JP6422080B2 - ロータ、そのロータの製造方法及びそのロータを備えたファン装置 - Google Patents
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Description
このような問題を回避するために、一般的には、ブッシュを大きなものとしてカシメ強度を高めることが行なわれる。
このため、ブッシュを大きなものにすると、製造コストが高くなるという問題がある。
また、カシメ強度を高めるために、大きなブッシュを使用することは、カシメを行うために必要な荷重を大きくすることになる。
そうすると、大きな荷重をかけることが可能なカシメ装置が必要となり、設備コストも高くなるという問題がある。
(1)本発明のロータは、シャフトと、前記シャフトの外周面上に固定されているブッシュと、前記ブッシュの外周面上に固定されているロータヨークと、を含み、前記ブッシュは、中央に位置する本体部と、前記本体部の外周に形成され、前記ロータヨークの一部を受ける受面を有する受面部と、前記ロータヨークを挟んで前記受面部の反対側に位置し、前記受面部とで前記ロータヨークを固定する前記本体部に繋がった押え固定部と、を備え、前記押え固定部は、前記ロータヨーク側に曲がって形成された外周に設けられたR形状部又は外周に向かって前記ロータヨーク側に傾斜して形成された傾斜部を有する。
前記押え固定部の外径寸法は、前記端面の直径に前記面取り幅の2倍を加えた長さ以上である。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
なお、下ケース42と軸受ハウジング43を別部品として下ケース42に軸受ハウジング43を取り付けるようにしてもよいが、軸受ハウジング43をインサート部材としてインサート成形で下ケース42と一体にするようにしてもよく、また、射出成形などではじめから下ケース42と軸受ハウジング43を一体成形するようにしてもよい。
なお、ロータヨーク13に対するインペラ30の固定はカシメ固定に限定される必要はなく、接着固定やネジ固定など適宜の固定方法で固定を行うようにしてもよい。
図2は、ロータ10だけを示した断面図である。
図2に示すように、ブッシュ12は、シャフト11が配置される貫通孔を有し、中央に位置する本体部121と、本体部121の外周に形成されたロータヨーク13の一部を受ける受面12aaを有する受面部12aと、ロータヨーク13を挟んで受面部12aと反対側に位置し、受面部12aとでロータヨーク13を固定する本体部121に繋がった押え固定部12bと、を備えている。
具体的には、シャフト11が配置される貫通孔をシャフト11の外径よりも少し小さめにしておき、ブッシュ12を加熱して貫通孔を広げ、シャフト11を貫通孔に挿入した後、ブッシュ12を冷却して貫通孔を収縮させるようにすることでブッシュ12がシャフト11に固定されている。
なお、その他、接着固定や圧入固定などの固定方法でブッシュ12がシャフト11に固定されるようにしてもよい。
例えば、平面部132aの外周部と平面部132bの内周部が径方向の位置で見て離間するようにして、つまり、平面部132aの外周部が径方向中央側に位置し、平面部132bの内周部が平面部132aの外周部よりも径方向外側に位置するようにして、接続部132cが、その間を繋ぐように平面部132bの内周部から平面部132aの外周部に向かって側壁部131の開口13cから離れるように傾斜する傾斜接続部のように構成されているような段差形状の天面部132であってもよい。
そして、組立精度などの要因で触れ回りが起きる場合、天面部132には、天面部132に対して直交する方向(シャフト11の軸方向)の力が不規則な状態でかかることとなり、天面部132の曲げ強度が低いと、天面部132が振動することになる。
しかしながら、上述のように、天面部132を段差構造にしておけば、天面部132の曲げ強度が高くなるため、天面部132が振動することを抑制することができる。
