JP6422029B2 - 吸着エレメント及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、吸着エレメントと、その製造方法とに関する。
特許文献1に従来の吸着エレメントが開示されている。吸着エレメントは、カートリッジに充填される不織布シート等の支持体と、この支持体に支持された吸着材とを有している。吸着材は、イオン交換樹脂等の吸着微粉と、微小繊維状セルロースとを含んでおり、異物等の吸着質を吸着可能である。
また、特許文献1には、この吸着エレメントの製造方法も開示されている。この製造方法は、調製工程と、粗材形成工程と、完成工程とからなる。調製工程では、分散媒が水であり、分散質が吸着微粉及び微小繊維状セルロースである吸着材用分散系を調製する。粗材形成工程では、支持体に吸着材用分散系を接触させて粗材を得る。完成工程では、粗材を乾燥し、支持体に吸着材を支持した吸着エレメントを得る。
こうして製造された吸着エレメントは、汚染水等のろ過に用いられることにより、汚染水等が含む吸着質を吸着材に吸着し、汚染水等を浄化することが可能である。例えば、この吸着エレメントが鑑賞魚や食用魚等の水生生物を蓄養するための蓄養水や、水生生物を生きたまま搬送するための搬送水のろ過に用いられれば、それら蓄養水等中に生じる亜硝酸や汚物等の吸着質を吸着材に吸着して蓄養水等を浄化することが可能である。この場合、水生生物の延命を行うことができる。また、汚染水の脱色を行い、水の透明性を確保することも可能である。さらに、この吸着エレメントは、放射性セシウム等の放射性物質によって汚染された汚染水のろ過に用いられることにより、吸着材が吸着質としての放射性物質を吸着し、その汚染水の除染を行うことも可能である。また、この吸着エレメントは、異臭がする空気等の汚染気体中の吸着質としての異臭成分を吸着材に吸着し、汚染気体を脱臭することが可能である。
特許第4232131号公報
しかし、上記従来の吸着エレメントでは、吸着材の一部が使用中に支持体から離脱することがある。汚染水のろ過中又は汚染気体の浄化中にこのようなことがあれば、ろ過後の浄化水や浄化気体中に吸着材の一部とともに吸着質が含まれることとなり、ろ過能力や浄化能力が損なわれる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、よりろ過能力や浄化能力の優れた吸着エレメントを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の吸着エレメントは、支持体と、前記支持体に支持され、吸着微粉及び微小繊維状セルロースを含んで吸着質を吸着可能な吸着材とを有する吸着エレメントであって、
前記吸着材は、内部に位置し、前記吸着微粉及び前記微小繊維状セルロースを有して形成された吸着本体と、
前記吸着本体を包囲し、前記微小繊維状セルロースで形成された仕上層とからなることを特徴とする。
本発明の吸着エレメントでは、吸着微粉及び微小繊維状セルロースを有して形成された吸着本体が微小繊維状セルロースで形成された仕上層によって包囲されている。このため、従来の吸着材である吸着本体の一部が使用中に支持体から離脱し難い。また、吸着本体を包囲する仕上層は微小繊維状セルロースで形成されており、それ自身である程度の吸着能力を発揮するとともに、内部の吸着本体の吸着能力をほとんど損なわない。
したがって、本発明の吸着エレメントは、より高いろ過能力や浄化能力を発揮することができる。
支持体としては、不織布シート、フィルターカートリッジ、連続気泡を有するスポンジフィルタ、連続気泡を有する多孔質セラミック等を採用することができる。汚染水をろ過したり、汚染気体を浄化したりするために吸着エレメントを使用する場合には、支持体として、繊維が絡み合った不織布シート等や連続気泡を有するスポンジフィルタ等を採用することが好ましい。不織布シート等の繊維間やスポンジフィルタ等の連続気泡によって形成される流路に汚染水が含浸したり、汚染気体が浸透したりし、汚染水や汚染気体が含有する異物等の吸着質をより好適に吸着できるからである。また、支持体は、カートリッジシェル等のろ過システムに脱着可能なカートリッジに充填されるものであることが好ましい。支持体を容易に交換し易いからである。
吸着微粉としては、ゼオライト、シリコチタネート、不溶性フェロシアン化鉄、結晶質四チタン酸、チタノシリケート、プルシアンブルー、珪藻土、活性炭、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂等の少なくとも1種を採用することができる。これら及びこれらの割合は吸着しようとする吸着質によって適宜選択される。
微小繊維状セルロースとしては、ダイセルファインケム株式会社製「セリッシュ」(登録商標)、日本製紙株式会社製「セルロースナノファイバー」等を採用することができる。微小繊維状セルロースは混合しながら粉砕することにより、長期間に亘って安定したエマルジョンを形成することができる。このため、微小繊維状セルロースは、吸着微粉とともに吸着本体を構成する場合には、吸着微粉を支持体に好適に保持する機能を発揮する。また、微小繊維状セルロースは、仕上層を構成する場合には、吸着本体の吸着微粉が支持体から離脱することを防止する機能を発揮する。
