JP6422759B2 - ポンプユニット及び固液分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプユニットに関し、特に加圧用媒体の供給に応じた膨張によって固液を搬送可能なポンプユニット、及び固液分離装置に関する。
近年、固液分離装置に好適なポンプユニットの構成として、特許文献1に示すような構成が開示されている。当該ポンプユニットは、円筒状の外筒と、当該外筒内に配設される内筒とからなる2重構造であり、外筒と内筒との間に形成されたチャンバー内に空気等の流体の圧力を印加することによって、内筒を径方向内側に向けて膨張させ、内筒内の容積を変化させることにより、内筒内の流体を搬送する構成である。
また、上記文献には、ポンプユニットを構成する内筒の内周面上に、円筒状の突起を所定の配列で複数設けた構成が開示されている。当該構成によれば、内筒を径方向内側に向けて膨張させた状態において、対向する突起同士が突き当たり、所定の配列で隙間が形成されるため、当該隙間よりも大きな固体を通過不能として他の個体と分離することができ、当該固体を貯留,残置することができる。
特開2013−174140号公報
しかしながら、上記ポンプユニットにおける隙間の間隔や大きさは、突起の配列や大きさに依存するため、固液に含まれる固体の大きさに応じて通過不能とする対象(分離対象)を変化させることは困難であるという欠点を有する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、固液に含まれる固体の粒径に応じて分離対象を容易に変化させることが可能なポンプユニット及び固液分離装置を提供する。
上記課題を解決するための構成として、外筒と、外筒の内周側に設けられた内筒と、内筒と前記外筒との間に設けられた圧力供給室とを備え、圧力供給室内への加圧媒体の供給により径方向内側に膨張する前記内筒によって、当該内筒内の流体を搬送するポンプユニットであって、内筒は、当該内筒の軸方向に沿って延長し、膨張時における内筒の軸方向への伸長を規制する拘束体と、内筒の内周面に設けられ、圧力供給室内の圧力に応じて内部の開口の大きさが変化するフィルタとを備えた構成とした。
本構成によれば、内筒の内周面に、圧力供給室内の圧力に応じて内部の開口の大きさが変化するフィルタを備えたことから、分離対象となる固体の大きさに応じて圧力供給室内の圧力を変化させることにより、分離対象を容易に変化させることができる。また、当該ポンプユニットを搬送路の一部に含む固液分離装置としてもよい。
また、上記ポンプユニットを複数備え、複数のポンプユニットの圧力供給室内の圧力を互いに異ならせることにより、分離対象を搬送経路上の異なる位置で貯留,残置させることが可能となる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
実施形態に係るポンプユニットの概要を示す断面図である。 ポンプユニットの動作時の概要を示す断面図である。 外筒の内部を示す図である。 固液分離装置の概要を示す図である。 ポンプ構造体の連続的な動作と固液の搬送,分離を説明する図である。 他の実施形態に係る固液分離装置の概要を示す図である。 他の実施形態に係る可変フィルタの概要を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、ポンプユニット1の概要を示す概略断面図である。同図に示すように、ポンプユニット1は、円筒状に形成された外筒10と、当該外筒10の内周側に設けられた円筒状の内筒20と、外筒10及び内筒20の軸方向の一端側と他端側とにそれぞれ設けられた一端側フランジ30及び他端側フランジ32とを備える。
外筒10は、両端開口の円筒状に形成され、その両端部は一端側フランジ30及び他端側フランジ32の外周面に嵌入された固定リング34a;34bによってそれぞれ固定されている。図3に示すように、外筒10は、例えば低アンモニア天然ラテックスゴムから成るゴム層12a;12bと、当該ゴム層12a;12bの間に介挿された繊維層14を有してなる。繊維層14は、径方向に沿って積層される複数の炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などからなる高弾性繊維14aによって構成される。同図に示すように、高弾性繊維14aの延長方向は、外筒10の軸方向と一致しており、後述のチャンバー50内への空気の導入より外筒10が膨張しようとする場合、軸方向への伸長(膨張)が規制される結果、径方向への膨張のみが許容される。
