JP6422699B2 - ドレーン材 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

本発明は、間隙水圧消散工法等の地盤の液状化防止工法や雨水の涵養(雨水を地面に戻すこと)、雨水の揚水(井戸、地下水の利用)、盛土の排水等に用いられるドレーン材に関する。
従来、ドレーン材として、例えば、特許文献1に示すような、周壁に複数の孔を開設したパイプの外周側に透水性フィルタを被せたものが知られている。また、上記ドレーン材として、例えば、特許文献2に示すような、熱可塑性樹脂を溶融して紐状に押し出すことで不規則にカールさせて形成された樹脂ストリングを順次積層することで形成された円筒状の排水材の周囲に透水性のフィルタを装着したものが知られている。また、上記ドレーン材として、例えば、特許文献3に示すような、熱可塑性樹脂の紐又は線を蛇行させて円筒状に形成されたものが知られている。
特公平6−11990号公報 特許第4080264号公報 特開2003−184064号公報
上記特許文献1に記載のドレーン材は、パイプを円筒軸方向の断面視したときに、複数の孔が円の中心点から放射状に形成されており、金型成型する場合に、簡易な金型を用いて成型し難い。また、上記特許文献2に記載のドレーン材は、樹脂ストリングを順次積層する製造工程が必要となるため、簡易に製造することができず、製造コストがかかる。上記特許文献2に記載のドレーン材についても、熱可塑性樹脂の紐又は線を蛇行させる製造工程が必要となるため、簡易に製造することができず、製造コストがかかる。尚、従来技術のドレーン材は、液状化防止工法に用いられるものであるが、このような問題は、雨水の涵養(雨水を地面に戻すこと)や雨水の揚水(井戸、地下水の利用)、盛土の排水等に用いられるドレーン材においても同様に生じる。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、製造コストを低減可能な構成を備えたドレーン材を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明は、第1の観点では、内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製の円筒状パイプ、及びパイプの複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、複数の透水孔のうちの前記パイプの周方向に沿って隣接する2つの透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるように形成されている。
上記構成によれば、複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されているため、例えば、液状化防止工法に用いられる場合には、透水孔の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材を埋設することで、ドレーン材の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してパイプを形成することが可能になるため、ドレーン材の製造コストを低減することができる。
(2)上記透水性フィルタは、パイプの内周面側に配置されていてもよい。
透水孔を覆う透水性フィルタに地中の石、砂等が過度に付着すると、透水孔が水を通さなくなってしまう(透水孔に目詰まりが生じてしまう)。上記構成によれば、土中の水分を透水孔からドレーン材に流入させる場合には、透水孔の部位で比較的大きな石、砂等をまずブロックし、その後、透水性フィルタによって細かい砂等をブロックすることができる。このため、透水性フィルタに比較的大きな石、砂等が付着することを効果的に防止することができ、透水孔の目詰まりを効率良く防止することができる。また、透水性フィルタがパイプの外周側に配置されると、透水性フィルタは土や砂等に常時接することになるが、透水性フィルタがパイプの内周側に配置されるため、ドレーン材を地盤に埋設した状態で、透水性フィルタが土や砂等に接することがないようにすることができるため、透水性フィルタが劣化することを効果的に防止することができる。
(3)上記課題を解決するために、本発明は、第2の観点では、内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、且つ貫通方向の長さが所定寸法である第1の透水孔と、貫通方向の長さが所定寸法より長い第2の透水孔とを含んでもよい。
上記構成によれば、複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されているため、例えば、液状化防止工法に用いられる場合には、透水孔の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材を埋設することで、ドレーン材の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してパイプを形成することが可能になるため、ドレーン材の製造コストを低減することができる。また、貫通方向における長さの異なる第1の透水孔と第2の透水孔がドレーン材に設けられている。透水孔の長さが長いほど目詰まりし難くできるので、異なる長さの透水孔を設けることで、一時に全ての透水孔が地中の砂等によって目詰まりしたり、パイプ内に砂等が侵入することを効果的に防止することができる。特に、透水性フィルタがパイプの内周面側に配置されている場合であって土中の水分を透水孔からドレーン材に流入させる場合には、透水孔の長さが長い方が、透水孔に砂等が入り込んでも、この砂等が透水性フィルタまで到達し難く、しかも透水性フィルタに到達した時の水の流速も小さくなる。このため、一時に全ての透水孔が地中の砂等によって目詰まりしたり、パイプ内に砂等が侵入することをより一層防止することができるとともに、外から透水孔を通過してくる水により透水性フィルタにかかる応力を軽減することができる。
