JP6078842B2 - ポンプユニット及び流体の搬送方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1及び特許文献2には、設置場所に依存しないポンプとして、外筒と、該外筒の内周面に沿って同軸的に設けられた膨張可能な内筒とにより構成されるポンプユニットが開示されている。外筒及び内筒は、ゴム又はエラストマーにより構成され、内部に非伸張性の高弾性繊維が埋設されている。高弾性繊維は、外筒及び内筒の筒軸心方向に沿って配向され、筒軸心方向への長さの変化を拘束し、内筒が半径方向内向きに膨張するように規制している。
このポンプユニットは、複数個同軸に連結することにより1つのポンプを構成し、流体を搬送する配管にこのポンプを直列に接続して、各ポンプユニットの内筒を順次膨張させることにより流体の搬送を可能とし、上記従来のポンプに必要とされるポンプの設置スペースを不要としている。
本構成のポンプユニットによれば、流路の延長方向に複数配置された膨張体が、膨張制御手段の制御により流路内において順次膨張することにより、膨張体の膨張順と同一方向に流体を押し出して搬送することができる。また、膨張体の膨張量を調整することにより、寸法が異なる流路に対応させることが可能となる。また、膨張体が、流路内に配置されるため、ポンプユニットの設置スペースを最小化することができる。また、本構成のポンプユニットによれば、上流側の膨張体が収縮することにより、膨張する下流側の膨張体に上流側から流体を取り込むことができるので、流体の搬送効率を向上させることができる。
また、ポンプユニットの他の構成として、流体を搬送する流路内に設けられるポンプユニットであって、流路の延長方向に複数配置され、流路内において膨張し、当該膨張に伴う流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体と、膨張体内に所定の圧力媒体を供給し、複数の膨張体を順次膨張させる膨張制御手段とを備え、膨張体は、内部に流体を導入可能な気密室を形成する膨張壁と、膨張壁の内部に内挿され、流体の導入に伴なう膨張壁の膨張方向を流路の延長方向に直交する断面方向に規制する複数の繊維とを備える構成とした。
本構成のポンプユニットによれば、膨張体の膨張壁を効率よく流路の断面方向に膨張させることができるので、膨張壁の内部に導入される流体の供給量を少なくすることができる。従って、効率よく膨張体を膨張させることができる。
また、ポンプユニットの他の構成として、膨張制御手段が、複数の膨張体のうち、少なくとも2つの膨張体が膨張状態となる期間を設定する構成とした。
本構成のポンプユニットによれば、膨張制御手段が、少なくとも2つの膨張体が膨張状態となる期間を設定することにより、上流側に位置する膨張体を流路におけるバルブとして動作させ、下流側の膨張体が膨張することで、上流側の膨張体よりも下流側の流体を加圧して下流側に搬送することができる。
また、ポンプユニットの他の構成として、膨張制御手段によって設定される膨張体の膨張時の内圧が、膨張した膨張体の外表面が流路の内壁面に密着する内圧である構成とした。
本構成のポンプユニットによれば、膨張した膨張体の外表面が流路の内壁面に密着することにより流路が遮断され、膨張体の膨張により加圧された流体の逆流を阻止することができるので、効率よく流体を搬送することができる。
また、ポンプユニットの構成として、搬送方向上流側の流路及び下流側の流路の間に介在される接続フランジを更に備え、膨張体が接続フランジ内において固定される構成とした。
本構成のポンプユニットによれば、膨張体が接続フランジを介して流路内に固定されるので、流路内を流れる流体によって膨張体が下流側に流されることを防ぐことができる。
また、接続フランジを介して膨張体が固定されることにより、膨張や収縮動作により流体から受ける反力によって流体内を膨張体が移動しないため、膨張体の膨張,収縮に伴う体積変化を効率的に流体に伝達でき、ポンプ動作を効率的に行なわせることができる。
また、流体の搬送方法として、流路の延長方向に、当該流路内において膨張し、膨張に伴う流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体を複数配置し、膨張体内に流体を供給して複数の膨張体を順次膨張させ、流路の下流側に位置する膨張体が膨張した後に、隣接する上流側の膨張体を収縮させることにより流体を搬送する態様としたり、内部に流体を導入可能な気密室を形成する膨張壁と、前記膨張壁の内部に内挿され、前記流体の導入に伴なう膨張壁の膨張方向を流路の延長方向に直交する断面方向に規制する複数の繊維とを備え、流路内において膨張し、膨張に伴う前記流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体を流路の延長方向に複数配置し、前記膨張体内に所定の圧力媒体を供給して前記複数の膨張体を順次膨張させることにより流体を搬送する態様とした。
本搬送方法の態様によれば、上述したポンプユニットと同様の効果を得ることができる。