図1(b)に示すように、内筒20は、天然ラテックスゴムやシリコーンゴムなどのゴム部材から構成された円筒状であって、外筒10の軸心と同軸上に配設される。内筒20の両端部はそれぞれ、一端側フランジ30の外端面に形成された凹部30aと、他端側フランジ32の外端面に形成された凹部32aにおいてそれぞれ嵌入される固定リング34により固定される。図1(b)に示すように、内筒20には当該内筒20の軸方向に沿って延長する複数の拘束体15が内挿されている。拘束体15としては、例えば細小で強度の高い複数のカーボンロービング繊維を束ねたものが好適である。また、拘束体15の延長方向は内筒20の軸方向と一致しており、後述のチャンバー50内への空気の導入より内筒20が膨張しようとする場合、軸方向への伸長(膨張)が規制される結果、径方向への膨張のみが許容される。また、本例においては、内筒20の周方向に沿って均等に4本の拘束体15を内挿するものとしたが、本数はこれに限られるものではない。
図1に示すように、内筒20の内周面22には、多孔質部材からなる複数の可変フィルタ40(40a〜40d)が配設される。可変フィルタ40a〜40dは、複数の拘束体15によって周方向に沿って区画される内筒20の膨張領域20a〜20d(図2(b)参照)の範囲と対応するように均等な間隔で設けられる。可変フィルタ40に好適な多孔質部材の例としては、スポンジ、濾布、或いはスポンジを濾布で被覆した部材等のように柔軟な部材であることが好ましい。詳細については後述するが、可変フィルタ40を上記のような部材から構成することにより、内筒20の膨張に応じて作用する圧力(押し付け力)によって可変フィルタ40の内部に存在する複数の孔の大きさを変化させることができ、可変フィルタ40によって通過が阻止又は許容される固体の大きさ(粒径)を変化させることが可能となる。
図1に示すように、外筒10及び内筒20の両端開口部が一端側フランジ30及び他端側フランジ32によってそれぞれ強固に固定されると、ポンプユニット1内には、外筒10、内筒20、一端側フランジ30及び他端側フランジ32によって区画された圧力供給室としてのチャンバー50が形成される。チャンバー50は、内筒20の軸回りにおいて軸方向に沿って延長する空間であって、当該チャンバー50内には、図外の圧力給排装置から送出される空気等の流体が供給される。また、一端側フランジ30及び他端側フランジ32にはそれぞれ、周方向に沿って均等に配列された複数のエアチューブ挿入孔36a〜36fと、エアチューブ挿入孔38b〜38fが形成される。エアチューブ挿入孔36a〜36d及びエアチューブ挿入孔38b〜38fは、それぞれ一端側フランジ30及び他端側フランジ32を軸方向に貫通し、チャンバー50の内外を連通する。
図1(a)に示すように、一端側フランジ30のエアチューブ挿入孔36aには、当該エアチューブ挿入孔36a内において終端するエアチューブ41aが挿入される。エアチューブ41aは、図外の圧力給排装置と接続されており、当該圧力給排装置から送出される空気等の流体は、エアチューブ41aを経由してチャンバー50内に送り込まれる。
また、一端側フランジ30のエアチューブ挿入孔36b〜36fには、他端側に連結される他の複数のポンプユニットへの圧力の供給を可能とするためのエアチューブ41b〜41fが挿入される。各エアチューブ41b〜41fは、チャンバー50内を経由して、エアチューブ挿入孔36b〜36fとそれぞれ対応する位置に形成された他端側フランジ32のエアチューブ挿入孔38b〜38fを介して架け渡され、それぞれ他端側に連結される他のポンプユニットに対して個別に圧力を供給する。図示の例では、一端側フランジ30に合計6つのエアチューブ挿入孔36a〜36fが形成されていることから、最大で6つのポンプユニットを連結可能とされている。このように、チャンバー50は、複数のエアチューブ41a〜41fの挿入により密閉された空間として形成されるため、エアチューブ41aを介してチャンバー50内に空気が供給されると、外筒10及び内筒20が膨張動作することとなる。
