筐体3の外部に突出しないように設定されている(図10(a),(b)参照)。また、固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿状態では、図9(b)、図10(a),(b)に示すように、基部210の挿入部211aが当該上部空間の上側に位置し、底面部250が当該上部空間の下側(つまり、取付部101)側に位置する。
固定キャップ200の一部を取付孔121の上部空間に嵌挿した状態において、スロットマシン1の輸送時の振動、リールユニット6の駆動時の振動などにより取付部101の一部が上部空間側に移動しようとした場合に、これにより発生する上方向の荷重は、主として、リブ220a,220b、基部210の円弧筒状部211の円弧部分と平面部分それぞれのうちのリブ220aとリブ220bとの間の部分(図8(a)の点線部分)にかかる。なお、この荷重がかかる部分が、本発明の「縦リブと協働して取付部にかかる上方向の荷重を受ける荷重受け部」に相当し、固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿状態において、荷重受け部のうちのリブ220a,220bは、上下方向において、取付部101の延在部111の左側面部111aおよび右側面部111bに対応する位置に存在する。そして、取付部101の一部が上部空間側に移動しようとした場合に、基部210の円弧筒状部211のうちのリブ220aとリブ220bとの間の円弧部分の外面が取付孔121の上部空間部分の内面に接触し、さらに円弧筒状部211のうちの他の部分の外面が取付孔121の上部空間部分の内面に接触する。このように、円弧筒状部211の円弧部分の外面(図8(a)の一点鎖線部分)が取付孔121の上部空間部分の内面に接触する。これにより、固定キャップ200と取付孔121の上部空間部分の接触面積が大きく、荷重が分散される。
続いて、作業者による固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿作業について図11を用いて説明する。
作業者は、図11の順序(1)に示すように、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指とで挟むようにして持ち、固定キャップ200を取付孔121の上部空間(取付孔121の第1貫通孔151)に差し込む方向(図中の矢印方向)に動かす。
固定キャップ200を差し込み方向に動かしている途中で、固定キャップ200の係止爪260a,260bが天板12aの枠部12a2に対して前方側から当接し、この状態で、図11の順序(2)に示すように、作業者は固定キャップ200の押し込み部240を親指で差し込み方向に押し、固定キャップ200の底部250が回転の中心点250aを中心として上方に向かって回転し、この回転にあわせて固定キャップ200の係止爪260a,260bが上方に向かって回転する。
さらに、作業者が固定キャップ200の押し込み部240を親指で押し込むと、図11の順序(3)に示すように、固定キャップ200の係止爪260a,260bが天板12aの枠部12a2を乗り越え、固定キャップ200の底部250が回転の中心点250aを中心として下方に向かって回転し、この回転にあわせて固定キャップ200の係止爪260a,260bが下方に向かって回転する。これにより、図11の順序(4)の状態になる。これにより、作業者による固定キャップ200の取付孔121の上部空間への嵌挿作業が終了する。
続いて、作業者による固定キャップ200の取付孔121の上部空間からの引き抜き作業について図12を用いて説明する。
作業者は、図12の順序(1)に示すように、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指とで挟むようにして持つ。なお、把持部230の手前側にある押し込み部240が把持部230の左右より突出しているので、この突出している部分の背面側に把持部230を挟んでいる人差し指と中指が引っ掛かり、引き抜き作業時に把持部230を持ちやすくなっている。そして、作業者は、図12の順序(2)に示すように、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指とで挟むようにして持った状態で、固定キャップ200の底部250の下面に親指をあてて上方に持ち上げるように、親指で底部250に対して上方(本発明の「特定の方向」に相当)に向けて力を加え、これにより、底部250が回転の中心点250aを中心として上方に向かって回転し、この移動にあわせて係止爪260a,260bが上方に向かって回転することによって、係止爪260a,260bが天板12aの枠部12a2の被係止部114a,114bから外れやすくなる。そして、図12の順序(3)に示すように、係止爪260a,260bが天板12aの枠部12a2の被係止部114a,114bから外れる。
そして、作業者は、図12の順序(4)に示すように、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指とで挟むように持ち、親指で底部250に対して上方に向けて力を加えた状態で、固定キャップ200を取付孔121の上部空間(取付孔121の第1貫通孔151)から引き抜く方向(図中の矢印方向)に動かす。これにより、固定キャップ200が取付孔121の上部空間から引き抜かれ、作業者による固定キャップ200の取付孔121の上部空間からの引き抜き作業が終了する。
続いて、リールユニット6の固定キャップ200の留置構造について図13(a),(b)および図14(a),(b)を用いて説明する。なお、図13(a),(b)は、支持枠体12の天板12aの上面に、各リールモータ14L,14M,14R(図3参照)の駆動制御などを行う制御回路が実装された矩形の基板を被包する基板ケース300が配設された状態を示す。また、図14(a),(b)は、支持枠体12の天板12aの上面に、基板ケース300が配設されていない状態を示す。
天板12aには、図14(a)に示すように、外側と内側の形状がほぼ四角形した鉛直上方に延びた凸部351と、鉛直上方に延びた補強部355が形成されている。凸部351の寸法は、リブ220a,220b、基部210の円弧筒状部211の円弧部分、押し込み部240の下端から後方に延びる部分の上面で取り囲まれる孔(以下、「取付孔」と記載する)290(図7(a)参照)に挿入可能に設定されている。この凸部351を固定キャップ200の取付孔290に差し込むことにより、固定キャップ200は、図14(b)に示すように、補強部355に囲まれる領域に配置されることになる。この補強部355により凸部351に取り付けられた固定キャップ200の回転が防止される。なお、固定キャップ200が弾力性を有する部材でできているので、凸部351の縦横方向の寸法を固定キャップ200の取付孔290の縦横方向の寸法より少し大きくすることで、挿入可能な状態を保ちつつ、凸部351が固定キャップ200の取付孔290から外れることを防止することができる。なお、凸部351と、鉛直上方に延びた補強部355とが、本発明の「留置部」を形成する。
図13(a)に示すように、天板12aには基板ケース300が配置されている。この基板ケース300には、図13(b)に示すように、基板ケース300の左側面の上部から突出した突出部310が形成されている。ただし、固定キャップ200の取付孔290に天板12aの凸部351を差し込むことによって固定キャップ200が天板12aの所定位置に配置された状態において、突出部310が固定キャップ200の係止爪260a,260bの上方に位置するように、突出部310の寸法は設定されている。このため、固定キャップ200が上方に移動する場合に、固定キャップ200の係止爪260a,260bが突出部310に引っ掛かり、固定キャップ200が凸部351から抜け落ちることを防止することができる。
次に、メイン制御基板63について、図15を参照して詳細に説明する。図15に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段500
図15の遊技制御手段500は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものである。具体的には、遊技制御手段500は、通常遊技状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)、ボーナス内部当選中(RT3))において一般的な遊技を実行し、これらの遊技状態(NOM、RT1、RT2)よりも遊技者に有利な予め定められた1または複数のボーナス役の入賞により移行するボーナス遊技状態BBにおいてボーナス遊技を実行する。