中空部Sは、後述の駆動体10のチューブ15A乃至15Dを流路外に引き出すための空間であり、台座34の結合部36の端面36aから台座34の内部に向かって軸方向に沿って延長し、台座34の内部において終端する穴と、軸方向と直交方向に延長し、外筒31の外周面31aから肉厚調整筒33及び内筒32を貫通して台座34の内部において終端する穴とを台座34内部で互いに交差させることで形成される。
つまり、中空部Sは、台座34の結合部36の端面36aの開口と、フランジ11の外筒31の外周面31aの開口とを連通する空間からなる。外周面31aに形成される中空部Sの開口縁には、チューブ15A乃至15Dの引き出しをガイドする円筒状のガイド筒35が取り付けられる。
従って、配管P1;P2内を流通する流体は、フランジ11内の図2(a),(b)の図中Fで示す部分を流れる。
図3は、膨張ユニット10Aの軸方向断面図である。同図に示すように、膨張ユニット10Aは、オーバーチューブ12Aと、一対のフランジ16A,16Bと、膨張壁25Aとを備える。
一方のフランジ16Aの幅広部20aは、当該フランジ16Aの外周面から内周面に貫通する貫通孔39を備える。貫通孔39には、オーバーチューブ12Aの内部空間を介して挿通される仮想線で示す駆動用エアチューブ15Aを接続するための接続口17が設けられる。駆動用エアチューブ15Aには、例えばポリ塩化ビニル等の可撓性部材によって形成されたチューブが適用される。
また、図3の二点鎖線で示すように、オーバーチューブ12Aの外周面の周囲を覆う膨張壁25Aの内部には、流体の搬送方向と対応する軸方向に沿って延在するガラスロービングやカーボンロービング等からなる複数の繊維fが内挿される。複数の繊維fは、膨張壁25A内に密な状態として内挿される。なお、繊維fの延在方向は、流体の搬送方向と同一方向に限定されず、流体の搬送方向に対して傾斜、或いは、繊維f同士が互いに交差するように内挿してもよい。
繊維fが内挿された膨張壁25Aの両端部は、フランジ16A,16Bの外周上に形成された溝部19,19に対応する位置で例えばピアノ線のような固定手段を介して強固に括られる。これにより、膨張壁25A内に内挿された繊維fの両端についても一端がフランジ16A、他端がフランジ16Bの外周上に強固に固定される。
また、膨張ユニット10Dのフランジ16Bの外周には、各膨張ユニット10A乃至10Dのオーバーチューブ12A乃至12Dによって連通する内周空間を閉塞するためのキャップ18が嵌着される。キャップ18は、駆動体10の動作により搬送される流体の流れを乱さない外形形状に形成される。
空気供給バルブ102A乃至102Dは、エアコンプレッサ101から供給される空気圧を後述の制御装置100から出力される信号に基づいて所定の圧力に制御し、駆動用エアチューブ15A乃至15Dと連通する供給孔21を経て、各膨張ユニット10A乃至10Dのチャンバー27A乃至27D内に空気を供給する(図3参照)。
なお、チャンバー27A乃至27Dに供給され、各膨張壁を膨張させる圧力媒体としては、空気に限られるものではなく、他の気体や混合気体、液体、紛体等、各膨張壁を膨張せしめる媒体であればいかなる媒体であってもよい。
制御装置100は、上記膨張ユニット10A乃至10Dに供給する空気を所定の圧力で蓄圧するエアコンプレッサ101と、エアコンプレッサ101に蓄圧された空気を所定の圧力で供給する供給バルブ102A乃至102Dと、膨張ユニット10A乃至10Dに供給された空気を大気中に開放する開放バルブ103A乃至103Dと、膨張ユニット10A乃至10Dの膨張,収縮を制御する膨張制御手段110とを備える。膨張制御手段110は、図外のキーボード等の入力手段、CPU等の演算手段、ROM,RAM等の記憶手段等を備えた所謂コンピュータであって、上述の供給バルブ102A乃至102D及び開放バルブ103A乃至103Dに制御信号を出力可能な出力手段とを備えており、ROM内に格納された制御プログラムに従って、駆動体10の複数の膨張ユニット10A乃至10Dを膨張させる動作タイミングを制御する。
図4は、ポンプユニット1が備える駆動体10の複数の膨張ユニット10A乃至10Dを駆動することにより、タンク50内に貯留された流体を下方から上方に搬送する場合のポンプ動作を示すための模式図である。同図に示すように、膨張ユニット10A乃至10Dを構成する駆動用エアチューブ15A乃至15Dは、制御装置100内に設置されたエアコンプレッサ101と制御バルブ102A乃至102D及び開放バルブ103A乃至103Dを介して接続されている。
そして、膨張した膨張壁25Aの外表面は、配管P2の内壁面と密着した状態となり、膨張ユニット10Aよりも下側の空間と、膨張ユニット10Aよりも上側の空間とが遮断される。
膨張壁25Aが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態は解除される。また、図5(b),(c)間の変化に示すように、膨張壁25Aの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Bが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に僅かに押し上げられる。