一般的には、そのためにブッシュ12自体を大きなものとすることでカシメによる固定強度を高めることが行われるが、このカシメによる固定部分について、詳細に検討した結果、ブッシュ12を大きなものとしなくても、更にカシメによる固定強度を高めることができることがわかった。
図3は、カシメを行う前のブッシュ12を示した断面図であり、図3を参照しながら簡単にカシメによる固定について説明した後、ブッシュ12を大きくすることなしにカシメによる固定強度を高めることができる方法について説明する。
この押え固定部12bに対して、矢印で示すようにシャフト11の軸方向と直交する方向に曲げるような荷重を加えることで、点線で示すように押え固定部12bがシャフト11の軸方向と直交する方向に延在するようにカシメが行われ、図2に示したように、押え固定部12bがロータヨーク13を受面部12aとの間に挟んでロータヨーク13がブッシュ12に固定された状態となる。
図4において、ブッシュ12の外周に沿った端面(つまり、ロータヨーク13の天面部132(より正確には平面部132a)の孔13bの部分)の押え固定部12b側に見られる傾斜部分132aaは、面取りされていた部分である。
つまり、押え固定部12bは、ロータヨーク13のブッシュ12側の部分にしか当接していないので十分な固定強度が得られない状態になっていることがわかる。
図5は、本実施形態の押え固定部12bのカシメ後の状態を説明するための図であり、図5(a)はロータ10の断面図であり、図5(b)は図5(a)の丸囲み部分Aの拡大断面図である。
つまり、押え固定部12bの外周のカシメは、天面部132に平行になるように行うのではなく、外周が丸みを帯びるように荷重をかけるようにしている。
したがって、しっかりとロータヨーク13が固定されるのでロータヨーク13の振動を抑制することができる。
そのため、図5(a)に示すように、荷重を受けることになる受面部12aの外径寸法Dは、押え固定部12bの外径寸法C以上であるようにして、押え固定部12bをカシメるときの荷重が逃げないようにすることが好適である。
このため、押え固定部12bの外径寸法Cは、ブッシュ12の外周に沿ったロータヨーク13の端面の直径B(図5(a)参照)、つまり、天面部132の孔13bの直径Bに面取り幅E(図5(b)参照)の2倍を加えた長さ以上であることが好適である。
ただし、押え固定部12bの外周の全ての部分をR形状部12baとした場合が最も固定強度が高くなるので固定強度の面で見れば、押え固定部12bの外周の全ての部分をR形状部12baとすることが好ましい。
図6は、押え固定部12bの変形例を説明するための断面図であり、図5(b)に対応する部分の図である。
図6に示すように、押え固定部12bの変形例では、押え固定部12bが、外周に向かってロータヨーク13側に傾斜して形成された傾斜部12bbを有するようにされている。
なお、この変形例でも、押え固定部12bの周方向の全ての部分を傾斜部12bbとしているが、上記実施形態と同様に、例えば、120°ピッチ、90°ピッチ、60°ピッチなどのように周方向の所定の角度で傾斜部12bbを形成するようにしてもよい。
なお、ブッシュ固定工程、ロータヨーク固定工程及びロータマグネット固定工程は、この順番でなくてもよく、作業が行い易い順番で実施するようにすればよい。
上記実施形態では、押え固定部12bのロータヨーク13側の全面がロータヨーク13に当接し、受面部12aとの間でロータヨーク13を挟持する場合について示したが、押え固定部12bのロータヨーク13側の全面がロータヨーク13に当接することに限定される必要はない。
このようにすれば、少なくとも2点固定の状態となるため安定した固定状態が得られる。
Claims (5)
- シャフトと、
前記シャフトの外周面上に固定されているブッシュと、
前記ブッシュの外周面上に固定されているロータヨークと、
前記ロータヨークの内側に固定されているロータマグネットと、を含み、
前記ブッシュは、
中央に位置する本体部と、