吸着本体における吸着微粉と微小繊維状セルロースとの割合は、吸着エレメントの使用環境等によって適宜選択される。微小繊維状セルロースの含有量が多い程、吸着微粉が離脱し難い。但し、吸着本体中の微小繊維状セルロースの割合が高くなると、吸着本体中の吸着微粉の割合が相対的に低くなり、吸着微粉による吸着質の吸着能力を十分に発揮し難くなる。また、仕上層の厚みも吸着エレメントの使用環境等によって適宜選択される。仕上層の厚みが厚い程、吸着微粉が離脱し難い。
本発明の吸着エレメントの製造方法は、支持体と、前記支持体に支持され、吸着微粉及び微小繊維状セルロースを含んで吸着質を吸着可能な吸着材とを有する吸着エレメントの製造方法であって、
分散媒が水であり、分散質が前記吸着微粉及び前記微小繊維状セルロースである吸着本体用分散系を調製する第1調製工程と、
分散媒が水であり、分散質が前記微小繊維状セルロースである仕上層用分散系を調製する第2調製工程と、
前記支持体に前記吸着本体用分散系を接触させて第1粗材を得る第1粗材形成工程と、
前記第1粗材を乾燥し、前記支持体に吸着本体を形成した第2粗材を得る第2粗材形成工程と、
前記吸着本体に前記仕上層用分散系を接触させて第3粗材を得る第3粗材形成工程と、
前記第3粗材を乾燥し、前記吸着本体を仕上層で包囲した前記吸着材を形成した吸着エレメントを得る完成工程とを備えていることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、本発明の吸着エレメントを製造できる。
第1調製工程では、分散媒としての水と、分散質としての吸着微粉及び微小繊維状セルロースとを含む混合物をミル等によって混合しながら粉砕し、エマルジョンとなった吸着本体用分散系を得ることが好ましい。第2調製工程では、分散媒としての水と、分散質としての微小繊維状セルロースとを含む混合物をミル等によって混合しながら粉砕し、エマルジョンとなった仕上層用分散系を得ることが好ましい。いずれの混合物においても、分散質が分散媒中で好適に分散されるよう、種々の分散剤を添加してもよい。
吸着微粉は、ゼオライト、シリコチタネート、不溶性フェロシアン化鉄、結晶質四チタン酸、チタノシリケート、プルシアンブルー、珪藻土、活性炭、陽イオン交換樹脂その他の少なくとも1種である正電荷をもつ正電荷吸着微粉と、陰イオン交換樹脂である負電荷をもつ負電荷吸着微粉とからなることが好ましい。第1調製工程は、正電荷吸着微粉を含む正電荷吸着本用分散系を得る第1正電荷調製工程と、負電荷吸着微粉を含む負電荷吸着本体用分散系を得る第1負電荷調製工程とからなることが好ましい。また、第1粗材形成工程は、支持体に正電荷吸着本体用分散系及び負電荷吸着本体用分散系の一方を接触させて第1中間粗材を得る第1中間粗材形成工程と、第1中間粗材に正電荷吸着本体用分散系及び負電荷吸着本体用分散系の他方を接触させて第1粗材を得る第1粗材完成工程とからなることが好ましい。そして、第2粗材形成工程では、第1粗材を乾燥することが好ましい。
吸着本体用分散系が正電荷吸着微粉と負電荷吸着微粉とを含むと、吸着本体用分散系は凝集体を形成し易く、吸着本体用分散系が分散質を沈降させ易い。この場合、吸着エレメントを製造することが困難になる。これを防止するために多量の分散剤を用いると、吸着微粉や微笑繊維状セルロースの機能の低下が懸念される。この点、上記のように吸着エレメントを製造すれば、第1正電荷調製工程で得られた正電荷吸着本用分散系が分散質を沈降させ難く、第1負電荷調製工程で得られた負電荷吸着本用分散系が分散質を沈降させ難い。このため、多量の分散剤を用いなくても、正電荷吸着本用分散系や負電荷吸着本用分散系が分散質を長期に分散させており、吸着エレメントを製造することが比較的容易になる。
第1粗材形成工程では、吸着材に吸着質を吸着させた使用済吸着エレメントの吸着材に吸着本体用分散系を接触させることもできる。この場合、使用済吸着エレメントの吸着材が離脱し難くなる。こうして、使用済吸着エレメントの再利用が可能になる。
得られた吸着エレメントは、従来の吸着エレメントと同様、汚染水、蓄養水、搬送水等のろ過、汚染水の脱色、放射性物質による汚染水の除染、汚染気体の脱臭等に用いられ得る。また、例えば、吸着エレメントによって汚染水のろ過を行っている間、エマルジョンとなった吸着本体用分散系を吸着エレメントの上流側に所定量注入し、仕上層上に吸着本体を設けることもできる。この場合、仕上層が吸着本体を好適に保持する。これにより、ろ過の継続によって低下したろ過能力や浄化能力を新たな吸着本体によって回復させることができる。
本発明の吸着エレメントによれば、より高いろ過能力や浄化能力を発揮することができる。