また、ボーナス遊技状態での遊技であるボーナス遊技とは異なる遊技者に有利な遊技として、後述する役抽選手段503の役抽選結果が、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順によって遊技者に付与する有利度の異なる特定役(以下、「押し順報知役」と記載する。)に当選している押し順報知役当選結果となったときに、当該押し順報知役に対応する有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)を特定可能に報知するAT遊技(特殊遊技)がある。遊技制御手段500は、AT許容状態、かつ、AT期間(特殊遊技継続期間)中の遊技において役抽選手段503の役抽選結果が押し順報知役当選結果である場合はAT遊技を行う。
そして、遊技制御手段500は、図15に示すように、操作態様判定手段500a、遊技状態設定手段500b、AT許容状態設定手段500c、初期ナビ回数決定手段500d、ナビ回数上乗せ抽選手段500e、AT遊技可能状態決定手段500f、および点灯タイミング決定手段500gを備えている。
(1−1)操作態様判定手段500a
操作態様判定手段500aは、スロットマシン1に対する遊技者の操作態様を判定するものである。具体的には、各ベットスイッチ15,17、スタートスイッチ19、各ストップスイッチ21L,21M,21Rなどのスロットマシン1が備える各種スイッチに対する遊技者による操作の態様や、メダル投入口25への遊技者によるメダルの投入操作の態様など、遊技者によるスロットマシン1に対する種々の操作の態様を判定する。
(1−2)遊技状態設定手段500b
遊技状態設定手段500bは、役抽選手段503による役抽選処理の結果や、図柄判定手段510による有効ライン(中段ライン)上の図柄組合せの判定結果などに基づいて、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれか1つにスロットマシン1の遊技状態を設定するものである。
例えば、遊技状態として、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)、ボーナス内部当選中(RT3)、ボーナス遊技状態BBを備えている。初期RT(NOM)は、設定変更時やボーナス遊技状態BBの終了時に移行する遊技状態である。
初期RT(NOM)において、押し順報知役の取りこぼしが生じると、遊技状態設定手段500bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。また、通常RT(RT1)において、通常RT(RT1)から有利RT(RT2)に移行する契機役である昇格リプレイに当選した場合、遊技状態設定手段500bは遊技状態を有利RT(RT2)に設定し、遊技状態が有利RT(RT2)に移行する。また、有利RT(RT2)において、押し順報知役の取りこぼしが生じると、遊技状態設定手段500bは遊技状態を通常RT(RT1)に設定し、遊技状態が通常RT(RT1)に移行する。
初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)では、それぞれ異なる役抽選テーブル671を用いて役抽選が行われる。なお、例えば、リプレイ役の当選確率が、有利RT(RT2)が最も高く、通常RT(RT1)が2番目に高く、初期RT(NOM)が最も低くなるように設定されており、有利RT(RT2)が最も有利な遊技状態に、通常RT(RT1)が2番目に有利な遊技状態に、初期RT(NOM)が最も有利な遊技状態になっている。
また、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)のいずれかの遊技状態において、ボーナス役に当選したときに、入賞ラインの停止図柄の組合せがボーナス入賞にかかる図柄組合せでない場合(非入賞)、遊技状態設定手段500bは遊技状態をボーナス内部当選中(RT3)に設定し、遊技状態がボーナス内部当選中(RT3)に移行する。また、ボーナス内部当選中(RT3)においてボーナス役に入賞すると、遊技状態設定手段500bは、遊技状態をボーナス遊技状態BBに設定し、遊技状態がボーナス遊技状態BBに移行する。また、ボーナス遊技状態BBは、入賞したボーナス役の種類に応じた終了条件が定められており、遊技状態設定手段500bは、その種類に応じた終了条件が成立したときに遊技状態を初期RT(NOM)に設定し、遊技状態が初期RT(NOM)に移行する。例えば、あるボーナス役の入賞によりボーナス遊技状態BBでは、AT非許容状態中、AT許容状態中、AT期間中のいずれでも払出枚数が規定数の200枚を超えることが終了条件に設定されている。また、別のボーナス役の入賞によりボーナス遊技状態BBでは、AT非許容状態中、AT許容状態中、AT期間中のいずれでも払出枚数が規定数の100枚を超えることが終了条件に設定されている。
(1−3)AT許容状態設定手段500c
AT許容状態設定手段500cは、AT遊技を許容しないAT非許容状態(特殊遊技非許容状態)、および、AT遊技を許容するAT許容状態(特殊遊技許容状態)のいずれか1つにスロットマシン1の状態を設定するものである。遊技状態が、AT非許容状態、かつ、一般遊技状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2))のときに、AT許容状態への移行の契機となるAT許容役(この実施形態では、役「スイカ」、「チェリー」、「チャンス役」)に当選した場合、AT許容状態設定手段500cはスロットマシン1をAT許容状態に設定する。換言すると、スタートスイッチ19の操作による遊技開始に基づいて役抽選手段503の抽選値生成手段503aが生成した抽選値により抽選値判定決定手段503bがAT許容役に当選したと決定すると(AT許容当選)、AT許容状態設定手段500cはスロットマシン1をAT許容状態に設定する。
一方、AT非許容状態であっても、ボーナス遊技状態BB、ボーナス内部当選中(RT3)のいずれかのときに、AT許容役に当選しても、AT許容状態設定手段500cはAT許容状態を設定することはなくAT非許容状態を維持する。AT許容状態と決定しない制御は適宜定めることができるが、この場合のAT許容状態設定手段500cの処理方法の1つとして、AT非許容状態であるときにAT許容役に当選した場合、遊技状態の種類とは無関係に一度はAT許容状態に設定するが、そのときの遊技状態がボーナス遊技状態BB、ボーナス内部当選中(RT3)のいずれかのときは、一度決定したAT許容状態を直ちにクリアしたり、また、AT非許容状態からAT許容状態への更新を行わなかったりする方法がある。その他の処理方法としては、AT許容状態設定手段500cは、AT許容状態に設定する前に、遊技状態の種類を判定し、この判定結果がボーナス遊技状態BB、ボーナス内部当選中(RT3)のいずれかの場合は、AT許容状態に設定する処理を行わないようにする方法がある。なお、抽選値判定決定手段500bが役抽選とAT許容抽選とを同時に行う場合(一括抽選方式と言う。)は、前者の処理方法が好適であり、役抽選とAT許容抽選とを個別に行う場合(別抽選方式と言う。)は、後者の処理方法が好適である。
このとき、AT許容状態設定手段500cは、点灯タイミング決定手段500gが決定した点灯タイミングに従って、許容状態報知ランプ80を点灯する。これにより、AT許容状態であることが特定可能に報知される。AT許容状態であることを外部に報知することにより、スロットマシン1がAT許容状態でないときにAT遊技が実行された場合に、スロットマシン1が異常状態であって故障や不正の可能性があることを即座に判断することができる。
また、AT許容状態設定手段500cは、ナビ回数カウンタ654にカウント値を設定された後、AT期間が開始すると、押し順報知役に当選する毎にナビ回数カウンタ654のカウント値から1を減算することにより、残りのナビ回数をカウントする。また、AT許容状態設定手段500cは、スロットマシン1をAT許容状態に設定(許容状態報知ランプ80を点灯)した後の遊技において、遊技の種類に関係なく遊技が実行される毎に許容期間遊技数カウンタ653のカウント値に1を加算することにより、AT許容状態の継続期間をカウントする。
また、AT許容状態設定手段500cは、ナビ回数カウンタ654のカウント値が0になるというAT許容状態の終了条件が成立した場合、または、当該終了条件が成立することなく、許容期間遊技数カウンタ653のカウント値が所定値(例えば、1500)となった場合は、スロットマシン1をAT非許容状態に設定する(AT許容状態の終了)。また、AT許容状態設定手段500cは、スロットマシン1をAT非許容状態に設定する際に許容状態報知ランプ80を消灯する。このとき、AT許容状態設定手段500cは、許容期間遊技数カウンタ653のカウント値を「0」にリセットするとともに、総許容期間遊技数カウンタ656に、リセットする前のカウント値を加算する。