以下、図1,図2を参照して上記構成からなるポンプユニット1の具体的動作について説明する。チャンバー50内に空気等の所定の圧力が印加されると、外筒10は径方向外側に向けて膨張するとともに、軸方向に収縮する。即ち、外筒10には、軸方向に沿って延長する繊維層14が形成されているため、軸方向への伸長が規制される。その結果、外筒10の膨張方向は径方向外側に限定され、当該径方向外側への膨張に伴って、軸方向長さが収縮することとなる。
また、チャンバー50内に空気等の所定の圧力が印加されると、内筒20は、径方向内側に向けて膨張するとともに、軸方向に収縮する。上記同様に、内筒20には軸方向に沿って延長する拘束体15が内挿されているため、軸方向への伸長が規制される。その結果、内筒20の膨張方向は径方向内側に限定され、当該径方向内側への膨張に伴って、軸方向長さが収縮することとなる。また、内筒20には周方向に沿って均等な間隔で拘束体15が内挿されているため、内筒20は各拘束体15を起点として分割される複数の膨張領域20a〜20dを有して膨張することとなる。
特に図2(b)に示すように、内筒20が径方向内側に膨張すると、内周面22に配置された各可変フィルタ40は、内筒20内において互いに押し付け合いながら密接した状態となり、ポンプユニット1の動作前において開放されていた内筒20内の内部流路U(図1参照)が閉鎖状態とされる。内部流路Uが閉鎖状態となった場合、以後、内筒20に作用する圧力、換言すればチャンバー50内の圧力の高低によって、内部流路U内を通過可能な固体の粒径を変化させることが可能となる。即ち、前述のとおり可変フィルタ40は、柔軟な多孔質部材によって構成されているため、例えば閉鎖初期においては内部に存在する孔の孔径が比較的大きな径として維持される。一方、閉鎖初期の状態から内筒20に作用する圧力が増大すると、各可変フィルタ40同士がより強く互いに押し付け合うことにより孔が押し潰されて、その孔径は漸次小さくなり、可変フィルタ40内を通過可能な固体の粒径も小さくなる。つまり、柔軟な多孔質部材からなる可変フィルタ40によれば、内筒20に作用する圧力に応じて孔の大きさ(空隙率)が変化するため、可変フィルタ40によって通過が阻止又は許容される固体の大きさを自在に変化させることが可能となる。また、内筒20に作用する圧力を調整して、各可変フィルタ40の空隙率を実質的に0%とすれば、固体のみならず液体の通過をも阻止することが可能となる。
次に、図4を参照して上記構成からなるポンプユニット1を一部に備えた固液分離装置100の概要について説明する。同図に示すように、固液分離装置100は、複数のポンプユニット1A〜1Fが軸方向に沿って連結されたポンプ構造体110と、当該ポンプ構造体110を動作させる圧力給排手段120とを備える。ポンプ構造体110は、各ポンプユニット1A〜1Fが備える一端側フランジ30と他端側フランジ32とが図外の固定手段を介して相互に連結されて構成されており、各ポンプユニット1A〜1Fの内部流路Uが連通することにより、所定長さの搬送路が形成される。また、上記ポンプユニット1A〜1Fのうち、例えばポンプユニット1C;1Eは、可変フィルタ40を備えた上述のポンプユニット1と同一の構成である一方、他のポンプユニット1A;1B;1D;1Fは、上記可変フィルタ40を具備しない構成のポンプユニットである。
圧力給排手段120は、圧縮空気を送出するエアコンプレッサCと、当該エアコンプレッサCとエアチューブを介して接続された複数の比例電磁弁V(V1〜V6)と、当該比例電磁弁Vとエアチューブを介して接続される複数の3ポート電磁弁P(P1〜P6)と、比例電磁弁V及び3ポート電磁弁Pを個別に制御して、各ポンプユニット1A〜1Fのチャンバー50内への空気の給排を制御する制御装置Sとを備える。
同図に示すように、3ポート電磁弁P1〜P6の一方のポートは、エアチューブ41a〜41fを介して各ポンプユニット1A〜1Fのチャンバー50と接続されており、エアコンプレッサCから各ポンプユニット1A〜1Fのチャンバー50に至る空気の供給系統が確立される。なお、エアチューブ41a〜41fと各ポンプユニット1A〜1Fとの接続状態は図1で説明した通りである。また、本実施形態においては、ポンプ構造体110を合計6つのポンプユニット1A〜1Fによって構成したことから、6つ供給系統を有する構成としたが、ポンプユニットの数に応じて系統数が変わることは言うまでもない。