前記本体部の外周に形成され、前記ロータヨークの一部を受ける受面を有する受面部と、
前記ロータヨークを挟んで前記受面部の反対側に位置し、前記受面部とで前記ロータヨークを固定する前記本体部に繋がった押え固定部と、を備え、
前記受面部の外径寸法は、前記押え固定部の外径寸法以上であり、
前記押え固定部は、前記ロータヨーク側に曲がって形成された外周に設けられたR形状部又は外周に向かって前記ロータヨーク側に傾斜して形成された傾斜部を有し、
前記ロータヨークは、前記シャフトの軸方向に延びる円筒状の側壁部と、前記側壁部の一方側に設けられる円形状の外径の天面部と、該天面部と前記側壁部とを繋ぐ傾斜部とを備え、
前記天面部は、前記シャフトの軸に直交する方向に延びる第1の平面部と、前記シャフトの軸に直交する方向に延び、前記シャフトの軸方向に前記第1の平面部と前記傾斜部の間に位置する第2の平面部と、前記第1の平面部と前記第2の平面部とを繋ぐ接続部とを備え、前記第1の平面部と前記接続部と前記第2の平面部とが段差構造を形成し、
前記ロータマグネットは前記ロータヨークの前記側壁部の内周面に固定され、
前記第2の平面部が円形状の外径を有し、該第2の平面部の外径は、前記ロータマグネットの内周面に外接する円の直径よりも小さい寸法を有しているロータ。 - 前記ブッシュの外周に沿った前記ロータヨークの端面は、少なくとも前記受面部側又は前記押え固定部側の角が面取りされており、
前記押え固定部の外径寸法は、前記端面の直径に前記面取り幅の2倍を加えた長さ以上である請求項1に記載のロータ。 - 前記押え固定部が、少なくともブッシュ側の前記ロータヨークの位置及び前記押え固定部の外周側の前記ロータヨークの位置の両方の位置でロータヨークに当接している請求項1又は2に記載のロータ。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロータと、
前記ロータに固定されたインペラと、を少なくとも備え、
前記インペラが前記ロータの回転に伴って回転するファン装置。 - シャフトにブッシュを固定するブッシュ固定工程と、
前記ブッシュにロータヨークを固定するロータヨーク固定工程と、
前記ロータヨークの内側にロータマグネットを固定するロータマグネット固定工程と、を含み、
前記ブッシュ固定工程では、
前記ブッシュの本体部の外周に形成された前記ロータヨークの一部を受ける受面を有する受面部で前記ロータヨークを受けた状態で、前記本体部に繋がっている押え固定部が前記ロータヨークを挟んで前記受面部の反対側に位置するようにカシメが行われ、前記受面部の外径寸法は、前記押え固定部の外径寸法以上であり、
前記カシメは、前記ロータヨークを挟んで前記受面部の反対側に位置する前記押え固定部が、前記ロータヨーク側に曲がって形成された外周に設けられたR形状部又は外周に向かってロータヨーク側に傾斜して形成された傾斜部を有するように行なわれ、
前記ロータヨーク固定工程では、
前記ロータヨークとして、円筒状の側壁部と、前記側壁部の一方側に設けられる円形状の外径の天面部と、該天面部と前記側壁部とを繋ぐ傾斜部とを備え、前記天面部が、第1の平面部と、前記側壁部の延びる方向に前記第1の平面部と前記傾斜部の間に位置する第2の平面部と、前記第1の平面部と前記第2の平面部とを繋ぐ接続部とを備え、前記第1の平面部と前記接続部と前記第2の平面部とが段差構造を形成し、前記第2の平面部が円形状の外径を有し、該第2の平面部の外径が、前記ロータマグネットが前記ロータヨークに固定された場合における該ロータマグネットの内周面に外接する円の直径よりも小さい寸法を有するロータヨークを用い、
当該ロータヨークを、前記円筒状の側壁部が前記シャフトの軸方向に延び、前記第1及び第2の平面部が前記シャフトの軸に直交する方向に延びるように配置して固定し、
前記ロータマグネット固定工程では、前記ロータヨークの前記側壁部の内周面に前記ロータマグネットを固定するロータの製造方法。
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