なお、AT許容状態設定手段500cは、ナビ回数カウンタ654のカウント値が0になったタイミングではAT許容状態を維持し、ナビ回数カウンタ654のカウント値が0になった後の転落抽選に当選するとAT非許容状態に設定するようにしてもよい。転落抽選については、例えば、AT期間の終了後、AT許容役以外の当選役に当選したゲームごとに行われ、1/8の確率で転落(当選)するように構成する。また、転落抽選に当選するまでの間にAT許容役に当選した場合は、例えば、ナビ回数上乗せ抽選手段500eにより上乗せするナビ回数が決定されてAT期間に復帰する。
また、AT許容状態の終了条件は、AT許容当選となった後の条件(AT許容後の役抽選結果、AT許容状態に移行してからの経過ゲーム数、AT許容状態に移行してからのメダルの獲得枚数)などに応じて適宜変更してもよい。AT許容状態の終了条件を様々に変更できることにより、より一層の遊技性向上を図ることができる。
(1−4)初期ナビ回数決定手段500d
AT非許容状態でAT許容役に当選した場合、後述する役抽選手段503の抽選値判定決定手段503bによりスロットマシン1をAT許容状態とすることが決定される(AT許容当選)。初期ナビ回数決定手段500dは、抽選値判定決定手段503bがスロットマシン1をAT許容状態とすることを決定した遊技において、AT遊技を実行する権利の初期的なナビ回数(初期ナビ回数)を、初期ナビ回数振分テーブル673を用いた抽選により決定するものである。
初期ナビ回数振分テーブル673は、例えば、1回のナビゲーム、10回のナビゲームがそれぞれ1/2の確率で選択されるように設定されている。初期ナビ回数決定手段500dは、初期ナビ回数を決定すると、その回数をナビ回数カウンタ654にセットする。
なお、初期ナビ回数決定手段500dは、役抽選手段503の役抽選に用いられる抽選値と同一の抽選値を利用して上記した振り分け抽選を行うことにより初期ナビ回数を決定してもよいし、振り分け用の乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用して上記した振り分けを行うようにしてもよい。
(1−5)ナビ回数上乗せ抽選手段500e
ナビ回数上乗せ抽選手段500eは、AT許容状態設定手段500cがスロットマシン1をAT許容状態に設定していることを条件に、ナビ回数の上乗せの契機となるナビ上乗せ役(この実施形態では、役「スイカ」、「チェリー」、「チャンス役」)に当選したときに、ナビ回数カウンタ654のカウント値に加算するナビ回数(上乗せナビ回数)を決定するものである。具体的には、スタートスイッチ19の操作による遊技開始に基づいて役抽選手段503の抽選値生成手段503aが生成した抽選値により抽選値判定決定手段503bがナビ回数を上乗せする権利を付与することを決定すると(ナビ上乗せ権利当選)、ナビ回数上乗せ抽選手段500eは、ナビ回数上乗せ抽選テーブル674を用いて上乗せナビ回数の振分抽選(ナビ回数上乗せ抽選)を行う。ナビ回数上乗せ抽選テーブル674は、例えば、1回のナビゲーム、10回のナビゲームがそれぞれ1/2の確率で選択されるように設定されている。
また、ナビ回数上乗せ抽選手段500eは、役抽選手段503の役抽選に用いられる抽選値と同一の抽選値を利用して上記したナビ回数の上乗せ抽選を行ってもよいし、乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用してナビ回数のゲーム数上乗せ抽選を行ってもよい。
(1−6)AT遊技可能状態決定手段500f
AT遊技可能状態決定手段500fは、AT許容役の当選によりAT許容状態に移行した後のAT準備中に、通常RT(RT1)から有利RT(RT2)に移行する契機役である昇格リプレイに当選すると、役抽選手段503の役抽選結果が押し順報知役の場合にAT遊技を行うことができるAT遊技可能状態であると決定し、フラグ格納領域651に設定されているAT期間中フラグをONに設定する。
また、AT遊技可能状態決定手段500fは、ナビ回数カウンタ654によりカウントされているナビ回数が残っている場合は、AT期間中フラグのON設定を維持する。また、AT遊技可能状態決定手段500fは、ナビ回数遊技数カウンタ654のカウント値が0になると、AT期間中フラグをOFFに設定する。なお、AT期間の終了後に転落抽選を行い、この抽選に当選するとAT許容状態が終了するように構成した場合は、AT期間中フラグがOFFに設定されたタイミングではAT許容状態は終了せずに、AT期間中フラグがOFFに設定された後の転落抽選に当選したときにAT許容状態が終了する。
(1−7)点灯タイミング決定手段500g
点灯タイミング決定手段500gは、AT非許容状態、かつ、一般遊技状態(初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2))の場合に、AT許容役に当選した時に、許容状態報知ランプ80の点灯タイミングを、当選したAT許容役と、初期ナビ回数決定手段500dによって決定された初期ナビ回数に従って、図16(a),(b)に示す点灯タイミング振分テーブル675を用いて決定するものである。
点灯タイミング振分テーブル675には、初期ナビ回数決定手段500dによって初期ナビ回数が1回と決定された場合に用いられる図16(a)に示すテーブルと、初期ナビ回数が10回と決定された場合に用いられる図16(b)に示すテーブルがある。図16(a),(b)のそれぞれには、AT許容役であるスイカ、チェリー、チャンス役それぞれについて、許容状態報知ランプ80の点灯タイミングの確率が、スタートスイッチのON時(図中の「スタートスイッチ」)、一番目に操作されるストップスイッチのON時(図中の「第1ストップスイッチ」)、二番目に操作されるストップスイッチのON時(図中の「第2ストップスイッチ」)、三番目に操作されるストップスイッチのON時(図中の「第3ストップスイッチON」)、三番目に操作されるストップスイッチのOFF時(図中の「第3ストップスイッチOFF」)それぞれに対して、設定されている。例えば、AT許容役がスイカで、初期ナビ回数が10回の場合、図16(b)のスイカの対応部分に示されるように、スタートスイッチのON時、一番目に操作されるストップスイッチのON時、二番目に操作されるストップスイッチのON時、三番目に操作されるストップスイッチのON時、三番目に操作されるストップスイッチのOFF時それぞれに、許容状態報知ランプ80が点灯する確率は、0/256、16/256、16/256、192/256、32/256である。点灯タイミング決定手段500gは、例えば、当選したAT許容役がスイカで、初期ナビ回数決定手段500dによって決定された初期ナビ回数が10回の場合、図16(b)のスイカの対応部分を用いて許容状態報知ランプ80の点灯タイミングを決定する。
点灯タイミング決定手段500gによって決定されたタイミングによって、AT許容状態設定手段500cは、AT許容役が当選したゲームにおいて、許容状態報知ランプ80を点灯させる。
遊技者は、例えば、当選したAT許容役がスイカの場合、第1ストップスイッチのON時、第2ストップスイッチのON時、第3ストップスイッチのOFF時に、許容状態報知ランプ80が点灯すれば、10回のナビが受けられるAT許容状態への移行を期待でき、第3ストップスイッチのON時に、許容状態報知ランプ80が点灯すれば、10回のナビが受けられるAT許容状態への移行することを期待しづらいなど、移行するAT遊技状態への遊技者の期待感に変化を持たせることができる。
なお、点灯タイミング決定手段500gは、役抽選手段503の役抽選に用いられる抽選値と同一の抽選値を利用して上記した点灯タイミングの決定の抽選を行ってもよいし、乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用して点灯タイミングの決定ナビ回数の決定の抽選を行ってもよい。
(1−8)遊技の概略
次に、スロットマシン1において実行される遊技の概略について説明する。
スロットマシン1は、3枚のメダルの投入により1回のゲーム(遊技)が行われるように構成され、投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルのスロットマシン1への投入が検出されると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。ここでスタートスイッチ19が操作されると、乱数を使用した抽選処理により、予め設定された役抽選結果のいずれかが役抽選手段503による抽選処理により選択される。また、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転が開始すると、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄の判別が各リール13L,13M,13Rの回転角に基づいて開始される。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速して、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となり、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lの操作が検出されると左リール13Lが停止され、中ストップスイッチ21Mの操作が検出されると中リール13Mが停止され、右ストップスイッチ21Rの操作が検出されると右リール13Rが停止される。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。