上記膨張壁25Aの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25B、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間内の圧力は、膨張壁25Aの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Aが軸方向に伸長して膨張壁25Bを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置を初期の位置から上昇させることになる。
膨張壁25Bが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態は解除される。また、図5(d),(e)間の変化に示すように、膨張壁25Bの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Cが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に僅かに押し上げられる。
上記膨張壁25Bの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25C、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間内の圧力は、膨張壁25Bの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Bが軸方向に伸長して膨張壁25Cを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置をさらに上昇させることになる。
具体的には、図5(g)に示すように、開放バルブ103Cを開放状態とし、チャンバー27C内に供給された空気を大気に放出することにより、密着状態にある膨張壁25Cを径方向内側に縮径させつつ、軸方向に伸長するように徐々に収縮させる。なお、当該軸方向への伸長に伴って内部のオーバーチューブ12Cも伸長する。
膨張壁25Cが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態は解除される。また、図5(f),(g)間の変化に示すように、膨張壁25Cの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Dが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に僅かに押し上げられる。
上記膨張壁25Cの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25D、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間内の圧力は、膨張壁25Cの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Cが軸方向に伸長して膨張壁25Dを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置をさらに上昇させて、液面51aを膨張ユニット10Aの下端に到達させる。
膨張壁25Aが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態は解除される。また、図6(b),(c)間の変化に示すように、膨張壁25Aの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Bが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に僅かに押し上げられる。
上記膨張壁25Aの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25B、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間内の圧力は、膨張壁25Aの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Aが軸方向に伸長して膨張壁25Bを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置を上昇させて、液面51aの位置を完全に膨張ユニット10Aに到達させる。
膨張壁25Bが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態が解除される。また、図6(d),(e)間の変化に示すように、膨張壁25Bの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Cが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に僅かに押し上げられる。
上記膨張壁25Bの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25C、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間内の圧力は、膨張壁25Bの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Bが軸方向に伸長して膨張壁25Cを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置が膨張壁25Bの下端側まで到達する。