(4)上記(3)の構成において、上記第1の透水孔の開口面積は、上記第2の透水孔の開口面積よりも小さくてもよい。
上述したように、貫通方向の長さが長い透水孔程、砂等が透水性フィルタに到達し難く、透水孔が目詰まりし難いが、それに加えて、透水性フィルタに到達した時の水の流速も小さくなり、この水により透水性フィルタにかかる応力が小さくなる。従って、貫通方向の長さが長い透水孔程、透水孔付近の部位において透水性フィルタがパイプから剥がれ難くなる。上記構成では、貫通方向の長さが第2の透水孔よりも短い第1の透水孔の開口面積を、第2の透水孔よりも小さくすることで、第2の透水孔を通ってパイプ内に侵入する水の流速と、第1の透水孔を通ってパイプ内に侵入する水の流速とが同程度になるように調整し、透水性フィルタにおける第1の透水孔の付近の部位がパイプから剥がれることを防止することができる。
(5)上記(3)又は(4)の構成において、上記パイプは、略円筒状に形成されていてもよい。
上記構成によれば、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように内外に向かって形成されているため、パイプの外周面から内周面までの延びるように複数の透水孔を形成するだけの簡易な構成で、各透水孔の貫通方向の長さを不均一に形成することが可能になる。
(6)上記課題を解決するために、本発明は、第3の観点では、内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、前記透水性フィルタは、熱可塑性樹脂製の不織布であって、パイプと一体成型されていてもよい。
上記構成によれば、複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されているため、例えば、液状化防止工法に用いられる場合には、透水孔の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材を埋設することで、ドレーン材の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してパイプを形成することが可能になるため、ドレーン材の製造コストを低減することができる。また、例えば、射出成型によってパイプを形成する場合に、不織布を金型内に配置した状態で、パイプの材料を金型内に流し込むことにより、このパイプの材料の熱によって、不織布とパイプとを溶着させて容易に一体成型することが可能になる。これによって、透水性フィルムをパイプに容易に取り付けることができる。また、透水性フィルムをパイプに一体成型されているので、透水性フィルタをパイプに強固に固定することができ、透水性フィルタがパイプの透水孔から離れたり脱落してパイプ内部に繋がる隙間ができるのを防止できる。さらに、透水性フィルムをパイプに取り付けるための部材が不要となり、より一層ドレーン材を安価に製造することができる。
(7)上記パイプの両端に、他のパイプと連結するための連結部を設けてもよい。
上記構成によれば、他のパイプと連結することができるため、地盤へのドレーン材の埋設深さに対応する任意の長さになるように複数のドレーン材を連結して使用することができる。また、他のパイプと連結するためのジョイント部材がなくとも、他のパイプと連結することができるため、任意の長さに複数のドレーン材を連結したものを安価に形成することができる。
(8)上記課題を解決するために、本発明は、第4の観点では、内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、前記パイプは、断面半円形状の2分体を溶着してなり、これらの2分体がそれぞれ射出成型により形成されていてもよい。
上記構成によれば、複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されているため、例えば、液状化防止工法に用いられる場合には、透水孔の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材を埋設することで、ドレーン材の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してパイプを形成することが可能になるため、ドレーン材の製造コストを低減することができる。また、複数の透水孔が延びる方向に直交する方向に沿ってパイプが切断されたような形状に2分体を構成することで、この2分体はそれぞれ上下金型を用いた射出成型により簡易に製造することができるため、より安価にドレーン材を製造することができる。
(9)上記課題を解決するために、本発明は、第5の観点では、内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、前記パイプに形成されたすべての前記透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されている。
上記構成によれば、複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されているため、例えば、液状化防止工法に用いられる場合には、透水孔の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材を埋設することで、ドレーン材の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してパイプを形成することが可能になるため、ドレーン材の製造コストを低減することができる。