図1は、実施例1、2の吸着エレメントに係り、図(A)は支持体の拡大模式断面図、図(B)は第1中間粗材の拡大模式断面図、図(C)は第1粗材の拡大模式断面図、図(D)は第2粗材の拡大模式断面図、図(E)は第3粗材の拡大模式断面図、図(F)は吸着エレメントの拡大模式断面図である。 図2は、実施例1、2の吸着エレメントの製造方法を示す工程図である。 図3は、実施例1、2の吸着エレメントを用いたろ過システムの模式図である。 図4は、実施例1、2の吸着エレメントによって汚染水をろ過している状態を示す拡大模式断面図である。 図5は、実施例3の吸着エレメントに係り、図(A)は使用済吸着エレメントの拡大模式断面図、図(B)は第1粗材の拡大模式断面図、図(C)は第2粗材の拡大模式断面図、図(D)は第3粗材の拡大模式断面図、図(E)は再利用する吸着エレメントの拡大模式断面図である。 図6は、実施例4の吸着エレメントに係り、図(A)は使用済吸着エレメントの拡大模式断面図、図(B)は第1粗材の拡大模式断面図、図(C)は第2粗材の拡大模式断面図、図(D)は第3粗材の拡大模式断面図、図(E)は再利用する吸着エレメントの拡大模式断面図である。 図7は、スミイカの搬送水の紫外線吸収特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施例1〜9の吸着エレメントに具体化する。また、実施例1〜9の吸着エレメントの効果を比較例1〜11との比較により検証1〜6によって確認した。
<検証1>
(実施例1)
図1(A)に示すように、支持体1としての不織布シートを用意する。この不織布シートの互いに絡み合った各繊維1aはポリエステルからなる。
また、正電荷吸着微粉としての陽イオン交換樹脂粉末(三菱化学株式会社製PK316、含水50%)と、負電荷吸着微粉としての陰イオン交換樹脂粉末(三菱化学株式会社製PA316、含水50%)とを用意する。さらに、微小繊維状セルロース(ダイセルファインケミカル株式会社製セリッシュ(登録商標)、含水90%)を用意する。
そして、図2に示すように、第1調製工程S10を行う。第1調製工程S10は、第1正電荷調製工程S11と、第1負電荷調製工程S12とからなる。
第1正電荷調製工程S11では、まず、陽イオン交換樹脂粉末100質量%と、微小繊維状セルロース10質量%とを1000質量%の蒸留水に投入し、混合物を得る。この混合物を常温下で株式会社テスコム製「ジュースミキサーTM8100」によって1分間粉砕し、エマルジョンとなった正電荷吸着本体用分散系3を得る。
第1負電荷調製工程S12では、陰イオン交換樹脂粉末100質量%と、微小繊維状セルロース10質量%とを1000質量%の蒸留水に投入し、混合物を得る。この混合物を正電荷吸着本体用分散系3と同様に粉砕し、エマルジョンとなった負電荷吸着本体用分散系5を得る。
また、第2調製工程S20を行う。第2調製工程S20では、微小繊維状セルロース100質量%を1000質量%の蒸留水に投入し、これを正電荷吸着本体用分散系3や負電荷吸着本体用分散系5と同様に粉砕し、エマルジョンとなった仕上層用分散系7を得る。
この後、第1粗材形成工程S30を行う。第1粗材形成工程S30は、第1中間粗材形成工程S31と、第1粗材完成工程S32とからなる。
第1中間粗材形成工程S31では、まず正電荷吸着本体用分散系3を蒸留水によって10倍に希釈し、希釈液とする。そして、図1(B)に示すように、支持体1をその希釈液に浸漬して第1中間粗材9を得る。この際、正電荷吸着本用分散系3は、分散剤を用いなくても、分散質としての陽イオン交換樹脂粉末及び微小繊維状セルロースを沈降させ難い。このため、比較的容易に第1中間粗材9を得ることができる。
また、第1粗材完成工程S32においても、負電荷吸着本体用分散系5を蒸留水によって10倍に希釈し、希釈液とする。そして、図1(C)に示すように、第1中間粗材9をその希釈液に浸漬して第1粗材11を得る。この際も、負電荷吸着本用分散系5は、分散剤を用いなくても、分散質としての陰イオン交換樹脂粉末及び微小繊維状セルロースを沈降させ難い。このため、比較的容易に第1粗材11を得ることができる。
なお、実施例1では、第1中間粗材9を乾燥させることなく、負電荷吸着本体用分散系5に浸漬して第1粗材11を得たが、第1中間粗材9を一旦乾燥させた後で負電荷吸着本体用分散系5に浸漬して第1粗材11を得てもよい。
次いで、図2に示すように、第2粗材形成工程S40を行う。ここでは、図1(D)に示すように、第1粗材11を80°Cで1時間乾燥し、第2粗材13を得る。第2粗材13は、支持体1と、支持体1上に形成された吸着本体15とからなる。吸着本体15は、支持体1上で正電荷吸着本体用分散系3が乾燥して形成された第1吸着本体3aと、第1吸着本体3a上で負電荷吸着本体用分散系5が乾燥して形成された第2吸着本体5aとからなる。但し、第1吸着本体3a及び第2吸着本体5aはある程度の水を含んでいる。こうして得られた第1吸着本体3aは、陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比が4:1である。また、第2吸着本体5aは、陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比が4:1である。
また、図2に示すように、第3粗材形成工程S50を行う。ここでは、図1(E)に示すように、第2粗材13を仕上層用分散系7に浸漬して第3粗材17を得る。
次いで、図2に示すように、完成工程S60を行う。ここでは、図1(F)に示すように、第3粗材17を80°Cで1時間乾燥し、吸着エレメント19を得る。