具体的には、図6(g)に示すように、開放バルブ103Cを開放状態とし、チャンバー27C内に供給された空気を大気に放出することにより、密着状態にある膨張壁25Cを径方向内側に縮径させつつ、軸方向に伸長するように徐々に収縮させる。なお、当該軸方向への伸長に伴なって内部のオーバーチューブ12Cも伸長する。
膨張壁25Cが膨張前の元の状態に復帰することにより、配管P2の内壁面との密着状態が解除される。また、図6(f),(g)間の変化に示すように、膨張壁25Cの収縮による軸方向への伸長により、膨張壁25Dが内壁面との密着状態を維持したまま下流側(上方)に押し上げられる。
上記膨張壁25Cの収縮によって、配管P2の内壁面に密着する膨張壁25D、配管P2の内壁面、液面51aで囲まれる密閉空間の圧力は、膨張壁25Cの収縮したことによる容積の増加分と、膨張ユニット10Cが軸方向に伸長して膨張壁25Dを押し上げたことによる容積の増加分とにより減圧されて、液面51aの位置をさらに上昇させて、面51aの位置を膨張壁25Bの上端側まで到達させる。
膨張ユニット10Aの膨張に伴なって、液面51aは、膨張ユニット10Bの上端側から膨張ユニット10Cに到達する位置まで押し上げられる。
つまり、従来のポンプのように呼び水を行なう必要がなく、駆動体10は、空間内の空気を搬送し、その後液体を搬送することができる気液搬送ポンプとしての機能を有することになる。
動作パターンには、図5で説明したパターン(以下、「動作パターン211」という)、及び図7(a),(b)に示す2つのパターン(以下、「動作パターン7sm」、「動作パターン8sm」という)が存在する。図8(a),(b),(c)は、各動作パターン毎の流圧、体積流量率及び体積流量効率についてまとめた結果である。
また、図7(b)は、流体の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けて順に膨張ユニット10A乃至10Dを膨張させ、全ての膨張ユニット10A乃至10Dを膨張させた後に、上流側から下流側に向けて順に膨張ユニット10A乃至10Dを収縮させ、最も下流側の膨張ユニット10Dを収縮させる前に最も上流側の膨張ユニット10Aを膨張させた後に、最も下流側の膨張ユニット10Dを収縮させることで1つのサイクルが完了する動作パターン(以下、「動作パターン8sm」という)を示す。
動作パターン211は、上流側から下流側に向けて膨張ユニット10A乃至10Dを順次膨張させて流体を上流側から下流側に向けて押し出しながら、下流側の膨張ユニットが膨張すると上流側の膨張ユニットを収縮させることにより、効率良く駆動体10内に液体が取り込まれることで、1サイクル当たりの体積流量が最も多くなったものと考えられる。また、動作パターン7sm及び8smでは、上流側から下流側までの全ての膨張ユニット10A乃至10Dが膨張した後に、上流側から膨張ユニット10A乃至10Dを順次収縮させているため、全ての膨張ユニット10A乃至10Dが膨張しない限り流体を駆動体10内に取り込むことができない。従って、効率よく駆動体10内に流体を取り込むことができる動作パターン211よりも動作パターン7sm及び8smの体積流量率が小さくなったものと考えられる。
即ち、駆動体10の動作により搬送される搬送物の特性、例えば、流体の粘性や、固液混層流体等の流体の物性に応じて適宜動作パターンを変更することで、ポンプとしての機能を最適化することができる。また、ポンプとしての機能を果たす駆動体10を流路内に設けたことで、設置スペースの確保を必要することなくポンプを設置することができる。したがって、従来のように流体搬送におけるポンプの選定に係る時間や設置スペースの設定に係る時間を不要のものとすることができる。また、ポンプユニット1の設置後に、搬送する流体の物性が変わっても、膨張制御手段110により膨張ユニット10A乃至10Dの動作パターンを変更することで、好適な状態で流体の搬送が可能となる。
さらに、供給バルブ102A乃至102Dにより調整される空気の圧力の設定を変更することにより、膨張ユニット10A乃至10Dに供給される空気の圧力を調整して膨張壁25A乃至25Dの膨張量を調整して、寸法の異なる複数の配管に対応させることができる。
特に、流路を流通する流体内に駆動体10を構成する膨張ユニット10A乃至10Dを膨張させ、この膨張による体積変化によって、搬送する流体を押し出すように加圧するため、搬送する流体の物性に依存せずに安全、安定に液体を搬送することができる。特に、粘度の高い液体や、固体と液体とが混相された固液混相流体の搬送において好適である。
流路が水平状態或いは下流側に向けて下降する傾斜状態の場合、流路内を上流から下流に向かって流れる流体は、逆流(下流から上流に向かう流れ)が生じないため、各膨張ユニット10A乃至10Dの膨張壁25A乃至25Dを配管内の内壁面に密着させて流路を遮断することなく、膨張ユニット10A乃至10Dの配設順に、上流側から下流側に向かうように順に膨張壁25A乃至25Dを膨張させることで、膨張ユニット10A乃至10Dに体積変化を生じさせて、流体を上流側から下流側に向けて加圧すれば良い。このようなポンプユニット1の適用方法は、例えば、流路が長く、流体の流れに管摩擦による圧力損失が大きいときに好適である。