制御装置Sは、演算手段としてのCPUや記憶手段としてのROM,RAM等のハードウェアを備えたコンピュータであって、予め設定された動作プログラムに従って比例電磁弁V及び3ポート電磁弁Pを開閉制御することにより、各ポンプユニット1A〜1Fを個別に膨張動作させる。例えば、ポンプユニット1Aを動作させるには、比例電磁弁V1を開放状態とし、かつ、3ポート電磁弁P1の一方のポート側を開放状態とすればよく、当該制御によりエアコンプレッサCからの空気がポンプユニット1Aのチャンバー50内に供給され、ポンプユニット1Aのみが膨張することとなる。なお、チャンバー50内に供給される空気の圧力は、比例電磁弁V1への電流値に応じて自在に調整可能である。ポンプユニット1B〜1Fについても同様であり、それぞれに対応する供給系統に含まれる比例電磁弁V2〜V6、及び3ポート電磁弁P2〜P6を個別に制御することにより、ポンプユニット1B〜1Fを個別に膨張動作させることができる。
次に、各ポンプユニット1A〜1Fに供給された空気の排気系統について説明する。同図に示すように、3ポート電磁弁P1〜P6の他方のポートは、エアチューブを介してエアレギュレータIと接続されている。当該エアレギュレータIは、エアタンクTを介してエアポンプQと接続されている。例えばポンプユニット1Aに供給された空気を排出するには、エアタンクTが駆動した状態で3ポート電磁弁P1の一方及び他方のポートを開状態とすればよく、このような状態において、ポンプユニット1Aのチャンバー50内の空気はエアポンプQによって強制的に排気され、エアタンクT内に貯留される。なお、排気後のチャンバー50内の圧力はエアレギュレータIの設定によって調整可能である。また、ポンプユニット1B〜1Fについても同様であり、それぞれに対応する排気系統に含まれる比例電磁弁V2〜V6及び3ポート電磁弁P2〜P6を個別に制御することにより、膨張動作後のポンプユニット1B〜1Fを個別に自然長(膨張前)に復帰させることができる。
なお、上記排気系統を別段設けることなく、チャンバー50内に供給された空気を外筒10及び内筒20の復元力によって大気開放する構成としてもよい。一方で、排気系統を設けて空気を強制的に排気する構成とすれば、搬送対象となる固液の粘度が高い場合等における外筒10及び内筒20の自然長への復帰が速くなるため、内部流路Uを通過する固液の搬送効率を向上させることが可能となる。
次に、図5を参照して、ポンプ構造体110を構成するポンプユニット1A〜1Fの連続的な動作と固液の搬送,分離について説明する。図5(a)に示すように、ポンプ構造体110は、固液を搬送する管路Jの一部に配設されており、以下の説明では、ポンプユニット1A側からポンプユニット1F側に向けて固液が搬送されるものとする。また、搬送対象となる固液は、例えば水、その他の液体と、互いに粒径の異なる固体K1〜K3を含む混合流体であるものとする。
まず、図5(b)に示すように、固液がポンプ構造体110内に流入する前に、可変フィルタ40を備えたポンプユニット1C;1Eを膨張動作させ、可変フィルタ40を機能させる。次に、ポンプユニット1Aを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Aの内部流路U内に存在する固液を下流のポンプユニット1B側に送出する。
なお、可変フィルタ40を具備しないポンプユニット1A;1B:1D;1Fを膨張動作させると、内筒20の内周面22が軸心側において密に当接するため容積が減少し、内部流路Uが完全に閉鎖された状態(全閉状態)となる。また、各ポンプユニット1A;1B:1D;1Fが膨張動作した場合、その全体の軸方向長さが収縮するため、内部に存在する固液を押し出す力が作用する。
次に、図5(c)に示すように、ポンプユニット1Bを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Bの内部流路U内に存在する固液を下流のポンプユニット1C側に送出する。また、ポンプユニット1Bの膨張動作と同時又は以後に上流側のポンプユニット1Aのチャンバー50から強制的に空気を排気して自然長に復帰させることにより上流側から新たな固液を導入する。