こうして得られた実施例1の吸着エレメント19は、表1に示すように、支持体1と、支持体1に支持された吸着材21とからなる。吸着材21は、吸着本体15と、吸着本体15上に形成された仕上層7aとからなる。吸着本体15は、内部に位置し、吸着微粉及び微小繊維状セルロースを有して形成されている。実施例1の吸着エレメント19は、吸着微粉として、陽イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂とを採用している。仕上層7aは、吸着本体15上で仕上層用分散系7が乾燥して形成されている。但し、仕上層7aもある程度の水を含んでいる。仕上層7aは、吸着本体15を包囲し、微小繊維状セルロースで形成されている。
Figure 0006422029
実施例1の吸着エレメント19は例えば図3に示すろ過システムに用いられる。このろ過システムでは、タンク31の底部から延びる配管33がカートリッジシェル(タキエンジニアリング株式会社扱いによる輸入品)35の底部に接続されており、カートリッジシェル35の上部から延びる配管37がポンプ39を介してタンク31の上方まで設けられている。カートリッジシェル35は脱着可能なカートリッジ35aを有しており、吸着エレメント19はそのカートリッジ35aに充填される。タンク31内には汚染水が貯留されている。
ポンプ39を稼働すると、タンク31内の汚染水が配管33を経て一定の流量でカートリッジシェル35に供給される。カートリッジシェル35に供給された汚染水は、カートリッジ35a内の吸着エレメント19によって一定の流量によってろ過される。この際、図4に示すように、汚染水は、各繊維1aの表面に形成された吸着材21と接触し、異物が吸着材21によって吸着される。こうして吸着エレメント19による汚染水のろ過が繰り返され、タンク31内の汚染水が次第に浄化される。
(実施例2)
実施例2の吸着エレメント19は、正電荷吸着微粉として、陽イオン交換樹脂粉末及びプルシアンブルーを採用している。図1(D)〜(F)で示される第1吸着本体3aは、表1に示すように、陽イオン交換樹脂粉末とプルシアンブルーと微小繊維状セルロースとの質量比が4:1.6:1である。他の構成及び製造方法は実施例1と同様であるため、詳細な説明の繰り返しは省略する。
(比較例1、2)
比較例1、2の吸着エレメントは、上記の第2調製工程S20、第3粗形材形成工程S50及び完成工程S60を経ることなく製造されている。つまり、比較例1、2の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、吸着本体15が仕上層7aによって包囲されていない。比較例1の吸着本体(吸着材)では、第1吸着本体は陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比が4:1であり、第2吸着本体は陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比が4:1である。これに対し、比較例2の吸着本体(吸着材)では、第1吸着本体は陽イオン交換樹脂粉末とプルシアンブルーと微小繊維状セルロースとの質量比が4:1.6:1であり、第2吸着本体は陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比が4:1である。
(試験1)
実施例1、2の吸着エレメントのろ過能力を確認するため、比較例1、2の吸着エレメントとともに、以下の試験1を行った。試験1では、放射性セシウムによって汚染された汚染水のろ過能力を比較した。
試験1に際しては、上記のろ過システムを用い、汚染水を約5L/分の流量で循環させた。タンク31の汚染水中には、セシウム134が140Bq/Kg含まれているとともに、セシウム137が500Bq/Kg含まれている。汚染水中の放射線濃度の測定は、測ゲルマニウム半導体検出器によるスペクトロメトリー分析法によって行った。濁度の測定機器としては、セイコー・イージーアンドジー社製のSEC−EMS型を採用した。ろ過前の汚染水のpH、各吸着エレメントを用いてろ過した後の汚染水のpHも測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006422029
表2に示されるように、比較例1の吸着エレメントでは、濁度ではある程度の効果を発揮しているものの、汚染水中のセシウム134及びセシウム137をあまり低下させることができていない。また、比較例2の吸着エレメントでは、比較例1の吸着エレメントよりも高い効果を発揮している。
一方、実施例1、2の吸着エレメントでは、汚染水中のセシウム134及びセシウム137を共に測定限界以下(ND)まで低下させることができている。また、これらは汚染水の濁度も0.1まで低下させている。
実施例1、2の吸着エレメントと比較例1、2の吸着エレメントとにおけるろ過能力の違いについて、発明者らは以下のように考察した。すなわち、比較例1、2の吸着エレメントでは、吸着材が吸着本体のみで構成されている。このため、吸着材の一部の吸着微粉が使用中に支持体から離脱したと考えられる。これにより、ろ過後の汚染水中に吸着材の一部とともにセシウム134やセシウム137が含まれることになり、上記のような結果となったと考えられる。また、これにより、汚染水の濁度も十分に低下させることができなかったと考えられる。