まず、膨張ユニット10Aの膨張壁25Aを膨張させて、膨張壁25Aの外表面を曲管R1の内壁面に密着させた後に、膨張ユニット10Bの膨張壁25Bを膨張させて、流体を押し出しながら、膨張壁25Bの外表面を配管P2の内壁面に密着させる。膨張壁25Aを曲管R1の上流側の内壁面に密着させた後に、膨張壁25Aと曲管R1との密着状態を維持したまま、膨張壁25Bを膨張させることにより、膨張壁25Bの膨張に伴なって膨張壁25A側と下流側とに流体が押し出される。膨張壁25A側に押し出された流体は、膨張壁25Aによって流路が遮断されていることから、膨張壁25A側に位置する流体によって押し戻されるように、下流側に流れることになり、結果として流体を下流側に加圧して押し出すポンプとしての機能を果たすことになる。
次に、上流側の膨張ユニット10Aの膨張壁25A及び下流側の膨張ユニット10Bの膨張壁25Bを収縮させて、曲管R1内に上流側から流体を取り込み、再び上流側の膨張ユニット10Aの膨張壁25Aを膨張させた後に、下流側の膨張ユニット10Bの膨張壁25Bを膨張させることで、流体を加圧することができる。
つまり、上流側の膨張ユニット10Aを膨張させた後に、膨張ユニット10Aの膨張状態を維持したまま下流側の膨張ユニット10Bを膨張させ、下流側の膨張ユニット10Bを膨張した後に、膨張ユニット10A及び10Bを同時に収縮させる工程を1サイクルとして、このサイクルを順次繰り返すことにより、曲部R1において減圧した流体の流れを加圧して下流側に送出することができる。
また、本発明のポンプユニット1は、上記いずれの実施形態で示した適用例に限定されず、流路を構成する配管内に複数箇所に設置しても良い。これにより、従来のポンプのように1つの箇所で液体を加圧する必要はなく、流路の形状に応じて適宜流路内に設置すれば良い。
12A〜12D オーバーチューブ、
15A〜15D 駆動用エアチューブ、25A〜25D 膨張壁、
27A〜27D チャンバー、
100 制御装置、101 エアコンプレッサ、110 膨張制御手段。
Claims (7)
- 流体を搬送する流路内に設けられるポンプユニットであって、
前記流路の延長方向に複数配置され、前記流路内において膨張し、当該膨張に伴う前記流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体と、
前記膨張体内に所定の圧力媒体を供給し、前記複数の膨張体を順次膨張させる膨張制御手段と、
を備え、
前記膨張制御手段は、流路の下流側に位置する膨張体が膨張した後に、隣接する上流側の膨張体を収縮させることを特徴とするポンプユニット。 - 流体を搬送する流路内に設けられるポンプユニットであって、
前記流路の延長方向に複数配置され、前記流路内において膨張し、当該膨張に伴う前記流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体と、
前記膨張体内に所定の圧力媒体を供給し、前記複数の膨張体を順次膨張させる膨張制御手段と、
を備え、
前記膨張体は、内部に流体を導入可能な気密室を形成する膨張壁と、
前記膨張壁の内部に内挿され、前記流体の導入に伴なう膨張壁の膨張方向を前記流路の延長方向に直交する断面方向に規制する複数の繊維と、
を備えたことを特徴とするポンプユニット。 - 前記膨張制御手段は、前記複数の膨張体のうち、少なくとも2つの膨張体が膨張状態となる期間を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプユニット。
- 前記膨張制御手段によって設定される前記膨張体の膨張時の内圧は、当該膨張体の外表面が前記流路の内壁面に密着する内圧であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載のポンプユニット。
- 搬送方向上流側の流路及び下流側の流路の間に介在される接続フランジを更に備え、
前記膨張体が前記接続フランジ内において固定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のポンプユニット。 - 流路の延長方向に、当該流路内において膨張し、膨張に伴う前記流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体を複数配置し、
前記膨張体内に所定の圧力媒体を供給して前記複数の膨張体を順次膨張させ、
流路の下流側に位置する膨張体が膨張した後に、隣接する上流側の膨張体を収縮させることにより流体を搬送することを特徴とする流体の搬送方法。 - 内部に流体を導入可能な気密室を形成する膨張壁と、前記膨張壁の内部に内挿され、前記流体の導入に伴なう膨張壁の膨張方向を流路の延長方向に直交する断面方向に規制する複数の繊維とを備え、流路内において膨張し、膨張に伴う前記流路間との体積変化によって流体を加圧する膨張体を流路の延長方向に複数配置し、前記膨張体内に所定の圧力媒体を供給して前記複数の膨張体を順次膨張させることにより流体を搬送することを特徴とする流体の搬送方法。
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