上記構成によれば、製造コストを低減可能な構成を備えたドレーン材を提供することができる。
本実施形態にかかるドレーン材の斜視図である。 図1におけるドレーン材をA方向から見た図である。 図1におけるドレーン材のC−C矢視断面図である。 図1におけるドレーン材をB方向から見た図である。 第1構成部材の斜視図である。 透水性フィルタを除去した状態の第1構成部材の斜視図である。 透水性フィルタを除去した状態の第1構成部材の平面図である。 図7Aにおける第1構成部材をD方向から見た図である。 図7Aにおける第1構成部材をE方向から見た図である。 図7Aにおける第1構成部材をF方向から見た図である。 図7Aにおける第1構成部材をG方向から見た図である。 ドレーン材の製造方法を示す説明図である。 ドレーン材を用いた地盤の液状化防止工法を示す図である。 変形例にかかるドレーン材の一部切欠き側面図である。 図10に示すドレーン材のF−F矢視断面図である。 図11に示すドレーン材を複数連結した図である。 図10にかかるドレーン材の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明のドレーン材は、間隙水圧消散工法等の地盤の液状化防止工法に用いることが可能であるだけでなく、雨水集水ますとして、雨水の涵養(雨水を地面に戻すこと)に用いることも可能である。更に、雨水の揚水(井戸、地下水の利用)、盛土の排水等に用いられることも可能である。本発明の一実施形態(本実施形態)として、ドレーン材を液状化防止工法に用いる場合について(液状化防止工法用のドレーン材について)説明する。具体的には、本実施形態にかかるドレーン材は、間隙水圧消散工法に分類される地盤の液状化防止工法において利用される間隙水圧消散工法用のドレーン材であり、ドレーン打設機によって複数のドレーン材が地盤に所定間隔で埋設されることによって、地盤における水平方向の排水経路を短縮させ、地震時等に発生する過剰間隙隔水圧の消散を速めて液状化を抑制させるものである。
(ドレーン材の概要)
まず、図1から図4を用いて、本実施形態にかかるドレーン材の概要を説明する。図1は、本実施形態にかかるドレーン材の斜視図である。図2は、図1におけるドレーン材をA方向から見た図である。図3は、図1におけるドレーン材のC−C矢視断面図である。図4は、図1におけるドレーン材をB方向から見た図である。また、本明細書において、図2から図4における上が、ドレーン材1の「上」に対応し、図2から図4における下がドレーン材1の「下」に対応し、図2及び図3における手前がドレーン材1の「前」に対応し、図2及び図3における奥がドレーン材1の「後ろ」に対応し、図2及び図3における右がドレーン材1の「右」に対応し、図2及び図3における「左」がドレーン材1の「左」に対応する。
本実施形態に係るドレーン材1は、地盤の液状化防止工法(例えば間隙水圧消散工法)に使用されるものである。ドレーン材1は、内外の方向に貫通する複数の透水孔103をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ100、及びパイプ100の複数の透水孔103を覆う透水性フィルタ200を備える。そして、複数の透水孔103は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されている。これによって、各透水孔103の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材1を埋設することで、ドレーン材1の透水効率を上げることができる。また、複数の透水孔103が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されているため、簡易な構造の金型を使用してドレーン材1を形成することが可能になるため、ドレーン材1の製造コストを低減することができる。
そして、透水性フィルタ200は、パイプ100の内周面側に配置されており、これによって、透水孔103の部位(透水孔103の周囲)で比較的大きな石、砂等をまずブロックし、その後、透水性フィルタ200によって細かい砂等をブロックすることができる。このため、透水性フィルタ200に比較的大きな石、砂等が付着することを効果的に防止することができ、透水孔103の目詰まりを効率良く防止することができる。また、透水性フィルタ200がパイプ100の外周側に配置されると、透水性フィルタ200は土や砂等に常時接することになるが、透水性フィルタ200がパイプ100の内周側に配置されるため、ドレーン材1を地盤に埋設した状態において、透水性フィルタ200が土や砂等に接しないようにすることができるため、透水性フィルタ200が劣化することを効果的に防止することができる。
(ドレーン材の構成の詳細:ドレーン材の全体構成)
以下に、図1から図4を用いて、ドレーン材の全体構成の詳細について説明する。
ドレーン材1は、例えば前後方向の長さが538mm程度の略円筒形状であり、略円筒形状のパイプ100と、このパイプ100の内周面に亘って取り付けられた透水性フィルタ200とを有する。
パイプ100は、金型成型された熱可塑性樹脂製(ポリエステル、ポリプロピレン等製)の部材であり、例えば前後方向の長さが454mm、外径が100mm、内径が78mmに形成されている。パイプ100の周面は、パイプ100の円筒軸に沿って平行に並ぶように形成された複数のリング状の横リブ102と、この複数の横リブ102に直交するように形成された平板状の複数の縦リブ101とで形成されている。より具体的に説明すると、図3で示すように、パイプ100を円筒軸方向で断面視したときに、横リブ102の左半分に直交するように、複数(例えば14個)の縦リブ101が形成され、横リブ102の右半分に直交するように、複数(例えば14個)の縦リブ101が形成される。これによって、隣り合う2つの縦リブ101と、隣り合う2つの横リブ102との間で、一つの透水孔103が形成されることになり、複数の透水孔103が形成されている。