3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rのすべてが操作されると、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止される。このとき、所定の図柄が有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると、すなわち、各リール13L,13M,13Rの図柄が役への入賞に係る図柄組合せで表示窓11に表示されると入賞となり、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるか、メダル払出口39から払い出される。なお、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益(特典)が付与されることもある。この所定の利益としては、例えば、ボーナス役の入賞によるボーナス遊技状態BBへの移行や再遊技役の入賞による新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技を行うために自動的に設定される賭数および遊技状態の移行等が挙げられる。
(2)設定制御手段501
図15の設定制御手段501は、払出率の異なる複数の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段502により選択される役抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段501は、電源投入時(電源スイッチ50をONにした時)に変更処理開始スイッチ56のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。なお、払出率は総払出枚数÷総投入枚数×100[%]で算出され、この実施形態では、払出率が設定1で98%、設定6で115%に設定されている。
ここで、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)の各遊技状態での抽選における当選確率は複数種類の設定値(ここでは6種類)により区別される複数段階に設定されており、複数段階の設定値のそれぞれに、役抽選テーブル671が対応付けられている。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。このときにリセットスイッチ52が用いられ、設定変更処理が開始された後に、リセットスイッチ52が押される度に、設定値が1ずつ増加して変更できるようになっている。なお、設定6のときにリセットスイッチ52が押されると、設定1に戻る。
(3)テーブル選択手段502
図15のテーブル選択手段502は、メイン制御基板63における遊技制御手段500により制御される遊技状態の種類(RT0,RT1,RT2、RT3、BBなど)、設定制御手段501により設定される設定値(設定1〜設定6)に基づき、複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。例えば通常RT(RT1)では、テーブル選択手段502は、役抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて通常RT(RT1)用の役抽選テーブル671を選択する。
(4)役抽選手段503
図15の役抽選手段503は、スタートスイッチ19が操作されて遊技を開始するタイミングで、複数の一般役(小役、再遊技役)と、ボーナス役とを含む複数の役のうちのいずれの役に当選したか否かを、遊技開始に基づいて生成される抽選値により決定する役抽選を行うものである。また、役抽選手段503は、AT非許容状態において、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)である場合には、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、AT許容状態の契機となるAT許容役に当選(AT許容当選)か否かを決定する。また、役抽選手段503は、AT許容状態において、初期RT(NOM)、通常RT(RT1)、有利RT(RT2)である場合には、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、ナビ回数の上乗せの契機となるナビ上乗せ役に当選(ナビ上乗せ権利当選)か否かを決定する。役抽選手段503は、抽選値生成手段503aと、抽選値判定決定手段503bとを備えている。
(4−1)抽選値生成手段503a
抽選値生成手段503aは、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成された乱数発生手段が、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜16383)で発生させた抽選用の乱数を、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで抽出することにより、役抽選およびAT許容当選決定用およびAT権利当選決定用の抽選値を生成する。なお、乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段が発生させる数値は厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、抽選値生成手段503aが生成する抽選値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。なお、抽選値生成手段503aは、乱数発生器が生成する乱数により抽選値を生成してもよいし、ソフトウェア乱数により抽選値を生成してもよい。また、抽選値生成手段503aは、抽出した乱数値や生成した乱数値に所定の演算を行うことにより抽選値を生成してもよい。
(4−2)抽選値判定決定手段503b
抽選値判定決定手段503bは、抽選値生成手段503aが生成した抽選値を判定することにより、複数の役のうちのいずれに当選したか否かを決定する。
具体的には、役抽選テーブル671には、乱数発生手段が発生させる範囲内の各抽選値について、複数の役のうちのいずれに当選するか、または、ハズレか、を決定するための抽選値と役との対応関係が予め設定されている。抽選値判定決定手段503bは、テーブル選択手段502が選択した役抽選テーブル671を参照し、抽選値生成手段503aが生成した抽選値がどの役の当選に設定されているのか、または、ハズレに設定されているのかを判定することにより、複数の役のうちのいずれに当選したか否かを決定する。
すなわち、抽選値生成手段503aが生成する抽選値の全範囲について、AT許容状態に移行すると決定(AT許容当選)する値の範囲と、AT許容状態に移行しないと決定(AT許容非当選)する値の範囲とが役抽選テーブル671に予め設定されており、抽選値判定決定手段503bは、遊技開始に基づいて抽選値生成手段503aが役抽選のために生成した抽選値を、AT許容状態に移行するか否かを決定するのにも使用する(上述の一括抽選方式)。また、抽選値生成手段503aが生成する抽選値の全範囲について、ナビ上乗せ権利当選(ナビ回数上乗せ抽選)とする値の範囲と、ナビ上乗せ権利非当選とする値の範囲とが役抽選テーブル671に予め設定されており、抽選値判定決定手段503bは、遊技開始に基づいて抽選値生成手段503aが役抽選のために生成した抽選値を、AT許容状態においてナビ回数上乗せを行うか否かを決定するのにも使用する。なお、抽選値生成手段503aは、役抽選のための抽選値とは別にAT許容抽選用の乱数値(抽選値)を新たに生成し、これを利用してAT許容状態に移行するか否かを決定してもよい(上述の別抽選方式)。つまり、まず役抽選により当選役を決定し、その当選役に基づいてAT許容抽選用の乱数値(抽選値)を生成し、これを利用してAT許容状態に移行するか否かを決定するようにしてもよい。この場合、役抽選テーブル671とは別にAT移行抽選テーブルを設け、AT許容抽選用の乱数値とAT移行抽選テーブルとにより、AT許容状態に移行するか否かを決定すればよい。
また、役抽選テーブル671では、一部の抽選値については複数の役の当選に重複して設定されているため、抽選値判定決定手段503bが抽選値生成手段503aにより生成される抽選値の全範囲について判定を行った場合に、すなわち、役抽選手段503の役抽選結果として、複数の役が同時に内部当選することがある。なお、複数の役が同時に内部当選した場合には、同時に内部当選した複数の役の全てにかかる図柄組合せが入賞ラインに揃うことが許容された状態になる。