これに対し、実施例1、2の吸着エレメントでは、吸着材21が吸着本体15及び仕上層7aによって構成されており、吸着本体15が仕上層7aによって包囲されている。このため、吸着本体15の一部の吸着微粉が使用中に支持体1から離脱し難くなっている。また、吸着本体21を包囲する仕上層7aが微小繊維状セルロースで形成されており、それ自身である程度の吸着能力を発揮するとともに、内部の吸着本体21の吸着能力を損なわない。このため、汚染水中のセシウム134及びセシウム137が共に測定限界以下まで低下する結果となったと考えられる。また、汚染水の濁度も0.1まで低下する結果となったと考えられる。
なお、上記実施例1、2の吸着エレメント19では、吸着本体15を第1吸着本体3aと第2吸着本体5aとで構成したが、吸着本体15を第1吸着本体3a又は第2吸着本体5aだけで構成してもよい。また、吸着本体15を第1吸着本体3a、第2吸着本体5a及び第1吸着本体3aで構成したり、第1吸着本体3a、第2吸着本体5a、第1吸着本体3a及び第2吸着本体5aで構成したりする等、多層にしてもよい。
(実施例3)
実施例3の吸着エレメントでは、図5(A)に示すように、実施例1の吸着エレメント19における支持体1に代えて、使用済吸着エレメント41を採用している。使用済吸着エレメント41は、支持体の各繊維41aと、各繊維41aの表面に形成された吸着材41bとからなる。吸着材41bには、異物等の吸着質が既に吸着されている。
また、実施例1、2と同様、吸着微粉と、微小繊維状セルロースとを用意する。そして、図2に示すように、第1調製工程S10を行い、吸着本体用分散系43を得る。また、第2調製工程S20を行い、仕上層用分散系7を得る。
この後、第1粗材形成工程S30を行い、図5(B)に示すように、使用済吸着エレメント41を吸着本体用分散系43の希釈液に浸漬して第1粗材45を得る。
次いで、図2に示すように、第2粗材形成工程S40を行い、図5(C)に示すように、第1粗材45を乾燥し、第2粗材47を得る。第2粗材47は、使用済吸着エレメント41と、使用済吸着エレメント41上に形成された吸着本体43aとからなる。吸着本体43aは、使用済吸着エレメント41上で吸着本体用分散系43が乾燥して形成されている。
また、図2に示すように、第3粗材形成工程S50を行い、図5(D)に示すように、第2粗材47を仕上層用分散系7に浸漬して第3粗材49を得る。
次いで、図2に示すように、完成工程S60を行い、図5(E)に示すように、第3粗材49を乾燥し、吸着エレメント51を得る。
こうして再利用する実施例3の吸着エレメント51は、使用済吸着エレメント41と、使用済吸着エレメント41上に形成された吸着材53とからなる。吸着材53は、吸着本体43aと、吸着本体43a上に形成された仕上層7aとからなる。この吸着エレメント51では、使用済吸着エレメント41の吸着材41bが離脱し難くなる。こうして、使用済吸着エレメント41の再利用が可能になる。
(実施例4)
実施例4の吸着エレメントでは、図6(A)に示すように、実施例3の使用済吸着エレメント41に代えて、使用済吸着エレメント61を採用している。使用済吸着エレメント61は、支持体1の各繊維1aと、各繊維1a上に形成された吸着材63とからなる。吸着材63は、吸着本体63aと、吸着本体63a上に形成された仕上層63bとからなる。吸着材63には、異物等の吸着質が既に吸着されている。つまり、使用済吸着エレメント61は、実施例1、2の吸着エレメント19を一旦使用したものである。
また、実施例1〜3と同様、吸着微粉と、微小繊維状セルロースとを用意する。そして、図2に示すように、第1調製工程S10を行い、吸着本体用分散系65を得る。また、第2調製工程S20を行い、仕上層用分散系7を得る。
この後、第1粗材形成工程S30を行い、図6(B)に示すように、使用済吸着エレメント61を吸着本体用分散系65の希釈液に浸漬して第1粗材67を得る。
次いで、図2に示すように、第2粗材形成工程S40を行い、図6(C)に示すように、第1粗材67を乾燥し、第2粗材69を得る。第2粗材69は、使用済吸着エレメント61と、使用済吸着エレメント61上に形成された吸着本体65aとからなる。吸着本体65aは、使用済吸着エレメント61上で吸着本体用分散系65が乾燥して形成されている。
また、図2に示すように、第3粗材形成工程S50を行い、図6(D)に示すように、第2粗材69を仕上層用分散系7に浸漬して第3粗材71を得る。
次いで、図2に示すように、完成工程S60を行い、図6(E)に示すように、第3粗材71を乾燥し、吸着エレメント73を得る。
こうして再利用する実施例4の吸着エレメント73は、使用済吸着エレメント61と、使用済吸着エレメント61上に形成された吸着材75とからなる。吸着材75は、吸着本体65aと、吸着本体43a上に形成された仕上層7aとからなる。この吸着エレメント73では、使用済吸着エレメント61の吸着材63が離脱し難くなる。こうして、使用済吸着エレメント61の再利用が可能になる。