本実施形態では、複数個の横リブ102は互いに平行に形成されており、かつ複数個の縦リブ101も互いに平行に形成されているため、複数の透水孔103が同一方向にかつ直線状に延びるように形成されている。これによって、各透水孔103の向きが地盤の水脈の流れに沿うようにドレーン材1を埋設することで、ドレーン材1の透水効率を上げることができるようになっている。また、パイプ100を簡易な金型を用いて成型することができるようになっている。
各透水孔103は、パイプ100の外周面から内周面まで延びるように形成されている。このため、パイプ100を円筒軸方向で断面視したときに、右半分に形成されている複数の透水孔103において、及び左半分に形成されている複数の透水孔103において、貫通方向の孔の長さが不均一になっている。具体的に説明すると、上下方向において中心に位置する透水孔103(第1の透水孔103A)が最も貫通方向の長さが短くなる。そして、複数の透水孔103において、第1の透水孔103Aから上方向に位置する透水孔103程、また、第1の透水孔103Aから下方向に位置する透水孔103程、貫通方向の孔の長さが長くなっている。例えば、最も下に位置する第2の透水孔103Bは、その貫通方向の孔の長さが第1の透水孔103Aの貫通方向の孔の長さ(所定寸法)よりも長くなっている。
上述したように、複数の透水孔103は、貫通方向の長さが所定寸法である第1の透水孔103Aと、貫通方向の長さが所定寸法より長い第2の透水孔103Bとを含んでいる。このため、一時に全ての透水孔103が地中の砂等によって目詰まりしたり、パイプ100内に砂等が侵入することを効果的に防止することができる。より具体的に説明すると、透水孔103の長さが長いほど目詰まりし難くできるので、異なった長さの透水孔103を設けることで、一時に全ての透水孔103が地中の砂等によって目詰まりしたり、パイプ内に砂等が侵入することを効果的に防止することができる。特に、本実施形態では、透水性フィルタ200がパイプ100の内周面側に配置されているため、透水孔103の長さが長い方が、透水孔103に砂等が入り込んでも、この砂等が透水性フィルタ200まで到達し難く、しかも透水性フィルタ200に到達した時の水の流速も小さくなる。このため、一時に全ての透水孔103が地中の砂等によって目詰まりしたり、パイプ100内に砂等が侵入することをより一層防止することができるとともに、外から透水孔103を通過してくる水による透水性フィルタ200にかかる応力を軽減することができる。これによって、透水性フィルタ200をパイプ100から剥がれ難くすることができるようになっている。
また、複数の透水孔103において、第1の透水孔103Aの開口面積(ドレーン材1の内周面側の開口の面積、図3における開口面積S1)が最も小さくなるように形成され、かつ第1の透水孔103Aから上方向に位置する透水孔103程、又は下方向に位置する透水孔103程、開口面積(ドレーン材1の内周面側の開口の面積)が大きくなるように形成されている。従って、第1の透水孔103Aの開口面積S1が、第2の透水孔103Bの開口面積(ドレーン材1の内周面側の開口の面積、図3における開口面積S2)よりも小さくなるようになる。上述したように、貫通方向の長さが長い透水孔103程、砂等が透水性フィルタ200に到達し難く、透水孔103が目詰まりにし難いが、それに加えて、透水性フィルタ200に到達した時の水の流速も小さくなる。従って、貫通方向の長さが長い透水孔103程、この透水孔103の付近において透水性フィルタ200がパイプ100から剥がれ難くなる。上記構成では、貫通方向の長さが第2の透水孔103Bよりも短い第1の透水孔103Aの開口面積S1を、第2の透水孔103Bの開口面積S2よりも小さくすることで、第2の透水孔103Bを通ってパイプ100内に侵入する水の流速と、第1の透水孔103Aを通ってパイプ100内に侵入する水の流速とが同程度になるように調整し、透水性フィルタ200における第1の透水孔103Aの付近の部位がパイプ100から剥がれることを防止することができる。
パイプ100の前端における内側には、リング状の内鍔部1001が形成され、パイプ100の後端における内側には、リング状の内鍔部1002が形成されている。
透水性フィルタ200は、その厚みが例えば1mm、2mm程度の不織布であり、内鍔部1001から内鍔部1002までの領域に亘って取り付けられるように、パイプ100と一体成型されている、これによって、パイプ100に透水性フィルタ200を取り付けるための部材が不要になり、低コストでドレーン材1を形成することができるようになっている。また、透水性フィルタ200は、パイプ100と同様に、熱可塑性樹脂製(ポリエステル、ポリプロピレン等製)である。これによって、パイプ100の金型成型時に、金型内に透水性フィルタ200を入れた状態で、パイプ100の材料を金型内に入れることで、透水性フィルタ200とパイプ100とを容易に溶着させて一体成型することが可能になる。
パイプ100の両端には、他のドレーン材1のパイプ100(本発明の「他のパイプ」)に連結するための連結部104、105がパイプ100と一体的に設けられている。これによって、パイプ100を他のドレーン材1のパイプ100と連結することができ、地盤への埋設深さに対応する任意の長さになるように、複数のドレーン材1を連結することができる。また、他のパイプ100と連結するためのジョイント部材を用いなくても、他のパイプ100と連結することができ、複数のドレーン材1を連結したものを、安価に形成することができる。