なお、通常RT(RT1)における役抽選手段503による役抽選で全ての役に非当選(ハズレ)となる抽選値のうちの一部の特定抽選値については、有利RT(RT2)における役抽選手段503による役抽選で再遊技役であるリプレイに当選となり、特定抽選値を除く抽選値については、通常RT(RT1)および有利RT(RT2)における役抽選手段503の役抽選結果が同一となるように役抽選テーブル671が設定されている。
(5)決定結果記憶手段504
図15の決定結果記憶手段504は、抽選値判定決定手段503bによる決定結果として、ボーナス役に当選しているか否かを特定可能な情報を決定結果記憶領域652の第1データ領域に記憶し、一般役に当選しているか否かを特定可能な情報を決定結果記憶領域652の第2データ領域に記憶する。
例えば、各ボーナス役のそれぞれに固有の16進数の上位役番号が割り当てられ、各一般役(再遊技役、小役)のそれぞれに固有の16進数の下位役番号が割り当てられている。そして、決定結果記憶手段504は、役抽選手段503の役抽選結果である当選役(ハズレの場合を含む)に割り当てられている役番号を、決定結果記憶領域652の対応するデータ領域に記憶する。
(6)停止制御手段505
図15の停止制御手段505は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段503の役抽選結果とに基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。停止制御手段505は、役抽選手段503が決定した当選役グループに属する役名称に入賞させるために、基本的にリール13L,13M,13Rの全てで、引き込み可能範囲内において構成図柄を入賞ライン(中段)に停止させる停止制御を行う。なお、各リール13L,13M,13Rには、許容されるすべりコマ数(引き込み可能範囲:通常、最大4コマ)が設定されているため、操作タイミングが合わなければ入賞ラインに当選役にかかる図柄を揃えることができない場合があり、このような場合は取りこぼし(非入賞)が発生する。
(7)報知表示制御手段506
図15の報知表示制御手段506は、報知用表示器60での報知が報知態様決定手段507で決定された報知態様となるように制御するものである。
(8)報知態様決定手段507
図15の報知態様決定手段507は、役抽選手段503の役抽選結果やスロットマシン1の状態(非AT、AT準備中、AT中)などに基づいて、報知用表示器60での報知態様を決定するものである。報知態様決定手段507が決定した報知態様については、コマンド作成手段508によりその種類を特定可能なコマンドが作成され、サブ制御基板73に送信される。例えば、AT期間中に押し順報知役に内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を報知するという報知態様に決定する。なお、この実施形態では、報知用表示器60の2つの7セグメントLEDのうちの一方は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの停止操作が行われると次の停止操作を示唆する報知態様に変化するように構成されている。これに対して、他方の7セグメントLEDは、報知態様の種類を特定するためのもので、報知してから最終停止まで同一の報知を継続するように構成されている。押し順を報知する方法としては、例えば、7つのセグメントうちの特定セグメントのみを点灯させると、左ストップスイッチ21L、特定セグメントとは異なる他のセグメントのみを点灯させると中ストップスイッチ21Mというように、セグメントの点灯箇所とストップスイッチ21L,21M,21Rの種類とを対応させておき、押し順報知の際は、対応するセグメントを点灯させる。
(9)コマンド作成手段508
図15のコマンド作成手段508は、役抽選手段503の役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段508により生成されたコマンドは、後述するようにコマンド送信手段513によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段508により作成される。
また、コマンド作成手段508は、スロットマシン1の状態および役抽選手段503の役抽選結果に基づいて、報知用表示器60の報知態様に対応するコマンドを作成する。例えば、役抽選手段503の役抽選結果を構成する役の種類を特定可能なコマンドを作成するとともに、報知用表示器60の報知態様の種類を特定可能なコマンド(例えば、初期RT(NOM)で非ART中の場合に「通常リプレイ」に当選した場合は「0(何も報知しないという報知態様)」)を作成する。
(10)リール検出手段509
図15のリール検出手段509は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段509は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(11)図柄判定手段510
図15の図柄判定手段510は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段505により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
(12)払出制御手段511
図15の払出制御手段511は、図柄判定手段510による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段510により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダル払出のある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段511は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダル払出として、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。
さらに、払出制御手段511は、図柄判定手段510により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
(13)メダル制御手段512
図15のメダル制御手段512は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(14)コマンド送信手段513
図15のコマンド送信手段513は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段508により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、一般遊技状態(NOM、RT1、RT2)およびボーナス遊技状態(BB)などの遊技状態、役抽選手段503の役抽選結果、図柄判定手段510による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段511によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
また、コマンド送信手段513は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段513は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
(15)許容状態比率算出手段514
メイン制御基板63には、図示省略の4つの7セグメントLEDが実装されており、AT許容状態の滞在比率(許容状態滞在比率)や、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の比率(役物比率)などの比率など、各種の比率が当該7セグメントLEDで表示可能になっている。許容状態比率算出手段514は、各種比率のうち、許容状態滞在比率を算出するものである。この場合、許容状態比率算出手段514は、1ゲームを消化するごとに、総遊技数カウンタ655のカウント値を1ずつ加算する。当該カウンタ655は基本的にクリアされることなく半永久的に1ゲーム消化ごとに加算され続ける。また、許容状態比率算出手段514は、AT許容状態設定手段100cによりAT許容状態に設定されているゲームであるか否かを1ゲームごとに判定し、AT許容状態に設定されているゲーム(1ゲーム)を消化するたびに、総許容期間遊技数カウンタ656のカウント値を1ずつ加算する。総許容期間遊技数カウンタ656も総遊技数カウンタ655と同様に基本的にクリアされることがないように構成されている。そして、許容状態比率算出手段514は、総遊技数カウンタ655のカウント値と総許容期間遊技数カウンタ65のカウント値とに基づいて、スロットマシン1のAT許容状態である期間の比率を算出する。この比率は、許容状態滞在比率記憶領域657に記憶される。