<検証2>
(比較例3)
支持体1としての不織布シートと、吸着微粉としてのゼオライトとを用意した。比較例3は、表3に示すように、不織布シートをそのまま吸着エレメントとしており、吸着材(吸着本体)を有していない。
Figure 0006422029
(比較例4)
比較例4の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上にゼオライトと微小繊維状セルロースからなる吸着材を形成したものである。ゼオライトと微小繊維状セルロースとの質量比は4:1である。
(比較例5)
比較例5の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上にゼオライトと陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとからなる吸着材を形成したものである。吸着材のゼオライトと陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比は2:2:1である。
(比較例6)
比較例6の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上にゼオライトと陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとからなる第1吸着本体3aを形成した後、第1吸着本体3a上にゼオライトと微小繊維状セルロースとからなる第2吸着本体5aを形成したものである。第1吸着本体3aのゼオライトと陽イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比は2:2:1であり、第2吸着本体5aのゼオライトと微小繊維状セルロースとの質量比は4:1である。
(比較例7)
リン酸一水素ナトリウム(Na2HPO4)を濃度1%で含む20°Cのリン酸水溶液を用意した。比較例7の吸着エレメントは、比較例1の吸着エレメントをこのリン酸水溶液に浸漬し、乾燥させたものである。
(比較例8)
比較例8の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上にゼオライトと微小繊維状セルロースとからなる第1吸着本体3aを形成した後、第1吸着本体3a上に再度ゼオライトと微小繊維状セルロースとからなる第2吸着本体5aを形成したものである。第1吸着本体3aのゼオライトと微小繊維状セルロースとの質量比は4:1であり、第2吸着本体5aのゼオライトと微小繊維状セルロースとの質量比は4:1である。
(実施例5)
実施例5の吸着エレメントは、比較例8の吸着エレメントに第3粗材形成工程S50及び完成工程S60を施したものである。この吸着エレメントは、図1(F)に示すように、支持体1と、支持体1上に形成された吸着材21とからなる。吸着材21は、第1吸着本体3aと、第1吸着本体3a上に形成された第2吸着本体5aと、第2吸着本体5a上に形成された仕上層7aとからなる。他の構成及び製造方法は実施例1と同様であるため、詳細な説明の繰り返しは省略する。
(試験2)
以下のモデル試験を行った。まず、非放射性セシウムを100ppm溶解させた試験用淡水100gを用意した。また、非放射性セシウムを100ppm溶解させ、20倍に希釈した試験用模擬海水(Na、Mg、K含有)100gを用意した。
上記実施例5の吸着エレメントと比較例3〜8の吸着エレメントとを試験用淡水に浸透して放置し、24時間放置した。これを10回繰り返し、その後の試験用淡水中の非放射性セシウム濃度をICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)にて測定した。また、各吸着エレメントを試験用模擬海水に同様に浸漬し、試験用模擬海水中の非放射性セシウム濃度を同様に測定した。各濃度から除染割合(%)を求めた。
また、各吸着エレメントから50mm×30mmの試験片を切り出し、これらをトールビーカに投入し、超音波処理(40Hz,10分間)を行った。こうして、吸着微粉の離脱割合(%)を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006422029
表4に示されるように、実施例5の吸着エレメント及び比較例4〜8の吸着エレメントは非放射性セシウムを高い割合で除染できることがわかる。しかしながら、比較例4〜8の吸着エレメントは吸着微粉が離脱することがわかる。これに対し、実施例5の吸着エレメントは吸着微粉が離脱し難いことがわかる。
したがって、発明者らの上記考察は正しく、実施例5の吸着エレメントはより高いろ過能力を発揮できることがわかる。
<検証3>
(再生処理)
試験2に供した各吸着エレメントから50mm×30mmの試験片を切り出し、これらをトールビーカに入れ、0.1N濃度、70°Cの希塩酸水溶液100mlに投入し、5分間マグネチックスタラーで撹拌した。この後、各試験片を取り出し、水洗、脱水した試験片を0.1N濃度、70°CのNaH2PO4水溶液100mlに投入し、上記と同様に撹拌した。