ポンプユニット1Cよりも上流側に位置するポンプユニット1A;1Bの膨張動作により固液が下流側に送出され、ポンプユニット1Cに到達すると、当該ポンプユニット1Cを通過しようとする固液に含まれる一部の個体が、他の個体と分離される。図5(b)の部分拡大図に示すように、ポンプユニット1Cには、前述の柔軟な多孔質部材からなる複数の可変フィルタ40が配設されており、図示の例では内筒20に印加される圧力、換言すれば複数の可変フィルタ40同士に加わる押し付け力を、可変フィルタ40内部の孔の孔径が固体K1の粒径未満、かつ、固体K2;K3の粒径以上となるように設定している。ポンプユニット1Cをこのような設定によって膨張動作させることにより、固体K1のポンプユニット1Cの通過を阻止して、当該ポンプユニット1C内に貯留,残置させることができる一方で、固体K2;K3の下流側への通過を許容することができる。
次に、図5(d)に示すように、ポンプユニット1Dを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Dの内部流路U内に存在する固液を下流のポンプユニット1E側に送出する。また、当該ポンプユニット1Dの膨張動作と同時又は以後に上流側のポンプユニット1Bのチャンバー50から強制的に空気を排気して自然長に復帰させることにより、上流側から新たな固液を導入する。
ポンプユニット1Eよりも上流側に位置するポンプユニット1A;1B;1C;1Dの膨張動作により固液が下流側に送出され、ポンプユニット1Eに到達すると、当該ポンプユニット1Eを通過しようとする固液に含まれる固体K2とK3とがさらに分離される。図5(b)の部分拡大図に示すように、ポンプユニット1Eにも複数の可変フィルタ40が配設されている。そして、図示の例では複数の可変フィルタ40同士に加わる押し付け力をポンプユニット1Cにおける押し付け力よりも高くなるように調整し、可変フィルタ40内部の孔の孔径を固体K2の粒径未満、かつ、固体K3の粒径以上となるように設定している。ポンプユニット1Eをこのような設定によって膨張動作させることにより、固体K2のポンプユニット1Eの通過を阻止して、当該ポンプユニット1E内に貯留,残置させることができる一方で、固体K3の下流側への通過を許容することができる。
最後に、図5(e)に示すように、ポンプユニット1Fを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Fの内部流路U内に存在する固液を下流側に連結された下流側の管路に送出する。
また、当該ポンプユニット1Fの膨張動作と同時又は以後に上流側のポンプユニット1Dのチャンバー50から強制的に空気を排気して自然長に復帰させることにより、上流側から新たな固液を導入する。以後、図5(b)〜(d)までの連続的な動作を繰り返すことにより、固液に含まれる液体と固体K3のみを下流側に向けて搬送しつつ、ポンプ構造体110内に固体K1;K2を互い分離した状態で貯留,残置することが可能となる。即ち、本実施形態においては、1つの搬送経路上に可変フィルタ40を備えた複数のポンプユニット1C;1Eを設けるとともに、ポンプユニット1C;1Eのチャンバー50内の圧力を異なる圧力に設定することにより、大きさの異なる固体K1;K2をそれぞれ異なる位置で分離できるため、各ポンプユニット1C;1Eに貯留,残置された固体K1;K2をそれぞれ単体で容易に回収することが可能となる。
なお、図示の例では、固体K3を液体とともに下流側に搬送する構成としたが、ポンプユニット1Eの下流側に、ポンプユニット1C;1Eと同様の複数の可変フィルタ40が配設されたポンプユニット1をさらに連結し、複数の可変フィルタ40同士に加わる押し付け力をポンプユニット1Eにおける押し付け力よりもさらに高くなるように調整し、可変フィルタ40内部の孔の孔径を固体K3の粒径未満とすれば、固体K3についても液体から分離することが可能となり、固液に含まれる全ての固体K1〜K3をポンプ構造体110内の異なる位置に貯留,残置することが可能となる。
また、例えば図5(c)から図5(d)に示す状態に移行する際に、ポンプユニット1Dの膨張動作に伴う固液の上流側への逆流を防止するため、上流側に位置するポンプユニット1Cの可変フィルタ40に作用する押し付け力を最大限まで高め、可変フィルタ40の空隙率を実質的に0%とすれば、固液に含まれる液体の逆流を阻止することができ、搬送効率を向上させることができる。