また、許容状態比率算出手段514は、毎ゲームで、全てのリール13L,13M,13Rが停止してから当該ゲームが終了するまでの処理においてこの比率の算出をするとともに、該算出値を許容状態滞在比率記憶領域657に上書きして記憶させる。なお、毎ゲーム算出するのではなく、当該比率を表示するためにリセットスイッチ52が押されたときなど、所定の契機で算出してもよい。このとき、リセットスイッチ52が押されたときに、総遊技数カウンタ655に記憶されているカウント値と、総許容期間遊技数カウンタ656に記憶されているカウント値とに基づいて当該比率を算出する。このようにすると、許容状態比率算出手段514は、毎ゲームではなく、表示タイミングで許容状態滞在比率を算出するため、通常の遊技処理において過度の負担がかからなくすることができ、処理の効率化を図りながら遊技機の公平性を確保することができる。また、総ゲーム数が一定期間になる度に当該比率を算出し、一定値以上(例えば、60%)になった回数を記憶するようにしてもよい。また、これらの比率(許容状態滞在比率、役物比率)を、ペイアウト表示器46を利用して表示するようにしてもよい。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図15のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図3参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)コマンド受信手段700
図15のコマンド受信手段700は、メイン制御基板63のコマンド送信手段513により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段700は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段701
図15の演出内容決定手段701は、コマンド受信手段700により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段503の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。この場合、演出内容決定手段701は、報知用表示器60の報知態様に対応する報知演出を実行する演出内容に決定する。
例えば、演出内容決定手段701は、AT中に押し順報知役に内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を液晶表示器27に表示するという演出内容に決定する。
そして、演出内容決定手段701は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段702および音声制御手段703に送信する。
(3)表示制御手段702
図15の表示制御手段702は、演出内容決定手段701から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。
(4)音声制御手段703
図15の音声制御手段703は、演出内容決定手段701から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
上述した実施形態によれば、取付孔121の上部空間に嵌挿された固定キャップ200により、スロットマシン1の輸送時等に発生する振動などにより取付部101の一部が取付孔121の上部空間側に動くことが防止されるので、取付部101の一部が取付孔121内で動くことに起因するスロットマシン1の破損を防止することができる。例えば、一定の重量があるリールユニット6を背板3eに固定しているねじ133周辺に過度に荷重がかかり、過度に荷重がかかった箇所などが破損することを防止することができる。
また、固定キャップ200の嵌挿部分を取付孔121の上部空間に嵌挿し、止め部213が背板3eに前方側から当接した状態で、固定キャップ200の嵌挿部分が背板3eから筐体3の外部に突出しないような寸法に、固定キャップ200の嵌挿部分が設定されているため、固定キャップ200の嵌挿部分が背板3eから筐体3の外部に突出してスロットマシン1以外の物と接触することがなく、当該物と接触することによる不要な荷重の発生を防止することができ、また、スロットマシン1以外の物の破損を防止することができる。
また、取付部101の延在部111の左側面部111aと右側面部111b(これらは、本発明の「縦リブ」に相当)と、固定キャップ200の荷重受け部(図8(c)の点線部分)とによって、スロットマシン1の振動時などにリールユニット6の筐体3の背板3eに対する相対的な振動を効果的に抑えることができる。
また、固定キャップ200の挿入部分211aが、取付孔121の上部空間部分の内面形状である曲面に添う曲面状の外形をしているため、取付部121の一部が固定キャップ200を振動方向に押した場合に、取付孔121の上部空間部分の内面と固定キャップ200の挿入部分211aとの接触面積が大きくなって、取付孔121の上部空間部分の内面にかかる荷重を効率的に分散することができる。
また、作業者は、例えば、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指の2本の指で挟むように持ちながら、押し込み部240を右手の親指で押すことによって、固定キャップ200の嵌挿部分の取付孔121の上部空間への嵌挿作業を工具を利用せずに容易に行うことができる。また、工具を利用せずに嵌挿作業を行うことができるので、嵌挿作業時に、筐体3内の他の部品が邪魔になることもない。また、この嵌挿作業は、右手だけで行うことができるので、嵌挿作業中に勝手に閉じようとする前面扉5を抑えるのに左手を使うことができ、嵌挿作業をより容易なものとすることができる。
また、取付孔121の上部空間に嵌挿された状態の固定キャップ200がスロットマシン1の振動等により前後方向に移動しようとした場合において、前方に移動しようとするときには、固定キャップ200の係止爪260a,260bが支持枠体12の被係止部114a,114bに後方側から当接し、後方に移動しようとするときには、固定キャップ200の止め部213が背板3eに前方側から当接するので、固定キャップ200が取付孔121の上部空間から抜け落ちることを防止することができる。
また、作業者は、例えば、固定キャップ200の把持部230を右手の人差し指と中指の2本の指で挟むように持ちながら、底面部250を上方向に持ち上げる方向に親指で力を加えることによって、固定キャップ200の係止爪260a,260bが支持枠体12の被係止部114a,114bに引っ掛かるのを容易に解除することができ、固定キャップ200の取付孔121の上部空間からの引き抜き作業を工具を利用せずに容易に行うことができる。また、工具を利用せずに引き抜き作業を行うことができるので、嵌挿作業時に、筐体3内の他の部品が邪魔になることもない。また、この引き抜き作業は、右手だけで行うことができるので、嵌挿作業中に勝手に閉じようとする前面扉5を抑えるのに左手を使うことができ、引き抜き作業をより容易なものとすることができる。
また、取付孔121の上部空間から引き抜いた固定キャップ200をリールユニットに係合状態で留め置いておくことができるので、固定キャップ200の紛失を防止することができる。また、再度リールユニット6を筐体3の背板3eに取り付ける場合、リールユニットに係合状態で留め置かれた固定キャップ200が作業者の目に入ることにより、取付孔121の上部空間への固定キャップ200の嵌挿忘れを防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、スロットマシン1が固定キャップ200を繋ぐ紐状部材を備えるようにしてもよい。この構成によると、固定キャップ200を取付孔121の上部空間から取り外した場合に、固定キャップ200がリールユニット6に紐状部材で繋がれることにより、固定キャップ200の紛失を防止することができる。また、再度リールユニット6を筐体3の背板部3eに取り付ける場合、リールユニット6に紐状部材で繋がれた固定キャップ200が作業者の目に入ることにより、取付孔121の上部空間への固定キャップ200の嵌挿忘れを防止することができる。
また、取付孔121の上部空間から取り外された固定キャップ200を係合状態で留めおく構成を、例えば、支持枠体12の天板12aに設けられた突出部351、補強用リブ355、係合用の補強リブ(天板12aの上面から鉛直上方に延び、その先端から水平方向に延びた形状をし、水平に延びた部分が、天板12の凸部351を固定キャップ200の取付孔290に挿入した状態での係止爪260a,260bの上方に位置するように、設定された補強リブ)により形成してもよい。なお、係合用の補強リブは実施形態の基板ケース300の突出部310の代わりとなるものである。