この後、各試験片を取り出し、水洗、脱水し、再生処理を行った。再生処理後の試験片について、放射性セシウムの残留量を測定したが、その残留は認められなかった。
また、これを繰り返し使用した場合、放射性セシウムの吸着量が初期の値に対して90%以上と遜色がなかったことを確認した。このため、実施例5の吸着エレメントは、繰り返して使用できることがわかる。
<検証4>
(比較例9)
支持体1としての不織布シート(25cm×25cm)と、吸着微粉としての活性炭(150メッシュ、太閤)とを用意した。比較例9の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上に活性炭と微小繊維状セルロースとからなる吸着本体15を形成したものである。表5に示すように、吸着本体15の活性炭と微小繊維状セルロースとの質量比は4:1である。
Figure 0006422029
(比較例10)
比較例10の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上に活性炭と微小繊維状セルロースとからなる第1吸着本体3aを形成した後、第1吸着本体3a上に活性炭と陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとからなる第2吸着本体5aを形成したものである。第1吸着本体3aの活性炭と微小繊維状セルロースとの質量比は4:1であり、第2吸着本体5aの活性炭と陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比は1:10:4である。
(比較例11)
比較例11の吸着エレメントは、図1(D)に示す第2粗材13に相当し、支持体1上に活性炭と陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとからなる第1吸着本体3aを形成した後、第1吸着本体3a上に活性炭と微小繊維状セルロースとからなる第2吸着本体5aを形成したものである。第1吸着本体3aの活性炭と陰イオン交換樹脂粉末と微小繊維状セルロースとの質量比は1:10:4であり、第2吸着本体5aの活性炭と微小繊維状セルロースとの質量比は4:1である。
(実施例6)
実施例6の吸着エレメントは、比較例9の吸着エレメントを図1(D)に示す第2粗材13とし、第3粗材形成工程S50及び完成工程S60を実施したものである。他の構成及び製造方法は実施例1と同様であるため、詳細な説明の繰り返しは省略する。
(試験3)
内容量200Lのポリプロピレン製の密閉容器の底部に各吸着エレメントを封入し、脱臭能力を測定した。初期濃度は、密閉容器内に臭気成分を所定量注入し、1時間放置して臭気成分を拡散させ、一定の60ppmとした。所定時間毎にサンプリング孔に検知管をセットし、各吸着エレメントによる脱臭能力を測定した。有機酸を臭気成分と想定し、活性炭と陰イオン交換樹脂粉末との相乗作用を確認した。結果を表6に示す。
Figure 0006422029
表6からわかるように、比較例9〜11の吸着エレメントも高い脱臭能力を発揮するが、実施例6の吸着エレメントはより高い脱臭能力を発揮した。
<検証5>
上記実施例6の吸着エレメントと、上記比較例9〜11の吸着エレメントとを用意した。また、実施例7〜9の吸着エレメントを用意した。実施例7の吸着エレメントは、比較例10の吸着エレメントを図1(D)に示す第2粗材13とし、第3粗材形成工程S50及び完成工程S60を実施したものである。実施例8の吸着エレメントは、比較例11の吸着エレメントを図1(D)に示す第2粗材13とし、第3粗材形成工程S50及び完成工程S60を実施したものである。実施例9の吸着エレメントは、実施例8の吸着エレメントに上記再生処理を実施したものである。実施例6〜9及び比較例9〜11の吸着エレメントの吸着材の構成を表7に示す。
Figure 0006422029
(試験4)
原糖(ナタール産蔗糖)100gを水道水1Lに溶解した糖液(光吸度420nm、1cm:0.150、720nm、1cm:0.005)をビーカに入れ、各吸着エレメントの裁断物(1cm×1cm)1gを投入した。この後、60°C恒温槽中でマグネックスタラーで1時間撹拌し、処理液とした。この後、420nm、10mm(黄褐色)及びT720nm、10mm(濁度)における処理液の吸光度を分光光度計を用いて測定した。こうして、脱色試験を実施した。
各処理液から裁断物を回収し、水道水で洗浄後、脱水した。得られた裁断物をビーカに移し、0.1Nの塩酸1Lを加えて70°Cに加温し、マグネチックスタラーを用いて10分間撹拌した。この後、塩酸溶液を炭酸ソーダで中和し、各々の溶液について吸光度を調べた。こうして脱着色素量を測定した。結果を表8に示す。
Figure 0006422029
表8からわかるように、比較例9〜11の吸着エレメントでは、外乱(撹拌)により少量の吸着微粉の離脱が認められたが、実施例6〜9の吸着エレメントでは、吸着微粉の離脱が極端に減少している。特に、実施例7〜9の吸着エレメントでは吸着微粉の離脱がなかった。
<検証6>