また、上述の例では、固液中に互いに粒径の異なる固体K1〜K3が含まれる場合を説明したが、例えば一定時間ごとに固液中に含まれる固体の粒径が変化するような場合を想定すると、ポンプ構造体110の一部に、複数の可変フィルタ40を備えたポンプユニット1を単体で配設し、一定時間ごとに複数の可変フィルタ40に作用する押し付け力を調整すれば、単一のポンプユニット1により、全ての固体を液体から分離することも可能である。
図6は、固液分離装置100の異なる実施形態を示す概要図である。本実施形態に係るポンプ構造体110は、複数のポンプユニット1A〜1Hから構成されており、その延長方向が上下方向に設定されている。同図に示すように、複数のポンプユニット1A〜1Hのうち、ポンプユニット1Dが可変フィルタ40を具備する構成とされ、他のポンプユニット1A〜1C,1E〜1Hが可変フィルタ40を具備しない構成とされる。また、ポンプユニット1Dとポンプユニット1E及びポンプユニット1Gとの間には、分岐管140が配設されている。分岐管140は、図外のフランジ部を介してポンプユニット1Dと、ポンプユニット1E及びポンプユニット1Gと連結される管体であって、ポンプユニット1E及びポンプユニット1Gとそれぞれ連通する開口部を有する。つまり、本例におけるポンプ構造体110は、分岐管140を介して分岐され、ポンプユニット1E;1Fによって構成される一方側管路Lと、ポンプユニット1G;1Hによって構成される他方側管路Rとを有する。なお、搬送対象となる固液は、例えば水、その他の液体と、固体K1を含む混合流体であるものとする。
まず、図6(a)に示すように、固液がポンプ構造体110内に流入する前に、可変フィルタ40を備えたポンプユニット1Dを膨張動作させておき、可変フィルタ40を機能させる。ここで、ポンプユニット1Dの複数の可変フィルタ40同士に加わる押し付け力は、可変フィルタ40内部の孔の孔径が固体K1の粒径未満となるように設定される。さらにこのとき、ポンプユニット1Gを膨張させておき、他方側管路Rを閉鎖した状態とする。
次に、図6(b)に示すように、最も上流側に位置するポンプユニット1Aを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Aの内部流路U内に存在する固液を下流側に送出する。ポンプユニット1A内の固液が下流側に送出されると、図6(c)に示す如く下流側に位置するポンプユニット1Dにおいては、可変フィルタ40によって固液に含まれる固体K1が貯留,残置されるとともに、液体のみが分岐管140側に向けて通過することとなる。また、分岐管140側に流下した液体は、閉鎖状態とされた他方側管路Rを流下することなく、自重により開放状態とされた一方側管路Lを経由してさらに流下する。
次に、図6(c)に示すように、ポンプユニット1Bを膨張動作させ、当該ポンプユニット1Bの内部流路U内に存在する固液を下流側に送出する。上記同様に、ポンプユニット1B内の固液が下流側に送出されると、下流側に位置するポンプユニット1Dにおいて固体K1がさらに貯留,残置されるとともに、液体のみが分岐管140側に向けて通過する。また、図6(c)に示す状態から、ポンプユニット1Cをさらに膨張動作させると、当該ポンプユニット1C内の固液の液体のみがポンプユニット1Dを通過する。よって、ポンプユニット1C;1D内には、ポンプユニット1A〜1Cの膨張動作によって集約された固体K1のみが貯留,残置されることとなる。なお、同図では集約された固体K1をハッチングによって示している。
次に、図6(d)に示すように、一方側管路Lを構成するポンプユニット1Eを膨張動作させ、一方側管路Lを閉鎖状態とする。また、同時に他方側管路Rを構成するポンプユニット1Gのチャンバー50から強制的に空気を排気して自然長に復帰させ、他方側管路Rを開放状態とする。さらにその後、固体K1を貯留,残置していたポンプユニット1Dのチャンバー50から強制的に空気を排気して自然長に復帰させ、複数の可変フィルタ40を開放した状態とし、貯留,残置されていた固体K1を分岐管140及び開放状態とされた他方側管路R側に排出する。なお、固体K1は、その自重により分岐管140に落下するとともに、開放状態とされた他方側管路R側に進入する。また、分岐管140の構造は図示のものに限られるものではなく、一方側管路L及び他方側管路Rの配置を分岐管140内からそれぞれ液体と固体K1とが自重で落下(流下)するように配管すれば液体と固体K1とを効率的に搬送することができる。