連結部105は、例えば前後方向の長さが例えば43mmの円筒状の部材であり、その内周面に、螺旋状のネジ溝が雌ネジ部1051として形成されている。そして、連結部105の外周面には、所定個数のリング状の凸部からなる嵌合部位1054(嵌合溝)が形成されている。そして、嵌合部位1054を覆うように、カバー2が取り付けられる。
連結部104は、例えば前後方向の長さが例えば41mmの円筒状の部材であり、その外周面に螺旋状のネジ山が雄ネジ部1041として形成されるとともに、その後端に内鍔部1042が形成されている。連結部104には、他のドレーン材1の連結部105が外嵌され、連結部104の雄ネジ部1041と他のドレーン材1の連結部105の雌ネジ部1051とが螺着されることで、連結部104を介して他のドレーン材1を連結することができる。また、上述した連結部105には、他のドレーン材1の連結部104が内嵌され、連結部105の雌ネジ部1051と他のドレーン材1の連結部104の雄ネジ部1041とが螺着されることで、連結部105を介して他のドレーン材1を連結することができる。このように、雌ネジ部1051と雄ネジ部1041とを互いに螺着させるだけで、簡単に複数のパイプ100(複数のドレーン材1)を連結することが可能になっている。
上述したドレーン材1は、図3から図4で示すように、円筒軸方向の断面視で半円形状の2分体(2個の構成部材10)を例えば超音波溶着等の方法によって溶着してなる。2個の構成部材10は、ドレーン材1を円筒軸方向に沿って切断して左右に分割したような形状を有し、図2及び図3における右側の第1構成部材10Aと、左側の第2構成部材10Bとから成る。
(ドレーン材の構成の詳細:第1構成部材及び第2構成部材)
以下に、図3、図5から図7Eを用いて第1構成部材10A及び第2構成部材10Bの構成を説明する。図5は、第1構成部材の斜視図である。図6は、透水性フィルタを除去した状態の第1構成部材の斜視図である。図7Aは、透水性フィルタを除去した状態の第1構成部材の平面図である。図7Bは、図7Aにおける第1構成部材をD方向から見た図である。図7Cは、図7Aにおける第1構成部材をE方向から見た図である。図7Dは、図7Aにおける第1構成部材をF方向から見た図である。図7Eは、図7Aにおける第1構成部材をG方向から見た図である。なお、図5から図7Eは、第1構成部材10Aを示す図であるが、第2構成部材10Bは、第1構成部材10Aとほぼ左右対称な形状であるため、図5から図7Eを用いて、第1構成部材10Aだけでなく第2構成部材10Bの構成についても説明する。
第1構成部材10A及び第2構成部材10Bは、それぞれ射出成型によって形成された部材である。第1構成部材10Aは、円筒を円筒軸方向に沿って切断した形状のパイプ100Aと、パイプ100Aの一端側(後端側)に形成された連結部104Aと、パイプ100Aの他端側(前端側)に形成された連結部105Aとを有する。第2構成部材10Bもまた同様の構成を第1構成部材10Aとは左右対称に有し、図示はしないが、これらの構成には、パイプ100B、連結部104B、及び連結部105Bと言ったように符号を付して記載する。
図3で示すように、パイプ100Aは、パイプ100の右半分を構成するための部材である。図6で示すように、パイプ100Aには複数の透水孔103が形成されており、図5で示すように、パイプ100Aの内側には、複数の透水孔103を覆うように透水性フィルタ200Aが取り付けられている。透水性フィルタ200Aは、透水性フィルタ200の右半分を構成する部材である。なお、第2構成部材10Bもまた同様の構成を左右対称に有し、図示はしないが、この構成には、透水性フィルタ200Bと言ったように符号を付して記載する。
図3で示すように、複数の透水孔103は、パイプ100Aを円筒軸方向で断面視したときに、半円の直線部分に直交する方向に、かつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されている。これによって、第1構成部材10Aを簡易な金型を用いて成型することが可能になる。また、第2構成部材10Bは第1構成部材10Aと左右対称な構成を有するため、第1構成部材10Aと同様に簡易な金型を用いて構成することが可能になる。従って、簡易な金型を用いて第1構成部材10A及び第2構成部材10Bを成型し、第1構成部材10A及び第2構成部材10Bを接合することで、ドレーン材1を製造することができるため、ドレーン材1の製造コストをより低減することが可能になっている。
パイプ100Aの連結部104A側の端部における内側には、内鍔部1002の右半分を構成する内鍔部1002Aが形成されており、パイプ100Aの連結部105A側の端部における内側には、内鍔部1001の右半分を構成する内鍔部1001Aが形成されている。第2構成部材10Bもまた同様の構成を左右対称に有し、図示はしないが、これらの構成には、内鍔部1001B、及び内鍔部1002Bと言ったように符号を付して記載する。
上述したように、パイプ100Aは円筒を切断した形状を有するが、この切断面に当たる部位が、第2構成部材10Bにおけるパイプ100Bの切断面(接合面)に当たる部位と接合するための接合面となる。パイプ100Aとパイプ100Bとの接合面が超音波溶着等の方法で溶着されることで、パイプ100が形成されるようになっている。パイプ100Aにおいて接合面には、凸部が前後方向に延びるように形成されており、パイプ100Bにおいて接合面には、この凸部を嵌め入れることが可能に形成された凹部が形成されている。パイプ100Aとパイプ100Bとの接合時には、この凸部と凹部が嵌り合うことで位置決め容易になっている。もっとも、パイプ100Aとパイプ100Bとの接合面には、凹部や凸部が形成されていなくてもよい。