また、取付部101を取り付ける背板3eの取付孔は、例えば、図17に図示する構造の取付孔121Aであってもよい。取付孔121Aは、第1貫通孔151A、第2貫通孔152A、および背面穴153Aから形成されている。第1貫通孔151Aは、背板3eを貫通する内面の一部が曲面である半長円状の孔である。この第1貫通孔151の寸法は、筐体3の前方側から、取付部101の平板部112を第1貫通孔151Aに挿入できるように設定されている。また、第2貫通孔152Aは、背板3eを貫通する半長円状の孔であり、第1貫通孔151Aと連続して設けられ、かつ、第1貫通孔151Aの鉛直下方へ向けて延びるように形成されている。この第2貫通孔152の左右方向の寸法は、取付部101の平板部112の左右方向の幅未満、かつ、取付部101の延在部111の左側面部111aの左側と右側面部111bの右側との間の距離以上になるように設定されている。また、背面穴153Aは、背板3eの背面側に設けられた背板3eを貫通しない穴であり、第1貫通孔151Aおよび第2貫通孔152Aと連続して設けられ、かつ、第2貫通孔152Aの周囲のうちの上側を除く部分に形成されている。この背面穴153Aの左右方向の寸法は、取付部101の平板部112の左右方向の幅以上になるように設定されている。また、この背面穴153Aの前後方向の深さの寸法は、取付部101の平板部112の前後方向の厚み以上になるように設定されており、この背面穴153部分の前方側の背板3eの厚みは取付部101の延在部111の前後方向の長さ以下になるように設定されている。
また、固定キャップの取付部への係止構造は、例えば、図18に図示するようなものであってもよい。取付部101Aでは、取付部101Aの延在部111Aの左側面部および右側面部それぞれの上面と平板部112Aの上面は、天板12aの枠部12a2の上面と同じ高さ位置になるように設定されている。また、固定キャップ200Aでは、固定キャップ200Aの挿入部211aA等の一部が取付孔121の上部空間に嵌挿された状態で、2つの係止爪(一つは図中の係止爪260aA)が取付部101Aの平板部112Aの背面に後方側から当接するような、底面部250Aの下面の位置に形成されている。また、固定キャップ200Aでは、止め部213の背面から固定キャップ200Aの背面までの寸法が、固定キャップ200Aが取付孔121の上部空間に嵌挿された状態で、背板3eから筐体3の外部に突出するように設定されている。なお、その他の部分については、実施形態と実質的に同じである。
また、固定キャップが図19(b),(c)に示す構造のものであり、スロットマシン1がさらに図19(a),(b)に示す配線保持具を備えるようにしてもよい。
固定キャップ200Bは、固定キャップ200の把持部230および押し込み部240を取り除き、前面に取付孔280が設けられた基部210Bを備えるようになっている。なお、その他の部分については、固定キャップ200と同様である。
配線保持具400は、配線保持部410と取付部420を備える。配線保持部410は、土台部411と可動部412とが形成され、可動部412の上面には挿入部413が形成され、土台部411には挿入部413と対応する位置に挿入孔414が形成されている。挿入部413は挿入孔414に挿入、非挿入を自在にでき、非挿入状態で可動部412を土台部411と反対方向に動かすことにより、配線挿入口415が生じる。配線挿入口415から結束する配線を配線保持部410内に挿入したり、結束されている配線を配線挿入口から配線保持部410外に取り出したりすことができる。また、取付部420は、配線保持部410の背面から後方に延びた直方体状の延在部421と、延在部421の背面に設けられ、延在部421より左右方向の幅が広い直方体状の係止部422を備える。
基部210Bの取付孔280は、第1孔281、および第2孔282から形成されている。第1孔281は、基部210Bを貫通した直方体状の孔である。この第1孔281の寸法は、前方側から係止部422を挿入可能に設定されている。また、第2孔282は、基部210Bを貫通した直方体状の孔であり、第1孔281と連続して設けられ、かつ、第1孔281の鉛直下方へ向けて延びるように形成されている。この第2孔282の左右方向の寸法は、係止部422の左右方向の幅未満で、かつ、延在部421の左右方向の幅以上になるように設定されている。
配線保持具400が固定キャップ200Bに取り付けられていない状態で、配線保持具400の取付部420を固定キャップ200Bの取付孔280の第1孔281に挿入し、その後、延在部421が第2孔282に位置するように、配線保持具400を下方に移動させることによって、配線保持具400を固定キャップ200Bに取り付けることができる。また、配線保持具400が固定キャップ200Bに取り付けられている状態で、配線保持具400の取付部420が固定キャップ200Bの取付孔280の第1孔281に位置するように、配線保持具400を上方に移動させ、続いて、配線保持具400を前方に移動させることによって、配線保持具400を固定キャップ200Bから取り外すことができる。なお、配線保持具400を固定キャップ200Bに取り付けた状態で、配線保持部410は作業者が例えば人差し指と中指で挟む把持部としての役割を果たす。
これによれば、固定キャップの把持部を配線の結束にも兼用することができ、配線を結束する専用の部材が不要となって、効率的なスロットマシン1を提供することができる。
また、固定キャップの構造、および、筐体の背板の取付孔から取り外された固定キャップをリールユニットの留置部に留め置く構造は、例えば、図20ないし図22に示すものであってもよい。ただし、図20(a)は固定キャップを留置部に留め置く前の状態の斜視図であり、この状態は固定キャップが筐体の背板の取付孔の上部空間に嵌挿された状態に対応する。図20(b)は固定キャップを留置部に留め置いた状態の斜視図である。図21は図20(a)の断面の概略図であり、図22は図20(a)から図20(b)までの固定キャップを留め置く過程を説明するための図である。
この変形例における固定キャップ200Cは、図20(a)、図21に示すように、実施形態の固定キャップ200に対して、その底部250の右隅に貫通した挿入孔250Cが設けられたものである。
また、図20(a)、図21に示すように、キャップ取付部450は、L字状をした本体部451と、本体部451の一方の先端の先端面に当該先端面の周囲方向に突出した先端部452を有し、本体部451は折り曲げ自在になっている。本体部451のサイズは、固定キャップ200Cの底部250に設けられた挿入孔250Cに挿入可能なサイズに設定されている。キャップ取付部450は、本体部451の他方の先端から固定キャップ200Cの挿入孔250Cに挿入された後、ねじ453で支持枠体12Cに取り付けられる。キャップ取付部450の先端部452の寸法は、固定キャップ200Cがキャップ取付部450の先端部452側から抜けないようなサイズになっている。
また、図20(a),(b)に示すように、支持枠体12Cには、固定キャップ200Cの押し込み部240が嵌挿される固定キャップ受け部454が形成されている。筐体の背板の取付孔の上部空間から取り外された固定キャップ200Cのの押し込み部240が固定キャップ受け部454に嵌挿されることによって、固定キャップ200Cが係合状態でリールユニットの支持枠体12Cに留め置かれることになる。なお、例えば、リールユニットの点検や交換などのために筐体の背板から取り外したリールユニットの搬送時などに、押し込み部240が固定キャップ受け部454から抜けないように、押し込み部240のサイズは固定キャップ受け部454のサイズより若干大きくなるように設定されている。
筐体の背板の取付孔から取り外された固定キャップ200Cをリールユニットの支持枠体12Cに留め置く場合、作業者は、固定キャップ200Cの挿入孔250Cにキャップ取付部450の本体部451を挿入した状態のまま、固定キャップ200Cを図22(b)に示す矢印方向に動かす作業を行う。作業者は、この作業を、固定キャップ200Cの押し込み部240が支持枠体12Cの固定キャップ受け部454に嵌挿されるまで、行う(図20(b)、図22参照)。これにより、筐体の背板の取付孔から取り外された固定キャップ200Cがリールユニットの支持枠体12Cに留め置かれることになる。
この構成によると、固定キャップ200Cを取付孔121の上部空間から取り外した場合に、固定キャップ200Cをリールユニットの支持枠体12Cに留め置くことにより、固定キャップ200Cの紛失を防止することができる。また、再度リールユニットを筐体の背板部に取り付ける場合、リールユニットの支持枠体12Cに留め置かれた固定キャップ200Cが作業者の目に入ることにより、取付孔の上部空間への固定キャップ200Cの嵌挿忘れを防止することができる。