次に、図6(e)に示すように、他方側管路Rを構成するポンプユニット1Gを膨張動作させ、内部流路U内に存在する固体K1を下流側に送出する。さらに図6(f)に示すように、ポンプユニット1Hを膨張動作させ、内部流路U内に存在する固体K1を下流側に送出する。以後、ポンプユニット1G;1Hの膨張動作を複数回繰り返すことにより、可変フィルタ40によって液体から分離された全ての固体K1を下流側に送出する。
このように、本実施形態に係る固液分離装置100は、可変フィルタ40を具備するポンプユニット1Dの下流側において分岐する一方側管路L及び他方側管路Rを備えている。そして、このような構成によれば、可変フィルタ40によって分離された液体と固体K1とを独立した複数の管路によって個別に搬送できるため、液体及び固体K1を効率的に回収することが可能となる。
以上、複数の実施形態を通じて説明したとおり、本実施形態に係るポンプユニット1によれば、チャンバー50内の圧力に応じて互いに押し付け合い、内部の孔の孔径が変化する多孔質部材からなる複数の可変フィルタ40を備えたことにより、可変フィルタ40によって通過が阻止又は許容される固体の大きさを、圧力の制御によって容易かつ自在に変化させることが可能となる。
図7は、他の実施形態に係る可変フィルタ40の例を示す断面図である。図1(b),図2(b)との比較において、本実施形態に係る可変フィルタ40は、弾性体からなり、格子状の複数の開口部40Pを有する網状部材によって構成されている点で異なる。同図に示すように、可変フィルタ40の径方向外側の端部は、内筒20の内周面22に沿って接着材等の手段により固定されている。また、可変フィルタ40は、内筒20の非膨張時において、一定のテンションが作用するように展伸した状態とされている。よって、図7(b)に示す如く、内筒20が径方向内側に向かって膨張した場合、弾性体からなる可変フィルタ40は、開口部40Pの形状を維持したまま、その弾性力によって径方向内側に縮小する。
そして、図7(a),(b)の比較から明らかなとおり、可変フィルタ40内に形成された複数の開口部40Pの個々の大きさ(面積)は、内筒20の膨張、及び膨張からの復帰に伴う可変フィルタ40の縮小又は展伸に応じて自在に変化することとなる。つまり、本例では、内筒20に印加する圧力を高く設定するほど開口部40Pの大きさを小さくできるため、このような可変フィルタ40を採用したポンプユニット1であっても、開口部40Pの通過が阻止又は許容される固体の大きさを圧力の制御によって自在に変化させることができる。
つまり、可変フィルタ40の例としては、膨張時において互いに押し付け合い、チャンバー50内の圧力に応じて開口の大きさ(空隙率)が変化する多孔質部材に限られるものではなく、チャンバー50内の圧力に応じて内部の開口の大きさが変化する部材であれば如何なる部材を採用してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
1(1A〜1H) ポンプユニット、10 外筒、14 繊維層、15 拘束体、
20 内筒、30 一端側フランジ、32 他端側フランジ、
40(40a〜40d) 可変フィルタ、50 チャンバー、100 固液分離装置、
110 ポンプ構造体、140 分岐管。

Claims (3)

  1. 外筒と、
    前記外筒の内周側に設けられた内筒と、
    前記内筒と前記外筒との間に設けられた圧力供給室と、
    を備え、
    前記圧力供給室内への加圧媒体の供給により径方向内側に膨張する前記内筒によって、当該内筒内の流体を搬送するポンプユニットであって、
    前記内筒は、
    当該内筒の軸方向に沿って延長し、膨張時における前記内筒の軸方向への伸長を規制する拘束体と、
    前記内筒の内周面に設けられ、前記圧力供給室内の圧力に応じて内部の開口の大きさが変化するフィルタと、
    を備えたことを特徴とするポンプユニット。
  2. 前記請求項1記載のポンプユニットを搬送路の一部に含むことを特徴とする固液分離装置。
  3. 前記固液分離装置は、前記ポンプユニットを複数備え、
    前記複数のポンプユニットの圧力供給室内の圧力が互いに異なることを特徴とする請求項2記載の固液分離装置。
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