連結部104Aは、連結部104の右半分を構成する部材であり、円筒を円筒軸方向に沿って切断したような形状を有し、この切断面が連結部104Bの切断面(接合面)と接合される接合面になっている。連結部104Aと連結部104Bとの接合面とが超音波溶着等の方法で溶着されることで、連結部104が形成されるようになっている。連結部104の接合面には、凸部が前後方向に延びるように形成されている。第2構成部材10Bの連結部104Bの接合面には、この凸部を嵌め入れることが可能に形成された凹部が形成されており、この凹部と第1構成部材10Aの連結部104Bの凸部が嵌り合うことで位置決め容易になっている。もっとも、第1構成部材10Aと第2構成部材10Bとの接合面には、凹部や凸部が形成されていなくてもよい。
連結部104Aの後端における内側には、内鍔部1042Aが形成されている。この内鍔部1042Aは、内鍔部1042の右半分を構成する部材である。連結部104Bも左右対称に同様の構成を有しており、図示はしないが、この構成には、内鍔部1042Bと言ったように符号を付して記載する。連結部104A、104Bには、内鍔部1042A、1042Bから前端まで前後方向に延びる複数の補強リブが形成されている。
連結部105Aは、連結部105の右半分を構成する部材であり、円筒を円筒軸方向に沿って切断したような形状を有し、この切断面が連結部105Bの切断面(接合面)と接合される接合面になっている。連結部105Aと連結部105Bとの接合面が超音波溶着等の方法で溶着されることで、連結部105が形成されるようになっている。連結部105Aの接合面における上側2箇所及び下側2箇所には、凸部が形成されており、計4個の凸部が形成されている。連結部105Bの接合面には、この凸部を嵌め入れることが可能に形成された凹部が上側2箇所及び下側2箇所に形成されており、計4個の凹部が形成されている。連結部105Aと連結部105Bとの接合時には、連結部105Bの4個の凹部と連結部105Bの4個の凸部とがそれぞれ嵌り合うことで、位置決め容易になっている。もっとも、連結部105Aと連結部105Bとの接合面には、凹部や凸部が形成されていなくてもよい。
(ドレーン材の製造方法)
以下に、図8を用いて、ドレーン材1の製造方法を説明する。まず、第1構成部材10Aと第2構成部材10Bとをそれぞれ射出成型によって形成する。具体的に説明すると、第1構成部材10Aを製造するための金型a、金型bを用意する。なお、金型a、金型bは棒状の部材であり、金型aは断面視において四角形状に半円状の凸部が形成された形状であり、金型bは断面視において四角形状に半円状の凹部が形成された形状である。金型bの凹部には、縦リブ101、横リブ102を形成するための凸部が形成されている。そして、金型aの凸部と、金型bの凹部とを重ねあわせてできる内側の隙間(金型a、b内)に透水性フィルタ200Aを配置する。金型a、b内における透水性フィルタ200Aの配置位置は、パイプ100Aを形成する部位である。この後、高温にして溶融させた状態で、第1構成部材10Aの材料を金型a、b内に入れる。このときに、金型a、b内にはフィルタ200Aが入れられているため、フィルタ200Aが第1構成部材10Aの材料の熱によって軟化する。この後に、第1構成部材10Aの材料が固化されることで、フィルタ200Aをパイプ100Aの内側に一体的に備えるように、第1構成部材10Aが形成される。第1構成部材10Aと同様にして第2構成部材10Bを形成し、第1構成部材10Aの接合面と第2構成部材10Bの接合面とを超音波溶着等の方法によって溶着することで、ドレーン材1が製造される。
(ドレーン材を用いた地盤の液状化防止工法)
以下に、図9を用いて、ドレーン材を用いた地盤の液化防止工法を説明する。まず、埋設深さに対応した任意の長さになるように、施工者が連結部104、105を介して複数(例えば10個)のドレーン材1を連結する。施工者は、複数のドレーン材1の連結体の先端に、キャップを取り付ける。そして、施工者が、建物等を囲むように、地盤における建物等の周囲に管状の杭を打つ。この後、施工者が、キャップ側が下になるように管状の杭の内部にドレーン材を挿入してから、管状の杭を引き抜く。これによって、複数のドレーン材1の連結体を地盤に打設することができる。なお、本実施形態では、複数のドレーン材1の連結体には、キャップが取り付けられているが、キャップが取り付けられていなくてもよい。また、複数のドレーン材1を連結して使用する必要はなく、単一のドレーン材1を地盤に打設してもよい。
(変形例)
(1)本実施形態では、連結部105の外周面には、嵌合部位1054が形成されているが、嵌合部位1054が形成されている必要はなく、また、嵌合部位1054を覆うようにカバー2が取り付けられていなくてもよい。
(2)本実施形態では、ドレーン材1は、2分体(第1構成部材10A、第2構成部材10B)から成るが、3個以上の分体から構成されてもよい。また、ドレーン材1及びパイプ100は、円筒形状に限定されず、筒状であれば如何なる形状(例えば断面視矩形状等)を採用することもできる。
(3)また、本実施形態では、透水性フィルタ200が、パイプ100の内周面側に配置されているが、パイプ100の外周面側に配置されていてもよく、パイプ100の外周面と内周面との間に隙間が形成されてこの隙間に配置されてもよい。