上述した実施形態を変形して、通常遊技状態のRT状態を初期RT(NOM)と遊技者に有利な有利RT(RT1)の2つとし、ボーナス役として、ボーナス終了後に有利RT(RT1)かつAT許容状態になる第1ボーナス役と、ボーナス終了後に有利RT(RT1)かつAT非許容状態になる第2ボーナス役と、ボーナス終了後RT状態を引き継ぎ(例えば、有利RT(RT1)なら有利RT(RT1)のまま)かつAT非許容/AT許容状態を引き継ぐ(例えば、AT許容状態ならAT許容状態のまま)第3ボーナス役とがあるようにし、第1ボーナス役は設定差がなく(当選確率が設定値1〜6で同じ)、第2ボーナス役と第3ボーナス役の一方は設定差があり(当選確率が設定値1〜6で異なる)、他方は設定差がない(当選確率が設定値1〜6で同じ)ようにする仕組みを加えてもよい。このようにすれば、一度許容状態となれば、第2ボーナス役の当選までAT許容状態が継続するため、興趣向上となる。なお、第2ボーナス終了後、有利RT(RT1)の終了前に特定条件を満たせばAT許容状態となるようにすれば、より一層の興趣向上となる。
上述した実施形態では、AT期間中に押し順報知役に当選した際、ストップスイッチ21L,21M,21Rの有利な操作態様として、「押し順」を報知するように構成したが、例えば、特定リールに対応するストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングで有利な役に入賞するか否かが決定する役を設ける場合は、AT期間中に報知する有利な操作態様は、特定ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングであってもかまわない。また、ストップスイッチ21L,21M,21Rの押し順と操作タイミングの両方が有利な操作態様に関連しているものでもかまわない。
上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。また、本発明の表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用いて、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させることにより構成してもよい。また、可変表示列の数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数の可変表示列を構成すればよい。
上述した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
そして、前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットとを備える遊技機に本発明を広く適用することができる。
1…スロットマシン,6…リールユニット,12…支持枠体,101…取付部,111a…左側面部,111b…右側面部,200…固定キャップ,210…基部,211a…挿入部,230…把持部,240…押し込み部,250…底部,260a,260b…係止爪

Claims (4)

  1. 前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、
    前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、
    それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットと
    を備える遊技機であって、
    前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、
    前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔と
    を備え、
    前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、
    さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材
    を備え
    前記取付部には、垂直な縦リブが形成され、
    前記防止部材の前記取付部の前記縦リブと対向する位置には、前記縦リブと協働して前記取付部にかかる上方向の荷重を受ける荷重受け部が形成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、
    前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、
    それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットと
    を備える遊技機であって、
    前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、
    前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔と
    を備え、
    前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、
    さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材
    を備え、
    前記防止部材は、
    前記取付孔の前記上部空間に嵌挿される基部と、
    前記基部の前面側に、該基部から前方に延びて設けられた把持部と、
    前記把持部の前面側に設けられた押し込み部と、
    前記基部の背面側の下端部分から前記基部の前面より前方にまで延びた底部と、
    前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置する状態の前記ユニット本体の被係止部に着脱自在に係止する係止爪と
    を備え、
    前記防止部材は、前記底部に対して特定の方向に力を加えることにより、前記係止爪が前記ユニット本体の前記被係止部から外れやすくなるように構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、
    前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、
    それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットと
    を備える遊技機であって、
    前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、
    前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔と
    を備え、
    前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、
    さらに、前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材
    を備え、
    前記リールユニットに、前記取付孔から取り外された前記防止部材を係合状態で留め置く留置部が設けられている
    ことを特徴とする遊技機。
  4. 前面に開口を有する箱状に形成された筐体と、
    前記開口の一辺側を回転軸として回動することによって前記開口を開閉可能に設けられた前面扉と、
    それぞれが周面に複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールおよび前記複数のリールを保持するユニット本体を有し、前記筐体の前記開口から挿入されて前記筐体の内部空間内に配置されるリールユニットと
    を備える遊技機であって、
    前記ユニット本体の背面側に後方に突出して形成された取付部と、
    前記筐体の背板部に形成され、前記取付部の少なくとも一部が挿入される取付孔と
    を備え、
    前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が、前記リールユニットの自重により、前記取付孔の下部に位置して、当該リールユニットが前記筐体の前記背板部に取り付くようになっており、
    前記取付孔に挿入された前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔の前記下部に位置することによって当該取付孔の上部に生じる上部空間に嵌挿され、前記取付部の少なくとも一部が前記取付孔からの脱離を防止する防止部材と、
    前記防止部材を前記リールユニットに繋ぐ紐状部材と
    を備える
    ことを特徴とする遊技機。
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