従来、生きたスミイカを運搬する方策として、30L前後の容量の発泡スチロール製の容器内にスミイカを海水からなる搬送水とともに入れ、トラック輸送することが行われていた。しかし、輸送中のスミイカは、翌日まで生存していることはあり得ず、墨も吐いていた。このため、スミイカを生存させたまま長距離輸送することはできず、その対策が望まれていた。
このため、スミイカを入れた容器内の搬送水に上記実施例1の吸着エレメントを浮遊させ、トラック輸送した。その結果、10杯中、1杯のスミイカしか死なず、墨も吐いていなかった。
また、搬送水中に何も入れずにスミイカを搬送した場合の搬送水と、実施例1の吸着エレメントを浮遊させてスミイカを搬送した場合の搬送水とについて、紫外線吸収特性を求めた。結果を図7に示す。図7の縦軸は波長域(nm)を示し、横軸は吸光度を示す。
図7を見ても、実施例1の吸着エレメントは、優れたろ過能力や浄化能力を発揮することがわかる。このろ過能力や浄化能力は水生生物にすれば、薬理作用として発揮される。捲きエビについても同様の効果を確認した。
以上において、本発明を実施例1〜9に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜9に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、支持体として、連続気泡を有するスポンジフィルタ等を採用することも可能である。また、吸着微粉としては、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、プルシアンブルーの他、ゼオライト、シリコチタネート、不溶性フェロシアン化鉄、結晶質四チタン酸、チタノシリケート、珪藻土等を採用することも可能である。
本発明の吸着エレメントは、汚染水の浄化、汚染気体の浄化等に利用可能である。
1…支持体
21、53、75…吸着材
15、43a、65a…吸着本体
7a…仕上層
19、51、73…吸着エレメント
3、5…吸着本体用分散系(3…正電荷吸着本用分散系、5…負電荷吸着本体用分散系)
S10…第1調製工程(S11…第1正電荷調製工程、S12…第1負電荷調製工程)
7…仕上層用分散系
S20…第2調製工程
11…第1粗材
S30…第1粗材形成工程(S31…第1中間粗材形成工程、S32…第1粗材完成工程)
9…第1中間粗材
13…第2粗材
S40…第2粗材形成工程
17…第3粗材
S50…第3粗材形成工程
S60…完成工程
41、61…使用済吸着エレメント

Claims (4)

  1. 支持体と、少なくともイオン交換樹脂微粉及びプルシアンブルーを含む吸着微粉ならびに微小繊維状セルロースを含んで吸着質を吸着可能な吸着材を有する吸着エレメントであって、
    前記吸着微粉が前記支持体に微小繊維状セルロースによって直接支持された吸着本体と、
    前記吸着本体を包囲し、前記微小繊維状セルロースで形成された仕上層とからなることを特徴とする吸着エレメント。
  2. 請求項1の吸着エレメントの製造方法であって、
    分散水が水であり、分散質が前記吸着微粉及び前記微小繊維状セルロースである吸着本体用分散系を調整する第1調整工程と、
    分散水が水であり、分散質が前記微小繊維状セルロースである仕上層用分散系を調整する第2調整工程と、
    前記支持体に前記吸着本体用分散系を接触させて第1粗材を得る第1粗材形成工程と、前記第1粗材を乾燥し、前記支持体に吸着本体を形成した第2粗材を得る第2粗材形成工程と、
    前記吸着本体に前記仕上層用分散系を接触させて第3粗材を得る第3粗材形成工程と、前記第3粗材を乾燥し、前記吸着本体を仕上層で包囲した前記吸着材を形成した吸着エレメントを得る完成工程とを備えていることを特徴とする吸着エレメントの製造方法。
  3. 前記吸着微粉は少なくとも陽イオン交換樹脂及びプルシアンブルーを含む正電荷をもつ正電荷吸着微粉と
    陰イオン交換樹脂である負電荷をもつ負電荷吸着微粉とからなり、
    前記第1調整工程は、前記正電荷吸着微粉を含む正電荷吸着本体用分散系を得る第1正電荷調整工程と、
    前記負電荷吸着微粉を含む負電荷吸着本体用分散系を得る第1負電荷調整工程とからなり、
    前記第1粗材形成工程は、前記支持体に前記正電荷吸着本体用分散系及び前記負電荷吸着本体用分散系の一方を接触させて第1中間粗材を得る第1中間粗材形成工程と、
    前記第1中間粗材に前記支持体に前記正電荷吸着本体用分散系及び前記負電荷吸着本体用分散系の他方を接触させて前記第1粗材を得る第1粗材完成工程とからなり、
    前記第2粗材形成工程では、前記第1粗材を乾燥する請求項2記載の吸着エレメントの製造方法。
  4. 請求項1記載の吸着エレメントに吸着質が吸着した使用済吸着エレメントと、少なくともイオン交換樹脂微粉及びプルシアンブルーを含む吸着微粉ならびに微小繊維状セルロースを含んで吸着質を吸着可能な吸着材を有する吸着エレメントであって、
    前記吸着微粉が前記使用済吸着エレメントに微小繊維状セルロースによって直接支持された吸着本体と、
    前記吸着本体を包囲し、前記微小繊維状セルロースで形成された仕上層とからなることを特徴とする吸着エレメント。
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