(4)本実施形態では、連結部104には雄ネジ部1041が形成され、連結部105には雌ネジ部1051が形成され、雄ネジ部1041が他のドレーン材1の雌ネジ部1051と螺着することで、又は、雌ネジ部1051が他のドレーン材1の雄ネジ部1041と螺着することで、ドレーン材1は他のドレーン材1と連結可能に構成されているが、この連結のための構成について他の構成を採用してもよい。例えば、連結部104には、フックが形成され、連結部105にはこのフックに係合する孔部が形成されていてもよい。この構成によれば、連結部104のフックが他のドレーン材1の連結部105の孔部に係合することで、又は連結部105の孔部が他のドレーン材1の連結部104のフックに係合することで、ドレーン材1が他のドレーン材1と連結される。また、連結部104、105はパイプ100の成型時に同時に一体的に成型されているが、連結部104、105は、パイプ100とは別に成型されてから、超音波溶着等によってパイプ100に取り付けられてもよい。この場合であっても、パイプ100は、断面反円形状の2分体(パイプ100A、100B)を溶着してなり、これらの2分体がそれぞれ射出成型により形成されていることが、製造容易及び製造コスト削減の観点から好ましい。
(5)本実施形態では、透水孔103の形状は貫通方向から見て矩形状であるが、円形等の別の形状であってもよい。また、透水孔103は、パイプ100において、略格子状に規則的に形成されているが、この構成に限定されず、周壁に不規則に形成されていてもよい。また、本実施形態では、各構成部材10(第1構成部材10A、第2構成部材10B)において、全ての透水孔103の貫通方向における孔の長さが不均一であるがこの構成に限定されず、貫通方向の長さが所定寸法である第1の透水孔と、貫通方向の長さが前記所定寸法より長い第2の透水孔とを含む構成であれば、何れの構成を採用してもよい。また、パイプ100に形成された透水孔103の貫通方向の長さが全て同じであってもよい。
(6)本実施形態では、ドレーン材1は、2分体(第1構成部材10A、第2構成部材10B)から成るが、一体成型されていてもよい。図10から図13を用いて、一体成型されてなるドレーン材1´を変形例として説明する。図10は、変形例にかかるドレーン材の一部切欠き側面図である。図11は、図10に示すドレーン材のF−F矢視断面図である。図10から図13では、ドレーン材1´において、ドレーン材1の構成と対応する構成については、ドレーン材1の構成と同じ符号に´を付加した符号を付すものとする。ドレーン材1´は、一体成型されている点、内鍔部1001、1002が形成されていない点、及び、縦リブ101´と横リブ102´の個数(すなわち、貫通孔103´の個数)が異なる点を除いて、ドレーン材1とほぼ同様の構成を有する。なお、変形例においても、内鍔部1001、1002を形成してもよく、縦リブ101´と横リブ102´の個数(すなわち、貫通孔103´の個数)をドレーン材1と同じにしてもよい。
図12は、図11に示すドレーン材を複数連結した図である。変形例にかかるドレーン材1´も、本実施形態にかかるドレーン材1と同様に、連結部104´には、他のドレーン材1´の連結部105´が外嵌され、連結部104´の雄ネジ部1041´と他のドレーン材1´の連結部105´の雌ネジ部1051´とが螺着されることで、連結部104´を介して他のドレーン材1´を連結することができる。また、上述した連結部105´には、他のドレーン材1´の連結部104´が内嵌され、連結部105´の雌ネジ部1051´と他のドレーン材1´の連結部104´の雄ネジ部1041´とが螺着されることで、連結部105´を介して他のドレーン材1´を連結することができる。このように、雌ネジ部1051´と雄ネジ部1041´とを互いに螺着させるだけで、簡単に複数のパイプ100´(複数のドレーン材1´)を連結することが可能になっている。なお、図10及び図12では、カバー2´が省略されているが、カバー2´が連結部105´の外周に巻かれてもよい。
以下に変形例にかかるドレーン材1´の製造方法を説明する。図13は、図10にかかるドレーン材1´の製造方法を示す説明図である。ドレーン材1´(パイプ100´)は、射出成型によって形成される。具体的に説明すると、ドレーン材1´(パイプ100´)を製造するための金型a´、金型b´、金型c´を用意する。なお、金型a´、金型b´、金型c´は棒状の部材であり、金型a´、b´は断面視において四角形状に半円状の凹部が形成された形状であり、金型c´は断面視において円形である。金型a´の凹部と、金型b´の凹部とを重ねると断面視で円形の空間が生じるが、この空間の円の径よりも金型c´の径が小さくなっている。金型a´の凹部と、金型b´の凹部とを重ねてできた空間内に、金型c´が挿入されるように、金型a´、b´、c´を配置する。これによって、金型a´、b´と、金型c´との間に、断面視においてリング状の隙間が形成される。このリング状の隙間において、金型c´の周囲に透水性フィルタ200´を配置する。この状態で、高温にして溶融させた状態で、ドレーン材1´(パイプ100´)の材料を金型a´、金型b´、金型c´におけるリング状の隙間に入れる。このときに、フィルタ200´よりも外側にドレーン材1´の材料が入れられる。リング状の隙間には、フィルタ200´が入れられているため、フィルタ200´がドレーン材1´の材料の熱によって軟化する。この後に、ドレーン材1´の材料が固化されることで、フィルタ200´をパイプ100´の内側に一体的に備えるように、ドレーン材1´(パイプ100´)が形成される。
なお、連結部104´、105´については、別の金型を用いて上記パイプ100´と一体成形される。具体的に説明すれば、連結部104´を形成するための金型としては、棒状の第1の金型、第2の金型、第3の金型を用意する。第1の金型、第2の金型は断面視において四角形状に半円状の凹部が形成された形状であり、第3の金型は断面視において円形である。第1の金型の凹部と第2の金型の凹部とを重ねると断面視で円形の空間が生じるが、この空間の円の径よりも第3の金型の径が小さくなっている。第1の金型の凹部と第2の金型の凹部には、雄ネジ部1041´を形成するための螺旋状の凸部が形成されている。第1の金型の凹部と、第2の金型の凹部とを重ねてできた空間内に、第3の金型が挿入されるように、第1から第3の金型を配置する。これによって、第1、第2の金型と、第3の金型との間に、断面視においてリング状の隙間が形成される。このリング状の隙間に、高温にして溶融させた状態で、ドレーン材1´(パイプ100´)の材料を入れる。この後に、ドレーン材1´の材料が固化されることで、連結部104´が形成される。連結部105´についても同様に形成されるが、連結部105´を形成するための第1の金型の凹部と第2の金型の凹部には、雄ネジ部1041´を形成するための凸部に代えて、嵌合部位1054´を形成するための凸部が形成されている。また、連結部105´を形成するための第3の金型の周囲には、雌ネジ部1051´を形成するための螺旋状の凸部が形成されている。
なお、本実施形態及び変形例では、ドレーン材1´の内周面に透水性フィルタ200´が取り付けられているが、ドレーン材1´の外周面に透水性フィルタ200´が取り付けられてもよい。
(7)本実施形態及び変形例では、ドレーン材1、1´を間隙水圧消散工法に用いる場合について説明しているが、ドレーン材1、1´を他の地盤の液状化防止工法に用いてもよい。また、ドレーン材1、1´を液状化防止工法だけでなく、雨水の涵養(雨水を地面に戻すこと)、雨水の揚水(井戸、地下水の利用)、盛土の排水等の他の用途に用いてもよい。
1、1´ ドレーン材
100、100´ パイプ
100A パイプ
100B パイプ
103、103´ 透水孔
104、104´ 連結部
1041、1041´ 雄ネジ部
104A 連結部
104B 連結部
105、105´ 連結部
105A 連結部
105B 連結部
1051、1051´ 雌ネジ部
200、200´ 透水性フィルタ
200A 透水性フィルタ
200B 透水性フィルタ
S1 開口面積
S2 開口面積

Claims (9)

  1. 内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製の円筒状パイプ、及び
    前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、
    前記複数の透水孔のうちの前記パイプの周方向に沿って隣接する2つの透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されている、
    ことを特徴とするドレーン材。
  2. 前記透水性フィルタは、前記パイプの内周面側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のドレーン材。
  3. 内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び
    前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、
    前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、且つ貫通方向の長さが所定寸法である第1の透水孔と、貫通方向の長さが前記所定寸法より長い第2の透水孔とを含む、
    ことを特徴とするドレーン材。
  4. 前記第1の透水孔の開口面積は、前記第2の透水孔の開口面積よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項3に記載のドレーン材。
  5. 前記パイプは、略円筒状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のドレーン材。
  6. 内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び
    前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、
    前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、
    前記透水性フィルタは、熱可塑性樹脂製の不織布であって、前記パイプと一体成型されている、
    ことを特徴とするドレーン材。
  7. 前記パイプの両端に、他のパイプと連結するための連結部を設けた、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のドレーン材。
  8. 内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び
    前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、
    前記複数の透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されており、
    前記パイプは、断面半円形状の2分体を溶着してなり、これらの2分体がそれぞれ射出成型により形成された、
    ことを特徴とするドレーン材。
  9. 内外の方向に貫通する複数の透水孔をその周壁に有する熱可塑性樹脂製のパイプ、及び
    前記パイプの前記複数の透水孔を覆う透水性フィルタを備え、
    前記パイプに形成されたすべての前記透水孔は、同一方向にかつ直線状に延びるようにそれぞれ形成されている、
    ことを特徴とするドレーン材。
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